JP5659194B2 - 引戸錠 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば家庭や工場、事務所や駅舎内の引き違い戸や片開き式の引戸錠に好適で、部品点数を低減し構成を簡潔化して小形軽量化と体裁の向上を図るとともに、閉扉時の自動施錠を速やかに実現し使用上の利便性と安全性を向上し、しかも防御能力を強化し得る引戸錠に関する。
従来の引戸錠として、内側の引戸の縦框の中高位置にシリンダ錠を取付け、該シリンダ錠のロータと同動可能な鎖錠ロッドの先端に円盤状の係合部を設け、該係合部を受け板の係合孔と、外側の引戸の縦框の中高位置に形成した係合孔に進退可能に設け、施錠時にシリンダ錠にキ−を差し込み、これを軸周りに回動して係合部を係合孔の外側の口縁部に係合し、内外側の引戸を施錠するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前記引戸錠は、引戸を例えばペットが出入り可能な一定の狭小幅に開放した状態で施錠するため、人の出入りは阻止し得ても開放部からの悪戯や風雨の侵入を防止することができず、施錠時の保安に不安があるとともに、引戸の施解錠にキ−操作をいちいち要して煩わしいという問題があった。
また、別の引戸錠として、引戸の一方に受け金具を取付け、該受け金具に錠本体を取付け、該錠本体の厚みによって他方の戸の開放を阻止するとともに、受け金具にガイド溝と掛止部を設け、また錠本体に掛止部と係合可能なラッチ片と二組の押釦機構、および施錠リングと押釦式錠機構を設け、施錠リングの番手部にラッチ片の当接部を係合し、暗証番号に対応して押釦を押圧操作し解錠するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
しかし、前記引戸錠は、構成が複雑で部品点数が多く、製作や組み付けに手間が掛かって高価になるという問題があった。
このような問題を解決するものとして、引戸の戸先框に出退部材を突出可能に付勢し、該出退部材の出退動作に伴なって突出する掛け金を戸先框に設け、前記掛け金を枠体に備えた係止部に掛け止め可能に設けるとともに、掛け金を係止解除側への操作を阻止するロック部材を設け、該ロック部材を室外側から操作するりシリンダ錠とロック部材とに連動させ、室内または室外から施解錠可能にした引戸錠がある(例えば、特許文献3参照)。
しかし、前記引戸錠は構成が複雑で部品点数が多く、製作や組み付けに手間が掛かって高価になり、また掛け金の係止機構に多数の部品とその設置スペ−スを要して大形重量化するとともに、開扉後、掛け金が引戸の端面から突出しているため、掛け金に衣服が引掛かって破損させたり身体に接触して怪我をさせる等の問題があった。
このような問題を解決するものとして、略L字形状のマグネット機構を錠箱に回動可能に支持し、常時はバネによって内側へ回動可能に付勢し、磁石面を外側に露出する一方、閉扉時は扉枠に設けた磁石に吸着されて外側へ回動し、デッドボルトを錠箱から突出可能にし、前記マグネット機構は開扉時に扉枠から離反して内側へ回動し、摺動部材と係合して摺動部材の扉枠への移動を阻止し、シャトル板を外側へ移動させ、第2のレバ−部材を回動させてデッドボルトを錠箱内に完全に後退させるようにした錠前がある(例えば、特許文献4参照)。
しかし、前記錠前は、構成が複雑で部品点数が多く、製作や組み付けに手間が掛かって高価になるとともに、大形重量化して引戸の狭隘な扉枠に収納することが難しい上に、磁石の磁力が経年的に減衰し、開扉時におけるデッドボルの後退変位が低下して、所期の効果を得られなくなる等の問題があった。
ところで、出願人は、電気的または電子的に作動する錠前を廃除し、全ての構成を機械的に連繋させて防御能力を強化し、非常時に有効に機能し得る、キーレスタイプのボタン錠を種々開発し提案している。
例えば前記ボタン錠は、暗証情報を入力する複数の押しボタンと、該押しボタンに同動するロックピンと、該ロックピンと係脱してロックおよびアンロック作動するキ−プレ−トとを備え、前記押しボタンに暗証情報を入力かつ記憶させて施錠し、該押しボタンを暗証情報を基に押圧してキ−プレ−トとの係合を解除し、解錠可能にしている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、前記ボタン錠は、ドアの内外に取付けるケースハウジングが長尺で大形重量化し、引戸の円滑な作動が損なわれるとともに、体裁が悪く狭隘な扉枠に対する取付けが困難になる一方、ドアの内部に内外のレバ−ハンドルの作動に連係する堅牢な本締錠を要し、該本締錠に回動カムとデットボルトを組み込んでいるため、引戸の重量増とコスト高を助長する等の問題があった。
特許第3069552号公報 特許第3343654号公報 特開2007−182674号公報 特開平7−102841号公報 特許第3648043号公報
本発明はこのような問題を解決し、例えば家庭や工場、事務所や駅舎内の引き違い戸や片開き式の引戸錠に好適で、部品点数を低減し構成を簡潔化して小形軽量化と体裁の向上を図るとともに、閉扉時の自動施錠を速やかに実現し使用上の利便性と安全性を向上し、しかも防御能力を強化し得る引戸錠を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、引戸の一側端部を形成する縦枠を設け、該引戸の閉扉時における縦枠の内外方向の対向位置に支持枠を配置し、前記引戸の移動を縦枠または支持枠に拘束可能にした引戸錠において、前記縦枠と支持枠の対向位置の内側にラッチ制御ボックスを配置し、該ラッチ制御ボックスの対向位置に開口部を設けるとともに、前記ラッチ制御ボックス内に回動カムを突設したカム軸を回動可能に設け、該カム軸の一側にレバ−ハンドルに連係する角芯棒を係合可能に装着し、前記カム軸にラッチキャッチまたはラッチロックの一端部を内外方向へ回動可能に支持し、前記カム軸の一端部をラッチキャッチまたはラッチロックの端部の係止爪に係合可能に配置し、前記係止爪とカム軸端部との係合を介してラッチキャッチとラッチロックを内外方向へ回動可能に設ける一方、前記ラッチキャッチとラッチロックの他端部を前記開口部に近接離反動可能に設け、該ラッチキャッチとラッチロックの他端部に互いに吸引可能なマグネットを配置し、前記ラッチキャッチまたはラッチロックの他端部を他方のラッチ制御ボックスの開口部内へ吸引移動可能に設け、前記引戸の拘束時、ラッチキャッチまたはラッチロックの他端部を前記開口部の開口縁に係合可能に配置し、屋内外側に配置した各ラッチ制御ボックス内の回動カムとラッチキャッチまたはラッチロックによって、引戸の移動ないし開閉を拘束可能にし、従来のような高価かつ堅牢な本締錠または錠前を要することなく、低廉で構成の簡潔化と小形軽量化と体裁の向上を図れるようにしている。
請求項2の発明は、屋内外側に配置したレバーハンドルの回動操作に角芯棒を同動させて引戸を拘束し、または拘束を解除し開扉可能にし、屋内外側のレバーハンドルの回動操作によって、引戸の実質的な施解錠を実現可能にしている。
請求項3の発明は、一方の引戸を閉扉後、ラッチキャッチまたはラッチロックの他端部を他方のラッチ制御ボックス内のマグネットへ吸引移動し、前記他端部を前記開口部の開口縁に係合し自動施錠可能にし、閉扉後の安全性を速やかに確保し得るようにしている。
請求項4の発明は、吸引移動したマグネットを他方のマグネットに吸着可能にし、吸引移動したラッチキャッチまたはラッチロックを吸着保持し、それらと開口縁部との係合を強化して、引戸の移動ないし開閉の拘束を強化し得るようにしている。
請求項5の発明は、引戸の拘束または拘束解除時、前記マグネットの吸着を介して、ラッチキャッチとラッチロックの変位を保持可能にし、引戸の安定した拘束状態と拘束解除状態を保持可能にしている。
請求項6の発明は、ラッチ制御ボックスを磁気シールドし、マグネットの磁力の漏洩を防止し、長期に亘って安定した吸着作動と引戸の開閉状態を得られるようにしている。
請求項7の発明は、ラッチキャッチの側面形状を略逆L字形状、前記ラッチロックの側面形状を略Z字形状に形成し、それらの組み立て上の誤りを防止するとともに、ラッチロックによる引戸の安定した拘束状態を得られるようにしている。
請求項8の発明は、ラッチキャッチとラッチロックを各ラッチ制御ボックスの内側へ移動可能に付勢し、ラッチキャッチとラッチロックの他端部のマグネットをラッチ制御ボックスの内側へ移動し、マグネット同士の不要な吸着を排除し、引戸の安定した開閉状態を得られるようにしている。
請求項9の発明は、ラッチロックの付勢力をラッチキャッチの付勢力よりも小さく設定し、ラッチロックの他端部を支持枠の開口縁部に確実に係合させ、引戸の安定した拘束状態を得られるようにしている。
請求項10の発明は、ラッチキャッチおよびラッチロックを縦枠または支持枠内に配置し、それらの組み付けの多様化を図るようにしている。
請求項11の発明は、各ラッチ制御ボックス内のカム軸の回動カムを上向きまたは下向きに配置し、前記回動カムの直下または直上に前記係止爪を係合可能に配置し、ラッチキャッチまたはラッチロックを各制御ボックスの内側方向または外側方向へ回動可能に設け、屋内または屋外側のレバ−ハンドルの回動力を角芯棒を経由してカム軸および回動カムに伝え、ラッチキャッチまたはラッチロックを互いに異方向へ回動して、屋内外から引戸の拘束と拘束解除および開扉を実現可能にしている。
請求項12の発明は、互いに吸着可能なマグネットの吸着面積を相違させ、マグネットの組み付け上の誤りを防止するとともに、カム軸やラッチキャッチまたはラッチロックの加工誤差と組み付け誤差を補償し得るようにしている。
請求項13の発明は、マグネットの吸着面にメッキ被膜を形成し、マグネットの吸着面を平滑にし、マグネットの吸着時や引き離し時における磨耗を防止し、マグネットの吸着作動と引き離し作動を円滑に行なうようにしている。
請求項14の発明は、マグネットを強磁性体のビスを介して取付け、該ビスを吸着面に表出させて、マグネットの磁力線をビスに収束させて拡散を防止し、効率の良い安定した磁界を形成するようにしている。
請求項15の発明は、引戸の拘束時、前記係止爪とカム軸の端部を離間して配置し、レバーハンドルの回動変位が一定以下の場合、引戸の拘束解除および開扉を阻止し、引戸の確実な開閉作動を得られるようにしている。
請求項16の発明は、引戸の拘束解除時、ラッチキャッチとラッチロックのマグネットの吸着面を、前記開口部の開口縁または縦枠と支持枠の間に配置し、この後の引戸の開扉を確実かつ安全に実行可能にしている。
請求項17の発明は、引戸の拘束解除後、引戸の移動を介して前記マグネットを引き離し可能にし、引戸を確実かつ安全に開扉し得るようにしている。
請求項18の発明は、引戸の開扉時、ラッチキャッチとラッチロックのマグネットの吸着面を、ラッチ制御ボックスの開口部の開口縁または縦枠と支持枠の間に配置し、引戸を確実かつ安全に開扉し得るようにしている。
請求項19の発明は、引戸の拘束解除時または開扉時、ラッチロックの他端部をラッチ制御ボックスの奥部内面に係合可能に配置し、ラッチロックの後退変位を阻止して、ラッチキャッチの吸引移動による引戸の拘束を防止するようにしている。
請求項20の発明は、引戸の開扉時、ラッチキャッチのマグネットの吸着面をラッチ制御ボックスの開口部の後方に後退して配置し、ラッチキャッチのラッチロックに対する吸引移動を防止するようにしている。
請求項21の発明は、単一の引戸を屋外側に配置し、前記支持枠を屋内側に固定し、一本引きの引戸の開閉をレバ−ハンドルの操作によって実現可能にしている。
請求項22の発明は、二つの引戸を内外に引き違い移動可能に配置し、前記支持枠を他方の引戸の縦枠で構成し、相対する縦枠によって二つの引戸の開閉を拘束し得るようにしている。
請求項23の発明は、一または二つの引戸の縦枠に屋外または屋内側の角芯棒の作動を制御する錠前を設け、錠前の施解錠に引戸の開閉を連係し、引戸の開閉の安全を確保するようにしている。
請求項24の発明は、錠前をキーレス錠またはシリンダ錠で構成し、キーレス錠によって引戸の防御能力を強化するとともに、シリンダ錠によって引戸の防護能力を安価かつ容易に向上し得るようにしている。
請求項25の発明は、キーレス錠は、押圧操作によって暗証情報を入力および解除可能な複数のロックピンと、前記ロックピンと係脱可能な複数のロック孔を形成したロックプレ−トと、を備え、前記ロックピンの一部または全部に暗証情報入力して前記ロック孔に係合可能に設け、該暗証情報入力した前記ロックピンの暗証情報を解除して前記ロック孔との係合を解除し、前記ロックプレ−トをレバ−ハンドルの回動変位に連動可能にして、キ−に代わる複数のロックピンに暗証情報を入力して引戸を施錠し、暗証情報入力解除時に解錠して引戸を開扉可能にし、高い防御性能を形成して使用上の安全を確保するようにしている。
請求項26の発明は、錠前の解錠後、屋外側のレバ−ハンドルの回動変位に屋外側の角芯棒を同動させてカム軸に伝達し、回動カムをラッチキャッチまたはラッチロックの係止爪に係合して、ラッチキャッチまたはラッチロックを回動し、屋外側の引戸を解錠ないし開扉可能にし、屋外側から安全に引戸を開扉し得るようにしている。
請求項27の発明は、錠前の施錠時、屋内側のレバ−ハンドルの回動変位に屋内側の角芯棒を同動させてカム軸に伝達し、回動カムをラッチキャッチまたはラッチロックの係止爪に係合して、ラッチキャッチまたはラッチロックを回動し、屋内側の引戸を解錠ないし開扉可能にし、屋内側から安全に引戸を開扉し得るようにしている。
請求項28の発明は、一方のラッチ制御ボックス内に配置したラッチロックの下端部にテールを下方に突設し、該テールの下方に第1および第2係止片を備えたフックを上下に回動可能に設け、該フックを上方のラッチロックに係合可能に配置し、施錠時に前記第1係止片を他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に係合可能に配置し、前記マグネットの吸着ないし施錠動作を保持可能にして、施錠時に一方または両方の引戸が悪戯または不正操作された際の前後方向の変位を規制し、マグネットの吸着ないし施錠動作を保持させて、施錠時における防御機能を強化するようにしている。
請求項29の発明は、解錠時に前記第1および第2係止片とラッチロックを一方のラッチ制御ボックス内に収容可能にし、マグネットの吸着を容易に引き離し可能にして、この後の引戸の開扉を円滑かつ容易に行なえるようにしている。
請求項30の発明は、第1係止片を、前記他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に常時は離間して配置し、引戸の建て付け状態に応じて引戸の前後方向への移動を可能にし、引戸の建て付け不良に対応し得るとともに、引戸の不正操作ないし悪戯に対応し得るようにしている。
請求項31の発明は、フックの第1係止片の他側に第2係止片を設け、該第2係止片を前記テールに係合可能に配置し、ラッチロックの揺動角度を規制し、その安定した位置と姿勢を保持し得るようにしている。
請求項32の発明は、施錠時の内外の引戸の間隔が微小な、建て付け不良時または一方の引戸の不正な押圧操作時、前記テールを前記フックの第2係止片に係合可能に配置し、または前記フックの第1係止片を前記他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に係合可能に配置し、施錠時の内外の引戸の間隔が微小な、建て付け不良時または一方の引戸の不正な押圧操作時におけるラッチロックとラッチキャッチの安定した位置と姿勢を確保し、マグネットの確実かつ安定した吸着と施錠動作を確保し得るようにしている。
請求項33の発明は、施錠時に一方の引戸が不正に操作された際、前記ラッチロックのマグネットを収容するボスの外周部を、他方のラッチ制御ボックスの開口部の上側の開口縁に係合可能にし、引戸の不正な上動操作による脱出を阻止し、マグネットの吸着ないし施錠動作を確保して、施錠時における防御機能を強化するようにしている。
請求項34の発明は、施錠時に一方の引戸が不正に操作された際、第1係止片を前記他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に係合可能に配置し、引戸の前後方向への脱出を阻止し、マグネットの吸着ないし施錠動作を確保して、施錠時における防御機能を強化するようにしている。
請求項1の発明は、引戸の一側端部を形成する縦枠を設け、該引戸の閉扉時における縦枠の内外方向の対向位置に支持枠を配置し、前記引戸の移動を縦枠または支持枠に拘束可能にした引戸錠において、前記縦枠と支持枠の対向位置の内側にラッチ制御ボックスを配置し、該ラッチ制御ボックスの対向位置に開口部を設けるとともに、前記ラッチ制御ボックス内に回動カムを突設したカム軸を回動可能に設け、該カム軸の一側にレバーハンドルに連係する角芯棒を係合可能に装着し、前記カム軸にラッチキャッチまたはラッチロックの一端部を内外方向へ回動可能に支持し、前記カム軸の一端部をラッチキャッチまたはラッチロックの端部の係止爪に係合可能に配置し、前記係止爪とカム軸端部との係合を介してラッチキャッチとラッチロックを内外方向へ回動可能に設ける一方、前記ラッチキャッチとラッチロックの他端部を前記開口部に近接離反動可能に設け、該ラッチキャッチとラッチロックの他端部に互いに吸引可能なマグネットを配置し、前記ラッチキャッチまたはラッチロックの他端部を他方のラッチ制御ボックスの開口部内へ吸引移動可能に設け、前記引戸の拘束時、ラッチキャッチまたはラッチロックの他端部を前記開口部の開口縁に係合可能に配置したから、屋内外側に配置した各ラッチ制御ボックス内の回動カムとラッチキャッチまたはラッチロックによって、引戸の移動ないし開閉を拘束可能にし、従来のような高価かつ堅牢な本締錠または錠前を要することなく、低廉で構成の簡潔化と小形軽量化と体裁の向上を図ることができる。
請求項2の発明は、屋内外側に配置したレバーハンドルの回動操作に角芯棒を同動させて引戸を拘束し、または拘束を解除し開扉可能にしたから、屋内外側のレバ−ハンドルの回動操作によって、引戸の実質的な施解錠を実現することができる。
請求項3の発明は、一方の引戸を閉扉後、ラッチキャッチまたはラッチロックの他端部を他方のラッチ制御ボックス内のマグネットへ吸引移動し、前記他端部を前記開口部の開口縁に係合して自動施錠可能にしたから、閉扉後の安全性を速やかに確保することができる。
請求項4の発明は、吸引移動したマグネットを他方のマグネットに吸着可能にしたから、吸引移動したラッチキャッチまたはラッチロックを吸着保持し、それらと開口縁部との係合を強化して、引戸の移動ないし開閉の拘束を強化することができる。
請求項5の発明は、引戸の拘束または拘束解除時、前記マグネットの吸着を介して、ラッチキャッチとラッチロックの変位を保持可能にしたから、引戸の安定した拘束状態と拘束解除状態を保持することができる。
請求項6の発明は、ラッチ制御ボックスを磁気シ−ルドしたから、マグネットの磁力の漏洩を防止し、長期に亘って安定した吸着作動と引戸の開閉状態を得ることができる。
請求項7の発明は、ラッチキャッチの側面形状を略逆L字形状、前記ラッチロックの側面形状を略Z字形状に形成したから、それらの組み立て上の誤りを防止するとともに、ラッチロックによる引戸の安定した拘束状態を得られる効果がある。
請求項8の発明は、ラッチキャッチとラッチロックを各ラッチ制御ボックスの内側へ移動可能に付勢したから、ラッチキャッチとラッチロックの他端部のマグネットをラッチ制御ボックスの内側へ移動し、マグネット同士の不要な吸着を排除し、引戸の安定した開閉状態を得られる効果がある。
請求項9の発明は、ラッチロックの付勢力をラッチキャッチの付勢力よりも小さく設定したから、ラッチロックの他端部を支持枠の開口縁部に確実に係合させ、引戸の安定した拘束状態を得ることができる。
請求項10の発明は、ラッチキャッチおよびラッチロックを縦枠または支持枠内に配置したから、それらの組み付けの多様化を図ることができる。
請求項11の発明は、各ラッチ制御ボックス内のカム軸の回動カムを上向きまたは下向きに配置し、前記回動カムの直下または直上に前記係止爪を係合可能に配置し、ラッチキャッチまたはラッチロックを各制御ボックスの内側方向または外側方向へ回動可能に設けたから、屋内または屋外側のレバ−ハンドルの回動力を角芯棒を経由してカム軸および回動カムに伝え、ラッチキャッチまたはラッチロックを互いに異方向へ回動して、屋内外から引戸の拘束と拘束解除および開扉を実現することができる。
請求項12の発明は、互いに吸着可能なマグネットの吸着面積を相違させたから、マグネットの組み付け上の誤りを防止するとともに、カム軸やラッチキャッチまたはラッチロックの加工誤差と組み付け誤差を補償することができる。
請求項13の発明は、マグネットの吸着面にメッキ被膜を形成したから、マグネットの吸着面を平滑にし、マグネットの吸着時や引き離し時における磨耗を防止し、マグネットの吸着作動と引き離し作動を円滑に行なうことができる。
請求項14の発明は、マグネットを強磁性体のビスを介して取付け、該ビスを吸着面に表出させたから、マグネットの磁力線をビスに収束させて拡散を防止し、効率の良い安定した磁界を形成することができる。
請求項15の発明は、引戸の拘束時、前記係止爪とカム軸の端部を離間して配置したから、レバーハンドルの回動変位が一定以下の場合、引戸の拘束解除および開扉を阻止し、引戸の確実な開閉作動を得られる効果ある。
請求項16の発明は、引戸の拘束解除時、ラッチキャッチとラッチロックのマグネットの吸着面を、前記開口部の開口縁または縦枠と支持枠の間に配置したから、この後の引戸の開扉を確実かつ安全に実行することができる。
請求項17の発明は、引戸の拘束解除後、引戸の移動を介して前記マグネットを引き離し可能にしたから、引戸を確実かつ安全に開扉することができる。
請求項18の発明は、引戸の開扉時、ラッチキャッチとラッチロックのマグネットの吸着面を、ラッチ制御ボックスの開口部の開口縁または縦枠と支持枠の間に配置したから、引戸を確実かつ安全に開扉することができる。
請求項19の発明は、引戸の拘束解除時または開扉時、ラッチロックの他端部をラッチ制御ボックスの奥部内面に係合可能に配置したから、ラッチロックの後退変位を阻止し、ラッチキャッチの吸引移動による引戸の拘束を防止することができる。
請求項20の発明は、引戸の開扉時、ラッチキャッチのマグネットの吸着面をラッチ制御ボックスの開口部の後方に後退して配置したから、ラッチキャッチのラッチロックに対する吸引移動を防止することができる。
請求項21の発明は、単一の引戸を屋外側に配置し、前記支持枠を屋内側に固定したから、一本引きの引戸の開閉をレバ−ハンドルの操作によって実現することができる。
請求項22の発明は、二つの引戸を内外に引き違い移動可能に配置し、前記支持枠を他方の引戸の縦枠で構成したから、相対する縦枠によって二つの引戸の開閉を拘束することができる。
請求項23の発明は、一または二つの引戸の縦枠に屋外または屋内側の角芯棒の作動を制御する錠前を設けたから、錠前の施解錠に引戸の開閉を連係し、引戸の開閉の安全を確保することができる。
請求項24の発明は、錠前をキーレス錠またはシリンダ錠で構成したから、キーレス錠によって引戸の防御能力を強化できるとともに、シリンダ錠によって引戸の防護能力を安価かつ容易に向上することができる。
請求項25の発明は、キーレス錠は、押圧操作によって暗証情報を入力および解除可能な複数のロックピンと、前記ロックピンと係脱可能な複数のロック孔を形成したロックプレ−トと、を備え、前記ロックピンの一部または全部に暗証情報入力して前記ロック孔に係合可能に設け、該暗証情報入力した前記ロックピンの暗証情報を解除して前記ロック孔との係合を解除し、前記ロックプレ−トをレバ−ハンドルの回動変位に連動可能にしたから、キ−に代わる複数のロックピンに暗証情報を入力して引戸を施錠し、暗証情報入力解除時に解錠して引戸を開扉可能にし、高い防御性能を形成して使用上の安全を確保することができる。
請求項26の発明は、錠前の解錠後、屋外側のレバ−ハンドルの回動変位に屋外側の角芯棒を同動させてカム軸に伝達し、回動カムをラッチキャッチまたはラッチロックの係止爪に係合して、ラッチキャッチまたはラッチロックを回動し、屋外側の引戸を解錠ないし開扉可能にしたから、屋外側から安全に引戸を開扉することができる。
請求項27の発明は、錠前の施錠時、屋内側のレバ−ハンドルの回動変位に屋内側の角芯棒を同動させてカム軸に伝達し、回動カムをラッチキャッチまたはラッチロックの係止爪に係合して、ラッチキャッチまたはラッチロックを回動し、屋内側の引戸を解錠ないし開扉可能にしたから、屋内側から安全に引戸を開扉することができる。
請求項28の発明は、一方のラッチ制御ボックス内に配置したラッチロックの下端部にテ−ルを下方に突設し、該テ−ルの下方に第1係止片を備えたフックを上下に回動可能に設け、該フックを上方のラッチロックに係合可能に配置し、施錠時に前記第1および第2係止片を他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に係合可能に配置したから、前記マグネットの吸着ないし施錠動作を保持可能にし、施錠時に一方または両方の引戸が悪戯または不正操作された際の前後方向の変位を規制し、マグネットの吸着ないし施錠動作を保持させて、施錠時における防御機能を強化することができる。
請求項29の発明は、解錠時に前記第1および第2係止片とラッチロックを一方のラッチ制御ボックス内に収容可能にしたから、マグネットの吸着を容易に引き離し可能にして、この後の引戸の開扉を円滑かつ容易に行なうことができる。
請求項30の発明は、第1係止片を、前記他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に常時は離間して配置したから、引戸の建て付け状態に応じて引戸の前後方向への移動を可能にし、引戸の建て付け不良に対応し得るとともに、引戸の不正操作ないし悪戯に対応することができる。
請求項31の発明は、フックの第1係止片の他側に第2係止片を設け、該第2係止片を前記テ−ルに係合可能に配置したから、ラッチロックの揺動角度を規制し、その安定した位置と姿勢を保持することができる。
請求項32の発明は、施錠時の内外の引戸の間隔が微小な、建て付け不良時または一方の引戸の不正な押圧操作時、前記テールを前記フックの第2係止片に係合可能に配置し、または前記フックの第1係止片を前記他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に係合可能に配置したから、施錠時の内外の引戸の間隔が微小な、建て付け不良時または一方の引戸の不正な押圧操作時におけるラッチロックとラッチキャッチの安定した位置と姿勢を確保し、マグネットの確実かつ安定した吸着と施錠動作を確保することができる。
請求項33の発明は、施錠時に一方の引戸が不正に操作された際、前記ラッチロックのマグネットを収容するボスの外周部を、他方のラッチ制御ボックスの開口部の上側の開口縁に係合可能にしたから、引戸の不正な上動操作による脱出を阻止し、マグネットの吸着ないし施錠動作を確保して、施錠時における防御機能を強化することができる。
請求項34の発明は、施錠時に一方の引戸が不正に操作された際、第1係止片を前記他方のラッチ制御ボックスの開口部の側の開口縁に係合可能に配置したから、引戸の前後方向への脱出を阻止し、マグネットの吸着ないし施錠動作を確保して、施錠時における防御機能を強化することができる。
本発明を引き違い戸に適用した正面図で、内外の引戸の閉扉状態を示している。 図1の屋外側の要部を拡大して示す正面図である。 図1の屋内側の要部を拡大して示す正面図である。 図1のA−A線に沿う拡大断面図で、内外の引戸の施錠状態を示している。 ある。 本発明に適用したラッチ制御ボックスの要部を分解して示す斜視図である。
(a)は本発明に適用したラッチロックの正面図、同図(b)は同図(a)のB−B線に沿う断面図である。 (a)は本発明に適用したラッチキャッチの正面図、同図(b)は同図(a)のC−C線に沿う断面図である。 (a)は本発明に適用したラッチキャッチの施錠時における回動カムと係止爪の状況を拡大して示す断面図、同図(b)は本発明に適用したラッチロックの施錠時における回動カムと係止爪の状況を拡大して示す断面図である。
(a)は本発明に適用したラッチ制御ボックス内のラッチキャッチとラッチロックの施錠後の状況を拡大して示す断面図、同図(b)は施錠後に屋内側のレバ−ハンドルをθ1回動した際のラッチキャッチの状況を拡大して示す断面図である。 (a)は本発明に適用したラッチ制御ボックス内のラッチキャッチとラッチロックの施錠後の状況を拡大して示す断面図、同図(b)は施錠後に屋内側のレバ−ハンドルをθ2(θ1<θ2)回動した際のラッチキャッチの状況を拡大して示す断面図である。 (a)は本発明に適用したラッチキャッチの解錠時の状況を拡大して示す断面図で、屋内側のレバ−ハンドルをθ3(θ2<θ3)回動しており、同図(b)は屋外側のレバ−ハンドルをφ3(θ2<θ3)回動した際の解錠時の状況を拡大して示す断面図である。
本発明に適用したラッチ制御ボックス内のラッチキャッチとラッチロックの解錠時の状況を拡大して示す断面図である。 (a)は本発明に適用したラッチ制御ボックス内のラッチキャッチとラッチロックの施錠後の状況を拡大して示す断面図、同図(b)は施錠後に屋外側のレバ−ハンドルをφ1回動した際の同図(a)におけるラッチロックの状況を拡大して示す断面図である。 (a)は本発明に適用したラッチ制御ボックス内のラッチキャッチとラッチロックの施錠後の状況を拡大して示す断面図、同図(b)は施錠後に屋外側のレバ−ハンドルをφ2(φ2<φ3)回動した際の同図(a)におけるラッチロックの状況を拡大して示す断面図である。
本発明に適用したラッチ制御ボックス内のラッチキャッチとラッチロックの開扉時の状況を拡大して示す断面図である。 本発明に適用した屋内側のレバ−ハンドルをθ4(φ3<φ4)回動した際の開扉時の状況を拡大して示す断面図、同図(b)は屋外側のレバ−ハンドルをφ4(φ3<φ4)回動した際のラッチロックの状況を示す拡大断面図である。
本発明の屋外側に設置したキーレス錠を分解して示す斜視図である。 図17のキーレス錠の要部を拡大して示す斜視図である。 本発明の屋外側に設置したキーレス錠の要部を拡大して示す斜視図である (a)は図17のキーレス錠に適用したリセット板とリセット押え板を拡大して示す斜視図、同図(b)は(a)のD−D線に沿う拡大断面図である。 図17のキーレス錠に適用したボタン押え板を拡大して示す正面図である
図21の裏面図である。 図22のE−E線に沿う拡大断面図である。 図17のキーレス錠に適用したロックプレ−トを拡大して示す正面図である。 図17のキーレス錠に適用したリセット板を拡大して示す正面図である。 (a)は図17のキーレス錠に適用した1列側に配置のロックピンの暗証入力時の状況を示す斜視図、(b)は本発明に適用した2列側に配置のロックピンの暗証入力時の状況を示す斜視図である。
図17のキーレス錠に適用したロックピンを拡大した正面図である。 図27の右側面図である。 図27のF−F線に沿う拡大断面図である。 図27のG−G線に沿う拡大断面図である。 図17のキーレス錠の暗証情報入力時の状況をカバ−プレ−トの表面から見た正面図である。
図31のH−H線に沿う拡大断面図である。 図31のI−I線に沿う拡大断面図である。 図31のJ−J線に沿う拡大断面図である。 図31のH−H線に沿うロックピンの解錠時の拡大断面図である。 図31のI−I線に沿うロックピンの解錠時の拡大断面図である。 図31のJ−J線に沿うロックピンの解錠直後の拡大断面図とロックプレートを示している。 図31のJ−J線に沿うロックピンの解錠後の拡大断面図とロックプレートを示し、屋外側のレバ−ハンドルを回動操作している。
図17のキーレス錠に適用したクリアピンとリセット板の組み付け状況を拡大して示している。 図17のキーレス錠に適用したクリアピンを示す斜視図である。 図40のクリアピンの正面図である。 図41の右側面図である。 本発明に適用した室外側のレバ−ハンドルの組み付け状況を分解して示す斜視図である。
本発明の第2の実施形態を示す断面図で、内外の縦枠にラッチロックとラッチキャッチを入れ換え、その施錠状態を示している。 本発明の第3の実施形態を示す正面図で、屋内側に支持枠を立設し、この支持枠と縦枠とで単一の引戸を開閉している。 図45のK−K線に沿う拡大断面図である。 本発明の第4の実施形態を示す正面図で、引き違い戸の錠前としてシリンダ錠を用いている。 図47のL−L線に沿う拡大断面図である。 前記シリンダ錠の要部を分解して示す斜視図である。
本発明の第5の実施形態を示す断面図で、内外の引戸の施錠状態を拡大して示している。 (a)は前記第5の実施形態に適用したラッチキャッチの斜視図、(b)は前記ラッチキャッチの正面図、(c)は前記(b)のM−M線に沿う断面図である (a)は前記第5の実施形態に適用したラッチロックの斜視図、(b)は前記ラッチロックの正面図、(c)は前記(b)のN−N線に沿う断面図である。
(a)は前記第5の実施形態に適用したフックの斜視図、(b)は前記フックの正面図、(c)は前記(b)のO−O線に沿う断面図である。 前記第5の実施形態のラッチキャッチとラッチロックの作動状態の要部を示す断面図で、(a)は施錠時、(b)は解錠時、(c)は開扉時、(d)は閉扉開始時、(e)は閉扉途中を示している。 前記第5の実施形態の施錠時に引戸が悪戯または不正操作された際のラッチロックとラッチキャッチの作動状態の要部を示す断面図で、(a)は前後こじ開け時、(b)は建て付け不良・前後こじ開け時、(c)は上下こじ開け時を示している
以下、本発明を引き違い戸に適用した図示の実施形態について説明すると、図1乃至図43において1は引き違い戸を建て付けた家屋で、その設置面2に臨ませて矩形の出入口部3が設けられ、該出入口部3の周囲に非磁性部材であるアルミニウム製のドア枠4〜7が上下左右に固定されている。
前記ドア枠4〜7に縦長矩形の一対の引戸8,9が内外に配置され、これらの引戸8,9が上下のガイドレ−ル(図示略)を介して左右に開閉可能に設けられている。
この場合、前記引戸8,9の何れか一方を固定し、他方を片開き式に構成することも可能である。
前記引戸8,9は非磁性部材であるアルミサッシで枠組みされ、このうち内側の引戸8は左右の縦枠10,11と、上下の横枠12,13と、中高位置の横枠14とで構成され、これらにガラス板15,16が上下に取付けられている。
また、外側の引戸9は左右の縦枠17,18と、上下の横枠19,20と、中高位置の横枠21とで構成され、これらにガラス板22,23が上下に取付けられている。
前記引戸8,9の縦枠11,17は角管状に構成され、これらは閉扉時に近接して対向配置され、このうち縦枠11の室内側の中高位置に室内座24が取付けられ、また縦枠17の室外側の中高位置に錠前25が取付けられている。
この場合、室内座24の代わりに錠前25を取付け、引戸8,9の内外に錠前25を取付けることによって、引戸8,9の保安を向上することができる。
前記錠前25は実施形態の場合、暗証情報を記憶させる複数の押しボタン26を備え、この押しボタン26に暗証情報を記憶させて施錠し、該押しボタン26を暗証情報を基に押圧操作して解錠し、室外側のレバ−ハンドル27に連係する角芯棒29を回動可能に構成した、非電気式ないし非電子式のキ−を使用しないメカロック式のキ−レス錠、ないしボタン錠を用いている。
この場合、錠前25は前述のボタン錠に限らず、角芯棒29に連係する後述のシリンダ錠を用いることも可能である。
前記押しボタン26は錠前25の表面に2列に配置され、その各列に6個配置されていて、これら12個の押しボタン26によって212通り、すなわち4096通りの暗証情報ないし暗証番号を設定可能にしている。
前記押しボタン26の後述するボタン孔の開口縁部に、1〜0の10個の数字と、AおよびBの2つのアルファベットからなる暗証情報表示S1が刻設され、該表示S1によって該当する押しボタン26の暗証情報を特定している。
図中、S2は後述するクリアボタン孔の開口縁部に刻設したC字からなるクリアボタン表示で、前記暗証情報表示S1と相違している。
前記室内座24に角芯棒28が突設され、該角芯棒28は室内側のレバ−ハンドル30に同動可能に連係し、施錠時に室内側からレバ−ハンドル30を回動操作して解錠可能にしている。
前記錠前25の裏面の上下端部にパイプネジ33が突設され、該パイプネジ33を縦枠17の内部に挿入し、該パイプネジ33に縦枠17の内側からビス32をねじ込んで、錠前25を引戸9の外側に取付けている。
また、前記室内座24の裏面の上下端部にパイプネジ31が突設され、該パイプネジ31を縦枠11の内部に挿入し、該パイプネジ31に縦枠11の外側からビス34をねじ込んで、室内座24を引戸8の内側に取付けている。
前記縦枠11の中高位置の外側面に、レバ−ハンドル30の軸端部を挿入可能な通孔35とパイプネジ31を挿入可能な通孔36が形成され、また前記縦枠17の中高位置の外側面に、角芯棒29を挿入可能な通孔37とパイプネジ33を挿入可能な通孔38が形成されている。
前記縦枠11,17の対向面の中高位置に縦長矩形の角穴39,40が形成され、それらの上下位置にネジ孔41〜44が形成されている。
前記角穴39,40に実質的に同一のボックス本体45,46が収容され、それらのフランジ板にフロント板47,48が取付けられ、該ボックス本体45,46とフロント板47,48とで磁気シ−ルド可能なラッチ制御ボックスL1,L2を構成している。
このうち、ボックス本体45,46は非磁性部材であるステンレス鋼板をプレス成形して略箱形に形成され、それらの底面の上半部に二つの通孔49,50、51,52が形成され、これらの通孔に前記角芯棒28,29とパイプネジ31,33が挿入されている。
前記ボックス本体45,46の上下側にフランジ板53,54、55,56が屈曲形成され、これらに形成したネジ孔57,58、59,60にビス61,62、63,64をねじ込み可能にしている。図中、65,66はボックス本体45,46の一対の側片の上端縁に形成した枢支溝である。
前記フロント板47,48は、非磁性部材であるステンレス鋼板をプレス成形して略板状に形成され、その中高位置に開口部である角孔67,68が形成され、その左右の開口縁に係止片69,70が内側に屈曲して対向配置されている。
図中、71,72、73,74は前記角孔67,68の上下位置に形成したビス孔で、管状に成形した筒部内面にネジ部を形成しており、75,76は前記ネジ孔71,73の間に形成した軸孔で、該軸孔75,76とボックス本体45,46の底部に形成した通孔49,51との間に、カム軸77,78が回動自在に支持されている。
前記カム77,78は実質的に同一に構成され、これらは非磁性部材である亜鉛合金ダイカストによって中空筒状に成形され、その内部に角芯棒28,29を係入可能な角孔79,80が形成され、レバ−ハンドル27,30ないし角芯棒28,29の回動操作に同動して、軸周りに回動可能にされている。
前記カム軸77,78の一端部周面に略扇形断面のカム81,82が突設され、該カム81,82はカム軸77,78の端部に互いに離間し、かつ上向きまたは下向きに配置され、レバ−ハンドル27,30ないし角芯棒28,29の回動角度によって、ラッチキャッチ83またはラッチロック84の一端の後述する係止爪と係合可能にされている。
そして、前記カム81,82の係合変位ないし回動角度によって、後述の枢軸を支点にラッチキャッチ83またはラッチロック84を上下方向に回動させ、それらの回動変位を後述するマグネットによって保持可能にされている。
前記ラッチキャッチ83は、屋内側のレバ−ハンドル30の回動操作に同動する角芯棒28と、該角芯棒28に同動するカム軸77のカム81の変位によって、後述する枢軸を支点に回動可能にされ、また前記ラッチロック84は、屋外側のレバ−ハンドル27の回動操作に同動する角芯棒29と、該角芯棒29に同動するカム軸78のカム82の変位によって、後述する枢軸を支点に回動可能にされている。
前記ラッチキャッチ83とラッチロック84は、非磁性部材である亜鉛合金ダイカストによって側面形状が略逆L形状または略Z字形状に成形され、このうちラッチキャッチ83の正面形状は図6のように略縦長矩形に形成され、その上端部に一対の側片85が対向して突設されている。
前記側片85の側部に係止爪85aが後方に突出して形成され、該係止爪85aの上端部にカム81の円周方向の端部を係合可能に配置している。
前記側片85,85の間に凹状曲面の係合溝86が形成され、該係合溝86をカム軸77の周面に軸周りに回動可能に配置されている。
図中、87は側片85の外側に突設した枢軸で、該枢軸87をボックス本体45,46の枢支溝65,65に掛け止め、枢軸87を中心にラッチキャッチ83を回動可能に支持している。
前記ラッチキャッチ83の中間部に略縦長矩形の長孔88が形成され、該長孔88内にパイプネジ31とビス34を収容している。
前記ラッチキャッチ83の下端部に矩形のマグネット収容ボスが設けられ、該ボスの内側に矩形の凹孔89が形成されている。前記凹孔89に矩形板状のマグネット90が収容され、その吸着面をクロムメッキして平滑にし、後述のマグネットとの摺動摩擦を軽減している。
前記マグネット90は強磁性体である鉄鋼製のビス91によって固定され、後述するマグネットとの磁界の磁力線の拡散を防止し、その平坦な吸着面を角孔67から外側へ表出可能にしている。
図中、92は凹孔89の背面に突設したボスで、内部に凹孔89に連通するビス孔93が形成されている。
前記ラッチキャッチ83の中間部にバネ受94が形成され、該バネ受94に後述のラッチスプリングよりも強力なラッチスプリング95が収容され、該スプリング95の他端をフロント板47の裏面に着座し、その弾性を介してラッチキャッチ83を枢軸87を中心に引戸8の内側方向へ回動可能に付勢している。
一方、前記ラッチロック84の正面形状は図7のように略縦長矩形に形成され、その上端部に一対の側片96が対向して突設されている。
前記側片96の側部に係止爪96aが前方に突出して形成され、該係止爪96aの下端部にカム82の円周方向の端部を係合可能に配置している。
前記側片96,96の間に凹状曲面の係合溝97が形成され、該係合溝97をカム軸78の周面に軸周りに回動可能に配置している。
図中、98は側片96の後端部に突設した枢軸で、該枢軸98をボックス本体46の枢支溝66,66に掛け止め、枢軸98を中心にラッチロック84を回動可能に支持している。
前記ラッチロック84の中間部に略縦長矩形の長孔99が形成され、該長孔99内にパイプネジ33とビス32を収容している。
前記ラッチロック84の下端部に円形のマグネット収容ボスが設けられ、該ボスの内側に円形の凹孔100が形成され、該凹孔100の底部にビス孔101が形成されている。
前記凹孔100に円筒状のマグネット102が収容され、その吸着面は前記マグネット90に吸着可能な異極性に着され、かつその磁力は前記マグネット90の磁力と同大に構成されていて、その表面をクロムメッキして吸着面を平滑にしマグネット90との摺動摩擦を軽減している。
前記マグネット102は強磁性体である鉄鋼製のビス103によって取付けられ、前記マグネット90との間の磁界の磁力線の拡散を防止し、その平坦な吸着面を角孔68から外側に表出可能にしている。
この場合、マグネット102の吸着面積をマグネット90の吸着面積よりも小さく形成し、マグネット90,102相互の成形または組み付け寸法誤差を吸収可能にしている。
前記ラッチロック84の中間部にバネ受104が成形され、該バネ受104にラッチスプリング105が収容され、該スプリング105は前記ラッチスプリング95よりも弱く、その他端をフロント板48の裏面に着座し、その弾性によってラッチロック84を枢軸98を中心に引戸9の内側へ回動可能に付勢している。
このように前記ラッチキャッチ83は、屋内側のレバ−ハンドル30の操作に連動して枢軸87を支点に上下方向へ回動可能にされ、前記ラッチロック84は、屋外側のレバ−ハンドル27の操作に連動して枢軸98を支点に上下方向へ回動可能にされ、それらの変位を協働して保持し、施解錠および開扉状態を形成可能にしている。
すなわち、引戸錠の施錠時は、屋内側のレバ−ハンドル30が垂直状態に置かれ、該ハンドル30に連係するカム軸77とカム81、角芯棒28が回動角度0°状態に置かれ、カム81の両端部が係止爪85aとδ離間し、それらの係合を解除している。
その際、前記ラッチキャッチ83は、ラッチスプリング95の弾性によって枢軸87を支点に引戸8の内側へ回動し、下端部のマグネット90が角孔67の後方、つまりボックス本体45内に位置して、ラッチキャッチ83の大半部が引戸8内に斜状に位置している
そして、ラッチキャッチ83の下端部がボックス本体45の内面に係合可能に位置して回動角度を規制され、マグネット90に吸着するラッチロック84の姿勢を維持するようにしている。この状況は図4のようである。
一方、屋外側のレバ−ハンドル27は施錠時に垂直状態に置かれ、該ハンドル27に連係するカム軸78とカム82、角芯棒29が回動角度0°状態に置かれ、カム82の両端部が係止爪96aとε離間し、それらの係合を解除可能にしている。
そして、ラッチロック84の下端部のマグネット102が、ラッチスプリング105の弾性に抗してラッチキャッチ83のマグネット90に吸着し、前記マグネット102が角孔67の後方に突出し、該角孔67の開口縁と内側の係止片69,69とに係合可能に位置して、引戸8,9の移動ないし開閉を阻止し施錠状態を形成可能にしている。この状況は図4のようである。
この場合、マグネット90の吸着面はマグネット102の吸着面よりも広いため、マグネット90,102の成形寸法の誤差や、ラッチキャッチ83およびラッチロック84の組み付け上の寸法誤差を吸収し得る。
また、施錠時はカム81の両端部が係止爪85aとδ離間し、カム82の両端部が係止爪96aとε離間しているから、これらを係合させる構造に比べ、レバ−ハンドル30を負荷なく解錠操作を速やかに行なえ、屋内または屋外側からの解錠操作を促すとともに、枢軸87,98を支点にしたラッチキャッチ83およびラッチロック84の回動角度を抑制し、その下端部の回動変位を抑制して、ボックス本体45,46ないしラッチロック83,84、引戸8,9の小形軽量化を図るようにしている。
前記施錠状態からの解錠操作は、屋内側または屋外側から実行可能にされ、屋内側からはレバ−ハンドル30を回動操作することによって解錠可能にされ、また屋外側からは錠前25の解錠操作後、レバ−ハンドル27を回動操作することによって解錠可能にされ、これらの解錠操作においてラッチキャッチ83とラッチロック84とが協働可能にされている。
このうち、屋内側から解錠する場合は、屋内側のレバ−ハンドル30を回動操作し、これに角芯棒28とカム軸77を同動させてカム81を回動可能にしている。
その際、レバ−ハンドル30の回動角度が前記離間δ相当以下のときは、カム81が係止爪85aの上端部と係合しないため、ラッチキャッチ83が静止状態を維持し、マグネット102に吸着したマグネット90を介して、ラッチキャッチ83とラッチロック84とが施錠時と同様な姿勢を維持して静止可能にされている。
この後、レバ−ハンドル30を間隙δ相当以上θ1以下に回動し、カム81の端部を直下の係止爪85aに係合して係止爪85aを押し下げ、ラッチキャッチ83を枢軸87を支点に図4上時計方向へ回動し、一方、マグネット90に吸着したマグネット102を介して、ラッチロック84を引戸9の内側方向へ押し戻し、該ラッチロック84を枢軸98を支点に図4上時計方向へ回動可能にしている。この状況は図9(a)のようである。
更に、レバ−ハンドル30をθ2(θ1<θ2)回動し、カム81を回動して係止爪85aを押し下げ、ラッチキャッチ83を枢軸87を支点に図4上時計方向へ回動し、マグネット90の吸着面を角孔67の開口部に垂直に表出可能にし、一方、マグネット90に吸着したマグネット102を介してラッチロック84を押し戻し、マグネット102の吸着面を角孔68の外側に垂直に表出可能にしている。この状況は図10のようである。
この後、レバ−ハンドル30をθ3(θ2<θ3)回動し、カム81を更に回動して係止爪85aを押し下げ、ラッチキャッチ83を枢軸87を支点に図4上時計方向へ回動し、マグネット90の吸着面を引戸8,9の間に突出して解錠可能にしている。
一方、マグネット90に吸着したマグネット102を介してラッチロック84を引戸9側へ押し戻し、マグネット102の吸着面を引戸8,9の間に位置付け、マグネット90,102の吸着面を垂直に位置付けて解錠状態を形成している。この状況は図11および図12のようである。
このように解錠時は、ラッチキャッチ83とラッチロック84のマグネット90,102の吸着面が引戸8,9の間に位置し、マグネット90がラッチスプリング95の弾性に抗してマグネット102に吸着し、ラッチキャッチ83の略垂直姿勢を保持させている。
また、ラッチロック84においては、ラッチスプリング105の弾性による枢軸98の周りのモ−メントと、ラッチロック84の重力による枢軸98の周りのモ−メントとが拮抗し、マグネット102の吸着面がフロント板48の表面と同高面に位置している。
その際、ラッチロック84の下端部のマグネット102と他側端部がボックス本体46の内面に係合可能に位置し、ラッチロック84の押し戻し位置を規制するとともに、ラッチキャッチ83の角孔68への突出を回避させ、この後の開扉を確実に行なえるようにしている。
一方、屋外側から解錠する場合は、錠前25の解錠後、屋外側のレバ−ハンドル27を回動操作し、これに角芯棒29とカム軸78を同動させてカム82を回動可能にしている
その際、レバ−ハンドル27の回動角度が前記離間ε相当以下のときは、カム82が係止爪96aの下端部と係合しないため、ラッチロック84が静止状態を維持し、マグネット90に吸着したマグネット102を介して、ラッチキャッチ83とラッチロック84とが施錠時と同様な姿勢を維持して静止可能にされている。
この後、レバ−ハンドル27を間隙ε相当以上φ1以下に回動し、カム82の端部を直上の係止爪96aの下端部に係合して係止爪96aを押し上げ、ラッチロック84を枢軸98を支点に図4上時計方向へ回動し、マグネット102を引戸9側へ引き入れる一方、マグネット102に吸着したマグネット90を介して、ラッチキャッチ83を引戸9側へ引き寄せ、該ラッチキャッチ83を枢軸87を支点に図4上時計方向へ回動可能にしている。この状況は図13のようである。
更に、レバ−ハンドル27をφ2(φ1<φ2)回動し、カム82を回動して係止爪96aを押し上げ、ラッチロック84を枢軸98を支点に図4上時計方向へ回動し、マグネット102の吸着面をフロント板47と同一面上に位置付ける一方、マグネット102に吸着したマグネット90を介して、ラッチキャッチ83を引戸9側へ引き寄せ、マグネット90の吸着面をフロント板47と同一面上に位置付けるようにしている。この状況は図15のようである。
この後、レバ−ハンドル30をφ3(φ2<φ3)回動し、カム81を更に回動して係止爪96aを押し上げ、ラッチロック84を枢軸98を支点に図4上時計方向へ回動し、マグネット90の吸着面を引戸8,9の間に突出して解錠可能にし、一方、マグネット102に吸着したマグネット90を介してラッチキャッチ83を引戸9側へ引き寄せ、マグネット90の吸着面をフロント板48と同一面上に位置付け、マグネット90,102の吸着面を共に垂直に位置付けて解錠状態を形成している。
このような解錠状態は図12のようで、この状態は屋内側からレバ−ハンドル30を回動操作して解錠する場合と実質的に同一である。
前記解錠後、内または外側のレバ−ハンドル30,27を保持し、引戸8または9を開方向へ引き動かして開放可能にしている。
例えば外側のレバ−ハンドル27を保持し、引戸9を開方向、つまり図1上左方向へ引き動かすと、マグネット102がマグネット90の吸着面を摺動して引き離され、マグネット90の磁界から解放される。この場合、引戸9を図1上左方向へ引き動かす代わりに、引戸8を図1上右方向へ引き動かしても良い。
その際、ラッチロック84は、ラッチスプリング105の弾性による枢軸98の周りのモ−メントと、ラッチロック84の重量による枢軸98の周りのモ−メントとが拮抗しているため、解錠時と同様な状態を保持可能にされている。
一方、ラッチキャッチ83は、マグネット90がマグネット102の磁界から解放され、ラッチスプリング95の弾性によって枢軸87を支点に図12上反時計方向へ回動し、該ラッチキャッチ83の重量による枢軸87の周りのモ−メントと拮抗したところで、回動を停止可能にされている。この状況は図15のようである。
この状況は内側のレバ−ハンドル30を保持し、引戸8を開方向へ引き動かして開放する場合も同様である。
こうして、引戸9を開放し、人の出入り後、例えば引戸9を閉鎖する場合は、レバ−ハンドル27を保持し、引戸9を閉方向、つまり図1上右方向へ引き動かして閉鎖可能にしている。
すなわち、引戸9を閉方向、つまり図1上右方向へ引き動かし、縦枠17が内側の引戸8の縦枠11の対向位置に移動し、マグネット102,90の磁界が影響し合って、それらの磁力が復活し、ラッチロック84がラッチスプリング105の弾性に抗して枢軸98を支点に図15上反時計方向へ回動し、マグネット102がラッチキャッチ83のマグネット90に吸着され、図4の施錠時と同様な状態を形成可能にされている。
一方、前記錠前25であるボタン錠は図17乃至図30のようである。
すなわち、前記ボタン錠は、錠前25の外側を区画するケースハウジング104と、該ハウジング104内に積重して配置されるボタン押え板105と、実質的なロック機能を奏するロックプレ−ト106と、後述するロックピンの作動を制御するリセット板107と、ケースハウジング104の開口部を閉塞するカバ−プレ−ト108と、で構成されている。
このうち、ケースハウジング104は亜鉛合金ダイカストによって有底の長円形に成形され、その底部に複数のボタン孔109が二列に配置され、それらの上部に単一のクリアボタン孔110が配置されている。
前記ボタン孔109とクリアボタン孔110とは同径に形成され、これらにボタン26とクリアボタン111が挿入されている。前記ボタン26とクリアボタン111は、鋼板をプレス成形した深底の円筒状に形成され、それらの開口側にフランジ部26a,111aが屈曲して形成され、これらのフランジ部26a,111aがボタン孔109とクリアボタン孔110の開口縁部に係合可能に配置されている。
前記ボタン26とクリアボタン111の内部にボタンワッシャ112,113が挿入され、これらは鋼板をプレス成形した円板状に形成され、その相対位置から各一対の脚片114,115が対向して突設されている。
前記脚片114,115の断面は略Z字またはL字形状に形成され、このうち脚片114の中間部に拡径部114aが形成され、また脚片115の端部にフランジ部115aが形成され、該拡径部114aとフランジ部115aにボタン26とクリアボタン111の開口縁部が係合可能に配置されている。
前記脚片114,115の間にボタンスプリング116,117が配置され、その弾性によって、ボタンワッシャ112,113とボタン26およびクリアボタン111を外側へ突出可能に付勢している。
図中、118はボタンスプリング116の片側に配置したバネ受で、亜鉛合金ダイカストによって小形の略矩形板状に成形され、その内部に角孔119が形成され、その片面に凹溝120が直径方向に形成されている。
前記ボタン押え板105は亜鉛合金ダイカストによって略矩形板状に成形され、その四隅と中央にビス孔121が形成され、該ビス孔121にビス122を挿入し、これをケースハウジング104の内側に形成したネジ孔123にねじ込んで、ボタン押え板105を取付けている。
前記ボタン押え板105に複数のロックピン挿通孔124が二列に配置され、該挿通孔124は前記ボタン孔109とクリアボタン孔110の位置に対応して形成され、該ロックピン挿通孔124の内側の開口縁部に凹孔125が形成されている。
前記凹孔125の両側に角溝126が形成され、該角溝126に前記脚片114,114が摺動可能に挿入されている。
図中、127は前記凹孔125の周面に突設した山形の係合突起、128は前記ロックピン挿通孔124の外側の開口縁部に形成した浅底の凹孔である。
前記ボタン押え板105の上端部にクリアピン挿通孔130が形成され、該クリアピン挿通孔130の内側の開口縁部に凹孔131が形成されている。
前記凹孔131の両側に角溝132が形成され、該角溝132に前記脚片115,115が摺動可能に挿入されている。図中、133,134は凹孔131の内側の対向位置に突設した係合突起で、後述するクリアピンのクリアカムと係合可能に配置され、クリアピンの回動角度を規制している。
前記ロックプレ−ト106は鋼板をプレス成形して縦長矩形に形成され、前記ボタン孔109とクリアボタン孔110の対応位置に複数のロック孔135,136が二列に配置され、これらのロック孔135,136が左右対称に形成されている。
図中、S5は前記ロック孔135,136の開口縁部に、説明の便宜上付した暗証情報表示で、前記暗証情報表示S1に対応して付している。
前記ロック孔135,136は略T字形状に形成され、その上部の左右両側に矩形の切欠溝137が形成され、該切欠溝137とロック孔135,136との交差部の一側に斜状の係合縁部138が形成され、該係合縁部138を後述するロックピンのカムフランジの下側面に係合可能に配置され、ロックプレ−ト106の上動を阻止可能にしている。
また、前記ロック孔135,136の上端部中央に山形の突起139が内側に突設され、後述するロックピンのカムフランジ上側面と係合可能に配置され、ロックプレ−ト106の上動を阻止可能にしている。
図中、140はロックプレ−ト106の上端部に略T字形状に形成された通孔で、その上部の左右両側に矩形の切欠溝141が形成され、142はロックプレ−ト106の下端部に形成された略L字形状の屈曲片で、該屈曲片142が後述する駆動カムの平坦部に係合可能に載置され、錠前25の解錠後に駆動カムが回動してロックプレ−ト106を上動可能にしている。
前記ロックプレ−ト106の下端部に長孔143が形成され、またボタン押え板105の下端部にピン孔144が形成され、これらに連結ピン145が挿入されて同動可能にされている。
図中、146は前記ロックプレ−ト106の左右上端部に直角に屈曲されたバネ受で、該バネ受146とケースハウジング104の内側の張出壁(図示略)との間にバネ147が介挿され、該バネ147の弾性によってロックプレ−ト106を下方へ付勢している。
前記リセット板107は亜鉛合金ダイカストによって略矩形板状に成形され、前記ボタン孔109とクリアボタン孔110の対応位置に複数のロックピン孔148が二列に配置され、これらロックピン孔148の間の上部にバネ掛けピン149が突設され、また前記バネ掛けピン149の直下と、ロックピン孔148,148の外側下部にピン150が突設され、これらのピン150をカシメてリセット押え板151を連結している。
前記リセット押え板151は鋼板をプレス成形して矩形板状に成形され、前記ロックピン孔148と対応位置に同形のロックピン孔152が二列に配置されている。
また、リセット押え板151の前記バネ掛けピン149と対応位置に、該ピン149を挿入可能なピン孔153が形成され、前記ピン150の対応位置に、該ピン150を挿入可能なピン孔154が形成されている。
前記バネ掛けピン149に捩りバネであるリセットバネ155のコイル部が挿入され、その両側の端末がロックピン孔148,152の間に斜状に突出して配置され、該端末部が後述するロックピンの錐面に係合可能に配置されている。
図中、156は前記リセット板107の下端部に突設した張出片で、該張出片156が前記屈曲片142と背中合わせに配置され、後述する駆動カムの平坦部に係合可能に載置されている。
そして、錠前25の解錠後に駆動カムが回動してリセット板107を押し上げ、リセットバネ155の端部をロックピン173から離間させて、リセットバネ155の係合力を低下させ、ロックスプリング162の弾性によってロックピン173を上動させ、該ピン173を原位置に復帰可能にしている。
図中、157は前記リセット板107の上端部に形成したクリアピン挿入孔で、その上側の内面にテーパ面157aが形成され、該テーパ面157aに後述するクリアピンのテーパカムを係合可能に挿入している。
図中、158は前記リセット板107の上端部に突設したバネ掛けピンで、該ピン158とケースハウジング104の内側の張出壁(図示略)との間にセットスプリング159が介挿され、該スプリング159の弾性によってリセット板107とリセット押え板151を下方へ付勢している。
前記カバ−プレ−ト108は亜鉛合金ダイカストによって長円板状に成形され、そのボタン孔109とクリアボタン孔110の対応位置に段付きの複数のロックピン孔160が二列に配置されている。
前記ロックピン孔160の内側口縁部の外側に環状溝161が形成され、該環状溝161と後述するロックピンのテ−パフランジとの間に円錐形のロックスプリング162が介挿され、該スプリング162の弾性によって、ロックピン173をカバ−プレ−ト108の内側へ付勢している。
図中、163はカバ−プレ−ト108の上端部に形成した段付きのクリアピン支持孔で、その内側の口縁部の外側に環状溝164が形成され、該環状溝164と後述するクリアピンのテ−パフランジとの間に円錐形のロックスプリング165が介挿され、該スプリング165の弾性によって、後述のクリアピンをカバ−プレ−ト108の内側へ付勢している。
前記カバ−プレ−ト108の下端部にハンドル挿入孔166が形成され、またカバ−プレ−ト108の上下端部にビス孔167が形成され、それらの外側からビス168を挿入し、これをケースハウジング104のネジ孔123にねじ込み可能にしている。
図中、169,170はカバ−プレ−ト108の上下端部に形成した軸ネジ挿入孔、171,172はパイプネジ31,33にねじ込み可能な軸ネジで、他端部をケースハウジング104のネジ孔(図示略)と、パイプネジ31,33にねじ込み可能にしている。
前記ロックピン173は真鍮または亜鉛合金ダイカストによって略軸状に形成され、その両端部に大小異径の小径部173aと大径部175が形成され、先端側の小径部173aに角軸部174が形成され、該角軸部174に前記バネ受118の角孔が嵌合して装着されている。
前記大径部175の基部側に略円錐台形状のコ−ンフランジ176が形成され、該コ−ンフランジ176と角軸部174との間に、円弧状の板カムからなる二つのカムフランジ177,178が、互いに離間して反対側へ突設されている。
このうち、コ−ンフランジ176側にカムフランジ177が配置され、そのロックピン173と同軸上に六角形の角軸部177aが形成され、該角軸部177aの一側にコ−ンフランジ176より若干小径のカムフランジ177を突設している。
また、前記カムフランジ178はカムフランジ177と同径で若干肉厚の板カムに形成され、そのロックピン173と同軸上に円形の軸部178aが形成され、該軸部178aのカムフランジ177と反対側位置にカムフランジ178を突設している。
図中、178bは軸部178aのカムフランジ178と反対側の周面を平坦に切欠いた切欠部で、前記ロック孔135,136の口縁部との接触を防止している。
前記大径部175の軸端に凹溝179が形成され、該凹溝179にドライバ−の工具、コイン等と係合し、暗証情報入力および暗証情報変更時に組み立て位置から180°回動して位置決付けされている。
図中、180は大径部175の軸端に凹溝179と直交位置に形成した暗証表示スリットで、該スリット180をカバ−プレ−ト108の内側に水平に配置して、暗証情報入力を表示可能にし、前記スリット180をカバ−プレ−ト108の外側に水平に配置して、非暗証情報入力を表示可能にしている。
前記カバ−プレ−ト108のロックピン孔160の外側の開口縁部に、1〜0の10個の数字と、AおよびBの2つのアルファベットからなる暗証情報表示S3が刻設され、該表示S3によって押しボタン26に対応するロックピン173の暗証情報を視認可能にしている。
図中、S4は前記カバ−プレ−ト108のロックピン孔160の開口縁部に刻設したC字からなるクリアボタン表示で、前記暗証情報表示S3と相違している。
前記クリアピン181は真鍮または亜鉛合金ダイカストによって略軸状に形成され、その一端を前記クリアボタン111内部のボタンワッシャ113に挿入し、他端を前記クリアピン支持孔163に回動可能に挿入している。
前記クリアピン181の中間部の一部周面にテーパフランジ182が突設され、そのテーパ面182aを前記テーパ面157aに係合可能に配置していて、例えばロックピン173に対する暗証情報の誤操作時にクリアボタン111を押圧し、駆動カムの回動を要することなくリセット板107を上動可能にしている。
そして、前記リセット板107の上動によって、リセットバネ155の端部をロックピン173から離間させ、その係合力を低下させて、ロックスプリング162の弾性によりロックピン173を原位置に復帰可能にしている。
前記レバ−ハンドル27の基端部に角柱状のハンドル軸183が突設され、該ハンドル軸183はレバ−ハンドル27に対し過負荷時に空転可能に連結され、その先端部にハンドル取付座184と座金185を介して、ケースハウジング104の下部のハンドル挿入孔186に挿入されている。
前記ケースハウジング104の内側から突出したハンドル軸183に座金187,188が挿入され、該ハンドル軸183の先端部に捩りバネ189を介して、前述の駆動カム190が回動可能に取付けられている。
前記捩りバネ189の一端はケースハウジング104に掛け止められ、他端が駆動カム190に掛け止められ、その弾性によって駆動カム190を原位置に復帰回動可能に取付けている。
前記駆動カム190は亜鉛合金ダイカストによって円筒状に成形され、その上端部に平坦部190aが形成され、該平坦部190aに前記ロックプレ−ト106の屈曲片142と、リセット板107の張出片156を背中合わせに係合可能に収容している。
前記駆動カム190の内側に段付きの角孔191が形成され、該角孔191に角板192が係合して装着されている。
前記角板192の内部に通孔193が形成され、また角板192の先端部周面に通孔193に連通するピン孔194が形成され、該ピン孔194にピン195が挿入され、その先端が角芯棒29の端部のピン孔196に差し込まれている。
このように構成した引戸錠は、内外に配置した引き違い戸である引戸8,9と、引戸8,9に組み込むラッチ制御ボックスL1,L2と、屋内側の引戸8に取付ける室内座24と、屋外側の引戸8に取付ける錠前25であるボタン錠と、から構成され、これらの製作を要する。
このうち、引戸8,9は互いに開閉可能な定型寸法の引き違い戸からなり、その相対する一対の縦枠11,17を非磁性部材であるアルミサッシによって角管状に構成し、その対向面の中高位置に角穴39,40を形成し、その上下位置にネジ孔41,42、43,44を形成し、裏面側に通孔35,36、37,38を形成する。
前記ラッチ制御ボックスL1,L2は、前記角穴39,40に収容するボックス本体45,46と、該ボックス本体45,46の開口側に配置するフロント板47,48を備えている。
このうち、ボックス本体45,46は非磁性部材であるステンレス鋼板をプレス成形し、その有定箱形の底部に通孔49,50、51,52を形成し、左右の開口縁部の上部に枢支溝65,66を形成し、上下のフランジ板53〜56にネジ孔57,58、59,60を形成する。
また、前記フロント板47,48は非磁性部材であるステンレス鋼板をプレス成形し、その中間部に角孔67,68を形成し、その左右両側に係止片69,70を内側に屈曲して対向配置し、該角孔67,68の上下位置にビス孔71,72、73,74と軸孔75,76を形成する。
前記ラッチ制御ボックスL1,L2は、内部にカム軸77,78を回動自在に支持し、該カム軸77,78にラッチキャッチ83とラッチロック84を回動自在に支持し、それらの下端部に互いに吸着可能なマグネット90,102を備えている。
このうち、カム軸77,78は非磁性部材である亜鉛合金ダイカストによって略中空筒状に成形し、その内側に角芯棒28,29を挿入可能な角孔79,80を形成し、外周面の一端に略扇形のカム81,82を成形する。
前記ラッチキャッチ83とラッチロック84は、非磁性部材である亜鉛合金ダイカストによって、側面形状が略逆L形状または略Z字形状に成形し、それらの上端部に凹状曲面の係合溝86,97を成形し、その一側端部に一対の係止爪85a,96aを突設し、他側端部に枢軸87,98を突設する。
また、前記ラッチキャッチ83とラッチロック84の中間部に略縦長矩形の長孔88,99を成形し、その直上に凹孔94,104を成形し、下端部に矩形の凹孔89と円形の凹孔100を成形する。
前記マグネット90,102は矩形板状または円筒状に成形し、その吸着面を大小異形の矩形または円形に形成し、その表面にビス孔を形成する。
このようにして加工寸法のバラツキと組み付け誤差を補償し、吸着面の位置ずれを軽減するとともに、マグネット90,102の吸着面に異極性の磁極を確実に配置するようにする。
このような構成部品を用いてラッチ制御ボックスL1,L2を組立てる場合は、先ずラッチキャッチ83の凹孔89にマグネット90を挿入し、その吸着面に形成したビス孔にビス91を挿入し、これをビス孔93にねじ込んでマグネット90を取付ける。
同様に、ラッチロック84の凹孔100にマグネット102を挿入し、その吸着面に形成したビス孔にビス103を挿入し、これをビス孔101にねじ込んでマグネット102を取付ける。
次に、ボックス本体45の通孔49にカム81を上向きにしてカム軸77の一端を挿入し、該カム軸77を前記ラッチキャッチ83の係合溝86に係合し、またラッチキャッチ83の枢軸87,87をボックス本体45の枢支溝65,65に掛け止め、バネ受94にラッチスプリング95を挿入する。
そして、ボックス本体45のフランジ板53,54にフロント板47を位置付け、カム軸77の他端をフロント板47の軸孔75に挿入し、かつラッチスプリング95の一端をフロント板47の裏面に着座させたところで、ビス孔71,72にビス61,62を挿入し、これをネジ孔57,58にねじ込んで、ラッチ制御ボックスL1を組立てる。
組立て後の状況は例えば図15のようで、ビス止めされたボックス本体45とフロント板47の内部にカム軸77が回動可能に支持され、該カム軸77の回動を許容してラッチキャッチ83が枢軸87を支点に回動可能に支持されている。
前記ラッチキャッチ83は、常時はラッチスプリング95の弾性によってボックス本体45の内側へ斜状に配置され、マグネット90の吸着面が角孔67の後方に位置し、その他側端部がボックス本体45の底面に係合可能に近接し、また係止爪85a,85aがカム81の両側端部の下方に離間して位置し、それらの係合を解除している。
次に、ボックス本体46の通孔51にカム82を下向きにしてカム軸78の一端を挿入し、該カム軸78に前記ラッチロック84の係合溝97を係合し、またラッチロック84の枢軸98,98をボックス本体46の枢支溝66,66に掛け止め、バネ受104にラッチスプリング105を挿入する。
そして、ボックス本体46のフランジ板55,56にフロント板48を位置付け、カム軸78の他端をフロント板48の軸孔76に挿入し、かつラッチスプリング105の一端をフロント板48の裏面に着座させたところで、ビス孔73,74にビス63,64を挿入し、これをネジ孔59,60にねじ込んで、ラッチ制御ボックスL2を組立てる。
組立て後の状況は例えば図15のようで、ビス止めされたボックス本体46とフロント板48の内部にカム軸78が回動可能に支持され、該カム軸78の回動を許容してラッチロック84が枢軸98を支点に回動可能に支持される。
前記ラッチロック84は、常時はラッチスプリング105の弾性によってボックス本体46の内側へ斜状に位置付けられ、マグネット90の吸着面が角孔68の開口部に位置し、その他側端部がボックス本体46の底面に係合可能に位置し、また係止爪96a,96aがカム82の両側端部の上方に離間して位置し、それらの係合を解除している。
前記室内座24を亜鉛合金ダイカストによって縦長の板状に成形し、その上下端部にパイプネジ31,33を突設し、下端部にレバ−ハンドル30の先端部を回動可能に取付ける。
また、錠前25としてのボタン錠は、ケースハウジング104とカバ−プレ−ト108の長さを従来よりも小形化し、これらを内外に配置し、その内部にボタン押え105とロックプレ−ト106とリセット板107を積層配置し、かつそれらの間にボタン26とクリアボタン111、ボタンワッシャ112,113とロックピン173、クリアピン181等を組み付け、また下部に駆動カム190を組み付け、上下端部にパイプネジ31,33を突設したところで、ケースハウジング104とカバ−プレ−ト108とをビス止めする。
そして、ケースハウジング104の外側からレバ−ハンドル27を取付け、該ハンドル27の上端部に突設した角芯棒29を駆動カム190に挿入し、カバ−プレ−ト108の内側に突設する。この状況は図17乃至図20のようである。
この場合、錠前25を屋外側に取付けているが屋内側にも取付けることが可能であり、また錠前25は実施形態のようなボタン錠に限らず、種々のボタン錠を採用することができ、更にボタン錠の代わりにシリンダ錠を用いることも可能である。
その際、引戸8,9ないし縦枠11,17には、レバ−ハンドル27,30に連係する従来の本締錠の組み付けを要しないから、その分小形軽量化と低廉化を図れ、引戸の狭隘なスペ−スの取付けに容易に応じられる。
こうして各構成部品を製作し組立てたところで、これらを引戸8,9に取付ける。
その場合は、先ずラッチ制御ボックスL1,L2を引戸8,9の縦枠11,17に取付け、その後、縦枠11の屋内側面に室内座24を取付け、縦枠17の屋外側面に錠前25を取付ける。
そこで、ラッチ制御ボックスL1を引戸8の縦枠11に取付ける場合は、そのボックス本体45を縦枠11の外側に設けた角穴39に挿入し、該縦枠11の外面にフランジ板53,54を重合し、ビス61,62を縦枠11のネジ孔41,42にねじ込んで、ラッチ制御ボックスL1を縦枠11の内側に取付ける。
同様にラッチ制御ボックスL2を引戸9の縦枠17に取付ける場合は、そのボックス本体46を縦枠17の内側に設けた角穴40に挿入し、縦枠17の内面にフランジ板55,56を重合し、ビス63,64縦枠17のネジ孔43,44にねじ込んで、ラッチ制御ボックスL2を縦枠17の内側に取付ける。
次に、縦枠11の屋内側面に室内座24を取付ける場合は、縦枠11の屋内側面に室内座24を位置付け、室内座24から突設した角芯棒28を通孔35挿入し、該角芯棒28をボックス本体45の底面に開口したカム軸77の角孔79に係入する。
この後、パイプネジ31,33を縦枠11の屋内側面の通孔36および他の通孔(図示略)に挿入し、縦枠11の屋外側面の通孔(図示略)からビス34を挿入し、これをパイプネジ31,33にねじ込んで、縦枠11の屋内側面に室内座24を取付ける。
また、縦枠17の屋外側面に錠前25を取付ける場合は、先ず錠前25に暗証情報を入力して置く。前記暗証情報入力は、錠前25の裏面のカバ−プレ−ト108に開口したロックピン孔160に表出するロックピン173を回動することで行なう。
すなわち、ロックピン173は組み込み直後ないし暗証情報入力前は、暗証表示スリット180が外側に位置し、この状態から暗証情報入力するロックピン173を180°回動することで行なう。その際、カバ−プレ−ト108に刻設した暗証情報表示S1を基に、対応するロックピン173の凹溝179にドライバ等の工具を係合して回動する。
こうして暗証情報入力したロックピン173は、暗証表示スリット180がカバ−プレ−ト108の内側に位置し、前記スリット180の位置によって暗証情報入力の有無を視覚的に確認し得る。実施形態では6本のロックピン173に暗証情報(暗証番号)を「14580A」に入力しており、この状況を図31に示している。
このような暗証情報入力したロックピン173と、暗証情報入力しない非暗証情報入力のロックピン173の状況は図32乃至図34のようで、暗証情報入力したロックピン173のカムフランジ177がロックプレ−ト106のロック孔135または136に係入し、その一側端部が係合縁部138に係合してロックプレ−ト106の上動を阻止し、施錠状態を形成している。
その際、非暗証情報入力のロックピン173のカムフランジ177が、ロックプレ−ト106のロック孔135または136に係入し、その一側端部が係合縁部138から離間してロックプレ−ト106の上動を許容している。
次に、前記暗証情報入力した錠前25を縦枠17の外側面に取付ける場合は、縦枠17の屋外側面にカバ−プレ−ト108を位置付け、該カバ−プレ−ト108から突設した角芯棒29を通孔37に挿入し、これをボックス本体46の底面に開口したカム軸78の角孔80に係入する。
この後、パイプネジ31,33を縦枠17の屋外側面の通孔38および他の通孔(図示略)に挿入し、縦枠17の屋内側面の通孔(図示略)からビス32を挿入し、これをパイプネジ31,33にねじ込んで、縦枠17の屋外側面に錠前25を取付ける。
こうして引戸8の縦枠11の内側面に室内座24を取付け、また引戸9の縦枠17の外側面に暗証情報を入力した錠前25を取付け後、これらの引戸8,9をドア枠4〜7に取付ける。すなわち、引戸8を屋内側に取付け、引戸9を屋外側に取付ける。
すなわち、引戸8,9を内外に配置し、かつこれらを左右に移動可能に取付け、それらの閉扉時に一方の縦枠11,17を対向配置する。
この状況は図1乃至図4のようで、室内座24と錠前25は従来に比べ短小であるから体裁が良く、引戸8,9の狭隘なスペ−スの取付けに応じられる。
このように引戸8,9を取付け、縦枠11,17を対向配置すると、縦枠11,17に取付けたフロント板47,48の角穴67,68が対向して位置し、角穴67の後方のマグネット90と、角穴68の開口部のマグネット102とが対向し、互いに吸引し合う。
その際、前述のようにラッチキャッチ83のマグネット90の吸着面は角穴67の後方に位置し、ラッチロック84のマグネット102の吸着面は角穴68の開口部に位置しているから、縦枠11,17を僅かに離間させて容易に対向配置し得、引戸8,9を内外位置に容易に取付けられる。この状況は例えば図15のようである。
そして、前記引戸8,9の取付け後は、ラッチスプリング95の強さはラッチスプリング105に比べて非常に強く、またマグネット90,102の磁力に顕著な差異はないから、すなわち略同一であるから、ラッチロック84がラッチスプリング105の弾性に抗して枢軸98,98を支点にラッチキャッチ83側へ吸引移動し、マグネット102が角穴68を越えて角穴67の内側へ進入し、マグネット90の吸着面に吸着する。
この場合、マグネット90,102の中央に強磁性部材である鉄鋼製のビス91,103が取付けられているから、それぞれの磁力線はビス91,103に収束する磁界を形成し、磁力の拡散を防止する。この状況は図4のようである。
すなわち、図4の状況下では、ラッチロック84の下端部が角穴67の内側へ進入し、引戸8,9の開放を阻止するとともに、マグネット102がマグネット90に吸着してラッチロック84とラッチキャッチ83の協働関係を強化しているから、屋内のレバ−ハンドル30を回動操作し、または左右方向へ引き動かそうとしても、引戸8,9を開放することはできず、実質的な施錠状態を形成する。
その際、ラッチロック84の下端部が係止片69,70に係合可能に位置するから、施錠時におけるラッチロック84の位置が安定し、マグネット102,90の安定した吸着を促す。
しかも、図4の状況下では、前述のように錠前25に暗証情報が入力され、暗証入力したロックピン173がロックプレ−ト106の上動を阻止し、錠前25が施錠状態を形成するから、屋外のレバ−ハンドル27を回動操作することが出来ず、引戸9を開扉することができない。
したがって、前記図4の状況下では、錠前25の施錠状態とラッチロック84による施錠によって、引戸8,9の開放が強力に阻止される。
一方、このような施錠時においては、図4のようにラッチキャッチ83がラッチ制御ボックスL1内の前後方向に斜状に位置し、カム軸77がカム81を上向きにして水平に配置され、カム81の両側端部の直下に係止爪85a,85aの上端部が間隙δ離間して配置されている。この状況は図8(a)のようである。
また、図4のようにラッチロック84がラッチ制御ボックスL2内の上下方向に略垂直に位置し、カム軸78がカム82を下向きにして水平に配置され、カム82の両側端部の直上に係止爪96a,96aの下端部が間隙ε離間して配置されている。この状況は図8(b)のようである。
このような施錠時に、例えば屋内側から引戸8を開放する場合は、屋内側のレバ−ハンドル30を回動する。
前記レバ−ハンドル30を回動すると、該ハンドル30の先端の角芯棒28がこれに同動し、該角芯棒28を嵌合したカム軸77が回動する。
その際、レバ−ハンドル30の回動角度が間隙δの相当角度以下の場合は、係止爪85a,85aがカム81の両側端部に係合しないから、ラッチキャッチ83は枢軸87を支点に回動せず図4の状態を維持する。
この後、レバ−ハンドル30を前記間隙δの相当角度以上回動すると(δ<θ1<θ2)、カム82の回動方向側の端部が直下の係止爪85aに係合して押し下げ、その係合力によってラッチキャッチ83がラッチスプリング95に抗して、枢軸87を支点に図4上時計方向へ回動し、その下端部がマグネット90を介してマグネット102を押圧し、ラッチロック84をラッチ制御ボックスL2側へ押し動かす。この状況は図9(a),(b)のようである。
そして、レバ−ハンドル30を前記θ1以上回動すると(θ1<θ2)、カム81の回動方向側の端部が直下の係止爪85aに係合して更に押し下げ、その係合力によってラッチキャッチ83がラッチスプリング95に抗して、枢軸87を支点に図4上時計方向へ更に回動し、その下端部がマグネット90を介してマグネット102を押圧し、ラッチロック84をラッチ制御ボックスL2側へ更に押し動かす。この状況は図10(a),(b)のようである。
図示の場合は、ラッチキャッチ83がラッチ制御ボックスL2内の上下方向に略垂直に位置し、マグネット90の吸着面が角穴67の開口縁部に移動し、ラッチロック84のマグネット102の吸着面が角穴67の開口縁部に後退する。
この後、レバ−ハンドル30を前記θ2以上回動すると(θ2<θ3)、カム81の回動方向側の端部が直下の係止爪85aに係合して更に押し下げ、その係合力によってラッチキャッチ83がラッチスプリング95に抗して、枢軸87を支点に図4上時計方向へ更に回動し、その下端部がマグネット90を介してマグネット102を押圧し、ラッチロック84をラッチ制御ボックスL2側へ更に押し動かす。この状況は図11(a)および図12のようである。
この状況は、ラッチキャッチ83の下端部が角穴67の外側に突出し、そのマグネット90の吸着面が角穴67の開口縁部に移動し、ラッチロック84が更に押し動かされて後退し、ボックス本体46の底部内面に係合可能に近接するとともに、マグネット102の吸着面が角穴68の開口縁部に後退している。
したがって、図12の状況では角穴67から後退したラッチロック84のマグネット102にラッチキャッチ83のマグネット90が吸着し、ラッチロック84とラッチキャッチ83の係留関係が維持されているが、ラッチロック84の下端部は角穴67から後退しているから、引戸8に対する実質的な係留関係は解除され、解錠状態を形成している。
そこで、レバ−ハンドル30の前記回動角度を維持し、またはθ4へ若干回動し、該レバ−ハンドル30をマグネット90,102の吸着力に抗して引戸8の開方向に引き動かすと、マグネット90がマグネット102の吸着面を滑動して互いに引き離され、引戸8が開放される。
こうして引戸8が開扉されると、ラッチキャッチ83はラッチスプリング95の弾性によって枢軸87を支点に図12上反時計方向へ回動し、ラッチ制御ボックスL1内の前後方向に斜状に位置して静止し、マグネット90が角穴67の後方に位置する。
また、ラッチロック84はラッチスプリング105の弾性によって図12の解錠時と略同様の状態を維持し、マグネット102の吸着面が角穴68の開口部に位置する。この状況は図15および図16(a)のようである。
したがって、この後、引戸8の開放スペ−スから人の出入りが可能になる。
一方、引戸8の開放後、適宜な把持部を利用して引戸8を外側から閉扉すると、引戸8,9の縦枠11,17が対向し、該縦枠11,17に取付けたフロント板47,48の角穴67,68が対向して、角穴67の後方のマグネット90と、角穴68の開口部のマグネット102とが互いに吸引し合う。
その際、前述のようにラッチキャッチ83のマグネット90の吸着面は角穴67の後方に位置し、ラッチロック84のマグネット102の吸着面は角穴68の開口部に位置しているから、引戸8,9を容易に開閉し得る。
こうして、マグネット90,102を対向させると、前述のようにラッチスプリング95の強さはラッチスプリング105に比べて非常に強く、またマグネット90,102の磁力に顕著な差異はないから、すなわち略同一であるから、ラッチロック84がラッチスプリング105の弾性に抗して枢軸98,98を支点にラッチキャッチ83側へ吸引移動し、マグネット102が角穴68を越えて角穴67の内側へ進入し、マグネット90の吸着面に吸着する。
この状況は図4のようで、この状況下ではラッチロック84の下端部が角穴67の内側へ進入し、引戸8,9の開放を阻止するとともに、マグネット102がマグネット90に吸着してラッチロック84とラッチキャッチ83の協働関係を強化しているから、屋内のレバ−ハンドル30を回動操作し、または左右方向へ引き動かそうとしても、引戸8,9を開放することはできず、実質的な施錠状態を形成する。
その際、ラッチロック84の下端部が係止片69,70に係合可能に位置するから、施錠時におけるラッチロック84の位置が安定し、マグネット102,90の安定した吸着を促す。
すなわち、引戸8の閉扉後に自動的に施錠され、内外からの引戸8,9の開放が阻止され、安全性が確保される。
一方、引戸8,9の施錠時に、例えば屋外側から引戸9を開放する場合は、先ず屋外側に設けた錠前25を解錠する。
前記錠前25を解錠する場合は、錠前25に暗証情報入力した暗証情報に対応するボタン26を押圧操作する。実施形態では錠前25に「14580A」の暗証情報を入力しており、該暗証情報に対応するロックピン173を暗証情報表示S1を基にボタン26を介して押圧する。
例えば暗証情報「1」に対応するボタン26を押圧すると、そのフランジ部がボタンワッシャ112に係合し、該ボタンワッシャ112がロックピン173の上端部に係合して、該ロックピン173をボタンスプリング116とロックスプリング162の弾性に抗して押し下げる。
このため、コーンフランジ176がその縮径側に係合するリセットバネ155の端末部を押し開いて、ロックピン173を軸方向へ押し下げ、該リセットバネ155がコーンフランジ176の大径側の段部に係合して、ロックピン173の押下げ姿勢を保持する。
その際、カムフランジ178がロックプレ−ト106のロック孔136に係入し、この他側のカムフランジ177がリセット板107のロックピン孔148に係入する。この状況は図35のようである。
また、例えば暗証情報「8」に対応するボタン26を押圧すると、そのフランジ部がボタンワッシャ112に係合し、該ボタンワッシャ112がロックピン173の上端部に係合して、該ロックピン173をボタンスプリング116とロックスプリング162の弾性に抗して押し下げる。
このため、コーンフランジ176が縮径側に係合するリセットバネ155の端末部を押し開いて、ロックピン173を軸方向へ押し下げ、該リセットバネ155がコーンフランジ176の大径側の段部に係合して、ロックピン173の押下げ姿勢を保持する。
その際、カムフランジ178がロックプレ−ト106のロック孔135に係入し、この他側のカムフランジ177がリセット板107のロックピン孔148に係入する。この状況は図36のようである。
以後、同様の要領で他の暗証情報「4」、「5」、「0」、「A」に対応するボタン26を押圧し、対応するロックピン173を押し下げる。
なお、解錠操作時にボタン26を押し間違えた場合、つまり非暗証入力のボタン26を押圧した場合は、そのキャンセルないし訂正操作として、クリアボタン111を押圧し、その拡径縁部111aを介しクリアボタンワッシャ113を押圧し、該ボタンワッシャ113に係合するクリアピン181を押し下げる。
そして、クリアピン181に突設したテーパフランジ182のテーパ面182aを、クリアピン挿入孔157のテーパ面157aに係合かつ押圧し、リセット板107をリセットバネ159に抗して上方へ、図39上では左方へ移動させる。
このようにすると、リセットバネ155がリセット板107と同動し、その端部がロックピン173ないしコーンフランジ176から離間し、それらの係合を解除するため、各ロックピン173がロックスプリング162によってボタンバネ116に抗して押し上げられ、コーンフランジ176の小径部側にリセットバネ155が係合し、誤操作したボタン26のロックピン173が非暗証入力時の原状を回復するとともに、適正に操作したボタン26のロックピン173が暗証入力時の原状を回復する。
したがって、この後、暗証入力情報に基いて、再度、ボタン26を押圧し、解錠操作する。
こうして暗証情報「14580A」に対応するボタン26ないしロックピン173を押圧すると、ロックプレ−ト106の1列目の「8」、「0」に対応するロック孔135に、カムフランジ178がカムフランジ177の代わりに反転状態で係入し、該カムフランジ178が同列のロック孔135のカムフランジ177と同様に位置する。
この状況は図37のようで、カムフランジ177およびカムフランジ178の一側端部がロック孔135の上部の突起139に係合し、それらの他側端部が係合縁部138から離間してロックプレ−ト106の上動を許容している。
また、ロックプレ−ト106の2列目の「1」、「4」、「0」、「A」に対応するロック孔136に、カムフランジ178がカムフランジ177の代わりに反転状態で係入し、該カムフランジ178が同列のロック孔136のカムフランジ177と同様に位置する
この状況は図37のようで、カムフランジ177およびカムフランジ178の一側端部がロック孔136の上部の突起139に係合し、それらの他側端部が係合縁部138から離間して、ロックプレ−ト106の上動を許容している。
したがって、このような状況ではレバ−ハンドル27の回動が可能になり、錠前25の解錠状態が形成される。
前記錠前25の解錠後、例えば屋外側から引戸9を開放する場合は、屋外側のレバ−ハンドル27を回動する。
前記レバ−ハンドル27を回動すると、該ハンドル27の先端の角芯棒28がこれに同動し、該角芯棒28を嵌合したカム軸78が回動する。
その際、レバ−ハンドル27の回動角度が間隙εの相当角度以下の場合は、係止爪96a,96aはカム82の両側端部に係合しないから、ラッチロック84は枢軸98を支点に回動せず図4の状態を維持する。
この後、レバ−ハンドル27を前記間隙εの相当角度以上回動すると(ε<φ1<φ2)、カム82の回動方向側の端部が直上の係止爪96aに係合して押し上げ、その係合力によってラッチロック84がラッチスプリング105に抗して、枢軸98を支点に図4上時計方向へ回動し、その下端部が角穴68から後退し、マグネット102にマグネット90を吸着してラッチキャッチ83をラッチ制御ボックスL2側へ引き寄せる。この状況は図13(a),(b)のようである。
そして、レバ−ハンドル27を前記φ1以上回動すると(φ1<φ2)、カム82の回動方向側の端部が直上の係止爪96aに係合して更に押し上げ、その係合力によってラッチロック84がラッチスプリング105に抗して、枢軸98を支点に図13上反時計方向へ更に回動し、その下端部が角穴68から更に後退し、マグネット102にマグネット90を吸着してラッチキャッチ83をラッチ制御ボックスL2側へ引き寄せる。この状況は図14(a),(b)のようである。
図示の場合は、ラッチキャッチ83がラッチ制御ボックスL1内の上下方向に略垂直に位置し、そのマグネット90の吸着面が角穴67の開口縁部に位置し、ラッチロック84のマグネット102の吸着面が角穴67の開口縁部に後退する。
この後、レバ−ハンドル27を前記φ2以上回動すると(φ2<φ3)、カム82の回動方向側の端部が直上の係止爪85aに係合して更に押し上げ、その係合力によってラッチキャッチ83がラッチスプリング105に抗して、枢軸98を支点に図14上反時計方向へ更に回動し、その下端部が角穴68から後退し、ラッチロック84をラッチ制御ボックスL2側へ更に押し動かす。この状況は図11(a)および図12のようである。
この状況は、ラッチキャッチ83の下端部が角穴67の外側に突出し、そのマグネット90の吸着面が角穴68の開口部から後退し、マグネット102にマグネット90を吸着してラッチキャッチ83をラッチ制御ボックスL2側へ引き寄せる。この状況は図11(a)および図12のようである。
したがって、図12の状況では角穴68から後退したラッチロック84のマグネット102にラッチキャッチ83のマグネット90が吸着し、ラッチロック84とラッチキャッチ83の係留関係が維持されているが、ラッチロック84の下端部は角穴68から後退しているから、引戸9に対する実質的な係留関係は解除され、解錠状態を形成している。
そこで、レバ−ハンドル27の前記回動角度を維持し、またはφ4へ若干回動し、該レバ−ハンドル27をマグネット90,102の吸着力に抗して引戸9の開方向へ引き動かすと、マグネット102がマグネット90の吸着面を滑動して互いに引き離され、引戸9が開放される。
こうして引戸9が開扉されると、ラッチロック84はラッチスプリング105の弾性によって図12の解錠時と略同様の状態を維持し、マグネット102の吸着面が角穴68の開口部に位置する。
また、ラッチキャッチ83はラッチスプリング95の弾性によって枢軸87を支点に図12上反時計方向へ回動し、ラッチ制御ボックスL1内の前後方向へ斜状に位置して静止し、マグネット90が角穴67の後方に位置する。この状況は図15および図16(b)のようである。したがって、この後、引戸9の開放スペ−スからの出入りが可能になる。
一方、このようにレバ−ハンドル27を開扉回動すると、駆動カム190の平坦面190aの端部がロックプレ−ト106の屈曲片142に係合し、ロックプレ−ト106をロックバネ147に抗して押し上げる。
そして、ロックピン173のカムフランジ177,178がロック孔135,136の開口縁部135a,136aに係合して、ロックプレ−ト106の上動が阻止される。
また、レバ−ハンドル27を前述のように開扉回動し、駆動カム190を同動させると、該駆動カム190の平坦面190aに載置した張出片156を介して、リセット板107がリセットバネ159に抗して押し上げられる。
このため、リセットバネ155がリセット板107と同動し、その端末部がロックピン173ないしコーンフランジ176から離間し、それらの係合を解除する。
そして、各ロックピン173がロックスプリング162によってボタンバネ116に抗して押し上げられ、コーンフランジ176の小径部側にリセットバネ155が係合し、各ロックピン173が暗証入力時の原状を回復する。
したがって、この後、レバ−ハンドル27を原位置に復帰回動し、引戸9を閉鎖しても錠前25の暗証入力情報が維持され、その施錠状態を形成可能になる。
一方、引戸9の開放後、該引戸9を外側から閉扉すると、引戸8,9の縦枠11,17が対向し、該縦枠11,17に取付けたフロント板47,48の角穴67,68が対向して、角穴67の後方のマグネット90と、角穴68の開口部のマグネット102とが互いに吸引し合う。
その際、前述のようにラッチロック84のマグネット102の吸着面は角穴68の開口部に位置し、ラッチキャッチ83のマグネット90の吸着面は角穴67の後方に位置しているから、引戸8,9を容易に開閉し得る。
こうして、マグネット90,102を対向させると、前述のようにラッチスプリング95の強さはラッチスプリング105に比べて非常に強く、またマグネット90,102の磁力に顕著な差異はないから、すなわち略同一であるから、ラッチロック84がラッチスプリング105の弾性に抗して枢軸98,98を支点にラッチキャッチ83側へ吸引移動し、マグネット102が角穴68を越えて角穴67の内側へ進入し、マグネット90の吸着面に吸着する。
この状況は図4のようで、ラッチロック84の下端部が角穴67の内側へ進入し、引戸8,9の開放を阻止するとともに、マグネット102がマグネット90に吸着してラッチロック84とラッチキャッチ83の協働関係を強化しているから、屋外のレバ−ハンドル27を回動操作し、または左右方向へ引き動かそうとしても、引戸8,9を開放することはできず、実質的な施錠状態を形成する。
その際、ラッチロック84の下端部が係止片69,70に係合可能に位置するから、施錠時におけるラッチロック84の位置が安定し、マグネット102,90の安定した吸着を促す。すなわち、引戸9の閉扉後、自動的に施錠され、内外からの引戸8,9の開放が阻止される。
なお、錠前25のボタン錠の暗証情報は、長期間の使用によって察知される惧れがあるため、定期的に変更することが望ましい。
その場合は、引戸9から錠前25を取外し、カバ−プレ−ト108の裏面に表出したロックピン173のうち、新たな暗証情報に対応するロックピン173の暗証表示スリット180を前記プレ−ト108の内側に位置付け、それ以外のロックピン173は、暗証表示スリット180を前記プレ−ト108の外側に位置付ける。この変更作業は暗証情報入力時と同様の要領で行ない、暗証情報変更後、錠前25を引戸9に取付ければ良い。
このように本発明による引戸錠は、従来の本締錠を要することなく、部品点数を低減し構成の簡潔化して、小形軽量化と低廉化並びに体裁の向上を図り、しかも閉扉時の自動施錠を速やかに実現して、使用上の利便性と安全性を向上し得るものである。
図44乃至図55は本発明の他の実施形態を示し、前述の実施形態の構成と対応する構成部分に同一の符号を用いている。
このうち、図44は本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態は屋外側の引戸9にラッチ制御ボックスL1を設け、その内部にラッチキャッチ83を配置し、屋内側の引戸8にラッチ制御ボックスL2を設け、その内部にラッチロック84を配置し、多様な取付けに対応可能にしている。
図45および図46は本発明の第3の実施形態を示し、この実施形態は引き違い戸の代わりに、単一の引戸9の開閉に本発明を適用している。
すなわち、引戸9の閉扉時における縦枠17の内側の対向位置に、前記縦枠11と同様な支持枠205を不動に立設し、該支持枠205にラッチ制御ボックスL1を前述同様に設け、制御ボックスL1に回動軸77を回動可能に支持し、該回動軸77の角孔79に、支持枠205の内側からレバ−ハンドル30の先端部と同軸の角芯棒28を嵌合し、縦枠17にラッチ制御ボックスL2を前述同様に設けている。図中、206はレバ−ハンドル30の抜け止め用の止輪である。
そして、引戸9の閉扉時にラッチロック84を角穴67の内側に突出して施錠状態を形成し、引戸9の閉鎖状態を拘束するとともに、屋内側のレバ−ハンドル30を回動して前述のように解錠し、解錠後は引戸9の内側の手掛け部(図示略)を利用して、引戸9を屋内側から開放可能にしている。
一方、引戸9を屋外側から開放する場合は、前述のように錠前25を解錠し、解錠後、屋外側のレバ−ハンドル27を回動して引戸9を開放可能にしている。
図47乃至図49は本発明の第4の実施形態を示し、この実施形態は屋外側の引戸9に設けた錠前25として、ボタン錠の代わりにシリンダ錠を使用し、容易かつ低廉に製作し得るようにしている。
すなわち、屋外側の引戸9の縦枠17の中高位置にシリンダ錠を取付け、その内側のシリンダケース197にシリンダ198を回動可能に設け、該シリンダ198の内部に設けたキー孔199にキ−200を差し込み、シリンダ198を回動可能にしている。
前記シリンダ198の後端部は角形に形成され、この角形部198aにシリンダプラグ201の角穴202が嵌合している。前記シリンダプラグ201の後部に軸筒部203が突設され、該軸筒部203の内部に角孔204が形成され、該角孔204に角芯棒29が嵌合している。
すなわち、キ−200をキー孔199に差し込んでシリンダ198を回動し、軸筒部203内に嵌合した角芯棒29を回動し、その回動力をカム軸78に伝達可能にしている。
図中、207はシリンダ錠の直下に設けた凹状の引手である。
50乃至図55は本発明の第5の実施形態を示し、この実施形態はラッチキャッチ83とラッチロック84の強度を強化するとともに、これらとカム軸77,78との係合強度を強化し、更にラッチロック84と角孔67との係合を確実かつ強化し、施錠時における防御能力を強化している。
すなわち、この実施形態は、前述の実施形態に比べボックス本体45,46の上下寸法を大形化し、具体的にはパイプネジ31,33より下方の寸法を長尺にするとともに、角孔67,68の上下寸法を大形化している。
また、ラッチキャッチ83とラッチロック84の係合溝86,97を、凹状曲面の代わりに中空筒状に構成し、その筒状内部にカム軸77,78を係合可能に挿入し、係合溝86,97の強度を強化するとともに、ラッチキャッチ83とラッチロック84の揺動によるカム軸77,78からの離脱を阻止し、カム軸77,78との係合関係を確実かつ強化するようにしている。
図中、208はラッチロック84の下端部に下方に突出成形したテ−ルで、両側を開口し、その中間部を支持枠で補強していて、直下のフック209に係合可能に配置されている。
前記フック209はステンレス鋼板をプレス成形して略Z字形断面に成形され、その両端部に第1係止片210と第2係止片211とが反対方向に略直角に屈曲して形成され、一方の第1係止片210がボックス本体45の下端部に配置され、角孔67の開口縁と係合可能に配置されていて、他方の第2係止片211がボックス本体46の下端部に配置されている。
前記フック209の第2係止片211寄りの両側に略半月状の一対の支持板212が対向して突設され、該支持板212に軸孔213が形成され、該軸孔213に後述の枢軸を挿入している。
一方、ボックス本体45,46の両側片の下端部に通孔214が形成され、この一方の通孔214、実施形態では引戸9側に配置したボックス本体45の通孔214にステンレス鋼線製の枢軸215が挿入され、該枢軸215を中心にフック209を回動可能に支持している。
前記枢軸215に捩りバネであるステンレス鋼線製のフックスプリング216が装着され、該スプリング216の一端をボックス本体46の下端部内面に係合し、その他端をフック209の下面に係合し、その弾性によってフック209を枢軸215を中心に外側へ回動可能に付勢し、該フック209の上面をテ−ル208の下端部に係合可能にしている
この実施形態の施錠時におけるラッチキャッチ83とラッチロック84の基本的な作動は、前述の実施形態と同様である。
すなわち、前記ラッチキャッチ83は、ラッチスプリング95の弾性によって枢軸87を支点に引戸8の内側へ回動し、下端部のマグネット90が角孔67の後方、つまりボックス本体45内に位置して、ラッチキャッチ83の大半部が引戸8内に斜状に位置している。
前記ラッチキャッチ83の下端部は、ボックス本体45の内面に係合可能に位置して回動角度を規制され、前記マグネット90に吸着するラッチロック84の姿勢を維持するようにしている。
一方、屋外側のレバ−ハンドル27は施錠時に垂直状態に置かれ、該ハンドル27に連係するカム軸78とカム82、角芯棒29が回動角度0°状態に置かれ、カム82の両端部が係止爪96aと離間し、それらの係合を解除可能にしている。
そして、ラッチロック84の下端部のマグネット102が、ラッチスプリング105の弾性に抗してラッチキャッチ83のマグネット90に吸着し、前記マグネット102が角孔67の後方に突出し、角孔67の開口縁と内側の係止片69,69とに係合可能に位置して、引戸8,9の移動ないし開閉を阻止し施錠状態を形成可能にしている。この状況は図50および図54(a)のようである。
その際、フック209は、フックスプリング216の弾性によって枢軸215を中心に引戸9側へ回動可能に付勢され、その上面が引戸8側に斜め上向きに位置してテ−ル208の下端部に接触し、ラッチロック84の静止を促している。
実施形態では施錠時におけるラッチロック84の静止位置を、テ−ル208とカバ−本体46との交角αを15°に設定している。
前記引戸8,9間に亘ってフック209が掛け渡され、一方の第1係止片210が引戸8側に位置して、角孔67の開口縁の直後に離間して配置され、他方の第2係止片211がテ−ル208の下端部から離間して上向きに突出している。
このような施錠状態から解錠する場合は、前述のように屋内側または屋外側から実行可能にされ、屋内側からはレバ−ハンドル30を回動操作することによって解錠可能にされ、屋外側からは錠前25の解錠操作後、レバ−ハンドル27を回動操作することによって解錠可能にされ、これらの解錠操作においてラッチキャッチ83とラッチロック84とが協働可能に構成されている。
このうち、屋内側から解錠する場合は、屋内側のレバ−ハンドル30を回動操作し、これに角芯棒28とカム軸77を同動させてカム81を回動し、かつ係止爪85aを押し下げて、枢軸87を支点にラッチキャッチ83を図54(a)上時計方向へ回動し、マグネット90の吸着面を引戸8,9の間に表出して解錠可能にする。
前記ラッチキャッチ83の回動に伴ない、マグネット90に吸着したマグネット102を介し、ラッチロック84が枢軸98を支点に同方向へ押し動かされ、その下端部とテ−ル208の一端面がボックス本体46の奥部内面に係合して静止する。したがって、テ−ル208とカバ−本体46との交角αは0°である。
この状況は図54(b)のようで、この解錠時はマグネット102の吸着面が引戸8,9の間に表出し、該マグネット102にマグネット90の吸着面が略垂直に位置している
その際、前記ラッチロック84の回動によって、テ−ル208の下端部がフック209の第2係止片211に係合し、該フック209がフックスプリング216の弾性によって、枢軸215を中心に図54(a)上反時計方向へ回動して起立し、その上半部をテ−ル208の他端面に係合し、該テ−ル208をカバ−本体46の奥部内面に押圧して保持する。
一方、屋外側から解錠する場合は、錠前25の解錠後、屋外側のレバ−ハンドル27を回動操作し、これに角芯棒29とカム軸78を同動させてカム82を回動し、かつ係止爪96aを押し上げて、ラッチロック84を枢軸98を支点に図54(a)上時計方向へ回動し、マグネット90の吸着面を引戸8,9の間に突出して解錠可能にする。その際のフック209の作動は前述と同様である。
前記解錠後、内または外側のレバ−ハンドル30,27を保持し、引戸8または引戸9を開方向へ引き動かせば開扉可能になる。
例えば外側のレバ−ハンドル27を保持し、引戸9を開方向、つまり図1上左方向へ引き動かすと、マグネット102がマグネット90の吸着面を摺動して引き離され、マグネット90の磁界から解放される。
その際、ラッチロック84は、ラッチスプリング105の弾性による枢軸98の周りのモ−メントと、ラッチロック84の重量による枢軸98の周りのモ−メントとが拮抗しているため、解錠時と同様な状態を保持する。
この場合、引戸9を図1上左方向へ引き動かす代わりに、引戸8を図1上右方向へ引き動かしても良い。
一方、ラッチキャッチ83は、マグネット90がマグネット102の磁界から解放され、ラッチスプリング95の弾性によって枢軸87を支点に図54(b)上反時計方向へ回動してマグネット102から離反し、ラッチキャッチ83の重量による枢軸87の周りのモ−メントと拮抗したところで回動を停止し、この状態を保持する。
この場合、ラッチキャッチ83が前述のように回動し、マグネット90がマグネット102から離反しても、これが専らラッチスプリング95の弾性によるため、ラッチロック84は解錠時と同様な状態を維持し、フック209に保持される。
この後、引戸9を全開することによって開扉状況が形成され、人の出入りが可能になる この状況は図54(c)のようである。
この状況は内側のレバ−ハンドル30を保持し、引戸8を開方向へ引き動かして開放する場合も同様である。
こうして、引戸9を開放後、引戸9を閉鎖する場合は、例えばレバ−ハンドル27を保持し、引戸9を閉方向、つまり図1上右方へ引き動かす。
このようにすると、縦枠17が内側の引戸8の縦枠11の対向位置に移動し、マグネット102,90の磁界が互いに影響し合い、それらの磁力が復活して、弾性の小さなラッチスプリング105を備えたラッチロック84がマグネット90に吸引され、枢軸98を支点に図54(c)上反時計方向へ回動し、テ−ル208がフック209を後方へ押圧する。
このため、フック209がフックスプリング216の弾性に抗して枢軸215を支点に図54(c)上時計方向へ回動し、閉扉開始直後はラッチロック84がカバ−本体46の奥部から離間し、第1係止片210が引戸8の角孔67内に進入する。
この状況は図54(d)のようで、テ−ル208とカバ−本体46との交角αが5°の状況を示している。
この後、ラッチロック84がマグネット90側へ吸引移動し、フック209が更に同方向へ回動して略水平状態を回復し、その第2係止片211がテ−ル208の下端部に係合する。
この状況は図54(e)のようで、テ−ル208がカバ−本体46の奥部から更に離間し、テ−ル208とカバ−本体46との交角αが10°に形成されている。
この後、ラッチロック84がマグネット90側へ更に吸引移動し、テ−ル208の下端部がフック209上を引戸8側へ移動し、マグネット102がラッチキャッチ83のマグネット90に吸着して、図4および図54(a)と同様な施錠状態を形成する。
前記施錠時には、テ−ル208とカバ−本体46との交角αが15°に形成される。
このように、この実施形態はラッチロック84の下端部にテ−ル208を突設し、一方の引戸9の制御ボックスL2にフック209を回動可能に設け、テ−ル208の下端部をフック209に回動可能に配置して、ラッチキャッチ83とラッチロック84との近接離反動を円滑かつ正確に行なえるようにしている。
一方、この実施形態は、施錠時における種々の不正操作ないし悪戯に有効に対応し、高い防御能力を得られる。
例えば図55(a)のように外側の引戸9が不正に外側へ引張られて同方向へ変位し、或いは同時に内側の引戸8が不正に内側へ押圧されて同方向へ変位し、引戸8,9の隙間eが所定値以上に拡大した場合、フック209が引戸9に同動して第1係止片210が角孔67の開口縁に係合し、引戸9の外側への変位を阻止する。
したがって、引戸9または8の不正操作によって、引戸8,9の隙間eが過大に形成されても、マグネット102がマグネット90から引き離され、ラッチキャッチ83とラッチロック84とが離間して、ラッチロック84による施錠が解除され、またその保持が消失する、事態を未然に防止する。
また、図55(b)のように引戸8,9の建て付けが悪く、或いは内側の引戸8が外側へ不正に押圧若しくは引張られて同方向へ変位し、引戸8,9の隙間eが微小な場合、引戸8と同動するラッチキャッチ83がマグネット90,102を介してラッチロック84を同方向へ押し動かし、テ−ル208の下端部が係止片211に係合して同方向の変位を阻止する。
したがって、引戸8,9の建て付け不良や引戸8の不正操作によって、引戸8,9の円滑な開閉が妨げられる事態を未然に防止する。
更に、図55(c)のように引戸9が不正に上方に引っ張られ、引戸8,9が上下に変位して図示のように引戸9が上方へΔ変位し、或いは同時に引戸9が外側へ不正に引っ張られて、引戸8,9の隙間eが所定値以上に拡大した場合、ラッチロック84のマグネット102を収容するボスの外周が、ラッチキャッチ83側の角孔67の上側の開口縁に係合して引戸9の上方への引き抜きを阻止し、またフック209の第1係止片210が角孔67の下側の開口縁に係合し、その係合代によって引戸9の外側への引き抜きを阻止する
したがって、不正操作または悪戯による引戸8,9の上下方向の強引なこじ開けを阻止する。
このように本発明の引戸錠は、部品点数を低減し構成を簡潔化して小形軽量化と体裁の向上を図れるとともに、閉扉時の自動施錠を速やかに実現し使用上の利便性と安全性を向上し、しかも防御能力を強化し得るから、例えば家庭や工場、事務所や駅舎内の引き違い戸や片開き式の引戸錠に好適である。
8,9 引戸
11,17 縦枠
25 錠前(キーレス錠、シリンダ錠)
27,30 レバ−ハンドル
28,29 角芯棒
67,68 開口部(角孔)
77,78 カム軸
81,82 回動カム
83 ラッチキャッチ
84 ラッチロック
85a,96a 係止爪
90,102 マグネット
91,103 ビス
106 ロックプレ−ト
1,L2 ラッチ制御ボックス
135,136 ロック孔
173 ロックピン
205 支持枠
208 テ−ル
209 フック
210 第1係止片
211 第2係止片

Claims (34)

  1. 引戸の一側端部を形成する縦枠を設け、該引戸の閉扉時における縦枠の内外方向の対向位置に支持枠を配置し、前記引戸の移動を縦枠または支持枠に拘束可能にした引戸錠において、前記縦枠と支持枠の対向位置の内側にラッチ制御ボックスを配置し、該ラッチ制御ボックスの対向位置に開口部を設けるとともに、前記ラッチ制御ボックス内に回動カムを突設したカム軸を回動可能に設け、該カム軸の一側にレバーハンドルに連係する角芯棒を係合可能に装着し、前記カム軸にラッチキャッチまたはラッチロックの一端部を内外方向へ回動可能に支持し、前記カム軸の一端部をラッチキャッチまたはラッチロックの端部の係止爪に係合可能に配置し、前記係止爪とカム軸端部との係合を介してラッチキャッチとラッチロックを内外方向へ回動可能に設ける一方、前記ラッチキャッチとラッチロックの他端部を前記開口部に近接離反動可能に設け、該ラッチキャッチとラッチロックの他端部に互いに吸引可能なマグネットを配置し、前記ラッチキャッチまたはラッチロックの他端部を他方のラッチ制御ボックスの開口部内へ吸引移動可能に設け、前記引戸の拘束時、ラッチキャッチまたはラッチロックの他端部を前記開口部の開口縁に係合可能に配置したことを特徴とする引戸錠。
  2. 屋内外側に配置したレバーハンドルの回動操作に角芯棒を同動させて引戸を拘束し、または拘束を解除し開扉可能にした請求項1記載の引戸錠。
  3. 前記一方の引戸を閉扉後、ラッチキャッチまたはラッチロックの他端部を他方のラッチ制御ボックス内のマグネットへ吸引移動し、前記他端部を前記開口部の開口縁に係合し自動施錠可能にした請求項1記載の引戸錠。
  4. 前記吸引移動したマグネットを他方のマグネットに吸着可能にした請求項1記載の引戸錠。
  5. 前記引戸の拘束または拘束解除時、前記マグネットの吸着を介して、ラッチキャッチとラッチロックの変位を保持可能にした請求項1記載の引戸錠。
  6. 前記ラッチ制御ボックスを磁気シ−ルドした請求項1記載の引戸錠。
  7. 前記ラッチキャッチの側面形状を略逆L字形状、前記ラッチロックの側面形状を略Z字形状に形成した請求項1記載の引戸錠。
  8. 前記ラッチキャッチとラッチロックを各ラッチ制御ボックスの内側へ移動可能に付勢した請求項1記載の引戸錠。
  9. 前記ラッチロックの付勢力をラッチキャッチの付勢力よりも小さく設定した請求項8記載の引戸錠。
  10. 前記ラッチキャッチおよびラッチロックを縦枠または支持枠内に配置した請求項1記載の引戸錠。
  11. 前記各ラッチ制御ボックス内のカム軸の回動カムを上向きまたは下向きに配置し、前記回動カムの直下または直上に前記係止爪を係合可能に配置し、ラッチキャッチまたはラッチロックを各制御ボックスの内側方向または外側方向へ回動可能に設けた請求項1記載の引戸錠。
  12. 互いに吸着可能なマグネットの吸着面積を相違させた請求項1記載の引戸錠。
  13. 前記マグネットの吸着面にメッキ被膜を形成した請求項1記載の引戸錠。
  14. 前記マグネットを強磁性体のビスを介して取付け、該ビスを吸着面に表出させた請求項1記載の引戸錠。
  15. 前記引戸の拘束時、前記係止爪とカム軸の端部を離間して配置した請求項1記載の引戸錠。
  16. 前記引戸の拘束解除時、ラッチキャッチとラッチロックのマグネットの吸着面を、前記開口部の開口縁または縦枠と支持枠の間に配置した請求項1記載の引戸錠。
  17. 前記引戸の拘束解除後、引戸の移動を介して前記マグネットを引き離し可能にした請求項1記載の引戸錠。
  18. 前記引戸の開扉時、ラッチキャッチとラッチロックのマグネットの吸着面を、ラッチ制御ボックスの開口部の開口縁または縦枠と支持枠の間に配置した請求項16記載の引戸錠
  19. 前記引戸の拘束解除時または開扉時、ラッチロックの他端部をラッチ制御ボックスの奥部内面に係合可能に配置した請求項1記載の引戸錠。
  20. 前記引戸の開扉時、ラッチキャッチのマグネットの吸着面をラッチ制御ボックスの開口部の後方に後退して配置した請求項1記載の引戸錠。
  21. 単一の引戸を屋外側に配置し、前記支持枠を屋内側に固定した請求項1記載の引戸錠。
  22. 二つの引戸を内外に引き違い移動可能に配置し、前記支持枠を他方の引戸の縦枠で構成した請求項1記載の引戸錠。
  23. 前記一または二つの引戸の縦枠に屋外または屋内側の角芯棒の作動を制御する錠前を設けた請求項1または請求項22記載の引戸錠。
  24. 前記錠前をキーレス錠またはシリンダ錠で構成した請求項23記載の引戸錠。
  25. 前記キーレス錠は、押圧操作によって暗証情報を入力および解除可能な複数のロックピンと、前記ロックピンと係脱可能な複数のロック孔を形成したロックプレートと、を備え、前記ロックピンの一部または全部に暗証情報入力して前記ロック孔に係合可能に設け、該暗証情報入力した前記ロックピンの暗証情報入力を解除して前記ロック孔との係合を解除し、前記ロックプレートをレバーハンドルの回動変位に連動可能にした請求項24記載の引戸錠。
  26. 前記錠前の解錠後、屋外側のレバーハンドルの回動変位に屋外側の角芯棒を同動させてカム軸に伝達し、回動カムをラッチキャッチまたはラッチロックの係止爪に係合して、ラッチキャッチまたはラッチロックを回動し、屋外側の引戸を解錠ないし開扉可能にした請求項23記載の引戸錠。
  27. 前記錠前の施錠時、屋内側のレバーハンドルの回動変位に屋内側の角芯棒を同動させてカム軸に伝達し、回動カムをラッチキャッチまたはラッチロックの係止爪に係合して、ラッチキャッチまたはラッチロックを回動し、屋内側の引戸を解錠ないし開扉可能にした請求項23記載の引戸錠。
  28. 前記一方のラッチ制御ボックス内に配置したラッチロックの下端部にテールを下方に突設し、該テールの下方に第1および第2係止片を備えたフックを上下に回動可能に設け、該フックを上方のラッチロックに係合可能に配置し、施錠時に前記第1係止片を他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に係合可能に配置し、前記マグネットの吸着ないし施錠動作を保持可能にした請求項1記載の引戸錠。
  29. 解錠時に前記第1および第2係止片とラッチロックを一方のラッチ制御ボックス内に収容可能にした請求項28記載の引戸錠。
  30. 前記第1係止片を、前記他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に常時は離間して配置した請求項28記載の引戸錠。
  31. 前記フックの第1係止片の他側に第2係止片を設け、該第2係止片を前記テールに係合可能に配置した請求項28記載の引戸錠。
  32. 施錠時の内外の引戸の間隔が微小な、建て付け不良時または一方の引戸の不正な押圧操作時、前記テールを前記フックの第2係止片に係合可能に配置し、または前記フックの第1係止片を前記他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に係合可能に配置した請求項31記載の引戸錠。
  33. 施錠時に一方の引戸が不正に操作された際、前記ラッチロックのマグネットを収容するボスの外周部を、他方のラッチ制御ボックスの開口部の上側の開口縁に係合可能にした請求項28記載の引戸錠。
  34. 施錠時に一方の引戸が不正に操作された際、第1係止片を前記他方のラッチ制御ボックスの開口部の下側の開口縁に係合可能に配置した請求項33記載の引戸錠。
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