JP5658593B2 - 車両混雑率予測装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は電車の利用者に対して車両混雑状況を予測し提供するシステム及びその方法に関し、特に、特定路線での車両毎の混雑状況を予測し提供できる車両混雑率予測システム及びその方法に関するものである。
通勤通学時の電車の混雑状況は社会問題となっている。日々の各時間帯における電車の各車両の混雑状況は、乗客の目的駅・天気・車両トラブルや事故・目的地付近のランドマークでのイベント・目的地付近に存在する企業や学校により異なるのが現状である。また、普段利用しない路線を利用する場合、通勤通学時以外の時間帯であっても上記の影響によっては混雑した車両に乗り合わせてしまう可能性があり、不便を感じることがある。電車を利用する乗客が、予め各車両の混雑状況を知ることができれば、乗客は比較的空いている車両に乗車することとなり、結果的に混雑緩和が期待できる。
一方、車両混雑率を予測し、乗客に通知する方法として特許文献1では、人体検知赤外線センサを車両中央に配置し、混雑率を予測するシステムが提案されている。また特許文献2には、車両に設置された圧力センサやカメラを混雑センサとして設置することによって、車両の混雑率を予測するシステムが提案されている。
しかし上記方法により、各車両の混雑率を予測可能であっても、大掛かりな設備を新規設置する必要がある。このため、初期投資に莫大な歳月と設備費用が必要であるという問題があった。さらに、上記方法の場合、各駅でのリアルタイムな車両混雑を提供することは可能であるが、自身が乗車している電車が次の駅ではどの程度混雑しているかを事前に予測し提供することが不可能であるという問題もあった。
特開2002−193102号公報 特開2007−249705号公報 特開2007−249277号公報
ところで、特許文献3には、車両混雑予測に際して、ある時間に自動改札機を通過した利用者の定期から降車駅情報を取得し、各降車駅で降りる乗客の人数をリアルタイムに演算するサーバと、該降車駅を指定する乗車券を持つ利用者が各車両に乗り込む乗車比率の統計データを記憶した記憶サーバから、降車駅までの混雑率を予測するシステムについて記載されている。しかし、上記システムでは、統計取得の際に、乗車券における降車駅の情報と乗車する車両の紐付け情報からのみで統計取得し、混雑率を予測しており、どのような算出根拠で混雑率を予測しているのかが曖昧である。従って、特許文献3における混雑率予測は大幅な相違が生じる可能性が大いにある。
本発明の目的は、特定路線における各駅での各車両の混雑率を、統計的手法を用いることにより、その時点での予測だけでなく各路線の各駅のどの単位時間についても正確に予測でき、利用者に提供するシステムを提供することを目的とする。
本発明による車両混雑率予測装置は、各路線の各駅に設置された複数の自動改札機と通信回線を経由して接続可能であり、各駅の単位時間毎に電車の車両毎の混雑率を予測する車両混雑率予測装置であっ
各駅の各自動改札機の改札IDと電車の各車両の車両番号との紐付けを予めデータベースに格納する手段と、
各駅の上り電車及び下り電車の各々の発着回数を単位時間毎に予めデータベースに格納する手段と、
各乗客が前記自動改札機を通過したときの駅名、改札ID、通過時間及び入退場フラグ含む入退場情報を取得し、データベースに登録する手段と、
所定の期間に登録された全ての前記入退場情報に基づいて、各乗客が上り電車又は下り電車のいずれの乗客かを判断し、日次にて各駅の各改札IDについて単位時間毎に上り電車の入場者数及び退場者数並びに下り電車の入場者数及び退場者数をそれぞれカウントする手段と、
前記所定の期間の中から所定の条件に該当する日付を抽出し、抽出された日付についての前記上り電車の入場者数及び退場者数並びに下り電車の入場者数及び退場者数をそれぞれ平均することにより、単位時間毎に上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数をそれぞれ計算する手段と、
各駅の単位時間毎に、前記上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数と、前記改札IDと前記車両番号との紐付けと、前記各駅の発着回数とに基づいて、各駅の単位時間毎に上り電車及び下り電車の各々の車両毎の車両乗車数を計算する手段と、
前記車両乗車数を1車両の定員数で除算することにより車両毎の混雑率を計算する手段と、を備え
前記改札IDと前記車両番号との紐付けは、自動改札機に最も近い車両を特定できる場合は改札IDを最も近い車両の車両番号に紐付け、自動改札機に最も近い車両を特定できない場合は、自動改札機を通過する乗客を均等に各車両に分配するように紐付けることを特徴とする。
上記装置において、前記車両乗車数を計算する手段は、対象とする当該駅の当該単位時間のベース乗車数に対して当該駅の当該単位時間の増減乗車数を加算することにより当該駅の車両乗車数を計算し、
前記当該駅の当該単位時間のベース乗車数は、当該単位時間に繰り越し車が無い場合は、直前停車駅の当該単位時間の車両乗車数から取得する一方、当該単位時間に繰り越し車が有る場合は、直前停車駅の直前単位時間の車両乗車数と直前停車駅の当該単位時間の車両乗車数に対してそれぞれ繰り越し車数と繰り越し無し車数を重み付けして平均を算出することにより取得し、かつ、
前記当該駅の当該単位時間の増減乗車数は、前記車両番号に紐付けられた全ての前記改札IDについての上り電車又は下り電車の前記入場者平均数の和から上り電車又は下り電車の前記退場者平均数の和を減算し、当該単位時間の上り電車又は下り電車の前記発着回数で除算することにより取得することが、好適である。
上記装置において、前記混雑率予測装置はさらに、イベントが発生したとき、駅名、発生時刻、終了時刻及びイベント説明を対応付けてデータベースに登録する手段と、イベントが発生したときの単位時間毎の前記上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数を、イベントが発生していないときのそれらの各々でそれぞれ除算することにより、イベント発生時の混雑率比率を計算する手段と、を備えたことが、好適である。
上記装置において、前記車両乗車数を計算する手段は、対象とする当該駅の当該単位時間の普通電車と急行電車のそれぞれについて車両乗車数を計算し、計算された普通電車と急行電車の各車両乗車数に対し、当該単位時間における普通電車の発着回数と急行電車の発着回数をそれぞれ重み付けして平均を算出することにより、当該単位時間の車両乗車数を得ることが、好適である。
本発明による車両混雑率予測方法は、各路線の各駅に設置された複数の自動改札機通信回線を経由して接続可能な混雑率予測装置を用い、各駅の単位時間毎に電車の車両毎の混雑率を予測する車両混雑率予測方法であって、前記混雑率予測装置が、
各駅の各自動改札機の改札IDと電車の各車両の車両番号との紐付けを予めデータベースに格納するステップと、
各駅の上り電車及び下り電車の各々の発着回数を単位時間毎に予めデータベースに格納するステップと、
各乗客が前記自動改札機を通過したときの駅名、改札ID、通過時間及び入退場フラグ含む入退場情報を取得し、データベースに登録するステップと、
所定の期間に登録された全ての前記入退場情報に基づいて、各乗客が上り電車又は下り電車のいずれの乗客かを判断し、日次にて各駅の各改札IDについて単位時間毎に上り電車の入場者数及び退場者数並びに下り電車の入場者数及び退場者数をそれぞれカウントするステップと、
前記所定の期間の中から所定の条件に該当する日付を抽出し、抽出された日付についての前記上り電車の入場者数及び退場者数並びに下り電車の入場者数及び退場者数をそれぞれ平均することにより、単位時間毎に上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数をそれぞれ計算するステップと、
各駅の単位時間毎に、前記上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数と、前記改札IDと前記車両番号との紐付けと、前記各駅の発着回数とに基づいて、各駅の単位時間毎に上り電車及び下り電車の各々の車両毎の車両乗車数を計算するステップと、
前記車両乗車数を1車両の定員数で除算することにより車両毎の混雑率を計算するステップとを実行するとともに、
前記改札IDと前記車両番号との紐付けは、自動改札機に最も近い車両を特定できる場合は改札IDを最も近い車両の車両番号に紐付け、自動改札機に最も近い車両を特定できない場合は、自動改札機を通過する乗客を均等に各車両に分配するように紐付けることを特徴とする。
上記方法において、前記車両乗車数を計算するステップでは、
対象とする当該駅の当該単位時間のベース乗車数に対して当該駅の当該単位時間の増減乗車数を加算することにより当該駅の車両乗車数を計算し、
前記当該駅の当該単位時間のベース乗車数は、当該単位時間に繰り越し車が無い場合は、直前停車駅の当該単位時間の車両乗車数から取得する一方、当該単位時間に繰り越し車が有る場合は、直前停車駅の直前単位時間の車両乗車数と直前停車駅の当該単位時間の車両乗車数に対してそれぞれ繰り越し車数と繰り越し無し車数を重み付けして平均を算出することにより取得し、かつ、
前記当該駅の当該単位時間の増減乗車数は、前記車両番号に紐付けられた全ての前記改札IDについての上り電車又は下り電車の前記入場者平均数の和から上り電車又は下り電車の前記退場者平均数の和を減算し、当該単位時間の上り電車又は下り電車の前記発着回数で除算することにより取得することを特徴とする。
上記方法において、前記混雑率予測装置がさらに、
イベントが発生したとき、駅名、発生時刻、終了時刻及びイベント説明を対応付けてデータベースに登録するステップと、
イベントが発生したときの単位時間毎の前記上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数を、イベントが発生していないときのそれらの各々でそれぞれ除算することにより、イベント発生時の混雑率比率を計算するステップと、を実行することが、好適である。
上記方法において、前記車両乗車数を計算するステップでは、
対象とする当該駅の当該単位時間の普通電車と急行電車のそれぞれについて車両乗車数を計算し、計算された普通電車と急行電車の各車両乗車数に対し、当該単位時間における普通電車の発着回数と急行電車の発着回数をそれぞれ重み付けして平均を算出することにより、当該単位時間の車両乗車数を得ることが、好適である。
本発明の車両混雑予測システムによれば、次のような効果がある。
(1)各駅の自動改札機から取得した単位時間毎の入退場数の情報から予め計算した統計データを用いて、また、各駅付近のランドマークでのイベント、天気、車両事故によって左右される入退場数の情報を用いて、各車両の混雑率を予測する。このため、駅のホームや、各車両に新規にセンサ等を設置する必要がないため、従来の方法より安価に車両混雑率予測システムを実現することが可能となる。
(2)特許文献3によるリアルタイムに計算された混雑率情報には、利用者がどの車両に乗車するかの予測に対しての予測根拠が曖昧であったが、本発明の予測根拠には、各駅の改札がどの車両と紐付いているか、単位時間毎の各駅における電車の発着回数、各路線で使用する車両の混雑率100%となる際の定員数、予測当日の各駅付近でのイベント有無、当日の天気、当日の事故情報をパラメータに取得しているため、より正確な混雑率予測を提供することができる。
(3)本発明での車両混雑率予測結果は、インターネット等の通信回線を介して利用者の携帯端末やノートパソコン等のクライアント端末に送信することで、利用者が閲覧可能とする。また、乗車する路線において通過する駅全ての統計データを予め算出している為、通過する全ての駅での混雑状況を予測することが可能となり、より混雑していない車両を選択可能となり電車混雑の緩和を図る効果がある。また、各駅において混雑が予測される時間帯や車両の情報や駅周辺のランドマークやイベント情報を併せて提供することにより、より分かりやすく利用者に混雑率を提供することができる。
本発明の一実施の形態例を示すシステム構成図である。 駅情報集計DBに格納されているデータの構成図である。 駅情報集計DBに格納されているデータの構成図である。 情報管理DBに格納されているデータの構成図である。 情報管理DBに格納されているデータの構成図である。 情報管理DBに格納されているデータの構成図である。 情報管理DBに格納されているデータの構成図である。 情報管理DBに格納されているデータの構成図である。 駅乗車数管理DBのデータ更新処理を示すフローチャートである。 駅乗車数管理DBに格納されているデータの構成図である。 情報管理DBに格納されているデータの構成図である。 情報管理DBに格納されているデータの構成図である。 混雑率管理DBのデータ更新処理を示すフローチャートである。 車両乗車数計算処理を示すフローチャートである。 混雑率管理DBに格納されているデータの構成図である。 イベント時の比率計算処理を示すフローチャートである。 混雑率管理DBに格納されているデータの構成図である。 情報管理DBに格納されているデータの構成図である。 利用者が混雑率予測システムを利用する際の画面の表示例である。 利用者が混雑率予測システムを利用して得られた情報の表示例である。
図1は、本発明による車両混雑率予測システムの一実施例を示すシステム構成図である。まず、図1を参照して車両混雑率予測システムの構成の概要を説明する。
本実施例の車両混雑率予測システムは、混雑率予測装置131並びにその入力端末141及び表示部142と、各駅に設置され適宜の通信回線を経由して混雑率予測装置131と接続される情報送信部100と、公衆回線網を経由して混雑率予測装置131と接続される端末装置151〜154とを備えている。
混雑率予測装置131は、演算サブ装置111と、統計計算サブ装置121と、混雑率管理DB(データベース)132と、情報管理DB133とを備えている。
演算サブ装置111は、演算部113と駅情報集計DB112とを備えている。演算部113は、各駅の情報送信部100から収集した情報により更新される駅情報集計DB112と、予め入力端末141から各路線の駅情報を入力されている情報管理DB133の各情報に基づいて、各駅における各自動改札機の単位時間(以降、一例として単位時間は10分とする)当たりの入退場者数を演算する。その演算結果により、統計計算サブ装置121の駅乗車数管理DB122を更新する。駅乗車数管理DB122を更新する際のデータは、内部記憶装置114に格納される。
統計計算サブ装置121は、統計計算部123と駅乗車数管理DB122とを備えている。統計計算部123は、演算サブ装置111により更新される駅乗車数管理DB122と、予め入力端末141から各駅の改札情報を入力されている情報管理DB133の各情報に基づいて、各駅における各車両の単位時間毎の混雑率の予測データを、平日及び休祝日並びに天気毎に統計的に計算する。その計算結果により、混雑率予測DB132を更新する。混雑率予測DB132を更新する際のデータは、内部記憶装置124に格納される。
混雑率管理DB132は、統計計算サブ装置121により計算された混雑率の予測データを保有している。情報管理DB133は、各路線の駅順や天気の情報等、演算サブ装置111における演算及び統計計算サブ装置121における統計計算に必要な情報を管理している。
入力端末141は、混雑率予測装置131に接続する端末であり、表示部142により情報管理DB133の情報を閲覧し、その情報を更新することができる。また、日次で天気情報を更新する。さらに、必要に応じて、各DBのレコードを更新できる管理者端末である。
各駅に設置された情報送信部100は、既存の自動改札機101と、乗客が自動改札機101を通過する際に当該乗客の入退場に関連する情報を取得する情報取得部102と、駅係員が当日の事故や周辺の行事等のイベント情報を入力する入力端末103及びその表示部104とを備えている。
各駅における各自動改札機101に搭載されている情報取得部102は、入場駅名、改札ID、定期出発駅名、定期目的駅名、定期経由駅名、通過時間、入場フラグ、退場フラグの情報を取得し、これらの情報をインターネット等の通信回線を経由して混雑率予測装置131に送信する。これらの情報により、演算サブ装置111の駅情報集計DB112が更新される。さらに、駅係員が入力端末103及び表示部104を用いて入力した当日の事故や駅付近の行事等のイベント情報もまた、インターネット等の通信回線を経由して混雑率予測装置131に送信され、これらの情報により、演算サブ装置111の駅情報集計DB112が更新される。
情報取得部102における入場フラグと退場フラグの決定方法は、各駅に設置されている自動改札機101のカードリーダーにおいて、駅構内から見て外側のカードリーダーが反応した場合は情報取得部102で入場フラグに「1」を設定し、駅構内から見て内側のカードリーダーが反応した場合は情報取得部102で退場フラグに「1」を設定する。
車両混雑率予測システムのサービスを利用する利用者は、携帯端末151、152や、パソコン153、154からインターネット等の公衆回線網を経由して混雑率予測装置131に接続し、所望する路線、駅及び時間帯における車両混雑率を閲覧することが可能である。
図2は、図1の混雑率予測装置131の演算サブ装置111の駅情報集計DB112が保持する入退場者テーブル200のデータ構成図の一例である。駅情報集計DB112は、入退場者テーブル200の他に図3のイベント発生テーブル300を保持している。入退場者テーブル200は、情報送信部100の情報取得部102において乗客が通過した際の定期券から取得した定期券情報を含む入退場情報を管理する。情報項目は、入場駅名201、改札ID202、定期出発駅名203、定期目的駅名204、定期経由駅名205、通過時間206、入場フラグ207及び退場フラグ208から構成されている。日次で登録日別に、入場駅名、改札ID、定期出発駅名、定期目的駅名、定期経由駅名、通過時間、入場フラグ、退場フラグが登録され、保存される。
ここで例えば、一人の乗客が溝の口駅において、出発駅名"溝の口駅"、目的駅名"大井町駅"、経由駅"二子玉川駅"の定期券を持ち"2010年1月1日7時1分23秒"に自動改札機"1"から入場した場合、図2の第1レコードのように、入場駅名として「溝の口」、改札IDとして「001」、定期出発駅名として「溝の口」、定期目的駅名として「大井町」、定期経由駅名として「二子玉川」、通過時間として「2010-01-01 07:01:23」、入場フラグに「1」が格納される。この場合、退場フラグ208には「null」が設定される。また、入退場者テーブル200は、路線毎に1テーブル保持しており、各路線の全駅の情報を1テーブルで管理する構成とする。
図3は、図1の混雑率予測装置131の演算サブ装置111の駅情報集計DB112が保持するイベント発生テーブル300のデータ構成図の一例である。イベント発生テーブル300は、各路線において人身事故等で運転見合わせや遅延が発生した時刻と運転見合わせが解除された時刻や、駅付近でイベントが開催されている場合では、イベント開催前と終了後の駅混雑時の時刻を管理する。情報項目は、路線名301、駅名302、発生時刻303、終了時刻304、イベント説明305から構成される。
ここで例えば、大井町線二子玉川駅において、"2010年1月1日7時0分12秒"から"2010年1月1日7時20分3秒"まで"人身事故"で電車遅延が発生していた場合、図3の第1レコードのように、路線名として「大井町線」、駅名として「二子玉川」発生時刻として「2010-01-01 07:00:12」、終了時刻として「2010-01-01 07:20:03」、イベント説明として「人身事故」が格納される。
ここで万一、例えば"人身事故"のイベントが発生中に"信号トラブル"が発生した等、イベントが重複した場合は、次のように処理する。先発のイベントの継続中に後発のイベントが発生及び終了した場合は、先発のイベントのみの発生時刻と終了時刻を1つのレコードに格納することとする。また、先発のイベントの終了時刻に後発のイベントが継続しており終了していない場合は、先発のイベントの終了時刻を後発のイベントの発生時刻として新規のレコードに格納することとする。つまり、本明細書の車両混雑率予測システムにおいて重複イベントは考慮しない。なお、イベント発生テーブル300は、各路線の各駅で遅延が確認できた時点で駅係員が入力端末103から入力し、駅情報集計DB112を更新することが望ましい。
図4は、図1の混雑率予測装置131の情報管理DB133が保持する天気休祝日テーブル400のデータ構成図の一例である。情報管理DB133は、天気休祝日テーブル400の他にも複数のテーブル(後述する図5、図6、図7、図8、図11、図12、図18の各テーブル)を保持している。天気休祝日テーブル400は、日々の天気と車両混雑率との統計を取得するための日付と天気を管理する。情報項目は、日付401、曜日402、天気403及び休祝日フラグ404から構成される。
ここで例えば、"2010年1月1日(月)"の天気が"晴れ"である場合、図4の1レコードのように、日付として「2010-01-01」、曜日として「月」、天気として「晴」、休祝日フラグとして「1」が格納される。なお、天気休祝日テーブル400は、混雑率予測装置131に接続している入力端末141及び表示部142を用いて混雑率予測装置131の管理者が日次で入力することが望ましい。
図5は、混雑率予測装置131の報管理DB133が保持する路線駅順テーブル500のデータ構成図の一例である。路線駅順テーブル500は、各路線における始発からの駅名、駅順及び始発駅からの所要時間を管理する。情報項目は、路線名501、駅名502、駅順503及び所要時間504から構成される。
ここで例えば、路線が"大井町線"の場合、路線駅順テーブル500の第1レコードには、路線名として「大井町線」、駅名として「溝の口」、駅順として「01」、所要時間として「0」が格納される。所要時間が「0」なのは、溝の口駅が始発駅のためである。なお、第2レコードには、駅名として「高津」、駅順として前駅のレコードが「01」だったため「02」となり、所要時間は始発駅からの所要時間が分単位で格納されるため、所要時間が3分である場合は「03」が格納されることとなる。
なお、駅順の列に格納する数値は、上り電車か下り電車かの判別で使用するため、上りに向かう駅順で始発駅から昇順に採番し、格納するようにする。
図6は、混雑率予測装置131の情報管理DB133が保持する時間コードテーブル600のデータ構成図の一例である。時間コードテーブル600は、混雑率を取得する単位時間間隔を10分とし、始発時刻から10分間隔に時間コードを保持させ、各時間コードが何時何分から何時何分までなのかの情報を管理する。情報項目は、時間コード601、開始時間602、開始分603、終了時間604及び終了分605から構成される。
ここで例えば、時間コード"1"が"7時00分〜7時10分"である場合、時間コードとして「001」、開始時間として「07」開始分として「00」、終了時間として「07」、終了分として「10」が格納されることとなる。
図7は、混雑率予測装置131の情報管理DB133が保持するイベントIDテーブル700のデータ構成図の一例である。イベントIDテーブル700は、各駅で発生する人身事故や駅付近でのイベントに対してそれぞれIDを採番し管理する。情報項目は、イベントID701及びイベント説明702から構成される。
ここで例えば、イベントID"1"が人身事故である場合、イベントIDとして「01」、イベント説明として「人身事故」が格納されることとなる。
図8は、混雑率予測装置131の情報管理DB133が保持する改札車両紐付けテーブル800のデータ構成図の一例である。改札車両紐付けテーブル800は、各駅の自動改札機を通過した乗客が、どの車両に乗車するかの情報を管理する。情報項目は、駅名801、改札ID802、車両番号803から構成される。
ここで例えば、溝の口駅において改札ID"1"をもつ自動改札機を通過する乗客が車両番号"1"の車両に乗車すると想定した場合、駅名として「溝の口」、改札IDとして「001」、車両番号として「01」が格納されることとなる。改札車両紐付けテーブル800の情報が、各自動改札機を通過した乗客がどの車両に乗車するかを紐付ける値となる。自動改札機と車両の紐付け根拠は、通過する自動改札機から最も近い車両に乗車することを前提条件とする。また、自動改札機が存在する場所が偏っている場合(又は遠近のみで決定できない場合)は、その自動改札機から各車両へ乗車する乗客の数を均等に分配する計算で決定することする。このようにして、予め全ての自動改札機について紐付ける車両を決めておくこととする。
上記の図4、図5、図6、図7及び図8の各テーブルは、混雑率予測装置131に接続されている入力端末141から予めデータ入力することとし、図4の天気休祝日テーブル400は日次で管理者が更新することとする。
図9は、図1の混雑率予測装置131の演算サブ装置111上の演算部113による処理の概要を示すフローチャートである。この処理では、図2の入退場者テーブル200、図3のイベント発生テーブル300、図5の路線駅順テーブル500、図6の時間コードテーブル600及び図7のイベントIDテーブルに格納された情報に基づいて、各駅の各自動改札機における単位時間毎の入退場者数の情報を、後述する図10の駅情報管理テーブル1000に挿入する。
・ステップ901:演算部113は、図2の入退場者数テーブル200の第1レコードから、入場駅名、改札ID、定期出発駅名、定期目的駅名、定期経由駅名、通過時間、入場フラグ及び退場フラグの情報を取得する。
・ステップ902:ステップ901で取得した情報のうち、入場駅名と定期出発駅名の名称が同一か否かを比較する。
・ステップ903:ステップ902において入場駅名と定期出発駅名の名称が一致した場合、入場駅名と定期目的駅名が同一路線であるか否かを、図5の路線駅順テーブル500を参照して入場駅名と定期目的駅名の路線名を検索することにより判断する。
・ステップ905:ステップ903において入場駅名と定期目的駅名が同一路線の場合、入場駅を出発駅名として決定し、当該路線名を利用する(又は利用した)路線名として決定する。上り電車又は下り電車のいずれの乗客かについては、図5の路線駅順テーブル500を参照することにより入場駅名と定期目的駅名の駅順から判断して決定する。以上の処理により得た情報を基に、路線名、出発駅名及び改札IDをセットし、上り入場者数、上り退場者数、下り入場者数又は下り退場者数のうちの該当する項目にカウントを行い、内部記憶装置114に格納する。
・ステップ906:ステップ903において、入場駅名と定期目的駅名が同一路線ではなかった場合、入場駅名を出発駅名として決定し、定期経由駅名の情報に基づいて利用する(又は利用した)路線名を決定する。上り電車又は下り電車のいずれの乗客かの情報については、ステップ905と同様に決定する。以上の処理により得た情報を基に、路線名、出発駅名及び改札IDをセットし、上り入場者数、上り退場者数、下り入場者数又は下り退場者数のうちの該当する項目にカウントを行い、内部記憶装置114に格納する。
・ステップ904:一方、ステップ902において、入場駅名と定期出発駅名の名称が一致しない場合、次のように処理する。当該乗客は、定期圏外の当該駅を利用したこととなるため、どの路線を利用する(又は利用した)かは図2の入退場者テーブル200の情報からは判断できない。そこで、定期圏外の乗客に関しては、まず入場駅を出発駅名として決定する。また、入退場者テーブル200の入場フラグ及び退場フラグから少なくとも入退場どちらであるかは決定できる。上り電車又は下り電車のいずれの乗客かについては、通過時間に対応する時間コード(図6の時間コードテーブル600参照)が17時までの場合は上り電車の乗客とみなし、17時以降の時間コードであれば、下り電車の乗客とみなすことにより決定する。また、利用する(又は利用した)路線名については、入場駅名を基に図5の路線駅順テーブル500を検索して路線名を決定し、2路線以上該当する路線が該当する場合は1路線目にヒットした路線名に決定する。以上の処理により得た情報を基に、路線名、出発駅名及び改札IDをセットし、上り入場者数、上り退場者数、下り入場者数又は下り退場者数のうちの該当する項目にカウントを行い、内部記憶装置114に格納する。
・ステップ907:図2の入退場者テーブル200の第1レコードから順次通過時間の情報を抽出し、図6の時間コードテーブル600を参照して通過時間の時間コードを決定し、内部記憶装置114に格納する。
・ステップ908:以上のステップ901からステップ907までの処理を、図2の入退場者テーブル200の第1レコードから順次行い、時間コードが繰り上がるか否かを判定する。時間コードが繰り上がるまでステップ901からステップ907までの処理を繰り返し行い、各駅について単位時間毎の上り電車及び下り電車の入退場者数をカウントする。時間コードが繰り上がった段階で、次の処理へ移動する。
・ステップ909:ステップ908での処理で時間が繰り上がった場合、繰り上がる前までの路線名、出発駅名、改札ID、時間コードと、上り入場者数、上り退場者数、下り入場者数、下り退場者数を図10の駅情報管理テーブル1000に挿入する。
・ステップ910:図2の入退場者テーブル200に対する処理を、最終レコードまで行ったか否かを判定する。まだ最終レコードまで達していない場合はステップ901から再度処理を実施し、最終レコードに達した場合はステップ911の処理を実行する。
・ステップ911:図3のイベント発生テーブル300からイベントが発生した路線名と駅名と発生時刻と終了時刻の情報を内部記憶装置114に格納する。
・ステップ912:ステップ911でセットした情報を基に、図6の時間コードテーブル600及び図7のイベントIDテーブル700を参照することにより、各路線、各駅で発生したイベントのイベントIDと発生から終了までの時刻の時間コードを取得する。
・ステップ913:取得したイベントIDと時間コードを、図10の駅情報管理テーブルに挿入する。
図10は、図1の統計計算サブ装置121の駅乗車数管理DB122が保持する駅情報管理テーブル1000のデータ構成図の一例である。駅情報管理テーブル1000には、図1の演算サブ装置111の演算部113が図9の処理フローにより演算したデータが格納されている。駅情報管理テーブル1000の情報は、混雑率予測を取得する際の基本データとなる。情報項目は、路線名1001、出発駅名1002、時間コード1003、改札ID1004、上り入場者数1005、下り入場者数1006、上り退場者数1007、下り退場者数1008、イベントID1009から構成される。
ここで、上り入場者数及び上り退場者数の「上り」は上り電車の乗客であることを意味し、下り入場者数及び下り退場者数の「下り」は下り電車の乗客であることを意味する。なお、入場者と退場者を併せて「入退場者」と表現する場合がある。
データ構成としては、路線名1001、出発駅名1002、時間コード1003、改札ID1004の4列で主キーを構成し、時間コードと改札IDの昇順でデータを格納する。例えば、"大井町線"の"溝の口駅"の改札ID"1"において、時間コード"1"での入退場者数が上り入場者数のみで"98名"の場合、路線名として「大井町線」、出発駅名として「溝の口」、時間コードとして「001」、改札IDとして「001」、上り入場者数として「98」、下り入場者数、上り退場者数及び下り退場者数として「0」、イベントIDとして「null」が格納されることとなる。また、例えば溝の口駅の自動改札機の数が5台である場合、改札ID「005」まで昇順に上記情報を格納し、改札ID「005」の次の行は、時間コードが「002」に対して、改札ID「001」から「005」までの情報を格納するデータ構成とする。つまり、各駅において時間コードの昇順で全改札IDの上り電車及び下り電車の入退場者数を管理する構成とする。なお、駅情報管理テーブル1000は、各路線毎のサブテーブルからなるように保持され、さらに各路線のサブテーブルは日次で登録日毎のサブテーブルからなるように保存管理される。
図11は、図1の混雑率予測装置131の情報管理DB133が保持する定員数テーブル1100のデータ構成図の一例である。図11の定員数テーブル1100は、各路線で使用している電車の1車両の定員数を管理している。情報項目は、路線名1101及び定員数1102から構成される。この定員数が各路線の1車両における乗車率100%となる人数である。
ここで例えば、"大井町線"で使用する1車両の定員数が"160人"の場合、路線名として「大井町線」、定員数として「160」が格納されることとなる。なお、図11の定員数テーブル1100も、混雑率予測装置131に接続されている入力端末141からデータ挿入を行うこととする。
図12は、図1の混雑率予測装置131の情報管理DB133が保持する発着回数テーブル1200のデータ構成図の一例である。図12の発着回数テーブル1200は、各路線の各駅において、単位時間毎に何回上り電車と下り電車が発着するかの情報を、普通電車と急行電車を区別して管理する。情報項目は、路線名1201、駅名1202、時間コード1203、上り普通電車発着回数1204、下り普通電車発着回数1205、上り急行電車発着回数1206、下り急行電車発着回数1207から構成される。
ここで例えば、"大井町線"の"溝の口駅"の時間コード"1"に該当する単位時間に発着する電車の回数が上り普通電車1回のみの場合、路線名として「大井町線」、駅名として「溝の口」、時間コードとして「001」、上り普通電車発着回数として「01」、下り普通電車発着回数として「00」、上り急行電車発着回数として「00」、下り急行電車発着回数として「00」が格納されることとなる。なお、図12の発着回数テーブル1200も、混雑率予測装置131に接続されている入力端末141からデータ挿入を行うこととする。
図13は、図1の混雑率予測装置131の統計計算サブ装置121上の統計計算部123による処理の概要を示すフローチャートである。この処理では、図4の天気休祝日テーブル400から所定の条件に該当する対象日の日付を全て抽出し、抽出された全ての日付に該当する図10の駅情報管理テーブル1000に格納された情報に基づいて、図8の改札車両紐付けテーブル800、図11の定員数テーブル1100及び図12の発着回数テーブル1200を参照して各路線の各駅について統計計算を行い、単位時間毎の各車両の混雑率情報を取得する。そして、取得した混雑率情報を、後述する図15の混雑率管理テーブル1500に挿入する。
なお、統計計算の対象日の日付を抽出するための所定の条件は、例えば、「平日かつ天気が晴れ及び曇りの日(以下「好天候平日」と称する)」、「平日かつ天気が雨の日(以下「悪天候平日」と称する)」、「休祝日かつ天気が晴れ及び曇りの日(以下「好天候休祝日」と称する)」、「休祝日かつ天気が雨の日(以下「悪天候休祝日」と称する)」とする。なお、後述する図15の混雑率管理テーブル1500は、対象日の条件毎に作成される複数のテーブルから構成されている。
・ステップ1301:統計計算部123は、図4の天気休祝日テーブル400より好天候平日に該当する日付を抽出し、内部記憶装置124に格納する。抽出対象とする所定期間は、例えば、過去1年間とする。
・ステップ1302:図10の駅情報管理テーブル1000において、ステップ1301で取得した日付に該当する全テーブルを対象として、各路線、各駅、各時間コード及び各改札ID毎に、上り入場者数、下り入場者数、上り退場者数及び下り退場者数のそれぞれの平均数を計算する。これらを「上り入場者平均数」、「下り入場者平均数」、「上り退場者平均数」及び「下り退場者平均数」と称することとする。これらの平均数を内部記憶装置124に格納する。但し、この計算では、イベントIDに情報が挿入されている時間コードのレコードは除く。
・ステップ1303:ステップ1302で取得した上り電車及び下り電車の各入退場者平均数に基づいて、各路線、各駅及び各時間コードにおける上り電車又は下り電車の各車両におおよそ何人の乗客が乗車しているか、すなわち「車両乗車数」を計算する。
ここで、「車両乗車数」とは、路線、駅、時間コード、上り電車又は下り電車及び車両番号が特定されている1つの車両において、当該駅で乗降が行われ当該駅を発車するときに当該車両に乗車している乗客の数を意味する。また、当該駅に到着して乗降が行われる前に当該車両に乗車している乗客の数を「ベース乗車数」と称することとする。このベース乗車数は、1つ前の発着駅での当該車両の車両乗車数に相当する。また、ベース乗車数と車両乗車数の差を「増減乗車数」と称することとする。増減乗車数は、当該駅での乗降により当該車両において増減する乗客の数であり、増えた場合はプラス値、減った場合はマイナス値となる。従って、一般的には、各路線、各駅及び各時間コードにおける上り電車又は下り電車の各車両において次の式が成り立つ。
(式1)[車両乗車数]=[ベース乗車数]+[増減乗車数]
本ステップの詳細は、後述の図14のフローチャートにて説明する。本ステップの処理により路線名、駅名、時間コード、上りフラグ、下りフラグ、車両番号及び車両乗車数を取得し、内部記憶装置124に格納する。
次にステップ1304において、ステップ1303で取得した車両乗車数、及び、図11の定員数テーブル1100に格納している定員数に基づいて、各路線、各駅及び各時間コードにおける混雑率を算出する。なお、計算式は、
(式2)[混雑率]=[車両乗車数]÷[定員数]×100
とする。計算結果は、1の位で四捨五入を行い、内部記憶装置124に格納する。
ステップ1305において、ステップ1303及びステップ1304で取得した、好天候平日に関する車両乗車数及び混雑率を含む各情報を、後述する図15の混雑率管理テーブル1500の好天候平日のテーブルに挿入する。
続いてステップ1306において、図4の天気休祝日テーブル400より好天候休祝日に該当する日付を抽出し、内部記憶装置124に格納する。
ステップ1307において、ステップ1306で取得した日付に該当する図10の駅情報管理テーブル1000の全テーブルを対象として上記ステップ1302からステップ1304までの処理を同様に行うことにより、好天候休祝日の車両乗車数及び混雑率を計算し、路線名、駅名、上りフラグ、下りフラグ、時間コード、車両番号及び混雑率の情報を取得し、内部記憶装置124に格納する。ステップ1308において、内部記憶装置124に格納した情報を後述する図15の混雑率管理テーブル1500の好天候休祝日のテーブルへ挿入する。
続いてステップ1309において、同様に悪天候平日に該当する日付を抽出し、内部記憶装置124に格納する。
ステップ1310において、ステップ1309で取得した日付に該当する図10の駅情報管理テーブル1000の全テーブルを対象として上記ステップ1302からステップ1304までの処理を同様に行い、悪天候平日の車両乗車数及び混雑率を計算し、路線名、駅名、上りフラグ、下りフラグ、時間コード、車両番号及び混雑率の情報を取得し、内部記憶装置124に格納する。ステップ1311において、内部記憶装置124に格納した情報を後述する図15の混雑率管理テーブル1500の悪天候平日のテーブルへ挿入する。
最後にステップ1312において、悪天候休祝日の日付を抽出し、内部記憶装置124に格納する。
ステップ1313において、ステップ1312で取得した日付に該当する図10の駅情報管理テーブル1000の全テーブルを対象として上記ステップ1302からステップ1304までの処理を同様に行い、悪天候休祝日の車両乗車数及び混雑率を計算し、路線名、駅名、上りフラグ、下りフラグ、時間コード、車両番号及び混雑率の情報を取得し、内部記憶装置124に格納する。ステップ1314において、内部記憶装置124に格納した情報を後述する図15の混雑率管理テーブル1500の悪天候休祝日のテーブルへ挿入する。
以上の図13の処理を行うことで、好天候平日、悪天候平日、好天候休祝日及び悪天候休祝日のそれぞれにおける各車両の混雑率を格納した4テーブルが完成する。
図14は、図13に示した統計計算部123による処理のうち、ステップ1303の車両乗車数の計算処理の概要を示すフローチャートである。具体例として、始発駅とその次の第2駅における上り電車(普通電車と急行電車を含む)の車両乗車数の算出方法を示すことにより、本処理を説明する。
・ステップ1401:統計計算部123は、まず各路線の始発駅について各時間コードにおける車両乗車数を計算する。図13のステップ1302で取得した上り入場者平均数と、図8の改札車両紐付けテーブル800における改札IDと車両番号との紐付け情報と、図12の発着回数テーブル1200の上り電車の発着回数の情報とにより、各時間コードにおける車両乗車数を計算する。計算式は、
(式3)[始発駅の各時間コードの車両乗車数]=[車両番号に紐付けされた全改札IDの上り入場者平均数の和]÷[始発駅の各時間コードの上り電車の全発着回数]
とする。上式で上り電車の全発着回数で除算するのは、1電車の1車両における車両乗車数を求めるためである。上り電車の全発着回数は、上り普通電車と上り急行電車の発着回数の和である(以下同じ)。始発駅では、退場者数はゼロでありかつベース乗車数はゼロであるから、当該車両番号に紐付けされた全ての改札IDの上り入場者平均数の和を、上り電車の全発着回数で除算した数が、そのまま始発駅の各時間コードにおける車両乗車数とする。こうして得られた始発駅の各時間コードの車両乗車数を内部記憶装置124に格納する。
以下のステップ1402〜1408では、上り普通電車を対象とする計算を行う。
・ステップ1402:各路線の第2駅について、時間コード"1"における上り普通電車の車両乗車数を計算する。第2駅の時間コード"1"の上り普通電車の発着回数は、全て始発駅の時間コード"1"で発車した電車によるものである。従って、第2駅の時間コード"1"のベース乗車数は、ステップ1401で計算した始発駅の時間コード"1"の車両乗車数と一致する。この第2駅の時間コード"1"のベース乗車数に対して、第2駅の時間コード"1"の増減乗車数を加算することにより、第2駅の時間コード"1"の車両乗車数を計算する。計算式は、
(式4)[第2駅の時間コード"1"の上り普通電車の車両乗車数]=[第2駅の時間コード"1"の上り普通電車のベース乗車数(始発駅の時間コード"1"の車両乗車数)]+[第2駅の時間コード"1"の上り電車の増減乗車数]
とする。
式4における第2駅の時間コード"1"における増減乗車数は、第2駅の時間コード"1"における図13のステップ1302で取得した上り入退場者平均数と、図8の改札車両紐付けテーブル800における改札IDと車両番号との紐付け情報と、図12の発着回数テーブル1200の上り電車の発着回数の情報とにより計算する。計算式は、
(式5)[第2駅の時間コード"1"の上り電車の増減乗車数]={[車両番号に紐付けされた全改札IDの上り入場者平均数の和]−[車両番号に紐付けされた全改札IDの上り退場者平均数の和]}÷[第2駅の時間コード"1"の上り電車の全発着回数]
とする。式3と式5で得た値を式4に代入して第2駅の時間コード"1"の上り普通電車の車両乗車数を計算し、内部記憶装置124に格納する。
次にステップ1403〜1407において、各路線の第2駅について時間コード"2"における上り普通電車の車両乗車数を計算する。
・ステップ1403:始発駅を時間コード"1"に発車しかつ第2駅には時間コード"2"に到着する上り普通電車(以下「繰り越し車」と称する)がないかを確認するために、図12の発着回数テーブル1200を参照することにより、始発駅と第2駅の時間コード"1"における上り普通電車の発着回数を比較する。そして、これらの差により、始発駅の時間コード"1"から第2駅の時間コード"2"への繰り越し車数(これを「第2駅の時間コード"2"の繰り越し車数」と称する)を計算する。計算式は、
(式6)[第2駅の時間コード"2"の繰り越し車数]=[始発駅の時間コード"1"の上り普通電車の発着回数]−[第2駅の時間コード"1"の上り普通電車の発着回数]
とする。計算した上り普通電車の繰り越し車数を内部記憶装置124に格納する。
・ステップ1404:ステップ1403で計算した繰り越し車数がゼロか否か、すなわち第2駅の時間コード"2"の上り普通電車の繰り越し車が存在するか否かの判定処理を行う。
・ステップ1405:ステップ1404の判定において繰り越し車が存在する場合、第2駅の時間コード"2"の繰り越し車数分の乗車総数(これを「繰り越し乗車総数」と称する)を計算する。繰り越し乗車総数は、ステップ1401で得た始発駅の時間コード"1"の車両乗車数に、ステップ1403で得た第2駅の時間コード"2"の繰り越し車数を乗算した数である。計算式は、
(式7)[第2駅の時間コード"2"の繰り越し乗車総数]=[始発駅の時間コード"1"の車両乗車数]×[第2駅の時間コード"2"の繰り越し車数]
とする。計算した上り普通電車の繰り越し乗車総数を内部記憶装置124に格納する
・ステップ1406:第2駅の時間コード"2"の上り普通電車の発着回数は、第2駅の時間コード"2"の繰り越し車数と始発駅の時間コード"2"から繰り越し無しで到着する上り普通電車数の和であるから、図12の発着回数テーブル1200における第2駅の時間コード"2"の上り普通電車の発着回数からステップ1403で得た第2駅の時間コード"2"の繰り越し車数を減算することにより、時間コード"2"において始発駅から第2駅へ繰り越し無しで到着する電車数(これを「第2駅の時間コード"2"の繰り越し無し車数」と称する」)を計算する。計算式は、
(式8)[第2駅の時間コード"2"の繰り越し無し車数]=[第2駅の時間コード"2"の上り普通電車の発着回数]−[第2駅の時間コード"2"の繰り越し車数]
とする。続いて、始発駅の時間コード"2"の車両乗車数を取得し、繰り越し無し車数分の乗客総数(これを「繰り返し無し乗車総数」と称する)を計算する。計算式は、
(式9)[第2駅の時間コード"2"の繰り越し無し乗車総数]=[始発駅の時間コード"2"の車両乗車数]×[第2駅の時間コード"2"の繰り越し無し車数]
である。計算した繰り越し無し乗車総数を内部記憶装置124に格納する。
・ステップ1407:ステップ1405とステップ1406で得た第2駅の時間コード"2"の繰り越し乗車総数と繰り越し無し乗車総数とを平均化することにより、第2駅の時間コード"2"の上り普通電車のベース乗車数を計算する。ここでの平均化は、始発駅の時間コード"1"の車両乗車数と始発駅の時間コード"2"の車両乗車数に対してそれぞれ繰り越し車数と繰り越し無し車数を重み付けして平均を算出することを意味する。計算式は、
(式10)[第2駅の時間コード"2"の上り普通電車のベース乗車数]={[第2駅の時間コード"2"の繰り越し乗車総数]+[第2駅の時間コード"2"の繰り越し無し乗車総数]}÷[第2駅の時間コード"2"の上り普通電車の発着回数]
とする。こうして得られた第2駅の時間コード"2"のベース乗車数に対し、第2駅の時間コード"2"の増減乗車数を加算することにより、第2駅の時間コード"2"の車両乗車数を計算する。計算式は、
(式11)[第2駅の時間コード"2"の上り普通電車の車両乗車数]=[第2駅の時間コード"2"の上り普通電車のベース乗車数]+[第2駅の時間コード"2"の上り電車の増減乗車数]
とする。
式11における第2駅の時間コード"2"における増減乗車数は、第2駅の時間コード"2"における図13のステップ1302で取得した上り入退場者平均数と、図8の改札車両紐付けテーブル800における改札IDと車両番号との紐付け情報と、図12の発着回数テーブル1200の上り電車の発着回数の情報とにより計算する。計算式は、
(式12)[第2駅の時間コード"2"の上り電車の増減乗車数]={[車両番号に紐付けされた全ての改札IDの上り入場者平均数の和]−[車両番号に紐付けされた全ての改札IDの上り退場者平均数の和]}÷[第2駅の時間コード"2"の上り電車の全発着回数]
とする。式10及び式12で得られた値を式11に代入して第2駅の時間コード"2"の上り普通電車の車両乗車数を計算し、内部記憶装置124に格納する。
・ステップ1407:ステップ1404の判定において繰り越し車が存在しない場合は直接このステップ1407に移動し、始発駅の時間コード"2"の車両乗車数を取得し、これを第2駅の時間コード"2"のベース乗車数とする。この第2駅の時間コード"2"のベース乗車数に対し、式12で得た第2駅の時間コード"2"の増減乗車数を加算することにより、第2駅の時間コード"2"の上り普通電車の車両乗車数を計算し、内部記憶装置124に格納する。
・ステップ1408:以上のステップ1403からステップ1407を、最終の時間コードまで繰り返すために、最終の時間コードか否かの判定を行う。最終の時間コードであった場合、第2駅における上り急行電車の車両乗車数を計算する次ステップに移動し、最終の時間コードではない場合、ステップ1403から最終の時間コードまで処理を繰り返す(ステップ1408)。
以下のステップ1409及び1410では、上り急行電車を対象とする計算を行う。
・ステップ1409:第2駅に上り急行電車が発着するか否かの判定を、図12の発着回数テーブル1200の情報より判定する。第2駅に上り急行電車が発着する場合、ステップ1410に移動し、上り急行電車が発着しない場合、第2駅は普通電車のみの発着となり、ステップ1408までの処理で第2駅の各時間コードの車両乗車数は全て決定されているため、次の第3駅における上り電車の車両乗車数を計算するためにステップ1402から処理を繰り返す。
・ステップ1410:第2駅に上り急行電車が発着する場合、ステップ1403からステップ1408までの処理を上り急行電車について同様に行い、第2駅における各時間コードにおける上り急行電車の車両乗車数を計算する。ここで、一般的に、急行電車について上記の繰り越し車数の計算を行う場合、当該駅の前駅が急行停車駅とは限らないため、図12の発着回数テーブル1200の情報からどの駅が急行電車の1つ前の発着駅(「直前停車駅」と称する)であるかを特定する。得られた直前提車駅と当該駅の上り急行電車の発着回数から、上記ステップ1402〜1406と同様に繰り越し車数及び繰り越し無し車数を計算し、それらに基づいて当該駅の急行電車のベース乗車数を計算することとする。
以下のステップ1411では、上り普通電車と上り急行電車の双方を対象とする計算を行う。
・ステップ1411:ステップ1407で得られた第2駅の各時間コードにおける上り普通電車の車両乗車数と、ステップ1410で得られた第2駅の各時間コードにおける上り急行電車の車両乗車数とを平均化することにより、第2駅の各時間コードの車両乗車数を計算する。ここでの平均化は、普通電車の車両乗車数と急行電車の車両乗車数に対してそれぞれの発着回数を重み付けして平均を算出することを意味する。計算式は、
(式13)[第2駅の各時間コードの上り電車の車両乗車数]={[第2駅の上り普通電車の車両乗車数]×[上り普通電車の発着回数]+[第2駅の上り急行電車の車両乗車数]×[上り急行電車の発着回数]}÷[第2駅の各時間コードの上り電車の全発着回数]
とする。計算した第2駅の各時間コードの車両乗車数を内部記憶装置124に格納する。ここで格納した車両乗車数の値を用いて、図13のステップ1304において混雑率を計算することになる。
・ステップ1412:各路線の最終駅かどうかの判定を行い、最終駅である場合はステップ1413へ移動し処理完了となり、最終駅ではない場合はステップ1402に移動し、次駅の車両乗車数を計算することとする。
以上の図14に示した処理は、一般的には次のようにまとめられる。
所定の駅の所定の単位時間における上り又は下りの電車の車両乗車数は、当該駅の当該単位時間のベース乗車数に、当該駅の当該単位時間の増減乗車数を加算することにより計算する。この計算は、普通電車と急行電車のそれぞれについて行う。
上記の車両乗車数の計算における当該駅の当該単位時間のベース乗車数は、当該単位時間に繰り越し車が無い場合は、直前停車駅の当該単位時間の上り又は下りの電車の車両乗車数である。一方、当該単位時間に繰り越し車が有る場合は、直前停車駅の直前単位時間の車両乗車数と直前停車駅の当該単位時間の車両乗車数に対してそれぞれ繰り越し車数と繰り越し無し車数を重み付けして平均を算出することにより、当該単位時間のベース乗車数を得る。なお、始発駅についてはベース乗車数はゼロである。
上記の車両乗車数の計算における当該駅の当該単位時間の増減乗車数は、車両番号に紐付けられた全ての改札の入場者平均数の和から退場者平均数の和を減算し、全発着回数で除算することにより計算する。
上記の車両乗車数の計算を普通電車と急行電車のそれぞれについて行った後、当該単位時間における普通電車の車両乗車数と急行電車の車両乗車数に対して普通電車発着回数と急行電車発着回数をそれぞれ重み付けして平均を算出することにより、当該駅の当該単位時間の上り又は下りの電車の車両乗車数を得る。
図15は、図1の混雑率予測装置131の混雑率管理DB132が保持する混雑率管理テーブル1500のデータ構成図の一例である。混雑率管理テーブル1500には、図1の統計計算サブ装置121の統計計算部123が図13の処理フローにより計算したデータが格納されている。混雑率管理テーブル1500は、各路線、各駅における各時間コードの間で発着する上り電車と下り電車の各車両の混雑率を管理する。情報項目は、路線名1501、駅名1502、上りフラグ1503、下りフラグ1504、時間コード1505、車両番号1506、混雑率1507及び車両乗車数1508から構成される。
ここで例えば、"大井町線"、"溝の口駅"の時間コード"1"に発着する上り電車の車両番号"1"の車両乗車数が"150人"で混雑率が"90%"である場合、路線名として「大井町線」、駅名として「溝の口」、上りフラグとして「1」、下りフラグとして「null」、時間コードとして「001」、車両番号として「01」、混雑率として「90」、車両乗車数として「150」が格納されることとなる。なお、本テーブルは「好天候平日」、「悪天候平日」、「好天候休祝日」及び「悪天候休祝日」の4つのサブテーブルから構成されている。
車両混雑率予測システムの利用者は、自身の携帯端末やパソコンから車両混雑率予測システムにアクセスし、図15のテーブルより混雑率情報を取得することとなる。
図16は、図1の統計計算サブ装置上の統計計算部123の概要を示しており、図4、図10のテーブルから「好天候平日」、「悪天候平日」、「好天候休祝日」及び「悪天候休祝日」の各路線の各駅で、イベントが発生した時間コードにおける、イベントが発生していない時間コードと比較した混雑率の比率を計算し、後述する図17のテーブルに挿入する処理の概要を示すフローチャートである。
・ステップ1601:統計計算部123は、まず図10の駅情報管理テーブル1000においてイベントIDが存在する日付のテーブルを全て内部記憶装置124に格納する。
・ステップ1602:ステップ1601で取得した日付のテーブルに対して、当該日付が平日なのか休祝日なのか、又は天気が晴れ及び曇りなのか雨なのかを図4の天気休祝日テーブル400から判別し、「好天候平日」、「悪天候平日」、「好天候休祝日」及び「悪天候休祝日」の4種類のテーブルに分類し、内部記憶装置124に格納する。
・ステップ1603:次に、ステップ1602で取得した各4種類のテーブルに対して、それぞれイベントIDが存在する時間コードに対して時間コード毎の「上り入場者数」、「上り退場者数」、「下り入場者数」、「下り退場者数」の平均数(「イベント時平均数」と称する)を計算し、それらを「イベント時上り入場者平均数」、「イベント時下り入場者平均数」、「イベント時上り退場者平均数」及び「イベント時下り退場者平均数」として内部記憶装置124に格納する。
・ステップ1604:スポーツイベント等のイベントIDの場合、駅によっては常時該当しない場合がある。このようなイベントを「単発イベント」と称する。一方、「人身事故」又は「信号トラブル」等のイベントは全ての駅で発生し得るイベントである。このようなイベントを「常時発生イベント」と称する。そこでまず、ステップ1603で格納した情報のうち、常時発生イベントのイベントIDが存在するか否かを時間コード毎に判定する。
・ステップ1605:ステップ1604において、常時発生イベントのイベントIDが存在しない時間コードがある場合は、当該時間コードの平均数を、それ以前の最も近い時間コードで常時発生イベントのイベントIDが存在する時間コードのイベント時平均数に置換して内部記憶装置124に格納する。全ての時間コードに常時発生イベントのイベントIDが存在する場合は、次処理に移る。
・ステップ1606:ステップ1603〜1605で得た各時間コードのイベント時平均数に基づいて、イベントIDが存在しない平均数との比率を計算する。具体的には図13のステップ1302で取得したイベントIDが存在しない時間コードの上り入場者平均数、下り入場者平均数、上り退場者平均数、下り退場者平均数により、ステップ1605までで取得した各イベント時平均数を除算することで比率を計算する。ここで上り電車の比率は上り入場者平均数の比較で比率を計算し、下り電車の比率は下り入場者平均数の比較で比率を計算することとする。計算式は、例えば、
(式13):[各駅の各時間コードの上り電車の比率]=[各時間コードのイベント時上り入場者平均数]÷[各時間コードの上り入場者平均数]
となる。少数点以下第3位で四捨五入を行い、内部記憶装置124に格納する。
・ステップ1607:ステップ1606までで取得した情報を後述する図17の混雑率比率テーブル1700へ格納する。
・ステップ1608:最後に、情報が格納された図17の混雑率比率テーブル1700に対して、発生不可イベントのイベントIDの行において「null」となっている比率に対して、比率として「1」を挿入し、万一、単発イベントが発生し得ない駅に対して単発イベントが発生した際の混雑率予測の閲覧が行われた場合にもエラーが起きないようにする。
図17は、図1の混雑率予測装置131の混雑率管理DB132が保持する混雑率比率テーブル1700のデータ構成図の一例である。混雑率比率テーブル1700は、各路線、各駅における各時間コードの間で発着する上り電車と下り電車の車両毎の混雑率を管理しており、路線名1701、駅名1702、時間コード1703、上りフラグ1704、下りフラグ1705、イベントID1706、比率1707から構成される。
ここで例えば、"大井町線"、"溝の口駅"の時間コード"1"に発着する上り電車において、イベントID"1"の"人身事故"が発生した場合の乗車比率が"1.25"であった場合、路線名として「大井町線」、駅名として「溝の口」、時間コードとして「001」、上りフラグとして「1」、下りフラグとして「null」、イベントIDとして「01」、比率として「1.25」が格納されることとなる。なお、本テーブルは「好天候平日」、「悪天候平日」、「好天候休祝日」及び「悪天候休祝日」の4テーブル存在する。
人身事故が発生中において、車両混雑率予測システムの利用者は、自身の携帯端末やパソコンから混雑率予測システムにアクセスし、図15の混雑率管理テーブル1500より混雑率情報を取得し、さらに図17の混雑率比率テーブルで人身事故が発生した場合の比率も加味された混雑率情報を取得することとなる。
図18は、図1の混雑率予測装置131の情報管理DB133が保持する駅付近情報テーブル1800のデータ構成図の一例である。駅付近情報テーブル1800は、上述した混雑率予測システムでは説明できない各駅特有の情報を利用者に提供する為の情報を管理しており、駅名1801、付近情報1802から構成される。混雑率予測システム利用者は、アクセス時に本テーブルを利用し、利用駅特有の付加情報も把握できることとなる。
ここで例えば、溝の口駅は常にA出口付近の改札と車両が混雑している場合、駅名として「溝の口」、付加情報として「改札出口は1箇所のみ、南武線との乗換のため、終日A出口付近の改札と車両は混雑」という説明が格納されることとなる。
さらに、事前にスポーツイベント等の単発イベントの時間帯を把握している場合は、当該単発イベントの時間帯を予め本テーブルに付加情報として挿入しておくことで、混雑率予測システム利用者が当該時間帯に単発イベントが発生する駅の混雑率を調べる際に、単発イベントを加味した混雑率予測を利用できるように促すこととする。
また、各路線で信号トラブルや人身事故等の常時発生可能イベントが発生している場合も、混雑率予測システム管理者がリアルタイムに本テーブルを更新し、利用者が常時発生可能イベントを加味した混雑率を調べられるようにすることが望ましい。なお、図18の駅付近情報テーブル1800も、図4、図5、図6、図7、図8、図11、図12の各テーブルと同様に混雑率予測装置131に接続されている入力端末141からデータ挿入を行うこととする。
図19は、図1における携帯端末151、152やパソコン153、154から利用者が車両混雑率予測システムにアクセスした際に表示する画面イメージの一例である。利用者は図19のような表示画面から、必要事項を入力することで乗車駅から下車駅までの車両混雑率を閲覧することが可能となる。画面イメージは、路線名選択プルダウンメニュー1901、乗車駅入力欄1902、下車駅入力欄1903、出発日付選択プルダウンメニュー1904、出発時間選択プルダウンメニュー1905、イベント選択プルダウンメニュー1906、天気選択プルダウンメニュー1907、決定ボタン1908から構成される。
ここで例えば、利用者が"大井町線"の"溝の口駅"を"1月1日8時(天気:雨)"に出発し、"二子新地"で下車しようとしており、"人身事故"で電車が遅延している場合、利用者は、路線名選択プルダウンメニューから「東急 大井町線」を選択し、乗車駅として「溝の口」を入力し、下車駅として「二子新地」を入力し、日付選択プルダウンメニューから「1月1日」を選択し、出発時間選択プルダウンメニューから「8:00」を選択し、イベント選択プルダウンメニューから「人身事故」を選択し、天気選択プルダウンメニューから「雨」を選択し決定ボタンを押下することで車両混雑率予測システムにアクセスし、結果を閲覧できることとする。
図20は、図1における携帯端末151、152やパソコン153、154から利用者が車両混雑率予測システムにアクセスして得られた結果を表示する画面イメージの一例である。各駅の名称と到着時刻を表示する駅表示箇所2001、各駅の駅情報を表示する各駅説明表示箇所2002、各駅の検索したい時間帯における各車両の混雑率を表示する混雑率表示箇所2003で構成され、2001から2003で1駅分の情報を表示することとし、例えば図19の検索を例とすると結果は図20のような表示結果が混雑率予測システムから得られることとなる。
図20において、駅表示箇所2001、2004、2007にそれぞれ到着駅と到着時間の情報を表示され、到着時間は車両混雑率予測システム内の図5の路線駅順テーブル500から算出し、表示されることとなる。
各駅説明表示箇所2002、2005、2008ではそれぞれの駅における駅情報が図18の駅付近情報テーブル1800をアクセスすることにより表示されることとなる。
混雑率表示箇所においては、図15の混雑率管理テーブル1500と図17の混雑率比率テーブル1700にアクセスすることにより、各車両での混雑率が算出され表示されることとなり、ここで万一混雑率が300%を超える場合は、300%を混雑率の上限として300%と混雑率表示箇所に表示することとする。
以上のようなシステム構成により、車両混雑率予測システムの利用者に対して、特定路線の各駅の車両混雑率予測情報を提供できるようになる。なお、本車両混雑率予測システムにおける混雑率管理DB132の更新頻度は、日次で実行し、常に最新かつ正確な混雑率予測を利用者に提供できるようにすることが望ましい。
100:各駅の情報送信部、101:自動改札機、102:情報取得部、103:入力端末、104:表示部、111:演算サブ装置、112:駅情報管理DB、113:演算部、121:統計計算サブ装置、122:駅乗車数管理DB、123:統計計算部、131:混雑率予測装置、132:混雑率管理DB、133:情報管理DB、141:入力端末、142:表示部、151:携帯端末、152:形態端末、153:パソコン、154:パソコン

Claims (8)

  1. 各路線の各駅に設置された複数の自動改札機と通信回線を経由して接続可能であり、各駅の単位時間毎に電車の車両毎の混雑率を予測する車両混雑率予測装置であっ
    各駅の各自動改札機の改札IDと電車の各車両の車両番号との紐付けを予めデータベースに格納する手段と、
    各駅の上り電車及び下り電車の各々の発着回数を単位時間毎に予めデータベースに格納する手段と、
    各乗客が前記自動改札機を通過したときの駅名、改札ID、通過時間及び入退場フラグ含む入退場情報を取得し、データベースに登録する手段と、
    所定の期間に登録された全ての前記入退場情報に基づいて、各乗客が上り電車又は下り電車のいずれの乗客かを判断し、日次にて各駅の各改札IDについて単位時間毎に上り電車の入場者数及び退場者数並びに下り電車の入場者数及び退場者数をそれぞれカウントする手段と、
    前記所定の期間の中から所定の条件に該当する日付を抽出し、抽出された日付についての前記上り電車の入場者数及び退場者数並びに下り電車の入場者数及び退場者数をそれぞれ平均することにより、単位時間毎に上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数をそれぞれ計算する手段と、
    各駅の単位時間毎に、前記上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数と、前記改札IDと前記車両番号との紐付けと、前記各駅の発着回数とに基づいて、各駅の単位時間毎に上り電車及び下り電車の各々の車両毎の車両乗車数を計算する手段と、
    前記車両乗車数を1車両の定員数で除算することにより車両毎の混雑率を計算する手段と、を備え
    前記改札IDと前記車両番号との紐付けは、自動改札機に最も近い車両を特定できる場合は改札IDを最も近い車両の車両番号に紐付け、自動改札機に最も近い車両を特定できない場合は、自動改札機を通過する乗客を均等に各車両に分配するように紐付けることを特徴とする車両混雑率予測装置
  2. 前記車両乗車数を計算する手段は、
    対象とする当該駅の当該単位時間のベース乗車数に対して当該駅の当該単位時間の増減乗車数を加算することにより当該駅の車両乗車数を計算し、
    前記当該駅の当該単位時間のベース乗車数は、当該単位時間に繰り越し車が無い場合は、直前停車駅の当該単位時間の車両乗車数から取得する一方、当該単位時間に繰り越し車が有る場合は、直前停車駅の直前単位時間の車両乗車数と直前停車駅の当該単位時間の車両乗車数に対してそれぞれ繰り越し車数と繰り越し無し車数を重み付けして平均を算出することにより取得し、かつ、
    前記当該駅の当該単位時間の増減乗車数は、前記車両番号に紐付けられた全ての前記改札IDについての上り電車又は下り電車の前記入場者平均数の和から上り電車又は下り電車の前記退場者平均数の和を減算し、当該単位時間の上り電車又は下り電車の前記発着回数で除算することにより取得することを特徴とする請求項1に記載の車両混雑率予測装置
  3. 前記混雑率予測装置はさらに、
    イベントが発生したとき、駅名、発生時刻、終了時刻及びイベント説明を対応付けてデータベースに登録する手段と、
    イベントが発生したときの単位時間毎の前記上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数を、イベントが発生していないときのそれらの各々でそれぞれ除算することにより、イベント発生時の混雑率比率を計算する手段と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両混雑率予測装置
  4. 前記車両乗車数を計算する手段は、
    対象とする当該駅の当該単位時間の普通電車と急行電車のそれぞれについて車両乗車数を計算し、計算された普通電車と急行電車の各車両乗車数に対し、当該単位時間における普通電車の発着回数と急行電車の発着回数をそれぞれ重み付けして平均を算出することにより、当該単位時間の車両乗車数を得ることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の車両混雑率予測装置
  5. 各路線の各駅に設置された複数の自動改札機通信回線を経由して接続可能な混雑率予測装置を用い、各駅の単位時間毎に電車の車両毎の混雑率を予測する車両混雑率予測方法であって、前記混雑率予測装置が、
    各駅の各自動改札機の改札IDと電車の各車両の車両番号との紐付けを予めデータベースに格納するステップと、
    各駅の上り電車及び下り電車の各々の発着回数を単位時間毎に予めデータベースに格納するステップと、
    各乗客が前記自動改札機を通過したときの駅名、改札ID、通過時間及び入退場フラグ含む入退場情報を取得し、データベースに登録するステップと、
    所定の期間に登録された全ての前記入退場情報に基づいて、各乗客が上り電車又は下り電車のいずれの乗客かを判断し、日次にて各駅の各改札IDについて単位時間毎に上り電車の入場者数及び退場者数並びに下り電車の入場者数及び退場者数をそれぞれカウントするステップと、
    前記所定の期間の中から所定の条件に該当する日付を抽出し、抽出された日付についての前記上り電車の入場者数及び退場者数並びに下り電車の入場者数及び退場者数をそれぞれ平均することにより、単位時間毎に上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数をそれぞれ計算するステップと、
    各駅の単位時間毎に、前記上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数と、前記改札IDと前記車両番号との紐付けと、前記各駅の発着回数とに基づいて、各駅の単位時間毎に上り電車及び下り電車の各々の車両毎の車両乗車数を計算するステップと、
    前記車両乗車数を1車両の定員数で除算することにより車両毎の混雑率を計算するステップとを実行するとともに、
    前記改札IDと前記車両番号との紐付けは、自動改札機に最も近い車両を特定できる場合は改札IDを最も近い車両の車両番号に紐付け、自動改札機に最も近い車両を特定できない場合は、自動改札機を通過する乗客を均等に各車両に分配するように紐付ける車両混雑率予測方法
  6. 前記車両乗車数を計算するステップでは、
    対象とする当該駅の当該単位時間のベース乗車数に対して当該駅の当該単位時間の増減乗車数を加算することにより当該駅の車両乗車数を計算し、
    前記当該駅の当該単位時間のベース乗車数は、当該単位時間に繰り越し車が無い場合は、直前停車駅の当該単位時間の車両乗車数から取得する一方、当該単位時間に繰り越し車が有る場合は、直前停車駅の直前単位時間の車両乗車数と直前停車駅の当該単位時間の車両乗車数に対してそれぞれ繰り越し車数と繰り越し無し車数を重み付けして平均を算出することにより取得し、かつ、
    前記当該駅の当該単位時間の増減乗車数は、前記車両番号に紐付けられた全ての前記改札IDについての上り電車又は下り電車の前記入場者平均数の和から上り電車又は下り電車の前記退場者平均数の和を減算し、当該単位時間の上り電車又は下り電車の前記発着回数で除算することにより取得することを特徴とする請求項5に記載の車両混雑率予測方法。
  7. 前記混雑率予測装置はさらに、
    イベントが発生したとき、駅名、発生時刻、終了時刻及びイベント説明を対応付けてデータベースに登録するステップと、
    イベントが発生したときの単位時間毎の前記上り電車の入場者平均数及び退場者平均数並びに下り電車の入場者平均数及び退場者平均数を、イベントが発生していないときのそれらの各々でそれぞれ除算することにより、イベント発生時の混雑率比率を計算するステップと、を実行することを特徴とする請求項5又は6に記載の車両混雑率予測方法。
  8. 前記車両乗車数を計算するステップでは、
    対象とする当該駅の当該単位時間の普通電車と急行電車のそれぞれについて車両乗車数を計算し、計算された普通電車と急行電車の各車両乗車数に対し、当該単位時間における普通電車の発着回数と急行電車の発着回数をそれぞれ重み付けして平均を算出することにより、当該単位時間の車両乗車数を得ることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の車両混雑率予測方法。
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