JP5673429B2 - 心音情報処理装置、心音情報処理方法、心音情報処理プログラム - Google Patents

心音情報処理装置、心音情報処理方法、心音情報処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、心音を分析し、心音から特徴的な箇所を検出する技術に関する。
心音には様々な情報が含まれており、医師は聴診器を用いて心音を聴くことで、異常の有無、および、その種類を診断する。しかし、聴診器を用いての診断には特殊な技量や訓練が必要であり、一般の人が行うことは極めて難しい(例えば非特許文献1)。そこで、コンピュータを用いて心音を分析し、異常の有無、および、その種類を判定できれば、在宅医療の拡充につなげることができると考えられる。
ここで、特許文献1(特表2004-529720号公報)には、心臓からの音声信号を記録してピーク位置を検出し、クラスタ分析によって、前記ピーク位置を各種心音や心雑音に分類し、前記音声信号に含まれる心音や心雑音の種類の組み合わせから、異常の有無、および、その種類を判定するシステムが記載されている。
また、特許文献2(特表2009-535106号公報)には、心臓からの音信号を解析した結果を画面表示することで、臨床医の診断の助けとなるデバイスが記載されている。
特表2004-529720号公報 特表2009-535106号公報
CDによる聴診トレーニング〈心音編〉 改訂第2版、沢山 俊民 (著)、南江堂; (1994/02)
実際の環境で心音を録音した場合、ノイズ等の影響を避けることはできない。このようなノイズ混じりの心音を単純に周波数解析しても、ノイズに大いに影響されてしまう結果、正しいピーク位置だけを、しかも漏れなく総て検出できるとは限らない。
特許文献1では一回のクラスタリングで全種類の心音を検出および分類するとしているが、現実的にはノイズの影響が無視できないので無理である。
特殊な専門的知識を有しかつ訓練を積んだオペレータが特別なフィルタ調整等を行えばノイズカットできる可能性もあるが、このような複雑な操作を必要としていては、一般の人の在宅医療に貢献することはできない。
また、特許文献2の装置は、心音を分析した結果を画面に表示して提示しているのであるが、心音がそのまま時間波形として表示されている。医療の専門的知識があれば、心音の波形を見てその意味を汲み取ることができるであろう。
しかし、一般の人にとっては心音の複雑な波形だけをただ画面表示されても何が正常で何が異常なのかさっぱり判断がつかない。従って、医療に関する専門的知識がないユーザーは、画面に表示された内容をみてもその内容を読み取ることができず、被験者の身体状態を把握することはできない。
そこで、本発明の目的は、ノイズを含む心音信号からでも、正しいピーク位置のみを総て漏れなく正確に検出できる心音情報処理装置を提供することにある。
また、さらに、本発明の第2の目的は、心音の特徴を医療知識が無い人にも分かるようにわかりやすく表示する心音情報処理装置を提供することにある。
本発明の心音情報処理装置は、
心臓の音を採取した心音信号から複数のピーク位置を検出するピーク位置検出部と、
前記ピーク位置検出部によるピーク位置の検出が正確であるか否かを判定する正確度判定部と、
前記正確度判定部による判定によって前記ピーク位置検出部によるピーク位置の検出が正確ではないと判定された場合にピーク位置の検出を訂正する訂正処理を行う訂正処理部と、を備え、
前記正確度判定部は、検出されたピーク位置同士の間の時間長に基づいてピーク位置をクラスタリングした結果に基づいてピーク位置検出の正確度を判定し、
前記訂正処理部は、前記正確度判定部による判定結果に応じて、訂正処理を繰り返し実行する
ことを特徴とする。
本発明では、
前記正確度判定部は、
各クラスタのヒストグラムのバラツキを示す値に基づいてピーク位置検出の正確度を判定する
ことが好ましい。
本発明では、
前記正確度判定部は、
各クラスタの要素数の差または比に基づいてピーク位置検出の正確度を判定する
ことが好ましい。
本発明では、
前記正確度判定部は、
隣り合うピーク位置が所属するクラスタが同じか異なるかに基づいてピーク位置検出の正確度を判定する
ことが好ましい。
本発明では、
前記正確度判定部による正確度判定と前記訂正処理部による訂正処理には、上限回数が設定されている
ことが好ましい。
本発明では、
前記訂正処理部は、
前記各クラスタの要素の最頻値ではないピーク位置が2つ以上連続している場合、前後の時間間隔が両方ともクラスタの最頻値から外れたピーク位置を誤検出ピーク位置として削除する
ことが好ましい。
本発明では、
前記訂正処理部は、
同じクラスタに所属するピーク位置が2つ以上連続し、かつ、その前後に前記各クラスタの要素の最頻値ではないピーク位置が隣り合う場合、前記最頻値ではないピーク位置と隣り合う前記同じクラスタに所属するピーク位置を削除する
ことが好ましい。
本発明では、
前記訂正処理部は、
時間長が長い方のクラスタの最頻値より時間長が長いピーク位置とその次のピーク位置との間の区間でピーク位置を再探索する
ことが好ましい。
本発明では、
前記正確度判定部によってピーク位置検出が正確であると判定された後に、前記検出されたピーク位置を基準にしてさらに心音の特徴的な箇所を検出する特徴箇所検出部をさらに備える
ことが好ましい。
本発明では、
前記ピーク位置検出部と前記特徴箇所検出部とによって検出された心音の特徴箇所を表示部に表示するための表示情報を生成する表示情報生成部をさらに備え、
前記表示情報生成部は、心音要素が心雑音である場合に心雑音の形状を分類する形状判定部と、
分類結果に基づく模式的な表示情報を生成する模式化部と、を備える
ことが好ましい。
本発明では、
前記形状判定部は、心雑音の区間の心音の微分係数に基づいて心雑音の形状を分類する
ことが好ましい。
本発明では、
前記表示情報生成部は、心雑音と、心音のI音・II音と、の相対位置関係に基づいて心雑音をさらに分類する
ことが好ましい。
本発明では、
前記模式化部は、さらに、心雑音の形状分類と、心雑音の音量と、に基づいて模式的な表示情報を生成する
ことが好ましい。
本発明では、
さらに、前記ピーク位置検出部と前記特徴箇所検出部とによって検出された心音の特徴箇所を正常音と異常音とに分類する心音分類部を備える
ことが好ましい。
本発明では、
心音分類部は、さらに、被験者の年齢情報、被験者の体型情報、および、被験者を聴診するときの聴診位置の情報、の少なくとも一つを判断基準に加えて正常音と異常音とに分類する
ことが好ましい。
本発明では、
前記表示情報生成部は、検出された心音の特徴箇所の数を種類ごとにカウントする
ことが好ましい。
本発明では、
前記表示情報生成部は、心音の特徴箇所ごとに、種類、大きさ、発音時間の長さ、心雑音であればその形状およびI音・II音との位置関係、の少なくとも一つ以上の情報に基づいて係数を設定し、この係数を用いてカウントを実行する
ことが好ましい。
本発明では、
前記模式化部は、心音および心雑音の種類毎に色分けをする
ことが好ましい。
本発明では、
前記表示情報生成部は、心音を再生出力する際に、再生中の心音に該当する心音の特徴箇所を指し示す再生箇所図示記号を前記表示部に表示させる
ことが好ましい。
本発明では、
前記表示情報生成部は、心音の特定の区間を繰り返し再生出力する際に、繰り返し区間を指し示す記号を前記表示部に表示させる
ことが好ましい。
本発明では、
前記表示情報生成部は、心音の特徴箇所を前記表示部に表示させる際に、あわせて、表示中の心音の特徴箇所の説明を表示させる
ことが好ましい。
本発明では、
前記表示情報生成部は、心音を再生出力する際に、再生中の心音に該当する心音の特徴箇所を模式化した模式図を前記表示部に表示させる
ことが好ましい。
本発明の心音情報処理方法は、
心臓の音を採取した心音信号から複数のピーク位置を検出する工程と、
検出されたピーク位置同士の間の時間長に基づいてピーク位置をクラスタリングする工程と、
前記クラスタリングした結果に基づいてピーク位置検出の正確度を判定する工程と、
前記正確度の判定によって前記ピーク位置の検出が正確ではないと判定された場合にピーク位置の検出を訂正する工程と、を備え、
前記ピーク位置の検出を訂正する工程は、前記正確度の判定結果に応じて、繰り返し実行される
ことを特徴とする。
本発明の心音情報処理プログラムは、
コンピュータを、
心臓の音を採取した心音信号から複数のピーク位置を検出するピーク位置検出部と、
検出されたピーク位置同士の間の時間長に基づいてピーク位置をクラスタリングした結果に基づいてピーク位置検出の正確度を判定し正確度判定部と、
前記正確度判定部による判定結果に応じて、ピーク位置の検出を訂正する訂正処理を行う繰り返し実行する訂正処理部と、して機能させる
ことを特徴とする。
本発明において、ピーク位置検出部によって心音信号からピーク位置の検出した後、さらに、正確度判定と訂正処理とを繰り返し実行する。
これにより、仮に心音信号にノイズ等が含まれていたとしても、ノイズの影響に関わらず、繰り返しの訂正処理によって誤検出や検出漏れを訂正し、ピーク位置を正確に検出することができる。
このような信号解析によって心音の特徴を正確に検出することができるようになるので、特殊な医療知識や技量に頼らなくても例えば在宅医療で被験者の身体状況を把握できるようになる。
心音情報処理装置に係る第1実施形態の構成を示す図。 第1実施形態の処理手順を示すフローチャート。 ピーク位置検出における閾値算出例を示す図。 ピーク位置検出における閾値算出例を示す図。 第1実施形態において、繰り返し訂正処理(ST130)の処理手順を示すフローチャート。 第1実施形態において、繰り返し訂正処理(ST130)の処理手順を示すフローチャート。 ピーク位置の検出例を示す図。 クラスタリング結果の一例を示す図。 クラスタリング結果の一例を示す図。 誤検出ピーク位置の削除条件を説明するための図。 検出漏れピーク位置の再探索条件を説明するための図。 II音分裂の検出例を示す図。 III音の検出例を示す図。 IV音の検出例を示す図。 クリック音の検出例を示す図。 心雑音の検出例を示す図。 第2実施形態の構成を示す図。 第2実施形態の処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態において、表示情報生成工程(ST200)の処理手順を示すフローチャート。 心雑音の形状パターンを示す図。 第2実施形態において、心雑音の形状判定(ST235)の処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態において、心雑音の形状判定(ST235)の処理手順を示すフローチャート。 心雑音の「増減切り替わり箇所」を示す図。 模式化の例を示す図。 模式化の例を示す図。 模式化の例を示す図。 表示画面の例を示す図。 第3実施形態の構成を示す図。 第3実施形態の処理手順を示すフローチャート。 第3実施形態において、心音分類(ST150)の処理手順を示すフローチャート。 第3実施形態において、表示情報生成工程(ST260)の処理手順を示すフローチャート。 画面表示一例を示す図。 画面表示一例を示す図。 画面表示一例を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る心音情報処理装置の実施形態を以下に説明するが、まず第1実施形態としては、心音信号からピーク位置を正しく検出するため構成および処理工程について説明する。
続いて、第2実施形態として、心音の特徴をわかりやすく表示するための構成および処理工程について説明する。第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。
(第1実施形態)
図1は、本発明の心音情報処理装置に係る第1実施形態の構成を示す図である。
心音情報処理装置100は、信号入力部110と、演算処理部120と、表示部150と、入力手段160と、を備える。
演算処理部120は、周波数分析部200と、心音検出部300と、表示情報生成部400と、を備える。
周波数分析部200は、その内部要素として、対象信号抽出部210を有する。
また、心音検出部300は、I音・II音検出部310と、特徴箇所検出部370と、を備える。
I音・II音検出部310は、ピーク位置検出部311と、正確度判定部312と、訂正処理部313と、を備える。
特徴箇所検出部370は、II音分裂検出部320と、III音検出部330と、IV音検出部340と、クリック音検出部350と、心雑音検出部360と、を備える。
各機能部の動作については、フローチャートおよび例示を参照しながら後述する。
また、演算処理部120の各機能部は、各種論理素子等からなる専用のハードウェアで構成されてもよいし、あるいは、CPU、ROM、RAMを備えたコンピュータに心音情報処理プログラムを組み込んで各機能部として動作させてもよい。
プログラムをインストールするには、コンピュータにメモリカードやCD−ROM等を直接差し込んで行ってもよいし、これらの記憶媒体を読み取る機器を外付けで接続してもよい。さらには、有線または無線の通信によってプログラムをコンピュータに供給してインストールしてもよい。なお、各種記録媒体や通信手段等で供給されるプログラムとしては、本発明に係る心音情報処理プログラムが含まれていればよく、それ以外の制御などを行うプログラムが含まれていてもよい。
本実施形態における心音情報処理装置の動作を図2、図3のフローチャートを用いて説明する。
所定のマイク等で集音した心音信号は信号入力部110に入力され、信号入力部110から周波数分析部200に順次入力される。
心音信号が周波数分析部200に入力されると、周波数分析部200により、分析対象信号sの抽出を行う(ST100)。すなわち、周波数分析部200は、入力信号を所定の時間長(例えば30ms)のフレームで分割し、フレームごとに入力信号を周波数領域に変換する。そして、所定の帯域(0〜300Hz)のパワーの和をフレーム毎に算出していく。この値を順に対象信号抽出部210により分析対象の信号sとして抽出する(ST101)。
このように抽出された対象信号sは、分析対象信号sとして心音検出部300に送られる。
ここで、フレームの時間長としては30msとすることが例として挙げられるが、これに限らないことはもちろんである。また、主に0〜300Hzの各周波数成分のパワーの和を抽出し、これを分析対象の信号sとしたが、分析対象信号sとしては、必ずしも前述の周波数成分(0〜300Hz)を用いなくても良いし、複数の周波数成分を用いてもよい。
心音検出部300において、まず、I音・II音検出部310により、対象信号からI音・II音の検出が行われる(ST110)。
I音・II音検出工程(ST110)は、ピーク位置検出(ST120)と、繰り返し訂正処理(ST130)と、からなる。
ピーク位置検出(ST120)においては、ピーク位置検出部311により、分析対象信号sからピーク位置の検出を行う。
ここで、ピーク位置の検出方法には複数の方法があり、単独もしくは複数の組み合わせで用いることができる。
以下に、ピーク位置を検出する方法の例を挙げる。
(ピーク位置を検出する第1方法)
ピーク位置を検出する第1方法としては、微分係数に基づいて極大値となるフレームを求め、これをピーク位置とすることが挙げられる。
例えば、公知のSavitzky-Golay法を用い、分析対象信号sを平滑化して微分係数を算出する。そして、前記微分係数から極大値となるフレームを求め、ピーク位置として検出する。
なお、平滑化の方法はSavitzky-Golay法以外でももちろんよい。さらには、平滑化処理自体を行わなくても良い。極大値フレームの検出方法も限定されない。
例えば、分析対象信号sの隣接するフレーム毎にパワーの差分を算出して微分係数とし、その係数の極大値をピーク位置として検出するなどしてもよい。
(ピーク位置を検出する第2方法)
ピーク位置を検出する第2方法としては、所定閾値よりも大きいパワーのフレームをピーク位置とすることが挙げられる。例えば、所定数のフレーム毎にパワーの平均値AVEと標準偏差SDとを求める。そして、所定値Cと前記標準偏差SDとの積SD'(=C×SD)を求める。
平均値AVEと積SD'との和(=AVE+SD')を閾値とし、この和より大きいパワーのフレームをピーク位置として検出する。
前記閾値を次のように、パワーのヒストグラムに基づいて決定してもよい。すなわち、図3A、図3Bに示すように、分析対象信号sの所定数のフレーム毎にパワーのヒストグラムを求める。そして、このヒストグラムに基づいて閾値を定める。
図3Aでは、ヒストグラムの面積を所定の比で分割する値を閾値とする例である。
また、図3Bは、ヒストグラムが所定の傾きとなる値を閾値とする例である。
なお、ヒストグラムに基づく閾値の決定方法についても上記の例に限定されるものではない。
また、「所定数のフレーム」としては、数秒程度に該当するフレーム数でも、全フレーム数でも良く、フレーム数は限定されない。
ここで、ピーク位置を検出する第1方法と、ピーク位置を検出する第2方法と、は併用されてもよい。
例えば、第1方法で求めた極大値であり、かつ、第2方法で求めた閾値を超えるフレームをピーク位置とするなどが例として挙げられるが、併用の仕方はこれに限定されない。
このように検出されたピーク位置の情報は、正確度判定部312に送られる。
一旦ピーク位置の検出ができたところで、次に、ピーク位置の検出を正しく訂正するための繰り返し訂正処理(ST130)を実行する。
繰り返し訂正処理(ST130)の詳細を図4A、図4Bのフローチャートを参照して説明する。
図4A、図4Bのフローチャートに示すように、繰り返し訂正処理(ST130)は、正確度判定(ST131)と、誤り訂正処理(ST140)と、からなる。
以下、具体的に説明する。
まず、図4Aを参照して、正確度判定(ST131)を実行する。
正確度判定(ST131)においては、まず、ピーク間隔を算出する(ST132)。すなわち、ピーク位置毎に次のピーク位置との時間間隔(ms)を算出し、各ピーク位置の時間間隔とする。
例えば、図5に示すようにピーク位置が検出されているとする。
図中の縦太線が検出されているピーク位置である。
このとき、各ピーク位置の右側の両端矢印の長さが時間間隔となる。つまり、ピーク位置P1に対しては、P1の次にあるピーク位置P2までの時間間隔t1をとる。
同じように、ピーク位置P2に対しては、P2の次にあるピーク位置P3までの時間間隔t2をとる。
以降、「ピーク位置の時間間隔」は、次のピーク位置との時間間隔を示すものとする。
次に、ST133において、算出された時間間隔をクラスタリングし、2つのクラスタに分類する。クラスタリングの方法としては、公知のk-means法が例として挙げられるが、その他のクラスタリング方法でもよい。
図6にクラスタリング結果の一例を示す。
クラスタリング結果は、時間間隔のヒストグラムを用いて図6のように可視化できる。
図6において、一点鎖線の左側にある時間間隔が短い階級の要素511、521がクラスタ1に属する要素であり、同様に一点鎖線の右側にある時間間隔が長い階級の要素522、512、513がクラスタ2に属する要素である。
次に、ST134において、クラスタごとにバラツキ度を求める。すなわち、クラスタ1のヒストグラムのバラツキ度を求めるとともに、クラスタ2のヒストグラムのバラツキ度を求める。
ここで、バラツキ度としては、代表的には分散値をとることが例と挙げられるが、この他、平均値と中央値との差や、最大値と最小値との差、ヒストグラムの度数が1以上の階級の数など、クラスタ毎のヒストグラムのバラツキを示せる値であればよい。
次に、ST135において、前記求められた各バラツキ度を所定閾値と対比し、各バラツキ度が所定値以上であるかどうかを判定する。
例えば、図6では、各クラスタに複数の階級が存在している。
本来的には各クラスタには一つの階級のみが存在しているべきであるにも関わらず、一つのクラスタに複数の階級が含まれるのは、ノイズをピーク位置として拾ってしまったなど正しいピーク位置の検出が行われていない可能性が高い。
この場合、誤検出のピーク位置を削除したり、検出漏れのピーク位置を再探索する必要がある。
ここで、各クラスタに複数の階級が存在している場合にはクラスタごとに求めたバラツキ度が大きくなる。
一方、図7のように、各クラスタでひとつの階級のみに要素が分布している場合はピーク位置の検出に誤りが無いと考えられる。この場合、クラスタごとのバラツキ度は小さくなる。したがって、バラツキ度を基準にしてピーク位置が正しく検出されているかどうかが判定できるわけである。
クラスタごとのバラツキ度が所定値未満である場合(ST135:NO)、さらに、クラスタ間の要素数の差を求め(ST136)、この差を所定閾値と対比する(ST137)。
ピーク位置の検出においてI音・II音が正しく検出されていれば、各クラスタの要素数は等しくなるはずである。したがって、クラスタ間で要素数に大きな差がある場合、正しくピーク位置が検出されていないと考えられる。
例えば、クラスタ1の要素数がクラスタ2の要素数の1/2未満であったり、2倍以上であったりする場合、ピーク位置の検出は正しくないと判定できる。
さらに、クラスタ間の要素数差が所定閾値未満である場合(ST137:NO)、連続するピーク位置の所属クラスタを判定する(ST138)。
ピーク位置の検出においてI音・II音が正しく検出されていれば、連続するピーク位置の所属クラスタは交互になるはずである。したがって、連続するピーク位置が同じ所属クラスタに存在すれば(ST138:YES)、ピーク位置が正しく検出されていないと考えられる。
バラツキ度が所定値以上か(ST135:YES)、クラスタ間の要素数差が所定値以上か(ST137:YES)、連続するピーク位置が同じクラスタに含まれている場合(ST138:YES)、訂正処理部313による誤り訂正処理(ST140)に移行する。
誤り訂正処理(ST140)においては、まず、検討対象となる一つの要素(ピーク位置)を選択する(ST141)。そして、この検討対象の時間間隔をクラスタ2(時間間隔が長い方のクラスタ)の最頻値と対比する(ST142)。検討対象の時間間隔がクラスタ2の最頻値よりも長いか短いかで必要な訂正処理が異なってくるからである。
検討対象の時間間隔がクラスタ2の最頻値よりも短い場合(ST142:YES)、この周辺で誤検出されているピーク位置がある可能性があるので、これを削除する。すなわち、クラスタ2の最頻値より時間間隔が短いピーク位置と、その周辺のピーク位置の時間間隔と、に基づいて、ピーク位置を削除するか否かを決定する。
このことを図8を参照して説明する。
図8において、ピーク位置P631、ピーク位置P632、および、ピーク位置P633は、正しいピーク位置の間で誤検出されてしまったピーク位置である。
ここで、これらのひとつ前のピーク位置P641、P642、P643について考える。すると、仮にこれらが正しく検出されていたとしても、次のピーク位置が余計なところで検出されているために、ピーク位置P641、P642、P643の"時間間隔"を算出してみると、これら時間間隔はクラスタの最頻値から外れたものになってしまっている。
従って、第1の削除条件は、クラスタの最頻値から外れたピーク位置が2つ以上続いた場合、前後の時間間隔が両方ともクラスタの最頻値から外れたピーク位置を誤検出ピーク位置として削除する、である。
例えば、ピーク位置P632に注目すると、ピーク位置P632の時間間隔t632はクラスタの最頻値から外れている。
さらに、その前の時間間隔であるピーク位置P642の時間間隔t642もクラスタの最頻値から外れている。したがって、ピーク位置P632を、誤検出ピーク位置として削除する。
同様に判断すると、ピーク位置P631およびピーク位置P633も削除対象となる。
また、正しいピーク位置P644とピーク位置P645との間でピーク位置P634が誤検出されている場合を考える。
さらに、ここでは、偶然、誤検出ピーク位置P634の時間間隔t634とその次の正しいピーク位置P645の時間間隔t645とが同じになっていたとする。この場合、誤検出ピーク位置P634の時間間隔t634が正しいピーク位置P645の時間間隔t645と同じであるということは、誤検出ピーク位置P634の時間間隔t634がクラスタの最頻値に含まれてしまうということになる。
その一方、正しく検出されているピーク位置P644の時間間隔t644の方がクラスタの最頻値から外れている。
この場合、ピーク位置P644の時間間隔t644がクラスタの最頻値から外れているが、削除すべきはピーク位置P634である。
従って、第二の削除条件は、クラスタの最頻値から外れたピーク位置(PeakErrとする)の前後に、同じクラスタに所属するピーク位置が連続する場合は、前記連続するピーク位置のうちPeakErrに隣接するピーク位置を削除する、である。
図8の場合、ピーク位置P644がPeakErrとなり、ピーク位置P644の後ろにピーク位置P634とピーク位置P645とが同じクラスタに属している。
したがって、PeakErrであるピーク位置P644に隣接するピーク位置P634を削除対象とする。
これにより、誤検出ピーク位置P634が削除される。
ここで、上記第1削除条件および第2削除条件に従ってピーク位置を削除していった場合、I音、II音の正しいピーク位置を削除してしまうことも有り得る。
しかし、本実施形態では、この後でピーク位置の再探索を行い、かつ、繰り返しの誤り訂正処理を実施するので、最終的にI音、II音の正確な位置を漏れなく検出することができ、問題はない。
繰り返しの処理が増えてしまう問題はあるが、誤検出ピーク位置を確実に削除することでノイズに影響されない正確な心音分析を確実に達成できる利点の方が遙かに有益である。
また、II音の分裂や、III音、IV音も誤検出ピークとして一旦削除してしまうことにもなるが、本実施形態では、この後でさらにピーク位置を探索するので問題ない。
本実施形態では、前述の第1削除条件および第2削除条件を例示したが、これ以外の削除条件を用いてもよい。
一方、ST142において、選択した要素の時間間隔がクラスタ2の最頻値以上である場合(ST142:NO)、この周辺で検出から漏れているピーク位置があり得るので検出漏れピーク位置の再探索を行う(ST144)。
このことを図9を用いて説明する。
ピーク位置の再探索(ST144)は、クラスタ2の最頻値以上の時間間隔をもつピーク位置とその次のピーク位置との間で実行される。
検出漏れがある場合、検出されなかったピーク位置周辺では前後の時間間隔が長くなる。
例えば、図9において、ピーク位置P651、P652、P653、P654を検出漏れしていたとする。すると、ピーク位置P661の時間間隔t661、ピーク位置P663の時間間隔t663、ピーク位置P665の時間間隔t665が長くなってしまっている。従って、ピーク位置P661、ピーク位置P663およびピーク位置P665と、これらの直後のピーク位置との間の区間でピーク位置を再探索する。
ピーク位置の再探索(ST144)は、ST120のピーク位置検出工程で説明したピーク位置を検出する第1方法および第2方法を用いてもよい。
だたし、第2方法を用いる場合、「所定数のフレーム」としては探索範囲内のフレームとする。
また、ST120のときとは条件を変えてもよい。
例えば、第1方法において平滑化の長さを変えてもよい。
また、第2方法において閾値を算出するにあたり、標準偏差SDに乗算する所定値Cの値を変えてもよい。
また、第2方法において、パワーのヒストグラムに基づいて閾値を算出するにあたり、ヒストグラムの面積を分割する比の値を変えてもよい。
またあるいは、前後のピーク位置の所属クラスタに基づいて探索範囲を絞っても良い。例えば、図9においてピーク位置P663の前にあるピーク位置P662はクラスタ1に所属している。I音とII音とは交互になるはずであるので、ピーク位置P663はクラスタ2に所属すると推測できる。従って、ピーク位置P663からクラスタ2の最頻値の時間間隔分離れた位置の付近に正しいピーク位置があるはずであると目当てをつけて、この付近に限定して探索する。
誤検出ピーク位置の削除(ST143)または検出漏れピーク位置の再探索(ST144)のあと、すべての要素について誤り訂正処理を行ったか判断し(ST145)、まだ訂正処理をしていない要素があれば(ST145:NO)、ST141に戻って次の要素に対する訂正処理を実行する。
すべての要素について誤り訂正処理を行った場合(ST145:YES)、もう一度正確度判定(ST131)の先頭に戻ってピーク間隔の算出(ST132)から行う。すなわち、ST135、ST137、ST138の判定を再び行う。そして、ST135、ST137、ST138の判定条件をすべてクリアしていた場合、I音・II音を正しく検出できていると判断し、次の工程に進む。
このように、ST135、ST137、ST138の判定条件をすべてクリアするまで誤り訂正処理(ST140)を繰り返すことにより、検出漏れや誤検出を訂正し、I音・II音のピーク位置を正確に検出することができる。
なお、ST135、ST137、ST138の判定条件をすべてクリアするまで誤り訂正処理(ST140)を繰り返す場合を例に挙げたが、誤り訂正処理(ST140)の実行回数に上限を設けておき、この上限回数に達したら繰り返し訂正処理(ST130)を終了することとしてもよい。
I音・II音が正確に漏れなく検出できたところで、これらI音・II音のピーク位置に基づいてその他の心音の検出を行う。すなわち、まず、ST150において、II音分裂検出部320によるII音分裂の検出を行う。
II音分裂の検出(ST150)は、既に検出されているI音・II音に基づいて行う。
図10中において、破線で示したP701からP705がII音の分裂の例であり、II音の直後に聴こえる場合が多い。そこで、例えば、II音の位置から0.12秒後までの区間でピーク位置を探索することが例として挙げられるが、このような探索区間の長さは必要に応じて適宜設定されうる。あるいは、探索区間の時間を固定せず、I音とII音との間の時間間隔に基づいてその都度探索区間を算出してもよい。
この探索でピーク位置が検出された場合、「II音分裂」とする。II音分裂を検出するためのピーク位置探索の方法は、前記ST144で説明したピーク位置の再探索と同様の方法を用いてもよい。
次に、ST160において、III音検出部330によるIII音の検出を行う。
III音の検出(ST160)は、既に検出されているI音・II音に基づいて行う。
図11において、破線で示した位置がIII音であり、II音の約0.15秒後に聴こえる場合が多い。そこで、例えば、II音の0.13秒後〜0.17秒後の区間でピーク位置を探索することが例として挙げられるが、このような探索区間の長さは必要に応じて適宜設定されうる。あるいは、探索区間の時間を固定せず、I音とII音との間の時間間隔に基づいてその都度探索区間を算出してもよい。
この探索でピーク位置が検出された場合、III音とする。III音を検出するためのピーク位置探索の方法は、前記ST144で説明したピーク位置の再探索と同様の方法を用いてもよい。
続いて、ST170において、IV音検出部340によるIV音の検出を実行する。
IV音の検出(ST170)は、既に検出されているI音・II音に基づいて行う。
図12において、破線で示した位置がIV音であり、I音の直前に聴こえる場合が多い。そこで、例えば、I音の0.10秒前からI音までの区間でピーク位置を探索することが例として挙げられるが、このような探索区間の長さは必要に応じて適宜設定されうる。あるいは、探索区間の時間を固定せず、I音とII音と間の時間間隔に基づいてその都度探索区間を算出してもよい。
この探索でピーク位置が検出された場合、IV音とする。IV音を検出するためのピーク位置探索の方法は、前記ST144で説明したピーク位置の再探索と同様の方法を用いてもよい。
さらに続いて、ST180において、クリック音検出部350によるクリック音の検出を実行する。クリック音の検出(ST180)は、既に検出されているI音・II音に基づいて行う。図13において、破線で示した位置がクリック音であり、II音の直前に聴こえる場合が多い。そこで、例えば、II音の0.10秒前からII音までの区間でピーク位置を探索することが例として挙げられるが、このような探索区間の長さは必要に応じて適宜設定されうる。
あるいは、探索区間の時間を固定せず、I音とII音との間の時間間隔に基づいてその都度探索区間を算出してもよい。
この探索でピーク位置が検出された場合、クリック音とする。クリック音を検出するためのピーク位置探索の方法は、前記ST144で説明したピーク位置の再探索と同様の方法を用いてもよい。
最後に、ST190において、心雑音検出部360による心雑音の検出を実行する。
心雑音の検出(ST190)は、既に検出されているI音・II音に基づいて行う。
心雑音は、図14(A)および(B)中の斜線で例示するように、I音とII音との間や、II音の後などに聴こえる場合が多い。そこで、I音とII音との間、および、II音とI音との間で、所定の閾値よりパワーが大きいフレームを検出する。
所定閾値よりパワーが大きいフレームが所定数以上連続した場合、心雑音とする。
前記所定閾値としては、I音のパワーとII音のパワーとの平均値に所定値(0.5など)を乗算した値とすることが例として挙げられるが、閾値はこれに限定されず適宜変更されうる。
「所定閾値よりパワーが大きいフレームが所定数以上連続した場合」における「所定数」としては、0.1秒に相当する長さ分とすることが例として挙げられるが、これも限定されるものではない。
以上の工程により、心音信号から、I音、II音、II音分裂、III音、IV音および心雑音が総て正確に検出された。
この検出結果は、表示情報生成部400に送られ、各心音を画面表示できるように画像情報が生成させる。生成された画像情報が表示部130にて表示される。
ユーザーは、表示部に表示された心音の情報を見て、身体の状態を把握することができる。演算処理部120による解析によって心音が種類ごとに分類されて検出されているので、医療の専門的知識が無くても、心音の分析結果を見て身体状況を把握することができる。
このような第1実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
本実施形態では、ピーク位置の検出(ST120)の後、繰り返し訂正処理(ST130)を行うこととしている。
これにより、仮にノイズ等の影響でピーク位置の検出に誤りがあったとしても、繰り返しの訂正処理によって誤検出や検出漏れを訂正し、I音およびII音について正確に検出することができる。そして、このように正確に検出したI音・II音に基づいて他の特徴的箇所についても正確に検出することができる。
このような信号解析によって心音の特徴を正確に検出することができるようになるので、特殊な医療知識や技量に頼らなくても例えば在宅医療で被験者の身体状況を把握できるようになる。
本実施形態では、繰り返しの訂正処理を行ったり、訂正処理の過程でII音分裂やIII音等の特徴箇所を一旦削除してしまうなど、処理工程が増える面も有るが、ノイズ等があってもI音・II音を正確に検出できるので心音分析の正確度を格段に向上させている。
このように、正確な心音分析を確実に達成できるようにすることで被験者の身体状況を正確に把握することができるようになり、在宅医療の拡充に多大な貢献ができる。
(変形例)
なお、上記第1実施形態では、正確度判定において、ST135、ST137およびST138のすべての条件を組み合わせたが、すべてではなく、例えば、ST135(バラツキ度)だけで正確度を判定することとしてもよい。
(第2実施形態)
本発明の心音情報処理装置に係る第2実施形態について説明する。
第2実施形態においては、心音の特徴をわかりやすく画面表示するための構成および処理工程に特徴を有する。
第2実施形態の構成を図15に示す。
図15において、第2実施形態では表示情報生成部400が形状判定部410と模式化部420とを有している。そして、表示情報生成部は、心音検出部300で検出された心音をパターンに分けて、各特徴に応じた模式的表示をするための画像情報を生成する。模式的表示をするための画像情報とは、例えば表示する位置や大きさ、形状、色等であるが、具体例は後述する。
周波数分析部200や心音検出部300については、第1実施形態と同じでもよく、あるいは別の方法でI音、II音等の心音を検出するようにしてもよい。
図16は、第2実施形態の処理手順を示すフローチャートであるが、周波数分析ST100、分析対象信号の抽出ST101、心音検出ST102は、第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
なお、心音検出工程(ST102)としては第1実施形態のST110-ST190を利用することが望ましいが、心音を検出して分類できればその具体的手段(工程)は限定しない。
表示情報生成部400による表示情報生成工程(ST200)について説明する。
ST102で分析対象信号sに含まれる心音を種類毎に分類して検出したところ、ST200においては前記分類された結果から表示情報を生成する。
表示情報生成工程(ST200)の詳細を図17のフローチャートに示す。
まず、表示対象となる心音要素を順に一つ選択する(ST231)。時間軸に沿って順に一つずつ心音要素を選択すればよい。例えば、順に、I音、II音、I音、II音、II音分裂・・・のように先頭から選んでいく。
選択した心音要素が心雑音でなければ(ST232:NO)、そのまま表示情報を生成すればよい。
ここで、選択した心音要素が心雑音である場合(ST232:YES)、心雑音をさらに形状判定(ST235)によって分類する特別なステップに移行する。具体的には、心雑音を図18に示すように、一定形状401、漸増漸減形状402、漸増形状403、漸減形状404、漸減漸増形状405、の5種類の形状に分類する。
(心雑音の形状判定の方法その1)
形状判定部410による心雑音の形状判定(ST235)の工程を図19のフローチャートを参照して説明する。
まず、心雑音と分類されている区間を移動平均等を用いて平滑化し(ST301)、さらに、その部分の微分係数を算出する(ST302)。微分係数の算出にあたっては、前後フレームの差分を微分係数としても良いし、公知のSavitzky-Golay法などを用いて算出してもよく、その方法は限定されない。
次に、算出した各フレームの微分係数を結んで得られる導関数が時間軸と交差するか否かを判断する(ST303)。
導関数が時間軸と交差しない場合(ST303:NO)、次に導関数の符号を見る(ST304)。そして、導関数が常に正である場合(ST304:YES)、心雑音は漸増形状403である(ST305)。
また、導関数が常に負である場合(ST304:NO、ST306:YES)、心雑音は漸減形状404である(ST307)。
一方、ST306で導関数が負ではない場合(ST306:NO)、それはすなわち導関数が常にゼロであるということなので、心雑音の形状は一定形状401である(ST308)。
また、ST303において導関数が時間軸と交差する場合には(ST303:YES)、さらに、導関数が時間軸と交差するのは一ヵ所のみか否かを判断する(ST309)。
導関数と時間軸との交差が一カ所である場合(ST309:YES)、その交差点が増加と減少の切り替わりポイントとなる。
したがって、時間軸と導関数との交差前に導関数が0より小さいか否かを判断し(ST310)、減少から増加に変化する場合、心雑音は漸減漸増形状405である(ST311)。
逆に増加から減少に転じている場合、心雑音は漸増漸減形状402である(ST312)。
導関数が時間軸と交差するのが一ヵ所ではなく複数箇所である場合、導関数は何度もゼロになり、ゼロ付近で遷移すると推定されるので、この場合心雑音は一定形状401であるとする(ST308)。
(心雑音の形状判定の方法その2)
ここで、心雑音の形状判定(ST235)の工程は、図19のフローチャートに代えて、次のようにしてもよい。すなわち、導関数が時間軸と交差するか否かではなく、微分係数が正である領域の割合と微分係数が負である領域の割合とを考慮する。
これを図20のフローチャートを参照して説明する。
平滑化処理(ST301)と微分係数の算出(ST302)は同じである。
ここで次に、ST321において、微分係数が0より大きい部分(領域)と微分係数が0より小さい部分(領域)との割合を求める。そして、この割合が0.1以下であったり、あるいは0.9以上であるなど、極端に偏っている場合(ST322:YES)、それは、わずかに上がり下がりがあるとしても、全体として見れば形状はほぼ単調増加か、または単調減少であるといえる。したがって、前記割合が0.9以上であれば(ST323:YES)、形状は漸増403であり(ST305)、前記割合が0.1以下であれば(ST323:NO)、形状は漸減404である(ST307)。
ST322において、前記割合が0.1から0.9の間にあるなど、それほど極端に偏っていない場合、形状は一定401か、漸減漸増405か、漸増漸減402のいずれかであると考えられる。そこで、導関数と時間軸との交差回数が所定回数(例えば3回)以下であるか否かを判定する(ST324)。
導関数と時間軸との交差回数が所定回数(例えば3回)を越えるような場合(ST324:NO)、導関数は何度もゼロになり、ゼロ付近で遷移すると推定されるので、心雑音は一定形状401である(ST308)。
一方、ST324において導関数と時間軸との交差回数が所定回数(例えば3回)以下である場合(ST324:YES)、次に、「増減切り替わり箇所」を特定する。
「増減切り替わり箇所」とは、同符号の微分係数が最も長く連続する区間の境界(端点)であり、図21でいうと、矢印1001や矢印1002が指す箇所である。
増減切り替わり箇所を境にして、減少から増加に転じている場合には、形状は漸減漸増405であり(ST311)、増加から減少に転じている場合には、形状は漸増漸減402である(ST312)。
上記のように、心雑音の形状判定の方法その1とその2において、心雑音の形状を5タイプに分類する場合を例示したが、さらに関数の凹凸を含めて分類するなど、さらに細かく分類しても良い。
例えば、心雑音がI音の後であってII音の前にあるのか、II音の後であってI音の前にあるのか、など、心雑音とI音・II音との位置関係に着目して心雑音を分類してもよい。
図17のフローに戻って、次に、表示情報の生成を行う(ST233)。
これは、心音検出(ST102)で検出した心音の種類(I音、II音・・など)と、前記形状判定(ST235)で判定分類した心雑音の形状と、に基づいて、これらを模式的に表示するための情報を生成する。
心雑音以外の音、すなわち、I音、II音、II音分裂、III音、IV音およびクリック音などの場合、例えば、開始位置(開始時刻)と音量とを表示情報とすることが例示されるが、さらに、発音時間の長さなど他の情報を追加してもよい。
心雑音の場合、発音時間と、音量と、形状と、に基づいて次のように表示情報を生成する。
心雑音が一定形状401(図18参照)の場合、音量の平均値を求め、発音時間の間この平均値で一定であるとする。
心雑音が漸増漸減の形状402の場合、両端で音量が最小値であり、さらに、前記ST309またはST325で求めた切り替わり箇所で音量が最大値であるとし、その間をそれぞれ補間する。
心雑音が漸増形状403の場合、左端で音量の最小値であり、右端で音量の最大値であるとし、その間を補間する。
心雑音が漸減形状404の場合、左端で音量の最大値であり、右端で音量の最小値であるとし、その間を補間する。
心雑音が漸減漸増の形状405の場合、両端で音量の最大値であり、切り替わり箇所で音量が最小値であるとし、その間をそれぞれ補間する。
補間の方法としては線形補間が例として挙げられるが、他の補間方法であってもよい。
すべての要素(心音、心雑音)について表示情報を生成したところで(ST234:YES)、表示情報の生成(ST200)が完了する。
図16のフローに戻って、模式化部420により、表示情報の模式化を行う(ST400)。すなわち、ST200で生成した表示情報を模式化する。模式化の例を図22、図23、図24に示す。
図22(A)はII音分裂がある場合、図22(B)はIII音がある場合、図22(C)はIV音がある場合、図22(D)はクリック音がある場合である。この例では、各音の開始位置に各音の音量に応じた長さ(高さ)の線分を表示するようにしている。
なお、線分に代えて、少し幅を持つ短冊状の矩形としてもよく、見やすいように表示できればよい。また、心音の種類毎に、色や線種を替えても良い。
図23(A)-(D)および図24(A)-(D)は心雑音が含まれる場合の模式化の例である。
図23(A)と図24(A)とは心雑音が一定形状の場合、図23(B)と図24(B)とは心雑音が漸増漸減形状の場合、図23(C)と図24(C)とは心雑音が漸増形状の場合、図23(D)と図24(D)とは心雑音が漸減形状の場合、である。
このように、心雑音区間とその類型が判別可能な表示ならば、その模式化の形状(形態)は限定されない。
上記のように模式化した情報を画面に表示する(ST500)。
図25は、表示画面の例である。
この表示画面の例で操作の一例を説明する。
まず、開くボタン801から、心音信号を選択する。録音済の心音ファイルを選択してもよく、あるいは、リアルタイムに入力される心音を選択できるようにしてもよい。
再生ボタン802を押すことで、分析された心音を聴くことができる。停止ボタン803を押すと、心音再生が停止される。
繰り返し再生ボタン804を押し、続いて、心音表示領域805上で繰り返し再生区間807を指定する。すると、指定された区間が繰り返し再生される。再生位置表示バー806は、心音再生時の再生箇所を図示する。
拡大縮小ボタン808は、心音表示領域805の縮尺を変更する。
情報表示領域809は、心音、心雑音の模式表示部分についての詳細情報を表示する。
詳細情報としては、心音、心雑音の名称や形状、正常音か異常音か、などが例として挙げられるが、その他の内容を表示するようにしてもよいことはもちろんである。
前記詳細情報を表示するための操作としては、マウスオーバーやクリック、画面タッチなどが例として挙げられるが、機器に適した操作であればよい。
詳細情報を表示する表示方法や位置についても、図25のような吹き出しの他、例えば矢印を用いて指し示したり、画面下部等に特定の表示領域を設けて表示したりしてもよい。
このような第2実施形態によれば、次の効果を奏する。
すなわち、心音から特徴的箇所を正確に検出した上で、さらに、それらをユーザーにわかるように模式化して表示することができる。したがって、医療知識が十分ではないユーザーでも模式的表示を見て心音に含まれている特徴を簡単に把握でき、被験者の身体状態を把握することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の基本的構成は第2実施形態と同様であるが、第3実施形態においては心音種類の分類に加えて、正常音と異常音とを区分する点に特徴を有する。
図26は、第3実施形態に係る心音情報処理装置の構成を示す図である。
第3実施形態においては、心音分類部500を備え、心音検出部で検出された心音が正常か異常かを分類する。
図27は、第3実施形態の全体の工程を示すフローチャートである。
第3実施形態では、ST102の心音検出の後、心音が正常であるか異常であるかを分類する心音分類(ST150)を行う。
心音分類(ST150)を図28のフローチャートを参照して説明する。
まず、心音要素を順に一つ選択し(ST151)、それがI音かまたはII音であるかを判定する(ST152)。
I音かまたはII音であり(ST152:YES)、さらに、それが分裂音、減弱、亢進のいずれにも該当しなければ(ST153:NO)、その心音要素は正常音とする(ST154)。
ここで、分裂音か否かについては、既に心音検出(ST102)の段階で判断済である。
減弱、亢進については、例えば、他方の心音とのパワー対比で判断することが例として挙げられる。すなわち、選択されている心音がI音の場合はII音と対比し、選択されている心音がII音の場合はI音と対比して、パワーが著しく小さい場合(例えば50%未満の場合)は減弱と判断し、逆に、パワーが著しく大きい場合(例えば150%以上の場合)は亢進と判断する。あるいは、所定の閾値で減弱・亢進を判定するようにしてもよく、その方法は限定されるものではない。
また、聴診位置によってI音とII音の音量バランスは変化するので、ユーザーが使用時に聴診位置を入力し、その位置情報を減弱/亢進の判断に加えてもよい。また、体型によっても変わるので、身長や体重の情報を減弱/亢進の判断に加えてもよい。
一方、ST153において、I音またはII音であるが、それが分裂音、減弱および亢進のいずれかに該当する場合(ST153:YES)、その心音要素は異常音とする(ST158)。
また、I音またはII音ではない場合(ST152:NO)、それがIII音であるか否かを判断する(ST156)。I音でもII音でもIII音でもない場合(ST156:NO)、その心音は異常とする(ST158)。
III音である場合(ST156:YES)、被験者が所定年齢未満(ST157)、例えば40歳未満であれば、III音があることは異常ではないので、その心音要素は正常音とする(ST154)。
順次選んだ心音要素を正常音(ST154)か異常音(ST158)に分類していき、すべての心音要素を分類し終わったところで(ST155:YES)、心音分類の工程(ST150)は終了する。
図27に戻って、心音分類(ST150)が終了したので、次に、表示情報を生成する(ST260)。
図29を参照して、表示情報生成工程(ST260)について説明する。
心音要素を選択して(ST231)、心雑音については形状判定を行う(ST235)。形状判定(ST235)については第1実施形態と同じである。
次に、ST261において、正常音と異常音とをそれぞれカウントしていく。すなわち、選択された心音(ST231)がST150で正常音に分類されたものであれば、正常音の個数を一つカウントアップする。
選択された心音(ST231)がST150で異常音に分類されたものであれば、異常音の個数を一つカウントアップする。
このカウントによって、分析対象である心音信号のなかに正常音が何回あるか、異常音が何回あるか、がそれぞれカウントされることになる。
なお、異常音については、種類、大きさ、発音時間の長さ、心雑音であればその形状、I音・II音との位置関係、などにそれぞれ所定の係数を設定し、これら係数を用いてカウント(ST261)を行ってもよい。
これまでの情報を基にして表示情報を生成する(ST262)。すべての心音要素について表示情報を生成し(ST234:Yes)、模式化(ST400)したうえで画面表示を行う(ST500)。画面表示の例を図30、図31、図32を参照して説明する。
図30から図32において、1101から1106は、異常音と正常音とのカウント数を示すグラフ表示の例である。
図30、図31において、横軸をカウント数として、異常音のカウント数1101、1103と、正常音のカウント数1102、1104と、を画面に表示している。
図32においては、異常音の割合1105と、正常音の割合1106と、を画面に表示している。
図30から図32に示すように、音の種類(I〜IV音、クリック音、各心雑音)に応じて色や塗り方(斜線、ドット等)を替え、音の分布がわかりやすいようにすることが好ましい。
なお、軸の向きを変えたり、パワーや発音時間などの軸を追加したり、他の形状のグラフ(円グラフやバブルチャートなど)を用いたりするなど、画面表示の方法については種々変更可能である。
表示画面において、特徴的な音が再生されている時に、領域1107、1109、1111にその音を模式的に表示してもよい。
表示内容としては、元の波形をそのまま表示しても良く、図23、図24のような模式表示でも良い。
さらに、模式表示した特徴的な音の説明と、異常音か正常音かを領域1108、1110、1112に示すようにしてもよい。
このような第3実施形態によれば、第2実施形態と同様に、医療知識が十分ではないユーザーでも模式的表示を見て心音に含まれている特徴を簡単に把握でき、被験者の身体状態を把握することができる。
100…心音情報処理装置、110…信号入力部、120…演算処理部、150…表示部、160…入力手段、200…周波数分析部、210…対象信号抽出部、300…心音検出部、310…I音・II音検出部、311…ピーク位置検出部、312…正確度判定部、313…訂正処理部、320…II音分裂検出部、330…III音検出部、340…IV音検出部、350…クリック音検出部、360…心雑音検出部、370…特徴箇所検出部、400…表示情報生成部、410…形状判定部、500…心音分類部。

Claims (24)

  1. 心臓の音を採取した心音信号から複数のピーク位置を検出するピーク位置検出部と、
    前記ピーク位置検出部によるピーク位置の検出が正確であるか否かを判定する正確度判定部と、
    前記正確度判定部による判定によって前記ピーク位置検出部によるピーク位置の検出が正確ではないと判定された場合にピーク位置の検出を訂正する訂正処理を行う訂正処理部と、を備え、
    前記正確度判定部は、検出されたピーク位置同士の間の時間長に基づいてピーク位置をクラスタリングした結果に基づいてピーク位置検出の正確度を判定し、
    前記訂正処理部は、前記正確度判定部による判定結果に応じて、訂正処理を繰り返し実行する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  2. 請求項1に記載の心音情報処理装置において、
    前記正確度判定部は、
    各クラスタのヒストグラムのバラツキを示す値に基づいてピーク位置検出の正確度を判定する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の心音情報処理装置において、
    前記正確度判定部は、
    各クラスタの要素数の差または比に基づいてピーク位置検出の正確度を判定する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記正確度判定部は、
    隣り合うピーク位置が所属するクラスタが同じか異なるかに基づいてピーク位置検出の正確度を判定する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記正確度判定部による正確度判定と前記訂正処理部による訂正処理には、上限回数が設定されている
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記訂正処理部は、
    前記各クラスタの要素の最頻値ではないピーク位置が2つ以上連続している場合、
    前後の時間間隔が両方ともクラスタの最頻値から外れたピーク位置を誤検出ピーク位置として削除する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記訂正処理部は、
    同じクラスタに所属するピーク位置が2つ以上連続し、かつ、その前後に前記各クラスタの要素の最頻値ではないピーク位置が隣り合う場合、
    前記最頻値ではないピーク位置と隣り合う前記同じクラスタに所属するピーク位置を削除する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記訂正処理部は、
    時間長が長い方のクラスタの最頻値より時間長が長いピーク位置とその次のピーク位置との間の区間でピーク位置を再探索する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記正確度判定部によってピーク位置検出が正確であると判定された後に、前記検出されたピーク位置を基準にしてさらに心音の特徴的な箇所を検出する特徴箇所検出部をさらに備える
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  10. 請求項9に記載の心音情報処理装置において、
    前記ピーク位置検出部と前記特徴箇所検出部とによって検出された心音の特徴箇所を表示部に表示するための表示情報を生成する表示情報生成部をさらに備え、
    前記表示情報生成部は、心音要素が心雑音である場合に心雑音の形状を分類する形状判定部と、
    分類結果に基づく模式的な表示情報を生成する模式化部と、を備える
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  11. 請求項10に記載の心音情報処理装置において、
    前記形状判定部は、心雑音の区間の心音の微分係数に基づいて心雑音の形状を分類する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の心音情報処理装置において、
    前記表示情報生成部は、心雑音と、心音のI音・II音と、の相対位置関係に基づいて心雑音をさらに分類する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  13. 請求項10から請求項12のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記模式化部は、さらに、心雑音の形状分類と、心雑音の音量と、に基づいて模式的な表示情報を生成する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  14. 請求項10から請求項13のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    さらに、前記ピーク位置検出部と前記特徴箇所検出部とによって検出された心音の特徴箇所を正常音と異常音とに分類する心音分類部を備える
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  15. 請求項14に記載の心音情報処理装置において、
    心音分類部は、さらに、被験者の年齢情報、被験者の体型情報、および、被験者を聴診するときの聴診位置の情報、の少なくとも一つを判断基準に加えて正常音と異常音とに分類する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  16. 請求項10から請求項15のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記表示情報生成部は、検出された心音の特徴箇所の数を種類ごとにカウントする
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  17. 請求項16に記載の心音情報処理装置において、
    前記表示情報生成部は、心音の特徴箇所ごとに、種類、大きさ、発音時間の長さ、心雑音であればその形状およびI音・II音との位置関係、の少なくとも一つ以上の情報に基づいて係数を設定し、この係数を用いてカウントを実行する
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  18. 請求項10から請求項17のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記模式化部は、心音および心雑音の種類毎に色分けをする
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  19. 請求項10から請求項18のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記表示情報生成部は、心音を再生出力する際に、再生中の心音に該当する心音の特徴箇所を指し示す再生箇所図示記号を前記表示部に表示させる
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  20. 請求項10から請求項19のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記表示情報生成部は、心音の特定の区間を繰り返し再生出力する際に、繰り返し区間を指し示す記号を前記表示部に表示させる
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  21. 請求項10から請求項20のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記表示情報生成部は、心音の特徴箇所を前記表示部に表示させる際に、あわせて、表示中の心音の特徴箇所の説明を表示させる
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  22. 請求項10から請求項21のいずれかに記載の心音情報処理装置において、
    前記表示情報生成部は、心音を再生出力する際に、再生中の心音に該当する心音の特徴箇所を模式化した模式図を前記表示部に表示させる
    ことを特徴とする心音情報処理装置。
  23. 心臓の音を採取した心音信号から複数のピーク位置を検出する工程と、
    検出されたピーク位置同士の間の時間長に基づいてピーク位置をクラスタリングする工程と、
    前記クラスタリングした結果に基づいてピーク位置検出の正確度を判定する工程と、
    前記正確度の判定によって前記ピーク位置の検出が正確ではないと判定された場合にピーク位置の検出を訂正する工程と、を備え、
    前記ピーク位置の検出を訂正する工程は、前記正確度の判定結果に応じて、繰り返し実行される
    ことを特徴とする心音情報処理方法。
  24. コンピュータを、
    心臓の音を採取した心音信号から複数のピーク位置を検出するピーク位置検出部と、
    検出されたピーク位置同士の間の時間長に基づいてピーク位置をクラスタリングした結果に基づいてピーク位置検出の正確度を判定し正確度判定部と、
    前記正確度判定部による判定結果に応じて、ピーク位置の検出を訂正する訂正処理を行う繰り返し実行する訂正処理部と、して機能させる
    ことを特徴とする心音情報処理プログラム。
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