JP5672333B2 - 再生型イオン交換装置の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、容器内にイオン交換樹脂を収容してなる再生型イオン交換装置の運転方法に係り、特に採水時に原水を上向流にて通水する再生型イオン交換装置の運転方法に関する。詳しくは、本発明は、この再生型イオン交換装置の採水を停止する際の工程の改良に関する。
容器内にイオン交換樹脂を収容した再生型イオン交換装置に原水を通水して処理水を得る再生型イオン交換装置の運転方法として、原水を上向流にて通水する上向流通水方式がある。
図2(a)はこの再生型イオン交換装置の構成を示す概略的な縦断面図であり、円筒状の容器1が筒軸心方向を上下方向(特に鉛直方向)として設置されている。この容器1内の上部と下部にそれぞれ目皿状のフィルタ2,3が設けられており、該フィルタ2,3間にイオン交換樹脂4が収容されている。イオン交換樹脂4はその使用によって樹脂自体が膨潤し、その体積が増加するため、通常、この体積の増加を見越して、前記容器1内の上部に所定高さの空間(フリーボード部F)を残した状態で容器1内に収容されている。
このイオン交換樹脂の原水供給口5から原水を上向流にて通水すると、イオン交換樹脂4はこの水圧によって押し上げられ、図2(b)のように上側のフィルタ2に押し付けられた固定床状態となり、この状態で採水が行われる。処理水は、容器頂部の流出口6から流出する。容器1内への原水の通水を停止すると、イオン交換樹脂4を押し上げる力が消失するので、前記固定床を形成していたイオン交換樹脂4は、容器1内において下側フィルタ3側へ沈降落下し、通水前の収容状態、すなわち図2(a)の状態に復帰する。
このようにイオン交換樹脂4が容器1内で沈降落下する場合、図2(c)のようにイオン交換樹脂の崩落部4aが形成される。この崩落部4aが徐々に上方に移動し、遂には最上部のイオン交換樹脂4にまで達してイオン交換樹脂4の落下が終了し、図2(a)の状態に復帰する。このイオン交換樹脂の崩落部4aにおいては、イオン交換樹脂粒子が混ざり合いながら落下する。そのため、イオン交換樹脂4の充填層の下位側に位置していたイオン交換樹脂は破過(ブレーク)しているが、上位側に位置していたイオン交換樹脂はまだ破過していない運転中途状態で採水を停止した場合(原水通水を停止した場合)には、下位側の破過した樹脂と上位側の未破過樹脂とが混ざり合ってしまい、次回の採水運転再開時に処理水質が悪化することがあった。
そのため、上向流採水、下向流再生(向流再生方式)で運転する再生型イオン交換装置は、一度上向流通水により採水を開始すると、採水完了(次の再生)まで連続通水し続けなければならなかった。
このため、純水および超純水の使用量が低下した場合など、再生型イオン交換装置を一旦停止した方が良い場合でも、循環運転を行い連続して運転し続けるか、もしくは薬品再生を行う必要があったため、多くの時間とコストが掛かっていた。
特開昭51−77583号公報の第2頁右上欄に記載されるように、上向流で通液する際のイオン交換樹脂の流動化を抑制する手段としては、上向流での通水と同時に、樹脂床上方から圧力水(バランス水・下向流)を導入して樹脂床が舞い上がるのを防ぐ方法が知られている。しかし、この方法では、上向流での通水と同時に、樹脂床上方から圧力水を導入するため、各流量や圧力の調整が複雑となる。また、この方法は、通水停止時の自然沈降による樹脂層の乱れを抑制するものではない。
特開2003−220387号公報の0034、0035段落には、移動調整手段を設けることにより、通水終了時のイオン交換樹脂が前記樹脂筒の下部へ向かって落下する速度を減少させることで、上記のような課題に対処することが記載されている。しかし、このような移動調整手段を設ける態様であると、別途該手段を用意・設置しておく必要があり、大型装置では特に塔内部構造が複雑化し、コストアップ要因となる。
特開昭51−77583号公報 特開2003−220387号公報
上記の通り、上向流で通水して採水する再生型イオン交換装置は、採水途中で一旦停止してしまうと、再度採水を開始した時に停止前の水質を必ずしも維持できない問題(固定床が落下する際に、該樹脂層が乱れる)があるため、採水途中に一旦停止したい場合でも運転し続けなければならなかった。
本発明は、原水を上向流通水して採水する方法であって、採水運転を中断し、その後採水運転を再開する運転方式を行う再生型イオン交換装置の運転方法において、再生型イオン交換装置に特段の手段を設置する必要もなく、操作が簡易で、時間も掛からず、経済的な再生型イオン交換装置の運転方法を提供することを目的とする。
本発明の再生型イオン交換装置の運転方法は、容器内にイオン交換樹脂層を有する再生型イオン交換装置の運転方法であって、該再生型イオン交換装置に原水上向流にて通水される原水通水工程と、該再生型イオン交換装置への原水通水が中断された通水停止工程とを有し、該原水通水工程では該イオン交換樹脂層が原水の通水圧により押し上げられた状態となる再生型イオン交換装置の運転方法において、該原水通水工程の終了後、該原水通水工程で押し上げられたイオン交換樹脂層を全体として一体に下方に押して移動させるための付勢水を下向流通水することを特徴とする。
付勢水としては、この再生型イオン交換装置から得られた脱イオン水を用いるのが好ましい。
前記再生型イオン交換装置のフリーボード部の高さは、10〜200mmが好ましい。
前記付勢水の通水時のLVは20〜150m/hが好ましい。また、付勢水を10〜60secの間通水することが好ましい。
本発明は、上向流運転により採水を行う再生型イオン交換装置において、採水途中で採水停止を行う場合や採水完了時など原水通水停止を行う場合には、通水停止直後に、イオン交換樹脂層を下方に押圧するための付勢水を下向流にて通水する。このように付勢水を通水することにより、装置内部のイオン交換樹脂層が乱れずに容器内を下方に移動するようになり、イオン交換樹脂が固定床を維持できる。このため、再採水(再立上げ)後も、停止前と同等水質が確保でき、安定運転が可能となる。また、イオン交換樹脂の薬品再生を行う場合においても、高効率にて再生を行うことができ、薬品量の削減が可能となる。
本発明方法の説明図である。 従来例の説明図である。 一塔複床式再生型イオン交換装置の断面図である。 一塔複床式再生型イオン交換装置の断面図である。 一塔複床式再生型イオン交換装置の断面図である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。本発明は、図1のように、容器1内のフィルタ2,3間にイオン交換樹脂4を収容してなる再生型イオン交換装置において、図1(a)のように原水を上向流にて通水して採水を行う。原水の上向流通水を停止する場合、この上向流通水停止直後に図1(b)のように付勢水を容器1内に下向流にて通水し、イオン交換樹脂4の層(固定床状態となっている)を全体として一体に下方に移動させ、図1(c)のように、イオン交換樹脂4の層を固定床状態を維持したまま下側のフィルタ3に当接させる。このイオン交換樹脂4の層が下方に移動している間に、イオン交換樹脂4の層に前記図2(b)のような崩落部4aは形成されず、イオン交換樹脂粒子の混合は生じない。従って、再生型イオン交換装置への原水の上向流通水を再開した場合、再開直後から処理水質が良好なものとなる。
なお、本発明では、図1(c)のようにイオン交換樹脂4の層の下方移動終了後、イオン交換樹脂の再生を行ってもよく、イオン交換樹脂に十分なイオン交換容量が残っていれば、再生を行うことなく原水通水を再開すればよい。
本発明では、フリーボード部Fの高さh(図2(a))が過度に大きいと、イオン交換樹脂層が乱れやすくなる。また、イオン交換樹脂の沈降性は比重によって異なるので、比重を考慮してフリーボード部Fの高さhを設定することが好ましい。たとえば、陰イオン交換樹脂の比重は通常1.0〜1.2の範囲にあるため、フリーボード部の高さhは10〜200mmであり、好ましくは10〜100mmである。また、陽イオン交換樹脂の比重は通常1.2〜1.7の範囲にあるため、フリーボード部の高さhは10〜200mmであり、好ましくは10〜50mmである。陽イオン交換樹脂の方が陰イオン交換樹脂よりも重く沈降しやすいため、フリーボード部を広く取りすぎると沈降時に混合し易くなる。そのため、陰イオン交換樹脂を充填した場合に比較して、陽イオン交換樹脂を充填した場合には、フリーボード部の高さを小さくすることがより好ましい。
フリーボード部の高さhを決定する際に、イオン交換樹脂層の高さを考慮することはより好ましい態様である。イオン交換樹脂層の場合、樹脂層の高さは通常500〜2000mmの範囲であり、フリーボード部の高さh/イオン交換樹脂層の高さの比は、1:50〜1:2.5の範囲であり、好ましくは1:20〜1:10である。
付勢水を下向流通水する場合のLVは、小さすぎるとイオン交換樹脂層を一体移動させることができなくなるため、20m/h以上であることが好ましい。また、このLVが過大であると、イオン交換樹脂層の上面付近のイオン交換樹脂が乱れるので、このLVは150m/h以下であることが好ましい。従って、LVは20〜150m/hが好ましく、30〜60m/hが特に好ましい。
付勢水の下向流通水は、原水の上向流通水停止後、直ちに通水開始するのが好ましく、具体的には、原水の上向流通水停止後、直ちに特に1sec以内に付勢水の下向流通水を開始するのが好ましい。付勢水の通水継続時間は10〜60sec程度が好ましい。
再生型イオン交換装置は、一塔複床式、多塔複床式、多塔単床式、単床式などのいずれでもよい。一塔複床式であれば、たとえば、図3,4に示したような構造のものを使用することができる。
図3〜5は一塔2床式再生型イオン交換装置の縦断面図であり、図3は採水時、図4は再生時、図5は付勢水通水時を示している。この再生型イオン交換装置40は、塔体41内の上室20にアニオン(陰イオン)交換樹脂21を充填し、下室30にカチオン(陽イオン)交換樹脂31を充填して一塔内に2床を形成したものである。
再生型イオン交換装置40の塔体41は筒軸心方向を鉛直方向とした円筒部41aと、頂部の鏡板部41bと、底部の鏡板部41cとによって外殻が構成されている。鏡板部41bは上に凸に湾曲し、鏡板部41cは下に凸に湾曲している。
この塔体41内が遮水性の仕切板42によって上室20と下室30との2室に区画されている。この実施の形態では、仕切板42は、水を全く通過させない金属又は合成樹脂製のものであり、鏡板部41cと同様に下に凸に湾曲している。仕切板42の周縁部は、円筒部41aの内周面に対し溶接等により水密的に結合されている。
上室20内の上部に第1の集配水部材44が配置され、この第1の集配水部材44に上部給排配管43が接続されている。上室20内の下部に第2の集配水部材46が設置され、この集配水部材46に第1の連通配管45が接続されている。下室30内の上部に第3の集配水部材49が設置され、この集配水部材49に第2の連通配管48が接続されている。連通配管45,48は、第3の連通配管51によって接続され、この連通配管51に52が設置されている。
連通配管45,48の末端部には、再生液の給排手段としての弁47,50が設けられている。下室30の下部には、第4の集配水部材54が設置され、この集配水部材54に下部給排配管53が設置されている。
上室20内の大部分にアニオン交換樹脂21が充填され、このアニオン交換樹脂21の上側に粒状の不活性樹脂22が充填されている。第1の集配水部材44はこの不活性樹脂22内に埋設されている。
下室30内の大部分にカチオン交換樹脂31が充填され、このカチオン交換樹脂31の上側に粒状の不活性樹脂32が充填されている。第3の集配水部材49はこの不活性樹脂32中に埋設されている。不活性樹脂としては、イオン交換樹脂よりも比重の小さいポリアクリロニトリル系樹脂などが用いられる。不活性樹脂の粒径は、イオン交換樹脂と同程度が好ましい。
集配水部材44,46,49,54としては、従来のイオン交換装置で使用されている集水板や、放射状に延在させた配管に多数のスリットを設けたストレーナーなどを使用することができる。例えば、イオン交換樹脂の大きさが約0.4mm程度の場合、ストレーナーとしてスリットの幅が約0.2mmのものを使用するのが好ましい。集配水部材44,46,49,54は、鏡板部41b、仕切板42、鏡板部41cに沿う形状を有しており、鏡板部41b、仕切板42、鏡板部41cに沿うデッドスペースが小さいものとなっている。
このイオン交換装置を用いた脱イオン水の生産(採水)時のフローを図3に示す。この場合、弁52を開、弁47,50を閉とし、下部給排配管53から原水(被処理水)を供給する。この原水は集配水部材54、カチオン交換樹脂31、不活性樹脂32、集配水部材49、連通配管48,52,45、集配水部材46、アニオン交換樹脂21、不活性樹脂22、集配水部材44、上部給排配管43の順に流れ、処理水(脱イオン水)として取り出される。
集配水部材54,46から原水が上向流にて流れることにより、カチオン交換樹脂31及びアニオン交換樹脂21は浮上し、それぞれ不活性樹脂32,22の層の下面に押し付けられる。この採水を停止する場合には、原水通水停止直後に図5のように弁52を閉、弁47,50を開とし、各集配水部材49,44から付勢水を下向流にて通水し、付勢排水を集配水部材54,46から排出し、カチオン交換樹脂31及びアニオン交換樹脂21の層(固定床状態となっている)をそれぞれ全体として一体に下方に移動させ、カチオン交換樹脂31を鏡板部41cに着底させ、アニオン交換樹脂21を仕切板42に着底させる。これにより、カチオン交換樹脂31と不活性樹脂32との間及びアニオン交換樹脂21と不活性樹脂22との間にそれぞれフリーボードが形成される。なお、カチオン交換樹脂31及びアニオン交換樹脂21が下方移動している間、各カチオン交換樹脂31の層及びアニオン交換樹脂21の層には前記図2(b)のような崩落部は形成されない。なお、弁52を開、弁47,50を閉とし、集水部材44から付勢水を下向流にて通水し、下部給排配管53から排出するように、上室と下室とを一過式に付勢水を通水させるようにしても良い。
カチオン交換樹脂31及びアニオン交換樹脂21の再生時には、図4のように弁52を閉、弁47,50を開とし、上部給排配管43からNaOHなどのアルカリ溶液を供給すると共に、第3の連通配管48からHCl、HSOなどの酸溶液を供給する。アルカリ溶液は、集配水部材44、不活性樹脂22、アニオン交換樹脂21、集配水部材46、連通配管45、弁47の順に流れ、再生廃水(アルカリ)として流出し、これによりアニオン交換樹脂21が再生される。酸溶液は、集配水部材49、不活性樹脂32、カチオン交換樹脂31、集配水部材54、下部給排配管53の順に流れ、再生廃水(酸)として流出し、これにより、カチオン交換樹脂31が再生される。
再生終了後は、図4のHCl溶液、NaOH溶液の代わりに、それぞれ純水を通水し、各経路及び樹脂をリンスした後、必要に応じて純水で上室と下室を個別に下向流洗浄しながら洗浄排水を排出し、その後、純水を上室20と下室30との間で所定時間循環させ、次いで、採水工程に復帰する。この再生に際しては、アニオン交換樹脂21とカチオン交換樹脂31とが混ざり合うことは全くない。また、再生用のアルカリ溶液が下室30に流入したり、酸溶液が上室20に混入することが全くなく、逆再生が完全に防止される。加えて、アニオン交換樹脂21とカチオン交換樹脂31とを同時に並行して再生することができ、再生時間が著しく短いものとなる。
このイオン交換装置は、1つの塔体41内を1枚の仕切板42によって上下2室に区画したものであり、塔体の高さが低く、設置スペースも小さい。また、上室20と下室30とを連通する配管45,51,48が短くてすむ。
このイオン交換装置では集配水部材54,46,49,54が鏡板部41b、仕切板42、鏡板部41cに沿って設けられており、水の局部的な滞留が防止される。
このイオン交換装置では、上室20及び下室30の上部に不活性樹脂22,32を充填しており、アニオン交換樹脂21及びカチオン交換樹脂31の流動が防止され、採水時及び再生時に液が均等にアニオン交換樹脂21及びカチオン交換樹脂31と接触するようになっており、高水質の脱イオン水が得られると共に、十分に再生が行われるようになる。
図3〜5では、上室20にアニオン交換樹脂を収容し、下室30にカチオン交換樹脂を収容しているが、逆としてもよい。図3〜5では、上室20と下室30とが配管45,51,48を介して連通されているが、塔体41の外部を引き回されている限り、これに限定されない。また、図3〜5では、3個の弁47,50,52を用いているが、2個の三方弁を用いて流路切り替えを行うようにしてもよい。
下向流通水に用いる付勢水は、この再生型イオン交換装置の処理水であってもよく、後段の処理水のいずれかであってもよいが、処理水または、それ相当の純度を有する水を用いるのが好ましい。
付勢水の下向流通水は、前段塔、後段塔それぞれ個別に同時通水(並行通水)するか、もしくは、後段塔内からそのまま前段塔までシリーズで通水する方法のいずれでもよいが、前段塔、後段塔それぞれ個別に並行通水するのが好ましい。
[実施例1]
図3に示す再生型イオン交換装置において、内径600mmの容器の上段に陰イオン交換樹脂を高さが1000mmとなるように充填し、下段に陽イオン交換樹脂を高さが500mmとなるように充填し、一塔複床式の再生型イオン交換装置を構成した。フリーボード部の高さhは、それぞれ200mmに設定した。
強塩基性陰イオン交換樹脂:Dow MONOSPHERE 550A(OH)比重1.1
強酸性陽イオン交換樹脂:Dow MONOSPHERE 650C(H)比重1.4
この再生型イオン交換装置(イオン交換樹脂塔)に比抵抗0.1MΩ・cm(導電率10μS/cm)の原水を20m/hにて上向流通水した。通水開始から3時間経過したときに上向流通水を停止し、直ちに付勢水を10m/h(LV=35m/h)にて15sec下向流通水し、その後1時間通水停止状態とした。これを1サイクルとし、複数サイクル繰返した。処理水の比抵抗の経時変化及び採水量を表1に示す。なお、採水量とは、処理水の比抵抗が18MΩ・cm以下になった時点までの総処理水量である。
[比較例1]
原水通水停止後の付勢水下向流通水を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして再生型イオン交換装置の運転を行った。処理水の比抵抗の経時変化及び採水量を表1に示す。
[比較例2]
原水の通水停止を行わず、連続して通水したこと以外は実施例1と同様にして再生型イオン交換装置を運転した。処理水の比抵抗の経時変化及び採水量を表1に示す。
[参考例1]
フリーボード部の高さhを300mmとしたこと以外は実施例1と同様にして再生型イオン交換装置を運転した。処理水の比抵抗の経時変化及び採水量を表1に示す。
Figure 0005672333
表1の通り、実施例1によると、原水の通水を繰り返し中断したにもかかわらず、採水量が多い。実施例1の採水量は、連続運転した比較例2と同量であり、イオン交換樹脂の交換容量を十分に利用できることが認められた。
参考例1は実施例1よりも採水量が少ない。比較例1はそれよりもさらに採水量が少ない。
以上の実施例からも明らかな通り、本発明によれば、採水途中に原水通水停止を繰り返し行った場合でも、連続通水した場合と同等の採水量を確保することができる。
1 容器
2,3 フィルタ
4 イオン交換樹脂
21 カチオン交換樹脂
22,32 不活性樹脂
31 アニオン交換樹脂
41 塔体
41b,41c 鏡板
42 仕切板
43 上部給排配管
44,46,49,54 集配水部材
45,48,51 連通配管
53 下部給排配管

Claims (5)

  1. 容器内にイオン交換樹脂層を有する再生型イオン交換装置の運転方法であって、
    該再生型イオン交換装置に原水上向流にて通水される原水通水工程と、
    該再生型イオン交換装置への原水通水が中断された通水停止工程と
    を有し、
    該原水通水工程では該イオン交換樹脂層が原水の通水圧により押し上げられた状態となる再生型イオン交換装置の運転方法において、
    該原水通水工程の終了後、該原水通水工程で押し上げられたイオン交換樹脂層を全体として一体に下方に押して移動させるための付勢水を下向流通水することを特徴とする再生型イオン交換装置の運転方法。
  2. 請求項1において、前記付勢水として前記再生型イオン交換装置から得られた脱イオン水を用い、原水通水工程の終了後、1sec以内に付勢水通水を開始することを特徴とする再生型イオン交換装置の運転方法。
  3. 請求項1又は2において、前記再生型イオン交換装置のフリーボード部の高さが10〜200mmであることを特徴とする再生型イオン交換装置の運転方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記付勢水の通水時のLVが20〜150m/hであることを特徴とする再生型イオン交換装置の運転方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記付勢水を10〜60secの間通水することを特徴とする再生型イオン交換装置の運転方法。
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