以下、本発明の一実施形態を図1〜図30に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、画質検出装置2245、温湿度センサ(図示省略)、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をX軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をZ軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、通信制御装置2080を介して受信した上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)を光走査装置2010に通知する。
温湿度センサは、カラープリンタ2000内の温度と湿度を検出し、プリンタ制御装置2090に通知する。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、マゼンタ画像情報、シアン画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像装置の方向に移動する。なお、光走査装置の構成については後述する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
画質検出装置2245は、定着装置2050を通過した記録紙の搬送路近傍に配置され、該記録紙上の画像の品質を検出する。該画質検出装置2245の検出結果は、プリンタ制御装置2090に通知される。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、光偏向器2104、4つの走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、6枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108b、2108c)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源2200aとカップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aと走査レンズ2105aと折り返しミラー2106aは、感光体ドラム2030aに潜像を形成するための光学部材である。
光源2200bとカップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bと走査レンズ2105bと折り返しミラー2106bと折り返しミラー2108bは、感光体ドラム2030bに潜像を形成するための光学部材である。
光源2200cとカップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cと走査レンズ2105cと折り返しミラー2106cと折り返しミラー2108cは、感光体ドラム2030cに潜像を形成するための光学部材である。
光源2200dとカップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dと走査レンズ2105dと折り返しミラー2106dは、感光体ドラム2030dに潜像を形成するための光学部材である。
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。各開口板は、開口部を有し、対応するカップリングレンズを介した光束を整形する。各シリンドリカルレンズは、対応する開口板の開口部を通過した光束を、光偏向器2104の偏向反射面近傍にY軸方向に関して結像する。
光偏向器2104は、2段構造のポリゴンミラーを有している。各ポリゴンミラーは、4面の偏向反射面を有している。そして、1段目(下段)のポリゴンミラーではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)のポリゴンミラーではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目のポリゴンミラー及び2段目のポリゴンミラーは、互いに位相が略45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、走査レンズ2105a、及び折り返しミラー2106aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、走査レンズ2105b、及び2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)を介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、走査レンズ2105c、及び2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)を介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、走査レンズ2105d、及び折り返しミラー2106dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。
各感光体ドラムにおける光スポットの移動方向が、「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が、「副走査方向」である。
光偏向器2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。
画質検出装置2245は、一例として図6に示されるように、分光計測装置10及び処理装置20を有している。ここでは、記録紙Pの+Z側の面にトナー画像が定着されており、該記録紙Pのトナー画像が定着されている面を「表面」ともいう。
分光計測装置10は、記録紙Pの+Z側に配置され、光源ユニット11、第1結像光学系12、開口系13、第2結像光学系14、分光系15、リニアセンサ16、及び3つの駆動装置(123、133、153)を有している。
光源ユニット11は、一例として図7に示されるように、Y軸方向に関して、第1結像光学系12、開口系13、第2結像光学系14、分光系15、及びリニアセンサ16に対して−Y側に離れた位置に配置されている。
この光源ユニット11は、一例として図8(A)及び図8(B)に示されるように、LEDアレイ11a、及びコリメートレンズアレイ11bを有している。
LEDアレイ11aは、X軸方向に沿って配置された複数のLED(Light Emitting Device)を有している。各LEDは、可視光のほぼ全域において光強度を有する白色光を射出する。そして、各LEDは、処理装置20によって点灯及び消灯される。
なお、LEDアレイに代えて、冷陰極管などの蛍光灯やランプ光源を用いることができる。要するに、光源としては、分光計測に必要な波長領域の光を射出し、かつ計測領域全体にわたって均質に照明可能であることが好ましい。
コリメートレンズアレイ11bは、複数のLEDに対応した複数のコリメートレンズを有している。該複数のコリメートレンズは、それぞれ対応するLEDから射出された白色光の光路上に配置され、該白色光を平行光とする。このコリメートレンズアレイ11bを介した光が記録紙Pの表面を照明する。すなわち、光源ユニット11は、X軸方向を長手方向とする線状の照明光を射出する。
ここでは、光源ユニット11からの白色光は、YZ面内において、記録紙Pの表面に斜入射されるように設定されている(図8(B)参照)。
第1結像光学系12は、記録紙Pの+Z側に配置されている。この第1結像光学系12は、一例として図9に示されるように、3つのマイクロレンズアレイ(1211、1212、1213)と、該3つのマイクロレンズアレイ(1211、1212、1213)が載置され、駆動装置123によってX軸方向に移動可能なテーブル122を有している。
駆動装置123は、モータを含み、処理装置20によって、3つのマイクロレンズアレイ(1211、1212、1213)のうちの任意の1つが、記録紙Pの表面で拡散反射された光の光路上に配置されるように制御される。
各マイクロレンズアレイは、X軸方向に沿って配置された複数のマイクロレンズを有している。そして、X軸方向に関して、互いに隣接する2つのマイクロレンズの中心間距離を「レンズピッチ」という。ここでは、マイクロレンズアレイ1211のレンズピッチをLP1、マイクロレンズアレイ1212のレンズピッチをLP2、マイクロレンズアレイ1213のレンズピッチをLP3とすると、LP1<LP2<LP3となるように設定されている(図10(A)〜図10(C)参照)。
なお、3つのマイクロレンズアレイ(1211、1212、1213)のうち、記録紙Pの表面で拡散反射された光の光路上に配置されているマイクロレンズアレイを「マイクロレンズアレイ121」という。また、記録紙Pの表面で拡散反射された光を単に「反射光」という。
マイクロレンズアレイ121の各マイクロレンズは、それぞれ入射した反射光を集光する。なお、テーブル122は、反射光と干渉しない構造となっている。
開口系13は、第1結像光学系12の+Z側に配置されている。この開口系13は、一例として図11に示されるように、3つの開口部材(1311、1312、1313)と、該3つの開口部材(1311、1312、1313)が載置され、駆動装置133によってX軸方向に移動可能なテーブル132を有している。
駆動装置133は、モータを含み、処理装置20によって、3つの開口部材(1311、1312、1313)のうちの任意の1つが、マイクロレンズアレイ121を介した反射光の光路上に配置されるように制御される。
各開口部材は、X軸方向に沿って配置された開口列を有している。そして、X軸方向に関して、互いに隣接する2つの開口の中心間距離を「開口ピッチ」という。ここでは、開口部材1311の開口ピッチをAP1、開口部材1312の開口ピッチをAP2、開口部材1313の開口ピッチをAP3とすると、AP1<AP2<AP3となるように設定されている(図12(A)〜図12(C)参照)。
なお、各開口は、ピンホール及びスリットのいずれであっても良い。また、開口の形状は円形、矩形に限られるものではなく、楕円やその他の形状であっても良い。
また、各開口部材としては、黒化処理された金属板に複数の穴が開いたものや、黒色部材(例えば、クロムやカーボン含有樹脂)が所定の形状で表面に塗布されたガラス板を用いることができる。
なお、3つの開口部材(1311、1312、1313)のうち、マイクロレンズアレイ121を介した反射光の光路上に配置されている開口部材を「開口部材131」という。
開口部材131の各開口は、マイクロレンズアレイ121を介した反射光の集光位置近傍に位置している(図13参照)。なお、テーブル132は、反射光と干渉しない構造となっている。
第2結像光学系14は、複数の集光レンズ(ここでは、2つの集光レンズ)から構成され、開口部材131の+Z側に配置されている。
第2結像光学系14は、開口部材131の開口列を通過した各反射光を、X軸方向に関して互いに異なる位置に集光する(図14参照)。
分光系15は、第2結像光学系14の+Z側に配置されている。この分光系15は、一例として図15に示されるように、3つの回折素子(1511、1512、1513)と、該3つの回折素子(1511、1512、1513)が載置され、駆動装置153によってX軸方向に移動可能なテーブル152を有している。
駆動装置153は、モータを含み、処理装置20によって、3つの回折素子(1511、1512、1513)のうちの任意の1つが、第2結像光学系14を介した反射光の光路上に配置されるように制御される。
各回折素子は、透明基板の+Z側の面に、鋸歯形状の凹凸が形成されているグレーティングである。そして、互いに隣接する2つの凹凸の中心間距離を「格子ピッチ」という。ここでは、回折素子1511の格子ピッチをGP1、回折素子1512の格子ピッチをGP2、回折素子1513の格子ピッチをGP3とすると、GP1<GP2<GP3となるように設定されている(図16(A)〜図16(C)参照)。
なお、3つの回折素子(1511、1512、1513)のうち、第2結像光学系14を介した反射光の光路上に配置されている回折素子を「回折素子151」という。
また、テーブル152は、反射光と干渉しない構造となっている。
ところで、回折素子151における格子ピッチをp、回折素子151への反射光の入射角をα、回折次数をmとすると、反射光に含まれる波長λの光は、次の(1)式で示される角度θmで回折される。
sinθm=mλ/p+sinα ……(1)
グレーティングの凹凸が鋸歯形状の場合は、+1次回折光の光強度を強くすることが可能である。なお、グレーティングの凹凸を階段状形状としても良い。
このように回折素子151で回折された光は、波長によって異なる方向に進行する。すなわち、反射光は、回折素子151によって波長分光される。
リニアセンサ16は、回折素子151からの+1次回折光の回折像が形成される位置に配置されている。このリニアセンサ16は、一例として図17に示されるように、X軸方向に沿って配置された複数の受光領域161を有している。なお、以下では、各受光領域を「画素」という。また、X軸方向に関して、隣り合う2つの画素の中心間距離を「画素ピッチd」という。各画素は、受光光量に応じた信号を処理装置20に出力する。
例えば、リニアセンサ16の画素ピッチdが10μm、回折素子151の格子ピッチpが10μm、回折素子151の回折部とリニアセンサ16との距離L(図18参照)が2mmのときは、開口部材131の1つの開口を通過した反射光は、一例として図19に示されるように、波長に応じて6つの画素で受光される。この場合は、6つの画素で1つの分光センサが構成されることとなる。
すなわち、リニアセンサ16は、一例として図20に示されるように、複数の分光センサの集合体であり、各分光センサは、互いに異なる開口を通過した反射光の回折像を受光する。
なお、以下では、1つの画素で受光される光の波長帯を「バンド」といい、光を複数のバンドに分光することを「マルチバンド分光」ともいう。また、1つの開口を通過した反射光における波長と光強度(あるいは反射率)との関係を「反射光波長スペクトル」ともいう。
ところで、一例として図21に示されるように、回折素子151における凹凸の配列方向がX軸方向に平行であると、0次光、±2次回折光、及び開口部材131における隣接する開口を通過した反射光の回折光などが、リニアセンサ16上で重なり合い、図22に示されるように、隣接する分光センサ間でクロストークを生じて正確な分光計測が困難となる場合がある。
そこで、本実施形態では、一例として図23(A)に示されるように、回折素子をZ軸に平行な軸まわりに回転させて、凹凸の配列方向をX軸方向に対して傾斜させている。なお、一例として図23(B)に示されるように、辺に対して凹凸が傾斜して形成されている回折素子を用いても良い。図24及び図25には、凹凸の配列方向をX軸方向に対して約10°傾斜させたときの各回折像とリニアセンサ16との位置関係が示されている。
また、本実施形態では、図26に示されるように、計測精度に応じて4つの計測モード(計測モードA〜計測モードD)を定義する。また、各計測モードとマイクロレンズアレイ、開口部材、回折素子の関係が図27に示されている。なお、計測モードDは、簡単なモニタ用あるいは確認用のモードであり、複数の分光センサのうちの一部の分光センサが利用される。従って、処理時間は他の3つの計測モードに比べて非常に短い。
処理装置20は、一例として図28に示されるように、入出力制御装置21、選択回路22、3つのモータ駆動回路(23、24、25)、光源駆動回路26、演算回路27、及びメモリ28などを有している。
入出力制御装置21は、プリンタ制御装置2090とのデータのやりとりを制御する。具体的には、入出力制御装置21は、プリンタ制御装置2090からの計測モードを指定するデータ(モード指定データ)を選択回路22に通知する。また、入出力制御装置21は、プリンタ制御装置2090からのLEDアレイ11aの点灯/消灯を指示するデータ(光源制御データ)を光源駆動回路26に通知する。また、入出力制御装置21は、演算回路27の演算結果をプリンタ制御装置2090に通知する。
選択回路22は、プリンタ制御装置2090からのモード指定データに基づいて、マイクロレンズアレイ、開口部材、回折素子を選択する。
モータ駆動回路23は、3つのマイクロレンズアレイ(1211、1212、1213)のうち、選択回路22で選択されたマイクロレンズアレイがマイクロレンズアレイ121となるように駆動装置123を制御する。
モータ駆動回路24は、3つの開口部材(1311、1312、1313)のうち、選択回路22で選択された開口部材が開口部材121となるように駆動装置133を制御する。
モータ駆動回路25は、3つの回折素子(1511、1512、1513)のうち、選択回路22で選択された回折素子が回折素子151となるように駆動装置153を制御する。
光源駆動回路26は、入出力制御装置21からの光源制御データに応じて、LEDアレイ11aを点灯/消灯する。
演算回路27は、モード指定データ、メモリ28に格納されている各種データ、リニアセンサ16の出力信号に基づいて、計測位置毎(分光センサ毎)に反射光波長スペクトルを算出する。
メモリ28には、演算回路27での演算処理に用いられる各種データが格納されている。
ところで、マルチバンド分光では、バンド数が多いほど反射光波長スペクトルを精度良く得ることができる。しかしながら、リニアセンサ16の画素数は一定であるため、バンド数が増えると、1つの分光センサに用いられる画素数が多くなり、分光センサの数が減少し、計測点の数が少なくなる。
そこで、本実施形態では、バンド数を必要最小限に抑え、演算回路27において、ウィナー推定などの推定手段によって反射光波長スペクトルの推定を行っている。
反射光波長スペクトルの推定に利用することができる手法としては、多くの手法がある(例えば、「ディジタルカラー画像の解析・評価」、東京大学出版会、p.154−p.157参照)。
ここで、1つの分光センサの出力信号から、反射光波長スペクトルを推定する手法の一例について説明する。なお、1つの分光センサは、N個の画素を有するものとする。また、ここでは、反射光波長スペクトルとして、所定の波長帯(例えば、400〜700[nm])を所定の波長ピッチ(例えば、10[nm])で分割し、それぞれの反射率を算出するものとする。
各反射率が格納される行ベクトルrは、N個の画素の出力信号vi(i=1〜N)が格納された行ベクトルをv、変換行列をGとすると、次の(2)式で表すことができる。
r=Gv ……(2)
上記変換行列Gは、反射光波長スペクトルが既知のn個のサンプルでのn個の行ベクトル(r1、r2、・・・・・、rn)が格納されている行列R(=[r1,r2,・・・,rn])と、同様のn個のサンプルを本実施形態と同じ分光計測装置で測定したときのn個の行ベクトル(v1、v2、・・・・・、vn)が格納された行列V(=[v1,v2,・・・,vn])とを用い、R−GVの誤差の二乗ノルムが最小となるときのGである。
このとき、一般的に、Vを説明変数、Rを目的変数としたVからRへの回帰式の回帰係数行列Gは、行列Vの上記二乗最小ノルム解を与えるMoore−Penroseの一般化逆行列を用いて次の(3)式から計算することができる。
G=RVT(VVT)−1 ……(3)
上記(3)式において、上付きTは行列の転置を、上付き−1は逆行列を表す。上記(3)式から算出された回帰係数行列Gを変換行列Gとする。
変換行列Gは、計測モード毎に、そして各計測モードにおける分光センサ毎に、予め算出されメモリ27に格納されている。そこで、演算回路27は、モード指定データで指定された計測モードに対応した分光センサ毎の変換行列Gを読み出し、リニアセンサ16の出力信号に基づいて、分光センサ毎に行ベクトルvを作成し、分光センサ毎に行ベクトルvとメモリ27から読み出した対応する変換行列Gを積算し、分光センサ毎に行ベクトルrを算出する。このようにして、演算回路27は、分光センサ毎、すなわち計測位置毎に反射光波長スペクトルを算出する。
図29には、算出された反射光波長スペクトルから得られる色と実際の色との差(色差)と、バンド数Nとの関係をシミュレーションにより求めた結果が示されている。これによると、バンド数Nが多くなるにつれ、精度が高くなっている。但し、バンド数Nが6以上では、精度の差は小さい。
ところで、演算回路27では、分光センサ毎に反射光波長スペクトルの推定演算をしなければならないため、分光センサの数が多くなると、全体として多大な演算時間を要する。しかしながら、本実施形態の分光計測装置では、計測のタイミングに応じて分光センサの数を調整することが可能なため、操作性を低下させることなく分光計測を行うことができる。
プリンタ制御装置2090は、電源投入時には、(1)感光体ドラムの停止時間が6時間以上のとき、(2)装置内の温度が10℃以上変化しているとき、(3)装置内の相対湿度が50%以上変化しているとき、印刷時には、(4)プリント枚数が所定の枚数に達したとき、(5)現像ローラの回転回数が所定の回数に達したとき、(6)転写ベルトの走行距離が所定の距離に達したときなどに、画像プロセス制御を行う。
プリンタ制御装置2090は、一例として図30に示されるように、形成される画像の解像度、及び画像プロセス制御のタイミングに応じて、計測モードを決定し、処理装置20に分光計測を指示する。ここでは、電源投入時には精度を重視し、印刷時には高速性を重視している。これにより、効率化を図ることができる。
そして、プリンタ制御装置2090は、処理装置20からの演算結果に基づいて、計測位置毎に色情報を取得する。なお、プリンタ制御装置2090のメモリには、複数の色について、それらの波長スペクトルデータが格納されている。
そして、プリンタ制御装置2090は、1枚の記録紙内(ページ内)で色変動(色むら)が検出されたときには、光走査装置2010の光源から射出される光束の光量を制御する。また、記録紙間(ページ間)で色変動が検出されたときには、現像バイアス、定着温度、及び1走査毎の光源の発光光量の少なくともいずれかを制御する。
また、プリンタ制御装置2090は、画質について簡単なモニタあるいは確認が必要なときに、計測モードDでの分光計測を画質検出装置2245に指示する。そして、計測モードDでの計測結果に応じて、計測モードA〜Cのいずれかでの分光計測を指示しても良い。
以上説明したように、本実施形態に係る分光計測装置10によると、光源ユニット11、第1結像光学系12、開口系13、第2結像光学系14、分光系15、リニアセンサ16、及び3つの駆動装置(123、133、153)を有している。
第1結像光学系12は、X軸方向に沿って配列された複数のマイクロレンズを有する3つのマイクロレンズアレイ(1211、1212、1213)を有している。そして、各マイクロレンズアレイは、互いにレンズピッチが異なっている。そして、駆動装置123を制御することによって、第1結像光学系12の任意の1つのマイクロレンズアレイを記録紙からの反射光の光路上に配置させることができる。
開口系13は、X軸方向に沿って配列された開口列を有する3つの開口部材(1311、1312、1313)を含んでいる。そして、各開口部材は、互いに開口ピッチが異なっている。そして、駆動装置133を制御することによって、開口系13の任意の1つの開口部材を反射光の光路上に配置させることができる。
分光系15は、3つの回折素子(1511、1512、1513)を含み、各回折素子は、互いに格子ピッチが異なっている。そして、駆動装置153を制御することによって、分光系15の任意の1つの回折素子を反射光の光路上に配置させることができる。
この場合は、記録紙からの反射光の波長スペクトルを計測タイミングに応じて適切に計測することができる。
また、画質検出装置2245は、分光計測装置10及び処理装置20を有し、処理装置20は、分光計測装置10の各駆動装置を個別に制御するとともに、分光計測装置10の出力信号に基づいて計測位置毎に反射光の波長スペクトルを推定演算する。
プリンタ制御装置2090は、形成される画像の解像度、及び画像プロセス制御のタイミングに基づいて計測モードを決定し、画質検出装置2245に画質検出を指示する。そして、プリンタ制御装置2090は、画質検出装置2245の検出結果に基づいて画像形成プロセスを調整する。そこで、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、操作性を低下させることなく、安定した画像品質で画像を形成することができる。
なお、上記実施形態では、計測モードが4種類の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、第1結像光学系12が、3つのマイクロレンズアレイを有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。第1結像光学系12が、2つのマイクロレンズアレイ、あるいは4つ以上のマイクロレンズアレイを有していても良い。
また、上記実施形態では、開口系13が、3つの開口部材を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。開口系13が、2つの開口部材、あるいは4つ以上の開口部材を有していても良い。
また、上記実施形態では、分光系15が、3つの回折素子を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。分光系15が、2つの回折素子、あるいは4つ以上の回折素子を有していても良い。
また、上記実施形態では、回折素子を交換することによってバンド数を変更する場合について説明したが、一例として図31(A)及び図31(B)に示されるように、1つの回折素子をその中心軸まわりに回動させることによってバンド数を変更しても良い。
回折素子をその中心軸まわりに回動させる回動駆動部は、回転テーブル、ギア、ステッピングモータなどを有している。
回転テーブルは、円板状の部材であり、支持部材(図示省略)に、その中心を通り、Z軸に平行な軸まわりに回動可能に取り付けられている。この回転テーブルの側面には、ギアに係合されるねじ溝が形成されている。そして、回転テーブルの+Z側の面に回折素子が固定されている。このとき、回転テーブルの回転軸上に回折素子の中心が位置するように設定されている。そこで、回転テーブルが回転すると、回折素子は、その中心を通りZ軸に平行な軸まわりに回転することとなる。
ギアは、回転テーブルの−X側で、回転テーブルのねじ溝に係合する位置に配置されている。このギアは、シャフトを介してステッピングモータに接続されている。そこで、ステッピングモータが回転すると、ギアが回転し、回転テーブルが回転する。このステッピングモータは、処理装置20によって制御される。なお、回転テーブルは、回折素子に入射する反射光と干渉しないように、中央部に開口を有している。また、この場合は、回折素子とリニアセンサとの距離を調整する必要がある。
また、上記実施形態において、マイクロレンズアレイ1211と開口部材1311、マイクロレンズアレイ1212と開口部材1312、マイクロレンズアレイ1213と開口部材1313が、それぞれ組として用いられる場合は、一例として図32(A)及び図32(B)に示されるように、テーブル122及びテーブル132をそれらの位置関係を維持しつつ1つの保持部材で保持し、該保持部材を1つのステッピングモータでX軸方向に移動させても良い。
また、上記実施形態において、マイクロレンズアレイ1211と開口部材1311と回折素子1511、マイクロレンズアレイ1212と開口部材1312と回折素子1512、マイクロレンズアレイ1213と開口部材1313と回折素子1513が、それぞれ組として用いられる場合は、テーブル122、テーブル132及びテーブル152をそれらの位置関係を維持しつつ1つの保持部材で保持し、該保持部材を1つのステッピングモータでX軸方向に移動させても良い。
また、上記実施形態において、バンド数を変更する必要がないときは、前記分光系15に代えて、所望のバンド数に対応した1つの回折素子を用いても良い。この場合は、前記駆動装置153は不要である。
また、上記実施形態において、前記第1結像光学系12に代えて、開口系における最も狭い開口ピッチに合わせたレンズピッチの1つのマイクロレンズアレイを用いても良い。この場合は、計測位置は開口ピッチで決定される。そして、開口系13は、上記最も狭い開口ピッチの開口部材、その2倍及び4倍の開口ピッチの開口部材を含むこととなる。これにより、コスト低減を図ることができる。
また、上記実施形態において、第1結像光学系12は、前記マイクロレンズアレイに代えて、X軸方向に沿って配列された複数の屈折率分布型レンズ(以下、「レンズSL」という)を有するセルフォックレンズアレイ(登録商標)を用いても良い。なお、以下では、記録紙Pの表面で拡散反射された光の光路上に配置されているセルフォックレンズアレイを「セルフォックレンズアレイ121A」という。
但し、この場合は、一例として図33に示されるように、セルフォックレンズアレイ121Aの結像関係における光束の直進性から、第2結像光学系14の仕様次第では、図34に示されるように、画像全幅における周辺領域では反射光を第2結像光学系14で捕捉することができない。また、セルフォックレンズアレイ121Aのレンズピッチと開口部材131の開口ピッチが異なっていると、光量に明暗の分布が生じる。
そこで、この場合は、一例として図35(A)〜図35(C)に示されるように、レンズSLと開口を対にして、レンズSLと開口の位置を、X軸方向の位置に応じてずらすことにより、図36に示されるように、画像全幅における反射光を第2結像光学系14で捕捉し、図37に示されるように、画像全幅で計測可能となる。
なお、レンズSLの中心位置と開口の中心位置とを一致させ、レンズSLに入射する反射光を、図38に示されるようにスリット部材17で制限しても良い。
この場合、レンズSL及び開口の位置が変化すると、第2結像光学系14への光の伝搬角度が変動し、回折素子151への入射位置、リニアセンサ16上での回折像の結像位置が変化する。そこで、セルフォックレンズアレイと開口部材を一体として交換可能とすることで、精度を確保することが可能となる。
また、セルフォックレンズアレイを用いる場合に、第2結像光学系14として大口径の結像光学系を用いることができれば、セルフォックレンズアレイのレンズピッチと開口部材の開口ピッチを同じにしても良い。
また、上記実施形態において、開口ピッチを変更したことにより、図39(A)及び図39(B)に示されるように、リニアセンサ16上での回折像の間隔が広くなると、画素に余裕が生じる。そこで、回折素子151をZ軸まわりに回転させることにより、図40に示されるように、多くの画素を回折像が受光される画素として適用可能となる。この場合、回折素子151での回折角θmは上記(1)式で導出される。そして、回折素子151の回折部とリニアセンサ16との距離Lを用いて、L×tanθmから、分光された各波長の光のリニアセンサ16上での結像位置が導出される。
また、第2結像素子14の倍率によりリニアセンサ16上での回折像の大きさが決まるため、白色光の回折像を検出した場合、回折像の幅j(図41参照)を求めることができる。
一般的に、画素の高さh及び画素の幅c(図41参照)はリニアセンサ16により決まっている。そこで、開口ピッチと第2結像素子14の倍率とから1つの分光センサにおける画素数Nが決定される。このとき、リニアセンサ16上の回折像のX軸方向に対する傾斜角が、tan−1(h/(N×c))となるように、回折素子151における凹凸の配列方向が決定される。
なお、限定的ではあるが、TDI(Time Delay Integration)タイプのリニアセンサで、画素の高さを調整できるものがある。その場合には、調整後の高さを上記画素の高さhとすれば良い。
そして、決定された凹凸の配列方向を有する回折素子を回折素子151とすることで、バンド数Nを確保することができる。
また、上記実施形態では、任意の1つの光学素子を選択するために各テーブルをX軸方向に沿って移動する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、選択対象の複数の光学素子をY軸方向に沿って配列させ、テーブルをY軸方向に沿って移動しても良い。また、テーブルをZ軸に平行な軸まわりに回転させて任意の1つの光学素子が選択されるようになっていても良い。
また、上記実施形態において、第1結像光学系12の任意の1つのマイクロレンズアレイを記録紙からの反射光の光路上に配置させる操作を、使用者が手動で行っても良い。同様に、開口系13の任意の1つの開口部材を反射光の光路上に配置させる操作、及び分光系15の任意の1つの回折素子を反射光の光路上に配置させる操作を、使用者が手動で行っても良い。
また、上記実施形態において、第1結像光学系12の任意の1つのマイクロレンズアレイを選択する選択スイッチを備え、使用者が該選択スイッチで選択したマイクロレンズアレイが駆動装置123によって記録紙からの反射光の光路上に配置されても良い。
同様に、開口系13の任意の1つの開口部材を選択する選択スイッチを備え、使用者が該選択スイッチで選択した開口部材が駆動装置133によって反射光の光路上に配置されても良い。
同様に、分光系15の任意の1つの回折素子を選択する選択スイッチを備え、使用者が該選択スイッチで選択した回折素子が駆動装置153によって反射光の光路上に配置されても良い。
また、上記実施形態において、計測モードを選択する選択スイッチを備え、使用者が該選択スイッチで計測モードを選択しても良い。
また、上記実施形態における、形成される画像の解像度、及び画像プロセス制御のタイミングに基づいて選択されるマイクロレンズアレイ、開口部材、及び回折素子は一例であり、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、画像形成装置が電子写真方式の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、インクジェット方式であっても良い。この場合は、ヘッド位置に応じてインク吐出量を調整したり、ドットパターンを調整することによって、1枚の記録紙内での色変動、及び記録紙間での色変動を補正することができる。
また、上記実施形態では、4色のトナーが用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、5色あるいは6色のトナーが用いられる場合であっても良い。
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、トナー像が記録紙に直接転写されても良い。
また、記録紙としてビームスポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であっても良い。
また、上記実施形態における分光計測装置10は、画像形成装置以外に用いられても良い。例えば、分光計測装置10を、媒体上の画像の品質を評価する画像評価装置に用いても良い(図42参照)。この場合は、分光計測装置10と、媒体及び分光計測装置の少なくとも一方を移動させる移動系と、分光計測装置の受光系の出力信号に基づいて画像を評価する処理装置と、を備えることとなる。そこで、結果として、画像の品質を適切に評価することができる。