JP5664798B2 - 放射線検出器とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、X線、γ線、光等を含む放射線を検出する機能を有し、医療用および異物検査等の産業用に使用される放射線検出器とその製造方法に関する。
従来から高感度な放射線検出器の材料として各種の半導体材料、とりわけCdTe(テルル化カドミウム)またはCdZnTe(テルル化亜鉛カドミウム)の結晶体が研究・開発され、一部製品化されている。しかしながら、医用診断用の放射線検出器に応用するには、大面積(例えば20cm角以上)の放射線変換層を形成(成膜)する必要がある。このような大面積の結晶体を形成することは、技術的にもコスト的にも現実的に難しい。そこで、CdTeまたはCdZnTeの多結晶膜は、近接昇華法により形成されている(例えば特許文献1)。
従来の放射線検出器101を図7に示す。図7中の符号rは放射線の入射方向を示す。対向基板(検出基板ともいう)103は、放射線の入射側から順番に、バイアス電圧Vhを印加する共通電極として機能する導電性のグラファイトの支持基板105、電子(電荷)注入阻止層106、放射線に感応して電荷(キャリア)を生成する多結晶膜の半導体層(放射線変換層)102、正孔(電荷)注入阻止層107、対向電極108の各層(膜)が積層して構成されている。なお、多結晶膜の半導体層102は、以下適宜「半導体多結晶膜」とする。対向基板103は、バンプ電極131を介してアクティブマトリクス基板104と貼り合わせて一体的に構成されている。アクティブマトリクス基板104は、コンデンサ111およびスイッチング素子112を画素ごとに有し、入射した放射線強度に応じて半導体多結晶膜102で生成された電荷を蓄積し、蓄積された電荷の読み出しを行っている。
半導体多結晶膜102としてCdTeまたはCdZnTeを用いた放射線検出器101では、感度に寄与しない漏れ電荷が半導体多結晶膜102へ注入すると、リーク電流が増加して検出特性の劣化を招く。そのため、導電性の支持基板105と半導体多結晶膜102との間、および半導体多結晶膜102と対向電極108との間の少なくともいずれか一方に、半導体多結晶膜102への電荷の注入を阻止するための電子注入阻止層106および正孔注入阻止層107が形成されている。
なお、特許文献2には、支持基板の表面の凹凸が半導体層に影響を及ぼす認識の元、形成された半導体層の「表面」の相違により、グラファイト基板(支持基板)の表面の凹凸を1μm〜8μmの範囲とすることが開示されている。これにより、凹凸が1μm未満の基板では、半導体層の膜質が粗くボーラス(多孔質)になって支持基板と半導体層との密着性が悪くなっていたのを防ぐことができる。また、逆に凹凸が8μmを超えた支持基板では、一部のみにリーク電流の多い箇所であるリークスポットが発生したのを防ぐことができる。
特許4269653号公報 国際公開第2011/125277号
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。図7に示すように、支持基板105に電子注入阻止層(例えばZnTe膜)106を数十μmの厚みに形成し、形成された電子注入阻止層106に半導体多結晶膜(例えばCdZnTe膜)102を形成している。この場合、半導体多結晶膜102の成分と比較的近く細かな結晶粒で構成される電子注入阻止層106が半導体多結晶膜102の形成時の核となる。この核に基づいて半導体多結晶膜102の結晶粒が小さく(細かく)形成され、初めに形成された(初期の)小さい結晶粒から時間と共に大きな結晶粒が形成される。
図8は、グラファイトの支持基板105上のZnTe膜106に形成されたCdZnTe膜102の縦断面写真である。すなわち、グラファイトの支持基板105上に電子注入阻止層のZnTe膜106を近接昇華法により約20μm形成し、その上に半導体多結晶膜のCdZnTe膜102を近接昇華法により形成している。結晶粒は支持基板105近くでは細かく表面に向かうに連れて大きくなっている。
しかしながら、リーク電流の大きさをあまり問題にしない場合は、支持基板105に電子注入阻止層106を形成せずに、支持基板105に半導体多結晶膜102を直接形成する。この場合、電子注入阻止層106を介在した場合と同様の大きさの結晶粒が形成されず、初めから大きな結晶粒が成長する問題がある。初めに大きな結晶粒が成長すると半導体多結晶膜102と支持基板105との密着性が低下してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電荷注入阻止層を介在させずに支持基板側に直接形成する際に、初めに形成される結晶粒を小さくすることが可能な放射線検出器およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明者は、上記の問題を解決するために鋭意研究した結果、次のような知見を得た。グラファイトの支持基板105の面に半導体多結晶膜102を近接昇華法により直接形成する際に、支持基板105の面の表面粗さRaが小さくきれいであると、半導体多結晶膜102の形成開始から時間と共に半導体多結晶膜102が形成されず、所定の時間が経過してから厚み方向200に半導体多結晶膜102が形成される。すなわち、初めに形成される結晶粒の結晶核が支持基板105に付きにくいことが判明した。この場合、初めに形成される結晶粒が大きくなる。図9は、表面粗さRa<0.5μmときれいなグラファイトの支持基板105の面に直接形成されたCdZnTe膜の縦断面写真である。結晶粒は、厚み方向に100μmを超える異常成長した大きな結晶粒が初めから形成されている。
図10(a)は、表面粗さRa<0.5μmの支持基板105における結晶核201の初期形成の説明に供する図である。表面粗さが小さく表面がきれいであると、初めに形成される結晶粒の結晶核201が支持基板105に付きにくい。そのため、結晶核201の付いたところから結晶粒が成長して大きな結晶粒が成長するものと考えられる(図10(a)の2点鎖線)。大きな結晶粒が成長すると、上述のように、密着性が低下し、また、検出信号の感度が良くなるものの、複数の画素をまたぐときなど画素間のばらつきの原因になってしまう。
また、図10(b)は、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の支持基板105における結晶核201の初期形成の説明に供する図である。表面粗さが所定範囲で表面に細かな凹凸があると、支持基板105に半導体多結晶膜102の結晶核201が付き易く、結晶核201が付いたところから結晶粒が成長し、小さな結晶粒が形成されると考えられる。また、結晶核201が付き易い(形成し易い)ので、半導体多結晶膜102の形成開始から時間と共に厚み方向に形成される。図5は、表面粗さRa=1.0μmのグラファイトの支持基板105の面に直接形成されたCdZnTe膜の縦断面写真である。図5に示すように、結晶粒は支持基板105近くでは細かく表面に向かうに連れて大きくなっているのがわかる。
また、図10(c)は、表面粗さRa>1.5μmの支持基板105における結晶核201の初期形成の説明に供する図である。更に表面粗さRaが大きくなると、図10(b)に示す表面粗さRa=0.5μm以上1.5μm以下よりも半導体多結晶膜102の結晶核201が支持基板105に付きにくくなる。すなわち、表面が粗くなると平らな面が増えて、この平らな面では結晶核201が付きにくくなる。そのため、表面粗さRa=0.5μm以上1.5μm以下よりも結晶粒が大きくなると考えられる。また、表面粗さが大きくなると半導体多結晶膜102の支持基板105と反対側の表面の凹凸が大きくなってしまう。
このような知見に基づく本発明は、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る放射線検出器は、放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、前記半導体多結晶膜が形成された、バイアス電圧を印加するグラファイトの支持基板とを備えた放射線検出器において、前記半導体多結晶膜は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の前記支持基板の面に直接形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る放射線検出器によれば、半導体多結晶膜は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満のグラファイトの支持基板の面に直接形成されている。これにより、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板側に形成し易くなり、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、より小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチ以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板側に対する半導体多結晶膜の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜の表面の凹凸を抑えることができる。
また、本発明に係る放射線検出器は、放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、前記半導体多結晶膜が形成された絶縁性の支持基板と、前記半導体多結晶膜と前記支持基板との間に形成されたバイアス電圧を印加する共通電極とを備えた放射線検出器において、前記半導体多結晶膜は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の前記支持基板の面に形成された前記共通電極に直接形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る放射線検出器によれば、半導体多結晶膜は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の絶縁性の支持基板の面に形成された共通電極に直接形成されている。これにより、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板側に形成し易くなり、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、より小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチ以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板側に対する半導体多結晶膜の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜の表面の凹凸を抑えることができる。
また、本発明に係る放射線検出器は、放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、前記半導体多結晶膜が形成された絶縁性の支持基板と、前記半導体多結晶膜と前記支持基板との間に形成されたバイアス電圧を印加する共通電極とを備えた放射線検出器において、前記半導体多結晶膜は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の前記共通電極の面に直接形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る放射線検出器によれば、半導体多結晶膜は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の前記共通電極の面に直接形成されている。これにより、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板側に形成し易くなり、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、より小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチ以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板側に対する半導体多結晶膜の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜の表面の凹凸を抑えることができる。
また、本発明に係る放射線検出器において、前記半導体多結晶膜の一例は、CdTeまたはCdZnTeである。これにより、初めに形成されるCdTeまたはCdZnTe結晶粒の元となる結晶核が形成し易くなり、初めに形成される結晶粒を小さくすることができる。
また、本発明に係る放射線検出器の製造方法は、放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、前記半導体多結晶膜が形成されたバイアス電圧を印加するグラファイトの支持基板とを備えた放射線検出器の製造方法において、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の面を有する前記支持基板を準備する工程と、前記支持基板の前記面に前記半導体多結晶膜を直接形成する工程と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る放射線検出器の製造方法によれば、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の面を有するグラファイトの支持基板を準備し、支持基板のその表面粗さの面に半導体多結晶膜を直接形成している。これにより、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板側に形成し易くなり、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、より小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチ以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板側に対する半導体多結晶膜の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜の表面の凹凸を抑えることができる。
また、本発明に係る放射線検出器の製造方法は、放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、前記半導体多結晶膜が形成された絶縁性の支持基板と、前記半導体多結晶膜と前記支持基板との間に形成されたバイアス電圧を印加する共通電極とを備えた放射線検出器の製造方法において、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の面に前記共通電極が形成された前記支持基板を準備する工程と、前記共通電極に前記半導体多結晶膜を直接形成する工程と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る放射線検出器の製造方法によれば、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の面に共通電極が形成された絶縁性の支持基板を準備し、その共通電極に半導体多結晶膜を直接形成している。これにより、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板側に形成し易くなり、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、より小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチ以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板側に対する半導体多結晶膜の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜の表面の凹凸を抑えることができる。
また、本発明に係る放射線検出器の製造方法は、放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、前記半導体多結晶膜が形成された絶縁性の支持基板と、前記半導体多結晶膜と前記支持基板との間に形成されたバイアス電圧を印加する共通電極とを備えた放射線検出器の製造方法において、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の面を有する前記共通電極を準備する工程と、前記共通電極の前記面に前記半導体多結晶膜を直接形成する工程と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る放射線検出器の製造方法によれば、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の面を有する共通電極を準備し、共通電極のその表面粗さの面に半導体多結晶膜を直接形成している。これにより、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板側に形成し易くなり、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、より小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチ以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板側に対する半導体多結晶膜の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜の表面の凹凸を抑えることができる。
また、本発明に係る放射線検出器の製造方法において、前記半導体多結晶膜の一例は、CdTeまたはCdZnTeである。これにより、初めに形成されるCdTeまたはCdZnTe結晶粒の元となる結晶核が形成し易くなり、初めに形成される結晶粒を小さくすることができる。
本発明に係る放射線検出器およびその製造方法によれば、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板側に形成し易くなり、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、より小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチ以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板側に対する半導体多結晶膜の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜の表面の凹凸を抑えることができる。

実施例1に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)の構成を示す縦断面図である。 実施例1に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)の構成を示すブロック図である。 実施例1に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)の製造方法を示すフローチャートである。 近接昇華法の説明に供する図である。 表面粗さRa=1.0μmのグラファイトの支持基板の面に直接形成されたCdZnTe膜の縦断面写真である。 実施例2に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)の構成を示す縦断面図である。 従来のフラットパネル型X線検出器(FPD)の構成を示す縦断面図である。 グラファイトの支持基板上のZnTe膜に形成されたCdZnTe膜の縦断面写真である。 表面粗さRa<0.5μmときれいなグラファイトの支持基板の面に直接形成されたCdZnTe膜の縦断面写真である。 (a)は、表面粗さRa<0.5μmの支持基板における結晶核の初期形成の説明に供する図であり、(b)は、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の支持基板における結晶核の初期形成の説明に供する図であり、(c)は、表面粗さRa>1.5μmの支持基板における結晶核の初期形成の説明に供する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。また、本実施例では、放射線検出器の一例として、フラットパネル型X線検出器(FPD)について説明する。図1は、フラットパネル型X線検出器(FPD)の構成を示す縦断面図であり、図2は、フラットパネル型X線検出器(FPD)の構成を示すブロック図である。
図1を参照する。FPD1は、入射したX線に感応して電荷(電子−正孔対キャリア)を生成する多結晶の半導体層(半導体多結晶膜)2を有する対向基板3と、生成された電荷を蓄積するとともに蓄積された電荷を読み出すアクティブマトリクス基板4とを備えている。
対向基板3は、X線入射方向(図1中の符号x)から順番に、半導体多結晶膜2を支持するとともにバイアス電圧Vhを印加する共通電極として機能するグラファイトの支持基板5と、支持基板5の下面に直接形成される半導体多結晶膜2と、電荷収集用の対向電極6と、が積層形成された構成となっている。すなわち、FPD1は、半導体多結晶膜2と、半導体多結晶膜2が形成された支持基板5とを備え、半導体多結晶膜2は、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の支持基板5の面5aに直接形成されている。
本実施例の表面粗さRa(算術平均粗さ)は、接触式の測定器で測定される。測定は、例えば、先端径Rが12.5μmの探針を用い、評価長さを2mmとして行われる。なお、既に、半導体多結晶膜2が支持基板5に直接形成されている場合は、例えば、半導体多結晶膜2を薬品等で溶かして、半導体多結晶膜2を取り除いた状態で表面粗さRaを測定する。
一方、アクティブマトリクス基板4は、生成された電荷を蓄積するコンデンサ11と、コンデンサ11に蓄積された電荷を読み出すスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(TFT)12と等を備えている。コンデンサ11とTFT12等は、絶縁基板13上に形成されている。また、アクティブマトリクス基板4は、画素電極14およびスルーホール15を備えている。コンデンサ11は、容量電極16、絶縁膜17およびグランド線18とで構成されている。グランド線18は、接地され、または、予め設定された所定電圧が印加されている。TFT12は、容量電極16および絶縁膜17、データ線19、ゲートチャネル20、ゲート線21で構成されている。また、絶縁膜22は、画素電極14と容量電極16との間に形成されている。絶縁膜23は保護膜として形成されている。
対向基板3とアクティブマトリクス基板4は、対向基板3の対向電極6とアクティブマトリクス基板4の画素電極14とがバンプ電極31で接合されることにより、貼り合わされて構成されている。
図1中の符号DUは、X線検出素子を示しており、X線検出素子DUでの検出が1画素に相当する。X線検出素子DUは、2次元マトリクス状に配置され、例えば1500×1500個程度(230×230mm程度)で構成される。X線検出素子DUは、図2に示すように、図示の便宜上3×3個で構成されている。コンデンサ11およびTFT12は、2次元マトリクス状に構成された3×3個のX線検出素子DUに個別に設けられている。
図2において、ゲート線21は、行(X)方向のX線検出素子DUで共通に接続するように構成されており、データ線19は、列(Y)方向のX線検出素子DUで共通に接続するように構成されている。また、ゲート線21は、ゲート駆動部33と接続しており、データ線19は、順番に電荷電圧変換アンプ35、マルチプレクサ37に接続している。ゲート駆動部33、電荷電圧変換アンプ35およびマルチプレクサ37は、駆動制御部39で制御されるようになっており、例えば図示しない外部装置からの信号で駆動される。
次に、FPD1の製造方法について、図3のフローチャートに沿って説明する。対向基板3とアクティブマトリクス基板4は、個別に作成される。ステップS01〜S03は、対向基板3を作成する工程を示す。ステップS11、S12は、アクティブマトリクス基板4を作成する工程とバンプ電極31を形成する工程を示す。そして、ステップS21の工程において、対向基板3とアクティブマトリクス基板4とが貼り合わせて一体となる。
〔ステップS01〕支持基板の準備
表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の面5aを有する支持基板5を準備する。支持基板5は、X線の吸収係数が小さいものが好ましく、例えば、導電性のグラファイトで構成される。支持基板5の面5aは、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下となるように表面処理される。表面処理は、所定の表面粗さRaにするために、スラリーや固定砥粒等を用いた機械研磨(平面研磨)または平面フライス加工などにより行われる。
〔ステップS02〕半導体多結晶膜の形成
グラファイトの支持基板5の表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の面5aに半導体多結晶膜2を直接形成する。半導体多結晶膜2は、例えばCdTeまたはCdZnTeの多結晶膜である。半導体多結晶膜2は、近接昇華法によりグラファイトの支持基板5に直接形成される。図4は、近接昇華法の説明に供する図である。
蒸着チャンバ41内には、ソースSを置くための下部サセプタ43が設けられている。下部サセプタ43に配置するソースSは、例えばCdTeの粉末材料の焼結体が用いられ、予め常圧かつ不活性雰囲気(例えばArガス)中で加熱(例えば690℃)して焼結させておく。支持基板5は、半導体多結晶膜2を形成する表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の面5aを下部サセプタ43に向けた状態でスペーサ45を介在させて蒸着チャンバ41内の下部サセプタ43上に載置される。蒸着チャンバ41の上下部には、独立して温度を制御することが可能なヒータ47,49が設けられている。支持基板5とソースSとを対向配置させた状態で、真空ポンプ51を動作させて蒸着チャンバ41内を減圧雰囲気(例えば260Pa)にした後、上下部のヒータ47,49によりソースSを加熱する(例えば基板温度550℃、ソース温度650℃)。これにより、ソースSが昇華して、支持基板5の面5aに半導体多結晶膜2が形成される。
また、半導体多結晶膜2の検出特性を向上させるため、半導体多結晶膜2には、任意の不純物をドープしてもよく、例えば、Znをドープすると、ワイドギャップ化することによりリーク電流を低減させることができる。また、適量のClをドープすると、結晶粒径9を細かくする効果、または半導体多結晶膜2の結晶粒界等での電荷の流れ易さを示すキャリア走行性を改善し、感度および応答性を改善させる効果を有する。
Clドープは、粉末材料を焼結させたソースSにClを混入したり、蒸着チャンバ41の外部から供給口53を通して内部にClを供給したりする。例えば、ソースSとしては、CdTe、ZnTe、およびCdZnTeの少なくとも1つを含む第1の材料と、CdCl(塩化カドミウム)、およびZnCl(塩化亜鉛)の少なくとも1つを含む第2の材料との混合体を用いてもよい。また、例えば、蒸着チャンバ41の外部から内部に、HCl(塩化水素)、CHCl(クロロホルム)などをアルゴン(Ar)、窒素(N)などの不活性ガスで希釈したCl含有ガスを、供給口53から流量を制御しながら供給してもよい。また、これらClを混入したソースSと、蒸着チャンバ41の外部から内部に供給するCl含有ガスとを組み合わせてもよい。
このようにして半導体多結晶膜2は、近接昇華法により600〜700μm程度の厚みに形成される。半導体多結晶膜2は、アズデポ(そのまま)の状態では、表面の凹凸があり膜厚にばらつきを有する。そのため、半導体多結晶膜2の表面をマトリクス基板4との一体化接合のため、600〜700μmの半導体多結晶膜2を形成し、その表面を平面研磨して平坦化しするとともに400μm程度の厚みにする。なお、平面研磨後の400μm程度の厚みにおいて、結晶粒径を画素ピッチP(例えば150μm)よりも小さくすることが好ましい。検出信号の画素間のばらつきを抑えることができる。なお、図5、図8および図9において、半導体多結晶膜2が形成される面の状態以外は、同じ成膜条件で半導体多結晶膜2が形成されている。
〔ステップS03〕対向電極の形成
半導体多結晶膜2上(図1では下側)に対向電極6を形成する。対向電極6は、ITO(酸化インジウムスズ)や、Au(金)、Pt(白金)、グラファイトなどの導電材料から構成され、半導体多結晶膜2上に蒸着法やスパッタリング等で形成される。なお、必要に応じて、対向電極6を形成しない構成としてもよい。なお、この場合、バンプ電極31が対向電極6として機能する。
〔ステップS11〕アクティブマトリクス基板の作成
ガラス等で構成される絶縁基板13上にグランド線18とゲート線21とを形成し、それらを覆うように絶縁膜17を形成する。グランド線18およびゲート線21は、Ta(タンタル)、Al(アルミニウム)、Mo(モリブデン)等の金属膜で構成され、蒸着法またはスパッタリング等で形成される。絶縁膜17は、SiNxやSiOxで構成され、蒸着法等で形成される。また、絶縁膜17は、無機膜の他にアクリルやポリイミド等で構成してもよい。
TFT12を形成するために、ゲートチャネル20を絶縁膜17上に形成する。ゲートチャネル20は、a−Si(アモルファスシリコン)やp−Si(ポリシリコン)を蒸着法で形成し、不純物を拡散させて例えばn+層としたもので構成される。
コンデンサ11およびTFT12を作成するために、容量電極16とデータ線19とを絶縁膜17等上に形成し、それらを覆うように絶縁膜22を形成する。また、絶縁膜22にスルーホール15を形成する。そして、絶縁膜22およびスルーホール15上に画素電極14を形成し、画素電極14で開口するように絶縁膜23を形成する。画素電極14、スルーホール15、容量電極16およびデータ線19は、Ta、Al、Ti(チタン)等の金属膜で構成される。これらの金属膜は、蒸着法またはスパッタリング等で形成される。絶縁膜22,23は、絶縁膜17と同様に、SiNxやSiOxで構成され、蒸着法等で形成される。
〔ステップS12〕バンプ電極の形成
ステップS11で形成されたアクティブマトリクス基板4上にバンプ電極31を形成する。バンプ電極31は、例えば導電性ペーストをスクリーン印刷することにより形成される。
バンプ電極31は、導電性ペーストで構成され、例えば、ゴムを主成分とした母材に、カーボンを主成分とした導電性材料と、常温で放置することにより有機物質が徐々に揮発して硬化する、あるいは空気中の水分と縮合反応して硬化するバインダー樹脂とを配合したもので構成される。この導電性ペーストに含まれる導電性材料については、導電性を有していれば、適宜材料を選択しても良い。また、例えば、母材の主成分をゴムと例示したが、その他の高分子材料でもよい。バインダー樹脂についても、必ずしも樹脂に限定されず、接着性および硬化性を有する素材の混合物であってもよい。
また、導電性ペーストには、例えば、バインダー樹脂のように常温で放置することにより有機物質が徐々に揮発して硬化する、あるいは空気中の水分と縮合反応して硬化する素材が含まれていることが望ましいが、温度変化(100℃程度まで)を与えることにより硬化する物質が含まれていてもよい。
〔ステップS21〕対向基板とアクティブマトリクス基板の貼り合わせ
対向基板3の対向電極6とアクティブマトリクス基板4の画素電極14上に形成されたバンプ電極31とを接合する。これにより、対向基板3とアクティブマトリクス基板4とが貼り合わされる。接合は、予め設定された所定の圧力を加えながら、常温放置、あるいは必要に応じて加熱することにより行われる。また、バンプ電極31以外にも、異方導電性フィルム(ACF)を用いて接合(接続)してもよい。
以上の工程によりFPD1を製造する。なお、この他に、ゲート駆動部33、電荷電圧変換アンプ35、マルチプレクサ37、および駆動制御部39等が設けられる。
次に、図1および図2を参照してFPD1の動作を説明する。X線管から照射されたX線は被検体を透過し、被検体を透過したX線がFPD1に入射する(X線管と被検体は共に図示しない)。FPD1の半導体多結晶膜2にX線が入射されると、光導電効果により電荷が生成される。このとき、例えばグラファイト支持基板5には、バイアス電圧Vhが印加されているので、半導体多結晶膜2で生成された電荷は、バンプ電極31等を通じて画素ごとにコンデンサ11に蓄積される。
コンデンサ11に蓄積された電荷は、TFT12の動作によりコンデンサ11から読み出される。ゲート駆動部33は、例えば図2の上側のゲート線21から1行ずつ順番に信号を送信することで、TFT12を接続(ON)の状態にさせる。これにより、コンデンサ11に蓄積された電荷がTFT12を通じてデータ線19に移動され、データ線19を通じて電荷電圧変換アンプ35に転送される。電荷電圧変換アンプ35は、電荷を電圧に変換して電圧信号として出力し、マルチプレクサ37に転送する。マルチプレクサ37は、複数の電圧信号から1つの電圧信号を選択して出力する。出力された電圧信号に基づいて2次元のX線画像が取得される。
本実施例に係るFPD1によれば、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の面5aを有するグラファイトの支持基板5を準備し、支持基板5のその表面粗さの面5aに半導体多結晶膜2を直接形成している。すなわち、半導体多結晶膜2は、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下のグラファイトの支持基板5の面5aに直接形成されている。これにより、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板5側(支持基板5の面5a)に形成し易くなり、図5に示すように、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチP以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板5側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板5側に対する半導体多結晶膜2の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜2の表面の凹凸を抑えることができる。
すなわち、表面粗さRaが0.5μm未満の場合では、支持基板5の面5aに初めに形成される結晶粒の元となる結晶核201が付きにくい。また、半導体多結晶膜2を時間と共に形成することができず、また、くっ付いた結晶核201から結晶粒が成長するので結晶粒が大きく成長する(図10(a))。また、支持基板5に対する半導体多結晶膜2の密着性が低下し、膜剥離が生じる。一方、表面粗さRaが1.5μmより大きい場合では、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下よりも支持基板5の面5aに結晶核201が付きにくく、結晶粒が大きくなる(図10(c))。また、表面粗さRaが大きくなると半導体多結晶膜2の表面の凹凸が大きくなる。しかしながら、本実施例によりこれらを抑えることができる。
また、半導体多結晶膜2は、CdTeまたはCdZnTeである。これにより、初めに形成されるCdTeまたはCdZnTeの結晶粒の元となる結晶核が形成し易くなり、初めに形成される結晶粒を小さくすることができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。図6は、実施例2に係るフラットパネル型X線検出器(FPD)の構成を示す縦断面図である。なお、実施例1と重複する説明は省略する。
実施例1のFPD1は、導電性のグラファイトの支持基板5を備え、支持基板5は、支持基板と共通電極とを兼用していた。しかしながら、FPD61は、図6に示すように、絶縁性の支持基板63と、バイアス電圧(Vh)を印加する共通電極65とを備えている。
支持基板63は、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化シリコン、窒化シリコンおよび炭化ケイ素のうちのいずれか1つまたは少なくとも2つ以上を予め設定された比率で混合したものの焼成体である。支持基板63上(図6では下側)には、共通電極65が形成されている。すなわち、共通電極65は、支持基板63と半導体多結晶膜2との間に形成されている。共通電極65は、ITOや、Au、Pt、グラファイトなどの導電性材料が用いられ、蒸着法やスパッタリング等で形成される。共通電極65は、例えば0.1μm程度の膜厚に形成されている。
半導体多結晶膜2は、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の支持基板63の面63aに形成された共通電極65に直接形成されている。まず、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の面63aに共通電極65が形成された支持基板63を準備する。すなわち、支持基板63の面63aを表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下となるように、実施例1と同様の方法で、表面処理する。表面処理された支持基板63の面63aに共通電極65を形成する。そして、その共通電極65に半導体多結晶膜2を直接形成する。これは、共通電極65の膜厚が0.1μm程度と薄いので、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の支持基板63の面63aに形成された共通電極65の面65aの表面粗さRaもほぼ同じとなることに基づく。
本実施例に係るFPD61によれば、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の面63aに共通電極65が形成された絶縁性の支持基板63を準備し、その共通電極65に半導体多結晶膜2を直接形成している。すなわち、半導体多結晶膜2は、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の絶縁性の支持基板63の面63aに形成された共通電極65に直接形成されている。これにより、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板63側(共通電極65の面65a)に形成し易くなり、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチP以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板63側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板63側に対する半導体多結晶膜2の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜2の表面の凹凸を抑えることができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例2では、半導体多結晶膜2は、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の絶縁性の支持基板63の面63aに形成された共通電極65に直接形成されている。しかしながら、半導体多結晶膜2は、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の共通電極65の面65aに直接形成されてもよい。
まず、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の面65aを有する共通電極65を準備する。すなわち、支持基板63の面63aを表面粗さRaが所定範囲になるように、実施例1と同様の方法で、表面処理する。次に、蒸着法やスパッタリング等で、表面処理された支持基板63の面63aに共通電極65を形成する。支持基板63の面63aの表面粗さRaは、形成される共通電極65の面65aの表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下になるように設定される。そして、共通電極65のその表面粗さRaの面65aに半導体多結晶膜2を直接形成する。これは、共通電極65の膜厚が0.1μm程度あるいはこれよりも厚い場合であっても共通電極65の面65aの表面粗さRaは、支持基板63の面63aの表面粗さRaから設定できることに基づく。
これにより、初めに形成される結晶粒の元となる結晶核が支持基板63側(共通電極65の面65a)に形成し易くなり、初めに形成される結晶粒が大きく成長せず、小さくすることができる。そのため、初めに形成される小さな結晶粒から時間と共に大きな結晶粒を形成することができる。例えば、結晶粒径を画素ピッチP以下の大きさに容易にすることができる。また、支持基板63側に初めに小さな結晶粒が形成されるので、支持基板63側に対する半導体多結晶膜2の密着性を向上させ、膜剥離の発生を抑えることができる。また、半導体多結晶膜2の表面の凹凸を抑えることができる。
(2)上述した各実施例および変形例(1)では、半導体多結晶膜2は、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の支持基板5の面5aに、または、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の支持基板63の面63aに形成された共通電極65に、または、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の共通電極65の面65aに直接形成されている。しかしながら、表面粗さRaは、0.5μm以上1.0μm未満であることが望ましい。
例えば、実施例1の場合、半導体多結晶膜2は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の支持基板5の面5aに直接形成される。これにより、初めに形成される結晶粒をより小さくすることができる。すなわち、表面粗さRaが0.5μm未満では、支持基板5,63側に結晶核が付きにくく、大きな結晶粒が形成される。一方、表面粗さRaが1.5μmを超えると、表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下よりも大きく結晶粒が形成される。表面粗さRaが0.5μm以上1.5μm以下の場合においても、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の方が、表面粗さRaが1.0μm以上1.5μm以下よりも結晶粒が小さくすることができる。
(3)上述した各実施例および各変形例では、半導体多結晶膜2は、検出対象の放射線として、X線に感応して電荷を生成していた。しかしながら、X線に限らず、例えばγ線または光(可視光や紫外線、赤外線等)であってもよい。この場合、FPD1,61は、X線、γ線および光の全てを検出する構成であるが、X線、γ線および光の少なくともいずれか1つを検出する構成であってもよい。
(4)上述した各実施例および各変形例において、半導体多結晶膜2と対向電極6との間に、電子注入阻止層または正孔注入阻止層を形成してもよい。電子注入阻止層は、ZnTe、Sb(硫化アンチモン)、またはSbTe(アンチモンテルル)等のp型半導体で構成される。正孔注入阻止層は、CdS(硫化カドミウム)、ZnS(硫化亜鉛)、ZnO(酸化亜鉛)、またはSb等のn型半導体で構成される。電子注入阻止層および正孔注入阻止層は、昇華法、蒸着法、スパッタリング、化学析出法、または電析法等で形成される。電子注入阻止層および正孔注入阻止層は、必要に応じてパターニングして画素ごとに分離して形成する。
(5)上述した各実施例および各変形例では、図2に示すように、2次元状のX線像を検出するものであったが、X線検出素子DUが1列に並ぶだけの1次元のX線像を検出するものであってもよい。
1,61 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
2 … 多結晶の半導体層(半導体多結晶膜)
5 … グラファイトの支持基板
5a … グラファイトの支持基板の面
63 … 絶縁性の支持基板
63a… 絶縁性の支持基板の面
65 … 共通電極
65a… 共通電極の面

Claims (8)

  1. 放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、
    前記半導体多結晶膜が形成された、バイアス電圧を印加するグラファイトの支持基板とを備えた放射線検出器において、
    前記半導体多結晶膜は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の前記支持基板の面に直接形成されていることを特徴とする放射線検出器。
  2. 放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、
    前記半導体多結晶膜が形成された絶縁性の支持基板と、
    前記半導体多結晶膜と前記支持基板との間に形成されたバイアス電圧を印加する共通電極とを備えた放射線検出器において、
    前記半導体多結晶膜は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の前記支持基板の面に形成された前記共通電極に直接形成されていることを特徴とする放射線検出器。
  3. 放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、
    前記半導体多結晶膜が形成された絶縁性の支持基板と、
    前記半導体多結晶膜と前記支持基板との間に形成されたバイアス電圧を印加する共通電極とを備えた放射線検出器において、
    前記半導体多結晶膜は、表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の前記共通電極の面に直接形成されていることを特徴とする放射線検出器。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記半導体多結晶膜は、CdTeまたはCdZnTeであることを特徴とする放射線検出器。
  5. 放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、
    前記半導体多結晶膜が形成されたバイアス電圧を印加するグラファイトの支持基板とを備えた放射線検出器の製造方法において、
    表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の面を有する前記支持基板を準備する工程と、
    前記支持基板の前記面に前記半導体多結晶膜を直接形成する工程と、
    を備えていることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
  6. 放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、
    前記半導体多結晶膜が形成された絶縁性の支持基板と、
    前記半導体多結晶膜と前記支持基板との間に形成されたバイアス電圧を印加する共通電極とを備えた放射線検出器の製造方法において、
    表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の面に前記共通電極が形成された前記支持基板を準備する工程と、
    前記共通電極に前記半導体多結晶膜を直接形成する工程と、
    を備えていることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
  7. 放射線に感応して電荷を生成する半導体多結晶膜と、
    前記半導体多結晶膜が形成された絶縁性の支持基板と、
    前記半導体多結晶膜と前記支持基板との間に形成されたバイアス電圧を印加する共通電極とを備えた放射線検出器の製造方法において、
    表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm未満の面を有する前記共通電極を準備する工程と、
    前記共通電極の前記面に前記半導体多結晶膜を直接形成する工程と、
    を備えていることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
  8. 請求項からのいずれかに記載の放射線検出器の製造方法において、
    前記半導体多結晶膜は、CdTeまたはCdZnTeであることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
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