以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1ないし図8は、この発明の実施の形態に係る太陽電池ユニット1を示す図である。この太陽電池ユニット1は、図7(a)、図8に示すように、太陽電池セル2が複数直列に接続されて構成されているもので、主として、太陽電池セル2と、接続体としてのバックアップ材3と、導線11とを有している。この太陽電池ユニット1は、全体を透明なケーシング(図示略)によって覆われている。
太陽電池セル2は、色素増感型太陽電池セルから構成されており、図1、図2に示すように、外形が円盤状(コンパクトディスク状)に形成されている。太陽電池セル2は、図3に示すように、上側透明基板2aと、負極側電極2bと、発電部2cと、正極側電極2dと、下側透明基板2eとを有している。上側透明基板2aは、透明プラスチックから構成されており、光を受ける受光面として機能している。負極側電極2bは、上側透明基板2aの下面側に形成されており、光を透過する機能を有している。
発電部2cは、負極側電極2bの下面側に形成され、多孔質半導体膜およびその表面に吸着された色素ならびに電解液とから構成されている。ここで、多孔質半導体膜は、半導体特性を有する酸化物、例えば酸化チタンなどからなる。また、電解液は、酸化状態の色素を還元する特性を有する電解質溶液、例えばヨウ素溶液などからなる。正極側電極2dは、発電部2cの下面側に形成されており、光を透過する機能を有している。下側透明基板2eは、正極側電極2dの下面側に形成されており、透明プラスチックから構成されている。
この色素増感型の太陽電池セル2は、上側透明基板2aに太陽光などの光が照射されると、この光が光を透過する負極側電極2bを介して発電部2cの色素に到達し、光エネルギによる励起によって色素から電子が放出されるようになっている。そして、色素から放出された電子は、酸化チタンを介して負極側電極2bへ導かれ、直流として取出される。負極側電極2bから送り出された電子は、外部回路(図示略)を経由して正極側電極2dに戻り、発電部2cの色素に再び戻るようになっている。
太陽電池セル2の半径方向の中心部には、図2に示すように、第1の嵌合部24が形成されている。第1の嵌合部24は、下方に突出する凸状に形成されている。この実施の形態1においては、第1の嵌合部24は、第1の負極側導電体22と第1の正極側導電体23とを利用して形成されている。すなわち、太陽電池セル2の半径方向の中心部には、円形状の第1の負極側導電体22と第1の正極側導電体23とが重ね合わされた状態で配置されており、その中心部に第1の嵌合部24が位置している。
第1の嵌合部24は、上述したように、第1の負極側導電体22と第1の正極側導電体23との一部が重なり合って下側に向かって凸状に形成されているもので、雄型スナップボタン状に形成されている。すなわち、第1の嵌合部24は、基端部から軸心Pと同心状に凸状に突出しており、基端部側に小径部24aを有し、先端部側に大径部24bを有するように、先端部に向かって外径が大となるように形成されている。この第1の嵌合部24の先端部において、第1の正極側導電体23は開口部23aを有し、その開口部23aから第1の負極側導電体22が露出して開口部23aを塞ぐようになっている。すなわち、第1の嵌合部24は、側面部に第1の正極側導電体23のみが露出し、底面部には第1の負極側導電体22のみが露出している。ここで、第1の嵌合部24の第1の負極側導電体22と第1の正極側導電体23との間には、絶縁部材としての絶縁体被膜が形成されている。この実施の形態1においては、第1の負極側導電体22と第1の正極側導電体23の材料として、例えばリン青銅またはステンレス鋼(SUS304)にニッケルメッキを施したものが用いられている。この第1の負極側導電体22の外周部は、図3に示す負極側電極2bと電気的に接続可能とされるようになっている。同様に、第1の正極側導電体23の外周部は、図3に示す正極側電極2dと電気的に接続可能とされるようになっている。
バックアップ材3は、図7(c)、図8に示すように、格子状の非導電体で形成され、太陽電池ユニット1の形状に合わせて設定、配設される。この実施の形態1では、バックアップ材3は、格子間隔が太陽電池セル2の直径と等しい格子状に形成され、太陽電池セル2が着脱自在に支持されている。バックアップ材3には、図7(b)、図8に示すように、第2の嵌合部33が形成されている。第2の嵌合部33は、図4に示すように、太陽電池セル2の第1の負極側導電体22に接触可能な第2の負極側導電体31と、太陽電池セル2の第1の正極側導電体23に接触可能な第2の正極側導電体32を有している。第2の嵌合部33は、第2の負極側導電体31と第2の正極側導電体32の一部が重なり合って凹状に形成されているもので、雌型スナップボタン状に形成されている。すなわち、第2の嵌合部33の第2の正極側導電体32は、基端部から軸心Pと同心状に立設しており、基端部側に大径部32aを有し、先端部側に小径部32bを有するように、先端部に向かって外径が小となるように形成されている。
第2の嵌合部33の先端部において、第2の正極側導電体32は開口部32cを有し、その開口部32cから基端部側の第2の負極側導電体31が露出している。すなわち、第2の嵌合部33は、側面部に第2の正極側導電体32のみが露出し、底面部には第2の負極側導電体31のみが露出している。ここで、第2の嵌合部33の第2の負極側導電体31と第2の正極側導電体32との間には、絶縁部材としての絶縁体被膜が形成されている。第2の負極側導電体31と第2の正極側導電体32の材料として、例えばリン青銅またはステンレス鋼(SUS304)にニッケルメッキを施したものが用いられている。第2の嵌合部33は、第1の嵌合部24との嵌合時には半径方向外方に弾性変形するようになっている。第2の嵌合部33には、第1の嵌合部24との嵌合を容易にするため、軸心Pを中心として周方向に所定の間隔をもって複数のスリット(切れ目)を形成することが望ましい。
第1の嵌合部24と第2の嵌合部33とが嵌合した際には、図5に示すように、第1の負極側導電体22と第2の負極側導電体31とが導通し、第1の正極側導電体23と第2の正極側導電体32とが導通するようになっている。すなわち、第1の嵌合部24の先端部と第2の嵌合部33の底面部とが接触することによって、第1の負極側導電体22と第2の負極側導電体31とが導通し、第1の嵌合部24の側面部(外周部)と第2の嵌合部33の側面部(内周部)とが接触することによって、第1の正極側導電体23と第2の正極側導電体32とが導通するようになっている。さらに、図6に示すように、第2の嵌合部33の第2の正極側導電体32と、他の第2の嵌合部33の第2の負極側導電体31とが導線11によって電気的に接続可能とされることにより、複数の太陽電池セル2が直列に接続されて太陽電池ユニット1が形成されている。
この実施の形態1においては、第1の嵌合部24は金属部材を用いて形成しているが、第1の嵌合部24をプラスチックからなる上側透明基板2aおよび下側透明基板2eを利用して形成し、プラスチックで形成された第1の嵌合部24に、負極側電極2bに接続される第1の負極側導電体22と、正極側電極2dに接続される第1の正極側導電体23とを設ける構成としてもよい。
次に、このような構成の太陽電池ユニット1の使用方法および作用について、説明する。
まず、太陽電池ユニット1を設置する場合には、発電出力や、設置場所の面積、形状などに応じて、設置する太陽電池セル2の数や配置を設定する。
そして、図7(c)に示すように、バックアップ材3が太陽電池ユニット1の形状に合わせて格子状に配設され、図7(b)に示すように、バックアップ材3の格子点上に、第2の嵌合33が配置され、第2の嵌合部33同士が直列となるように導線11で接続される。このとき、導線11によって、図6に示すように、第2の嵌合部33の第2の正極側導電体32と、次に接続される第2の嵌合部33の第2の負極側導電体31とが接続される。
つぎに、太陽電池セル2が、すべての第2の嵌合部33に装着される。具体的には、図5に示すように、太陽電池セル2の第1の嵌合部24とバックアップ材3の第2の嵌合部33とが嵌合される。このとき、第1の嵌合部24は、第2の嵌合部33に対して軸心P回りに回動自在であるので、太陽電池セル2を第2の嵌合部33に対して方向性を制限されることなく嵌合させることができる。
このようにして、太陽電池ユニット1が設置されると、図6、図7(a)、図8に示すように、太陽電池セル2同士が外周部で互いに接するように配置されることになる。ここで、太陽電池ユニット1を風雪などから保護するために、透明なケーシングで覆う。
また、太陽電池ユニット1が発電しなくなった場合(出力電流が0となった場合)には、ケーシングを外し、太陽電池ユニット1の劣化している太陽電池セル2の第1の嵌合部24がバックアップ材3の第2の嵌合部33から取外され、新しい太陽電池セル2がバックアップ材3に装着され、ケーシングが戻される。このように、劣化した太陽電池セル2のみが交換されることによって、太陽電池ユニット1は再び発電が可能となる。
以上のように、この太陽電池ユニット1によれば、太陽電池セル2がバックアップ材3に対して着脱自在に配設されるので、太陽電池セル2が劣化した場合には、劣化した太陽電池セル2のみを交換することが可能になる。したがって、劣化した太陽電池セル2を交換するのみで、発電出力を落とさずに太陽電池ユニット1を長期間にわたって稼働させることができる。また、太陽電池セル2の第1の嵌合部24は、バックアップ材3の第2の嵌合部33に対して軸心P回りに回動可能であるので、太陽電池セル2の取付け方向が制約されず、太陽電池セル2のバックアップ材3への装着が容易となる。この際、太陽電池セル2の着脱は、スナップボタン状の第1の嵌合部24と第2の嵌合部33とによるため、容易かつ確実に着脱することができる。また、第1の嵌合部24は太陽電池セル2の中央部に配設され、かつ、第1の嵌合部24と第2の嵌合部33とはそれぞれ同心状に形成され方向性を有さないので、太陽電池セル2の製造、設置に要する手間とコストを削減できる。
また、太陽電池セル2は、色素増感型太陽電池セル2から構成されているので、形状を変更する自由度が他の種類の太陽電池セル2に比べて高く、多様な形状の太陽電池セル2を製作することが可能となる。
(実施の形態2)
図9は、この発明の実施の形態2を示している。この実施の形態が実施の形態1と異なるところは、太陽電池セル4が昇圧回路40を備えている構成のみであり、その他の部分は実施の形態1に準じるので、準じる部分に実施の形態1と同一の符号を付すことにより、準じる部分の説明を省略し、後述する実施の形態3ないし5についても同様とする。
太陽電池セル4は、受光面41と第1の嵌合部44との間に、負極側電極2bと正極側電極2dとの間に生じる電圧を上昇させる板状の昇圧回路40を備えている。このため、昇圧回路40を備えた太陽電池ユニット1の出力電圧は、昇圧回路40を備えていない太陽電池ユニット1に対してよりも上昇するようになっている。
このように構成された実施の形態2においては、負極側電極2bと前記正極側電極2dとの間に生じる電圧を上昇させる板状の昇圧回路を備えているので、太陽電池セル2の出力電圧を高めることができ、例えば太陽電池セル2からの出力電圧をそのまま利用して二次電池の充電を行うことが可能となる。また、第1の嵌合部44と第2の嵌合部33とは嵌合して導通するが、太陽電池セル4から得られる出力電圧を昇圧させることで、接触抵抗による損失の影響を軽減させることができる。
さらに、昇圧回路40は、薄い板状で受光面41と第1の嵌合部44との間に配設されているので、太陽電池セル4とバックアップ材3との着脱時に、特別な配線などが必要なく、容易に着脱できる。
(実施の形態3)
図10(a)、図10(b)は、この発明の実施の形態3を示している。この実施の形態が実施の形態1と異なるところは、太陽電池セル5と導線13の構成である。
太陽電池セル5は、図10(a)に示すように正六角形の平板状に形成され、複数の太陽電池セル5を隙間なく連続的に、つまり、ハニカム構造で配設することによって太陽電池ユニット1が形成されるようになっている。このため、導線13、第2の嵌合部33は、太陽電池セル5がハニカム構造となるように、例えば図10(b)に示すように配設されている。
このように構成された実施の形態3においては、太陽電池セル5を隙間なく配設して太陽電池ユニット1を構成できるので、設置面積当たりの発電出力を最大とすることができる。
(実施の形態4)
図11(a)、図11(b)は、この発明の実施の形態4を示している。この実施の形態が実施の形態1と異なるところは、太陽電池セル6の構成である。
太陽電池セル6は、図11(a)に示すように正方形の平板状で、複数の太陽電池セル6を隙間なく連続的に配設することで太陽電池ユニット1が形成されるようになっている。このため、導線14、第2の嵌合部33は、太陽電池セル6が格子状に配設されるように例えば図11(b)に示すように配設されている。
このように構成された実施の形態4においては、太陽電池セル6を隙間なく配設して太陽電池ユニット1を構成できるので、設置面積当たりの発電出力を最大とすることができる。また、太陽電池セル6は格子状に配設されるので、バックアップ材、導線14、第2の嵌合部33を容易に設定、設置できる。
(実施の形態5)
図12(a)、図12(b)は、この発明の実施の形態5を示している。この実施の形態が実施の形態1と異なるところは、太陽電池セル7と導線15の構成である。
太陽電池セル7は、図12(a)に示すように正三角形の平板状に形成され、複数の太陽電池セル7を隙間なく連続的に配設することで太陽電池ユニット1が形成されるようになっている。このため、導線15、第2の嵌合部33は、太陽電池セル7を隙間なく配設可能となるように例えば図12(b)に示すように形成されている。
このように構成された実施の形態5においては、太陽電池セル7を隙間なく配設して太陽電池ユニット1を構成できるので、設置面積当たりの発電出力を最大とすることができる。
(実施の形態6)
図13ないし図15は、この発明の実施の形態6を示している。この実施の形態が他の実施の形態と異なるところは、太陽電池セル110と、接続体130の構成である。
太陽電池セル110は、外形が円盤状(コンパクトディスク状)に形成されている。太陽電池セル110は、図15に示すように、主として、正極側電極110a1と下側透明基板110a2とを有する正極板100aと、上側透明基板110b2と負極側電極110b1とを有する負極板110bと、発電部110cとを有している。上側透明基板110b2は、透明プラスチックから構成されており、光を受ける受光面として機能している。負極側電極110b1は、上側透明基板110b2の下面側に形成されており、光を透過する機能を有している。
発電部110cは、負極側電極110b1の下面側に形成され、負極側電極110b1の外周側に形成されている。このため、負極板110bの中央下側(第1の負極側導電体)は、負極側電極110b1が露出した状態となっている。
正極側電極110a1は、発電部110cの下面側に形成されており、光を透過する機能を有している。正極側電極110a1は、透明プラスチックから構成されている下側透明基板110a2の上面と内周側と下面とを覆うようにして形成されている。このため、正極板100aの内周側(第1の正極側導電体)は、正極側電極110a1が露出した状態となっている。この実施の形態では、正極側電極110a1と第1の正極側導電体とが一体的に形成され、負極側電極110b1と第1の負極側導電体とが一体的に形成されて、第1の接続部が構成されている。
接続体130は、図13および図14に示すように、主として、上部接続体(シャフトキーカバー)131と、下部接続体(コネクタ)132とで構成されている。シャフトキーカバー131は、図14(a−1)、図14(a−2)に示すように、中央下側にシャフトキー131aを有し、コネクタ132の中央上側に形成されたキー溝132aと係合可能となっている。さらに、シャフトキーカバー131の内周側は、太陽電池セル110との接触面積を削減するための空間部131e、131fを有している。これにより、太陽電池セル110とシャフトキーカバー131とは外縁部のみで接触するようになっている。
コネクタ132は、図14(b−1)、図14(b−2)に示すように、中央上側に円形の突出部132bが形成されている。突出部132bの外周は、太陽電池セル110の中央部に配設されている挿通孔の外周と同等の大きさで、太陽電池セル110の厚さと同等の高さとなっている。つまり、突出部132bに、太陽電池セル110の挿通孔を挿通した場合のみ、シャフトキーカバー131とコネクタ132とを密着させることができるように設定されている。また、コネクタ132の外縁部には、バックアップ材120と係合するための第1のフック132f、第2のフック132g、第3のフック132h、第4のフック132iとを有している。
コネクタ132には、フローティングピン133、134、135、136が配設されている。フローティングピン133〜136は、電気導電性を有する材料で構成され、図13に示すように、下端側がコネクタ132の底面部に配設された貫通孔133a、134a、135a、136aから露出し、上端側はコネクタ132の上面から突出するようになっている。このフローティングピン133〜136は、上下方向に伸縮自在となっており、上側から押圧すると、上端部が下方に変位可能であり、太陽電池セル110が接続体130に取り付けられた状態では、太陽電池セル110によって下方に押圧され変位した状態となっている。また、フローティングピン133〜136の下端側は、バックアップ材120に配設された導電体121、122、123、124と電気的に接続可能となっている。
ここで、バックアップ材120は、コネクタ132の底面側を保持するためのものであり、電気絶縁性を有している。この実施の形態では、バックアップ材120は、接続体130よりも大きい円形状に設定されている。バックアップ材120には、各フック132f〜132iの爪部132f1〜132i1と着脱自在に係合可能な係合部が配設されている。また、導電体121〜124は、バックアップ材120の上面側に、複数の太陽電池セル110を所望の形状に接続可能となるように複数組が配設されている。この複数組の導電体121〜124は、導線(図示略)によって接続され、太陽電池ユニットの配線回路(回路)を構成するようになっている。
第2の正極側導電体としての正極側フローティングピン133、134は、コネクタ132の外周側に配設されており、太陽電池セル110が接続体130に取り付けられた(シャフトキーカバー131とコネクタ132とで挟持され、固定された)状態では、太陽電池セル110の正極板100aと電気的に接続可能となっている。第2の負極側導電体としての負極側フローティングピン135、136は、コネクタ132の内周側に配設されており、太陽電池セル110の負極板110bと電気的に接続可能となっている。
このような構成の接続体130は、図14(c−1)、図14(c−2)に示すように、シャフトキー131aをキー溝132aに挿入し、押圧しながらシャフトキーカバー131を矢印方向に約90°回転させることにより、シャフトキー131aの先端側のキー部131b、131cが、キー溝132aの段差部132eと係合するとともに、シャフトキーカバー131とコネクタ132とが係合する。また、シャフトキーカバー131は、係止壁132c、132dと当接することによって矢印方向への回動が規制される。
次に、このような構成の太陽電池セル110と、接続体130との接続方法および作用について、説明する。
まず、コネクタ132の突出部132bに、太陽電池セル110の挿通孔を挿入した状態で、さらにシャフトキーカバー131のシャフトキー131aをキー溝132aに挿入し、押圧しながらシャフトキーカバー131を矢印方向に回転させて、固定する。このとき、シャフトキーカバー131のネジ頭部を工具によって回動させてもよい。これにより、正極板100aと正極側フローティングピン133、134と、負極板110bと負極側フローティングピン135、136とが電気的に接続可能となる。また、コネクタ132をバックアップ材120に固定すると、フローティングピン133〜136の下端側は導電体121〜124と密着し電気的に接続可能となる。
このように構成された実施の形態6においては、シャフトキーカバー131とコネクタ132とによって、太陽電池セル110とフローティングピン133〜136とを所定位置にガイドすることができるので、太陽電池セル110の取付けがより容易かつ強固になる。また、突出部132bに、太陽電池セル110の挿通孔を挿通した場合のみ、シャフトキーカバー131とコネクタ132とを密着させることができるので、太陽電池セル110の取付位置を誤った状態での取付けを防止し、簡単な操作で誰でも適切に取付けることができる。
つまり、シャフトキー131aをキー溝132aに挿入し、押圧しながらシャフトキーカバー131を矢印方向に回転させるだけで、太陽電池セル110の正極板100aと正極側フローティングピン133、134と、負極板110bと負極側フローティングピン135、136とを電気的に接続可能とすることができるので、簡単な操作で誰でも適切に取付けることができる。
また、作業者は、シャフトキー131aをキー溝132aに挿入すればよく、太陽電池セル110や接続体130の方向を意識する必要がないので、取付けに要する手間と時間とを削減することができる。
さらに、太陽電池セル110と接続体130とは着脱自在であるので、必要に応じて組み立てたり、取り外したりすることができる。
さらにまた、シャフトキーカバー131とコネクタ132とを係合した状態で、シャフトキーカバー131上面中央部のネジ頭部をカバー(図示略)によって覆うようにし、各コネクタ132の専用鍵(図示略)によって、カバーの開閉を行うようにしてもよい。これにより、シャフトキーカバー131とコネクタ132が、意図せずに取り外されてしまうことを防止することができる。
(実施の形態7)
図16、図17は、この発明の実施の形態7を示している。この実施の形態が他の実施の形態と異なるところは、太陽電池セル210と接続体220の構成である。
太陽電池セル210は、外形が円盤状(コンパクトディスク状)に形成され、主として、正極側電極210aと、負極側電極210bと、発電部210cとを有している。正極側電極210aは、太陽電池セル210と同心のリング状に形成され、太陽電池セル210の中央下側に配設されている。負極側電極210bは、正極側電極210aよりも小さい内径の太陽電池セル210と同心のリング状に形成され、太陽電池セル210の内径が正極側電極210a上部よりも小さくなった中央上側に配設されている。このため、太陽電池セル210の下側は段差状となっており、中央上側に負極側電極210bが露出して第1の負極側導電体を構成し、中央下側に正極側電極210aが露出し第1の正極側導電体を構成し、第1の接続部が形成されている。
接続体220は、本体部230と、プリント基板240と、フタ基板250と、ネジ260とを有している。
本体部230は、合成樹脂などの電気絶縁性を有する材料で構成され、プリント基板240を保持可能なもので、中央部に直径d230の円柱状の基板保持部231を有している。この基板保持部231の直径d230は、プリント基板240の内径、太陽電池セル210の内径と同じかわずかに大に設定されている。また、基板保持部231の下端側は、直径d230より大きくなっており、基板保持部231に挿通された太陽電池セル210を支持可能となっている。さらに、基板保持部231には、中央部にネジ260と螺合可能な雌ネジ231aが形成されている。また、太陽電池セル210を支持した状態で、後述する正極側電極242d、242g、負極側電極243d、243gが露出するように、本体部230の底面側は形成されている。
プリント基板240は、基板本体241と、基板上面241aと、基板底面241bと、第2の接続部の第2の正極側導電体を構成する第1の銅箔242aと、第1の導電ゴム242bと、第1のスルーホール242cと、第2の銅箔242dと、第2の導電ゴム242eと、第2のスルーホール242fと、第3の銅箔242gと、第2の接続部の第2の負極側導電体を構成する第4の銅箔243aと、第3の導電ゴム243bと、第3のスルーホール243cと、第5の銅箔243dと、第4の導電ゴム243eと、第4のスルーホール243fと、第6の銅箔243gと、を有している。
第1の銅箔242aは、基板上面241aの外周側にプリント基板240と同心のリング状にプリントされて形成され、第1の導電ゴム242bを介して、太陽電池セル210の正極側電極210aと電気的に接続可能となっている。第1の導電ゴム242bは、第1の銅箔242aの上側に配設され、ワッシャとして機能するものであり、正極側電極210aと接触して電気的に接続可能となっている。第1のスルーホール242cは、充填された導電体を介して、第1の銅箔242aと第2の銅箔242dとを電気的に接続可能とする。第2の銅箔242dは、第1のスルーホール242cの下側で、基板底面241bの外周側にプリントされて円形に形成されている。また、第3の銅箔242gは、基板底面241bの外周側に第2の銅箔242dと対向する位置にプリントされて円形に形成されており、第1の銅箔242aと第3の銅箔242gとを第2のスルーホール242fを介して電気的に接続可能とする。
また、第4の銅箔243aは、基板上面241aの第1の銅箔242aより内周側にプリント基板240と同心のリング状にプリントされて形成され、第3の導電ゴム243bを介して、太陽電池セル210の負極側電極210bと電気的に接続可能となっている。第3の導電ゴム243bは、第4の銅箔243aの上側に配設され、ワッシャとして機能するものであり、負極側電極210bと接触して電気的に接続可能となっている。第3のスルーホール243cは、充填された導電体を介して第4の銅箔243aと第5の銅箔243dとを電気的に接続可能とする。第5の銅箔243dは、第3のスルーホール243cの下側で、基板底面241bの外周側にプリントされて円形に形成されている。また、第6の銅箔243gは、基板底面241bの外周側に第5の銅箔243dと対向する位置にプリントされて円形に形成されており、第4の銅箔243aと第5の銅箔243dとを第4のスルーホール243fを介して電気的に接続可能とする。
このような構成の第2の正極側導電体、第2の負極側導電体は、バックアップ材(図示略)に配設された導電体(図示略)と電気的に接続可能となっている。ここで、バックアップ材は、接続体220の本体部230の底面側を保持するためのものであり、電気絶縁性を有している。また、導電体は、バックアップ材の上面側に、複数の太陽電池セル210を所望の形状となるように配設されている。さらに、導電体は、導線(図示略)によって接続され、太陽電池ユニットの配線回路(回路)を構成するようになっている。このようにして、正極側電極210aは、第2の銅箔242dと第3の銅箔242gとを介して、太陽電池ユニットの配線回路(回路)と電気的に接続可能となり、負極側電極210bは、第5の銅箔243dと第6の銅箔243gとを介して、配線回路(回路)と電気的に接続可能となっている。
フタ基板250は、円板状に形成され、太陽電池セル210の上面側に配設可能となっている。フタ基板250の底面中央部には、プリント基板240の上端側と係合可能な、係合部251が形成されている。
ネジ260は、プリント基板240とフタ基板250とで太陽電池セル210を狭持した状態で、基板保持部231と螺合して締結するものである。ネジ260で締結することにより、第1の導電ゴム242bと、第2の導電ゴム242eと、第3の導電ゴム243bと、第4の導電ゴム243eが押圧されて収縮することでワッシャとして機能し、密着性が高まる。
このような本体部230の基板保持部231に太陽電池セル210を挿通し、太陽電池セル210の上側には、フタ基板250の係合部251と基板保持部231の上端部との位置を合わせた状態で、ネジ260によって締結する。これにより、プリント基板240と太陽電池セル210とを密着させることができる。
このように構成された実施の形態7においては、太陽電池セル210と接続体220とを、ネジ260によって締結することによって密着させることができるので、容易かつ強固に取付けることができる。
つまり、ネジ260によって太陽電池セル210と接続体220とを締結することで、正極側電極210a、負極側電極210bと、プリント基板240の第2の正極側導電体および第2の負極側導電体とを電気的に接続可能とすることができるので、簡単な操作で誰でも適切に取付けることができる。
また、作業者は、本体部230の基板保持部231に太陽電池セル210を挿通し、太陽電池セル210の上側には、フタ基板250の係合部251を基板保持部231の上端部に合わせればよく、太陽電池セル210や接続体220の方向を意識する必要がないので、取付けに要する手間と時間とを削減することができる。
さらに、太陽電池セル210と接続体220とは着脱自在であるので、必要に応じて組み立てたり、取り外したりすることができる。
(実施の形態8)
図18ないし図20は、この発明の実施の形態8を示している。この実施の形態が他の実施の形態と異なるところは、太陽電池セル110と接続体130とを取り付けるバックアップ材300と、導線としての接続部材400〜480の構成である。
バックアップ材300は、図18に示すように、シート部310と、支持部材320と、コーナーピース330a〜330dとを有している。また、バックアップ材300は、導線E1、E2を介して例えばリチウムイオン二次電池などの電池部Bに接続されている。
シート部310は、ワイヤや合成樹脂などの形状記憶材で構成されて楕円形上に形成された枠材310aによって外縁部を支持され、たわみなく張った状態となっている。シート部310は、ポリエステルなどの合成繊維で構成されている。また、枠材310aは、可橈性を有しており、折り曲げることができるようになっている。
支持部材320は、太陽電池セル110を底面側(裏面側)から支持するための正方形の板状部材で、シート部310上に、太陽電池セル110の取付位置と対応してそれぞれ配設されている。そして、支持部材320の上面側には、各フック132f〜132iの爪部132f1〜132i1と係合可能な係合部が配設され、接続体130を介して太陽電池セル110を固定可能となっている。また、外縁部の支持部材320は、コーナーピース330a〜330dによって枠材310aに固定されている。また、隣接する支持部材320は、相互に固定されていないため、支持部材320が配設されたシート部310は、支持部材320に沿って折り畳むことが可能となっている。
接続部材400は、図19(a)に示すように、軸部403の一端側に配設された扇型状の第1の接続部401と、軸部403の他端側に配設された扇型状の第2の接続部402とを有している。第1の接続部401は、外周側に弧に沿って配設された正極端子401aと、内周側に弧に沿って配設された負極端子401bとを有している。また、第1の接続部401は、一方の弦にくぼみ部が形成され、他方の弦に突出部が形成されている。第2の接続部402は、外周側に弧に沿って配設された正極端子402aと、内周側に弧に沿って配設された負極端子402bとを有している。また、第2の接続部402は、一方の弦に突出部が形成され、他方の弦にくぼみ部が形成されている。ここで、突出部は他の接続部材のくぼみ部と嵌合して電気的に接続可能となり、くぼみ部は他の接続部材の突出部と嵌合して電気的に接続可能となる。
接続部材410は、図19(b)に示すように、接続部材400と同等に構成されているため、対応する符号を付すことによって説明を省略し、以下、接続部材420〜440においても同様とする。第1の接続部411は、一方の弦に突出部が形成され、他方の弦にくぼみ部が形成されている。また、第2の接続部412は、一方の弦にくぼみ部が形成され、他方の弦に突出部が形成されている。
接続部材420は、直列接続に用いるものであって、図19(c)に示すように、軸部423に、正極電線423aと負極電線423bとが直列に配設されており、正極端子421a、負極端子422bと接続されている。また、第1の接続部421は、いずれの弦にもくぼみ部が形成され、第2の接続部422は、いずれの弦にも突出部が形成されている。
接続部材430は、並列接続に用いるものであって、図19(d)に示すように、軸部433に、正極電線433aと負極電線433bとが並列に配設されており、正極端子431aおよび正極端子423a、負極端子431aおよび負極端子432bとそれぞれ接続されている。第1の接続部431、第2の接続部432は、第1の接続部401、第2の接続部402と同等に構成されている。
接続部材440は、並列接続に用いるものであって、図19(e)に示すように、第1の接続部441、第2の接続部442は、接続部材410の第1の接続部411、第2の接続部412と同等に構成されている。また、正極電線443a、負極電線443bは、接続部材433の正極電線433a、負極電線433bと同等に構成されている。
接続部材450は、図19(f)に示すように、扇型状の接続部のみから構成されており、外周側に弧に沿って配設された正極端子451aと、内周側に弧に沿って配設された負極端子451bとを有している。また、接続部材450は、一方の弦に突出部が形成され、他方の弦にくぼみ部が形成されている。
接続部材460は、図19(g)に示すように、接続部材450と同等に構成されているため、対応する符号を付すことによって説明を省略し、以下、接続部材470、480においても同様とする。接続部材460は、一方の弦にくぼみ部が形成され、他方の弦に突出部が形成されている。
接続部材470は、図19(h)に示すように、いずれの弦にも突出部が形成されている。
接続部材480は、図19(i)に示すように、いずれの弦にもくぼみ部が形成されている。
次に、このような構成の太陽電池セル110と接続体130とをバックアップ材300に取り付け、接続部材400〜480によって接続する接続方法および作用について、説明する。ここでは、図19(c)に示す接続部材420、図19(f)に示す接続部材450、図19(g)に示す接続部材460を組み合わせて、太陽電池ユニットの配線回路(回路)を構成し、図20に示すように34枚の太陽電池セル110を直列に接続する場合について説明する。
まず、シート部310に34枚の支持部材320が、図18に示す所定の形状となるように配設される。そして、外縁部の支持部材320が、コーナーピース330a〜330dによって、枠材310aに固定される。また、接続部材420、450、460を順次接続して、所望の形状が構成された後に、図20に示すように、底面側(裏面側)が各支持部材320に固定される。
そして、接続部材420、450、460で構成された回路の接続部(接続部材の組合わせ部)に、接続体130のコネクタ132のフローティングピン133〜136が、電気的に接続可能となるように、支持部材320の係合部とコネクタ132のフック132f〜132iとを係合させる。ここで、回路の接続部においては、正極端子と負極端子とはそれぞれリング状となるように接続されているので、コネクタ132の方向を意識する必要がない。つまり、フローティングピン133〜136をどのような方向で配設したとしても、正極端子、負極端子のいずれかの部位と接続するようになっている。
このとき、接続部材420、450、460およびコネクタ132が配設されたシート部310は、折り畳んだり曲げたりした状態で収納したり運搬することが可能である。
そして、太陽電池セル110の挿通孔を、コネクタ132の突出部132bに挿入した状態で、上側からシャフトキー131aをキー溝132aに挿入し、押圧しながらシャフトキーカバー131を矢印方向に回転させる。これにより、正極板100a、負極板110bとフローティングピン133〜136とが電気的に接続可能とされ、太陽電池セル110と接続部材420、450、460とが電気的に接続可能とされる。
このように、太陽電池ユニットを設置する場合は、接続部材420、450、460およびコネクタ132が配設されたシート部310を折り畳んで小型化した状態で、設置場所まで運搬できる。また、太陽電池セル110は重ねた状態で運搬できる。そして、設置場所では、シート部310を広げ、各太陽電池セル110を、シャフトキーカバー131でコネクタ132に取り付ければよい。
また、太陽電池ユニットを撤去する場合は、太陽電池セル110と、シャフトキーカバー131とをコネクタ132から取り外し、シート部310を折り畳んで小型化することができる。
このように構成された実施の形態8においては、太陽電池ユニットを設置する場合は、接続部材420、450、460およびコネクタ132が配設されたシート部310を折り畳んで小型化した状態で、設置場所まで運搬できる。また、太陽電池セル110も重ねた状態で運搬できる。また、太陽電池ユニットを撤去する場合は、太陽電池セル110と、シャフトキーカバー131とを取り外し、シート部310を折り畳んで小型化することができる。つまり、太陽電池ユニットは、収納、運搬時には小型化することができる。
また、太陽電池ユニットは容易に組立自在であるので、必要なときに組立てることができ、不要な場合には小型化して収納することができる。このため、太陽光発電を行いたい時のみ、太陽電池ユニットを組み立てて使用すればよいため、太陽電池ユニットの劣化を防止して、長寿命化することができる。
(実施の形態9)
図21は、この発明の実施の形態9を示している。この実施の形態が他の実施の形態と異なるところは、太陽電池セル110と接続体(図示略)とを取り付ける接続部材500の構成である。
ここで、接続体は、実施の形態8の接続体130と略同等の構成であるが、コネクタの上面側に、8つのフローティングピンが配設されている点が異なっている。第2の正極側導電体としての4つの正極側フローティングピンは、コネクタの外周側に略等間隔に配設されており、太陽電池セル110が接続体に取り付けられた状態では、太陽電池セル110の正極板100aと電気的に接続可能となっている。第2の負極側導電体としての4つの負極側フローティングピンは、コネクタの正極側フローティングピンより内周側に略等間隔で配設されており、太陽電池セル110の負極板110bと電気的に接続可能となっている。そして、コネクタに太陽電池セル110の挿通孔を挿入した状態で、さらにシャフトキーカバーで固定すると、正極板100aと各正極側フローティングピンと、負極板110bと各負極側フローティングピンとが電気的に接続可能となる。
接続部材500は、略十字型のバックアップ材501に配設され、主として、正極側接続部材510と、負極側接続部材520とを有している。また、バックアップ材501の中央部には、コネクタと略同等の形状、大きさの円板部501aが配設されている。
正極側接続部材510は、各正極側フローティングピンと導通可能な正極側フローティングピン受部511、512、513、514と、正極側接続部材510の略中央部から外周方向に延びる正極側導電体515、516とを有している。正極側フローティングピン受部511〜514は、正極側接続部材510の略中央部外周側に等間隔に配設されている。コネクタをバックアップ材501に固定すると、各正極側フローティングピンの下端側は各正極側フローティングピン受部511〜514と密着し電気的に接続可能となる。正極側導電体515、516の外周側には、基板用コネクタ532、533がそれぞれ接続され、隣接する太陽電池セル110と接続可能となっている。
負極側接続部材520は、正極側接続部材510と略同等に構成され、各負極側フローティングピンと導通可能な負極側フローティングピン受部521、522、523、524と、負極側接続部材520の略中央部から外周方向に延びる負極側導電体525、526とを有している。負極側フローティングピン受部521〜524は、負極側接続部材520の略中央部内周側に等間隔に配設されている。コネクタをバックアップ材501に固定すると、各負極側フローティングピンの下端側は各負極側フローティングピン受部521〜524と密着し電気的に接続可能となる。負極側導電体525、526の外周側には、基板用コネクタ531、534がそれぞれ接続され、隣接する太陽電池セル110と接続可能となっている。
このように、接続部材500は、基板用コネクタ531〜534を介して、複数の太陽電池セル110が所望の形状に接続されるように配設され、太陽電池ユニットの回路を構成するようになっている。ここで、基板用コネクタは、隣接する太陽光セル110と電気的に接続する導通型基板用コネクタと、隣接する太陽光セル110と電気的に接続しない絶縁型基板用コネクタとを用いることにより、太陽電池ユニットの回路を自在に構成することができる。さらに、基板用コネクタ(配線ユニット型基板用コネクタ)533には、接続用導線533a、533bが配設されており、他の配線ユニット型基板用コネクタと接続用導線を介して接続することで、太陽電池ユニットの回路を構成可能になっている。
このように構成された実施の形態9においては、太陽電池ユニットは接続部材500と基板用コネクタによって容易に組立自在であるので、必要なときに組立てることができ、不要な場合には小型化して収納することができる。また、太陽電池ユニットは少ない部品で組立て可能であるため、取り扱いが容易である。さらに、基板用コネクタは、汎用品を使用することが可能であるため、コストを削減することができる。
(実施の形態10)
図22は、この発明の実施の形態10を示している。この実施の形態が他の実施の形態と異なるところは、太陽電池セル110と接続体(図示略)とを取り付ける接続部材600の構成である。ここで、接続体は、実施の形態9の接続体と略同等の構成である。
接続部材600は、可橈性を有し変形自在なシート状のバックアップ材601に複数組が配設され、カッティングライン600a1や600a2などに沿って、所望の形状・大きさにカットして使用することができるようになっている。接続部材600は、正極側接続部材610と負極側接続部材620とが連続して配設されている。
正極側接続部材610は、各正極側フローティングピンと導通可能な正極側フローティングピン受部611、612、613、614と、正極側導電体615とを有している。コネクタをバックアップ材601に固定すると、各正極側フローティングピンの下端側は各正極側フローティングピン受部611〜614と密着し電気的に接続可能となる。正極側導電体615には、基板用コネクタ631が接続され、基板用コネクタ631を介して隣接する太陽電池セル110と接続可能となっている。
負極側接続部材620は、正極側接続部材610と略同等に構成され、各負極側フローティングピンと導通可能な負極側フローティングピン受部621、622、623、624と、負極側導電体625とを有している。コネクタをバックアップ材601に固定すると、各負極側フローティングピンの下端側は各負極側フローティングピン受部621〜624と密着し電気的に接続可能となる。負極側導電体625には、基板用コネクタ632がそれぞれ接続され、基板用コネクタ632を介して隣接する太陽電池セル110と接続可能となっている。
このように、接続部材600は、基板用コネクタ631、632を介して、複数の太陽電池セル110によって所望の回路が構成されるように複数が接続されている。この複数の接続部材600および基板用コネクタは、太陽電池ユニットの回路を構成するようになっている。
このように構成された実施の形態10においては、接続部材600をカットして使用することで、太陽電池ユニットを設置場所に合わせて所望の形状に容易に組立て可能である。また、接続部材600をカットして使用するだけで、直列に接続された太陽電池ユニットが組立て可能となるので、電気の取り扱いに不慣れな設置者であっても容易に取り扱うことができる。また、接続部材600は可橈性を有するため、容易にカット可能である。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、太陽電池セル2を複数直列に接続して太陽電池ユニット1を構成したが、太陽電池セル2を並列に接続して太陽電池ユニット1を構成してもよい。また、太陽電池セル2の第1の嵌合部24と、バックアップ材3の第2の嵌合部33の形状は、第1の嵌合部24を雌型スナップボタン状に形成し、第2の嵌合部33を雄型スナップボタン状に形成してもよい。さらにまた、太陽電池ユニット1を複数接続して、太陽電池モジュールとしてもよいことはもちろんである。
また、第1の嵌合部24と第2の嵌合部33との嵌合は、図5に示すように、第2の嵌合部33の弾性変形を利用して行うようにしているが、スナップボタンのように線状のバネを利用した嵌合構造としてもよいし、その他の嵌合構造を採用してもよい。
また、太陽電池セル2は、色素増感型に限らず、シリコン太陽電池などの半導体化合物であってもよいことはもちろんである。
また、コネクタ132のフックの数や配置、バックアップ材120や支持部材320の係合部の数や配置は、上記に限定されないことはもちろんであり、コネクタ132をバックアップ材120や支持部材320に固定可能となっていればよい。また、コネクタ132のフローティングピンの数や配置、バックアップ材120の導電体121〜124の数や配置は、上記に限定されないことはもちろんであり、コネクタ132をバックアップ材120や支持部材320に電気的に接続可能となっていればよい。
さらに、太陽電池セルと接続体との組み合わせは、上記の実施例に限定されず、例えば、太陽電池セル110と接続体220とを組み合わせてもよい。この場合は、プリント基板240の第2の正極側導電体、第2の負極側導電体が、太陽電池セル110の正極板100a、負極板110bと、それぞれ電気的に接続可能となるようにすればよい。
さらにまた、バックアップ材300のシート部310が、枠材310aによって十分な張力を得られる場合は、支持部材320を配設しなくてもよい。この場合は、シート部310に、図20のように配置した接続部材420、450、460を直接固定すればよい。シート部310には、板状の支持部材320が固定されていないため、より容易に折り畳むことが可能となり、さらに太陽電池ユニットを軽量化、低コスト化することが可能となる。