JP5661626B2 - アニオン性ポリマー、該アニオン性ポリマーを用いたポリイオンコンプレックスおよび三元系ポリマー複合体、ならびに薬学組成物 - Google Patents
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Description
interference)を担う主要分子である(非特許文献1)。2001年にTuschlらによって哺乳類細胞におけるRNAiが報告されて以来(非特許文献2)、あらゆる疾病治療への適用を目指した研究開発が活発に行われている。但し、先行する開発は目や呼吸器など患部への到達が容易な部位に対するものであり、適用範囲が限定的である。そもそも、siRNAは生理的環境にて易分解性の不安定な化学種であり、マウスに単独で静脈投与した場合には速やかに(t1/2=数分)腎排泄されることが知られている。したがって、siRNAの体内動態を改善するドラッグデリバリーシステム(DDS)は、siRNA実用化の鍵を握るものとして切望されている。
Biotherapeuticsの両社によるSNALP(Stable Nucleic Acid Lipid Particles)の系であっても、肝臓への受動的な取り込みのため肝臓以外の組織への適用は困難である(非特許文献3)。一方、血流中への長期滞留という点のみについては、協和発酵社によるWrapped
liposomeの系が、一本鎖DNAを対象としながらも飛躍的な滞留性向上に成功したため(非特許文献4)、今後のsiRNAへの展開が大いに期待されているが、リポソームの場合、安定すぎて内部の薬剤を放出するのが困難な場合が多い。
−A−B−X
ここで、Aは、1つ以上のアミノエチル結合を有する残基であり、Bは、生体内で開裂し得る結合であり、Xは低分子RNAである。
好ましい実施形態においては、上記主鎖は、カルボキシル基を有するポリアミノ酸、カルボキシル基を有するポリビニル、カルボキシル基を有するポリエステル、カルボキシル基を有する多糖類、カルボキシル基を有するデンドリマー(カスケードポリマー)およびその組み合わせで構成される。
好ましい実施形態においては、上記生体内で開裂し得る結合は、ジスルフィド結合、アセタール結合およびヒドラゾン結合から選択される結合である。
好ましい実施形態においては、上記アニオン性ポリマーは、下記一般式(I)で表される:
好ましい実施形態においては、上記一般式(I)におけるAは−NH−(CH2)2−であり、Qは−OHである。
好ましい実施形態においては、上記一般式(I)におけるlは2以上の整数である。
本発明の別の局面によれば、ポリイオンコンプレックスが提供される。このポリイオンコンプレックスは、上記のアニオン性ポリマーと、ポリエチレンイミン、ポリアルギニン、ポリリジン、ポリ−(2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕−エチル−アスパルタミド(pAsp(DET))、ポリエチレングリコールとポリアルギニンとのブロック共重合体、ポリエチレングリコールとポリリジンとのブロック共重合体、および、ポリエチレングリコールとポリ−(2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕−エチル−アスパルタミドとのブロック共重合体(PEG−pAsp(DET))からなる群から選択されるカチオン性ポリマーと、を含む。
本発明のさらに別の局面によれば、三元系ポリマー複合体が提供される。この三元系ポリマー複合体は、上記のポリイオンコンプレックスと、下記一般式(II)で表される電荷変換型ポリマーと、を含む:
m1は10〜500の整数であり、m2は1〜5の整数である。
好ましい実施形態においては、上記第1級アミンを有するアミン化合物由来の残基は、下記式(11)または(12)で表される:
−NH−(CH2)r−NH2 (11)
式(11)において、rは0〜5の整数であり;
−〔NH−(CH2)s1〕t1−NH2 (12)
式(12)において、s1は、〔NH−(CH2)s1〕ユニット間でそれぞれ独立して1〜5の整数であり、t1は2〜5の整数である。
好ましい実施形態においては、上記第1級アミンを有するアミン化合物由来の残基は、−NH−(CH2)2−NH2−または−NH−(CH2)2−NH−(CH2)2−NH2である。
好ましい実施形態においては、上記式(10)で表される化合物は、下記式(Ia)〜(Ig)で表される化合物から選択される少なくとも1つの化合物である:
本発明の別の薬学組成物は、上記の三元系ポリマー複合体と、薬学的に許容可能なキャリアとを含む。
本発明のアニオン性ポリマーは、カルボキシル基を有する繰り返し単位で構成される主鎖と、該主鎖のカルボキシル基の1部に結合した、下記式で表される側鎖と、を含む:
−A−B−X
ここで、Aは、1つ以上のアミノエチル結合を有する残基であり、Bは、生体内で開裂し得る結合であり、Xは低分子RNAである。
−NH−(CH2)2−〔NH−(CH2)p1−〕q1−、
−NH−(CH2)2−N{〔−(CH2)p2−NH2〕〔−(CH2)p3−NH−〕q2}、
−NH−(CH2)2−N{〔−(CH2)p4−NH−〕〔〔−(CH2)p5−NH−〕q3H〕}、
−NH−(CH2)2−〔NRcH−(CH2)p6−〕−C{〔−(CH2)p7−NH2〕〔−NH−〕}、
ここで、p1〜p7、およびq2〜q3は、それぞれ独立して、1〜5の整数であり、q1は0〜5の整数であり、Rcは、水素原子、シス−アコニチル基またはシス−シトラコニル基である。
本発明のポリイオンコンプレックス(PIC)は、上記A項に記載の本発明のアニオン性ポリマーと、カチオン性ポリマーと、を含む。カチオン性ポリマーとしては、本発明のアニオン性ポリマーとPICを形成し得るかぎり、任意の適切なポリマーが採用され得る。カチオン性ポリマーの具体例としては、ポリエチレンイミン、ポリアルギニン、ポリリジン、ポリ−(2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕−エチル−アスパルタミド(pAsp(DET))、ポリエチレングリコールとポリアルギニンとのブロック共重合体、ポリエチレングリコールとポリリジンとのブロック共重合体、および、ポリエチレングリコールとポリ−(2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕−エチル−アスパルタミドとのブロック共重合体(PEG−pAsp(DET))が挙げられる。
本発明の三元系ポリマー複合体は、上記B項に記載の本発明のポリイオンコンプレックス(PIC)と、電荷変換型ポリマーと、を含む。本発明に用いられる電荷変換型ポリマーは、中性条件下(細胞外)では負電荷を帯び、酸性条件下(細胞内後期エンドソーム内)では正電荷に変換される。したがって、本発明の三元系ポリマー複合体は、上記PICのカチオン性ポリマーと電荷変換型ポリマーとの静電相互作用により、PICから形成されたコア−シェル型ミセルの外表面が電荷変換型ポリマーで覆われた構造を有する。PICから形成されたミセルを電荷変換型ポリマーで覆うことにより、PIC単独の場合に比べて、より低毒性とより高いsiRNA送達率とを実現することができる。
−NH−(CH2)r−NH2 (11)
式(11)において、rは0〜5の整数であり;
−〔NH−(CH2)s1〕t1−NH2 (12)
式(12)において、s1は、〔NH−(CH2)s1〕ユニット間でそれぞれ独立して1〜5の整数であり、t1は2〜5の整数である。さらに好ましくは、上記第1級アミンを有するアミン化合物由来の残基は、−NH−(CH2)2−NH2−または−NH−(CH2)2−NH−(CH2)2−NH2である。
本発明の薬学組成物は、上記B項に記載の本発明のポリイオンコンプレックスと、薬学的に許容可能なキャリアとを含む。本発明の別の薬学組成物は、上記C項に記載の本発明の三元系ポリマー複合体と、薬学的に許容可能なキャリアとを含む。薬学的に許容されるキャリアとしては、目的とする投与形式に応じて任意の適切なキャリアが採用され得る。具体例としては、希釈剤、賦形剤、精製水、脱イオン水、等張剤、pH調整剤、緩衝液、単糖、オリゴ糖、糖アルコール、ポリエチレングリコールが挙げられる。
(1)siScramble(チオール変性):5´−(HSC6H12−)UUCUCCGAACGUGUCACGUdTdT−3´(センス鎖:配列番号1)、5´−ACGUGACACGUUCGGAGAAdTdT−3´(アンチセンス鎖:配列番号2);
(2)siLuc(チオール変性およびCy3標識化):5´−(HSC6H12−)CUUACGCUGAGUACUUCGAdTdT−3´(センス鎖:配列番号3)、5´−(Cy3−)UCGAAGUACUCAGCGUAAGdTdT−3´(アンチセンス鎖:配列番号4)。
ポリ(β−ベンジル−L−アスパラギン酸エステル)の合成
β−ベンジル−L−アスパラギン酸エステル(以下、BLAと称する)のN−カルボキシ酸無水物(以下、BLA−NCAと称する)を、Bae Y, Nishiyama N, Kataoka K. In vivo antitumor activity of the
folate- conjugated pH-sensitive polymeric micelle selectively releasing
adriamycin in the intracellular acidic compartments. Bioconj Chem
2007;18:1131-1139に記載の手順にしたがって合成した。n−ブチルアミンにより上記BLA−NCAを開環重合し、次いで、無水酢酸を用いて開環重合体のN末端をアセチル化することにより、ポリ(β−ベンジル−L−アスパラギン酸エステル)(以下の製造例においては、N末端を保護されたものも脱保護されたものも便宜的にPBLAと称する)を合成した。具体的には以下のとおりである:ジクロロメタン(DCM)(2.5mL)中のn−ブチルアミン(25.0μL、0.253mmol)を、ジメチルホルムアミド(DMF)(4.0mL)に溶解したBLA−NCA(6.9g、27.9mmol)に加え、アルゴン雰囲気下でDCM(36mL)により希釈し、次いで、35℃で48時間攪拌した。IRにおけるNCAのピークの消失によりモノマーが完全に消費されたのを確認した後、反応混合物に無水酢酸(100μL、1.06mmol)を加え、35℃で1時間攪拌し、PBLAのω−末端の1級アミノ基を保護した。この溶液を過剰量のジエチルエーテルに注ぎ、PBLAを沈殿させた。回収したPBLAをDCM(500mL)に溶解し、次いで、このPBLA溶液にベンゼン(400mL)を加えた。DCMを蒸発させて除去した後、試料を凍結乾燥し、PBLAを得た(4.35g、収率63%)。分子篩クロマトグラフィー(SEC)によれば、得られたPBLAの分子量分布(Mw/Mn)は1.1であった。さらに、1H NMRによれば、得られたPBLAの重合度は95であった。
ポリ〔N−{N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル}アスパラギン酸アミド〕塩酸塩の合成
ジエチレントリアミン(DET)を用いたPBLAのベンジル基へのアミノリシスにより、PBLAの側鎖にN−{N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル}を導入した。具体的には以下のとおりである:DCM(5mL)およびベンゼン(20mL)の混合物から凍結乾燥したPBLA(103mg、4.95μm)を、アルゴン雰囲気下でNMP(10mL)に溶解した。また、DET(2.4mL、23.5mmol、PBLAのベンジル基に対して50当量)をNMP(10mL)に溶解した。次いで、このDET溶液に上記PBLA溶液を加え、アルゴン雰囲気下、0℃で1時間攪拌した。反応した溶液を0℃の1M HCl水溶液(50mL)に滴下して中和し、次いで、分画分子量が6000〜8000Daの透析膜を用いて、0.01M HCl水溶液に対して24時間、さらに脱イオン水に対して24時間透析した。透析した溶液を凍結乾燥し、ポリ〔N−{N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル}アスパラギン酸アミド〕塩酸塩(以下、pAsp(DET)と称する)を得た(98.0mg、収率79%)。1H NMR(D2O)により、PBLAからpAsp(DET)への定量的な変換を確認した。
ポリ(アスパラギン酸)ナトリウム塩の合成
PBLA側鎖のベンジルエステル基を脱保護し、ポリ(アスパラギン酸)ナトリウム塩(以下、pAspと称する)を得た。具体的には以下のとおりである:凍結乾燥したPBLA(98.0mg、4.71μmol)を0.1M NaOH水溶液(5mL)に溶解し、次いで、空気雰囲気下、室温で1時間攪拌した。この溶液を、分画分子量が6000〜8000Daの透析膜を用いて、脱イオン水に対して48時間透析し、次いで、凍結乾燥してpAspを得た(52.3mg、収率85%)。1H NMR(D2O)により、脱保護が完了したことを確認した。
2−(2−ピリジルジチオ)エチルアミン塩酸塩の合成
2,2´−ジチオジピリジン(11g、50mmol)を、氷酢酸(8mL)を含むメタノール(75mL)に溶解した。この溶液に、2−アミノエタンチオール塩酸塩(1.14g、10mmol)のメタノール(20mL)溶液を、アルゴン雰囲気下で30分かけて滴下した。反応混合物を、アルゴン雰囲気下、室温でさらに24時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮して黄色の油状物(10〜15mL)を得た。この油状物を過剰量のジエチルエーテルに滴下して沈殿させ、次いで、メタノール(20mL)に再度溶解した。この沈殿サイクルを複数回繰り返して未反応の2,2´−ジチオジピリジンを除去し、無色の固体として2−(2−ピリジルジチオ)エチルアミン塩酸塩(以下、PDTAと称する)を得た。1H NMR(D2O)により、PDTAを同定した。
2−(2−ピリジルジチオ)エチルアミンで変性したポリ(アスパラギン酸)の合成
側鎖を2−(2−ピリジルジチオ)エチルアミンで変性したポリ(アスパラギン酸)(pAsp(−SS−Py))を、pAsp中のカルボキシル基とPDTA中の1級アミノ基との縮合反応により合成した。pAsp(20.0mg、Asp残基:0.146mmol)の水(3mL)溶液を、トリアジン系縮合剤DMT−MM(8.07mg、0.0292mmol)の水(1mL)溶液と混合した。このpAsp溶液を空気雰囲気下の室温で30分間置いた後、PDTA(7.81mg、0.0350mmol)の水(1mL)溶液を加え、空気雰囲気下の室温で3時間攪拌した。生成物を、脱イオン水に対する48時間の透析(4回)(分画分子量:3500Da)により精製し、凍結乾燥により回収した(21.8mg、収率95%)。1H NMR(D2O)によれば、pAspのカルボキシレート側鎖に対するピリジル基の導入率は15%であった。これは、pAsp鎖1本について約14のピリジルジスルフィド部分が導入されたことに相当する。
ジスルフィド結合によりsiRNAがグラフトされたポリ(アスパラギン酸)の合成
センス鎖RNA(ssRNA)を、ssRNA−SHの5´鎖末端のチオール基による置換反応によりpAsp(−SS−Py)に導入し、次いで、分子篩クロマトグラフィーで精製して、未反応の生成物および2−チオピリドンを除去した。センス鎖RNAがグラフトされたpAsp〔pAsp(−SS−ssRNA)〕を、アンチセンス鎖RNA(asRNA)またはCy3で標識されたasRNA(Cy3−asRNA)でアニールし、最終生成物であるジスルフィド結合によりsiRNAがグラフトされたポリ(アスパラギン酸)〔pAsp(−SS−siRNA)〕を得た。概略的なプロトコルは以下のとおりである:pAsp(−SS−Py)(0.302mg、0.0200mmol)とssRNA−SH(2.00mg、0.300mmol、ピリジル基に対して1当量)とを500mM NaClを含む10mM HEPES(pH7.3)5mLに溶解し、空気雰囲気下の暗所で24時間攪拌した。粗生成物を分子篩クロマトグラフィー(SEC)により精製した。SECのチャートから計算したところ、ピリジルジスルフィド基からジスルフィド結合を有するssRNAへの置換度は30%であった。これは、pAsp鎖1本について約4個のssRNA分子が導入されたことに相当する。次に、AmiconUltra15(Millipore社製、分画分子量:3000Da)を用いた遠心限外ろ過を繰り返して上記で得られたpAsp(−SS−ssRNA)を脱塩し、次いで、asRNAでアニールした。アニールは、pAsp(−SS−ssRNA)とasRNAとの混合物を暗所において95℃で10分間加熱し、次いで、暗所で室温まで徐冷することにより行った(1.24mg、収率83%)。
上記と同様にして、pAsp(−SS−ssRNA)をCy3−asRNAでアニールして、Cy3で標識されたpAsp(−SS−siRNA)〔pAsp(−SS−Cy3−siRNA)〕を得た。
ポリカチオン(pAsp(DET))とpAsp(−SS−siRNA)とからのポリイオンコンプレックスの調製
ポリカチオン(カチオン性ポリマー)としてpAsp(DET)を用い、pAsp(DET)とpAsp(−SS−siRNA)とからポリイオンコンプレックス(PIC)をN/P比=20で調製した。ここで、N/P比は、siRNAのリン酸基に対するpAsp(DET)の総アミノ基のモル比である。具体的には、10mM HEPES緩衝液(pH7.3)中のpAsp(−SS−siRNA)溶液(siRNA濃度=15μM)20μLを、同じ緩衝液中のpAsp(DET)溶液10μLと混合し、4℃で終夜インキュベートした(最終siRNA濃度=10μM)。
ポリカチオン(PEI)とpAsp(−SS−siRNA)とからのポリイオンコンプレックスの調製
ポリカチオンとして直鎖状ポリエチレンイミン(PEI)系の市販のトランスフェクション試薬であるExGen500を用いたこと以外は実施例2と同様にしてPICを調製した。
ポリカチオン(PEI)とpAsp(−SS−siRNA)とからのポリイオンコンプレックスの調製
ポリカチオンとしてPEI(Mw=22000)を用い、N/P比=6としたこと以外は実施例2と同様にしてPICを調製した。
ポリカチオン(PEG−pAsp(DET))とpAsp(−SS−siRNA)とからのポリイオンコンプレックスの調製
ポリカチオンとしてPEG−pAsp(DET)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてPICを調製した。ここで、PEG−pAsp(DET)は、ポリエチレングリコール(Mw=12000)とpAsp(DET)(Mw=20000)とのブロック共重合体である。
pAsp(−SS−siRNA)の代わりにモノマー性siRNAを用いたこと以外は実施例2と同様にして、PICを調製した。
pAsp(−SS−siRNA)の代わりにモノマー性siRNAを用いたこと以外は実施例3と同様にして、PICを調製した。
pAsp(−SS−siRNA)の代わりにモノマー性siRNAを用いたこと以外は実施例4と同様にして、PICを調製した。
pAsp(−SS−siRNA)の代わりにモノマー性siRNAを用いたこと以外は実施例5と同様にして、PICを調製した。
pAsp(−SS−siRNA)のポリアクリルアミドゲル電気泳動
実施例1で得られたpAsp(−SS−siRNA)を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に供した。その結果、モノマー性siRNAの位置にはバンドは観察されず、一方で、高分子側に複数のバンドが観察された(図1)。このことから、siRNAがpAspの側鎖に導入され、siRNAグラフト化ポリマーが形成されたことが示唆される。このpAsp(−SS−siRNA)溶液に還元剤ジチオトレイトール(DTT)を添加すると、高分子側のバンドが消失し、モノマー性siRNAのバンドが再度出現した。このことから、還元環境下におけるジスルフィド結合の開裂によりsiRNAが放出されたことがわかる。
PICの蛍光相関分光法測定
siRNAの代わりにCy3−siRNAを用いたこと以外は比較例1と同様にしてPICを調製した。得られたPICを、siRNA濃度が100nMとなるまでHEPES緩衝液、50mMのDTTを含むHEPES緩衝液、10%FBSを含むDMEM、または、10%FBSおよび50mMのDTTを含むDMEMでそれぞれ希釈し、試料を作成した。DTTを含む試料については、希釈後、4℃で終夜インキュベートした。また、pAsp(−SS−siRNA)の代わりにpAsp(−SS−Cy3−siRNA)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてPICを調製した。このPICについても上記と同様にして試料を作成した。以下、Cy3で標識されたPICについては、対応する実施例および比較例の番号に準じて、例えば「実施例2の標識化PIC」のように記載する。
上記で得られた試料について、Carl Zeiss社製LSM−510−METAを用いて蛍光相関分光法(FCS)測定を行った。測定は、室温、サンプリング時間20秒で10回繰り返した。それぞれの試料について、拡散係数Dを求めた。結果を表1に示す。
ポリアニオン交換反応に対するPICの安定性
0.1μgのモノマー性siRNAを含む比較例1のPIC溶液(2μL)を、ヘパリン溶液(HEPES緩衝液3μL中、0、0.5、1.0、1.5、2.0または2.5μg)と混合し、次いで、室温で30分間インキュベートした。各溶液のヘパリンの最終濃度は、それぞれ、0、0.1、0.2、0.3、0.4または0.5μg/μLであった。0.1μgのpAsp(−SS−siRNA)を含む実施例2のPICについても同様にして溶液を作成した。さらに、これらのそれぞれの溶液にDTTを加えた溶液も作成した。作成したそれぞれの溶液についてPICの安定性を、アガロースゲル電気泳動により分析した。結果を図2A〜図2Cに示す。実施例2のPICからsiRNAを完全に放出するには0.4μg/μLのヘパリンが必要であり(図2B)、これは、比較例1のPICからsiRNAを完全に放出するに必要なヘパリンの量(0.2μg/μL:図2A)の2倍であった。一方、DTTの存在下においては、実施例2のPICからsiRNAを完全に放出するには0.2μg/μLのヘパリンで十分であり(図2C)、これは、比較例1のPICからsiRNAを完全に放出するに必要なヘパリンの量と同等であった。これらの結果から、siRNAをpAsp骨格にグラフトすることにより、PICの安定性を高めることができることがわかる。その結果、酸化還元電位に応じて、本発明のPICからsiRNAをスムーズかつ選択的に放出することができる。
細胞によるsiRNAの取り込み
B16F10マウスメラノーマ細胞による実施例2のPICまたは比較例1のPICの取り込みをフローサイトメトリーにより調べた。具体的には以下のとおりである。ルシフェラーゼを発現するマウスメラノーマ細胞B16F10−Luc(Caliper LifeScience社)を12ウェル培養プレートに播種し(20000細胞/ウェル)、次いで、10%FBSを含むDMEM(1mL/ウェル)中で24時間インキュベートした。モノマー性Cy3−siRNA、PAsp(−SS−Cy3−siRNA)、またはそれらのPAsp(DET) PIC(すなわち、実施例2および比較例1の標識化PIC)を各ウェルに適用した(最終siRNA濃度=100nM)。12時間後、細胞をPBSで3回洗浄し、トリプシン処理により回収した。回収した細胞を100gで遠心分離し、PBS中に再懸濁した。BD Bioscience社製、BD LSR装置を用いて蛍光強度を調べた。実施例2の標識化PICでインキュベートした細胞は、比較例1の標識化PICでインキュベートした細胞の5倍の蛍光強度を示した(図3Aおよび図3B)。この結果から、siRNAをpAsp骨格にグラフトすることにより、細胞のsiRNAの取り込みが顕著に改善されることがわかる。これは、培地中であっても安定なPICが形成されることに起因すると推察される。
細胞内のsiRNAの分布
B16F10−Luc細胞をガラス皿に播種し(10%FBSを含むDMEM 0.2mL中に20000細胞)、24時間インキュベートした。次いで、比較例1のPICまたは実施例2のPICを各ウェルに適用し(最終siRNA濃度=100nM)、さらに12時間インキュベートした。酸性の後期エンドソームおよびリソソームをLysotracker Greenで、細胞核をHoechst 33342で染色した後、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)観察を行った。結果を図4Aおよび図4Bに示す。図示された顕微鏡画像は、赤色および黄色の画素を有する。これらは、それぞれ、細胞質領域およびLysotracker Greenで染色された後期エンドソーム/リソソームからのCy3信号に対応する。
実施例2のPICでインキュベートした細胞は、Cy3-siRNA由来の蛍光画素(赤色および黄色の画素として観察される)の数が、比較例1のPICでインキュベートした細胞よりも多かった(図4Aおよび図4B)。このことは、上記フローサイトメトリーの結果と合致している。さらに、実施例2のPICでインキュベートした細胞においては、黄色画素に比べて格段に多くの赤色画素が明確に観察される。このことから、Cy3−siRNAがエンドソームから細胞質へと効果的に移行していることが示唆される。次いで、CLSM画像における赤色画素および黄色画素の数を基にCy3-siRNAと後期エンドソーム/リソソームとの共存比を計算することにより、エンドソームから細胞質への移行効率を評価した(図4C)。共存比は、実施例2のPICで処理された細胞については約30%であり、一方、比較例1のPICで処理された細胞については約60%であった。このことから、比較例1のPICに比べて、実施例2のPICの方がより効率的にエンドソームから移行していることがわかる。実施例2のPICにおけるこのような優れたエンドソームからの移行は、効率的な細胞によるsiRNAの取り込み(上記評価4)と整合している。
PICの遺伝子抑制効果および細胞毒性
B16F10−Luc細胞を24ウェルプレートに播種し(10000細胞/ウェル)、10%FBSを含むDMEM(0.5mL/ウェル)中で24時間インキュベートした。次いで、モノマー性Cy3−siRNA、実施例1のアニオン性ポリマー、またはそれらのpAsp(DET) PIC(すなわち、実施例2および比較例1のPIC)を各ウェルに適用した(最終siRNA濃度=100nM)。48時間後、細胞を0.5mLのPBSで洗浄し、Promega社製の細胞培養溶解緩衝液0.2mLで溶解した。可溶化液のルシフェラーゼ活性を、Promega社製のLuciferase Assay SystemおよびBerthold Technologies社製のMithras LB 940を用いたフォトルミネセンス強度から決定した。siRNAを含まない対照ウェルに対するパーセントとして、得られたルミネセンス強度から相対発光強度単位(RLU)を計算した。図5Aは、ルシフェラーゼ(siLuc、標的配列)に対するsiRNAまたはネガティブコントロール(siScramble、非標的配列)に対するsiRNAを含むPICで48時間インキュベートした後の細胞からのRLUを示す。実施例2のPICの遺伝子抑制効率は約80%であり、比較例1のPICの遺伝子抑制効率(約30%)よりも格段に高かった。さらに、ポリカチオンがPEIである実施例3のPICおよび比較例2のPICについても同様の結果が得られた(図6)。このことから、本発明のアニオン性ポリマーを用いることによる効果は、ポリカチオンがpAsp(DET)であるPICに限定されないことがわかる。さらに、pAsp(−SS−siScramble)またはモノマー性siScramble由来のPICはルシフェラーゼ発現の減少を示さず、上記遺伝子抑制が標的に特異的であることが確認された。
IFN−α産生についての評価
上記評価6の遺伝子抑制試験と同様の条件において、モノマー性siRNAをB16F10−Luc、pAsp(−SS−siRNA)、poly(I):poly(c)またはそれらのpAsp(DET) PICで48時間インキュベートした(各ウェルへのpoly(I):poly(c)のトランスフェクション量=650ng(siRNA重量と同量)、poly(I):poly(c)/pAsp(DET) PICについてのN/P比=20)。次いで、各ウェルの培地100μLを回収し、酵素免疫測定法(ELISA)によりインターフェロン−α産生を評価した。poly(I):poly(c)およびそのpAsp(DET) PICはポジティブコントロールとして用いた。なお、poly(I):poly(c)は、シグマアルドリッチ社から購入した。ELISA試験には、マウスインターフェロンα ELISAキット(PBL InterferonSource社製)を製造者プロトコルにしたがって用いた。結果を図7に示す。INF−α産生に関して、非処理細胞と実施例2のPICで処理された細胞との間で違いは認められなかった。一方、poly(I):poly(c)、特にそのpAsp(DET) PICは、明らかにINF−α産生を刺激した。
遺伝子抑制効果の鎖長依存性
ExGen500をポリカチオンとして用い、当該ポリカチオンとモノマー性siRNA、pAsp100(−SS−siRNA)またはpAsp200(−SS−siRNA)とからPICを形成した。ここで、pAsp100(−SS−siRNA)は製造例6で得られたものであり、pAsp200(−SS−siRNA)は、製造例1に準じて得られた重合度195のPBLAを用い、製造例6と同様にして得られたものである。PICは、N/P比=6で、製造者プロトコルにしたがって形成した。pAsp100(−SS−siRNA)の1分子にはsiRNA分子が平均4個含まれており、pAsp200(−SS−siRNA)の1分子にはsiRNA分子が平均8個含まれている。
B16F10−Lucを発現するマウスメラノーマ細胞を24ウェルプレートに播種し(10000細胞/ウェル)、24時間インキュベートした。PICを図8に示すsiRNA濃度で各ウェルに適用し、さらに48時間インキュベートした。その後、ルシフェラーゼ活性を、評価6と同様にしてフォトルミネセンス強度から決定した。結果を図8に示す。この図から、より長いpAsp鎖を用いることにより、より効率的な遺伝子抑制効果が得られることが示唆される。
ノックダウンアッセイ(1)
ホタルルシフェラーゼを発現するプラスミドDNA(pGL3)およびウミシイタケルシフェラーゼを発現するプラスミドDNA(pRL)を、遺伝子導入用カチオン性脂質lipofectamin2000(インビトロジェン社製)を用い、製造者プロトコルにしたがって、培養されたヒト肝癌細胞(Huh−7)にトランスフェクトした。本評価におけるノックダウンの標的遺伝子はpGL3であり、コントロールはpRLである。プラスミドDNAのトランスフェクションから4時間後、培地を新しい培地に取り替え、次いで、実施例2のPICをトランスフェクトした(siRNA濃度=10〜50nM)。さらに44時間インキュベートした後、Dual−Luciferase Reporter Assay System(Promega社製)を用いて、ルシフェラーゼの量を定量化した(図9A)。さらに、比較例1のPICを用いたこと以外は上記と同様にしてルシフェラーゼの量を定量化した(図9B)。図9Aから明らかなように、実施例2のPICは、pRLの発現に影響を与えることなくpGL3の発現のみを抑制した。このことから、実施例2のPICは、細胞のホメオスタシスに悪影響を与えないことが示唆される。一方、図9Bから明らかなように、比較例1のPICは、pGL3の発現を有意に抑制しなかった。
実施例4および比較例3のPICを用いたこと以外は上記ノックダウンアッセイ(1)と同様にして試験を行った。実施例4に対応するPICについての結果を図11Aに、比較例3に対応するPICについての結果を図11Bに示す。図11Aから明らかなように、実施例4に対応するPICは、pRLに比べてGL3の発現をより効果的に抑制した。一方、図11Bから明らかなように、比較例3に対応するPICは、GL3の発現を特異的に抑制しなかった。
実施例5のPICを用いたこと以外は上記ノックダウンアッセイ(1)と同様にして試験を行った。結果を図12に示す。図12から明らかなように、pAsp(−SS−siGL3)からのPICは、N/P比が4以上で大きくなるにしたがって、GL3の発現を抑制した。一方、pAsp(−SS−siEGFP)からのPICは、GL3の発現に変化がなかった。これらの結果から、本発明の実施例のPICは、低い細胞毒性で、細胞特異的な遺伝子ノックダウン効果を有することがわかる。
配列番号2:ネガティブコントロールに対するアンチセンス鎖siRNA
配列番号3:ルシフェラーゼに対するセンス鎖siRNA
配列番号4:ルシフェラーゼに対するアンチセンス鎖siRNA
Claims (13)
- 下記一般式(i)で表される繰り返し単位および下記一般式(ii)で表される繰り返し単位で構成されるアニオン性ポリマー:
−R’は、繰り返し単位ごとにそれぞれ独立して、式−A−B−Xで表され、Qは、水酸基またはアミノエチル結合が水酸基により置換されているA由来の基である(ここで、Aは、1つ以上のアミノエチル結合を有する残基であり、Bは、生体内で開裂し得る結合であり、Xは低分子RNAである。)。 - カルボキシル基を有するポリアミノ酸、カルボキシル基を有するポリビニル、カルボキシル基を有するポリエステル、カルボキシル基を有する多糖類、カルボキシル基を有するデンドリマー(カスケードポリマー)およびその組み合わせに由来する構造を有する、請求項1に記載のアニオン性ポリマー。
- 前記生体内で開裂し得る結合が、ジスルフィド結合、アセタール結合およびヒドラゾン結合から選択される結合である、請求項1または2に記載のアニオン性ポリマー。
- 下記一般式(I)で表される、請求項1から3のいずれかに記載のアニオン性ポリマー:
- 前記一般式(I)におけるAが−NH−(CH2)2−であり、Qが−OHである、請求項4に記載のアニオン性ポリマー。
- 前記一般式(I)におけるlが2以上の整数である、請求項4または5に記載のアニオン性ポリマー。
- 請求項1から6のいずれかに記載のアニオン性ポリマーと、
ポリエチレンイミン、ポリアルギニン、ポリリジン、ポリ−(2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕−エチル−アスパルタミド(pAsp(DET))、ポリエチレングリコールとポリアルギニンとのブロック共重合体、ポリエチレングリコールとポリリジンとのブロック共重合体、および、ポリエチレングリコールとポリ−(2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕−エチル−アスパルタミドとのブロック共重合体(PEG−pAsp(DET))からなる群から選択されるカチオン性ポリマーと
を含む、ポリイオンコンプレックス。 - 請求項7に記載のポリイオンコンプレックスと、下記一般式(II)で表される電荷変換型ポリマーと、を含む、三元系ポリマー複合体:
m1は10〜500の整数であり、m2は1〜5の整数である。 - 前記第1級アミンを有するアミン化合物由来の残基が下記式(11)または(12)で表される、請求項8に記載の三元系ポリマー複合体:
−NH−(CH2)r−NH2 (11)
式(11)において、rは0〜5の整数であり;
−〔NH−(CH2)s1〕t1−NH2 (12)
式(12)において、s1は、〔NH−(CH2)s1〕ユニット間でそれぞれ独立して1〜5の整数であり、t1は2〜5の整数である。 - 前記第1級アミンを有するアミン化合物由来の残基が、−NH−(CH2)2−NH 2 または−NH−(CH2)2−NH−(CH2)2−NH2である、請求項8に記載の三元系ポリマー複合体。
- 前記式(10)で表される化合物が、下記式(Ia)〜(Ig)で表される化合物から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項8に記載の三元系ポリマー複合体:
- 請求項7に記載のポリイオンコンプレックスと、薬学的に許容可能なキャリアとを含む、薬学組成物。
- 請求項8から11のいずれかに記載の三元系ポリマー複合体と、薬学的に許容可能なキャリアとを含む、薬学組成物。
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