JP5654522B2 - 遮音性を有する緩衝シートおよびそれを用いた床仕上げ材の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、遮音性を有する緩衝シートおよびそれを用いた床仕上げ材の施工方法に関する。
一般に、建築物において、発生する生活音等が階下に伝わることは、特に集合住宅などにおいて各部屋の独立性を妨害するものであり、極力排除しなければならない。そのため、床衝撃音を低減するための特有の床下構造の開発が行われている。
これまでに、床下構造においては、衝撃音等を遮断するための遮音手段として、床に遮音性を有する緩衝シート(床用シート材)を敷設することが、極めて有効であり、且つコスト的にも有利なことが知られている。このような緩衝シート材として、例えば、ウレタン製クッション材(特許文献1)や樹脂発泡体(特許文献2)などが報告されている。
実開平8−1054号公報 実開平5−34922号公報
しかしながら、従来の緩衝シートでは遮音効果はいまだ十分とはいえず、より高い遮音効果を有する製品が要望されているのが現状である。
さらには施工性の観点からも優れた製品が望まれている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、高い遮音効果および優れた施工性を有する遮音性を有する緩衝シートを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、下記構成を有する緩衝シートによって、前記課題が解決することを見出し、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることによって本発明を完成した。
本発明の一態様に係る遮音性緩衝シートは、塩化ビニル樹脂、可塑剤及び化学発泡剤を含有する塩化ビニル発泡シートの少なくとも1面に、厚みが0.3〜1.0mmであり、かつ目付量が100〜250g/mである不織布を積層してなることを特徴とする。
このような構成によれば、衝撃音を低減する高い遮音効果と、優れた施工性を併せ持つ緩衝シートを提供することができる。また、上記構成を有する緩衝シートは衝撃緩和効果も有しているため、集合住宅、特に高齢者ケア施設および児童福祉施設などにおける転倒による怪我のリスクを低減することもできる。さらには、床仕上げ材を交換する際にも、本発明の緩衝シートは残したまま床仕上げ材だけを剥離することが可能であるため、緩衝シートの再利用が可能である。
また、前記緩衝シートにおいて、前記塩化ビニル発泡シートが、カルボン酸亜鉛塩及びカルボン酸縮合物の部分エステル化合物のうち少なくとも1つをさらに含有することが好ましい。これにより、本発明の前記効果がより確実に得られる。
また、本発明の別の態様は、前記遮音性緩衝シートを用いた床仕上げ材の施工方法であって、床下地に前記遮音性緩衝シートを積層する工程、及び前記遮音性緩衝シートの上に、接着層を介して、ビニル系床仕上げ材を積層する工程を含むことを特徴とする。
このような施工方法を用いることにより、床仕上げ材を効率よく簡便に施工することができ、遮音性および衝撃性に優れた床を設置できる。また、この施工方法によれば、床仕上げ材を交換する際も前記緩衝シートを再利用でき、コスト的にも環境的にも有益である。
また、前記接着層としてビニル系床材用の接着剤を用いることが好ましい。これにより、施工性がより向上する。
本発明によれば、衝撃音を低減する高い遮音効果と、優れた施工性を併せ持つ緩衝シートを提供することができる。
図1は、本発明の施工方法によって得られる、床下地、緩衝シート、床仕上げ材の積層構造の断面図を示す概略図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<遮音性緩衝シート>
本実施態様に係る遮音性緩衝シートは、塩化ビニル樹脂、可塑剤及び化学発泡剤を含有する塩化ビニル発泡シートの少なくとも1面に、厚みが0.3〜1.0mmであり、かつ目付量が100〜250g/mである不織布を積層してなることを特徴とする。
まず、塩化ビニル発泡シートについて説明する。
本実施形態の塩化ビニル発泡シートに含まれる塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂等が挙げられる。これらの樹脂を得るための重合方法は、特に限定されず、通常用いられる重合方法(例えば、懸濁重合、乳化重合等)を挙げることができる。
本実施形態において用いられ得る可塑剤としては、例えば、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸イソヘプチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシルのようなフタル酸エステル系可塑剤、トリ−2−エチルヘキシルトリメリット酸のようなトリメリット酸エステル系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシルのようなニ塩基酸エステル系可塑剤、トリ−2−エチルヘキシルホスファイト、イソデシルジフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイトのようなリン酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィン、ポリエステル系可塑剤をあげることができる。これらは単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
塩化ビニル樹脂の100重量部に対する可塑剤の配合量は、30〜120重量部程度が好ましい。
本実施形態において用いられ得る化学発泡剤としては、熱分解型有機発泡剤が使用される。具体的には、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルホドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を挙げることができる。
塩化ビニル樹脂の100重量部に対する化学発泡剤の配合量は0.1〜8重量部程度が好ましい。
さらに、本実施形態の塩化ビニル発泡シートには、上記以外に、カルボン酸亜鉛塩およびカルボン酸縮合物の部分エステル化合物のうち少なくとも1つが含まれていることが好ましい。好ましくは、カルボン酸亜鉛塩およびカルボン酸縮合物の部分エステル化合物の両方が含有される。
本実施形態の塩化ビニル発泡シートに用いることができるカルボン酸亜鉛塩としては、例えば、カルボン酸亜鉛正塩、塩基性カルボン酸亜鉛塩、並びにカルボン酸亜鉛正塩及び過塩基性カルボン酸亜鉛塩の混合物挙げることができる。なかでも好ましいカルボン酸亜鉛塩は、カルボン酸2モルに対し酸化亜鉛1モルを反応して得られるカルボン酸正塩と、カルボン酸に対し過剰の酸化亜鉛を反応させることで得られる塩基性カルボン酸亜塩の混合物からなるものである。
塩化ビニル樹脂の100重量部に対するカルボン酸亜鉛塩の配合量は、0.01〜5重量部程度が好ましい。
本実施形態で用いられるカルボン酸亜鉛塩は、好ましくは、カルボン酸と酸化亜鉛とを、モル比が2.0:1.0〜1.5:1.0の範囲で反応させて得られる。
ここで用いられ得るカルボン酸としては、炭素数2〜22のカルボン酸、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸及び炭素環式カルボン酸が挙げられる。より具体的には、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、トリデカン酸、イソデカン、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノレイン酸、エルカ酸、ベヘン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、ラウリルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、パラ−t−ブチル安息香酸、ジメチル安息香酸、アミノ安息香酸、サリチル酸、アミノ酢酸、ブルタミン酸、シュウ酸、グルタル酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、フタル酸、フマール酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、チオジプロピオン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、メリット酸等が挙げられる。中でも、酢酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、オレイン酸、リシノレイン酸が好ましく例示される。
カルボン酸縮合物の部分エステル化合物としては、例えば、炭素数30〜60のダイマー酸若しくはトリマー酸、又はこれらの無水物を、モノアルコール類やモノエポキシ化合物によりエステル化して得られる化合物を挙げることができる。エステル化率は、10〜90%が好ましく、酸価は10mg/KOH以上のものが好ましい。エステル化率がこの範囲外の場合は、連続気泡が得られにくい。又、カルボン酸縮合物の部分エステル化合物の分子量(GPCポリスチレン換算で重量平均分子量)としては、1000〜20000程度が好ましい。
ここで、モノアルコール類やモノエポキシ化合物としては、飽和脂肪族、不飽和脂肪族、脂環式化合物、芳香族のアルコール類やエポキシ化合物を挙げることができる。分子内にエーテル基を含むアルコール類やエポキシ化合物でもよい。具体的には、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、炭素数12以上のアルキルグリシジルエーテル、炭素数12以上の分岐アルキルのアルコール、オキソアルコールポリエチレンオキサイドエーテル、分子量200〜1200程度のアルコキシキシポリアルキレングリコール等を挙げることができる。ここで、アルコキシキシポリアルキレングリコールとしては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール等を挙げることができる。
カルボン酸縮合物の部分エステル化合物は、市販品を用いることができる。市販品としては、BYK−P4100(ビッグケミー・ジャパン社製)等を挙げることができる。
塩化ビニル樹脂の100重量部に対するカルボン酸縮合物の部分エステル化合物の配合量は0.1〜15重量部が好ましい。
本実施形態の塩化ビニル発泡シートに、本発明の目的を阻害しない範囲で、上記の成分以外を添加することは可能である。好ましくはさらに、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、塩基性カルボン酸アルカリ土類金属塩、セル調整剤、充填剤、発泡促進剤、減粘剤、難燃剤、防黴剤、抗菌剤、顔料等を混合してもよい。
アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、加熱加工中の耐熱性を付与するために必要に応じて添加される。例としては、カルボン酸カリムウ塩、カルボン酸ナトリウム塩等の、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸マグネシウム塩、カルボン酸カルシウム塩、カルボン酸バリウム塩等のカルボン酸のアルカリ土類金属塩を挙げることができる。これらの原料となるカルボン酸としては、カルボン酸亜鉛塩の製造原料として、前記で例示されたカルボン酸と同様なものを挙げることができる。
塩基性カルボン酸アルカリ土類金属塩は、耐熱性を付与するために必要に応じて添加され、塩基性カルボン酸バリウム塩およびカルシウム塩、マグネシウム塩が好ましい。塩基性カルボン酸アルカリ土類金属塩の原料となるカルボン酸としては、カルボン酸亜鉛塩の製造原料として、前記で例示されたカルボン酸と同様なものを挙げることができる。又、塩基性カルボン酸アルカリ土類金属塩としては、市販されているものも使用できる。例えば、米国ハモンド社のプラスチスタブ2116、プラスチスタブ2508、プラスチスタブ2513、プラスチスタブ2106、2117が挙げられる。上記金属塩以外の耐熱性の付与剤、色調改良剤、着色防止剤等も必要に応じて配合してもよい。
セル調整剤は、セル径を小さく均一にするために必要に応じて添加され、平均分子量1000〜1000000のメタクリル酸ブチルエステルポリマー、メタクリル酸イソブチルエステルポリマー、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステルポリマー等を挙げることができる。
充填剤は強度を付与するために必要に応じて添加され、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミ、クレー、シリカ等挙げることができる。充填剤を含有する場合の配合量は、塩化ビニル樹脂の100重量部に対して充填剤を10〜100重量部とすることが好ましい。
発泡促進剤として、酸化亜鉛、微細酸化亜鉛、水酸化亜鉛、塩化亜鉛に代表される亜鉛化合物、尿素、二酸化チオ尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、モノエチルアミンに代表される含チッソ系化合物を挙げることができる。
難燃剤として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ほう酸のような有機金属塩系を挙げることができる。
本実施形態の塩化ビニル発泡シートは、前記の組成を、常法により混合して、適宜加工することにより得ることができる。具体的には、前記組成を混合して得られたペーストゾルにおいて、常法により連続気泡を形成し、塩化ビニル発泡シートとする。
また、本実施形態において、塩化ビニル発泡シートの発泡倍率は、4〜10倍程度であることが好ましい。さらに、塩化ビニル発泡シートの厚みは、1〜10mm程度であることが好ましい。
上述したような塩化ビニル発泡シートを用いることにより、非常に優れた遮音性を有する遮音性緩衝シートを得ることができる。
次に、本実施形態において用いられる不織布について説明する。
本実施形態における遮音性緩衝シートは、上述の塩化ビニル発泡シートの少なくとも1面に、前記不織布を積層してなるシートである。特に、床仕上げ材との接着面となる側に不織布を積層することが好ましい。このように不織布を上面に積層することで、その上に貼り付ける床仕上げ材を剥離する際に、この不織布との界面、または不織布自体が材破することで発泡シートを傷つけることなく床仕上げ材を剥離することができる。
本実施形態にて用いられる不織布は、厚みが0.3〜1.0mmであり、かつ目付量が100〜250g/mであることを特徴とし、厚みおよび目付量が上記範囲のものであれば、特に限定なく使用することができる。厚みおよび目付量が上記範囲とすることにより、剥離における充分な材破厚みを確保でき、また、強度が高いため床仕上げ材の上をキャスターなどが走行するときの凹み跡などを極力低減することも可能である。なお、不織布の厚みが1.0mmを超えたり、目付量が250g/m2を超えたりすると非常にコスト高になってしまうために好ましくない。
使用できる不織布として、具体的には、例えば、ガラス繊維不織布、ポリエステル繊維不織布、アラミド不織布等が挙げられる。好ましくは、ガラス繊維不織布を用いると、低コストで強度性能が得られるという観点において利点がある。
不織布を積層する方法については特に限定はなく、通常用いられている方法によって積層することができる。具体的には,例えば、接着剤で張り合わせて積層する。または、不織布に塩ビペーストゾルを塗布した後に加熱し、ゲル化、発泡させて塩化ビニル発泡シートと不織布を一体化させることによって積層する。
このような本実施形態に係る遮音性緩衝シートは、遮音性および施工性に非常に優れており、また耐衝撃性にも優れているため、転倒した際の衝撃を低減することもできる。
さらに、本実施形態に係る緩衝シートは施工性に非常に優れており、床仕上げ材を剥離する際も簡易に剥がすことができるため、例えば、床仕上げ材を交換する際にも、緩衝シートはそのまま残して再利用することも可能である。
また、本実施形態に係る遮音性緩衝シートは、特に、ビニル系床材を用いる場合に併用することが好ましい。特に好ましくは塩化ビニル系床材である。本実施形態に係る緩衝シートは塩化ビニル発泡シートを有しているので、同じビニル系床仕上げ材と緩衝シートとの間に用いる接着剤の種類の特定も簡易であり、例えば、ビニル系床材用の接着剤であれば1種類使用するだけですむというメリットもある。
<施工方法>
次に、本実施形態における、遮音性緩衝シートを用いた床仕上げ材の施工方法について説明する。
本実施形態の施工方法は、床下地に本実施形態の遮音性緩衝シートを積層する工程、及び前記遮音性緩衝シートの上に、接着層を介して、床仕上げ材としてビニル系床材を積層する工程を含むことを特徴とする。
図1は、本実施形態の施工方法によって得られる、床下地+緩衝シート+床仕上げ材の積層構造を示す概略図である。
図1に示されるように、本実施形態の遮音性緩衝シート1は床下地6に通常は接着層5を介して積層される。遮音性緩衝シート1としては、上述したような本実施形態の緩衝シートを用いる。
この接着層5に用いられ得る接着剤は、JIS A 5536(床仕上げ用接着剤)に示される高分子系張り床材用の接着剤であれば特に限定なく用いることができる。具体的には、ゴム系ラテックス形接着剤、アクリル樹脂系エマルション形接着剤、ウレタン樹脂系接着剤等が挙げられる。
緩衝シート1が片面に不織布4を有する場合は、不織布4を有する面を上にして床下地6に積層することが好ましい。そうすることにより、容易に床仕上げ材2を剥離することが可能となり、床仕上げ材を交換する際にも遮音性緩衝シートを再利用することができる。
緩衝シート1を積層後、次いで、前記緩衝シート1の上に、塩化ビニル系発泡層を床仕上げ材2を積層する。
本実施形態において、床仕上げ材2は、ビニル系床材あれば特に限定なく使用することができるが、特に塩化ビニル系床材を使用することができる。例えば、クッションフロア、ビニル床シート、ビニル床タイル、置敷ビニル床タイル、タイルカーペットなど様々な床仕上げ材が挙げられ、その厚みも特に限定はされない。特に図1に示すように、発泡層3に不織布4および表層7を積層してなるクッションフロアが、仕上げ材としては好ましい。
床仕上げ材2に用いる不織布4は、緩衝シート1が有する不織布と同じものを使用することもできるし、別の種類の不織布を用いることもできる。
緩衝シート1と床仕上げ材2との間の接着層5として使用できる接着剤も高分子系張り床材用の接着剤であれば、特に限定なく使用することができるが、緩衝シート1と床下地6の接着層5として使用した接着剤と同一のものが施工状好ましい。
このような施工方法によれば、優れた遮音性および耐衝撃性を備えた床(床仕上げ材)を簡便に施工することができる。また、緩衝シートの再利用も可能となるため、非常に有用である。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
以下に示す方法により遮音性緩衝シートを製造した。
表1に示す発泡層の成分(表中の成分の数値はすべて重量部を示す)を用いて、3枚プロペラ羽根で1000rpm、5分間混合し、均一な塩化ビニルペーストを調整した。
ガラス繊維不織布(厚み0.4mm、目付量170g/m)上に上記の塩化ビニルペーストゾルをバーコーターを用い460μmの厚さで均一にコートした後、180℃/30秒間、ギヤーオーブンで加熱ゲル化を施した。さらに210℃のギヤーオーブンで150秒加熱させ、不織布が一体化した発泡倍率5.5倍前後の厚みが3.0mmの緩衝シートとした。
この緩衝シートを、不織布面を上にして、床下地(コンクリート製)上に、接着剤(ゴム系ラテックス形、「フクビメントL」(製品名)、フクビ化学工業株式会社製)を用いて積層(接着)した。
そして、前記緩衝シートの不織布側に、さらに、厚み1.8mmの塩化ビニルクッションフロア(「フクビリューム」(製品名)、フクビ化学工業株式会社製)を、接着剤(ゴム系ラテックス形、「フクビメントL」(製品名)、フクビ化学工業株式会社製)を用いて積層(接着)した。
こうして床の上に遮音性緩衝シートおよび床仕上げ材を積層した試料を製造した。
なお、本実施例で使用した各成分の詳細は以下の通りである。
・塩化ビニル樹脂: PMS−162(商品名)、カネカ社製
・可塑剤:DOP(フタル酸ジオクチル)、ジェイプラス社製
・発泡剤:ADCA(アゾジカルボンアミド)、永和化成製
・カルボン酸亜鉛:2−エチルヘキシル酸亜鉛塩、KF−711D(商品名)、堺化学工業製
・カルボン酸縮合物の部分エステル化合物:脂肪酸ポリグリコールエステル、BYK−P4100(商品名)、ビッグケミー・ジャパン社製
・充填剤:重質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム製
[実施例2]
不織布としてガラス繊維不織布(厚み0.8mm、目付量240g/m)を、床仕上げ材として厚み2.5mmの塩化ビニル系タイル(「ジョイウッド」(製品名)、フクビ化学工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、試料を製造した。
[実施例3]
不織布としてガラス繊維不織布(厚み0.4mm、目付量120g/m)を用いた以外は、実施例1と同様にして試料を製造した。
[実施例4]
不織布としてポリエステル繊維不織布(厚み0.4mm、目付量170g/m)を用いた以外は、実施例1と同様にして試料を製造した。
[比較例1]
不織布を用いずに離型紙を使用して発泡体を作成した以外は、実施例1と同様にして試料を製造した。
[比較例2]
不織布としてガラス繊維不織布(厚み0.25mm、目付量50g/m)を用いた以外は、実施例1と同様にして試料を製造した。
(評価)
上述のようにして得られた試料(実施例1〜4および比較例1〜2)について、以下の評価試験を行った。
(遮音性)
JIS A1418に準拠して行った。実験住宅の150mmスラブ相当躯体を利用して、2Fを音源、1Fを受音室として、軽量床衝撃音遮断性能試験を実施した。
(剥離性)
試験体(500mm×500mm)を歩行頻度が高い場所に置き、2週間経過後仕上げ材を剥がした。そして、剥離面の状態を観察し、以下の評価を行った。
○ 再利用可能なレベル
× 不織布上に接着剤が残っているか、若しくは発泡層が材料破壊している。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 0005654522
[考察]
表1からわかるように、本発明の遮音性緩衝シートをアンダーレイとして用いた試料では、遮音性はいずれもL−50という優れたレベルであった。また、剥離性についても、いずれも再利用可能なレベルであった。
これに対し、比較例1および2では、遮音性は維持していたものの、剥離性に劣っており、緩衝シートの再利用はできない状態であった。
以上より、本発明の遮音性緩衝シートは遮音性および剥離性(施工性)のいずれにおいても優れていることがわかった。
1 緩衝シート
2 床仕上げ材
3 発泡層
4 不織布
5 接着層
6 床下地
7 表層

Claims (4)

  1. 床下地と床仕上げ材との間に積層される遮音性緩衝シートであって、
    塩化ビニル樹脂、可塑剤及び化学発泡剤、並びにカルボン酸亜鉛塩及びカルボン酸縮合物の部分エステル化合物のうち少なくとも1つを含有する塩化ビニル発泡シートの、床仕上げ材との接着面となる側に、厚みが0.3〜1.0mmであり、かつ目付量が100〜250g/mである不織布を積層してなる、遮音性緩衝シート。
  2. 請求項1に記載の遮音性緩衝シートを用いた床仕上げ材の施工方法であって、
    床下地に前記遮音性緩衝シートを積層する工程、及び
    前記遮音性緩衝シートの上に、接着層を介して、塩化ビニル系発泡層を含む床仕上げ材を積層する工程を含む、床仕上げ材の施工方法。
  3. 前記遮音性緩衝シートは、不織布面を上にして積層する、請求項記載の床仕上げ材の施工方法。
  4. 前記接着層としてゴム系ラテックス形接着剤、アクリル樹脂系エマルション形接着剤、ウレタン樹脂系接着剤を用いる、請求項に記載の施工方法。
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