JP5655194B2 - 流量測定装置 - Google Patents

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本発明は、超音波を利用した流量測定装置、特に、半導体製造装置等に用いられる細い管の内部を流れる流体の流速を非接触に測定する装置に関する。
従来、超音波を利用した流量測定装置としては、管路を流れる流体内に超音波を伝搬せしめ、流れの上流から下流への超音波伝搬速度と、下流から上流への超音波伝搬速度の差によって流体の速度を求め、これに基づいて管路を流れる流体の流量を計測する流量計は伝搬速度差式超音波流量計と呼ばれ、知られている(例えば、特許文献1参照。以下、「従来技術1」という。)。
しかし、超音波を利用した上記の流量測定装置では、パイプを伝搬する波についての理論的解析がきちんと行われていないため、その最適化が困難であった。
本発明の発明者らは、パイプ内を流れる流体の流速と超音波送信子によって励起されるガイド波の伝搬速度との関係について研究を重ねた結果、流体の流速が変化するとパイプを伝搬するガイド波の伝搬速度に影響が現れるという知見を得、ガイド波を利用した超音波流量計を開発してきた。
本件の出願人らは、ガイド波を用いた流量測定装置の発明について、これまで、特願2006−109218(特開2007−298275号公報参照。)、特願2007−280888(特開2009−109299号公報参照。)及び特願2009−272705を出願している。
なお、本明細書において「ガイド波」とは、板、棒、パイプ等、境界を持つ媒質を長手方向に伝搬する超音波をいう。
ところで、従来技術1に示す伝搬速度差式超音波流量計は、図9に示すように、測定導管1の両側に超音波送受信子2及び3が設けられ、それぞれ、電気的な導線4及び5を介して発信及び受信されるようになっている。超音波送受信子2及び3は、プレート状に形成された超音波振動子(PZT等の圧電材料)からなり、平面状に形成された整合板に装着されるようになっている。
超音波振動子は、一般に、板状に形成された所定厚さtの圧電素子の両面に電極面が形成され、これらの各電極面に電気的な導線がハンダ付けされるという構造となっている。
しかしながら、図9に示すように、従来技術1のような伝搬速度差式超音波流量計において、超音波送受信子2及び3に電気的な導線4及び5を設けるには、構造上、プレート状に形成された超音波振動子の片面から結線する必要がある。もちろん、超音波送受信子2及び3のケース6に導線4及び5の一方の電極を配線するための切除部を設けて超音波振動子の両面から結線することも不可能ではないが、ケース6に切除部を合わせ加工しなければならず、加工に時間がかかるという問題があり、採用されていない(例えば、特許文献2参照。以下、「従来技術2」という。)。
図10は、従来技術2において超音波振動子7の片面から結線する場合の超音波振動子7の構造を示したもので、(a)は平面図、(b)は正面図、及び(c)はB−B断面図である。
図10(a)において、見えている面が導線4及び5が結線される側の面(以下、「導線接続面」ということもある。)として示されている。
超音波振動子7は、圧電素子材料、例えば、PZTなどからなり、円板状をしており、図10(a)の上面、図10(c)の左側面が導線接続面であり、該導線接続面の大部分を占めるように扇形のプラス電極面8が、また、残りの部分にプラス電極面8と間隙を有してマイナス電極面9が焼付け等の手段で形成され、各電極面8及び9にそれぞれ導線がハンダ付けされるようになっている。一方、超音波振動子7の反対側の面(以下、「超音波送出面」ということもある。)の全面にマイナス電極面9が焼付け等の手段で形成され、導線接続面に形成されたマイナス電極面9と超音波振動子7の側面を回り込むようにして接続された構造となっている。すなわち、従来技術2においては、超音波振動子7の片面から結線する必要がある場合において、導線接続面の大部分にプラス電極面8を残りの小さい部分にマイナス電極面9を形成する一方、超音波送出面の全面にマイナス電極面9を形成して、超音波送出面のマイナス電極面9と導線接続面のマイナス電極面9とを超音波振動子7の側面を介して接続するという構造をとっていた。
特開平7−83715号公報 実開昭60−79898号公報全文
本発明者は、従来技術2の超音波振動子7の電位分布と変形の様子を可視化するため有限要素法(FEM)によるシミュレーションを行った。図11はそのモデルであるが、対称性を用いて半分のみモデル化した。
超音波振動子7の外周はケースに固定されるものであることから、この条件を再現するため、外周面のz変位はないという境界条件で解いた。
その結果を図12に示す。図12は、電位差を与えたときの断面図(図11のモデルを横から見た図)である。網目は電位分布を示し、網目の細い方が電位が高い。電位分布が不均等のため、変形も不均等になっている。特に、プラス電極が存在する外周部は上下に広がろうとする力が発生することが確認される。
従来技術2においては、そもそも、測定流体の流路の中心と超音波ビームの軸(電極の中心)とを合わせるという技術思想は存在しないため、電極の中心という考えもなされておらず、図10に示したように、超音波振動子7の中心軸Cに対して導線接続面のプラス電極面8及びマイナス電極面9が軸対称に形成されていないことから、図12に示すように、変形も中心軸に対して非対称になる。そのため、超音波振動子7によって発信される超音波も非対称になる。この非対称な超音波を使うと、非対称なモードのガイド波が生じる。また、外周部も矢印で示すように変形を生じようとするため、超音波振動子7の外周縁の固定部分にゆがみが生じる。よって、出荷時に調整した超音波の軸(センター)が利用している間の時間経過とともにずれてしまうという問題があった。この現象はバルク波を用いた通常の超音波流量計においても、測定精度の低下を招くものであった。
本発明の発明者は、上記従来技術の問題点を分析するなかで、測定流体の流路の中心と超音波ビームの軸(電極の中心)とを合わせることが重要であるとの知見を得た。そのため、本発明は、超音波送受信子の超音波振動子の導線接続面に設けられたプラス両電極面とマイナス電極面との間隙を挟んで対向する両電極面の部分の形状を超音波ビームの軸を中心とする円形又は正多角形に形成することにより、超音波ビームの軸に対して超音波の音場の軸、すなわち、流体の流路の中心を一致させ、Lモード(軸対称)のガイド波を選択的に励起するとともに他のモードのガイド波の励起を抑え、かつ、超音波の軸が経時的にずれることを防止できるため、測定精度の安定した流量測定装置を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、超音波振動子の熱膨張による形状変化を均等にして、長時間使用時においても安定性のある流量測定装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため本発明の流量測定装置は、第1に、流量測定部の両側にそれぞれ超音波送信子・受信子を距離L隔てて設け、前記超音波送信子の駆動により励起されるガイド波が、間隔L離れた超音波受信子に上流から下流へ伝搬する時の伝搬時間Tと、下流から上流へ伝搬する時の伝搬時間Tとの伝搬時間差から流体の流速を求める流量測定装置において、前記超音波送受信子の超音波ビームの軸と前記流体の流路の中心とを一致させることを特徴としている。
また上記目的を達成するため本発明の流量測定装置は、第2に、流量測定部の両側にそれぞれ超音波送信子・受信子を距離L隔てて設け、前記超音波送信子の駆動により励起されるガイド波が、間隔L離れた超音波受信子に上流から下流へ伝搬する時の伝搬時間Tと、下流から上流へ伝搬する時の伝搬時間Tとの伝搬時間差から流体の流速を求める流量測定装置において、両面に電極面が設けられた板状の超音波振動子の一方の面からのみ電気的導線が接続可能なように導線接続面にプラス電極面及びマイナス電極面が間隙を有して配置されたものであって、前記導線接続面に設けられた両電極面の間隙を挟んで対向する部分の形状を超音波ビームの軸を中心とする円形又は正多角形に形成することを特徴としている。
第1又は第2の特徴により、超音波の音場の軸、すなわち、流体の流路の中心と超音波ビームの軸が一致し、Lモードのガイド波を選択的に励起するとともに他のモードのガイド波の励起を抑え、かつ、超音波の軸が経時的にずれることを防止できるため、測定精度の安定した流量測定装置を提供することができる。
さらに、第2の特徴により、超音波振動子の熱膨張による形状変化を均等にして、長時間使用時においても安定性のある流量測定装置を提供することができる。
また、本発明の流量測定装置は、第3に、第2の特徴において、超音波振動子の導線接続面の周縁部に超音波ビームの軸を中心とするマイナス電極面を、中央部に超音波ビームの軸を中心とするプラス電極面を形成し、超音波振動子の導線接続面と反対の面にマイナス電極面を形成し、両面に形成されたマイナス電極面を超音波振動子の側面を介して接続するように構成してなることを特徴としている。
また、本発明の流量測定装置は、第4に、第2の特徴において、超音波振動子の導線接続面の周縁部に超音波ビームの軸を中心とするプラス電極面を、中央部に超音波ビームの軸を中心とするマイナス電極面を形成し、超音波振動子の導線接続面と反対の面にプラス電極面を形成し、両面に形成されたプラス電極面を超音波振動子の側面を介して接続するよう構成してなることを特徴としている。
第3又は第4の特徴により、さらに、超音波振動子の周縁部外周部分は電位差が生じないため、変形も生じず、超音波振動子を固定するケースに不均等な変形を与えることもない。
また、本発明の流量測定装置は、第5に、第3又は第4の特徴において、超音波振動子の両面に形成されたマイナス電極面又はプラス電極面を超音波振動子の側面の一部を介して接続するよう構成してなることを特徴としている。
また、本発明の流量測定装置は、第6に、第3又は第4の特徴において、超音波振動子の両面に形成されたマイナス電極面又はプラス電極面を超音波振動子の側面の全部を介して接続するよう構成してなることを特徴としている。
第5又は第6の特徴により、超音波振動子の両面に形成されたマイナス電極面又はプラス電極面を容易に接続することができる。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)ガイド波伝搬の解析から、超音波振動子が軸対称の振動をし、その超音波ビームの軸と流体の流路の中心とを一致させることで、測定精度の大幅な改善が可能になった。
(2)両面に電極面が設けられた板状の超音波振動子の一方の面からのみ電気的導線が接続可能なように導線接続面にプラス電極面及びマイナス電極面が間隙を有して配置されたものであって、前記導線接続面に設けられた両電極面の間隙を挟んで対向する部分の形状を超音波ビームの軸を中心とする円形又は正多角形に形成することにより、超音波ビームの軸に対して超音波の音場の軸、すなわち、流体の流路の中心が一致し、Lモードのガイド波を選択的に励起するとともに他のモードのガイド波の励起を抑え、かつ、超音波の軸が経時的にずれることを防止しできるため、測定精度の安定した流量測定装置を提供することができる。また、超音波振動子の熱膨張による形状変化を均等にして、長時間使用時においても安定性のある流量測定装置を提供することができる。
(3)超音波振動子の導線接続面の周縁部に超音波ビームの軸を中心とするマイナス電極面(又はプラス電極面)を、中央部に超音波ビームの軸を中心とするプラス電極面(又はマイナス電極面)を形成し、超音波振動子の導線接続面と反対の面にマイナス電極面(又はプラス電極面)を形成し、両面に形成されたマイナス電極面(又はプラス電極面)を超音波振動子の側面を介して接続することにより、さらに、超音波振動子の外周部分は電位差が生じないため、変形も生じず、超音波振動子を固定するケースに不均等な変形を与えることもない。
(4)超音波振動子の両面に形成されたマイナス電極面又はプラス電極面を超音波振動子の側面の一部又は全部を介して接続することにより、超音波振動子の両面に形成されたマイナス電極面又はプラス電極面を容易に接続することができる。
本発明の実施形態に係る流量測定装置の概念図である。 内部に静水を満たした直径が1/8インチのPFA製パイプを伝搬するガイド波の音速の理論値を示し図である。 図1に示された超音波送受信子の正面断面図である。 本発明の実施形態に係る超音波振動子及び超音波振動子に設けられる電極面の構造の一例を示したもので、(a)は平面図、(b)は正面図、及び(c)はA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る超音波振動子及び超音波振動子に設けられる電極面の構造の他の例を示した導線接続側の平面図である。 図4に示した実施形態についての超音波振動子の電位分布と変形の様子を可視化するためのモデルを示した斜視図である。 図4に示した実施形態について超音波振動子に電位差を与えたときの断面図(図6のモデルを横から見た図)である。 図4に示した実施形態と図10に示した従来技術2とにおける測定精度の実験結果を示した図である。 従来技術1の伝搬速度差式超音波流量計の正面断面図である。 従来技術2における超音波振動子の片面から結線する場合の構造を示したもので、(a)は平面図、(b)は正面図、及び(c)はB−B断面図である。 従来技術2の超音波振動子の電位分布と変形の様子を可視化するためのモデルを示した斜視図である。 従来技術2の超音波振動子に電位差を与えたときの断面図(図11のモデルを横から見た図)である。
本発明に係る流量測定装置を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加えうるものである。
図1は、本発明の実施形態に係る流量測定装置の概念図を示したものである。
図1において、上向きに開口するコ字形状の超音波流量測定管10は、流体流入部11、流量測定部12及び流体流出部13とから形成されている。また、前記超音波流速測定管1の流量測定部12には、流れ方向の上流側と下流側に、互いに所定距離Lを隔ててそれぞれ超音波送受信子14、15が配置されている。この超音波送受信子14、15は、それぞれ、送受信切替器16、17からの駆動パルスにより駆動されて振動し、超音波を発生送信する一方、送信されてきた超音波を受信するもので、それら超音波送受信子14、15が振動したときの受信波が送受信切替器16、17及びコントローラ18を介して流量演算回路19に送られ、演算結果を流量表示回路20に送るようになっている。
なお、図1では、流量測定部12の両側にそれぞれ超音波送受信子14、15を1個ずつ設け、送信機能及び受信機能を切り替え使用するようにしているが、流量測定部12の両側にそれぞれ超音波送信子及び受信子を1組ずつ設ける構成や、電気回路を2組設けて、両側の送信子(送受信子)から同時に発信させ、両側の受信子(送受信子)で同時に受信させるように構成してもよいことはもちろんである。本明細書においては、送信機能及び受信機能を切り替え使用する構成、及び、送信子及び受信子を別個に設ける構成、及び、電気回路を2組設けて、両側の送信子(送受信子)から同時に発信させ、両側の受信子(送受信子)で同時に受信させるようにする構成を含めて、流量測定部の両側にそれぞれ超音波送信子・受信子を設けるという。
図1を用いて流量を測定する例を説明する。
(1)送受信切替器16、17によりDOWN測定経路に切り替えを行う。
(2)パルス発生回路21よりパルスを発生する。
(3)アンプにより±10V程度の波形に増幅する。
(4)DOWN測定経路1を経由して超音波送受信子14より超音波パルスを流量測定部12の流路30に送信する。
(5)超音波送受信子15から超音波パルスを受信する。
(6)受信信号を、DOWN測定経路2を経由して、共振回路22、アンプ23、共振回路24及びアンプ25からなる増幅回路に送り、増幅する。
(7)A/D変換により受信波形をデジタルデータに変換し、コントローラ18に取り込む。
(8)流量演算回路19で、DOWNの伝搬時間T1を計算する。
(9)送受信切替器16、17によりUP測定経路に切り替えを行う。
(10)パルス発生回路21よりパルスを発生する。
(11)アンプにより±10V程度の波形に増幅する。
(12)UP測定経路1を経由して超音波送受信子15より超音波パルスを流量測定部12の流路30に送信する。
(13)超音波送受信子14から超音波パルスを受信する。
(14)受信信号を、UP測定経路2を経由して、共振回路22、アンプ23、共振回路24及びアンプ25からなる増幅回路に送り、増幅する。
(15)A/D変換により受信波形をデジタルデータに変換し、コントローラ18に取り込む。
(16)流量演算回路19で、UPの伝搬時間T2を計算する。
(17)T1、T2より流速を求め、流速より流量を求める。
図2は、内部に静水を満たした直径が1/8インチのPFA製パイプを伝搬するガイド波の音速の理論値を示したものである。該理論値は,パイプの内壁と内部の流体の界面の境界条件,パイプの外壁の境界条件を満たす波動方程式の解を数値的に解くことにより得られる。
理論値L(0,1)〜L(0,4)、F(1,0)〜F(1,4)の合計8個のモードのガイド波において、実線は位相速度を、また、破線は群速度を示している。
図2の理論曲線から、ガイド波は速度分散性(周波数依存性)を持っていることがわかる。ガイド波には、さまざまなモードがあるが、L(0,1)〜L(0,4)は軸対称のモードで、F(1,0)〜F(1,4)は曲げモードの一種である。
L(0,4)の群速度は他のモードの群速度から孤立しており、測定に適していることがみてとれる。
図3は、図1に示された超音波送受信子14、15のうち、右側に設けられた超音波送受信子14の取付け状態を示した正面断面図である。
超音波送受信子14は、たとえば円板状の圧電材料(例:PZT)を素材とした超音波振動子36とその両面にプラス及びマイナスの電極面が設けられて構成されており、円板状の整合板37に装着され、ケース38により周縁部が固定されて取り付けられるようになっている。超音波振動子36の形状は円板状に限定されるものではなく、四角形その他、任意の形状でよい。また、整合板37は必ずしも必須ではない。
図3において、超音波振動子36の右側の面が導線39が接続される導線接続面であり、左側が超音波送出面である。ケース38の超音波振動子36に近接する導線側の内面には、導線39を超音波振動子36の電極面の所定位置にハンダ付けするための逃げ部40が設けられている。
図3において、符号O’は、流量測定部12内を流れる測定流体の流路の中心を示している。また、符号Oは、超音波送受信子14から発信される超音波ビームの軸を示している。超音波ビームの軸Oは、超音波振動子36に設けられる後述する電極の中心と一致する。
超音波送受信子14を装着するに当たっては、超音波ビームの軸O、すなわち、電極の中心が測定流体の流路の中心O’と一致するようにして設置することが重要である。
図4は、本発明の実施形態に係る超音波振動子36及び超音波振動子36に設けられる電極面の構造の一例を示したもので、(a)は平面図、(b)は正面図、及び(c)はA−A断面図である。
図4(a)において、見えている面が導線39の結線される導線接続面である。
超音波振動子36は、圧電材料、例えば、PZTからなり、円板状をしており、図4(a)の上面、図4(c)の左側が導線接続面である。
超音波振動子36の導線接続面の周縁部に超音波ビームの軸Oを中心とするドーナツ状のマイナス電極面41を、同じく中央部に超音波ビームの軸Oを中心とする円形状のプラス電極面42を形成している。
マイナス電極面41とプラス電極面42とは図4(a)及び4(c)に示すように、所定の間隙δを有して配置される。
一方、超音波振動子36の反対の面(超音波送出面)には、超音波ビームの軸Oを中心とする円形状のマイナス電極面43が形成されている。また、超音波振動子36の両面に形成されたマイナスの電極面41と43とは、超音波振動子36の側面を回り込むようにして形成された接続部44により接続される。
このように、超音波ビームの軸Oを想定してこれを中心として電極を形成するため、結果として、電極の中心が超音波ビームの軸Oとなる。
このように、両面に電極面が設けられた板状の超音波振動子36の一方の面からのみ電気的導線が接続可能なように導線接続面にプラス電極面42及びマイナス電極面41が間隙δを有して配置されたものにおいて、前記導線接続面に設けられた両電極面41、42の間隙δを挟んで対向する部分の形状を超音波ビームの軸Oを中心とする円形に形成するとともに、超音波振動子36の超音波送出側の面に超音波ビームの軸Oを中心とする円形のマイナス電極面43を形成するものである。また、マイナス電極面とプラス電極面とを反対にしてもよく、要は、導線接続面に設けられた両電極面41、42の間隙δを挟んで対向する部分の形状が超音波ビームの軸Oを中心とする円形に形成されていればよい。
図5は、本発明の実施形態に係る超音波振動子及び超音波振動子に設けられる電極面の構造の他の例を示した導線接続側の平面図である。
図5(a)では、超音波振動子36は円形をしており、周縁側のマイナス電極面41及び中心側のプラス電極面42は超音波ビームの軸Oを中心とするドーナツ状をしている。
図5(b)では、超音波振動子36は円形をしており、周縁側のマイナス電極面41は超音波ビームの軸Oを中心とするドーナツ状をしており、中心側のプラス電極面42は超音波ビームの軸Oを中心とする外周が円形で内周は星形をしている。
両例とも、導線接続面に設けられた両電極面41、42の間隙δを挟んで対向する部分の形状は超音波ビームの軸Oを中心とする円形に形成されている。
図5(c)では、超音波振動子36は正四角形をしており、周縁側のマイナス電極面41は超音波ビームの軸Oを中心とするドーナツ状をしており、中心側のプラス電極面42は超音波ビームの軸Oを中心とする円形をしている。
図5(d)では、超音波振動子36は正四角形をしており、周縁側のマイナス電極面41は超音波ビームの軸Oを中心とする外周が正四角形で内周が円形をしており、中心側のプラス電極面42は超音波ビームの軸Oを中心とする円形をしている。
両例とも、導線接続面に設けられた両電極面41、42の間隙δを挟んで対向する部分の形状は超音波ビームの軸Oを中心とする円形に形成されているが、超音波振動子36は円形である必要はなく、また、両電極面41、42の間隙δを挟んで対向する部分以外の形状は任意である。
図5(e)では、超音波振動子36は円形をしており、周縁側のマイナス電極面41及び中心側のプラス電極面42が超音波ビームの軸Oを中心として形成されており、マイナス電極面41はドーナツ状を、プラス電極面42は円形をしている。
超音波振動子36の外周縁には電極は形成されておらず、接続部44が超音波振動子36の側面に1箇所設けられている。
図5(f)では、超音波振動子36は正四角形をしており、周縁側のマイナス電極面41及び中心側のプラス電極面42が超音波ビームの軸Oを中心として形成されており、マイナス電極面41は外周が正四角形で内周が円形を、プラス電極面42は円形をしている。
両例とも、導線接続面に設けられた両電極面41、42の間隙δを挟んで対向する部分の形状は超音波ビームの軸Oを中心とする円形に形成されているが、超音波振動子36の外周縁には電極は形成されておらず、接続部44が超音波振動子36の側面に2箇所設けられている。
なお、図5においては、導線接続面に設けられた両電極面41、42の間隙δを挟んで対向する部分の形状は超音波ビームの軸Oを中心とする円形のものが示されているが、本発明においてはこれに限らず、両電極面41、42の間隙δを挟んで対向する部分の形状が正多角形でも、また、一方が円形で他方が正多角形でも同様の効果を奏するものである。
また、図5に示した例の場合も、導線接続面と反対の超音波送出面には、マイナス電極43が超音波振動子の全面又はマイナス電極41の外縁と同じ外縁を有して外縁内の全体もしくは一部に設けられている。
図4に示した実施形態(以下、「実施形態1」ともいう。)についての超音波振動子36の電位分布と変形の様子を可視化するため有限要素法(FEM)によるシミュレーションを行った。図6はそのモデルであるが、対称性を用いて半分のみモデル化した。超音波振動子36の外周はケース39に固定されるものであることから、この条件を再現するため、外周面のz変位はないという境界条件で解いた。その結果を図7に示す。図7は、電位差を与えたときの断面図(図6のモデルを横から見た図)である。網目は電位分布を示し、細い方が電位が高い。電位分布が超音波ビームの軸Oに対して軸対称になるため、変形も軸対称になっている。超音波振動子36の外周部は、たとえ下部電極と上部電極をつないでいる部分であっても、電位差がないため、変形は生じない。
図7に示すように、図4に示した実施形態1においては、電位が超音波ビームの軸Oに対して軸対称になるため、変形も軸対称になる。このため、軸対称なモードであるLモードのガイド波だけを励起することができる。また、超音波振動子36の外周部分は電位差が生じないため、変形も生じない。よって、ケース39に不均等な変形を与えることもないという利点もある。
導線接続面に設けられた両電極面41、42の間隙δを挟んで対向する部分の形状を超音波ビームの軸Oを中心とする円形又は正多角形に形成すると、超音波の音場の軸、すなわち、流体の流路の中心と超音波ビームの軸Oが一致し、Lモードのガイド波が励起され、他のモードのガイド波の励起が抑えられることを確認するため、図6に示す本実施形態のモデルと図11に示す従来技術2のモデルについて、それぞれ、図3に示す整合板37を介して測定流体に及ぼす水圧を計算した。
図6に示す実施形態1のモデルの場合、水圧の分布は軸対称となった。この軸対称の水圧分布が音波の初期の分布と考えられ、ホイヘンスの原理にのっとって伝搬していくものであるから、軸対称の超音波が軸方向に伝搬すると判断される。
一方、図11に示す従来技術2のモデルの場合、水圧の分布も非対称となった。このため、音場も非対称ではなく、伝搬方向も軸中心からずれると判断される。
図8は、図4に示した実施形態1と図10に示した従来技術2とにおける測定精度の実験結果を示した図である。
この実験では、10mL/分の流量を流し、実施形態1及び従来技術2でそれぞれ測定した。横軸が時間で、縦軸は10mL/分との差を示している。破線は従来技術2の流量データの多項式近似値であり、実線は実施形態1の流量データの多項式近似値である。
従来技術2においては、上下のバラツキが大きく、時間の経過と共に多項式近似値、すなわち、ゼロ点が大きくずれていくことが確認できる。一方、実施形態1においては、上下のバラツキがなく、時間が経過してもゼロ点がほとんどずれていないことが分かる。
表1に図7から計算された結果を示す。
実施形態1においては、従来技術2に比較して平均値で10倍以上精度がよいことが確認できる。
以上のとおり、ガイド波伝搬の解析から、超音波振動子が軸対称の振動をし、その振動の中心軸と流体流れの中心軸を一致させることで、測定精度の大幅な改善が可能になった。
Figure 0005655194
実施形態1において、超音波流量測定管10の流量測定部12の形状を直線状としたが、本発明はこれに限定されない。すなわち本発明ではガイド波を利用しているため、流量測定部を曲げても、超音波は流量測定部に沿って伝搬する。
したがってこの性質を利用すると、流量測定部の形状を例えばパイプを曲げた形状とすることにより超音波流量計の小型化が可能になる。
10 超音波流量測定管
11 流体流入部
12 流量測定部
13 流体流出部
14 超音波送受信子
15 超音波送受信子
16 送受信切替器
17 送受信切替器
18 コントローラ
19 流量演算回路
20 流量表示回路
21 パルス発生回路
22 共振回路
23 アンプ
24 共振回路
25 アンプ
30 流量測定部における流路
31 流体流入部の流路
32 流体流出部の流路
33 テーパ部
34 流路の両側の部分における大径流路
35 中央の小径流路
36 超音波振動子
37 整合板
38 ケース
39 導線
40 逃げ部
41 マイナス電極面
42 プラス電極面
43 マイナス電極面
44 接続部
O 超音波ビームの軸(電極の中心)
O‘ 測定流体の流路の中心

Claims (5)

  1. 流量測定部の両側にそれぞれ超音波送信子・受信子を距離L隔てて設け、前記超音波送信子の駆動により励起されるガイド波が、間隔L離れた前記超音波受信子に上流から下流へ伝搬する時の伝搬時間Tと、下流から上流へ伝搬する時の伝搬時間Tとの伝搬時間差から流体の流速を求める流量測定装置において、
    両面に電極面が設けられた板状の超音波振動子の一方の面からのみ電気的導線が接続可能なように導線接続面にプラス電極面及びマイナス電極面が間隙を有して配置されたものであって、
    前記超音波送信子・受信子の超音波ビームの軸と前記流体の流路の中心とを一致させるように、前記導線接続面に設けられた両電極面の間隙を挟んで対向する部分の形状を前記超音波ビームの軸を中心とする円形又は正多角形に形成することを特徴とする流量測定装置。
  2. 前記超音波振動子の前記導線接続面の周縁部に前記超音波ビームの軸を中心とするマイナス電極面を、中央部に前記超音波ビームの軸を中心とするプラス電極面を形成し、前記超音波振動子の前記導線接続面と反対の面にマイナス電極面を形成し、両面に形成されたマイナス電極面を前記超音波振動子の側面を介して接続するように構成してなることを特徴とする請求項1記載の流量測定装置。
  3. 前記超音波振動子の前記導線接続面の周縁部に前記超音波ビームの軸を中心とするプラス電極面を、中央部に前記超音波ビームの軸を中心とするマイナス電極面を形成し、前記超音波振動子の前記導線接続面と反対の面にプラス電極面を形成し、両面に形成されたプラス電極面を前記超音波振動子の側面を介して接続するよう構成してなることを特徴とする請求項1記載の流量測定装置。
  4. 前記超音波振動子の両面に形成された前記マイナス電極面又は前記プラス電極面を前記超音波振動子の側面の一部を介して接続するよう構成してなることを特徴とする請求項2又は3記載の流量測定装置。
  5. 前記超音波振動子の両面に形成された前記マイナス電極面又は前記プラス電極面を前記超音波振動子の側面の全部を介して接続するよう構成してなることを特徴とする請求項2又は3記載の流量測定装置。
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