JP5650947B2 - イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物 - Google Patents

イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物 Download PDF

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Description

本発明は、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物に関する。より具体的には、本発明は、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タンパク質の吸着を抑制できるイオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物に関する。また本発明は、トラニラストの存在下で促進されるイオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制する方法、並びに該吸着抑制作用を眼科組成物に付与する方法に関する。
近年、コンタクトレンズの装用者が増えており、中でもソフトコンタクトレンズの装用者が増えている。一般的に、ソフトコンタクトレンズを装用した場合には、大気からの酸素供給量が低下し、その結果として角膜上皮細胞の分裂抑制や角膜肥厚につながる場合があることが指摘されている。そのため、より高い酸素透過性を有するソフトコンタクトレンズの開発が進められてきた。
シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、そのような背景の下、高酸素透過性を有するソフトコンタクトレンズとして近年開発されてきたものである。シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、ハイドロゲルにシリコーンを配合させることにより、従来のハイドロゲルコンタクトレンズの数倍の酸素透過性を実現する。そのため、ソフトコンタクトレンズの弱点である酸素供給不足を改善することができ、酸素不足に伴う角膜に対する悪影響を大幅に抑制できるものとして、大きく期待されている。
一般に、コンタクトレンズに使用される眼科組成物については、コンタクトレンズの種類に応じて、安全性等の影響を十分に考慮して設計することが肝要である。特に、ソフトコンタクトレンズは、素材によってイオン性の有無や含水率の高低等が種々異なるため、ソフトコンタクトレンズ用の眼科組成物は、適用されるソフトコンタクトレンズの特性に応じて製剤設計を行うことが肝要である。
また、花粉症は、花粉に含まれる花粉タンパク質が抗原となって粘膜等と接触することにより引き起こされるアレルギー症状である。近年、花粉症の患者が増加しており、大きな社会問題になりつつある。眼科分野でも、花粉症の予防や悪化抑制に有用な眼科組成物の開発が強く求められている。
一方、トラニラスト及び/又はその塩は、抗アレルギー効果の付与を目的として、これまでにも内服剤や点眼剤等に使用されている(特許文献1〜2)。しかしながらこれまで、トラニラスト及び/又はその塩がイオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに及ぼす影響については全く知られていない。ましてや、従来技術からは、トラニラスト及び/又はその塩を他の成分と組み合わせて用いた場合などに、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに対して如何なる影響が及ぼされるかについては、全く推認すらできないのが現状である。
特許第4106219号公報 特開2005−239692号公報
本発明者等は、各種のソフトコンタクトレンズ(以下、SCLと表記することもある)に対する花粉タンパク質の吸着特性について種々検討していたところ、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズには花粉タンパク質が著しく吸着し易いという全く新しい知見を得た。一般に、タンパク質は、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(以下、SHCLと表記することもある)に対しては吸着し難いと考えられており、かかる知見は全く意外なものである。そして一般的に、コンタクトレンズ装用時には、眼が乾き易くなり、その結果、涙液による洗浄作用が低下して、花粉等の異物が眼に滞留し易くなるため、花粉症の発症リスクが高くなると考えられている。そのうえ、コンタクトレンズに花粉タンパク質が多量に吸着し蓄積していくとすれば、花粉症の発症リスクを著しく高めることになる。このように、コンタクトレンズへの花粉タンパク質の吸着は、アレルギー症状を誘発する一因にもなりかねない。更に、コンタクトレンズに大量の花粉タンパク質が吸着すれば、コンタクトレンズの装用感が損なわれて不快感を誘発し、使用期間が短縮化されることにもなる。そのため、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(以下、イオン性SHCLと表記することもある)への花粉タンパク質の吸着を抑制できるような手段の開発が求められている。
そこで、本発明は、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制できる、イオン性SHCL用眼科組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、驚くべきことに、トラニラスト及び/又はその塩を用いることにより、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を効果的に抑制できることを見出した。更に本発明者等は、このイオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制する作用は、トラニラスト及び/又はその塩に界面活性剤類を組合せて用いることにより一層増強させ得ることも見出した。また本発明者等は更に検討を進め、トラニラスト及び/又はその塩と、クロルフェニラミン及び/又はその塩とを組み合わせてイオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに対して適用すると、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着が著しく促進されてしまうものの、かかるクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着は、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類及び/又はプラノプロフェン類を更に組み合わせることにより効果的に抑制できることをも見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げるイオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物を提供する。
項1-1. トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物。
項1-2. クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と共に、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類、及びプラノプロフェン類からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項1-1に記載の眼科組成物。
項1-3. 無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類、及びプラノプロフェン類からなる群より選択される少なくとも1種として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩酸ピリドキシン、非イオン性界面活性剤、及びプラノプロフェンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1-1又は1-2に記載の眼科組成物。
項1-4. 界面活性剤類を含有する、項1-1〜1-3のいずれかに記載の眼科組成物。
項1-5. 界面活性剤類として、非イオン性界面活性剤を含む、項1-4に記載の眼科組成物。
項1-6. 水性液状組成物である、項1-1〜1-5のいずれかに記載の眼科組成物。
項1-7. 更に、溶解補助剤を含有する、項1-1〜1-6のいずれかに記載の眼科組成物。
項1-8. 溶解補助剤として、ポリビニルピロリドン、モノエタノールアミン、及びトロメタモールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1-7に記載の眼科組成物。
項1-9. 更に、緩衝剤を含有する、項1-1〜1-8のいずれかに記載の眼科組成物。
項1-10. 緩衝剤としてホウ酸緩衝剤を含む、項1-9に記載の眼科組成物。
項1-11. 点眼剤である、項1-1〜1-10のいずれかに記載の眼科組成物。
また、本発明は、下記に掲げるイオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制する方法を提供する。
項2-1. トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する眼科組成物を、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと接触させることを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タンパク質の吸着を抑制する方法。
項2-2. 前記眼科組成物が、更に界面活性剤類を含有する、項2-1に記載の方法。
また、本発明は、下記に掲げるイオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制する作用を眼科組成物に付与する方法を提供する。
項3-1. イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物に、トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タンパク質の吸着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法。
項3-2. 前記眼科組成物に、更に界面活性剤類を配合することを特徴とする、項3-1に記載の方法。
また、本発明は、下記に掲げるトラニラスト及び/又はその塩の存在下で促進されるイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制する方法を提供する。
項4. トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類、及びプラノプロフェン類からなる群より選択される少なくとも1種とを併用することを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへのクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種の吸着を抑制する方法。
また、本発明は、下記に掲げるトラニラスト及び/又はその塩の存在下で促進されるイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制する作用を眼科組成物に付与する方法を提供する。
項5. トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する眼科組成物に、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類、及びプラノプロフェン類からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへのクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種の吸着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物によれば、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制できるので、花粉症又は花粉症予備軍の使用者にとってアレルギー症状の発症リスクを低減させることができる。また本発明の特定の実施形態では、トラニラスト及び/又はその塩の存在下でクロルフェニラミン及び/又はその塩がイオン性SHCLに吸着促進されてしまうのを効果的に抑制することができる。コンタクトレンズに対して眼科組成物に配合された薬物が多量に吸着すると、吸着した薬物がレンズに留まることによる影響が懸念されるほか、コンタクトレンズの濡れ性低下や変色、光透過率の減少、変形等を生じさせる惧れや、眼組織への該薬物の到達量を低減させてしまう惧れがある。然るに、本発明のこれらの実施形態によれば、イオン性SHCLへの該薬物の著しい吸着促進が効果的に抑制できるので、トラニラスト及び/又はその塩とクロルフェニラミン及び/又はその塩を含んでいながらコンタクトレンズの濡れ性低下や変色等の惧れも無く、また眼組織への到達量を低減させる惧れもなく、より快適に且つより有効に使用され得るイオン性SHCL用眼科組成物を提供することが可能になる。
参考試験例1において、各種ソフトコンタクトレンズへの花粉タンパク質の吸着特性を評価した結果を示す図である。 試験例1において、試験液(実施例1及び比較例1)がイオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制する効果を評価した結果を示す図である。 参考試験例2において、イオン性SHCLに対するマレイン酸クロルフェニラミンの吸着特性に及ぼすトラニラストの影響を評価した結果を示す図である。
1.イオン性SHCL用眼科組成物
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。このようにトラニラスト及び/又はその塩を使用することによって、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制することが可能になる。
トラニラストは、N−(3,4−ジメトキシシンナモイル)アントラニル酸とも称される公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
トラニラストの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等が挙げられる。これらのトラニラストの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物には、これらのトラニラスト及びその塩の中から、1種のものを選択して単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着をより一層有効に抑制するという観点から、好ましくはトラニラストが用いられる。トラニラストは、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類及び/又はプラノプロフェン類による、クロルフェニラミン及び/又はその塩のイオン性SHCL吸着抑制効果をより一層有効に奏させるという観点からも好適である。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、トラニラスト及び/又はその塩の配合割合については、当該トラニラスト及び/又はその塩の種類、他の配合成分の種類、該眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、一例として、イオン性SHCL用眼科組成物の総量に対して、トラニラスト及び/又はその塩が総量で0.005〜5w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%、更に好ましくは0.02〜0.6w/v%が例示される。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有することもできる。クロルフェニラミン及び/又はその塩は、抗ヒスタミン剤として公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
トラニラスト及び/又はその塩は、前述のようにイオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制する作用を有するだけでなく、従来より、肥満細胞や各種炎症細胞からのヒスタミン等のケミカルメディエーターの遊離を抑制することにより抗アレルギー効果を有することが知られている。よって、トラニラスト及び/又はその塩は、既に遊離してしまったヒスタミンをブロックする作用が無いという面では弱点を有するが、強い抗ヒスタミン作用を有するクロルフェニラミン及び/又はその塩を併用することにより、かかる弱点を補うことができる。
また、後述の試験例で示すように、本発明者等の検討により、トラニラスト及び/又はその塩の存在下では、イオン性SHCLに対するクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着が著しく促進されてしまうという新たな課題が見出されたが、この著しい吸着は、更に無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類及び/又はプラノプロフェン類を組み合わせて用いることにより効果的に抑制できることも明らかとなっている。従って、この無機塩類等を含有する本発明の特定の実施形態によれば、トラニラスト及び/又はその塩とクロルフェニラミン及び/又はその塩とを共存させながらイオン性SHCLに適用してもクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進の惧れが低減された優れた眼科組成物とすることができる。
本発明で使用され得るクロルフェニラミン及び/又はその塩の内、クロルフェニラミンの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、マレイン酸塩、フマル酸塩等の有機酸塩;塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩;金属塩等の各種の塩が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくは有機酸塩、より好ましくはマレイン酸塩及びフマル酸塩、更に好ましくはマレイン酸塩が挙げられる。これらのクロルフェニラミンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、クロルフェニラミン及びその塩は、水和物の形態であってもよく、更にd体、l体、dl体のいずれであってもよい。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物には、クロルフェニラミン及び/又はその塩として、クロルフェニラミン及びその塩の中から1種のものを選択して単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、後述の無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類及び/又はプラノプロフェン類によるイオン性SHCL吸着抑制効果をより一層有効に獲得できるという観点から、好ましくはクロルフェニラミンの塩、より好ましくはクロルフェニラミンの有機酸塩、更に好ましくはクロルフェニラミンのマレイン酸塩及びフマル酸塩、特に好ましくはクロルフェニラミンのマレイン酸塩(マレイン酸クロルフェニラミン)が用いられる。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、クロルフェニラミン及び/又はその塩の配合割合については、当該クロルフェニラミン及び/又はその塩の種類、他の配合成分の種類、該眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、一例として、イオン性SHCL用眼科組成物の総量に対して、クロルフェニラミン及び/又はその塩が総量で0.0001〜0.1w/v%、好ましくは0.005〜0.05w/v%、特に好ましくは0.01〜0.03w/v%が例示される。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、トラニラスト及び/又はその塩に対するクロルフェニラミン及び/又はその塩の比率については、特に制限されるものではないが、イオン性SHCLに対するクロルフェニラミン及び/又はその塩の著しい吸着促進を抑制する効果をより一層有効に奏するという観点から、トラニラスト及び/又はその塩の総量100重量部当たり、クロルフェニラミン及び/又はその塩が総量で0.01〜500重量部、好ましくは0.8〜250重量部、更に好ましくは1.5〜150重量部となる範囲が例示される。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、更に無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類及び/又はプラノプロフェン類を含有することが好ましい。とりわけ、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物がクロルフェニラミン及び/又はその塩を含有する場合には、これらの成分を含むことによって、トラニラスト及び/又はその塩の存在下で促進されてしまうイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を顕著に抑制することができる。また、トラニラスト及び/又はその塩と組み合わせて界面活性剤類を用いることにより、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着をより一層有効に抑制することも可能となる。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に使用される無機塩類としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として特に制限されないが、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等が例示される。本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、これらの無機塩類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの無機塩類の中でも、トラニラスト及び/又はその塩の存在下でのイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進をより一層有効に抑制するという観点から、好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、及びリン酸二水素カリウムが挙げられ、より好ましくは塩化ナトリウム及び塩化カリウムが挙げられ、特に好ましくは塩化ナトリウムが挙げられる。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に無機塩類を配合する場合、無機塩類の配合割合については、当該無機塩類の種類、他の配合成分の種類、該眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、一例として、イオン性SHCL用眼科組成物の総量に対して、無機塩類が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.05〜10w/v%、更に好ましくは0.1〜5w/v%が例示される。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、トラニラスト及び/又はその塩に対する無機塩類の比率については、特に制限されるものではないが、イオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進を抑制する効果をより一層有効に奏するという観点から、トラニラスト及び/又はその塩の総量100重量部当たり、無機塩類が総量で1〜50000重量部、好ましくは8〜10000重量部、更に好ましくは15〜2500重量部となる範囲が例示される。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に使用されるビタミンB6類としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として特に制限されないが、具体的には、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、及びこれらの塩が挙げられる。
本発明で使用されるビタミンB6類のうち、塩の形態としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)等が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくは無機酸塩、より好ましくは塩酸塩及びリン酸塩、特に好ましくは塩酸塩が挙げられる。これらのピリドキシン、ピリドキサール、及びピリドキサミンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
これらのビタミンB6類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらのビタミンB6類の中でも、トラニラスト及び/又はその塩の存在下でのイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進をより一層有効に抑制するという観点から、好ましくは、ピリドキシン及びその塩、より好ましくはピリドキシン及びその無機酸塩、更に好ましくはピリドキシン塩酸塩及びピリドキシンリン酸塩、特に好ましくはピリドキシン塩酸塩(塩酸ピリドキシン)が挙げられる。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物にビタミンB6類を配合する場合、ビタミンB6類の配合割合については、当該ビタミンB6類の種類、他の配合成分の種類、該眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、一例として、イオン性SHCL用眼科組成物の総量に対して、ビタミンB6類が総量で0.001〜1.0w/v%、好ましくは0.005〜0.5w/v%、更に好ましくは0.01〜0.2w/v%が例示される。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、トラニラスト及び/又はその塩に対するビタミンB6類の比率については、特に制限されるものではないが、イオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進を抑制する効果をより一層有効に奏するという観点から、トラニラスト及び/又はその塩の総量100重量部当たり、ビタミンB6類が総量で0.1〜5000重量部、好ましくは0.8〜2500重量部、更に好ましくは1.5〜1000重量部となる範囲が例示される。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に使用される界面活性剤類としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として特に制限されず、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に配合可能な非イオン性界面活性剤としては、具体的には、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロクサマー124等のPOE・POPブロックコポリマー類;POE(40)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40)、POE(50)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50)、POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)、POE(80)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80)、POE(100)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100)等のPOE硬化ヒマシ油類;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数を示す。また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に配合可能な両性界面活性剤としては、具体的には、アルキルジアミノエチルグリシン等が例示される。また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に配合可能な陽イオン性界面活性剤としては、具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が例示される。また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に配合可能な陰イオン性界面活性剤としては、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族α−スルホメチルエステル、α−オレフィンスルホン酸等が例示される。本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、これらの界面活性剤類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの界面活性剤類の中でも、トラニラスト及び/又はその塩の存在下でのイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進をより一層有効に抑制するという観点から、好ましくは、非イオン性界面活性剤;より好ましくはPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE硬化ヒマシ油類、及びPOE・POPブロックコポリマー類;更に好ましくはPOEソルビタン脂肪酸エステル類及びPOE硬化ヒマシ油類;特に好ましくはポリソルベート80及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60が例示される。ここで例示する界面活性剤類は、トラニラスト及び/又はその塩と一緒になってイオン性SHCLに対する花粉タンパク質吸着抑制効果を一層高めることができるという観点からも好適である。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に界面活性剤類を配合する場合、界面活性剤類の配合割合については、当該界面活性剤類の種類、他の配合成分の種類、該眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、一例として、イオン性SHCL用眼科組成物の総量に対して、界面活性剤類が総量で0.001〜1w/v%、好ましくは0.005〜0.8w/v%、更に好ましくは0.01〜0.6w/v%が例示される。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、トラニラスト及び/又はその塩に対する界面活性剤類の比率については、特に制限されるものではないが、イオン性SHCLに対するクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進を抑制する効果をより一層有効に奏するという観点から、トラニラスト及び/又はその塩の総量100重量部当たり、界面活性剤類が総量で0.1〜10000重量部、好ましくは0.8〜5000重量部、更に好ましくは1.5〜3000重量部となる範囲が例示される。ここで例示する比率は、トラニラスト及び/又はその塩と一緒になってイオン性SHCLに対する花粉タンパク質吸着抑制効果を一層高めることができるという観点からも好適である。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に使用されるプラノプロフェン類としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されることを限度として特に制限されないが、具体的には、プラノプロフェン及びその塩が挙げられる。
本発明で使用されるプラノプロフェン類のうち、塩の形態としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、無機塩基との塩[例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等]や、有機塩基との塩[例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等との塩]等が挙げられる。これらのプラノプロフェンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
これらのプラノプロフェン類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらのプラノプロフェン類の中でも、トラニラスト及び/又はその塩の存在下でのイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進をより一層有効に抑制するという観点から、好ましくは、プラノプロフェンが挙げられる。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物にプラノプロフェン類を配合する場合、プラノプロフェン類の配合割合については、当該プラノプロフェン類の種類、他の配合成分の種類、該眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定されるが、一例として、イオン性SHCL用眼科組成物の総量に対して、プラノプロフェン類が総量で0.001〜0.5w/v%、好ましくは0.005〜0.2w/v%、更に好ましくは0.01〜0.1w/v%が例示される。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、トラニラスト及び/又はその塩に対するプラノプロフェン類の比率については、特に制限されるものではないが、イオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進を抑制する効果をより一層有効に奏するという観点から、トラニラスト及び/又はその塩の総量100重量部当たり、プラノプロフェン類が総量で0.8〜2500重量部、好ましくは8〜2000重量部、更に好ましくは1.5〜1500重量部となる範囲が例示される。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類及び/又はプラノプロフェン類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、トラニラスト及び/又はその塩の存在下で促進されてしまうイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着をより一層有効に抑制するという観点から、好ましくは、無機塩類及びビタミンB6類が挙げられる。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物が、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類及び/又はプラノプロフェン類の各成分のうち2種以上を含む場合には、それら各成分の総量を合算した配合割合については、各成分の種類、他の配合成分の種類、該眼科組成物の製剤形態等に応じて適宜設定され得る。一例として、イオン性SHCL用眼科組成物の総量に対する、当該各成分の総量の合算量として、0.001〜14w/v%、好ましくは0.005〜12w/v%、更に好ましくは0.01〜6w/v%が例示される。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物が、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類及び/又はプラノプロフェン類の各成分のうち2種以上を含む場合において、トラニラスト及び/又はその塩の総量に対する、各成分の総量の合算量の比率については特に制限されるものではないが、イオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進を抑制する効果をより一層有効に奏するという観点から、トラニラスト及び/又はその塩の総量100重量部当たり、各成分の総量の合算量が0.01〜68000重量部、好ましくは0.8〜59000重量部、更に好ましくは1〜30000重量部となる範囲が例示される。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、溶解補助剤を更に含有することが好ましい。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に使用される溶解補助剤は、トラニラスト及び/又はその塩が水溶液中に溶解するのを補助する作用を有する成分であればよく、例えば、ポリビニルピロリドン、トロメタモール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロピレングリコール、カフェイン等が挙げられる。これらの溶解補助剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
これらの溶解補助剤の中でも、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着をより一層有効に抑制するという観点から、好ましくはポリビニルピロリドン及びモノエタノールアミン、より好ましくはポリビニルピロリドンが用いられる。ポリビニルピロリドンは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、分子量は特に限定されないが、一般的には、フィケンチャー法によるK値が15〜100、好ましくは20〜99、より好ましくは22〜98程度のものを使用することができる。ポリビニルピロリドンは、イオン性SHCLに対するクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進を抑制する効果をより一層有効に奏させるという観点からも好適である。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、上記成分以外に、更に緩衝剤を含有していてもよい。本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に配合できる緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。かかる緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩等が挙げられる。これらの緩衝剤は組み合わせて使用しても良い。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、及びクエン酸緩衝剤であり、より好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、及びリン酸緩衝剤であり、特に好ましい緩衝剤はホウ酸緩衝剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、又はホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等のホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、又はリン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等のリン酸塩が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸、又は炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等の炭酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、又はクエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等);トリス緩衝剤として、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はその塩(塩酸塩、酢酸塩、スルホン酸塩等);アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム等)等が例示できる。これらの緩衝剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着をより一層有効に抑制するという観点、イオン性SHCLに対するクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進を抑制する効果をより一層有効に奏させるという観点から、ホウ酸緩衝剤、特にホウ酸とホウ砂の組合せが好ましい。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に緩衝剤を配合する場合、緩衝剤の配合割合については、使用する緩衝剤の種類、他の配合成分の種類や量等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、イオン性SHCL用眼科組成物の総量に対して、緩衝剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.1〜5w/v%、更に好ましくは0.5〜2.5w/v%となる割合が例示される。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、更に等張化剤を含有してもよい。本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に配合できる等張化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。かかる等張化剤の具体例として、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリ ウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。これらの等張化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、本発明の各効果をより一層有効に奏させるという観点から、好ましくは塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グリセリン、及びプロピレングリコールが挙げられ、更に好ましくは、塩化ナトリウム及び塩化カリウムが挙げられる。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物に等張化剤を配合する場合、等張化剤の配合割合については、使用する等張化剤の種類等に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば、イオン性SHCL用眼科組成物の総量に対して、等張化剤が総量で0.01〜10w/v%、好ましくは0.05〜5w/v%、更に好ましくは0.1〜3w/v%となる割合が例示される。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではないが、一例として、pHは4.0以上9.5以下、より一般的には5.0以上9.5以下、更に一般的には5.5以上9.0以下、更により一般的には6.5以上8.5以下とすることができる。
一方、トラニラスト及び/又はその塩の存在下で促進されるイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制するためにビタミンB6類を用いる場合には、pHが低い方がより一層高い吸着抑制効果が得られることも、後述の試験例において確認されている。従って、ビタミンB6類を用いてトラニラスト及び/又はその塩により促進されるイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制する場合には、pHは、7.8未満とするのが好ましく、4.0以上7.8未満とするのがより好ましく、5.0以上7.5未満とするのが更に好ましく、5.5以上7.0未満とするのが殊に好ましく、6.5以上6.9以下とするのが特に好ましい。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。本発明のイオン性SHCL用眼科組成物の浸透圧比の一例として、好ましくは0.5〜5.0、更に好ましくは0.6〜3.0、特に好ましくは0.7〜2.0となる範囲が挙げられる。浸透圧の調整は無機塩、多価アルコール、糖アルコール、糖類等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十五改正日本薬局方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。かかる成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造(輸入)承認基準2000年版(薬事審査研究会監修)に記載された眼科用薬における有効成分が例示できる。具体的には、眼科用薬において用いられる成分としては、次のような成分が挙げられる。
抗ヒスタミン剤:例えば、イプロヘプチン、塩酸ジフェンヒドラミン、フマル酸ケトチフェン、ペミロラストカリウム等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硫酸ナファゾリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン等。
殺菌剤:例えば、セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド等。
ビタミン類:例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、パンテノール、パントテン酸カルシウム、酢酸トコフェロール等。
アミノ酸類:例えば、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸等。
消炎剤:例えば、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、アズレン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グアイアズレン、ε−アミノカプロン酸、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、塩化リゾチーム、甘草等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム等。
また、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等。
糖類:例えば、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド等)、グローキル(ローディア社製商品名)等。
pH調節剤:例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、硫酸、リン酸、ポリリン酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム等。
安定化剤:例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン等。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸、EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、各配合成分を所望量添加することにより調製される。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、その剤型については、眼科分野で使用可能である限り特に制限されないが、例えば、液状、軟膏状等が挙げられる。これらの中でも、液状が好ましい。また液状の中でも水性液状が好ましい。本発明のイオン性SHCL用眼科組成物を水性液状にする場合、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される水を水性担体として使用すればよく、このような水として、具体的には、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等が例示される。これらの定義は第一五改 正日本薬局方に基づく。ここで、水性液状とは、水を含有する液状の形態を意味し、通常は、イオン性SHCL用眼科組成物中に水を1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上を含有するものを意味する。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、眼科分野で用いられるものであってイオン性SHCLに接触するように使用されるものであれば、その形態や用途については制限されない。例えば、イオン性SHCL用点眼剤(イオン性SHCLを装着したまま使用可能な点眼剤)、イオン性SHCL用洗眼剤(イオン性SHCLを装着したまま使用可能な洗眼剤)、イオン性SHCL装着液、イオン性SHCLケア用液剤(イオン性SHCL消毒液、イオン性SHCL保存液、イオン性SHCL洗浄液、及びイオン性SHCL洗浄保存液等)等を挙げることができる。これらの中でも、イオン性SHCL用点眼剤は、イオン性SHCL装用中に手軽に使用できるので、イオン性SHCL装用中に花粉タンパク質が吸着するのを効果的に抑制できるため、イオン性SHCL装用中の不快感を防止して快適にイオン性SHCLを装用することを可能にするという点で好適である。また点眼剤は、他の眼科組成物に比べて一般に1日当たりの使用頻度が高いため、本発明の効果をより一層有効に奏させ得るという観点からも好適である。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物において、適用対象となるイオン性SHCLの種類については特に制限されず、現在市販されている、或いは将来市販される全てのイオン性SHCLを適用対象にできる。なお、ここでイオン性とは、当業者が通常理解するように、米国FDA(米国食品医薬品局)基準に則り、素材中のイオン性成分含有率が1mol%以上であることをいう。また、適用対象となるイオン性SHCLの含水率についても特に制限されず、例えば、90%以下、好ましくは60%以下、更に好ましくは50%以下、特に好ましくは40%以下が挙げられる。なお、SHCLはハイドロゲル素材を含むものであるため、少なくとも0%より多い水分を含む。
ここでSHCLの含水率とは、SHCL中の水の割合を示し、具体的には以下の計算式により求められる。
含水率(%)=(含水した水の重量/含水状態のSHCLの重量)×100
かかる含水率は、ISO18369-4:2006の記載に従って重量測定方法により測定され得る。
一般に材質が柔らかい非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに比べ、材質が硬いシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、異物の吸着・蓄積によるレンズの変形や濡れ性低下により、使用感の悪化を感じさせ易く、眼粘膜障害を引き起こし易い傾向にある。本発明のイオン性SHCL用眼科組成物によれば、このように使用感悪化や眼粘膜障害を引き起こし易い硬い材質のイオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を有効に抑制することができ、また特定の実施形態ではクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着促進をも効果的に抑制できるので、異物の吸着・蓄積によるレンズの変形や変質を防いで、使用感の悪化や眼粘膜障害を効果的に防止することもできる。かかる本発明の効果に鑑みれば、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物の好適な適用対象として、硬度が比較的高いイオン性SHCLが挙げられる。好ましくは、適用対象となるイオン性SHCLの硬度は、下記のテクスチャーアナライザーによる測定方法により測定した場合の硬度が、3g以上、好ましくは4g以上、より好ましくは6g以上、更に好ましくは8g以上である。また、適用対象となるイオン性SHCLの硬度の上限値については、特に制限されないが、好ましくは15g以下、更に好ましくは12g以下である。
コンタクトレンズの硬度は、テクスチャーアナライザー(製品名:TA.XT.plus TEXTUREANALYSER(Stable Micro Systems Limited製))を用いて、具体的に以下のようにして測定され得る。
まず、測定対象となるコンタクトレンズをパッケージから取り出し、余分な水分をふき取って、生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム溶液)で濯いだ後、生理食塩水を満たしたプラスチックシャーレの底に凸面が上方になるように配置する。次いで、測定器のプローブの真下に該コンタクトレンズが来るように調節し、以下の測定条件下で測定を行う。
[測定条件]
測定器の設定:
テストモード 圧縮測定
プローブタイプ φ10mmシリンダープローブ
Target Mode Distance
Distance 2.5mm
Triger Type Auto
Triger Force 0.1g
Test Speed 1.0mm/sec
プローブがレンズ頂点を押し下げ始めてから2.5mm(2.5秒)レンズを押しつぶす際の応力を測定し、その最大値を硬度として記録する。
本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を顕著に抑制できる。よって、コンタクトレンズ上に吸着された花粉タンパク質が、長時間眼に接触し続けるような事態を回避することができ、花粉によるアレルギーの予防や悪化の防止に有効である。更に、本発明のイオン性SHCL用眼科組成物は、トラニラスト及び/又はその塩に基づく抗アレルギー作用をも発揮することができる。従って、花粉症又は花粉症予備軍のイオン性SHCL使用者への適用に特に好適である。
2.イオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制する方法、及びイオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制する作用を眼科組成物に付与する方法
前述したように、トラニラスト及び/又はその塩を使用することによって、
イオン性SHCLに対する花粉タンパク質の吸着を顕著に抑制することができる。
従って、本発明は、更に別の観点から、トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する眼科組成物を、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと接触させることを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タンパク質の吸着を抑制する方法を提供する。更には、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物に、トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タンパク質の吸着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法を提供する。
これらの方法において、トラニラスト及び/又はその塩の種類や配合割合、その他の配合成分の種類や配合割合、イオン性SHCL用眼科組成物の製剤形態、適用対象となるイオン性SHCLの種類等については、前記「1.イオン性SHCL用眼科組成物」と同様である。
なお、後述の試験例に示すように、トラニラスト及び/又はその塩は界面活性剤類(特に、非イオン性界面活性剤)と一緒に用いられることにより、更に高度にイオン性SHCLへの花粉タンパク質の吸着を抑制できることが明らかとなっている。従って、これらの方法では、トラニラスト及び/又はその塩と界面活性剤類とを組み合わせて用いることが特に有益である。
3.トラニラスト及び/又はその塩の存在下で促進されるイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の吸着を抑制する方法、並びに当該吸着を抑制する作用を眼科組成物に付与する方法
前述したように、トラニラスト及び/又はその塩の存在下で促進されるイオン性SHCLへのクロルフェニラミン及び/又はその塩の著しい吸着は、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類及び/又はプラノプロフェン類を更に組み合わせることにより効果的に抑制できることが明らかとなっている。
従って、本発明は、更に別の観点から、トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類、及びプラノプロフェン類からなる群より選択される少なくとも1種とを併用することを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへのクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種の吸着を抑制する方法を提供する。更には、トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する眼科組成物に、無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類、及びプラノプロフェン類からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへのクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種の吸着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法を提供する。
これらの方法において、トラニラスト及び/又はその塩やクロルフェニラミン及び/又はその塩、並びに無機塩類、ビタミンB6類、界面活性剤類、及び/又はプラノプロフェン類の種類や配合割合、その他の配合成分の種類や配合割合、イオン性SHCL用眼科組成物の製剤形態、適用対象となるイオン性SHCLの種類等については、前記「1.イオン性SHCL用眼科組成物」と同様である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
参考試験例1:SCLに対する花粉タンパク質吸着特性の評価
表1に示す4種のソフトコンタクトレンズを試験に用いて、ソフトコンタクトレンズに対する花粉タンパク質の吸着特性を評価した。
まず、試験に使用するレンズを、生理食塩水4mLに1枚ずつ浸漬させ、室温にて一晩保存した(レンズの前処理)。
花粉タンパク質抗原((株)エル・エス・エル社製 Cedar Pollen Extract-Ja、性状:凍結乾燥粉末(Cedar Pollen粗抽出物 Mountain ceder、Juniperus Asheiiの花粉から抽出))を、生理食塩水に溶解し、5mg/30mL花粉タンパク質液を調製した。24穴プレートの各穴に、花粉タンパク質液1.0mLを入れ、前処理済みのレンズの余分な水分をふき取った後に浸漬し、34℃120rpmにて18時間振とうを行った。次いで、レンズを取り出し、生理食塩水100mLに素早く(約1秒)浸漬させて余分な液をすすいだ後、ビーカーのふちを使って軽く水分を切り、24穴プレートの各穴に入れた花粉タンパク質分離用液(1%炭酸ナトリウム及び1%SDS含有水溶液)1mLに浸漬させた。34℃120rpmで3時間振とうし、レンズに吸着した花粉タンパク質を花粉タンパク質分離用液中に分離させた。
マイクロBCAアッセイキット(Thermo SCIENTIFIC,Pierce #23235)を用いて、花粉タンパク質分離用液中の花粉タンパク質量を、アルブミン換算値として定量し、レンズに対する花粉タンパク質吸着量を求めた。
Figure 0005650947
なお、各ソフトコンタクトレンズの硬度は、上述のようにテクスチャーアナライザー(製品名:TA.XT.plus TEXTURE ANALYSER(Stable Micro Systems Limited製))を用いて測定した値である。
結果を図1に示す。イオン性SHCLであるレンズ1を用いた場合には、非シリコーン製レンズであるレンズ3及びレンズ4や、非イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズであるレンズ2と比較すると、顕著に高い花粉タンパク質の吸着が認められた。この結果から、花粉タンパク質は、ソフトコンタクトレンズの中でもイオン性SHCLに対して極めて多量に吸着する傾向があり、イオン性SHCLには、花粉タンパク質を非常に吸着し易いという特有の課題が存在することが確認された。
試験例1:イオン性SHCLに対する花粉タンパク質吸着抑制効果
上記参考試験例1にて花粉タンパク質の顕著な吸着が確認されたレンズ1(イオン性SHCL)を用いて、下記の試験を実施した。
先ず、レンズ1を、5mLの生理食塩水に1枚ずつ浸漬させ、一晩室温にて保存した(レンズの前処理)。
ヘッドスペースバイアルに下記表2に記載の各処方液(実施例1、比較例1、及びコントロール)を5.0mLずつ入れ、各処方液にレンズ1をそれぞれ浸漬して34℃、120rpmで24時間振とうを行った。
次いで、花粉タンパク質抗原((株)エル・エス・エル社製 Cedar Pollen Extract-Ja、性状:凍結乾燥粉末(Cedar Pollen粗抽出物 Mountain ceder、Juniperus Asheiiの花粉から抽出))を生理食塩水に溶解し、5mg/50mL花粉タンパク質液を調製し、それを24穴プレートの各穴に1.0mLずつ入れた。各処方液での浸漬処理を終えたレンズ1を取り出し、生理食塩水100mLに素早く(約1秒)浸漬させて余分な液をすすぎ、水分をふき取った後に、準備していた花粉タンパク質液に浸漬させ、34℃、400rpmで18時間振とうを行った。
その後、レンズ1を取り出し、生理食塩水100mLに素早く(約1秒)浸漬させて余分な液をすすいだ後、ビーカーのふちを使って軽く水分を切り、24穴プレートに入れた花粉タンパク質分離用液(1%炭酸ナトリウム及び1%SDS含有水溶液)0.8mLに浸漬させた。34℃、400rpmで3時間振とうし、レンズに吸着していた花粉タンパク質を花粉タンパク質分離用液中に分離させた。
マイクロBCAアッセイキット(Thermo SCIENTIFIC,Pierce #23235)を用いて、花粉タンパク質分離用液中に存在する花粉タンパク質の量を、アルブミン換算値として定量し、レンズ1に吸着していた花粉タンパク質の量を求めた。次式に従い、コントロール試験液を用いた場合の花粉タンパク質吸着量に対する、比較例1及び実施例1の試験液を用いた場合の花粉タンパク質吸着量の割合から、花粉タンパク質吸着抑制率(%)を算出した。
Figure 0005650947
Figure 0005650947
結果を図2に示す。図2に示されるように、トラニラストで予め処理することにより、花粉タンパク質の吸着を著しく抑制できることが明らかとなった。
試験例2:イオン性SHCLに対する花粉タンパク質吸着抑制効果
下記表3に記載の処方液を用いた以外は、実質的に上記試験例1と同様の方法で、イオン性SHCLに対する花粉タンパク質吸着抑制効果について評価を行った。
次式により、実施例1の試験液を用いた場合の吸着量に対する、比較例2及び実施例2の試験液を用いた場合の吸着量の割合から、花粉タンパク質吸着抑制改善率(%)を算出した。この結果を、表3に併せて示す。
Figure 0005650947
Figure 0005650947
表3の最下段に示される結果より明らかなように、トラニラストに対して非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)を組み合わせて用いることにより、イオン性SHCLに対する花粉タンパク質吸着抑制効果が一層増強されることが認められた。
参考試験例2:トラニラスト存在下でのSCLに対するマレイン酸クロルフェニラミンの吸着特性の評価
参考試験例1で使用したレンズ1(イオン性SHCL)を試験に用いて、トラニラストの存在下における、ソフトコンタクトレンズへのマレイン酸クロルフェニラミンの吸着挙動を評価した。
まず、試験に使用するレンズ1を、生理食塩水5mLに1枚ずつ浸漬させ、室温にて一晩保存した(レンズの前処理)。
予め調製した比較例3および参考例1の処方液(下記表4)を10mLバイアル瓶にそれぞれ5.0mLを入れ、前処理を終えたレンズ1を余分な水分をふき取った後にそれぞれ浸漬し、34℃120rpmにて24時間振とう処理を行った。このとき、レンズを入れずに2種類の各処方液5.0mLのみを入れた瓶も、ブランクとして同時に振とうした。24時間後に、レンズを取り除いた各処方液中のマレイン酸クロルフェニラミン含量、及びブランク液中のマレイン酸クロルフェニラミン含量を、常法に従いHPLC法にて定量した。次いで、次式に従い、レンズ1へのマレイン酸クロルフェニラミンの吸着量を算出した。
Figure 0005650947
Figure 0005650947
この結果を図3に示す。図3に示されるように、比較例3の試験液を用いた場合と比較して、参考例1の試験液を用いた場合には、イオン性SHCLへのマレイン酸クロルフェニラミンの吸着量が200.8μg/レンズも増加することが認められ、トラニラストの存在下ではイオン性SHCLへのマレイン酸クロルフェニラミンの吸着が著しく促進されることが示された。
そこで、他の種類のソフトコンタクトレンズを用いた場合の吸着特性についても評価するために、参考試験例1で使用した他のレンズ(レンズ2〜4)についても上記と同様の試験を行い、比較例3と参考例1の試験液を用いた場合のマレイン酸クロルフェニラミン吸着量について測定を行った。その結果、比較例3の試験液を用いた場合と比較した、参考例1の試験液を用いた場合のマレイン酸クロルフェニラミン吸着量の変化値は、レンズ2の場合は+29.6μg/レンズ、レンズ3の場合には+38.7μg/レンズとなり、レンズ1の場合と比べてその差は極めて小さいものであった。また、レンズ4の場合には、比較例3の試験液を用いた場合と比較して、参考例1の試験液を用いた場合のマレイン酸クロルフェニラミン吸着量は−46.0μg/レンズとなり、マレイン酸クロルフェニラミン吸着量がやや低減することが認められた。よって、トラニラスト存在下でのソフトコンタクトレンズへのマレイン酸クロルフェニラミンの著しい吸着促進は、イオン性SHCLにおいてのみ認められる特有の課題であることが明らかとなった。
試験例3:トラニラスト存在下でのイオン性SHCLに対するマレイン酸クロルフェニラミンの吸着特性の評価
上記参考試験例2で、トラニラスト存在下においてマレイン酸クロルフェニラミンを著しく吸着させ易い傾向が認められたレンズ1を用いて以下の実験を行った。
まず、試験に使用するレンズ1を、生理食塩水5mLに1枚ずつ浸漬させ、室温にて一晩保存した(レンズの前処理)。
予め調製した実施例3〜7及び参考例2〜3(下記表5)を10mLバイアル瓶に2.0mLずつ入れ、前処理を終えたレンズ1を余分な水分をふき取った後にそれぞれ浸漬し、34℃120rpmにて24時間振とう処理を行った。このとき、レンズを入れずに各処方液2.0mLのみを入れた瓶も、ブランクとして同時に振とうした。24時間後、レンズを取り除いた各処方液中のマレイン酸クロルフェニラミン含量、及びブランク液中のマレイン酸クロルフェニラミン含量を、常法に従いHPLC法にて定量し、その差から各処方液を用いた場合のマレイン酸クロルフェニラミンのイオン性SHCL吸着量を算出した。次いで、次式に従い、それぞれpHが対応する参考例を用いた場合のマレイン酸クロルフェニラミン吸着量に対する、各処方液を用いた場合のマレイン酸クロルフェニラミン吸着量の割合から、マレイン酸クロルフェニラミン吸着抑制率(%)を算出した。この結果を、表5に併せて示す。
Figure 0005650947
Figure 0005650947
表5に示す結果から明らかなように、トラニラスト存在下で著しく促進されるイオン性SHCLへのマレイン酸クロルフェニラミンの吸着は、無機塩類(塩化ナトリウム)、ビタミンB6類(塩酸ピリドキシン)、非イオン性界面活性剤(ポリソルベート80)、又はプラノプロフェン類(プラノプロフェン)を組み合わせて配合することにより効果的に抑制できることが認められた。なかでも、塩化ナトリウムを用いた場合の吸着抑制効果は顕著であった。また、塩酸ピリドキシンを用いた場合には、pHが低くなるほど、マレイン酸クロルフェニラミン吸着抑制効果が一層高められる傾向が認められた。
製剤実施例:
以下に、本発明の製剤実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記表6に記載の処方で、イオン性SHCL用点眼剤(実施例8〜15)が提供される。これらのイオン性SHCL用点眼剤は、参考試験例1で使用したレンズ1(イオン性SHCL、USAN: BalafilconA、主要構成モノマー:トリス(トリメチルシロシキ)シリルプロピルビニルカーバメート(TRISVC)及びN−ビニル−2−ピロリドン(NVP))に対して好適に用いることができる。
Figure 0005650947
また、下記表7に記載の処方で、イオン性SHCL用点眼剤(実施例16〜22)、イオン性SHCL用装着液(実施例23)、イオン性SHCL用装着液兼点眼剤(実施例24)、及びイオン性SHCL用装着液兼洗眼剤(実施例25)が提供される。
Figure 0005650947

Claims (7)

  1. トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用眼科組成物。
  2. クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と共に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム塩酸ピリドキシン非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及びプラノプロフェンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の眼科組成物。
  3. 非イオン性界面活性剤を含有する、請求項1又は2に記載の眼科組成物。
  4. ポリビニルピロリドン、モノエタノールアミン及びトロメタモールからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼科組成物。
  5. 眼科組成物にトラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを含む、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タンパク質の吸着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法。
  6. トラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、クロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する眼科組成物に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩酸ピリドキシン、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及びプラノプロフェンからなる群より選択される少なくとも1種を配合することを含む、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへのクロルフェニラミン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種の吸着を抑制する作用を該眼科組成物に付与する方法。
  7. イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに適用される眼科組成物からなる抗アレルギー剤であって、前記眼科組成物がトラニラスト及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、抗アレルギー剤。
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