JP5674000B2 - 塗装用媒体の分離方法 - Google Patents

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本発明は、粘着層形成媒体に付着している粘着物質を塗装対象物の表面に転移させて粘着剤層を形成し、塗膜形成媒体に付着している粉体物質を粘着剤層に転移させて塗料層を形成した後、複数種類の塗装用媒体を分離する方法に関する。
従来、塗装用媒体を使用して塗装対象物の表面に塗膜を形成する方法が知られていた。
特許文献1には、塗装対象物の表面に塗膜を形成する方法として、塗装対象物に形成した粘着性を有する粘着剤層の表面に、目的の粉体物質を転写して塗料層を形成する塗膜形成方法が開示してある。具体的には、粉体物質が付着した鋼球などの塗膜形成媒体を粘着剤層に衝突させることにより、塗膜形成媒体に付着している粉体物質を粘着剤層に転移させて塗料層を形成している(塗膜形成工程)。
使用する塗膜形成媒体の量は、形成する塗料層の厚さにかかわらず、十分な量を使用する必要がある。即ち、塗料層の形成が必要な塗装対象物の表面全体にわたって、粉体物質が均一に塗布されるためには、粉体物質が塗布された塗膜形成媒体が、塗装対象物の表面を満遍なく、且つ、多数回衝突させる必要がある。
そのため、塗膜形成工程の直後には、塗装対象物の表面に未固定の粉体物質や塗膜形成媒体が残留する場合がある。これら残留粉体および残留媒体の存在量が多くなれば塗装対象物の品質は低下する。また、塗装対象物を電子部品あるいは精密機械部品等に使用する場合には必ず除去する必要がある。この場合、超音波洗浄・エアブローなどの方法により、未固定の残留粉体および残留媒体を除去していた(除去工程)。
また、塗料層を転写する場合と同様に、前記粘着剤層を形成する際に、粘着物質を付着した粘着層形成媒体を塗装対象物に衝突させて粘着物質を塗装対象物の表面に転移させて粘着剤層を形成することがある(粘着層形成工程)。
当該粘着層形成工程の直後には、塗装対象物の上に未固定の粘着物質および粘着層形成媒体が残留する場合がある。このような残留物は、上述した除去工程と同様の手法により塗装対象物の表面から除去していた。
即ち、粘着剤層を形成した後に塗料層を形成する場合は、粘着層形成工程の後に除去工程を行ない、塗膜形成工程の後に、再度の除去工程を行なっていた。
特許第2991544号公報
当該除去工程において対象となる全ての未固定の媒体を除去するのが望ましいが、各工程を完全に密閉された空間で行なうのは難しいため、例えば塗膜形成工程の後の除去工程にて残留物を回収したとき、粘着層形成媒体および塗膜形成媒体が混入する場合がある。
例えば粘着層形成媒体はジルコンビーズで形成され、塗膜形成媒体はガラスビーズで形成される。これらはそれぞれ異なる材質で構成されるが、それらの大きさ(粒径)は略同じ(約0.5mm)であり、比重も1以上である。そのため、仮に粘着層形成媒体および塗膜形成媒体が混入した状態になれば、例えば篩を利用してそれぞれを分別するのは困難である。そのため、一旦粘着層形成媒体および塗膜形成媒体が混合すれば、それぞれの媒体を分別回収して再利用することなく、破棄していた。
従って、本発明の目的は、複数種類の塗装用媒体を簡便に分離できる塗装用媒体の分離方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る塗装用媒体の分離方法の第一特徴構成は、比重が1より大きい粘着層形成媒体に付着している粘着物質を塗装対象物の表面に転移させて粘着剤層を形成し、比重が1より大きい塗膜形成媒体に付着している粉体物質を粘着剤層に転移させて塗料層を形成し、前記粘着剤層を形成した後のウエットな状態の前記粘着物質が表面に残留する前記粘着層形成媒体および前記塗料層を形成した後の前記粘着剤層に転移されなかった前記粉体物質が取り込まれずに表面に残留する前記塗膜形成媒体の混合物を水中に投入し、前記表面にウエットな状態で存在する粘着物質に前記粉体物質が取り込まれた前記粘着層形成媒体を水中に沈め、前記表面に残留する前記粉体物質どうしの隙間に気泡が形成された前記塗膜形成媒体を水面に浮遊させて前記粘着層形成媒体および前記塗膜形成媒体を分離する分離工程を有する点にある。
当該混合物に含まれる塗膜形成媒体は、粘着剤層に対して粉体物質を転移させる処理が完了したとはいえ、当該塗膜形成媒体の表面には、粘着剤層に転移されなかった粉体物質が残留しているものが多い。このように塗膜形成媒体の表面に粉体物質が付着している状態で水中に投入すれば、塗膜形成媒体の表面では、粉体物質どうしの隙間に気泡が形成され易く、塗膜形成媒体と水の界面との間に空気を介在させ易くなる。そのため、表面に粉体物質が付着した塗膜形成媒体は、その見かけの比重が小さくなって浮力が向上し、水面に浮遊させることができる。
一方、当該混合物に含まれる粘着層形成媒体も、塗装対象物に対して粘着物質を転移させた後のものである。しかし、粘着層形成媒体の表面にはウェットな状態の粘着物質が存在する。この状態で粘着層形成媒体を塗膜形成媒体と混合すれば、塗膜形成媒体の表面に付着した粉体物質が粘着層形成媒体の表面に付着する場合がある。しかし、粘着層形成媒体の表面に付着した粉体物質は、前記ウェットな状態の粘着物質に取り込まれるため、当該粉体物質は最表面に露出し難くなる。そのため、この状態で混合物に含まれる粘着層形成媒体を水中に投入したとしても、粘着層形成媒体と水の界面との間には空気が介在し難く、粘着層形成媒体の見かけの比重は変化しない。よって、粘着層形成媒体の浮力は変化せず、水中に沈むこととなる。
このようにして本発明の塗装用媒体の分離方法では、粘着層形成媒体および塗膜形成媒体の混合物を水中に投入するだけで、粉体物質が付着した塗膜形成媒体を水面に浮遊させて粘着層形成媒体および塗膜形成媒体を分離することができる。即ち、本発明では、塗膜形成方法の工程で使用した粉体物質が塗料用媒体の比重を調節する比重コントロール剤の役目を果たすため、複数の媒体の分離のために、例えば新たに塗料用媒体の比重を調節する物質を選定する必要がなく、塗膜形成方法の工程で使用した粉体物質をそのまま流用することができるため、簡便に実施することができる。
さらに、通常、各種物質を分離する際に行なわれる沈降分離や浮上分離では、溶液のpH調節や凝集剤の添加など、煩雑な作業を行なう必要がある。しかし、本発明の塗装用媒体の分離方法では、これらの煩雑な作業を行なう必要がなく、pH調整剤や凝集剤などに費やす費用を削減することができる。
よって、本発明の塗装用媒体の分離方法では、同程度の粒径を有する種類の異なる塗料用媒体であっても、簡便に分離して再利用することができる。また、従来では廃棄していた塗料用媒体の廃棄に費やすコストを削減することができる。
本発明に係る塗装用媒体の分離方法の第二特徴構成は、前記分離工程の前処理として、前記混合物に前記粉体物質を添加する粉体物質添加工程を行なう点にある。
本構成のように混合物に粉体物質を添加すれば、より多くの粉体物質を静電的に塗膜形成媒体の表面に付着させることができる。この状態で塗膜形成媒体を水中に投入すれば、塗膜形成媒体の表面では、粉体物質どうしの隙間に気泡がより形成され易くなり、塗膜形成媒体と水の界面との間に空気をより介在させ易くなる。そのため、表面により多くの粉体物質が付着した塗膜形成媒体は、その見かけの比重がより小さくなって浮力が向上し、確実に水面に浮遊させることができる。
一方、当該混合物に含まれる粘着層形成媒体は、粉体物質を添加したとしても、当該粉体物質は粘着層形成媒体の表面に存在するウェットな状態の粘着物質に取り込まれるため、当該粉体物質は最表面に露出し難くなる。そのため、この状態で混合物に含まれる粘着層形成媒体を水中に投入したとしても、粘着層形成媒体と水の界面との間には空気が介在し難く、粘着層形成媒体の見かけの比重は変化することはないため浮力は変化せず、水中に沈むこととなる。
従って、本構成では、塗膜形成媒体をより確実に水面に浮遊させることができるため、粘着層形成媒体および塗膜形成媒体を確実に分離することができる。
本発明に係る塗装用媒体の分離方法の第三特徴構成は、前記分離工程において、前記塗膜形成媒体の水への浮遊時間の最長時間を設定した点にある。
水に投入された塗膜形成媒体の表面からは、粉体物質が徐々に分離する。よって、塗膜形成媒体と水の界面との間に介在する空気(気泡)も、徐々に失われる。そのため、塗膜形成媒体を浮遊させる最長の時間を設定することで、塗膜形成媒体が水没する前に水面にて確実に回収することができる。
本発明に係る塗装用媒体の分離方法の第四特徴構成は、前記粉体物質が付着した塗膜形成媒体を分離した後、当該粉体物質が付着した塗膜形成媒体に界面活性成分を含有する洗浄剤を付加して、前記粉体物質および前記塗膜形成媒体を分離する洗浄工程を有する点にある。
分離工程によって分離された塗膜形成媒体の表面には粉体物質が付着している。この状態で塗膜形成媒体に洗浄剤を付加すれば、洗浄剤の界面活性成分が塗膜形成媒体の表面に浸透し、当該界面活性成分の界面活性作用によって粉体物質を塗膜形成媒体から分離して洗浄することができる。
そして、洗浄工程によって塗膜形成媒体の表面より粉体物質を分離すると、塗膜形成媒体自身が有する比重のため、塗膜形成媒体を水中に沈殿させることができる。このようにして沈殿した塗膜形成媒体は、容易に回収することができる。
塗膜形成方法および本発明の塗膜用媒体の分離方法の手順を示した流れ図である。 塗装対象物の表面に塗膜を形成する概略図である。 塗膜用媒体の分離態様を示す概略図である。 分離工程における塗膜用媒体の状態を示す概略図である。 別実施形態の分離工程における塗膜用媒体の状態を示す概略図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の塗膜用媒体の分離方法は、粘着層形成媒体に付着している粘着物質を塗装対象物の表面に転移させて粘着剤層を形成し、塗膜形成媒体に付着している粉体物質を粘着剤層に転移させて塗料層を形成した後、複数の塗装用媒体を簡便に分離する方法である。本明細書では、複数の塗装用媒体として、粘着剤層を形成する粘着層形成媒体、および、塗料層を形成する塗膜形成媒体を使用する。
これら塗装用媒体を使用した塗膜形成方法の概要は以下の通りである(図1,2)。
粘着剤層P1は、粘着物質11が付着した粘着層形成媒体10を塗装対象物100に衝突させ、当該粘着層形成媒体10に付着している粘着物質11を塗装対象物100の表面に転移させることにより形成される(粘着層形成工程A)。当該粘着層形成工程Aでは、粘着物質11、粘着層形成媒体10および塗装対象物100を同一の容器内に投入して振動又は攪拌することにより、塗装対象物100の表面に粘着剤層P1を形成してもよい。
粘着層形成媒体10の材質は、鉄などの各種金属・炭素鋼・合金・セラミックス・ガラス・・硬質プラスチック等が使用できる。セラミックスとしては、ZrO2(二酸化ジルコニウム)、Al23(アルミナ)、SiO2、TiO2等の酸化物、TiN,BN等の窒化物等、SiC,WC,TiC等の炭化物等を使用できる。これら物質の比重は何れも1より大きい。
粘着層形成媒体10のサイズおよび材質等は、塗装対象物100の形状やサイズ、塗装対象物100に形成される塗膜を構成する粉体物質1の材質等に応じて適宜選択することができる。また、サイズや材質の異なる粘着層形成媒体10を混合して使用してもよく、粘着層形成媒体10に表面処理・表面皮膜を施してもよい。粘着層形成媒体10の形状は、球状・楕円形・立方体・三角柱・円柱・円錐・三角錐・四角錐・菱面体・不定型体などを呈するものを使用することができ、これら形状の粘着層形成媒体10を単独で、或いは、適宜混合して使用してもよい。粘着層形成媒体10の大きさは、例えば粘着層形成媒体10が球状の場合には、その粒径を0.3〜0.6mm程度とすればよい。
粘着層形成媒体10の表面に付着させる粘着物質11は、エポキシ樹脂・ポリエステル樹脂・アクリル樹脂・ポリウレタン樹脂・フッ素樹脂・メラミン樹脂等の液状樹脂を含め、種々の液状物質を使用することができる。また、粘着物質としての液状樹脂に、ジシアンジアミド・イミダゾールなどの硬化剤や、粒状のスペーサー粒子を加えてもよい。当該スペーサー粒子としては、シリカ・アルミナ・ジルコニア・水酸化アルミニウム・各種金属・各種樹脂等からなる微粒子が使用できる。その大きさ及び添加量は、粘着層形成媒体の形状やサイズ等により、適宜設定すればよい。当該スペーサー粒子の粘着物質中の体積割合は5〜30%程度である。
粘着層形成工程Aの後、塗装対象物100の表面に残留した未固定の粘着物質11や粘着層形成媒体10を除去する(第一除去工程B)。
このようにして得られた粘着剤層P1の表面に、粉体物質1が静電的に付着した塗膜形成媒体20を用いて目的の塗料層P2を形成する(塗膜形成工程C)。当該塗膜形成工程Cでは、粉体物質1が付着した塗膜形成媒体20を粘着剤層P1に衝突させることにより、塗膜形成媒体20に付着している粉体物質1を粘着剤層P1に転移させて塗料層P2を形成する。
塗膜形成媒体20の材質は、鉄などの各種金属・炭素鋼・合金・セラミックス・ガラス・硬質プラスチック等が使用できる。また、粘着層に充分な打撃力が加えられるのであれば、硬質のゴムも使用することができる。これら物質の比重は何れも1より大きい。塗膜形成媒体20のサイズおよび材質は、塗装対象物100の形状およびサイズ、粉体物質1の材質に応じて適宜選択することができる。また、サイズや材質の異なる塗膜形成媒体20を混合して使用してもよく、塗膜形成媒体20に表面処理・表面皮膜を施してもよい。当該表面皮膜としては、例えばウレタンコーティングを施すとよい。当該ウレタンコーティングを施すことにより、静電的に粉体物質1を塗膜形成媒体20に付着させ易くなる。
塗膜形成媒体20の形状は、球状・楕円形・立方体・三角柱・円柱・円錐・三角錐・四角錐・菱面体・不定型体などを呈するものを使用することができ、これら形状の塗膜形成媒体20を単独で、或いは、適宜混合して使用してもよい。塗膜形成媒体20の大きさは、例えば塗膜形成媒体20が球状の場合には、その粒径を0.3〜0.6mm程度とすればよい。
塗膜形成媒体20の表面に付着させる粉体物質1は、エポキシ樹脂・ポリエステル樹脂・アクリル樹脂・ポリウレタン樹脂・フッ素樹脂・メラミン樹脂等の粉体樹脂を含め、種々の粉体物質を使用することができる。粉体物質1は、塗装対象物100の防食・美観付与・絶縁性付与・強度向上などの機能を有するものであれば何れも使用することができる。
粉体物質1の粒度は、塗装対象物100の大きさ、形成する塗膜の厚さ及び粉体物質1の材質により、適宜設定すればよく、例えば0.5μm程度とするのがよい。一般に、粉体物質1は粒度が小さいほど塗装対象物100の表面に形成した粘着層の粘着物質11により捕捉されやすい。また、粉体物質1は塑性変形による粉体同士の圧着や結合が起こり易い。従って、粉体物質1の粒度が小さいほど、衝突の打撃力が小さくて済み、粉体物質1の粘着層への堆積が促進され、形成される塗膜の表面粗さも小さくなる。
当該塗膜形成工程Cの後には、塗装対象物100の表面に残留した未固定の粉体物質1や塗膜形成媒体20を除去する(第二除去工程D)。
本実施形態では、塗装用媒体として、例えば粘着層形成媒体10を二酸化ジルコニウム(ZrO2)製のビーズで形成し、塗膜形成媒体20にウレタンコーティング21を施したガラスビーズで形成する場合について説明する。また、当該粘着層形成媒体10の表面には粘着物質11としてエポキシ樹脂を付着させ、粉体物質1としてエポキシ樹脂を使用する。
通常の塗膜形成装置では、完全密閉状態で上述した各工程を行なうのは困難である。例えば第二除去工程Dにて残留物を回収したとき、回収物の中の塗装用媒体は大部分が塗膜形成媒体20であるが、たとえば約1〜2%程度の割合で粘着層形成媒体10が混入することがある。このように、混入する複数種類の塗装用媒体において、それぞれ異なる材質で構成され、それらの大きさ(粒径)は略同程度であり、比重も1以上である場合、以下のようにして粘着層形成媒体10および塗膜形成媒体20を分離する。
即ち、本発明の塗装用媒体の分離方法では、図3に示したように、粘着剤層P1を形成した後の粘着層形成媒体10および塗料層P2を形成した後の塗膜形成媒体20の混合物Mを第一槽30に貯留した水中に投入し、粉体物質1が付着した塗膜形成媒体20を水面に浮遊させて粘着層形成媒体10および塗膜形成媒体20を分離する分離工程Fを行なう。
当該混合物Mに含まれる塗膜形成媒体20は、粘着剤層P1に対して粉体物質1を転移させた後のものである。即ち、当該塗膜形成媒体20の表面には、粘着剤層P1に転移されなかった粉体物質1が残留しているものが多い。この状態で水中に投入すれば、塗膜形成媒体20の表面では、粉体物質1どうしの隙間に気泡が形成され易く、塗膜形成媒体20と水の界面との間に空気を介在させ易くなる。そのため、表面に粉体物質1が付着した塗膜形成媒体20は、その見かけの比重が小さくなって浮力が向上し、水面に浮遊させることができる(図4(b))。
一方、当該混合物Mに含まれる粘着層形成媒体10も、塗装対象物100に粘着物質11を転移させた後のものである。この状態で粘着層形成媒体10を塗膜形成媒体20と混合すれば、塗膜形成媒体20の表面に付着した粉体物質1が粘着層形成媒体10の表面に付着し、この粉体物質1は、粘着層形成媒体10の表面に存在するウェットな状態の粘着物質11に取り込まれるため、当該粉体物質1は最表面に露出し難くなる。そのため、この状態で混合物Mに含まれる粘着層形成媒体10を水中に投入したとしても、粘着層形成媒体10と水の界面との間に空気が介在し難く、粘着層形成媒体10の見かけの比重は変化することはないため粘着層形成媒体10の浮力は変化せず、水中に沈むこととなる(図4(a))。
このようにして本発明の塗装用媒体の分離方法では、粘着層形成媒体10および塗膜形成媒体20の混合物Mを水中に投入するだけで、粉体物質1が付着した塗膜形成媒体20を水面に浮遊させて粘着層形成媒体10および塗膜形成媒体20を分離することができる。即ち、本発明では、塗膜形成方法の工程で使用した粉体物質1が塗料用媒体の比重を調節する比重コントロール剤の役目を果たしている。
分離工程Fによって、水面に漂う塗膜形成媒体20は容易に回収することができる。一方、粘着層形成媒体10は第一槽30の底部に沈殿するため、当該底部に設けた媒体回収口31を経由して外部に取り出すことができる。
尚、分離工程Fでは、混入した異物をも第一槽30における水中での浸漬処理によって塗料用媒体と分離することができる。
当該分離工程Fでは、塗膜形成媒体20の水への浮遊時間の最長時間を設定するとよい。水に投入された塗膜形成媒体20の表面からは、粉体物質1が徐々に分離する。よって、塗膜形成媒体20と水の界面との間に介在する空気(気泡)も、徐々に失われる。そのため、塗膜形成媒体20を浮遊させる最長の時間を設定することで、塗膜形成媒体20が水没する前に水面にて確実に回収することができる。尚、時間の設定は、タイマー手段(図外)によって設定するとよい。
混合物Mを第一槽30に投入した後、バブリングを行なって攪拌してもよい。これにより、塗膜形成媒体20と水の界面との間に空気を介在させ易くすることができる。よって、粘着層形成媒体10および塗膜形成媒体20の分離を促進させることができる。
このようにして分離できた塗膜形成媒体20を、例えばオーバーフローによって、下流の第二槽40に移流させる。第二槽40では、粉体物質1および塗膜形成媒体20を分離する洗浄工程Gを行なう。第二槽40には予め界面活性成分を含有する洗浄剤を付加した水溶液を貯留しておく。当該洗浄剤は、例えば中性の洗剤を使用できるが、これに限られるものではない。
分離工程Fによって分離された塗膜形成媒体20の表面には粉体物質1が付着している。この状態で第二槽40に投入されれば、洗浄剤の界面活性成分が塗膜形成媒体20の表面に浸透し、当該界面活性成分の界面活性作用によって粉体物質1を塗膜形成媒体20から分離して洗浄することができる。
上述したように、表面に粉体物質1が付着した塗膜形成媒体20は、その見かけの比重が小さくなり、水面に浮遊させることができた。しかし、洗浄工程Gによって塗膜形成媒体20の表面より粉体物質1を分離すると、塗膜形成媒体20自身が有する比重(>1)のため、塗膜形成媒体20は水中に沈殿させることができる。第二槽40の底部に沈殿した塗膜形成媒体20は、当該底部に設けた媒体回収口41を経由して外部に取り出すことができる。
第二槽40では、攪拌手段42によって水中を攪拌することで、粉体物質1および塗膜形成媒体20の分離を促進することができる。さらに、超音波発生手段43によって超音波を水中に伝達させると、複数の塗膜形成媒体20を凝集させることができるため回収効率が向上する。攪拌手段42による攪拌条件は、超音波による媒体の凝集を阻害しない程度の条件にするとよい。
〔別実施の形態〕
上述した実施形態において、分離工程Fの前処理として、粘着層形成媒体10および塗膜形成媒体20の混合物Mに粉体物質1を添加する粉体物質添加工程Eを行なってもよい。添加する粉体物質1は、例えば混合物Mの重量の2〜8%程度とするのがよいが、これに限られるものではない。
図5に示したように、混合物Mに粉体物質1を添加すれば、塗膜形成媒体20の表面に、より多くの粉体物質1を付着させることができる。この状態で塗膜形成媒体20を水中に投入すれば、塗膜形成媒体20の表面では、粉体物質1どうしの隙間に気泡がより形成され易くなり、塗膜形成媒体20と水の界面との間に空気をより介在させ易くなる。そのため、塗膜形成媒体20の見かけの比重がより小さくなり、より水面に浮遊させ易くなる。
一方、当該混合物Mに含まれる粘着層形成媒体10は、粉体物質1を添加したとしても、当該粉体物質1は、粘着層形成媒体10の表面に存在するウェットな状態の粘着物質11に取り込まれるため、当該粉体物質1は最表面に露出し難くなる。そのため、この状態で混合物Mに含まれる粘着層形成媒体10を水中に投入したとしても、粘着層形成媒体10と水の界面との間に空気が介在し難い。よって、粘着層形成媒体10の見かけの比重は変化することはないため浮力は変化せず、水中に沈むこととなる(図4(a))。
以上のごとく、本実施態様では、塗膜形成媒体20をより確実に水面に浮遊させることができるため、粘着層形成媒体10および塗膜形成媒体20を確実に分離することができる。
本発明の塗装用媒体の分離方法は、粘粘着剤層を形成した後の粘着層形成媒体、および、塗料層を形成した後の塗膜形成媒体の分離に利用できる。
1 粉体物質
10 粘着層形成媒体
11 粘着物質
20 塗膜形成媒体
100 塗装対象物
E 粉体物質添加工程
F 分離工程
G 洗浄工程
M 混合物
P1 粘着剤層
P2 塗料層

Claims (4)

  1. 比重が1より大きい粘着層形成媒体に付着している粘着物質を塗装対象物の表面に転移させて粘着剤層を形成し、
    比重が1より大きい塗膜形成媒体に付着している粉体物質を粘着剤層に転移させて塗料層を形成し、
    前記粘着剤層を形成した後のウエットな状態の前記粘着物質が表面に残留する前記粘着層形成媒体および前記塗料層を形成した後の前記粘着剤層に転移されなかった前記粉体物質が取り込まれずに表面に残留する前記塗膜形成媒体の混合物を水中に投入し、
    前記表面にウエットな状態で存在する粘着物質に前記粉体物質が取り込まれた前記粘着層形成媒体を水中に沈め、前記表面に残留する前記粉体物質どうしの隙間に気泡が形成された前記塗膜形成媒体を水面に浮遊させて前記粘着層形成媒体および前記塗膜形成媒体を分離する分離工程
    を有する塗装用媒体の分離方法。
  2. 前記分離工程の前処理として、前記混合物に前記粉体物質を添加する粉体物質添加工程を行なう請求項1に記載の塗装用媒体の分離方法。
  3. 前記分離工程において、前記塗膜形成媒体の水への浮遊時間の最長時間を設定してある請求項1又は2に記載の塗装用媒体の分離方法。
  4. 前記粉体物質が付着した塗膜形成媒体を分離した後、当該粉体物質が付着した塗膜形成媒体に界面活性成分を含有する洗浄剤を付加して、前記粉体物質および前記塗膜形成媒体を分離する洗浄工程を有する請求項1〜3の何れか一項に記載の塗装用媒体の分離方法。
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