JP5641644B2 - ポリオールエステルの色を明るくする方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオールエステルをオゾンまたはオゾン含有ガスで処理することによって、炭素原子数3〜20の線状もしくは分枝状脂肪族モノカルボン酸から得られるポリオールエステルの色を明るくする方法に関する。
ポリオールエステルとも称される多価アルコールのエステルは、大規模に工業的に様々な用途に、例えば可塑剤または潤滑剤として使用されている。適当な原料化合物の選択によって、物理的な材料特性、例えば沸点または粘度を狙い通りに調節することができ、また化学的性質、例えば耐加水分解性及び酸化分解に対する安定性を考慮することができる。更にまた、ポリオールエステルを、具体的な応用技術的な問題の解決に対して目的通りに仕立てることができる。ポリオールエステルの使用についての詳しい概要は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1985,VCH Verlagsgesellschaft,Vol.A1,305−319頁(非特許文献1); Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 1990,Vol.A15,438−440頁(非特許文献2); Kirk Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,John Wiley & Sons,1978,Vol.1,778−787頁(非特許文献3); またはKirk Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology,1981,Vol.14,496−498頁(非特許文献4)に記載されている。
潤滑剤としてのポリオールエステルの使用は工業的に非常に重要であり、これらは、特に、鉱油に基づく潤滑剤では課せられる要求を不完全にしか満たせないような使用分野において使用される。ポリオールエステルは、特に、タービンモータ油及び精密機械油として使用される。潤滑剤用途用のポリオールエステルは、しばしば、アルコール成分として、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、グリセリンまたはTCD−アルコールDMとも称される3(4),8(9)−ジヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカンに基づく。
ポリオールエステルは、可塑剤としてもかなりの規模で使用されている。可塑剤は、プラスチック、コーティング材、シール剤、弾性ゴム及びゴム物品中に様々な用途に使用されている。これらは、化学的に反応すること無しに、好ましくはそれらの溶解挙動及び膨潤挙動によって、高分子量熱可塑性物質と物理的な相互作用を起こす。それによって、元のポリマーと比べて熱可塑性範囲がより低い温度にシフトした均一な系が生じ、中でもその結果、それの機械的な性質が最適化され、例えば変形可能性、弾性、強度が高まりそして硬度が低下する。
可塑剤にできるだけ広い応用範囲を開くために、これらは一連の基準を満たさなければならない。理想的には、これらは、臭いが無く、無色であり、耐光性、耐低温性及び耐熱性であるのがよい。更に、これらが、水に対して敏感でなく、燃えにくくかつ揮発性が僅かであること、及び健康を害さないことが期待される。また更に、可塑剤は簡単に製造できるべきであり、かつその製造は、生態学的な要求を満たすために、廃棄残留物、例えば再利用できない副生成物や有害物質を含む廃水を避けて行われるべきである。
ポリオールエステルの特殊な部類(簡略してG−エステルとも称される)は、アルコール成分として、ジオールまたはエーテルジオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール及びより高級のプロピレングリコールを含む。それらの製造は、様々な方法で行うことができる。場合により酸性触媒の存在下でのアルコールと酸との反応の他に、実際では、G−エステルを得るための更に別の方法、中でもジオールと酸ハロゲン化物との反応、カルボン酸エステルとジオールとの反応、及びカルボン酸へのエチレンオキシドの付加反応(エトキシル化)が使用される。工業的な製造では、ジオールとカルボン酸との直接的な反応及びカルボン酸のエトキシル化だけが製造方法として確立しており、この際、大概は、ジオールと酸のエステル化が優勢である。というのも、この方法は、慣用の化学装置中でそれ程の煩雑さ無しで行うことができ、そしてこれは化学的に均一な生成物を与えるからである。これと比べて、エトキシル化は大規模でコスト集約的な技術的な手段を必要とする。エチレンオキシドは非常に反応性の高い化学物質である。これは爆発的に重合し、そして非常に広い混合範囲において空気と爆発性の混合物を形成する。エチレンオキシドは目及び気道を刺激し、化学熱傷を招き、肝臓及び腎臓にダメージを与え、そして発がん性である。それ故、それの取り扱いは、大規模な安全措置を必要とする。更に、エチレンオキシドと異物との副反応による不所望な不純物の形成を排除するために、貯蔵設備及び反応装置の細心の清潔さに注意を払わなければならない。最後に、エチレンオキシドとの反応は選択性があまり高くなく、それでこれは異なる鎖長の複数種の化合物の混合物を与える。
アルコールとカルボン酸との直接的なエステル化は、有機化学の基本的な作業に属する。反応速度を高めるために、通常、反応は触媒の存在下に行われる。反応体の過剰使用及び/または反応の過程で生ずる水の分離が、質量作用の法則に応じて平衡を、反応生成物側、すなわちエステル側へとシフトさせる、すなわち高い収量が達成されることを保証する。
多価アルコールのエステル(エチレングリコールと脂肪酸とのエステルも含まれる)の製造について及びこれらの部類の化合物の選択された代表物の性質に関しての包括的な情報は、Goldsmith,Polyhydric Alcohol Esters of Fatty Acids,Chem.Rev.33,257頁以降(1943)(非特許文献5)に記載されている。例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリエチレングリコールのエステルの製造は、130〜230℃の温度において2.5〜8時間の反応時間で行われる。反応水を除去するためには、二酸化炭素が使用される。多価アルコールのエステル化に適した触媒としては、無機酸、酸性の塩、有機スルホン酸、アセチルクロライド、金属または両性金属酸化物が挙げられる。反応水の除去は、同伴剤(Schleppmittel)、例えばトルエンもしくはキシレンを用いてまたは不活性ガス、例えば二酸化炭素もしくは窒素を導入して行われる。
ポリエチレングリコールの脂肪酸エステルの取得及び性質についてはJohnson(編者),Fatty Acids in Industry (1989)第9章, Polyoxyethylene Esters of Fatty Acid(非特許文献6)に論じられており、製造に関する一連の示唆が記載されている。より高いジエステル濃度は、グリコールに対するカルボン酸のモル比を高めることによって達成される。反応水の除去のための適当な方策は、水と不混和性の溶剤の存在下での共沸蒸留、不活性ガスの導通下での加熱、または乾燥剤の存在下に減圧下での反応の実施である。触媒の添加を無しで済ませる場合には、より長い反応時間及びより高い反応温度が必要となる。これらの両反応条件は触媒の使用によって軽減することができる。硫酸の他に、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、並びにポリスチレンタイプのカチオン交換体が好ましい触媒である。錫や鉄などの金属粉末の使用も記載されている。米国特許第2,628,249号明細書(特許文献1)からの教示によると、硫酸またはスルホン酸を用いた触媒反応の際の色の問題は、活性炭の存在下に作業すると軽減できる。
触媒を添加せずにジエチレン−及びトリエチレングリコールとカプリル酸とのエステルを製造する方法は、米国特許第2,469,446号明細書(特許文献2)から知られている。エステル化温度は270〜275℃の範囲であり、反応水は二酸化炭素流によって除去される。
触媒の添加を無しで済ませて反応を実施する場合は、一般的に、それの酸性度のために触媒としても作用する各カルボン酸をモル過剰量で使用して作業する。
ポリオール及びカルボン酸からエステルを形成する際に生ずる反応水の分離のためには、様々な方法が知られている。例えば、生成した反応水は、過剰のカルボン酸と一緒に反応容器から留去し、そして下流の相分離器に送り、そこでカルボン酸と水とが、それらの溶解性に応じて分離する。場合によっては、使用したカルボン酸が反応条件下に水と共沸混合物も形成し、同伴剤として反応水を除去することができる。また、添加した水と不混和性の溶剤の存在下での共沸蒸留、不活性ガスの導通下での反応混合物の加熱、減圧下または乾燥剤の存在下での原料のポリオール及びカルボン酸の反応も使用される。特に、共沸蒸留による水の除去が、ポリオールエステルの製造の際の平衡の調節にとって有効であることが判明した。独国特許出願公開第19940991A1号明細書(特許文献3)から既知の方法手順では、同伴剤として機能しそして112℃未満の沸点を持たなければならない水と不混和性の溶剤が、少なくとも140℃の温度に達してから始めて反応混合物に加えられる。
工業的なプロセスでは、相分離器中の水及びカルボン酸からなる分離された混合物は、有機及び水性相に分離され、水性相は排出され、そしてカルボン酸は再びエステル化反応にリサイクルされる。粗製エステルの仕上げのためには、例えば、米国特許第5,324,853A1号明細書(特許文献4)は、窒素または水蒸気を導通することによって過剰のカルボン酸を除去し、吸着剤を加え、残留有機酸を塩基で中和し、そして生じた固形物を濾別することを提案している。濾液中に存在する酸の残留量を、水蒸気または窒素を導通し、これと同時に負圧を適用して除去し、そして再びエステル化反応にリサイクルする。減圧処理の間に生ずる固形物は最後の精密濾過で除去する。添加した吸着剤、例えば活性炭は、中でも、ポリオールエステルの色を向上する働きを持つ。
米国特許第2,469,446A1号明細書(特許文献2)から知られる作業方法では、反応水及び過剰の未反応の原料化合物、例えばカルボン酸の分離の後に生ずる粗製エステルを、先ず、酸性成分の最後の残渣を除去するために、アルカリ剤、例えば炭酸ナトリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液で処理する。水洗、漂白土及び活性炭での処理の後に、臭いを与える物質の最後の痕跡量を除去するために、高められた温度下に減圧を適用することができる。場合によっては、漂白剤及び活性炭での処理を、十分な色特性を有するポリオールエステルを製造するために何度も繰り返すことができる。
粗製エステルの色の向上のための処置、例えば酸化、例えば過酸化水素を用いた酸化、または活性炭の吸着は、一般的な技術水準、例えば、H.Suter,Phthalsaeureanhydrid und seine Verwendung,Dr.Dietrich Steinkopf Verlag,Darmstadt 1972(非特許文献7)から知られている。ポリオールに基づくエステル化合物の色を向上するために、国際公開第94/18153A1号パンフレット(特許文献5)は、過酸化水素水溶液で後処理することを提案している。
その他、従来技術では、色を明るくするためにエステルにオゾンまたはオゾン含有ガスを作用させることも論じられている。英国特許出願公開第783,463号明細書(特許文献6)では、ジカルボン酸のエステル、特にオキソアルコールに基づくこのようなエステルを、100℃未満の温度でオゾン含有空気またはオゾン含有酸素で処理している。その後、アルカリ金属水酸化物水溶液での洗浄、次いで水洗を行う。その後、乾燥、例えば乾燥剤を添加してまたは負圧下に加熱することによって乾燥し、次いで濾過を行う。それ以外には残留アルコールの痕跡量を除去するための粗製エステル混合物の仕上げに慣用の方法ステップ、例えば吸着剤としての活性炭での処理または水蒸気処理を、オゾン処理の後に行うことができる。英国特許出願公開第813,867号明細書(特許文献7)の教示では、オゾンの作用後に、還元剤での処理、例えばアルカリ金属亜硫酸塩を含む水溶液での洗浄による処理または金属触媒上での水素化による処理を行う。その後、粗製エステルの仕上げに慣用の方法ステップを行う。還元剤を用いた処理の処置によって、エステル中の過酸化物含有率を減少させることができる。米国特許第3,031,491A1号明細書(特許文献8)においても、オゾン処理の後に、粗製エステルを還元剤と接触させ、それによって粗製エステル中の過酸化物含有率を減らすことができる。独国特許出願公開第2729627A1号明細書(特許文献9)の教示では、オゾン処理を、15〜90℃の温度で、オゾン化された空気を用いてカルボン酸エステルに対して行い、その際、オゾン濃度は5〜50mg/lの含有率に調節される。オゾン処理の後には、次いで、アルカリ金属水酸化物水溶液での中和並びに水洗を行う。負圧中で直接蒸気(Direktdampf)を作用させることによって、揮発性のアルコール及び水の痕跡量が除去される。次いで、生成物を吸着剤と接触させ、最後に濾過する。
米国特許第2,628,249号明細書 米国特許第2,469,446号明細書 独国特許出願公開第19940991A1号明細書 米国特許第5,324,853A1号明細書 国際公開第94/18153A1号パンフレット 英国特許出願公開第783,463号明細書 英国特許出願公開第813,867号明細書 米国特許第3,031,491A1号明細書 独国特許出願公開第2729627A1号明細書
Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1985,VCH Verlagsgesellschaft,Vol.A1,305−319頁 Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 1990,Vol.A15,438−440頁 Kirk Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,John Wiley & Sons,1978,Vol.1,778−787頁 Kirk Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology,1981,Vol.14,496−498頁 Goldsmith,Polyhydric Alcohol Esters of Fatty Acids,Chem.Rev.33,257頁以降(1943) Johnson(編者),Fatty Acids in Industry (1989)第9章, Polyoxyethylene Esters of Fatty Acid H.Suter,Phthalsaeureanhydrid und seine Verwendung,Dr.Dietrich Steinkopf Verlag,Darmstadt 1972
冒頭に述べたポリオールエステルの品質基準の故に、反応水を除去しながらのエステル化段階及び粗製エステルの仕上げの際の方法ステップは非常に重要なプロセス上の特徴である。というのも、この方法ステップの調整は、本質的な程度で最終製品の感覚的性質及び外観上の性質に影響を及ぼすからである。特に、ポリオールエステルの色特性、例えば低い色数及び高い色安定性に高い要求が課せられる。これに対して、原料、すなわち多価アルコール及び酸の構造は、そのポリオールエステルを用いて可塑化されたプラスチック材料の機械的及び熱的特性にとって重要であり、そして潤滑剤の加水分解及び酸化安定性に影響を及ぼす。
色を向上するための粗製ポリオールエステルの仕上げの際の吸着剤、例えば活性炭、高表面積ポリケイ酸、例えばシリカゲル(シリカ−キセロゲル)、珪藻土、高表面積酸化アルミニウム類及び酸化アルミニウム水和物類、鉱物性材料、例えば粘土または炭酸塩での処理は慣用の方法であるが、これは、追加的な濾過段階を必要とし、これは、工業的に行われる方法ではかなりの煩雑さを意味する。同様に、価値の高い製造物が濾過装置中に及び吸着材上にくっついたまま残り、そうして追加的な濾過段階において価値の高い製造物が失われる。
色を向上するための酸化剤、例えば過酸化水素、オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理も問題があることが判明し得る。なぜならば、ポリオールエステルの処理中に有機過酸化物が形成する恐れがあるからである。過酸化物の痕跡量は、可塑化されたプラスチック生産物の並びにポリオールエステルに基づいて製造された潤滑剤のエステル品質及び応用技術的な性質を低下させる。過酸化物の痕跡は、ポリオールエステルの貯蔵挙動も害し、そして貯蔵中に、空気などの酸化剤の排除にも拘わらず、過酸化物価の増加が観察される。過酸化物価の低下のためには、従来技術では、追加的に還元剤で処理することが提案されている。この方法は確かに過酸化物価の低下を可能にするが、この処置は、還元剤を供しそしてその使用の後に再び除去しなければならないという追加の工程を意味する。
オゾンまたはオゾン含有ガスを用いた粗製ポリオールエステルの処理の際に、オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理を、ポリオールエステル1リットルあたり0.01〜5.0gのオゾン量を用いて行い、その直後に、更なる中間段階無しに、水蒸気での処理を行い、そして最後にポリオールエステルを乾燥し、その際、処理の際の条件、例えば温度、時間及び適用すべき圧力を個々のポリオールエステルに合わせて調節することによって、吸着剤を使用せずとも明るい色の生成物が得ることができることがここに見出された。
驚くべきことに、この作業方法において、非常に低い過酸化物価を有する色の明るいポリオールエステルが得られ、この過酸化物価は、それ自体、より長い貯蔵期間にわたって安定しており、上昇しない。
それ故、本発明は、ポリオールを炭素原子数3〜20の線状もしくは分枝状脂肪族モノカルボン酸と反応させ、次いで吸着剤を使用せずに反応混合物を仕上げすることによって、ポリオールエステルの色を明るくする方法である。この方法は、未反応の原料化合物の分離の後に、反応生成物を、ポリオールエステル1リットルあたり0.01〜5.0グラムのオゾンの量のオゾンまたはオゾン含有ガスで処理し、その後直接、更なる中間段階無しで、水蒸気処理を行い、そして後に残ったポリオールエステルを乾燥することを特徴とする。
該新規作業方法は、実験室及び試験での作業でばかりでなく、中でも工業的なプラントでの大きな信頼性を特色とする。該方法は、連続的にも簡単に行うことができ、高い純度のポリオールエステルを与える。オゾンまたはオゾン含有ガスで粗製エステルを処理し、その後直接水蒸気処理及び更に乾燥を行うことにより、ポリオールエステルの優れた色特性及び顕著な色安定性が得られ、これは、加えて、低い過酸化物価しか持たない。過酸化物価は、より長い貯蔵期間にわたっても安定して低いレベルにとどまる。
未反応の原料化合物を分離した後に生ずる粗製エステルをオゾンまたはオゾン含有ガスで処理するためには、オゾンは、ポリオールエステル1リットルあたり0.01〜5.0グラム、好ましくは0.2〜0.8グラムの量で使用される。より多いオゾン量は、ポリオールエステル骨格の分解反応が増強されて起こるために推奨できない。オゾン供給量が多すぎる場合には、ガスクロマトグラフィで求めたポリオールエステル含有率の減少の他に、酸価または中和価、例えばDIN EN ISO3682/ASTM D 1613に従い測定される酸価または中和価の上昇、並びにポリオールエステル1キログラムあたりの酸素のミリ当量で表されそして例えばASTM E 298に従い測定される過酸化物価の増加が観察される。多すぎるオゾン量を使用した場合には、これらの特性数値の変化は、酸の形成が増強されて起こるということで解釈できる。オゾン供給量が少なすぎる場合には、色の明度の向上に対する有利な影響が小さくなりすぎるか、または過度に長い処理時間を甘受しなければならない。
オゾンは、純粋な形でまたはガスとの混合物、例えば空気または酸素との混合物、あるいは不活性ガスとの混合物、例えば窒素、二酸化炭素または貴ガス(例えばヘリウムまたはアルゴン)との混合物のいずれかで使用される。オゾン含有ガスを処理に使用する場合には、オゾン濃度は、ガス混合物mあたり有利にはオゾン2〜200グラム、好ましくは10〜100グラムである。好ましくは、酸素中のオゾンの混合物を用いて作業する。
オゾンまたはオゾン含有ガス混合物の製造のためには、商業的に入手できるオゾン発生器、例えばITT Wedeco GmbH製のOzone Systems SMOシリーズ、PDO−シリーズ、SMA−シリーズ、またはPDA−シリーズの名称の装置が使用される。
オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理は、広い温度範囲で行うことができる。温度の下限は、反応媒体の粘度及び結晶化特性によって決定され、これは、低い温度おいてもなおも十分にポンプ移送可能であるべきである。温度が高すぎる場合には、オゾンの分解が増強されて起こることが予期され得る。例えば、−30℃から130℃の温度までの温度範囲で作業することができる。好ましくは、20〜100℃、特に30〜80℃の温度が使用される。オゾンでの処理時間も同様に幅広い範囲に及ぶことができ、通常は、酸化剤は、数分間から数時間にわたり、例えば1分〜3時間、好ましくは20〜90分間にわたり使用される。より高い温度及びより長い処理時間は、オゾン並びにポリオールエステルの分解が増強されて起こるため、避けるべきである。処理時間に基づいて、オゾンの供給量は、1時間あたり及びポリオールエステル1リットルあたり、0.1〜5.0グラムのオゾン、好ましくは0.2〜0.9グラムのオゾンであるのがよい。
オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理の個々の条件は、一方では最適な脱色を達成し、しかし他方ではポリオールエステルの分解反応をできるだけ避けるために、個々のポリオールエステルに合わせて調節されるべきである。特にエーテルジオール類、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールに基づくポリオールエステルの場合には、オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理の際の条件、例えば温度、作用時間またはオゾンの供給量が個々のポリオールエステルに合わせて的確に調節されていない場合には、エーテル骨格の分解が増強されて起こる恐れがある。
酸化処理の後は、粗製エステルは、更なる中間段階無しに、直後に水蒸気での処理に付す。これは、例えば、簡単な形では粗製生成物中に水蒸気を通すことによって行うことができる。水蒸気処理の利点の一つは、それの過程で、なおも存在する痕跡量のオゾンまたは痕跡量の生成した有機過酸化物が分解されること、並びに原料化合物の残渣が水蒸気により除去されることである。比較的多量のなおも存在する水も水蒸気処理によって追い出される。同時に、この処置によって、粗製エステルの色数及び色安定性も向上される。
水蒸気処理は一般的に常圧で行われるが、軽い負圧、合目的的には400hPaまでの軽い負圧の使用は排除されない。水蒸気処理は、一般的に、100〜250℃、好ましくは150〜220℃、特に170〜200℃の温度で行われ、そして個々の場合に製造されるポリオールエステルの物理的な性質にも合わせられる。
水蒸気処理の工程では、オゾンで処理された粗製エステルを、水蒸気処理のために必要な温度に加熱するために、作業温度に到達するまでの加熱期間の間、なるべく穏やかに進行させることが有利であることが判明した。
水蒸気処理の時間は、定型的な試験によって求めることができ、一般的には0.5〜5時間の期間にわたり行われる。長すぎる水蒸気処理は、ポリオールエステルの望ましくない色数の上昇をまねき、それ故避けるべきである。ポリオールエステルの分解反応が増強されて酸反応性化合物になることも観察され、それの含有率は、中和価または酸価、例えばDIN EN ISO3682/ASTM D 1613に従い測定される中和価または酸価の上昇から示される。処理時間が短すぎる場合には、オゾンの残り及び生じた痕跡量の有機過酸化物の分解が完全にならず、所望のポリオールエステルが、生成物1キログラム当たりの酸素のミリ当量で表されそしてASTM E 298に従い測定される、なおも高すぎる不所望な過酸化物価を示す。また、処理時間が短すぎる場合には、ポリオールエステルの色数に対する有利な効果が僅かとなることも観察される。
オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理の場合と同様に、その直後の水蒸気処理の場合にも、ポリオールエステルの色数に関して最適な結果を達成し、原料化合物、水及び過酸化物の痕跡の残留含有量をできるだけ減らし、それと同時に分解反応を阻止するために、温度、圧力及び時間などの条件は個々のポリオールエステルに合わせて調節すべきである。特にエーテルジオール類、例えばトリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールに基づくポリオールエステルの場合には、水蒸気処理の際の条件は、エーテル鎖の望ましくない分解を阻止するために、個々のポリオールエステルに合わせて精密に調節されるべきである。
反応部から排出された水蒸気の凝縮後に生ずる、所望のポリオールエステルから分離された水蒸気蒸留物が、比較的高い過酸化物価を有することは注目されるべきことである。工業的な操業では、高い過酸化物価を有する多量の水蒸気及び蒸留物の発生は、安全技術的な理由から問題となることが分かり得る。というのも、設置されたカラム及び蒸留物受け器中に有機過酸化物及び場合によっては無機過酸化物が濃縮する恐れがあるからである。水及び未反応原料化合物を含み、また過酸化物も含まれる排出された水蒸気を、元素周期律表(IUPACレコメンデーション1985)の第9族〜第11族の貴金属、例えばパラジウムまたは白金と接触させることが有利であることが判明した。この処置によって、水蒸気中に存在する過酸化物化合物を分解することができる。この接触は、ガス状で、排出された水蒸気の温度において貴金属の存在下に行われ、これは、例えば、担持されているかまたは担持されていないことができる固定配置された商業的に入手可能な貴金属触媒上に水蒸気を通すことによって行われる。例えば、反応器部上に設置されたカラム部中に、織物状または多孔状構造、例えば長方形、ハニカム形、丸形またはその他の慣用の構造を有する固体内装品を装備することができる。この内装品には貴金属が付与されており、そしてそれのチャネル中を、粗製エステル中に通されそして今や排出されたガス状の負荷した水蒸気が通る。貴金属がキャリア上に担持されている場合には、貴金属触媒にとって工業的に慣用のキャリア、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、活性炭、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムがそれの様々な形状において適している。
貴金属からなる固形構成物、例えば織成物、ネット、編成物、線条、線状の玉状物(Knaeuel)またはスポンジもカラム部中に設けることができ、それにより、水蒸気で追い出された過酸化物化合物を分解する。
過酸化物が富化されていることができる分離、凝縮された液状蒸留物も、なおも存在する過酸化物化合物の分解のために、元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属で処理することができ、これは、例えば、固定配置してまたは懸濁状態で使用することができる商業的に入手可能な担持型または非担持型貴金属触媒を用いて自己発生した温度の下に行うことができる。貴金属からなる慣用の固形構成物、例えば織成物、編成物または線条、例えば白金ネットも、分離した液状蒸留物と接触させることができる。
水蒸気処理の後は、ポリオールエステルの乾燥を行う。これは、例えば、高められた温度下に生成物中に不活性ガスを通すことによって行われる。高められた温度下に、同時に負圧を適用し、場合によっては及び不活性ガスを生成物中に導通することができる。不活性ガスを作用させることなく、高められた温度下だけでまたは低められた圧力下だけで作業することもできる。個々の場合の乾燥条件、例えば温度、圧力及び時間は簡単な予備試験によって求めることができ、個々のポリオールエステルに合わせて調節される。一般的に、80〜250℃の範囲、好ましくは100〜180℃の範囲の温度及び0.2〜500hPa、好ましくは1〜200hPa、特に1〜20hPaの圧力で作業する。乾燥の終了後、規格を満たす製品を得るために濾過段階を必要とすることなく、色の明るいポリオールエステルが残留物として得られる。僅かな例外的なケースでは、水蒸気処理の後にまたは乾燥の後に濾過段階が必要な場合がある。これは、例えば、エステル化反応の終了後にまたは未反応の原料化合物の分離の後に、すなわち反応混合物の仕上げの前に、固形の触媒残渣が完全に除去されていない場合がそうである。本発明方法の特別な形態の一つでは、水蒸気処理の後には、更なる中間段階無しに、後に残ったポリオールエステルの乾燥を直接行う。
ポリオールと脂肪族モノカルボン酸との反応は、触媒を使用せずに行うことができる。この態様の反応は、ポリオールエステルの望ましくない汚染を招く恐れのある異物が反応混合物に導入されることが避けられるという利点を有する。しかし、この際、一般的に、より高い反応温度を維持しなければならない。なぜなら、そうしないと、十分な(すなわち、経済的に許容可能な)速度で反応が進行することが保証されないからである。これに関連して、温度の上昇は、ポリオールエステルの熱的ダメージを招く恐れがある点に注意するべきである。それ故、反応を容易にしそして反応速度を高める触媒の使用はいつも避けることができるわけではない。触媒は、しばしば、同時にポリオールの反応成分でもある過剰の脂肪族モノカルボン酸であることができ、そうして反応は自動触媒的に進行する。その他では、反応速度に影響を与えるためには慣用のエステル化触媒、例えば硫酸、ギ酸、ポリリン酸、メタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸及び同様にこの種の酸の組み合わせが適している。同様に、金属含有触媒、例えばチタン、ジルコニウムまたは錫を含む触媒、例えば対応するアルコレートまたはカルボキシレートも使用できる。反応条件下に固形で反応系中に不溶性の触媒有効化合物、例えばアルカリ−またはアルカリ土類金属硫酸水素塩、例えば硫酸水素ナトリウムも使用できるが、固形の触媒の使用は僅かな例外的なケースに限られる。というのも、固形の触媒は、エステル化の終了後に、反応混合物から濾過しなければならないからである。場合によっては、固形の触媒の最後の残渣を除去するために、粗製ポリオールエステルの仕上げ中に更に、追加の精密濾過も必要である。使用される触媒の量は広い範囲に及ぶことができる。反応混合物を基準に0.001重量%または5重量%の触媒を使用することができる。しかし、より多い触媒量は殆ど利点を与えないため、触媒濃度は、それぞれ反応混合物を基準にして通常0.001〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。場合によっては、触媒無しで比較的高い温度で作業すべきかまたは触媒を用いて比較的低い温度で作業すべきかを、個別のケースについて予備試験によって決定することが有利である。
エステル化は、化学理論量のポリオール及び脂肪族モノカルボン酸を用いて行うことができる。しかし、好ましくは、触媒を添加せずに、ポリオールを過剰のモノカルボン酸と反応させて、過剰のモノカルボン酸自体を触媒として作用させる。一般的に使用するポリオールよりも低い沸点を有する過剰のモノカルボン酸は、簡単に蒸留により粗製エステルから分離することができ、そして濾過工程は、固形の触媒が避けられるために不要である。脂肪族モノカルボン酸は、ポリオールのエステル化するヒドロキシル基1モル当たり10〜50%モル過剰で、好ましくは20〜40%モル過剰で使用される。
生成した反応水は、反応の過程で、過剰のモノカルボン酸と一緒に反応容器から留去され、そして後続の相分離器に導かれ、そこでモノカルボン酸と水とがそれらの溶解性に応じて分離する。場合によっては、使用したモノカルボン酸は反応条件下に水と共沸混合物も形成し、そして同伴剤として反応水を除去することを可能にする。水の収量から反応の進行を追跡することができる。分離した水はプロセスから除去され、他方、モノカルボン酸は相分離器から反応容器に再び返流する。共沸混合物形成剤の役割を担う更に別の有機溶剤、例えばヘキサン、1−ヘキセン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンまたはキシレン異性体混合物の添加は排除されないが、僅かな事例に限られる。共沸混合物形成剤は、エステル化反応の開始時に既にか、または比較的高い温度に達してから加えることができる。理論的に予測される水の量が発生したらまたは(例えばDIN53240に従い測定した)ヒドロキシル価が決められた値以下まで低下したら、反応混合物を冷却することによって反応を終了する。
ポリオールと脂肪族モノカルボン酸との間の反応は、使用材料に応じて約120〜180℃の範囲で起こり、そして様々に構成された方法で完了させることができる。
本発明方法の一つの形態では、反応水の除去を容易にするために、先ず室温から開始して最大280℃、好ましくは最大250℃までの温度に加熱し、そして一定に維持された温度の下で圧力を常圧から開始して段階的に低下させる。一段階か二段階かそれともそれ以上の多段階かの圧力段階の選択並びに各段階に調節すべき圧力の選択は広い範囲にわたって変えることができ、個々の条件に適合させることができる。例えば、第一段階において圧力を常圧から開始して先ず600hPaまで低め、次いで反応を300hPaの圧力で完了させることができる。これらの圧力の記載は、有利に遵守される基準値である。
圧力を変化させる他、同様に温度も、エステル化反応中に室温から出発して一段階、二段階またはそれ以上の段階で変化させることができ、そうして一定に調節された圧力下に温度を段階毎に、通常は最大280℃の温度まで高める。しかし、段階毎に上昇する温度を最大で280℃まで加熱すること及び圧力も段階毎に低めることが適切であることが判明した。例えば、エステル化反応は、室温から開始して第一段階において190℃までの温度で行うことができる。同様に、反応水の排除を加速するために600hPaまでの低められた圧力が適用される。190℃の温度段階に達したら、圧力をもう一度300hPaまで下げ、そしてエステル化反応を250℃までの温度で終了させる。これらの温度及び圧力の値は、合目的的に遵守される基準値である。個々の段階において調節すべき温度及び圧力条件、段階の数、及び単位時間当たりの各々の温度上昇または圧力低下速度は幅広い範囲で変えることができ、そして原料化合物及び反応生成物の物理的性質に応じて適合され、この際、第一段階の温度及び圧力条件は常圧及び室温から出発して調節される。温度を二段階で高め及び圧力を二段階で低下させることが特に有利であることが判明した。
調節すべき圧力の下限は、原料化合物及び生成した反応生成物の物理的性質、例えば沸点及び蒸気圧に依存し、そしてプラント装備によっても決定される。常圧から出発して、この限界値の範囲内で、段階毎に低下する圧力を用いて段階的に作業することができる。分解生成物の生成、中でも色を害する作用をする分解生成物の生成を避けるために、温度の上限、通常は280℃を遵守するべきである。温度段階の下限は反応速度によって決定され、この反応速度は、許容可能な時間内でエステル化反応を完了させるために十分に速いものでなければならない。この限界値の範囲内で、段階毎に高まる温度を用いて段階的に作業することができる。
反応の終了後に生ずる反応混合物は、所望の反応生成物としてのポリオールエステルの他に、場合により、未反応の原料、特に、本発明方法の好ましい形態に従い酸過剰で作業した場合には、なおも過剰の脂肪族モノカルボン酸を含む。仕上げのためには、過剰の未反応の原料を留去し、これは合目的的には低められた圧力の適用下に行われる。酸性触媒をエステル化段階に加えた場合には、このような酸性触媒、例えば溶解した硫酸または固形の硫酸水素カリウムを除去するため及び酸性成分の最後の残渣を除去するためには、アルカリ剤、例えば炭酸ナトリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液での処理または例外的なケースでは濾過も設けることができる。
その後、未反応の原料化合物及び場合によっては使用された触媒が除去された粗製エステルを、オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理、その直後の水蒸気処理及び最後の乾燥を含む本発明の処置に従い仕上げし、この際、仕上げ中の慣用の吸着剤、例えば活性炭、高表面積ポリケイ酸、例えばシリカゲル(シリカゲル−キセロゲル)、珪藻土、高表面積酸化アルミニウム類及び酸化アルミニウム水和物類、鉱物材料、例えば粘土または炭酸塩の使用は無しで済ませられる。助剤の使用無しに、十分に低い過酸化物価を有する色の明るいポリオールエステルが得られ、これは、他の規格、例えば含水率、残留酸含有率及びモノエステルの残留含有率も満たす。
精製されたポリオールエステルは、乾燥中に、優れた品質をもって反応容器中に残渣として残り、そして追加の濾過段階は通常は必要ではなく、僅かな例外的なケースに限られる。
本発明方法に原料して使用される多価アルコールまたはポリオールは以下の一般式(I)を満たす。
R(OH)(I)
式中、Rは、炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の脂肪族または環状脂肪族炭化水素残基を意味し、そしてnは2〜8の整数、好ましくは2、3、4、5または6を意味する。
同様に以下の一般式(II)の化合物もポリオールとして適している。
H−(−O−[−CR−]−)−OH (II)
式中、R及びRは、互いに独立して、水素、炭素原子数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル、エチルもしくはプロピル、または炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシメチル基を意味し、mは1〜10の整数、好ましくは1〜8の整数、特に1、2、3または4を意味し、oは2〜15の整数、好ましくは2〜8の整数、特に2、3、4または5を意味する。
本発明方法に従い明るい色のポリオールエステルに転化することができるポリオールとしては、例えば1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチロールブタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジ−トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリトリトールもしくはジ−ペンタエリトリトール、または3(4),8(9)−ジヒドロキシメチル−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカンが適している。
更に別のポリオールとしては、エチレングリコール及び1,2−プロピレングリコール及びそれらのオリゴマー、特にエーテルジオールであるジ−、トリ−及びテトラエチレングリコールまたはジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールまたはテトラプロピレングリコールが挙げられる。エチレン−及びプロピレングリコールは工業的に生産されている化学品である。それらの製造のための基本物質はエチレンオキシド及びプロピレンオキシドであり、これらから、圧力下に水と一緒に加熱することによって1,2−エチレングリコール及び1,2−プロピレングリコールが得られる。ジエチレングリコールは、エチレングリコールからエトキシル化することによって得られる。トリエチレングリコール並びにテトラエチレングリコールは、エチレングリコールを製造するためのエチレンオキシドの加水分解の際に副生成物として生ずる。これらの両化合物は、エチレングリコールをエチレンオキシドと反応させることによっても合成することができる。ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール及びより高級のプロポキシル化生成物は、1,2−プロピレングリコールにプロピレンオキシドを複数回付加して得ることができる。
本発明方法に従い明るい色のポリオールエステルを得るためには、分子中に3〜20個の炭素原子を有する線状もしくは分枝状の脂肪族モノカルボン酸を使用する。多くの場合に飽和酸が好ましいが、可塑剤または潤滑剤の個々の使用分野に依存して、不飽和カルボン酸もエステル合成のための反応成分として使用することができる。ポリオールエステルの構成要素としてのモノカルボン酸の例は、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−ペンタン酸、2−メチル−酪酸、3−メチル酪酸、2−メチルペンタン酸、n−ヘキサン酸、2−エチル酪酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、2−メチルオクタン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−プロピルヘプタン酸、2−メチルウンデカン酸、イソウンデカンカルボン酸、トリシクロデカンカルボン酸及びイソトリデカンカルボン酸である。該新規方法は、モノエチレングリコールもしくはオリゴマー性エチレングリコール並びに1,2−プロピレングリコールもしくはオリゴマー性プロピレングリコールとC〜C13−もしくはC〜C10−モノカルボン酸とのポリオールエステルの製造に、並びに1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、トリメチロールプロパン、ジ−トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールまたは3(4),8(9)−ジヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02.6]デカンに基づくポリオールエステルの製造のために特に有効であることが判明した。
エチレングリコール並びにそれのオリゴマーのポリオールエステルは、全ての慣用の高分子量熱可塑性物質用の可塑剤として優れて適している。これは、特に、多層もしくは複合ガラスの製造のための中間層としてグリコールエステルと混合して使用されるポリビニルブチラールへの添加剤として有効であることが判明した。これらは、同様に、コーティング材として様々な用途がある、プラスチックの水性分散体中の凝集剤(Koaleszenzmittel)または成膜助剤としても使用することができる。本発明の製造方法に従い、優れた色特性を有するポリオールエステルを簡単に、通例の吸着剤を使用すること無く、製造することができ、これは、更なる品質要求、例えば少ない臭いまたは低い酸価を満たす。本発明の方法は、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3G8エステル)、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(4G7エステル)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3G6エステル)、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(3G7エステル)またはテトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4G8エステル)の製造に特に適している。
本発明方法は、化学技術に典型的な反応装置中で連続的にまたはバッチ式に行うことができる。オゾンまたはオゾン含有ガスのための送り管、例えば浸漬管またはベースフリット(Bodenfritte)を備え、かつ加熱装置及び取り付けられたカラム部を装備した、攪拌タンクまたは反応管が有用であることが判明した。
以下の例では、本発明方法をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
色の明度向上の試験のためには、触媒及び同伴剤を添加せずに、トリエチレングリコールを2.6モル量の2−エチルヘキサン酸でエステル化して得られた、89のハーゼン単位の色数を有する粗製トリエチレングリコール−ジ−2−エチル−ヘキサノエートを使用した。ガスクロマトグラフィで求めたトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートの含有率(重量%)は97.4%、トリエチレングリコール−モノ−2−エチルヘキサノエートの含有率(重量%)は1.4%、残部(計100重量%)は1.2%であった。
この粗製トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートの仕上げは、それぞれ1リットルの粗製生成物を用いて、攪拌機、内部温度計及び孔径3Gのビーズフリットを有する送り管を備えた加熱可能な2リットル容積の四つ首フラスコ中で行った。ITT Wedeco GmbH製のオゾン発生器Modular8HC(BHT964)中で、立方メータ当たり21gのオゾンのオゾン濃度を有するオゾン含有酸素流を作り、これを、0.025m/時間の速度で、ビーズフリットを通して、70℃の温度及び0.5時間の期間にわたり強力な攪拌下に上記粗製エステル中に通した。
その後の水蒸気蒸留のために、オゾン送り管を、1リットルの受け器を装備した蒸留橋(Destillationsbruecke)に取り替え、そして前記2リットル容積四つ首フラスコに、水蒸気導通用の浸漬管を装備した。蒸留カラム中には、白金ネットを取り付け、これに、過酸化物が負荷された追い出された水蒸気を通した。
以下に記載の条件に従い水蒸気蒸留を実施した後、水蒸気の供給を停止し、そして最後の乾燥のために、蒸留橋を介して負圧を適用した。吸着剤及び還元剤を使用することなく、色が明るく規格を満足するポリオールエステルが残留物として得られた。
例1:
オゾン処理の直後の水蒸気蒸留は、以下の条件下に白金ネットを使用して行った。
Figure 0005641644
次いで、以下の乾燥条件を調節した。
Figure 0005641644
処理の終了後、クロマトグラフィで求めた以下の含有率を有する色の明るいポリオールエステルが得られた。
Figure 0005641644
特性値は次の通りであった。
Figure 0005641644
水蒸気蒸留の蒸留物では、0.7meqO/kgの過酸化物含有率が確認された。
例2
水蒸気蒸留を、白金ネットを使用せずに行ったことだけを除いて例2を例1と同様にして行った。得られた蒸留物は9.0meqO/kgの過酸化物含有率を示した。この精製されたポリオールエステルの特性値は、例1に従い示された値に相当した。
例3(比較例)
比較として、1リットルの粗製エステルを、純粋な酸素で0.5時間の期間及び70℃の温度でガス処理した。原料に対してほんの僅かな色数の向上しか観察されず、水蒸気蒸留及びその後の乾燥による仕上げは省略した。6時間までの処理時間で初めて、45のハーゼン色数を有する粗製エステルが得られた。しかし、処理時間が長かったために、増強されて発生した解裂反応が観察された。この解裂反応は、粗製生成物中、97.1重量%へのジエステル含有率の低下、及び1.4重量%へのモノエステル及び1.5重量%への残部の増加を招いた(ガスクロマトグラフィによって求めた値)。
粗製エステル化混合物を、未反応の原料化合物を分離した後にオゾンで処理し、その直後に、更なる中間段階無しに、水蒸気処理を行う本発明の処置によって、吸着剤を使用せずに、高い色安定性を有する明るい色のポリオールエステルを製造することができる。本発明方法の更に別の形態では、水蒸気処理の間に追い出された水蒸気を白金ネットと接触させることができる。この処置によって、分離された蒸留物中の過酸化物含有量をかなり激減させることができ、それによって、高い過酸化物含有率を有する蒸留物量が発生する場合には克服しなければならないだろう安全技術上の問題を避けることができる。
本願は、特許請求の範囲に係る発明に関するものであるが、開示は以下も包含する。
1.
ポリオールを、炭素原子数3〜20の線状もしくは分枝状脂肪族モノカルボン酸と反応させ、次いで吸着剤を使用せずに反応混合物を仕上げすることによってポリオールエステルの色を明るくする方法であって、未反応原料化合物の分離の後に、反応生成物を、ポリオールエステル1リットル当たり0.01〜5.0グラムのオゾンの量でオゾンまたはオゾン含有ガスで処理し、その直後に、更に別の中間段階無しで、水蒸気処理を行い、そして後に残ったポリオールエステルを乾燥することを特徴とする、上記方法。
2.
ポリオールエステル1リットルあたり0.2〜0.8gのオゾンを使用することを特徴とする、上記1の方法。
3.
オゾン含有ガスとして、オゾンと空気、酸素、窒素、二酸化炭素または貴ガスからなるガス混合物を使用することを特徴とする、上記1または2の方法。
4.
オゾン濃度が、ガス混合物1m あたり2〜200グラム、好ましくは10〜100グラムのオゾンであることを特徴とする、上記3の方法。
5.
オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理が、−30〜130℃、好ましくは20〜100℃、特に30〜80℃の温度で行われることを特徴とする、上記1〜4のいずれか一つの方法。
6.
オゾン供給量が、1時間あたり及びポリオールエステル1リットルあたり0.1〜5.0、好ましくは0.2〜0.9グラムのオゾンであることを特徴とする、上記1〜5のいずれか一つの方法。
7.
水蒸気処理が、100〜250℃、好ましくは150〜220℃、特に170〜200℃の温度で行われることを特徴とする、上記1〜6のいずれか一つの方法。
8.
水蒸気処理の際に排出される水蒸気を、ガス状で、元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属と接触させることを特徴とする、上記1〜7のいずれか一つの方法。
9.
水蒸気処理の際に排出される水蒸気を先ず凝縮し、そして凝縮された液状蒸留物を、元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属と接触させることを特徴とする、上記1〜7のいずれか一つの方法。
10.
元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属を固定配置することを特徴とする、上記8または9の方法。
11.
元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属をキャリア上に担持させることを特徴とする、上記10の方法。
12.
キャリアとして、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、活性炭、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムを使用することを特徴とする、上記11の方法。
13.
元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属を、織成物、ネット、編成物、線条、線条の玉状物またはスポンジの形で配置することを特徴とする、上記10の方法。
14.
元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属としてパラジウムまたは白金を使用することを特徴とする、上記8〜13のいずれか一つの方法。
15.
ポリオールエステルを、80〜250℃、好ましくは100〜180℃の温度、及び0.2〜500hPa、好ましくは1〜200hPa、特に1〜20hPaの圧力で乾燥することを特徴とする、上記1〜14のいずれか一つの方法。
16.
後に残ったポリオールエステルを、水蒸気処理の直後に、更なる中間段階無しで、乾燥することを特徴とする、上記1〜15のいずれか一つの方法。
17.
ポリオールとして、以下の一般式(I)の化合物を使用することを特徴とする、上記1〜16のいずれか一つの方法
R(OH) (I)
[式中、Rは、炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の脂肪族または環状脂肪族炭化水素残基を意味し、そしてnは、2〜8の整数、好ましくは2、3、4、5または6を意味する]
18.
ポリオールとして、一般式(II)の化合物を使用することを特徴とする、上記1〜16のいずれか一つの方法。
H−(−O−[−CR −] −) −OH (II)
[式中、R 及びR は、互いに独立して、水素、炭素原子数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル、エチルもしくはプロピル、または炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシメチル基を意味し、mは1〜10の整数、好ましくは1〜8の整数、特に1、2、3または4を意味し、oは、2〜15の整数、好ましくは2〜8の整数、特に2、3、4または5を意味する]
19.
ポリオールとして、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチロールブタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリトリトール、エチレングリコール、または3(4),8(9)−ジヒドロキシ−メチルトリシクロ[5.2.1.0 2.6 ]デカンを使用することを特徴とする、上記17の方法。
20.
ポリオールとして、ジ−トリメチロールプロパン、ジ−ペンタエリトリトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールまたはテトラプロピレングリコールを使用することを特徴とする、上記18の方法。
21.
脂肪族モノカルボン酸として、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−ペンタン酸、2−メチル酪酸、3−メチル酪酸、2−メチルペンタン酸、n−ヘキサン酸、2−エチル酪酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、2−メチルオクタン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸または2−プロピルヘプタン酸を反応させることを特徴とする、上記1〜20のいずれか一つの方法。
22.
トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレートもしくはトリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエートまたはテトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートの製造のための、上記1〜21のいずれか一つの方法。

Claims (25)

  1. 次の一般式(II)
    H−(−O−[−CR−]−)−OH (II)
    [式中、R 及びR は、互いに独立して、水素、炭素原子数1〜5のアルキル基、または炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基を意味し、mは1〜10の整数を意味し、oは2〜15の整数を意味する]
    で表されるポリオールを、炭素原子数3〜20の線状もしくは分枝状脂肪族モノカルボン酸と反応させ、次いで吸着剤を使用せずに反応混合物を仕上げすることによってポリオールエステルの色を明るくする方法であって、未反応原料化合物の分離の後に、反応生成物を、ポリオールエステル1リットル当たり0.01〜5.0グラムのオゾンの量でオゾンまたはオゾン含有ガスで処理し、その直後に、更に別の中間段階無しで、水蒸気処理を100〜250℃の温度で0.5〜5時間の期間にわたり行い、そして後に残ったポリオールエステルを乾燥することを特徴とする、上記方法。
  2. ポリオールエステル1リットルあたり0.2〜0.8gのオゾンを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. オゾン含有ガスとして、オゾンと空気、酸素、窒素、二酸化炭素または貴ガスからなるガス混合物を使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. オゾン濃度が、ガス混合物1mあたり2〜200グラムのオゾンであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理が、−30〜130℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. オゾンまたはオゾン含有ガスでの処理が、20〜100℃の温度で行われることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. オゾン供給量が、1時間あたり及びポリオールエステル1リットルあたり0.1〜5.0グラムのオゾンであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の方法。
  8. オゾン供給量が、1時間あたり及びポリオールエステル1リットルあたり0.2〜0.9グラムのオゾンであることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 水蒸気処理が、150〜220℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の方法。
  10. 水蒸気処理が、170〜200℃の温度で行われることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 水蒸気処理の際に排出される水蒸気を、ガス状で、元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属と接触させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
  12. 水蒸気処理の際に排出される水蒸気を先ず凝縮し、そして凝縮された液状蒸留物を、元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属と接触させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
  13. 元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属を固定配置することを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
  14. 元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属をキャリア上に担持させることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. キャリアとして、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、活性炭、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムを使用することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属を、織成物、ネット、編成物、線条、線条の玉状物またはスポンジの形で配置することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  17. 元素周期律表の第9族〜第11族の貴金属としてパラジウムまたは白金を使用することを特徴とする、請求項1116のいずれか一つに記載の方法。
  18. ポリオールエステルを、80〜250℃の温度、及び0.2〜500hPaの圧力で乾燥することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法。
  19. ポリオールエステルを、100〜180℃の温度、及び1〜200hPaの圧力で乾燥することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 後に残ったポリオールエステルを、水蒸気処理の直後に、更なる中間段階無しで、乾燥することを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一つに記載の方法。
  21. ポリオールとして、次の一般式(II)の化合物を使用することを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一つに記載の方法。
    H−(−O−[−CR −] −) −OH (II)
    [式中、R 及びR は、互いに独立して、水素、メチル、エチルもしくはプロピル、またはヒドロキシメチル基を意味し、mは1〜8の整数を意味し、oは2〜8の整数を意味する]
  22. mが1、2、3または4を意味し、oが2、3、4または5を意味することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  23. ポリオールとして、ジ−トリメチロールプロパン、ジ−ペンタエリトリトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールまたはテトラプロピレングリコールを使用することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  24. 脂肪族モノカルボン酸として、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−ペンタン酸、2−メチル酪酸、3−メチル酪酸、2−メチルペンタン酸、n−ヘキサン酸、2−エチル酪酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、2−メチルオクタン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸または2−プロピルヘプタン酸を反応させることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一つに記載の方法。
  25. トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレートもしくはトリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエートまたはテトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートの製造のための、請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法。
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