JP5659293B2 - 位相シフト干渉計 - Google Patents
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Description
本願は、2011年3月30日に、日本に出願された特願2011−076744号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
スペクトル干渉計においては、光源から出射される伝搬光が2つの経路に分岐される。一方の経路に測定対象とする試料を配置し、この試料を透過する光をプローブ光とする。他方の経路には試料を配置せず、この試料を配置しない経路を伝搬する光を参照光とする。
そして、プローブ光と参照光とを結合させて、プローブ光と参照光との干渉を起こさせる。この干渉結果から試料の特性を検出する。
上述のように求められたスペクトル位相から波長分散を求めることにより、光学材料や光部品などの特性を評価することができる。
また、スペクトル位相を逆フーリエ変換することにより、光が伝搬する方向に沿った光学媒質の空間分布が得られる。この空間分布から、例えば、試料の深さ方向における断層画像を得ることができる。
したがって、上述した周波軸上における鏡像スペクトルを発生させないため、光の位相の符号を判別可能となるように、cos成分及びsin成分の双方を、すなわち直交二成分を測定することが重要である。
また非特許文献1においては、位相シフタとして、ミラーあるいはレンズのマウント部にPZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛:圧電体)トランスデューサーが装着されている。ミラーあるいはレンズのマウント部にPZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛:圧電体)トランスデューサーを装着することにより、ミラーあるいはレンズを変位させて、一方の経路を伝搬する光に対する位相シフト量を切り替える。
さらに非特許文献1においては、測定した干渉波形に背景成分となる非干渉成分が含まれている場合、この非干渉成分を干渉波形から除去し、干渉成分のみを抽出して、直交二成分を求めるための複数のアルゴリズムが記載されている。
外部共振器型LD(Laser Diode:半導体レーザ )からなる光源より出射された光ビームを、テレスコープによって平行光とし、この平行光をマイケルソン干渉計に対して出射する。
そして、PZTミラーで反射された参照光と、被測定物により出射される物体光とは、ビームスプリッタで反射された後、偏光素子を透過してCCD(Charge Coupled Device)カメラにおけるCCDの光電面上で重ね合わされる。この重ね合わせにより、参照光と物体光との干渉信号が光電面において検出される。
このようにPZTミラーの位置を変えて、異なる位相において干渉スペクトルを測定する処理を繰り返して行うことにより、異なる位相成分における干渉スペクトルを、各位相成分毎に測定する。ここで、位相の値の決定は、波長を走査する際の1走査の波長範囲の中心波長でのみ行い、同一波長範囲の他の波長における位相の値はこの中心波長における位相の値に等しいとみなされる。
また、位相シフトスペクトル干渉計を用いて、光コヒーレンストモグラフィによる断層画像を得る際、断層画像における鏡像データを解消させることもできる(例えば、非特許文献2参照)。
特許文献1の方式は、干渉計内における経路の伝搬及び被測定対象物からの反射に伴う波長分散が、測定精度に対して影響を与えない程度に小さいために無視でき、かつ伝搬する光の位相が周波数に対して線形に変化するという近似が成り立つという条件の下では正しく機能する。
すなわち、波長分散の測定を目的とする場合、特許文献1で開示されている構成の干渉計は、上述したように、その方式の持つ測定条件のため、使用することができないという問題がある。
ここで、小型化及び構成する容易さを目的とし、干渉経路を光ファイバで構成しようとすると、光ファイバの有する波長分散のために、位相が周波数に対して線形に変化しなくなり、被測定対象物の波長分散の測定精度が低下することが考えられる。
しかしながら、測定精度に影響を与えない程度に光ファイバを短くすると、光コヒーレンストモグラフィにおいて、診断部位に到達させるための光ファイバの長さを確保することができなくなる。
また、走査波長レンジ(波長を走査する波長幅、すなわち測定する波長の波長範囲)を、位相の周波数に対する線形近似が可能となる範囲に狭めることが必要となる。このように走査波長レンジを狭めるため、狭い範囲の干渉信号しか得ることができず、断層画像の解像度を低下させるという問題がある。
そして、この走査を繰り返して行うことにより、複数の位相値での干渉スペクトルを測定して、複数の位相値による干渉の直交二成分を得ている。
特許文献1の直交二成分を求める方式を光ファイバを用いた干渉計に適用させた場合、温度変化にともなう光ファイバの光路長の変動のため、PZTミラーの位置を変化させ、複数の位相値での干渉スペクトルを取得する間に、干渉計中での位相が変動する。このため、干渉計に対して設定した位相値と、実際に測定を行っている位相値とがずれてしまう。
その結果、直交二成分の直交性が損なわれるため、波長分散データあるいは断層画像にリップルが生じてしまう。このリップルにより、波長分散の測定精度が大幅に悪化して評価不能となり、あるいは断層画像が乱れてしまい、この断層画像に基づく診断が行えないという問題がある。
同様に、非特許文献2に開示された干渉計も、PZTミラーを移動させて位相シフト量を変化させるため、特許文献1と同様な問題を有している。
しかしながら、3つの出力ポートの各々に対して光検出器を設ける必要がある。このため、光検出器の数が増加することになり、個数の増加する分、干渉計の構成が複雑になり、また小型化することが困難となり、かつ製造コストが増加する。
また、上記本発明の態様によれば、偏波保持特性を有する光ファイバによって、伝搬光の偏波を保持させた状態で干渉計内を伝搬させ、干渉計を構成するプローブ光経路及び参照光経路において、プローブ光経路に伝搬される第1伝搬光、第1反射伝搬光に対し、参照光経路に伝搬される第2伝搬光、第2反射伝搬光の位相差を時系列に、ラジアン単位で0から3π/2の間で周期的に切り替えることにより、安定した同一の偏波状態の第1反射伝搬光及び第2反射伝搬光から、各々異なる位相シフト量の第i光成分から干渉要素を抽出することができ、従来に比較して光パルスの波長分散の測定及び光コヒーレンストモグラフィにおける断層撮影を、高精度かつ高感度に行うことができる。
まず、本実施形態における位相シフト干渉計で用いられる、干渉スペクトルからの非干渉成分の除去の方法について説明する。
空間光学系を用いた干渉計の場合、入射光を位相シフト干渉計の2つの伝搬経路(後述するプローブ光用と参照光用の経路)に分岐するために、平板ビームスプリッタが用いられる。一方、光ファイバを用いた干渉計の場合、入射光を位相シフト干渉計の2つの伝搬経路に分岐するために、光ファイバあるいは光導波路からなる光スプリッタが用いられる。
入射光を位相シフト干渉計の2つの伝搬経路に分岐するとき、2つの伝搬経路における入射光の分岐比は50:50とするのが理想的である。しかし、実際には光スプリッタなどの設計及び製作の際に誤差が生じてしまうため、2つの伝搬経路における入射光の分岐比は必ずしも50:50とはならない。
上述した要因で分岐比及び合波比が50:50からずれると、測定する干渉スペクトルには、背景成分(バックグラウンド)となる非干渉成分が干渉成分に対して重畳する。このため、干渉フリンジの直交二成分を得るためには、干渉スペクトルから非干渉成分を除去することが必要となる。
また、分岐比及び合波比が変動する(揺らぐ)ことの無いように、温度を一定に保つことで、構成する要素の熱膨張によるスペクトルシアリング干渉計の経路長の変動や、熱光学効果による構成する要素の屈折率の変動を抑制するための安定化機構が必要となる。
しかしながら、このような特殊な構成のスペクトルシアリング干渉計は、構成のための要素が複雑となるとともに要素数も増大することなり、実用上において装置が大型化するため、好ましくない。
この互いに異なる3値以上の位相シフトに対し、背景成分となる非干渉成分が重畳した干渉フリンジを測定する。干渉フリンジの測定を行って、非干渉成分を数値演算により除去することが可能となり、直交二成分からスペクトル位相の変化分を求めることが可能となる。この方法を用いることにより、分岐比及び合波比を共に50:50に保持したり、温度による変動を抑制するための安定化機構を導入する必要がなく、スペクトルシアリング干渉計を小型化して簡便に制作することが可能となる。
以下の説明において、位相シフトの異なる3つの位相成分を、0成分(位相が0のときの成分)、π成分(位相がπのときの成分)及びα成分(位相がαのときの成分)とする。ここでは、αは0より大きくπより小さい(0<α<π)任意の実数値である(本実施形態においては、位相シフトの単位はラジアンとする)。
また、上述した0、π及びαの位相シフトにおける干渉スペクトルは、干渉成分と、この干渉成分に重畳した背景成分である非干渉成分とからなり、行列型式により以下の式(1)により表される。
また、上記式(1)の右辺において、第1項(Iback(λ))が各々の背景成分となる非干渉成分を表し、第2項(Iint(λ)cos[…])が干渉成分を表している。この非干渉成分は、位相シフトには依存せずに、光パルスの波長λのみに依存する。各々の干渉成分には、cos関数の変数部に各々の位相シフトの値が含まれる。
また、式(1)の位相シフトが0とπとにおける非干渉成分が重畳した干渉スペクトルにより、cos干渉成分(位相シフト0)のパワーIint(λ)cos[φ(λ)]と、背景成分となる干渉成分のパワーIback(λ)とが、以下に示す式(2)として与えられる。
<第1の実施形態>
次に、図1を参照して、第1の実施形態に係る位相シフト干渉計の構成及び機能を説明する。図1は、本実施形態に係る位相シフト干渉計の構成例を示すブロック図である。
この図1において、位相シフト干渉計は、光源1、入射経路としての入射光ファイバ2、光循環部3、接続光ファイバ4、光分岐結合部5、第1光分岐経路としてのプローブ光ファイバ6、試料測定部7、第2光分岐経路としての参照光ファイバ8、光位相シフタとしての光位相シフト部9、光遅延部10、光終端部11、出射光ファイバ12、光検出部13、制御部14、データ取得部15、波長掃引信号線16及び17、位相シフト制御線18、サンプリングクロック信号線19、検出信号線20を備える。ここで、位相シフト干渉計における光の伝搬する経路の距離は、光分岐結合部5の第4入出射端5cから光終端部11(または光分岐結合部5の第3入出射端5bから試料測定部7)までと、光終端部11から光分岐結合部5の第4入出射端5c(または試料測定部7から光分岐結合部5の第3入出射端5b)までの往復の光路の距離である。
入射光ファイバ2の一端(第1端)が光源の第1出射端1aに接続され、当該入射光ファイバ2の他端(第2端)が光循環部3の第1入射端3aに接続されている。この入射光ファイバ2は、光源1の第1出射端1aから出射された伝搬光を第1端から入射し、この入射した伝搬光を第2端から光循環部3の第1入射端3aに導く(矢印S1)入射光経路である。
光分岐結合部5は、第3入出射端5bにプローブ光ファイバ6の一端(第1端)が接続され、第4入出射端5cに参照光ファイバ8の一端(第1端)が接続されている。
このため、第1伝搬光及び第1反射伝搬光がプローブ光ファイバ6を伝搬し、第2伝搬光及び第2反射伝搬光が参照光ファイバ8を伝搬する。
光終端部11は、第6入出射端11a(全反射ミラー)に対し、参照光ファイバ8の他端(終端)が接続されている。光終端部11の第6入出射端11aには参照光ファイバ8の終端から第2伝搬光が入射する(矢印S4、進行方向への伝搬)。また、参照光ファイバ8の終端には、光終端部11の第6入出射端11aから、反射板で第1伝搬光を全反射した第2反射伝搬光が出射される(矢印S7、反射方向への伝搬)。
この光遅延部10は、プローブ光ファイバ6と参照光ファイバ8との光路長差を同じにする目的で、他方に対して光路長が短い方の光ファイバに設けられ、光路長差を解消する調整のための遅延をそれぞれに伝搬する伝搬光に与えている。本実施形態においては、一例として参照光ファイバ8に設けられている。
このように、光遅延部10を設けて光路長差を解消することにより、プローブ光ファイバ6と参照光ファイバ8との間において生ずる光路長の揺らぎを低減することができるため、干渉スペクトルの測定精度を向上させることができる。
入射光ファイバ2、接続光ファイバ4、プローブ光ファイバ6及び参照光ファイバ8の各々は、入力された光の偏光方向を保持し、かつ多モード干渉による測定障害を避けるため、偏波保持単一モードの伝搬特性を有する偏波保持単一モード光ファイバにより構成されている。本実施形態においては、位相シフト干渉計を構成する光ファイバを伝搬する光の偏光は全て同一である。
ここで、第1反射伝搬光と第2反射伝搬光との間の位相差が0の場合、光検出部13は0成分検出モードとなる。また、第1反射伝搬光と第2反射伝搬光との間の位相差がπの場合、光検出部13はπ成分検出モードとなる。さらに第1反射伝搬光と第2反射伝搬光との間の位相差がαの場合、光検出部13はα成分検出モードとなる。式(1)の行列の行における1行目、2行目及び3行目の各々の表式が、それぞれ0成分検出モード、π成分検出モード、α成分検出モードの、干渉成分に対し、非干渉成分が重畳した干渉スペクトルに対応している。
ただし、光遅延部10を介挿する光の伝搬路は、他方の光の伝搬路に対し、光の伝搬時間が短いことが必要である。機構的な都合により、プローブ光ファイバ6と参照光ファイバ8とのいずれか一方に遅延部10を取り付ける必要がある場合、他方の光の光路長を一方の光路長より長く設定し、他方の遅延時間に対応するように、一方の遅延時間を遅延部10により遅延して調整する。
この場合、光位相シフト部9あるいは光遅延部10を試料測定部7が接続された伝搬路に置くことになるため、光損失の増大や光路内での反射の増大が生じることのないよう、干渉経路の設計と組立に留意する必要がある。
上述したように、光位相シフト部9と光遅延部10との接続順、もしくは設置位置を変更したとしても、第1反射伝搬光及び第2反射伝搬光との位相差の対応には変更はない。
図2Aは、光を透過する性質の試料を試料測定部7内部に配置する場合の構成を示している。試料測定部7の第5入出射端7aには、プローブ光ファイバ6の第2端との接続用のコネクタ21が設けられている。また、このコネクタ21には、測定試料(透過測定用)23と対向する側に、偏波保持単一モード光ファイバにより構成された光ファイバ22の第1端22aが接続されている。光ファイバ22の第2端22bと、測定試料(透過測定用)23のコネクタ21と対向する側(入射側)とが接続されている。偏波保持単一モード光ファイバにより構成された光ファイバ24の第1端24aが、測定試料(透過測定用)23の反射端25と対向する側(出射側)に接続されている。光ファイバ24の第2端24bと反射端25とが接続されている。この反射端25は全反射ミラーを用いる。第1伝搬光が光ファイバ22を介して、測定試料(透過測定用)23に入射し、この測定試料(透過測定用)23を透過し、光ファイバ24を介して反射端25に到達する。そして、反射端25の反射面にて反射した第1伝搬光が、第1反射伝搬光として、第1伝搬光が進行してきた同一経路を反射方向に戻り、光ファイバ24を介して測定試料(透過測定用)23に入射し、この測定試料(透過測定用)23を透過し、光ファイバ22を介してコネクタ21に到達する。
制御部14は、光位相シフト部9に位相シフトを行わせるための位相シフト電圧を正弦波的な波形の制御信号として繰り返して、位相シフト制御線18を介して、光位相シフト部9に出力する。このとき、制御部14は、同時に、位相シフト電圧と同期して位相成分の異なる各々の干渉スペクトルを検出するため、サンプリングクロック信号をデータ取得部19に対して、サンプリングクロック信号線19を介して出力する。上述したように、位相シフト電圧は、制御部14と光位相シフト部9とを接続した位相シフト制御線により、制御部14から光位相シフト部9へ送られる。サンプリングクロック信号は、制御部14とデータ取得部15とを接続したサンプリングロック信号線19により、制御部14からデータ取得部15へ送られる。
この光検出部13からデータ取得部15に出力される電気信号は、出射光ファイバ12から入射される合波光が電気信号に光電変換された、非干渉成分を含む(非干渉成分が重畳された)干渉信号である。
すなわち、測定波長がn点である場合、0成分、π成分及びα成分を1つの波長に対して一組としているため、測定する組の数nにより波長掃引周期を除算して得た第1周期Δt毎に、この第1周期内において位相シフト電圧を順次変化させて、位相シフトのシフト量を切り換える処理を上記トリガ信号に同期して行う。
また、データ取得部15は、検出信号線20を介して光検出部13から、この第1周期Δtに同期して、0成分、π成分及びα成分の干渉信号を連続的に順次受信する。例えば、本実施形態においては、0成分→α成分→π成分の順番に、それぞれ第1周期Δtに同期して、周期的に受信するものとする。この第1周期Δt内において位相シフト電圧を0成分→α成分→π成分を連続的に順次変化させ、この変化させる処理を光源1の波長掃引周期内において第1周期毎に繰り返すことになる。
そして、データ取得部15は、この時系列に取得した0成分、π成分及びα成分の干渉要素を一組として、各波長における直交二成分を求め、スペクトル位相を得るためのデータとして用いる。
本実施形態における図1に示す位相シフト干渉計の構成を用い、スペクトル位相を測定する動作を説明する。
図4(a)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、光源1の出力するトリガ信号の出力タイミングを示す図である。この図4(a)において、光源1から出力されるトリガ信号のHレベル(VH)およびLレベル(VL)は、各々TTL制御(TTL(Transistor Transistor Logic)インターフェースを用いた制御)に適合するように設定される。
図4(c)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、光位相シフト部9に印加する位相差を第1周期Δtで変化させる位相シフト電圧の波形を示す図である。位相シフト電圧V0は位相シフトを0(0成分検出モード)とする際の電圧であり、位相シフト電圧V3π/2は位相シフトを3π/2とする際の電圧である。位相シフト電圧は、V0からV3π/2までの範囲において、図4(c)に示されるように連続かつ周期的に変化して、制御部14から出力される。
また、位相シフト電圧Vπは位相差をπ(π成分検出モード)とする際の電圧とし、Vαは位相差をα(α成分検出モード)とする際の電圧とする。本実施形態においては、VαはV0より大きくVπよりも小さい、すなわちV0<Vα<Vπである。制御部14は、第1周期Δtに対して周期的に正弦波的形状に位相シフト電圧を変化させ、光シフト位相部9へ印加する。
図4(c)及び図4(d)については、第1周期Δtを明確に記載するため、図4(a)及び図4(b)の横幅の時間スケールを拡大し、一部の時間範囲のみを示している。
また、波長掃引周期の開始時と終了時とに同一の遷移をする独立パルスを発生するように、光源1を構成としても良い。
また、本実施形態においては、波長掃引信号線16によりデータ取得部15に対し、また波長掃引信号線17により制御部14に対し、トリガ信号を出力している。しかし、トリガ信号を開始トリガ信号及び終了トリガ信号として、データ取得部15及び制御部14の各々に対して、それぞれ2本の波長掃引信号線を設け、開始トリガ信号及び終了トリガ信号を別系統の配線にて出力する構成としても良い。
上述した構成は、光源1及び制御部14及びデータ取得部15の仕様に応じて最適の形態を選択すれば良い。
この結果、光位相シフト部9は、供給される位相シフト電圧V0から位相シフト電圧V3π/2までの変化により、参照光ファイバ8を伝搬する第2伝搬信号、第2反射伝搬信号の位相を往復後に0から3π/2までの範囲において連続的に順次変化させる。
光検出部13は、第1周期Δt毎に、すなわち測定波長毎に0から3π/2まで変化する位相シフトに伴い、測定波長毎における位相シフトのシフト量が0、π及びαの各々に対応する干渉要素を有する合波光を光電変換し、連続的に干渉信号として、データ取得部15に対して供給する。
このように、データ取得部15は、第2伝搬光の位相シフトの位相量が0→3π/2→0と連続して変化することで、1つのサンプリングクロック信号毎に、その時点の位相量に対応した1点の干渉信号を取得する。したがって、データ取得部15は、1組の0、α及びπの位相成分の干渉信号を、3つのサンプリングクロック信号により取得する。
この結果、測定波長の範囲内において、nの第1周期Δtから、n組の0成分、α成分及びπ成分の干渉要素(干渉信号)が得られる。
そして、データ取得部15は、スペクトル位相φ(λ)とパワースペクトルIint(λ)を求める際、30成分の干渉フリンジデータから0成分、π成分及びα成分に対応する3種を、位相シフト電圧V0、Vα及びVπの各々を出力したタイミングに基づいて、サンプリングした複数の干渉フリンジデータから抽出し、式(6)及び式(7)に代入する。ここで、測定波長がn点の場合、波長掃引周期において波長を1回掃引することにより、総サンプリング数は30×n(光成分)となる。
ここで、各第1周期Δt内にサンプリング行う測定点が30ある場合、測定点毎の掃引波長の変化を無視することができなくなる。このため、各第1周期Δt内における測定点毎の掃引波長の変化を補正して、得られる干渉フリンジデータ各々の波長精度を維持する必要がある。本実施形態において、データ取得部15には、波長掃引周期内の30×n個の測定値において、各第1周期Δtにおける同一順番の測定波長となるサンプリングタイミングのn個の測定値による線形補間を、同一順番毎に行い、各サンプリングタイミング毎に30成分の干渉フリンジデータを算出する構成が設けられている。したがって、データ取得部15は、上述した線形補間を行うプログラムを記憶するメモリ、あるいは線形補間を実行するための回路を有している。
これにより、各位相成分の各々に対し、波長成分毎の測定間隔を1/30とする補間処理を行うこととなり、各位相成分毎の干渉信号のデータ点数を30倍とし、スペクトル位相の測定精度を向上することができる。波長の掃引が線形的に行われるため、時間経過により測定波長に対応する位相量を線形関係により決定することができる。その結果、各位相成分に対応する干渉フリンジデータを、容易に補間することができる。
例えば、本実施形態においては、サンプリングタイムti,6に対応する位相量の位相校正を行い、サンプリングタイムti,6における位相量をラジアン単位として0.418436πとする。
位相校正の方法について、非特許文献1にも複数の位相校正のためのアルゴリズムが記載されているが、本実施形態におけるような三角関数をフィッティング関数としたカーブフィティングによる位相校正のアルゴリズムは記載されていない。このため、本実施形態においては、三角関数をフィッティング関数としたカーブフィティングを用いることにより、図4(c)に示すサイン波とした位相シフトを行っているため、高精度かつ短時間で位相校正が可能である。
また、位相校正により求めた位相量がαの数値において、小数点以下の計算桁数が少ない場合(位相校正の精度が低い場合)も、スペクトル位相φ(λ)もしくはパワースペクトルIint(λ)の算定結果にリップルが生じることになる。
また、本実施形態においては、第1周期Δt内における干渉成分、すなわちサンプリング点数を30、位相量αの計算桁数を小数点以下6桁としている。しかし、このサンプリング点数及び小数点以下の桁数に限定されることなく、必要とするリップルの相対強度をどの程度まで許容できるかにより、リップルの相対強度をどの程度まで低減するかを決定して設定し、サンプリング点数及び小数点以下の桁数を設定すれば良い。なお、位相量πの計算桁数の小数点以下の桁数も位相量αと同様に、リップルの相対強度の低減に応じて決定して設定することが必要なのは言うまでもない。
このため、サンプリングタイムti,jの各々において、リップルの相対強度を観察し、リップルの相対強度が必要とする許容範囲にあるサンプリングタイムを、位相量αのサンプリングに用いるかを決定すれば良い。
したがって、本実施形態によれば、データ取得部15には、サンプリングに用いるサンプリングクロック信号(電気信号)及び合波光を受信する受信ポートを一系統設けて構成すれば良く、測定計を簡易に構成することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る位相シフト干渉計の説明を行う。第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の構成であるが、図1の構成において、データ取得部15に並列に設けた3つの受信ポート(後述する受信ポートP1、P2及びP3)により、1組の0成分、α成分及びπ成分を、並列に受信する構成を有している。
図5は、制御部14の波長掃引動作と、これに対応した光位相シフト部9の位相シフトの動作と、データ取得部15における光検出部13からの干渉信号のサンプリングとにおける動作のタイミングを示す波形図である。
図5(b)は、縦軸が波長であり、横軸が時間であり、光源1の波長掃引において出力する光の波長の時間変化を示している。この図5(b)において、λ1は掃引開始の波長(測定波長の範囲における最低波長)であり、λ2は掃引停止の波長(測定波長の範囲における最大波長)である。
図5(c)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、光位相シフト部9に印加する位相差を第1周期Δtで変化させる位相シフト電圧の波形を示す図である。位相シフト電圧V0は位相差を0(0成分検出モード)とする際の電圧であり、位相シフト電圧V3π/2は位相差を3π/2とする際の電圧である。また位相シフト電圧Vπは位相差をπ(π成分検出モード)とする際の電圧とし、位相シフト電圧Vαは位相差をα(α成分検出モード)とする際の電圧とする。また、0成分、α成分及びπ成分の検出を行う位相シフト電圧は、第1周期内において正弦波的に変化する。本実施形態においては、αは、ラジアン単位で示す位相量であり、0<α<πの間の実数である。したがって、αは、この0<α<πの範囲で変化する。したがって、制御部14は、第1周期Δtに対応して、周期的に正弦波的形状により、位相シフト電圧を変化させて、光シフト位相部9へ供給する。
図5(d)は、縦軸が電圧であり、横軸が時間であり、制御部14が光検出部13からの干渉信号を、受信ポートP1、受信ポートP2、受信ポートP3から並列に時系列データとして受信するサンプリング周期のタイミングを示す図である。本実施形態においては、受信ポートP1が0成分の干渉信号を受信し、受信ポートP2がπ成分の干渉信号を受信し、受信ポートP3がα成分の干渉信号を受信する。
図5(c)及び図5(d)については、第1周期Δtを明確に記載するため、図5(a)及び図5(b)の横幅の時間スケールを拡大し、一部の時間範囲のみを示している。
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、波長掃引周期における第1周期Δtの数nは1000であり、波長掃引周期は1sとする。受信ポートP1、受信ポートP2及び受信ポートP3の各々のサンプリング周期は1msである。
したがって、データ取得部15におけるA/D換回路の動作速度が、サンプリング周期を短縮したい場合の制限要因となる可能性がある。
しかし、本実施形態では、受信ポートP1、受信ポートP2及び受信ポートP3の三系統の並列受信を採用することにより、各受信ポートのサンプリング速度が1ポートのみで受信する場合の3分の1となるため、A/D変換回路の動作速度の制限を3倍に上昇させ、測定時間を短縮させることができる。
また、1つの受信ポートにおいて、0成分、α成分及びπ成分の各々の測定タイミングを順番に振り分ける必要が無くなるため、データ処理プログラムが簡単になり、データ処理速度を向上させることができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る波長分散測定装置の説明を行う。図6は第3の実施形態に係る位相シフト干渉計の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、第1の実施形態と異なる構成について以下に説明する。
第1光ファイバ5と第2光ファイバ6との光路長差を解消する光遅延部7及び伝搬光の位相をシフトする光位相シフト部8を用いる場合、第1の実施形態の場合には光遅延部7及び光位相シフト部8の各々を異なる光ファイバに接続している。
また、光位相シフト部9及び光遅延部10を合体させて一体化することにより、コネクタ結合にともなう光損失を低減することができる。この結果、光源1のパワーを第1の実施形態に比較して低いレベルとすることができ、光源1におけるエネルギーの消費を低下させることができる。
また、光源1のパワーを第1の実施形態と同様とした場合、第1の実施形態に比較してより光損失が大きな測定試料の位相シフトスペクトルの評価が可能となる。
さらに、制御部14から光位相シフト部9に対して印加する位相シフト電圧に直流電圧成分を付加すると、直流位相シフトにより、光ファイバの伝搬光の遅延時間を制御することができる。したがって、プローブ光ファイバ6と参照光ファイバ8との間の光路差を、電圧による遅延時間の制御によって高精度に解消し、第1の実施形態に比較して、より位相の安定性を精密に制御することができる。
第1の実施形態から第3の実施形態に示した位相シフト干渉計を光部品の波長分散の評価に用いる手順について説明する。この波長分散の評価において、透過における波長分散の評価を行う場合、試料測定部7の構成として、図2Aに示す構成を用いる。一方、反射における波長分散の評価を行う場合、試料測定部7の構成として、図2Bに示す構成を用いる。
波長分散を評価するには、以下のようにして分散パラメータを求めることが必要となる。
分散パラメータを求める際、波長λの関数として求めたスペクトル位相φ(λ)を、周波数νの関数であるスペクトル位相φ(ν)に変換する。
そして、周波数の関数として求めたスペクトル位相φ(ν)から、スペクトル位相の変化分Δφ(ν)を、隣接周波数間のスペクトル位相の差分として算出する。ここで、隣接周波数間の間隔をΔνとすると、以下の(8)式により分散パラメータDが求められる。(8)式において、νは周波数であり、cは光の速度であり、Lは光が伝搬する距離(干渉経路の経路長)である。
また、データ取得部15に差分算出部と分散パラメータ算出部とを設けず、データ取得部15にスペクトル位相の変化分Δφ(ν)の算出と、分散パラメータの算出を行わせるためのプログラムをプログラム記憶部に記憶し、このプログラムをMPU(Micro Processing Unit)などからなる演算プロセッサが実行する構成としても良い。この場合、演算プロセッサがプログラム記憶部に記憶されているプログラムに従い、スペクトル位相の変化分Δφ(ν)の算出と、分散パラメータの算出を行う。
第1の実施形態から第3の実施形態に示した位相シフト干渉計を用いて、光コヒーレンストモグラフィの断層画像を求める手順について説明する。この光コヒーレンストモグラフィの断層画像を求める際には、測定対象の試料の表面(試料表面)からの反射を得るため、試料測定部7の構成として、図2Bに示す構成を用いる。この構成においては、試料表面のある点での深さ方向の断層画像が得られるのみである。そこで、レンズ28を試料表面に対して平行に2次元的に平行移動させる。すなわち、試料測定部7には試料を置いたステージの面に対して平行な2次元平面における線に沿って、レンズ28を平行移動させる駆動機構を設け、レンズ28を2次元平面における線に沿って平行駆動させて、線における測定点毎、すなわち座標点座標点毎におけるスペクトル位相を検出するように構成する。
また、レンズ28を平行移動させるのではなく、試料を乗せたステージを、平行移動させるように駆動機構を構成しても良い。
次に、求めた周波数表記のスペクトル位相φ(ν)に対して、2次元平面上において平行移動させた線の各測定点毎にスペクトル位相φ(ν)逆フーリエ変換を行い、周波数領域から画像空間領域に変換し、各測定点毎の深さ方向の断層画像である画像データを生成する。ここで、スペクトル位相φ(ν)の逆フーリエ変換の際、スペクトル位相φ(ν)の逆フーリエ変換により得られた逆フーリエ変換データにおいて、横軸が時間となり、縦軸が反射された反射光の強度となる。この時間に対して光の速度を乗算することにより、試料面の反射における光(第1伝搬光)の往復経路での伝搬距離が得られる。
また、試料を配置したステージの面に対して平行な2次元平面に沿ってレンズ28を平行移動し、各測定点におけるスペクトル位相φ(ν)を検出し、上述した断層画像を求める処理を、この2次元平面における各測定点毎に行うことにより、試料の三次元の断層画像が得られる。
また、上述した制御部、算出部、変換部及び断層画像生成部の機能をMPUに実行させるプログラムを記憶したプログラム記憶部を設け、CPUがプログラム記憶部から順次プログラムを読み出して実行することで、制御部、算出部、変換部及び断層画像生成部の処理を行うように構成しても良い。
1a 光源1の第1出射端
2 入射光ファイバ
3 光循環部
3a 光循環部3の第1入射端
3b 光循環部3の第1入出射端
3c 光循環部3の第2出射端
4 接続光ファイバ
5 光分岐結合部
5a 光分岐結合部5の第2入出射端
5b 光分岐結合部5の第3入出射端
5c 光分岐結合部5の第4入出射端
6 プローブ光ファイバ
7 試料測定部
7a 試料測定部7の第5入出射端
8 参照光ファイバ
9 光位相シフト部
10 光遅延部
11 光終端部
11a 光終端部11の第6入出射端(全反射ミラー)
12 出射光ファイバ
13 光検出部
13a 光検出部13の第2入射端
14 制御部
15 データ取得部
16 波長掃引信号線
17 波長掃引信号線
18 位相シフト制御線
19 サンプリングクロック信号線
20 検出信号線
21 コネクタ
22 光ファイバ
22a 光ファイバ22の第1端
22b 光ファイバ22の第2端
23 測定試料(透過測定用)
24 光ファイバ
24a 光ファイバ24の第1端
24b 光ファイバ24の第2端
25 反射端
26 コリメータ
27 空間伝搬光
28 レンズ
31 光アイソレータ
32 2×1光カプラ
32a 2×1光カプラ32の端子
32b 2×1光カプラ32の端子
32c 2×1光カプラ32の端子
51 光位相シフト遅延部
Claims (13)
- 第1出射端を有し、単一縦モード光を波長掃引して伝搬光を生成し、前記伝搬光を前記第1出射端から出射する光源と、
前記第1出射端に一端が接続され、前記伝搬光を伝搬する、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された入射光経路と、
第1入射端と第1入出射端と第2出射端を有し、前記第1入射端は前記入射光経路の他端が接続され、前記第1入射端から入射される前記伝搬光を前記第1入出射端から出射し、また前記第1入出射端から入射される合波光を前記第2出射端から出射する光循環部と、
一端が前記第1入出射端に接続され、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された接続経路と、
第2入出射端と第3入出射端と第4入出射端を有し、前記第2入出射端が前記接続経路の他端に接続され、前記第2入出射端から入射される前記伝搬光を第1伝搬光及び当該第1伝搬光と同一の偏光を有する第2伝搬光に分離し、前記第1伝搬光を前記第3入出射端から出射し、前記第2伝搬光を前記第4入出射端から出射し、前記第3入出射端から入射される第1反射伝搬光と前記第4入出射端から入射される第2反射伝搬光とを合波して干渉結果である前記合波光を生成し、前記合波光を前記第2入出射端から出射する光分岐合成部と、
一端が前記第3入出射端に接続され、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成されたプローブ光経路と、
一端が前記第4入出射端に接続され、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバで構成された参照光経路と、
第5入出射端を有し、前記第5入出射端が前記プローブ光経路の他端に接続され、前記第5入出射端から入射される前記第1伝搬光を内部に配置された測定対象の試料面で反射して前記第1反射伝搬光を生成し、前記第1反射伝搬光を前記第5入出射端から出射する試料測定部と、
第6入出射端と反射面を有し、前記第6入出射端が前記参照光経路の他端に接続され、前記反射面において前記第6入出射端から入射される前記第2伝搬光を全反射して前記第2反射伝搬光を生成し、前記第2反射伝搬光を前記第6入出射端から出射する光終端部と、
前記プローブ光経路及び前記参照光経路のいずれか一方に設けられ、設けられた一方を伝搬する光の位相シフトを、位相シフト量αi/2(ラジアン単位、αiは実数であり、αiの取る値の範囲が0≦αi≦3π/2、iは整数であり、3≦i)で行い、前記位相シフト量αi/2を周期的に変化させる光位相シフト部と、
一端が前記第2出射端に接続され、前記合波光を伝搬させる単一モード光ファイバで構成された出射光経路と、
第2入射端を有し、前記第2入射端に前記出射光経路の他端が接続され、前記第2入射端から入射される前記合波光を電気信号に変換して干渉信号を生成し、前記干渉信号を出力する光検出部と、
前記光源における前記伝搬光の前記波長掃引に同期し、前記波長掃引を行う毎に、前記光位相シフト部における前記位相シフト量及び前記位相シフトを制御する周期を制御し、前記位相シフトの一周期内において前記iが増加される順番に、第i光成分に対応する前記干渉信号を時系列に取得するためのサンプリング信号を発生する制御部と、
前記サンプリング信号が供給される毎に、前記第i光成分に対応する前記干渉信号を時系列に取得するデータ取得部と、
を有することを特徴とする位相シフト干渉計。 - 前記位相シフトの一周期内に前記サンプリング信号に基づいてサンプリングを行う測定点の数をmとして、
前記制御部が、
前記第i光成分に対応する干渉信号に対し、波長成分毎の測定間隔を1/mとする線形補間処理を行うことにより、全干渉信号のデータ点数をm倍とする
ことを特徴とする請求項1に記載の位相シフト干渉計。 - 前記αiの要素の総数が3以上(i≧3)であり、
前記制御部が、当該要素から3つの要素として、位相α1の第1光成分、位相α2の第2光成分及び位相α3の第3光成分を抽出し、当該第1光成分、当該第2光成分及び当該第3光成分の各々から前記干渉信号を取得する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位相シフト干渉計。 - 前記αiの要素の総数が30以上(i≧30)であることを特徴とする請求項3に記載の位相シフト干渉計。
- 前記プローブ光経路及び前記参照光経路のいずれか一方に設けられ、前記プローブ光経路と前記参照光経路との光路長差を調節する光遅延部をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
- 前記プローブ光経路及び前記参照光経路のいずれか一方に前記光遅延部が設けられ、前記光位相シフタが他方に設けられることを特徴とする請求項5に記載の位相シフト干渉計。
- 前記プローブ光経路及び前記参照光経路のいずれか一方に、前記光遅延部及び光位相シフタが一体化して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の位相シフト干渉計。
- 前記制御部が、前記第1光成分の前記干渉信号を受信する第1受信部と、前記第2光成分の前記干渉信号を受信する第2受信部と、前記第3光成分の前記干渉信号を受信する第3受信部と、を有していることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
- 前記データ取得部が、波長の掃引毎に、測定単位として前記第1光成分、前記第2光成分及び前記第3光成分をデータ組として時系列に取得することを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
- 前記試料測定部が、
一端が前記第5入出射端に接続され、他端が前記測定対象の前記試料の入射端に接続された、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバからなる第1内部経路と、
一端が前記試料の出射端に接続され、他端に全反射ミラーが設けられた、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバからなる第2内部経路と
を有していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。 - 前記試料測定部が、
一端が前記第5入出射端に接続され、他端から平行光を出射し、偏波保持特性を有する単一モード光ファイバからなる内部経路と、
前記内部経路の他端から出射される前記平行光を集光して前記測定対象の前記試料の表面に照射するレンズと
を有し、
前記試料の表面から反射され、前記内部経路の他端から入射される反射平行光を前記第2反射伝搬光として前記第5入出射端から出射することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。 - 前記データ取得部が、波長の関数として取得したスペクトル位相を周波数の関数に変換し、隣接周波数間におけるスペクトル位相差から分散パラメータを求め、この分散パラメータから波長分散を求めることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の位相シフト干渉計。
- 前記データ取得部が、波長の関数として取得したスペクトル位相を周波数の関数に変換し、スペクトル位相の逆フーリエ変換を行い、伝搬光の伝搬距離の関数としてスペクトル位相の逆フーリエ変換を表示する光コヒーレンストモグラフィーの機能を有することを特徴とする請求項11に記載の位相シフト干渉計。
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