図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。以下の実施形態に係る図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
図1は、本実施形態に係るTD−LTEシステム10の構成図である。TD−LTEシステム10は、複信方式としてTDD方式が採用されるとともに、下り(DL:Downlink)の無線通信にはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上り(UL:Uplink)の無線通信にはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が採用される。
図1に示すように、本実施形態に係るTD−LTEシステム10は、基地局(eNB:evolved NodeB)100−1と、eNB100−1に隣接して設置されているeNB100−2と、eNB100−1配下の無線端末(UE:User Equipment)1−1と、eNB100−1配下のUE1−2と、eNB100−2配下のUE2−1と、を有する。
なお、eNB100−1配下のUE1を2つ図示しているが、実際には、より多くの数のUE1(UE1−3、UE1−4、…)がeNB100−1配下にあるとする。また、eNB100−2配下のUE2−1を1つ図示しているが、実際には、より多くの数のUE2(UE2−2、UE2−3、…)がeNB100−2配下にあるとする。
各UE1は、eNB100−1によって形成されるセルをサービングセルとしており、eNB100−1によって無線リソースが割り当てられる。各UE2は、eNB100−2によって形成されるセルをサービングセルとしており、eNB100−2によって無線リソースが割り当てられる。なお、無線リソースは、12個の連続するサブキャリアからなるリソースブロック(RB)を1単位として割り当てられる。
各UE1及び各UE2は、所定の周期でSRSを送信する。SRSは、上りの伝搬路品質を推定するための既知信号系列である。SRSの送信には、周波数ホッピング方式が適用される。すなわち、SRSの送信周期毎に当該SRSの送信周波数帯が切り替えられる。本実施形態においてSRSは、上り参照信号に相当する。
TD−LTEシステム10は、アレイアンテナを用いたアダプティブアレイ制御が各eNB100に導入されている。
eNB100−1は、eNB100−1配下の各UE1から受信するSRSに基づいてアンテナウェイトを算出することで、各UE1に対してアレイアンテナの指向性パターンのピークを向けるビームフォーミングを行う。また、eNB100−1は、eNB100−2配下の各UE2から受信するSRSに基づいてアンテナウェイトを算出することで、各UE2に対してアレイアンテナの指向性パターンのヌルを向けるヌルステアリングを行う。
同様にして、eNB100−2は、eNB100−2配下の各UE2から受信するSRSに基づいてアンテナウェイトを算出することで、各UE2に対してアレイアンテナの指向性パターンのピークを向けるビームフォーミングを行う。また、eNB100−2は、eNB100−1配下の各UE1から受信するSRSに基づいてアンテナウェイトを算出することで、各UE1に対してアレイアンテナの指向性パターンのヌルを向けるヌルステアリングを行う。
次に、TD−LTEシステム10で使用される無線フレームの構成を説明する。図2は、当該無線フレームの構成図である。なお、仕様上、TDD方式の無線フレーム構成(すなわち、サブフレームの構成パターン)は7パターン定められているが、本実施形態では、その中の1パターンを例に説明する。
図2に示すように、1個の無線フレームは、時間軸上で10個のサブフレームによって構成される。各サブフレームは、時間軸上で14個のシンボルによって構成され、1msecの時間長である。また、各サブフレームは、周波数軸上で100個程度のRBによって構成される。
サブフレーム#0、サブフレーム#4、サブフレーム#5、サブフレーム#9のそれぞれは、下り専用のサブフレームである。下り専用のサブフレームは、時間軸上で、先頭部分がPDCCH(Physical Downlink Control Channel)リソースとして使用される制御領域であり、残りの部分がPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)リソースとして使用されるデータ領域である。
サブフレーム#2、サブフレーム#3、サブフレーム#7、サブフレーム#8のそれぞれは、上り専用のサブフレームである。上り専用のサブフレームは、周波数軸上で、両端部分がPUCCH(Physical Uplink Control Channel)リソースとして使用される制御領域であり、残りの部分(中央部分)がPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)リソースとして使用されるデータ領域である。
サブフレーム#1、サブフレーム#6のそれぞれは、上りと下りとの切り替えのための特別サブフレームである。特別サブフレームは、下りパイロット時間スロット(DwPTS)と、ガード期間(GP)と、上りパイロット時間スロット(UpPTS)と、を含む。なお、仕様上、特別サブフレームの構成(すなわち、特別サブフレームにおけるDwPTS,GP,UpPTSのシンボル数)は複数パターン定められているが、本実施形態では、その中の1パターンを例に説明する。
特別サブフレームにおいて、DwPTSは1シンボル目から11シンボル目までであり、GPは12シンボル目であり、UpPTSは13及び14シンボル目である。また、本実施形態では、eNB100は、UpPTSに含まれる各SRSリソースを配下の各UEに割り当てる。すなわち、各UEはUpPTSにおいてSRSを送信する。
次に、SRSを構成するサブキャリアについて説明する。図3は、現行仕様におけるSRSを構成するサブキャリアを説明するための図である。
図3に示すように、現行仕様におけるSRSは、偶数サブキャリアと奇数サブキャリアとに分けて櫛の歯状に使用可能であり、同一の周波数帯で2UEを周波数分割多重できる。ここでは、偶数サブキャリアをktc=0と表記し、奇数サブキャリアをktc=1と表記している。現行仕様では、eNB100は、UEとの通信開始時に、ktc=0又はktc=1を当該UEに対して指定する。
eNB100からktc=0が指定されたUEは、RBにおける0番目、2番目、4番目、6番目、8番目、10番目の各サブキャリアを用いて構成されるSRSを送信する。これに対し、eNB100からktc=1が設定されたUEは、RBにおける1番目、3番目、5番目、7番目、9番目、11番目の各サブキャリアを用いて構成されるSRSを送信する。
本実施形態では、eNB100は、UEとの通信開始中においても、サブキャリア配置パターンを変更できる。詳細には、偶数、奇数の2パターンのサブキャリア配置パターンに限らず、3つ刻みや、4つ刻みといったように、SRSを構成するサブキャリアの間隔を変更できる。
図4は、3つ刻みのサブキャリアでSRSを構成する場合を説明するための図である。
図4に示すように、3つ刻みのサブキャリアでSRSを構成する場合、3パターンのサブキャリア配置パターンを実現できるため、同一の周波数帯で3UEを周波数分割多重できる。
eNB100からパターン1が指定されたUEは、RBにおける0番目、3番目、6番目、9番目の各サブキャリアを用いて構成されるSRSを送信する。
また、eNB100からパターン2が指定されたUEは、RBにおける1番目、4番目、7番目、10番目の各サブキャリアを用いて構成されるSRSを送信する。
さらに、eNB100からパターン3が指定されたUEは、RBにおける2番目、5番目、8番目、11番目の各サブキャリアを用いて構成されるSRSを送信する。
次に、eNB100の構成を説明する。図5は、eNB100−1のブロック図である。eNB100−2はeNB100−1と同様に構成されるため、各eNBを代表してeNB100−1の構成を説明する。
図5に示すように、eNB100−1は、複数のアンテナ素子A1〜ANと、無線受信部110と、ウェイト算出部120と、無線送信部130と、制御部140と、記憶部150と、ネットワーク通信部160と、を有する。
複数のアンテナ素子A1〜ANは、アレイアンテナを構成し、無線信号の送受信に使用される。
無線受信部110は、複数のアンテナ素子A1〜AN毎に、上りデータ及びSRSを含む受信信号が入力される。無線受信部110は、当該受信信号に含まれるSRSをウェイト算出部120に出力し、ウェイト算出部120によって算出されたアンテナウェイトが入力される。無線受信部110は、複数のアンテナ素子A1〜AN毎の受信信号に対してアンテナウェイトを乗算した後に合成する重み付け処理を行い、重み付け後の受信信号を制御部140に出力する。また、無線受信部110は、受信信号の増幅や、無線周波数(RF)からベースバンド(BB)への受信信号の変換(ダウンコンバート)、SC−FDMA方式に対応する復調処理等を行う。
ウェイト算出部120は、無線受信部110からSRSが入力され、複数のアンテナ素子A1〜AN毎のアンテナウェイトを算出する。ウェイト算出部120は、UE1からのSRSとUE2からのSRSとに基づいて、UE1に対してピークを向けUE2に対してヌルを向けるためのアンテナウェイトを算出し、当該アンテナウェイトを無線受信部110及び無線送信部130に出力する。
無線送信部130は、制御部140から下りデータを含む送信信号が入力され、ウェイト算出部120からアンテナウェイトが入力される。無線送信部130は、送信信号を複数のアンテナ素子A1〜AN毎に分配し、各送信信号に対してアンテナウェイトを乗算する重み付け処理を行い、重み付け後の送信信号を複数のアンテナ素子A1〜ANに出力する。また、無線送信部130は、送信信号の増幅や、BBからRFへの送信信号の変換(アップコンバート)、OFDMA方式に対応する変調処理等を行う。
制御部140は、eNB100−1の各種の機能を制御する。制御部140は、各UE1に対する無線リソース割り当てを行う。詳細には、制御部140は、SRS送信用のSRSリソースと、上り制御データ送信用のPUCCHリソースと、上りユーザデータ送信用のPUSCHリソースと、下り制御データ送信用のPDCCHリソースと、下りユーザデータ送信用のPDSCHリソースと、を各UE1に割り当てる。SRSリソース、PUCCHリソース、PUSCHリソース、PDCCHリソース、PDSCHリソースのそれぞれは、1又は複数のRBにより構成される。
制御部140は、PUCCHリソース、PUSCHリソース、PDCCHリソース、PDSCHリソースについては、サブフレーム毎に、UE1への割り当てを行い、PUSCHリソース及びPDSCHリソースの割り当て結果を示す割り当て情報をPDCCH上で当該UE1に送信するよう無線送信部130を制御する。
これに対し、SRSリソースについては、仕様上、サブフレーム毎の割り当て変更ができないため、制御部140は、割り当てを設定又は変更する必要が生じた場合に限り、割り当てパラメータを含むRRC(Radio Resource Control)メッセージをUE1に送信するよう無線送信部130を制御する。
SRSリソースの割り当てパラメータは、SRS帯域幅、SRS送信周期、ホッピング開始周波数帯、SRS送信可能周波数帯などを含む。
さらに、本実施形態では、当該割り当てパラメータは、上述したサブキャリア配置パターンを指定するためのサブキャリア配置情報を含む。サブキャリア配置情報は、SRSを構成する最初のサブキャリア番号を示す情報と、SRSを構成するサブキャリアの間隔(刻み)を示す情報(例えば、2つ刻み、3つ刻み、又は4つ刻みなど)と、を含んでもよい。例えば、図3に示したktc=0を指定する場合、“サブキャリア番号0”から“2つ刻みのサブキャリア”によってSRSを構成するよう指定する。また、図4に示したパターン1を指定する場合、“サブキャリア番号0”から“3つ刻みのサブキャリア”によってSRSを構成するよう指定する。
また、制御部140は、UE1毎に、当該UE1に割り当てたSRSリソースと周波数軸上で重複するPDSCHリソースを割り当てる。ここで、「重複する」とは、SRSリソースの周波数帯とPDSCHリソースの周波数帯とを同一にする場合に限らず、SRSリソースの周波数帯の少なくとも一部とPDSCHリソースの周波数帯の少なくとも一部とを重複させる場合も含むが、本実施形態では、SRSリソースの周波数帯とPDSCHリソースの周波数帯とを同一にするケースを説明する。
記憶部150は、制御部140における制御に用いられる各種の情報を記憶する。ネットワーク通信部160は、コアネットワーク(EPC:Evolved Packet Core)との通信や隣接eNBとの基地局間通信を行う。なお、LTEにおける基地局間通信インターフェイスは、X2インターフェイスと称される。
次に、UEの構成を説明する。図6は、UE1のブロック図である。UE2はUE1と同様に構成されるため、各UEを代表してUE1の構成を説明する。
図6に示すように、UE1は、アンテナAと、無線受信部210と、無線送信部220と、制御部230と、記憶部240と、を有する。
アンテナAは、無線信号の送受信に使用される。なお、UE1は、複数のアンテナ素子からなるアンテナAを有してもよい。
無線受信部210は、受信信号の増幅や、無線周波数(RF)帯からベースバンド(BB)への受信信号の変換(ダウンコンバート)、OFDMA方式に対応する復調処理等を行う。無線送信部220は、制御部230から下りデータを含む送信信号が入力され、送信信号の増幅や、BBからRFへの送信信号の変換(アップコンバート)、SC−FDMA方式に対応する変調処理等を行う。
制御部230は、UE1の各種の機能を制御する。制御部230は、SRS割り当てパラメータを含むRRCメッセージを無線受信部210が受信すると、当該SRS割り当てパラメータに含まれる各パラメータを設定(記憶部240に記憶)する。そして、制御部230は、設定した各パラメータに従ってSRSを送信するよう無線送信部220を制御する。
また、制御部230は、PUSCHリソース及びPDSCHリソースの割り当て結果を示す割り当て情報を無線受信部210が受信すると、当該割り当て情報によって示されるPUSCHリソース及びPDSCHリソースを使用してデータ送受信を行うよう無線受信部210及び無線送信部220を制御する。
記憶部240は、制御部230における制御に用いられる各種の情報を記憶する。
次に、TD−LTEシステム10の動作を説明する。以下においては、eNB100−1が配下の各UE1に対してリソース割り当てを行う動作を説明する。
図7は、TD−LTEシステム10の動作を説明するための図である。
図7に示すように、eNB100−1にはUE1−1、UE1−2の3UEが接続されており、eNB100−2にはUE2−1、UE2−2が接続されている。
UE1−1及びUE2−1は、下りで使用する周波数帯は同一であり、且つ、偶数サブキャリアで構成されるSRSを送信している。また、UE1−2及びUE2−2は、下りで使用する周波数帯は同一であり、且つ、奇数サブキャリアで構成されるSRSを送信している。
eNB100−1は、偶数サブキャリアで構成されるSRSをUE1−1及びUE2−1のそれぞれから受信し、当該SRSに基づいて、UE1−1に対してピークを向け、UE2−1に対してヌルを向ける。eNB100−2は、偶数サブキャリアで構成されるSRSをUE1−1及びUE2−1のそれぞれから受信し、当該SRSに基づいて、UE1−1に対してヌルを向け、UE2−1に対してピークを向ける。これにより、UE1−1及びUE2−1における下りの干渉が回避される。
同様に、eNB100−1は、奇数サブキャリアで構成されるSRSをUE1−2及びUE2−2のそれぞれから受信し、当該SRSに基づいて、UE1−2に対してピークを向け、UE2−2に対してヌルを向ける。eNB100−2は、奇数サブキャリアで構成されるSRSをUE1−2及びUE2−2のそれぞれから受信し、当該SRSに基づいて、UE1−2に対してヌルを向け、UE2−2に対してピークを向ける。これにより、UE1−2及びUE2−2における下りの干渉が回避される。
このような状況下で、eNB100−1にUE1−3が新たに接続され、eNB100−2にUE2−3が新たに接続されたとする。また、UE1−3及びUE2−3は、下りで同一の周波数帯を使用するものとする。
上記の例では、UE1−1及びUE2−1が偶数サブキャリアを、UE1−2及びUE2−2が奇数サブキャリアを使用しているため、UE1−3及びUE2−3は偶奇のどちらのサブキャリアを使用しても他のUEと重なることになる。仮に偶数サブキャリアを使用したとすると、eNB100−1は、UE1−1に送信を行う際に、UE2−1以外にも、UE2−3に対してもヌルを向けてしまう。あるいは、奇数サブキャリアを使用したとすると、eNB100−1は、UE1−2に送信を行う際に、UE2−2以外にも、UE2−3に対してもヌルを向けてしまう。ヌルを向ける方向が多いほどヌルステアリングの性能が低下してしまうため、このような状況は好ましくない。
よって、本実施形態では、eNB100−1は、接続するUE1の増加に応じて、SRS配置パターンを変更すると決定する。詳細には、接続するUE1の増加に応じて、SRSを構成するサブキャリアの間隔を広げることを決定する。例えば、eNB100−1は、UE1−1、UE1−2、及びUE1−3においてサブキャリアが重複しないように、SRSを構成するサブキャリアを2刻みから3刻みに変更することを決定する。そして、変更先のサブキャリア配置パターンをUE1−1、UE1−2、及びUE1−3に通知する。
また、eNB100−1は、SRSを構成するサブキャリアを2刻みから3刻みに変更する旨をeNB100−2に通知する。eNB100−2は、eNB100−1からの通知に応じて、SRSを構成するサブキャリアを2刻みから3刻みに変更することを決定して、変更先のサブキャリア配置パターンをUE2−1、UE2−2、及びUE2−3に通知する。
その結果、例えば、UE1−1及びUE2−1が図4に示すパターン1を使用し、UE1−2及びUE2−2が図4に示すパターン2を使用し、UE1−3及びUE2−3が図4に示すパターン3を使用することになる。これにより、無駄なヌルステアリングの発生を抑止できる。
次に、TD−LTEシステム10の動作シーケンスを説明する。図8は、TD−LTEシステム10の動作シーケンスを説明するためのシーケンス図である。ここでは、図7に示す通信環境下での動作例を説明する。
図8に示すように、ステップS11−1において、eNB100−1は、偶数サブキャリア(ktc=0)を指定する情報を、初期設定指示メッセージであるRRC Connection Configurationメッセージに含めてUE1−1に送信する。UE1−1は、RRC Connection Configurationメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる、偶数サブキャリアを指定する情報を記憶する。また、eNB100−1は、奇数サブキャリア(ktc=1)を指定する情報をRRC Connection Configurationメッセージに含めてUE1−2に送信する。UE1−2は、RRC Connection Configurationメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる、奇数サブキャリアを指定する情報を記憶する。ステップS12−1において、UE1−1及びUE1−2は、RRC Connection Configurationメッセージに対する応答メッセージであるRRC Connection Configuration CompleteメッセージをeNB100−1に送信する。そして、ステップS13−1において、UE1−1及びUE1−2は、eNB100−1との通信を開始する。
ステップS11−2において、eNB100−2は、偶数サブキャリア(ktc=0)を指定する情報を、初期設定指示メッセージであるRRC Connection Configurationメッセージに含めてUE2−1に送信する。UE2−1は、RRC Connection Configurationメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる、偶数サブキャリアを指定する情報を記憶する。また、eNB100−2は、奇数サブキャリア(ktc=1)を指定する情報をRRC Connection Configurationメッセージに含めてUE2−2に送信する。UE2−2は、RRC Connection Configurationメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる、奇数サブキャリアを指定する情報を記憶する。ステップS12−2において、UE2−1及びUE2−2は、RRC Connection Configurationメッセージに対する応答メッセージであるRRC Connection Configuration CompleteメッセージをeNB100−2に送信する。そして、ステップS13−2において、UE2−1及びUE2−2は、eNB100−2との通信を開始する。
ステップS14において、UE1−3は、eNB100−1に接続するための接続要求をeNB100−1に送信する。eNB100−1は、UE1−3からの接続要求を受信する。
ステップS15において、eNB100−1は、SRS配置パターンを変更すると決定する。詳細には、SRSを構成するサブキャリアを2刻みから3刻みに変更することを決定する。
ステップS16において、eNB100−1は、図4に示すパターン1を指定する情報を、設定変更指示メッセージであるRRC Connection Reconfigurationメッセージに含めてUE1−1に送信する。UE1−1は、RRC Connection Reconfigurationメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる当該パターン1を指定する情報を記憶する。また、eNB100−1は、図4に示すパターン2を指定する情報をRRC Connection Reconfigurationメッセージに含めてUE1−2に送信する。UE1−2は、RRC Connection Reconfigurationメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる当該パターン2を指定する情報を記憶する。
ステップS17において、eNB100−1は、図4に示すパターン3を指定する情報を、初期設定指示メッセージであるRRC Connection Configurationメッセージに含めてUE1−3に送信する。UE1−3は、RRC Connection Configurationメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる当該パターン3を指定する情報を記憶する。
ステップS18において、UE1−1及びUE1−2は、RRC Connection Reconfigurationメッセージに対する応答メッセージであるRRC Connection Reconfiguration CompleteメッセージをeNB100−1に送信する。eNB100−1は、RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージを受信する。
ステップS19において、UE1−3は、RRC Connection Configurationメッセージに対する応答メッセージであるRRC Connection Configuration CompleteメッセージをeNB100−1に送信する。eNB100−1は、RRC Connection Configuration Completeメッセージを受信する。そして、ステップS20において、UE1−3は、eNB100−1との通信を開始する。
ステップS21において、eNB100−1は、SRSを構成するサブキャリアを2刻みから3刻みに変更する旨のSRSサブキャリア変更通知をX2インターフェイス上でeNB100−2に送信する。eNB100−2は、eNB100−1からのSRSサブキャリア変更通知をX2インターフェイス上で受信する。
ステップS22において、eNB100−2は、SRS配置パターンを変更すると決定する。詳細には、eNB100−1に合わせて、SRSを構成するサブキャリアを2刻みから3刻みに変更することを決定する。
ステップS23において、eNB100−2は、図4に示すパターン1を指定する情報を、設定変更指示メッセージであるRRC Connection Reconfigurationメッセージに含めてUE2−1に送信する。UE2−1は、RRC Connection Reconfigurationメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる当該パターン1を指定する情報を記憶する。また、eNB100−2は、図4に示すパターン2を指定する情報をRRC Connection Reconfigurationメッセージに含めてUE2−2に送信する。UE2−2は、RRC Connection Reconfigurationメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる当該パターン2を指定する情報を記憶する。
ステップS24において、UE2−1及びUE2−2は、RRC Connection Reconfigurationメッセージに対する応答メッセージであるRRC Connection Reconfiguration CompleteメッセージをeNB100−2に送信する。eNB100−2は、RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージを受信する。
以上説明したように、TD−LTEシステム10は、eNB100−1と、サブキャリアを用いて構成されるSRSをeNB100−1へ送信するUE1と、を有する。eNB100−1は、UE1との通信中に、SRSを構成するサブキャリアの配置パターンを変更するための変更指示をUE1に送信する。UE1は、eNB100−1との通信中に、eNB100−1からの変更指示を受信すると、当該受信した変更指示に応じて、SRSを構成するサブキャリアの配置パターンを変更する。これにより、SRSを構成するサブキャリアの配置パターンを動的に変更できるため、eNB100−1に接続するUE1の数が増加してもSRSを周波数分割多重できる。その結果、アダプティブアレイ制御を良好に機能させることができる。
本実施形態では、変更指示は、SRSを構成するサブキャリアの間隔を指定する情報を含む。SRSを構成するサブキャリアの間隔を指定可能とすることで、SRSの周波数分割多重数を任意に調整できるようになる。
本実施形態では、eNB100−1は、当該eNB100−1に接続するUE1の数に応じて、SRSを構成するサブキャリアの配置パターンを決定する。これにより、現在の通信状況に適応したサブキャリア配置パターンを実現できる。
本実施形態では、eNB100−1は、変更後のサブキャリアの配置パターンを示す情報を隣接するeNB100−2に送信する。eNB100−2は、変更後のサブキャリアの配置パターンを示す情報を受信すると、eNB100−2に接続するUE2に対し、UE2が送信するSRSを構成するサブキャリアの配置パターンを変更後のサブキャリアの配置パターンに合わせて変更するための変更指示を送信する。これにより、相互に隣接するeNB100−1及びeNB100−2においてサブキャリア配置パターンを合わせることができる。
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した実施形態では、eNB100に接続するUEの数の増加に応じて、SRSを構成するサブキャリアの間隔を広げる一例を説明した。しかしながら、eNB100に接続するUEの数の減少に応じて、SRSを構成するサブキャリアの間隔を狭めてもよい。
上述した実施形態では、SRSを構成するサブキャリアを離散的に設定する一例を説明したが、SRSを構成するサブキャリアを連続的に設定してもよい。例えば、各RB内の0番目〜3番目のサブキャリアをパターン1とし、各RB内の4番目〜7番目のサブキャリアをパターン2とし、各RB内の8番目〜11番目のサブキャリアをパターン3とすることで、3UEを周波数分割多重することができる。
上述した実施形態では、TD−LTEシステム10に対して本発明を適用する一例を説明したが、他のシステムに対して本発明を適用してもよい。また、アダプティブアレイ制御を行うシステムに限らず、アダプティブアレイ制御を行わないシステムに対して本発明を適用してもよい。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。