JP5639106B2 - D/a変換器 - Google Patents

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Description

本発明はデジタル/アナログ変換(D/A変換)器に関し、特に電流加算型D/A変換器に関する。
入力されたデジタル信号を高速にアナログ信号に変換できるD/A変換器として、電流加算型のD/A変換器が知られている。このようなD/A変換器は、例えば、非特許文献1に記載されている。非特許文献1に記載されたD/A変換器は、電流加算型のD/A変換器を用い、0.35μmCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスにおいて500MSample/sという高速動作を実現している。
図4は、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタで構成された差動出力を持つ従来のバイナリ構成のnビット電流加算型D/A変換器を示した図である。図4に示した電流加算型D/A変換器は、電流源111と、差動スイッチトランジスタ(差動スイッチトランジスタ)131、141と、カスコード(Cascode)トランジスタ151、161がLSB(Least Significant Bit)であるビット1のユニットセルuを構成している。
図4に示したD/A変換器は、ユニットセルuと同様のユニットセルをn個備えることにより、バイナリ構成のnビット電流加算型D/A変換器を実現している。
nビットの差動デジタルバイナリ被変換データのデータを、LSBからD1、D2、・・・Dnとし、D1、D2、・・・Dnをそれぞれ論理反転したデータをD1’、D2’、・・・Dn’とする。
n個のユニットセルの各々に含まれる電流源112〜11nによって供給される電流値には、電流源111を基準として、漸次2のべき乗の重み付けがされている。電流源111〜111nから供給される電流は、各デジタル被変換コードに応じて、差動スイッチトランジスタ131〜13n、141〜14nが出力OUTPノード、もしくはOUTPノードの反転出力であるOUTNノードに振り分けられる。そして、電流を電圧に変換するための出力負荷100、101によって差動出力電圧に変換される。図4に示したD/A変換器は、以上のようにしてD/A変換を行っている。
差動スイッチトランジスタ131〜13n、141〜14nの各々と、出力負荷100、101との間には、カスコードトランジスタ151〜15n、161〜16nが設けられている。カスコードトランジスタ151〜15n、161〜16nは、OUTPノード、OUTNノードの電圧変動が各差動スイッチに伝わらないように設置されている。
このようなD/A変換器では、差動スイッチを構成する差動スイッチトランジスタ131〜13n、141〜14nのゲート幅が、トランジスタを含むユニットセルに該当するビット数(以下、「ユニットセルのビット数」とも記す)に応じて異なっている。なお、本明細書では、トランジスタの「ゲート幅」が、MOSトランジスタのソース、ドレインとゲートとが接している部分の長さを指すものとする。また、「ゲート長」が、ソース、ドレインとゲートとが接している部分の長さ方向に垂直な方向のゲートの長さを指すものとする。
つまり、各ユニットセルに含まれる差動スイッチトランジスタ131〜13n、141〜14nのゲート幅は、ユニットセルのビット数が1つ小さくなるごとに、nビット(Most Significant Bit)目のユニットセルに含まれる差動スイッチトランジスタ131〜13n、141〜14nのゲート幅を基準にして順次半分になっている(以下、「スケールダウンしている」とも記す)ことが望ましい。また、カスコードトランジスタ151〜15n、161〜16nにおいても、そのゲート幅は、ユニットセルのビット数が1つ小さくなるごとに、nビット目のユニットセルに含まれるカスコードトランジスタ151〜15n、161〜16nのゲート幅を基準にして順次スケールダウンしていることが望ましい。
なお、このとき、MOSトランジスタのゲート長Lは、ユニットセルが何ビット目にあたるかに関わらず全て同じ値とする。
また、本明細書では、1つのユニットセルに含まれるトランジスタのゲート幅を、nビット目のユニットセルに含まれるトランジスタのゲート幅を基準にして順次半分にスケールダウンすることを、以降、「理想的なスケールダウン」とも記すものとする。
図5は、従来のD/A変換器のユニットセルを具体的に示した図である。図5に示したユニットセルは、差動スイッチトランジスタ131、141と、カスコードトランジスタ151、161との間にノードP1とノードN1を有している。ノードP1、ノードN1には、カスコードトランジスタ151、161のソースの寄生容量と、差動スイッチトランジスタ131、141のドレインの寄生容量と、配線の引き回しに起因する寄生容量が生じる。その総和を等価的に対接地容量として表現したものが容量201、202である。ここでは、容量201、201の値をC1とする。
容量201、202の支配要因は、カスコードトランジスタ151、161と差動スイッチトランジスタ131、141である。このため、寄生容量の容量値C1は、トランジスタ131、141、カスコードトランジスタ151、161のゲート幅に比例して増大する。すなわち容量201、202の容量値は、ユニットセルのビット数が1ビット減るごとに、nビットのユニットセルの寄生容量を基準にして、順次半分になる。
図5に示したトランジスタ131のゲート電圧が十分高く、オン状態であるとき、トランジスタ131と接続されるカスコードトランジスタ151には電流Iが流れる。ここでは、電流源111の流す定電流値をIとし、ノードP1の電圧をV1とする。また、ゲート、ソース間電圧をVon1+Vtとすると、V1は以下の式(1)で示される。ここで、VtはMOSトランジスタの閾値電圧であり、カスコードトランジスタ151、161はバイアス電圧Vbで適切にバイアスされている。
V1=Vb−Vt−Von1 …式(1)
一方、トランジスタ131のゲート電圧が十分低く、トランジスタがオフ状態のとき、トランジスタ131と接続されるカスコードトランジスタ151には電流は流れない。このときのノードP1の電圧をV2とする。V2は、カスコードトランジスタ151がオンしないことから、以下の式(2)で示される。
V2≧Vb−Vt …式(2)
また、ノードP1の電圧が電圧V1から電圧V2に変化する際の容量201の充放電時間tは、以下の式(3−1)、(3−2)によって求められる。なお、図5に示したノードN1の容量202の充放電時間tも、容量201と同様に、式(3−1)、(3−2)によって表される。
t=C1(V2−V1)/I …式(3−1)
t≧C1・Von1/I …式(3−2)
図6は、図4に示したD/A変換器おいて、アナログ変換されるデジタル信号のビット数nを7としたときのトランジスタのゲート幅と、寄生容量の値C1と、電流源から流れる電流値Iと、寄生容量の充放電時間tとの関係を示した図である。図6においては、説明の簡単のため、差動スイッチトランジスタのゲート幅Wdと、カスコードトランジスタのゲート幅WcとがいずれもWであるとした。また、MSBの充放電時間を1として規格化している。このような構成では、ユニットセルに割り当てられたビットが1ビット下がるごとに、MOSサイズが理想的にスケールダウンされた場合には、各ユニットセル内の寄生容量の充放電時間が等しくなる。
以上の構成では、全てのユニットセルにおいて内部の寄生容量の充放電時間が等しくなる。このため、全てのユニットセルの出力電流の立ち上がりや立下りのスピードが等しくなり、D/A変換後のアナログ信号は歪み成分が含まれない綺麗なアナログ信号となる。
しかし、上記した従来の構成においては、各ユニットセル間の出力電流の立ち上がりや立下りのスピードの差が、デジタル/アナログ変換のサンプリング周期と比較して無視できないほど大きくなる場合がある。このような場合、D/A変換器から出力されるアナログ信号には、歪みが発生する。アナログ信号の歪みは、高速なサンプリング周波数が必要となる高分解能なD/A変換器や、入力デジタル信号が高速なD/A変換器において、顕著になる。
また、MOSトランジスタを用いたD/A変換器の設計において、カスコードトランジスタと差動スイッチトランジスタの、理想的なサイズスケールダウンを行うためには、LSB側ビットのMOSトランジスタのゲート幅を製造プロセスで許容される最小値以上にする必要がある。このため、従来技術では、MSBのカスコードトランジスタや差動スイッチトランジスタのゲート幅に、大きな値を選択する必要がある。しかし、差動スイッチやカスコードトランジスタのゲート幅を大きくすることは、高速動作の阻害要因である寄生容量C1を大きくすることになる。
IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS,VOL.33,DECEMBERT 1998 A 10-b, 500-MSample/s CMOS DAC in 0.6mm2.
しかしながら、実際のMOSトランジスタの製造では、製造できるMOSトランジスタのサイズが、プロセス条件等によって制限される。このため、高速動作を優先してMSBの差動スイッチトランジスタやカスコードトランジスタのゲート幅を小さくすると、LSB側において差動スイッチトランジスタやカスコードトランジスタを理想的にスケールダウンできない場合がある。
図7は、図4に示したD/A変換器において、トランジスタのゲート幅と、寄生容量の容量値C1と、電流源の電流値Iと、容量201、202の充放電時間tの関係を示した図である。図7に示した例では、D/A変換器でアナログ変換されるデジタル信号のビット数nは7、製造プロセス上のMOSトランジスタのゲート幅の下限値が4であるものとする。なお、ここでは、説明の簡単のため、差動スイッチトランジスタのゲート幅Wdと、カスコードトランジスタのWcとがいずれもWであるとする。また、図7に示した例では、上記した式(3)において、t=C1×Von1/Iとする。そして、MSBの充放電時間を1として規格化する。
式(3−1)、(3−2)によれば、寄生容量の充放電時間tは、寄生容量値に比例することが分かる。また、図7から、ビット1(=LSB)とビット2においては幅Wが理想値を選択できないため、寄生容量の充放電時間がビット1とビット2のみ遅くなることが分かる。ビット1とビット2とにおいて放電時間が遅くなることは、D/A変換器から出力されるアナログ信号に歪みが発生する原因となる。
以上説明したように、高速動作が必要な従来の電流加算型D/A変換器では、LSB側のビットにおいてトランジスタサイズを理想的にスケールダウンできない場合、出力されるアナログ信号に歪みが発生するという問題がある。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、高速動作が可能であって、しかも出力信号の歪みが少ない電流加算型のD/A変換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様のD/A変換器は、電流源(例えば図1に示した定電流源511)と、電流源から電流の供給を受け得るカスコードトランジスタ(例えば図1に示したカスコードトランジスタ551、561)と、電流源とカスコードトランジスタとの間に接続され、電流源からカスコードトランジスタへの電流の供給を制御する差動スイッチ(例えば図1に示した差動スイッチトランジスタ531、541)と、を含むn(nは3以上の整数)個のユニットセル(例えば図1に示したユニットセルu1、図3に示したユニットセル)を備え、n個のユニットセルのうちの少なくとも一部は、カスコードトランジスタのソース、ドレイン間に、一定の値の補助電流を供給する補助電流源(例えば図1に示した補助電流源590、591、図3に示した補助電流源790〜793)を含み、ユニットセルが、nビットのバイナリ構成(例えば図3に示したバイナリ構成401)を有し、第1ビットのユニットセルから第mビット(m<n、mは2以上の整数)までのユニットセルの差動スイッチとして機能する差動スイッチトランジスタ及びカスコードトランジスタのゲート幅はユニットセルのビット数に応じて変化することがなく、第m+1ビット以降のユニットセルに含まれる差動スイッチトランジスタ及びカスコードトランジスタのゲート幅は、ユニットセルのビット数に応じて変化していることを特徴とする。
このように構成することにより、カスコードトランジスタのソース、ドレイン間に常に一定の電流が供給されるようになる。このため、ユニットセルにおける寄生容量の充放電時間を短くし、寄生容量の充放電にかかる遅れを緩和することができる
このように構成することにより、プロセス等の制限によって理想的にスケールダウンできない程度のゲート幅が要求されるユニットセルにあっては、補助電流源を設けることによって寄生容量の充放電にかかる遅れを緩和することができる。このため、ゲート幅は等しいが電流源の電流値が異なる複数のユニットセルにおいて、寄生容量の充放電にかかる時間を一定の時間に近づけることができる。
また、本発明の一態様のD/A変換器は、上記発明において、補助電流の値が、電流源によって供給される電流の値よりも小さいものであってもよい。
また、本発明の一態様のD/A変換器は、上記発明において、kビットサーモメーター構成(kは整数)の他のD/A変換器(例えば図3に示したサーモメータ402)を、さらに含むようにしてもよい。
上記態様の本発明によれば、高速動作が必要な電流加算型のD/A変換器に含まれる複数のユニットセル間において、寄生容量の充放電時間をほぼ等しくすることができる。このため、高速動作が可能であって、かつ、出力信号の歪みの小さい電流加算型D/A変換器を提供することができる。
本発明の一実施形態のD/A変換器に適用されるユニットセルを説明するための図である。 図1に示したユニットセルを用いたD/A変換器における、トランジスタのゲート幅と、寄生容量の容量値と、定電流源から供給される電流値と、補助電流源から供給される補助電流と、寄生容量の充放電時間の関係と、を示した図である。 本発明の一実施形態のD/A変換器を説明するための図である。 従来のバイナリ構成のnビット電流加算型D/A変換器を示した図である。 従来のD/A変換器のユニットセルを具体的に示した図である。 図4に示したD/A変換器の、トランジスタのゲート幅と、寄生容量の値と、電流源から流れる電流値と、寄生容量の充放電時間と、の関係を示した図である。 図4に示したD/A変換器が理想的にスケールダウンされていないときの、トランジスタのゲート幅と、寄生容量の値と、電流源から流れる電流値と、寄生容量の充放電時間と、の関係を示した図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
(ユニットセル)
図1は、本実施形態のD/A変換器に適用されるユニットセル(例えばユニットセルu1とする)を説明するための図である。ユニットセルu1は、差動スイッチを構成する差動スイッチトランジスタ531、541と、カスコードトランジスタ551、561と、を備えている。さらに、ユニットu1は、2つの補助電流源590、591と、2つの補助電流源用カスコードトランジスタ571、581と、を備えている。
差動スイッチトランジスタ531、541は、そのソース同士が接続されていて、互いに接続されたソースには定電流源511が接続されている。差動スイッチトランジスタ531のドレインには、カスコードトランジスタ551のソースが接続されている。差動スイッチトランジスタ541のドレインには、カスコードトランジスタ561のソースが接続されている。
補助電流源用カスコードトランジスタ571のソースには、補助電流源590が接続されている。補助電流源用カスコードトランジスタ571のドレインはカスコードトランジスタ551のソースに接続されていて、カスコードトランジスタ551は補助電流源用カスコードトランジスタ571を介して補助電流源590から補助電流の供給を受けている。
また、補助電流源用カスコードトランジスタ581のソースには、補助電流源591が接続されている。補助電流源用カスコードトランジスタ581のドレインはカスコードトランジスタ561のソースに接続されていて、カスコードトランジスタ561は補助電流源用カスコードトランジスタ581を介して補助電流源591から補助電流の供給を受けている。カスコードトランジスタ551、561はバイアス電圧Vb1によって適切にバイアスされ、また補助電流源用カスコードトランジスタ571、581はバイアス電圧Vb2によって適切にバイアスされている。
また、図1では、差動スイッチトランジスタ531、カスコードトランジスタ551間のノードに符号P5を付し、差動スイッチトランジスタ541、カスコードトランジスタ561間のノードに符号N5を付す。
ノードP5には、カスコードトランジスタ551のソースの寄生容量と、差動スイッチトランジスタ531のドレインの寄生容量と、配線の引き回しによる寄生容量とが生じる。図1では、この寄生容量を対接地容量として表現し、図1中に容量501と記す。また、ノードN5には、カスコードトランジスタ561のソースの寄生容量と、差動スイッチトランジスタ541のドレインの寄生容量と、配線の引き回しによる寄生容量とが生じる。図1では、この寄生容量を対接地容量として表現し、図1中に容量502と記す。本実施形態では、容量501、502の容量値をいずれもC5とする。
容量501、502の容量値C5は、カスコードトランジスタ551、561と、差動スイッチトランジスタ531、541と、補助電流源用カスコードトランジスタ571、581のサイズ(ゲート幅W、ゲート長L)に比例して増大する。
差動スイッチトランジスタ531のゲート電圧が十分高く、差動スイッチトランジスタ531がオン状態のとき、カスコードトランジスタ551のソースには、定電流源511から電流Iが、補助電流源590から補助電流Ibypが流れ込む。このときのカスコードトランジスタ551のゲート、ソース間電圧を、Von2+Vtとし、ノードP5の電圧をV3とする。電圧V3は、以下の式(4)によって表される。
V3=Vb2−Vt−Von2 …式(4)
一方、差動スイッチトランジスタ531のゲート電圧が十分低く、オフ状態のとき、カスコードトランジスタ551には補助電流源590のみから補助電流Ibypが流れ込む。このとき、カスコードトランジスタ551のゲートとソース間電圧をVon3+Vtとし、ノードP5の電圧をV4とする。電圧V4は、以下の式(5)によって表される。
V4=Vb2−Vt−Von3 …式(5)
また、ノードP5の電圧がV4からV3に変化する際の充放電時間tは、以下の式(6−1)、式(6−2)によって表される。なお、ノードN5の電圧がV4からV3に変化する際の充放電時間tも、同様に、以下の式(6−1)、式(6−2)によって表される。
t=C5・(V4−V3)/(I+Ibyp) …式(6−1)
t=C5・(Von3−Von2)/(I+Ibyp) …式(6−2)
なお、式(6)に示したVon3とVon2は、カスコードトランジスタ551、561が飽和状態にバイアスされていることから、以下に示す式(7)によって表される。式(7)において、μはカスコードトランジスタ551、561におけるキャリアの移動度、Coxはカスコードトランジスタ551、561のゲート酸化膜の単位容量である。
Von+Vt={(I/(μ・Cox・W/L))}1/2+Vt …式(7)
以上説明したように、本実施形態では、差動スイッチトランジスタ531、541からカスコードトランジスタ551、561に流れる電流に、常に補助電流源590、591から一定の補助電流を加算することができる。このため、本実施形態では、カスコードトランジスタ551、561に、常に電流を流した状態に保つことができる。そして、このような本実施形態によれば、ノードP5の電圧変化量と、ノードN5の電圧変化量とを小さく抑えることができる。換言すれば、本実施形態は、補助電流源590、591を設け、補助電流Ibypを供給することにより、寄生容量の充放電時間を制御できる。
なお、本実施形態では、補助電流源590、591から供給される補助電流Ibypは、定電流源511から供給される電流Iより小さいものとする。このような構成によれば、電流Iがカスコードトランジスタ551、561を流れない場合と流れる場合とのノードP5、N5の電圧変化量を、補助電流Ibypが補うことができる。
図2は、図1に示したユニットセルを用いたD/A変換器における、トランジスタのゲート幅Wと、寄生容量の容量値C5と、定電流源511から供給される電流値Iと、補助電流源590、591から供給される補助電流Ibypと、寄生容量の充放電時間tの関係と、を示した図である。図2に示した例では、D/A変換器でアナログ変換されるデジタル信号のビット数nを7、製造プロセス上のMOSトランジスタのゲート幅の下限値が4であるとする。
また、図2に示した例では、D/A変換器のビット1とビット2とのユニットセルにおいて、差動スイッチトランジスタ531、541と、カスコードトランジスタ551、561のサイズを理想的にスケールダウンできなかったものとする。
つまり、図2に示したD/A変換器の例では、ビット3以降はユニットセルのビット数によらずゲート幅が「4」であり、寄生容量値C5も、ユニットセルのビット数によらず一定である。本実施形態のD/A変換器は、ユニットセルのビット数が7から3の範囲で、差動スイッチトランジスタ531、541からカスコードトランジスタ551、561のゲート幅が前のユニットセルに含まれるゲート幅の半分になっている。
そして、ユニットセルのビット数が1、2である場合には、差動スイッチトランジスタ531、541、カスコードトランジスタ551、561のゲート幅が一定になっている。また、本実施形態のD/A変換器では、ビット数によらずゲート幅が一定の1ビット、2ビットのユニットセルにおいてだけ、補助電流源590、591から補助電流がカスコードトランジスタ551、561に供給されている。
そして、ビット1のユニットセルにおいて、補助電流源590、591が定電流源511から供給される電流Iの0.2倍の補助電流Ibypをカスコードトランジスタ551、561に供給する。また、ビット2のユニットセルにおいて、補助電流源590、591が、定電流源511から供給される電流Iの0.1倍の補助電流Ibypを、カスコードトランジスタ551、561とに供給する。
また、ビット3のユニットセルからビット7のユニットセルにおいては、前記した式(3−2)によって表される充放電時間tによって容量501、502の充放電が行われるものとする。また、図2に示した例では、上記した式(3−2)において、t=C1×Von1/Iとする。
図2を図7と比較すると、プロセス条件の制限等によってLSB側ユニットセルを理想的にスケールダウンできなかった場合でも、補助電流源から適切な値の補助電流をカスコードトランジスタ551、561に供給することにより、ユニットセル間の充放電時間差を従来よりも小さくすることができることが明らかである。このことから、本実施形態は、従来よりも歪みが少ない電流加算型D/A変換器を提供することができるものといえる。
(D/A変換器)
次に、本実施形態のD/A変換器を説明する。
図3は、本実施形態のD/A変換器を説明するための図である。本実施形態のD/A変換器は、9ビットセグメンテーション構成の電流加算型D/A変換器であり、LSB側7ビットをバイナリ構成401とし、MSB側の2ビットをサーモメータ構成402として構成している。バイナリ構成401、サーモメータ構成402には、出力電流を電圧に変換するための出力負荷701、702が接続されている。
バイナリ構成401は、7つのユニットセルu1〜u7を備えている。このうち、ユニットセルu1、u2は、図1に示したユニットセル1と同様の構成を有していて、他のユニットセルu3〜u7は、補助電流源及び補助電流源用カスコードトランジスタを含まないユニットセルである。なお、図3において、図1に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。
ユニットセルu2〜u7は、差動スイッチトランジスタ742〜747、732〜737と、カスコードトランジスタ752〜757、762〜767と、電流源712〜717と、を含んでいる。電流源511、電流源712〜717から供給される電流の値は、電流源511から供給される電流を基準として、電流源717から供給される電流の値まで、漸次2のべき乗に重み付けされている。
上記した本実施形態のD/A変換器は、ビット1のユニットセルu1とビット2のユニットセルu2にのみ、図1に示した本実施形態のユニットセルを適用している。このため、ビット1のユニットセルu1が補助電流源590、591を備え、ビット2のユニットセルu2が補助電流源792、793を備えている。そして、補助電流源590、591、792、793から適切な値の電流をカスコードトランジスタ551、561、752、762供給することにより、ビット1のユニットセルu1とビット2のユニットセルu2の内部ノードで発生する、寄生容量の充放電時間の遅れを防ぐことができる。
サーモメータ構成402は、差動スイッチトランジスタ821〜823、831〜833と、カスコードトランジスタ801〜803、811〜813と、電流源721〜723と、を含んでいる。電流源721、722、723は、各々が電流源717から供給される電流値の2倍の電流値を供給できる。
本実施形態のD/A変換器は、9ビットの差動デジタルバイナリ被変換データを、LSBからD1、D2、・・・D9とし、D1、D2、・・・D9をそれぞれ論理反転したデータをD1’、D2’、・・・D9’とする。D101からD103は、2ビットバイナリデータからサーモメータデータを生成する変換器403において、D8、D9から得られる信号である。D’101からD’103は、変換機403から得られる信号であり、D101からD103の論理反転データである。このようなセグメンテーション構成は、D/A変換の静的な線形性を向上させる目的で用いられる公知の構成である。
なお、本実施形態では、9ビットのセグメンテーション構成の電流加算型D/A変換器で本発明の有効性を示したが、本実施形態は、このような構成に限定されるものではない。例えば、本実施形態のバイナリ構成の電流加算型A/D変換器を、A/D変換器の一部として使用する、全A/D変換器に対しても適用できることは自明である。
以上説明した本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、特許請求の範囲により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
401 バイナリ構成
402 サーモメータ構成
403 変換器
501、502 容量
511 電流源
531、541 差動スイッチトランジスタ
551、561 カスコードトランジスタ
571、581 補助電流源用カスコードトランジスタ
590、591、790〜793 補助電流源
711〜717、721〜723 電流源
741〜747、731〜737、821〜823 差動スイッチトランジスタ
751〜757、761〜767、801〜803 カスコードトランジスタ

Claims (3)

  1. 電流源と、当該定電流源から電流の供給を受け得るカスコードトランジスタと、前記電流源と前記カスコードトランジスタとの間に接続され、前記電流源から前記カスコードトランジスタへの電流の供給を制御する差動スイッチと、を含むn(nは3以上の整数)個のユニットセルを備え、
    前記n個のユニットセルのうちの少なくとも一部は、
    前記カスコードトランジスタのソース、ドレイン間に、一定の値の補助電流を供給する補助電流源を含み、
    前記ユニットセルは、nビットのバイナリ構成を有し、第1ビットの前記ユニットセルから第mビット(m<n、mは2以上の整数)までの前記ユニットセルの前記差動スイッチとして機能する差動スイッチトランジスタ及び前記カスコードトランジスタのゲート幅は前記ユニットセルのビット数に応じて変化することがなく、第m+1ビット以降の前記ユニットセルに含まれる前記差動スイッチトランジスタ及び前記カスコードトランジスタのゲート幅は、前記ユニットセルのビット数に応じて変化していることを特徴とするD/A変換器。
  2. 前記補助電流の値が、前記電流源によって供給される電流の値よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のD/A変換器。
  3. kビットサーモメーター構成(kは整数)の他のD/A変換器を、さらに含むことを特徴とする請求項に記載のD/A変換
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