以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、各実施形態に共通する、本発明を適用した画像表示システムのネットワーク系の構成を示すブロック図である。10はSNS機能を持った画像サービスサイトであり、インターネット500を介して複数の端末1−1、1−2、1−3・・・と接続される。端末は通常のパーソナルコンピュータでよい。
画像サービスサイト10は、端末1−1、1−2、1−3・・・を介してユーザーからアップロードされた画像データ(主としてデジタルカメラにより撮影された写真の画像データ)の保存や、アップロードされた画像データの絵画調画像への変換を行うとともに、アップロードされた画像や、変換後の絵画調画像を他のユーザーに閲覧させたりする。
図2は画像サービスサイト10を実現するサーバー11の構成の要部を示すブロック図である。サーバー11には、会員エリア100、共通エリア200、制御エリア300が設けられている。
会員エリア100は、登録会員毎に設けられるエリアで、会員を識別するためのユーザーID102と、それに対応してユーザー毎の各種属性情報104を有する。
属性情報104は、図3に示すように、氏名、ハンドルネーム、性別、年齢、地域、会員種別その他のユーザー固有の情報である。会員種別には無料登録しただけの無料会員、有料登録した有料会員、特別な会費(例えば年会費等)を払ったプレミアム会員がある。
また、106はユーザーによりアップロードされた写真の画像データが記憶されるアップロード画像エリア、108は画像サービスサイト10において絵画変換した絵画調画像(作品)が記憶される作品バッファエリア、110は他のユーザーの作品をダウンロードして記憶するダウンロード作品バッファエリアである。
共通エリア200は、ユーザー全体に共通して設けられるエリアで、ユーザーがアップロードした画像を絵画調に変換した多数の作品が記憶される作品エリア202を含む。
作品エリア202に記憶される各作品には、その作品を識別する画像ID204と、その作品の属性情報206が画像データ208とともに記憶される。
属性情報206は、図4に示すように、その作品の投稿者を示すユーザーID、作成日付または投稿日付等の日付情報、画像データのサイズ、画調の種類等の画像種別情報、その作品が閲覧された回数を示すアクセス数情報、その作品がダウンロードされた回数を示すダウンロード数情報、その作品の評価を示すポイント情報その他の作品特有の情報である。ユーザーIDにより、作品の作者が分かり、作者が有料会員かプレミアム会員かを識別することができる。
本実施形態において、作品の「価値」とは、各々の作品に付随する属性情報の1つのであるポイント数や、アクセス数、ダウンロード数、各々の作品の作者の会員種別等、作品の重みづけをする情報の総称のことをいう。
制御エリア300は、絵画変換処理部302、パラメータテーブル304、重要度マップ306、表示制御部308、評価制御部310、会員管理部312の各部を含んでいる。
絵画変換処理部302は、作品バッファエリア108に記憶された画像データを絵画調画像データに変換する絵画変換処理を行う。パラメータテーブル304は、絵画変換処理部302が絵画変換処理に際して参照する絵画変換のためのパラメータを記憶する。表示制御部308は、作品を画面上に表示させる制御プログラムを記憶する。
評価制御部310は、会員エリア100の作品バッファエリア108に記憶されている作品に、アクセス回数等に応じた評価を行い、作品毎にポイントを付与する。会員管理部312は、ユーザーIDにより会員を管理し、無料会員、有料会員、プレミアム会員別のサービスを制御する。この会員管理部312は画像サービスサイト10のSNS機能についても司っている。
また、サーバー11には、CPU20と表示バッファ30とが設けられている。CPU20は、サーバー11全体(上述した各部)を制御するとともに、インターネット上で多数の作品を一覧表示させるために必要な各種の処理を行う。
また、CPU20は高度なグラフィック処理をするためのグラフィックアクセラレータ22を備えている。グラフィックアクセラレータ22としては、例えばNVIDIA GeForce(登録商標)シリーズやATi RADEON(登録商標)シリーズ、オープンGL、及びオープンGLを使用するための拡張ライブラリ等を採用することができる。
このグラフィックアクセラレータ22により、ドライバソフトからいくつかの条件を指定するだけで、画像を時間とともに流れるように表示させるタイムライン表示が可能となる。なお、タイムライン表示とは、一般的にビデオ編集などにおいて作品全体の流れを時系列で管理する機能のことをいい、Twitter(登録商標)ではユーザーが投稿したツイートを時系列順に表示しているものを指すが、本明細書では作品全体の流れを時間とともに変化させながら表示することを意味するものとする。
表示バッファ30は、CPU20が多数の作品を一覧表示させる際に、表示用の画像を展開するための作業用メモリである。
以下、本実施形態の画像表示システムの具体的な動作についてフローチャートを参照しながら説明する。
まず、図5を参照して、端末1−1、1−2、1−3、・・・と画像サービスサイト10のサーバー11との間で画像のアップロード、表示、閲覧、ダウンロードが行われる際の工程を説明する。
ユーザーが会員(無料会員、有料会員、又はプレミアム会員)である場合、ユーザーは自己の端末1から画像サービスサイト10にアクセスする(ステップSB1)。サーバー11はユーザーのログインによりユーザーIDを認証し(ステップSC1)、会員であることが確認されるとその会員のページを送信し会員からみられるようになる(ステップSC2)。
会員は自分のページが開かれると、画像のアップロードを行う(ステップSB2)。アップロードされた画像はサーバーの会員エリア100のアップロード画像エリア106に格納される。会員がこの画像の絵画変換を要求すると(ステップSB3)、サーバー11において絵画変換処理が行われ(ステップSC3)、変換された画像、すなわち作品は作品バッファエリア108に格納される。
会員は、変換後の作品をこのまま個人で楽しんでもよいが、他のユーザーに公開したい場合は投稿する(ステップSB4)。投稿された作品は会員エリア100の作品バッファエリア108から共通エリア200の作品エリア202へ転送され格納される。なお、作品エリア202内の作品には図4で説明したような属性情報206も付加される。
作品エリア202内の作品は、サーバー11が必要に応じて一覧表示を行う(ステップSC4)。なお、サーバー11は、一覧表示に際して作品エリア202内の作品を適宜リサイズする。すなわち通常は作品エリア202内の作品のサイズが一覧表示用の画像サイズよりも大きいため作品を縮小し、また、作品エリア202内の作品のサイズが一覧表示用の画像サイズよりも小さい場合には作品を拡大する。
また、会員は、閲覧を要求することにより(ステップSB5)、一覧表示されている任意の作品を実際のサイズで閲覧することができる。閲覧要求があるとサーバー11は、要求された作品を実際のサイズで表示するとともに(ステップSC5)、閲覧要求があった作品にポイントを加算する(ステップSC6)。
また、会員は閲覧した作品が気に入ったことを示すGOODボタンを押したり、感想等のコメントを書き込んだりすることができる(ステップSB6)。サーバーは、GOODボタンが押されたり、感想等のコメントが書き込まれたりすると、閲覧された作品の属性情報のポイントを加算する(ステップSC6)。これによりその作品の評価が上がる。コメント書き込みの方がGOODボタンよりポイント数は高いものとする。
また、会員は閲覧した作品のダウンロードを要求することができる(ステップSB7)。サーバー11は、会員からダウンロード要求があると、必要に応じてダウンロードを許可し(ステップSC7)、ダウンロードが許可された場合にのみ、会員は閲覧した作品をダウンロードすることができる(ステップSB8)。ダウンロードした作品は、会員エリア100のダウンロード作品バッファ110に格納される。
また、サーバー11は、ダウンロード要求があった場合にも、その作品に対してポイントを加算する(ステップSC8)。
一方、会員以外の他のユーザー、すなわち任意のユーザーは、画像サービスサイト10に適宜アクセスすることによって(ステップSA1)、共通エリア200の作品エリア202に格納されている作品を一覧表示した状態で閲覧することができる。さらに、任意のユーザーも、閲覧を要求することにより(ステップSA2)、一覧表示されている任意の作品を実際のサイズで閲覧することができる。
そして、任意のユーザーが閲覧した作品が気に入ってGOODボタンを押すと(ステップSA3)と、その場合にも、サーバー11が、閲覧された作品に対してポイントを加算する(ステップSC6)。
次に、サーバー11が、アップロードされた画像データを絵画調画像へ変換する際の絵画変換処理技術について説明する。
絵画変換とは、写真等の画像を構成する各画素を所定のパラメータ(絵画変換パラメータ)に従って変換し、油絵調、水彩画調、パステル調、色鉛筆画調、クレヨン画調、イラスト画調、点描画調、エアブラシ、シルクスクリーン調、刺繍絵調、コラージュ(糊付け)調等、いわゆる絵画調に変換する画像処理技術である。
基本的にフォトレタッチソフト等で知られている各種エフェクト処理のパラメータを自動的に調整・組み合わせて絵画調に見えるように変換する。
エフェクト処理としては、例えば画像にテクスチャをマッピングし、特殊な質感を与えるテクスチャ処理、画像を輪郭部・細かい模様などのテクスチャ部・平坦部に分類し、それぞれに適宜処理を施すことで、質感と解像感を高める解像度処理がある。また、エフェクト処理には、色を色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)の3要素に分類して調整するHSV処理、画像のR(赤)G(緑)B(青)各色の度合いを調整するRGB処理、R→G→Bの方向に交換するRGB交換処理がある。また、エフェクト処理には、ラプラシアンフィルタと呼ばれるフィルタをかけるエッジ抽出処理、メディアンフィルタと呼ばれるフィルタをかける中間濃度抽出処理がある。また、エフェクト処理には、隣接する画素のRGBのヒストグラムを抽出し、それぞれ最小/中間/最大の濃度を抽出した場合の処理を行う濃度抽出処理、画像の一番暗い部分を黒、一番明るい部分を白とし、間のヒストグラムを適宜分布させ、コントラスト修正を行ったり、画像のヒストグラムを引き伸ばしたりするイコライズ処理、明るい部分と暗い部分を維持して中間的な明るさを調節するガンマ補正処理、画像の暗い領域を明るくしたり、明るい領域を暗くしたりするシャドー処理がある。また、エフェクト処理には、各ピクセルのRGB値が、しきい値以上の明るさの時に、そのRGB値を反転するソラリゼーション処理、ランダムにドットを描画し、ノイズを発生させ、ノイズの量や色を調整するノイズ付加処理、などがある。
また、エフェクト処理には、HDR(High Dynamic Range)と呼ばれる通常の写真では表現できない広いダイナミックレンジの写真を、トーンマッピングにより狭いダイナミックレンジ幅内に入れ込むことで露出過多の白飛びや露出不足の黒つぶれを補正して表現力を増大するエフェクト処理もある。このエフェクト処理を応用して写真を人の脳が受けた記憶や印象に近づけ、芸術的な表現を加味した新しい写真表現を実現した画像を得ることもできる。
すなわち、絵画変換処理は原理的にはエフェクト処理の一種であり、絵画変換アルゴリズムはエフェクト処理とパラメータを適宜組み合わせて各種絵画調を作り出すものであり、その変換アルゴリズムがプログラミングしてあるものである。
その変換アルゴリズムの中に、原画像の画素を変換するための前記パラメータのセット(組)であるパラメータ群Pが予め用意されている。画調の種類が12種類あるとすると、パラメータ群P(1)〜P(12)と表す。パラメータの決め方により変換された画像の画調も変わってくる。油絵調に変換するためのパラメータ群をP(1)とし、P(1)の中に油絵調に見えるように画像を変換するためのエフェクト処理に必要なパラメータがm個あるとすると、パラメータP1〜Pmと表す。従って、パラメータ群P(1)は、複数のパラメータP1〜Pmを含んでいる。
以上詳述した絵画変換アルゴリズムはサーバー11の制御エリア300の絵画変換処理部302に記憶されており、パラメータ群は同じく制御エリア300のパラメータテーブル304に記憶されている。
図6は、サーバー11の絵画変換処理部302における絵画変換処理を行うフローチャートである。図6に示したように、絵画変換処理部302は、まず前処理を行う(ステップSC101)。ここは画調の種類にかかわらず共通して実行される処理である。上述したようなエフェクト処理は各画素に対して行うため、画像データはビットマップ形式である必要がある。そこで、通常はJPEG形式で表現されている画像データをビットマップ形式に変換する。
また、絵画変換処理部302は、アップロードされる画像データのサイズは様々なので、これを表示エリアの画素数、例えば800×600画素にリサイズする。大きい画像は縮小し、小さい画像は拡大する。これは、サイズが決まっていた方がパラメータも固定で済み、処理が効率的だからである。もちろん、後述する本画像の絵画変換の際はアップロードされた画像データのサイズそのままに対して絵画変換を行う。
次に、絵画変換処理部302は、顔検出処理を行い、変換対象の写真が顔を含んでいるかどうかを確認する(ステップSC102)。これは、顔部分に極端な変換をかけると変換後の画像が不自然になるので、顔の部分に特にきめ細かな絵画変換処理を施すためである。
この顔検出処理においては、図7のフローチャートを使用して後述するが、1枚の画像の中でも顔の領域と背景、中央部分と周辺部分では重要度が変わってくるので、画像について重要度マップのデータを作成し、それを制御エリア300の重要度マップ306に記憶する。
続いて、絵画変換処理部302は、ユーザーに、油絵調、水彩画調、パステル調、色鉛筆画調、・・・等の中から希望する画調を選択させる(ステップSC103)。
絵画変換処理部302は、画調が選択されると、それぞれの画調変換アルゴリズムのフローへ移る。例えば油絵調変換であればステップSC104へ、水彩画調変換であればステップSC105へ進む。それ以外であればその他の画調変換アルゴリズムのフローへと進む(ステップSC106)。なお、絵画変換処理部302は、各アルゴリズムを実行する際、制御エリア300のパラメータテーブル304と重要度マップ306とを参照する(ステップSC107、SC108、SC109、SC110)。
ステップSC104,SC105,SC106の処理に際して絵画変換処理部302は、表示画面サイズの画像データを対象として絵画変換し、ユーザーの端末1から決定が指示されれば(ステップSC112:YES)、本画像の絵画変換へと進み(ステップSC113)、他の画調でやり直すことが指示されれば(ステップSC112:NO)、ステップSC103の処理へ戻る。
ステップSC113の本画像の絵画変換に際して絵画変換処理部302は、ステップSC112で決定した画調変換アルゴリズムでパラメータテーブル304と重要度マップ306を参照しながら本画像に対し画調変換処理を行う(ステップSC114,SC115)。同じ画調であっても画像サイズが異なると適切なパラメータは異なってくるので、ステップSC115で使用するパラメータテーブルはステップSC107若しくはSC108で取得したパラメータとは別のものとなる。
しかる後、絵画変換処理部302は、画変換後の本画像を再びJPEG形式に変換する後処理を行う(ステップSC116)。
引き続き、絵画変換処理部302は、ステップSC102の顔検出処理で変換対象の写真において任意の人物の顔の検出に成功していた場合については(ステップSC117:YES)、評価制御部310に、当該作品の作者、及び作品に対してポイントをそれぞれ加算する処理を行わせる(ステップSC118)。
次に、図7〜図10を参照して、前述した絵画変換処理部302によるステップSC102の顔検出処理、及び重要度マップの作成手順について説明する。
図7に示したように、顔検出処理に際して絵画変換処理部302は、まず、対象画像データの中に顔があるかどうかを認識する(ステップSC151)。顔認識技術は公知であるのでここでは詳述はしない。かかる処理に際して絵画変換処理部302は、顔を認識して検出することはできても、その輪郭まで正確に抽出することは困難なので、顔の領域を含む楕円形若しくは長方形の領域を画像データに設定する(ステップSC152)。
図8は、顔の領域を含む領域を説明する図であり、図8においてsqは顔F1を含む長方形の領域であり、elは顔を含む楕円形の領域である。
しかる後、絵画変換処理部302は、重要度マップを作成する(ステップSC153)。図9は、重要度マップを説明するための図である。ステップSC153の処理において絵画変換処理部302は、同図(a)に示したような画像データから、顔F1、F2、F3を認識すると、同図(b)に示したように顔領域sq1、sq2、sq3を画像データに設定する。
また、同図(c)は、画像データに設定した領域に応じた重要度を示した図である。ステップSC153の処理において絵画変換処理部302は、まず、顔領域sq1、sq2、sq3の領域E1、E2、E3の重要度を1位とする。次に、楕円el3によって示される中央部の領域E4の重要度を2位とする。更に画面の楕円el4によって示される背景部分の領域E5の重要度を3位とする。最後に、画面の周辺部分E6の重要度を最下位とする。
すなわち図9(c)に示した、各領域E1〜E6と、各領域E1〜E6に設定した重要度とを示す情報が重要度マップとなる。
そして、絵画変換処理部302においては、画像データの各画素を絵画変換処理する際、重要度の高い領域ほどきめ細かく絵画変換し、重要度の低い領域ほど粗く絵画変換する。その結果、重要度が最下位の周辺部分の領域E6はぼやけた感じで絵画変換される。もちろんこれは一例であって、顔領域E1、E2、E3は顔の雰囲気を崩さないように絵画変換処理をかけないこともできる。
この重要度をαで示すと、αは画像データと同じ画素数を有し、画素Aの変換演算は、
A(RGB)(x,y)=A(RGB)(x,y)*P1*α(x,y)
A(RGB)(x,y)=A(RGB)(x,y)*P2*α(x,y)
A(RGB)(x,y)=A(RGB)(x,y)*Pn*α(x,y)
(ここで(x,y)は2次元の座標)となる。つまりαの値によってパラメータの影響度が変わってくることを意味する。
なお、重要度を画像データと同じ画素数設けなくても、E1〜E6の各エリア内が同じ重要度とすれば6種類の重要度データを用意してもよい。また、重複するエリアは中間値とするなどもう少し細分化を図ってもよい。
図10は、図8に示した顔領域の輪郭部分の領域を更に細分化したものである。顔領域の輪郭の中と外で重要度を変えると、絵画変換された画像に段差ができてしまう可能性があるので、同図に例示したように、顔領域周辺に設定する各重要度をsq>el>el5とする。このようにすることによって、顔の輪郭部分を自然な感じで段階的に絵画変換することができる。
次に、ユーザーが任意の作品をダウンロードする場合におけるサーバー11の動作について説明する。なお、作品をダウンロードするには会員登録が必要である。
図11は、サーバー11における作品のダウンロードに関する処理を示したフローチャートである。なお、図11の処理は、サーバー11のCPU20、評価制御部310、及び会員管理部312によって行われる。
サーバー11においては、会員によってダウンロードを希望する作品が指定されると(ステップSC201)、会員管理部312によりそのユーザーが有料会員(ここでは、通常の有料会員とプレミアム会員である。)か、または無料会員かを判断し(ステップSC202)、有料会員であれば、直ちに後述するステップSC207へ進む。
一方、無料会員の場合は、該当作品の属性情報206からその作品の評価に相当するポイントを読み出し(ステップSC203)、併せてダウンロードしようとしている会員の属性情報から保持しているポイントを読み出す(ステップSC204)。
次に、作品のポイント(価格に相当)と会員の保有しているポイントの差額から支払ポイントを算出し(ステップSC205)、それを充足していればステップSC207へ進むが、不足している場合はその作品はダウンロードできないため、ステップSC201へ戻り、他の作品をユーザーに選択させる。
そして、サーバー11においては、CPU20がユーザーに指定された作品を、その作品の作者である他のユーザーの作品バッファエリア108から読み出し(ステップSC207)、評価制御部310が当該作品の作者、及び作品に対してポイントをそれぞれ加算する(ステップSC208)。つまり会員(無料会員、通常の有料会員、プレミアム会員)においては、自分の作品をたくさんダウンロードされるほど作品の評価が上がり、作者である会員のユーザーIDの属性情報のポイントエリアにもポイントが加算されて会員の保有ポイント数が上がる仕組みとなっている。
しかる後、サーバー11においては、CPU20が、ステップSC207で読み出した作品を、ダウンロードを要求したユーザーのダウンロード作品バッファ110に格納するタウンロード処理を行う(ステップSC209)。
次に、サーバー11において、作品エリア202の作品を一覧表示する際の動作について説明する。図12は、作品エリア202の作品を一覧表示する際にCPU20が実行する画面表示処理を示すフローチャートである。この画面表示処理が、図5に示した工程中の一覧表示処理(SC4)に相当する処理であり、画像サービスサイト10にアクセスしているユーザーの端末1の画面上に、画像データにより表される多数の作品を表示させる処理である。
図12に示したように、画面表示処理に際してCPU20は、まず、作品エリア202から表示対象となる複数の作品を読み出し、それらの画像データを、表示バッファ30内において所定の大きさで、所定の位置に配列させるページ配列処理を行う(ステップSC301)。なお、ページ配列処理の詳細については後述する。
しかる後、CPU20は、表示バッファ30に配列した複数の作品を図14に示した状態で一覧表示するページ表示処理を行う(ステップSC302)。図14に示したように、本実施形態において、表示対象となる複数の作品は、1画面内に横軸方向を画調の種類とし、縦軸方向を新着順とした配置状態で表示される。
また、複数の作品を一覧表示している間、CPU20は、ユーザー(閲覧者)からページ送りが指示された場合には(ステップSC303:YES)、ステップSC301のページ配列処理によって、表示中の作品をページ単位で変更する。
また、CPU20は、ユーザーからスクロールが指示された場合には(ステップSC304:YES)、ステップSC301のページ配列処理によって、表示中の作品を縦方向、又は横方向にスクロールさせる。なお、本実施形態においては、ユーザーが指示可能なスクロール方向は、横方向については左右の両方向であるが、縦方向については下方向のみである。
さらに、複数の作品を一覧表示している間、CPU20は、ユーザーによって表示中のいずれかの作品が選択されると(ステップSC305:YES)、その作品の画像データを作品エリア202から読み込み(ステップSC306)、拡大表示する(ステップSC307)。係る処理は、特定の作品を、画像サービスサイト10にアクセスしているユーザーの端末1の画面上に実サイズで表示させる処理である。
そして、CPU20は、ユーザーから一覧表示の終了が指示されるまでは(ステップSC308:NO)、ステップSC302へ戻り作品の一覧表示を継続し、一覧表示の終了が指示された時点で(ステップSC308:YES)、画面表示処理を終了する。
次に、ステップSC301においてCPU20が実行するページ配列処理の内容を、図13のフローチャートに従い具体的に説明する。
ページ配列処理に際してCPU20は、その処理タイミングが、例えば画面表示処理の開始当初や、ユーザーからページ送りが指示された時点であって、ユーザーからスクロールが指示あった時点でなければ(ステップSC351:NO)、以下の処理を実行する。
まず、CPU20は、表示バッファ30をクリアした後(ステップSC352)、作品エリア202に記憶されている多数の作品の画像データ(JPEGデータ)から、表示対象とする作品の画像データを新着順にワークメモリに読み込む(ステップSC353)。なお、表示対象となる作品の大きさは一定とは限らない。なお、ワークメモリは、表示バッファ30のメモリ領域内に表示用とは別に確保されている作業用のメモリエリアである。
次に、CPU20は、画像データを読み込んだ作品の価値を確認する(ステップSC354)。
本実施形態においては、各作品のポイント数に、会員種別に応じた倍率を乗じた後のポイント数を各作品の価値とする。その際、会員種別に応じた倍率は、例えば作品の作者が無料会員であれば1倍とし、通常の有料会員であれば2倍とし、プレミアム会員であれば3倍とする。
引き続き、CPU20は、確認した価値に応じて作品の表示サイズを決定する(ステップSC355)。表示サイズの決定に際してCPU20は、価値が高い作品ほど、その表示サイズを相対的に大きくする。
係る処理では、例えば基準となる最小の表示サイズと、最大の表示サイズとを予め決めておく。そして、作品の価値に比例する倍率を所定の計算式で求め、その倍率を最小の表示サイズに乗じることによって、作品の価値に応じた表示サイズを計算する。そして、計算した表示サイズが最大の表示サイズ以下であれば、それを作品の表示サイズとして決定し、計算した表示サイズが最大の表示サイズを超える場合には、最大の表示サイズを作品の表示サイズとして決定する。
また、例えば表示サイズとして大中小など数段階の表示サイズを予め設けておき、作品の価値も大中小など数段階にレベル分けし、各作品の表示サイズを作品の価値レベルに対応する表示サイズに決定する。いずれにしても価値の高い作品の表示サイズを大きくし、価値の低い作品の表示サイズを小さくする。
次に、CPU20は、ステップSC353で読み込んだ画像データを、上記のように決定した表示サイズのビットマップデータとしてワークメモリに展開する(ステップSC356)。
引き続き、CPU20は、表示対象の作品が有料会員か、又はプレミアム会員の作品であるか否かを確認し、表示対象の作品が無料会員の作品であった場合には(ステップSC357:NO)、直ちに、後述するステップSC306の処理へ進む。
一方、表示対象の作品が有料会員か、又はプレミアム会員の作品であった場合には(ステップSC357:YES)、会員種別に応じて表示枠の種類を決定する(ステップSC358)。しかる後、CPU20は、決定した種類の表示枠を、ビットマップ化した表示対象の画像データに合成する(ステップSC359)。
ここで、本実施形態においては、上記の表示枠として有料会員用の表示枠と、プレミアム会員用の表示枠との2種類が用意されており、ステップSC358では、いずれかの表示枠を決定する。また、表示枠は作品を目立たせることを目的とするものであり、例えば額縁等のように作品に装飾を施すための絵柄を表す画像データである。また、プレミアム会員用の表示枠には、有料会員用の表示枠よりも高級感を感じさせる等の差別化が図られている。
次に、CPU20は、表示バッファ30において、表示対象の作品の画調に応じた列に新たな作品を配置するための空きがあるか否かを確認する(ステップSC360)。なお、本実施形態では、図14に示したように作品を配置する列は4列であり、各列に割り当てられている画調は、処理開始当初においては油絵調、水彩画、パステル画、色鉛筆である。
そして、CPU20は、作品の画調が割り当てられている列に空きがあれば(ステップSC360:YES)、その列に作品の画像データを配置する(ステップSC361)。なお、係るステップSC361の処理に際してCPU20は、例えば作品を配置する箇所の周囲(同じ列、又は隣接する列)に他の画像が存在する場合には、必要に応じて他の画像の位置を微調整することにより各作品間に適度の間隔を確保する。
しかる後、CPU20はステップSC353の処理に戻り、表示対象とする新たな作品を読み込む。
一方、CPU20は、作品の画調が割り当てられている列に空きがない場合には(ステップSC360:NO)、今回表示対象となった作品の画像データは、表示バッファ30に配置しない。なお、CPU20は、ステップSC360の処理に際しては、表示対象の作品の画調が、現在、各列に割り当てられている画調とは異なる画調であった場合についても、空きがないと判断し、今回表示対象となった作品の画像データは、表示バッファ30に配置しない。
そして、CPU20は、空きがないと判断した場合には、引き続き、今回表示対象となった作品の画調とは異なる他の画調が割り当てられている列に空きがあるか否かを確認する(ステップSC362)。そして、CPU20は、他の画調が割り当てられている列に空きが有れば(ステップSC362:YES)、CPU20はステップSC353の処理に戻り、表示対象とする新たな作品を読み込む。
以後、CPU20は、いずれかの列に新たな作品を配置する空きが存在する間は(ステップSC362:YES)、前述したステップSC353以降の処理を繰り返す。そして、CPU20は、全ての列に新たな作品を配置する空きがなくなった段階で(ステップSC362:NO)、配列処理を終了する。
そして、係る配列処理により表示バッファ30に配置された複数の作品が、最終的に図12のステップSC302の処理において、図14に示したように一覧表示される。なお、図14は、色鉛筆の列の最新の位置に配置された作品D1が有料会員か、又はプレミアム会員であり、その作品の周囲に前述した表示枠14Aが表示された状態を示した図である。なお、図14に示した表示枠14Aは便宜的なものであり、実際には、作品D1の作者の会員種別に対応する種類の額縁を模した表示枠等が表示される。
一方、上述した処理とは別に、ページ配列処理のタイミングが、ユーザーからスクロールが指示あった時点であった場合(ステップSC351:YES)、CPU20は、まずユーザーから指示されたスクロール方向が縦方向(下方向)であるか否かを確認する(ステップSC363)。
そして、スクロール方向が縦方向であった場合(ステップSC363:YES)、CPU20は、表示バッファ30に配置済みの全画(作品)を縦方向へ移動する(ステップSC364)。このときの移動量は予め決められている移動量であり、例えば各列の最上部に表示サイズが最小の作品が1又は2つ配置可能なスペースを確保する量である。
しかる後、CPU20は、前述したステップSC353の処理へ移行し、前述した処理を実行する。これにより、例えば各画調の列の最下部に表示されていた作品の表示が終了し、それに代わり最上部に新たな作品が表示されることとなる。
また、上記とは異なり、ユーザーから指示されたスクロール方向が横方向であった場合(ステップSC363:NO)、CPU20は、表示バッファ30に配置済みの全画(作品)を横方向、すなわち左右のいずれかの方向へ移動する(ステップSC365)。このときの移動量は、予め固定的に決められている各列に配置済みの作品を隣接する列に移動させる移動量である。さらに、CPU20は、それまで各列に割り当てられていた画調の設定を、各列に配置済みの作品の移動方向と同方向へそれぞれ1列分移動させる(ステップSC366)。
しかる後、CPU20は、前述したステップSC353の処理へ移行し、各列における画調の割り当てを変更した状態で、前述した処理を実行する。これにより、図14に示した例では、油絵調の列に表示されていた作品群、又は色鉛筆の列に表示されていた作品群に代わり、それまで表示されていなかった他の画調の作品群が新たに表示されることとなる。
以上のように本実施形態においては、サーバー11に蓄積された多数の作品(画像)をページ単位で一覧表示することにより、多数の作品をユーザーに対して効率よく表示することができる。
また、価値が高い作品ほど表示サイズを大きくし、価値が高い作品ほど目立つようにするとともに、作品のポイント数が高いほど作品の価値を高くし、かつ作者が単なる有料会員である作品よりも、プレミアム会員である作品に価値を高く設定するようにした。また、顔が存在する(検出できた)作品には自動的にポイント数を加算し、顔が存在しない作品よりも価値が高くなるようにした。
また、有料会員やプレミアム会員の作品のみに表示枠を付加して表示し、無料会員の作品よりも有料会員やプレミアム会員の作品を目立つようにした。さらに、プレミアム会員の作品には、有料会員の作品よりも高級感を感じさせる表示枠を付加し、より目立つようにした。
したがって、多数の作品を、効率よく、しかもユーザーの興味を引くように表示させることができる。同時に、ポイント数が高い作品を相対的にポイント数が低い作品よりも優遇した状態で、また、顔が存在する作品を顔が存在しない作品よりも優遇した状態で、さらにはプレミアム会員の作品を有料会員の作品よりも優遇した状態で一覧表示することができる。
なお、本実施形態においては、一覧表示に際して有料会員やプレミアム会員の作品に表示枠を付加することにより、無料会員の作品よりも目立つようにしたが、例えば表示枠を付加する代わりに、作品の外周部の枠をくっきり見せたり、或いは点滅させたりして目立たせるようにしてもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図15は、本実施形態において、サーバー11がインターネット上で多数の作品を一覧表示する際の作品の表示に関する画面表示処理を示すフローチャートである。
画面表示処理に際してCPU20は、サーバー11に多数投稿され作品エリア202に記憶されている多数の作品の画像データを一覧表示するためのページ表示処理を行う(ステップSC401)。係るステップSC401の処理が、図5に示した工程中の一覧表示処理(SC4)であり、画像サービスサイト10にアクセスしているユーザーの端末1の画面上に、画像データにより表される多数の作品を表示させる処理である。
ここで、ステップSC401のページ表示処理は、多数の作品を時間とともに流れるように表示させるタイムライン表示を行う処理である。本実施形態のタイムライン表示は、図17(A)〜(C)に示したように、多数の作品をページ内(1画面内)に4行×4列に配列させるとともに、各列の作品群を、列毎に決められている所定の速度で上から下に向って(Y方向)に所定の速さで流れるように移動させて表示するものである。
すなわち、作品A,B,C,Dが並んだ第1の列と、作品E,F,G,Hが並んだ第2の列と、作品I,J,K,Lが並んだ第3の列と、作品M,N,O,Pが並んだ第4の列の各画像を、列毎にそれぞれ異なった速度でY方向へ流れるように移動させるものである。なお、タイムライン表示に際して各作品の表示間隔は予め決められた間隔で固定される。
本実施形態においては、各列の画像を異なった速度でY方向に流れて表示させるため、図17(A)→図17(B)→図17(C)と時系列に見ていくと、例えばこれが10秒毎の画面とすれば、作品Eより作品Aが早く流れて行き、作品Iは少なくとも30秒間は固定のままである。作品Mの列は作品Aの列と同じ動きをしている。従って、作品Eの列や作品Iの列のようにゆっくり流れる方が、速く流れるよりも視聴者の目に触れている時間が長いこととなる。
なお、ページ表示処理は、後述するように、ユーザーからページ更新が指示されたり、作品が選択されたり、一覧表示の終了が指示されたりするまでは、一定の処理タイミングで繰り返し実行される。
図16は、上記ページ表示処理の内容を示したフローチャートである。ページ表示処理に際してCPU20は、今回の処理タイミングが、前記ページ内のいずれかの列の画像を移動すべき移動タイミングであるか否かを確認する。処理開始当初においては、未だ画像を一覧表示していないため(ステップSC501:NO、ステップSC502:NO、)、CPU20は、サーバー11に多数投稿され作品エリア202に記憶されている多数の作品の画像データ(JPEGデータ)から、たとえば新着順に表示対象とする画像データをワークメモリに読み込む(ステップSC503)。
次に、CPU20は、読み込んだ画像データをワークメモリ内でビットマップ化した後(ステップSC504)、表示対象画像となった作品の価値を確認する(ステップSC505)。本実施形態においても作品の価値は、各々の作品に付随する属性情報の1つのであるポイント数や、アクセス数、ダウンロード数、各々の作品の作者の会員種別等、作品の重みづけをする情報の総称であり、具体的な内容については第1の実施形態で既説した通りである。
しかる後、CPU20は、確認した価値に応じた表示列を決定する(ステップSC506)。つまり表示対象画像の作品を、図17(A)〜(C)に示した4列のどの列に流す(表示する)のか決定する。
ここで、本実施形態においては、各作品を流す速度が列毎に予め決められている。具体的には、図17(A)に示した作品A,B,C,Dが並んだ第1の列と、作品M,N,O,Pが並んだ第4の列との速度が同じ速度で、かつ最も速く、作品E,F,G,Hが並んだ第2の列の速度が次に速く、作品I,J,K,Lが並んだ第3の列の速度が最も遅くなっている。
ステップSC506においてCPU20は、まず、表示対象の作品を前述した価値が高い順に上位、中位、下位の3段階の価値レベルにグループ分けする。
その際、CPU20は、上位のグループに含まれる作品には、表示列として、流す際の速度が最も遅い前記第3の列を割り当て、中位のグループに含まれる作品には、表示列として、流す際の速度が次に遅い前記第2の列を割り当てる。また、下位のグループに含まれる作品には、表示列として、流す際の速度が最も速い前記第1の列、及び前記第4の列の一方を交互に割り当てる。
そして、CPU20は、表示対象画像である作品のビットマップ化した画像データを、表示バッファ30において、上記のように決定した表示列であって、未だ他の作品の画像データが配置されていない所定の行位置に配置する(ステップSC507)。なお、その際には、新たな画像データを上の行位置から順に配置する。
以後、CPU20は、表示バッファ30における4行×4列の全ての位置に作品が配置できるまで、前述したステップSC503〜ステップSC507の処理を繰り返す。その間、図示しないがCPU20は、表示対象画像となった任意の作品についてステップSC506で決定した表示列に空きがなかった場合には、当該作品の画像データを破棄する一方、その画像IDと、決定した表示列を示す情報(列番号等)とを対応させて、後述する表示待ちリストへ追加する。
やがて、CPU20は、表示バッファ30における4行×4列の全ての位置に作品が配置できると(ステップSC502:YES)、表示バッファ30内の全画像データ、つまり一画面分の画像をページ表示する(ステップSC518)。
これにより端末1の表示画面上には、例えば図10(A)に示したように、作品A〜Pまで16枚の作品(正確には作品の縮小画像)が表示されることとなる。なお、各列の作品の表示順は上から下へ向かって新着順である。
一方、上記のページ表示を1回行った後、CPU20は、ページ内のいずれかの列の画像を移動すべき移動タイミングが到来する毎に(ステップSC501)、後述するステップSC508以降の処理を繰り返し実行する。
その際、前述したように本実施形態では、図17(A)に示した作品A,B,C,Dが並んだ第1の列と、作品M,N,O,Pが並んだ第4の列との速度が同じ速度で、かつ最も速く、作品E,F,G,Hが並んだ第2の列の速度が次に速く、作品I,J,K,Lが並んだ第3の列の速度が最も遅くなっている。したがって、一定時間内に、画像を移動すべき表示列(以下、移動対象の表示列という。)となる回数は、上記の第1の列、及び第4の列が最も多く、次に第2の列が多く、第3の列が最も少なくなっている。
そして、CPU20は、上記の移動タイミングが到来すると、まず、表示バッファ30内で、その時点で該当する表示列、つまり移動対象の表示列の全画像データを一行分だけ下方へ移動させる(ステップSC508)。これにより移動対象の表示列においては一番上の行に空きができる。なお、このとき、それまで最下行にあった画像データは破棄する。
次に、CPU20は、後述する表示待ちリストを参照し、今回の移動対象の表示列に、他の作品よりも先に表示すべき作品があるか否かを確認する。そして、先に表示すべき作品がなければ(ステップSC509:NO)、作品エリア202に格納されている作品中における、新着順で次となる新たな作品の画像データの価値を、ステップSC505と同様の手順で確認した後(ステップSC510)、その価値に応じて、新たな画像データについてステップSC506と同様の手順で表示列を決定する(ステップSC511)。
そして、CPU20は、新たな画像データの表示列が今回の移動対象であれば、つまり新たな画像データの表示列に空きがあれば(ステップSC512:YES)、当該新たな画像データを作品エリア202から読み込む(ステップSC513)。
次に、CPU20は、読み込んだ画像データをビットマップデータに変換し(ステップSC516)、それを表示バッファ30内の空き位置、つまり移動対象の表示列の一番上の行に配置する(ステップSC517)、しかる後、表示バッファ30内の更新後の全画像データ、つまり移動対象の表示列の既存の3枚の作品が一行下に移動した状態に変化した新たな一画面分の画像をページ表示する(ステップSC518)。
一方、ステップSC512において、新たな画像データの表示列が今回の移動対象でなければ、つまり新たな画像データの表示列に空きがなかった場合には(ステップSC512:NO)、当該画像データを表示待ちリストに追加する(ステップSC514)。ここで、表示待ちリストとは、CPU20の内部メモリに設けられたリストであり、具体的には、画像IDと、その画像IDにより示される画像(作品)について決定された表示列を示す情報(列番号等)とを対応させて記憶するテーブルデータである。
CPU20は、ステップSC514で新たな画像データを表示待ちリストに追加した後には、ステップSC510へ戻り、再び作品エリア202に格納されている作品中における、新着順で次となる新たな作品の画像データの価値を再び確認する。そして、前述した処理を繰り返し、その後、新たな画像データについての表示列が今回の移動対象と一致したら(ステップSC512:YES)、その画像データ、つまり新たな作品が、今回の移動対象の表示列の一番上の行に配置された状態の新たなページを表示する(ステップSC513〜SC518)。
その後、CPU20は、いずれかの移動タイミングで、表示列として、そのとき移動対象と一致する表示列が予め決められている画像データの情報が、表示待ちリストに存在していた場合には(ステップSC509:YES)、その画像データ、つまり表示待ちであった新たな画像データを表示対象として作品エリア202から読み込む(ステップSC515)。その際、係る新たな画像データの情報は表示待ちリストから削除する。そして、CPU20は、係る新たな画像データ(作品)が今回の移動対象の表示列の一番上の行に配置された状態の新たなページを表示する(ステップSC516〜SC518)。
以後、CPU20は、移動タイミングが到来する毎に、上述したステップSC508〜SC518の処理を繰り返す。これにより、サーバー11に多数投稿され作品エリア202に記憶されている多数の作品が、各々の価値に応じた列に配列されるとともに、各作品が、列毎に決められている速度で流れるように表示される。
そして、図15に示したように画面表示処理においては、上述したページ表示を行っている間に、ユーザーからページ更新指示があると(ステップSC402:YES)、CPU20は、その時点で表示バッファ30を初期化した後(ステップSC407)、前述したページ表示を行う(ステップSC401)。その際には、図16のステップSC502〜SC507の処理を経て新たなページが表示される。つまりページ更新指示があった直後には、直前には表示されていなかった新たな16枚の作品が一覧表示されたページが表示され、以後、新たなタイムライン表示が開始される。
引き続き、上述したページ表示を行っている間、ユーザーによって、表示中のページ内でいずれかの作品が選択されると(ステップSC403:YES)、CPU20は、その作品の画像データを作品エリア202から読み込み(ステップSC404)、拡大表示する(ステップSC405)。係る処理は、上記特定の作品を、画像サービスサイト10にアクセスしているユーザーの端末1の画面上に実サイズで表示させるための処理である。
その後、サーバー11においては、ユーザーから一覧表示の終了が指示されるまでは(ステップSC406:NO)、ステップSC401へ戻り、CPU20は、多数の作品のページ表示を継続する。そして、一覧表示の終了が指示された時点で(ステップSC406:YES)、画面表示処理を終了する。
以上のように本実施形態においては、サーバー11に蓄積された多数の作品(画像)をページ単位で一覧表示することにより、多数の作品をユーザーに対して効率よく表示することができる。同時に、多数の作品を一覧表示する際には、それを前述したタイムライン表示によって行うことより、多数の作品をユーザーの興味を引くように表示させることができる。
しかも、本実施形態におけるタイムライン表示では、各作品を流れるように動いた状態で表示し、各作品の流れ(動き)の速度を各作品の価値に応じて変化させるようにした。したがって、各作品の流れに変化を持たせることができ、多数の作品をより一層ユーザーの興味を引くように表示させることができる。
また、本実施形態におけるタイムライン表示では、価値が高い作品ほど流れ(動き)の速度を遅くして、価値が高い作品ほど見やすく表示し、かつ表示時間を長くするとともに、作品のポイント数が高いほど作品の価値を高くし、かつ作者が単なる有料会員である作品よりも、プレミアム会員である作品に価値を高く設定するようにした。また、顔が存在する(検出できた)作品には自動的にポイント数を加算し、顔が存在しない作品よりも価値が高くなるようにした。
したがって、ポイント数が高い作品を相対的にポイント数が低い作品よりも優遇した状態で、また、顔が存在する作品を顔が存在しない作品よりも優遇した状態で、さらにプレミアム会員の作品を有料会員の作品よりも優遇した状態で一覧表示することができる。
ここで、本実施形態においては、タイムライン表示に際し、ページ内の複数の作品を縦方向(Y方向)に流れるように表示させるようにしたが、これに限らず、ページ内の複数の作品は、横方向(X方向、図示ぜず)や斜め方向に流れるように表示させてもよいことは勿論である。また、本実施形態では、便宜上、ページ内での作品の配列が4行×4列であるものを説明したが、各列、及び各行の作品数は任意である。
また、本実施形態においては、各作品の価値を、作品のポイント数と、その作品の作者の会員種別とに基づいて決定するものについて説明したが、各作品の価値は以下のように決定するようにしてもよい。すなわち各作品の価値は、例えば作品のポイント数、アクセス数(閲覧回数)、ダウンロード数のいずれか1つの属性情報や、いずれか複数の属性情報によって決定してもよいし、各作品の作者の会員種別のみによって決定してもよい。また、各作品の作者の会員種別と、ダウンロード数以外の1つの属性情報とによって決定してもよいし、各作品の作者の会員種別と、複数の属性情報とによって決定してもよい。
また、本実施形態においては、各作品を、新着順を基本してタイムライン表示するものについて説明したが、各作品をランダムにタイムライン表示するようにしてもよい。また、各列における作品の移動速度についても、それらを固定することなく、少なくとも価値の異なる作品の列の移動速度を同一にしないことを条件としてランダムに設定するようにしても構わない。
また、本実施例においては、作品の価値によって移動速度を変えることによって、作品がユーザーの眼に触れる時間の長短を制御したが、作品が移動するのではなく、同じ位置に表示されていて、次の画像に切り替わるタイミング、すなわち表示持続時間を変えるようにしてもよい。例えば、図17において、各作品は列によって異なる速度で移動するようにしたが、作品Aは同じ位置のまま15秒後に次の作品AAに置き換わり、作品Eは同じ位置のまま30秒後に次の作品EEに置き換わり、作品Iは同じ位置のまま1分後に次の作品IIに置き換わるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、画面表示処理に際してCPU20が、サーバー11に多数投稿され作品エリア202に記憶されている全ての作品を対象として、前述したタイムライン表示を行うものについて説明した。しかし、タイムライン表示を行う際、表示対象を特定の画調を有する作品に限定するようにしてもよい。
図18は、その場合における画面表示処理の変形例を示した、図15に対応するフローチャートである。表示対象を特定の画調を有する作品に限定する場合には、図17に示したように、CPU20には、任意の画調の作品を対象として複数の作品をタイムライン表示している間には、ユーザーから画調変更指示があった場合(ステップSC408:YES)、表示対象とする作品の画調を予め決められている順に切り替えた後(ステップSC409)、前述したページ表示処理を行わせるようにしてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態、及びその変形例について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。以下に、本出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
サーバーを含みユーザーの端末と接続可能な画像表示システムであって、ネットワークを介して前記サーバーにユーザーの端末から画像をアップロードさせるアップロード手段と、前記アップロードされた画像を記憶する記憶手段と、前記憶手段に記憶されている複数の画像のリサイズ画像を、前記端末で閲覧可能な画面上に各画像の価値に基づき差別化して表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする画像表示システム。
[請求項2]
前記表示制御手段は、複数の前記リサイズ画像を、各画像の価値に応じて大きさを制御することにより、画面上に差別化して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
[請求項3]
前記表示制御手段は、複数の前記リサイズ画像を、各画像の価値に応じて表示形態を制御することにより、画面上に差別化して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
[請求項4]
前記表示制御手段は、複数の前記リサイズ画像を前記画面上に移動させながら表示させるとともに、複数の前記リサイズ画像を、各画像の価値に応じて移動速度を制御することにより画面上に差別化して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
[請求項5]
前記表示制御手段は、複数の前記リサイズ画像を、各画像の価値に応じて表示時間を制御することにより、画面上に差別化して表示させることを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
[請求項6]
前記表示制御手段は、前記アップロードされた画像に対するアクセス数を、アップロードされた画像に対応する前記リサイズ画像の価値と判断することを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
[請求項7]
前記ユーザーには有料会員と無料会員とが含まれ、前記表示制御手段は、前記無料会員によりアップロードされた画像に対応する前記リサイズ画像の価値よりも、前記有料会員によりアップロードされた画像に対応する前記リサイズ画像の価値を高いと判断することを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
[請求項8]
更に、前記アップロードされた画像にポイントを付加するポイント付加手段を備え、前記表示制御手段は、前記ポイント付加手段により付加されたポイントを複数の前記リサイズ画像の価値と判断することを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
[請求項9]
更に、前記アップロードされた画像から人物の顔を検出する顔検出手段を備え、前記表示制御手段は、前記顔検出手段により顔が検出されなかった画像に対応する前記リサイズ画像の価値よりも、前記顔検出手段により顔が検出された画像に対応する前記リサイズ画像の価値を高いと判断することを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
[請求項10]
更に、前記アップロードされた画像を画調変換処理する画調変換手段を備え、前記表示制御手段は、前記画調変換手段により画調変換処理されて前記憶手段に記憶されている複数の画像のリサイズ画像を、前記端末で閲覧可能な画面上に各画像の画調の種類に対応させた並び順で表示させることを特徴とする請求項1記載の画像表示システム。
[請求項11]
ネットワークを介してサーバーにユーザーの端末から画像をアップロードさせる工程と、アップロードされた画像を記憶する工程と、記憶した複数の画像のリサイズ画像を、前記端末で閲覧可能な画面上に各画像の価値に基づき差別化して表示させる工程とを含むことを特徴とする画像表示方法。
[請求項12]
ネットワークを介してユーザーの端末からアップロードされた画像を記憶する記憶手段と、前記憶手段に記憶されている複数の画像のリサイズ画像を、前記端末で閲覧可能な画面上に各画像の価値に基づき差別化して表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする画像表示装置。
[請求項13]
コンピュータに、画像をユーザーの端末からサーバーにアップロードさせる処理と、アップロードされた画像を記憶手段に記憶させる処理と、前記憶手段に記憶されている複数の画像のリサイズ画像を、前記端末で閲覧可能な画面上に各画像の価値に基づき差別化して表示させる処理とを実行させることを特徴とするプログラム。