JP5669022B2 - 気液接触用充填物とその充填物を充填したガス洗浄塔 - Google Patents
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Description
このような要求を満たすものとして、従来、木製ハードルと称される格子状の充填物が知られている(適切な特許文献等が見当たらないため、特許文献等を挙げることはできない)。しかし、従来の木製ハードルは、部品の種類と点数が多く、製作のために多くの加工を必要とするため、加工や組み立てに多くの時間を要し、費用が高くなるという欠点がある。
その他、木製ハードルに比べて費用的に安いものとして、図23に示すような円筒形の充填物、つまり、ラシヒリング2Aが知られている(適切な特許文献等が見当たらないため、図示する)。
また、複数の円筒形の筒状部が、その軸心に沿って延びる平板部を介して一体化されているので、隣接する筒状部の間には、平板部の介在により比較的大きな空間を確保することができ、そのため、たとえ処理液中に固形物が含まれている場合でも、その固形物が筒状部間に詰まるおそれが少なく、固形物による気液接触用充填物の閉塞を抑制して、所望どおりの気液接触促進作用と気体整流作用を期待することができる。
そして、その充填物ユニットが、筒状部の軸心に直交する方向に並べた隣接する充填物ユニットに対して連結可能なユニット用連結部を備え、そのユニット用連結部を介して同形状の充填物ユニットの複数を連結して複合ユニットを形成可能に構成されているので、複数の充填物ユニットを並べて敷設する場合、例えば、連結部材を別途使用するのに比べて、それ自体で複数の充填物ユニットを一体に連結できるため、充填物ユニットに備えられたユニット用連結部を使用して隣接する充填物ユニットどうしを連結することにより、所望どおりの気液接触用充填物を簡単、容易に作製することができる。
その上、各充填物ユニットの円筒形の筒状部を同じ方向に向けて整然と規則正しく並べて安定よく敷設することができ、しかも、従来のラシヒリングを規則正しく並べて敷設した場合と同じような気液接触促進作用と気体整流作用を期待することができるとともに、合成樹脂などで簡単に製作できるため、木製ハードルに比べて短期間かつ廉価に製作することができる。
それに加えて、充填物ユニットが、筒状部の軸心に直交する方向に並べた隣接する前記複合ユニットどうしを連結可能な複合用連結部、つまり、前記ユニット用連結部とは異なる構成の複合用連結部を備えているので、その複合用連結部を使用して隣接する複合ユニットどうしを連結することも可能となり、非常に大きな気液接触用充填物を短時間のうちに容易に敷設することができる。
さらに、隣接する充填物ユニットどうしを連結するユニット用連結部が、充填物ユニットの可撓性と弾力性を有効に利用して充填物ユニットどうしを互いに捩じりながら連結する捩じり連結部からなるので、隣接する充填物ユニットどうしを相対的に捩じることにより、充填物ユニットどうしを確実に連結することができる。
そして、充填物ユニットの可撓性と弾力性を利用した捩じり連結部であるがゆえに、いったん連結されると、充填物ユニットどうしはその復元力によって容易に連結解除されることがなく、したがって、敷設現場以外の場所、例えば、充填物の製作工場において、予め複数の充填物ユニットどうしを連結した状態で敷設現場にまで搬送することが可能となり、敷設作業をより一層能率的に行うことができる。
その上、複合用連結部が、互いに押し付けあうことによって位置決めされる位置決め連結部からなるので、複数の複合ユニットを筒状部の軸心に直交する方向に並べて敷設する際、その位置決め連結部によって隣接する複合ユニットどうしが確実に位置決めされることになり、複数の複合ユニットを整然と規則正しく並べることができる。
そして、その巴形の複合ユニットは、例えば、工場などで充填物ユニットを予め連結して製作することができ、かつ、あたかも大きなひとつの充填物ユニットと同様に扱うことができるため、現場での敷設作業の簡素化と時間短縮を図ることができる。
この気液接触用充填物は、図1に示すように、充填塔、スプレー塔、吸収塔などのような各種のガス洗浄塔Aにおいて、ガス洗浄塔A内の充填層Bに整然と規則正しく、複数段に充填されて、下方から供給される気体Gを整流しながら、その気体と上方から供給される液体Lとの接触を促進するために使用される。
参考例1による気液接触用充填物は、図2に示すように、合成樹脂製の充填物ユニット1からなり、その充填物ユニット1は、複数の円筒形の筒状部2、この参考例1の実施形態では、9個の円筒形の筒状部2が、その筒状部2の軸心Cに直交する方向に並べられて一体化されて構成され、充填物ユニット1の周部には、筒状部2の軸心Cに直交する方向に並べた隣接する他の充填物ユニット1に対して互いに連結可能な複数個の縦移動連結部3a(ユニット用連結部3の一例)が一体的に設けられている。
縦移動連結部3aは、図4に示すように、先拡がりの突起4と奥拡がりの凹入部5、または、図5に示すように、L字形の突起4とその突起4が嵌入する凹入部5で構成され、いずれの場合も、筒状部2の軸心C方向に沿って縦方向に相対移動させることで、互いに隣接する充填物ユニット1どうしを連結したり連結解除することができる。
さらに、縦移動連結部3aが図4または図5に示すような構成であるため、図2において紙面に直行する方向に充填物ユニット1を反転させた状態でも、また、図2において紙面に沿って180度回転させた状態でも連結可能であり、そのため、充填物ユニット1の連結作業が容易となる。
なお、縦移動連結部3aは、隣接する充填物ユニット1との接点の全てに設けても、接点の一部にのみ設けてもよい。
この参考例2の実施形態では、ユニット用連結部3として縦移動連結部3aが、平板部6の適宜箇所に一体的に設けられている。縦移動連結部3aは、図8に示すように、C字形の湾曲部7、または、図9に示すように、C字形の湾曲部7と半円形の突出部8で構成され、いずれの場合も、筒状部2の軸心C方向に沿って縦方向に相対移動させることで、互いに隣接する充填物ユニット1どうしを連結したり連結解除することができる。
そして、この参考例2の実施形態においても、図6において紙面に直行する方向に充填物ユニット1を反転させた状態で連結することも、また、図6において紙面に沿って180度回転させた状態で連結することも可能である。
さらに、図11に示すように、円筒形の筒状部2が、その軸心Cに沿って延びる3枚の板状の仕切り板9を筒状部2の内部空間内に一体的に備え、その仕切り板9が、筒状部2の軸心C方向視において放射状に配置された構成にすることもできる。
いずれの場合にも、図6に示すように、各筒状部2どうしを平板部6を介して間接的に一体化して実施することになり、ユニット用連結部3としては、例えば、縦移動連結部3aを採用することになる。
例えば、図6に示す実施形態の場合であれば、図12および図13に示す参考例4のように、各筒状部2の下方周部に軸心Cに直行する方向に開口する溝形の切欠き部10を設けたり、または、図示はしないが、各筒状部2の上方周部に同様の切欠き部10を設けることができる。
このような溝形の切欠き部10は、特に図6に示す実施形態に限るものではなく、図10および図11に示す実施形態においても、同じような切欠き部を設けて実施することができる。
例えば、図14に示す参考例5および図15に示す参考例6のように、16個の筒状部2を平板部6により一体化して充填物ユニット1を構成することもできる。
特に、図15に示す参考例6の実施形態では、充填物ユニット1が、筒状部2の軸心C方向視において回転対称形であり、縦移動連結部3a、または、後述する横移動連結部3bあるいは捩じり連結部3cからなるユニット用連結部3が、その回転対称形の充填物ユニット1に対して回転対称位置に配置されているので、充填物ユニット1を並べて敷設する際、充填物ユニット1の方向に気を配る必要がなく、充填物ユニット1の敷設作業を能率良く行うことができる。
なお、先の参考例に基づいてすでに説明した構成については、同じ符号を付すことによりその説明を省略する。
図16に示す実施例1の実施形態では、4個の筒状部2を平板部6により一体化して充填物ユニット1が構成され、その充填物ユニット1の3個が、図17に示すように配置した状態で、図18に示すように、筒状部2の軸心C方向視において、ユニット用連結部3を介して三つ巴形に連結可能に構成されている。この充填物ユニット1には、ユニット用連結部3として、充填物ユニット1どうしを互いに捩じりながら連結および連結解除する捩じり連結部3cと他の位置決め連結部3dが備えられている。
ユニット用連結部3としての捩じり連結部3cは、図19に示すように、互いに対をなす突起11と筒体12により構成され、合成樹脂製の充填物ユニット1が備えている可撓性と弾力性を利用して、充填物ユニット1どうしを互いに捩じりながら連結して弾力性による復元力で嵌合連結し、かつ、連結解除可能に構成されている。したがって、いったん連結すると、充填物ユニット1どうしは容易に連結解除されることがなく、例えば、充填物の製作工場において、予め複数の充填物ユニット1どうしを捩じり連結部3cで連結した状態で敷設現場にまで搬送することが容易となる。
そして、この実施例1の実施形態では、図18に示すように、3個の充填物ユニット1を三つ巴形に連結した状態で、その三つ巴形の複合ユニットが、筒状部2の軸心Cに直交する方向に並べた隣接する三つ巴形の複合ユニットに対して連結可能な複合用連結部3Aとして機能する位置決め連結部3dを備えているので、つまり、捩じり連結部3cからなるユニット用連結部3とは異なる構成の複合用連結部3Aを備えているので、その複合用連結部3Aとして機能する位置決め連結部3dにより三つ巴形の複合ユニットどうしを互いに連結して非常に大きな気液接触用充填物を製作することができる。
また、図22に示す実施例3のように、側面が開口し、かつ、上下中間部に切欠き17を有する筒体18と、切欠き17に嵌入する環状部19を上下中間部に有し、かつ、筒体18に嵌入する円柱部20により構成し、図中の矢印方向、つまり、筒状部2の軸心Cに直交する横方向へ相対移動させて連結および連結解除可能に構成することもでき、この図22の連結部3は、横移動連結部3bの一例である。
これまでの参考例および実施例では、筒状部2の軸心C方向視において種々の外形を有する充填物ユニット1を示したが、充填物ユニット1の外形については、特に制限はなく、これまでに記述した以外の外形を有する充填物ユニット1を採用することもできる。特に、図16〜図18には、筒状部2の軸心C方向視において、3個の充填物ユニット1を三つ巴形に連結可能に構成した例を示したが、例えば、2個の充填物ユニット1を二つ巴形に連結可能に構成するなど、各種形状の充填物ユニット1の複数個を巴形に連結可能に構成することもでき、それによって、より大きな充填物の複合ユニットを製作することができる。
2 筒状部
C 筒状部の軸心
3 ユニット用連結部
3A 複合用連結部
3c 捩じり連結部
3d 位置決め連結部
6 平板部
9 仕切り板
10 切欠き部
A ガス洗浄塔
G 気体
L 液体
Claims (5)
- 気体と液体との接触を促進するために使用される気液接触用充填物であって、
複数の円筒形の筒状部が、その軸心に直交する方向に並べられ、かつ、その軸心に沿って延びる平板部を介して一体化された可撓性と弾力性を備えた充填物ユニットからなり、その充填物ユニットが、前記軸心に直交する方向に並べた隣接する充填物ユニットに対して連結可能なユニット用連結部を備え、そのユニット用連結部を介して同形状の充填物ユニットの複数を連結して複合ユニットを形成可能に構成され、さらに、前記充填物ユニットが、前記軸心に直交する方向に並べた隣接する前記複合ユニットどうしを連結可能な複合用連結部を備え、前記ユニット用連結部と前記複合用連結部とが、互いに異なる構成の連結部で、前記ユニット用連結部が、前記充填物ユニットどうしを互いに捩じりながら連結して弾力性による復元力で嵌合する捩じり連結部からなり、前記複合用連結部が、互いに押し付けあうことによって位置決めされる位置決め連結部からなる気液接触用充填物。 - 前記充填物ユニットが、前記軸心方向視において、前記ユニット用連結部を介して充填物ユニットの複数を巴形に連結可能に構成されている請求項1に記載の気液接触用充填物。
- 前記筒状部が、その軸心に直交する方向に開口する溝形の切欠き部を筒状部の下方周部または上方周部に備えている請求項1または2に記載の気液接触用充填物。
- 前記円筒形の筒状部が、その軸心に沿って延びる板状の仕切り板を筒状部の内部空間内に一体的に備え、その仕切り板が、前記軸心方向視において放射状に配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の気液接触用充填物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の気液接触用充填物を充填したガス洗浄塔。
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