JP5655674B2 - ヘッドマウントディスプレイ及びこれに用いられるプログラム - Google Patents
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本発明は、上記問題を解決し、視線入力可能なヘッドマウントディスプレイにおいて、誤検出の発生を防止する技術を提供することを目的とする。
ユーザの頭部に装着される頭部装着部と、
前記頭部装着部に取り付けられ、ユーザに画像を視認させる画像表示部と、
ユーザの視線の向きを検出する視線検出部と、
前記画像表示部に、動くマーカーを表示させるマーカー表示手段と、
前記視線検出部によって検出された視線の座標の時間微分により、視線の相対的な運動特徴を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記視線の相対的な運動特徴と前記マーカーの運動特徴との関連があるか否かを判断することにより、ユーザの視線入力を検出する視線動解析手段と、
前記視線動解析手段が検出した前記視線入力に対応する操作を実行させる操作実行手段を有することを特徴とする。
前記算出手段は、前記視線検出部によって検出された視線の座標の時間微分により、視線の相対的な運動特徴として、視線速度、及び視線加速度を算出することを特徴とする。
前記マーカー表示手段は、前記画像表示部に、一方向に動くマーカーを表示させることを特徴とする。
これにより、ユーザに負担を与えず、視線入力を検出することが可能となる。
前記マーカー表示手段は、前記画像表示部に、異なる方向に動く複数のマーカーを表示させることを特徴とする。
これにより、複数の操作を選択的に実行させることが可能となる。
前記マーカー表示手段は、前記画像表示部に、移動方向が途中で変化するマーカーを表示させることを特徴とする。
これにより、ユーザが、移動方向が途中で変化する前後のマーカーを目で追い続けなければ、ユーザの視線入力が検出されないので、視線入力の誤検出がより確実に防止される。
前記視線動解析手段は、マーカーの動きと相似的な視線の動きを検出することにより、ユーザの視線入力を検出することを特徴とする。
これにより、視線の動きがマーカーの動きに対して相似的であれば、その移動量に関らずユーザの視線入力が検出される。これによって、同一のマーカーの動きに対して、視線の移動量に個人差がある場合であっても、ユーザの視線入力が検出されないという誤検出を防止することが可能となる。
アプリケーションへの視線入力を受け付けないロック状態にある場合において、前記視線動解析手段が、マーカーの動きと関連している視線の動きを検出した場合に、前記操作実行手段は、前記ロック状態から、前記アプリケーションソフトへの視線入力を受け付けるロック解除状態に変更し、
ロック解除状態にある場合において、前記視線動解析手段が、マーカーの動きと関連している視線の動きを検出した場合に、前記操作実行手段は、前記アプリケーションソフトの操作を実行させることを特徴とする。
これにより、ロック状態に有る場合には、アプリケーションソフトへの不用意な操作が防止される一方で、ユーザの視線入力により、ロック解除状態に変更することができ、ユーザの意図に沿った操作を視線入力により実現することが可能となる。
ユーザの頭部に装着される頭部装着部と、
前記頭部装着部に取り付けられ、ユーザに画像を視認させる画像表示部と、
ユーザの視線の向きを検出する視線検出部を有するヘッドマウントディスプレイで実行されるプログラムであって、
前記画像表示部に、動くマーカーを表示させるマーカー表示ステップと、
前記視線検出部によって検出された視線の座標の時間微分により、視線の相対的な運動特徴を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された前記視線の相対的な運動特徴と前記マーカーの運動特徴との関連があるか否かを判断することにより、ユーザの視線入力を検出する視線動解析ステップと、
前記視線解析ステップで検出された前記視線入力に対応する操作を実行させる操作実行ステップを有することを特徴とする。
図3を用いて、本発明の概要について説明する。図3の(A)に示されるように、本発明のヘッドマウントディスプレイ100の画像表示部30(図1、図2に示す)は、一方向に動くマーカー801を繰り返し表示する。なお、図3の(B)〜(F)は、マーカー801の移動の遷移状態を表した図である。ユーザが動くマーカー801を目で追うと、視線検出部60(図1、図2に示す)でユーザの視線の動きが検出される。そして、マーカー801の動きと、視線検出部60で検出された視線の動きとが関連していると判断された場合に、ユーザの視線による入力操作(視線入力)が検出される。このように、本発明では、ユーザが一方向に動くマーカー801を目で追うと、ユーザの視線入力が検出されるように構成されているので、眼球999の自律的な動きに起因する誤検出を防止することが可能となる。従来では、表示領域800上のユーザの視線の絶対位置によりユーザの視線入力が検出されていたため、使用前に、マーカー801の座標とユーザの視線の座標を一致させる必要があり、個人ごとに視線座標の原点を定義するためのキャリブレーションが必要であった。本発明では、ユーザの視線の視線座標上の絶対位置で無く、ユーザの視線の相対的な動きにより、ユーザの視線入力が検出されるように構成したので、前記キャリブレーションが不要となる。以下に、本発明の視線入力を可能とする具体的な構成について説明する。
本発明のヘッドマウントディスプレイ100は、図1や図2に示されるように、頭部装着部10、取付部材20、画像表示部30とから構成されている。図1や図2に示される実施形態では、頭部装着部10は、横長の前フレーム12と、前フレーム12の両端から後方に延出するテンプル13とから構成された眼鏡のフレーム形状であり、ユーザの頭部に装着される。前フレーム12の中央には、ノーズパッド11が設けられている。なお、頭部装着部10は、眼鏡のフレーム形状に限定されず、例えば、ヘルメット形状等であっても差し支え無い。なお、図1、図2において、999はユーザの眼球位置を仮想的に表したものである。
図4を用いて、ヘッドマウントディスプレイ100のブロック図について説明する。ヘッドマウントディスプレイ100は、制御部50を有している。制御部50は、画像表示部30内、或いは、画像表示部30とは別体に設けられている。
制御部50は、CPU51、RAM52、記憶装置53、インターフェース54、画像処理部55を有していて、これらの構成要素は相互にバス59で接続されている。インターフェース54には、視線検出部60が接続されている。また、画像処理部55には、表示部33が接続されている。
RAM52は、CPU51で処理されるプログラムや、CPU51が処理するデータを、そのアドレス空間に一時的に記憶する。
RAM52は、視線座標ログ記憶領域52aと運動特徴記憶領域52bを有している。
視線座標ログ記憶領域52aには、視線座標算出プログラム53aにより算出された視線座標のログが記憶される。
運動特徴記憶領域52bには、視線動解析プログラム53cにより算出された視線の運動特徴が記憶される。
記憶装置53には、視線座標算出プログラム53a、マーカー表示プログラム53b、視線動解析プログラム53c、操作実行プログラム53d、各種アプリケーションソフト53eが記憶されている。
視線座標算出プログラム53aは、視線検出部60からインターフェース54を介してバス59に入力された視線情報に基づき、視線座標を算出するプログラムである。マーカー表示プログラム53bは、画像処理部55に描画命令を出力し、表示領域800(図3に示す)に、動くマーカー801を表示させるプログラムである。
視線動解析プログラム53cは、マーカー801の動きと関連している視線の動きを検出することにより、ユーザの視線入力を検出するプログラムである。
操作実行プログラム53dは、視線動解析プログラム53cが検出した視線入力に対応する操作を実行させるプログラムである。
アプリケーションソフト53eは、制御部50で実行され、画像表示部30で表示される。アプリケーションソフト53eには、作業の確認項目についてハンズフリーでチェック入力する作業確認入力ソフトや、状況に応じてユーザが必要とすると推測される情報を、キャラクターを通して提供したり、ユーザが質問を行ったりすることができるコンシェルジュソフトが含まれる。なお、後述する第2の形態の視線入力検出処理において、ユーザは視線入力によりアプリケーションソフト53eを操作することができる。
画像処理部55は、画像処理回路及びビデオメモリを有し、表示部33に出力する画像信号を生成するものである。
表示部33は、画像処理部55から出力された画像信号に基づいて、画像光を生成するものである。表示部33には、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、デジタルミラーデバイス(Digital Mirror Device)などの空間光変調素子や、網膜走査ディスプレイなどが含まれる。
以下に、図5及び図6を用いて、第1の実施形態の視線入力検出処理について説明する。
なお、第1の実施形態の視線入力検出処理は、初期状態では視線入力を受け付けないロック状態にあるアプリケーションソフトを、視線入力を受け付けるロック解除状態にする実施形態である。
第1の実施形態の視線入力検出処理が開始すると、S11の処理に進む。
S11の処理が終了すると、S12の処理に進む。
具体的には、図6に示されるように、視線動解析プログラム53cは、視線座標のX座標とY座標のそれぞれについて、時間微分をして視線速度vを算出する。なお、視線座標のX座標とは、ユーザから見て水平方向の座標をいう。また、視線座標のY座標とは、ユーザから見て垂直方向の座標をいう。
更に、視線運動解析プログラム53cは、視線座標のX座標とY座標のそれぞれについて、時間微分を2回して視線加速度aを算出する。
算出された運動特徴は、RAM12の運動特徴記憶領域52bに記憶される。
S15の処理が終了すると、S16の判断処理に進む。
具体的には、視線動解析プログラム53cは、以下の(1)〜(5)の条件に合致しているか否かを判断することにより、視線の運動特徴とマーカー801の運動特徴とが関連があるか否かを判断する。
(1)マーカー801が動き出してから所定時間A以内に、視線速度vや視線加速度aが所定値以上に達したか。
(2)マーカー801が動き出してから所定時間B経過後のX座標方向の視線速度vが、マーカー801の速度に対して、所定の誤差Cの範囲内にある時間が、所定時間Lt1以上か。
(3)マーカー801が動き出してから所定時間B経過後のX座標方向の視線加速度aが、0から所定値Dの誤差の範囲内にあるか。
(4)Y座標方向の視線速度vが、0から所定の誤差Eの範囲内にある時間が、時間が、所定時間Lt2以上か。
(5)Y座標方向の視線加速度aが、0から所定の誤差Fの範囲内にあるか。
なお、視線速度が安定するまでの時間である前記所定時間Bが、視線加速度aの値から動的に算出される実施形態であっても差し支え無い。具体的には、視線加速度aが所定の誤差の範囲内で0となった時点で、視線速度が安定したと判断され、前記所定時間Bが経過したと判断される。
視線動解析プログラム53cは、上記(1)〜(5)の条件に全て合致する場合に、視線の運動特徴とマーカー801の運動特徴とが関連があると判断する。
視線動解析プログラム53cが、視線の運動特徴とマーカー801の運動特徴とが関連があると判断した場合には(S16の判断処理がYES)、S17の処理に進む。一方で、視線動解析プログラム53cが、視線の運動特徴とマーカー801の運動特徴とが関連が無いと判断した場合には(S16の判断処理がNO)、S11の処理に戻る。
S17の処理が終了すると。視線入力処理が終了する。
このように、第1の実施形態の視線入力検出処理では、ユーザの視線入力が検出されない限り、ロック状態が維持されるので、アプリケーションソフトへの不用意な操作が防止される一方で、ユーザは視線入力により、アプリケーションソフトへの視線入力を受け付けるロック解除状態に変更することができ、ユーザの意図に沿った操作を視線入力により実現することが可能となる。
以下に、図7及び図8を用いて、第2の実施形態の視線入力検出処理について説明する。
なお、第2の実施形態の視線入力検出処理は、前記した第1の実施形態において、アプリケ−ションソフトが視線入力可能なロック解除状態になった場合(S17の処理)に、視線入力によりアプリケ−ションを操作する実施形態であり、図8に示されるように、複数の動くマーカー802〜805が表示画面800に表示される。そして、ユーザが、ある特定のマーカー802〜805を目で追った場合に、ユーザの視線の動きが検出され、特定のマーカー802〜805に対応する操作(図8に示されるA〜Dのいずれか)が実行される実施形態である。
第2の実施形態の視線入力検出処理が開始すると、S21の処理に進む。
本実施形態では、表示領域800の4辺の内側に、この4辺に沿って、それぞれのマーカー802〜805が移動する。それぞれのマーカー802〜805は、表示領域800の4辺の一端(始点)から他端(終点)に向けて移動する。そして、それぞれのマーカー802〜805がそれぞれの終点に到達した場合には、それぞれのマーカー802〜805はそれぞれの始点に戻り、再びそれぞれの終点に向けて移動するという動作を繰り返す。
最初にS21の処理が実行される場合には、図8に示されるように、それぞれの始点にマーカー802〜805がそれぞれ表示される。次に、S21の処理が実行される場合には、それぞれの終点側に僅かに移動した位置に、マーカー802〜805が更新表示される。このように、S21の処理が実行される度に、それぞれの終点側に僅かに移動した位置にマーカー802〜805が更新表示される。本実施形態では、それぞれのマーカー802〜805は、表示領域800を、等速度直線運動する。なお、このS21の処理は、所定時間(例えば、数十ミリ秒)毎に実行される。
S21の処理が終了すると、S22の処理に進む。
なお、S11やS21の処理において、図9に示されるように、マーカー表示プログラム53bが、移動方向が途中で変化するマーカー806を表示領域800に表示させる実施形態であっても差し支え無い。図9で示される実施形態では、マーカー806は水平方向に移動した後に、垂直方向に向きを変えて移動する。このような実施形態であっても、S16やS26の判断処理において、視線動解析プログラム53cは、視線の運動特徴とマーカー806の運動特徴とが関連があるか否かを判断し、関連があると判断された場合には、S17やS27の処理において、関連があると判断されたマーカーに対応する視線入力が実行される。この実施形態の場合には、ユーザが、移動方向が途中で変化する前後のマーカー806を目で追い続けなければ、視線の運動特徴とマーカー806の運動特徴とが関連があると判断されず、ユーザの視線入力が検出されないので、視線入力の誤検出がより確実に防止される。
或いは、視線動解析プログラム53cは、視線速度v及び視線加速度aの経時変化が、図10の(A)や(B)に示されるような所定の範囲をもったパターン(図10に示される一点鎖線)の範囲内であるか否かを判断することにより、視線の運動特徴とマーカー801(802〜805)の運動特徴とが関連があるか否かを判断することにしても差し支え無い。この実施形態の場合には、記憶装置53には、図10に示されるようなパターンデータが記憶されている。
また、図11に示されるような、ユーザの視線の動きの場合には、ユーザの視線の速度もまた、マーカーの速度に比べて小さくなってしまう場合がある。この場合であっても、ユーザの視線入力が検出されるように、視線動解析プログラム53cは、図10の(A)や(C)に示されるパターンを速度座標方向(v)方向にシフトさせ、視線速度vの経時変化が、シフトされた前記パターンの範囲内にあると判断した場合に、ユーザの視線入力を検出することにしても差し支え無い。
20 取付部材
30 画像表示部
50 制御部
60 視線検出部
100 ヘッドマウントディスプレイ
800 表示領域
801 マーカー
900 ユーザ
999 眼球
Claims (8)
- ユーザの頭部に装着される頭部装着部と、
前記頭部装着部に取り付けられ、ユーザに画像を視認させる画像表示部と、
ユーザの視線の向きを検出する視線検出部と、
前記画像表示部に、動くマーカーを表示させるマーカー表示手段と、
前記視線検出部によって検出された視線の座標の時間微分により、視線の相対的な運動特徴を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記視線の相対的な運動特徴と前記マーカーの運動特徴との関連があるか否かを判断することにより、ユーザの視線入力を検出する視線動解析手段と、
前記視線動解析手段が検出した前記視線入力に対応する操作を実行させる操作実行手段を有することを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。 - 前記算出手段は、前記視線検出部によって検出された視線の座標の時間微分により、視線の相対的な運動特徴として、視線速度、及び視線加速度を算出することを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
- 前記マーカー表示手段は、前記画像表示部に、一方向に動くマーカーを表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
- 前記マーカー表示手段は、前記画像表示部に、異なる方向に動く複数のマーカーを表示させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
- 前記マーカー表示手段は、前記画像表示部に、移動方向が途中で変化するマーカーを表示させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
- 前記視線動解析手段は、マーカーの動きと相似的な視線の動きを検出することにより、ユーザの視線入力を検出することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
- アプリケーションへの視線入力を受け付けないロック状態にある場合において、前記視線動解析手段が、マーカーの動きと関連している視線の動きを検出した場合に、前記操作実行手段は、前記ロック状態から、前記アプリケーションソフトへの視線入力を受け付けるロック解除状態に変更し、
ロック解除状態にある場合において、前記視線動解析手段が、マーカーの動きと関連している視線の動きを検出した場合に、前記操作実行手段は、前記アプリケーションソフトの操作を実行させることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。 - ユーザの頭部に装着される頭部装着部と、
前記頭部装着部に取り付けられ、ユーザに画像を視認させる画像表示部と、
ユーザの視線の向きを検出する視線検出部を有するヘッドマウントディスプレイで実行されるプログラムであって、
前記画像表示部に、動くマーカーを表示させるマーカー表示ステップと、
前記視線検出部によって検出された視線の座標の時間微分により、視線の相対的な運動特徴を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された前記視線の相対的な運動特徴と前記マーカーの運動特徴との関連があるか否かを判断することにより、ユーザの視線入力を検出する視線動解析ステップと、
前記視線解析ステップで検出された前記視線入力に対応する操作を実行させる操作実行ステップを有することを特徴とするプログラム。
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