ところで、特許文献1記載の立体画像表示装置では、メガネの傾きに対応するように生成された視差画像を表示部に表示することで、その画像の立体視が可能となっている。この視差画像は、右目用画像のみを透過させる右目用透過部と右目用画像と、左目用透過部と左目用画像とのそれぞれの距離感を保つことで、より自然な立体像(3D画像)を見ることができるようになっている。
しかしながら、特許文献1記載の立体画像表示装置では、メガネを装着したユーザの動作によるメガネの傾きに対応するように視差画像を生成することで、3D画像をユーザに視認させるようにしているが、例えば、メガネを装着したユーザが頻繁に体勢を変化させているときには、メガネの傾きに対応して生成される間にタイムラグが発生し、生成された視差画像と現在のメガネの傾きとが対応しないことがあることから、確実に3D画像を視認することができないので、かえって画面が見にくくなってしまうことがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、メガネの傾斜角度及び傾斜方向が随時変化しても、より画像を見やすくすることが可能な3D画像表示制御システムを提供するものである。
本発明に係る3D画像表示システムは、右目用画像と左目用画像とを所定の形式にて表示する画像表示装置と、前記右目用画像を透過させる右透過部及び前記左目用画像を透過させる左透過部を備えた3Dメガネとを有し、前記3Dメガネを通して前記画像表示装置に表示される前記右目用画像及び左目用画像を見せることにより3D画像を視覚的に提供する3D画像システムであって、前記3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるか否かを判定する傾き判定手段と、前記傾き判定手段によって前記3Dメガネが前記所定の傾き条件を満たす状態にあると判定されるときに、前記3Dメガネを通して前記右目用画像及び前記左目用画像のうちのいずれか一方だけを前記3D画像に代えて提供する2D画像提供手段とを有し、前記傾き判定手段は、前記3Dメガネが当該3Dメガネの右透過部と左透過部との配列方向が上下方向に所定角度以上傾いているという傾き条件を満たす状態にあるか否かを判定し、更に、前記傾き判定手段は、前記3Dメガネが当該3Dメガネの右透過部と左透過部との配列方向が上下方向に前記右透過部を上側にして所定角度以上傾いているという第1の傾き条件を満たす状態にあるか否かを判定する第1傾き判定手段と、前記3Dメガネが当該3Dメガネの右透過部と左透過部との配列方向が上下方向に前記左透過部を上側にして所定角度以上傾いているという第2の傾き条件を満たすか否かを判定する第2傾き判定手段とを有し、前記2D画像提供手段は、前記第1傾き判定手段によって前記3Dメガネが前記第1の傾き条件を満たす状態にあると判定されるときに、前記3Dメガネを通して前記右目用画像を提供し、前記第2傾き判定手段によって前記3Dメガネが前記第2の傾き条件を満たす状態にあると判定されるときに、前記3Dメガネを通して前記左目用画像を提供する構成となる。
このような構成によれば、右目用画像を透過させる右透過部と左目用画像を透過させる左透過部とを備えた3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるか否かを傾き判定手段によって判定し、3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあると判定されるときに、2D画像提供手段によって3Dメガネを通して右目用画像及び左目用画像のうちのいずれか一方だけを3D画像(右目用画像及び左目用画像)に代えて提供するので、3Dメガネを装着したユーザは、右目用画像及び左目用画像のいずれかの画像からなる2D画像を視認することが可能となる。
そして、傾き判定手段によって、3Dメガネが当該3Dメガネの右透過部と左透過部との配列方向が上下方向に所定角度以上傾いているという傾き条件を満たす状態にあるか否かを判定するので、3Dメガネの右透過部と左透過部との配列方向が上下方向に所定角度以上傾いているときに、2D画像提供手段によって3Dメガネを通して右目用画像及び左目用画像のうちのいずれか一方だけを3D画像(右目用画像及び左目用画像)に代えて提供することができるようになる。
更に、傾き判定手段が、3Dメガネが当該3Dメガネの右透過部と左透過部との配列方向が上下方向に前記右透過部を上側にして所定角度以上傾いているという第1の傾き条件を満たす状態にあるか否かを判定する第1傾き判定手段と、3Dメガネが当該3Dメガネの右透過部と左透過部との配列方向が上下方向に前記左透過部を上側にして所定角度以上傾いているという第2の傾き条件を満たすか否かを判定する第2傾き判定手段とを有し、2D画像提供手段が、第1傾き判定手段によって3Dメガネが第1の傾き条件を満たす状態にあると判定されるときに、3Dメガネを通して右目用画像を提供し、第2傾き判定手段によって3Dメガネが前記第2の傾き条件を満たす状態にあると判定されるときに、前記3Dメガネを通して前記左目用画像を提供するので、3Dメガネを装着したユーザは、3Dメガネが傾斜した際に上側に位置する透過部に対応する画像を視認することが可能となる。
本発明に係る3D画像表示システムにおいて、前記2D画像提供手段は、前記画像表示装置にあって、前記右目用画像及び左目用画像のいずれか一方だけを当該画像表示装置に表示させる画像表示制御手段を有する構成とすることができる。
このような構成によれば、2D画像提供手段は画像表示装置に設けられ、さらに画像表示制御手段が右目用画像及び左目用画像のいずれか一方だけを該画像表示装置に表示させる画像表示制御手段を有しているので、傾き判定手段によって3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるときに、画像表示制御手段によって右目用画像及び左目用画像のいずれか一方だけを表示装置に表示させることが可能となる。
本発明に係る3D画像表示システムにおいて、前記画像表示制御手段は、前記右目用画像及び前記左目用画像のいずれか一方だけを、前記3Dメガネの前記右透過部及び前記左透過部の双方を透過可能な状態で前記画像表示装置に表示させる構成とすることができる。
このような構成によれば、画像表示制御手段が右目用画像及び左目用画像のいずれか一方だけを、3Dメガネの右透過部及び左透過部の双方を透過可能な状態で画像表示装置に表示させるので、傾き判定手段によって3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるときに、3Dメガネを装着したユーザは両目にて画像表示装置に表示された右目用画像及び左目用画像のいずれか一方を視認することが可能となる。
さらに、本発明に係る3D画像表示システムにおいて、前記2D画像提供手段は、前記3Dメガネにあって、当該3Dメガネの前記右透過部及び左透過部の双方を前記右目用画像及び前記左目用画像のうちのいずれか一方を透過する状態に制御する3Dメガネ制御手段を有する構成とすることができる。
このような構成によれば、2D画像提供手段が3Dメガネに設けられ、3Dメガネ制御手段によって、該3Dメガネの右透過部及び左透過部の双方を右目用画像及び左目用画像のうちのいずれか一方を透過する状態に制御するので、傾き判定手段によって3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるときに、3Dメガネを装着したユーザは両目にて右目用画像及び左目用画像のいずれか一方を視認することが可能となる。
本発明に係る3D画像表示システムは、前記画像表示装置は、前記右目用画像と前記左目用画像とを交互に表示するものであって、前記右目用画像と前記左目用画像の表示タイミングを表す同期信号を送信する同期信号送信手段を有し、前記3Dメガネは、前記右透過部に設けられ、透過状態と遮蔽状態とを切換える右シャッタと、前記左透過部に設けられ、透過状態と遮蔽状態とを切換える左シャッタと、前記画像表示装置の前記同期信号送信手段から送信される前記同期信号を受信する同期信号受信手段と、該同期信号受信手段にて受信される前記同期信号に基づいて前記右目用画像の表示タイミングにて前記右シャッタを透過状態にするとともに前記左シャッタを遮蔽状態にし、前記左目用画像の表示タイミングにて前記右シャッタを遮蔽状態にするとともに前記左シャッタを透過状態にする3D視シャッタ制御手段とを有し、前記2D画像提供手段は、前記3Dメガネにあって、前記同期信号受信手段により受信される前記同期信号に基づいて前記右目用画像及び前記左目用画像のいずれか一方が表示されるタイミングにて前記右シャッタ及び前記左シャッタの双方を透過状態にし、前記右目用画像及び前記左目用画像の他方が表示されるタイミングにて前記右シャッタ及び前記左シャッタの双方を遮蔽状態にする2D視シャッタ制御手段を有する構成となる。
このような構成によれば、3D視シャッタ制御手段は、右目用画像と左目用画像とを交互に表示する画像表示装置から該右目用画像及び左目用画像の表示タイミングを表す同期信号を同期信号が送信されると、3Dメガネに設けられた同期信号受信手段によって同期信号を受信し、該同期信号に基づいて右目用画像の表示タイミングにて、3Dメガネの右透過部に設けられた透過状態と遮蔽状態とを切り替える右シャッタを透過状態にするとともに、左透過部に設けられた透過状態と遮蔽状態とを切り替える左シャッタを遮蔽状態にし、左目用画像の表示タイミングにて右シャッタを遮蔽状態にするとともに、左シャッタを透過状態にし、3Dメガネに設けられた2D画像提供手段の2D視シャッタ制御手段は、同期信号受信手段により受信される同期信号に基づいて右目用画像及び左目用画像のいずれか一方が表示されるタイミングにて右シャッタ及び左シャッタの双方を透過状態にし、右目用画像及び左目用画像の他方が表示されるタイミングにて右シャッタ及び左シャッタの双方を遮蔽状態にするので、傾き判定手段によって3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるときに、3Dメガネ(シャッタメガネ)を装着したユーザは右目用画像及び左目用画像のいずれかの画像のみを視認することが可能となる。
本発明に係る3D画像表示システムにおいて、前記傾き判定手段は、前記3Dメガネ設けられ、当該3Dメガネが所定の基準方向に対する傾きの程度を検出する傾き検出手段と、前記3Dメガネに設けられ前記傾き検出手段にて検出される前記3Dメガネの所定の基準方向に対する傾きの程度に基づいて前記3Dメガネが前記所定の傾き条件を満たす状態にあるか否かを判定する判定手段とを有する構成とすることができる。
このような構成によれば、3Dメガネに設けられた傾き判定手段が、3Dメガネが所定の基準方向に対する傾きの程度を検出する傾き検出手段と、3Dメガネに設けられた判定手段によって3Dメガネが所定の基準方向に対する傾きの程度に基づいて3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるか否かを判定するので、3Dメガネにおける制御を行うことのみで、ユーザに2D画像(右目用画像及び左目用画像のいずれかの画像)及び3D画像(右目用画像及び左目用画像)の画像を視認させることが可能となる。
本発明に係る3D画像表示システムにおいて、前記画像表示装置は、表示される前記右目用画像の偏光特性を第1の偏光特性にするとともに表示される前記左目用画像の偏光特性を前記第1の偏光特性と異なる第2の偏光特性にする偏光制御手段を有し、前記3Dメガネは、前記右透過部に設けられ、前記第1の偏光特性の画像を透過する右偏光フィルタと、前記左透過部に設けられ、前記第2の偏光特性の画像を透過する左偏光フィルタとを有し、前記2D画像提供手段は、前記画像表示装置にあって、前記右目用画像及び前記左目用画像のいずれか一方だけを表示させる画像表示制御手段を有する構成とすることができる。
このような構成によれば、画像表示装置が偏光制御手段によって表示される右目用画像の偏光特性を第1の偏光特性にするとともに表示される左目用画像の偏光特性を第1の偏光特性と異なる第2の偏光特性にし、3Dメガネが右透過部に設けられた第1の偏光特性の画像を透過する右偏光フィルタと、左透過部に設けられた第2の偏光特性の画像を透過する左偏向フィルタとを有し、画像表示装置に設けられた画像表示制御手段によって右目用画像及び左目用画像のいずれか一方だけを表示させるので、傾き判定手段によって3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるときに、3Dメガネ(偏光メガネ)を装着したユーザは右目用画像及び左目用画像のいずれかの画像のみを視認することが可能となる。
本発明に係る3D画像表示システムにおいて、前記画像表示装置は、第1の分光特性の画像を生成する第1の分光処理手段と、第2の分光特性の画像を生成する第2の分光処理手段と、前記第1の分光処理手段にて第1の分光特性の前記右目用画像を生成させるとともに、前記第2の分光処理手段にて第2の分光特性の前記左目用画像を生成させる3D分光処理制御手段と有し、前記第1の分光特性の前記右目用画像と前記第2の分光特性の前記左目用画像とを表示し、前記3Dメガネは、前記右透過部に設けられ、前記第1の分光特性の画像を透過する右フィルタと、前記左透過部に設けられ、前記第2の分光特性の画像を透過する左フィルタとを有し、前記2D画像提供手段は、前記画像表示装置にあって、前記第1の分光処理手段及び前記第2の分光処理手段の双方にて前記右目用画像及び前記左目用画像のいずれか一方を生成させる2D分光処理制御手段を有し、前記画像表示装置に前右目用画像及び前記左目用画像のいずれか一方を前記第1の分光特性及び前記第2の分光特性の双方にて表示させる構成とすることができる。
このような構成によれば、画像表示装置の3D分光処理制御手段が、第1の分光特性の画像を生成する第1の分光処理手段と、第2の分光特性の画像を生成する第2の分光処理手段とによって、第1の分光処理手段にて第1の分光特性の右目用画像を生成させるとともに第2の分光特性の左目用画像を生成させることによって、該画像表示装置に第1の分光特性の右目用画像と第2の分光特性の左目用画像とを表示させ、右透過部に設けられ、第1の分光特性の画像を透過する右フィルタと、左透過部に設けられ、第2の分光特性の画像を透過する左フィルタを有する3Dメガネにおいて、画像表示装置に設けられた2D画像提供手段が、第1の分光処理手段及び第2の分光処理手段の双方にて右目用画像及び左目用画像のいずれか一方を生成させる2D分光処理制御手段を有し、画像表示装置に右目用画像及び左目用画像のいずれか一方を第1の分光特性及び第2の分光特性の双方にて表示させるので、傾き判定手段によって3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるときに、3Dメガネ(分光メガネ)を装着したユーザは右目用画像及び左目用画像のいずれかの画像のみ両目にて視認することが可能となる。
本発明に係る3D画像表示システムにおいて、前記傾き判定手段は、前記3Dメガネに設けられ、当該3Dメガネが所定の基準方向に対する傾きの程度を検出する傾き検出手段と、前記3Dメガネに設けられ、前記傾き検出手段にて検出される傾きの程度を表す情報を送信する傾き情報送信手段と、前記画像表示装置に設けられ、前記3Dメガネに設けられた前記傾き情報送信手段から送信される前記傾きの程度を表す情報を受信する傾き情報受信手段と、前記画像表示装置に設けられ、前記傾き情報受信手段にて受信された傾きの程度を表す情報に基づいて前記3Dメガネが前記所定の傾き条件を満たす状態にあるか否かを判定する判定手段とを有する構成とすることができる。
このような構成によれば、3Dメガネに設けられた傾き判定手段が、3Dメガネが所定の基準方向に対する傾きの程度を検出する傾き検出手段と、3Dメガネに設けられた傾き情報送信手段によって傾き検出手段にて検出される傾きの程度を表す情報を送信し、画像表示装置に設けられた傾き情報受信手段によって、傾きの程度を表す情報を受信し、傾き情報受信手段にて受信された傾きの程度を表す情報に基づいて3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるか否かを判定手段によって判定するので、3Dメガネ及び表示制御装置における制御を行うことで、ユーザに2D画像(右目用画像及び左目用画像のいずれかの画像)及び3D画像(右目用画像及び左目用画像)の画像を視認させることが可能となる。
本発明に係る3D画像表示システムによれば、右目用画像を透過させる右透過部と左目用画像を透過させる左透過部とを備えた3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあるか否かを傾き判定手段によって判定し、3Dメガネが所定の傾き条件を満たす状態にあると判定されるときに、2D画像提供手段によって3Dメガネを通して右目用画像及び左目用画像のうちのいずれか一方だけを3D画像(右目用画像及び左目用画像)に代えて提供するので、3Dメガネを装着したユーザは、右目用画像及び左目用画像のいずれかの画像からなる2D画像を視認することができるので、メガネの傾斜角度及び傾斜方向が随時変化しても、より画像を見やすくすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る3D画像表示システム及び3D画像表示システムを構成する画像表示装置及びシャッタメガネ(アクティブシャッタメガネ)は、図1に示すように構成される。
図1において、3D画像表示システム100は、画像表示装置10とシャッタメガネ20とによって構成されている。画像表示装置100は、外部から入力される映像ソース16に基づいた3D映像データを処理する映像処理部11を有している。映像処理部11
には、映像ソースに含まれる右映像データと左映像データとを合成処理する合成部15が備えられている。また、映像処理部11には、合成部15によって処理がなされた画像(右目用画像Rと左目用画像Lとが交互に表示される画像)を表示するLED等によって構成される表示部12が接続されている。さらに、画像表示装置10には、シャッタメガネ20(詳しくは、後述する。)に対して赤外線等による同期信号を送信する同期信号送信部13が設けられている。この同期信号送信部13には、同期信号を生成する同期信号発生部14が接続されており、生成された同期信号が同期信号送信部13に供給されるようになっている。この同期信号発生部14は、前述した映像処理部11の合成部15に対しても同期信号を供給するようになっている。
このようにして、同期信号発生部14から供給された同期信号に対応するように、合成部15は、表示部12に表示する画像を生成する。より具体的には、合成部15は、同期信号発生部14の周波数に同期するように右目用画像R及び左目用画像Lを交互に表示する映像(以下、R/L画像という。)を生成する。このようにして合成部15によって生成されたR/L画像は、表示部12に表示される。
3D画像表示システム100を構成するシャッタメガネ20は、図2及び図3に示すように構成される。図2及び図3において、シャッタメガネ20は、様々な情報の処理が可能な制御部21を有している。制御部21には、画像表示装置10の同期信号送信部13からの同期信号を受信する同期信号受信部22が接続されている。また、シャッタメガネ20の中央部近傍には、シャッタメガネ20の傾き(傾斜角度)を検出する傾きセンサ23(傾き検出手段)が接続されている。シャッタメガネ20には、右目用画像Rを透過させる右透過部26と左目用画像Lを透過させる左透過部27とが傾きセンサ23を挟むように配置されている。また、右透過部26には、画像を透過する透過状態と画像を透過しない遮蔽状態とを切り替える右シャッタ部24が設けられている。同じく、左透過部27には、画像を透過する透過状態と画像を透過しない遮蔽状態とを切り替える左シャッタ部25が設けられている。これら右シャッタ部24、左シャッタ部25は、制御部21に接続されている。また、シャッタメガネ20には電源部28が設けられており、該電源部28をON状態にすることで、前述した制御部21等が動作するようになっている。
制御部21は、同期信号受信部22によって受信された同期信号に基づいて右目用画像Rが表示部12に表示されるタイミングにて右シャッタ部24を透過状態にするとともに、左シャッタ部25を遮蔽状態にし、左目用画像Lが表示部12に表示されるタイミングで右シャッタ部24を遮蔽状態にするとともに、左シャッタ部25を透過状態にさせる(3D視シャッタ制御手段)。これによって、シャッタメガネ20を装着したユーザが、表示部12に表示されたR/L画像を見ることで、3D画像を視認することができるようになっている。
このようにして構成される3D画像表示システム100において、シャッタメガネ20に設けられた制御部21は、図4に示す手順にて3D画像及び2D画像の表示制御(シャッタ動作制御)を行う。以下、詳しく説明する。
図4において、シャッタメガネ20の制御部21は、電源部28がON状態になると駆動を開始する(S11)。そして、制御部21は、シャッタメガネ20が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いているか(右透過部24が左透過部25に比べて上側に位置して所定角度傾いているか)否かを判定する(S12:傾き判定手段・第1傾き判定手段)。具体的には、制御部21は、傾きセンサ23によってシャッタメガネ20が水平状態に対して所定角度以上(第1の傾き条件:図5参照。例えば、θ=−15°以下)傾斜しているか否かを判定する。同時に、制御部21は、シャッタメガネ20が水平状態に対して右側に所定角度以上傾いているか(左透過部25が右透過部25に比べて上側に位置して所定角度以上傾いているか)否かを判定する(S13:傾き判定手段・第2傾き判定手段)。具体的には、制御部21は、傾きセンサ23によってシャッタメガネ20が所定角度以上(第2の傾き条件:図6参照。例えば、θ=15°以上)傾斜しているか否かを判定する。
これによって、シャッタメガネ20が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いていないと判定され(S12でNO)、かつ、シャッタメガネ20が水平状態に対して右側に所定角度以上傾いていないと判定された(S13でNO)ときに、制御部21は、表示制御装置10の同期信号送信部14に同期するようにシャッタメガネ20を制御する(S14:3D視シャッタ制御手段)。具体的には、図7に示すように、制御部21は、同期信号受信部22によって受信された同期信号送信部14から送信された同期信号から、右目用画像R(R画像)同期信号を検出する(S21)と、制御部21は、検出された右目用画像Rを透過させるために右シャッタ部24を透過状態にし、右目用画像Rを透過させる(S31)。なお、右シャッタ部24が透過状態にあっても、左シャッタ部25は遮蔽状態を維持している。その後、制御部21は、右シャッタ部24を遮蔽状態にし、右目用画像Rを不透過にする。
同期信号制御に戻って、同期信号受信部22によって、左目用画像L(L画像)同期信号を検出する(S22)と、制御部21は、検出された左目用画像Lを透過させるために左シャッタ部25を透過状態にし、左目用画像Lを透過させる(S33)。なお、左シャッタ部25が透過状態にあっても、右シャッタ部24は遮蔽状態を維持している。そして、一定時間が経過すると制御部21は、左シャッタ部25を遮蔽状態にし、左目用画像Lを不透過にする。このように、シャッタメガネ20が略平行状態にあるとき、制御部21は、画像表示装置10の同期信号送信部14から送信される同期信号を受信し、該同期信号に同期させるように、右シャッタ部24及び左シャッタ部25を動作させることによって、3D視制御を行っている。
図4のフローチャートに戻って、シャッタメガネ20が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いていないと判定され(S12でNO)、かつ、シャッタメガネ20が水平状態に対して右側に所定角度以上傾いていると判定された(S13でYES)とき(例えば、図6の状態のとき)に、制御部21は、表示制御装置10の同期信号送信部14に同期するようにシャッタメガネ20を制御する(S15:2D視シャッタ制御手段)。具体的には、図8に示すように、制御部21は、同期信号受信部22によって受信された同期信号送信部14から送信された同期信号から、右目用画像R(R画像)同期信号を検出する(S21)と、制御部21は、右シャッタ部24及び左シャッタ部25の両側のシャッタを遮蔽状態にし、右目用画像Rをいずれのシャッタ部24、25を通して視認することができないようにする(S35)。
同期信号制御に戻って、同期信号受信部22によって、左目用画像L(L画像)同期信号を検出する(S22)と、制御部21は、検出された左目用画像Lを透過させるために右シャッタ部24及び左シャッタ部25を透過状態にし、左目用画像Lを透過させる(S36)。そして一定時間が経過すると制御部21は、右シャッタ部24及び左シャッタ部25を遮蔽状態にし、左目用画像Lを不透過にする。これによって、制御部21は、シャッタメガネ20が右側に所定角度以上(例えば、θ=15°以上)傾斜しているときは、右目用画像Rが表示部12に表示されるときに、右シャッタ部24及び左シャッタ部25を遮蔽状態にし、かつ、左目用画像Lが表示部12に表示されるときに両シャッタ部24、25を透過状態するように制御する。よって、シャッタメガネ20が右側に所定角度以上傾いているとき、制御部21は、画像表示装置10の同期信号送信部14から送信される同期信号を受信し、該同期信号に基づいて表示部12に表示される右目用画像R及び左目用画像Lのうち左目用画像Lのみを、右シャッタ部24及び左シャッタ部25を動作させることによって透過させる(L画像2D視制御)。
図4のフローチャートに戻って、制御部21は、シャッタメガネ20の傾斜角度が所定角度以内(例えば、−10°< θ<10°)であるか否かを判定し続けている(S16)。これによって、シャッタメガネ20の傾斜角度が所定角度以内であると判定されたとき(S16でYES)に、制御部21は、前述したステップS14へと移行し、3D視制御を開始する。一方、シャッタメガネ20の傾斜角度が所定角度以上であると判定された(S16でNO)ときに、制御部21はL画像2D視制御を続けて行うようになっている。
一方、シャッタメガネ20が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いていると判定された(S12でYES)とき(例えば、図5の状態のとき)に、制御部21は、表示制御装置10の同期信号送信部14に同期するようにシャッタメガネ20を制御する(S17:2D視シャッタ制御手段)。具体的には、図9に示すように、制御部21は、同期信号受信部22によって受信された同期信号送信部14から送信された同期信号から、右目用画像R(R画像)同期信号を検出する(S21)と、制御部21は、検出された左目用画像Lを透過させるために右シャッタ部24及び左シャッタ部25を透過状態にし、左目用画像Lを右透過部26及び左透過部27を通して透過させる(S36)。そして一定時間が経過すると制御部21は、右シャッタ部24及び左シャッタ部25を遮蔽状態にし、左目用画像Lを不透過にする(S37)。
同期信号制御に戻って、同期信号受信部22によって、左目用画像L(L画像)同期信号を検出する(S22)と、制御部21は、右シャッタ部24及び左シャッタ部25の両側のシャッタを遮蔽状態にし、右目用画像Rをいずれのシャッタ部24、25を通しても視認することができないようにする(S35)。これによって、シャッタメガネ20が左側に所定角度以上(例えば、θ=−15°以下)傾斜しているときは、右目用画像Rが表示部12に表示されるときに、右シャッタ部24及び左シャッタ部25を右目用画像Rが透過できる状態にし、かつ、左目用画像Lが表示部12に表示されるときに両シャッタ部24、25を左目用画像Lが透過できない状態になっている。よって、シャッタメガネ20が右側に所定角度以上傾いているとき、制御部21は、画像表示装置10の同期信号送信部14から送信される同期信号を受信し、該同期信号に基づいて表示部12に表示される右目用画像R及び左目用画像Lのうち右目用画像Lのみを、右シャッタ部24及び左シャッタ部25を動作させることによって透過させる(R画像2D視制御)。
図4のフローチャートに戻って、制御部21は、シャッタメガネ20の傾斜角度が所定角度以内(例えば、−10°< θ<10°)であるか否かを判定し続けている(S18)。これによって、シャッタメガネ20の傾斜角度が所定角度以内であると判定されたとき(S18でYES)に、制御部21は、前述したステップS14へと移行し、3D視制御を開始する。一方、シャッタメガネ20の傾斜角度が所定角度以上であると判定された(S16でNO)ときに、制御部21はR画像2D視制御を続けて行うようになっている。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係る3D画像表示システム100では、制御部21(3D視シャッタ制御手段)は、右目用画像Rと左目用画像Lとを交互に表示する画像表示装置10から該右目用画像R及び左目用画像Lの表示タイミングを表す同期信号が送信されると、シャッタメガネ20に設けられた同期信号受信部22によって同期信号を受信し、該同期信号に基づいて右目用画像Rの表示タイミングにて、シャッタメガネ20の右透過部26に設けられた透過状態と遮蔽状態とを切り替える右シャッタ部24を透過状態にするとともに、左透過部27に設けられた透過状態と遮蔽状態とを切り替える左シャッタ部25を遮蔽状態にし、左目用画像Lの表示タイミングにて右シャッタ部24を遮蔽状態にするとともに、左シャッタ部25を透過状態にし、シャッタメガネ20に設けられた制御部21は、同期信号受信部22により受信される同期信号に基づいて右目用画像R及び左目用画像Lのいずれか一方が表示されるタイミングにて右シャッタ部24及び左シャッタ部25の双方を透過状態にし、右目用画像R及び左目用画像Lの他方が表示部12に表示されるタイミングにて右シャッタ部24及び左シャッタ部25の双方を遮蔽状態にするので、傾きセンサ23によってシャッタメガネ20が所定角度以上傾斜しているとき(θ=−15°以下、もしくはθ=15°以上のとき)に、シャッタメガネ20を装着したユーザは右目用画像R及び左目用画像Lのいずれかの画像(所謂、2D画像)のみを視認することが可能となるので、メガネの傾斜角度及び傾斜方向が随時変化しても、より画像を見やすい状態を維持することができるようになる。
本発明の第2の実施の形態に係る3D画像表示システム及び3D画像表示システムを構成する画像表示装置及び偏光メガネ(パッシブ偏光メガネ)は、図10に示すように構成される。
図10において、3D画像表示システム200は、画像表示装置40と偏光メガネ30とによって構成されている。画像表示装置40は、外部から入力される映像ソース16に基づいた3D映像データを処理する映像処理部41を有している。映像処理部41には、映像ソースに含まれる右映像データ及び左映像データを表示部45(液晶表示画面)の1ドットラインごとに分割するR映像処理部42及びL映像処理部43が設けられている。また、映像処理部41は、R映像処理部42及びL映像処理部43によって1ドットラインごとに分割された右目用画像R1と左目用画像L1とを1ラインごとに交互に配置するように合成処理する合成部44を備えている。これによって処理がなされた画像(表示用映像)が表示部45に供給される。
また、画像表示装置40には、前述した表示部45が設けられている。表示部45には、合成部44によって合成された表示用映像を表示するディスプレイの全面に偏光フィルム45aが備えられている。この偏光フィルム45a(偏光制御手段)は、1ライン毎に偏光方向が90°変化する特性を有している。これによって表示部45は、右目用画像R1と左目用画像L1それぞれで、異なる偏光特性を持つ映像(画像)を表示できるようになっている。さらに、画像表示装置40には、偏光メガネ30からの傾斜信号(詳しくは、後述する。)を受信する傾斜信号受信部46と、傾斜信号受信部46によって受信された傾き信号に対応するように映像処理部41を制御する映像処理制御部47とを備えている。
3D画像表示システム200を構成する偏光メガネ30は、図11及び図12に示すように構成される。図11及び図12において、偏光メガネ30の中央部近傍には、偏光メガネ30の傾き(傾斜角度)を検出する傾きセンサ33(傾き判定手段)が設けられている。また、偏光メガネ30には、様々な情報の処理が可能な制御部31と、傾きセンサ33から制御部31に傾斜信号が供給されたときに該傾斜信号を画像表示装置40に送信する傾斜信号送信部32(傾き情報送信手段)とを有している。また、偏光メガネ30は、右目用画像R1の偏光(第1の偏光特性)を透過する偏光フィルム(右偏光フィルタ)が張られた右側レンズ部34と、左側レンズに左目用画像L1の偏光(第2の偏光特性)を透過する偏光フィルム(左偏光フィルタ)が張られた左側レンズ部35とが設けられている。また、偏光メガネ30には電源部36が設けられており、該電源部36をON状態にすることで、前述した制御部31等が動作するようになっている。
また、偏光メガネ30の右側レンズ部34では右目用画像R1のみを透過させ、左側レンズ部35では左目用画像L1のみを透過させるので、偏光メガネ30を装着したユーザが表示部45を見ることで、3D画像を視認することができるようになっている。
このようにして構成される3D画像表示システム200において、画像表示装置40に設けられた映像処理制御部47(画像表示制御手段)は、図13に示す手順にて表示制御を行う。以下、詳しく説明する。
まず、偏光メガネ30の電源部36がON状態になると制御部31が駆動を開始し、偏光メガネ30に設けられた傾きセンサ33によって検出された傾き(傾斜角度)の程度を表わす情報(傾斜信号)を傾斜信号送信部32に画像表示装置40に向けて送信する(傾き情報送信手段)。図13において、偏光メガネ30の傾斜信号受信部46は、傾斜信号送信部32から送信された傾斜信号を受信する(S41:傾き情報受信手段)。傾斜信号受信部46は、受信した傾斜信号を映像処理制御部47に供給し、該傾斜信号を取得した映像処理制御部47は、傾斜信号から偏光メガネ30が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いているか否かを判定する(S42:判定手段・第1傾き判定手段)。具体的には、映像処理制御部47は、傾きセンサ33によって偏光メガネ30が水平状態に対して所定角度以上(図5参照。例えば、θ=−15°以下)傾斜しているか否かを判定する。同時に、映像処理制御部47は、偏光メガネ30が水平状態に対して右側に所定角度以上傾いているか否かを判定する(S43:判定手段・第2傾き判定手段)。具体的には、映像処理制御部47は、傾きセンサ33によって偏光メガネ30が所定角度以上(図6参照。例えば、θ=15°以上)傾斜しているか否かを判定する。
これによって、偏光メガネ30が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いていないと判定され(S42でNO)、かつ、偏光メガネ30が水平状態に対して右側に所定角度以上傾いていないと判定された(S43でNO)ときに、映像処理制御部47は、表示制御装置40に表示用映像(合成R1/L1映像)を生成させ表示部45に表示させる(S44:3D視制御)。具体的には、図14に示すように、映像処理制御部21は、傾斜信号によって水平状態が検出される(S51)と、映像処理部41のR映像処理部42に右映像データを映像処理させることにより右目用画像R1を生成させる。同じく、映像処理制御部47は、映像処理部42のL映像処理部43に左映像データを映像処理させることにより左目用画像R1を生成させる(S53)。そして、合成部44は、右目用画像R1と左目用画像L1とを合成することにより、表示用映像(合成R1/L1映像)を生成する(S54)。そして、映像処理制御部47は、映像処理部41によって生成させた合成R1/L1画像を表示部45に表示させる(S55)。これによって、偏光メガネ30を装着したユーザは、表示部45を視認することで、3D画像を見ることが可能となっている。
図13のフローチャートに戻って、偏光メガネ30が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いていないと判定され(S42でNO)、かつ、偏光メガネ30が水平状態に対して右側に所定角度以上傾いていると判定された(S43でYES)とき(例えば、図6の状態)に、映像処理制御部47は、表示制御装置40に表示用映像(L映像)を生成させ表示部45に表示させる(S45:2D画像提供手段)。具体的には、図15に示すように、映像処理制御部47は、傾斜信号によって偏光メガネ30が右側に所定角度以上傾いている(θ≧15°)ことが検出される(S56)と、映像処理部41の映像処理制御部47は、映像処理部42のL映像処理部43に左映像データを映像処理させることにより左目用画像R1を生成させる(S57)。そして、映像処理制御部47は、左目用画像R1のみを用いて表示用映像(L画像)を生成する(S58)。そして、映像処理制御部47は、映像処理部41によって生成させたL画像を表示部45に表示させる(S59)。つまり、偏光メガネ30が右側に所定角度以上傾いているとき、映像処理制御部47は、傾斜信号受信部46によって受信した傾斜信号に基づいて、画像表示装置40の映像処理部41のL映像処理部43を駆動させ左目用画像L1を生成し、左目用画像L1に基づいた表示用画像(L映像)を表示部45に表示させることで2D視制御を行っている。
そして、映像処理制御部47は、偏光メガネ30の傾斜角度が所定角度以内(例えば、−10°< θ<10°)であるか否かを判定し続けている(S46)。これによって、偏光メガネ30の傾斜角度が所定角度以内であると判定されたとき(S46でYES)に、映像処理制御部47は、前述したステップS44へと移行し、3D視制御を開始する。一方、偏光メガネ30の傾斜角度が所定角度以上であると判定された(S46でNO)ときに、映像処理制御部47は表示用画像(L画像)による2D視制御を引き続き行うようになっている。
一方、偏光メガネ30が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いていると判定された(S42でYES)とき(例えば、図5の状態)に、映像処理制御部47は、表示制御装置40に表示用映像(L映像)を生成させ表示部45に表示させる(S47:2D画像提供手段)。具体的には、図15に示すように、映像処理制御部47は、傾斜信号によって偏光メガネ30が左側に所定角度以上傾いている(θ≦−15°以下)ことが検出される(S56)と、映像処理部41の映像処理制御部47は、映像処理部42のR映像処理部42に右映像データを映像処理させることにより右目用画像R1を生成させる(S61)。そして、映像処理制御部47は、左目用画像R1のみを用いて表示用映像(R画像)を生成する(S62)。そして、映像処理制御部47は、映像処理部41によって生成させた表示用映像(R画像)を表示部45に表示させる(S63)。つまり、偏光メガネ30が左側に所定角度以上傾いているとき、映像処理制御部47は、傾斜信号受信部46によって受信した傾斜信号に基づいて、画像表示装置40の映像処理部41のR映像処理部42を駆動させ右目用画像R1を生成し、右目用画像R1に基づいた表示用画像(R映像)を表示部45に表示させることで2D視制御を行っている。
そして、映像処理制御部47は、偏光メガネ30の傾斜角度が所定角度以内(例えば、−10°< θ<10°)であるか否かを判定し続けている(S48)。これによって、偏光メガネ30の傾斜角度が所定角度以内であると判定されたとき(S48でYES)に、映像処理制御部47は、前述したステップS44へと移行し、3D視制御を開始する。一方、偏光メガネ30の傾斜角度が所定角度以上であると判定された(S48でNO)ときに、映像処理制御部47は表示用画像(R画像)による2D視制御を引き続き行うようになっている。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る3D画像表示システム200では、画像表示装置40が偏光フィルム45aによって表示される右目用画像R1の偏光特性を第1の偏光特性にするとともに、表示される左目用画像L1の偏光特性を第1の偏光特性と異なる第2の偏光特性にし、偏光メガネ30が右目用画像R1の偏光(第1の偏光特性)を透過する偏光フィルム(右偏光フィルタ)が張られた右側レンズ部34と、左側レンズに左目用画像L1の偏光(第2の偏光特性)を透過する偏光フィルム(左偏光フィルタ)が張られた左側レンズ部35とを有し、画像表示装置40に設けられた映像処理制御部47によって右目用画像R1及び左目用画像L1のいずれか一方だけを表示させるので、傾きセンサ33によって偏光メガネ30が所定角度以上傾斜しているとき(θ=−15°以下、もしくはθ=15°以上のとき)に、偏光メガネ30を装着したユーザは右目用画像R1及び左目用画像L1のいずれかの画像(所謂、2D画像)のみを視認することが可能となるので、メガネの傾斜角度及び傾斜方向が随時変化しても、より画像を見やすい状態を維持することができるようになる。
本発明の第3の実施の形態に係る3D画像表示システム及び3D画像表示システムを構成する画像表示装置及び分光メガネ(パッシブ分光メガネ)は、図17に示すように構成される。
図17において、3D画像表示システム300は、画像表示装置50と分光メガネ60とによって構成されている。画像表示装置50は、外部から入力される映像ソース16に基づいた3D映像データを処理する映像処理部51を有している。映像処理部51には、映像ソースに含まれる右映像データ及び左映像データのそれぞれを分光処理するR映像分光処理部52(第1の分光処理手段)及びL映像分光処理部53(第2の分光処理手段)が設けられている。また、映像処理部51は、R映像分光処理部52及びL映像分光処理部53によって分光処理された右目用画像R2と左目用画像L2とを合成処理する合成部54を備えている。これによって処理がなされた画像(表示用映像)が表示部55に供給される。
また、画像表示装置50には、前述した表示部55が設けられている。また、画像表示装置50には、分光メガネ60からの傾斜信号(詳しくは、後述する。)を受信する傾斜信号受信部56と、傾斜信号受信部56によって受信された傾斜信号に対応するように映像処理部51を制御する映像処理制御部57とを備えている。
3D画像表示システム300を構成する分光メガネ60は、中央部近傍に分光メガネ60の傾き(傾斜角度)を検出する傾きセンサ63(メガネ傾斜角度検出手段)が設けられている。また、分光メガネ60には、様々な情報の処理が可能な不図示の制御部と、傾きセンサ63から制御部61に傾斜信号が供給されたときに該傾斜信号を画像表示装置50に送信する傾斜信号送信部62とを有している。また、分光メガネ60は、右側レンズに右目用画像R2の光を透過する偏光フィルム(右フィルタ)が張られた右側レンズ部と、左側レンズに左目用画像L2の偏光を透過する偏光フィルム(左フィルム)が張られた左側レンズ部とが設けられている。また、分光メガネ60には電源部が設けられており、該電源部をON状態にすることで、前述した制御部51等が動作するようになっている。
また、分光メガネ60の右側レンズ部では右目用画像R2のみを透過させ、左側レンズ部では左目用画像L2のみを透過させるので、分光メガネ60を装着したユーザが表示部55を見ることで、3D画像を視認することができるようになっている。
このようにして構成される3D画像表示システム300において、画像表示装置50に設けられた映像処理制御部57(画像表示制御手段)は、図13に示す手順(前述した第2の実施の形態に係る3D画像表示システム200と同様の手順)にて表示制御を行う。以下に詳しく説明する。
まず、分光メガネ60に設けられた不図示の電源部がON状態になると不図示の制御部が駆動を開始し、分光メガネ60に設けられた傾きセンサ63によって検出された傾き(傾斜角度)の程度を表わす情報(傾斜信号)を傾斜信号送信部62に画像表示装置50に向けて送信する(傾き情報送信手段)。図18において、ステップS44では、傾斜信号受信部56は、傾斜信号送信部62から送信された傾斜信号を受信する(S41:傾き情報受信手段)。傾斜信号受信部56は、受信した傾斜信号を映像処理制御部57に供給し、該傾斜信号を取得した映像処理制御部57は、傾斜信号から分光メガネ60が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いているか否かを判定する(S42:判定手段・第1傾き判定手段)。具体的には、映像処理制御部57は、傾きセンサ63によって分光メガネ60が水平状態に対して所定角度以上(図5参照。例えば、θ=−15°以下)傾斜しているか否かを判定する。同時に、映像処理制御部57は、分光メガネ60が水平状態に対して右側に所定角度以上傾いているか否かを判定する(S43:判定手段・第2傾き判定手段)。具体的には、映像処理制御部57は、傾きセンサ63によって分光メガネ60が所定角度以上(図6参照。例えば、θ=15°以上)傾斜しているか否かを判定する。
これによって、分光メガネ60が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いていないと判定され(S42でNO)、かつ、分光メガネ60が水平状態に対して右側に所定角度以上傾いていないと判定された(S43でNO)ときに、映像処理制御部57は、映像処理部51に表示用映像(合成R/L映像)を生成させ表示部55に表示させる(S44:3D分光処理制御手段)。具体的には、図18に示すように、映像処理制御部57は、傾斜信号によって水平状態が検出される(S71)と、映像処理部51のR映像分光処理部52に右映像データを分光処理させることにより第1分光特性の右目用画像R2を生成させる(S72)。同じく、映像処理制御部57は、映像処理部51のL映像分光処理部53に左映像データを分光処理させることにより、第2分光特性の左目用画像R2を生成させる(S73)。そして、映像処理制御部57は、合成部54に第1分光特性の右目用画像R2と第2分光特性の左目用画像L2とを合成させ、表示用映像(合成R2/L2映像)を生成する(S74)。そして、映像処理制御部57は、映像処理部51によって生成させた合成R/L画像を表示部55に表示させる(S75)。これによって、分光メガネ60を装着したユーザは、表示部55を視認することで、3D画像を見ることが可能となっている。
図13のフローチャートに戻って、分光メガネ60が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いていないと判定され(S42でNO)、かつ、分光メガネ60が水平状態に対して右側に所定角度以上傾いていると判定された(S43でYES)とき(例えば、図6の状態)に、映像処理制御部57は、映像処理部51に表示用映像(L2映像)を生成させ表示部55に表示させる(S45:2D分光処理制御手段)。具体的には、図19に示すように、映像処理制御部57は、傾斜信号によって偏光メガネ30が右側に所定角度以上傾いている(θ≧15°以上)ことが検出される(S76)と、映像処理部51の映像処理制御部57は、映像処理部51のR映像分光処理部52に左映像データを分光処理させることにより右目用画像R3を生成させる(S77)。同じく、映像処理制御部57は、左映像データを分光処理させることにより左目用画像R2を生成させる(S78)。そして、映像処理制御部57は、合成部54に右目用画像R3と左目用画像L2とを合成させ、表示用映像(合成L2映像)を生成する(S79)。そして、映像処理制御部57は、映像処理部51によって生成させた合成L画像を表示部55に表示させる(S80)。つまり、分光メガネ60が右側に所定角度以上傾いているとき、映像処理制御部57は、傾斜信号受信部56によって受信した傾斜信号に基づいて、画像表示装置50の映像処理部51のR映像分光処理部52において左映像データから右目用画像R3を生成し、かつ、L映像分光処理部53においても左映像データから左目用画像L2を生成することで、左画像データに基づいた表示用画像(合成L2映像)を表示部55に表示させることで2D視制御を行っている。
そして、映像処理制御部57は、分光メガネ60の傾斜角度が所定角度以内(例えば、−10°< θ<10°)であるか否かを判定し続けている(S46)。これによって、分光メガネ60の傾斜角度が所定角度以内であると判定されたとき(S46でYES)に、映像処理制御部57は、前述したステップS44へと移行し、3D視制御を開始する。一方、分光メガネ60の傾斜角度が所定角度以上であると判定された(S46でNO)ときに、映像処理制御部57は表示用画像(合成L映像)による2D視制御を引き続き行うようになっている。
一方、分光メガネ60が水平状態に対して左側に所定角度以上傾いていると判定された(S42でYES)とき(例えば、図5の状態)に、映像処理制御部57は、映像処理部51に表示用映像(R2映像)を生成させ表示部55に表示させる(S47:2D分光処理制御手段)。具体的には、図20に示すように、映像処理制御部57は、傾斜信号によって分光メガネ60が左側に所定角度以上傾いている(θ≦−15°以下)ことが検出される(S81でNO)と、映像処理制御部57は、映像処理部51のR映像分光処理部52に右映像データを分光処理させることにより右目用画像R2を生成させる(S82)。同じく、映像処理制御部57は、L映像分光処理部53に右映像データを分光処理させることにより左目用画像L3を生成させる(S83)。そして、映像処理制御部57は、合成部54に右目用画像R2と左目用画像L3とを合成させ、表示用映像(合成R2映像)を生成する(S84)。そして、映像処理制御部57は、映像処理部51によって生成させた合成R2画像を表示部55に表示させる(S85)。つまり、分光メガネ60が左側に所定角度以上傾いているとき、映像処理制御部57は、傾斜信号受信部56によって受信した傾斜信号に基づいて、画像表示装置50の映像処理部51のR映像分光処理部52において右映像データから右目用画像R2を生成し、かつ、L映像分光処理部53においても右映像データから左目用画像L3を生成することで、右映像データに基づいた表示用画像(合成R2映像)を表示部55に表示させることで2D視制御を行っている。
そして、映像処理制御部57は、分光メガネ60の傾斜角度が所定角度以内(例えば、−10°< θ<10°)であるか否かを判定し続けている(S48)。これによって、分光メガネ60の傾斜角度が所定角度以内であると判定されたとき(S48でYES)に、映像処理制御部57は、前述したステップS44へと移行し、3D視制御を開始する。一方、分光メガネ60の傾斜角度が所定角度以上であると判定された(S48でNO)ときに、映像処理制御部57は表示用画像(合成R2画像)による2D視制御を引き続き行うようになっている。
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る3D画像表示システム300では、画像表示装置50の映像処理制御部57が、第1の分光特性の画像を生成するR映像分光処理部52と、第2の分光特性の画像を生成するL映像分光処理部53によって、第1の分光特性の右目用画像R2を生成させるとともに第2の分光特性の左目用画像L2を生成させることによって、該画像表示装置50に第1の分光特性の右目用画像R2と第2の分光特性の左目用画像L2とを表示させ、右レンズ部に設けられ、右目用画像R2の光を透過する偏光フィルムと、左レンズ部に設けられ、左目用画像L2の光を透過する偏光フィルムを備えた分光メガネ60において、画像表示装置50に設けられた映像処理制御部57が、R画像分光処理部52及びL画像分光処理部53の双方にて右目用画像R2及び左目用画像L2のいずれか一方を生成させ、画像表示装置50に右目用画像R2及び左目用画像L2のいずれか一方を第1の分光特性及び第2の分光特性の双方にて表示させるので、傾きセンサ63によって分光メガネ60が所定の角度以上(θ≧15°もしくはθ≦−15°)のときに、分光メガネ60を装着したユーザが合成R画像及び合成L画像のいずれかの画像のみを両目にて視認することが可能となることから、メガネの傾斜角度及び傾斜方向が随時変化しても、より画像を見やすい状態を維持することができるようになる。
なお、第3の実施の形態に係る3D画像表示システム300において、Dolby3D方式(波長分光方式)を利用してもよい。波長分光式の3D画像表示システムでは、R、G、Bの各波長を、右目用画像Rもしくは左目用画像Lにシフトさせそれぞれの目に異なる映像を送るようになる。この分光を行なうためにプロジェクタの光学系にフィルターホイールが設けられ、左目用及び右目用にフィルターホイールを使って分光し、フィルタコントローラを用いて毎秒100コマ以上の映像に完全に同期させる。そのためフィルタと同じ特性を持ったメガネを装着することで、左右の目それぞれに、それぞれの目にあわせて映像を届けることができる。また、メガネも再利用可能で経済性に優れている。