JP5651484B2 - プラズマ処理方法 - Google Patents

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本発明は、クリーニング処理を含むプラズマ処理方法に関する。
半導体製造用途等に用いられる基板処理プロセスの一つにプラズマエッチング法がある。この方法では、処理室内に導入されたエッチングガスがプラズマ化されて処理対象基板(以下、基板)に衝突し、あるいは基板と反応してエッチング処理が行われる。エッチングガスをプラズマ化する方法には様々な種類がある。
NLD(磁気中性線放電:magnetic Neutral Loop Discharge)プラズマエッチング法は、磁気中性線を利用してエッチングガスをプラズマ化し、基板処理に利用する方法である。特許文献1には、この磁気中性線を利用する「放電プラズマ処理装置」が開示されている。
プラズマエッチング法では、エッチングにより形成された生成物が処理室の内壁等に堆積する場合がある。この堆積物は、剥がれ落ちて基板に付着し、基板の品質が低下する原因となる。そのため、プラズマによりこの堆積物を除去するクリーニング処理が行われる。
ここで、プラズマにより基板あるいは処理室内の構造にダメージが生じることを防ぐため、堆積物が除去された時点でプラズマを停止することが望まれる。
特許文献2には、「プラズマクリーニング処理の終点検出方法及び終点検出装置」が開示されている。特許文献2に記載の方法及び装置では、プラズマを発生させるアンテナ(高周波電力が印加されるコイル)の電圧等の時間的変化がモニタされ、クリーニング処理の終点が検出される。これは、プラズマを構成する分子種の濃度比がアンテナの電圧に影響を与えることを利用したものであり、除去すべき堆積物に由来するプラズマの濃度の減少がアンテナ電圧の時間変化として得られる。
第2705897号公報 特開2006−73751号公報
しかしながら、NLDプラズマエッチング法において、特許文献2に記載の方法によりクリーニング処理の終点を検出することは困難である。磁気中性線放電は磁気中性線と誘導電場との間の相関が強く、除去すべき堆積物の減少に伴うアンテナ電圧の時間変化を精度よく測定できないからである。本発明者らは、アンテナの電圧の時間的変化が、磁気中性線の強度に依存することを見出し、クリーニング処理の終点検出に利用可能であると考えた。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、クリーニングの終点を検出することが可能なプラズマ処理方法を提供することにある。
本発明の一形態に係るプラズマ処理方法は、チャンバに第1のガスが導入される。
第1の基板処理は、上記チャンバの周囲に巻回されたアンテナコイルに高周波電位を印加し、かつ、上記チャンバの周囲に巻回された磁気コイルに電流を印加することで生成された第1のガスのプラズマにより実行される。
第2のガスは、上記第1のガスに代えて導入される。
上記第1の基板処理でチャンバの内壁に付着した堆積物を除去するクリーニング処理は、上記アンテナコイルに高周波電位を印加し、かつ、上記磁気コイルに上記第1の基板処理の際に印加した電流より小さい電流を印加することで生成された第2のガスのプラズマにより実行される。
上記アンテナコイルの電圧は、上記クリーニング処理の実行中に測定される。
上記クリーニング処理は、上記電圧の変化の度合いが所定の値に達した時に終了される。
本発明の第1の実施形態において用いられるプラズマエッチング装置の概略構成図である。 図1に示したプラズマエッチング装置の動作例を説明するタイミングチャートである。 従来技術の問題点であるエッチングレートの低下の原因を説明する図である。 ガス種の磁場強度依存性を示すグラフである。 酸素放電時間に対するピーク電位差を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態において用いられるプラズマエッチング装置の概略構成図である。
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理方法は、チャンバに第1のガスが導入される。
第1の基板処理は、上記チャンバの周囲に巻回されたアンテナコイルに高周波電位を印加し、かつ、上記チャンバの周囲に巻回された磁気コイルに電流を印加することで生成された第1のガスのプラズマにより実行される。
第2のガスは、上記第1のガスに代えて導入される。
上記第1の基板処理でチャンバの内壁に付着した堆積物を除去するクリーニング処理は、上記アンテナコイルに高周波電位を印加し、かつ、上記磁気コイルに上記第1の基板処理の際に印加した電流より小さい電流を印加することで生成された第2のガスのプラズマにより実行される。
上記アンテナコイルの電圧は、上記クリーニング処理の実行中に測定される。
上記クリーニング処理は、上記電圧の変化の度合いが所定の値に達した時に終了される。
上記プラズマ処理方法においては、クリーニング処理の際に磁気コイルに印加する電流値を第1の基板処理の際に磁気コイルに印加する電流値よりも小さくすることで、プラズマの分子種の時間変化をアンテナコイルの電圧変化に反映させ易くする。これにより、アンテナコイルの電圧を測定することで、クリーニング処理の終点を精度よく検出することが可能となる。
ここで、チャンバの内壁には、真空槽の内壁面、真空槽の内部に配置されたターゲット、防着板、基板を支持するステージなど、処理室に臨む各種構造面あるいは構造体を含む。
定期的なクリーニングを実施することで、これら構造面あるいは構造体に付着した堆積物の剥離を抑制して、膜質の向上と安定したプラズマ処理を実現することが可能となる。
なお、電圧の変化の度合いとは、電圧測定値の時間変化量、変化割合等、電圧測定値から算出される各種情報を含む。
また、クリーニング処理の際に磁気コイルに印加する電流の大きさは、第1の基板処理の際に磁気コイルに印加する電流の大きさよりも小さければよく、磁気コイルの電流値がゼロである場合も含まれる。
上記第1の基板処理は、エッチングであってもよい。
上記プラズマ処理方法によれば、エッチングによって生成された堆積物をクリーニングすることが可能である。
上記プラズマ処理方法は、上記第1のガスに代えて第3のガスを導入し、上記アンテナコイルに高周波電位を印加し、かつ、上記磁気コイルに電流を印加することで生成された第3のガスのプラズマにより、上記チャンバ内に設けられたターゲットをスパッタし、上記基板上に成膜する第2の基板処理を実行する工程をさらに具備していてもよい。
上記プラズマ処理方法によれば、エッチングによって生成されたターゲット上の堆積物がスパッタにより基板に付着することを防止することが可能である。
上記クリーニング処理は、上記第1の基板処理と上記第2の基板処理を交互に複数回繰り返した後実行されてもよい。
上記プラズマ処理方法によれば、第1の基板処理と第2の基板処理が複数回実行されたことにより堆積した堆積物を除去することが可能である。
上記基板はシリコンまたは石英基板であり、上記第1のガスはフッ素系ガスであり、上記第2のガスは酸素系ガスであってもよい。
上記プラズマ処理方法によれば、シリコンまたは石英基板はフッ素系ガスによりエッチングされ、その反応物を酸素系ガスによりクリーニングすることが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態によるプラズマエッチング方法に適用されるプラズマエッチング装置20の概略構成図である。図示するプラズマエッチング装置20は、NLD(磁気中性線放電:magnetic Neutral Loop Discharge)型のプラズマエッチング装置として構成されており、基板表面のエッチング機能と、基板表面のエッチングパターンの側壁部に保護膜を形成する機能とを兼ね備えている。
図1において、21は真空槽であり、内部にプラズマ形成空間21aを含む真空チャンバ(プラズマチャンバ)が形成されている。真空槽21にはターボ分子ポンプ(TMP)等の真空ポンプが接続され、真空槽21の内部が所定の真空度に真空排気されている。
プラズマ形成空間21aの周囲には、真空槽21の一部を構成する筒状壁22によって区画されている。筒状壁22は石英等の透明絶縁材料で構成されている。筒状壁22の外周側には、第1高周波電源RF1に接続されたプラズマ発生用の高周波コイル(アンテナ)23と、この高周波コイル23の外周側に配置された三つの磁気コイル24(24A,24B,24C)(磁場形成手段)がそれぞれ配置されている。
磁気コイル24Aと磁気コイル24Cにはそれぞれ同一方向に電流が供給され、磁気コイル24Bには他の磁気コイル24A,24Cと逆方向に電流が供給される。その結果、プラズマ形成空間21aにおいて、磁場ゼロとなる磁気中性線25が環状に連続して形成される。そして、高周波コイル23により磁気中性線25に沿った誘導電場(高周波電場)が形成されることで、放電プラズマが形成される。
特に、NLD方式のプラズマエッチング装置においては、磁気コイル24A〜24Cに流す電流の大きさによって、磁気中性線25の形成位置および大きさを調整することができる。すなわち、磁気コイル24A,24B,24Cに流す電流をそれぞれI,I,Iとしたとき、I>Iの場合は磁気中性線25の形成位置は磁気コイル24C側へ下がり、逆に、I<Iの場合は磁気中性線25の形成位置は磁気コイル24A側へ上がる。また、中間の磁気コイル24Bに流す電流Iを増していくと、磁気中性線25のリング径は小さくなると同時に、磁場ゼロの位置での磁場の勾配が緩やかになる。これらの特性を利用することで、プラズマ密度分布の最適化を図ることができる。
高周波コイル23には電圧プローブ33(測定手段)が接続され、電圧プローブ33には制御ユニット34(制御手段)が接続されている。電圧プローブ33は高周波コイル23の電圧を測定し、その測定結果を制御ユニット34に出力する。制御ユニット34は、この出力に基づき、RF1、RF2、RF3、真空ポンプ及びガス流量等のスパッタ条件を制御する。
一方、真空槽21の内部には、半導体ウエハ(シリコン(Si)基板)Wを支持するステージ26が設置されている。ステージ26は、コンデンサ27を介して第2高周波電源RF2に接続されている。なお、ステージ26には、基板Wを所定温度に加熱するためのヒータ等の加熱源や、静電チャック等の基板保持機構が内蔵されていてもよい。
プラズマ形成空間21aの上部には、天板29が設置されている。天板29は、ステージ26の対向電極として構成されており、コンデンサ28を介して第3高周波電源RF3に接続されている。天板29のプラズマ形成空間21a側の面には、スパッタにより基板を成膜するためのターゲット(スパッタリングターゲット)30が取り付けられている。ターゲット30は、本実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂が用いられているが、これ以外の合成樹脂材料、あるいは珪素材、炭素材、炭化珪素材、酸化珪素材、窒化珪素材等が適用可能である。
天板29の近傍には、真空槽21の内部にプロセスガスを導入するためのガス導入管31が設置されている。本実施形態において、プロセスガスは、エッチング工程用のガス、スパッタ工程用のガス、そして、後述するアッシング工程用のガスが含まれる。
エッチングガスとしては、SF、NF、SiF、XeFの少なくとも何れか一種又は不活性ガスとの混合ガスが用いられる。本実施形態では、エッチングガスとして、SFとArの混合ガスが用いられる。スパッタ用のプロセスガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)や窒素(N)などの希ガスあるいは不活性ガスを用いることができる。
本実施形態のプラズマエッチング装置20においては、ステージ26上に載置された基板Wに対してエッチング工程と保護膜形成工程を交互に繰り返し行うことで、基板Wの表面に高アスペクト比の孔またはディープトレンチ等からなるビアを形成する。
図2は、本実施形態のプラズマエッチング装置20の一動作例を示すタイミングチャートである。図2において、Aは、高周波コイル23に供給される第1高周波電源RF1の電力印加タイミング、Bは、ステージ26に供給される第2高周波電源RF2の電力印加タイミング、Cは、天板29に供給される第3高周波電源RF3の電力印加タイミング、Dは、真空槽21の内部における圧力変化をそれぞれ示している。この例では、エッチング工程の処理圧力(プロセスガス導入量)は、保護膜形成工程のそれよりも高く設定されている。
基板Wの表面にはあらかじめ、マスクパターンが形成されている。このマスクパターンには、有機レジストやメタルマスク等のエッチングマスクが含まれる。エッチング工程および保護膜形成工程では、プラズマ形成空間21aに、磁気コイル24による環状磁気中性線25が形成され、更に、第1高周波電源RF1から高周波コイル23への電力投入により、環状磁気中性線25に沿って誘導結合プラズマが形成される。
エッチング条件の一例として、以下とすることができる。
・高周波電力 RF1:1500[W] 13.56[MHz]
RF2: 60[W] 12.50[MHz]
RF3: 0[W]
・磁気コイル電流 磁気コイル24A:30.6[A]
磁気コイル24B:54.0[A]
磁気コイル24C:30.6[A]
エッチング工程において、真空槽21の内部に導入されたエッチングガス(SFとArの混合ガス)は、プラズマ形成空間21aでプラズマ化し、生成されたイオンとラジカルによりステージ26上の基板Wをエッチング処理する。このとき、第2高周波電源RF2からの電力投入で基板バイアスがONとなり、イオンをステージ26側へ加速させ、基板W上のラジカル生成物をスパッタ除去してエッチング性を高める。すなわち、フッ素ラジカルがシリコンと反応してラジカル生成物を形成し、これをプラズマ中のイオンによるスパッタ作用で除去することで、シリコン基板Wのエッチング処理が進行する。
一方、エッチング処理を所定時間行った後、真空槽21の内部に残留するエッチングガスが排気される。そして、保護膜形成用のプロセスガス(Ar)が真空槽21の内部に導入されることで保護膜形成工程が開始される。導入されたプロセスガスは、プラズマ形成空間21aでプラズマ化される。このとき、基板バイアス(RF2)はOFFとなり、代わりに、第3高周波電源(RF3)からの電力投入で天板バイアスがONとなる。その結果、天板29に設置されたターゲット30はプラズマ中のイオンによりスパッタされ、そのスパッタ物が基板Wの表面および上述のエッチング工程で形成されたエッチングパターンに付着する。以上のようにして、エッチングパターンの底部および側壁部に、保護膜として機能するポリマー層が形成される。
スパッタ条件の一例として、以下とすることができる。
・高周波電力 RF1:3000[W] 13.56[MHz]
RF2: 0[W]
RF3: 500[W] 12.50[MHz]
・磁気コイル電流 磁気コイル24A:30.6[A]
磁気コイル24B:49.3[A]
磁気コイル24C:30.6[A]
ここで、ターゲット30から叩き出されたスパッタ粒子は、プラズマ形成空間21aに形成されているNLDプラズマを通過して基板へ到達する。このとき、スパッタ粒子は、環状磁気中性線25が形成される高密度プラズマ領域で分解、再励起されることにより、化学的蒸着法(CVD法)に類似する成膜形態で、基板の表面に対して等方的に入射する。したがって、本実施形態によって得られるエッチングパターンの段差被膜(保護膜)は、カバレッジ性が高く、面内均一性に優れる。
なお、保護膜形成工程のプロセスガスとして、例えば、Arとフロロカーボン系ガス(C、CHF等)の混合ガスを用いることで、プロセスガス中の反応ガスがプラズマ形成空間21aにおいてプラズマ化し、そのラジカル生成物が基板表面に堆積することによって、保護膜として機能するポリマー層を形成する。更に、プロセスガスとして上記混合ガスを用いることで、Arガスのみをプロセスガスとして用いる場合に比べてスパッタレートの向上を図ることができる。
保護膜形成工程を所定時間行った後、再び上述したエッチング工程が行われる。このエッチング工程の初期段階は、エッチングパターンの底部を被覆する保護膜の除去作用に費やされる。その後、保護膜の除去により露出したエッチングパターンの底部のエッチング処理が再開される。このとき、プラズマ中のイオンは、基板バイアス作用によって基板に対して垂直方向に入射する。このため、エッチングパターンの側壁部を被覆する保護膜に到達するイオンは、エッチングパターンの底部に到達するイオンに比べて少ない。したがって、エッチング工程の間、エッチングパターンの側壁部を被覆する保護膜は完全に除去されることなく残留する。これにより、エッチングパターンの側壁部とフッ素ラジカルとの接触が回避され、エッチングパターンの側壁部のエッチングによる侵食が防止される。
以後、上述のエッチング工程と保護膜形成工程が交互に繰り返し行われることで、基板表面に対して垂直方向の異方性エッチングが実現される。以上のようにして、基板Wの内部に高アスペクト比のビア(コンタクトホール、トレンチ)が作製される。
次に、本発明に係るターゲット30の表面のアッシング工程について説明する。
基板のエッチング処理および保護膜の成膜処理を続けると、プラズマ形成空間21a内で生成されるエッチングガス(SF/Ar)、ターゲット材(PTFE)、基板材料(シリコン)等に関連する反応生成物がターゲット30の表面及びチャンバ内壁に堆積する。この種の堆積膜は、プラズマの照射を受けてスパッタされて、基板の表面に形成されたエッチングパターンに付着する。エッチング工程の際に上記堆積膜のスパッタ物がエッチングパターンの開口部に堆積することによってエッチングの進行を妨げる。
図3は、エッチングパターンの開口部に堆積した上記スパッタ物の影響でエッチングレートが低下する様子を模式的に示している。図において、Wは基板、Hはエッチングパターン(孔)、Mは基板表面に形成されたエッチングマスク、Pはエッチングパターンの側壁部に形成された保護膜、Dはエッチングパターンの開口部に付着したスパッタ物である。
基板Wの表面にはあらかじめエッチングマスクMが形成されている。時刻t0でエッチングが開始される。このとき、ターゲット30の表面は、清浄な状態とされる。エッチング開始(時刻t0)から時刻t1の間は、上述したエッチング工程と保護膜形成工程が交互に行われることで、図示するように安定したエッチングレートで基板の深掘り工程が実現される。
一方、時刻t1を経過した後は、エッチングレートが徐々に低下する。これは、エッチング工程の継続によりターゲット30の表面が反応生成物の付着で徐々に汚染され、パターン開口部に、ターゲット表面でスパッタされた反応生成物のスパッタ物Dが付着して、開口部の開口面積を減少させるからである(時刻t2)。このスパッタ物Dの堆積は、エッチング工程および保護膜形成工程においても進行する。このため、エッチング工程では除去できないスピードで開口部に堆積し、最終的に、当該開口部を閉塞する(時刻t3)。
そこで本実施形態では、エッチング工程の途中またはエッチング後に、真空槽21内の雰囲気ガスを酸素系ガスに置換して、ターゲット30の表面及びチャンバ内壁を清浄化するためのクリーニング工程が実施される。このクリーニング工程では、真空槽21内でRF2及びRF3に高周波電力を印加し、酸素系ガスのプラズマを発生させて、ターゲット30の表面に付着した反応生成物をアッシングによって除去する。このクリーニング工程により、ターゲット30の表面及びチャンバ内壁に付着した反応生成物の堆積物の剥離を抑制して、膜室の向上と安定したプラズマ処理を実現することが可能となる。
このアッシング工程で用いられるプロセスガスとしては、O、O、COx、NOx、HO、SOxの何れか又はこれらの混合ガスが用いられる。また、これら酸素系ガスと希ガスとの混合ガスを用いてもよい。プロセス圧力は、エッチング工程と同程度に設定され、例えば1.0Pa〜6.0Paである。酸素系ガスのプラズマは、第1高周波電源RF1に接続された高周波コイル23を用いて発生される。
アッシング(クリーニング)条件の一例として、以下とすることができる。
・高周波電力 RF1:1000[W] 13.56[MHz]
RF2: 60[W] 12.50[MHz]
RF3: 500[W] 12.50[MHz]
・磁気コイル電流 磁気コイル24A:0[A]
磁気コイル24B:0[A]
磁気コイル24C:0[A]
図2では、ターゲット30のクリーニング(アッシング)工程を、基板Wの深掘り加工の途中で実施する例を示している。エッチング工程と保護膜形成工程を所定サイクル(例えば50〜100サイクル)実施する毎に、ターゲット30の表面のクリーニング処理が実行される。
ここで、上述したクリーニング工程は、基板を処理する毎に適宜のタイミングで実行されてもよいし、基板を複数枚処理する毎に実行されてもよい。クリーニング工程の実施周期は、プロセスの種類に応じて適宜設定することが可能である。
クリーニング工程の終点検出について説明する。
図4は、プラズマ生成時における高周波コイル23の電圧の磁場強度依存性を示すグラフである。縦軸の電圧は、高周波コイル23に印加される高周波電力の電位波形の上ピークと下ピーク間の大きさ(以下、アンテナ電圧ともいう。)を示している。横軸の磁場強度は、磁気コイル24に印加される電流の大きさを示し、上段が磁気コイル24A、中段が磁気コイル24B、下段が磁気コイル24Cの電流値である。
図4から、アンテナ電圧は、ガス種によって異なる値を示すものの、何れのガス種においても磁場強度が高くなるに従い、電圧値が小さくなる傾向が認められる。従って、磁気中性線放電に関しては電場と磁場との間に強い相関があることがわかる。
また、同図から、アンテナ電圧の大きさは、磁気コイル24への印加電流が比較的小さい場合にはガスの種類の違いによる差が明確であるが、磁気コイル24への印加電流が比較的大きい場合にはガスの種類の違いによる差は小さくなることがわかる。
さらに、図4において各プラズマガス(Ar、O、CF)のアンテナ電圧は、そのガスのプラズマのみがチャンバ内に存在している場合に、電圧プローブ33により測定される高周波コイル23の電位波形についてのものである。したがって、例えば、チャンバ内にOプラズマのみが存在している場合に比べ、Oプラズマ及びCFプラズマが混在している場合には、アンテナ電圧は減少する(OとCFの値の間の値をとる)ことになる。
図5は、CF系の堆積物の存在下で酸素ガスプラズマを用いたクリーニング処理を実施したときのアンテナ電圧の時間変化を示すグラフである。このときの磁気コイルへの印加電流はゼロとし、高周波コイルのみで酸素ガスプラズマを発生させた。
縦軸は電圧プローブ33により測定されたコイル電圧を示し、横軸はクリーニング処理の開始時点からの経過時間を示す。
ガスのプラズマがターゲット30及びチャンバ内壁に堆積していた堆積物をアッシングすると、反応物がプラズマ化してOプラズマ中に拡散する。例えば、反応物の堆積物がCF系である場合、アッシングによりCFのプラズマが発生する。このため、クリーニング開始直後のコイル電圧は、上述のように、Oプラズマのコイル電圧とCFプラズマのコイル電圧の間の値をとる。クリーニング効果により堆積物は徐々に減少し、従ってOプラズマ中のCFプラズマの濃度は減少する。その結果、測定されるコイル電圧は、図5に示すように、クリーニング処理の進行に伴ってコイル電圧が上昇し、一定時間経過後に定常状態をとる。この定常状態の電圧値は、O単体時のコイル電圧の大きさに相当する。
以上のように、コイル電圧を監視することで、堆積物の消失、即ちクリーニング処理の終了を判断することが可能である。
ところで、このクリーニング工程の実施に際して、酸素プラズマの生成に磁気中性線放電を利用すると、磁気コイルに印加する電流値の大きさによっては、クリーニング処理中におけるコイル電圧の変化を精度よく測定することが困難となる。図4を参照して説明したように、磁気コイルに印加する電流の大きさ、すなわち、形成する磁気中性線の磁気勾配の大きさによっては、酸素プラズマ発生時のコイル電圧と、酸素/CFの混合ガスのプラズマ発生時とのコイル電圧との間に大きな差が得られなくなるからである。例えば、上述した基板のエッチング処理または保護膜の成膜処理の際に適用した磁気コイルへの印加電流値をクリーニング処理条件として適用した場合、クリーニング処理中におけるコイル電圧の時間変化を精度よく測定することはほぼ不可能となる。
そこで本実施形態では、クリーニング処理の実行時は、磁気コイルへ印加する電流の大きさを、上記エッチング処理時及び成膜処理時に磁気コイルへ印加する電流値よりも小さくする。これにより、クリーニングガス由来のプラズマ生成に必要なコイル電圧と堆積物由来のプラズマ生成に必要なコイル電圧との間の差分(マージン)が拡大する。したがって、本実施形態によれば、プラズマの分子種の時間変化を高周波コイル23の電圧変化に反映させ易くなるため、コイル電圧の測定精度が向上し、クリーニング処理の終点を精度よく検出することが可能となる。
特に、クリーニング処理の実行時は、磁気コイルへの通電を遮断する(磁気コイルへ印加する電流値をゼロとする)ことで、プラズマ生成時におけるコイル電圧の磁場依存性をなくすことができる。これにより、コイル電圧の時間変化に基づいて、クリーニング工程の終了タイミングを高精度に検出することが可能となる。
ここで、クリーニング工程の終了タイミングは、コイル電圧の変化の度合いに基づいて判定することができる。コイル電圧の変化の度合いは、上述のように、コイル電圧が定常状態となる時点を基準とする例に限られない。例えば、図5に示したようにクリーニング処理中のコイル電圧の変化率が時間の経過とともに減少する傾向にある場合は、当該コイル電圧の時間変化率が所定の値にまで減少したことをもってクリーニング終了の基準としてもよい。この場合、堆積物の完全除去は難しいが、クリーニング処理の早期終了を図ることができる。また、上記所定の値は、エッチング処理や成膜処理などの基板処理に影響を与えない程度の堆積物残存量を基準として決定することができる。同様に、クリーニング処理開始時のコイル電圧を基準としてその値から所定割合(例えば数10%)変化したことをもってクリーニング処理の終了を判定するようにしてもよい。
なお、クリーニング処理時の磁気コイルの通電量はゼロに限られず、上述のように基板処理時に磁気コイルに印加される電流値よりも小さければよい。磁気コイル24への印加電流は、プラズマ密度を最適化する磁気中性線25の強度を左右するため、小さくし過ぎるとクリーニングの効果が弱くなり、所要時間が増大する可能性がある。堆積物の構成物質、量等を勘案することにより、最適な(クリーニング所要時間と、終点検出精度のバランスがとれた)印加電流量を決定することが可能である。
制御ユニット34は、クリーニング処理の終点を判定すると、チャンバ内への酸素ガスの導入を停止し、高周波電力RF2及びRF3の印加を解除する。これにより、チャンバのクリーニング処理が完了する。
以上のように、本実施形態によれば、クリーニング工程の際に磁気コイル24に印加される電流値を、エッチング及びスパッタリング工程の際に印加される電流値よりも小さくすることにより、クリーニング処理の終点を精度よく検出することが可能となる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態によるプラズマエッチング方法に適用されるプラズマエッチング装置の概略構成図である。なお、図において上述の第1の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、基板Wは石英基板で構成され、ターゲット32はシリコン(Si)プレートで構成されている。また、天板29は、コンデンサ28を介して、高周波コイル23用の第1高周波電源RF1と接続される。これにより、プラズマ形成空間21a内でプラズマが形成されている間、天板29にもバイアス電力が印加される。
石英からなる基板Wのエッチングガスには、CやCF、CHF等のフロロカーボン系ガスが用いられる。プラズマ形成空間21aでエッチングガスのプラズマを発生させて、表面にマスクパターンが形成された基板Wをエッチングする。エッチング時、ターゲット32に高周波電力が印加されることで、プラズマ中のイオンが天板29へ引き込まれ、ターゲット32をスパッタする。スパッタされたシリコン粒子はエッチングガスの一部と反応し、チャンバ内におけるエッチャント濃度を調整する機能を果たす。これにより、基板Wの適切なエッチング処理が可能となり、形状制御性に優れたパターン加工を実現する。
このような構成のプラズマ処理装置においても、エッチング中に生じた各種反応物がターゲット32の表面に付着、堆積する場合がある。この場合、上述した効果が安定して得られなくなるため、定期的にターゲット32のクリーニング処理(アッシング処理)が実行される。ターゲット32のクリーニングは、上述の第1の実施形態と同様にして行われる。これによりクリーニング処理の終点時間を最適なものとすることが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、以上の実施形態では、堆積物の例としてCF系の物質を例に挙げて説明したが、堆積物の材料組成は上記の例に限定されない。クリーニングガス単体のプラズマ生成電圧(コイル電圧)よりも高いプラズマ生成電圧(コイル電圧)を有する堆積物に対しても、勿論本発明は適用可能である。この場合、クリーニング処理の経過に伴って減少するコイル電圧の変化の度合いに基づいた、クリーニングの終点検出が可能となる。
20 プラズマエッチング装置
21 真空槽
22 筒状壁
23 高周波コイル
24 磁気コイル
25 磁気中性線
26 ステージ
30、32 ターゲット材
31 ガス導入管
33 電圧プローブ
34 制御手段
W 基板

Claims (3)

  1. チャンバに第1のガスを導入し、
    前記チャンバの周囲に巻回されたアンテナコイルに高周波電位を印加し、かつ、前記チャンバの周囲に巻回された磁気コイルに電流を印加することで生成された第1のガスのプラズマにより前記チャンバ内の基板に対してエッチングする第1の基板処理を実行し、
    前記第1のガスに代えて第2のガスを導入し、
    前記アンテナコイルに高周波電位を印加し、かつ、前記磁気コイルに前記第1の基板処理の際に印加した電流より小さい電流を印加することで生成された第2のガスのプラズマにより、前記第1の基板処理でチャンバの内壁に付着した堆積物を除去するクリーニング処理を実行し、
    前記第1のガスに代えて第3のガスを導入し、
    前記アンテナコイルに高周波電位を印加し、かつ、前記磁気コイルに電流を印加することで生成された第3のガスのプラズマにより、前記チャンバ内に設けられたターゲットをスパッタし、前記基板上に成膜する第2の基板処理を実行し、
    前記クリーニング処理の実行中に前記アンテナコイルの電圧を測定し、
    前記電圧の変化の度合いが所定の値に達した時に前記クリーニング処理を終了させる
    プラズマ処理方法。
  2. 請求項に記載のプラズマ処理方法であって、
    前記クリーニング処理は、前記第1の基板処理と前記第2の基板処理を交互に複数回繰り返した後実行される
    プラズマ処理方法。
  3. 請求項に記載のプラズマ処理方法であって、
    前記基板はシリコンまたは石英基板であり、
    前記第1のガスはフッ素系ガスであり、
    前記第2のガスは酸素系ガスである
    プラズマ処理方法。
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