JP5660808B2 - アレイスピーカ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のスピーカを含むアレイスピーカを駆動するアレイスピーカ駆動装置に関する。
人間は2つの耳に入力された音の大きさの違い又は時間差で音響空間を把握している。このことを利用して左右2つのスピーカで音空間を表現する方法、すなわちステレオ記録を用いた音響システムが一般的に用いられている。この音響システムでは、左右のスピーカから放射する音の音圧に差をつけ、あたかも2つのスピーカの間の位置から音がしているかの如く知覚させる方法、すなわちパンニングも行われている。また、所定間隔をおいて設置されたマイクに到達する時間差を利用して、同様の効果を得る方法もとられている。
しかしながら、左右のスピーカから放射された音が距離に応じて減衰すること及びそれらの音の伝播時間が生ずることにより、聴取者の位置に応じて左右のスピーカからの音に音圧差や時間差が生ずる。そのため、意図したとおりのパンニング効果が得られる位置は設置された左右2つのスピーカから等距離にある中央線上のみであり、それ以外の位置で音を聴いている聴取者は、その聴取者に近い位置にあるスピーカから音が放射されているかのように知覚する。この課題を解決する方法として、例えば非特許文献1には、WFS(Wave Field Synthesis)によりアレイスピーカを用いて音の波面を合成する音響システムが記載されている。WFSは、横1列に配置したアレイスピーカを用いて個々のスピーカから放射される音を重ね合わせることにより音の波面を合成し、音の波面の中心点に音源位置を知覚させる技術である。ここで、アレイスピーカから発生させる音の波面の中心点を仮想音源と呼ぶ。
図13は、仮想音源の位置を中心とした波面を示す説明図である。本図において、A1は仮想音源、AL1は仮想音源A1の位置、B1〜B3は聴取者を示す。アレイスピーカ4の両側にはステージ及び聴取席がそれぞれ設けられ、ステージには仮想音源A1が配置され及び聴取席には聴取者B1〜B3が配置されている。WFSによれば、アレイスピーカを構成するスピーカが仮想音源A1から広がる音の波面を再現することによって、聴取者B1〜B3は、仮想音源A1の位置にあたかも音源があるかのように知覚する。
図14は、アレイスピーカの外観例を示す説明図である。
アレイスピーカ4は、例えば、ステージと聴取席の境界付近からステージ側の床の上に据え付けられる横長のスピーカである。アレイスピーカ4は、例えば8個のスピーカ1s〜8sから構成されているとする。
一般的にWFSでは、アレイスピーカを構成する複数のスピーカは、各スピーカの設置間隔が短いと高い周波数の音まで波面を再現でき、また、アレイスピーカ全体の設置幅が長いと音の波面を再現できる音響空間を広くできる。従って、WFSでは、多数のスピーカから構成されるアレイスピーカを用いることにより優れた音響効果を得ることができる。しかしながら、スピーカを駆動する増幅器をスピーカ毎に設けるため、多数のスピーカから構成されるアレイスピーカでは、スピーカの数と同数の増幅器が必要となり、そのため音響システムの構築コストが高くなる。
一方、スピーカを駆動する増幅器の構成は、増幅器に電源電圧を与える電源回路と関連する。スピーカを駆動する増幅器は、一般的にスピーカに設けられたプラス入力端子とマイナス入力端子の2つの入力端子の一方の入力端子だけに駆動信号を与え、他方の入力端子には基準電圧、すなわちグランド(GND)を接続する方式をとる。このように、スピーカの2つの入力端子の一方の入力端子のみに増幅器を接続することによりスピーカを駆動する方式をシングル駆動方式と呼ぶ。シングル駆動方式には、基準電圧に対し高い電圧を与える電源のみを有する片電源方式と、基準電圧に対し高い電圧を与える正電源及び低い電圧を与える負電源の2つの電源を有する両電源方式とがある。
図15は、片電源方式を用いた増幅器及びアレイスピーカの構成を示す説明図であり、図16は、両電源方式を用いた増幅器及びアレイスピーカの構成を示す説明図である。これらの図において、1n〜8nは、増幅器1a〜8aに与えられる入力信号を示す。
図15に示す片電源方式を用いた増幅器1a〜8aの場合、増幅器1a〜8aの出力は電源1pの電圧の1/2の電圧を中心に動作するよう設計することが多い。例えば、電源1pの電圧が12Vの場合、増幅器は電源電圧振幅まで出力できると仮定すると、増幅器1a〜8aの出力は6Vの電位を中心にプラスマイナス6Vの振幅で動作し、スピーカ1s〜8sを駆動する。しかしながら、前述の通りスピーカ1s〜8sの片側の入力端子には基準電圧が接続されており、基準電圧と増幅器1a〜8aの出力の動作中心電圧との間に6Vの電位差が生じる。そこで、スピーカ1s〜8sに対して直流電圧が印加されないようにするために、増幅器1a〜8aとスピーカ1s〜8sのプラス入力端子との間に直流阻止コンデンサ1c〜8cを設ける必要がある。一般的に直流阻止コンデンサ1c〜8cとしては比較的大容量のものが必要となり、そのため音響システムの構築コストが高くなる。さらには、増幅器1a〜8aに電源電圧が与えられた直後には、基準電圧と動作中心電圧との電位差に応じた電荷を直流阻止コンデンサ1c〜8cに蓄えるための充電電流が流れるため、この充電電流に対し適切な対策をとっておく必要があり、その対策をとらないとスピーカ1s〜8sに異常な電流が流れ、それがスピーカ1s〜8sから所謂ボツ音を発生させ、又は、最悪の場合、スピーカ1s〜8sを故障させることがある。
図16に示す両電源方式を用いた増幅器1a〜8aの場合、基準電圧に対し高い電圧を与える正電源1p及び基準電圧に対し低い電圧を与える負電源2pの2つの電源を設けることにより、増幅器1a〜8aが基準電圧を中心に動作するように設計することが可能である。例えば、両電源の電源電圧がそれぞれ12Vである場合、増幅器1a〜8aの出力はプラスマイナス12Vの振幅で動作し、スピーカ1s〜8sを駆動する。両電源方式の場合、上述した電位差が生じないため、直流阻止コンデンサ1c〜8cを設ける必要がなくなる。しかしながら、両電源方式の場合、正電源1p及び負電源2pの2つの電源を設ける必要があり、音響システムの構成の仕方によっては大幅なコスト高となる。特に直流電圧を外部から与える音響システムを構成しようとすると、負電源2pはインバータを用いた大掛かりなものが必要となりコスト高となる。
一方、アレイスピーカを構成するスピーカに与える電力を大きくするための方式として、それぞれのスピーカのプラス入力端子とマイナス入力端子とに互いに逆位相の駆動信号を与える方式があり、これは一般的にブリッジ駆動方式と呼ばれる。
図17は、ブリッジ駆動方式を用いた増幅器及びアレイスピーカの構成を示す説明図である。ここで、1n〜8nは、増幅器1a〜16aに与えられる入力信号を示す。
ブリッジ駆動方式によれば、例えば、電源1pの電圧が12Vである場合、増幅器1a〜16aの出力はプラスマイナス12Vの振幅で動作し、スピーカ1s〜8sを駆動するため、電源電圧の利用効率が良い。つまり、スピーカ1s〜8sのプラス入力端子のみに駆動信号を与える12Vの電位差をもつ電源を用いたシングル駆動方式と比較して、同じ電源電圧でも約4倍の電力をスピーカ1s〜8sに供給することができる。また、スピーカ1s〜8sは2つの増幅器が出力する電圧の差分で駆動されるため、2つの増幅器の出力の動作中心電圧が同じなら片電圧であっても直流阻止コンデンサを設ける必要がない。しかしながら、本図に示すように、スピーカ1s〜8sを駆動するために16個の増幅器1a〜16a及び8個の位相反転器1r〜8rが必要となり、シングル駆動方式と比較して増幅器の数が2倍となるためコスト高となる。これを解決する方法として、例えば特許文献1には、スピーカを格子状に配列し、これらをPWM(Pulse Width Modulation)信号で時分割駆動し、増幅器の個数を減らした装置が記載されている。
特許第4154601号公報
ベルクハウト、ド ブリース、フォーゲル(A. J. Berkhout, D. de Vries, and P. Vogel)著、「アコースティック コントロール バイ ウェーブフィールド シンセシス (Acoustic control by wave field synthesis)」(オランダ)、第93(5)版、ジャーナル・オブ・ジ・アコウスティカル・ソサイエティ・オブ・アメリカ(J. Acoust. Soc)、1993年5月、p.2764−2778
しかしながら、特許文献1記載の装置においては、格子状に配置されたスピーカを時分割で駆動しているため、各スピーカを駆動している時間はスピーカが増えるほど減少する。すなわち、各スピーカに供給できる電力はスピーカが増えるほど減少してしまう。従って、各スピーカに十分な電力を供給するためには電源電圧を高くする必要があり、各種電子部品の選定なども含めてその分、コスト高となる。また、時分割でスピーカを駆動するため、駆動するスピーカが増えるほど電子部品の動作周波数は上昇し、そのため高速動作が可能な電子部品が必要となるうえ、不要輻射が多く発生し、その対策が必要となるので更にコスト高となる。
本発明の目的は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、少ない部品点数で効率よく電力をスピーカに供給可能なアレイスピーカ駆動装置を提供することにある。
本発明のアレイスピーカ駆動装置は、複数のスピーカを含むアレイスピーカを駆動するアレイスピーカ駆動装置において、前記複数のスピーカのそれぞれに対応する複数の入力信号の瞬時値の平均を求め、振幅が求めた平均となるような平均信号を生成する平均信号生成手段と、該平均信号生成手段が生成した平均信号の振幅を所定の値に制限する振幅制限手段と、該振幅制限手段が振幅を制限した平均信号の位相を反転する位相反転手段と、前記複数の入力信号のそれぞれに前記位相反転手段位相を反転た平均信号を加算する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、入力信号の類似性の高さを利用してアレイスピーカ駆動回路を共通化しているため、少ない部品点数で、電源電圧に対して効率よくスピーカに大きな電力を供給可能なアレイスピーカ駆動回路を提供することができる。
本発明にあっては、平均信号に振幅制限を課すため、入力信号に高い類似性があり、平均信号の比率が大きくなった場合に平均信号の振幅を制限するため、入力信号に対応するスピーカに設けられた2つの電力を駆動する2系統の増幅部を効率良く利用し、安定して高出力を取り出すことができる。
本発明のアレイスピーカ駆動装置は、前記位相反転手段により位相が反転された平均信号に対応する信号から所定周波数以上を減衰させるローパスフィルタを更に備えることを特徴とする。
本発明にあっては、スピーカの端子に共通に接続された端子を低周波成分で駆動することができる。
本発明のアレイスピーカ駆動装置において、前記振幅制限手段はソフトクリップ回路であることを特徴とする。
本発明にあっては、振幅制限手段をソフトクリップ回路にすることで、急峻な振幅制限を行わないことにより高周波成分の発生を軽減することができ、大振幅で位相のそろった入力信号に対しても音響システムを安定して動作させることができる。
本発明によれば、部品点数の増加による音響システムのコスト高をもたらさないで効率よく電力をスピーカに与えることができる。
音響システムの構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る増幅部及びアレイスピーカの構成例を示すブロック図である。 アレイスピーカと仮想音源の配置関係の一例を模式的に示す説明図である。 実施の形態2に係る増幅器及びアレイスピーカの構成例を示すブロック図である。 実施の形態3に係る増幅器及びアレイスピーカの構成例を示すブロック図である。 図5に示す構成の変形例であり、ローパスフィルタを増幅器とスピーカの間に挿入した構成例を示すブロック図である。 図5又は図6に示す構成の変形例であり、片電源を用いた構成例を示すブロック図である。 図5、図6又は図7に示す構成の変形例であり、増幅器を1つ追加してスピーカをブリッジ駆動する構成例を示すブロック図である。 実施の形態4に係る増幅器及びアレイスピーカの構成例を示すブロック図である。 図9に示す構成の変形例であり、ローパスフィルタを増幅器とスピーカの間に挿入した構成例を示すブロック図である。 図2に示す構成における各部の信号の波形を模式的に示す波形図である。 図4に示す構成における各部の信号の波形を模式的に示す波形図である。 仮想音源の位置を中心とした波面を示す説明図である。 アレイスピーカの外観例を示す説明図である。 片電源方式を用いた増幅器及びアレイスピーカを示す説明図である。 両電源方式を用いた増幅器及びアレイスピーカを示す説明図である。 ブリッジ駆動方式を用いた増幅器及びアレイスピーカの構成を示す説明図である。
実施の形態1
以下、図面を参照して実施の形態1を具体的に説明する。
図1は、音響システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、音響システムは、m個のマイク111〜11m、増幅部1、レベル調整部2、信号処理部3、制御部6、位置情報保持部7、操作部8及びアレイスピーカ4を備える。本実施の形態では、アレイスピーカ4は例えば8個のスピーカ1s〜8sから構成されているとする。また、mは1以上の整数であるとする。
レベル調整部2は、m個のレベル調整モジュール21〜2mを備える。信号処理部3は、m×8個の遅延器及び可変利得増幅器311〜3m8及び8個の加算器711〜718を備える。操作部8は、操作者が音響システムの操作を行うための操作機器であり、位置情報入力部81及び音量調整部82を含む。
位置情報入力部81は、操作者によって入力される演奏者の位置である実音源位置AL1〜AL4及びアレイスピーカ4を構成するスピーカ1s〜8sの位置を含む位置情報を入力する。位置情報保持部7は、操作部8から受け取った位置情報を制御部6に与える。
音量調節部82は、操作者による操作にしたがって、レベル調整モジュール21〜2mの各々に対して増幅率を与え、各音声信号が適切な音量でかつ音量バランスで聴取席に拡声されるようにする。
アレイスピーカ4を構成するスピーカ1s〜8sは、増幅部1から与えられた信号に従って音の波面を放射する。増幅部1の詳細は後述する。
レベル調整モジュール21は、マイク111から入力した音声信号を増幅した後に、第1系統の信号として遅延器及び可変利得増幅器311〜318に与える。レベル調整モジュール22は、マイク112から入力した音声信号を増幅した後に、第2系統の信号として遅延器及び可変利得増幅器321〜328に与える。レベル調整モジュール2mは、マイク11mから入力した音声信号を増幅した後に、第m系統の信号として遅延器及び可変利得増幅器3m1〜3m8に与える。このように、マイク111〜11mに対応する第1系統〜第m系統の信号のそれぞれは、遅延器及び可変利得増幅器311〜318、321〜328、・・・、3m1〜3m8にて信号処理された後、8個のスピーカ1s〜8sに対応する第1〜第8チャンネルの信号に分離され、増幅部1に与えられる。
遅延器及び可変利得増幅器311〜318は、第1系統の信号を遅延させ、可変利得増幅する。また、遅延器及び可変利得増幅器321〜328は、第2系統の信号を遅延させ、可変利得増幅する。また、遅延器及び可変利得増幅器3m1〜3m8は、第m系統の信号を遅延させ、可変利得増幅する。このように、遅延器及び可変利得増幅器311〜318、321〜328、・・・、3m1〜3m8それぞれは、第1系統〜第m系統の信号を遅延させ、可変利得増幅するが、その遅延量及び増幅率は制御部6により算出される。すなわち、遅延器及び可変利得増幅器311〜318、321〜328、・・・、3m1〜3m8は、制御部6により算出された遅延量及び増幅率に従って第1系統〜第m系統の信号を個別に遅延させ、可変利得増幅する。
加算器711は、遅延器及び可変利得増幅器311〜3m1の出力信号を加算し、第1チャンネルの信号として増幅部1に与える。加算器712は、遅延器及び可変利得増幅器312〜3m2の出力信号を加算し、第2チャンネルの信号として増幅部1に与える。加算器718は、遅延器及び可変利得増幅器318〜3m8の出力信号を加算し、第8チャンネルの信号として増幅部1に与える。このように、信号処理部3は、第1〜第8チャンネルの信号を増幅部1に与える。増幅部1は、入力した第1〜第8チャンネルの信号を増幅し、アレイスピーカ4を構成する8個のスピーカ1s〜8sに与える。そして、スピーカ1s〜8sは、増幅部1から与えられた信号に基づいて音の波面を放射する。
図2は、実施の形態1に係る増幅部及びアレイスピーカの構成例を示すブロック図である。すなわち、図2は、図1における信号処理部3から与えられた信号を増幅する増幅部1及び増幅部1から与えられた信号に従って音の波面を放射するアレイスピーカ4を示す。
入力信号1n〜8nは、信号処理部3から増幅部1に与えられる信号であり、当該信号は増幅部1がスピーカ1s〜8sに与える信号に対応する。
増幅部1は、加算器11c〜17c、位相反転器10、加算器21c〜28c、増幅器11及び増幅器1a〜8aを備える。
加算器11c〜17cは、入力信号1n〜8nを加算する。加算された信号の値は8で割られ、入力信号1n〜8nの瞬時値の平均を表す信号(以下、共通信号5と呼ぶ。)が得られる。位相反転器10は、共通信号5を位相反転し、増幅器11及び加算器21c〜28cに与える。
加算器21c〜28cは、位相反転器10により位相反転された共通信号5に入力信号1n〜8nを加算する。すなわち、加算器21c〜28cにおいて、入力信号1n〜8nから共通信号5の減算が行われ、その減算結果はそれぞれ増幅器1a〜8aに与えられる。
増幅器11は、位相反転器10により位相反転された共通信号5を増幅し、スピーカ1s〜8sの共通電極に与える。共通電極とは、スピーカ1s〜8sの駆動電極のうち増幅器1a〜8aに接続されていない電極(マイナス入力端子)をまとめて1つの回路端として扱ったものである。すなわち、本実施の形態では、共通信号5を単一の増幅器11で増幅し、共通配線で各スピーカ1s〜8sのマイナス入力端子に与えるので、各スピーカ1s〜8sのマイナス入力端子に与えられる信号の電圧は等しくなる。一方、増幅器1a〜8aは、加算器21c〜28cによって入力信号1n〜8nから共通信号5が減算された信号を増幅し、スピーカ1s〜8sの駆動電極のうち増幅器1a〜8aに接続されている電極(プラス入力端子)にそれぞれ与えることにより、8個のスピーカ1s〜8sを個別に駆動する。
各スピーカ1s〜8sは、増幅器1a〜8a及び増幅器11に接続されているため、各スピーカ1s〜8sには、増幅器1a〜8aの出力信号と増幅器11の出力信号の差分信号が入力されることになる。その結果、各スピーカ1s〜8sからは、それぞれのスピーカ1s〜8sに対応する入力信号1n〜8nが増幅されて放音される。
WFSは、アレイスピーカ4を構成する複数のスピーカ1s〜8sから放射される音波を重ね合わせることで何らかの波面を生成することを目的とする方式である。従って、増幅部1からスピーカ1s〜8sに与えられる各信号は互いに高い類似性を有する。WFSでは、例えば遅延器及び可変利得増幅器318〜3m8を用いて仮想音源A1からスピーカ1s〜8sに音波が伝搬する際の遅延器及び距離減衰を求めることによって、仮想音源A1を中心とした波面をアレイスピーカ4から放射する。
図13を用いて説明したように、仮想音源A1の位置AL1から広がる音の波面をアレイスピーカ4から放射することにより、聴取者B1〜B3は、仮想音源A1の位置AL1にあたかも音源があるかのように知覚する。この際、図1において、仮想音源A1に対応する音声信号の入力に対し、位置情報保持部7は、仮想音源A1と、アレイスピーカ4を構成するスピーカ1s〜8sとの距離を演算し、制御部6にその距離を与える。制御部6は、その距離に基づいて遅延量及び増幅率を演算する。次いで、制御部6は、スピーカ1s〜8sにそれぞれ対応して設けられた遅延器及び可変利得増幅器318〜3m8に遅延量及び増幅率を設定する。遅延器に設定される遅延量をtd、可変利得増幅器に設定される増幅率をG、及び、仮想音源と各スピーカ1s〜8s間の距離をdとすると、遅延量td、増幅率G及び距離dは以下の式により求めることができる。
遅延量 td =d/c cは音速
増幅率 G=dr rは距離減衰定数(0>r>−2)
このようにして、信号処理部3は、仮想音源A1に対応して入力された信号に対して遅延量と増幅率を設定し、遅延器及び増幅された信号を増幅部1に与える。
信号処理部3から増幅部1に与えられる信号は、仮想音源A1とアレイスピーカ4を構成する各スピーカ1s〜8sの距離の相対差に依存して時間差が決まり、さらに、仮想音源A1と各スピーカ1s〜8sの距離に依存してレベルが決まる。したがって、アレイスピーカ4を構成する各スピーカ1s〜8sの間隔が音の波長に比べて短い場合、又はアレイスピーカ4と仮想音源A1との距離が長い場合、増幅部1内の各増幅器に与えられる信号の位相差は小さくなる。一方、アレイスピーカ4の幅が波長に比べて短い場合、又はアレイスピーカ4と仮想音源A1とのなす角度が直角に近い場合、増幅部1内の各増幅器に与えられる信号の位相差の最大値は小さくなる。
すなわち、アレイスピーカ4の正面方向に向けて曲率半径の大きな波面を出力する場合、及び、アレイスピーカ4の幅と比してアレイスピーカ4の正面方向に放射する音の波長が十分長い場合、アレイスピーカ4を構成するスピーカ1s〜8sに与えられる信号は大きな共通成分を含み、それらの信号の類似性は高い。一般的な使用状態において、アレイスピーカ4に入力される信号は上記条件を満たす成分を多く含むため、図2に示した増幅器11が寄与する信号が多くなり、各スピーカ1s〜8sに印加される信号成分が増幅器1a〜8aと増幅器11に振り分けられる。このことにより、同じ電源電圧でも前述のシングル駆動の場合と比較して最大で2倍の電圧を印加することができ、電源電圧の利用効率を高くすることができる。特に、一般的に高周波音より低周波音の方が高い信号レベルで記録されていることが多く、さらに一般的に高周波用スピーカよりも低周波用スピーカの方が低能率であることが多いゆえに、低周波信号の電力供給能力を高めておくことが音響システムの高出力化に有効であるが、低周波信号は波長が長いゆえに入力信号の共通成分として抽出されやすく、本実施の形態が有効に動作することがわかる。これについて、図面を用いて更に詳細に説明する。
図3は、アレイスピーカと仮想音源の配置関係の一例を模式的に示す説明図である。
図3において、アレイスピーカ4はスピーカ1s〜8sから構成される。また、スピーカ1s〜8sの背面側に仮想音源A1が配置されている。アレイスピーカ4を構成するスピーカ1s〜8sは20cm間隔で設置される。仮想音源は100Hzの正弦波を発し、アレイスピーカ4の前面から50cm離れた背面側であってアレイスピーカ4の中心から5cmずれた位置に配置されている。
図11は、図2に示す構成における各部の信号の波形を模式的に示す波形図である。ここで、波形の横方向は時間を示し、縦方向は振幅すなわち電圧を示す。
図11Aは、図3に示した配置において、信号処理部3から増幅部1に与えられる入力信号1n〜8nの内の入力信号1n、2n、4nの波形を示す。実際の波形では、入力信号1n〜8nは類似性が高い波形の束として現れるが、ここでは、その内の入力信号1n、2n、4nだけを例として示す。図11Bは加算器11c、12c、14cから得られた共通信号5の波形を示す。図11Cは増幅器1a、2a、4aの出力信号11a、22a、44a及び増幅器11の出力信号5bの波形を示す。図11Dはスピーカ1s、2s、4sに印加される電圧の波形を示す。これらの図から、アレイスピーカ4を用いて波面を再現する実際の音響システムにおいて、各入力信号が高い類似性を有し、本実施の形態に基づく音響システムが有効に動作することがわかる。
本実施の形態では、それぞれのスピーカ1s〜8sは、増幅器1a〜8aの出力信号と増幅器11の出力信号の差分により駆動されるため、増幅器1a〜8aの動作の中心電圧を共通化しておけば音響システムを片電源で構成しても直流阻止コンデンサを挿入する必要がない。
また、本実施の形態では、入力信号1n〜8nの類似性を利用して増幅器を共通化しているため、前述のブリッジ駆動回路と比べて増幅器の個数や配線の数を約半分に削減することができる。ブリッジ駆動回路でn個のスピーカを駆動する場合、増幅器の数は2n個、配線の数は2n本必要となるが、本実施の形態によれば増幅器の数はn+1個、配線の数はn+1本で済む。この時、増幅器の数が約半分に削減されているので、増幅器の消費電力のうち無負荷時も消費される消費電力を削減することができる。
また、本実施の形態では、共通信号5を単一の増幅器11で増幅し、共通配線で各スピーカ1s〜8sに与えるので、各スピーカ1s〜8sに与えられる共通信号5由来の電圧は等しく、それぞれのスピーカ1s〜8sをそれぞれ個別の増幅器で駆動する場合と比べて、増幅器の増幅率誤差に起因する共通信号5由来の印加電圧のばらつきを回避することができる。共通信号5の抽出と各信号成分からの減算をディジタル処理で行えば原理的に減算部での誤差が生じず、共通信号5に関してのバラツキは原理的に生じない。
さらに、本実施の形態では、各スピーカ1s〜8sに接続されている増幅器1a〜8aの出力電流に対して、出力信号5を与える増幅器1の出力電流は、すべての入力信号が同相である場合が最大となり、スピーカ1s〜8sの個数の倍数となる。それゆえ、出力信号5を与える増幅器11の出力電流容量を、各スピーカ1s〜8sに接続されている増幅器1a〜8aの出力電流容量の、スピーカ1s〜8sの個数の整数倍としておくと、電流容量に過不足なく音響システムを構成することができる。
なお、図2において、各入力信号1n〜8nに共通信号5の反転信号を加算して減算を実現しているが、各入力信号1n〜8nに減算器を挿入し、共通信号5を減算することと等価である。また、共通信号5の抽出や各信号からの減算処理を、たとえばDSP(Digital Signal Processor)などを用いてディジタル処理で行っても、アナログ処理で行っても構わない。同様に、それぞれのスピーカ1s〜8sを駆動している増幅器1a〜8aはアナログ動作でもスイッチング動作でも構わない。
実施の形態2
以下、図面を参照して実施の形態2を具体的に説明する。尚、音響システムの構成は図1に示した構成と略同一であるため説明は省略する。
図4は、実施の形態2に係る増幅器及びアレイスピーカの構成例を示すブロック図である。すなわち、図4は、図1における信号処理部3から信号を受け取る増幅部1及び増幅部1から信号を受け取るアレイスピーカ4を示す。
入力信号1n〜8nは、信号処理部3から増幅部1に与えられる信号であり、当該信号は増幅部1がスピーカ1s〜8sに与える信号に対応する。
増幅部1は、加算器11c〜17c、位相反転器10、振幅制限器12、加算器21c〜28c、増幅器11及び増幅器1a〜8aを備える。本実施の形態は、振幅制限器12を備える点で、実施の形態1とは異なる。
加算器11c〜17cは、入力信号1n〜8nを加算する。加算された信号の値は8で割られ、入力信号1n〜8nの瞬時値の平均を表す共通信号5が得られる。振幅制限器12は、加算器11c〜17cにより求められた共通信号5に対して振幅制限を行い、振幅制限された信号50aを位相反転器10に与える。位相反転器10は、信号50aを位相反転し、増幅器11及び加算器21c〜28cに与える。
加算器21c〜28cは、位相反転器10により位相反転された信号50aに入力信号1n〜8nを加算する。すなわち、加算器21c〜28cにおいて、入力信号1n〜8nから信号50aの減算が行われ、その減算結果はそれぞれ増幅器1a〜8aに与えられる。
増幅器11は、位相反転器10により位相反転された信号50aを増幅し、スピーカ1s〜8sの共通電極に与える。共通電極とは、スピーカ1s〜8sの駆動電極のうち増幅器1a〜8aに接続されていない電極(マイナス入力端子)をまとめて1つの回路端として扱ったものである。すなわち、本実施の形態では、信号50aを単一の増幅器11で増幅し、共通配線で各スピーカ1s〜8sのマイナス入力端子に与えるので、各スピーカ1s〜8sのマイナス入力端子に与えられる信号の電圧は等しくなる。一方、増幅器1a〜8aは、加算器21c〜28cによって入力信号1n〜8nから信号50aが減算された信号を増幅し、スピーカ1s〜8sの駆動電極のうち増幅器1a〜8aに接続されている電極(プラス入力端子)にそれぞれ出力することにより、8個のスピーカ1s〜8sを個別に駆動する。
各スピーカ1s〜8sは、増幅器1a〜8a及び増幅器11に接続されているため、各スピーカ1s〜8sには、増幅器1a〜8aの出力信号と増幅器11の出力信号の差分信号が入力されることになる。その結果、各スピーカ1s〜8sからは、それぞれのスピーカ1s〜8sに対応する入力信号1n〜8nが増幅されて放音される。
実施の形態1と同様に、アレイスピーカ4を構成するスピーカ1s〜8sに入力される信号は大きな共通成分を含み、それらの信号の類似性は高い。一般的な使用状態において、アレイスピーカ4に入力される信号は上記条件を満たす成分を多く含むため、図4に示した増幅器11が寄与する信号が多くなるが、特に入力信号1n〜8nの位相がそろっている場合、増幅器11に信号が集中する。これによって増幅器11の最大出力レベルを超えた場合、十分な出力電圧を確保できなくなる恐れがある。そこで、振幅制限器12を設け、増幅器11の最大出力レベルに対応する電圧に信号50aの振幅を制限することにより上記の現象を防止することができる。
図12は、図4に示す構成における各部の信号の波形を模式的に示す波形図である。図中、波形の横方向は時間方向に対応し、波形の縦方向は波形の振幅に対応する。
図12Aは、図3に示した配置において、信号処理部3から増幅部1に与えられる入力信号1n〜8nの内の入力信号1n、2n、4nの波形を示す。実際の波形では、入力信号1n〜8nは類似性が高い波形の束として現れるが、ここでは、その内の入力信号1n、2n、4nだけを例として示す。図12Bは加算器11c、12c、14cから得られた共通信号5及び信号50aの波形を示す。図12Cは増幅器1a、2a、4aの出力信号11a、22a、44a及び増幅器11の出力信号10aの波形を示す。図12Dはスピーカ1s、2s、4sに印可される電圧の波形を示す。これらの図から、共通信号5の振幅が増幅器11の最大出力レベルを超えても、本実施の形態に基づく音響システムが有効に動作することがわかる。
上述した通り、振幅制限器12は、増幅器11の最大出力レベルに対応する電圧に共通信号5の振幅を制限するが、振幅制限器12が急峻に振幅制限を行った場合、増幅器1a〜8a及び増幅器11の出力信号に高周波成分が発生し、スピーカ1s〜8sの駆動信号に雑音が加わる恐れがある。この際、振幅制限器12の動作をソフトクリップタイプとして、急峻な振幅制限を行わないことにより、高周波成分の発生を軽減することができ、大振幅で位相のそろった入力信号1n〜8nに対しても音響システムを安定して動作させることができる。
実施の形態3
以下、図面を参照して実施の形態3を具体的に説明する。尚、音響システムの構成は図1に示した構成と略同一であるため説明は省略する。
図5は、実施の形態3に係る増幅器及びアレイスピーカの構成例を示すブロック図である。すなわち、図5は、図1における信号処理部3から信号を入力する増幅部1、増幅部1から信号を入力するアレイスピーカ4及び低音用スピーカ9sを示す。ここで、低音用スピーカ9sは、アレイスピーカ4には含まれない。本実施の形態は、低音用スピーカ9sをアレイスピーカ4とは別に設ける点で、実施の形態1とは異なる。
入力信号1n〜8nは、信号処理部3から増幅部1に与えられる信号であり、当該信号は増幅部1がスピーカ1s〜8sに与える信号に対応する。
増幅部1は、加算器11c〜17c、位相反転器10、加算器21c〜28c、増幅器11及び増幅器1a〜8aを備える。
加算器11c〜17cは、入力信号1n〜8nを加算する。加算された信号の値は8で割られ、入力信号1n〜8nの瞬時値の平均を表す信号(以下、共通信号5と呼ぶ。)が得られる。位相反転器10は、共通信号5を位相反転し、増幅器11及び加算器21c〜28cに与える。
加算器21c〜28cは、位相反転器10により位相反転された共通信号5に入力信号1n〜8nを加算する。すなわち、加算器21c〜28cにおいて、入力信号1n〜8nから共通信号5の減算が行われ、その減算結果はそれぞれ増幅器1a〜8aに与えられる。
増幅器11は、位相反転器10により位相反転された共通信号5を増幅し、スピーカ1s〜8sの共通電極に与える。共通電極とは、スピーカ1s〜8sの駆動電極のうち増幅器1a〜8aに接続されていない電極(マイナス入力端子)をまとめて1つの回路端として扱ったものである。すなわち、本実施の形態では、共通信号5を単一の増幅器11で増幅し、共通配線で各スピーカ1s〜8sのマイナス入力端子に与えるので、各スピーカ1s〜8sのマイナス入力端子に与えられる信号の電圧は等しくなる。一方、増幅器1a〜8aは、加算器21c〜28cによって入力信号1n〜8nから共通信号5が減算された信号を増幅し、スピーカ1s〜8sの駆動電極のうち増幅器1a〜8aに接続されている片側の電極(プラス入力端子)にそれぞれ与えることにより、8個のスピーカ1s〜8sを個別に駆動する。
各スピーカ1s〜8sは、増幅器1a〜8a及び増幅器11に接続されているため、各スピーカ1s〜8sには、増幅器1a〜8aの出力信号と増幅器11の出力信号の差分信号が入力されることになる。その結果、各スピーカ1s〜8sからは、それぞれのスピーカ1s〜8sに対応する入力信号1n〜8nが増幅されて放音される。
一方、アレイスピーカ4に含まれない低音用スピーカ9sは、増幅器11と基準電圧に接続されている。この結果、低音用スピーカ9sは、入力信号1n〜8nの共通信号5に従って駆動される。ここで、前述の通り、入力信号1n〜8nの共通信号5は多くの低域成分を含む。よって、共通信号5を用いて低音用スピーカ9sを駆動することが有効である。一般的にアレイスピーカ4は比較的小口径のスピーカで構成されることが多いが、それゆえ十分な低音を再生することは困難である。従って、アレイスピーカ4とは別に低音用スピーカ9sを設けることにより音響システムの広帯域化を図ることができる。また、本実施の形態では増幅器の追加なしで低音用スピーカ9sを音響システムに追加することができる。
尚、図5に示した構成では、増幅器11の出力信号を直に低音用スピーカ9sに接続しているが、ローパスフィルタを増幅器11と低音用スピーカ9sの間に挿入してもよい。
図6は、図5に示す構成の変形例であり、ローパスフィルタを増幅器とスピーカの間に挿入した構成例を示すブロック図である。図からわかるように、増幅器11と低音用スピーカ9sの間にローパスフィルタ13が設けられている。ローパスフィルタ13を設けることにより、高周波成分を除去した信号を低音用スピーカ9sに与えることができる。
また図5及び図6に示した構成では両電源を用いて音響システムを構成したが、片電源で音響システムを構成してもよい。
図7は、図5又は図6に示す構成の変形例であり、片電源を用いた構成例を示すブロック図である。図からわかるように、ローパスフィルタ13とスピーカ1s〜8sの間に直流阻止コンデンサ14を設けられている。直流阻止コンデンサ14を設けることによって、低音用スピーカ9sに直流電圧が印可されないようにすることができる。
なお、図5、図6及び図7に示した構成では、スピーカ1s〜8sをシングル駆動しているが、増幅器を1つ追加してスピーカ1s〜8sをブリッジ駆動する構成にしてもよい。
図8は、図5、図6又は図7に示す構成の変形例であり、増幅器を1つ追加してスピーカをブリッジ駆動する構成例を示すブロック図である。図からわかるように、増幅器1a〜8aの他に増幅器9aが設けられている。
実施の形態4
以下、図面を参照して実施の形態4を具体的に説明する。尚、音響システムの構成は図1に示した構成と略同一であるため説明は省略する。
図9は、実施の形態4に係る増幅器及びアレイスピーカの構成例を示すブロック図である。すなわち、図9は、図1における信号処理部3から信号を入力する増幅部1、増幅部1から信号を入力するアレイスピーカ4及び低音用スピーカ9sを示す。ここで、低音用スピーカ9sは、アレイスピーカ4には含まれない。
入力信号1n〜8nは、信号処理部3から増幅部1に与えられる信号であり、当該信号は増幅部1がスピーカ1s〜8sに与える信号に対応する。
増幅部1は、加算器11c〜17c、位相反転器10、振幅制限器12、加算器21c〜28c、増幅器11、増幅器1a〜8a及び増幅器16を備える。
加算器11c〜17cは、入力信号1n〜8nを加算する。加算された信号の値は8で割られ、入力信号1n〜8nの共通信号5が得られる。振幅制限器12は、加算器11c〜17cにより求められた入力信号の平均に対して振幅制限を行い、振幅制限された信号50aを位相反転器10に与える。位相反転器10は、信号50aを位相反転し、増幅器11、増幅器1a〜9a及び加算器21c〜28cに与える。
加算器21c〜28cは、位相反転器10により位相反転された信号50aに入力信号1n〜8nを加算する。すなわち、加算器21c〜28cにおいては、入力信号1n〜8nから信号50aの減算が行われ、その減算結果はそれぞれ増幅器1a〜8aに与えられる。
増幅器1a〜8aは、加算器21c〜28cが出力した信号、すなわち入力信号1n〜8nから信号50aを減算した信号を増幅し、スピーカ1s〜8sの片側の電極(プラス入力端子)に与える。
一方で、増幅器9aは、増幅器16で2倍にした信号5から信号50aを加算器29cで出力し、低音用スピーカ9sを駆動する。
尚、図9に示した構成では、増幅器11の出力信号を直に低音用スピーカ9sに接続しているが、ローパスフィルタを増幅器11と低音用スピーカ9sの間に挿入してもよい。
図10は、図9に示す構成の変形例であり、ローパスフィルタを増幅器とスピーカの間に挿入した構成例を示すブロック図である。図からわかるように、増幅器11と低音用スピーカ9sの間にローパスフィルタ13が設けられている。ローパスフィルタ13を設けることにより、高周波成分を除去した信号を低音用スピーカ9sに与えることができる。
変形例
本発明は上述した実施の形態に限らず、他の態様でも実施することが可能である。以下に変形例として幾つかの態様を示す。
上述した実施の形態においては、音響システムを構成する主要なユニットの数を8個として表現しているが、主要なユニットを任意の数として音響システムを構成可能である。また、入力信号1n〜8nの瞬時値の平均を求める際に、1つの加算器の出力と入力信号との加算すなわち2つの信号を加算する加算器で実現しているが、3以上の信号の加算が可能な加算器を用いてもよい。
また、アレイスピーカ4に含まれないスピーカの数は1つに限らず、任意の数で実現可能である。この場合、アレイスピーカ4に含まれないスピーカを並列又は直列に接続してもよい。また、音響システムを構成する主要なユニットの数を8個とし、8個のスピーカ1s〜8sを共通に駆動する増幅器1a〜8aを設けているが、音響システムを構成する主要なユニットの数が多い場合、音響システムを複数のグループに分割してもよい。
また、アレイスピーカ4に含まれないスピーカを追加しているが、アレイスピーカ4に含まれないスピーカは、アレイスピーカ4と同一筐体であっても別筐体であってもよい。また、音響システム中に加算器や減算部、振幅制限部を設けたが、例えば増幅器にその機能を集約してもよい。また、アレイスピーカ4を構成するスピーカ1s〜8sを個別の構成要素として表現しているが、筐体や振動板は共通であってもよい。すなわち、スピーカとして表現されている構成要素は、電気音響変換器において電気・機械変換を行う構成要素であればよい。また、スピーカアレイを駆動する信号処理方式としてはWFS以外の信号処理方式であってもよい。
1 増幅部
2 レベル調整部
3 信号処理部
4 アレイスピーカ
6 制御部
7 位置情報保持部
8 操作部
1s〜8s スピーカ
9s 低音用スピーカ
1n〜8n 入力信号
11c〜17c 加算器
21c〜28c 加算器
10 位相反転器
11、1a〜9a、16 増幅器
A1 仮想音源
12 振幅制限器
13 ローパスフィルタ
1c〜8c コンデンサ
1p、2p 電源

Claims (3)

  1. 複数のスピーカを含むアレイスピーカを駆動するアレイスピーカ駆動装置において、
    前記複数のスピーカのそれぞれに対応する複数の入力信号の瞬時値の平均を求め、振幅が求めた平均となるような平均信号を生成する平均信号生成手段と、
    該平均信号生成手段が生成した平均信号の振幅を所定の値に制限する振幅制限手段と、
    該振幅制限手段が振幅を制限した平均信号の位相を反転する位相反転手段と、
    前記複数の入力信号のそれぞれに前記位相反転手段位相を反転た平均信号を加算する手段と
    を備えることを特徴とするアレイスピーカ駆動装置。
  2. 前記位相反転手段により位相が反転された平均信号に対応する信号から所定周波数以上を減衰させるローパスフィルタを更に備えることを特徴とする請求項1記載のアレイスピーカ駆動装置。
  3. 前記振幅制限手段はソフトクリップ回路であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアレイスピーカ駆動装置。
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