(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の図1の右端部には、鍵穴27が設けられ、この鍵穴27にキーを差し込み、左右の内、一方に回すとガラス枠16が開放し、他方に回すとパチンコ機10の左側端部が軸支された内枠(図示せず)が開放する。
一体皿24には、上皿部28と、下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁壁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられ、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球PBを下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球PBを外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
上皿部28の周縁壁部32における図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット(発射ハンドル)26が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が取り付けられている。
一体皿24における下皿部30の図1の右側には受け皿スピーカ60Uが配置されている。
ここで、一体皿24における上皿部28の周縁壁部32には、遊技者が操作可能な操作ボタン50が設けられている。この操作ボタン50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
ガラス枠16におけるガラス板14の周囲には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅するアーチ状の照明による視覚的効果や、音声等のスピーカによる聴覚的効果等の演出効果を生み出す上部演出部52が配置されている。この上部演出部52の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下部演出部54の上端部と連結するように配置されている。
この結果、上部演出部52と下部演出部54とで、遊技盤18の周囲を取り囲むように、遊技機枠演出部56が形成されている。
この遊技機枠演出部56は、上部演出部52及び下部演出部54共に、照明部材(LED等)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように、所定の意匠で形成されたレンズカバー58が取り付けられている。
レンズカバー58は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域(以下、必要に応じて「レンズ部58」という)毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。
また、前記上部演出部52における、ガラス枠16の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に、音声を出力する。
なお、以下では、前述した受け皿スピーカ60Uと、このガラス枠スピーカ60C、60L、60Rを総称して、「スピーカ60」という。
(エラー報知機能)
さらに、ガラス枠16の上部2箇所の角部には、エラーランプとして機能する細長状の共用表示部62が設けられている。この共用表示部62は、視覚効果として演出に使われる場合もあるが、基本的には、遊技中に発生した遊技者の不正行為など遊技機の外部要因にからむエラーの内容を色の変化で報知するエラー報知用表示部とされ、エラー発生時には演出を中断してエラー状態を報知する。
遊技中に発生したエラーとは、遊技盤18面近傍で磁力を検出した場合、遊技盤18に振動が起きた場合、ガラス枠16等が開放した場合、遊技中の遊技球PBの不正な入賞があった場合等が挙げられる。
遊技盤18面近傍の磁力は、予め遊技盤18に取り付けられた磁気センサ64(図2参照)によって検出する。また、遊技盤18の振動は、予め遊技盤18に取り付けられた振動センサ66(図2参照)によって検出する。
ガラス枠16等の開放は、予め取り付けられた開放検出センサ68によって検出する。
遊技球PBの不正入賞は、遊技の進行状態と、各入賞口等の近傍に設けられて遊技球PBの入賞や通過を検出する入賞センサ(詳細後述)からの信号に基づいて主制御部等で判断する。このようなエラーは、パチンコ機10の外部からの行為によってもたらされるため、以下、当該エラーの発生元を「外部からの行為」という。
磁気センサ64及び振動センサ66は、遊技盤18において、重要部位の近傍に取り付けられるようになっており、本実施の形態では、少なくとも、図2に示される如く、後述する特図A始動入賞口108A(第一の特別図柄始動入賞口)の裏面側に取り付けられている。なお、磁気センサ64は、この特図A始動入賞口108Aの近傍のみである必要はなく、その他、特図B始動入賞口108B(第二の特別図柄始動入賞口)やアタッカー110等に取り付けてもよいし、遊技盤18の領域内で複数個配置するようにしてもよい(例えば、図2の鎖線円で囲んだ領域)。また、磁気センサ64においては、遊技盤18に適用されるモータやソレノイドの磁力の影響を受けない位置とする必要がある。
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状化粧材であるセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっており、盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置(図示省略)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが釘や役物等により弾かれながら自重落下により移動可能な遊技領域19を構成している。
遊技盤18のほぼ中央には、センター役物105が配置されている。センター役物105は、大きく分類して、当該センター役物105内に流入した遊技球PBを案内する案内流路筐体111と、センター役物105の中央部の空間で立体的な動作を行い、かつLEDで構成された表示盤106を備えた可動体役物113と、を備えている。
案内流路筐体111では、センター役物105の上部に設けられた羽根部材250が羽根部材ソレノイド385(図9参照)の駆動で開放したときに、この羽根部材250の開放によってできた開口から流入する遊技球PBをセンター役物105の図2に向かって左端を通過させ、案内流路筐体111の下部に配置された振分回転盤252まで案内する。
「案内流路筐体111の詳細構造」
図3〜図5に示される如く、案内流路筐体111は、透過性を有するベース部材とカバー部材とにより、内部に遊技球PBが流動する流路空間を形成した構造となっており、センター役物105の下部に主要部300が配置されている。主要部300は、所謂鍵穴形状(上部が円形で、下部が矩形)とされ、上部に形成された外形が円形の振分領域302に前記振分回転盤252が配置されている。すなわち、振分回転盤252は、その回転軸方向から見た表面が、着座して遊技を行っている遊技者に対面することになる。
本発明では、この振分回転盤252の遊技者に対する「対面」の定義として、遊技盤面を基準(0°)としたとき、前記回転軸の方向が、遊技盤面に対して垂直(90°)を基準とし、少なくとも、この回転軸の基準から仰角が45°以下の範囲のときとする。
この仰角45°が、振分回転盤252の表面が見える範囲の中間角度であるからである。なお、この定義は、前記回転軸の方向が垂直で、かつ遊技者の目の高さが同じレベルであることを前提としているため、振分回転盤252の設置高さによっては、遊技者の目の高さによって許容範囲を持たせるようにしてもよい。
また、主要部300の振分領域302の周面には、この振分領域302に向かって10時〜11時の方向からアーム部304の基部が整流部306を介して連結されている。アーム部304の内方空間と、前記主要部300の内方空間とは前記整流部306を介することで連通されている。
アーム部304は、センター役物105の中央(前記表示盤106の配置位置)の左側を円弧状に延長され、センター役物105の上部へ延設されている。
このアーム部304の延設先端部開口には、前記羽根部材250が取り付けられている。従って、羽根部材250が開放すると、遊技盤18面上の遊技球PBが、アーム部304の開口から流入可能となる。流入した遊技球PBは開口近傍に配設された流入センサ268(図9参照)によって検出されるようになっている。
羽根部材の開放によってアーム部304内に流入した遊技球PBは、アーム部304の内方空間を流動し、整流部306へと至るようになっている。整流部306は、例えば、連続して流入した遊技球PBを1列に整列させ、所謂球噛み等をおこすことを防止しながら、1球ずつ主要部300へ送り出す機能を有しており、具体的には、アーム部304の出口から主要部300の入口までの流路が三次元のクランク状に形成され、遊技球PBの流下速度を減速させると共に、遊技球間に間隔を持たせることで、球噛み等による球詰まりを防止している。
主要部300における振分領域302に配置された振分回転盤252は円盤形状をなし、一定の速度で図4の時計回り方向に回転するように制御されている(詳細後述)。
振分回転盤252の周縁には、遊技球PBを収容可能な9個の収容溝253(総称)が略均等に設けられている。9個の収容溝253は、溝の形状の違いにより、6個の残念溝253Zと、3個のチャンス溝253Cとに分類されている。残念溝253Zは正面視で左右対称の略U字型の内周面とされている。一方、チャンス溝253Cは正面視で前記残念溝253Zに対して斜めに傾斜した略U字型の内周面とされている。この傾斜により、チャンス溝353Cの開口が横向き(90°)になったとき、収容した遊技球PBが排出されず、保持されることになる。
この形状の相違は、それぞれの収容溝253に収容されて、振分回転盤252が図4の時計回り方向に回転して、3時の方向に至ったときに、収容溝253から脱落(排出)されるか否かである。
すなわち、振分回転盤252を収容している主要部300の振分領域302は隔壁部308によって振分回転盤252を配設する領域とに仕切られている。ここで、この領域は、前記3時の方向から主要部300の下部に形成された外形が矩形状の当たり/外れ領域310にかけて隔壁が二重構造とされている(内隔壁部308INと外隔壁部308OUT)。実際に振分回転盤252を配置する円形の領域は、内隔壁部308INが担っており、この内隔壁部308INと外隔壁部308OUTとの間には遊技球PBの流路312が形成されている。ここで、振分回転盤252の配設領域を形成する隔壁部308(一部は、内隔壁部308INが担当)には、前述した3時の方向と6時の方向に収容溝253に収容した遊技球PBを排出する排出部314、316が形成されている。
このため、残念溝253Zに収容された遊技球PBは、その収容溝(残念溝253Z)が振分回転盤252の回転で3時の方向に到達すると、残念溝253Zから排出され、排出部(第二排出部)314を通って、内隔壁部308INと外隔壁部308OUTとの間の流路312を流動し、当たり/外れ領域310へ至るようになっている(図4(B)参照)。
一方、チャンス溝253Cに収容された遊技球PBは、その収容溝(チャンス溝253C)が振分回転盤252の回転で3時の方向に到達しても収容溝の形状により収容状態が維持される。その後、6時の方向に到達すると、自重により排出部(第一排出部)316を通って、当たり/外れ領域310へ至るようになっている(図4(A)参照)。
また、各排出部の位置関係は、排出部314が排出部316よりも先に到達するように設定されている。すなわち、振分回転盤252は一定方向に回転するよう制御されており、隔壁部308の回転方向の上流側に排出部314を、その下流側に排出部316を設けている。なお、構造的でなくても振分回転盤252の回転方向を一定方向ではなく方向が可変するように制御することにより、最初に排出部314に到達するように制御することも可能である。
主要部300の当たり/外れ領域310は、前記振分領域302の外隔壁部308OUTから延長される隔壁部318によって周囲が囲まれており、当該隔壁部318の底面は、相対的に中央部が大径、両端部が相対的に小径の3連の円弧形状とされている。
両端部の円弧形状の隔壁部318に沿って、当たり/外れ領域310内には一対の外れ領域320が設けられている。
また、中央部の円弧形状の隔壁部318に沿って、当たり/外れ領域310内には特定領域案内部322が配設されてる。特定領域案内部322は、円柱形状を仮想の基本形とした場合に、その外周は、回転中心を通る水平線よりも下部の1/2の部分(前記円弧形状の隔壁部318に沿う部分を含む)が円弧面322Aとされている。さらに、その円弧面322Aの両端部から頂点に向けて直線的(弦)にカット面322Bが形成され、かつ当該頂点には中心に向かって特定領域案内溝322Cが形成されている。
特定領域案内部322は回転軸322Dを中心に左右に所定角度振り子の如く、往復回転するように制御されている。このため、前記特定領域案内溝322Cが、前記6時の方向に形成された排出部316に対向する位置(12時の位置)を中心として、左右に降られることになる。
このような動作の中、前記振分回転盤252のチャンス溝253C等に収容された遊技球PBは、排出部316から排出されるとき、前記特定領域案内溝322Cが12時の位置(及び±公差)にあると、遊技球PBは特定領域案内溝322Cに収容される(図5(A)参照)。
特定領域案内溝322Cは、特定領域案内部322の往復回転によりその位置が変化するが、当該変化する位置の範囲内の一部において、特定領域(Vゾーン)324と対峙する位置が存在する。このため、特定領域案内溝322Cに収容された遊技球PBは、確実に特定領域324へ至る(図5(B)参照)。特定領域に入賞することで遊技者に有利な遊技状態になるが、これに関する詳細については、後述する。なお、特定領域324には、特定領域324への入賞を検出する特定領域入賞センサ(図9参照)が取り付けられている。
また、特定領域案内溝322Cが12時の位置(及び±公差)以外にあると、排出部316から排出された遊技球PBは、前記カット面322Bに案内されて、外れ領域320に至る(外れ確定、図4(D)参照)。外れ領域320には、外れ領域320に到達したことを検出する外れセンサ272(図9参照)が取り付けられている。
このように、振分回転盤252の収容溝253への収容状態で、特定領域324への入賞が左右される構成である。
しかし、本実施の形態では、救済措置として、残念溝253Zに収容された遊技球PBであっても特定領域324へ入賞する可能性を復活させる機能を備えている。この機能により、振分回転盤252の収容溝253への収容状態で以後の遊技進行状態が判明してしまうという単純な遊技仕様から脱却している。
本実施の形態では、前記内隔壁部308INの3時の方向に設けられた排出口314に、排出制限部材である切替弁326を設けている。
切替弁326は、前記排出部314(の一部)を閉塞して排出を阻止する位置(第1の位置)と、排出部314からの排出を許容する位置(第2の位置)との間を往復移動するように制御されている。
このため、切替弁326が第1の位置にあるとき、遊技球PBが収容されている残念溝253Zが3時の方向に到達しても、排出部314が閉塞されているため、遊技球PBは残念溝253Zから排出されず、そのまま維持される。結果として、残念溝253Zに収容されている遊技球PBは振分回転盤252の回転により6時の方向の排出口316から排出されることになり、前記チャンス溝253Cに収容された遊技球PBと同等の扱いとなる(図4(C)参照)。
すなわち、遊技球PBが振分回転盤252の収容溝253への収容される段階で振分抽選(残念溝かチャンス溝に収容される第一振分抽選)が行われ、さらに、遊技球PBが収容溝(残念溝)に収容され、排出口314に到達した段階で振分抽選(残念溝であっても切替弁の位置により収容されたままか排出口314から排出されるかによる第二振分抽選)との2段階での振分を行っているので、特定領域への入賞に対する期待感を早い段階で損なわないようにしているのである。
図6は、振分回転盤252、特定領域案内部322及び切替弁326の駆動系が組み込まれた駆動ユニット328を示している。
振分回転盤252、特定領域案内部322及び切替弁326のそれぞれの回転軸は、平板が適宜屈曲されて形成されたユニットベース330に軸支されている。
振分回転盤252の回転軸252Jには、歯車332が取り付けられ、中間歯車334を介して振分回転盤モータ336の回転軸に取り付けられた歯車338と噛み合っている。振分回転盤モータ336は、振分回転盤252、特定領域案内部322、切替弁326と共にユニットベース330の前側に取り付けられ、回転軸のみがユニットベース330を貫通し、前記歯車338が取り付けられている。このため、振分回転盤モータ336が前記歯車338、中間歯車334、歯車332と干渉することはない。
特定領域案内部322の回転軸322Dには、パルスエンコーダの一部を構成するスリット板340と歯車342とが同軸的に取り付けられている。スリット板340は、周縁に沿って一定間隔で貫通孔が全周に亘り設けられている。
歯車342は、中間歯車344を介して特定領域案内部モータ346の回転軸に取り付けられた歯車348と噛み合っている。
特定領域案内部モータ346は、前述の如くユニットベース330の前側に取り付けられ、回転軸のみがユニットベース330を貫通し、前記歯車348が取り付けられている。このため、特定領域案内部モータ346が前記歯車348、中間歯車344、歯車342と干渉することはない。
ユニットベース330の下方には、スリット板340と共にパルスエンコーダを構成する回転角度検出用光電変換センサ350が取り付けられている。回転角度検出用光電変換センサ350は、所定の隙間を持って互いに平行な発光部と受光部とが設けられ、この発光部と受光部の間に前記スリット板340の周縁の一部が介在されるようになっている。これにより、発光部と受光部との間がスリット板340で遮られたり、貫通孔によって透過することで、回転角度検出用光電変換センサ350からは、スリット板340の回転に基づくパルス信号が出力される。
本実施の形態では、この回転角度検出用光電変換センサ350からの出力信号(パルス信号)に基づいて、特定領域案内部322の回転角度を制御している。
切替弁326は、回転軸352が図示しない固定ベース(ユニットベース330の延長部でもよい)に軸支されると共に、この回転軸352と平行に動作ピン354が後方に突出されている。動作ピン354は、側面視(図6(D)参照)で略L字型の連結アーム356の先端キャッチ部356Cと連結されている。
連結アーム356は、図6(D)に示される如く、直角に屈曲した部分に回転軸が取り付けられ、ユニットベース330に軸支されている。連結アーム356の基部は、切替弁ソレノイド358のプランジャ358Pに連結されている。このため、切替弁ソレノイド358の通電、非通電によるプランジャ358Pの伸縮に応じて、連結アーム356が回転軸を中心に回動し、これに伴って、切替弁326が回転軸352を中心に所定角度の範囲で回転する。この所定角度の両端が、前述した第1の位置及び第2の位置に相当する。
「表示盤106及び可動体役物113の構造」
図2に示される如く、前記センター役物105における中央部、すなわち、案内流路筐体111の主要部300の上方、かつアーム部304の右方の空間には、表示盤106及び可動体役物113が配置されている。この空間は、平面的ではなく、奥行方向、さらには前記案内流路筐体111の後方にも存在する三次元空間となっている。
図7に示される如く、表示盤106は、可動体役物113の一部を構成する可動パネル360の上部に取り付けられている。ここで、本実施の形態では、可動体役物113が「蛸」をイメージして創作されており、前記可動体パネル360の下部には、当該「蛸」の頭と足の一部の成形部材(可動体役物113)が取り付けられ、外観的には、蛸の足で表示盤106を支えているように見せている。可動体役物113は、立体的ではあるが、図7(C)に示される如く、遊技者に対面する前面側半分のみ創作されており、背面が可動体パネル360に密着可能な平面となっている。
また、可動体役物113は、内部が空間となっており、点光源が設けられている。この点光源は、可動体役物113が所定の位置(後述する可動範囲の特定の位置)に来たときに、前記遊技盤18のほぼ中心位置となり、遊技盤18には、この中心位置から放射状に延設された帯状光源(図示省略)が設けられている。ここで、演出の一部として、点光源が発光し、この発光に同期して、帯状光源が閃光の如く、光が中心から放射されるようになっている。
可動体パネル360は、支持軸362を介してバランサ364に支持されている。バランサ364のさらに裏面側には、可動ベース366から突出し、薄板状の取付ベース368の上部を貫通した回転軸366Aが取り付けられている。
可動ベース366は扇型に形成され、その円弧部には歯部366Bが形成されている。
一方、前記取付ベース368の下部の前側には、可動体モータ370が取り付けられている。可動体モータ370の回転軸は、前記可動ベース366が配置される取付ベース368の裏面側へ貫通し、歯車373が取り付けられている。この歯車373と前記可動ベース366の歯部366Bとが噛み合っている。
ここで、可動体モータ370が回転すると、可動ベース366が扇形状の中心、すなわち回転軸366Aを中心に回転し、可動体パネル360を水平状態から左右に傾倒させる。
ここで、可動ベース366の扇の中心から上部には、位置検出片366Cが突出されている。
また、前記取付ベース368の最上部には、傾倒位置検出用光電変換センサ372が取り付けられている。傾倒位置検出用光電変換センサ372は、所定の隙間を持って互いに平行な発光部と受光部とが設けられている。
前記位置検出片366Cは、先端部が可動体パネル360方向に略直角に屈曲しており、この屈曲部が、傾倒位置検出用光電変換センサ372の発光部と受光部との間を移動軌跡の一部としている。ここで、可動体パネル360が水平状態のとき、前記位置検出片366Cの屈曲部は発光部と受光部との間に位置するようになっており、傾倒位置検出用光電変換センサ372からは、可動体パネル360の水平状態のときのみ、異なる信号が出力されるようになっている。
この可動体パネル360の水平状態を基準として、予め左右の傾倒角度に至るまで、可動体モータ370がどの程度駆動すればよいか(駆動時間)を示す対応テーブルを設ける、或いは、計算式を記憶しておけば、所望の傾倒角度で可動体パネル360を傾倒制御することができる。図8は、例えば、可動体パネル360が向かって右に傾倒した場合を示している。
図7に示される如く、前記取付ベース368は、固定ブラケット374に対して上下方向に動作可能に支持されている。
固定ブラケット374は、正面(図7(B)参照)において、正面となる面を主面として、四方の辺からは、略直角に屈曲された壁面が形成されている。
主面に対する上下の壁面間には、一対の案内棒376が掛け渡されている。この案内棒376には、前記取付ベース368から固定ブラケット374方向に突出するように形成された被支持部が摺動可能に支持されている。このため、取付ベース368は、一対の案内棒376の範囲で上下方向に移動可能となる。
また、取付ベース368には、固定ブラケット374に対面する側にラック部(歯部)368Aが形成され、このラック部368Aと対向する固定ブラケット374には貫通孔374Aが形成されている。
固定ブラケット374の正面に向かって左側面には、取付ベースモータ378が取り付られ、その回転軸には、歯車380が取り付けられている。歯車380は、前記側面に軸支された2段歯車382の大径側と噛み合っている。この2段歯車382の小径側には、前記側面に軸支された中間歯車384と噛み合い、この中間歯車384が前記固定ブラケット374の貫通孔374Aを介して、前記ラック部368Aと噛み合っている。
これにより、取付ベースモータ378が駆動すると、歯車380、2段歯車382、中間歯車384、ラック368Aによる減速比に基づき、取付ベース368を上下方向へ移動させることができる。
前記可動体パネル360に取り付けられた表示盤106は、複数のLED素子がマトリクス状に配列されて構成され、LCDとは異なる、独特の演出表示がなされるようになっている。本実施の形態では、表示盤106に表示面は、縦8ドット×横24ドット(=192ドット)で構成されている(図31〜図32、図36〜図37参照、以下、総称する場合「図31等」という)。なお、この図31等では、それぞれのLED素子(ドット)を丸印で示す。
それぞれのドットは、個別に、赤点灯(図31等では白色表示)、橙点灯(図31等では右上がり斜線表示)、緑点灯(図31等では点描表示)、消灯(図31等では黒色表示)に制御可能とされ、図柄制御部156(演出制御部152でもよい)からの演出指示に基づき、点灯制御される。
例えば、ドットの点灯制御による基本的な演出は、横方向に3個の数字が表示され、それぞれ、縦方向に連続した数字が存在するかのようにスクロールする縦スクロール図柄変動演出、表示盤106(可動体パネル360)が傾倒するときの前兆演出、リーチ状態(3個の数字の内、中央の数字を含み、左又は右の何れかの数字が同一の状態)で表示盤の傾倒方向によって、3個ずつ同一数字が並んでいることを前提とした横滑り図柄変動演出、振動(上下動)していることを表現する色変化を行う色変化演出等がある。
このような表示盤106による図柄変動演出等は、前記可動体役物113の傾倒や上下動と同期して実行されるようになっている。なお、表示盤106はLED素子による演出表示にかえて、LCDや有機EL等による演出表示を行うようにしてもよい。
図2に示される如く、前記遊技領域19におけるセンター役物105に向かって左側には、前述した釘や風車に混じって特図A始動入賞口108A(第一の特別図柄始動入賞口)が設けられている。
また、前記遊技領域19におけるセンター役物105に向かって右側には、通過ゲート(スルーチャッカー)107が設けられている。前記通過ゲート107を遊技球PBが通過すると、普通電動役物の開閉を抽選するための普通図柄(普図)抽選が実行される。
前記遊技領域19における前記通過ゲート107の下方には、特図B始動入賞口108B(第二の特別図柄始動入賞口)が設けられている。
特図A始動入賞口108Aは、所謂入賞役物装置であり、落下してくる遊技球PBを受け入れる入賞開口部が上を向いて開いている固定式始動入賞口である。
特図B始動入賞口108Bは、入賞役物装置の一部であるが特図A始動入賞口108Aとは構造が異なっている。
すなわち、入賞開口が前(遊技者と対向する方向)を向いており、入賞可否を決める舌片109が遊技盤面から出没する構造となっている可動式始動入賞口である。この舌片109が突出位置にあるときのみ、入賞可能となっている。すなわち、この舌片109が突出したときは、上方から落下する遊技球PBを入賞口へ案内し(入賞)、舌片109が待避したときは上方から落下する遊技球PBを下方へ通過(スルー)させる(非入賞)。
以下、特図A始動入賞口108A及び特図B始動入賞口108Bを総称するときは「始動入賞口108」という。
なお、この始動入賞口108への遊技球PBの入賞が、特別図柄(特図)の抽選を行うためのトリガ(条件)となる。
ここで、特図B始動入賞口108Bにおいては、当該特図B始動入賞口108Bに入賞しても特別図柄(特図)の抽選に対する演出表示を実行することができない場合(例えば、特別図柄抽選に対する演出表示の実行中等)には、最大4個まで入賞を保留(特別図柄抽選に対する抽選結果を保留記憶)することが可能となっている。なお、保留記憶球数は所定の上限値まで可能であり、4個に限定されるものではない。
特図B始動入賞口108Bのさらに下部には、アタッカー110が設けられている。また、センター役物105の下方には、アウト口112が設けられている。
ここで、本実施の形態では、前記特別図柄抽選で当選した場合、センター役物105の羽根部材250が開放し、当該開放期間に遊技球PBがセンター役物105内に入り、前述の特定領域に入賞することを条件に、特別遊技状態(当り遊技)の処理が実行される。
(制御系の構成)
次に、図9を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図9に示されるように、本実施の形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150からは盤用外部端子190を介して遊技店に設置される管理コンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり情報信号、図柄確定回数信号)が送信される。
主制御部150には、通過ゲート107(図2参照)を通過する遊技球PBを検出する通過ゲートセンサ262、特図A始動入賞口108Aへの入賞球を検出する特図A始動口センサ264A(第一特別図柄始動口入賞センサ)、特図B始動入賞口108Bへの入賞球を検出する特図B始動口センサ264B(第二特別図柄始動口入賞センサ)、特別遊技状態の際に開放するアタッカー110への入賞球を検出する大入賞口センサ266が接続されると共に、アタッカー110の開閉板を開閉するためのアタッカーソレノイド387、舌片ソレノイド389が接続されている。
さらに、出力系として、センター役物105に設けられた案内流路筐体111に用いられる第1の駆動系(1)〜(4)が接続されている。
(第1の駆動系1) 振分回転盤252を回転させる振分回転盤モータ358
(第1の駆動系2) 特定領域案内部322を回転させる特定領域案内部モータ346
(第1の駆動系3) 羽根部材250を開閉させる羽根部材ソレノイド385
(第1の駆動系4) 切替弁326を動作させる切替ソレノイド386
また、主制御部150には、センター役物105内に設けられ、遊技球PBの通過等を検出したり、可動体役物113の動作位置を検出する検出センサ(1)〜(4)が接続されている。
(検出センサ1) 羽根部材250の開放時にセンター役物105内に流入する遊技球PBを検出する流入センサ268
(検出センサ2) 特定領域(Vゾーン)324に入賞した遊技球PBを検出する特定領域入賞センサ
(検出センサ3) 外れ領域320を通過した遊技球PBを検出する外れセンサ272
(検出センサ4) 特定領域案内部322の回転位置を検出する回転角度検出用光電変換センサ350
さらに、遊技の進行に関わるものではないが、エラー検知システムに関する部材として、主制御部150には、遊技盤18面近傍の磁力を検出する磁気センサ64、遊技盤18における振動を検出する振動センサ66及びガラス枠16等の開放状態を検出する開放検出センサ68が接続されている。
演出制御部152には、図柄制御部156を介して可動体役物113の一部を構成する表示盤106が接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子126の点灯、消灯、及び点滅を制御し、さらに、スピーカ60を作動させて効果音等の音声出力を制御する。
この演出制御部152に制御される表示盤106にはドットマトリクスパターンの演出図柄映像が表示され、スピーカ60からはその演出表示に対応した効果音等の音声が出力される。これにより、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、演出図柄による演出を楽しむことができる。
また、演出制御部152には、入力系として操作ボタン50、可動体パネル360の傾倒位置を検出する傾倒位置検出用光電変換センサ372が接続されている。
さらに、出力系として、可動体役物113に用いられる第2の駆動系(1)〜(2)が接続されている。
(第2の駆動系1) 可動体パネル360を傾倒動作させる可動体モータ370
(第2の駆動系2) 取付ベース368を上下動作させる取付ベースモータ378
また、払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置40が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(図1参照)の操作により発射装置40を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して賞球又は貸球の払出しに関する情報である払出情報を遊技店に設置された管理コンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
パチンコ機10による遊技では、遊技者がグリップユニット26を操作すると、遊技球PBが一球ずつ発射装置によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域19に打ち込まれ、遊技釘や風車に当たり方向を変えながら遊技領域19内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域19の下端部に至った遊技球PBはアウト口からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが遊技領域19内に設けた入賞口に入賞したり、通過ゲートを通過すると、それぞれの遊技制御に基づく処理(例えば、抽選等)が実行されると共に、表示盤106への画像表示演出、スピーカ60を用いた音演出等が実行される。
ところで、本実施の形態では、電源が投入された後、センター役物105に設置された振分回転盤252、特定領域案内部322、切替弁326がそれぞれ、予め定められた動作パターンで動作を実行する。
図10は、振分回転盤252、特定領域案内部322、切替弁326における動作パターンのタイミングチャートである。
図10に示される如く、遊技球が始動入賞口に入賞して特別図柄が変動を開始し、特別図柄の変動が停止すると、その0.600秒後に羽根部材ソレノイド385が駆動して、羽根部材250を0.400秒開放する。なお、始動入賞口への入賞により抽出した乱数値により、2回開閉を決定した場合は、所定間隔後、2回目の開放動作が実行される(図10の想像線参照)。
ここで、遊技球PBがセンター役物105内に流入した場合(流入センサ268が遊技球PBを検出)、羽根部材ソレノイド385の通電立ち上がり時から0.900秒後には、切替弁ソレノイド386が駆動を開始する。切替弁ソレノイド386は、0.500秒間オン(第1の位置:排出阻止位置)した後、0.700秒間オフ(第2の位置:排出許容位置)し、その後、1.500秒オン、1.200秒オフを、特別図柄の抽選が有効となるまで、すなわち、外れ領域320の通過を検出する外れセンサ272が遊技球PBを検出するまで(又は、特定領域324の通過を検出する特定領域入賞センサ270が遊技球PBを検出するまで)繰り返すものである。
なお、遊技球PBがセンター役物105内に流入しない場合は、羽根部材ソレノイド385の通電立ち下がり時から1.500秒後に終了し、次の特別図柄の抽選が可能となる。
一方、振分回転盤252は、電源投入時に振分回転盤モータ358が駆動を開始し、以後、電源がオフされるまで時計回り(CW)の定速度回転を繰り返す。また、特定領域案内部322においても、電源投入時に特定領域案内部モータ346が駆動を開始し、以後、電源がオフされるまで、回転角度検出用光電変換センサ350からの信号に基づいて、時計回り(CW)及び反時計回り(CCW)の交互の回転を所定角度で繰り返す。すなわち、CW回転中、CCW回転中において、回転角度検出用光電変換センサ350は、特定領域案内溝が頂点に位置すると、パルス信号を出力するため、この信号の立ち上がりに基づいて、1.200秒間停止後、回転方向を切り替える動作を繰り返す。
(遊技仕様)
遊技盤18面に発射された遊技球PBが、遊技盤18面に向かって左側の特図A始動入賞口108Aに入賞すると、主制御部150において、特別図柄乱数・図柄変動パターン乱数を抽出する。
特図A始動入賞口108Aの入賞により小当たり当選(当選確率100%)となり抽出された乱数値をもとに、遊技盤18面中央に設けられたセンター役物105の羽根部材250が開放する。このとき、羽根部材250の開放時間は0.4秒間で一定であるが、開閉回数は抽出した特別図柄乱数値により1回開放または2回開放が選択・決定される。
また、抽出された特別図柄乱数・図柄変動パターン乱数の乱数値に応じたコマンドを主制御部150から演出制御部152へ送信する。演出制御部152は、受信したコマンドに対応する演出を実行可能に制御する。
なお、遊技盤18面の向かって右側に設けられた特図B始動入賞口108Bは、遊技状態が普通電動役物の開放延長機能作動中(時短中)ではないときは、普通図柄作動ゲート107を通過して当選しても、舌片109を作動させる舌片ソレノイド389は一瞬しか作動しないため、遊技球PBはほとんど入賞しないようになっている。
羽根部材250の開放時にセンター役物105に遊技球PBが流入すると、所定の案内路(透明)を経由して、振分回転盤252へ導かれる。
このとき、主制御部150では、流入センサ268で遊技球PBの入賞を検出し、入賞検出情報を演出制御部152へ送信する。演出制御部152では、先に受信したコマンドと入賞検出情報とに基づき、表示盤106における演出図柄の変動を開始させる。
電源投入時から一定速度で回転する振分回転盤252に到達した遊技球PBは、チャンス溝又は残念溝の何れかに収容され、残念溝に収容されれば、排出部(第二排出部)314から側路へ排出される。
一方、チャンス溝に収容されれば、下流側に設けられた回動する特定領域案内部322に導かれる。一方、残念溝に収容された場合でも、振分回転盤252に沿って備えられた切替片326が、所定のタイミングで可動することにより、チャンス溝に収容された遊技球と同様に特定領域案内部322へ導かれる(救済球)。
前記チャンス溝に収容され及び救済された球は、所定の確率(例えば、1/10.9)で特定領域案内部322の特定領域案内溝322Cに入り、特定領域324へ導かれ、特定領域324で入賞が検出されることにより、表示盤106にて変動表示している演出図柄は、停止した図柄列の停止態様が当選となる図柄の組合せの一部をなしている状態で、変動中の図柄列が停止している停止列の図柄態様と同じ態様で確定すれば当選(大当たり)となる状態であるリーチ状態(擬似大当たり抽選)に変更される。
すなわち、演出制御部152は、主制御部150から送信された特定領域324(特定入賞領域)への入賞検出信号受信により、表示盤106にて変動表示中の演出図柄を(強制的に)リーチ状態に表示切替(変更)するように制御する。言い換えれば、始動入賞時に抽出した変動パターン乱数の乱数値に基づいて選択した変動パターン情報を主制御部150から受信し、その情報を記憶(保持)し、特定領域324への入賞時に送信される入賞検出信号に基づいて実行する。選択した変動パターンの実行時間(変動時間)が経過すると、特別図柄抽選の結果を報知するものである。
前記側路へ排出された場合(外れセンサにて遊技球PBが検出)には、外れセンサからの検出信号に基づいて表示盤106にて変動表示中の演出図柄を外れ図柄(停止した演出図柄が全て異なる組合せ)で停止させ、特別図柄抽選の結果が外れであることを報知し、1回の遊技が終了する。
これを詳細に示すと、主制御部150では、特図A始動入賞口108Aへの遊技球PBの入賞時に変動パターン乱数に基づく変動パターン抽選を実行し、選択決定された内容(情報) を変動パターン(変動時間)コマンドとして演出制御部152へ送信する。
また、羽根部材250の開放時にセンター役物105内に流入する遊技球PBを検出する流入センサ268での検出や特定領域324での入賞検出、センター役物105内に流入した遊技球PBの排出を検出する排出(外れ)センサ272での検出により、これらの検出情報を演出制御部152に送信する。
演出制御部152では、夫々の遊技球検出ポイントからの検出状況をコマンドとして受信し、表示盤106にて実行する演出図柄の変動開始や演出図柄リーチ演出、その他音声やランプ、表示灯における予告演出を制御する。具体的には、流入センサ268からの検出情報により、表示盤106にて演出図柄での図柄変動演出である演出図柄のスクロール表示を開始するように制御する。このとき、ランプ・表示灯、音声等による予告演出の抽選もあわせて行うものである。特定領域324からの入賞検出情報を受信したときは、既に開始している演出図柄のスクロール表示を変動パターンコマンドに基づく大当たりの可能性を示すリーチ演出表示に切り替えて表示する。外れ(排出)センサ272からの検出情報の受信により、外れ報知態様となるようにして演出図柄を停止させる。
特に、流入センサ268で検出したときに実行する演出図柄の変動表示演出の開始と、特定領域324で入賞検出したときに実行する演出図柄のリーチ状態への発生とを連動させた一連の図柄変動表示演出(図柄変動→リーチ演出)とすることにより、通常遊技状態における遊技者への単調感を解消するものである。
なお、羽根部材250の開放時に、流入センサ268にて遊技球PBを複数個検出した場合には、最初に検出した遊技球に基づいて検出情報を出力するものであり、その後に検出された遊技球PBに関しては、演出制御の対象とはならず、賞球払出の対象として制御されるものである。
特図A始動入賞口108Aへの入賞に基づく特別図柄抽選(例えば、当選確率が1/18)の結果が当り(出球有)の場合で、かつ、特定領域324に入賞すると、遊技盤18面に向かって右下方に設けたアタッカー110が複数回開閉する(例えば、3ラウンド当たり:4回有利な状態で抽選される特別遊技処理のうちの1回目(第1セット))。
なお、当り(出球無)が決定され、かつ特定領域324に入賞した場合でも、遊技盤18面に向かって右下方に設けられたアタッカー110が開閉する(3ラウンドの小当たり(開放時間が当たりと比較して短い当たり))。なお、特別図柄の抽選によって当たりが決定された場合であっても、特定領域324に遊技球PBが入賞しない場合は、外れとなり、遊技盤18面の向かった右下方に設けたアタッカー110は開閉しないように制御される。
上記3ラウンド当たり(出球有)の特別遊技処理終了後には、主制御部150は遊技状態を開放延長制御(時短)状態に変更する(遊技者に有利な状態での抽選が可能)と共に、その状態変化を演出制御部152にもコマンドにて送信する。演出制御部152は遊技状態の変化に基づいて、遊技盤18面向かって右側の特図B始動入賞口108Bを狙うような報知を表示盤106にて実行する。
特図B始動入賞口108Bの上方には、舌片109を駆動させる契機となる普通図柄作動ゲート107を備えており、遊技球PBの普通図柄作動ゲート107の通過により一定の当選確率で舌片109を駆動させ、特図B始動入賞口108Bへの入賞を許容する。
開放延長機能(変動時間短縮状態)の作動により、普通図柄作動ゲート107の通過に伴う普通図柄の変動時間が短くなり、また舌片109の駆動時間が通常の駆動時間よりも長く駆動することにより、遊技球PBの特図B始動入賞口108Bへの入賞が容易になる。
特図B始動入賞口108Bの遊技球PBの入賞を検出すると、前記特図A始動入賞口108Aと同様に、主制御部150にて特別図柄乱数・図柄変動パターン乱数を抽出し、抽出された乱数値を基に、センター役物105の羽根部材250が開放する。このとき、羽根部材250の開放時間は前記特図A始動入賞口108Aに入賞した場合と異なり、1.6秒間で、開放回数は1回で一定である。また、抽出された乱数値に応じたコマンドの受信により演出制御部152は、このコマンドに対応する演出を実行可能に制御する。
前記特図B始動入賞口108Bは、前記特図A始動入賞口108Aの当選確率(例えば、1/18)とは異なり、その当選確率は、1/1に設定されている。
その後、特図A始動入賞口108Aと同様に、羽根部材250の開放時にセンター役物105に遊技球PBが流入すると、所定の案内路(透明)を経由して、振分回転盤252へ導かれる。
このとき、主制御部150では、流入センサ268で遊技球PBの入賞を検出し、入賞検出情報を演出制御部152へ送信する。演出制御部152では、先に受信したコマンドと入賞検出情報とに基づき、表示盤106における演出図柄の変動を開始させる。
電源投入時から一定速度で回転する振分回転盤252に到達した遊技球PBは、チャンス溝又は残念溝の何れかに収容され、残念溝に収容されれば、排出部(第二排出部)314から側路へ排出される。
一方、チャンス溝に収容されれば、下流側に設けられた回動する特定領域案内部322に導かれる。一方、残念溝に収容された場合でも、振分回転盤252に沿って備えられた切替弁326が、所定のタイミングで可動することにより、チャンス溝に収容された遊技球と同様に特定領域案内部322へ導かれる(救済球)。
前記チャンス溝に収容され及び救済された球は、所定の確率(例えば、1/10.9)で特定領域案内部322の特定領域案内溝322Cに入り、特定領域324へ導かれ、前記特図A始動入賞口108Aに入賞したときと同様の擬似大当たり抽選が実行される。
特定領域324に入賞すると、遊技盤18面に向かって右下方に設けたアタッカー110が複数回開閉する(例えば、15ラウンド当たり:4回有利な状態で抽選される特別遊技処理のうちの2回目(第1セット))。
以後、この状態が2回継続して発生(15ラウンド当たり:4回有利な状態で抽選される特別遊技処理のうちの3回目、4回目(第1セット))する。なお、4回目の大当たり(特別遊技処理)終了時は、主制御部150にて初回当たり時に設定され、大当り毎(特別遊技処理発生毎)にカウントする継続回数カウンタが所定値(4回)に達したと主制御部150にて判定されるため、遊技状態は開放延長機能(変動時間短縮状態)から通常遊技状態に変更となる。
つまり、4回目の大当たり後には開放延長機能(変動時間短縮状態)状態は発生しないように制御する。
なお、開放延長機能(変動時間短縮状態)は特図B始動入賞口108Bの入賞(特別図柄Bの変動)回数が100回に達するまで作動するが、継続回数内でも入賞(特別図柄Bの変動)回数が100回を超えた場合には、その時点で開放延長機能(変動時間短縮状態)は終了し、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
本実施の形態における遊技仕様では、特図B始動入賞口108Bには入賞に対する保留記憶機能を設けているため、1セット(4回有利な状態で抽選される特別遊技処理)が終了すると、保留記憶の消化に伴って羽根部材250が保留記憶に記憶されている数の開放を行うものである(1.6秒、1回開放)。
そのため、保留記憶内でセンター役物105内に遊技球PBの流入が容易に見込まれれ、特定領域案内部322の収容溝に収容され、特定領域324へ導かれやすくなる。
但し、通常遊技状態であるため、特図B始動入賞口108Bに対応する当選確率1/1であっても、特別図柄判定テーブルにもとづく振り分けにより、開放延長機能が付く当たり図柄を選択する確率が60%、開放延長機能が無い当たり図柄を選択する確率が40%となり、新たな開放延長機能の発生(セット遊技の継続)する確率を低くしている。開放延長機能が生起しない場合であっても、アタッカーが14回開閉する14ラウンド当たりが1回設定されている。いずれであっても、保留記憶機能によって、次の当たりへ移行可能となっている。
以下、上記遊技仕様を実現するための主制御部150における制御を図11〜図22、演出制御部152の制御を図23のフローチャートに従い説明する。
図11は、主制御部150における電源投入時に実行される制御ルーチンである。
ステップ500では、待避エリアを定めるためにスタックポインタに2300Hを設定し、ステップ502へ移行して、この遊技機において使用する割り込みモードを初期設定時に決定するために割込モードを設定し、ステップ504へ移行する。ステップ504では、RAMクリアスイッチが操作されたか否かの情報であるRAMクリアスイッチ情報を取得し、ステップ506で、周辺機器である演出制御部や払出制御部、図柄制御部の立ち上がりを一定時間待つためのウェイト処理を実行する。
次のステップ508では、電源断により保護されていたRAMの領域へのアクセスを可能にするためにCPU内蔵RAMへのアクセスを許可し、次いでステップ510へ移行して、割込コントローラの設定を実行して、ステップ512へ移行する。
ステップ512では、ステップ504で取得したRAMクリアスイッチ情報の判定を行い、RAMクリアスイッチ情報はオンか否かが判断される。
ステップ512で否定判定、すなわち操作されていないと判定された場合は、ステップ514へ移行して、電源断の発生情報は有効か否かを電源断発生時に設定されるバックアップ有効判定フラグに基づいて判断される。ステップ514で肯定判定、すなわちバックアップ有効判定フラグが有効と判定されると、ステップ516へ移行してチェックサムを算出し、ステップ518へ移行する。なお、ステップ512で肯定判定された場合は、ステップ520へ移行する。
前記ステップ518では、チェックサムは正常か否かが判断され、肯定判定、すなわち正常と判定された場合は、ステップ522へ移行して、電源断の発生情報を解除、すなわちバックアップ有効判定フラグをクリアして、ステップ524へ移行する、なお、ステップ518で否定判定、すなわちチェックサムの算出値が異常と判定された場合は、ステップ520へ移行する。
ステップ524では、電源復帰コマンドを周辺装置(演出制御部152等)に送信し、ステップ526へ移行して、払出制御部154への払出開始指示コマンドを準備して、ステップ528へ移行する。
ステップ528では、電源復帰時のCPU内蔵RAMを初期設定、すなわち電源断時に保存した情報以外をクリアして、ステップ530へ移行して、入賞球数と排出球数との整合を実行して電源復帰時に入賞球数と排出球数との不整合によるエラー報知をさせないように強制的に整合処理を行い、ステップ538へ移行する。
ここで、前記ステップ512で肯定判定(RAMクリアスイッチ操作有)、又はステップ514で否定判定(バックアップ有効判定フラグが無効)、又はステップ518で否定判定(チェックサムの算出値が異常)されて移行するステップ520では、CPU内蔵RAMの使用禁止領域以外をクリアし、ステップ532へ移行して払出制御部154への払出開始指示コマンドを準備し、ステップ534では電源投入時のCPU内蔵RAMを初期設定(すべての情報をクリア)し、さらに、ステップ536へ電源投入時のコマンドを周辺装置(演出制御部152等)に送信して、ステップ538へ移行する。ステップ538では、CTCを設定、すなわちタイマ割込の設定(本実施の形態では、4m/s)をして、ステップ540でステップ538にて設定したタイマ割込制御の割込許可を設定して、図12の遊技開始制御ルーチンへ移行する。
図12は、遊技開始制御ルーチンであり、ステップ550では、乱数(特別図柄乱数、変動パターン乱数、普通図柄乱数、普通図柄当たり乱数等)の更新が実行され、ステップ552へ移行して、主制御部に接続される各スイッチの入力ポートにおける現在の検出状況を把握するためにスイッチ読み込みを実行する。
ステップ554ではステップ552にて読み込んだスイッチ検出情報を保存し、ステップ556で払出路球切れ状態か否かが判断される。このステップ556で肯定判定、すなわち球切れ状態と判定された場合は、ステップ558へ移行して、払出路球切れ状態表示灯を点灯させるためのコマンドをセットし、ステップ562へ移行する。また、ステップ558で否定判定、すなわち球切れ状態ではないと判定された場合は、ステップ560へ移行して払出路球切れ状態表示灯を消灯させるためのコマンドをセットし、ステップ562へ移行する。
ステップ562では、満タン状態か否かが判断される。このステップ562で肯定判定、すなわち払出制御部154からの満タン検出信号を受信したと判定されると、ステップ564へ移行して満タン状態表示灯を点灯させるためのコマンドをセットし、ステップ568へ移行する。また、ステップ564で否定判定、すなわち上皿部28・下皿部30が満タン状態ではない(満タン検出信号を受信していない)と判定された場合は、ステップ566へ移行して満タン状態表示灯を消灯させるためのコマンドをセットし、ステップ568へ移行する。
ステップ568では、入賞信号の立ち上がり状況を監視、すなわち前回読み込んだ時のスイッチの検出状況と今回読み込んだ時のスイッチの検出状況とを比較して変化があったかどうかによって、入賞検知か否かが判断される。このステップ568で変化有りとして肯定判定されると、ステップ570へ移行して入賞検知情報を保存し、ステップ572へ移行する。また、ステップ568で否定判定された場合は、ステップ572へ移行する。
ステップ572では、入賞検知情報は「0」すなわち、無しか否かが判断される。ステップ572で否定判定された場合は、ステップ574へ移行して払出制御部156へ賞球数のコマンドを送信し、図13、図14の特別図柄遊技制御ルーチンへ移行する。また、ステップ572で肯定判定された場合は、入賞を検出していないので、次の図13、図14の特別図柄遊技制御ルーチンへ移行する。
図13、図14は、特別図柄遊技制御ルーチンであり、まず、図13のステップ580では特別図柄変動待ち状態、かつ特別図柄変動開始準備状態以外かを判定し、肯定判定された場合はステップ582へ移行する。また、ステップ580で否定判定された場合はステップ606へ移行する。
ステップ582では特図A始動入賞口108Aへの入賞か否かが判断され、遊技球PBの入賞を検出していない場合は否定判定され、ステップ584へ移行して特図B始動入賞口108Bへの入賞か否かが判断される。
前記ステップ582で肯定判定された場合、又はステップ584で肯定判定された場合、遊技球PBの入賞を検出した場合には、ステップ586へ移行して、特別図柄抽選に対する抽選結果である乱数値(特別図柄乱数、変動パターン乱数)を記憶し、ステップ588へ移行する。また、ステップ584で遊技球PBの入賞を検出していない場合は否定判定され、ステップ588へ移行する。
ステップ588では、現在が特別図柄変動中か否かが判断され、特別図柄の変動制御中でなければ否定判定され、ステップ590へ移行して、特別図柄の停止図柄表示時間中か否かが判断される。なお、ステップ588で肯定判定された場合は、図14のステップ608へ移行する。
前記ステップ590で否定判定、すなわち、特別図柄の停止図柄表示中ではないとされた場合は、ステップ592へ移行して特別図柄変動待ち状態か否かが判断される。なお、ステップ592で肯定判定された場合は、図14のステップ614へ移行する。
前記ステップ592で否定判定、すなわち、特別図柄変動待ち状態ではないとされた場合は、ステップ594へ移行して、1回開放又は2回開放かの判定を記憶した特別図柄乱数値に基づいて実行し、ステップ596へ移行する。なお、ステップ592で肯定判定された場合は、ステップ606へ移行する。
ステップ596では、ステップ594における判定の結果を演出制御部に通知して、羽根部材250の開放にともなう演出制御を実行するために、羽根部材250の開放回数を示す1回開放又は2回開放のコマンドを演出制御部152へ送信し、ステップ598へ移行して特別図柄の停止図柄を設定し、ステップ600へ移行する。
ステップ600では、特別図柄変動時間短縮機能作動中か否か、すなわち特図B始動入賞口108Bにおける変動時間短縮機能の作動状態(特別図柄Bの変動回数が100回に達するまで作動)が判断される。このステップ600で肯定判定、すなわち変動時間短縮機能作動中と判断されると、ステップ602へ移行して、特別図柄変動時間短縮機能作動時の特別図柄変動時間を設定し、ステップ606へ移行する。また、ステップ602で否定判定、すなわち変動時間短縮機能は作動していないと判断されると、ステップ604へ移行して、特別図柄変動時間短縮機能未作動時の特別図柄変動時間を設定し、ステップ606へ移行する。
ステップ606では、特別図柄の変動を開始するとともに、選択された変動パターンに設定された変動時間のカウントを開始し、図15〜図17の特別電動役物遊技制御ルーチンへ移行する。
図14のステップ608では設定された特別図柄の変動時間が経過したか否かが判断され、変動時間が経過して肯定判定されるとステップ610へ移行して変動を停止し、ステップ612へ移行する。
ステップ612では、特別図柄の停止図柄表示時間を設定してカウントを開始し、ステップ614へ移行して、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かが判断される。ステップ614で設定した停止図柄表示時間が経過して肯定判定されると、ステップ616へ移行して特別電動役物の作動を開始して、図15〜図17の特別電動役物遊技制御ルーチンへ移行する。なお、ステップ608で否定判定された場合、ステップ614で否定判定された場合は、図15〜図17の特別電動役物遊技制御ルーチンへ移行する。
図15〜図17は特別電動役物遊技制御ルーチンを示しており、本実施の形態では、特別電動役物として、羽根部材250(上大入賞口)とアタッカー110(下大入賞口)の開閉が対象となる。
ステップ650では、特別電動役物(羽根部材250)の連続作動回数が1回目か否かが判断され、1回目と判定されると肯定判定され、ステップ652へ移行して、条件装置及び役物連続作動装置が作動中、すなわち特別遊技状態中である大当たりフラグが設定されているか否かが判断される。なお、ステップ650で否定判定された場合は、図16のステップ706へ移行する。
前記ステップ652で否定判定されると、ステップ654へ移行して、遊技球PBの特定領域(Vゾーン324)通過を検出したか否かが判断される。なお、ステップ652で肯定判定されると、ステップ672へ移行する。
前記ステップ654で肯定判定されると、ステップ656へ移行して特別遊技状態への移行を決定するとともに表示盤106にて演出図柄の変動表示演出をリーチ表示演出に切替えるため、特定領域入賞(V入賞)コマンドを演出制御部152へ送信し、ステップ658へ移行する。なお、ステップ654で否定判定された場合は、ステップ672へ移行する。
ステップ658では、条件装置の作動を開始し、ステップ660で役物連続作動装置の作動を開始して、大当たりフラグを設定し、ステップ662へ移行する。
ステップ662では、回数切り作動状態、すなわち変動時間短縮機能の作動状態(変動回数が100回に達するまで作動)か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ664へ移行して、変動時間短縮機能の作動を停止するため作動回数カウンタをリセットし、ステップ666へ移行する。また、変動時間短縮機能作動中でなければ、ステップ662で否定判定され、ステップ666へ移行する。
ステップ666では、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止するため特別図柄変動時間短縮機能作動フラグをクリアし、次いで、ステップ668へ移行して、普通図柄の変動時間短縮機能の作動を停止するため普通図柄変動時間短縮機能作動フラグをクリアし、さらに、ステップ670へ移行して、普通電動役物(特図B始動入賞口108Bの舌片109)の突出延長機能の作動を停止するため普通電動役物開放延長機能作動フラグをクリアして、ステップ672へ移行する。
ステップ672では、上大入賞口が開放中(羽根部材250が開放中)か否かが判断される。羽根部材開放状態であれば、ステップ672で肯定判定され、ステップ674へ移行して、カウントスイッチを通過したか(流入センサ268により遊技球PBを検出したか)否かが判断される。なお、羽根部材が閉鎖状態であれば、ステップ672で否定判定され、図16のステップ684へ移行する。
前記ステップ674で肯定判定されると、ステップ676へ移行して、流入センサの遊技球PB検出にともなう演出制御(予告演出)や表示盤106における演出図柄の変動表示を実行するために、カウントスイッチ通過コマンド(流入センサによる検出(球通過)コマンド)を演出制御部152へ送信して、ステップ678へ移行する。なお、遊技球PBの検出がなければ、ステップ674で否定判定され、ステップ678へ移行する。
ステップ678では、上大入賞口最大入賞数入賞か(羽根部材250の開放時に最大入賞数分入賞したか(本実施の形態では1個))否かが判断される。最大入賞数分入賞していない場合には、ステップ678で否定判定され、ステップ680へ移行して、上大入賞口が開放したときに設定される上大入賞口開放時間が経過したか(羽根部材250の開放時間が経過したか(本実施の形態では0.4秒又は1.6秒))否かが判断される。開放時間が経過していない場合には、ステップ680で否定判定され、図18、図19の普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。
また、前記ステップ678で肯定判定、又はステップ680で肯定判定された場合は、ステップ682へ移行して、上大入賞口を閉鎖(羽根部材250を閉鎖)し、図18、図19の普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。
図16に示すステップ684では、上大入賞口の入賞球数(羽根部材250から流入した遊技球PBの数)と、センター役物105からの排出球数(外れセンサ272又は特定領域入賞センサ270にて検出した遊技球PBの数)とが一致するか判断され、一致する場合には、肯定判定され、ステップ686へ移行して、外れセンサ272の遊技球PB検出により表示盤106での演出図柄の変動表示を終了するため、排出球数一致コマンドをサブ制御部(演出制御部152及び払出制御部154)へ送信し、ステップ688へ移行する。なお、ステップ684で否定判定された場合は、普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。
前記ステップ688では、特別電動役物の作動を停止(羽根部材250を閉止)し、ステップ690へ移行して条件装置及び役物連続作動装置が作動中、すなわち特別遊技状態中である大当たりフラグが設定されているか否かが判断され、特別遊技状態中である場合には、肯定判定され、ステップ692へ移行して連続作動回数(ラウンド回数)を設定し、ステップ694へ移行して、特別遊技状態を作動させるためのデータを初期化して準備を行い、普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。
また、ステップ690で否定判定、すなわち特別遊技状態中ではない場合は、ステップ696へ移行して、回数切り機能作動終了(変動時間短縮機能状態における終了条件である変動回数が上限値(100回)に達した)か否かが判断され、上限値に達した場合には肯定判定されてステップ698へ移行して回数切り機能(変動時間短縮機能)の作動を停止し、ステップ700へ移行して特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止するため特別図柄変動時間短縮機能作動フラグをクリアし、さらに、ステップ702で普通図柄の変動時間短縮機能の作動を停止するため普通図柄変動時間短縮機能作動フラグをクリアし、次いで、ステップ704で普通電動役物の開放時間(舌片109の突出時間)延長機能の作動を停止するため普通電動役物開放延長機能作動フラグをクリアして、普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。また、上限値に達していない場合にはステップ696で否定判定され、普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。
次に、図16のステップ706では、特別電動役物作動中(アタッカー110が開放中)か否かが判断され、アタッカー110が開放中と判定された場合には、肯定判定され、ステップ708へ移行して、下大入賞口最大入賞数入賞か(アタッカー110への遊技球PBの入賞が最大数か(本実施の形態では10個))否かが判断される。最大入賞数分入賞していない場合には、ステップ708で否定判定され、ステップ710へ移行して、特別電動役物作動開始時に設定される特別電動役物作動時間が経過したか(アタッカー110の作動時間が経過したか(本実施の形態では30秒))否かが判断され、作動時間が経過した場合には、肯定判定され、ステップ712へ移行する。また、遊技球PBがアタッカー110に最大入賞数分入賞した場合には、前記ステップ708で肯定判定され、ステップ712へ移行する。ステップ712では、特別電動役物の作動を停止(アタッカー110を閉止)して、普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。また、アタッカー110の作動時間が経過していない場合には、ステップ710で否定判定されて、普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。
前記ステップ706で否定判定、すなわちアタッカー110が開放中ではない(閉止状態)と判定されると、ステップ714へ移行して、特別電動役物閉鎖時に設定される特別電動役物閉鎖時間が経過したか(アタッカー110が複数回開放する間に一時的に閉鎖されるインターバル時間が経過したか)否かが判断される。閉鎖時間が経過した場合には、ステップ714で肯定判定され、ステップ716へ移行して、特別電動役物の連続作動回数は、設定された連続作動回数か(アタッカー110の開閉回数が設定された連続作動回数(最終ラウンド)に達したか(本実施の形態では15ラウンド))否かが判断される。なお、特別電動役物閉鎖時間が経過していない場合には、ステップ714で否定判定され、普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。
前記ステップ716で否定判定されると、特別遊技状態は継続しているので、次のラウンドに移行するために、ステップ718へ移行して下大入賞口(アタッカー110)を再度開放し、普通図柄遊技制御ルーチンへ移行する。なお、アタッカー110が最終ラウンドに達したと判定されると、ステップ716で肯定判定され、図17のステップ720へ移行する。
図17のステップ720では、役物連続作動装置の作動を停止し、ステップ722へ移行して条件装置の作動を停止して設定された大当たりフラグをクリアし、ステップ724へ移行する。
ステップ724では、変動時間短縮機能作動時での条件装置の連続作動回数は予め設定された回数か否かが判断される。すなわち、特別遊技状態が発生する毎にカウントする継続回数カウンタが所定値(本実施の形態では4回)に達したかどうかを判定するものである。継続回数カウンタは、通常遊技状態における特図A始動入賞口108Aへの入賞に基づく特別図柄抽選の結果が当りとなったときに継続回数カウンタのカウント値をインクリメントし、その後の通常遊技状態から開放延長制御(時短)状態に変更され、遊技球PBの特図B始動入賞口108Bへの入賞に基づく特別図柄抽選を行って当りなったときにさらに継続回数カウンタのカウント値をインクリメントし開放延長制御(時短)状態を継続させる。その後、特図B始動入賞口108Bへの入賞に基づく特別図柄抽選にて当りとなるごとにカウント値をインクリメントされるものである。
つまり、本ステップは1セット(4回有利な状態で抽選される特別遊技処理)が終了したかどうかを判定するものである。
複数回有利な状態で抽選される特別遊技処理が所定回数実行されていないと判定されると、ステップ724で否定判定され、ステップ726へ移行して、特別図柄の変動時間短縮機能作動中の条件装置の作動か否かが判断される。すなわち、変動時間短縮機能作動中に特別遊技状態となったか、言い換えると1セット中における当たりかどうかを判定するものである。また、継続回数カウンタが所定値に達した場合(1セット終了)には、ステップ724で肯定判定され、普通図柄遊技制御ルーチンに移行する。
ステップ726で変動時間短縮機能作動中における特別遊技状態の発生ではないと判定された場合には、否定判定され、ステップ728へ移行して、変動時間短縮図柄での条件装置作動か、すなわち特別図柄乱数に基づく抽選の結果、変動時間短縮機能を作動させる特別図柄で当選したか否かが判断され、変動時間短縮機能を作動させる特別図柄で当選した場合には肯定判定され、ステップ730へ移行する。また、変動時間短縮機能作動中における特別遊技状態の発生と判定された場合には、ステップ726で肯定判定され、ステップ730へ移行する。なお、ステップ728で変動時間短縮機能を作動させる特別図柄での当選ではない場合には、否定判定され、普通図柄遊技制御ルーチンに移行する。
ステップ730では、回数切り機能(変動時間短縮機能)の作動を開始し、ステップ732へ移行して特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始するため特別図柄変動時間短縮機能作動フラグをセットし、ステップ734へ移行して普通図柄の変動時間短縮機能の作動を開始するため普通図柄変動時間短縮機能作動フラグをセットし、さらに、ステップ736へ移行して普通図柄の変動時間延長機能の作動を開始するため普通電動役物開放延長機能作動フラグをセットして、ステップ738へ移行して変動時間短縮機能作動状態であることを知らせるために時短開始コマンドをサブ制御部(演出制御部152、払出制御部154)へ送信し、普通図柄遊技制御ルーチンに移行する。
図18及び図19は、普通図柄遊技制御ルーチンを示している。
まず、図18のステップ750では、通過ゲート107を通過したか否かが判断され、遊技球PBの通過を検出した場合は肯定判定され、ステップ752へ移行して、普通図柄表示装置の作動保留球数は1以上か否かが判断される。作動保留球数が「0」すなわち無い場合には、ステップ752で否定判定され、ステップ754へ移行して普通図柄当たり乱数を記憶し、ステップ756へ移行する。なお、遊技球PBの通過を検出していない場合には前記ステップ750で否定判定され、又は作動保留球数が「1」以上である場合には、ステップ752で肯定判定され、ステップ756へ移行する。
ステップ756では、普通電動役物作動中(舌片109が突出中)か否かが判断され、作動中でない場合には否定判定され、ステップ758へ移行して普通図柄変動中か否かが判断される。なお、ステップ756で肯定判定、すなわち普通電動役物作動中と判定された場合は、図20の普通電動役物制御ルーチンへ移行する。
ステップ758で否定判定、すなわち普通図柄が変動中ではないと判定されると、ステップ760へ移行して普通図柄の停止図柄表示時間中か否かが判断される。なお、ステップ758で肯定判定、すなわち普通図柄が変動中であると判定された場合は、図19のステップ776へ移行する。
ステップ760で否定判定、すなわち普通図柄における停止図柄表示中ではないと判定されると、ステップ762へ移行して普通図柄表示装置の作動保留球数は0か否かが判断される。なお、ステップ760で肯定判定、すなわち普通図柄における停止図柄表示中と判定されると、図19のステップ782へ移行する。
ステップ762で否定判定、すなわち普通図柄表示装置の作動保留球数が「有り」と判定されると、ステップ764へ移行して普通図柄の当たり判定を記憶した普通図柄当たり乱数値に基づいて実行し、ステップ766へ移行する。なお、ステップ762で肯定判定、すなわち普通図柄表示装置の作動保留球数が「無し」と判定された場合は、普通電動役物制御ルーチンへ移行する。
ステップ766では、普通図柄乱数の乱数値に基づいて停止図柄の設定が実行され、ステップ768へ移行する。ステップ768では、普通図柄の変動時間短縮機能作動中か否かが判断され、肯定判定、すなわち変動時間短縮機能作動中と判断されると、ステップ770へ移行して、普通図柄の変動時間短縮機能作動時における普通図柄変動時間を設定し、ステップ774へ移行する。また、ステップ768で否定判定、すなわち変動時間短縮機能は作動していないと判断されると、ステップ772へ移行して、普通図柄の変動時間短縮機能未作動時(通常遊技状態時)の普通図柄変動時間を設定し、ステップ774へ移行する。ステップ774では、普通図柄の変動を開始するとともに、設定された変動時間のカウントを開始して、普通電動役物制御ルーチンへ移行する。
図19のステップ776では、設定された普通図柄の変動時間が経過したか否かが判断され、変動時間が経過して肯定判定されると、ステップ778へ移行して変動を停止し、ステップ780へ移行する。なお、ステップ776で否定判定された場合は、普通電動役物制御ルーチンへ移行する。
ステップ780では、普通図柄の停止図柄表示時間を設定してカウントを開始し、ステップ782へ移行して普通図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かが判断される。
停止図柄表示時間が経過し、ステップ782で肯定判定されると、ステップ784へ移行して、普通電動役物を作動(舌片109と突出)させることとなる図柄の組み合わせ(普通図柄抽選の当選)か否かが判断される。なお、停止図柄表示時間が経過していない場合、ステップ782で否定判定され、普通電動役物制御ルーチンへ移行する。
普通図柄抽選が当選した場合には、前記ステップ784で肯定判定され、ステップ786へ移行して普通電動役物の開放時間(舌片109の突出時間)延長機能が作動中か否かが判断される。開放時間延長機能が作動状態である場合には、肯定判定され、ステップ788へ移行して普通電動役物の開放時間延長機能作動時における普通電動役物作動時間(舌片109突出時間)を設定し、ステップ792へ移行する。
また、開放時間延長機能が未作動状態である場合には、ステップ786で否定判定され、ステップ790へ移行して、普通電動役物の開放時間延長機能が未作動時における普通電動役物作動時間(舌片109突出時間)を設定し、ステップ792へ移行する。
ステップ792では、普通電動役物の作動(舌片109の突出)を開始して、普通電動役物制御ルーチンへ移行する。なお、普通図柄抽選が非当選の場合には、ステップ784で否定判定され、普通電動役物制御ルーチンへ移行する。
図20は、普通電動役物遊技制御ルーチンであり、ステップ800では、普通電動役物が作動中(舌片109が突出中)か否かが判断され、作動中である場合には、肯定判定され、ステップ802へ移行して設定された普通電動役物の作動時間(舌片109の突出時間)が経過したか否か判断される。なお、普通電動役物が作動中でない場合には、ステップ800で否定判定され、図21のモータ動作制御ルーチンに移行する。
設定された作動時間が経過していない場合には、前記ステップ802で否定判定され、ステップ804へ移行して、普通電動役物(特図B始動入賞口108B)に遊技球がPBが最大入賞数入賞(検出)したか否かが判断され、遊技球がPBが最大入賞数入賞した場合には、肯定判定されて、ステップ806へ移行する。なお、設定された作動時間が経過した場合には、ステップ802で肯定判定され、ステップ806へ移行する。ステップ806では、普通電動役物の作動を停止し、モータ動作制御ルーチンに移行する。また、ステップ804で否定された場合は、モータ動作制御ルーチンに移行する。
図21は、モータ動作制御ルーチンであり、ステップ810では、センター役物105に設けられた振分回転盤252を一定速度で回転させ、ステップ812へ移行して特定領域案内部322を左右に往復回転させ、図12の遊技開始制御ルーチンへ移行する。
図22は、電源断発生時に実行される電源断発生時制御ルーチンであり、他の遊技仕様に基づく制御が実行されているときに、例えば、各ステップの間に時分割で処理されたり、各ルーチンの間で時分割で処理されたり、或いは、完全に独立したシーケンス制御により実行されるようになっている。
ステップ820では、電動役物に関する出力ポートを出力停止、すなわちソレノイド等の出力ポートに「0」を設定して閉止状態とし、ステップ822へ移行してチェックサムを算出し、その結果を主制御部のRAMにおけるチェックサム格納領域に保存して、ステップ824へ移行する。ステップ824では、電源断の発生情報であるバックアップ有効判定フラグを設定し、次いでステップ826へ移行して電源断等により保護されるRAMの領域へのアクセスを不可能にするためにCPU内蔵RAMへのアクセスを禁止し、ステップ828へ移行して、電源が遮断されるのを待つために一定時間のウェイト処理を実行する。
図23は、演出制御部152におけるコマンド受信制御ルーチンであり、ステップ850では、羽根部材250の開放回数が1回であることを示す1回開放のコマンドを受信したか否かが判断され、受信した場合には肯定判定され、ステップ852へ移行して、1回開放のコマンドに対応した演出を開始(例えば、羽根部材250の開放を表示器106にて報知する等)するように制御して、ステップ854へ移行する。受信していない場合にはステップ850で否定判定され、ステップ854へ移行する。
ステップ854では、羽根部材250の開放回数が2回であることを示す2回開放のコマンドを受信したか否かが判断され、受信した場合には肯定判定され、ステップ856へ移行して、2回開放のコマンドに対応した演出を開始(例えば、羽根部材250の開放を1回開放のコマンド受信とは異なる態様で表示器106にて報知する等)するように制御して、ステップ858へ移行する。受信していない場合にはステップ854で否定判定され、ステップ858へ移行する。
ステップ858では、センター役物105内に設けられた流入センサ268にて遊技球PBを検出したことを示すカウントスイッチ通過コマンドを受信したか否かが判断され、受信した場合には肯定判定され、ステップ860へ移行して、演出図柄(ドットパターン)による変動演出を開始するように制御(演出図柄のスクロール表示を開始)し、ステップ862へ移行する。受信していない場合にはステップ858で否定判定され、ステップ862へ移行する。
ステップ862では、特定領域324に遊技球PBが入賞したことを検出し、特別遊技状態への移行が決定されたことを示す特定領域入賞(V入賞)コマンドを受信したか否かが判断され、受信した場合には肯定判定され、ステップ864へ移行して、表示盤106にてスクロール表示を実行している演出図柄の変動表示演出をリーチ表示演出に切り替えるように制御し、ステップ866へ移行する。受信していない場合にはステップ862で否定判定され、ステップ866へ移行する。
ステップ866では、センター役物105への入賞検出球数(流入センサ268での検出遊技球数)と排出検出球数(外れセンサ272での検出遊技球数)とが一致したことを示す排出球数一致コマンドを受信したか否かが判断され、受信した場合には肯定判定され、ステップ868へ移行して、表示盤106にてスクロール表示を実行している演出図柄の変動演出を停止するように制御し、このルーチンは終了する。受信していない場合にはステップ866で否定判定され、このルーチンは終了する。なお、特定領域入賞コマンドと排出球数一致コマンドは夫々スクロール表示している演出図柄の演出制御を切り替えて変更させるものであるため、同時に受信することはないものである。
(演出制御部152における、表示盤106及び可動体役物113演出制御)
次に、上記遊技制御処理中に実行される表示盤106及び可動体役物113を用いた演出について、図24〜図39に基づき説明する。なお、一部、遊技制御処理と重複する部分を含む場合がある。
図24は、演出制御部152におけるタイマ割り込みルーチンであり、ステップ880では、可動体役物113の動作を制御するため、可動体モータ370や取付ベースモータ378におけるモータ出力処理を実行し、ステップ881では、可動体役物113が正常に動作されているかを把握するための動作状況を確認する位置検出センサ処理を実行し、ステップ882へ移行して、表示盤106にて実行される演出表示用データの設定・出力制御を行う電飾ポート出力処理を実行し、このルーチンは終了する。
次に、図25は、図24のステップ880に示したモータ出力処理の詳細を示す制御ルーチンである。
ステップ883では、後述するモータ制御データ指定処理によって設定されるモータの回転方向情報にもとづいて、モータの回転方向が正転か否かが判断される。
モータの回転方向が正転方向である場合にはステップ883で肯定判定され、ステップ884へ移行して方向(正転)指定情報をセットし、ステップ886へ移行する。また、モータの回転方向が正転方向でない場合にはステップ883で否定判定され、ステップ885へ移行して方向(逆転)指定情報をセットし、ステップ886へ移行する。
ステップ886では、回転速度(pps値)情報をセットし、ステップ887へ移行して、モータ用出力ポートからセットされた情報(回転方向・回転速度)を出力し、このルーチンは終了する。
図26は、図24のステップ882に示した位置検出センサ処理の詳細を示す制御ルーチンであり、モータ駆動にもとづく可動体役物113が正常に動作されているかを把握するための動作状況確認処理である。
ステップ888では、モータの動作状況を確認するために位置検出センサポートを読み込み、ステップ889へ移行して位置検出センサのエッジ(位置検出片)を検出したか否かが判断される。このステップ889で肯定判定されると、ステップ890へ移行して、正常な動作状態であることを示すエッジ検出フラグをセットしてこのルーチンは終了する。演出制御部152はエッジ検出フラグのセット状況によってモータ出力処理や電飾ポート出力処理を管理制御するものである。なお、ステップ889で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
図27は、図24のステップ882に示した電飾ポート出力処理の詳細を示す制御ルーチンである。
ステップ891では、電飾出力指定時間内か否かが判断され、肯定判定されるとステップ892へ移行して、後述するLED制御データ指定処理によって設定されるLEDの点灯輝度情報にもとづいて、輝度(Duty値)をセットして、ステップ894へ移行する。ステップ894では、電飾用ポートから点灯輝度情報(輝度=0〜15調光)を出力し、このルーチンは終了する。また、ステップ891で否定判定されると、ステップ893へ移行して輝度を0にセットして、すなわちLEDを点灯させずに、このルーチンは終了する。
図28は、演出制御部152におけるループ処理の一部を示した制御ルーチンであり、ステップ895において、コマンド監視処理を実行することを繰り返す。なお、ループ処理には、受信したコマンドに対応した演出を制御するため、他の制御部にコマンドを出力する出力処理や演出制御用の乱数を更新する演出制御乱数更新処理等を備えるものである。
図29は、図28のステップ895で示したコマンド監視処理の詳細を示す制御ルーチンである。
ステップ896では、変動パターンコマンドの受信か否かが判断され、変動パターンコマンドを受信した場合には、肯定判定されてステップ898へ移行する。なお、変動パターンコマンドを受信していない場合には、ステップ896で否定判定され、このルーチンは終了する。
ステップ898では、受信した変動パターンコマンドを判別し、今回受信した変動パターンが特殊演出(1)に該当するか否かが判断される。特殊演出(1)に該当する場合には、ステップ898で肯定判定され、ステップ900へ移行して、特殊演出(1)を実行させるためのLED制御データ指定処理を実行し、ステップ902へ移行して、特殊演出(1)を実行させるためのモータ制御データ指定処理を実行し、ステップ904へ移行する。なお、今回受信した変動パターンが特殊演出(1)に該当しない場合には、ステップ898で否定判定され、ステップ904へ移行する。
ステップ904では、受信した変動パターンコマンドを判別し、今回受信した変動パターンが特殊演出(2)に該当するか否かが判断される。特殊演出(2)に該当する場合には、ステップ904で肯定判定され、ステップ906へ移行して、特殊演出(2)を実行させるためのLED制御データ指定処理を実行し、ステップ908へ移行して、特殊演出(2)を実行させるためのモータ制御データ指定処理を実行する。なお、今回受信した変動パターンが特殊演出(2)に該当しない場合には、ステップ904で否定判定され、次のステップに移行する。なお、他にも特殊演出(3)、(4)等があれば、上記と同様の処理を実行して、このルーチンは終了する。
ここで、特殊演出(1)及び(2)は、表示盤106と一体化した可動体役物113の動作を利用した演出であって、可動体役物113の動作が表示盤106における表示内容に影響を与えるような演出、すなわち、前記可動体役物113の傾倒動作や上下動と同期させて、表示盤106における演出表示内容も傾倒動作に同期した演出表示(傾いたことにより演出図柄が下にすべるように表示)や上下動に同期した演出表示(上下動により演出図柄が小刻みに揺れるような表示)を行うように制御するものである。
図30は、図29のステップ900で示した特殊演出(1)としてのLED制御データ指定処理の詳細を示す制御ルーチンである。図31及び図32のLED点灯パターンを参照しながら説明する。なお、図30の各ステップに記載された括弧書きの符号は、図31及び図32に付された符号と対照となる。
図30に示される如く、ステップ910では、表示盤106が左端へ傾いた状態に対応(連動)するようなLED演出データである点灯時間情報、点灯輝度情報(例えば、LED点灯時間は2秒間、点灯輝度は33msec毎に点灯輝度を1ドット分づつ順次左へシフトする、等)をセットする(図31(1a)参照)。ステップ912では、表示盤106の動作が停止した状態に対応するLED演出データである点灯時間情報、点灯輝度情報(例えば、LED点灯時間は3秒間、等)をセットする(図31(2a)(3a)参照)。
ステップ914では、表示盤106が右端に傾いた状態に対応(連動)するようなLED演出データ(例えば、LED点灯時間は2秒間、点灯輝度は33msec毎に点灯輝度を1ドット分づつ順次右へシフトする、等)をセットし(図31(4a)参照)、ステップ916で表示盤106の動作が停止した状態に対応するLED演出データをセットする(図31(5a)参照)。
ステップ918では、表示盤106が左端に傾いた状態に対応するLED演出データをセットし(図31(6a)参照)、ステップ920で表示盤106の動作が停止した状態に対応するLED演出データをセットする(図31(7a)参照)。
ステップ922では、表示盤106が右端に傾いた状態に対応するLED演出データをセットし(図31(8a)参照)、ステップ924で表示盤106の動作が停止した状態に対応するLED演出データをセットする(図31(9a)参照)。
ステップ926では、表示盤106が左端に傾いた状態に対応するLED演出データをセットし(図31(10a)参照)、ステップ928で表示盤106の動作が停止した状態に対応するLED演出データをセットする(図31(11a)参照)。
ステップ930では、表示盤106は中央に戻った状態に対応するLED演出データをセットし(図32(12a)参照)、ステップ932で、表示盤106を中央で左右にN回振動する動作に対応したLED演出データをセットし、(図32(13a)参照)、ステップ934で、表示盤106の動作が停止した状態に対応するLED演出データをセットする(図32(14a)参照)。
図33は、図29のステップ902で示した特殊演出(1)としてのモータ制御データ指定処理の詳細を示す制御ルーチンである。図34の表示盤106の動作パターンを参照しながら説明する。なお、図33の各ステップに記載された括弧書きの符号は、図34に付された符号と対照となる。
図33に示される如く、ステップ938では、表示盤106が左端へn1°傾くためのモータ出力データである駆動時間情報、回転速度情報、回転方向情報(例えば、モータ駆動時間は2秒間、回転速度は200pps、回転方向は左回転(CCW)、等)をセットし、(図34(1b)参照)ステップ940ではモータ停止データ(例えば、モータ駆動停止時間は2秒間、等)をセットし、ステップ942へ移行する。
ステップ942では、表示盤106が右端へn2°傾くためのモータ出力データをセットし、(図34(2b)参照)ステップ944ではモータ停止データをセットし、ステップ946へ移行する。
ステップ946では、表示盤106が左端へn1°傾くためのモータ出力データをセットし、(図34(1b)参照)ステップ948ではモータ停止データをセットし、ステップ950へ移行する。
ステップ950では、表示盤106が右端へn2°傾くためのモータ出力データをセットし、(図34(2b)参照)ステップ952ではモータ停止データをセットし、ステップ954へ移行する。
ステップ954では、表示盤106が左端へn1°傾くためのモータ出力データをセットし、(図34(1b)参照)ステップ956ではモータ停止データをセットし、ステップ958へ移行する。
ステップ958では表示盤106が中央(水平位置)に戻るためのモータ出力データをセットし、(図34(3b)参照)ステップ960ではモータ停止データをセットし、ステップ962へ移行する。
ステップ962では、表示盤106が中央で、左へn3°傾くためのモータ出力データをセットし(図34(4b左)参照)、ステップ964では、表示盤106が中央で、右へn4°傾くためのモータ出力データをセットして(図34(4b右)参照)、ステップ966へ移行する。
ステップ966では揺れ回数、すなわち可動体役物113の左右移動回数が所定回数以上か否かが判断され、所定回数未満である場合には、否定判定され、ステップ962へ戻り、上記工程を繰り返す。また、可動体役物113の左右移動回数が所定回数に達した場合には、ステップ966で肯定判定され、ステップ968へ移行して、モータ停止データをセットし、本ルーチンは終了する。
図35は、図29のステップ906で示した特殊演出(2)としてのLED制御データ指定処理の詳細を示す制御ルーチンである。図36及び図37のLED点灯パターンを参照しながら説明する。なお、図35の各ステップに記載された括弧書きの符号は、図36及び図37に付された符号と対照となる。
図35に示される如く、ステップ970では、表示盤106に表示される演出図柄が左移動、右移動を予め設定した回数動作するLED演出データである点灯時間情報、点灯輝度情報をセットする(図36(15a)参照)。
ステップ971では、表示盤106に表示される演出図柄が上移動・下移動を予め設定した回数動作し、並びに右移動・左移動を予め設定した回数動作するLED演出データをセットする(図37(16a)参照)。
ステップ972では、表示盤106に表示される演出図柄のうち中図柄が上移動・下移動を予め設定した回数動作し、並びに中図柄が左移動・右移動を予め設定した回数動作するLED演出データをセットする(図37(17a)参照)。
ステップ973では、中図柄を当たり図柄まで送ったか、すなわち演出図柄の動作回数が設定した回数に達した否かが判断され、設定回数未満である場合(中図柄を当たり図柄まで送っていない場合)には、否定判定され、ステップ970へ戻り、上記工程を繰り返す。
また、演出図柄の動作回数が設定した回数に達した場合(中図柄を当たり図柄まで送った場合)には、ステップ973で肯定判定され、ステップ974へ移行して最終的に停止する演出図柄の上移動・下移動を設定した回数動作するLED演出データをセットする(図37(18a)参照)。このステップ974は、所謂煽り演出となる。
ステップ975では、最終確定LED演出データをセットし(図37(19a)参照)、このルーチンは終了する。なお、本ルーチンにおける設定回数は、特殊演出(2)が選択された時点で決定されるものである。また、動作回数のカウントはステップ970におけるLED演出データセットの前処理としてカウントし、カウント値のクリアは、本ルーチン開始直後に行うか、終了直前に行えばよいものである。
図38は、図29のステップ908で示した特殊演出(2)としてのモータ制御データ指定処理の詳細を示す制御ルーチンである。図39の表示盤106の動作パターンを参照しながら説明する。なお、図38の各ステップに記載された括弧書きの符号は、図39に付された符号と対照となる。
図38に示される如く、ステップ980では、「左へx1°」駆動するためのモータ出力データである駆動時間情報、回転速度情報、回転方向情報をセットし(図39(5b)参照)、ステップ981へ移行して、「右へx2°」駆動するためのモータ出力データである駆動時間情報、回転速度情報、回転方向情報をセットし(図39(6b)参照)、ステップ982へ移行する。
ステップ982では、揺れ回数である表示盤106の左右移動動作回数が設定回数以上か否かが判断され、設定回数未満である場合には、否定判定され、ステップ980へ戻り、上記工程を繰り返す。
また、設定回数に達した場合には、ステップ982で肯定判定され、ステップ983へ移行する。
ステップ983では、「上A点」まで駆動するためのモータ出力データである駆動時間情報、回転速度情報、回転方向情報をセットし(図39(7b)参照)、ステップ984へ移行して、「下B点」まで駆動するためのモータ出力データである駆動時間情報、回転速度情報、回転方向情報をセットし(図39(8b)参照)、ステップ985へ移行する。
ステップ985では、「左へx1°」駆動するためのモータ出力データをセットし(図39(5b)参照)、ステップ986へ移行して、「右へx2°」駆動するためのモータ出力データをセットし(図39(6b)参照)、ステップ987へ移行する。
ステップ987では、揺れ回数である表示盤106の上下移動及び左右移動動作回数が設定回数以上か否かが判断され、設定回数未満である場合には、否定判定され、ステップ983へ戻り、上記工程を繰り返す。
また、設定回数に達した場合には、ステップ987で肯定判定され、ステップ988へ移行する。
ステップ988では、「上A点」まで駆動するためのモータ出力データをセットし(図39(7b)参照)、ステップ989へ移行して、「下B点」まで駆動するためのモータ出力データをセットし(図39(8b)参照)、ステップ990へ移行する。
ステップ990では、「左へx1°」駆動するためのモータ出力データをセットし(図39(5b)参照)、ステップ991へ移行して、「右へx2°」駆動するためのモータ出力データをセットし(図39(6b)参照)、ステップ992へ移行する。
ステップ992では、中図柄が当たり図柄か、すなわち表示盤106にて表示されている演出図柄が特殊演出(2)を実行するための対象の演出図柄になったか(特殊演出に必要とされる演出図柄を表示する時間に到達したか)否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ980へ戻り、上記工程を繰り返す。
また、ステップ992で対象の演出図柄になった場合には、肯定判定され、ステップ993へ移行する。
ステップ993では、「上A点」のモータ出力データをセットし(図39(7b)参照)、ステップ994へ移行して、「下B点」のモータ出力データをセットし(図39(8b)参照)、ステップ995へ移行する。
ステップ995では、揺れ回数である表示盤106の上下移動の動作回数が設定回数以上か否かが判断され、設定回数未満である場合には、否定判定され、ステップ993へ戻り、上記工程を繰り返す。
また、設定回数に達した場合には、ステップ995で肯定判定され、ステップ996へ移行し、モータ停止データをセットしてこのルーチンは終了する。