以下、図面を参照して、本発明に係る第1実施形態について説明する。
本実施形態は、本発明に係る遊技機の適例としてのパチンコ遊技機100について図1〜図12を参照して説明を行うものである。
図1に示すように、パチンコ遊技機100の遊技盤1のガイドレール2を含む遊技領域区画壁(一部ガイドレール2以外の部材で後述の遊技領域1aを区画している部分がある)で囲まれた遊技領域1aには、変動表示遊技(特図遊技)として特別図柄(特図:識別情報)の表示を行う変動表示装置4(特別図柄表示装置)、開閉部材5a,5aを開閉させる変動入賞装置5、変動表示遊技(特図遊技)の結果如何によって大入賞口6bを閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換するサイクル遊技を行う特別変動入賞装置6、変動表示遊技の始動口7、一般入賞口8、サイドランプ12,12、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)などが配設されている。遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴13が設けられている。
(特図)変動表示装置4は、例えば、LCD4aを備え、このLCD4aにおいて複数種類の特別図柄(例えば、図柄としての数字、記号、キャラクタなどの識別情報)が変動表示可能となっている。なお、変動表示装置4は、LCD4aを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良いし、ドラムを用いた回動式表示装置等のように機械式の変動表示装置であっても良い。
そして、変動表示装置4は、始動口7への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による(特図)変動表示遊技を実行可能となっている。なお、変動表示遊技においては、後述するようにその結果態様が特別結果態様となった場合に、特別変動入賞装置6を作動させて遊技者に大量の遊技媒体(遊技球)の獲得を可能とする特別遊技状態が発生するようになっている。
さらに、変動表示装置4は、識別情報が表示されているとき及び識別情報が表示されていないときに、文字や画像(背景画像やキャラクタ画像を含む)等を表示することが可能となっている。
また、変動表示装置4の上部には、始動口7に遊技球が入賞することにより変動表示遊技の始動権利が発生したのにも拘わらず変動表示遊技が未処理となっている未処理回数(始動記憶数)を点灯表示する特図記憶表示器4bが設けられている。
なお、始動記憶数を表示する特図記憶表示器4bは、例えば、後述の始動記憶数の上限数に対応する個数(4)の発光部材(LED)を備え、LEDの点灯・消灯もしくは発光色の変更等により、始動記憶数を表示するものであるが、特図記憶表示器4bを設けずに変動表示装置4のLCD4aの表示画面の一部となる表示エリアに、特図記憶表示器4bを示す画像を表示するようにしても良い。例えば、変動表示装置4の一部の表示エリアに、丸等の図形を始動記憶数の上限数だけ表示し、表示された図形の明暗や色の変更により、始動記憶数を表示するようにしても良い。このようにすれば、変動表示装置4の表示を変更することで、後述する特殊遊技状態において始動記憶数の上限数を変更する表示が容易に行える。すなわち、上述の表示される丸等の図形の数を変更することで、上限数を変更して表示することができる。
変動入賞装置5は左右一対の開閉部材5a,5aを具備し、この開閉部材5a,5aは、常時は変動入賞装置5内への遊技球の流入を阻止するように閉じた状態を保持しているが、後述するように始動記憶数が上限数となった状態で始動口7に遊技球が入賞すると所定時間(例えば、0.8秒)だけ開状態となって変動入賞装置5内に遊技球が流入可能な状態に変換されるようになっている。なお、変動入賞装置5の開閉部材5a、5aの開閉は、開閉ソレノイド5c(図2に図示)により行われる。
また、変動入賞装置5が開状態となった場合に遊技球が流入する内部には、開状態で受け入れた遊技球が通過したことにより前記特別遊技状態を発生可能な特定領域5bと、開状態で受け入れた遊技球を一般入賞とする一般入賞領域5gとを備えている。なお、開状態で変動入賞装置5に受け入れられた遊技球は、遊技盤1の裏面側に回収されてパチンコ遊技機100の外に排出されることになるが、回収される前に、特定領域5bと一般入賞領域5gとの何れかを通過する事になるとともに、確率的に、受け入れた遊技球の1/15程度が特定領域5bを通過するように構成されている。すなわち、特定領域5bの入賞率は受け入れた遊技球の約1/15となっている。
また、変動入賞装置5には、特定領域5bを通過した遊技球を検出する特定領域センサ5dと、変動入賞装置5に受け入れられた(入賞した)遊技球を検出するカウントセンサ5eとが設けられている。なお、特定領域センサ5dは、遊技球が特定領域5bを通過することを検出して特別遊技状態を発生させる制御を行うために用いられるものであり、カウントセンサ5eは、変動入賞装置5に受け入れられた遊技球を変動入賞装置5に入賞した遊技球として検出して、変動入賞装置5への遊技球の入賞に伴う賞球を排出する制御を行うために用いられるものである
なお、変動入賞装置5が開状態となってから所定時間(有効期間)を経過してから遊技球が特定領域5bを通過した場合には、後述するように特別遊技状態を発生しないようになっている。
また、変動入賞装置5内に受け入れた遊技球に接触可能な可動部材5f(振り分け部材)を設け、変動入賞装置5内の固定された構造と、可動部材5fとに基づいて、特定領域5bの入賞率が決まるようになっていても良い。すなわち、変動入賞装置5内には、遊技球を特定領域5bと一般入賞領域5gとに予め設定された振り分け率に基づいて振り分ける可動部材5f(振り分け部材)が配置されていても良い。
以上のような変動入賞装置5は、その開閉部材5a,5aが開状態となることで、変動入賞装置5に遊技球の入賞の機会が与えられるとともに、さらに、変動入賞装置5に遊技球が入賞し、さらに、入賞した遊技球が特定領域5bを通過することにより特別遊技状態の発生の機会が与えられる補助遊技を行うことが可能となっている。また、補助遊技、すなわち、変動入賞装置5の開閉部材5a、5aを所定時間開状態とする動作は、後述するように始動記憶数が上限数となった状態で、始動口7に遊技球が入賞することで開始される。
特別変動入賞装置6は、アタッカー形式の開閉扉6aによって開閉される大入賞口6bを備えている。
この大入賞口6bの内部(入賞領域)には、該大入賞口6bに入賞した(入った)遊技球を検出するカウントセンサ6cが設けられている。
開閉扉6aはその上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっていて、特図の変動表示遊技の結果が特別結果態様(例えば、「7、7、7」等、同じ図柄の組合せの何れか)となって大当り等が発生した場合に、開閉ソレノイド6dが作動して大入賞口6bが開放されるようになっている。
始動口7には、その奥に始動口7に入賞した(入った)遊技球を検出する特図始動センサ7a(図2に図示)が設けられており、始動口7に遊技球が入賞すると、変動表示遊技を開始する始動権利が発生するようになっており、所定の上限数の範囲内で始動記憶として始動記憶手段となる後述の遊技制御装置20のメモリ(RAM21b)に記憶される。従って、変動表示遊技が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動口7に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、始動記憶に基づいて、変動表示遊技が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、変動表示遊技が開始できない状態、例えば、既に変動表示遊技が行われ、その変動表示遊技が終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動口7に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。
そして、始動記憶数が1以上となった状態で、変動表示遊技が開始可能な状態(前の変動表示遊技の終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて変動表示遊技が開始される。
また、始動記憶数が上限数の状態で、始動口7に遊技球が入賞すると、変動入賞装置5において、開閉部材5a、5aが所定時間開状態となる補助遊技が行われる。なお、始動記憶数は、始動記憶手段としての後述する遊技制御装置20(のRAM21b)に記憶される。
一般入賞口8の奥には、一般入賞口8に入賞した(入った)遊技球を検出する入賞口センサ8aが設けられている。
ここで、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口8、始動口7、変動入賞装置5、大入賞口6b等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出される(払い出される)ようになっている。ここでは、例えば、始動口7への入賞に対する賞球(遊技球)が4個とされ、一般入賞口8、変動入賞装置5、大入賞口6bへの入賞に対する賞球が15個とされている。
また、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、始動口7に入賞すると、始動記憶数が上限数以内の場合に、上述の条件に基づいて、特図の変動表示装置4において、複数種類の識別情報が変動表示される特図の変動表示遊技が開始される。この例では、例えば、変動表示装置4のLCD4aの表示画面が左領域、中領域、右領域の三つに分けられ、各領域で、1〜9までの数字(特図、識別情報)が順次変動表示させられた後に、三つの各領域で、それぞれ、停止図柄として1つの数字が表示される変動表示遊技が行われる。
この特図の変動表示遊技の結果態様が特別結果態様(例えば、「4,4,4」等、同じ停止図柄の組合せの何れかの停止表示態様)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態となる。
この大当り(特別遊技状態)中は、特別変動入賞装置6の大入賞口6bを閉じた状態から開放状態に変換するサイクル遊技が、所定回数を限度に行われ、これにより遊技者は遊技球を大量獲得する機会を得る。
また、変動表示遊技の結果態様が特定結果態様となった場合、例えば、「7,7,7」等のように、同じ奇数の停止図柄の組合せの何れかの停止表示態様となった場合には、特殊遊技状態が発生する。なお、同じ奇数の停止図柄の組合せの何れかの停止表示態様は、上述の特別結果態様でもあるので、特殊遊技状態は、上述の停止表示態様(特別結果態様)に基づく特別遊技状態後に発生する。そして、特殊遊技状態においては、上述の始動記憶数の上限数が、例えば、4から2等のように減少させられる。これにより、始動入賞時に始動記憶数が上限数となっている可能性が高まり、変動入賞装置5における単位時間当りの補助遊技の実行回数が増えることになる。なお、特殊遊技状態は、例えば、変動表示遊技や補助遊技で大当りとなり再び特別遊技状態となった際に終了する。
また、始動記憶数が上限数となった状態で、始動口7に遊技球が入賞すると、変動入賞装置5が開状態となって遊技球を受け入れる状態となり、この際に変動入賞装置5に遊技球が入賞するとともに、入賞した(受け入れた)遊技球が特定領域5bを通過すると、大当りとなって特別遊技状態となり、上述のように大当り状態中は、特別変動入賞装置6の大入賞口6bを閉じた状態から開放状態に変換するサイクル遊技が、所定回数行われ、これにより遊技者は遊技球を大量獲得する機会を得る。
なお、変動表示遊技による大当りと、補助遊技における大当りとでは、特別遊技状態中のサイクル遊技の所定回数(所定ラウンド数)を同じものとしても、異なるものとしても良く、例えば、両方とも、同じラウンド数(例えば、サイクル遊技の回数を16ラウンド)としても良い。また、一方を10ラウンド(例えば、変動表示遊技による大当りの場合)とし、他方を16ラウンド(例えば、補助遊技による大当りの場合)としても良い。また、この例においては、大当りとなった場合には、途中で終わる(所謂パンクする)ことなく所定回数となるまでサイクル遊技が行われる。なお、特別変動入賞装置6は、特別遊技状態中に開閉を繰り返す際に、開状態となってから所定時間が経過する条件と、開状態となってからの遊技球の入賞数が上限数(例えば10個)となる条件とのうちのどちらか一方の条件が成立した段階で閉状態となる。
以上のことから、この例のパチンコ遊技機100は、始動口7への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による変動表示遊技を実行可能な変動表示装置4と、前記変動表示遊技の結果態様が特別結果態様となった場合に発生する特別遊技状態で開状態に変換可能な特別変動入賞装置6と、前記始動口7へ遊技球が入賞することに基づいて生じ、未だ前記変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置20)とを備えている。また、パチンコ遊技機100は、閉状態と開状態とに変換可能で、且つ、前記開状態で受け入れた遊技球が通過したことにより前記特別遊技状態を発生可能な特定領域5bと、前記開状態で受け入れた遊技球を一般の入賞とする一般入賞領域5gとを有する変動入賞装置5を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機100は、その制御系において、遊技の進行を制御するメイン制御装置としての遊技制御装置20、この遊技制御装置20の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置30、同じく遊技制御装置20の制御下で遊技球の発射制御、賞球の排出制御等を行うサブ制御装置としての排出発射制御装置40等を備えている。
このうち遊技制御装置20は、CPU21a、RAM21b、ROM21c等を有する遊技用マイクロコンピュータ21、入出力インタフェース23、クロック(発振器)22等により構成されている。
このうち、CPU21aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図の変動表示遊技に関連する各種乱数値なども生成している。各種乱数値には、特図の変動表示遊技の大当り判定用乱数値、特図変動表示遊技の停止図柄の決定に用いられる図柄決定用乱数値(大当り時の停止図柄を決定する乱数値、ハズレ時の各停止図柄を決定する乱数値)、特図変動表示遊技における基本変動パターン(変動表示遊技において変動表示を行う時間(特図変動時間)の情報等を含む)の種類、すなわち、リーチアクションの種類(リーチアクション無しを含む)の決定に用いられる基本変動パターン決定用乱数値などが含まれる。
RAM21bは、始動口7内に設けられた特図始動センサ7aのオン信号の記憶、すなわち特図始動記憶(変動表示遊技の始動権利(実行権利)としての始動記憶及びその個数)の記憶領域、CPU21aで生成されて更新記憶される各種乱数値の記憶領域、更新記憶される各種乱数値を抽選用に抽出した際に、抽出した各種乱数値を記憶する記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域等を有する。
ROM21cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示遊技の大当り発生を判定するための特図変動表示遊技の大当り判定値、変動表示遊技の結果態様としての停止図柄の判定値、基本変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
クロック22は、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力する。
また、入出力インタフェース23には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動口7の特図始動センサ7a、一般入賞口8(1〜N)の入賞口センサ8a(1〜N)、変動入賞装置5の特定領域センサ5d及びカウントセンサ5e、特別変動入賞装置6のカウントセンサ6c、排出発射制御装置40などが接続されており、これらからの各種信号が入力されている。そして、これら各種信号は、該入出力インタフェース23により中継されて、CPU21aに対し出力されている。
さらに、入出力インタフェース23には、CPU21aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェース23により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバーを介して、変動入賞装置5の開閉部材5a,5aの駆動手段としての開閉ソレノイド5c、特別変動入賞装置6の開閉ソレノイド6d、遊技制御装置20からパチンコ遊技機100の外部(ホールコンピュータ等の管理装置)に対し出力される外部情報を中継する外部出力端子25、演出制御装置30、排出発射制御装置40などに出力されている。
遊技制御装置20のCPU21aは、例えば、特図始動センサ7aからの検出信号(始動信号)の入力等に基づき、RAM21bに記憶されている特図の変動表示遊技用の各種乱数値の抽出処理を行い、該抽出処理により抽出された乱数値と、予めROM21cに記憶されている判定値(判定テーブル)とを比較する。
この比較により、遊技制御装置20のCPU21aは、特別遊技状態を発生するか否か(大当りに当選か否か)、停止図柄、変動表示遊技の基本変動パターン(リーチアクションの種類)等を決定する。
また、遊技制御装置20のCPU21aは、特図始動センサ7aから始動信号が入力し、各種乱数値の抽出を行った場合に、RAM21bに、記憶されるカウンタ値としての始動記憶数を1つ加算するとともに、抽出された特図変動表示遊技用の乱数値を始動記憶に対応付けて記憶する。なお、直ちに次の変動表示遊技を開始することができない状態(例えば、変動表示遊技の実行中、或いは、特別遊技状態中等)であれば、始動記憶数が保持され、変動表示遊技を開始する際に、始動記憶数を1つ減算する。
なお、例えば、始動記憶に空きがない場合、すなわち、始動記憶数が予め設定された上限数となっている場合には、各種乱数値の抽出を行わない。
そして、始動記憶数が上限数となった状態で、特図始動センサ7aから始動信号が入力した場合には、遊技制御装置20は、変動入賞装置5の開閉ソレノイド5cを作動させて、変動入賞装置5を所定時間開状態とする補助遊技を実行する制御を行う。
また、遊技制御装置20のCPU21aは、上記抽出処理により抽出された乱数値と予めROM21cに記憶されている判定値との比較による各種の決定等に基づいて、演出制御装置30に演出データ(制御情報を含む演出コマンド)を送る。演出制御装置30は受信した演出データに基づいて(遊技制御装置20の制御の下に)、変動表示装置4における変動表示遊技の表示を制御したり、スピーカ16から出力される効果音を制御したり、サイドランプ12等の装飾用ランプ・LED15、並びに、特図記憶表示器4b等のLED・ランプ類の点灯及び消灯を制御したりする。
さらに、遊技制御装置20のCPU21aは、入賞口センサ8a,…、特図始動センサ7a、カウントセンサ5e、カウントセンサ6cから入賞球の検出信号が入力された場合に、それら検出信号に基づいて、排出発射制御装置40に賞球データを送って、排出装置所要数の賞球を排出させる制御も行う。
演出制御装置30(サブ制御装置)は、遊技制御装置20(メイン制御装置)からの演出コマンドに基づいて、変動表示装置4に識別情報による特図変動表示遊技を含む各種の演出表示や、その他の各種情報表示などを行わせる表示制御を行う。
演出制御装置30は、より具体的には、演算処理用CPU、ROM、RAMや、グラフィック用のプロセッサやROM、RAM等を備え、変動表示装置4の表示の制御を行うものであり、遊技制御装置20からコマンドとして送られる大当り判定結果、停止図柄、リーチアクションを行うか否かの情報を含む特図変動時間の情報(基本変動パターンの情報)等に基づいて、変動表示遊技における変動表示の制御を行う。
演出制御装置30は、他に、上述のように遊技制御装置20からの指令に基づき、スピーカ16による発音動作などを制御したり、サイドランプ12等の装飾用ランプ・LED15、並びに、特図記憶表示器4b等のLED類の点灯状態を制御したりする。
なお、サブ制御装置としての演出制御装置30は、遊技制御装置20の制御下で変動表示装置4の表示制御を行う表示制御装置と、遊技制御装置20の制御下にある表示制御装置の制御下で、パチンコ遊技機100に備えられるランプやLEDなどの装飾用ランプ・LED15の点灯・点滅状態を制御する装飾制御装置と、遊技制御装置20の制御下にある表示制御装置の制御下でスピーカ16の出力を制御する音制御装置とに別れていても良い。
排出発射制御装置40は、遊技制御装置20のCPU21aから出力される賞球制御指令やカードユニット(図示省略)等から出力される貸球制御指令に基づいて、排出装置41(排出ユニット)から所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行うものである。また、排出発射制御装置40は、排出された遊技球数をセンサを用いて計数して、遊技制御装置20側に出力する制御も行うようになっている。
また、排出発射制御装置40は、タッチセンサ43から遊技者が発射操作用のタッチセンサ43に触れていることを示す発射操作信号に基づいて遊技球を所定時間毎に遊技領域1a内に発射するように発射装置42を制御するとともに、発射停止スイッチ44からの停止信号が入力した場合に、タッチセンサ43から発射操作信号が出力されていても、発射装置42からの遊技球の発射を停止するようになっている。なお、排出発射制御装置40には、図示しない発射勢調節用操作装置からの信号が入力され、この信号に基づいて発射装置42から遊技球を発射する際の発射勢が制御するようになっている。また、排出発射制御装置40は、発射装置42に設けられた発射球を検出するセンサからの検出信号を遊技制御装置20側に出力する制御を行う。
さらに、パチンコ遊技機100は、電源供給装置50を備え、この電源供給装置50から、遊技制御装置20及び演出制御装置30等のパチンコ遊技機100の電力を必要とする装置に対し、それぞれ所定の電力が供給されるようになっている。
また、図2に示すように、電源供給装置50は、バックアップ電源51を備えていて、例えば、停電時など、外部からパチンコ遊技機100への電源供給が遮断されても、該バックアップ電源51から遊技制御装置20のRAM21b等の揮発性メモリに電源供給されるため、RAM21b等の揮発性メモリの記憶内容がバックアップ電源51の電力が続く限りは保持されるようになっている。
以上のようなパチンコ遊技機における上述の遊技制御装置20による遊技の全体制御について図3(A)及び図3(B)に示すゼネラルフローのチャートを参照して説明する。
ゼネラルフローは、図3(A)のフローチャートに示す起動処理と、図3(B)のフローチャートに示すタイマ割込処理とからなる。
起動処理は、IOポートやRAMの初期設定、割込処理用のソフトタイマの設定を行う初期化処理(ステップS1)と、その後、+1方式の変動表示遊技の大当り判定用の大当り乱数を生成する際に、大当り乱数の一巡後に新たに使用する初期値を生成したり、大当り以外の乱数、例えば、停止図柄やリーチアクションを決定する乱数の初期値を生成する撹拌用乱数更新処理(ステップS2)を繰り返し行う。すなわち、遊技制御装置20においては、初期化処理後、他の処理が行われていない場合には、撹拌用乱数更新処理が行われる。撹拌用乱数更新処理では、乱数更新処理で用いられる乱数の初期値(撹拌用乱数)が更新される。なお、撹拌用乱数の更新については、後の乱数更新処理で乱数の更新とともに説明する。
タイマ割込処理は、この例において、1msec毎にソフト的な割込により実行される処理である。例えば、撹拌用乱数更新処理やここでは説明しない他の割込処理が行われている場合に、1msec毎に割り込んで、以下の処理が行われる。
まず、タイマ割込処理を実行する際に、このタイマ割込処理以外の割込処理を禁止し、且つ、現在の処理に使用されていているレジスタのデータを待避する(ステップS3)。
次ぎに、入力処理として、各種センサ(特図始動センサ7a、入賞口センサ8a、特定領域センサ5d、カウントセンサ5e,6c等)からの入力信号のチャタリング除去等の処理を行う(ステップS4)。
次ぎに、出力処理として、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(開閉ソレノイド5c,6d等)やモータ等のアクチュエータの駆動の制御を行う(ステップS5)。
次ぎに、コマンド送信処理として、各種処理(特に、後述の特図遊技処理)で送信バッファ(例えば、入出力インタフェース23に設けられる)にセットされたコマンドを演出制御装置30へ送信する処理を行う(ステップS6)。すなわち、コマンド送信処理では、メイン制御装置(遊技制御装置20)からサブ制御装置(演出制御装置30、排出発射制御装置40)へその前に行われた処理でセットされたコマンドが送信される。
次ぎに、乱数更新処理として、上述の+1方式の乱数を生成する(ステップS7)。ここで、+1の乱数とは、例えば、0から所定数(大当り乱数の場合、ここでは358)までの値を乱数として用いるとともに、所定の処理毎、ここでは、タイマ割込処理の乱数更新処理毎(すなわち、約1msec毎)に、RAM21bに設定された乱数の記憶領域に記憶された数値に1を加算する処理を順次行い、加算後の値を前記記憶領域に更新記憶する。なお、更新された数値が最高値、例えば、358になった次ぎの処理では、358に1を加算するのではなく、記憶領域に0を記憶する。そして、例えば、所定のタイミングとして、始動口7に遊技球が入賞したタイミング(特図始動センサ7aから始動信号が入力したタイミング)で、記憶領域に記憶された乱数としての数値を抽出することで疑似乱数を発生するものである。
なお、+1方式の乱数をそのまま用いると、例えば、所定時間毎に同じ数値が記憶領域に記憶されることになり、時間に対してランダムではなく規則性が生じてしまう。そこで、上述の撹拌用乱数を用いる。
基本的に、撹拌用乱数も+1方式の乱数であり、上述の撹拌用乱数更新処理においては、RAM21bに設定された撹拌用乱数の記憶領域において、0から所定数(ここでは358)までの値を撹拌用乱数として用いるとともに、撹拌用乱数更新処理毎に、RAM21bに設定された撹拌用乱数の記憶領域に記憶された数値に1を加算する処理を順次行い、加算後の値を前記記憶領域に更新記憶する。
そして、乱数更新処理においては、処理毎に大当り乱数等の乱数に1加算処理するが、乱数が一周して同じ数値に戻る際に、同じ数値に戻らずに、RAM21bの撹拌用乱数の記憶領域に記憶されている撹拌用乱数値を初期値としてこの初期値を用いる。
従って、乱数更新処理において、撹拌用乱数の記憶領域から初期値として、例えば、11を抽出すると、それ以降、乱数更新処理では、乱数の記憶領域の数値が11、12、13、…、357、356、0、…、9、10というように更新され、そして、乱数が一周して元の数字に戻る乱数更新処理においては、乱数の記憶領域の数値に1加算することなく、再び、撹拌用乱数の記憶領域から初期値を抽出して、抽出された初期値を乱数の記憶領域に更新記憶する。これにより、所定数の乱数が一巡した際に、初期値分だけ時間に対して乱数にずれが生じ、同じ時間間隔毎に同じ数値が乱数となるのを防止し、+1方式の疑似乱数の時間的な規則性を崩すことができる。
なお、乱数更新処理では、大当り乱数の他に、基本変動パターンすなわち、リーチアクションの種類を決める乱数の更新処理や、停止図柄を決める乱数の更新処理が行われる。そして、リーチアクション用の乱数値は、RAM21bの記憶領域に記憶される。また、停止図柄としては、ハズレの停止図柄の乱数と、大当りの停止図柄の乱数がそれぞれ生成され、それぞれRAM21bの大当り停止図柄用記憶領域及びハズレ停止図柄用記憶領域に更新記憶される。
次ぎに、スイッチ監視処理として、上述の特図始動センサ7a、入賞口センサ8a、特定領域センサ5d、カウントセンサ5e,6cから信号入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)を監視する処理を行う(ステップS8)。
そして、特図始動センサ7aから遊技球の検出を示す信号が入力した場合には、後に詳細に説明するように、スイッチ監視処理として、始動入賞監視処理が行われる。
すなわち、始動入賞があった場合に始動記憶を記憶するか、もしくは、変動入賞装置5を開状態とするフラグをセットする処理を行う。
また、特定領域センサ5dから遊技球の検出を示す信号が入力した場合には、後述の補助遊技始動処理での判定用に特定領域センサ5dがONとなったことを示すフラグをRAM21bの前記フラグ用の記憶領域にセットする。
また、特図始動センサ7a、入賞口センサ8a、カウントセンサ5e,6cから遊技球を検出した信号が入力した場合には、入出力インタフェース23の送信バッファに排出発射制御装置40に賞球を払い出しを行わせるための賞球コマンドをセットし、次回のタイマ割込処理のコマンド送信処理において、排出発射制御装置40に賞球コマンドを送信させるようにする。
次ぎに、時分割処理として、後述の特図遊技処理を行うか、後述の補助遊技処理を行うかを判定する(ステップS9)。この例では、変動表示遊技の制御を行う特図遊技処理と補助遊技の制御を行う補助遊技処理とが時分割で並列処理されるようになっており、タイマ割込処理毎に特図遊技処理と補助遊技処理とが交互に行われる。従って、時分割処理においては、特図遊技処理及び補助遊技処理を交互に切り替える処理を行い、特図遊技処理及び補助遊技処理を2msec毎に行われるようにする。なお、特図遊技処理や補助遊技処理の説明において、次回のタイマ割込処理と記載する場合があるが、この場合に、次回とは、特図遊技処理が行われた後に次ぎの特図遊技処理が行われるタイマ割込処理もしくは補助遊技処理が行われた後に次ぎの補助遊技処理が行われるタイマ割込処理を示すものである。
次ぎに、特図遊技処理においては、始動入賞に基づいて変動表示遊技(特図遊技)を始動する特図始動処理、変動表示遊技が開始された際に行われる図柄停止監視処理、変動表示遊技が終了した際の結果態様が特別結果態様となり、特別遊技状態となった場合の大当り処理(1)の何れかが行われるようになっている(ステップS10)。なお、特図遊技処理については、後に詳細に説明する。
補助遊技処理においては、補助遊技の始動、すなわち、変動入賞装置5の作動を開始する補助遊技始動処理、補助遊技が行われて特別遊技状態が発生した場合の大当り処理(2)の何れかが行われる(ステップS11)。なお、補助遊技処理については、後に詳細に説明する。
外部情報編集処理は、例えば、特図遊技処理及び補助遊技処理における変動表示遊技及び補助遊技の始動、変動表示遊技の停止、大当りの発生、後述する特殊遊技状態の発生等を示す信号や、発射装置42や排出装置41を含む各種センサからの入力に基づく入球数、出球数等をカウントするため信号等を編集して入出力インタフェース23の図示しない出力バッファにセットする(ステップS12)。そして、例えば、上述の出力処理等において、外部の管理装置に信号を出力する。
そして、以上の処理が、1msecより短い時間で行われ、最後に待避したレジスタのデータを復帰するとともに、割込を許可する処理を行いタイマ割込処理を終了する(ステップS13)。
次ぎに、上述のスイッチ監視処理としての始動入賞監視処理を、図4のフローチャートを参照して説明する。
始動入賞監視処理においては、始動入賞が有るか否か、すなわち、始動口7に遊技球が入賞して、特図始動センサ7aから遊技球の検出を示す信号が入力しているか否かが判定され(ステップS21)、入力していない場合には、スイッチ監視処理の始動入賞処理を終了する。
また、特図始動センサ7aから遊技球の検出を示す信号が入力しており、始動入賞有りと判定された場合には、上述のRAM21bの始動記憶の記憶領域に空きがあるか否か、すなわち、(特図)始動記憶数が上限となっているか否かが判定される(ステップS22)。
始動記憶数が上限となっていなければ、始動記憶数に1加算する(ステップS23)。そして、上述の乱数更新処理により、更新記憶されている大当り判定用の乱数の記憶領域に記憶されている乱数を抽出し、これをRAM21bの大当り判定を行う乱数を記憶する記憶領域(順次乱数値が記憶更新される記憶領域とは異なる特図判定用記憶領域)に記憶する(ステップS24)。なお、この際には、基本変動パターン、すなわちリーチアクション判定用の乱数も抽出されてRAM21bのリーチアクション判定用記憶領域に記憶される。また、大当り停止図柄の乱数及びハズレ停止図柄の乱数がそれそれの更新記憶用の記憶領域から抽出さる。
なお、これら大当り、基本変動パターン、大当り停止図柄及びハズレ停止図柄用の乱数は、それぞれ、始動記憶に関連づけて記憶されることになり、複数の始動記憶が記憶された状態では、それぞれの始動記憶毎に、大当り乱数、基本変動パターンの乱数、大当り停止図柄の乱数、ハズレ停止図柄の乱数が抽出された状態となる。そして、始動入賞監視処理を終了する。
また、始動入賞が有り、始動記憶数が上限となっている場合には、補助遊技始動入賞フラグを、RAM21bの補助遊技始動入賞フラグ用の記憶領域にセットして(ステップS25)、始動入賞監視処理を終了する。
以上の処理により、遊技制御装置20は、始動口7へ遊技球が入賞することに基づいて生じ、未だ変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段として機能し、且つ、始動記憶数が上限数か否かを判定する始動記憶数判定手段として機能するとともに、始動口への遊技球の入賞時に前記始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数と判定された場合は、補助遊技の始動条件(ここでは、補助遊技始動入賞フラグのセットが始動条件となる)を成立させる始動変更制御手段として機能する。
なお、上述のように求められた特図始動記憶数に基づき、出力処理において、特図記憶表示器4bのLEDの点灯の制御が行われ、特図始動記憶数が特図記憶表示器4bに表示される。
次ぎに、図5のフローチャートを参照して、特図遊技処理を説明する。なお、特図遊技処理には、上述のように特図始動処理、図柄停止監視処理、大当り処理(1)があり、特図始動処理の処理番号が1とされ、図柄停止監視処理の処理番号が2とされ、大当り処理(1)が処理番号3とされている。この処理番号は、RAM21bの処理番号の記憶領域に記憶され、特図遊技処理により順次書き換えられるようになっている。そして、基本的には、電源投入時には、初期化処理によりRAM21bの処理番号の記憶領域に1が記憶されて処理番号が1とされる。そして、特図遊技処理においては、特図始動処理が行われる。また、特図始動処理が行われ、且つ、変動表示遊技が開始される場合には、処理番号が2とされて前記記憶領域に記憶され、変動表示遊技が開始されない場合は、処理番号が1のままとなる。
そして、処理番号が2の場合には、図柄停止監視処理が行われ、図柄停止監視処理において大当り判定がハズレと確定された場合には処理番号が1とされ、大当り判定が大当りと確定された場合には処理番号が3とされる。
そして、処理番号が3の場合には、大当り処理(1)が行われ、大当り処理(1)による特別遊技状態が終了する際に、処理番号が1とされる。
そして、特図遊技処理において、RAM21bの特図遊技処理用の処理番号を読出し、処理番号に基づいて処理が分岐し(ステップS31)、処理番号が1の場合に特図始動処理が行われ(ステップS32)、処理番号が2の場合に図柄停止監視処理が行われ(ステップS33)、処理番号が3の場合に大当り処理が行われる(ステップS34)。
次ぎに、特図始動処理を図6に示すフローチャートを参照して説明する。
特図始動処理においては、特賞開放フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS41)、特賞開放フラグがセットされている場合には、特図始動処理を終了する。ここで、特賞開放フラグとは、特別遊技状態、すなわち、大当り状態となって特別変動入賞装置6を作動させる際にセットされるもので、特別遊技状態中は、変動表示遊技を開始しないように制御するためにセットされたものである。
なお、変動表示遊技においては、特図遊技処理により、上述のように特図始動処理と大当り処理とが処理番号により分けられており、変動表示遊技を開始する特図始動処理と特別遊技状態の遊技を行う大当り処理とが同時に行われることがなく、大当り中に変動表示遊技が行われることがない。しかし、補助遊技により特別遊技状態が発生した場合には、大当り中に変動表示遊技が開始される可能性があるので、補助遊技で大当りとなって特別遊技状態となった場合には、特賞開放フラグがセットされ、大当り中(特別遊技状態中)に、変動表示遊技が開始されないように制御している。
そして、特図開放フラグがセットされていない場合には、次ぎに、始動記憶数が0より大きいか、すなわち、始動記憶が有るか無いかが判定される(ステップS42)。そして、始動記憶数が0、すなわち、始動記憶が無い場合には、特図始動処理を終了する。すなわち、変動表示遊技は、始動口7への遊技球の入賞に基づいて、始動記憶が記憶されている場合にだけ行われる。
次ぎに、始動記憶数が1以上の場合には、特図始動記憶数から1減算する処理を行う(ステップS43)。すなわち、変動表示遊技が行われる度に始動記憶が消化される。次ぎに特殊遊技フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS44)。
ここで特殊遊技フラグとは、後述する図柄停止監視処理において、変動表示遊技の結果態様が特定結果態様(上述のようにこの例では、奇数となる数字のぞろ目)となった場合にセットされるもので、特別結果態様の一部である特定結果態様となった後、特別遊技状態が行われ、通常の遊技状態に戻った際に、特殊遊技フラグがセットされていると、上述のように始動記憶数の上限数が例えば、4〜2に減少されるように制御される。
従って、特殊遊技フラグがセットされていない場合には、(特図)始動記憶数の上限数が例えば通常の4とされ、特殊遊技フラグセットされている場合には、始動記憶数が2より大きいか否か、すなわち、2以下か否かが判定される(ステップS45)。そして、始動記憶数が2より大きくない場合、すなわち、2以下の場合には、始動記憶の上限数が通常の4から2に減少させられる(ステップS46)。ここで、始動記憶数が3以上の状態で(なお、この段階では、ステップS43で始動記憶数が1減算されているので、始動記憶数の上限数を4とすると、4以上はあり得ない。)始動記憶数の上限数を2としてしまうと、未だ、変動表示遊技の実行に用いられていない始動記憶(始動権利)が1つ消去されてしまうことになる。
そこで、始動記憶数が2より大きい場合には、まず、始動記憶の上限数から1減算し、上限数を3とする(ステップS47)。これにより、始動記憶数が3であっても始動記憶が消去されることはない。この場合に、次ぎの特図始動処理までに始動入賞が無い場合には、ステップS43で始動記憶数から1減算されることにより、始動記憶数は2となり、ステップS45において、始動記憶数の元の上限数4から2が減算され、上限数が2とされるが、始動記憶数が2なので、始動記憶が消去されることはない。なお、次ぎの特図始動処理までに始動入賞があった場合には、基本的にまたステップS47で設定された上限数4から1減算される。なお、上述のようにステップS46、ステップS47における上限数とは、減算された上限数ではなく、予め設定された上限数であり、上限数がこの例で設定された減少後の所定数(例えば2)より低くされることはない。
以上の処理により、変動表示遊技の結果態様が特定結果態様となり、特殊遊技状態となった場合には、始動記憶数の上限数が減少させられることになる。また、始動記憶数の上限数を減少する場合に、現状の始動記憶数より上限数が小さくならないように、上限数を現状の始動記憶数以上となるように設定し、始動記憶数が減少した際に、さらに、上限数を減少するようになっている。従って、前記始動記憶手段としての遊技制御装置20は、変動表示遊技の結果態様が特定結果態様となった場合に、前記始動記憶の上限数を減少させる上限数変更制御手段を備えていることになる。
なお、特殊遊技状態においては、例えば、特図記憶表示器4bにおいて、LEDの色の変動等により、上限数が減少していることを表示するとともに、変動表示装置4の演出表示や、装飾用ランプ・LED15の点灯(点滅)状態等の演出により、遊技者に特殊遊技状態であることを示唆(表示)するようになっている。
次ぎに、上述のスイッチ監視処理の始動入賞監視処理で、取得されて始動記憶に関連づけて特図判定用記憶領域に記憶された乱数値を取得して、予めROM21cに記憶された大当り判定値(ここでは、0〜358の乱数の範囲内の1つの数値)と比較して、大当り判定を行う(ステップS48)。この場合に、取得された乱数値と大当り判定値とが一致する場合に大当りと判定され、一致しない場合にハズレと判定される。
そして、大当り判定の判定結果を特賞判定フラグに記憶する(ステップS49)。例えば、大当りの場合に特賞判定フラグをセットし、ハズレの場合に特賞判定フラグをクリアする。なお、特賞判定フラグは、後述の処理で大当りか否かを判断するために用いられるとともに、後述の補助遊技処理の補助遊技始動処理において、開始時に大当りと判定された変動表示遊技中は、補助遊技を行わないように制御する際に、現在行われている変動表示遊技が大当りか否かを判定するために用いられる。
以上の処理から遊技制御装置20は、始動口7への遊技球の入賞に基づいて乱数値を抽出し(始動入賞監視処理で行われる)、変動表示遊技の開始時に抽出した乱数値が大当り判定値か否かを判定し、該乱数値が大当り判定値の場合に前記特別遊技状態を発生する制御を行なわせるための大当り判定手段として機能する。
次ぎに、基本変動パターン、すなわち、リーチアクションを判定するための乱数値をリーチアクション用記憶領域から今回の始動記憶に対応するものが取得され、リーチアクション用の判定テーブルと比較されて、リーチアクションが決定されるか、リーチアクション無しが決定される(ステップS50)。次ぎに、決定されたリーチアクションに基づいて処理を分岐する(ステップS51)。そして、各リーチアクションの情報もしくはリーチアクション無しの情報を演出制御装置30へ送信するコマンド用に設定されて記憶される。すなわち、リーチアクション1〜リーチアクションNまでのうちの決定されたリーチアクションの情報を設定するか、リーチアクション無しを設定する(ステップS52(1)〜ステップS52(N))。なお、ここでリーチアクションの情報とは、基本的に、変動表示遊技の実行時間(特図表示時間)であり、コマンドとしてリーチアクションの情報が送信された演出制御装置30は、リーチアクション情報の主に変動表示遊技の実行時間の情報に対応して、実際の詳細なリーチアクションを決定するようになっている。
次ぎに、上述の特賞判定フラグが大当りか否かを判定する(ステップS53)。そして、特賞判定フラグが大当りの場合には、上述の大当り停止図柄格納領域より今回の始動記憶に該当する停止図柄を取得する(ステップS54)。
また、特賞判定フラグが大当りでない場合には、上述のリーチアクション判定において、リーチアクション(1〜N)と判定されたか否か、すなわち、リーチアクション(1〜N)と判定されたか、リーチアクション無しと判定されたかを判定する(ステップS55)。そして、リーチアクション無しと判定された場合には、ハズレ停止図柄格納領域から今回の始動記憶に該当するハズレ停止図柄を所得する(ステップS56)。
また、リーチアクション有りと判定された場合には、大当り停止図柄格納領域から今回の始動記憶に該当する大当り停止図柄を取得した後に、各リーチアクション(1〜N)のうちの判定されたリーチアクションに適合するようにリーチ停止図柄を作成する。ここでは、大当り停止図柄は、三つの数字が同じぞろ目の停止図柄となるが、そのうちの最後に停止する図柄を変更することで、リーチでハズレとなる停止図柄を作成することになる(ステップS57)。
そして、上述のように大当り、ハズレのリーチ、リーチとならないハズレの何れかに対応して取得された停止図柄を、演出制御装置30へコマンドとして送信するために、停止図柄格納領域に記憶する(ステップS58)。
次ぎ、特図遊技中フラグをセットする(ステップS59)。特図遊技中フラグは、補助遊技において大当りが発生し、特別遊技状態として特別変動入賞装置を作動させる際に、変動表示遊技中は、特別遊技状態とするのを遅延させて、変動表示遊技が終了した際に、補助遊技の大当りに基づく特別遊技状態を発生させるためのものである。
次ぎに、変動表示遊技が始動することに基づいて、処理番号を2に設定し、次ぎのタイマ割込処理における特図遊技処理では、処理番号2の図柄停止監視処理を行うように設定し(ステップS60)、特図始動処理を終了する。
そして、以上の特図始動処理では、処理番号が1、すなわち、変動表示遊技中でも変動表示遊技に基づく特別遊技状態でもない場合で、且つ、特賞開放フラグがセットされておらず補助遊技に基づく特別遊技状態でもない場合に、変動表示遊技を始動する処理が行われ、開始される変動表示遊技の大当りかハズレかが決定されるとともに、停止図柄とリーチアクションの有無、リーチアクションが有る場合のリーチアクションの基本的な種類が決定される。
そして、次回のタイマ割込処理のコマンド送信処理において、コマンドとして、変動表示遊技の開始を示す情報と、リーチアクションの種類としての基本変動パターンの情報と、停止図柄の情報とが遊技制御装置20から演出制御装置30に送信される。これらのコマンドが入力された演出制御装置30は、コマンドに対応して詳細な変動表示内容を確定し(長いリーチアクションにおいては、最初の部分の表示内容だけが確定し、表示中にそれ以降の表示内容が順次確定する場合もある)、確定された表示内容に従って演出制御装置30の制御の元に変動表示装置4において変動表示遊技としての表示が行われる。
そして、特図始動処理で変動表示遊技を始動する処理が行われると、上述のように処理番号に2が設定され、次回のタイマ割込処理の特図遊技処理では、処理番号が2とされた図柄停止監視処理が行われる。
ここで、図7のフローチャートを参照して、図柄停止監視処理を説明する。図柄停止監視処理は、上述の特図始動処理により、上述のように演出制御装置30の制御により変動表示装置4で変動表示遊技の表示が行われている状態で、変動表示遊技の実行時間が終了した際に、遊技制御装置20から演出制御装置30に変動表示遊技を終了して停止図柄を表示するように指示するコマンドを出力するとともに、変動表示遊技が大当りの場合に、特別遊技状態に移行させるためのものである。
そして、図柄停止監視処理においては、停止監視終了フラグがあるか否かが判定される(ステップS61)。停止監視終了フラグは、RAM21bの停止監視終了フラグの記憶領域にセットされるもので、上述の特図変動時間(リーチアクション1〜N、及びリーチアクション無しに対応して特図始動処理で決定されている)がタイムアップした際に停止監視終了フラグがONとされる。
そして、変動表示遊技が開始された直後におけるタイマ割込処理の特図遊技処理(図柄停止監視処理)では、特図変動時間がタイムアップしていないので、停止監視終了フラグはセットされておらず、次ぎに特図変動時間がタイムアップしているか否かが判定される(ステップS62)。そして、変動表示遊技が開始された直後は、特図変動時間がタイムアップしていないので、図柄停止監視処理を終了する。
すなわち、特図表示時間がタイムアップするのを待つ処理が行われ、変動表示時間がタイムアップしてから最初の特図遊技処理が行われるタイマ割込処理において、ステップS61で停止監視終了フラグ無しと判定され、ステップS62で特図表示時間がタイムアップしたと判定される。そして、特図表示時間がタイムアップした際には、停止監視終了フラグをセットする(ステップS63)。
次ぎに、停止図柄表示フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS64)。停止図柄表示フラグは、変動表示遊技において特図表示時間がタイムアップして変動表示が終了して図柄が停止表示された状態で、例えば、直ぐに次ぎの変動表示遊技が開始されてしまうと、一瞬しか停止図柄が表示されず、遊技者が停止図柄を確認できないので、所定の停止図柄表示時間が経過するまで、次ぎの変動表示遊技を開始できないようにする制御で用いられるものである。
ここでは、特図表示時間が経過して最初の図柄停止監視処理なので、停止図柄表示時間がセットされておらず、当然、停止図柄表示時間が経過していないので、停止図柄表示フラグがセットされていない。そして、停止図柄表示フラグが無い場合には、遊技制御装置20から演出制御装置30に送信されるコマンドとなる情報としての図柄停止情報を上述の送信バッファにセットする(ステップS65)。これにより、次回のタイマ割込処理のコマンド送信処理において、演出制御装置30に図柄停止情報が送信される。演出制御装置30においては、基本変動パターン(リーチアクションの種類(リーチアクション無しを含む))の情報として特図表示時間を示す情報を変動表示遊技開始時に得ており、特図表示時間に対応する変動表示パターン(リーチの場合にはリーチアクションの変動表示パターン)で変動表示装置4に変動表示遊技を表示しており、特図表示時間が経過した際には、変動表示が終了し停止図柄を表示する状態となっているが、遊技制御装置20からの図柄停止コマンドの受信により変動表示装置4に、完全に確定した状態に停止図柄を停止表示する。
次ぎに上述の停止図柄表示時間をセットする(ステップS66)。次ぎに上述の停止図柄表示フラグをセットする(ステップS67)。そして、停止図柄表示時間がタイムアップしたか否かを判定する(ステップS68)。ここでは、停止図柄表示時間がセットされた直後なので、停止図柄表示時間はタイムアップしておらず、図柄停止監視処理を終了する。
すなわち、変動表示遊技が終了して停止図柄が表示された段階で、停止図柄表示時間が経過するのを待つ状態となり、停止図柄を遊技者が確認するのに十分な時間だけ表示するようにしている。
そして、停止図柄表示時間が経過した最初の特図遊技処理を行うタイマ割込処理では、処理番号2の図柄停止監視処理において、ステップS61で停止監視終了フラグ有りと判定されて、ステップS64に進み、ステップS64で停止図柄表示フラグ有りと判定されて、ステップS68に進む。そして、ステップS68で、停止図柄表示時間タイムアップと判定される。
そして、停止図柄表示時間がタイムアップした場合には、上述の特図遊技中フラグをクリアする(ステップS69)。これにより、後述するように補助遊技で大当りとなっている場合に、変動表示遊技終了後に特別遊技状態(大当り)とすることができる。
次ぎに停止監視終了フラグ及び停止図柄表示フラグをクリアし(ステップS70)、次回の変動表示遊技の際に再び上述のように図柄停止監視処理を開始できるようにする。
次ぎに、停止図柄が表示された変動表示遊技が大当りとなっているかを記憶した特賞判定フラグを読出して判定する(ステップS71)。
大当りでない場合には、変動表示遊技が終了したことにより、変動表示遊技が開始可能となるので、処理番号を1に設定し(ステップS72)、次回のタイマ割込処理の特図遊技処理においては、特図始動処理が行われる状態として、図柄停止監視処理を終了する。
一方、判定結果が大当りの場合には、次ぎに、特殊遊技フラグをクリアする(ステップS73)。なお、特殊遊技フラグは、上述のように変動表示遊技の結果態様が特定結果態様として奇数のぞろ目となった場合に、始動記憶数の上限数を減少させる特殊遊技状態を発生させるためのものである。
そして、ここでは、特別遊技状態となる前の遊技状態が通常の遊技状態ではなく、特殊遊技状態となっていた可能性があるので、特殊遊技フラグをクリアすることにより、特別遊技状態が発生する際に、特殊遊技状態を終了する。すなわち、特殊遊技状態は、この例において、特定結果態様となった後の特別遊技状態が終了した際に特殊遊技状態となり、特殊遊技状態から特別遊技状態が発生する際に、特殊遊技状態が終了する。
次いで、変動表示遊技が大当りとなったので、処理番号を3に設定する(ステップS74)。次ぎに、特殊大当りか否かを判定する(ステップS75)。ここで、特殊大当りとは、結果態様が特別結果態様で、且つ、特別結果態様の一部である特定結果態様となった大当りであり、大当りとしての特別遊技状態が終了した後に上述のように特殊遊技状態となる大当りである。
特殊大当りでない場合には、今回の特別遊技状態が発生する前に特殊遊技状態とされて特図始動処理により始動記憶数の上限数が2に減少されていた可能性があるので、始動記憶数の上限数を4とする処理を行い(ステップS76)、特殊大当りの場合には、特殊遊技フラグをセットして(ステップS77)、特別遊技状態終了後の次ぎの特図始動処理で上述のように上限数を減少させる処理が行われるようにして図柄停止監視処理を終了する。
そして、変動表示遊技が大当りとなった場合には、図柄停止監視処理により、処理番号が3とされて、次回のタイマ割込処理の特図遊技処理においては、処理番号3の大当り処理(1)が行われることになる。すなわち、変動表示遊技の結果態様が特別結果態様となったことに基づく大当り処理(1)が行われる。なお、この大当り処理(1)は、補助遊技が大当りとなった場合の大当り処理(2)とほぼ同様に行われるので、補助遊技による大当り処理(2)の説明の際に、変動表示遊技による大当り処理(1)を合わせて説明する。
次ぎに、特図遊技処理と並列に処理される補助遊技処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。補助遊技処理においても特図遊技処理と同様に、RAM21bに記憶される処理番号(補助遊技処理用)で処理が選択されるようになっており、補助遊技処理には、補助遊技を始動するための処理番号1の補助遊技始動処理と、補助遊技で大当りとなった場合に大当りの制御を行う処理番号2の大当り処理(2)とがある。
そして、補助遊技処理では、RAM21bの補助遊技処理用の処理番号を読出し、処理番号に基づいて処理を分岐し(ステップS81)、処理番号が1の場合に補助遊技始動処理が行われ(ステップS82)、処理番号が2の場合に大当り処理が行われる(ステップS83)。
次ぎに、図9のフローチャートを参照して補助遊技始動処理を説明する。
補助遊技始動処理においては、まず、上述の特賞判定フラグが大当りか否かを判定する(ステップS91)。そして、特賞判定フラグが大当りの場合は、補助遊技始動入賞をクリアして補助遊技始動処理を終了する。
すなわち、特賞判定フラグが大当りとなっている場合には、大当りとなる変動表示遊技が行われている状態なので、上述のスイッチ監視処理の始動入賞処理において、補助遊技始動入賞フラグがセットされていても、補助遊技を始動しないようにしている。すなわち、遊技制御装置20は、大当りとなる変動表示遊技中は、補助遊技の始動を禁止するように制御している。
これは、大当りとなる変動表示遊技中に補助遊技を実行した場合に、補助遊技も大当りとなる可能性があり、補助遊技が大当りとなると、変動表示遊技の大当りと補助遊技の大当りとがほぼ同時期に成立してしまうが、同時期に2つの遊技による大当りが成立するのを防止するための処理である。また、変動表示遊技中に補助遊技の始動条件が成立し、補助遊技始動フラグがセットされても補助遊技が行われない場合には、変動表示遊技が大当りとなっていることになり、補助遊技の始動条件が成立しても補助遊技が始動しないことが大当り告知として機能することになる。
このような処理により、遊技制御装置20は、始動記憶数が上限数で始動口7に遊技球が入賞した場合でも、前記大当り判定手段としての遊技制御装置20に前記乱数値が大当り判定値と判定された変動表示遊技中は前記補助遊技の実行を禁止する制御を行う補助遊技禁止制御手段として機能する。
特賞判定フラグが大当りとなっていない場合には、有効期間フラグが有るか否かが判定される(ステップS92)。ここで、変動入賞装置5における補助遊技においては、変動入賞装置5の開閉部材5a、5aが所定時間だけ開状態となり、開状態となっている間に遊技球が変動入賞装置5に入賞した場合に、特定領域5bを遊技球が通過すれば大当りとなるが、不正行為等により、変動入賞装置5が開状態となっていないのに、遊技球が特定領域5bを通過しても大当りとしないように、変動入賞装置が開状態となってから有効期間を計時し、有効期間が経過した後に遊技球が特定領域5bを通過しても(特定領域センサ5dから遊技球の検出を示す信号が入力しても)大当りとしないようになっている。
なお、有効期間は、変動入賞装置5が開状態となる所定時間よりも少し長いものとされ、変動入賞装置5が開状態から閉状態となる直前に、変動入賞装置5に入賞(流入)した遊技球が特定領域5bを通過する際に、有効期間が切れてしまわないようになっている。
そして、有効期間フラグは、有効期間の計時を開始する際にセットされ、有効期間が経過した際に削除されるようになっている。
電源投入後に最初に補助遊技開始処理が行われた場合には、未だ、有効期間フラグがセットされていないので、次に、上述の補助遊技始動入賞フラグがセットされているか否かが判定される(ステップS93)。すなわち、上述のスイッチ監視処理において、始動記憶数が上限数で、始動口7への始動入賞があった場合に補助遊技始動入賞フラグがセットされており、補助遊技始動入賞フラグがセットされることにより、補助遊技の始動条件が成立したことになる。
補助遊技始動入賞フラグがセットされていない場合には、補助遊技の始動条件が成立していないので、ステップS98で、補助遊技始動入賞フラグをクリアして(この場合には、補助遊技始動入賞フラグが無いので必ずしもクリアする必要はない)、補助遊技始動処理を終了する。
そして、補助遊技始動入賞フラグがセットされている場合には、補助遊技を開始するために、変動入賞装置5の開閉部材5a、5aを開状態とする所定時間としての開放時間をセットする(ステップS94)。
次ぎに、上述の有効期間フラグをセットする(ステップS95)とともに、有効時間をタイマにセットする(ステップS96)。そして、開閉部材5a、5aを駆動する開閉ソレノイド5cを作動させて、開閉部材5a、5aを開状態とするための開閉ソレノイド1ON情報を入出力インタフェース23の出力バッファにセットする(ステップS97)。これにより次回のタイマ割込処理の出力処理において、開閉ソレノイド5cに駆動信号が出力され、開閉ソレノイド5cが作動して、変動入賞装置5が開状態となる。そして、開閉ソレノイド1ON情報をセットしたら、ステップS98において、補助遊技始動入賞フラグは必要ないので消去する。
次回のタイマ割込処理の補助遊技処理においては、処理番号が1のままなので、補助遊技始動処理が再び行われ、特賞判定フラグが大当りとなっていなければ、ステップS92において、上述のようにセットされた有効期間フラグ有りと判定される。
次ぎに、上述のようにセットされた開放時間がタイムアップしたか否かが判定され(ステップS99)、タイムアップしていれば、開閉ソレノイド5cを開閉部材5a、5aが閉じた状態となるように、開閉ソレノイド1OFF情報を入出力インタフェースの出力バッファにセットする(ステップS100)。すなわち、開放時間がタイムアップしていなければ、開閉ソレノイド1OFF情報をセットせず、開放時間がタイムアップするのを待つ状態となり、タイムアップしていれば、開閉ソレノイド1OFF情報をセットする。そして、開閉ソレノイド1OFF情報がセットされると、次回のタイマ割込処理の出力処理で、変動入賞装置5の開閉部材5a、5aを閉じた状態とするように、開閉ソレノイド5cをOFFとする制御が行われることになる。
次ぎに、有効期間がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS101)、有効期間がタイムアップした場合には、有効期間フラグをクリアする。すなわち、有効期間がタイムアップしていなければ、有効期間フラグをクリアせず、有効期間がタイムアップした場合にだけ有効期間フラグをクリアする(ステップS102)。ここで、有効期間フラグをクリアすると、次回のタイマ割込処理以降、再び変動入賞装置が開状態となるまで、後述する特定領域センサ5dがONか否かの判定が行われなくなり、有効期間後に、遊技球が変動入賞装置5の特定領域5bを通過しても、大当り(特別遊技状態)となることがない。また、開放時間よりも有効期間が長いので、有効期間フラグがクリアされる前に開閉ソレノイド1OFF情報が何度もセットされる可能性があるが、基本的に開閉ソレノイド1OFF情報がセットされて、1回、開閉ソレノイド5cがOFFとなれば、そのあと何度開閉ソレノイド1OFF情報がセットされても開閉ソレノイド5cには変化がない。なお、開閉ソレノイド5cがONとなった後に、1回だけ開閉ソレノイド1OFF情報がセットされるようにしても良い。
次ぎに、変動入賞装置5の特定領域5bを遊技球が通過して、特定領域センサ5dがONとなっているかが判定される(ステップS103)。なお、特定領域センサ5dがONか否かは、タイマ割込処理のスイッチ監視処理において監視されており、今回のタイマ割込処理のスイッチ監視処理において、例えば、特定領域センサ5dがONの場合に対応するフラグが上述のようにONとなっている。
そして、特定領域センサ5dがONとなっていなければ、補助遊技始動入賞フラグをクリアして補助遊技始動処理を終了する。なお、有効期間がタイムアップするまで、補助遊技始動処理毎に補助遊技始動入賞フラグがクリアされることになるので、変動入賞装置5が開状態となって有効期間が終了するまで、補助遊技の始動条件が成立しても変動入賞装置5を開状態とする処理は行われず、変動入賞装置5が開状態となっている間に補助遊技の始動条件が成立しても開状態となる期間が延長されるような処理は行われない。また、変動入賞装置5において開状態から閉状態となった直後に補助遊技の始動条件が成立しても、有効期間内の場合には、変動入賞装置5が開状態とはならない。
一方、特定領域センサ5dがONの場合には、開閉ソレノイド1OFF情報がセットされる(ステップS104)。すなわち、変動入賞装置5の特定領域5bを遊技球が通過した場合には、未だ開放時間が経過していなくとも、変動入賞装置5において、開閉ソレノイド5cがOFFとされて、開閉部材5a、5aが閉じた状態となる(特定領域センサ5dがONとなった際に既に開放時間が経過している場合には、開放時間がタイムアップした際に既に開閉部材5a,5aが閉じた状態となっている)。次ぎに、有効期間フラグがクリアされ(ステップS105)、処理番号を2に設定する(ステップS106)。従って、次回のタイマ割込処理の補助遊技処理では、処理番号2の大当り処理(2)が行われることになる。
そして、補助遊技始動入賞フラグをクリアして(ステップS98)、補助遊技始動処理を終了する。
従って、補助遊技が行われ、変動入賞装置5が開状態となった際には、所定時間だけ開状態となるとともに、開状態となってから有効期間が過ぎるまでの間に、開状態の間に変動入賞装置5に入賞した(受け入れられた)遊技球が特定領域5bを通過すれば、大当りとなって大当り処理(2)により特別遊技状態での特別変動入賞装置6によるサイクル遊技が行われることになる。
以上の処理により、遊技制御装置20は、始動条件の成立により変動入賞装置5を所定時間開状態に変換する補助遊技を実行する補助遊技制御手段として機能する。
次ぎに、補助遊技処理における処理番号2の大当り処理(2)を説明する。なお、この大当り処理(2)は、補助遊技で大当りとなった場合の処理であるが、前述の変動表示遊技による大当り処理(1)も合わせて説明する。
図10のフローチャートに示すように、まず、上述の特図遊技中フラグ有りか否かが判定される(ステップS111)。すなわち、上述の特図始動処理において変動表示遊技を開始する際に、特図遊技中フラグがセットされ、図柄停止監視処理で変動表示遊技が終了する際に、特図遊技中フラグがクリアされるので、特図遊技中フラグがONの状態は、変動表示遊技中を示すものとされている。従って、特図遊技中フラグがONか否かを判定することにより、変動表示遊技中か否かを判定することができる。そして、特図遊技中フラグがONの場合に変動表示遊技中となり、変動表示遊技中は、補助遊技による特別遊技状態の発生を遅延させ、特図遊技中フラグがOFFとされて変動表示遊技が終了したと確認された際に、補助遊技により成立した特別遊技状態での遊技が行われることになる。
従って、遊技制御装置20は、補助遊技で遊技球が特定領域5bを通過して特別遊技状態の発生条件が成立した場合に、前記変動表示遊技中か否かを判定する変動表示遊技中判定手段として機能し、さらに、変動表示遊技中判定手段で、変動表示遊技中と判定された場合には変動表示遊技が終了するまで特別遊技状態の発生を遅延させる特別遊技状態発生遅延手段として機能する。
次ぎに特賞開放フラグが有るか否かが判定され(ステップS112)、特賞開放フラグが無い場合に、特賞開放フラグがセットされる(ステップS113)。特賞開放フラグは、大当り処理で用いられるフラグであるとともに、特図始動処理において、補助遊技による特別遊技状態中は、上述のように、変動表示遊技を行わないようにするために用いられるようになっている。
次ぎに、特賞開放時間をRAM21bのタイマ領域にセットし(ステップS114)、開閉ソレノイド2ON情報を入出力インタフェース23の出力バッファにセットする(ステップS115)。そして、大当り処理を終了する。なお、この開閉ソレノイド2ON情報は、特別変動入賞装置6の開閉扉6aを開閉駆動する開閉ソレノイド6dを制御するための情報であり、開閉ソレノイド2ON情報をセットすることで、次回のタイマ割込処理の出力処理において、開閉ソレノイド6dに開閉ソレノイド6dをONとする制御信号が出力され、これにより開閉ソレノイド6dが作動して開閉扉6aが開状態となる。
次回のタイマ割込処理の補助遊技処理では、処理番号が2のままで、再び大当り処理が行われるとともに、特賞開放フラグがONとされることにより、変動表示遊技が開始されないので、ステップS111において特図遊技中フラグがONと判定されることなく、ステップS112において特賞開放フラグ有りと判定され、ステップS116に進む。
そして、特賞開放時間がタイムアップしたか否かが判定され(ステップS116)、特賞開放時間がタイムアップしていない場合には、特別変動入賞装置6の入賞数が10より少ないか否かが判定される(ステップS117)。
そして、特賞開放時間がタイムアップせず、且つ、特別変動入賞装置6の入賞数が10より少ない場合には、開閉ソレノイド2ON情報を入出力インタフェース23の出力バッファにセットし(ステップS118)、大当り処理を終了し、特別変動入賞装置6の閉条件が成立するのを待つ状態となる。これは、2ラウンド以降のサイクル遊技において、閉じた開閉扉6aを開放するための処理である。すなわち、特賞開放時間がタイムアップせず、且つ、特別変動入賞装置6の入賞数が10より少ない場合には、特別変動入賞装置6を閉じた状態とする閉条件が成立しておらず、開閉扉6aを開いて置く必要があり、この処理を行うことにより、後述のステップS119で開閉ソレノイド6dをOFFした後にONすることができる。
なお、この処理は、開閉ソレノイド6dをOFFした後に1回行われれば良いので、そのような処理としても良いが、タイマ割込毎に繰り返される大当り処理毎に行っても問題ない。また、フローチャート通りの処理とすると、開閉扉6aを閉じるように制御した後に、次ぎのタイマ割込の大当り処理で開閉扉6aを開けるように制御されることになり、実質的に開閉扉6aが閉まり切らない状態となるので、実際には、開閉ソレノイド2OFF情報がセットされてからタイマ処理により所定時間後以降の処理で開閉ソレノイド2ON情報がセットされるようにする必要がある。
なお、特別変動入賞装置6への遊技球の入賞数は、タイマ割込処理のスイッチ監視処理において、特別変動入賞装置6のカウントセンサ6cからの遊技球の検出信号をカウントする処理が行われることにより求められる。
そして、特賞開放時間がタイムアップするか、特別変動入賞装置6における入賞数が10となった際のタイマ割込処理の大当り処理においては、ステップS116において特賞開放時間がタイムアップしたと判定されるか、ステップS117において特別変動入賞装置6の入賞数が10以上となったと判定され、特別変動入賞装置6の閉条件が成立し、開閉ソレノイド6dをOFFとするために、開閉ソレノイド2OFF情報が入出力インタフェース23の出力バッファにセットされる(ステップS119)。これにより、次回のタイマ割込処理の出力処理の際に、開閉ソレノイド6dに、該開閉ソレノイド6dをOFFとする制御信号が出力され、開閉ソレノイド6dがOFFとなることにより特別変動入賞装置6の開閉扉6aが閉じることになる。
次ぎに、サイクル数に1加算する(ステップS120)。サイクル数は、特別変動入賞装置6において開状態と閉状態を繰り返す際の開閉の回数を示すもので、上述のサイクル遊技のラウンド数に対応する数値である。
次ぎに、サイクル遊技の次ぎのサイクル用に、特賞開放時間を再びセットし(ステップS121)、上述の特別変動入賞装置6の入賞数を0とする(ステップS122)。すなわち、スイッチ監視処理で上述のようにカウントされる入賞数は、特賞開放時間がタイムアップするか、入賞数が10となった場合に0とされる。
次ぎに、サイクル数が16より少ないか否かが判定される(ステップS123)。サイクル数が16より少ない場合には、大当り処理を終了する。そして、次回移行のタイマ割込処理において、再び、特別変動入賞装置6を上述のステップS118の処理で開状態とするとともに、上述の閉条件が成立するまで、開状態のまま維持し、閉条件が成立した場合に、特別変動入賞装置6を閉じた状態とする制御を行うとともにサイクル数を1加算する処理を繰り返し行うことになる。
なお、ここでは、サイクル遊技のラウンド数の上限数が16とされており、サイクル数が16となった際に、特別遊技状態を終了する処理が行われることになる。なお、サイクル数は0からカウントされるので、サイクル数が15となった段階で、16ラウンド目の特別変動入賞装置6を開状態とするサイクル遊技が行われることになり、サイクル数に1加算されてサイクル数が16となった際に特別遊技状態を終了することで、16ラウンドまでサイクル遊技が行われて17ラウンドとなる前に特別遊技状態が終了することになる。
従って、16ラウンド目のサイクル遊技で、上述の特別変動入賞装置の閉条件が成立した際のタイマ割込処理の大当り処理においては、ステップS119でサイクル数が1加算されることにより、サイクル数が16となり、ステップS122でサイクル数が16より少ない状態ではないと判定され、特別遊技状態を終了するために、サイクル数を0とし(ステップS124)、特賞開放フラグをクリアし(ステップS125)、処理番号を1として(ステップS126)、次回のタイマ割込処理の補助遊技処理では、補助遊技始動処理が行われるようにし、大当り処理を終了する。
なお、以上の補助遊技に基づく大当り処理(2)において、ステップS111の変動表示遊技中に特別遊技状態が発生するのを禁止する処理を除くことにより、変動表示遊技に基づく大当り処理(1)とすることができる。また、変動表示遊技に基づく大当り処理(1)においては、処理番号に基づいて、特別遊技状態中に変動表示遊技が行われることがないので、特図始動処理で補助遊技に基づく特別遊技状態中に変動表示遊技を行わないようにするための特賞開放フラグをセットする必要がないが、特賞開放フラグは、大当り処理中においても使用されており、変動表示遊技に基づく大当り処理において特賞開放フラグを使用するものとしても良い。また、変動表示遊技に基づく大当り処理では、特賞開放フラグによって特図始動処理と連動する必要はなく、特賞開放フラグに代えて大当り処理だけで有効なフラグを用いるものとしても良い。
以上のような処理により、図11及び図12のタイミングチャートに示すように、始動記憶数が3の状態で、始動口7に始動入賞が有り、始動記憶数が上限数の4となった後で、且つ、その際に行われている変動表示遊技(特図遊技)が終了する前の段階、すなわち、始動記憶数が1減算される前に、さらに始動口7に始動入賞があると、始動記憶数が上限数となった状態での始動入賞(始動記憶のオーバーフロー)となり、補助遊技の始動条件が成立し、変動入賞装置が所定時間開状態とされる補助遊技が行われる。
また、図11のタイミングチャートにおいては、上述のように補助遊技が行われた後に、変動表示遊技が終了し、次ぎの変動表示遊技が開始される。この際に、変動表示遊技を開始する際の上述の大当り判定により、開始される変動表示遊技が大当りとなることが確定した場合には、この変動表示遊技が開始されてから、始動記憶数が3から上限数の4となり、さらに始動入賞により始動記憶数がオーバーフローし、補助遊技の始動条件が成立しても補助遊技は開始されない。そして、この変動表示遊技が終了すると、特別変動入賞装置6が開状態となる大当り(特別遊技状態)となる。
これにより、補助遊技の始動条件が成立したのにも係わらず、補助遊技が行われないことが大当り告知となる。また、大当りが確定しているのにも係わらず、補助遊技が行われて補助遊技でも大当りとなるのを防止することができる。
また、図12のタイミングチャートにおいては、上述のように補助遊技が行われた後に、変動表示遊技が終了し、次ぎの変動表示遊技が開始される。そして、再び、補助遊技の開始条件として始動記憶数が上限となった状態で始動入賞が発生することにより、補助遊技として変動入賞装置が開状態となる。ここで、補助遊技において変動入賞装置5に入賞した遊技球が特定領域5bを通過すると大当りが成立することになる。しかし、直ぐに大当り(特別遊技状態)とせずに、特別遊技状態の発生を遅延させて、大当りが成立した際に行われていた変動表示遊技が終了した後に、特別遊技状態を発生させて特別変動入賞装置6を開状態としている。
これにより、特別遊技状態となっているのにも係わらず、変動表示遊技が行われるのを防止することができる。
以上のようなパチンコ遊技機100は、始動口7への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による変動表示遊技を実行可能な変動表示装置4と、変動表示遊技の結果態様が特別結果態様となった場合に発生する特別遊技状態で開状態に変換可能な特別変動入賞装置6と、始動口7へ遊技球が入賞することに基づいて生じ、未だ変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置20)とを備えており、さらに、閉状態と開状態とに変換可能で、且つ、前記開状態で受け入れた遊技球が通過したことにより特別遊技状態を発生可能な特定領域5bと、開状態で受け入れた遊技球を一般の入賞とする一般入賞領域5gとを有する変動入賞装置5を備え、始動条件の成立により変動入賞装置5を所定時間開状態に変換する補助遊技を実行する補助遊技制御手段(遊技制御装置20)と、始動記憶数が上限数か否かを判定する始動記憶数判定手段(遊技制御装置20)と、始動口7への遊技球の入賞時に前記始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数と判定された場合は、前記補助遊技の始動条件を成立させる始動変更制御手段(遊技制御装置20)とを備えている。
従って、始動口7へ遊技球が入賞した場合に、変動表示装置4において変動表示遊技が開始可能な状態であれば、変動表示遊技が開始される。なお、この際に始動口7に遊技球が入賞した際に始動記憶を1つ記憶した後に変動表示遊技を開始するとともに始動記憶を1つ消去しても良い。そして、始動口7へ遊技球が入賞した場合に、変動表示装置4において変動表示遊技が開始できない状態(変動表示遊技中、特別遊技状態中など)には、上限数の範囲内で始動記憶が記憶され、変動表示遊技が開始可能となった際に、始動記憶が記憶されていると変動表示遊技が開始されるとともに対応する始動記憶が1つ消去される。
また、始動口7に遊技球が入賞した際に記憶された始動記憶数が上限数となっている場合には、始動記憶がさらに記憶されること(始動記憶数に1加算されること)はないが、変動入賞装置5を所定時間遊技球の受入が可能な開状態とする補助遊技の始動条件が成立させられ、補助遊技として、変動入賞装置5が所定時間だけ開状態となる。
そして、変動表示装置4における変動表示遊技の結果態様が特別結果態様となれば特別遊技状態が発生し、特別変動入賞装置6が開状態となり、遊技者が大きな遊技価値を獲得する機会を得ることになる。
また、始動記憶数が上限数となった状態で、始動口7に遊技球が入賞することにより補助遊技として変動入賞装置5が所定時間だけ開状態となった際に、変動入賞装置5内に遊技球が入賞(流入)し、変動入賞装置5内の特定領域5bを通過すると、例えば、特定領域センサ5d等により遊技球が特定領域5bを通過したことが検出され、特別遊技状態となって特別変動入賞装置6が開状態となり、遊技者が大きな遊技価値を獲得する機会を得ることになる。
従って、始動記憶数が上限数となることにより、始動口7に遊技球が入賞しても始動記憶が記憶されない状態となった場合には、始動口7への入賞により変動入賞装置5を用いた補助遊技が実行可能となり、変動表示遊技とは別に特別遊技状態、すなわち、大当りの獲得の機会が得られる。すなわち、始動記憶数が上限数となった状態でさらに始動口7に遊技球を入賞させることで、変動表示遊技とは別の補助遊技が行えることになり、遊技者は、始動記憶数が上限数となった状態で始動口7に遊技球が入賞しても損をしたと感じることがなく、始動記憶数が上限数や上限数近くとなっても止め打ちをしなくなる。従って、遊技者は、始動記憶の上限数を気にして止め打ちするような煩わしい操作をしなくても済むとともに、始動記憶数が上限数となった後に始動口7に遊技球が入賞すると、変動入賞装置5による補助遊技が行えることより、変動表示遊技とは別の遊技を楽しむことができる。
従って、遊技者の止め打ちによって、遊技機の稼働率が低下することもなく、止め打ちにより遊技店に不利益が生じるのを防止できる。
また、パチンコ遊技機100は、始動口7への遊技球の入賞に基づいて乱数値を抽出し、変動表示遊技の開始時に前記抽出した乱数値が大当り判定値か否かを判定し、該乱数値が大当り判定値の場合に前記特別遊技状態を発生する制御を行なわせるための大当り判定手段(遊技制御装置20)と、始動記憶数が上限数で始動口7に遊技球が入賞した場合でも、前記大当り判定手段に前記乱数値が大当り判定値と判定された変動表示遊技中は前記補助遊技の実行を禁止する制御を行う補助遊技禁止制御手段(遊技制御装置20)とを備えている。
従って、変動表示遊技開始時に変動表示遊技の結果態様が特別結果態様となる大当りと判定された場合、すなわち、始動口7への遊技球の入賞に基づいて抽出された乱数値と予め設定された大当り判定値とが一致した場合に、始動記憶数が上限数となっても、補助遊技は実行されない。
また、変動表示遊技開始時の大当り判定により、既に変動表示遊技開始時に結果態様が特別結果態様となること(大当りとなること)が決まっている変動表示遊技においても、通常(大当り告知となる演出が行われた場合を除く)、遊技者は、変動表示遊技の結果が導出されるまで(変動表示遊技が停止表示されるまで)、変動表示遊技の結果が大当りとなることを知ることはできないが、上述の構成により、始動記憶数が上限数で、且つ、始動口7に遊技球が入賞するという変動入賞装置5による補助遊技の始動条件の成立要件が発生したにも拘わらず、変動入賞装置5での補助遊技が始動しない場合には、現在行われている変動表示遊技の結果が特別結果態様となるので、始動条件の成立要件が発生しても補助遊技が始動しないことが、大当り告知となる。
従って、遊技者は、変動表示遊技中に始動記憶数が上限数となった状態で、上述のように変動入賞装置5による補助遊技を行うために遊技球の発射を続行するだけではなく、現在行われている変動表示遊技が大当りとなるか否かを早く知ろうとして、遊技球の発射を続行する可能性が高く、より確実に遊技者の止め打ちを防止することができる。
また、変動表示遊技中に特別遊技状態となることが確定している状態で、補助遊技が行われて、補助遊技でも特別遊技状態が発生してしまうと、2つの遊技による特別遊技状態が同時期に重なって発生してしまうことになるが、変動表示遊技において特別遊技状態となることが確定している場合に補助遊技の実行を禁止することで、変動表示遊技における特別遊技状態と、補助遊技による特別遊技状態とが同時期に重なって発生するのを防止することができる。
また、パチンコ遊技機100において、始動記憶手段(遊技制御装置20)は、変動表示遊技の結果態様が特定結果態様となった場合に、始動記憶の上限数を減少させる上限数変更制御手段を備えている。
従って、変動表示遊技の結果態様が特定結果態様となった場合には、始動記憶数の上限数が減少するので、補助遊技の始動条件が成立する可能性が高くなり、補助遊技の所定単位期間内における実行回数が増加する。また、始動記憶数の上限数の減少により、所定期間内における変動表示遊技の発生回数が多少減少する可能性があるが、補助遊技の発生回数が増加することにより、変動入賞装置5が開状態となる回数の増加により、変動入賞装置5への遊技球の入賞回数が増加し、所定単位期間内における入賞数が増加する。
すなわち、始動記憶数の上限数を減少させることで、変動入賞装置5が開状態となる機会が増加し、変動入賞装置5への遊技球の入賞数が増えて、単位時間当りの賞球数が増加するとともに、変動入賞装置5における補助遊技において特別遊技状態が発生する機会が増加し、遊技者の興趣が高められる。
また、パチンコ遊技機100は、補助遊技で遊技球が特定領域5bを通過して特別遊技状態の発生条件が成立した場合に、変動表示遊技中か否かを判定する変動表示遊技中判定手段(遊技制御装置20)と、該変動表示遊技中判定手段で、変動表示遊技中と判定された場合には、前記変動表示遊技が終了するまで前記特別遊技状態の発生を遅延させる特別遊技状態発生遅延手段(遊技制御装置20)とを備えている。
従って、補助遊技において、変動入賞装置5が開状態となって遊技球が変動入賞装置5に受け入れられ、遊技球が特定領域5bを通過して特別遊技状態の発生条件が成立した際に、変動表示遊技が行われている場合には、直ぐに特別遊技状態を発生させずに、現状で行われている変動表示遊技が終了するのを待ってから特別遊技状態を発生する。
従って、変動表示遊技が行われている状態で、補助遊技に基づく特別遊技状態が発生して、特別変動入賞装置6が開状態となるようなことがない。仮に、変動表示遊技と、特別遊技状態とが同時に行われた状態となると、遊技者は変動表示遊技が気になり、特別遊技状態、すなわち大当りを十分に楽しむことができない。しかし、本発明によれば、補助遊技において、特別遊技状態の発生条件が成立しても、変動表示遊技が終わるまで、特別遊技状態の発生が遅延させられることにより、変動表示遊技が終わる前に特別遊技状態が発生することがなく、遊技者は、特別遊技状態が発生した際に、特別遊技状態に集中することができる。
本発明は、上記例のパチンコ遊技機100に限られるものではなく、例えば、上記例では、大当りとなることが確定した変動表示遊技が行われている場合には、補助遊技の始動条件が成立しても補助遊技を行わないものとしたが、上述のスイッチ監視処理において、始動入賞した際に、始動記憶数が上限数以内である場合に、大当り判定用の乱数を抽出した後に、抽出された乱数が大当りか否かを先行して判定するものとする。そして、この際に大当りと判定された場合には、先行大当りフラグをRAM21bのこのフラグ用の記憶領域に記憶するものとする。そして、補助遊技始動処理において、最初に特賞判定フラグが大当りか否かを判定する処理に代えて、先行大当りフラグが有るか否かの判定を行い。先行大当りフラグがある場合には、補助遊技始動処理を終了するようにしても良い。
このようにすれば、始動入賞時に、大当りとなる乱数を抽出すると、補助遊技の始動条件が成立しても補助遊技が行われないことになる。そして、補助遊技の始動条件が成立したにも拘わらず補助遊技が開始されない場合には、現状の始動記憶中に大当りとなる始動記憶があることになり、現状の始動記憶数に対応する回数の変動表示遊技が行われる間に、特別遊技状態が発生することが分かる。従って、始動条件が成立しても補助遊技が行われないことが大当り予告となり、大当りとなる変動表示遊技が開始される前に大当り予告を行うことも可能となる。
また、大当りとなる乱数が抽出された後に、直ぐに補助遊技の始動が禁止されるので、変動表示遊技による特別遊技状態と、補助遊技による特別遊技状態とがほぼ同時期に発生するのを確実に防止することができる。
また、上記例では、特殊遊技状態を発生する特定結果態様を特別結果態様の一部となる態様としたが、特定結果態様を特別結果態様と異なるものとしても良く、この場合には、通常の遊技状態中に特別遊技状態の発生を伴わずに、特殊遊技状態が発生することになる。なお、この際には、例えば、特殊遊技状態となってからの変動表示遊技の回数をカウントするものとし、この回数が所定の回数となった場合に、特殊遊技状態を終了して始動記憶数の上限数を元の値に戻すようにしても良い。
また、図13に示すパチンコ遊技機100のように、変動入賞装置5を開状態とする補助遊技を始動させるための補助遊技始動口17を設けるものとしても良い。なお、図13に示すパチンコ遊技機100は、補助遊技始動口17を有する以外は、第1実施形態のパチンコ遊技機100とほぼ同じ構成となっている。
そして、補助遊技始動口17内には、補助遊技始動センサ17aが設けられており、補助遊技始動口17に入賞した遊技球を検出するようになっている。また、補助遊技始動センサ17aは、図2に破線のブロックで示すように、遊技制御装置20の遊技用マイクロコンピュータ21に入出力インタフェース23を介して接続されている。
そして、遊技制御装置20における上述のスイッチ監視処理において、補助遊技始動センサ17aから遊技制御装置20に、補助遊技始動入賞、すなわち、遊技球の補助遊技始動口17への入賞を示す信号が入力された場合に、遊技制御装置20は、上述の補助遊技始動入賞フラグをセットするようになっている。これにより、上述のように始動記憶数が上限数となった状態で始動口7への始動入賞があった場合に補助遊技が始動されるだけではなく、補助遊技始動口17に遊技球が入賞した場合にも、補助遊技始動処理において、補助遊技始動入賞フラグセットされていることにより、開閉ソレノイド5cにより変動入賞装置5の開閉部材5a,5aを開状態とする補助遊技が開始されることになる。
このような図13に示されるようなパチンコ遊技機100においては、第1実施形態のパチンコ遊技機とほぼ同様の作用効果を得ることができるとともに、始動記憶数が上限数となることが少ないパチンコ遊技機100においても、補助遊技始動口17の入賞率に基づいて、遊技者が補助遊技を楽しむことができる。従って、変動表示遊技用の始動口7への遊技球の入賞数が少なく、始動記憶数が上限数となってオーバーフローすることが少ない場合に、遊技者の不満が大きくなるのを防止することができる。
次ぎに、本発明の第2実施形態となるパチンコ遊技機101について、図14〜図19を参照して説明する。
図14に示すように、第2実施形態のパチンコ遊技機101には、第1の実施形態のパチンコ遊技機100の変動入賞装置5をなくす代わりに、第1の実施形態において、1つであった変動表示装置4を、第1変動表示装置4(特別図柄表示装置1)と、第2変動表示装置4c(特別図柄表示装置2)との2つにしている。
また、始動口7に代えて普通電動役物(普電)としての開閉部材7b、7bを有する普通変動入賞装置7cと、普通図柄(普図)表示器18と、普通図柄(普図)記憶表示器18aと、普図始動ゲート19とを設けたものである。
以下の説明においては、第2実施形態のパチンコ遊技機101の第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
第1変動表示装置4及び第2変動表示装置4cは、基本的に第1実施形態の変動表示装置4と同様のものであり、上部にはそれぞれ特図1始動記憶表示器4b、特図2始動記憶表示器4dが設けられている。そして、第1変動表示装置4及び第2変動表示装置4cにおいては、それぞれ上述の変動表示遊技が行われ、変動表示遊技の結果態様が特別結果態様となった場合に、特別遊技状態となり、特別変動入賞装置6により上述のサイクル遊技が行われる。なお、第1変動表示装置で行われる変動表示遊技を第1変動表示遊技とするとともにその特別結果態様を第1特別結果態様とする。また、第2変動表示装置で行われる変動表示遊技を第2変動表示遊技とするとともにその特別結果態様を第2特別結果態様とする。
また、第1変動表示遊技と第2変動表示遊技とでは、その表示の演出内容を同じものとしても良いが、遊技者の興趣を高める上では、第1変動表示遊技と第2変動表示遊技とで演出内容が異なることが好ましい。さらに、第1変動表示遊技と第2変動表示遊技とで演出内容が関連するものとされていても良い。また、第1及び第2変動表示遊技の始動条件は、始動口を兼ねる普通変動入賞装置7cへの遊技球の入賞(特図始動センサ7aによる遊技球の検出)であり、基本的に第1の実施形態と同様に、遊技制御装置20(RAM21b)に上限数(4)の範囲内で始動記憶が記憶されるようになっている。但し、第2実施形態では、変動表示装置4,4cが2つあることから、始動記憶数も第1変動表示装置4の特図1始動記憶数と、第2変動表示装置の特図2始動記憶数とがある(普通図柄表示器18による普図変動表示遊技の始動記憶数は、普図始動記憶数となる)。
そして、第2実施形態においては、基本的に始動口となる普通変動入賞装置7cへの遊技球の入賞、すなわち、始動入賞がある度に、特図1始動記憶数が1加算され、且つ、第1変動表示遊技が始動する際に特図1始動記憶数が1減算される。そして、特図1始動記憶数が上限数の状態で、始動入賞があると、特図2始動記憶数が1加算され、且つ、第2変動表示遊技が始動する際に特図2始動記憶数が1減算される。また、特図1始動記憶数が上限数の状態で、且つ、特図2始動記憶数も上限数となった状態では、始動入賞があっても特図1及び特図2始動記憶は記憶されない。また、特図2始動記憶数が0で、特図1始動記憶がある場合には、第1変動表示装置4により第1変動表示遊技が行われ、特図2始動記憶数が1以上(0より大きい)の場合には、特図1始動記憶数が1以上(0より大きい)でも、必ず第2変動表示装置4cにより第2変動表示遊技が行われるようになっている。
以上のことから、第2実施形態のパチンコ遊技機101は、始動口としての普通変動入賞装置7cへの遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による第1変動表示遊技を実行可能な第1変動表示装置4と、第1変動表示遊技の結果態様が第1特別結果態様となった場合に発生する特別遊技状態で開状態に変換可能な特別変動入賞装置6と、始動口としての普通変動入賞装置7cへの遊技球の入賞に基づいて生じ、未だ前記第1変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で始動記憶(特図1始動記憶)として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置20)とを備えたものである。さらに、パチンコ遊技機101は、始動条件の成立により複数の識別情報による第2変動表示遊技を実行可能な第2変動表示装置4cを備え、第2変動表示遊技の結果態様が第2特別結果態様となった場合に前記特別遊技状態を発生可能に構成されている。
普図始動ゲート19は、内部に普図始動センサ19a(図15に図示)を有するものであり、普図始動ゲート19を遊技球が通過することに基づいて、普通図柄表示器16において、普図変動表示遊技が行われるようになっている。
普通図柄表示器18は、例えば、複数のLEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、図柄としての数字、記号もしくは丸やばつや四角や三角といった図形などの識別情報)の変動表示遊技が行われるようになっている。
また、普図記憶表示器18aは、普図始動ゲート19に遊技球が通過(普図の始動条件)して普図変動表示遊技が未処理となっている未処理回数(普図始動記憶数)を表示する。
普通変動入賞装置7cは左右一対の開閉部材7b,7bを具備し、この開閉部材7b、7bは、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態を保持しているが、普通図柄表示器18の変動表示の結果態様が予め定められた所定の結果態様(停止表示態様が例えば、「丸」)となることに関連して、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7cに遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換されるようになっている。この普通変動入賞装置7cが開状態となることが普図変動表示遊技の当りとなる。なお、普通変動入賞装置7cの開閉部材7b、7bの開閉は、普電ソレノイド7d(図15に図示)により行われる。
なお、普図変動表示遊技中と普図変動表示遊技の上述の当り中(普通変動入賞装置7cが開状態中)においては、普図始動ゲート19を遊技球が通過しても普図変動表示遊技を開始できない。また、普図始動ゲート19を遊技球が通過して普図始動センサ19aONとなると、普図変動表示遊技の普図始動記憶数が1加算される。また、始動記憶数は、その上限数(例えば4)の範囲で記憶され、普図始動記憶に基づいて、普図変動表示遊技が開始されると、普図始動記憶数が1減算される。
また、普通変動入賞装置7cは、特図の変動表示遊技(特図遊技)の始動口も兼ね、その内部(入賞領域)に特図始動センサ7a(図2に図示)を備えている。
また、図15に示すように、第2実施形態のパチンコ遊技機101の制御系も、第1実施形態のパチンコ遊技機100の制御系と略同様であるが、変動入賞装置5が無いことに対応して変動入賞装置5の開閉ソレノイド5c、特定領域センサ5d、カウントセンサ5eが遊技制御装置に接続されていない。また、普図始動ゲート19の普図始動センサ19a、普通変動入賞装置7cの特図始動センサ7a(第1実施形態では、始動口7の特図始動センサ7a)及び普電ソレノイド7dが増えたことにより、入出力インタフェース23を介して遊技用マイクロコンピュータ21に普図始動センサ19a及び特図始動センサ7aが接続され、遊技球の検出信号を遊技用マイクロコンピュータ21に送信可能となっている。また、普通変動入賞装置7cの開閉部材7b、7bを駆動する普電ソレノイド7dが入出力インタフェース23を介して遊技用マイクロコンピュータ21に接続され、遊技用マイクロコンピュータ21からの制御信号により、普電ソレノイド7dの駆動を制御可能となっている。
また、第2実施形態のパチンコ遊技機101の制御系におけるゼネラルフローも図16(A),(B)に示すように、基本的第1実施形態とほぼ同様であるが、第1実施形態において、特図遊技処理と補助遊技処理とが時分割で並列処理されていたのに対して、補助遊技を行なわず、且つ、後述するように2つある変動表示装置4,4cにおいて、同時に変動表示遊技(特図遊技)を行わずに、どちらか一方の変動表示装置4,4cだけが変動表示遊技を行うようになっているので、2つの変動表示装置4,4cがあっても特図遊技処理が2つ並列で行われることはない。
すなわち、第2実施形態においても、第1実施形態と同様にゼネラルフローとして、起動処理と、タイマ割込処理とが行われる。そして、起動処理においては、第1実施形態と同様に初期化処理(ステップS1)が行われた後に、撹拌用乱数更新処理(ステップS2)を繰り返し行う。
タイマ割込処理は、第1実施形態と同様にソフトタイマに基づいて1msec毎に行われる。そして、タイマ割込処理においては、割込禁止及びレジスタの待避処理(ステップS3)、入力処理(ステップS4)、出力処理(ステップS5)、コマンド送信処理(ステップS6)、乱数更新処理(ステップS7a)、スイッチ監視処理(ステップS8a)、普図遊技処理(ステップS8b)、特図遊技処理(ステップS10a)、外部情報編集処理(ステップS12)、レジスタの復帰及び割込許可処理(ステップS13)が行われる。このうちの割込禁止及びレジスタの待避処理、入力処理、出力処理、コマンド送信処理、外部情報編集処理、レジスタの復帰及び割込許可処理については、基本的に第1実施形態と同様に行われる。
乱数更新処理(ステップS7a)も、基本的には第1実施形態と同様であるが、第1実施形態の乱数更新処理に普図変動表示装置の当り判定用の乱数の更新処理が加わる。普図変動表示遊技の当り判定用の乱数の更新処理は、基本的に乱数の数が少なくなる以外は、上述の特図変動表示遊技の大当り判定用の乱数の更新処理とほぼ同様に行われるが、撹拌用乱数を用いて初期値を変更しなくとも良く、+1乱数方式を用いればよい。
スイッチ監視処理では、入賞口センサ8a、カウントセンサ6c等の監視が第1実施形態と同様に行われる。また、第1実施形態の上述の始動入賞監視処理に対応する処理として、第2実施形態では、始動口としての普通変動入賞装置7cの特図始動センサ7aの始動入賞監視処理が行われるが、始動入賞監視処理においては、第1実施形態において、特図始動記憶数が上限数となった状態で始動入賞があると、始動記憶を記憶せずに補助遊技の始動条件となる補助遊技始動入賞フラグをセットする構成となっていたが、第2の実施形態では、特図1始動記憶数が上限数の状態で、始動入賞があると、特図2始動記憶数が1加算され、さらに、特図2始動記憶数が上限数となった場合には、始動記憶を記憶しない処理を行う。
以下に、図17のフローチャートを参照して第2実施形態のスイッチ監視処理としての始動入賞監視処理を説明する。
まず、始動入賞が有るか否か、すなわち、始動口としての普通変動入賞装置7cの特図始動センサ7aから遊技球の検出を示す信号が入力しているか否かが判定され(ステップS21)、入力していない場合には、スイッチ監視処理の始動入賞処理を終了する。
以下、上述の第1実施例の場合と同様に、特図始動センサ7aから遊技球の検出を示す信号が入力しており、始動入賞有りと判定された場合には、RAM21bに記憶された特図1始動記憶数が上限となっているか否かが判定される(ステップS22)。
始動記憶数が上限となっていなければ、特図1始動記憶数に1加算する(ステップS23)。そして、上述の乱数更新処理により、更新記憶されている大当り判定用の乱数の記憶領域に記憶されている乱数を抽出し、これをRAM21bの大当り判定を行う乱数を記憶する特図判定用記憶領域に記憶する(ステップS24)。なお、この際には、第1実施形態と同様に、大当り判定用以外の停止図柄やリーチアクションを選択するための乱数も抽出してRAM21bに記憶する。
また、始動入賞が有り、特図1始動記憶数が上限となっている場合には、RAM21bに記憶された特図2始動記憶数が上限となっているか否かが判定される(ステップS26)。そして、特図1始動記憶数と特図2始動記憶数との両方が共に上限数(例えば、4)となっている場合には、始動入賞があっても始動権利としての始動記憶をRAM21bに記憶せずに、始動入賞監視処理を終了する。
また、特図2始動記憶数が上限数となっていない場合には、特図2始動記憶数に1加算する(ステップS27)。次ぎに、ステップS24と同様に乱数を抽出して記憶し(ステップS28)、始動入賞監視処理を終了する。
以上の処理により、第1変動表示装置4で行われる第1変動表示遊技用の特図1始動記憶数が上限数となった場合には、第2変動表示装置4cで行われる第2変動表示遊技用の特図2始動記憶数が記憶され、第2変動表示遊技の始動条件が成立することになる。なお、第2変動表示遊技の始動条件とは、始動口としての普通変動入賞装置7cへの遊技球の始動入賞により特図2始動記憶数が上限数となった状態で、さらに普通変動入賞装置7cへの始動入賞があることである。
従って、遊技制御装置20は、始動口(普通変動入賞装置7c)への遊技球の入賞に基づいて生じ、未だ前記第1変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段として機能し、さらに、始動記憶数が上限数か否かを判定する始動記憶数判定手段として機能するとともに、始動口(普通変動入賞装置7c)への遊技球の入賞時に前記始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数と判定された場合は、前記第2変動表示遊技の始動条件(特図2始動記憶)を成立させる始動変更制御手段として機能する。
なお、上述のように求められた特図1始動記憶数及び特図2始動記憶数に基づき、出力処理において、特図記憶表示器4b及び特図記憶表示器4dのLEDの点灯の制御が行われ、特図1及び特図2始動記憶数が特図記憶表示器4b、4dに表示される。
また、第2実施形態のスイッチ監視処理では、第1実施形態の処理に加えて普図始動ゲート19の普図始動センサ19aからの遊技球の検出信号の入力を監視する普図始動監視処理が行われる。普図始動監視処理も基本的に上述の始動監視処理のステップS21〜S24までの処理と同様に行われるものであり、普図始動ゲート19の普図始動センサ19aから遊技球の検出信号が入力された場合に、普図始動記憶数が上限数(例えば、4)か否かを判定し、上限数の場合には処理を終了す。普図始動記憶数が上限数でない場合には、普図始動記憶数に1加算するとともに普図変動表示遊技の当り判定用の乱数を抽出して記憶する。なお、上述のように求められた普図始動記憶数に基づいて、出力処理において、普図記憶表示器18aに普図始動記憶数を表示する制御が行われる。
次ぎに、普図遊技処理について説明する。普図遊技処理は、普通図柄表示器18を有する従来のパチンコ遊技機と同様に行われるものであり、上述のスイッチ監視処理において求められる普図始動記憶数が0の場合は処理を終了し、普図始動記憶数が0より大きい場合には、普通図柄表示器18で、例えば、当り図柄(識別情報)とハズレ図柄(識別情報)とを交互に表示する普図変動表示遊技を行うための情報を入出力インタフェース23の出力バッファに格納し、出力処理において、普通図柄表示器18における普図変動表示遊技の制御が行われる。
また、上述のように記憶された普図変動表示遊技用の乱数を予めROM21cに記憶された当り判定値と比較し、当りと判定された場合には普通図柄表示器18に当り図柄を停止表示させ、ハズレと判定された場合には普通図柄表示器18にハズレ図柄を停止させる制御を行わせるための情報を前記出力バッファに出力させる。
なお、普図変動表示遊技においては、普図変動表示開始から所定時間後に停止表示が行われるように制御される。また、当り図柄の停止表示が行われる際、すなわち普図変動表示遊技が当りと判定された場合には、当り図柄の停止表示後、普通変動入賞装置7cの開閉部材7b、7bを所定時間開状態とするように、普電ソレノイド7dを制御する。
なお、第2実施例のパチンコ遊技機では、所謂確率変動が行われるようになっており、第1変動表示遊技及び第2変動表示遊技の何れかの結果態様が特定結果態様で且つ特別結果態様となった場合に、特別結果態様に基づく特別遊技状態終了後の変動表示遊技は、次ぎの特別遊技状態となるまで、特定遊技状態としての確率変動状態となる。
この際には、普図変動表示遊技の当りとなる確率が例えば、1/10(低確率)から9/10(高確率)に変更されるようになっている。また、普図変動表示時間も通常より確率変動状態では短くなり、時短処理が行われる。また、普通変動入賞装置7cにおける当り時の開閉部材7b、7bの開状態となる時間が通常時よりも確率変動時に長くされても良く、また、通常時、1回の当りに対して普通変動入賞装置7cが1回開状態となるのに対して確率変動時には、例えば、1回の当りに対して普通変動入賞装置7cが3回開状態となるものとしても良い。なお、当りの確率の変更においては、例えば、抽出される乱数の種類数は同じで(例えば、0〜9)、当り判定値の種類を増やすこと(例えば、「7」から「1〜9」に増やすこと)で、当りの確率を高めることができる、
次ぎに、図18のフローチャートに示す特図遊技処理を説明する。
特図遊技処理では、第1実施例形態おいて特図始動処理が1つであったのを2つとすることで、特図1始動処理、特図2始動処理、図柄停止監視処理、大当り処理の四つの処理がある。そして、第1実施形態と同様に処理番号により、処理が分岐するようになっており、特図1始動処理の処理番号が1とされ、特図2始動処理の処理番号が2とされ、図柄停止監視処理の処理番号が3とされ、大当り処理の処理番号が4とされている。
そして、特図遊技処理において、RAM21bの特図遊技処理用の処理番号を読出し、処理番号に基づいて処理が分岐し(ステップS31)、処理番号が1の場合に特図1始動処理が行われ(ステップS32a)、処理番号が2の場合に特図2始動処理が行われ(ステップS32b)、処理番号が3の場合に図柄停止監視処理が行われ(ステップS33)、処理番号が4の場合に大当り処理が行われる(ステップS34)。
次ぎに、図19のフローチャートに示される特図1始動処理を説明する。
まず、RAM21bに記憶された特図2始動記憶数が0より大きいか否かを判定し(ステップS41a)、0より大きい場合、すなわち、特図2始動記憶がある場合には、処理番号に2を設定してRAM21bに記憶し(ステップS41b)、特図1始動処理を終了する。
これは、第2変動表示装置4cにおける第2変動表示遊技を第1変動表示装置4における第1変動表示遊技より優先して行うための処理で、特図2始動記憶数が1以上の場合に、特図1始動記憶数の値に関係なく、第2変動表示遊技を行うものである。なお、特図1始動処理と、特図2始動処理とが上述のように処理番号で分岐されるようになっているので、特図1始動処理に基づく第1変動表示遊技と、特図2始動処理に基づく第2変動表示遊技とが同時に行われることはない。
なお、第1変動表示装置4と第2変動表示遊技4cとの2つの変動表示装置の一方の変動表示装置で変動表示遊技が行われ、他方の変動表示装置では変動表示遊技が行われていない場合に、他方の変動表示装置の表示を消した状態とする必要はなく、変動表示遊技に関係ない演出表示を行うものとしても良いし、一方の変動表示装置で行われている変動表示遊技に関連する表示を行うものとしても良い。例えば、一方の変動表示装置でリーチアクションとしての変動表示が行われている場合に、他方の変動表示装置でも一方の変動表示装置のリーチアクションに対応した演出表示を行っても良い。
そして、特図1始動処理のステップS42以降の処理は、特殊遊技状態に代えて特定遊技状態としての確率変動状態の処理を行うことと、補助遊技に関連する処理を行わないこととを除き、第1実施形態の特図始動処理とほぼ同様に行われる。
すなわち、始動記憶数が0より大きいかが判定される(ステップS42)。そして、始動記憶数が0の場合には、特図始動処理を終了する。
次ぎに、始動記憶数が1以上の場合には、特図始動記憶数から1減算する処理を行う(ステップS43)。次ぎに、上述のスイッチ監視処理の始動入賞監視処理で、取得されて始動記憶に関連づけて特図判定用記憶領域に記憶された乱数値を取得して、予めROM21cに記憶された大当り判定値と比較して、大当り判定を行う(ステップS48)。この場合に、取得された乱数値と大当り判定値とが一致する場合に大当りと判定され、一致しない場合にハズレと判定される。そして、大当り判定の判定結果を特賞判定フラグに記憶する(ステップS49)。
以上の処理から遊技制御装置20は、始動口としての普通変動入賞装置7cへの遊技球の入賞に基づいて乱数値を抽出し(始動入賞監視処理で行われる)、変動表示遊技の開始時に抽出した乱数値が大当り判定値か否かを判定し、該乱数値が大当り判定値の場合に前記特別遊技状態を発生する制御を行なわせるための大当り判定手段として機能する。
なお、フローチャートには、記載されていないが、第2実施形態では、特定遊技状態として所謂確率変動状態があり、ステップS48の処理が、通常遊技状態と、特定遊技状態とで異なる処理となる。なお、通常遊技状態の処理と、特定遊技状態の処理との振り分けは、後述する図柄停止監視処理において、特定遊技フラグをセットするか否かにより行われる。
また、後述するように特定遊技フラグの設定は、第1実施形態の図柄停止監視処理において、特殊遊技フラグをセットする際に特定遊技フラグをセットし、特殊遊技フラグをクリアする際に、特定遊技フラグをクリアすることで行われる。なお、特定遊技フラグをセットする条件は、特殊遊技フラグをセットする条件と同じとしても良く、例えば、第1及び第2変動表示遊技の結果態様が、特定結果態様(例えば、奇数のぞろ目)となった場合に、特定遊技フラグをセットするものとしても良い。そして、特定遊技フラグがセットされていない場合には、上述のようにステップS48の処理を行い、特定遊技フラグがセットされている場合には、ステップS48の処理において、大当り判定値の種類を増やす処理を行う。例えば、ステップS48の処理においては、乱数値の種類が0〜314で、大当り判定値が7だったものを、特定遊技フラグが有る場合には、乱数値の種類はそのままで、大当り判定値の種類を5倍となるように例えば7,57,107,157,207とするようになっている。これにより、大当り確率が通常の1/315から高確率の1/63となる。なお、特定遊技フラグは、普図遊技処理においても用いられ、特定遊技フラグがある場合に、上述のように普図変動表示遊技において、当り確率の変更、普通変動入賞装置7cの開放時間や開放回数の変更、普図の変動表示時間の短縮等が行われる。
次ぎに、基本変動パターン、すなわち、リーチアクションの種類を判定するための乱数値をリーチアクション用記憶領域から今回の始動記憶に対応するものが取得され、リーチアクション用の判定テーブルと比較されて、リーチアクションが決定されるか、リーチアクション無しが決定される(ステップS50)。ステップS50の処理も特定遊技フラグの有無で変更されるものであり、特定遊技フラグが有り、確率変動状態となる場合には、複数の変動表示遊技全体として変動表示時間が短縮されるようになっており、リーチアクション無しの場合に変動表示時間が短くなるとともに、リーチアクション有りでも実質的なリーチアクションを伴わない変動表示時間が短いものが多くなる。
次ぎに、決定されたリーチアクションに基づいて処理を分岐する(ステップS51)。そして、各リーチアクションの情報もしくはリーチアクション無しの情報が演出制御装置30へ送信するコマンド用に設定されて記憶される。すなわち、リーチアクション1〜リーチアクションNまでのうちの決定されたリーチアクションの情報を設定するか、リーチアクション無しを設定する(ステップS52(1)〜ステップS52(N))。
次ぎに、上述の特賞判定フラグが大当りか否かを判定する(ステップS53)。そして、特賞判定フラグが大当りの場合には、上述の大当り停止図柄格納領域より今回の始動記憶に該当する停止図柄を取得する(ステップS54)。
また、特賞判定フラグが大当りでない場合には、上述のリーチアクション判定において、リーチアクション(1〜N)と判定されたか否かを判定する(ステップS55)。そして、リーチアクション無しと判定された場合には、ハズレ停止図柄格納領域から今回の始動記憶に該当するハズレ停止図柄を所得する(ステップS56)。
また、リーチアクション有りと判定された場合には、大当り停止図柄格納領域から今回の始動記憶に該当する大当り停止図柄を取得した後に、リーチ停止図柄を作成する(ステップS57)。
そして、取得(作成)された停止図柄を、演出制御装置30へコマンドとして送信するために、停止図柄格納領域に記憶する(ステップS58)。
次ぎに、変動表示遊技が始動することに基づいて、処理番号を3に設定し、次ぎのタイマ割込処理における特図遊技処理では、処理番号3の図柄停止監視処理を行うように設定し(ステップS60a)、特図始動処理を終了する。
以上の処理により、第1実施形態と同様に、第1変動表示装置4で、第1変動表示遊技が開始されることになる。なお、上述の特図2始動記憶数が0より大きい場合には、特図1始動処理が第1変動表示遊技を始動させる前に終了し、次回のタイマ割込処理の特図遊技処理において、特図2始動処理が開始されることになる。
特図2始動処理は、基本的に特図1始動処理と同様に行われるとともに、特図2始動処理が行われた場合には、第1変動表示装置4の第1変動表示遊技ではなく、第2変動表示装置4cの第2変動表示遊技が始動することになる。
また、特図2始動処理においては、その開始前に、先に特図1始動処理において、特図2始動記憶が0より大きいと判定され、特図2始動記憶が0より大きいという第2変動表示遊技の始動条件(変動表示遊技が開始可能な場合の始動条件)が成立していることが判定されているので、上述の特図1始動処理のフローチャートにおいて、ステップS43以降に対応する処理が行われる。
そして、特図1始動処理もしくは特図2始動処理において、処理番号が3とされた場合に、次回のタイマ割込処理の特図遊技処理で、図柄停止監視処理が行われることになるが、第2実施形態の図柄停止監視処理は、第1実施形態の図柄停止監視処理とほぼ同様に行われる。但し、第2実施形態の特図1始動処理及び特図2始動処理では、第1実施形態のように特図遊技中フラグがセットされないので、第1実施形態の図柄停止監視処理のステップS69の特図遊技中フラグをクリアする処理は第2実施形態では行われない。
また、上述のように第1実施形態の図柄停止監視処理のステップS73の特殊遊技フラグをクリアする処理は、特定遊技フラグをクリアする処理とされる。また、ステップS75の特殊大当りか否かは、確変大当りか否かとなるが、特殊遊技状態及び確率変動状態の開始条件が基本的に本実施形態においては同じ(変動表示遊技の結果態様が奇数のぞろ目)なので、同じ処理となる。なお、ここで、図柄停止監視処理で第1変動表示遊技の場合か、第2変動表示遊技の場合かを判定し、第2変動表示遊技の場合には、確変大当りか否かの判定を行わないものとして、第2変動表示遊技では確変大当りが無いものとしても良い。
また、第1実施形態のステップS77の特殊遊技フラグをセットする処理は、特定遊技フラグをセットする処理となる。
また、第1実施形態のステップS74において、大当り判定の場合に大当り処理を行うように、処理番号を3に設定する処理があるが、第2実施形態では、上述のように大当り処理は、処理番号4なので、第2実施形態では、ステップS74において、処理番号を4に設定する。
そして、変動表示遊技が大当りとなった場合には、図柄停止監視処理により、処理番号が4とされて、次回のタイマ割込処理の特図遊技処理においては、処理番号4の大当り処理が行われることになる。変動表示遊技の結果態様が特別結果態様となったことに基づく大当り処理が行われる。なお、第2実施形態の大当り処理は、基本的、第1実施形態の変動表示遊技に基づく大当り処理と同様に行われる。なお、大当り処理において、第1変動表示遊技に基づく大当りか、第2変動表示遊技に基づく大当りかを判定するか、もしくは、大当り処理を第1変動表示遊技の場合と第2変動表示遊技の場合とにわけ、第1変動表示遊技による大当り中のサイクル数の上限を10とし、第2変動表示遊技による大当り中のサイクル数の上限を16としても良い。すなわち、第1変動表示遊技による大当りと第2変動表示遊技による大当りとで、特別変動入賞装置6によるサイクル遊技のサイクル数を異なるものとしても良い。なお、補助遊技での大当りを変動表示遊技の大当りより有利にすることで、遊技者が補助遊技が行われるように、始動記憶をオーバーフローさせようとすることで、止め打ちをより効果的に防止できる。
以上のような第2実施形態のパチンコ遊技機101は、始動口(普通変動入賞装置7c)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による第1変動表示遊技を実行可能な第1変動表示装置4と、第1変動表示遊技の結果態様が第1特別結果態様となった場合に発生する特別遊技状態で開状態に変換可能な特別変動入賞装置6と、始動口(普通変動入賞装置7c)への遊技球の入賞に基づいて生じ、未だ第1変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置20)とを備えたものであり、始動条件の成立により複数の識別情報による第2変動表示遊技を実行可能な第2変動表示装置4cを備え、第2変動表示遊技の結果態様が第2特別結果態様となった場合に前記特別遊技状態を発生可能に構成し、始動記憶数が上限数か否かを判定する始動記憶数判定手段(遊技制御装置20)と、始動口(普通変動入賞装置7c)への遊技球の入賞時に前記始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数と判定された場合は、第2変動表示遊技の始動条件を成立させる始動変更制御手段(遊技制御装置20)とを備えている。
従って、始動口(普通変動入賞装置7c)に遊技球が入賞した場合に、始動記憶数が上限数未満ならば、新たに始動記憶が記憶されて、この始動記憶に基づいて第1変動表示装置4において第1変動表示遊技が実行される。一方、始動記憶数が上限数となっている状態では、始動口(普通変動入賞装置7c)に遊技球が入賞した場合に第2変動表示装置4cにおいて第2変動表示遊技が実行される。
これにより、第1変動表示装置4に対応する始動記憶数が上限数となった場合でも、始動口(普通変動入賞装置7c)に遊技球が入賞すれば、第2変動表示装置4cで第2変動表示遊技が行われるので、遊技者は、第1変動表示装置4に対応する始動記憶数が上限数となった後に始動口(普通変動入賞装置7c)に遊技球が入賞しても損をしたと感じることはなく、遊技者が、始動記憶数が上限数もしくは上限数近くとなった場合に止め打ちするのを防止することができる。
また、第2変動表示遊技の始動条件が成立した際に、例えば、特別遊技状態中や第1及び2変動表示遊技中の場合には、始動条件を成立させる権利(始動権利)を第2始動記憶として記憶でき、且つ、第2始動記憶数を所定の上限数の範囲内で記憶可能とした場合は、第1始動記憶数が上限数となっても、第2始動記憶数が上限もしくは上限近くとなるまで遊技者が止め打ちすることがなく、遊技機の稼働率を高めることができる。また、第1始動記憶数が上限数とならなければ、第2始動記憶は記憶されないので、第1始動記憶数と第2始動記憶数とがほぼ同時期に上限数となることはなく、第1始動記憶数が上限数となってからさらに第2始動記憶数が上限数となるまでの長い期間に渡って止め打ちを防止できる。
次ぎに、本発明の第3実施形態となるパチンコ遊技機102について、図20〜図24を参照して説明する。
図20に示すように、第3実施形態のパチンコ遊技機102は、その普通変動入賞装置7f以外は、第2実施形態のパチンコ遊技機101と同様の構成となっている。第3実施形態では、第2実施形態において普通変動入賞装置7cが1つの始動口として、1つの特図始動センサ7aを備えていたのに対して、第3実施形態の普電として普通変動入賞装置7fは、その内部に左右に並列に第1始動口7gと第2始動口7hとの2つの始動口を備えている。
そして、第1始動口7gが第1変動表示装置4で行われる第1変動表示遊技用の始動口とされるとともに、その内部に特図始動センサ7a(図15に図示)を備えている。また、第2始動口7hが第2変動表示装置4cで行われる第2変動表示遊技用の始動口とされるとともに、その内部に特図始動センサ7k(図15に破線で図示)を備えている。
すなわち、第1変動表示遊技は、第1始動口7gに遊技球が入賞する第1始動入賞に基づいて始動され、第2変動表示遊技は、第2始動口7gに遊技球が入賞する第2始動入賞に基づいて始動される。
また、普通変動入賞装置7fには、第2実施形態の普通変動入賞装置7cと同様に、2つの開閉部材7b、7bが備えられるとともに、開閉部材7b、7bを開閉駆動する普電ソレノイド7d(図15に図示)が設けられており、開閉部材7bを閉状態とした場合に、開閉部材7b、7b間に上述のように遊技球が一個流入可能な間隔が開けられ、開閉部材7bを開状態とした場合に閉状態より遊技球を流入しやすい開状態となる。
また、普通変動入賞装置7f内には、上述のように左右に並列に2つの始動口として第1始動口7gと第2始動口7hが設けられているが、これら始動口7g、7hと開閉部材7b、7bとの間には、普通変動入賞装置7f内で間隔があけられている。
普通変動入賞装置7f内の開閉部材7b、7bと、始動口7g、7hとの間には、遊技盤1に打たれた状態の障害釘10が配設されている。この障害釘10は、普通変動入賞装置7f内に流入した遊技球の第1始動口7gへの入賞率と第2始動口7hへの入賞率とを調整するためのものであり、普通変動入賞装置7f内の障害釘を調整することにより、例えば、普通変動入賞装置7fへの遊技球の流入方向に偏りがあるような場合でも、第1始動口7gへの入賞率と第2始動口7hへの入賞率とほぼ等しくなるように調整することが可能となっている。
なお、後述するように、普通変動入賞装置(普電)を、第1始動口7g用と、第2始動口7h用と別々に設けた場合、すなわち、2つの始動口を離れた場所に設けた場合には、第1始動口7gへの入賞率、第2始動口7hへの入賞率、これらを合わせた入賞率を障害釘で調整するものとすると、それぞれの始動口7g、7hで、それぞれの始動口7g、7hの周囲にある障害釘を調整することになり、入賞率の調整に手間がかかる。しかし、上述のようにすれば、一組の障害釘10を調整することで、2つの始動口7g、7hの入賞率の調整が同時に可能となり、入賞率の調整が容易となる。
また、普通変動入賞装置7f内には、開閉部材7b,7bの直ぐ下側で、第1始動口7hの左右方向の中央のほぼ真上となる位置と、第2始動口7gの左右方向の中央のほぼ真上となる位置とにそれぞれ障害釘10が設けられている。また、これら二本の障害釘10の下側で、第1始動口7gと第2始動口7hの間(境界部分)の直上に一本の障害釘10が配置されている。これら三本の障害釘10により、第1始動口7gへの入賞率と第2始動口7hへの入賞率とを調整可能となっている。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機102の制御系は、図15に示す第2実施形態のパチンコ遊技機101と略同様の構成となっており、図15にブロックが破線で示される、第2始動口7hの特図始動センサ7kが増えただけの構成となっている。
そして、第2実施形態では、基本的に第1変動表示遊技用の始動口(普通変動入賞装置7c)が1つ設けられ、この1つの始動口の始動入賞に対応する始動記憶数が上限数を越えた場合だけ、前記始動口への始動入賞に基づいて第2変動表示遊技が始動するように構成されていたが、第3実施形態においては、第1変動表示遊技用の始動口7gと、第2変動表示用の始動口7hとが設けられ、それぞれの第1始動入賞及び第2始動入賞に基づいて、別々に特図1始動記憶数と特図2始動記憶数とが上限数範囲内で遊技制御装置20のRAM21bに記憶されるようになっている。
但し、2つの始動記憶数の一方の始動記憶数だけ上限数となった状態で、一方の上限数となった始動記憶数に対応する始動口に始動入賞があると、他方の上限数となっていない始動記憶数に1加算する処理を行うようになっている。
従って、第3実施形態のパチンコ遊技機102は、第1始動口7gへの遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による第1変動表示遊技を実行可能な第1変動表示装置4と、第1変動表示遊技の結果態様が第1特別結果態様となった場合に発生する特別遊技状態で開状態に変換可能な特別変動入賞装置6と、第1始動口7gへの遊技球の入賞に基づいて生じ、未だ前記第1変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で第1始動記憶として記憶可能な第1始動記憶手段(遊技制御装置20)と、第2始動口7hへの遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による第2変動表示遊技を実行可能な第2変動表示装置4cと、第2変動表示遊技の結果態様が第2特別結果態様となった場合に発生する特別遊技状態で開状態に変換可能な特別変動入賞装置6と、第2始動口7hへの遊技球の入賞に基づいて生じ、未だ前記第2変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で第2始動記憶として記憶可能な第2始動記憶手段(遊技制御装置20)とを備えたものである。
そして、第3実施形態のパチンコ遊技機101の制御系におけるゼネラルフローも図21(A),(B)に示すように、基本的第2実施形態とほぼ同様であるが、第2実施形態の特図遊技処理において、第1変動表示遊技の処理と第2変動表示遊技の処理とが処理番号で分岐され、どちらか一方の処理だけが行われるようになっていたのに対して、第1変動表示遊技用の特図1遊技処理と、第2変動表示遊技用の特図2遊技処理とが時分割で並列処理されるようになっている。
従って、第2実施形態で、第1変動表示遊技と第2変動表示遊技とが同時に行われることが無かったのに対して、第3実施形態では、並列処理により第1変動表示遊技と第2変動表示遊技が同時に行われるようになっている。
そして、第3実施形態においても、第2実施形態と同様にゼネラルフローとして、起動処理と、タイマ割込処理とが行われる。そして、起動処理においては、第1実施形態と同様に初期化処理(ステップS1)が行われた後に、撹拌用乱数更新処理(ステップS2)を繰り返し行う。なお、第1及び第2実施形態において、撹拌用乱数が1つの変動表示遊技用に一組生成されていたのに対して、第3実施形態の撹拌用乱数更新処理では、第1変動表示遊技と第2変動表示遊技とが並列に行われるので、撹拌用乱数が第1変動表示遊技用の撹拌用乱数Aと第2変動表示遊技用の撹拌用乱数Bとの二組作成されるようになっている。
第3実施形態のタイマ割込処理は、第1実施形態と同様にソフトタイマに基づいて1msec毎に行われる。そして、タイマ割込処理においては、割込禁止及びレジスタの待避処理(ステップS3)、入力処理(ステップS4)、出力処理(ステップS5)、コマンド送信処理(ステップS6)、乱数更新処理(ステップS7b)、スイッチ監視処理(ステップS8c)、普図遊技処理(ステップS8b)、時分割処理(ステップS9a)、特図1遊技処理(ステップS10b)、特図2遊技処理(ステップS10c)、外部情報編集処理(ステップS12)、レジスタの復帰及び割込許可処理(ステップS13)が行われる。このうちの割込禁止及びレジスタの待避処理、入力処理、出力処理、コマンド送信処理、普図遊技処理、外部情報編集処理、レジスタの復帰及び割込許可処理については、基本的に第2実施形態と同様に行われる。
乱数更新処理(ステップS7b)も、基本的には第2実施形態と同様であるが、撹拌用乱数と同様に、第1変動表示遊技用の乱数Aと、第2変動表示遊技用の乱数Bとの二組の乱数が更新されるようになっている。
スイッチ監視処理では、始動入賞監視処理を除いて第2実施形態と同様に行われる。
以下に、図22のフローチャートを参照して第2実施形態のスイッチ監視処理としての始動入賞監視処理を説明する。
まず、第1始動口7gで第1始動入賞が有るか否か、すなわち、第1始動口7gの特図始動センサ7aから遊技球の検出を示す信号が入力しているか否かが判定され(ステップS21)、入力していない場合には、後述の第2始動口7hの第2始動入賞の処理に進む。そして、特図始動センサ7aから遊技球の検出を示す信号が入力しており、第1始動入賞有りと判定された場合には、RAM21bに記憶された特図1始動記憶数が上限となっているか否かが判定される(ステップS22)。
始動記憶数が上限となっていなければ、特図1始動記憶数に1加算する(ステップS23)。そして、上述の乱数更新処理により、更新記憶されている大当り判定用の乱数(第1変動表示遊技用乱数A)の記憶領域に記憶されている乱数を抽出し、これをRAM21bの大当り判定を行う乱数を記憶する特図判定用記憶領域(第1変動表示遊技用)に記憶する(ステップS24)。なお、この際には、第2実施形態と同様に、大当り判定用以外の停止図柄やリーチアクションを選択するための乱数(第1変動表示遊技用)も抽出してRAM21bに記憶する。以下の処理で、大当り用の乱数を記憶した場合には、他の特図の変動表示遊技に用いられる乱数も記憶する。
また、始動入賞が有り、特図1始動記憶数が上限となっている場合には、RAM21bに記憶された特図2始動記憶数が上限となっているか否かが判定される(ステップS26)。そして、特図2始動記憶数が上限数(例えば、4)となっている場合には、後述の第2始動口7hの第2始動入賞の処理に進む。
また、特図2始動記憶数が上限数となっていない場合には、特図2始動記憶数に1加算する(ステップS27)。次ぎに、乱数(第2変動表示遊技用乱数B)を抽出して記憶し(ステップS28)、後述の第2始動口7hの第2始動入賞の処理に進む。
次ぎに、第2始動入賞の処理として、第2始動口7hで第2始動入賞が有るか否か、すなわち、第2始動口7hの特図始動センサ7kから遊技球の検出を示す信号が入力しているか否かが判定され(ステップS21a)、入力していない場合には、始動入賞監視処理を終了する。そして、特図始動センサ7kから遊技球の検出を示す信号が入力しており、第2始動入賞有りと判定された場合には、RAM21bに記憶された特図2始動記憶数が上限となっているか否かが判定される(ステップS22a)。
始動記憶数が上限となっていなければ、特図2始動記憶数に1加算する(ステップS23a)。そして、上述の乱数更新処理により、更新記憶されている大当り判定用の乱数の記憶領域に記憶されている乱数(第2変動表示遊技用乱数B)を抽出し、これを特図判定用記憶領域(第2変動表示遊技用)に記憶する(ステップS24a)。
また、始動入賞が有り、特図2始動記憶数が上限となっている場合には、RAM21bに記憶された特図1始動記憶数が上限数となっているか否かが判定される(ステップS26a)。そして、特図1始動記憶数と特図2始動記憶数との両方が共に上限数(例えば、4)となっている場合には、始動入賞監視処理を終了する。
また、特図1始動記憶数が上限数となっていない場合には、特図1始動記憶数に1加算する(ステップS27a)。次ぎに、乱数(第1変動表示遊技用乱数A)を抽出して記憶し(ステップS28a)、始動入賞監視処理を終了する。
以上の処理により、第1始動入賞があった際に、第1変動表示装置4で行われる第1変動表示遊技用の特図1始動記憶数が上限数となっている場合には、第2変動表示装置4cで行われる第2変動表示遊技用の特図2始動記憶数が上限数の範囲内で記憶される。一方、第2始動入賞があった際に、第2変動表示装置4cで行われる第2変動表示遊技用の特図2始動記憶数が上限数となっている場合には、第1変動表示装置4で行われる第1変動表示遊技用の特図1始動記憶数が上限数の範囲内で記憶される。
従って、遊技制御装置20は、第1始動記憶数が上限数か否かを判定する第1始動記憶数判定手段として機能するとともに、第2始動記憶数が上限数か否かを判定する第2始動記憶数判定手段として機能する。また、遊技制御装置20は、第1始動口7gへの遊技球の入賞時に前記第1始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数と判定され、且つ、前記第2始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数未満と判定された場合に、前記第2始動記憶手段(遊技制御装置20)に第2始動記憶として記憶する第1始動記憶変換手段として機能する。
さらに、遊技制御装置20は、第2始動口7hへの遊技球の入賞時に前記第2始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数と判定され、且つ、前記第1始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数未満と判定された場合に、前記第1始動記憶手段(遊技制御装置20)に第1始動記憶として記憶する第2始動記憶変換手段として機能する。
なお、上述のように求められた特図1始動記憶数及び特図2始動記憶数に基づき、出力処理において、特図記憶表示器4b及び特図記憶表示器4dのLEDの点灯の制御が行われ、特図始動記憶数が特図記憶表示器4bに表示される。
次ぎに、図23(A)(B)のフローチャートに示す特図1遊技処理及び特図2遊技処理を説明する。
特図1遊技処理及び特図2遊技処理は、それぞれ並列に行われるので、第2実施形態のように特図1遊技処理と特図2遊技処理とが別の処理番号とされることはなく、第1実施形態の特図遊技処理と同様に、特図1遊技処理と特図2遊技処理とでそれぞれRAM21bの特図遊技処理用の処理番号を読出し、処理番号に基づいて処理が分岐し(ステップS31b、S31c)、処理番号が1の場合に特図1始動処理(特図2始動処理)が行われ(ステップS32a、S32b)、処理番号が2の場合に図柄停止監視処理が行われ(ステップS33)、処理番号が3の場合に大当り処理が行われる(ステップS34)。
次ぎに、図24のフローチャートに示される特図1始動処理を説明する、なお、特図2始動処理も、制御されるのが第1変動表示遊技か第2変動表示遊技かの違いや、使用する始動記憶が特図1始動記憶か特図2始動記憶かの違いや、使用される乱数が乱数Aか乱数Bかの違い等があるだけで、処理内容は特図1始動処理と同じなので、特図2始動処理の説明を省略する。
また、第3実施形態の特図1始動処理及び特図2始動処理は、第2実施形態の特図1始動処理のステップS42以降の処理と同様となる。すなわち、始動記憶数が0より大きいかが判定される(ステップS42)。そして、始動記憶数が0の場合には、特図1始動処理を終了する。
次ぎに、始動記憶数が1以上の場合には、特図1始動記憶数から1減算する処理を行う(ステップS43)。次ぎに、上述のスイッチ監視処理の始動入賞監視処理で、取得されて始動記憶に関連づけて特図判定用記憶領域に記憶された乱数値(特図1始動処理では乱数A、特図2始動処理では乱数B)を取得して、予めROM21cに記憶された大当り判定値(ここでは、0〜358の乱数の範囲内の1つの数値で例えば7)と比較して、大当り判定を行う(ステップS48)。この場合に、取得された乱数値と大当り判定値とが一致する場合に大当りと判定され、一致しない場合にハズレと判定される。そして、大当り判定の判定結果を特賞判定フラグに記憶する(ステップS49)。
なお、フローチャートには、記載されていないが、第3実施形態でも、第2実施形態と同様の確率変動に関する処理が行われる。また、通常時の大当り確率、確率変動時の大当り確率を第1変動表示遊技と第2変動表示遊技とで同じとしても良いが、異なるものとしても良く、例えば、第1変動表示装置4の第1変動表示遊技の通常時の大当り確率を1/359とし、確率変動時の大当り確率を1/72とし、第2変動表示装置4cの第2変動表示遊技の通常時の大当り確率を1/350とし、確率変動時の大当り確率を1/70としても良い。
次ぎに、基本変動パターン、すなわち、リーチアクションを判定するための乱数値をリーチアクション用記憶領域から今回の始動記憶に対応するものが取得され、リーチアクション用の判定テーブルと比較されて、リーチアクションが決定されるか、リーチアクション無しが決定される(ステップS50)。この際も第2実施形態と同様に確率変動に関する処理が行われる。
次ぎに、決定されたリーチアクションに基づいて処理を分岐する(ステップS51)。そして、各リーチアクションの情報もしくはリーチアクション無しの情報が演出制御装置30へ送信するコマンド用に設定されて記憶される。すなわち、リーチアクション1〜リーチアクションNまでのうちの決定されたリーチアクションの情報を設定するか、リーチアクション無しを設定する(ステップS52(1)〜ステップS52(N))。
次ぎに、上述の特賞判定フラグが大当りか否かを判定する(ステップS53)。そして、特賞判定フラグが大当りの場合には、上述の大当り停止図柄格納領域より今回の始動記憶に該当する停止図柄を取得する(ステップS54)。
また、特賞判定フラグが大当りでない場合には、上述のリーチアクション判定において、リーチアクション(1〜N)と判定されたか否かを判定する(ステップS55)。そして、リーチアクション無しと判定された場合には、ハズレ停止図柄格納領域から今回の始動記憶に該当するハズレ停止図柄を所得する(ステップS56)。
また、リーチアクション有りと判定された場合には、大当り停止図柄格納領域から今回の始動記憶に該当する大当り停止図柄を取得した後に、リーチ停止図柄を作成する(ステップS57)。
そして、取得(作成)された停止図柄を、演出制御装置30へコマンドとして送信するために、停止図柄格納領域に記憶する(ステップS58)。
次ぎに、変動表示遊技が始動することに基づいて、処理番号を2に設定し、次ぎに、タイマ割込処理における特図遊技処理では、処理番号2の図柄停止監視処理を行うように設定し(ステップS60)、特図始動処理を終了する。
また、特図1遊技処理及び特図2遊技処理における図柄停止監視処理及び大当り処理は、第2実施形態と同様に行われる。なお、第1変動表示遊技と、第2変動表示遊技とのうちの一方の変動表示遊技が特別結果態様となって大当り(特別遊技状態)が発生した場合に、特別結果態様となった一方の変動表示遊技は特別遊技状態が終了するまで行われず、特別結果態様となっていない他方の変動表示遊技は、そのまま行われることになる。すなわち、特別遊技状態で特別変動入賞装置6でサイクル遊技が行われている間も、他方の変動表示遊技は順次行われることになる。
また、一方の変動表示遊技が大当り中(特別遊技状態)に、他方の変動表示遊技でも大当りが成立(特別結果態様が成立)した場合には、一方の大当り(特別遊技状態)が終了した後に、他方の大当り(特別遊技状態)を開始する。
また、一方の変動表示遊技が確率変動での大当りとなった場合には、特別遊技状態後、一方の変動表示遊技だけ確率変動(高確率)となり、他方の変動表示遊技は通常の確率のままとなる。なお、普通図柄表示器18及び普通変動入賞装置7cは、1つずつしかないので、どちらか一方の変動表示遊技で、確率変動状態となると、普図変動表示遊技が高確率状態(例えば、当り確率が通常の1/10から高確率の9/10となる)となるとともに、普通変動入賞装置7cが所謂時短状態となる。
また、特別変動入賞装置6を第1変動表示遊技用と第2変動表示遊技用との2つ備えるものとしても良い。
また、上述のように始動口7g,7h毎に普電を設けて、2つの普通変動入賞装置7fを設けるものとしても良く、この場合には、さらに、普通図柄表示器18も2つの普通変動入賞装置7fのそれぞれに対応して2つ設けるものとしても良い。この場合には、特図の変動表示装置、特図の始動入賞口、普通変動入賞装置がそれぞれ二組でき、2つの特図の変動表示遊技と2つの普図の変動表示遊技を並行して行うことができるので、一方の変動表示遊技が確率変動となった場合には、一方の普図の変動表示遊技だけを確率変動とすることができる。
第3実施形態のパチンコ遊技機102の上述の処理により、第1始動記憶数が上限数となった状態で第1始動入賞が有っても、第2始動記憶数が上限となっていなければ、第2始動記憶数が1加算される。すなわち、第1始動記憶数が上限となっていることにより、第1始動入賞があっても第1変動表示遊技の始動権利が得られないが、第2始動記憶数が上限数未満ならば第2変動表示遊技を行う始動権利が得られる。また、第2始動記憶数が上限数となった状態で第2始動入賞が有っても、第1始動記憶数が上限となっていなければ、第1始動記憶数が1加算される。すなわち、第2始動記憶数が上限となっていることにより、第2始動入賞があっても第2変動表示遊技の始動権利が得られないが、第1始動記憶数が上限数未満ならば第1変動表示遊技を行う始動権利が得られる。
以上のように第3実施形態のパチンコ遊技機102は、第1始動口7gへの遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による第1変動表示遊技を実行可能な第1変動表示装置4と、第1変動表示遊技の結果態様が第1特別結果態様となった場合に発生する特別遊技状態で開状態に変換可能な特別変動入賞装置6と、第1始動口7hへの遊技球の入賞に基づいて生じ、未だ前記第1変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で第1始動記憶として記憶可能な第1始動記憶手段(遊技制御装置20)と、第2始動口7hへの遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による第2変動表示遊技を実行可能な第2変動表示装置4cと、第2変動表示遊技の結果態様が第2特別結果態様となった場合に発生する特別遊技状態で開状態に変換可能な特別変動入賞装置6と、第2始動口7gへの遊技球の入賞に基づいて生じ、未だ前記第2変動表示遊技の実行に用いられていない始動権利を所定の上限数の範囲内で第2始動記憶として記憶可能な第2始動記憶手段(遊技制御装置20)とを備えており、第1始動記憶数が上限数か否かを判定する第1始動記憶数判定手段(遊技制御装置20)と、第2始動記憶数が上限数か否かを判定する第2始動記憶数判定手段(遊技制御装置20)と、第1始動口への遊技球の入賞時に前記第1始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数と判定され、且つ、前記第2始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数未満と判定された場合に、前記第2始動記憶手段に第2始動記憶として記憶する第1始動記憶変換手段(遊技制御装置20)と、第2始動口7hへの遊技球の入賞時に前記第2始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数と判定され、且つ、前記第1始動記憶数判定手段で始動記憶数が上限数未満と判定された場合に、前記第1始動記憶手段に第1始動記憶として記憶する第2始動記憶変換手段(遊技制御装置20)とを備えている。
従って、第1始動記憶数が上限数未満の状態で、第1始動口7gに遊技球が入賞すると、第1始動記憶数が加算されるが、第1始動記憶数が上限数の場合には、第2始動記憶数が加算される。また、第2始動記憶数が上限数未満の状態で第2始動口7hに遊技球が入賞すると、第2始動記憶数が加算されるが、第2始動記憶数が上限数の場合には、第1始動記憶数が加算される。なお、第1始動記憶数及び第2始動記憶数の両方とも上限数の場合には、第1始動口7g及び第2始動口7hに遊技球が入賞しても第1及び第2始動記憶数は加算されない。
以上のことから、2つの変動表示装置4,4cを有し、且つ、それぞれの変動表示装置用の始動口7g、7hを有する場合に、一方の変動表示装置用の始動記憶数が上限数となっても、他方の変動表示用の始動記憶数が上限数となっていなければ、一方の変動表示装置用の始動口への遊技球の入賞に基づいて他方の変動表示装置用の始動記憶数が加算される。従って、従来のように一方の始動記憶数が上限数となった状態で、一方の変動表示装置用の始動口に遊技球が入賞しても遊技者が損をしたと感じるようなことがなくなり、両方の始動記憶数が上限となるまで、遊技者が止め打ちを行うのを防止することができる。
また、時間経過に伴う始動入賞率の変化が大きい場合には、始動入賞率が低くなって始動記憶が記憶されない状態と、始動入賞率が高くなって始動記憶数が上限数となってさらに始動入賞が発生する状態とが多く発生し、時間経過に伴う始動入賞率の変化が小さい場合は、始動記憶数が記憶されない状態や始動記憶数が上限数となってさらに始動入賞が発生する状態の発生が少なくなり、時間経過に伴う始動入賞率の変化が小さい場合の方が所定時間内における変動表示遊技の実行回数が多くなる可能性が高い。
ここで、従来のように各変動表示装置及びその始動口毎に独立して始動記憶が上限数まで記憶されるようになっていると、始動口の数が増えても上述のように始動入賞率の変化が少ない方が確実に有利となるが、上述のように2つの始動口あり、且つ、一方の始動口の始動入賞による始動記憶数が上限数となった状態で一方の始動口に始動入賞が有ると、他方の始動口の始動記憶に振替えられるようになっていれば、始動入賞率の変化のタイミング(位相)が2つの始動口でずれている場合に、時間経過に伴う始動入賞率の変化が大きくても所定時間当りの変動表示遊技の実行回数が少なくなるのを防止できる
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。