JP5663233B2 - 壁面緑化構造 - Google Patents

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Description

本発明は、外装パネルの壁面緑化構造に関するものであり、より詳細には、セメントを主原料として成形された建築外装パネルの外側に緑化容器を配置し、該容器内の土壌に植栽された植物によって建築物の外壁面を緑化する壁面緑化構造に関するものである。
建築物等の壁面緑化及び屋上緑化が、ヒートアイランド現象緩和、美観向上、環境負荷軽減等の観点より、近年殊に、注目されている。壁面緑化方法として、付着根を有するつる植物を自立登攀させて壁面を覆う登攀式壁面緑化法、屋上、ベランダ等に設置したプランターから植物を垂らして壁面を緑化する垂下式壁面緑化法、ワイヤー等の補助材を用いてつる植物を登攀又は下垂させて壁面を緑化する補助材式壁面緑化法(特開2004-267084号公報)、つる植物を誘引・巻付け可能なユニットを用いたユニット式壁面緑化法(特開2004-254565号公報)、更には、壁面緑化専用の植栽済み緑化パネルを用いて壁面を早期に緑化する立体基盤式壁面緑化法(特開2003-155714号公報、特開2001-169658号公報)等が知られている。
他方、建築物の外壁として、セメントを主原料として成形されたALC(軽量気泡コンクリート)パネル、押し出し成形板等のセメント系外装パネルが知られている。この種のセメント系外装パネル(以下、「外装パネル」という。)は、建築物の鋼構造骨組を構成する鋼構造の柱、間柱、梁、胴縁等に係止又は係留される。一般に、建築物の鋼構造骨組は地震時の層間変位等によって挙動又は変位するので、ALCパネル等の外装パネルを柱、梁等に係止又は係留する係止・係留具又は係止・係留手段は、このような柱、梁等の挙動又は変位に対する外装パネルの追従性を確保し得る構造を有する。
このような外装パネルの外壁面を緑化する壁面緑化構造として、壁面と平行な緑化パネルをALCパネルの外側に全面的に取付ける壁面緑化構造が特開2006-112129号公報に記載されている。緑化パネルは、灌水等による壁面の湿潤状態や、壁面の汚れ等を回避すべく、間隔保持部材を介してALCパネルの外面に取付けられており、離間した緑化パネルとALCパネルとの間には、所定寸法の間隙が形成される。
また、土壌及び植物を収容可能な植栽用ポットを一体的に外側に突出せしめた構造の緑化パネルが、例えば、特開2008-29322号公報に記載されている。この緑化パネルも又、外壁の外側に全面的に取付けられるとともに、灌水等のために外壁面から間隔を隔てて配置されており、離間した緑化パネルと外壁面との間には、所定寸法の間隙が形成される。
特開2004-267084号公報 特開2004-254565号公報 特開2003-155714号公報 特開2001-169658号公報 特開2006-112129号公報 特開2008-29322号公報
しかしながら、外装パネルの外壁面を緑化する従来の緑化パネル(特許文献5、6)は、外壁面から間隔を隔てて配置されることから、外装パネルの表面処理(目地シーリング、塗装等)を行った後に外壁面に取付ける必要があり、従って、外装パネル工事とは別の工程及び職種によって緑化パネルを施工する必要が生じる。仮に同一職種の作業者が外装パネル及び緑化パネルを施工する場合であっても、作業者は、塗装や、目地シール等の外装パネル表面処理工程が完了するまでの期間、作業を中断しなければならない。
また、多くの外装パネルの幅寸法は、600mm程度であるため、地震時等の建築構造体の挙動又は変位に対する各外装パネルの追従性を確保するには、緑化パネルを600mm毎に分割しなければならない。
これに対し、プランタ又はポット等をALCアンカー等の係止具又は係留具によって各外装パネルに直に留付ける壁面緑化構造を想定し得るが、プランタ又はポット内の土壌及び水分の重量は、比較的大きな局所荷重として係止具又は係留具に作用する。このため、このような局所荷重によって外装パネルが破損し又は損傷することが懸念される。
また、比較的高剛性の鋼製ブラケットを建築物の鋼構造骨組に固定し、鋼製ブラケットを外装パネルの目地部分から外壁面の外側に突出させ、鋼製ブラケットによってプランタ又はポット等を外壁面に支持する壁面緑化構造をも想定し得る。しかし、このようなブラケットの施工は、極めて煩雑な作業を伴い、しかも、鋼製ブラケットの耐候性確保及び耐久性確保や、目地部分の防水処理等の課題が残される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外装パネルに対するプランタの直接的な固定や、プランタを支持する付加的な鋼製ブラケットの設置等を要することなく、プランタを外装パネルの外面に設置することができ、しかも、外装パネル及びプランタを同一工程において施工し、外装パネル及びプランタを同時に表面処理することができる壁面緑化構造を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、セメントを主原料として成形された建築外装パネルの外側に緑化容器を配置し、該容器内の土壌に植栽された植物によって建築物の外壁面を緑化する壁面緑化構造において、
前記容器は、セメントを主原料として成形され且つ前記外壁面と平行に延びる水平な頂部開口形容器からなり、該容器は、内側壁、外側壁及び底壁を有し、前記外装パネルの外壁面に面する前記内側壁の外面は、前記外壁面に面接触又は多点接触する平坦な垂直面であり、
前記内側壁は、両端部にボルト穴を有し、該ボルト穴は、前記外装パネルを建築物の鋼構造骨組に取付けるために該外装パネルに穿設されたボルト穴と整列し、
ボルトが、前記内側壁及び前記外装パネルのボルト穴に挿通され、該ボルトの締付け力によって前記内側壁及び前記外装パネルを前記鋼構造骨組に係止又は係留するとともに、前記内側壁を前記外壁面に押圧し、前記内側壁の外面を前記外壁面に密着せしめることを特徴とする壁面緑化構造を提供する。
本発明の上記構成によれば、外装パネル及び緑化容器は、整列したボルト孔を有し、同一のボルトによって建築物の鋼構造骨組に係止又は係留される。容器の内側壁は、ボルトの締付け力によって外装パネルの外壁面に押圧され、内側壁の外面(垂直面)は、ボルトの締付け力によって垂直な外壁面に密着する。容器は、外壁と一体化し、容器の表面は、外壁面の一部を構成する。このため、外壁面に対する容器の設置は、外装パネルの建込み工程において完了し、後続の外壁面塗装工程において外壁面及び容器表面を同時に表面処理することができる。しかも、このような壁面緑化構造によれば、外装パネルに対する直接的なプランタの固定又は留付けや、プランタを支持する付加的な鋼製ブラケットの設置等を要しない。
本発明の壁面緑化構造によれば、外装パネルに対するプランタの直接的な固定や、プランタを支持する付加的な鋼製ブラケットの設置等を要することなく、プランタを外装パネルの外面に設置することができ、しかも、外装パネル及びプランタを同一工程において施工し、外装パネル及びプランタを同時に表面処理することができる。
図1は、本発明の壁面緑化構造を示す縦断面図である。 図2は、図1に示す壁面緑化構造の横断面図である。 図3は、図1及び図2に示す壁面緑化構造の正面図である。 図4は、一次プランタの構造を示す分解斜視図である。 図5は、一次プランタの取付方法を示す斜視図であり、ALCパネルの建込み工程が示されている。 図6は、一次プランタの取付方法を示す斜視図であり、ALCパネルのシーリング処理工程が示されている。 図7は、一次プランタの取付方法を示す斜視図であり、ALCパネルの塗装工程が示されている。 図8は、二次プランタの設置工程を示す斜視図である。 図9は、壁面緑化後の壁面を示す斜視図である。 図10は、壁面緑化構造の変形例を示す斜視図である。 図11は、壁面緑化構造の更なる変形例を示す斜視図である。
本発明の好適な実施形態によれば、上記緑化容器内には、土壌を収容し且つ植物を植栽した植栽容器が収容され、緑化容器の底壁には、隆起部分が設けられる。隆起部分には、緑化容器の底壁上に滞留した水又は液のオーバーフロー手段を構成する垂直貫通孔が形成される。
本発明の或る実施形態において、上記植栽容器は、植物の蔦又はつるが登攀し又は垂下するための線材を張設した垂直登攀パネルを有する。
本発明の他の実施形態において、植物の蔦又はつるが登攀し又は垂下するための線材及び/又はネットが上下の緑化容器の間に張設される。
好ましくは、緑化容器は、U字形の本体部分と、本体部分の両端面を閉塞する端壁とから構成され、各端壁は、本体部分を軸方向に貫通する補強鋼材によって本体部分の端面に固定される。補強鋼材には、本体部分に予圧縮力を与えるための初期張力が加えられる。補強鋼材は、初期的な軸方向圧縮力を緑化容器の本体部分に導入するプレストレス導入手段を構成する。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1、図2及び図3は、本発明の壁面緑化構造を示す縦断面図、横断面図及び正面図である。
図1〜図3に示す外壁Wは、ALCパネル1を横壁ボルト止め構法により横張りに施工した構造を有する。ALCパネル1は、セメント、石灰質原料及びけい酸質原料を主原料とし、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートの成形形品であり、所定鉄筋量の補強筋(図示せず)が埋め込まれている。建築物の鋼構造骨組を構成する鋼製柱Cには、ピースアングルP及び定規アングルQを介して胴縁3及び支持金具4が一体的に支持されている。ALCパネル1の自重は、胴縁3によって支持され、風圧等の外力は、支持金具4を介して柱Cに伝達する。支持金具4は、各ALCパネル1の高さ方向中心部に配置される。例えば、リブ付きイナズマプレートが支持金具4として使用される。支持金具4のボルト穴5と整列する水平貫通穴6が、ALCパネル1の高さ方向中心位置に穿設される。
水平貫通穴6と整列する水平貫通穴16を穿設した一次プランタ10がALCパネル1の外壁面に配置される。一次プランタ10は、ALCパネル1の概ね全長に亘って水平に延びる頂部開口形容器からなり、建築物の外壁面を緑化するための緑化容器を構成する。一次プランタ10は、ALCパネル1と同じく、セメント、石灰質原料及びけい酸質原料を主原料とし、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートの成形形品であり、内側壁11、外側壁12及び底壁13を有する。なお、ALCパネル1と同じく、所定鉄筋量の補強筋(図示せず)が一次プランタ10内に埋め込まれている。
土壌Sを収容した二次プランタ20が、一次プランタ10内に配置される。土壌Sには、植物(図示せず)が予め植栽されている。二次プランタ20は、樹脂製、GRC製等の植栽容器からなり、脚部(図示せず)によって一次プランタ10の底壁13から間隔を隔てて一次プランタ10内に収容される。
一次プランタ10の底壁13には、長手方向に延びる隆起部15が形成される。隆起部15の両側には、二次プランタ20の水抜き穴21から落下した灌水又は液肥が滞留する液溜Lが形成される。液溜Lに滞留した灌水又は液肥のオーバーフロー手段を構成する水抜き穴14が、所定間隔を隔てて隆起部15に配置される。水抜き穴14は、隆起部15を垂直に貫通する。
連結ボルト30の軸部が、水平貫通穴6、16及びボルト穴5を貫通し、ナット31が、連結ボルト30の先端部に螺着する。ALCパネル1及び一次プランタ10は、連結ボルト30及びナット31の締付けにより、支持金具4に対して固定される。内側壁11の外面11aは、連結ボルト30及びナット31の締付け力によってALCパネル1の外壁面1aに押圧され、外壁面1aに密着する。軽量気泡コンクリートの表面は微細な凹凸又は不陸を多数有するので、ALCパネル1及び内側壁11の接触は、厳密には多点接触であるが、実質的には面接触である。
シーリング材SがALCパネル1の縦目地及び横目地に充填されるとともに、シーリング材40が一次プランタ10の外周部に塗着又は充填される。シーリング材40は、一次プランタ10とALCパネル1との接触面に雨水等が進入するのを防止する。ALCパネル1及び一次プランタ10の露出面には、塗装が施され、ALCパネル1及び一次プランタ10の露出面全域に塗膜41が形成される。塗装は、合成樹脂塗料の吹付け仕上げ、ローラー仕上げ等によって一般に行われる。ALCパネル1と同質素材からなり且つALCパネル1と一体化した一次プランタ10は、外壁面1aの一部又は突出部として同時且つ連続的に塗装することができる。
最上段の一次プランタ10には、灌水ホースHが設けられる。灌水ホースHは、二次プランタ20の植物及び土壌Sの上方に配置され、灌水ホースHが供給した水又は液肥は、二次プランタ20の植物及び土壌Sに供給されるとともに、二次プランタ20の水抜き穴21から液溜Lに落下する。液溜Lに溜まった水又は液肥の余剰分は、水抜き穴14から液滴Dとして落下し、下方の二次プランタ20の植物及び土壌Sに供給される。このため、灌水ホースHを最上段の一次プランタ10に対して配設することにより、下方の二次プランタ20の植物及び土壌Sに対して水又は液肥を供給することができる。
一次プランタ10、二次プランタ20及び土壌Sの重量(総重量)は100kg程度に達するので、一次プランタ10の曲げモーメント及び剪断力に起因する比較的大きな圧縮力及び剪断力が、一次プランタ10の支受面又は支受部、即ち、ALCパネル1及び連結ボルト30に働く。圧縮力は、ALCパネル1の外壁面1aに面圧として作用し、ALCパネル1によって支持され、剪断力は、連結ボルト30に作用し、連結ボルト30によって支持される。好ましくは、連結ボルト30は、少なくとも10mmの直径を有する。
ALCパネル1を支持する連結ボルト30は、建築物の柱Cの位置に配置されており、従って、ALCパネル1は、その両端部が連結ボルト30によって支持されるにすぎない。このため、連結ボルト30を使用して外壁面に取付けられる一次プランタ10も又、柱Cの間隔に相当する支持間隔で支持され、従って、一次プランタ10の両端部が柱Cによって支持されるにすぎない。即ち、一次プランタ10の支持間隔は、柱Cの柱間隔(柱のスパン)に相応し、柱間隔が約3mに設定された建築物においては、一次プランタ10の支持間隔は約3mである。
図4は、一次プランタ10の構造を示す分解斜視図である。
一次プランタ10は、U字形断面の本体部分10aと、本体部分10aの両端部を閉鎖する端壁17とから構成される。本体部分10aは、上下左右の四隅に穿設された水平貫通孔(図示せず)を有し、水平貫通孔は、一次プランタ10の軸方向に延びる。各水平貫通孔には、補強鋼材18が挿通される。各補強鋼材18は、プレストレスを導入可能な棒鋼からなる。各補強鋼材18の端部が本体部分10aの端面から外方に突出する。各補強鋼材18の端部には、ナット19が螺着可能な外螺子が形成されている。端壁17、補強鋼材18及びナット19は、一次プランタ10の曲げ変形に抗する初期的な軸方向圧縮力、即ち、予圧縮力を本体部分10aに導入するプレストレス導入手段を構成する。
端壁17は、本体部分10aの端面10bと同一の外形輪郭を有する板体であり、補強鋼材18の端部が貫通可能な貫通孔17aが、上下左右の四隅に穿設されている。端壁17は、本体部分10aの端面10bに装着され、端面10bに面接触する。ナット19が補強鋼材18の端部に螺着され、補強鋼材18の外螺子に対して締付けられ、この結果、端壁17は、本体部分10aと一体化する。所望により、ナット19を全体的又は部分的に収容可能な凹所(図示せず)が、端壁17の外側面に形成される。
ナット19の初期締付け力(初期締付けトルク)は、一次プランタ10の曲げ変形に抗する予圧縮力(プレストレス)として本体部分10aに作用する。本体部分10aには、その自重及び積載荷重に起因する曲げ応力が作用するが、本体部分10aの予圧縮力は、曲げ応力(引張応力)を打ち消すように作用する。従って、一次プランタ10の支持間隔を拡大し、或いは、一次プランタ10の自重及び積載荷重を増大することが可能となる。
図5〜図9は、一次プランタ10の取付方法を示す斜視図である。
図5に示すように、一対の定規アングルQは、ピースアングルPを介して建築物の柱Cに固定され、各支持金具4は、定規アングルQに固定される。ALCパネル1及び一次プランタ10は、定規アングルQ及び支持金具4に対して位置決めされ、連結ボルト30は、水平貫通穴6、16及びボルト穴5に挿通される。ALCパネル1及び一次プランタ10は、連結ボルト30及びナット31を締付けることにより、支持金具4に固定される。
図6には、ALCパネル1及び一次プランタ10を柱Cに取付けた状態が示されている。前述の如く、シーリング材SがALCパネル1の縦目地及び横目地に充填されるとともに、シーリング材40が一次プランタ10の外周部に施工される。
図7に斜線で示すように、ALCパネル1及び一次プランタ10の露出面全体に塗装仕上げが施され、塗膜41が、一次プランタ10の表面を含む壁面全域に形成される。前述の如く、ALCパネル1と同質素材からなり且つALCパネル1と一体化した一次プランタ10は、外壁面の一部又は突出部分として同時且つ連続的に塗装することができる。塗装工程の完了により、一次プランタ10を一体化したALCパネル1の外壁Wが完成する。
壁面緑化用の植物は、農場等において二次プランタ20に植栽され、緑化目的の建築物に輸送される。図8に示す如く、土壌Sを収容し且つ予め植物を植栽した二次プランタ20が、一次プランタ10内に配置される。即ち、二次プランタ20は、植物を栽培するための栽培用容器として農場等で使用されるとともに、植物を輸送するための輸送容器として使用される。プランタ10、20の各部寸法は、所定数(本例では3体)の二次プランタ20を一次プランタ10内に適切に収納可能な寸法に設定される。例えば、一次プランタ10の全長が約3000mmであるとき、約800mmの全長を有する3体の二次プランタ20が一次プランタ10内に収納される。
二次プランタ20を一次プランタ10内に配置することにより、ALCパネル1の外壁面全体を緑化してなる緑化壁面が、図9に示す如く完成する。
かくして、上記構成の壁面緑化構造によれば、ALCパネル1の建込み工程において一次プランタ10をALCパネル1の外壁面1aに一体的に取付け、塗装工程においてALCパネル1及び一次プランタ10を同時且つ連続的に塗装することにより、一次プランタ10を備えた外壁Wが完成する。従って、塗装工程後にプランタ又は緑化基盤等の取付け工程を要する従来の施工に比べ、工程を簡素化し且つ工期を短縮するとともに、作業の効率化を図ることができる。
また、上記構成の壁面緑化構造によれば、外壁面の再塗装や、補修等の際、二次プランタ20の撤去により、ALCパネル1及び一次プランタ10を同時に再塗装し、或いは、補修することができ、しかも、撤去した二次プランタ20を一次プランタ10内に再配置することにより、緑化壁面を容易に復旧することができる。
更に、上記構成の壁面緑化構造によれば、壁面の植物を交換する場合、新たな植物を植栽した二次プランタ20を交換すれば良く、従って、壁面の植物を常に良好な状態に維持する上でも有利である。
図10は、本発明に係る壁面緑化構造の変形例を示す斜視図である。
上記実施例は、各々のALCパネル1に対して一次プランタ10を取付け、上下の一次プランタ10の間隔を約600mmに設定した構成のものであるが、任意のALCパネル1に対して一次プランタ10を取付けても良い。
図10には、一次プランタ10を一段置きにALCパネル1に取付けた構成が示されている。上下の一次プランタ10の間隔は約1200mmである。一次プランタ10の設置及び塗装は、前述の実施例と実質的に同じ工程により実施される。
図10に示す二次プランタ20は、垂直登攀パネル50を備える。垂直登攀パネル50は、方形の金属枠内に線材を縦横に張設した構造を有する。各線材は、所定直径(例えば、直径約4〜5mm)の円形断面を有する金属線材からなる。二次プランタ20は、農場等において予め植物を植栽され、緑化目的の建築物等に輸送される。二次プランタ20は、植物を栽培するための栽培用容器として農場等で使用されるとともに、植物を輸送するための輸送容器として使用される。二次プランタ20は、好ましくは、植物の蔦又はつるが垂直登攀パネル50の正面を登攀した状態まで植物を農場等で生育させた後に緑化目的の建築物に移送される。
垂直登攀パネル50は、一次プランタ10を二次プランタ20内に配置したときに、一次プランタ10の外側壁12の外側に位置するように構成される。所望により、垂直登攀パネル50を上方の一次プランタ10に固定し又は係留する連結手段(図示せず)が垂直登攀パネル50及び/又は一次プランタ10に設けられる。連結手段は、例えば、一次プランタ10に埋め込まれたナットと、垂直登攀パネル50に設けられたボルトとから構成される。二次プランタ20内の土壌Sに植栽された植物は、蔦又はつるを垂直登攀パネル50に伸ばし、垂直登攀パネル50の正面を登攀し又は垂下するので、外壁面全域を蔦植物又はつる植物によって緑化することができる。
図11は、本発明に係る壁面緑化構造の更なる変形例を示す斜視図である。
図11には、一次プランタ10を三段置き又は四段置きにALCパネル1に取付けた構成が示されている。上下の一次プランタ10の間隔は約1800〜2400mmである。一次プランタ10の設置及び塗装は、前述の実施例と実質的に同じ工程に従って実施される。
上下の一次プランタ10の間には、垂直登攀ネット60が張設される。垂直登攀ネット60は、上下の外側壁12の間に張設された金属ワイヤ及び樹脂ネットから構成され、外側壁12の外側に配置される。二次プランタ20内の土壌Sに植栽された植物は、蔦又はつるを垂直登攀ネット60に伸ばし、垂直登攀ネット60の正面を登攀し又は垂下するので、外壁面全域を蔦植物又はつる植物によって緑化することができる。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施例は、ALCパネルを横張り形態に施工した外壁に一次プランタを取付けた構成のものであるが、ALCパネルを縦張り形態に施工した縦壁ロッキング工法又は縦壁スライド工法等の外壁に一次プランタを取付けても良い。
また、上記実施例は、ALCパネルの外壁に本発明の構成を適用した構成のものであるが、押し出し成形板の外壁に対して本発明の構成を適用しても良い。
更には、上記実施例では、土壌を収容した二次プランタを一次プランタ内に収容しているが、土壌を一次プランタ内に直に収容することも可能である。
本発明は、建築物のセメント系外装パネルの外側に緑化容器を配置し、緑化容器内の土壌に植栽された植物によって建築物の外壁面を緑化する壁面緑化構造に適用される。本発明の壁面緑化構造は、ALCパネル又は押し出し成形板の外壁に緑化容器を設置する上で殊に有利である。本発明の壁面緑化構造によれば、外装パネルに対するプランタの直接的な固定や、プランタを支持する付加的な鋼製ブラケットの設置等を要することなく、プランタを外装パネルの外面に設置することができ、しかも、外壁面に対する緑化容器の設置を外装パネルの取付け工程において完了し、後続の外壁面塗装工程において外壁面及び容器表面を同時且つ連続的に表面処理することができる。また、本発明の壁面緑化構造は、外装パネル工事の職人又は技能者によるプランタの外壁面設置を可能にする。従って、本発明によれば、工程の簡素化、工期の短縮、作業の効率化等を図ることができるので、実用的に極めて有利である。
1 パネル
1a 外壁面
3 胴縁
4 支持金具
5 ボルト穴
6 水平貫通穴
10 一次プランタ
10a 端面
11 内側壁
11a 外面
12 外側壁
13 底壁
14 水抜き穴
15 隆起部
16 水平貫通穴
17 端壁
18 補強鋼材
19 ナット
20 二次プランタ
21 水抜き穴
30 連結ボルト
31 ナット
40 シーリング材
41 塗膜
50 垂直登攀パネル
60 垂直登攀ネット
C 柱
H 灌水ホース
L 液溜
P ピースアングル
Q 定規アングル
S 土壌
W 外壁

Claims (7)

  1. セメントを主原料として成形された建築外装パネルの外側に緑化容器を配置し、該容器内の土壌に植栽された植物によって建築物の外壁面を緑化する壁面緑化構造において、
    前記容器は、セメントを主原料として成形され且つ前記外壁面と平行に延びる水平な頂部開口形容器からなり、該容器は、内側壁、外側壁及び底壁を有し、前記外装パネルの外壁面に面する前記内側壁の外面は、前記外壁面に面接触又は多点接触する平坦な垂直面であり、
    前記内側壁は、両端部にボルト穴を有し、該ボルト穴は、前記外装パネルを建築物の鋼構造骨組に取付けるために該外装パネルに穿設されたボルト穴と整列し、
    ボルトが、前記内側壁及び前記外装パネルのボルト穴に挿通され、該ボルトの締付け力によって前記内側壁及び前記外装パネルを前記鋼構造骨組に係止又は係留するとともに、前記内側壁を前記外壁面に押圧し、前記内側壁の外面を前記外壁面に密着せしめることを特徴とする壁面緑化構造。
  2. 前記緑化容器内には、前記土壌を収容し且つ前記植物を植栽した植栽容器が収容され、前記緑化容器の底壁には、隆起部分が設けられ、該隆起部分には、前記底壁上に滞留した水又は液のオーバーフロー手段を構成する垂直貫通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の壁面緑化構造。
  3. 前記緑化容器内には、前記土壌を収容し且つ前記植物を予め植栽した植栽容器が収容され、該植栽容器は、植物の蔦又はつるが登攀し又は垂下するための線材を張設した垂直登攀パネルを有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の壁面緑化構造。
  4. 植物の蔦又はつるが登攀し又は垂下するための線材及び/又はネットを上下の前記緑化容器の間に張設したことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の壁面緑化構造。
  5. 前記緑化容器は、U字形の本体部分と、該本体部分の両端面を閉塞する端壁とから構成され、各端壁は、前記本体部分を軸方向に貫通する補強鋼材によって該本体部分の端面に固定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の壁面緑化構造。
  6. 前記本体部分に予圧縮力を与える初期張力が前記補強鋼材に加えられることを特徴とする請求項5に記載の壁面緑化構造。
  7. 前記緑化容器の曲げ変形に抗する初期的な軸方向圧縮力を前記緑化容器に導入するプレストレス導入手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の壁面緑化構造。
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