JP5663354B2 - 導管用緊急離脱装置 - Google Patents
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Description
このローディングアームには、突風や潮流、また地震による津波などによってタンカーが急激に移動する場合や、火災などの発生によりタンカーを緊急に移動させる場合に備えて、タンカー側の管路と陸上側の管路とを安全に切り離すことができる緊急離脱装置が設置されている(例えば、特許文献1および2参照)。
緊急離脱装置の作動方法としては、オペレータの手動操作による作動方法や、ローディングアームの姿勢が予め設定された所定の姿勢となったときに自動に作動する作動方法がある。
このため、海上に建設された基地と陸上との間にわたって敷設された導管においても、基地側の導管と陸上側の導管とを切り離すことができる緊急離脱装置が設置されることが望まれている。
前記制御部は、前記導管のxyz方向それぞれの加速度の絶対値の平均値が所定値以上となる時間が所定時間以上継続したと判断したとき、または、前記導管のx方向の加速度による地震波形およびy方向の加速度による地震波形のいずれか1つ以上において加速度の最大値および最小値がそれぞれ所定値を超えたと判断したときに、前記導管切り離し機構を作動させることを特徴とする。
また、導管のxyz方向またはxy方向の加速度をそれぞれ検出する加速度変換器を備えていることにより導管の振動を精度よく検知することができる。
なお、導管のx方向の加速度とは、導管の延在方向の加速度とし、y方向の加速度とは、導管の延在方向に直交する水平方向の加速度とし、z方向の加速度とは、導管の延在方向に直交する鉛直方向の加速度とする。
このように構成されることにより、導管切り離し機構によって切り離された導管どうしを離間させることができるため、切り離された後の導管が互いに接触して損傷することを防止することができる。
このように構成されることにより、導管切り離し機構によって導管が切り離されたときに、一対のカップラー間に所定の間隔があるため、切り離された後の導管が互いに接触して損傷することを防止することができる。
以下、本発明の第1の実施形態による導管用緊急離脱装置について、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態では、海11上に建設された海上基地(不図示)と陸上12とにわたって敷設された導管10に設置されている。
海上基地と陸上12との間には桟橋13が架設されていて、海上基地と陸上12との間の導管10は、この桟橋13に敷設されている。この導管10の内部は、石油やガスなどの流体が流通している。
この導管用緊急離脱装置1Aは、地震による津波などが発生し、陸上12の導管10が、予め設定された所定値以上の加速度で予め設定された所定時間以上振動し続けたときに、導管用緊急離脱装置1Aを境として導管10を海上基地側と陸上12側とに切り離すように構成されている。
また、地震による津波などが発生し、導管10が、所定値以上の加速度で所定時間以上振動し続けたときを緊急時とし、この緊急時以外を通常時として以下説明する。
一対のカップラー2のうち、一方のカップラー2には導管接続部22に第1導管10Aが接続され、他方のカップラー2には導管接続部22に第2導管10Bが接続されている。
一対のカップラー2,2は、互いの接続フランジ23,23を突き合わせた状態で連結部3によって分離可能に連結されている。
一対のカップラー2,2は、互いに連結されると、その流路21c,21cが連通し、これにより第1導管10Aおよび第2導管10Bが連通させる構成されている。
図2(b)に示すように、クランプ部材31は、導管切り離し機構5と接続されていて、導管切り離し機構5が作動すると、接続フランジ23,23から離れ、接続フランジ23,23の挟持を停止するように構成されている。
そして、クランプ部材31が接続フランジ23,23の挟持を停止すると、一対のカップラー2,2の連結が解除される。
連結部材は、複数のクランプ部材31の接続フランジ23,23の挟持および接続フランジ23,23からの離間を連動させている。
なお、連結部3は、連結部材を備えずに、複数のクランプ部材31が個別に作動するように構成されていてもよい。
そして開閉弁4,4は、導管切り離し機構5と接続されていて、導管切り離し機構5の作動によって、緊急時に閉弁状態となるように構成されている。
なお、本実施形態では、一対の開閉弁4,4は、連動して回転するように構成されている。
そして、図4に示すように、導管切り離し機構5は、開閉弁用油圧シリンダ51および連結部用シリンダ57に圧油を供給する油圧ポンプ52と、開閉弁用油圧シリンダ51および連結部用シリンダ57からの圧油を収容するタンク53と、開閉弁用油圧シリンダ51に流入する圧油の流れを切り替える開閉弁用電磁切換弁54と、連結部用油圧シリンダ57に流入する圧油の流れを切り替える連結部用電磁切換弁58と、油圧ポンプ52と開閉弁用油圧シリンダ51および連結部用シリンダ57との間に接続され開閉弁用油圧シリンダ51および連結部用シリンダ57を作動させるための油圧力を蓄圧するアキュムレータ55とをさらに備えている。
そして、この2つの配管56a,56bのうち、一方の配管56aが開閉弁用油圧シリンダ51のロッド側シリンダ室51aに接続され、他方の配管56bが開閉弁用油圧シリンダ51のヘッド側シリンダ室51bに接続されている。
このため、一方の配管56aからロッド側シリンダ室51aに圧油が流入し、ヘッド側シリンダ室51bから他方の配管56bに圧油が流出すると、開閉弁用油圧シリンダ51のピストンがヘッド側に移動するように構成されている。
そして、本実施形態では、開閉弁用油圧シリンダ51のピストンがヘッド側に移動すると、開弁状態の開閉弁4,4を閉弁させるように構成されている。
また、開閉弁用電磁切換弁54は、第1電磁弁54aが非励磁状態となり第2電磁弁54bが励磁状態となった場合に、他方の配管56bからヘッド側シリンダ室51bに圧油が流入し、ロッド側シリンダ室51aから一方の配管56aに圧油が流出する用に構成されている。
なお、第1電磁弁54aおよび第2電磁弁54bがともに励磁状態、または非励磁状態の場合は、圧油の流通が停止されるように構成されている。
そして、この2つの配管59a,59bのうち、一方の配管59aが連結部用油圧シリンダ57のロッド側シリンダ室57aに接続され、他方の配管59bが連結部用油圧シリンダ57のヘッド側シリンダ室57bに接続されている。
このため、一方の配管59aからロッド側シリンダ室57aに圧油が流入し、ヘッド側シリンダ室57bから他方の配管59bに圧油が流出すると、連結部用油圧シリンダ57のピストンがヘッド側に移動するように構成されている。
そして、本実施形態では、連結部用油圧シリンダ57のピストンがヘッド側に移動すると、カップラー2,2の接続フランジ23,23を連結するクランプ部材31を接続フランジ23,23から外すように構成されている。
また、連結部用電磁切換弁58は、第1電磁弁58aが非励磁状態となり第2電磁弁58bが励磁状態となった場合に、他方の配管59bからヘッド側シリンダ室57bに圧油が流入し、ロッド側シリンダ室57aから一方の配管59aに圧油が流出する用に構成されている。
なお、連結部用電磁切換弁58においても第1電磁弁58aおよび第2電磁弁58bがともに励磁状態、または非励磁状態の場合は、圧油の流通が停止されるように構成されている。
3つの加速度変換器本体61x,61y,61zは、それぞれ異なる方向の加速度を測定するように設定されている。
なお、加速度変換器6は、第1導管10Aに取り付けられてもよい。また、加速度変換器6は、3つの加速度変換器本体61x,61y,61zを備えずに、1つの加速度変換器本体でx方向、y方向、z方向の加速度をそれぞれ検出可能に構成されていてもよい。
この一対のベローズ81,81は、第1導管10Aおよび第2導管10Bと同じ延在方向となるようにそれぞれ設けられているとともに、それぞれ延在方向に縮小する方向に付勢力が働いている。
このため、一対のベローズ81,81は、一対のカップラー2,2を互いに離間する方向に付勢している。
まず、導管用緊急離脱装置1Aの電源をオンとし、加速度変換器6を駆動させる(S1)。
ここで、導管用緊急離脱装置1Aの電源をオンとしたときに、アキュムレータ55の油圧力が所定値以下の場合は、アキュムレータ55の油圧力が所定値以上となるように油圧ポンプ52が作動する。
続いて、制御部7において、導管10のxyz方向の加速度の絶対値の平均値(以下、加速度平均値と示す)を算出し(S5)、この加速度平均値が所定値を超えているかを判断する(S6)。
そして、加速度平均値が所定値を超えている場合(yes)は、加速度平均値が所定値を継続して超える継続時間tを測定し(S7)する。また、加速度平均値が所定値を超えていない場合(no)は、再度加速度を測定する(S2〜S4)。
そして、継続時間tが所定時間t1を超えた場合(yes)は、制御部7が緊急時と判断し、導管切り離し機構5を作動させる(S9)。また、継続時間tが所定時間t1を超えない場合(no)は、再度加速度を測定する(S2〜S4)。
そして、開閉弁4が閉弁状態となった後に、カップラー2,2の接続フランジ23,23を連結するクランプ部材31が接続フランジ23,23から外れ、連結部3によるカップラー2,2どうしの連結が解除される(S11)。
そして、導管離間機構8のベローズ81,81が収縮し、その付勢力によってカップラー2,2どうしが離間し(S12)、第1導管10Aおよび第2導管10Bが切り離される(S13)。
本実施形態による導管用緊急離脱装置1Aによれば、地震などによって導管10が振動し、加速度平均値が所定値以上となる継続時間tが所定時間t1以上となると、導管切り離し機構5が、一対のカップラー2,2の開閉弁4,4をそれぞれ閉弁させて、連結部3によるカップラー2,2どうしの連結を解除するため、第1導管10Aと第2導管10Bを、それぞれ内部の流体をほとんど流出させずに安全に切り離すことができる。
また、導管10のxyz方向の加速度をそれぞれ検出する加速度変換器6を備えていることにより導管10の振動を精度よく検知することができる。
図6に示すように、第2実施形態による導管用緊急離脱装置1Bは、図2に示す第1実施形態の導管離間機構8に代わって、延在方向に付勢力を備えておらず外力により伸縮自在に構成されたベローズ87,87と、このベローズ87,87をそれぞれ延在方向に伸縮させるベローズ用油圧シリンダ88,88を備える導管離間機構86が設けられている。
そして、ベローズ用油圧シリンダ88,88がベローズ87,87を縮小させると一対のカップラー2,2が離間し、第1導管10Aと第2導管10Bとが離間するように構成されている。
そして、第2実施形態による導管用緊急離脱装置1Bでは、通常時に、導管10が導管離間機構86から付勢されることがないため、第1実施形態よりも導管10やカップラー2,2、また連結部3の強度を小さくすることができ、導管用緊急離脱装置1Bのコンパクト化やコストダウンを図ることができる。
図8に示すように、第3実施形態による導管用緊急離脱装置1Cは、第1実施形態および第2実施形態のように導管離間機構8,86を備えず、一対のカップラー2,2間に管体91が介装されて、管体91とカップラー2,2とが連結部材92で連結されている。
そして、図9に示すように、第3実施形態による導管用緊急離脱装置1Cでは、導管切り離し機構(不図示)は、緊急時に開閉弁4を閉弁させ、連結部材92(図8参照)による管体91とカップラー2,2との連結を解除する。これにより、管体91がカップラー2,2間から脱落し、一対のカップラー2,2は、管体91の長さ分だけ離間した状態となる。
そして、緊急時に、カップラー2,2間から管体91が脱落することで、カップラー2,2どうしが離間した状態となるため、第1実施形態や第2実施形態のように、導管離間機構8,86を設置する必要がなく簡便な構成とすることができる。
例えば、上述した実施形態では、制御部7は、加速度変換器6から受信した第2導管10Bのxyz方向それぞれの加速度の絶対値の平均値を算出し、xyz方向それぞれの加速度の絶対値の平均値が予め設定された所定値を継続して超える継続時間tを測定して、この継続時間tが予め設定された所定時間t1を超えたとき(緊急時)に、導管切り離し機構5を作動させる制御を行っているが、この制御に代わって、加速度変換器6から受信した第2導管10Bのx方向、y方向の加速度による地震波形のいずれか1つ以上において、加速度の最大値および最小値がそれぞれ予め設定された所定値を超えたと判断したときに、導管切り離し機構5を作動させる制御を行ってもよい。
例えば、図10(a)、(b)に示すように、第2導管10Bのx方向、y方向の加速度による地震波形において、上述した所定値を±4m/Sec2 と設定し、x方向、y方向の加速度のいずれか1つ以上において加速度の最大値が4m/Sec2 を上回るとともに、加速度の最小値が−4m/Sec2 を下回る場合に、導管切り離し機構5を作動させる制御を行ってもよい。
なお、この場合は、加速度変換器6は、導管10のx方向およびy方向のみの加速度を検出可能に構成されていてもよい。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、導管離間機構8,86を備えていて、導管10が切り離されたときに互いに離間するように構成されているが、第1実施形態および第2実施形態において、一対のカップラー2,2間に第3実施形態による管体91を設置して、導管離間機構8,86および管体91がカップラー2,2間から脱落することによって導管10をより離間させる構成としてもよい。
2 カップラー
3 連結部
4 開閉弁
5 導管切り離し機構
6 加速度変換器
7 制御部
8,86 導管離間機構
91 管体
10 導管
10A 第1導管(導管)
10B 第2導管(導管)
Claims (3)
- それぞれ導管が接続されるとともに開閉弁が設けられた一対のカップラーと、
該一対のカップラーどうしを連結する連結部と、
前記開閉弁をそれぞれ閉弁させて前記連結部による前記カップラーどうしの連結を解除する導管切り離し機構と、
前記導管に取り付けられて該導管のxyz方向またはxy方向の加速度をそれぞれ検出する加速度変換器と、
該加速度変換器が検出した前記導管の加速度を基に前記導管切り離し機構を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記導管のxyz方向それぞれの加速度の絶対値の平均値が所定値以上となる時間が所定時間以上継続したと判断したとき、または、前記導管のx方向の加速度による地震波形およびy方向の加速度による地震波形のいずれか1つ以上において加速度の最大値および最小値がそれぞれ所定値を超えたと判断したときに、前記導管切り離し機構を作動させることを特徴とする導管用緊急離脱装置。 - 前記一対のカップラーにそれぞれ接続された前記導管を互いに離間させる方向に付勢可能な導管離間機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の導管用緊急離脱装置。
- 前記連結部は、前記一対のカップラー間に該一対のカップラーどうしを連通させる管体を介装した状態で前記一対のカップラーどうしを連結していて、
前記管体は、前記導管切り離し機構が作動して前記一対のカップラーどうしの連結が解除されたときに、前記一対のカップラーの間から脱落することを特徴とする請求項1又は2に記載の導管用緊急離脱装置。
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