以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.構成>
図1は、電子文書処理装置1の構成を示す概略図である。ここでは、電子文書処理装置(電子文書作成装置とも称する)1は、マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral)(MFPとも略称する)として構成されているものとする。当該MFPは、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能およびデータ通信機能などを備える装置(複合機とも称する)である。
図1に示すように、MFP1は、画像読取部2、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
画像読取部2は、いわゆるスキャナ部であり、MFP1の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って、当該原稿の画像データ(原稿画像とも称する)を生成する処理部である。
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、通信ネットワークNWを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種プロトコルが利用され、当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP1は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)および不揮発性メモリ等の格納装置で構成される。この格納部5には、画像読取部2等で生成された画像データ(原稿画像)等が格納される。
また、格納部5には、アドレス帳データADおよびリンクアドレスデータベースDB1等も格納されている。
アドレス帳データADには、複数の宛先(通信先)に関するそれぞれの「宛先情報」が登録されて格納される。各宛先の「宛先情報」としては、宛先名(個人名等)、宛先人物の電子メールアドレス、宛先人物の所属組織名称(会社名および部署名等)、宛先人物に関する相対的所属属性(グループ内、社内、取引先、社外等)等の情報が格納される。宛先人物に関する相対的所属属性は、宛先(送信先)人物の所属組織の情報を、当該宛先人物の所属組織と送信元装置(MFP1)の所属組織(配置場所)との相対的関係を用いて示す情報である。
なお、これら各種の「宛先情報」(宛先名、電子メールアドレス、所属組織名称、相対的所属属性等)は、それぞれ、複数の宛先人物を類別する類別情報であるとも称される。また、宛先人物の所属組織名称と宛先人物の相対的所属属性とは、それぞれ、宛先人物に関する所属組織の情報であるとも表現される。
図2は、アドレス帳データADの一例を示す図である。
図2においては、最初の宛先DS1の宛先名としては、「田中」が登録されている。また、この宛先DS1に関しては、その電子メールアドレス(例えば「tanaka@...」)、所属組織名称(例えば「ABC株式会社(開発部)」)および相対的所属属性(例えば「グループ内」)等も登録されている。
次の宛先DS2の宛先名としては、「鈴木」が登録されている。また、この宛先DS2に関しては、その電子メールアドレス(例えば「suzuki@...」)、所属組織名称(例えば「ABC株式会社(広報部)」)および相対的所属属性(例えば「社内」)等も登録されている。
次の宛先DS3の宛先名としては、「山本」が登録されている。また、この宛先DS3に関しては、その電子メールアドレス(例えば「yamamoto@...」)、所属組織名称(例えば「XYZ株式会社」)および相対的所属属性(例えば「取引先」)等も登録されている。
次の宛先DS4の宛先名としては、「村田」が登録されている。また、この宛先DS4に関しては、その電子メールアドレス(例えば「murata@...」)、所属組織名称(例えば「イロハ株式会社」)および相対的所属属性(例えば「社外」)等も登録されている。
以上のように、アドレス帳データADには、複数の宛先(通信先)に関するそれぞれの「宛先情報」(複数の宛先人物に関する類別情報等)が登録されて格納される。
リンクアドレスデータベースDB1には、キーワードKWと当該キーワードKWに関連する関連資料のアドレス情報(ネットワーク上での格納位置情報)であるリンクアドレスLAとの対応関係が複数規定されている。なお、ここでは、当該キーワードKWに関連する関連資料は、所定のサーバSV(図4参照)に格納されているものとする。
図3は、リンクアドレスデータベースDB1の一例を示す図である。
図3に示すように、当該データベースの1行目においては、キーワードKW1として「paper」が格納されるとともに、リンクアドレスLA1として「http://paper...」が格納されている。また、当該データベースの2行目においては、キーワードKW2として「product」が格納されるとともに、リンクアドレスLA2として「http://product...」が格納されている。すなわち、キーワードKW1にはリンクアドレスLA1が対応付けられており、キーワードKW2にはリンクアドレスLA2が対応付けられている。
再び図1を参照する。入出力部6は、MFP1に対する入力を受け付ける操作入力部61と、各種情報の表示出力を行う表示部62とを備えている。詳細には、MFP1には操作パネルが設けられている。この操作パネルは、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部62の一部として機能するとともに、操作入力部61の一部としても機能する。
コントローラ9は、MFP1を統括的に制御する制御装置であり、CPUと、各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)とを備えて構成される。コントローラ9の制御下において各種の処理部を動作させることによって、MFP1の各種の機能が実現される。例えば、コントローラ9の制御下において、画像読取部2を用いて所望の画像を光学的に読み取ることによって、原稿をスキャニングした画像(原稿画像)が取得され、スキャナ機能が実現される。また、コントローラ9は、電子文書生成処理等において、後述するような各種の処理を制御する。
コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウェアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PGを実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPG等は、ネットワークを経由してダウンロードされて取得されるようにしてもよく、あるいは、各種の可搬性記憶媒体(USBメモリ等)を介して取得されるようにしてもよい。
具体的には、コントローラ9は、領域抽出部11、文字認識部12、データベース検索部13、文字列抽出部14、ハイパーリンク設定部15、電子文書生成部16を含む各種処理部を実現する。
領域抽出部11は、画像読取部2等で生成された画像データ(原稿画像)GDを各種の領域(文字領域および画像領域等)に分離して、当該分離された個々の領域を抽出する処理部である。
文字認識部12は、所定の画像データから抽出された文字領域に対してOCR(Optical Character Recognition)処理を実行することなどによって、当該文字領域の文字情報を認識する処理部である。
データベース検索部13は、リンクアドレスデータベースDB1を検索して各種の情報を取得する処理部である。
文字列抽出部14は、リンクアドレスデータベースDB1内のキーワードKWに基づいて、所定の文字領域から当該キーワードKWと一致する文字列を抽出する処理部である。
ハイパーリンク設定部15は、文字列抽出部14により抽出された文字列に対してハイパーリンクを設定する処理部である。
電子文書生成部16は、所定の画像データに基づいて原稿に関する電子文書を生成する処理部である。
<1−2.動作概要>
つぎに、図4の概念図を参照しながら、MFP1における動作の概要について説明する。
この第1実施形態では、図4に示すように、MFP1が、原稿MSを読み取って電子文書EDを生成するとともに、当該電子文書EDを宛先DS1,DS2,DS3,DS4にそれぞれ送信する場合について説明する。なお、後述するように、MFP1は、当該電子文書EDを生成する際に、リンクアドレスデータベースDB1に基づいて、当該電子文書ED内の特定の文字列に対してハイパーリンクを自動で設定する。
<1−3.詳細動作>
以下では、図5〜図10等を参照しつつ、MFP1における動作についてより詳細に説明する。
図5〜図7は、MFP1の動作を示すフローチャートである。
まず、図5のステップS11において、MFP1は、電子文書EDの宛先DSを設定する。具体的には、操作者によって電子文書EDの宛先が指定されると、MFP1は、当該宛先を電子文書EDの宛先DSとして設定する。ここでは、MFP1は、操作者によって指定された4つの宛先DS1,DS2,DS3,DS4を電子文書EDの宛先DSとして設定するものとする。
つぎに、ステップS12において、MFP1は、原稿MS(図8参照)を読み取って当該原稿MSの画像データGD(図9参照)を生成する。具体的には、原稿MSが画像読取部2の原稿台に載置されてスタートボタンが押下されると、MFP1は、当該原稿MSの読み込みを開始し、当該原稿MSを画像読取部2を用いて光学的に読み取って画像データGDを生成する。
そして、ステップS13において、MFP1は、当該画像データGDに対して文字認識処理(図6のフローチャート)を実行する。
まず、図6のステップS31において、MFP1は、所定の画像処理技術を用いて、画像データGDから各種の領域を抽出する。具体的には、MFP1は、領域抽出部11を用いて、画像データGDを各種の領域(文字領域TA、画像領域PA等)に分離してそれぞれの領域を抽出する。
なお、ここでは、MFP1は、図9に示すように、画像データGDを4つの領域(詳細には、文字領域TA1,TA2および画像領域PA1,PA2)に分離してそれぞれの領域を抽出する。具体的には、領域抽出部11は、「This paper is ...」を含む文書を文字領域TA1として抽出し、「... of product power ...」を含む文書を文字領域TA2として抽出する。また、領域抽出部11は、文字領域TA1の略右側の領域を画像領域PA1として抽出し、文字領域TA1の略下側の領域かつ文字領域TA2の略上側の領域を画像領域PA2として抽出する。
つぎに、ステップS32において、MFP1は、領域抽出部11により抽出された各種の領域の中から一の領域を選択する。
ステップS33において、MFP1は、当該一の領域が文字領域TAであるか否かを判定する。当該一の領域が文字領域TAであると判定されると、ステップS34に進み、当該一の領域が文字領域TAでないと判定されると、ステップS35に進む。
ステップS34において、MFP1は、文字認識部12を用いて、当該一の領域に対して光学文字認識(OCR)処理を実行し、当該一の文字領域TAの文字情報を認識する。
ステップS35において、MFP1は、領域抽出部11により抽出された全ての領域に対して上述の処理が実行されたか否かを判定する。当該処理が完了していない領域(以下、未処理領域とも称する)が存在する場合には、ステップS31に戻り、MFP1は、当該未処理領域に対して上述の処理を実行する。一方、領域抽出部11により抽出された全ての領域に対する処理が完了したと判定されると、MFP1は、図6のフローチャートの処理を終了し、図5のステップS15に進む。
このように、MFP1は、ステップS31〜ステップS35の処理を実行することによって、領域抽出部11により抽出された文字領域TAに対して文字認識処理を実行し、当該文字領域TA内の文字情報を認識する。
この実施形態においては、ステップS31において、領域抽出部11は、文字領域TA1,TA2および画像領域PA1,PA2を抽出する(図9参照)。また、ステップS34において、MFP1は、文字領域TA1,TA2に対して文字認識処理を実行し、当該文字領域TA1,TA2の文字情報を認識する。
再び図5のフローチャートの処理の説明に戻る。
図5のステップS14において、MFP1は、電子文書生成処理(図7参照)を実行して、原稿MSの電子文書EDを生成するとともに、当該電子文書ED内の特定の文字列にハイパーリンクを設定する。
以下では、図7のフローチャートを参照しつつ、電子文書生成処理についてより詳細に説明する。
まず、図7のステップS51において、MFP1は、電子文書生成部16を用いて、図5のステップS11において設定された宛先DS1,DS2,DS3,DS4に送信する電子文書EDを生成する。具体的には、電子文書生成部16は、原稿MSの画像データGDに基づいて、電子文書EDを生成する。また、電子文書生成部16は、電子文書EDを生成する際に、文字領域TAに関する文字情報を電子文書ED内に格納する。
ステップS52において、MFP1は、電子文書ED内の文字領域TAの中からハイパーリンクを設定対象となる一の文字領域TAを選択する。
ステップS53において、MFP1は、当該一の文字領域TA内にリンクアドレスデータベースDB1内のキーワードKW(詳細にはKW1,KW2)と一致する文字列が存在するか否かを判定する。
具体的には、まず、MFP1は、データベース検索部13を用いて、キーワードKW1,KW2をリンクアドレスデータベースDB1から取得する。そして、MFP1は、当該一の文字領域TA内にキーワードKW1,KW2のいずれかと一致する文字列が存在するか否かを判定する。当該一の文字領域TA内にキーワードKW1,KW2のいずれかと一致する文字列が存在すると判定されると、ステップS54に進み、当該一の文字領域TA内にキーワードKW1,KW2のいずれにも一致する文字列が存在しないと判定されると、ステップS57に進む。
ステップS54において、MFP1は、文字列抽出部14を用いて、当該リンクアドレスデータベースDB1内のキーワードKWと一致する文字列をハイパーリンクの設定対象である対象文字列として抽出する。具体的には、文字列抽出部14は、文字領域TA内の文字情報に基づいて、キーワードKWと一致する文字列を検索して抽出する。
ステップS55において、MFP1は、データベース検索部13を用いて、キーワードKWに対応付けられたリンクアドレスLAを対応リンクアドレスとしてリンクアドレスデータベースDB1から特定する。
そして、ステップS56において、MFP1は、ハイパーリンク設定部15を用いて、当該対応リンクアドレスをリンク先とするハイパーリンクを電子文書ED内の対象文字列に設定する。
ステップS57において、MFP1は、電子文書ED内の全ての文字領域TAに対して上述の処理が実行されたか否かを判定する。上述の処理が実行されていない文字領域TAが存在する場合には、ステップS52に戻り、それ以外の場合には、図7のフローチャートの処理を終了し、図5のステップS15に進む。
このように、MFP1は、図7のステップS51〜ステップS57の処理を実行することによって、電子文書EDを生成するとともに、電子文書ED内の特定の文字列に対してハイパーリンクを設定する。
以下では、MFP1が電子文書EDの文字領域TA1,TA2内の特定の文字列に対してハイパーリンクを設定する場合について、上述のステップS14(図7のステップS51〜ステップS57)の処理をさらに詳細に説明する。
上述のステップS51で電子文書EDが生成された後、ステップS52において、MFP1は、文字領域TA1をハイパーリンクの設定対象として選択する。
図9に示すように、文字領域TA1には、キーワードKW2と一致する文字列(詳細には「product」)は存在せず、キーワードKW1と一致する文字列(詳細には「paper」)が存在する。そのため、ステップS53においては、文字領域TA1内にキーワードKW1と一致する文字列が存在すると判定され、ステップS54に進む。
ステップS54において、MFP1は、キーワードKW1と一致する文字列(詳細には「paper」)をハイパーリンクの設定対象である対象文字列として抽出する。
ステップS55において、MFP1は、データベース検索部13を用いて、キーワードKW1に対応付けられたリンクアドレスLA1をリンクアドレスデータベースDB1に基づいて特定する。
そして、ステップS56において、MFP1は、ハイパーリンク設定部15を用いて、リンクアドレスLA1をリンク先とするハイパーリンクを電子文書ED内の対象文字列(詳細には「paper」)に設定する。
ステップS57においては、文字領域TA2に対する処理が未だ実行されていないと判定され、ステップS52に戻る。
ステップS52において、MFP1は、文字領域TA2をハイパーリンクの設定対象として選択する。
図9に示すように、文字領域TA2には、キーワードKW1と一致する文字列(詳細には「paper」)は存在せず、キーワードKW2と一致する文字列(詳細には「product」)が存在する。そのため、ステップS53において、文字領域TA2内にキーワードKW2と一致する文字列が存在すると判定されて、ステップS54に進む。
ステップS54において、MFP1は、キーワードKW2と一致する文字列(詳細には「product」)をハイパーリンクの設定対象である対象文字列として抽出する。
ステップS55において、MFP1は、データベース検索部13を用いて、キーワードKW2に対応付けられたリンクアドレスLA2をリンクアドレスデータベースDB1に基づいて特定する。
そして、ステップS56において、MFP1は、ハイパーリンク設定部15を用いて、リンクアドレスLA2をリンク先とするハイパーリンクを電子文書ED内の対象文字列(詳細には「product」)に設定する。
ステップS56においては、電子文書ED内の全ての文字領域TA(詳細にはTA1,TA2)に対する処理が実行されたと判定され、図7のフローチャートの処理を終了する。
この後、図5のステップS15において、MFP1は、図7のフローチャートの処理において生成した電子文書EDを各宛先DS1,DS2,DS3,DS4にそれぞれ送信する。
図10は、電子文書EDを示す図である。図10に示すように、ハイパーリンクが設定された電子文書ED内の文字列(詳細には「paper」、「product」)には、当該文字列に下線が付され、ハイパーリンクが設定された文字列であることを視認することが可能である。また、当該下線の付された文字列をマウス操作等によりクリックすると、当該文字列に設定されたハイパーリンクのリンク先情報が表示される。これにより、当該文字列に関連する関連資料を参照することができる。
以上の動作によれば、電子文書EDにおいて、キーワードKW(詳細にはKW1,KW2)と一致する文字列(詳細には「paper」および「product」)がハイパーリンクの設定対象である対象文字列として抽出される。また、当該キーワードKWに対応付けられたリンクアドレスLAが対応リンクアドレスとしてリンクアドレスデータベースDB1に基づいて特定される。そして、当該対応リンクアドレスをリンク先とするハイパーリンクが電子文書ED内の対象文字列に設定される。すなわち、MFP1は、リンクアドレスデータベースDB1に基づいて、ハイパーリンクを対象文字列に自動で設定することが可能である。そのため、ハイパーリンクが手動で設定される場合に比べて、ハイパーリンクの設定に係る手間が低減され、MFP1は、ハイパーリンクを効率的に設定することが可能である。
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。
上記第1実施形態では、リンクアドレスデータベースDB1にて、各キーワードKW(例えばキーワードKW1)に対して単一のリンクアドレスLA(例えばリンクアドレスLA1)が関連付けられており、電子文書ED内から抽出された特定文字列(一のキーワードKWの文字列)に対して、当該単一のリンクアドレスLAをリンク先とするハイパーリンクが設定される。
一方、この第2実施形態においては、リンクアドレスデータベースDB2(後述)にて、一のキーワードKW(例えばキーワードKW1)に対して複数のリンクアドレスLA(例えばリンクアドレスLA11,LA12,LA13,LA14)(図12参照)が関連付けられており、当該複数のリンクアドレスの中から、電子文書EDの宛先人物に関する類別情報に応じたリンクアドレス(対応リンクアドレスとも称する)が抽出される。そして、電子文書EDから抽出された特定文字列(一のキーワードKWの文字列)に対して、当該対応リンクアドレスをリンク先とするハイパーリンクが設定される。
これによれば、電子文書ED内から抽出された一のキーワードKWの文字列に対して、電子文書EDの宛先人物に関する類別情報に応じて、異なるハイパーリンクを設定することが可能である。
以下では、第1実施形態との相違点を中心に、この第2実施形態について更に詳細に説明する。
この第2実施形態においては、アドレス帳データAD(図2参照)内の「宛先情報」のうち、宛先DSの人物に関する所属組織の情報(詳細には、宛先人物に関する「相対的所属属性」)が、電子文書EDの宛先DSを類別する「類別情報」として利用される。
また、この第2実施形態では、格納部5内に格納されたリンクアドレスデータベースDB2(図11参照)が利用される。
このリンクアドレスデータベースDB2には、キーワードKWと当該キーワードKWに関連し且つ電子文書EDの宛先DSの類別情報に応じた複数の関連資料のアドレス情報である複数のリンクアドレスLAとの対応関係が規定されている。すなわち、当該リンクアドレスデータベースDB2においては、当該キーワードKWに関連する関連資料のアドレス情報が電子文書EDの宛先DSごとに規定されている。なお、ここでは、上述したように電子文書EDの宛先DSを類別する類別情報として宛先DSの人物の所属組織の情報(詳細には、宛先人物に関する「相対的所属属性」)が採用され、当該複数のリンクアドレスLAは、当該「相対的所属属性」に応じて規定されているものとする。
図12は、リンクアドレスデータベースDB2の一例を示す図である。
図12に示すように、当該リンクアドレスデータベースDB2の一行目においては、キーワードKW1として「paper」が格納されるとともに、宛先DSの相対的所属属性(詳細には「グループ内」、「社内」、「取引先」、「社外」)に応じた4つのリンクアドレスLA11,LA12,LA13,LA14が格納される。すなわち、1つのキーワードKW1に4つのリンクアドレスLA11〜LA14が対応付けられている。
リンクアドレスLA11には、「グループ内」に対応する関連資料のアドレス情報が格納され、リンクアドレスLA12には、「社内」に対応する関連資料のアドレス情報が格納される。また、リンクアドレスLA13には、「取引先」に対応する関連資料のアドレス情報が格納され、リンクアドレスLA14には、「社外」に対応する関連資料のアドレス情報が格納される。
ここでは、リンクアドレスLA11〜LA14には、互いに異なる関連資料のアドレス情報が格納されるものとする。換言すれば、それぞれの相対的所属属性(グループ内、社内、取引先、社外)に対応する関連資料は、互いに異なるものとする。
大別すると、「グループ内」および「社内」に対応する関連資料には社内の秘匿情報(例えば製品の仕様等)が記載されており、「取引先」および「社外」に対応する関連資料には社外への公開情報(例えば製品の販売価格等)が記載されている。そして、「グループ内」に対応する関連資料には「社内」に対応する関連資料に比べて、より詳細な情報が反映されており、「取引先」に対応する関連資料には「社外」に対応する関連資料に比べて、より詳細な情報が反映されている。
また、ここでは、「社内」および「グループ内」と、「社外」および「取引先」とで、互いに異なる種類の情報が関連付けられるものとする。たとえば、「社内」および「グループ内」に対しては、「紙の仕様」を記載した関連資料が関連付けられ、「社外」および「取引先」に対しては、「紙の販売価格」を記載した関連資料が関連付けられる。より詳細には、「社内」に対応する関連資料には、「紙の種類」等が記載され、「グループ内」に対応する関連資料には、「製品基準を満たすための紙の詳細仕様」等が記載される。また、「社外」に対応する関連資料には、「紙の標準販売価格」等が記載され、「取引先」に対応する関連資料には、「紙の卸値」等が記載される。なお、これに限定されず、複数の相対的所属属性(「社外」、「取引先」、「社内」および「グループ内」)に対して、互いに同じ種類の情報(例えば、紙の価格)且つ互いに異なる公開レベルの情報が関連付けられるようにしてもよい。
また、当該リンクアドレスデータベースDB2の二行目においては、キーワードKW2として「product」が格納されるとともに、宛先DSの相対的所属属性(詳細には「グループ内」、「社内」、「取引先」、「社外」)に応じた4つのリンクアドレスLA21,LA22,LA23,LA24が格納される。
リンクアドレスLA21には、「グループ内」に対応する関連資料のアドレス情報が格納され、リンクアドレスLA22には、「社内」に対応する関連資料のアドレス情報が格納される。また、リンクアドレスLA23には、「取引先」に対応する関連資料のアドレス情報が格納され、リンクアドレスLA24には、「社外」に対応する関連資料のアドレス情報が格納される。リンクアドレスLA21〜LA24には、リンクアドレスLA11〜LA14と同様に、互いに異なる関連資料のアドレス情報が格納されるものとする。
また、ここでは、「グループ内」に対応する関連資料はグループ内向けのサーバSV1(図13参照)に格納されており、「社内」に対応する関連資料は社内向けのサーバSV2(図13参照)に格納されているものとする。また、「取引先」に対応する関連資料は取引先向けのサーバSV3(図13参照)に格納されており、「社外」に対応する関連資料は社外向けのサーバSV4(図13参照)に格納されているものとする。なお、これに限定されず、それぞれの関連資料が同一のサーバSV(例えば社外向けのサーバSV4)に格納されるようにしてもよい。
再び図11を参照する。コントローラ9は、第1実施形態において説明した各種処理部に加えて、宛先情報取得部17を有している。宛先情報取得部17は、電子文書EDの宛先DSに関する宛先情報(宛先名、電子メールアドレス、所属組織名称、相対的所属属性等)をアドレス帳データADから取得する処理部である。
つぎに、図13の概念図を参照しながら、この第2実施形態におけるMFP1の動作の概要について説明する。
この第2実施形態では、図13に示すように、MFP1が、宛先ごとに異なる4つの電子文書ED1,ED2,ED3,ED4を生成するとともに、当該電子文書ED1,ED2,ED3,ED4を、各宛先DS1,DS2,DS3,DS4に送信する場合について説明する。なお、後述するように、MFP1は、当該電子文書ED1,ED2,ED3,ED4を生成する際に、リンクアドレスデータベースDB2に基づいて、当該電子文書ED1,ED2,ED3,ED4内の特定文字列に対してハイパーリンクを自動で設定する。
この第2実施形態においては、特に、図5のステップS14における電子文書生成処理が第1実施形態と相違する。なお、ここでは、図5のステップS14において、MFP1は、当該電子文書生成処理として図14に示すフローチャートの処理を実行する。
以下では、図14のフローチャートを参照しつつ、この第2実施形態に係る電子文書生成処理について説明する。
図14のステップS71において、MFP1は、図5のステップS11において設定された複数の宛先DS(詳細には、宛先DS1,DS2,DS3,DS4)のうち、一の宛先DS(例えば、最初は宛先DS1)を選択する。
ステップS72において、MFP1は、宛先情報取得部17を用いて、当該一の宛先DSの相対的所属属性をアドレス帳データADから取得する。
ステップS73において、MFP1は、電子文書生成部16を用いて、当該一の宛先DSに送信する電子文書EDを生成する。例えば、最初は宛先DS1向けの電子文書ED1が生成される。
ステップS74において、MFP1は、電子文書ED内の文字領域TAの中からハイパーリンクの設定対象となる一の文字領域TAを選択する。
ステップS75において、MFP1は、一の文字領域TA内にリンクアドレスデータベースDB2内のキーワードKW1,KW2と一致する文字列が存在するか否かを判定する。一の文字領域TA内にキーワードKW1,KW2と一致する文字列が存在すると判定されると、ステップS76に進み、それ以外の場合には、ステップS79に進む。
ステップS76において、MFP1は、文字列抽出部14を用いて、キーワードKW1,KW2と一致する文字列をハイパーリンクの設定対象である対象文字列として抽出する。
ステップS77において、MFP1は、データベース検索部13を用いて、リンクアドレスデータベースDB2内の複数のリンクアドレスLAの中から一の宛先DSの相対的所属属性に応じた一のリンクアドレスLAを対応リンクアドレスとして検索する。
そして、ステップS78において、MFP1は、ハイパーリンク設定部15を用いて、
当該対応リンクアドレスをリンク先とするハイパーリンクを電子文書ED内の対象文字列に設定する。
ステップS79において、MFP1は、電子文書ED内の全ての文字領域TAに対して上述の処理が実行されたか否かを判定する。未処理の文字領域TAが存在する場合には、ステップS74に戻り、それ以外の場合には、ステップS80に進む。
ステップS80において、MFP1は、図5のステップS11において設定された全ての宛先DSに対して上述の処理が実行されたか否かを判定する。未処理の宛先DSが存在する場合には、ステップS71に戻り、それ以外の場合には、図14のフローチャートの処理を終了する。
このように、MFP1は、図14のステップS71〜ステップS80の処理を実行することによって、宛先DS1,DS2,DS3,DS4に送信する電子文書ED1,ED2,ED3,ED4を生成する。
以下では、図5のステップS11において4つの宛先DS1,DS2,DS3,DS4が電子文書EDの宛先DSとして設定される場合について、第2実施形態に係るステップS14の処理をさらに詳細に説明する。
まず、ステップS71において、MFP1は、4つの宛先DS1,DS2,DS3,DS4の中から最初の宛先DS1を選択する。
ステップS72において、MFP1は、宛先情報取得部17を用いて、宛先DS1の相対的所属属性(詳細には「グループ内」)(図2参照)をアドレス帳データADから取得する。
ステップS73において、MFP1は、電子文書生成部16を用いて、宛先DS1に送信する電子文書ED1を生成する。
ステップS74において、MFP1は、電子文書ED1内の文字領域TA1,TA2から文字領域TA1をハイパーリンクを設定対象として選択する。
ステップS75においては、文字領域TA1にリンクアドレスデータベースDB2内のキーワードKW1と一致する文字列が存在すると判定され、ステップS76に進む。
ステップS76において、MFP1は、キーワードKW1と一致する文字列(詳細には「paper」)をハイパーリンクの設定対象である対象文字列として抽出する。
ステップS77において、MFP1は、データベース検索部13を用いて、リンクアドレスデータベースDB2内の複数のリンクアドレスLA11,12,13,14の中から宛先DS1の相対的所属属性(詳細には「グループ内」)に応じたリンクアドレスLA11(図12参照)を特定する。
そして、ステップS78において、MFP1は、ハイパーリンク設定部15を用いて、
リンクアドレスLA11をリンク先とするハイパーリンクを電子文書ED内の対象文字列(詳細には「paper」)に設定する。
ステップS79においては、文字領域TA2に対する処理が完了していないと判定され、ステップS74に戻る。
そして、MFP1は、文字領域TA2に関しても、上述のステップS74〜ステップS79の処理を実行して、当該文字領域TA2の特定文字列にハイパーリンクを設定する。
具体的には、ステップS76において、キーワードKW2と一致する文字列(詳細には「product」)がハイパーリンクの設定対象である対象文字列として抽出される。
また、ステップS77において、リンクアドレスデータベースDB2内の複数のリンクアドレスLA21,22,23,24の中から宛先DS1の相対的所属属性に応じたリンクアドレスLA21(図12参照)が特定される。
そして、ステップS78において、リンクアドレスLA21をリンク先とするハイパーリンクが電子文書ED1内の当該対象文字列(詳細には「product」)に設定される。
ステップS79においては、文字領域TA1,TA2に対する処理が完了したと判定され、ステップS80に進む。
ステップS80においては、宛先DS2,DS3,DS4に対する処理が未だ完了していないと判定され、ステップS71に戻る。
そして、MFP1は、宛先DS2,DS3,DS4に関しても、上述のステップS71〜ステップS80の処理を順次に実行して、それぞれに送信する電子文書ED2,ED3,ED4を生成する。
その結果、宛先DS2向けの電子文書ED2においては、リンクアドレスLA12(図12参照)をリンク先とするハイパーリンクが当該電子文書ED2内の文字列(詳細には「paper」)に設定されるとともに、リンクアドレスLA22をリンク先とするハイパーリンクが当該電子文書ED2内の文字列(詳細には「product」)に設定される。
また、宛先DS3向けの電子文書ED3においては、リンクアドレスLA13をリンク先とするハイパーリンクが当該電子文書ED3内の文字列(詳細には「paper」)に設定されるとともに、リンクアドレスLA23をリンク先とするハイパーリンクが当該電子文書ED3内の文字列(詳細には「product」)に設定される。
また、宛先DS4向けの電子文書ED4においては、リンクアドレスLA14をリンク先とするハイパーリンクが当該電子文書ED4内の文字列(詳細には「paper」)に設定されるとともに、リンクアドレスLA24をリンク先とするハイパーリンクが当該電子文書ED4内の文字列(詳細には「product」)に設定される。
このように、MFP1は、宛先人物に関する類別情報(詳細には、宛先人物に関する相対的所属属性)に応じて、電子文書ED内の特定文字列に対して適宜のハイパーリンクを設定する。
以上の動作によれば、MFP1は、リンクアドレスデータベースDB2に基づいて、ハイパーリンクを電子文書ED内の特定文字列に自動で設定することが可能である。そのため、ハイパーリンクが手動で設定される場合に比べて、ハイパーリンクの設定に係る手間が低減され、MFP1は、ハイパーリンクを効率的に設定することが可能である。
また、複数のリンクアドレスLAの中から宛先人物の類別情報(詳細には、宛先人物に関する相対的所属属性)に応じた一のリンクアドレスLAが対応リンクアドレスとして特定される。そして、当該対応リンクアドレスをリンク先とするハイパーリンクが対象文字列に設定される。これによれば、電子文書EDiの特定文字列には、電子文書EDiの宛先人物に関する相対的所属属性に応じたリンクアドレスLAをリンク先とするハイパーリンクが適切に付与される。したがって、特定文字列に対するハイパーリンクのリンク先を宛先人物に関する相対的所属属性に応じて適切に変更することが可能である。換言すれば、同一の特定文字列を有する複数の電子文書EDiにおいて、互いに異なるリンク先を各特定文字列に対して適切に関連付けることが可能である。
たとえば、宛先DS2向けの電子文書ED2においては、特定文字列「paper」に対するハイパーリンクのリンク先は、リンクアドレスLA22に設定される。そして、電子文書ED2の特定文字列「paper」に対するクリック操作に応じて、リンクアドレスLA22に格納された関連資料(たとえば、社内向けの内部資料等)が表示される。ここにおいて、リンクアドレスLA22は、宛先DS1の人物に関する相対的所属属性(「社内」)に応じたリンクアドレスであり、リンクアドレスLA22には「社内」の人物に適した関連資料が保存されている。そのため、「社内」の宛先DS2の人物は、受信した電子文書ED2の特定文字列「paper」に対するクリック操作を行うことによって、「社内」向けに最適化された関連資料を容易に参照することが可能である。
同様に、宛先DS1向けの電子文書ED1においては、リンクアドレスLA21をリンク先とするハイパーリンクが特定文字列「paper」に対して付与される。ここにおいて、リンクアドレスLA21は、宛先DS1の人物に関する相対的所属属性(「グループ内」)に応じたリンクアドレスであり、リンクアドレスLA21には「グループ内」の人物に適した関連資料(たとえば、グループ内向けの内部資料等)が保存されている。そのため、「グループ内」の宛先DS1の人物は、電子文書ED1の特定文字列「paper」に対するクリック操作を行うことによって、「グループ内」向けに最適化された関連資料を容易に参照することが可能である。
また、宛先DS4向けの電子文書ED4においては、リンクアドレスLA24をリンク先とするハイパーリンクが特定文字列「paper」に対して付与される。ここにおいて、リンクアドレスLA24は、宛先DS4の人物に関する相対的所属属性(「社外」)に応じたリンクアドレスであり、リンクアドレスLA24には「社外」の人物に適した関連資料(たとえば、社外向けの公開資料等)が保存されている。そのため、「社外」の宛先DS4の人物は、電子文書ED4の特定文字列「paper」に対するクリック操作を行うことによって、「社外」向けに最適化された関連資料を容易に参照することが可能である。
さらに、宛先DS3向けの電子文書ED3においては、リンクアドレスLA23をリンク先とするハイパーリンクが特定文字列「paper」に対して付与される。ここにおいて、リンクアドレスLA23は、宛先DS3の人物に関する相対的所属属性(「取引先」)に応じたリンクアドレスであり、リンクアドレスLA23には「取引先」の人物に適した関連資料(たとえば、取引先向けの公開資料等)が保存されている。そのため、「取引先」の宛先DS3の人物は、電子文書ED3の特定文字列「paper」に対するクリック操作を行うことによって、「取引先」向けに最適化された関連資料を容易に参照することが可能である。
以上のように、各電子文書EDi内の特定文字列に対して、各電子文書EDiの宛先人物に応じたリンク先がそれぞれ関連付けられる。そのため、各電子文書EDiの宛先DSiの人物は、電子文書EDiの特定文字列に対するクリック操作を行うことによって、その人物向けに最適化された関連資料を容易に参照することが可能である。
なお、この第2実施形態では、宛先(送信先)人物の所属組織と送信元装置(MFP1)の所属組織との相対的関係を示す情報が、「類別情報」として利用される場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、宛先(送信先)人物の所属組織と送信元人物の所属組織等との相対的関係を示す情報が、宛先人物に関する所属組織の情報として、ひいては「類別情報」として、利用されるようにしてもよい。あるいは、宛先人物の所属組織名称自体等が、「類別情報」として利用されるようにしてもよい。
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記各実施形態においては、MFP1は、文字列抽出部14を用いて、キーワードKW(例えば「paper」)と一致する文字列(例えば「paper」)をハイパーリンクの設定対象である対象文字列として抽出する場合を例示したが、これに限定されず、当該キーワードKWを含む文字列(例えば「papers」)を当該対象文字列として抽出するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態においては、図12に示すように、リンクアドレスLA11〜LA14のリンク先が異なる場合を例示したが、これに限定されず、当該リンクアドレスLA11〜LA14のリンク先の一部が同一になるようにしてもよい。
具体的には、図15に示すように、リンクアドレスLA11とリンクアドレスLA12とに同じリンク先が格納されるようにしてもよい。この場合、電子文書ED1の文字列「paper」と電子文書ED2の文字列「paper」とに同一のリンク先が設定され、サーバSV2(図16参照)内の同一の関連資料をリンク先とするハイパーリンクが設定される。
また、上記第2実施形態においては、ステップS77にて、リンクアドレスデータベースDB2を用いて、宛先人物に関する「相対的所属属性」に応じたリンクアドレスLAが特定される場合を例示したが、これに限定されない。
たとえば、宛先人物に関する「担当業務」の情報に応じたリンクアドレスLAが特定されるようにしてもよい。具体的には、アドレス帳データADにおいて各宛先人物の担当業務の情報(「経理」、「開発」、「総務」等)を格納しておくとともに、次述するようなデータベースDB3(図17)を用いて、宛先人物の担当業務に応じたリンクアドレスLAが特定されるようにしてもよい。以下では、このような変形例について説明する。
図17は、リンクアドレスデータベースDB3の一例を示す図である。リンクアドレスデータベースDB3(図17参照)は、格納部5等に格納される。
このリンクアドレスデータベースDB3は、1つのキーワードに対して、宛先DSの「担当業務」に応じた複数のリンクアドレスLAを規定する。
図17に示すように、リンクアドレスデータベースDB3の一行目においては、キーワードKW3として「予算」が格納されるとともに、宛先DSの担当業務(詳細には「経理」、「開発」、「総務」)に応じた3つのリンクアドレスLA31,LA32,LA33が格納される。すなわち、1つのキーワードKW3に3つのリンクアドレスLA31,LA32,LA33が対応付けられている。また、リンクアドレスLA31には、「経理」に対応する関連資料(例えば、全部門の予算資料)のアドレス情報が格納され、リンクアドレスLA32には、「開発」に対応する関連資料(例えば、開発部門の予算資料)のアドレス情報が格納され、リンクアドレスLA33には、「総務」に対応する関連資料(例えば、総務部門の予算資料)のアドレス情報が格納される。
同様に、リンクアドレスデータベースDB3の二行目においては、キーワードKW4として「掲示板」が格納されるとともに、宛先DSの担当業務(詳細には「経理」、「開発」、「総務」)に応じた3つのリンクアドレスLA41,LA42,LA43が格納される。すなわち、1つのキーワードKW4に3つのリンクアドレスLA41,LA42,LA43が対応付けられている。また、リンクアドレスLA41には、「経理」に対応する関連資料(例えば、経理部門の掲示資料)のアドレス情報が格納され、リンクアドレスLA42には、「開発」に対応する関連資料(例えば、開発部門の掲示資料)のアドレス情報が格納され、リンクアドレスLA43には、「総務」に対応する関連資料(例えば、総務部門の掲示資料)のアドレス情報が格納される。
この変形例においては、図14のステップS72において、宛先情報取得部17を用いて、宛先DSの「担当業務」がアドレス帳データADから取得される。そして、ステップS77において、リンクアドレスデータベースDB3に基づいて、宛先人物に関する担当業務の情報に応じたリンクアドレスLAが対応リンクアドレスとして特定される。そして、当該対応リンクアドレスをリンク先とするハイパーリンクが対象文字列に設定される。
これによれば、電子文書EDiの特定文字列(キーワードを含む文字列)には、電子文書EDiの宛先人物に関する担当業務の情報に応じたリンクアドレスLAをリンク先とするハイパーリンクが付与される。したがって、特定文字列に対するハイパーリンクを自動的に付与することができるとともに、特定文字列に対するハイパーリンクのリンク先を宛先人物に関する担当業務に応じて変更することが可能である。