JP5665562B2 - 真空断熱材の製造方法、真空断熱材の製造装置、真空断熱材、真空断熱材を用いた断熱箱、及び真空断熱材を用いた機器 - Google Patents
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Description
以下、図示実施形態により本発明を説明する。
図1は本発明の実施形態1に係る真空断熱材を示す斜視図、図2はその真空断熱材の分解斜視図、図3は芯材の積層状態の説明図である。本発明の実施形態1に係る真空断熱材5は、図1及び図2のように空気遮断性を有するガスバリア性容器2(以下、外包材という)と、外包材2に封入された芯材4及びガス吸着剤3とを有しており、外包材2の内部は数Paに減圧されている。
図4において、連続したシート状繊維集合体1J(例えば、厚さは30μm程度以上500μm程度以下、好ましくは80μm以上300μm以下)が巻き取り途中で切断されたり、切断されないまでも伸びきって繊維として必要な特性が不足しないような所定の張力で巻枠16にコイル状に巻き取られた後(巻枠16に連続して巻回された後)に平板状に成形されて芯材4が製造される。すなわち、芯材4は、長さ方向(巻き方向)に連続したシート状繊維集合体1Jが内側から外側に向かって連続して巻きつけられた繊維集合体の積層構造で構成されている。
ここで、芯材積層工程時の原反ロール1Hのブレーキ制御について図6に基づき説明する。図6において、前記原反ロール1Hに制動力を付与する原反ロール制動手段すなわちブレーキ10は、指令値に基づいて原反ロール1Hに任意のブレーキ制動力を付与するものであり、ブレーキアンプ20の出力によって稼動する。ブレーキ10の軸には、回転ドグ11が取り付けられ、フォトマイクロセンサー12によって回転ドグ11の回転が検知され、その検出信号が制御部21に送られるようになっている。原反ロール1Hの側方には、光電センサー13が配置され、原反ロール1Hの直径を段階的に検知している。原反ロール1Hと巻枠16の間には、切断クランプ自動送り機構15が配置されている。切断クランプ自動送り機構15は、セットされた不織布をクランプ、切断して、巻枠16に受け渡す機能を有している。巻枠16は回転検知用のエンコーダ(図示せず)を備えた巻枠駆動部(モーター)17により駆動される。巻枠駆動部(モーター)17は、巻枠駆動部アンプ22を介して、制御部21から命令された回転動作を行うものである。
巻きだし速度×原反ロールの回転周期
π
本発明においてはパウダクラッチブレーキ(ZKB−2.5HBN(三菱電機))を使用しており、励磁電流値によって、制動トルク値を制御できる。例えば、巻枠の回転数が90rpmのときにパウダークラッチブレーキにより停止させたとき、
原反ロール直径600mmでは出力を約30%(約15N・m)、
原反ロール直径450mmでは出力を約20%(約10N・m)、
原反ロール直径300mmでは出力を約10%(約5N・m)とすると、適切な制動トルクが得られた。また、直径300mm以下では出力を10%とするとたるみを生じずに停止させることができた。これらの結果から、原反ロール直径の値による適切なブレーキの出力を実験により求めた以下の式(傾き2、切片−200の式)を用いて算出する。
ブレーキの出力[%]=(算出された原反ロール直径[mm]×2−200)/40
図5、図7において、原反ロール1Hの下流側に配置されたガイドローラー14は、不織布を任意の場所を通過させるものである。ガイドローラー14の下流側に配置された布送り部上下クランプ15a,15bは、シート状繊維集合体(不織布)1Jのセット時の固定と、これを前進させて、巻枠側のシート端部拘束用上下クランプ15e,15fに受け渡し動作を行う機能を持っている。布送り部上下クランプ15a,15bとシート端部拘束用上下クランプ15e,15fの間には、切断固定部上下クランプ15c,15dが配置されている。切断固定部上下クランプ15c,15dは、切断時に不織布を固定する動作を行う機能を持っている。巻枠16には、巻枠可動部上下16a,16cが設けられている。巻枠可動部上下16a,16cは、不織布の積層体を巻枠から抜き取る際に内側に可動することによって、巻枠16を縮小変形させ、これにより張力を緩めて抜き取りやすくする機能を持っている。また、巻枠16には、巻枠固定部16b、16dが設けられている。巻枠固定部16b、16dは、シート抜き取りアーム18a,18bの内側のアームを挿入するための溝部16gと、シート端部拘束用上下クランプ15e,15fと布送り部上下クランプ15a,15bを差し込み、不織布の受け渡しをするための穴を備える。シート抜き取りアーム18a,18bの下方にはコンベア19が配置されている。コンベア19は、芯材4を載せるために十分な長さを持ち、芯材4を搬送して外包材2に挿入するものである。
図8(a)〜図10(k)は芯材となる不織布をセットし、切断、受け渡し、そして積層開始までの工程を表している。また、図11(l)〜(p)は、積層後に再度クランプ、切断し、受け渡し可能な状態までの工程を表している。そして、図12(q)〜図14(v)は、巻枠からシート抜き取りアーム18a,18bによって芯材を抜き取り、平板状にして外包材2へ挿入する工程を表している。
(断熱箱)
図16は、本発明の実施形態2に係る真空断熱材を用いた断熱箱(本実施形態では冷蔵庫を示す)の断面図である。
すなわち、冷蔵庫30は、真空断熱材5、スペーサ34及びポリウレタンフォーム33によって形成された断熱壁35を有している。なお、断熱壁35が配置される範囲は限定するものではなく、外箱31と内箱32との間に形成される隙間の全範囲であっても、あるいは一部であってもよく、また、前記開閉扉の内部に配置されてもよい。
Claims (9)
- 不織布原反ロールより、シート状繊維集合体を巻枠で所定長さコイル状に巻き取る工程と、
巻枠に巻き取られたシート状繊維集合体を、巻き終わり端部とその対向する側の2箇所でクランプして巻枠より抜き取り、引っ張って平板状を有する積層構造の芯材を形成する工程と、
この平板状を有する積層構造の芯材を、その平板状の長手両端部のうち、最終折り返し完了部となる端部側より外包材内に封入した後、外包材内部を真空引きする工程と、
を有することを特徴とする真空断熱材の製造方法。 - 所定の幅にカットされたシート状繊維集合体が巻回される円筒形の原反ロールと、
前記原反ロールから巻き出される前記シート状繊維集合体を巻き取る縮小変形可能な巻枠と、
前記巻枠を駆動する巻枠駆動手段と、
前記シート状繊維集合体を拘束・解放可能に前記円筒形の原反ロールと前記巻枠との間に配置された切断部固定手段と、
前記切断部固定手段により拘束された前記シート状繊維集合体を切断可能に設けられたカッターと、
前記切断部固定手段を挟むようにそのシート搬送方向の上流側と下流側に配置されて、前記原反ロールからの前記シート状繊維集合体の巻き出し端部を前記巻枠側に受け渡すシート受け渡し機構と、
前記巻枠に対し進退可能に側方に配置され、該巻枠に巻き取られた前記シート状繊維集合体を巻き終わり端部とその対向する側の2箇所でクランプ可能な把持部を有し、かつ各把持部相互の間隔を拡縮可能に構成され、前記巻枠の縮小変形動作に連動して該巻枠よりシート状繊維集合体を抜き取り可能なシート抜き取り手段と、
前記シート抜き取り手段の下方に配置され、該シート抜き取り手段の各把持部相互の間隔を拡げることで前記シート状繊維集合体から形成された平板状を有する積層構造の芯材を、外包材まで搬送するコンベアと、
を備えることを特徴とする真空断熱材の製造装置。 - 前記シート受け渡し機構は、
先端に布係止用くし歯を有し、前記シート状繊維集合体を拘束・解放可能で、かつ拘束時に該シート状繊維集合体を前記切断部固定手段を超えて所定量下流側に搬送可能に、前記切断部固定手段の上流側に配置された布送り部クランプ機構と、
前記布送り部クランプ機構の前記布係止用くし歯がほぞ組状に嵌入可能な巻枠側くし歯を有し、前記シート状繊維集合体の巻回始端部を拘束・解放可能に前記巻枠に設けられたシート端部拘束手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の真空断熱材の製造装置。 - 前記切断部固定手段は、前記シート状繊維集合体の切断部の前後を該シート状繊維集合体の両面より接近・離反して拘束・解放可能に挟む2組の切断部クランプ部材で構成されており、
前記シート受け渡し機構の布送り部クランプ機構は、前記2組の切断部クランプ部材の前記シート状繊維集合体の両面からの離反時に、これら2組の切断部クランプ部材間を、その布係止用くし歯が前記シート端部拘束手段の巻枠側くし歯と噛み合う位置まで前進可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載の真空断熱材の製造装置。 - 指令値に基づいて前記原反ロールに制動力を付与する原反ロール制動手段と、
前記巻枠の直径と回転数より算出した巻き出し速度と、原反ロール固定軸の回転周期から原反ロール直径を算出し、その直径に応じて、巻き出されるシート状繊維集合体の張力を一定に保つブレーキ制動力を算出し、算出したブレーキ制動力を指令値として前記原反ロール制動手段に出力する制御手段と、
を更に有することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の真空断熱材の製造装置。 - 所定の幅を有し、長さ方向に連続したシート状繊維集合体が内側から外側に向かって巻かれ、その巻き方向が長手方向である平板状に形成された積層構造の芯材と、
前記芯材を開口部から内部に収納し、内部が減圧された状態で前記開口部がシールされるガスバリア性の外包材と、を備え、
前記平板状の芯材は、その平板状の長手端部の折り返し部に巻回終端が位置するように形成されていることを特徴とする真空断熱材。 - 前記芯材は、前記長手端部から前記外包材に挿入されていることを特徴とする請求項6記載の真空断熱材。
- 外箱と、前記外箱の内部に配置された内箱とを備え、前記外箱と内箱との間に請求項6又は7記載の真空断熱材を配置したことを特徴とする断熱箱。
- 請求項6又は7記載の真空断熱材を備えたことを特徴とする機器。
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