JP5645120B2 - 粒子状態計算装置及び粒子状態計算方法 - Google Patents

粒子状態計算装置及び粒子状態計算方法 Download PDF

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Description

本発明は、分散メモリ型並列計算により粒子の状態を計算する粒子状態計算装置及び粒子状態計算方法に関する。
雲の発達初期において雲粒子(水粒子)の粒子系分布が急激に広がり(粒子系分布の分散が急激に大きくなり)、速やかな降雨開始をもたらす現象が長い間議論されている。その原因として、雲乱流による雲粒子の衝突促進効果、乱流エントレインメント、巨大凝結核、雲粒子の乱流拡散等が挙げられている。中でも、初めに挙げた雲乱流による衝突促進効果が最も長い間議論されてきた。それに伴い、乱流中での粒子の衝突頻度に関する研究が盛んに行われてきた。
これまでに粒子の乱流衝突頻度を予測するモデルがいくつか提案されてきた。例えば、非特許文献1に記載されたような、直接数値計算(Direct Numerical Simulation,DNS)によって求められた衝突頻度因子データを基にしたものが提案されている。
Woittiez, E.J.P., Jonker, H.J.J. and Portela, L.M., "On the Combined Effects of Turbulence and Gravity onDroplet Collisions in Clouds: a Numerical Study", Journal of the AtmosphericSciences, Vol. 66 (2009), pp.1926-1943.
しかしながら、上記の従来の方法で得られる予測結果は、以下のように高レイノルズ数での信頼性が確かめられていない。従来の研究で得られたデータは、非特許文献1に示されるように最大でも85というテイラーマイクロスケール基準レイノルズ数Reλ(=u´lλ/ν、ここでu´は速度変動強度、lλはテイラーマイクロスケール、νは動粘度係数である)で得られたデータである。そのレイノルズ数は、実際の雲乱流のReλ=103〜4という高レイノルズ数とはほど遠い。そのため、従来の乱流衝突モデルをそのまま雲乱流のシミュレーションに適用することの妥当性には疑問が残る。
これを解決するためには、できるだけ高いレイノルズ数における衝突頻度因子データが必要である。そして、そのためには大規模な並列計算が必須となる。並列計算には、各プロセスが同じ物理メモリを共有する共有メモリ型並列計算(openMPや自動並列化ライブラリなど)と、各プロセスがそれぞれ別個の物理メモリを使用する分散メモリ型並列計算(Message Passing Interface(MPI)ライブラリが一般的)の2種類に分けられる。
前者は、せいぜい数十プロセスを使った並列計算しか実行できず、また使用できるメモリも限られる。従って、大規模な並列計算を実行できないという短所がある。これまでに、乱流中での粒子衝突に対する共有メモリ型(openMP等)の並列コードは開発されてきた。しかし、上記の理由により、共有メモリ型の並列計算では、高レイノルズ数における粒子衝突データを取得することは難しい。
一方、後者の分散メモリ型並列計算では、ハードウェアを寄せ集めれば、多くのプロセスを使用した並列計算が可能である。分散メモリ型並列計算では、それぞれのプロセスが(分散した)メモリを使用して、必要な時にデータ通信を行いながら計算を進める。データ通信速度はメモリアクセス速度に比べて極端に遅いため、効率的なデータ通信が求められる。
しかし、粒子衝突に対する分散メモリ型並列計算コードは開発されてこなかった。その一つの原因として、気相乱流計算に対して主にスペクトル法を用いたDNSが行われてきたことが挙げられる。分散メモリ型並列環境でスペクトル計算する場合には、全領域データの(全対全の)通信が発生する。膨大なデータ通信を効率的に処理する技術が必要となるため、現状では3次元領域分割に対応したスペクトル法は開発されていない。2次元領域分割による大規模並列計算では、一つ一つの領域は細長い、いわゆるペンシル型の形状になり、(表面積)/(体積)が大きくなる。粒子計算のような近傍プロセス間で情報の受け渡しが必要となる並列計算の場合、通信量は領域の表面積に比例するため、(表面積)/(体積)の増大は(通信量)/(計算量)の増大につながり、結果として並列効率の低下を引き起こす。そのため2次元分割では、粒子運動に対する大規模並列計算に向かない。これらのことから、2次元分割にしか対応していないスペクトル法を用いて乱流を計算し、高レイノルズ数における粒子衝突データを取得するには大きな困難があると考えられる。
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、効率的に分散メモリ型並列計算により粒子状態を計算し、その結果より大規模なモデルに対する計算を可能とする粒子状態計算装置及び粒子状態計算方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る粒子状態計算装置は、複数の分割された計算領域の一つである自領域に配置される粒子の状態を時間ステップ毎に繰り返し計算する粒子状態計算装置であって、各時間ステップにおける自領域の粒子の状態を計算する粒子状態計算手段と、粒子状態計算手段における対象の時間ステップが、予め設定された周期の時間ステップか否かを判断する周期判断手段と、周期判断手段によって予め設定された周期の時間ステップであると判断された時間ステップに、粒子状態計算手段によって計算された粒子の位置に基づいて、当該粒子から、自領域に隣接する分割された計算領域である隣接領域において計算に用いられる自領域仮想粒子を特定して、特定した自領域仮想粒子を示す情報を当該隣接領域の粒子の状態を計算する別の粒子状態計算装置に出力する自仮想粒子情報出力手段と、別の粒子状態計算装置から、自領域において計算に用いられる他領域仮想粒子を特定する情報を入力する他仮想粒子情報入力手段と、各時間ステップにおいて粒子状態計算手段によって算出された自領域仮想粒子の状態を示す情報を別の粒子状態計算装置に出力する自仮想粒子状態出力手段と、各時間ステップにおいて別の粒子状態計算装置から他領域仮想粒子の状態を示す情報を入力する他仮想粒子状態入力手段と、粒子状態計算手段による計算に応じた情報を出力する出力手段と、を備え、粒子状態計算手段は、他仮想粒子情報入力手段によって入力される他領域仮想粒子を特定する情報、及び他仮想粒子状態入力手段によって入力された他領域仮想粒子の状態を示す情報を用いて粒子の状態を計算することを特徴とする。
本発明に係る粒子状態計算装置では、予め設定された周期の時間ステップにおいて自領域における自領域仮想粒子が特定されて、特定された自領域仮想粒子を示す情報が隣接領域の状態を計算する別の粒子状態計算装置に出力される。その一方で、別の粒子状態計算装置から、自領域において計算に用いられる他領域仮想粒子を特定する情報が入力される。そして、各時間ステップにおいて、自領域仮想粒子の状態を示す情報が出力されると共に、他領域仮想粒子の状態を示す情報が入力される。入力された他領域仮想粒子を特定する情報、及び当該粒子の状態を示す情報を用いて自領域の粒子の状態が計算される。即ち、粒子状態計算装置間でやり取りする情報に係る粒子を限定された仮想粒子とすることで、各粒子状態計算装置で必要な情報を確実に入力させると共に粒子状態計算装置間の通信を効率的にする。また、仮想粒子を特定する情報のやりとりを、予め設定された周期の時間ステップとすることで粒子状態計算装置間の通信が更に効率的になる。これによって、本発明に係る粒子状態計算装置によれば、効率的に分散メモリ型並列計算により粒子状態を計算し、その結果より大規模なモデルに対する計算が可能となる。
粒子は、流体中の粒子であり、粒子状態計算手段は、有限差分法によって流体の状態を算出して、当該流体の影響を考慮して粒子の状態を計算する、ことが望ましい。この構成によれば、流体中の粒子に係る大規模なモデル計算が可能となる。
粒子状態計算手段は、他仮想粒子情報入力手段によって入力される他領域仮想粒子を特定する情報に基づいて、粒子間の近傍関係を特定して、当該近傍関係に基づいて粒子の状態を計算することが望ましい。この構成によれば、粒子間の衝突等の粒子間の相互作用が生じるモデルの計算を確実に行うことができる。
ところで、本発明は、上記のように粒子状態計算装置の発明として記述できる他に、以下のように粒子状態計算方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
即ち、本発明に係る粒子状態計算方法は、複数の分割された計算領域の一つである自領域に配置される粒子の状態を時間ステップ毎に繰り返し計算する粒子状態計算装置による粒子状態計算方法であって、各時間ステップにおける自領域の粒子の状態を計算する粒子状態計算ステップと、粒子状態計算ステップにおける対象の時間ステップが、予め設定された周期の時間ステップか否かを判断する周期判断ステップと、周期判断ステップにおいて予め設定された周期の時間ステップであると判断された時間ステップに、粒子状態計算ステップにおいて計算された粒子の位置に基づいて、当該粒子から、自領域に隣接する分割された計算領域である隣接領域において計算に用いられる自領域仮想粒子を特定して、特定した自領域仮想粒子を示す情報を当該隣接領域の粒子の状態を計算する別の粒子状態計算装置に出力する自仮想粒子情報出力ステップと、別の粒子状態計算装置から、自領域において計算に用いられる他領域仮想粒子を特定する情報を入力する他仮想粒子情報入力ステップと、各時間ステップにおいて粒子状態計算ステップにおいて算出された自領域仮想粒子の状態を示す情報を別の粒子状態計算装置に出力する自仮想粒子状態出力ステップと、各時間ステップにおいて別の粒子状態計算装置から他領域仮想粒子の状態を示す情報を入力する他仮想粒子状態入力ステップと、粒子状態計算ステップにおける計算に応じた情報を出力する出力ステップと、を含み、粒子状態計算ステップにおいて、他仮想粒子情報入力ステップにおいて入力される他領域仮想粒子を特定する情報、及び他仮想粒子状態入力ステップにおいて入力された他領域仮想粒子の状態を示す情報を用いて粒子の状態を計算することを特徴とする。
本発明によれば、粒子状態計算装置間でやり取りする情報に係る粒子を限定された仮想粒子とすることで、各粒子状態計算装置で必要な情報を確実に入力させると共に粒子状態計算装置間の通信を効率的にする。また、仮想粒子を特定する情報のやりとりを、予め設定された周期の時間ステップとすることで粒子状態計算装置間の通信が更に効率的になる。これによって、本発明によれば、効率的に分散メモリ型並列計算により粒子状態を計算し、その結果より大規模なモデルに対する計算が可能となる。
本発明の実施形態に係る粒子状態計算装置であるノードの機能構成を示す図である。 流体及び粒子の計算領域及び(流体計算における)計算領域の分割を示す図である。 計算領域のセルへの分割を示す図である。 複数のノードにより構成される粒子状態計算システム全体で実行される処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る粒子状態計算装置である各ノードで実行される処理(粒子状態計算方法)を示すフローチャートである。 図5のフローチャートの各処理に応じた計算領域における粒子を示す図であり、説明のために平面図としている。 本実施形態に係る粒子状態計算装置及び粒子状態計算方法により得られる粒子の衝突頻度因子の結果を示すグラフである。 本実施形態に係る粒子状態計算装置及び粒子状態計算方法により得られるストークス数が1の粒子の衝突頻度因子の結果を示すグラフである。 N256計算に対して演算プロセス数を変化させた場合の(a)1時間ステップに要した演算時間、(b)演算速度を示すグラフである。
以下、図面と共に本発明に係る粒子状態計算装置及び粒子状態計算方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係る粒子状態計算装置であるノード10を示す。ノード10は、別のノード10と共に粒子状態計算システム1を構成する。粒子状態計算システム1は、例えば、雲を構成する水粒子等の粒子の状態を計算(シミュレーション)するシステムである。各ノード10は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ハードディスク等のハードウェアを備えるコンピュータである。各ノード10はイントラネットやインターネット等のネットワークで接続されており、各ノード10間で情報の送受信が可能になっている。粒子の状態の計算は、各ノード10が別個の物理メモリを用いて分散して計算を行う分散メモリ型並列計算によって行われる。ここで各ノード10における、計算の処理を(演算)プロセスと呼ぶ。
計算対象の粒子は、予め大きさが設定される計算領域に配置される。計算領域は複数の領域に分割される。各ノード10は、分割された領域の一つが計算対象として割り当てられて、割り当てられた領域である自領域に配置される粒子の状態を時間ステップ毎に繰り返し計算する。計算される粒子の状態は、具体的には粒子の位置及び速度である。また、計算領域には流体(より具体的には、非圧縮流体)が流れており、粒子は流体中にあり流体の影響を受けることとしてもよい(即ち、流体についての計算も行う)。流体は、例えば、水粒子の状態に影響を与える気流である。計算される流体の状態は、具体的には流体の速度及び圧力である。
計算対象の領域が隣接しているノード10同士は、粒子の移動等に応じて粒子の情報を送受信して、粒子の計算に利用する。
なお、粒子状態計算システム1には、分散メモリ型並列計算を統括的に制御する装置も含まれている。その装置が計算のためのパラメータの入力、計算領域の分割、及び各ノード10への計算の指示等の分散メモリ型並列計算を統括的に制御する処理を行う。当該装置が複数のノード10のうちの何れかであってもよい。
ここで、粒子及び流体の計算について説明する。まず、流体の支配方程式と数値計算法について説明する。非圧縮流体の方程式は、次の連続の式と、ナビエ−ストークス方程式である。

ここで、uは流体の速度ベクトル、pは流体の圧力を示す変数である。tは時間ステップを示す変数である。添え字i,jは、x,y,z何れかの方向を表しており、式(1)及び(2)は総和規約に従って表記されている。全ての変数は、代表長さLと代表速度Uとによって無次元化されている。また、Reは動粘性係数νを用いてRe=U/νと定義されるパラメータとして与えられる値である。例えば、νを1気圧298Kでの値1.5×10−5/sに設定される。式(2)の右辺最終項fは外力項である。
対流項の差分の計算には、Morinishi, Y., Lund, T.,Vasilyev, O. and Moin, P., “Fully Conservative Higher Order Finite DifferenceSchemes for Incompressible Flow”, Journal of Computational Physics, Vol. 143(1998), pp.90-124. (4th-order scheme for Non-linear term)に示される保存型4次中心差分スキーム、粘性項の差分の計算には4次中心差分法を用いることができる。時間進行(時間発展)の計算には、2次のルンゲ−クッタ法を用い、時間発展後の速度が連続の式を満たすように速度と圧力とを同時緩和させながら反復計算するHSMAC法(Hirt, C.W. and Cook, J.L., “Calculating Three-Dimensional Flowsaround Structures and over Rough Terrain”, Journal of Computational Physics,Vol. 10 (1972), pp.324-340)を用いることができる。その反復計算の中での空間差分法には2次中心差分法を用いることができる。反復計算の収束判定条件は、例えば、∂/(U/Δ)<10−3(Δは計算格子幅)とすることができる。
外力項fには、Reduced-CommunicationForcing(RCF)法を用いることができる(Onishi, R, Baba, Y. andTakahashi, K., “Efficient Large-Scale Forcing in Finite-Difference Simulationsof Steady Isotropic Turbulence”, Topics on Chaotic Systems -selected papersfrom CHAOS 2010 international conference, Skiadas, C.H. et al. eds.,World Scientific Publishing Co. (in press))。これは、大スケール運動にのみエネルギーを注入する大スケール強制法の一つであり、有限差分法において高並列効率を達成可能な強制法である。例えば、波数kの大きさが|k|<2.5の大スケール運動のエネルギーが保たれるように設定される。
続いて、流体の計算領域と並列計算法について説明する。図2に示すように、一辺2πLの立方体計算領域に対して、N個のスタッガード格子を配する。つまり、計算格子幅Δ=2πL/Nとなる。ここで、Nは予め設定あるいは入力されるパラメータである。具体的な計算コードは、MPIライブラリを用いたFortran90コードで記述することができる。これは、3次元領域分割に対応しており、立方体計算領域の座標軸であるx、y及びzの各方向を等間隔に分割することができる。各方向の分割数M、M及びMは、MPIプロセス総数MprocとMproc=Mの関係にある。このとき、各プロセスはn×n×n(n=N/M、n=N/M及びn=N/M)の大きさを持った“MPI分割領域”内の流体及び粒子運動の計算を担当する。M、M及びMは、任意のNの約数の値に予め設定あるいは入力されるパラメータである。なお、上記の例では、Nに等間隔に分割することとしているが、N,N,Nと各方向に分割数を変えることもできる。
例えば、以下の表に示す計算条件で気相乱流場の計算が行われる。全てのケースで、クーラン数(UΔt/Δ)が0.2以下になるように時間刻みΔtを設定した。ここで、時間刻みΔtは繰り返し計算の時間ステップの間隔である。但し、粒子の大きさによっては、口述するようにΔtを更に小さく設定しなければならない場合もある。
引き続いて、粒子の状態の計算について説明する。粒子の運動は、例えば、ラグラジアン粒子追跡法を用いて計算することができる。線形ストークス抗力を仮定すると支配方程式は次式となる。

ここで、vは粒子速度、u(アンダーバーの記載は省略する)は粒子位置における流体速度を示す変数である。ここで、添え字iはx,y,z方向を表す。τは粒子緩和時間である。式(1)と同様に全ての変数は、代表長さLと代表速度Uとによって無次元化されている。また、粒子に働く重力は無視する。粒子緩和時間τは、次式で計算される。

ここで、rは粒子半径、ρ及びρはそれぞれ粒子及び流体の密度であり、予め設定あるいは入力されるパラメータである。例えば、雲粒を想定して1気圧298Kでの水及び空気の密度の値から、ρ/ρ=840とする。線形ストークス抗力モデルは粒子レイノルズ数Re(=2r|v−u|/ν)が1に比べて十分小さい場合に適用可能である。雲粒を想定した場合、およそr=40μmのときRe=1である。それ以上大きな粒子の場合には非線形抗力モデルを用いるべきであるが、簡単のために全ての場合で線形ストークス抗力モデルを用いてもよい。また、現実の雲では水滴の空気に対する質量割合最大でも10−3程度であるので、粒子は希薄であり流体運動に影響を与えないとしてもよい。粒子位置における流体速度uは、粒子近傍の8点の速度データから線形補間により算出される。時間進行の計算には、流体計算と同じく、2次のルンゲ−クッタ法を用いる。
続いて、粒子の衝突の計算について説明する。衝突は2粒子間衝突のみを考慮する。2粒子がΔt間に移動する軌跡を求めて、それらの軌跡の最小距離が粒子直径以下であるか否かを判断して、粒子直径以下であれば衝突とみなす。衝突後には一方の粒子を消滅させる。従って、一回衝突が起こると粒子の総数が1個減少する。これを利用して、粒子総数の減少率から衝突頻度N及び衝突頻度因子K(=2N/n 、nは粒子数密度)を算出する。ある時間ステップnにおける粒子総数N 、1ステップ前の粒子総数N n−1及び計算領域の体積V(=(2πL)から、n−1/2ステップにおける衝突頻度N n−1/2は以下のように算出される。

この衝突頻度とn−1/2ステップにおける粒子数密度n n−1/2(=0.5(N n−1+N )/V)から、n−1/2ステップにおける衝突頻度因子を次の式により算出する。

この衝突頻度因子を時間平均することによって平均衝突因子を算出する。
計算領域内にN個の粒子が存在する場合、特殊な方法を使わなければ、N(N−1)/2〜0.5N 回の衝突判定計算をしなければならない。衝突判定回数を削減する方法として分子動力学法で使用されるセルインデックス法(Allen, M.P., and Tildesley, D.J., “Computer Simulation of Liquids”,Oxford University Press, (1987), p.408)がある。これは、図3に示すように衝突頻度領域をセルに小分けし、ある粒子を含むセルとそのセルとを囲むx,y,z各方向の前後、合計27個のセルの中の粒子との衝突を判定する。但し、逐次的に衝突を判定していく場合には、27個ではなく、8個のセル(例えば、対象粒子を含むセルとx,y,z各方向前方側のセル)を判定の対象とすれば、重複判定がなく効率がよい。このセルインデックス法では、粒子一つ一つに番号を付けた上で、何番と何番の粒子がどのセル内にあるかを管理するリスト(セルインデックス)を作成する。
図3に示すように計算領域をMcell 個のセルに分割した場合、各セル内の平均粒子数Np,cellはNp,cell=N/Mcell となる。ある粒子一つに対する衝突判定回数は、粒子を含むセル内の他粒子との衝突判定回数(Np,cell−1)/2と、x,y,z各方向後方側のセル内粒子との衝突判定回数7Np,cellの和、つまり(Np,cell−1)/2+7Np,cellと見積もられる。結局、衝突判定回数の総数は、N×((Np,cell−1)/2+7Np,cell)〜7.5N /Mcell である。つまり、Mcell>2.5に設定すれば衝突判定回数の回数を削減できる。この見積もりでは、Mcellを大きくすればするほど衝突判定回数の回数は小さくなる。しかし、セルの中に粒子がほとんどないような状況では、セルの中に粒子があるかないかを調べる処理が無駄になる。そのため、Np,cellが1以上になるようにMcellを設定するのが望ましい。
本実施形態では、有限差分法を用いて気相乱流を計算し、乱流中で運動する粒子同士の衝突を検出する。MPIライブラリを用いた分散メモリ型並列計算に対応させるためには、下記の3つの対応するMPI通信の機能を実現しなければならない。即ち、当該機能に対応するMPI通信プログラムを記述しなければならない。
(A)差分計算に必要な袖領域の気相データの取得
(B)MPI分割領域(個々のノード10に割り当てられた計算領域)からはみ出した粒子を隣のプロセスに移動させる処理
(C)MPI分割領域の境界近傍にある粒子情報の共有
ある粒子ペアがMPI分割領域の境界をまたいで近接する場合、その情報を両側のプロセスが共有していなければ衝突を検出できない可能性がある。この問題に対処するため上記の(C)の操作が必要になる。本発明は、セルインデックスを活用して、(B)(C)を効率的に処理するためものである。
引き続いて、ノード10の本発明の係る機能を詳細に説明する。図1に示すようにノード10は、粒子状態計算部11と、周期判断部12と、自仮想粒子情報出力部13と、他仮想粒子情報入力部14と、自仮想粒子状態出力部15と、他仮想粒子状態入力部16と、出力部17とを備えて構成される。なお、各構成要素の更に具体的な機能、各構成要素によって行われる更に具体的な処理については、後述する処理フローの説明で説明する。これらの機能は、例えばノード10においてプログラムが実行されることによって実現される。
粒子状態計算部11は、各時間ステップにおける自領域の粒子の状態を計算する粒子状態計算手段である。自領域とは、自ノード10に割り当てられた計算領域である。粒子状態計算部11は、具体的には上述した方法によって粒子の状態を計算する。なお、計算に必要なパラメータについては、上述した分散メモリ型並列計算を統括的に制御する装置から入力される。また、計算に必要な計算式等は予め粒子状態計算部11に記憶されており、それらが読み出されて計算が行われる(他の構成要素についても同様)。
粒子状態計算部11は、粒子間の相互作用(本実施形態では、粒子同士の衝突)の判断、計算のために上述したようにセルインデックス法に応じた処理を行う。即ち、各粒子に粒子を特定する情報である番号を付与する。粒子状態計算部11は、自領域にある粒子の番号を、当該粒子が含まれるセルを特定する情報に対応付けて記憶、管理する。セルは、上述したように自領域を更に分割した領域である。
粒子状態計算部11は、後述するように、他仮想粒子情報入力部14によって入力される他領域仮想粒子を特定する情報、及び他仮想粒子状態入力部16によって入力された他領域仮想粒子の状態を示す情報を用いて粒子の状態を計算する。仮想粒子とは、自領域(自ノード10)における状態の計算対象の粒子ではあるが、自領域に隣接する分割された計算領域である隣接領域(別のノード10)における粒子の状態の計算に必要な粒子である。各ノード10間で、仮想粒子の情報を送受信して、その情報を粒子の計算に利用する。自領域にある粒子のうち、隣接領域において計算に用いられる仮想粒子を自領域仮想粒子と呼ぶ。隣接領域にある粒子のうち、自領域において計算に用いられる仮想粒子を他領域仮想粒子と呼ぶ。
粒子状態計算部11は、隣接領域(別のノード10)との間で、自領域からはみ出して隣接領域に入った粒子の情報及び隣接領域からはみ出して自領域に入った粒子の情報の送受信も行う。
また、粒子状態計算部11は、上述したように、有限差分法によって流体の状態を算出して、当該流体の影響を考慮して粒子の状態を計算する。
粒子状態計算部11は、他仮想粒子情報入力部14によって入力される他領域仮想粒子を特定する情報に基づいて、粒子間の近傍関係を特定して、当該近傍関係に基づいて粒子の状態を計算する。本実施形態では近傍関係とは衝突が判断される粒子のペアである。具体的には、後述するようにセルインデックスを用いる。
周期判断部12は、粒子状態計算部11における計算の時間ステップが、予め設定された周期の時間ステップか否かを判断する周期判断手段である。この周期を示す値は2以上の自然数であり、予め周期判断部12に記憶されている。周期判断部12は、例えば、粒子状態計算部11によって管理される現時点での時間ステップの情報を参照することによって上記の判断を行う。周期判断部12は、計算の時間ステップが予め設定された周期の時間ステップであると判断するとその旨を粒子状態計算部11及び自仮想粒子情報出力部13に通知する。
自仮想粒子情報出力部13は、周期判断部12によって予め設定された周期の時間ステップであると判断された時間ステップに、自領域仮想粒子を特定して、特定した自領域仮想粒子を示す情報を隣接領域の粒子の状態を計算する別のノード10に出力する自仮想粒子情報出力手段である。自領域仮想粒子の特定は、粒子状態計算部11によって計算された粒子の位置に基づいて行われる。自領域中のセルのうち、隣接領域に隣接するセルに位置する粒子が自領域仮想粒子とされる。自仮想粒子情報出力部13は、隣接領域毎に自領域仮想粒子の特定し、自領域仮想粒子の番号を、隣接領域の粒子の状態を計算する別のノード10に出力する。また、自仮想粒子情報出力部13は、自領域仮想粒子の番号を自仮想粒子状態出力部15に通知する。
他仮想粒子情報入力部14は、隣接領域の粒子の状態を計算する別のノード10から、他領域仮想粒子を特定する情報である他領域仮想粒子の番号を入力する他仮想粒子情報入力手段である。他仮想粒子情報入力部14は、入力した他領域仮想粒子の番号を粒子状態計算部11に通知する。
自仮想粒子状態出力部15は、各時間ステップにおいて粒子状態計算部11によって算出された自領域仮想粒子の状態を示す情報を別のノード10に出力する自仮想粒子状態出力手段である。自仮想粒子状態出力部15は、自仮想粒子情報出力部13から通知された自領域仮想粒子の番号によって示される粒子の状態の情報を粒子状態計算部11から取得して別のノード10に出力する。出力対象のノード10は、自仮想粒子情報出力部13が番号の情報を出力したノード10である。出力する粒子の状態の情報は、粒子の位置(座標)を示す情報と、粒子の速度(方向、大きさ)を示す情報である。
他仮想粒子状態入力部16は、各時間ステップにおいて別のノード10から他領域仮想粒子の状態を示す情報を入力する他仮想粒子状態入力手段である。自仮想粒子状態出力部15は、入力した他領域仮想粒子の状態を示す情報を粒子状態計算部11に出力する。粒子の情報を入力する他領域仮想粒子は、他仮想粒子情報入力部14によって特定する情報が入力された他領域仮想粒子である。他仮想粒子状態入力部16は、入力した他領域仮想粒子の状態を示す情報を粒子状態計算部11に出力する。
出力部17は、粒子状態計算部11による計算に応じた情報を出力する出力手段である。具体的には例えば、出力部17は、粒子状態計算部11による計算により得られる、上述した平均衝突頻度因子を計算するための情報を、分散メモリ型並列計算を統括的に制御する装置に出力する。
引き続いて、図4及び図5のフローチャートを用いて、本実施形態に係るノード10で実行される処理(粒子状態計算方法)を説明する。まず、図4のフローチャートを用いて、粒子状態計算システム1全体の処理の概要について説明し、続いて、図5のフローチャートを用いて各ノード10による本発明に係る処理について説明する。
粒子状態計算システム1では、まず、分散メモリ型並列計算を統括的に制御する装置に計算用のパラメータが入力される(S01)。このパラメータは、計算領域の大きさ、流体計算のための格子数、粒子計算のためのセル数、粒子数、各粒子の大きさ、密度、速度、分散メモリ型並列計算の分割数及び時間刻み(時間ステップの間隔)等の情報である。この入力は、例えば、ユーザによる当該装置の操作により行われる。
分散メモリ型並列計算を統括的に制御する装置では、入力されたパラメータに基づいて、各ノード10が担当する計算領域を決定して、各ノードに対して計算に必要な情報を出力する(S02)。各ノード10では計算が行われる(S03)。続いて、各ノード10の計算結果に応じた情報(例えば、平均衝突頻度因子)が出力される(S04)。結果の出力は、例えば、各ノード10による計算結果が、分散メモリ型並列計算を統括的に制御する装置に集められて、当該装置によって最終結果が生成されて出力される。
引き続いて、図5のフローチャートを用いて、各ノード10における処理(図4のフローチャートにおけるS03に相当)について説明する。また、図6に各処理に対応する計算領域を示す。図6に示す図では、計算領域は2次元領域としており、あるプロセスが受け持つMcell,x×Mcell,y個のセル(Mcell,x=Mcell/M及びMcell,y=Mcell/M)が実線で描かれている。実線で描かれた領域は対象プロセスが担当するMPI分割領域(自領域)でもあり、点線部分は別のプロセス(近傍プロセス)が計算を担当している領域を示している。以下では、セルインデックス作成時にMPI分割領域内にある粒子を実粒子と呼ぶ。衝突判定のためには、Mcell,x+1やMcell,y+1の領域にある粒子も考慮する必要がある。それらの粒子が、仮想粒子である。仮想粒子は衝突検出のためだけに用いられて、その運動は計算されない。図6において黒塗りの点は実粒子であり、白抜きの点は(他)仮想粒子である。
本処理では、まず、粒子状態計算部11によって所定の時間ステップにおける流体の状態の計算が行われる(S11、粒子状態計算ステップ)。計算される流体の状態は流体の速度及び圧力である。また、粒子状態計算部11によって所定の時間ステップにおける実粒子の状態の計算が行われる(S12、粒子状態計算ステップ)。計算される実粒子の状態は実粒子の位置及び速度である。これらの計算は、前の時間ステップ又は初期状態における流体及び実粒子の状態、並びに計算後の流体の状態に基づいて、上述したようにルンゲ−クッタ法により行われる。なお、流体及び実粒子の状態の計算は、必ずしも順番に行われるわけではなく、流体及び実粒子それぞれについてルンゲ−クッタ法の1次ステップ及び2次ステップ等のように交互あるいは同時に計算される。図6(a)に示す状態が前の時間ステップ又は初期状態(即ち、S11の直前)であり、図6(b)に示す状態が計算後の状態(即ち、S12の直後)である。
S12の後、図6(b)に示すようにMPI分割計算領域からはみ出す(実)粒子が現れる。はみ出した粒子の処理(上述した(B)の処理)を毎時間ステップ実行すると、多大なノード10間の通信が発生して、並列性能を低下させるおそれがある。そこで、以下のように予め設定された周期のみにはみ出した粒子の処理を行わせる。はみ出した実粒子の計算を続けるためにMPI分割計算領域外の流体速度データが必要になる。各プロセス(粒子状態計算部11)は、上述(A)の処理に伴って、4次中心差分計算のために4格子分の袖データを持つ。そのため、粒子が3.5Δ分(スタッガード格子を採用しているため4Δではなく3.5Δ)以上はみ出さない限りは、余分なMPI通信(ノード10間の通信)をすることなくuを算出することができる。つまり、流体計算を有限差分法によって計算するからこそ可能な効率化手法である。また、以下に示すようにセルインデックス作成も予め設定された周期毎に行う。
S12の後、周期判断部12によって、現時点の時間ステップが予め設定された周期の時間ステップか否かが判断される(S13、周期判断ステップ)。現時点の時間ステップが予め設定された周期の時間ステップであると判断されると(S13のYes)、周期判断部12から粒子状態計算部11及び自仮想粒子情報出力部13にその旨が通知され、その場合の処理(S14〜S19)が行われる。
まず、図6(c)に示すように、粒子状態計算部11において記憶されている他仮想粒子に関する情報が除去される(S14)。続いて、粒子状態計算部11によって自領域から出た実粒子の情報が入出力される(S15、粒子状態計算ステップ)。具体的には、自領域から出た実粒子の情報が、当該実粒子が位置する領域の計算を担当するノードに出力され、自領域における実粒子から削除される。この実粒子は、他領域における実粒子となる。一方、他領域から出て自領域に入った粒子の情報が、他領域の計算を担当するノード10から受け取られ、自領域の実粒子とされる(図6(d)の矢印で示される粒子である)。即ち、実粒子のノード(領域)間での引き渡しが行われる。ここでノード10間の通信(MPI通信)が発生する。
続いて、粒子状態計算部11によってセルインデックスが生成(更新)される。セルインデックスは、セルに含まれる(セル上に位置する)実粒子の番号をそのセルを特定する情報に対応付けた情報である(S16、粒子状態計算ステップ)。図6(e)に示す(2,2)のセルの実粒子のリストは、[4,102,605,651]である。セルインデックスは、粒子状態計算部11によって記憶され管理される。なお、(2,2)のセルとは、x軸において2番目、y軸において2番目のセルであることを示す(以下同様)。
続いて、自仮想粒子情報出力部13によって、自領域仮想粒子が特定されて、自領域仮想粒子を示す情報が隣接領域の粒子の状態を計算する別のノード10に出力される(S17、自仮想粒子情報出力ステップ)。具体的には、粒子状態計算部11によってセルインデックスにおいて、そのセルに含むセルが自領域仮想粒子であるとされるセルに対応付けられた実粒子が自領域仮想粒子とされる。そのようなセルは、領域間の位置関係によって決定される。当該セルを特定する情報と自領域仮想粒子の番号とが自仮想粒子情報出力部13から別のノード10に出力される。また、自領域仮想粒子の番号は、自仮想粒子情報出力部13から自仮想粒子状態出力部15に通知される。
その一方で、別のノード10から送信される他領域仮想粒子の番号と当該粒子を含むセルとが対応付けられた情報が、他仮想粒子情報入力部14によって入力される(S18、他仮想粒子情報入力ステップ)。この情報は、別のノード10におけるS17に相当する処理によって送信されたものである。上記の情報は、他仮想粒子情報入力部14から粒子状態計算部11に入力される。これにより、図6(f)に示すように、粒子状態計算部11によって自領域に隣接するセルに位置する他仮想粒子の番号が把握される。S17及びS18ではノード10間の通信(MPI通信)が発生する。
続いて、粒子状態計算部11によって、自領域の各粒子について、衝突の有無をチェックする粒子のペアが生成される(S19、粒子状態計算ステップ)。この粒子のペアは、対象粒子と当該対象粒子を含むセル及び当該セルに隣接しているセルに位置する粒子とのペアである。このペアの生成の際には、他仮想粒子も考慮される(実粒子と他仮想粒子のペア)。
(i,j)番目のセル((i,j)セル)は、自分自身を含めて、(i,j)、(i,j±1)、(i±1,j)、(i±1,j±1)の計9個のセルに囲まれている(3次元の場合は27個)。しかし、セル番号を順に増やして衝突をチェックする場合には、(i,j)、(i,j+1)、(i+1,j)、(i+1,j+1)の計4個(3次元の場合は8個)のセルを調べていけば、重複することなく全ての組み合わせをチェックできる。そのため粒子のペアのリストを作る際には、i=0やj=0のセルを含める必要はない。図6(f)に示す番号が130のペアとなるリストは、上記の4つのセルに含まれる粒子である[332,69,871,777,109,4,605,102,651]である。
S19の後、あるいはS12の後、周期判断部12によって現時点の時間ステップが予め設定された周期の時間ステップでないと判断された場合(S13のNo)、以下の処理が行われる。
まず、自仮想粒子状態出力部15によって、自仮想粒子情報出力部13から通知された自領域仮想粒子のその時点の時間ステップの状態を示す情報が取得される。取得される情報は、S12において粒子状態計算部11よって計算されたものである。取得された情報は、自仮想粒子状態出力部15から上記の別のノード10に出力される(S20、自仮想粒子状態出力ステップ)。
その一方で、別のノード10から送信される他領域仮想粒子の状態を示す情報が、他仮想粒子状態入力部16によって入力される(S21、他仮想粒子状態入力ステップ)。この情報は、別のノード10におけるS20に相当する処理によって送信されたものである。上記の情報は、他仮想粒子状態入力部16から粒子状態計算部11に入力される。これにより、図6(g)に示すように、粒子状態計算部11によって自領域に隣接するセルに位置する他仮想粒子の状態である位置及び速度が把握される。S21及びS22ではノード10間の通信(MPI通信)が発生する。
続いて、粒子状態計算部11では、図6(h)に示すように、上述したように粒子間の衝突の判断が行われて、その判断に基づく計算が行われる(S22、粒子状態計算ステップ)。この判断は、S19で生成された全てのペアの間で行われる。実粒子間の衝突の判断は、それぞれS12で計算された粒子の状態に基づいて行われる。実粒子と他領域仮想粒子との衝突の判断は、実粒子についてはS12で計算された粒子の状態に基づいて、他領域仮想粒子についてはS21で入力された粒子の状態に基づいて行われる。
続いて、粒子状態計算部11では、計算の終了の判断が行われる(S23、粒子状態計算ステップ)。この判断は、粒子状態計算部11に予め設定あるいは入力された判断基準に基づいて行われる。計算が終了しないと判断された場合(S23のNo)には、次の時間ステップに進められてS11からの処理が繰り返される(S24、粒子状態計算ステップ)。
計算が終了する判断された場合(S23のYes)には、出力部17によって、粒子状態計算部11による計算に応じた情報が出力される(S25、出力ステップ)。以上で、ノード10における処理が終了する。なお、上記の処理における時間ステップの更新(S24)の後、毎ステップあるいは数ステップに一度、例えば、粒子の衝突、粒子の速度及び粒子のエネルギー等の統計量を算出して出力することとしてもよい。
上述した処理では、一度セルインデックスが生成された後、予め設定された周期の時間ステップを経過するまで更新されないので、その間に粒子は当初のセルから移動する可能性がある。しかし、上記の周期の時間ステップの間の粒子の移動距離がセル幅Δcell(=2πL/Mcell)よりも小さければ、衝突する可能性のある粒子ペアを漏らす可能性を無視できる。本実施形態では、例えば、Δcell=4Δ(つまり、Mcell=N/4)のとき、上記の周期を8に設定し、クーラン数を0.2以下に設定すると、粒子は流体速度程度で移動すると考えると上記の周期の時間ステップの間に粒子はせいぜい1.6Δ程度しか移動しない。つまり、この設定では、衝突検出の漏れは無視できるほど小さい。実際、いくつかのケースで上記の周期を1に設定した場合と、8に設定した場合とで比較して、衝突ペアに変化が無いことを確認した。
上述したように本実施形態では、ノード10間でやり取りする情報に係る粒子を限定された仮想粒子とすることで、各ノード10で必要な情報を確実に入力させると共にノード10間の通信を効率的にする。また、仮想粒子を特定する情報のやりとりを、予め設定された周期の時間ステップとすることでノード10間の通信が更に効率的になる。これによって、本発明に係る本実施形態によれば、効率的に分散メモリ型並列計算により粒子状態を計算し、その結果より大規模なモデルに対する計算が可能となる。
また、本実施形態のように流体中の粒子を計算することとすれば、流体中の粒子に係る大規模なモデル計算が可能となる。但し、必ずしも流体中の粒子の計算でなくてもよく、分散メモリ型並列計算により粒子状態を計算するものに対して適用可能である。
また、本実施形態のように、セルインデックスを用いて粒子間のペアの相互作用を判断することとすれば、粒子間の衝突等の粒子間の相互作用が生じるモデルの計算を確実に行うことができる。
なお、上述した実施形態における粒子の計算については、定常な気相乱流場が形成されてから、粒子を混入させて行うこととしてもよい。また、衝突の判定については、粒子の混入から一定時間経過後(例えば、T(=L/U)以上)としてもよい。
なお、本実施形態においては雲をシミュレーションする例を示したが、必ずしも雲を対象とした計算に限られず、粒子の状態を計算するものであれば適用が可能である。例えば、小惑星の生成シミュレーション等にも適用可能である。
以下に、上述した実施形態による具体的な計算結果を示す。なお、定常な気相乱流相場が形成されたことを確認後、粒子を混入させた。粒子運動を計算する場合、時間刻みΔtを0.5τ以下に設定した。この条件と流体計算のクーラン数による条件を同時に満たすΔtを流体計算と粒子計算との両方に用いた。また、粒子混入からT(=L/U)以上経過後から衝突判定を開始した。
以下の表に粒子の計算条件を示す。最左列に示されているケース名は、上記の表と対応している。全てのケースで粒子数密度nが雲の代表値である10オーダーになるように設定した。セルに含まれる平均粒子数はN64及びN256の場合は1、N512の場合は4.8であった。
以下の表に、統計的に定常状態に達した気相等方性乱流場の乱流特性量を示す。表中のu´は速度変動強度、Reλ(=u´lλ/ν、lλはテイラーマイクロスケール)はテイラーマイクロスケール基準乱流レイノルズ数、kmax(=N/2)は最大有効波数、lη(=(ν/ε)1/4、εはエネルギー離散率)はコルモゴロフスケールである。kmaxηは計算解像度の指標であり、運動エネルギー等の2次元量を議論する場合には1程度、スキューネスやフラットネス等の高次元を議論する場合には2程度必要だと言われている。従来の方法においては粒子衝突の計算では1.3〜1.4程度に設定されることが多いが、本例では通常よりも高い解像度である2程度になるように設定した。
図7にN64の場合(Reλ=52.3)の衝突頻度因子の結果を示す。縦軸は局所速度勾配λ(=(ε/ν)1/2)と衝突半径R(=2r)で無次元化された衝突頻度因子、横軸はコルモゴロフスケールで無次元化された粒子半径である。衝突によって粒子数が5%減少するまでを一つのランとして、それぞれのランにおける平均衝突頻度因子を算出した。比較のために、Onishi et al. (2009)(Onishi, R., Takahashi,K. and Komori, S., “Influence of Gravity on Collisions of MonodispersedDroplets in Homogeneous Isotropic Turbulence”, Physics of Fluids, Vol. 21(2009), 125108)で得られたReλ=54.3の場合の結果も示す。Onishiet al. (2009)は、流体計算に擬スペクトル法を用いた。その点は、有限差分法を用いる本実施形態と異なるが、計算領域の大きさ、物性値、計算格子数、粒子数等の設定、そして標準偏差の算出法は本実施形態と同様である。本実施形態の結果とOnishi et al. (2009)の結果はよく一致することから、本実施形態の信頼性が確かめられた。
続いて、衝突頻度因子について述べる。図8にストークス数St(=τλ)が1の粒子の衝突頻度因子を示す。縦軸は無次元化された衝突頻度因子、横軸は乱流レイノルズ数Reλである。黒塗りのプロットはDNSの結果を表している。丸のプロットは本実施形態のよるものであり、三角のプロットはOnishi et al. (2009)によるものであり、四角のプロットはWoittiezet al.(2009)(非特許文献1)によるものである。白抜きのプロットは大西ら(2007)(大西領,小森悟,“乱流中における同一径粒子間の衝突因子のモデル化”, 日本機械学会論文集B編,Vol. 73, No. 730 (2007), pp. 1307-1314.)のモデル予測結果を表している。そして、モデルから伸びる矢印は、モデルが予測しようとした値を指している。
既往研究で得られてきたReλ<85という低レイノルズ数の場合には、モデルは数割の誤差はあるものの、レイノルズ数の増加と共に衝突頻度因子が小さくなる傾向はよく予測できる。しかし、本実施形態により初めて得られたReλ>85高レイノルズ数の場合は、モデルの予測誤差が大きい。モデルはレイノルズ数の増加と共に衝突頻度因子は急激に小さくなると予測するのに対して、DNSの結果はそのような明確な減少傾向を示さない。これは、大西ら(2007)のモデルが低レイノルズ数の場合のデータを基にして得られた経験パラメータを使用しているためである。
例えば、Falkovich et al. (2002)(Falkovich, G., Fouxon, A. and Stepanov, M. G., “Acceleration of RainInitiation by Cloud Turbulence”, Natrure, Vol.419 (2002), pp.151-154)は、乱流の間欠性が引き起こす“パチンコ効果(sling effect)”が高レイノルズ数の時の衝突頻度を増大すると予測している。そのような効果が考慮されていないため、大西ら(2007)のモデルは高レイノルズ数の場合に衝突頻度を過小評価すると考えられる。
続いて、並列計算性能について述べる。大規模並列計算には、高い線形拡張性(scalability)が求められる。線形拡張性の評価には、強線形拡張性(strong scaling)と弱線形拡張性(weak scaling)の2種類が用いられる。前者を評価するためには、全体の計算規模を固定した上で、演算プロセス数(本実施形態におけるノード10の数)を増やした時に演算時間がどれだけ減少するかを調べる。例えば、演算プロセス数を2倍にしたときに演算時間が半分になれば理想的な強線形拡張性を持つといえる。一方、後者を評価するためには、演算プロセスに対する計算規模を固定した上で、演算プロセス数を増やした時に演算時間がどれだけ変化するかを調べる。例えば、全体の計算規模と演算プロセス数とを共に2倍にしても、演算時間が変化しなければ高い弱線形拡張性を持つといえる。
図9に、本実施形態におけるN256計算に対して演算プロセス数を変化させた場合の(a)1時間ステップに要した演算時間[s]の結果、及び(b)演算速度[MFLOPS]の結果を示す。両図の横軸は共に演算プロセス数である。全体の計算規模(256格子、262,144粒子)を固定した上で演算プロセス数を変化させたので、上述の強線形拡張性を調べた結果である。この性能測定にはSGI ALTIX4700システム(6.4GFLOPS/core)が用いられた。図9(a)から、演算時間が演算プロセス数に反比例して減少していくことがわかる。それに対応して、図9(b)では、演算速度がプロセス数にほぼ比例して増加していくことがわかる。
例えば、IBM BlueGeneシステムを使った等方性乱流場に対する大規模並列DNSでは、理論ピーク性能の約10%程度の性能であったとの報告がある。本実施形態においては、粒子運動の計算及び衝突判定までを入れた上でも、流体計算のみの場合と同程度の高い性能を達成できた。
上述したように、本実施形態は、乱流場を有限差分法によって計算し、粒子運動をラグラジアン追跡法によって計算し、粒子間の衝突データを取得する高効率な大規模並列計算法である。本実施形態は、以下のような特徴を有している。
(i)定常等方性乱流場を得るための強制法として、有限差分法の高い並列化率を損なわないRCF法を用いた。
(ii)粒子間衝突を効率的に検出するためにセルインデックス法を用いた。
(iii)共有メモリ型並列(自動並列化ライブラリ)と分散メモリ型並列(MPIライブラリ)の両方に対応し、両方を同時に用いるハイブリッド計算に対応した。
(iv)MPI並列計算領域からはみ出した粒子情報の通信やセルインデックス情報の更新を所定の周期の時間ステップ毎にだけ行うようにコードを設計し、分散メモリ型並列計算でのプロセス間通信コストを削減した。
実際に、本実施形態に基づいた処理を実行することによって、Reλ=209という高レイノルズ数における慣性粒子の衝突頻度データを得ることができた。これは従来の粒子衝突計算における最大レイノルズ数Reλ=85を大幅に更新する貴重なデータである。また、本実施形態で得られた高レイノルズ数における衝突頻度データを用いて、既往の衝突頻度モデルの検証も行った。その結果、既往の衝突頻度モデルは高レイノルズ数の時に衝突頻度を過小評価することが明らかになった。
1…粒子状態計算システム、10…ノード、11…粒子状態計算部、12…周期判断部、13…自仮想粒子情報出力部、14…他仮想粒子情報入力部、15…自仮想粒子状態出力部、16…他仮想粒子状態入力部、17…出力部。

Claims (4)

  1. 複数の分割された計算領域の一つである自領域に配置される粒子の状態を時間ステップ毎に繰り返し計算する粒子状態計算装置であって、
    各時間ステップにおける前記自領域の粒子の状態を計算する粒子状態計算手段と、
    前記粒子状態計算手段における対象の時間ステップが、予め設定された周期の時間ステップか否かを判断する周期判断手段と、
    前記周期判断手段によって予め設定された周期の時間ステップであると判断された時間ステップに、前記粒子状態計算手段によって計算された粒子の位置に基づいて、当該粒子から、前記自領域に隣接する前記分割された計算領域である隣接領域において計算に用いられる自領域仮想粒子を特定して、特定した自領域仮想粒子を示す情報を当該隣接領域の粒子の状態を計算する別の粒子状態計算装置に出力する自仮想粒子情報出力手段と、
    前記別の粒子状態計算装置から、前記自領域において計算に用いられる他領域仮想粒子を特定する情報を入力する他仮想粒子情報入力手段と、
    各時間ステップにおいて粒子状態計算手段によって算出された前記自領域仮想粒子の状態を示す情報を前記別の粒子状態計算装置に出力する自仮想粒子状態出力手段と、
    各時間ステップにおいて前記別の粒子状態計算装置から前記他領域仮想粒子の状態を示す情報を入力する他仮想粒子状態入力手段と、
    前記粒子状態計算手段による計算に応じた情報を出力する出力手段と、を備え、
    前記粒子状態計算手段は、前記他仮想粒子情報入力手段によって入力される前記他領域仮想粒子を特定する情報、及び前記他仮想粒子状態入力手段によって入力された前記他領域仮想粒子の状態を示す情報を用いて粒子の状態を計算する粒子状態計算装置。
  2. 前記粒子は、流体中の粒子であり、
    前記粒子状態計算手段は、有限差分法によって流体の状態を算出して、当該流体の影響を考慮して粒子の状態を計算する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の粒子状態計算装置。
  3. 前記粒子状態計算手段は、前記他仮想粒子情報入力手段によって入力される前記他領域仮想粒子を特定する情報に基づいて、粒子間の近傍関係を特定して、当該近傍関係に基づいて粒子の状態を計算することを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子状態計算装置。
  4. 複数の分割された計算領域の一つである自領域に配置される粒子の状態を時間ステップ毎に繰り返し計算する粒子状態計算装置による粒子状態計算方法であって、
    各時間ステップにおける前記自領域の粒子の状態を計算する粒子状態計算ステップと、
    前記粒子状態計算ステップにおける対象の時間ステップが、予め設定された周期の時間ステップか否かを判断する周期判断ステップと、
    前記周期判断ステップにおいて予め設定された周期の時間ステップであると判断された時間ステップに、前記粒子状態計算ステップにおいて計算された粒子の位置に基づいて、当該粒子から、前記自領域に隣接する前記分割された計算領域である隣接領域において計算に用いられる自領域仮想粒子を特定して、特定した自領域仮想粒子を示す情報を当該隣接領域の粒子の状態を計算する別の粒子状態計算装置に出力する自仮想粒子情報出力ステップと、
    前記別の粒子状態計算装置から、前記自領域において計算に用いられる他領域仮想粒子を特定する情報を入力する他仮想粒子情報入力ステップと、
    各時間ステップにおいて粒子状態計算ステップにおいて算出された前記自領域仮想粒子の状態を示す情報を前記別の粒子状態計算装置に出力する自仮想粒子状態出力ステップと、
    各時間ステップにおいて前記別の粒子状態計算装置から前記他領域仮想粒子の状態を示す情報を入力する他仮想粒子状態入力ステップと、
    前記粒子状態計算ステップにおける計算に応じた情報を出力する出力ステップと、を含み、
    前記粒子状態計算ステップにおいて、前記他仮想粒子情報入力ステップにおいて入力される前記他領域仮想粒子を特定する情報、及び前記他仮想粒子状態入力ステップにおいて入力された前記他領域仮想粒子の状態を示す情報を用いて粒子の状態を計算する粒子状態計算方法。
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