JP5652338B2 - 加振器 - Google Patents

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Description

本発明は、加振器に関し、より詳細には、ユニモルフ構造を有する電歪素子を用いた加振器に関する。
従来、携帯電話やポケットベルなどの携帯型通信機器においては、ユーザに着信などを知らせるために機械的振動を加える加振器が用いられている。そのような用途に使用される加振器は、目下、モーター駆動のものが主流であるが、より小型で軽量かつ低消費電力の加振器が求められている。
かかる要求に応えるべく、近年、圧電素子を用いた加振器が開発されている。具体的には、弾性板の一端を固定し、他端に質量体を結合しつつ、弾性板の中間部を屈曲させて、その片面または両面に圧電素子(圧電セラミック素子)を貼付けた構成とすることが提案されている(特許文献1を参照のこと)。かかる加振器は、圧電素子に交流電圧を印加すると圧電素子が伸縮し、その結果、圧電素子が貼付けられている弾性板に交流電圧の周波数に応じた振動がもたらされて、弾性板に結合された質量体が振動し、ユーザに機械的振動を加えるというものである。
特開平10−15492号公報
人間が皮膚刺激により感知できる機械的振動には限りがあり、振動周波数が高すぎると感知することはできない。上述した圧電素子を用いた加振器では、その共振周波数を200Hz以下にするために、弾性板を屈曲させることにより弾性板の長さを長くしている(特許文献1の第0008段落を参照のこと)。また、人間がより感知し易いように、質量体に突起を設けて、点状の皮膚刺激を加えるようにしている(特許文献1の第0009段落を参照のこと)。
しかしながら、かかる従来の圧電素子(圧電セラミック素子)を用いた加振器では、共振周波数を200Hz以下とすると、質量体を大きい振幅で振動させることはできない。このことは、点状の皮膚刺激を加えるようにしたとしても同じである。よって、加振器の質量体を初めからユーザの皮膚に密着させておかなければ、加振器の機械的振動をユーザに加えることは困難であり、ユーザは装着上の制約を受けることとなる。
本発明は、ユーザなどの対象物に機械的振動を加える加振器であって、従来の圧電素子を用いた加振器に比べて、より大きな振幅で振動することができ、よって、対象物と当初非接触である場合にも、対象物に機械的振動を加えることのできる加振器を提供することを目的とする。
本発明者は、ユニモルフ構造を有する電歪素子を用い、加振器の構成について更なる鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
本発明の1つの要旨によれば、電歪材料層と、電歪材料層の両面に各々配置された2つの電極と、いずれか一方の電極を介して電歪材料層の片面に接合された基材とにより各々構成された第1および第2の電歪素子、ならびに機械的振動を外部に加えるための質量体を含む加振器であって、第1の電歪素子は基材の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲し、第2の電歪素子は電歪材料層の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲し、第1および第2の電歪素子は各一端にて質量体を介して直列接続され、第1および第2の電歪素子の各他端は固定端とされる、加振器が提供される。
本発明の上記加振器は、電歪材料層と、電歪材料層の両面に各々配置された2つの電極と、いずれか一方の電極を介して電歪材料層の片面に接合された基材とにより構成された電歪素子を2つ用いたものである。かかる電歪素子は、ユニモルフ構造を有する電歪素子である。
そして、本発明の上記加振器によれば、第1の電歪素子は基材の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲し、第2の電歪素子は電歪材料層の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲し、第1および第2の電歪素子は各一端にて質量体を介して直列接続され、第1および第2の電歪素子の各他端は固定端とされるので、これら電歪素子の各電極間にそれぞれ交流成分を持つ電圧を印加すると、これら電歪素子が直列接続されている部分(以下、本明細書において「直列接続部」とも言う)に配置された質量体は、見かけ上、まず長手方向(以下、「横方向」とも言う)に振動し、やがてこれに垂直な方向(以下、「縦方向」とも言う)の振動が合わさって、最終的に縦方向に大きく振動するようになる。この結果、質量体を縦方向に大きな振幅で振動させることができ、よって、質量体が対象物と当初非接触である場合にも、対象物に機械的振動を加えることができる。
本発明の1つの態様においては、第1および第2の電歪素子は、同じ方向に湾曲している。かかる態様によれば、縦方向に一層大きな振幅で振動させることができる。また、第1および第2の電歪素子の湾曲方向が揃うので、これと反対側に対象物を配すれば、これら電歪素子の動きを妨げない。
本発明の1つの態様においては、第1および第2の電歪素子の湾曲した部分が、いずれも円弧状の断面形状を有する。湾曲した部分を円弧状の断面形状とすることによって、質量体を効率的に振動させることができる。例えば、電歪素子に、くの字型の形状のような折れ部があると、振動させるための力が折れ部で逃げてしまい、力を効率的に伝達することができないことがある。
本発明によれば、対象物に機械的振動を加える加振器であって、従来の圧電素子を用いた加振器に比べて、より大きな振幅で振動することができ、よって、対象物と当初非接触である場合にも、対象物に機械的振動を加えることのできる加振器が提供される。
本発明の1つの実施形態における加振器を示す概略断面図であって、図1(a)は電圧を印加していない停止状態、図1(b)は交流成分を持つ電圧を印加した当初の横方向振動状態、図1(c)は交流成分を持つ電圧を印加してしばらく経った縦方向振動状態を示す。 図1の実施形態における加振器を製造するために使用されるユニモルフ(ユニモルフ構造を有するシート)を示す図であって、図2(a)はユニモルフの概略断面図を示し、図2(b)はユニモルフの屈曲動作を説明する図である。
本発明の1つの実施形態における加振器について、以下、図面を参照しながら詳述する。
図1を参照して、本実施形態の加振器40は、第1の電歪素子10および第2の電歪素子20ならびに機械的振動を外部に加えるための質量体30を含む。第1の電歪素子10は、電歪材料層1と、電歪材料層1の両面に各々配置された2つの電極3a、3bと、これら電極3a、3bのいずれか一方(図示する態様では電極3a)を介して電歪材料層1の片面に接合された基材5とにより構成され、基材5の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲している。第2の電歪素子20は、電歪材料層11と、電歪材料層11の両面に各々配置された2つの電極13a、13bと、これら電極13a、13bのいずれか一方(図示する態様では電極13a)を介して電歪材料層11の片面に接合された基材15とにより構成され、電歪材料層11の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲している。そして、これら第1の電歪素子10および第2の電歪素子20が、各一端10a、20aにて質量体30を介して直列接続され、各他端10b、20bは、例えば支持部材31、32またはその他壁面などに固定されることにより、固定端とされる。
電歪素子10、20において、電歪材料層1、11は、高分子電歪材料から形成される。高分子電歪材料は、永久双極子を有する高分子材料であれば、特に限定されない。高分子電歪材料の例としては、PVDF(ポリビニリデンフルオロイド)、PVDF系の共重合体、例えば、P(VDF−TrFE)などのコポリマーや、P(VDF−TrFE−CFE)、P(VDF−TrFE−CTFE)、P(VDF−TrFE−CDFE)、P(VDF−TrFE−HFA)、P(VDF−TrFE−HFP)、P(VDF−TrFE−VC)などのターポリマーが挙げられる(Pはポリを、VDFはビニリデンフルオライドを、TrFEはトリフルオロエチレンを、CFEはクロロフルオロエチレンを、CTFEはクロロトリフルオロエチレンを、CDFEはクロロジフルオロエチレンを、HFAはヘキサフルオロアセトンを、HFPはヘキサフルオロプロピレンを、VCはビニルクロライドを意味する)。なかでも、P(VDF−TrFE−CFE)が、大きな歪みが得られる点で特に好ましい。電歪材料層1、11の厚さは適宜設定してよいが、例えば数μm〜100μm程度とし得る。電歪材料層1、11は、使用する高分子電歪材料および厚さが、同じであっても、異なっていてもよい。
また、電歪素子10、20において、それぞれ2つの電極3a、3bおよび電極13a、13bは、電極として機能し得る限り、任意の適切な導電性材料から形成してよい。かかる導電性材料の例としては、Ni(ニッケル)、Pt(白金)、Pt−Pd(白金−パラジウム合金)、Al(アルミニウム)、Au(金)、Au−Pd(金パラジウム合金)などの金属材料、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、PPy(ポリピロール)、PANI(ポリアニリン)などの有機導電性材料などが挙げられる。このうち、有機導電性材料は、クラックが導入され難いので好ましい。電極3a、3b、13a、13bの厚さは、使用する導電性材料などに応じて適宜設定してよいが、例えば20nm〜10μm程度とし得る。電極3a、3b、13a、13bは、使用する導電性材料および厚さが、同じであっても、異なっていてもよい。また、図示する態様では、電極3a、3b、13a、13bは、電歪材料層1、11の全面をそれぞれ被覆しているが、このことは必ずしも本発明に要せず、電極3a、3b、13a、13bは、適宜、パターニングされていてもよい。例えば、電極3a、3b、13a、13bは、一端10a、20aおよび他端10b、20bから離間するように、電歪材料層1、11の中央部を被覆するものであってよい。
また、電歪素子10、20において、基材5、15は、後述する湾曲成形を実施し得る限り、任意の適切な可撓性材料から形成してよい。かかる可撓性材料の例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、セロファン、塩化ビニル、ポリイミド、ポリエステルなどが挙げられる。また、基材5、15は、上述したような電歪材料から形成してもよい。基材5、15の厚さは適宜設定してよいが、例えば数μm〜100μm程度とし得る。基材5、15は、使用する可撓性材料(または電歪材料)および厚さが、同じであっても、異なっていてもよい。
電歪素子10、20は、それぞれ少なくとも部分的に(図示する態様では全体的に)湾曲している。電歪素子10、20の湾曲部分は、電極3a、3b、13a、13bが配置された部分を含むことが好ましい。電歪素子10、20の湾曲部分(図示する態様では全体)は、いずれも円弧状の断面形状を有することが好ましい。第1の電歪素子10の湾曲部分の曲率半径と、第2の電歪素子の湾曲部分の曲率半径とは、同じであってよい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、電歪素子10、20の湾曲部分は、円弧状以外の他の断面形状(例えば半楕円状など)に湾曲していてもよく、また、曲率半径が異なっていてもよい。
かかる電歪素子10、20は、それらの一端10a、20aにて質量体30を介して直列接続される。図示するように、電歪素子10、20は、それら湾曲部における仮想上の弦(図1(a)中、点線にて示す)が略一直線上に位置するようにして直列接続されることが好ましい。また、図示するように、電歪素子10、20は、同じ方向に湾曲する(換言すれば、これら湾曲部の凸方向が揃う)ようにして直列接続されることが好ましい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、電歪素子10、20が、異なる方向に湾曲していても(換言すれば、これら湾曲部の凸方向がずれていても)よい。
質量体30は、電歪素子10、20の一端10a、20a間の直列接続部に配置され、加振器40を駆動させることにより振動する部材である。質量体30は、振動(より詳細には機械的振動)を外部に加え得る限り、その材料、形状などについて、特に限定されない。また、質量体30の質量は、使用する電歪素子10、20の寸法および剛性や、印加する電圧の周波数などに応じて適宜選択され得る。
電歪素子10、20の他端10b、20bは固定端とされる。他端10b、20bは、図示する態様では、直列接続された電歪素子10、20の長手方向(横方向)に対して略平行(凸方向に対して略垂直)な平面で固定しているが、これに限定されず、例えば長手方向に対して略垂直な平面または傾斜した平面あるいは曲面などで固定してもよい。
次に、かかる加振器40の製造方法について説明する。
まず、ユニモルフ構造を有する可撓性のシート(以下、本明細書において単に「ユニモルフ」と呼ぶ)を準備する。図2(a)を参照して、ユニモルフ7は、電歪材料層1と、電歪材料層1の両面に各々配置された2つの電極3a、3bと、これら電極3a、3bのいずれか一方(図示する態様では電極3a)を介して電歪材料層1の片面に接合された基材5とにより構成され、全体として可撓性を有するものとされる。なお、かかるユニモルフ7は、これら2つの電極3a、3b間に電圧を印加すると、電歪材料層1が厚さ方向(電界方向)に縮み、面内方向で伸びるため、電歪材料層1と基材5との間で寸法差が生じて、図2(b)に示すように、電歪材料層1を外側とし、基材5を内側として屈曲するものである。
このようなユニモルフ7は、例えば以下のようにして作製可能である。電歪材料層1の両面に電極3a、3bを形成する。電極材料に金属材料を用いる場合には、蒸着またはスパッタリングなどによって電極を形成できる。電極材料に有機導電性材料を用いる場合には、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、刷毛塗布などによって電極を形成できる。図示する態様では、電極3a、3bは電歪材料層1の全面にそれぞれ形成されるものとしているが、このことは必ずしも本発明に要せず、電極3a、3bは、適宜、パターニングされていてもよい。これにより得られた電極3a、3b付き電歪材料層1の片面に(図示する態様では電極3aを介して)基材5を接合させる。この接合は、例えば、熱硬化型または紫外線硬化型などの接着剤を用いて実施できる。これにより、ユニモルフ7が作製される。しかしながら、ユニモルフ7の作製方法はかかる例に限定されず、例えば、基材5の上に電極3aを予め形成しておき、その電極3aの上に電歪材料を塗布またはキャスティングすることにより電歪材料層1を形成し、更に、その電歪材料層1の上に電極3bを形成してもよい。
次に、このユニモルフ7を湾曲成形して、第1の電歪素子10を得る。具体的には、シート状のユニモルフ7を、例えば半円筒状の表面を有する型を用いて、基材5が電歪材料層1よりも凸側になるように湾曲させ、そのまま熱処理に付して基材5を熱成形し、その後、型から外すことによって、湾曲成形を実施できる。熱処理の温度および時間は、使用する基材5の材料に応じて適宜設定し得る。例えば、基材5がPETから成る場合、80〜100℃で5〜10分間の熱処理により熱成形できる。
これにより、第1の電歪素子10が得られる。第2の電歪素子20は、成形の際に、電歪材料層11が基材15よりも凸側になるように湾曲させたこと以外は、第1の電歪素子10と同様にして得られる。電歪素子10、20の寸法、湾曲形状(曲率半径)などは、加振器40の用途などに応じて適宜設定し得る。
これら電歪素子10、20を一端10a、20aにて質量体30を介して直列接続する。例えば、電歪素子10の一端10aおよび電歪素子20の一端20aを、それぞれ別個に質量体30に接合してよい。あるいは、電歪素子10の一端10aおよび電歪素子20の一端20aを、任意の接合部材に接合し、この接合部材に質量体30を接合してもよい。またあるいは、電歪素子10の一端10aと電歪素子20の一端20aとを直接接合し、この接合部に質量体30を接合してもよい。また、電歪素子10、20の他端10b、20bを支持部材31、32にそれぞれ接合して固定する。これらの接合は、例えば、熱硬化型または紫外線硬化型などの接着剤を用いて実施できる。
以上のようにして、加振器40が製造される。加振器40は、電極3a、3b、13a、13bを電源(図示せず)に接続して使用される。
本実施形態の加振器40は、可撓性の(柔らかい)電歪素子10、20を用いているため、耐衝撃性が高く、壊れにくいという利点がある。その一方で、加振器40は、直列接続部が、2つの電歪素子10、20の一端10a、20aを接続して成っているので、直列接続部において、ある程度の剛性を確保することができ、質量体30を支持することができる。また、かかる電歪素子10、20を用いた加振器40は、小型で軽量であるという利点もある。
次に、加振器40の使用方法(加振)の例について説明するが、本発明の加振器は、かかる使用方法に限定されるものではない。
加振器40は、非駆動状態(電圧を印加していない状態)では、図1(a)に示す形態を取っている。このとき、加振器40の質量体30は、振動を加えるべき対象物50(例えば人間の皮膚など)から離間している。
そして、電極3a、3b間および電極13a、13b間にそれぞれ交流成分を持つ電圧を印加することにより、加振器40を駆動する。すると、これら電歪素子10、20の直列接続部に配置された質量体30は、まず、図1(b)に示すように横方向に振動し、やがて、これに縦方向の振動が合わさって、最終的に、図1(c)に示すように縦方向に大きく振動する。この結果、加振器40の質量体30は、対象物50に接触するようになり、対象物50に機械的振動を加える(対象物50を「叩く」動作をする)ことができる。
本発明はいかなる理論によっても拘束されないが、加振器40の質量体30がこのような動きをする理由は以下のように考えられる。
第1の電歪素子10は、基材5の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲している。このため、第1の電歪素子10単独の状態(一端10aをフリーにした状態)で、電極3a、3b間に電圧を印加すれば、第1の電歪素子10は伸長し(横方向に伸び、縦方向に若干低くなり)、電圧を除去すると元に戻る。
他方、第2の電歪素子20は、電歪材料層11の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲している。このため、第2の電歪素子20単独の状態(一端20aをフリーにした状態)で、電極13a、13b間に電圧を印加すれば、第2の電歪素子20は一層屈曲し(横方向に縮み、縦方向に若干高くなり)、電圧を除去すると元に戻る。
しかしながら、加振器40では、図1(a)に示すように、第1の電歪素子10および第2の電歪素子20は、各一端10a、20aにて質量体30を介して直列接続され、全体として直線状に接続されている。かかる状態で、これら電歪素子10、20にそれぞれ交流成分を持つ電圧を印加すると、直列接続部に配置された質量体30は、図1(b)に示すように、電歪素子10から横方向に伸びる力(図中、矢印Aにて模式的に示す)を受けると共に電歪素子20から横方向に縮む力(図中、矢印Bにて模式的に示す)を受け(すなわち、左右から逆の力を受け)、また、これら電歪素子10、20からそれぞれ元に戻る力を受け、これらの力により質量体30は横方向に振動し始める。質量体30は、対象物30から離間している(浮いた状態である)ので、横方向に振動させ始めるのに必要な力は小さくてよい。そして、質量体30は、機械的共振を起こして、次第に大きな振幅で横方向に振動するようになる。加えて、質量体30は、第1の電歪素子10および第2の電歪素子20から縦方向に非対称な力も受けるので、質量体30は、上述の横方向の振動に加えて、縦方向にも振動し始める。そして、横方向の振動エネルギーが縦方向の振動エネルギーに変換されて、質量体30は横方向の振動から縦方向の振動へと変化し、縦方向に次第に大きな振幅で振動するようになる。その結果、図1(c)に示すように、質量体30は、対象物50に接するに至り、これに機械的振動を加えることができるようになるものと考えられる。
本実施形態のように、第1の電歪素子10および第2の電歪素子20が同じ方向に湾曲している場合、質量体30を含む横方向の直線に対して上下非対称な構造となるので、上述の縦方向に非対称な力を質量体30に効果的に提供することができる。
また、本実施形態のように、第1の電歪素子10および第2の電歪素子20を円弧状の断面形状とした場合、上述の伸びる力および縮む力ならびに戻る力を質量体30に効率的に提供することができる。
以上より、加振器40を用いれば、質量体30は縦方向に大きな振幅で振動することができ、質量体30が対象物50と当初非接触である場合にも、対象物50に機械的振動を加えることができる。加振器40において、電歪材料層1、11は高分子電歪材料から形成されているため、共振周波数を低くすること、例えば電歪素子10、20の曲率半径2.5cm以下では、共振周波数20Hz以下とすること、好ましくは10〜20Hzとすることができ、かかる共振周波数の機械的振動は、人間が皮膚刺激により十分に感知することができる。
以上、本発明の加振器およびその使用方法について詳述したが、本発明は種々の改変が可能であろう。
例えば、イオン導電性高分子膜(ICPF: Ionic Conductive Polymer Film)や、バッキーゲルなどを利用してよい。
イオン導電性高分子膜を利用する場合、概略的には、上記電歪材料層に代えて、イオン交換樹脂層を用いることにより、加振器を作製することができる。より詳細には、イオン交換樹脂層(例えば、デュポン株式会社製の「ナフィオン」(登録商標)など)の両面にAu、Ptなどの金属材料を化学めっきして電極を形成して、イオン性ポリマー−金属複合体(IPMC: Ionic Polymer Metal Composite)を得る。ここで、イオン交換樹脂層が電歪材料層に代わるものである。得られた複合体の片面を(よって、いずれか一方の電極を介して)PETなどから成る基材に接合する。これにより得られる構造体を2つ用いて、これら構造体を上述した湾曲成形方法と同様にしてそれぞれ成形する(例えば半円筒状の表面を有する型を用いて、1つの構造体は、基材がイオン交換樹脂層よりも凸側になるように湾曲させ、そのまま熱処理に付して基材を熱成形し、もう1つの構造体は、イオン交換樹脂層が基材よりも凸側になるように湾曲させたこと以外は同様とする)ことによって、第1の素子および第2の素子を得ることができる。そして、これら素子を、上述した方法と同様にして、一端にて質量体を介して直列接続し、他端を固定端とすることができる。この場合、各素子の電極間に印加する電圧の極性を正または負とすることにより、伸びる動作または縮む動作を提供することができる。
バッキーゲルは、イオン性液体とカーボンナノチューブとのゲル状複合体である。バッキーゲルを利用する場合、概略的には、上記電極に代えて、バッキーゲルを利用したシートを用いることにより、加振器を作製することができる。より詳細には、まず、3つのシートを次のようにして準備する。イミダゾリウム系イオン液体(例えば1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(BMITFSI))に単層カーボンナノチューブおよびフッ素系材料(例えばP(VDF−HFP))を加えた懸濁液を乳鉢で、乳棒を使ってすり潰し、これをキャスティングすることにより、カーボンナノチューブを含んだ第1のシートを2つ作製する。また、イオン液体およびフッ素系材料を混合し、これをキャスティングすることにより、イオン液体およびフッ素系材料からなる第2のシートを1つ作製する。そして、これら3つのシートを、2つの第1のシートの間に第2のシートを配置した状態で重ね合わせ、これを熱プレスすることにより、三層構造を有する複合シートを作製する。ここで、第2のシートが電歪材料層に代わるものであり、その両面に各々配置された2つの第1のシートが2つの電極に代わるものである。そして、この複合シートの片面を(よって、いずれか一方の電極を介して)PETなどから成る基材に接合する。これにより得られる構造体を2つ用いて、これら構造体を上述した湾曲成形方法と同様にしてそれぞれ成形する(例えば半円筒状の表面を有する型を用いて、1つの構造体は、基材が第2のシートよりも凸側になるように湾曲させ、そのまま熱処理に付して基材を熱成形し、もう1つの構造体は、第2のシートが基材よりも凸側になるように湾曲させたこと以外は同様とする)ことによって、第1の素子および第2の素子を得ることができる。そして、これら素子を、上述した方法と同様にして、一端にて質量体を介して直列接続し、他端を固定端とすることができる。
電歪材料層として厚さ5μmのP(VDF−TrFE−CFE)から成る層を用い、その両面にAlを蒸着して、厚さ20nmのAl電極をそれぞれ形成した。電極を形成した電歪材料層の片面に、厚さ12μmのPETから成る基材を、熱硬化型の接着剤を用いて接合した。これにより、幅15mm、長さ40mmのユニモルフを得た。このユニモルフを2つ作製した。
1つのユニモルフを、約10mmの曲率半径を有する半円筒状の表面を有する型を用いて、基材が電歪材料層よりも凸側になるように湾曲させた。そのまま80℃の空気雰囲気中に5分間維持し、その後、自然冷却して、型から外して、第1の電歪素子を得た。
もう1つのユニモルフを、電歪材料層が基材よりも凸側になるように湾曲させたこと以外は、上記と同様に成形して、第2の電歪素子を得た。
上記のようにして得られた第1の電歪素子と第2の電歪素子とを、湾曲方向(凸方向)を揃えて並置し、それらの一端の間に0.5gの質量体を挟んで、熱硬化型の接着剤を用いてこれら電歪素子を直列に接合した。また、これら電歪素子の他端を熱硬化型の接着剤を用いて支持部材にそれぞれ接合して固定した。
以上により、本実施例の加振器を作製した。
この加振器を使用して、第1の電歪素子の電極間および第2の電歪素子の電極間にそれぞれ10〜20Hz、400V0−Pの交流成分を持つ電圧を印加したところ、質量体は10Hz程度で共振した。この共振周波数にて、質量体は、まず横方向に共振し、その後、縦方向に振動し始め、最終的に2mm程度の縦方向振動が観測された。
本発明の加振器は、小型で軽量かつ低消費電力である。よって、本発明の加振器は、特に制限されるものではないが、例えば携帯電話やポケットベルなどの携帯型通信機器に内蔵される加振器として利用され得る。
1、11 電歪材料層
3a、3b、13a、13b 電極
5、15 基材
7 ユニモルフ
10、20 電歪素子
10a、20a 一端(直列接続部)
10b、20b 他端(固定端)
30 質量体
31、32 支持部材
40 加振器
50 対象物

Claims (3)

  1. 電歪材料層と、電歪材料層の両面に各々配置された2つの電極と、いずれか一方の電極を介して電歪材料層の片面に接合された基材とにより各々構成された第1および第2の電歪素子、ならびに機械的振動を外部に加えるための質量体を含む加振器であって、第1の電歪素子は基材の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲し、第2の電歪素子は電歪材料層の側を凸側にして少なくとも部分的に湾曲し、第1および第2の電歪素子は各一端にて質量体を介して直列接続され、第1および第2の電歪素子の各他端は固定端とされる、加振器。
  2. 第1および第2の電歪素子は、同じ方向に湾曲している、請求項1に記載の加振器。
  3. 第1および第2の電歪素子の湾曲した部分が、いずれも円弧状の断面形状を有する、請求項1または2に記載の加振器。
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