JP5645220B2 - 半導体膜のレーザアニール装置 - Google Patents
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Description
このため、従来、パワーメータやフォトダイオードを用いてレーザ光を検知し、レーザ光波形のエネルギー積分値が一定になるようにレーザ光出力などを制御する方法が一般に用いられている。
また、この他に、レーザ光のパルス波形における複数の極大値同士の比を求め、この比が所定値を上回ったときに、レーザガス封入容器内に注入する励起ガスの量あるいは上記電源から充放電回路に供給される電圧値の少なくとも一方を制御するパルスガスレーザ発振装置が提案されている(特許文献1参照)。
1.レーザガスとしてハロゲンガスを注入する際はレーザガス組成比が安定するまで、レーザ発振が不安定になる。
2.ハロゲンガス組成比が上がるとレーザパルスエネルギー安定性が低下する。
3.「極大値同士の比を所定の範囲に収める」には一定の時間を要する。
4.「極大値同士の比を所定の範囲に収める」こととレーザのエネルギー変動が少ない安定発振とは相反する。
5.ビームダイバージェンス等の影響により、レーザ発振器のオリジナルパルス波形と、被照射物に照射されるパルス波形は異なる。
ガスレーザ光であって、第1ピークに最大ピーク高さを有するパルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、前記パルスレーザ光を前記非単結晶半導体膜に導く光学系と、前記非単結晶半導体膜に照射される前記パルスレーザ光のパルス波形における最大ピーク高さを測定する最大ピーク高さ測定部と、該最大ピーク高さ測定部の測定結果を受けて、前記レーザ発振器の発振条件の変化により変化するパルス波形において前記最大ピーク高さが、初期設定された結晶化に最適な照射エネルギー密度において得られるパルス波形の最大ピーク高さのみに応じて、所定範囲の最大ピーク高さとなるように、前記レーザ発振器から出力されるパルスレーザ光のレーザパルスエネルギーを制御する制御部とを備えることを特徴とする。
ガスレーザ光であって、第1ピークに最大ピーク高さを有するパルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、前記パルスレーザ光の減衰率を調整する可変減衰器と、前記パルスレーザ光を非単結晶半導体膜に導く光学系と、前記非単結晶半導体膜に照射される前記パルスレーザ光のパルス波形における最大ピーク高さを測定する最大ピーク高さ測定部と、該最大ピーク高さ測定部の測定結果を受けて、前記レーザ発振器の発振条件の変化により変化するパルス波形において前記最大ピーク高さが、初期設定された結晶化に最適な照射エネルギー密度において得られるパルス波形の最大ピーク高さのみに応じて、所定範囲の最大ピーク高さとなるように、前記レーザ発振器から出力されるパルスレーザ光のレーザパルスエネルギーおよび前記可変減衰器の減衰率を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
さらに半導体膜のレーザアニール方法として、前記レーザ光のパルス波形の最大ピーク高さを測定し、該最大ピーク高さが所定の高さとなるように、前記パルスレーザ光の出力エネルギーまたは/および出力後の前記パルスレーザ光のエネルギー調整を行うことができる。
1.結晶特性と相関性が高いパルス波形の最大ピーク高さにより、レーザ照射エネルギー密度を制御するので、常に一定の結晶化特性が得られる。
2.レーザ発振器の発振条件の変化により、パルス波形が変化しても、常に一定の結晶化特性が得られる。
3.レーザガスの劣化により、出力(W)が一定であっても、パルス波形が変化する場合に、結晶特性と相関性が高いパルス波形の最大ピーク高さにより、レーザ照射エネルギー密度を制御するので、常に一定の結晶化特性が得られる。
レーザニール処理装置は、ガスレーザ光を出力するレーザ発振器1を備えており、該レーザ発振器1では、注入ガス量や放電電圧を調整することでレーザ光出力を調整することが可能になっている。該レーザ発振器1としては、例えば、Coherent社のエキシマレーザ発振器LSX315C(波長308nm、繰り返し発振数300Hz)を用いることができる。
光学系4によって導かれるレーザ光10は、ビームスプリッタ5によってレーザ光の一部が取り出され、大部分はビームスプリッタ5を透過して被処理体6に照射される。被処理体6としては、例えば厚さ50nmのa−Si膜が対象とされる。
パルス波形検出手段7によって検出された結果は、制御部8に出力される。制御部8は、CPUとこれを動作させるプログラム、パルス波形の所定最大ピーク高さに関するデータを不揮発に記憶した記憶部などにより構成される。制御部8では、パルス波形検出手段7における検出結果から、波形の最大ピーク高さを判定する。したがって、制御部8は、最大ピーク高さ判定部としての機能を有しており、前記パルス波形検出手段7と協働して本発明の最大ピーク高さ測定部を構成する。該制御部8は、レーザ発振器1の出力制御が可能になっているとともに、可変減衰器制御部3に制御指令を発行することができる。
初期設定された出力によって、レーザ発振器1よりレーザ光10が出力される。レーザ発振器1は、内蔵のエネルギーメータにより、その発振エネルギーが制御されている。エネルギーメータの値は、パルス波形の積分値に比例している。
所定の減衰率で減衰したレーザ光は、光学系4によって帯状に整形され、ビームスプリッタ5に至る。ビームスプリッタ5を通過するレーザ光は、被処理体6に照射されてレーザアニール処理がなされる。ビームスプリッタ5で取り出されるレーザ光10aは、パルス波形検出手段7に至り、検出されたパルス波形に関する情報が制御部8に出力される。
先ず、ステップ1では、上記のようにパルス波形が検出され、検出結果が制御部8に出力される(ステップs1)。
制御部8では、検出パルス波形から、該波形における最大ピーク高さを判定する(ステップs2)。なお、通常は、図3に示すように、波形における第1ピークが最大ピークとなるため、この第1ピーク高さを判定することで最大ピーク高さとみなすことができる。
上記比較で、検知した最大ピーク高さが、所定範囲の最大ピーク高さ以内にある場合(ステップs3、YES)、現在のレーザ光10は、結晶化に最適な最大ピーク高を有しているものとして、引き続きレザー光波形の検出を行う(ステップs1へ)。繰り返し行うレーザ波形の検出は、連続的に行っても良く、また、所定の間隔をおいて行うようにしてもよい。
レーザ発振器1での出力調整は、放電電圧によって調整する。該制御部8では、検出した最大ピーク高さが所定範囲よりも高い場合、出力を小さくして最大ピーク高さが所定範囲内となるようにレーザ発振器1の放電電圧を調整し、一方、検出した最大ピーク高さが所定範囲よりも低い場合、出力が大きくして最大ピーク高さが所定範囲内となるようにレーザ発振器1を調整する。調整量は、検出した最大ピーク高さが所定範囲から外れている量に基づいて決定することができる。
上記調整後は、レーザ照射処理が終了する(ステップs5、YES)まで、引き続きレザー光波形の検出を行う(ステップs1へ)。
なお、上記制御ステップでは、パルス波形の最大ピーク高さに調整するために、レーザ発振器1での出力調整により行うものとして説明したが、前記可変減衰器2における減衰率を調整することによってパルス波形の最大ピーク高さを調整しても良く、また、レーザ発振器1での出力調整と可変減衰器2における減衰率の調整の両方によってパルス波形の最大ピーク高さを調整するようにしてもよい。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記説明の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
2 可変減衰器
3 可変減衰器制御部
4 光学系
5 ビームスプリッター
6 被処理体
7 パルス波形検出手段
8 制御部
Claims (3)
- パルスレーザ光を非単結晶半導体膜であるシリコン膜に照射して前記非単結晶半導体膜を結晶化する半導体膜のレーザアニール装置において、
ガスレーザ光であって、第1ピークに最大ピーク高さを有するパルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、前記パルスレーザ光を前記非単結晶半導体膜に導く光学系と、前記非単結晶半導体膜に照射される前記パルスレーザ光のパルス波形における最大ピーク高さを測定する最大ピーク高さ測定部と、該最大ピーク高さ測定部の測定結果を受けて、前記レーザ発振器の発振条件の変化により変化するパルス波形において前記最大ピーク高さが、初期設定された結晶化に最適な照射エネルギー密度において得られるパルス波形の最大ピーク高さのみに応じて、所定範囲の最大ピーク高さとなるように、前記レーザ発振器から出力されるパルスレーザ光のレーザパルスエネルギーを制御する制御部とを備えることを特徴とする半導体膜のレーザアニール装置。 - パルスレーザ光を非単結晶半導体膜であるシリコン膜に照射して前記非単結晶半導体膜を結晶化する半導体膜のレーザアニール装置において、
ガスレーザ光であって、第1ピークに最大ピーク高さを有するパルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、前記パルスレーザ光の減衰率を調整する可変減衰器と、前記パルスレーザ光を非単結晶半導体膜に導く光学系と、前記非単結晶半導体膜に照射される前記パルスレーザ光のパルス波形における最大ピーク高さを測定する最大ピーク高さ測定部と、該最大ピーク高さ測定部の測定結果を受けて、前記レーザ発振器の発振条件の変化により変化するパルス波形において前記最大ピーク高さが、初期設定された結晶化に最適な照射エネルギー密度において得られるパルス波形の最大ピーク高さのみに応じて、所定範囲の最大ピーク高さとなるように、前記レーザ発振器から出力されるパルスレーザ光のレーザパルスエネルギーおよび前記可変減衰器の減衰率を制御する制御部とを備えることを特徴とする半導体膜のレーザアニール装置。 - 前記最大ピーク高さ測定部は、前記パルスレーザ光の光路に配置されたビームスプリッタと、該ビームスプリッタによって取り出された一部のパルスレーザ光の波形を検出するパルス波形検出部と、該パルス波形検出部で検出されたパルス波形から最大ピーク高さを判定する最大ピーク高さ判定部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体膜のレーザアニール装置。
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