JP5652339B2 - 車両運動制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、自身の左右にそれぞれ配置された左輪および右輪と、自身の車幅方向中央において前記左輪および前記右輪より前方に配置された前輪と後方に配置された後輪との少なくとも一方とを有する車両の運動を制御するためのシステムに関する。
自身の左右にそれぞれ配置された左輪および右輪と、自身の車幅方向中央において前記左輪および前記右輪より前方に配置された前輪と後方に配置された後輪との少なくとも一方を有する車両が、下記特許文献に記載されている。下記特許文献1に記載の車両は、単一の前輪と、それの後方に設けられた左輪,右輪とを有するものである。また、下記特許文献2に記載された車両は、単一の前輪,左輪および右輪の3つの車輪に加えて、左輪,右輪の後方に設けられた単一の後輪をも有するものである。
特開2006−130985号公報 中国授権公告号 CN1304237C
上述のような車両は、車輪の配置が、左右2つの前輪,左右2つの後輪を有する通常の車両とは異なることから、車両運動の制御において特別に配慮することが望ましい。上述のような車両(以下、「車輪特殊配置車両」という場合がある)に関する運動制御には、充分な改良の余地が残されており、何らかの改良を施すことにより、車輪特殊配置車両の実用性を向上させることが可能である。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、車輪特殊配置車両の実用性を向上させるための車両運動制御システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の車両運動制御システムは、上記車輪特殊配置車両のための車両運動制御システムであって、左右輪の各々に対応して設けられた距離変更装置を制御してそれらの各々の動作量に差を設けることで車体を傾斜させる制御装置が、実現させるべき車体の傾斜の程度に基づいて目標動作量差を決定し、増加させる方の距離変更装置の動作量と減少させる方の距離変更装置の動作量とへの目標動作量差の配分を決定し、その配分に基づいて2つの距離変更装置の各々の目標動作量を決定するように構成され、横風の強さが設定された強さを超えた場合に、車体車輪間距離を増加させるべく動作させる距離変更装置の動作量が、車体車輪間距離を減少させるべく動作させる距離変更装置の動作量より多くなるように、目標動作量差の配分を決定することを特徴とする。
本発明の車両運動制御システムによれば、車両の走行状態に応じて増加量と減少量とへの配分を変更することで、車体を傾斜させる際の車体の重心位置,左右輪と前後輪との荷重配分等を変更することが可能であり、車体の重心位置を横風が来る方向に移動させつつ車体を傾斜させるため、横風に対して、車体の安定性を向上させることが可能である。そのような利点を有することで、本発明の車両運動制御システムを搭載した特殊車輪配置車両は、実用性の高いものとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求の範囲と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、以下の各項に付随する記載,実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の(1)項,(9)項,(10)項を合わせたものが請求項1に相当し、請求項1に(7)項に記載の発明特定事項を付加したものが請求項2に、請求項2に(8)項に記載の発明特定事項を付加したものが請求項3に、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに(2)項に記載の発明特定事項を付加したものが請求項4に、それぞれ相当する。
(1)(a)自身の左右にそれぞれ配置された左輪および右輪と(b)自身の車幅方向中央において前記左輪および前記右輪より前方に配置された前輪と後方に配置された後輪との少なくとも一方とを有する車両に搭載され、その車両の運動を制御する車両運動制御システムであって、
前記左輪および前記右輪の各々に対応して配設され、それぞれが、自身の基準位置からの動作量を増減させ、その動作量の増減に応じて、自身に対応する車輪と車体との上下方向における距離である車体車輪間距離を変更する左輪距離変更装置および右輪距離変更装置と、
それら左輪距離変更装置および右輪距離変更装置を制御して、前記左輪距離変更装置の動作量と前記右輪距離変更装置の動作量とに差を設けることで、車体を傾斜させる車体傾斜制御装置と
を備え、
前記車体傾斜制御装置が、
実現させるべき車体の傾斜の程度に基づいて、前記左輪距離変更装置の動作量と前記右輪距離変更装置の動作量との差である目標動作量差を決定する目標動作量差決定部と、
その決定された目標動作量差の、(i)動作量を増加させる前記左輪距離変更装置と前記右輪距離変更装置との一方の動作量と(ii)動作量を減少させる前記左輪距離変更装置と前記右輪距離変更装置との他方の動作量とへの配分である増減配分を決定する増減配分決定部と、
その決定された増減配分に基づいて、前記左輪距離変更装置の目標動作量および前記右輪距離変更装置の目標動作量を決定する目標動作量決定部と
を有する車両運動制御システム。
本項に記載の車両運動制御システムが対象とする車両は、上述した特殊車輪配置車両であり、その車両は、上記左輪,右輪,前輪および後輪のいずれかを有する三輪車両であってもよく、さらに、左輪,右輪,前輪,後輪の4つの車輪が菱形状に配置された車両(以下、「菱形車輪配置車両」という場合がある)であってもよい。本項の態様のシステムは、上記のような車両の運動のうちの車体の傾斜を制御するものである。なお本項の態様のシステムは、積極的に車体を傾斜させる制御、いわゆるリーンをさせる制御を行うだけでなく、外力による車体の傾斜を抑制すべく車体の傾斜を制御を行うものであってもよい。
本項に記載の左右輪の各々に設けられた「距離変更装置」は、自身の動作量に応じて車体車輪間距離を変更するもの、つまり、車高を変更するための機能を発揮できるものであれば、特に限定されない。例えば、距離変更装置として、自身が発生させる力によって車高を変更することが可能な電磁式サスペンション装置,サスペンションスプリングのばね定数を変更することで車高を変更するハイドロニューマチックサスペンションやエアサスペンション等、車高変更機能を有するサスペンション装置を採用することができる。また、サスペンション装置とは別に設けられたもの、具体的に言えば、サスペンションスプリングの車体側あるいは車輪側の支持位置を調整することで車高を変更する装置等であってもよい。それら2つの距離変更装置の各々の動作量に差を設ければ、その差に依拠した量だけ車体を傾斜させることができる。ちなみに、車両が停止している状態で考えれば、右輪についての車体車輪間距離と左輪についての車体車輪間距離との間に、その目標動作量差に応じた差が生じることになる。
そして、本項に記載のシステムは、目標となる動作量差とすべく2つの距離変更装置の各々の目標動作量を決定する際に、2つの距離変更装置のうちの動作量を増加させるものの動作量(増加量)と、動作量を減少させるものの動作量(減少量)とへの目標動作量差の配分を変更可能、換言すれば、増加量と減少量との比を変更可能とされている。例えば、左右対称に動作させたりするなどのように増減配分を変更可能とされていない場合には、車体を傾斜させる際のその車体の動作は、左右輪の各々に対応して設けられたサスペンション装置の構造に起因して、つまり、サスペンション・ジオメトリに起因して定まってしまうことになる。それに対して、本項の態様のシステムによれば、上記の増減配分を変更することによって、車体を傾斜させる際に、車体の重心の高さや左右方向の位置を変更することが可能である。また、車体の重心の高さの変更によって、左右輪と中央輪(前輪と後輪との少なくとも一方)との荷重配分を変更することが可能である。
具体的には、左右の距離変更装置のうちの車体車輪間距離を増加させるべく動作させるものの動作量(距離増加動作量)が、それらのうちの車体車輪間距離を減少させるべく動作させるものの動作量(距離減少動作量)より多くなるように制御することで、車体の重心を上昇させるともに、車体の重心の位置を、車体を傾斜させる方向(傾斜の内輪側)に移動させることができる。逆に、距離減少動作量が、距離増加動作量より多くなるように制御することで、車体の重心を下降させることができる。
本項に記載の「距離変更装置の動作量」は、例えば、車両が水平な場所で停止している場合における位置を基準位置として、その基準位置から増加する際の動作量を正の符号で表し、基準位置から減少する際の動作量を負の符号で表したものである。つまり、2つの距離変更装置の一方が動作量を増加させるとともに、それらの他方が動作量を減少させるような場合には、本項に記載の「目標動作量差」は、それら増加量の絶対値と減少量の絶対値とを足し合わせた大きさとなる。
本項の態様のシステムにおいては、「増減配分」が、車両の走行状態を指標するパラメータに応じて決定されてもよく、増減配分を切り換えるスイッチ等を車両に設けて運転者のスイッチ操作によって変更されるようにしてもよい。
(2)当該車両運動制御システムが搭載される車両が、前記前輪と前記後輪との両者を有するものである(1)項に記載の車両運動制御システム。
本項に記載の車両運動制御システムは、上記車輪菱形配置車両に搭載されている。その車輪菱形配置車両において、車体の重心が高くなるように増減配分を変更することで、車体の重量のうちの前後輪が分担する荷重を、左右輪が分担する荷重に比較して小さくすることができ、重心が低くなるように増減配分を変更することで、前後輪の分担荷重を、左右輪の分担荷重に比較して大きくすることができる。
(3)前記目標動作量差決定部が、前記目標動作量差を、ステアリング操作部材の操作量に基づいて決定するように構成された(1)項または(2)項に記載の車両運動制御システム。
(4)前記目標動作量差決定部が、ステアリング操作部材の操作量が大きいほど、前記目標動作量差を大きく決定するように構成された(3)項に記載の車両運動制御システム。
上記2つの項に記載のシステムは、旋回時に車体を傾斜させるように構成される。上記2つの項の態様においては、目標動作量差が、車両の旋回方向における内輪側に車体をリーンさせるように決定されてもよく、旋回時の車体のロールを抑制するように決定されてもよい。
(5)前記目標動作量差決定部が、前記目標動作量差を、車速に基づいて決定するように構成された(3)項または(4)項に記載の車両運動制御システム。
(6)前記目標動作量差決定部が、車速が高いほど、前記目標動作量差を大きく決定するように構成された(5)項に記載の車両運動制御システム。
上記2つの項に記載のシステムは、旋回時に車体を傾斜させる場合に、車速に応じて、車体を傾斜させる程度を変更するように構成される。車速が異なれば、同じステアリング操作量であっても、車体に作用するロールモーメントも相違するため、上記2つの項の態様によれば、車速に応じて、車体の傾斜の程度を適切な量とすることが可能である。なお、上記2つの項の態様は、例えば、ステアリング操作量に基づいて決定された値を、車速に基づいて変更して、目標動作量差を決定するように構成することができる。また、例えば、ステアリング操作量と車速とに基づいて、車体に作用することになる横加速度を推定し、その横加速度に基づいて目標動作量差を決定するように構成することができる。
(7)前記目標動作量差決定部が、前記目標動作量差を、横風の強さに基づいて決定するように構成された(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の車両運動制御システム。
(8)前記目標動作量差決定部が、横風の強さが強いほど、前記目標動作量差を大きく決定するように構成された(7)項に記載の車両運動制御システム。
上記2つの項に記載のシステムは、横風に対処するために車体を傾斜させるように構成される。上記2つの項の態様においては、「横風の強さ」として、車体側面に作用している風の強さを用いてもよく、車両から離れた位置を吹いている風の強さを用いてもよい。例えば、横風への対処に遅れが生じないように、換言すれば、車体に作用する横風に事前に対処するために、風が車体に作用する前に車体をリーンさせるには、車両から離れた位置を吹いている風の強さを検出し、その風の強さに基づいて目標動作量差を決定することが望ましい。例えば、車両から離れた位置を吹いている風の向きおよび風速を検出可能なセンサを搭載させ、その検出結果に基づいて車体に作用することになる横風の風速を推定し、その推定された風速に基づいて目標動作量差を決定するようにすることが可能である。
(9)前記増減配分決定部が、前記増減配分を、横風の強さに基づいて決定するように構成された(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両運動制御システム。
(10)前記増減配分決定部が、
横風の強さが設定された強さを超えた場合に、前記左輪距離変更装置と前記右輪距離変更装置とのうちの対応する車輪についての車体車輪間距離を増加させるべく動作させるものの動作量が、それら左輪距離変更装置と右輪距離変更装置とのうちの対応する車輪についての車体車輪間距離を減少させるべく動作させるものの動作量より多くなるように、前記増減配分を決定するように構成された(9)項に記載の車両運動制御システム。
上記2つの項に記載のシステムは、横風の風速に基づいて増減配分を変更するように構成されており、横風に対処すべく車体を傾斜させる場合に有効である。例えば、後者の態様のように、距離増加動作量を距離減少動作量より多くすれば、車体の重心が上昇するとともに、その重心の位置が車体を傾斜させる方向に移動することになる。したがって、後者の態様によれば、車体の重心位置を横風が来る方向に移動させつつ車体を傾斜させるため、横風に対して、車体の安定性をより向上させることが可能である。
(11)前記増減配分決定部が、前記増減配分を、車速に基づいて決定するように構成された(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両運動制御システム。
本項に記載のシステムは、車速に基づいて増減配分を変更するように構成されており、旋回時に車体の傾斜を制御する場合に有効である。車速が異なれば、操縦性を優先させるのか、安定を優先させるのかが相違する。本項の態様によれば、車体の傾斜を、車速に応じて、それら操縦性・安定性の両者を考慮した適切なものとすることが可能である。
(12)前記増減配分決定部が、車速が低い場合に高い場合に比較して、車体の重心が高くなるように、前記増減配分を決定する(11)項に記載の車両運動制御システム。
本項に記載のシステムによれば、車速が低い状態で旋回を行う場合には、車体の重心位置が高められるため、半径の小さな旋回を行いやすくされ、逆に、車速が高い状態で旋回を行う場合には、車体の重心位置が低くされ、車両を安定させることが可能である。なお、本項に記載の態様は、車速に応じて、連続的に増減配分を変更するように構成することが可能であり、また、車速が設定値より低い場合と高い場合とで、増減配分を切り換えるような構成とすることも可能である。
(13)前記増減配分決定部が、
車速が設定値を超えた場合に、車体の重心が前記目標動作量差に依らず一定の高さとなるように、前記増減配分を決定する(11)項または(12)項に記載の車両運動制御システム。
本項に記載の態様によれば、車速が比較的高い状況下において、車体の重心位置の上下方向への変動が抑えられるため、車両の安定性を向上させることが可能である。
(14)前記増減配分変更部が、
前記左輪距離変更装置と前記右輪距離変更装置とのうちの対応する車輪についての車体車輪間距離を増加させるべく動作させるものの動作量を0とし、それら左輪距離変更装置と右輪距離変更装置とのうちの対応する車輪についての車体車輪間距離を減少させるべく動作させるものの動作量が、前記目標動作量差に相当する動作量となるように、前記増減配分を決定するように構成された(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両運動制御システム。
距離変更装置として、ハイドロニューマチックサスペンション,エアサスペンション,ばね支持位置を変更する装置を採用した場合を考える。その場合には、距離変更装置によって車体車輪間距離を減少させる際、距離変更装置が発生させている力を小さくするようにそれを動作させればよい。つまり、車体を傾斜させる際に、エネルギが必要ないのである。また、傾斜させた車体を元に戻す場合には、車体に作用している風や旋回モーメントを利用することができるため、車体を元に戻すためのエネルギを減少させることができる。したがって、本項の態様によれば、車体傾斜制御に必要なエネルギを抑制することが可能である。
請求可能発明の実施例である車両運動制御システムが搭載された車両の概略側面図である。 図1に示す車両およびその車両に搭載されている車両運動制御システムの全体構成を示す概念図である。 図1に示す車両の左輪(右輪)およびそれに対して設けられた懸架装置,駆動装置,制動装置を示す断面図である。 図1に示す車両の前輪(後輪)およびそれに対して設けられた転舵装置を示す図である。 横風の風速と横風に対処するための目標動作量差である横風対応動作量差Δとの関係を示す図である。 ステアリング操作量と旋回時の目標動作量差である旋回対応基準動作量差との関係を示す図である。 車速と旋回対応基準動作量差を補正する補正係数との関係を示す図である。 本車両運動制御システムにおいて実行される車体傾斜制御による車体の動作を示す概略図である。 図2に示す電子制御ユニットによって実行される車体傾斜制御プログラムを表すフローチャートである。 図9の車両運動制御プログラムにおいて実行される増減配分比決定サブルーチンを示すフローチャートである。 図2に示す制御装置としての電子制御ユニットの機能を示すブロック図である。
以下、請求可能発明の代表的な実施形態を、実施例として、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
≪車両の構成≫
図1に、実施例の車両運動制御システムが搭載された車両を示す。本車両は、菱形車輪配置の車両であり、次世代コミュータとして期待されている。本車両は、車体10と、それの前方部に設けられた前輪12Fと、その前輪12Fの後方において車体10の左部,右部にそれぞれ設けられた左輪14L,右輪14Rと、それら左輪14L,右輪14Rの後方に設けられた後輪12Rとを有している。当該車両の平面視を示す図2から解るように、前輪12F,後輪12Rは、車幅方向における中央に配設されている。なお、以下の説明において、前輪12F,後輪12Rの区別を要しない場合には、車輪12と総称し、左輪14L,右輪14Rの区別を要しない場合には、車輪14と総称することとする。前輪12F,後輪12R,左輪14L,右輪14Rに関係する構成要素,パラメータ等についても同様とする。
本車両では、後に詳しく説明するが、前輪12F,後輪12Rが転舵輪とされており、左輪14L,右輪14Rは転舵輪とはされていない。また、左輪14L,右輪14Rが駆動輪(車両を駆動するために回転駆動される車輪)とされてはいるものの、前輪12F,後輪12Rは、駆動輪とはされていない。同様に、左輪14L,右輪14Rが制動輪(車両を制動するために回転が制動される車輪)とされてはいるものの、前輪12F,後輪12Rは、制動輪とはされていない。
本車両には、運転者が当該車両を操作するための操作部材として、3つの操作部材が設けられている。その1つが、車両に旋回動作を行わせるためのステアリング操作部材であるステアリングホイール20であり、もう1つが、車両を加速させるためのアクセル操作部材であるアクセルペダル22,さらにもう1つが、車両を減速させるためのブレーキ操作部材であるブレーキペダル24である。ちなみに、本車両は、前進ばかりでなく後退も可能であるが、本明細書が冗長となることを避けるべく、以下の説明では、前進についてのみ説明することとする。
左輪14L,右輪14Rに関して説明すれば、図3から解るように、車輪14は、ホイール本体30と、タイヤ32とから構成されている。ホイール本体30は、アクスル34に固定され、そのアクスル34は、キャリア36に回転可能に保持されている。キャリア36は、それぞれがサスペンション装置を構成するサスペンションアームであるロアアーム38,アッパアーム40によって、車体に対して揺動可能とされている。ロアアーム38には、液圧式のショックアブソーバ42の下端部が取付られている。このショックアブアブソーバ42の上端部は、ばね支持位置調整装置44を介して、車体に支持されている。このばね支持位置調整装置44は、ショックアブソーバ42の上端部と、車体の支持部との上下方向における間隔を大きくしたり、小さくしたりするためのものであり、電磁モータを有し、その電磁モータの作動を制御することによって、後に説明するサスペンションスプリング46の上端部の車体に対する支持位置(以下、「ばね支持位置」という場合がある)を調整することが可能とされている。
液圧式のショックアブソーバ42は、ロアチューブ48とアッパチューブ50とを有し、それらが相対移動可能とされていることで、伸縮可能とされている。ロアチューブ48には、下部リテーナ52が、アッパチューブ50には、上部リテーナ54が、それぞれ固定されており、それら下部リテーナ52,上部リテーナ54によって、サスペンションスプリング46が挟持されている。このような構成により、車輪14は、回転可能にかつ、弾性的に上下に揺動可能とされているのである。
キャリア36は、アクスル34を保持するハブ部56の外方に短円筒状のコイル保持部58を有しているこのコイル保持部58の外周部には、電磁モータを構成する複数のコイル60が保持されている。一方、ホイール本体30のリム部には、それの内周面に沿って、複数の磁石62が配設されている。それら、複数のコイル60および複数の磁石62は互いに向かい合っており、それらは、ブラシレスDCモータを構成するものとなっている。つまり、車輪14は、ホイール本体30の内部に仕込まれたインホイールモータによって回転駆動され、そのインホイールモータは、当該車両における駆動装置64として機能するものとされている。なお、詳しい説明は省略するが、インホイールモータは、車輪14の回転によって発電機としても機能する。このモータが起電力によって発生させる電流を回生することで、駆動装置64は、回生ブレーキ装置としても機能するようにされているのである。
また、アクスル34には、ブレーキディスク66が固定されている。一方、キャリア36には、ブレーキパッドを保持するキャリパ装置68が固定されている。キャリパ装置68は、電磁モータの力によってブレーキパッドをブレーキディスク66に押し付けるようにされている。つまり、本車両では、それらブレーキディスク66,キャリパ装置68によって構成されるディスク型の制動装置70を有しているのである。
次に、前輪12F,後輪12Rに関して説明すれば、図4から解るように、車輪12は、ホイール本体80と、タイヤ82とから構成されている。ホイール本体80は、1対の液圧式のショックアブソーバ84によって、左右から挟持されている。詳しく言えば、ホイール本体80のハブ部86に設けられたアクスル88が、1対のショックアブソーバ84の各々の下端部に設けられた軸受部90によって回転可能に保持されていることで、車輪12は回転可能とされているのである。
1対のショックアブソーバ84の各々の上端部は、車幅方向に延びる支持板92に固定されており、支持板92は、1対のショックアブソーバ84の上端部を繋ぐものとなっている。支持板92には、軸94が固定的に付設されており、その軸94が、車体に設けられた軸受部96に回転可能に保持されている。軸94は、軸受部96から上方に延びだしており、その延びだした部分を転舵装置98が回転させることで、車輪12は、転舵される。この転舵装置98は、電磁モータを有し、その電磁モータの作動が制御されることで、車輪12を任意の転舵角で転舵するように構成されている。なお、転舵装置98は、車輪12が左右ともに90°以上転舵されないようにするためのストッパを有している。
1対のショックアブソーバ84の各々は、ロアチューブ100とアッパチューブ102とを有し、それらが相対移動可能とされていることで、伸縮可能とされている。ロアチューブ100には、下部リテーナ104が、アッパチューブ102には、上部リテーナ106が、それぞれ固定されており、それら下部リテーナ104,上部リテーナ106によって、1対のサスペンションスプリング108の各々が挟持されている。このような構成により、車輪12は、弾性的に上下に揺動可能とされているのである。
≪車両運動制御システムの構成≫
本車両の運動は、図2に全体構成を示す車両運動制御システムによって制御される。このシステムは、当該システムの中核をなす制御装置としての電子制御ユニット(以下、「ECU」と略す)130を備えている。この、ECU130は、コンピュータを主体とする装置であり、左輪駆動装置[DL]64L,右輪駆動装置[DR]64R,左輪制動装置[BL]70L,右輪制動装置[BR]70R,左輪ばね支持位置調整装置[HL]44L,右輪ばね支持位置調整装置[HR]44R,前輪転舵装置[SF]98F,後輪転舵装置[SR]98Rを制御することで、当該車両の運動を制御するように構成されている。ちなみに、ECU130は、それら各装置の電磁モータの作動の制御のためのドライバ回路をも有している。
なお、本車両運動システムは、制御のためのパラメータを取得するデバイスとして、種々のセンサを備えている。具体的には、車両の走行速度(車速)vを検出するための車速センサ[v]132,ステアリングホイール20の操作角θを検出するためのステアリングセンサ[θ]134,左輪側,右輪側それぞれの上記ばね支持位置hL,hRを検出するための左輪ばね支持位置センサ[hL]136Lおよび右輪ばね支持位置センサ[hR]136R,車両の左右に吹いている風の風向きと風速とを検出するための横風センサ138が、車体に設けられており、それらのセンサがECU130に繋げられている。また、車両には、後に詳しく説明する車体傾斜制御の実行時において旋回時に車高を低めにするためのスイッチである旋回時車高変更スイッチ[Sw]140が設けられており、そのスイッチ140も、ECU130に繋げられている。
≪車体傾斜制御≫
i)車体傾斜制御の概要
先に説明したように、左輪14L,右輪14Rの各々を支持するサスペンションスプリング46の上端部は、それぞれ、左輪ばね支持位置調整装置44L,右輪ばね支持位置調整装置44Rを介して車体に取り付けられている。例えば、それらばね支持位置調整装置44によって、サスペンションスプリング46の各々の上端部の車体に対する位置、つまり、ばね支持位置を下降させれば、サスペンションスプリング46が押し縮められ、サスペンションスプリング46のばね反力が増加するとともに、車体がある程度上昇する。逆に、ばね支持位置調整装置44によって、ばね支持位置を上昇させれば、左輪14L,右輪14Rを支持するサスペンションスプリング46が伸ばされ、サスペンションスプリング46のばね反力が減少するとともに、車体がある程度下降する。つまり、左輪ばね支持位置調整装置44L,右輪ばね支持位置調整装置44Rは、それぞれ、左輪14Lの車体との上下方向における距離および右輪14Rと車体との上下方向における距離を、自身の基準位置からの動作量の増減に応じて変更する距離変更装置として機能するものとなっているのである。
そして、本車両の運動の制御のうち、横風に対処するためや旋回時に、車体を傾斜させる車体傾斜制御は、それらばね支持位置調整装置44の動作量を制御することによって行われる。具体的には、それら左輪ばね支持位置調整装置44L,右輪ばね支持位置調整装置44Rの一方によって車体を上昇させるともに、それらの他方によって車体を下降させるように、それらばね支持位置調整装置44の動作量を制御して、車体を傾斜させるのである。以下に、その車体傾斜制御について、詳細に説明する。
ii)目標動作量差の決定
車体傾斜制御においては、まず、車両の走行状態に応じて、車体を傾斜させる程度を決定する。先にも述べたように、本車体傾斜制御は、横風に対処するために車体を傾斜させるとともに、旋回時に車体を傾斜させるものである。詳しくは、車体傾斜制御においては、横風に対処すべく、横風センサ138の検出結果から車体に達する横風の中で最大のものを認定し、その認定された横風の風速Vwに応じて車体を傾斜させる程度、つまり、左輪ばね支持位置調整装置44Lの動作量と右輪ばね支持位置調整装置44Rの動作量との差である目標動作量差を変更するようになっている。具体的には、横風に対処するための目標動作量差である横風対応動作量差ΔLWが、風速Vwに応じて、図5に示すような変化を示すように制御される。具体的には、横風対応目標動作量差ΔLWが、風速Vwに応じて設定されてECU130内に格納されたマップデータを参照しつつ決定される。図5からも分かるように、風速Vwが大きくなるほど、横風対応動作量差ΔLWも大きくなるようになっている。
また、車体傾斜制御においては、旋回時に車体を傾斜させるべく、その旋回によって車体に作用するロールモーメントに応じた車体の傾斜となるように、目標動作量差が決定されるようになっている。まず、ステアリングセンサ134によって検出された操作角θに応じて、旋回対応基準動作量差ΔLBが、図6に示すようなマップデータを用いて決定される。そして、その決定された旋回対応基準動作量差ΔLBが、車速センサ132によって検出された車速vに応じて決定された補正係数αによって補正され、旋回時の目標動作量差である旋回対応動作量差ΔLGが決定される。
ΔLG=α・ΔLB
なお、その補正係数αは、車速vに応じて、図7に示すようなマップデータを用いて決定される。
そして、上記のように決定された横風対応動作量差ΔLWと旋回対応動作量差ΔLGとを足し合わせて、目標動作量差ΔLが決定される。
ΔL=ΔLW+ΔLG
ちなみに、目標動作量差ΔL,横風対応動作量差ΔLW,旋回対応動作量差ΔLGは、車体を左側に傾斜させる場合のもの、つまり、左輪ばね支持位置調整装置44Lの動作量が右輪ばね支持位置調整装置44Rの動作量より大きい場合のものを、正の符号で表し、車体を右側に傾斜させる場合のもの、つまり、右輪ばね支持位置調整装置44Rの動作量が左輪ばね支持位置調整装置44Lの動作量より大きい場合のものを、負の符号で表している。
iii)増減配分比の決定
次いで、車体傾斜制御においては、上述のように決定された目標動作量差ΔLを、左右輪14のうちの車体車輪間距離を増加させるものに対応するばね支持位置調整装置44の動作量(以下、「増加動作量ΔLUP」と呼ぶ場合がある)と、車体車輪間距離を減少させるものに対応するばね支持位置調整装置44の動作量(以下、「減少動作量ΔLDW」と呼ぶ場合がある)とに配分すべく、それらへの配分比である増減配分比r(=ΔLUP/ΔLDW)が決定される。なお、本車両は、車体の重心位置が比較的低く、増減配分比を1とすると、つまり、増加動作量ΔLUPおよび減少動作量ΔLDWをともに、目標動作量差ΔLの半分の動作量とすると、車体の重心位置が車体を傾斜させた方向とは反対方向に移動することになる。
まず、上記増減配分比rは、横風の強さに基づいて決定されるようになっている。横風センサ138の検出結果から車体に達する横風の中で最大のものの風速Vwが、設定値V0を超えた場合に、増減配分比rは、1より大きな値であるrUPとされる。つまり、増加動作量ΔLUPが減少動作量ΔLDWより多くされるようになっている。例えば、車両の左側から横風を受ける場合に車体を傾斜させた状態を、図8(a)に示す。この図からも分かるように、上記のような増減配分比とすることで、車体の重心位置を、横風が吹いてくる方向に近づけることができ、その横風に対して車両を安定させることが可能である。
また、横風の風速Vwが設定値V0以下である場合には、上記増減配分比rは、車速センサ132によって検出された車速vに基づいて決定されるようになっている。具体的には、まず、車速vが第1設定速度v1(例えば、5km/h)より低い場合には、増減配分比rは、1より大きな値である上記のrUPとされる。つまり、この場合には、旋回方向における内輪側に車体の重心が近づけられるとともに、重心の高さが高くされて左右輪14の分担荷重が前後輪12の分担荷重に比較して大きくされるため、半径が比較的小さな旋回が行われ易くなるのである。
また、車速vが第2設定速度v2(例えば、20km/h)を超えた場合には、図8(b)に示すように車両が水平状態にある場合における車体の重心の高さから変化しないように、増減配分比rが決定される。具体的には、目標動作量差ΔLに対して重心高が一定となるようにように制御されるのであり、実現されるべき増減配分比rが、目標動作量差ΔLに応じて設定されたマップデータを参照しつつ決定される。つまり、車速vが第2設定速度v2を超え、車速が比較的高くなった場合には、車高の変化が抑えられ、旋回時の車両を安定させることが可能である。
さらに、車速vが、第1設定速度v1以上であり、かつ、第2設定速度v2以下である場合には、旋回方向における内輪側だけを縮めるようにして車体を傾斜させるように、増減配分比rが0とされる。換言すれば、増加動作量ΔLUPが0とされ、減少増加量ΔLDWが目標動作量差ΔLに相当する動作量とされる。ばね支持位置調整装置44において、車高を下降させるべくばね支持位置を上昇させるのは、サスペンションスプリング46の弾性力を利用して行うことができ、現時点でのばね支持位置としている力を減少させるようにすればよい。つまり、車体を傾斜させる際には、エネルギが必要ないのである。また、傾斜させた車体を元に戻す際には、旋回によって車体には元に戻す方向の力が作用しており、その力が徐々に小さくなっていく状態である。つまり、傾斜させた車体を元に戻す際には、車体に作用している力に逆らってばね支持位置を変更する場合に比較して、小さなエネルギで済むことになるのである。
なお、運転者によって、旋回時車高変更140がON状態とされている場合には、上記の車速vに応じた増減配分比の変更は行われず、増減配分比rは、1より小さな値であるrDWとされる。つまり、減少動作量ΔLDWが増加動作量ΔLUPより多くされるようになっている。例えば、車両の左旋回時に車体を傾斜させた状態を、図8(c)に示す。この図からも分かるように、上記のような増減配分比とすることで、重心の高さが低くされて前後輪12の分担荷重が左右輪14の分担荷重に比較して大きくされるため、二輪車の旋回に近い旋回を行うことが可能である。
iv)目標動作量の決定
上記のように目標動作量差ΔLおよび増減配分比rが決定されれば、それらに基づいて、左輪ばね支持位置調整装置44Lの目標動作量と、右輪ばね支持位置調整装置44Rの目標動作量とが、次式に従って決定される。
ΔL>0の場合
ΔLL *=−(2−r)・ΔL/2
ΔLR *=r・ΔL/2
ΔL<0の場合
ΔLL *=−r・ΔL/2
ΔLR *=(2−r)・ΔL/2
そして、その目標動作量ΔLL *,ΔLR *だけ、ばね支持位置を変更するように、左輪ばね支持位置調整装置44L,右輪ばね支持位置調整装置44Rが制御されるのである。
≪車両運動制御プログラムおよび制御装置の機能構成≫
本車両運動制御システムによる車体傾斜制御は、制御装置としてのECU130が、図9にフローチャートを示す車体傾斜制御プログラムを実行することによって行われる。このプログラムは、短い時間ピッチ(例えば、数〜数十μ秒)で繰り返し行われる。このプログラムでは、まず、ステップ1,2(以下、ステップを「S」と略す)において、横風対応目標動作量差が決定され、次いで、S3,4において、旋回対応目標動作量差ΔLが、取得される。それらの取得の後、S5において、それらを足し合わせて目標動作量差ΔLが決定され、さらに続くS6において、増減配分比rを決定する処理が行われる。
S6の増減配分比を決定する処理では、図10にフローチャートを示す増減配分比決定サブルーチンが実行される。このサブルーチンにおいては、まず、S11において、横風の風速Vwが設定値V0より大きいか否かが判定され、横風の風速Vwが設定値V0より大きい場合には、S15において、増減配分比rがrUP(>1)とされる。一方、横風の風速Vwが設定値V0以下である場合には、S12において、旋回時車高変更スイッチ140がON状態とされているか否かが判定され、ON状態とされている場合には、S16において、増減配分比rがrDW(<1)とされる。
また、S12において、旋回時車高変更スイッチ140がON状態とされていない場合には、車速vに基づいて増減配分比rが決定される。まず、S13において、車速vが第1設定値v1より小さいか否かが判定されるとともに、S14において、車速vが第2設定値v2より大きいか否かが判定される。そして、車速vが第1設定値v1より小さい場合には、S15において、増減配分比rがrUP(>1)とされる。また、車速vが第2設定値v2より大きい場合には、S18において、増減配分比rが0とされる。さらに、車速vが第1設定値v1以上、第2設定値v2以下である場合には、S17において、目標動作量差ΔLに依らず車体の重心の高さが一定となるように、増減配分比rが決定される。
上記のように目標動作量差ΔLおよび増減配分比rが決定されると、車体傾斜制御プログラムのS7〜S9において、それらに基づいて、左輪ばね支持位置調整装置44Lの目標動作量ΔLL *と、右輪ばね支持位置調整装置44Rの目標動作量ΔLR *とが決定される。そして、S10において、その目標動作量ΔLL *,ΔLR *だけ、ばね支持位置を変更するように、左輪ばね支持位置調整装置44L,右輪ばね支持位置調整装置44Rへ制御信号が送信される。以上で、1回の車体傾斜制御プログラムの実行が終了する。
上記車体傾斜制御プログラムを実行するECU130は、車体傾斜制御装置として機能するものとなっており、図11に示すように、上記各制御を実行する機能部を有していると考えることができる。詳しく言えば、ECU130は、上記車体傾斜制御プログラムのS1〜S5を実行して目標動作量差を決定する目標動作量差決定部160と、上記増減配分比決定サブルーチンを実行する増減配分比決定部162と、上記車体傾斜制御プログラムのS7〜S9を実行して距離変更装置としてのばね支持位置調整装置44の動作量を決定する目標動作量決定部164とを有していると考えることができるのである。
10:車体 12F:前輪 12R:後輪 14L:左輪 14R:右輪 20:ステアリングホイール〔ステアリング操作部材〕 42:ショックアブソーバ 44L:左輪ばね支持位置調整装置〔左輪距離変更装置〕 44R:右輪ばね支持位置調整装置〔右輪距離変更装置〕 46:サスペンションスプリング 130:電子制御ユニット(ECU)〔車体傾斜制御装置〕 132:車速センサ 134:ステアリングセンサ 138:横風センサ 140:旋回時車高変更スイッチ 160:目標動作量差決定部 162:増減配分比決定部 164:目標動作量決定部
v:車両走行速度(車速) θ:ステアリングホイールの操作角 hL:左輪ばね支持位置 hR:右輪ばね支持位置 Vw:横風の風速 ΔLW:横風対応動作量差 ΔLB:旋回対応基準動作量差 α:補正係数 ΔLG:旋回対応動作量差 ΔL:目標動作量差 ΔLUP:増加動作量 ΔLDW:減少動作量 r:増減配分比 ΔLL *:左輪目標動作量 ΔLR *:右輪目標動作量

Claims (4)

  1. (a)自身の左右にそれぞれ配置された左輪および右輪と(b)自身の車幅方向中央において前記左輪および前記右輪より前方に配置された前輪と後方に配置された後輪との少なくとも一方とを有する車両に搭載され、その車両の運動を制御する車両運動制御システムであって、
    前記左輪および前記右輪の各々に対応して配設され、それぞれが、自身の基準位置からの動作量を増減させ、その動作量の増減に応じて、自身に対応する車輪と車体との上下方向における距離である車体車輪間距離を変更する左輪距離変更装置および右輪距離変更装置と、
    それら左輪距離変更装置および右輪距離変更装置を制御して、前記左輪距離変更装置の動作量と前記右輪距離変更装置の動作量とに差を設けることで、車体を傾斜させる車体傾斜制御装置と
    を備え、
    前記車体傾斜制御装置が、
    実現させるべき車体の傾斜の程度に基づいて、前記左輪距離変更装置の動作量と前記右輪距離変更装置の動作量との差である目標動作量差を決定する目標動作量差決定部と、その決定された目標動作量差の、(i)動作量を増加させる前記左輪距離変更装置と前記右輪距離変更装置との一方の動作量と(ii)動作量を減少させる前記左輪距離変更装置と前記右輪距離変更装置との他方の動作量とへの配分である増減配分を決定する増減配分決定部と、
    その決定された増減配分に基づいて、前記左輪距離変更装置の目標動作量および前記右輪距離変更装置の目標動作量を決定する目標動作量決定部と
    を有し、
    前記増減配分決定部が、
    横風の強さが設定された強さを超えた場合に、前記左輪距離変更装置と前記右輪距離変更装置とのうちの対応する車輪についての車体車輪間距離を増加させるべく動作させるものの動作量が、それら左輪距離変更装置と右輪距離変更装置とのうちの対応する車輪についての車体車輪間距離を減少させるべく動作させるものの動作量より多くなるように、前記増減配分を決定するように構成された車両運動制御システム。
  2. 前記目標動作量差決定部が、前記目標動作量差を、横風の強さに基づいて決定するように構成された請求項1に記載の車両運動制御システム。
  3. 前記目標動作量差決定部が、横風の強さが強いほど、前記目標動作量差を大きく決定するように構成された請求項2に記載の車両運動制御システム。
  4. 当該車両運動制御システムが搭載される車両が、前記前輪と前記後輪との両者を有するものである請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の車両運動制御システム。
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