以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(通信システムの構成)
図1は、実施の形態にかかる通信システムを示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる通信システム100は、基地局111,112と、制御装置130と、を含んでいる。セル121,122は、それぞれ基地局111,112のセルである。基地局111は、セル121に接続している移動局(不図示)と無線通信を行う。基地局112は、セル122に接続している移動局と無線通信を行う。
また、たとえば、セル121,122は、規格や周波数などの通信方式が互いに異なる。そして、セル121,122は、互いの重複部分123(図の斜線部)を有する。重複部分123に位置する移動局は、セル121,122のいずれにも接続可能である。たとえば、重複部分123に位置してセル121に接続している移動局は、基地局111の電波送信を停止してもセル122へハンドオーバすることができる。
<制御装置の構成例1>
構成例1にかかる制御装置130は、取得部131と、制御部132と、を備えている。取得部131は、セル121,122の重複部分123の大きさ(たとえば面積)を示す重複情報を取得する。重複情報は、重複部分123の絶対的な大きさを示す情報であってもよいし、セル121またはセル122の大きさに対する重複部分123の相対的な大きさを示す情報(割合)であってもよい。
たとえば、取得部131は、セル121,122の各範囲を示す範囲情報を基地局111,112から取得する。または、範囲情報はあらかじめ制御装置130のメモリに記憶されており、取得部131はメモリに記憶された範囲情報を取得してもよい。たとえばセル121,122が円形であるとすると、範囲情報は、たとえばセル121,122のそれぞれの中心位置および半径を示す情報である。
セル121,122のそれぞれの中心位置は、たとえば基地局111,112のそれぞれの位置である。セル121,122のそれぞれの半径は、たとえば基地局111,112のそれぞれにあらかじめ設定されたセル121,122の半径である。たとえば、基地局111,112は、あらかじめ設定された半径をセル121,122の半径の目標値として、セル121,122の送信電力の初期値などを設定する。取得部131は、取得した範囲情報に基づいて重複情報を導出(たとえば算出)する。
または、制御装置130のメモリには、重複情報があらかじめ記憶されていてもよい。この場合は、取得部131は、メモリに記憶された重複情報を取得する。取得部131は、取得した重複情報を制御部132へ出力する。
制御部132は、セル121,122の少なくともいずれかの基地局に省電力制御を実施させるか否かを判断し、省電力制御を実施させると判断した基地局に省電力制御を実施させる。省電力制御には、基地局の送信電力を低下させる電力低下制御が含まれる。電力低下制御には、送信電力をゼロに低下させる制御(送信電力をオフにする制御)が含まれていてもよい。また、省電力制御には、過去に電力低下制御を実施させた基地局の送信電力を増加させる電力増加制御が含まれていてもよい。
たとえば、制御部132は、セル121,122のうちのいずれかのセルへの移動局の接続数を取得し、取得した接続数に基づいて省電力制御を実施すべきか否かを判断する。たとえば、制御部132は、接続数が所定値T1より低い場合は電力低下制御を実施すべきと判断し、接続数が所定値T1以上である場合は電力低下制御を実施すべきでないと判断する。また、制御部132は、接続数が所定値T2より低い場合は電力増加制御を実施すべきと判断し、接続数が所定値T2以上である場合は電力増加制御を実施すべきでないと判断する。所定値T2は、たとえば所定値T1より低い値である。
制御部132は、省電力制御を実施すべきと判断した場合に、取得部131から出力された重複情報に基づいて省電力制御を実施させるか否かを判断する。たとえば、制御部132は、重複部分123の大きさが所定値以上である場合に省電力制御を実施させ、重複部分123の大きさが所定値未満である場合に省電力制御を実施させない。または、制御部132は、重複情報に基づいて省電力制御の程度(送信電力の低下量や増加量など)を制御してもよい。
たとえば、制御部132は、セル121(第一セル)におけるセル122(第二セル)との重複部分123の割合を示す重複情報に基づいて、セル121(第一セル)の基地局111に省電力制御を実施させるか否かを判断する。これにより、たとえば、基地局111の電力低下制御によるサービス品質の低下をセル122によってカバー可能な程度に応じて、基地局111の電力低下制御を実施させることができる。このため、基地局111の電力低下制御によるサービス品質の低下を抑えることが可能になる。また、基地局111の電力増加制御によってセル122のサービスをカバー可能な程度に応じて、基地局111の電力増加制御を実施させることができる。このため、サービス品質を効率よく向上させるように基地局111の電力増加制御を実施させることが可能になる。
また、制御部132は、セル122(第一セル)におけるセル121(第二セル)との重複部分123の割合を示す重複情報に基づいて、セル122(第一セル)の基地局112の省電力制御を実施させるか否かを判断する。この場合は、基地局112の電力低下制御によるサービス品質の低下を抑えることが可能になる。また、サービス品質を効率よく向上させるように基地局112の電力増加制御を実施させることが可能になる。
なお、取得部131は、たとえば、制御部132によって省電力制御を実施すべきと判断された場合に重複情報を取得する。また、取得部131は、あらかじめ(たとえば周期的に)重複情報を取得しておいてもよい。
<制御装置の構成例2>
構成例2にかかる制御装置130において、構成例1にかかる制御装置130と同様の部分については説明を省略する。構成例2にかかる制御装置130の取得部131は、セル121,122の間の干渉の大きさを示す干渉情報を取得する。干渉情報は、たとえば、セル121からセル122への干渉の大きさを示す情報と、セル122からセル121への干渉の大きさを示す情報と、の少なくともいずれかを含む。
たとえば、取得部131は、基地局111,112による各送信電力を示す電力情報を基地局111,112から取得する。取得部131は、取得した電力情報に基づいて干渉情報を導出(たとえば算出)する。セル間の干渉の大きさは、被干渉側のセルの送信電力に対する干渉側のセルの送信電力の比率が高いほど大きくなる。
このため、たとえば、取得部131は、セル122の送信電力に対するセル121の送信電力の比率を算出することで、セル121からセル122への干渉の大きさを示す干渉情報を算出することができる。また、取得部131は、セル121の送信電力に対するセル122の送信電力の比率を算出することで、セル122からセル121への干渉の大きさを示す干渉情報を算出することができる。
また、取得部131は、基地局111,112による各送信周波数(使用周波数帯)を示す周波数情報を基地局111,112から取得してもよい。取得部131は、取得した周波数情報に基づいて干渉情報を導出(たとえば算出)する。セル間の干渉の大きさは、被干渉側のセルと干渉側のセルとの送信周波数の差分が小さいほど大きくなる。このため、たとえば、取得部131は、セル121,122の各送信周波数の差分が大きくなるほど小さくなる値(各送信周波数の差分の逆数)を算出することで、セル121とセル122との間の干渉の大きさを示す干渉情報を算出することができる。
また、取得部131は、電力情報に基づいて導出した干渉情報と、周波数情報に基づいて導出した干渉情報と、に基づく干渉情報を導出してもよい。たとえば、取得部131は、電力情報に基づいて導出した干渉情報と、周波数情報に基づいて導出した干渉情報(たとえば各送信周波数の差分の逆数)と、を乗算し、乗算した干渉情報を取得する。取得部131は、取得した干渉情報を制御部132へ出力する。
制御部132は、取得部131から出力された干渉情報に基づいて省電力制御を実施させるか否かを判断する。たとえば、制御部132は、干渉の大きさが所定値以下である場合に省電力制御を実施させ、干渉の大きさが所定値より高い場合に省電力制御を実施させない。また、制御部132は、セル121,122の中から相手への干渉の大きさが最小のセルを選択し、選択したセルの基地局に省電力制御を実施させてもよい。また、制御部132は、干渉情報に基づいて省電力制御の程度(送信電力の低下量や増加量など)を制御してもよい。
たとえば、制御部132は、セル121(第一セル)からセル122(第二セル)への干渉の大きさを示す干渉情報に基づいて、セル121(第一セル)の基地局111に省電力制御を実施させるか否かを判断する。これにより、たとえば、基地局111の電力低下制御によるセル122の被干渉状態の変動の程度に応じて基地局111の電力低下制御を実施させることができる。このため、基地局111の電力低下制御によるセル122の被干渉状態の変動を抑えることが可能になる。
また、基地局111の電力増加制御によるセル122の被干渉状態の変動の程度に応じて基地局111の電力増加制御を実施させることができる。このため、セル122の被干渉状態の変動を抑えつつ基地局111の電力増加制御を実施させることが可能になる。セル122の被干渉状態の変動を抑えることで、セル122の無線品質の変動による電力の増加やハンドオーバの多発などによる輻輳を回避することができる。このため、基地局111の省電力制御によるサービス品質の低下を抑えることが可能になる。
また、制御部132は、セル122(第一セル)からセル121(第二セル)への干渉の大きさを示す干渉情報に基づいて、セル122(第一セル)の基地局112に省電力制御を実施させるか否かを判断する。この場合は、基地局112の電力低下制御によるセル121の被干渉状態の変動を抑えることが可能になる。また、セル121の被干渉状態の変動を抑えつつ基地局112の電力増加制御を実施させることが可能になる。セル121の被干渉状態の変動を抑えることで、セル121の無線品質の変動による電力の増加やハンドオーバの多発などによる輻輳を回避することができる。このため、基地局111の省電力制御によるサービス品質の低下を抑えることが可能になる。
なお、取得部131は、たとえば、制御部132によって省電力制御を実施すべきと判断された場合に干渉情報を取得する。また、取得部131は、あらかじめ(たとえば周期的に)干渉情報を取得しておいてもよい。
<制御装置の構成例3>
構成例3にかかる制御装置130において、構成例1または構成例2にかかる制御装置130と同様の部分については説明を省略する。構成例3にかかる制御装置130は、構成例1および構成例2にかかる制御装置130を組み合わせた構成例である。構成例3にかかる制御装置130の取得部131は、重複情報および干渉情報を取得する。取得部131は、取得した重複情報および干渉情報を制御部132へ出力する。
制御部132は、取得部131から出力された重複情報および干渉情報に基づいて省電力制御を実施させるか否かを判断する。たとえば、制御部132は、セル121,122の中から重複情報に基づいてセルを抽出する。さらに、制御部132は、抽出したセルの中から干渉情報に基づいてセルを選択する。そして、制御部132は、選択したセルの基地局に省電力制御を実施させる。
これにより、基地局111の電力低下制御によるサービス品質の低下をセル122によってカバー可能な程度と、基地局111の電力低下制御によるセル122の被干渉状態の変動の程度と、に基づいて基地局111の電力低下制御を実施させることができる。このため、基地局111の電力低下制御によるサービス品質の低下をさらに効果的に抑えることが可能になる。また、基地局112の電力低下制御によるサービス品質の低下をセル121によってカバー可能な程度と、基地局112の電力低下制御によるセル121の被干渉状態の変動の程度と、に基づいて基地局112の電力低下制御を実施させることができる。このため、基地局112の電力低下制御によるサービス品質の低下をさらに効果的に抑えることが可能になる。
また、基地局111の電力増加制御によってセル122のサービスをカバー可能な程度と、基地局111の電力増加制御によるセル122の被干渉状態の変動の程度と、に基づいて基地局111の電力増加制御を実施させることができる。このため、基地局111の電力増加制御によるサービス品質の低下をさらに効果的に抑えることが可能になる。また、基地局112の電力増加制御によってセル121のサービスをカバー可能な程度と、基地局112の電力増加制御によるセル121の被干渉状態の変動の程度と、に基づいて基地局112の電力増加制御を実施させることができる。このため、基地局112の電力増加制御によるサービス品質の低下をさらに効果的に抑えることが可能になる。
図1においては通信システム100に2つのセル(セル121,122)が含まれる場合について説明したが、通信システム100に3つ以上のセルが含まれていてもよい。制御装置130は、基地局111,112とは別に設けられた装置であってもよいし、基地局111,112の少なくともいずれかに設けられた装置であってもよい。基地局111,112とは別に設けられた装置は、たとえば、基地局111,112の上位の通信装置(たとえばServing−GateWayなど)である。
図1に示した取得部131および制御部132は、たとえば、DSP(Digital Signal Processor)などの演算手段や通信インターフェースなどによって実現することができる。取得部131および制御部132は、互いに同一の演算手段や通信インターフェースなどによって実現されてもよいし、互いに異なる演算手段や通信インターフェースなどによって実現されてもよい。
図2は、通信システムの具体例を示す図である。図2に示す通信システム200においては、移動通信システム210,220が混在している。移動通信システム210,220は、互いに規格や周波数などの通信方式が異なる移動通信システムである。移動通信システム210,220のそれぞれはコアネットワーク201に接続されている。
移動通信システム210は、基地局211〜213を含んでいる。セル214〜216は、それぞれ基地局211〜213のセルである。基地局211〜213のそれぞれは、自局のセルに接続した移動局と無線通信を行い、移動局とコアネットワーク201との間で送受信されるデータを中継する。
移動通信システム220は、基地局221〜223を含んでいる。セル224〜226は、それぞれ基地局221〜223のセルである。基地局221〜223のそれぞれは、自局のセルに接続した移動局と無線通信を行い、移動局とコアネットワーク201との間で送受信されるデータを中継する。
図1に示した基地局111,112は、基地局211〜213,221〜223の少なくともいずれかに適用することができる。図1に示した制御装置130は、基地局211〜213,221〜223の少なくともいずれかに適用することができる。
(基地局の構成)
図3は、基地局の構成例を示す図である。図3に示す基地局300は、図2に示した基地局211〜213,221〜223の少なくともいずれかに適用することができる。基地局300は、交換機側インターフェース部310と、交換機側プロトコル終端部320と、無線側プロトコル変換部330と、無線側インターフェース部340と、呼制御部350と、省電力制御部360と、を備えている。
交換機側インターフェース部310は、交換機や他の基地局とデータの送受信を行う通信インターフェースである。交換機側インターフェース部310は、たとえばEthernet(登録商標)などのインターフェースによって実現される。交換機側プロトコル終端部320は、交換機側インターフェース部310を介して、交換機や他の基地局との通信プロトコルを終端する。交換機側プロトコル終端部320は、たとえばNWP(NetWork Processor:ネットワークプロセッサ)およびメモリによるソフトウェア処理によって実現される。
無線側プロトコル変換部330は、交換機側のプロトコルと、無線側のプロトコルと、を相互に変換する。無線側プロトコル変換部330は、たとえばDSPおよびメモリによるソフトウェア処理によって実現される。無線側インターフェース部340は、無線側(たとえば移動局)とデータの送受信を行う通信インターフェースである。無線側インターフェース部340は、たとえば、信号を増幅するアンプや、信号を無線により送受信するアンテナなどを含む。
呼制御部350は、交換機側プロトコル終端部320および無線側プロトコル変換部330を介する通信により、無線側インターフェース部340との間で無線通信を行う移動局(ユーザ)の呼接続を制御する。たとえば、呼制御部350は、呼接続のための信号の送受信やリソースの管理を行う。呼制御部350は、たとえばCPUおよびメモリによるソフトウェア処理によって実現される。
省電力制御部360は、省電力化のためのセルの省電力制御を制御する。セルの省電力制御には、制御対象セルの基地局(たとえば基地局300)の送信電力を低下(停止を含んでもよい)させる電力低下制御や、送信電力を低下させた基地局の送信電力を増加させる電力増加制御などが含まれる。具体的には、省電力制御部360は、実施判断部361と、情報収集/提供部362と、省電力制御実施部363と、を備えている。
実施判断部361は、基地局300が収容している各セルについて、移動局からのアクセス状況などに基づいて、省電力制御を実施すべきか否かを判断する(たとえば図5参照)。実施判断部361は、省電力制御を実施すべきと判断すると、情報収集/提供部362に対して省電力制御の実施の判断のための情報収集を指示する。
情報収集/提供部362は、実施判断部361から情報収集を指示されると、省電力制御を実施すべきと判断された対象セルと、対象セルの近隣セルと、の各情報を収集する。セルの各情報は、中心位置、半径、送信電力、送信周波数などである。たとえば、情報収集/提供部362は、基地局300のメモリから対象セルの各情報を取得する。また、情報収集/提供部362は、交換機側プロトコル終端部320および交換機側インターフェース部310を介した通信により、近隣セルの基地局から近隣セルの各情報を収集する。
情報収集/提供部362は、収集した各情報を省電力制御実施部363へ出力する。また、情報収集/提供部362は、交換機側プロトコル終端部320および交換機側インターフェース部310を介した通信により、他の基地局からの要求にしたがって、基地局300が収容しているセルの各情報を提供する。
省電力制御実施部363は、情報収集/提供部362から出力された各情報に基づいて、基地局300による省電力制御を実施し、または近隣セルを収容する基地局に省電力制御を実施させる。省電力制御実施部363は、自局の省電力制御を実施する場合は、たとえば無線側インターフェース部340のアンプなどを制御することによって送信電力を低下または増加させる。
省電力制御実施部363は、近隣セルを収容する基地局に省電力制御を実施させる場合は、交換機側プロトコル終端部320および交換機側インターフェース部310を介した通信により、近隣セルを収容する基地局へ省電力制御依頼信号を送信する。また、省電力制御実施部363は、交換機側プロトコル終端部320および交換機側インターフェース部310を介した通信により他の基地局からの省電力制御依頼信号を受信した場合は、基地局300による省電力制御を実施する。
省電力制御部360は、CPUおよびメモリによるソフトウェア処理によって実現される。また、省電力制御部360は、呼制御部350と同じプロセッサによって実現されてもよいし、呼制御部350と異なるプロセッサによって実現されてもよい。
(基地局による処理)
図4は、基地局による処理の一例を示すフローチャートである。基地局300は、たとえば、自局の各セルを対象セルとして、図4に示す各ステップを繰り返し実行する。まず、実施判断部361が、省電力制御を実施すべきか否かを判断する(ステップS401)。省電力制御には、送信電力を低下(停止を含む)させる電力低下制御と、送信電力を増加させる電力増加制御と、が含まれる。ステップS401の具体例については後述する。
ステップS401において省電力制御を実施すべきでないと判断された場合(ステップS401:No)は、基地局300は、ステップS401へ戻る。省電力制御を実施すべきと判断された場合(ステップS401:Yes)は、情報収集/提供部362が、対象セルの近隣セルを検索する(ステップS402)。たとえば、情報収集/提供部362は、対象セルとの間で互いに移動局をハンドオーバさせる各セルを近隣セルとして検出する。対象セルとの間で互いに移動局をハンドオーバさせる各セルは、たとえば、ハンドオーバに備えて基地局300のメモリに記憶されている。
つぎに、情報収集/提供部362が、ステップS402によって検索された近隣セルを収容する基地局へ情報提供要求信号を送信する(ステップS403)。ステップS403によって送信される情報提供要求信号には、対象セルを示す対象セル情報が含まれている。つぎに、情報収集/提供部362が、ステップS403によって送信された情報提供要求信号に対する情報提供応答信号を受信したか否かを判断し(ステップS404)、情報提供応答信号が受信されるまで待つ(ステップS404:Noのループ)。
ステップS404において情報提供応答信号が受信されると(ステップS404:Yes)、省電力制御実施部363が、受信した情報提供応答信号に基づいて、対象セルと各近隣セルとの各組み合わせにおける重複割合を算出する(ステップS405)。対象セルと各近隣セルとの各組み合わせにおける重複割合には、たとえば、対象セルにおける各近隣セルとの各重複割合と、各近隣セルにおける対象セルとの各重複割合と、が含まれる。
つぎに、省電力制御実施部363が、ステップS404において受信された情報提供応答信号に基づいて、対象セルと各近隣セルとの各組み合わせにおける干渉度を算出する(ステップS406)。対象セルと各近隣セルとの各組み合わせにおける干渉度には、たとえば、対象セルにおける各近隣セルからの各干渉度と、各近隣セルにおける対象セルからの各干渉度と、が含まれる。つぎに、省電力制御実施部363が、ステップS405によって算出された重複割合が閾値以上の組み合わせがあるか否かを判断する(ステップS407)。重複割合が閾値以上の組み合わせがない場合(ステップS407:No)は、基地局300は、一連の処理を終了する。
ステップS407において、重複割合が閾値以上の組み合わせがある場合(ステップS407:Yes)は、省電力制御実施部363が、重複割合が閾値以上の組み合わせのうちの、ステップS406によって算出された干渉度が閾値以下の組み合わせがあるか否かを判断する(ステップS408)。干渉度が閾値以下の組み合わせがある場合(ステップS408:Yes)は、省電力制御実施部363が、重複割合が閾値以上で干渉度が閾値以下の組み合わせをすべて選択し(ステップS409)、ステップS411へ移行する。
ステップS408において、干渉度が閾値以下の組み合わせがない場合(ステップS408:No)は、省電力制御実施部363が、干渉度が最小の組み合わせを選択し(ステップS410)、ステップS411へ移行する。つぎに、省電力制御実施部363が、ステップS409またはステップS410によって選択された組み合わせにおけるセルの基地局に省電力制御を実施させ(ステップS411)、一連の処理を終了する。
図4に示した各ステップにより、他セルとの重複割合が閾値以上のセルのうちの、他の基地局からの干渉度が低い(たとえば閾値以下)のセルの基地局の省電力制御を行うことができる。これにより、たとえば、電力低下制御によるサービス品質の低下を抑えつつ、電力低下制御による干渉の変動を抑えることが可能になる。また、サービス品質を効率よく向上させ、かつ干渉の変動を抑えつつ電力増加制御を実施させることが可能になる。
図5は、基地局による省電力制御の実施判断の一例を示すフローチャートである。省電力制御実施部363は、たとえば図4に示したステップS401において、たとえば図5に示す各ステップを実行することによって省電力制御を実施するか否かを判断する。まず、省電力制御実施部363は、自局のセルに収容(アクセス)している移動局の数(接続数)を取得する(ステップS501)。
つぎに、省電力制御実施部363は、ステップS501によって取得された移動局の数が閾値TH1より低いか否かを判断する(ステップS502)。移動局の数が閾値TH1より低い場合(ステップS502:Yes)は、省電力制御実施部363は、電力低下制御を実施すると判断し(ステップS503)、一連の処理を終了する。
ステップS502において、移動局の数が閾値TH1より低くない場合(ステップS502:No)は、省電力制御実施部363は、移動局の数が閾値TH2(>TH1)より高いか否かを判断する(ステップS504)。移動局の数が閾値TH2より高い場合(ステップS504:Yes)は、省電力制御実施部363は、電力増加制御を実施すると判断し(ステップS505)、一連の処理を終了する。
ステップS504において、移動局の数が閾値TH2より高くない場合(ステップS504:No)は、省電力制御実施部363は、省電力制御を実施しないと判断し(ステップS506)、一例の処理を終了する。図5に示した各ステップにより、省電力制御実施部363は、省電力制御を実施するか否かと、省電力制御を実施する場合は省電力制御の内容と、を判断することができる。
図6は、基地局による情報提供処理の一例を示すフローチャートである。基地局300の情報収集/提供部362は、たとえば図6に示す各ステップを繰り返し実施する。まず、情報収集/提供部362は、他の基地局から情報提供要求信号を受信したか否かを判断し(ステップS601)、情報提供要求信号が受信されるまで待つ(ステップS601:Noのループ)。
ステップS601において情報提供要求信号を受信すると(ステップS601:Yes)、情報収集/提供部362は、情報提供要求信号に含まれる対象セル情報が示す対象セルの近隣セルを、自局が収容する各セルの中から検索する(ステップS602)。たとえば、情報収集/提供部362は、自局が収容する各セルのうちの、対象セルとの間で互いに移動局をハンドオーバさせる各セルを近隣セルとして検出する。対象セルとの間で互いに移動局をハンドオーバさせる各セルは、たとえば、ハンドオーバに備えて基地局300のメモリに記憶されている。
つぎに、情報収集/提供部362は、ステップS602によって検索された近隣セルの各情報(たとえば範囲情報、周波数情報および電力情報)を取得する(ステップS603)。つぎに、情報収集/提供部362は、ステップS603によって取得された各情報を含む情報提供応答信号を、ステップS601において受信した情報提供要求信号の送信元の基地局へ送信し(ステップS604)、一連の処理を終了する。
図6に示した各ステップにより、情報収集/提供部362は、他の基地局からの情報提供要求信号を受信した場合に、情報提供要求信号が示す近隣セルの各情報を含む情報提供応答信号を返送することができる。
図7は、基地局による省電力制御の処理の具体例1を示すフローチャートである。省電力制御実施部363は、たとえば図4に示したステップS411において、図7に示す各ステップを実行する。まず、省電力制御実施部363は、省電力制御を実施するセルが自局のセルか否かを判断する(ステップS701)。
ステップS701において、省電力制御を実施するセルが自局のセルでない場合(ステップS701:No)は、省電力制御実施部363は、省電力制御を実施するセルを収容する基地局へ省電力制御依頼信号を送信し(ステップS702)、一連の処理を終了する。省電力制御依頼信号には、省電力制御の対象セルおよび省電力制御の内容を示す制御情報が含まれる。
ステップS701において、省電力制御を実施するセルが自局のセルである場合(ステップS701:Yes)は、省電力制御実施部363は、省電力制御を実施するセルに接続している移動局があるか否かを判断する(ステップS703)。省電力制御を実施するセルに接続している移動局がない場合(ステップS703:No)は、省電力制御実施部363は、ステップS705へ移行する。
ステップS703において、省電力制御を実施するセルに接続している移動局がある場合(ステップS703:Yes)は、省電力制御実施部363は、省電力制御を実施するセルに接続している移動局を他の基地局へハンドオーバさせる(ステップS704)。つぎに、省電力制御実施部363は、省電力制御を実施し(ステップS705)、一連の処理を終了する。図7に示した各ステップにより、省電力制御実施部363は、自局のセルの省電力制御を実施し、または他の基地局に省電力制御を実施させることができる。
また、省電力制御実施部363は、自局のセルの省電力制御を実施する場合に、自局のセルに接続している移動局を他の基地局へハンドオーバさせた後に省電力制御を実施する。これにより、たとえば省電力制御として電力低下制御を行う場合に、自局に接続している移動局の通信が電力低下制御によって強制的に切断されることを回避することができる。なお、実施する省電力制御が電力増加制御である場合は、自局のセルに接続している移動局の他の基地局へのハンドオーバは行わなくてもよい。
図8は、基地局による省電力制御の処理の具体例2を示すフローチャートである。省電力制御実施部363は、たとえば図8に示す各ステップを繰り返し実施する。まず、省電力制御実施部363は、他の基地局からの省電力制御依頼信号を受信したか否かを判断し(ステップS801)、省電力制御依頼信号が受信されるまで待つ(ステップS801:Noのループ)。省電力制御依頼信号が受信されると(ステップS801:Yes)、省電力制御実施部363は、ステップS802へ移行する。
図8に示すステップS802〜S804は、図7に示したステップS703〜S705と同様である。ただし、ステップS804においては、省電力制御実施部363は、ステップS801において受信された省電力制御依頼信号に含まれる制御情報にしたがって省電力制御を実施する。ステップS804のつぎに、省電力制御実施部363は、ステップS801において受信した省電力制御依頼信号の送信元の基地局へ省電力制御応答信号を送信し(ステップS805)、一連の処理を終了する。
ステップS805において、省電力制御実施部363は、ステップS804による省電力制御が正常に実施された場合は、省電力制御が正常に実施された旨のOK応答信号を送信する。一方、ステップS805において、省電力制御実施部363は、ステップS804による省電力制御が正常に実施されなかった場合は、省電力制御が正常に実施されなかった旨のNG応答信号を送信する。
図9は、基地局による省電力制御の処理の具体例3を示すフローチャートである。省電力制御実施部363は、自局の省電力制御を実施する場合に、たとえば図9に示す各ステップを実行する。省電力制御実施部363は、起動してから一定期間を計時して終了する競合防止タイマを有する。まず、省電力制御実施部363は、競合防止タイマが起動中であるか否かを判断する(ステップS901)。
ステップS901において、競合防止タイマが起動中でない場合(ステップS901:No)は、省電力制御実施部363は、競合防止タイマを起動する(ステップS902)。つぎに、省電力制御実施部363は、自局の省電力制御を実施する(ステップS903)。つぎに、ステップS903によって実施された省電力制御が、省電力制御依頼信号に基づく省電力制御か否かを判断する(ステップS904)。
ステップS904において、自局の判断に基づく省電力制御である場合(ステップS904:No)は、省電力制御実施部363は、一連の処理を終了する。省電力制御依頼信号に基づく省電力制御である場合(ステップS904:Yes)は、省電力制御実施部363は、省電力制御依頼信号の送信元の基地局へOK応答信号を送信し(ステップS905)、一連の処理を終了する。
ステップS901において、競合防止タイマが起動中である場合(ステップS901:Yes)は、省電力制御実施部363は、実施すべき省電力制御が省電力制御依頼信号に基づく省電力制御か否かを判断する(ステップS906)。実施すべき省電力制御が自局の判断に基づく省電力制御である場合(ステップS906:No)は、省電力制御実施部363は、一連の処理を終了する。
ステップS906において、省電力制御依頼信号に基づく省電力制御である場合(ステップS906:Yes)は、省電力制御実施部363は、省電力制御依頼信号に含まれる制御情報が示す内容と同じ省電力制御を実施済みであるか否かを判断する(ステップS907)。具体的には、省電力制御実施部363は、起動中の競合防止タイマが、省電力制御依頼信号に含まれる制御情報が示す内容と同じ省電力制御に起因して起動したか否かを判断する。制御情報が示す省電力制御の内容は、たとえば、省電力制御を実施するセルと、実施する省電力制御の種別(電力低下制御または電力増加制御)と、である。
ステップS907において同じ省電力制御を実施済みである場合(ステップS907:Yes)は、省電力制御実施部363は、省電力制御依頼信号の送信元の基地局へOK応答信号を送信し(ステップS908)、一連の処理を終了する。同じ省電力制御を実施済みでない場合(ステップS907:No)は、省電力制御実施部363は、省電力制御依頼信号の送信元へNG応答信号を送信し(ステップS909)、一連の処理を終了する。
図9に示した各ステップにより、省電力制御実施部363は、自局の省電力制御を実施してから一定の期間は、自局の省電力制御を再度実施しないようにすることができる。これにより、たとえば、同一の基地局に対して複数の制御装置130が異なる種別の各省電力制御(たとえば電力低下制御および電力増加制御)の実施を指示した場合に、基地局が異なる種別の各省電力制御を連続して実施することを回避することができる。このため、通信システム100の安定性を向上させることができる。
(セルの情報の例)
図10は、収集される各セルの情報の一例を示す図である。図10に示すテーブル1000は、情報収集/提供部362が収集する近隣セルの各情報および対象セル(自局のセル)の各情報の一例を示している。ここでは、近隣セルとして近隣セル#1,#2の各情報を収集したとする。テーブル1000は、各セルについて、中心位置と、半径と、基地局の送信周波数と、基地局の送信電力と、を含んでいる。
中心位置は、セルを収容する基地局の緯度および経度の組み合わせである。半径は、セルを収容する基地局に設定されたセルの半径である。基地局の送信周波数は、セルを収容する基地局が送信する信号の周波数である。基地局の送信電力は、セルを収容する基地局が送信する信号の電力である。
図11は、算出される重複割合および干渉度の一例を示す図である。図11に示すテーブル1100は、省電力制御実施部363が図10に示したテーブル1000に基づいて算出した重複割合および干渉度の算出結果の一例を示している。テーブル1100は、組み合わせp1〜p4を含んでいる。組み合わせp1〜p4のそれぞれは、第一セルと第二セルとの組み合わせにおける重複割合および干渉度(干渉の大きさ)を示している。重複割合は、第一セルにおける第二セルとの重複割合を示している。干渉度は、第一セルにおける第二セルからの干渉度を示している。
組み合わせp1は、対象セルを第一セルとし、近隣セル#1を第二セルとした場合の重複度および干渉度を示している。組み合わせp2は、対象セルを第一セルとし、近隣セル#2を第二セルとした場合の重複度および干渉度を示している。組み合わせp3は、近隣セル#1を第一セルとし、対象セルを第二セルとした場合の重複度および干渉度を示している。組み合わせp4は、近隣セル#2を第一セルとし、対象セルを第二セルとした場合の重複度および干渉度を示している。
まず、省電力制御実施部363による重複割合の算出について説明する。省電力制御実施部363は、たとえば、第一セルおよび第二セルの各範囲情報(中心位置および半径)に基づいて第一セルと第二セルとの重複部分の面積を算出する。そして、省電力制御実施部363は、算出した面積を第一セルの面積で除算することによって第一セルにおける第二セルとの重複割合を算出することができる。第一セルの面積は、たとえば第一セルの範囲情報に含まれる半径によって算出される。
つぎに、省電力制御実施部363による干渉度の算出について説明する。省電力制御実施部363は、たとえば、第一セルおよび第二セルとの各送信周波数の差分(絶対値)を算出することによって、第一セルにおける第二セルからの干渉度を算出してもよい。または、省電力制御実施部363は、第一セルの送信電力に対する第二セルの送信電力の比率を算出することによって、第一セルにおける第二セルからの干渉度を算出してもよい。
または、省電力制御実施部363は、第一セルおよび第二セルとの各送信周波数の差分(絶対値)と、第一セルの送信電力に対する第二セルの送信電力の比率と、に基づいて第一セルにおける第二セルからの干渉度を算出してもよい。たとえば、省電力制御実施部363は、第一セルおよび第二セルとの各送信周波数の差分の逆数と、第一セルの送信電力に対する第二セルの送信電力の比率と、を乗算した値を第一セルにおける第二セルからの干渉度として算出する。
省電力制御実施部363は、組み合わせp1〜p4のうちの、重複割合が閾値TH3以上の組み合わせを抽出する。ここでは重複割合の閾値TH3を70[%]とする。この場合は、省電力制御実施部363は、重複割合が閾値TH3以上の組み合わせとして組み合わせp1,p2,p4を抽出する。
また、省電力制御実施部363は、抽出した各組み合わせの少なくとも一部を干渉度に基づいて選択する。たとえば、省電力制御実施部363は、抽出した各組み合わせのうちの干渉度が閾値TH4以下のすべての組み合わせを選択する。また、省電力制御実施部363は、抽出した各組み合わせのうちの干渉度が最小の組み合わせを選択してもよい。
また、省電力制御実施部363は、抽出した各組み合わせのうちの干渉度が閾値TH4以下のすべての組み合わせを選択し、干渉度が閾値TH4以下の組み合わせが存在しない場合に、抽出した各組み合わせのうちの干渉度が最小の組み合わせを選択してもよい。ここでは、省電力制御実施部363は、抽出した各組み合わせのうちの干渉度が閾値TH4=0.5以下のすべての組み合わせを選択するとする。この場合は、省電力制御実施部363は、干渉度が閾値TH4以下の組み合わせとして組み合わせp2を選択する。
省電力制御実施部363は、選択した組み合わせにおける第一セルの基地局に省電力制御を実施させる。たとえば、省電力制御実施部363は、組み合わせp2を選択した場合は、組み合わせp2の第一セルである対象セルの基地局の省電力制御を実施する。対象セルの基地局は、省電力制御実施部363の自局である。
なお、各組み合わせの第二セルを一つとして重複割合および干渉度を算出する場合について説明したが、各組み合わせの第二セルを複数にして重複割合および干渉度を算出してもよい。たとえば、省電力制御実施部363は、対象セルを第一セルとし、近隣セル#1,#2を第二セルとする組み合わせや、近隣セル#1を第一セルとし、対象セルと近隣セル#2を第二セルとする組み合わせなどを含むテーブル1100を生成する。
対象セルを第一セルとし、近隣セル#1,#2を第二セルとする組み合わせは、第一セルにおける近隣セル#1,#2の少なくともいずれかとの重複割合と、第一セルにおける近隣セル#1,#2からの各干渉度の合計と、を示す。近隣セル#1を第一セルとし、対象セルと近隣セル#2を第二セルとする組み合わせは、近隣セル#1における対象セルと近隣セル#2の少なくともいずれかとの重複割合と、近隣セル#1における対象セルと近隣セル#2からの各干渉度の合計と、を示す。
(通信システムの動作)
図12は、通信システムの動作例1を示すシーケンス図である。図12に示す基地局1201〜1203は、たとえば互いに異なる移動通信システムの基地局である。基地局1201〜1203のそれぞれには図3に示した基地局300が適用されている。また、基地局1201は、基地局1202および基地局1203との間でそれぞれセルの重複部分を有するとする。まず、基地局1201が、自局のセルへのアクセス状態などに基づいて、省電力制御を実施すると判断したとする(ステップS1201)。
つぎに、基地局1201が、情報収集要求信号を基地局1202および基地局1203へ送信する(ステップS1202)。つぎに、基地局1202および基地局1203が、ステップS1202によって送信された情報収集要求信号に対する情報収集応答信号を基地局1201へ送信する(ステップS1203)。
つぎに、基地局1201が、ステップS1203によって送信された各情報収集応答信号に基づいて、基地局1201〜1203の各セルの各組み合わせについて重複割合を算出する(ステップS1204)。また、基地局1201が、ステップS1203によって送信された各情報収集応答信号に基づいて、基地局1201〜1203の各セルの各組み合わせについて干渉度を算出する(ステップS1205)。
つぎに、基地局1201が、ステップS1204によって算出された重複割合が閾値以上の組み合わせがあると判断したとする(ステップS1206)。つぎに、基地局1201が、重複割合が閾値以上の組み合わせの中から、ステップS1205によって算出された干渉度に基づいて自局のセルを被影響側とする組み合わせを選択したとする(ステップS1207)。つぎに、基地局1201が、自局のセルについて省電力制御を実施し(ステップS1208)、一連の動作を終了する。
図13は、通信システムの動作例2を示すシーケンス図である。図13において、図12に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図13に示すステップS1301〜S1306は、図12に示したステップS1201〜S1206と同様であるため説明を省略する。
ステップS1306のつぎに、基地局1201が、重複割合が閾値以上の組み合わせの中から、ステップS1305によって算出された干渉度に基づいて基地局1202(他局)のセルを被影響側とする組み合わせを選択したとする(ステップS1307)。つぎに、基地局1201が、省電力制御依頼信号を基地局1202へ送信する(ステップS1308)。つぎに、基地局1202が、自局のセルについて省電力制御を実施する(ステップS1309)。つぎに、基地局1202が、省電力制御応答信号を基地局1201へ送信し(ステップS1310)、一連の動作を終了する。
以上説明したように、制御装置および制御方法によれば、省電力制御に伴うサービス品質の低下を抑えることができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)送信電力を低下させる電力低下制御を含む省電力制御を基地局に実施させる制御装置において、
複数のセルの重複部分の大きさを示す重複情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された重複情報に基づいて、前記複数のセルの少なくともいずれかの基地局について前記省電力制御を実施させるか否かを判断し、前記省電力制御を実施させると判断した基地局に前記省電力制御を実施させる制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
(付記2)前記省電力制御には、前記電力低下制御を実施させた基地局の送信電力を増加させる電力増加制御が含まれることを特徴とする付記1に記載の制御装置。
(付記3)前記取得部は、前記複数のセルの各範囲を示す範囲情報を取得し、取得した範囲情報に基づいて前記重複情報を導出することを特徴とする付記1または2に記載の制御装置。
(付記4)前記取得部は、前記複数のセルに含まれる第一セルにおける、前記複数のセルに含まれ前記第一セルとは異なる第二セルとの重複部分の割合を示す重複情報を取得し、
前記制御部は、前記重複部分の割合に基づいて前記第一セルの基地局に前記省電力制御を実施させるか否かを判断することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記5)前記取得部は、前記複数のセルのそれぞれを前記第一セルとする複数の前記重複情報を取得し、
前記制御部は、前記複数の重複情報に基づいて前記複数のセルの基地局に前記省電力制御を実施させるか否かを判断することを特徴とする付記4に記載の制御装置。
(付記6)前記制御部は、前記割合が所定値以上である場合に前記省電力制御を実施させ、前記割合が所定値未満である場合に前記省電力制御を実施させないと判断することを特徴とする付記4または5に記載の制御装置。
(付記7)前記取得部は、前記複数のセルの間の干渉の大きさを示す干渉情報を取得し、
前記制御部は、前記取得部によって取得された干渉情報および前記重複情報に基づいて前記省電力制御を実施させるか否かを判断することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記8)前記取得部は、前記複数のセルの各基地局の各送信電力を示す電力情報を取得し、取得した電力情報に基づいて前記干渉情報を導出することを特徴とする付記7に記載の制御装置。
(付記9)前記取得部は、前記複数のセルの各基地局の各送信周波数を示す周波数情報を取得し、取得した周波数情報に基づいて前記干渉情報を導出することを特徴とする付記7または8に記載の制御装置。
(付記10)前記取得部は、前記複数のセルに含まれる第一セルからの、前記複数のセルに含まれ前記第一セルとは異なる第二セルへの干渉の大きさを示す干渉情報を取得し、
前記制御部は、前記干渉情報に基づいて前記第一セルの基地局に前記省電力制御を実施させるか否かを判断することを特徴とする付記7〜9のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記11)前記取得部は、前記複数のセルのそれぞれを前記第一セルとする複数の前記干渉情報を取得し、
前記制御部は、前記複数の干渉情報に基づいて前記複数のセルの基地局に前記省電力制御を実施させるか否かを判断することを特徴とする付記10に記載の制御装置。
(付記12)前記制御部は、前記干渉の大きさが所定値以下である場合に前記省電力制御を実施させ、前記干渉の大きさが所定値より高い場合に前記省電力制御を実施させないことを特徴とする付記10または11に記載の制御装置。
(付記13)前記制御部は、前記複数のセルの中から他セルに与える干渉の大きさが最小のセルを選択し、選択したセルの基地局に前記省電力制御を実施させると判断することを特徴とする付記10または11に記載の制御装置。
(付記14)前記複数のセルのうちのいずれかのセルの基地局に設けられることを特徴とする付記1〜13のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記15)前記制御部は、前記複数のセルのうちのいずれかのセルへの移動局の接続数に基づいて前記省電力制御を実施させるか否かを判断することを特徴とする付記1〜14のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記16)前記制御部は、前記接続数が所定値より低い場合は前記重複情報に基づいて前記電力低下制御を実施させるか否かを判断し、前記接続数が前記所定値以上である場合は前記電力低下制御を実施させないと判断することを特徴とする付記15に記載の制御装置。
(付記17)前記省電力制御には、前記電力低下制御を実施させた基地局の送信電力を増加させる電力増加制御が含まれ、
前記制御部は、前記接続数が所定値より高い場合は前記電力増加制御を実施させると判断し、前記接続数が前記所定値以下である場合は前記電力増加制御を実施させないと判断することを特徴とする付記15または16に記載の制御装置。
(付記18)前記複数のセルは、互いに通信方式が異なるセルであることを特徴とする付記1〜17のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記19)送信電力を低下させる電力低下制御を含む省電力制御を基地局に実施させる制御装置において、
複数のセルの間の干渉の大きさを示す干渉情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された干渉情報に基づいて、前記複数のセルの少なくともいずれかの基地局について前記省電力制御を実施させるか否かを判断し、前記省電力制御を実施させると判断した基地局に前記省電力制御を実施させる制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
(付記20)送信電力を低下させる電力低下制御を含む省電力制御を基地局に実施させる制御方法において、
複数のセルの重複部分の大きさを示す重複情報を取得し、
取得された重複情報に基づいて、前記複数のセルの少なくともいずれかの基地局について前記省電力制御を実施させるか否かを判断し、前記省電力制御を実施させると判断した基地局に前記省電力制御を実施させることを特徴とする制御方法。
(付記21)送信電力を低下させる電力低下制御を含む省電力制御を基地局に実施させる制御方法において、
複数のセルの間の干渉の大きさを示す干渉情報を取得し、
取得された干渉情報に基づいて、前記複数のセルの少なくともいずれかの基地局について前記省電力制御を実施させるか否かを判断し、前記省電力制御を実施させると判断した基地局に前記省電力制御を実施させることを特徴とする制御方法。