JP5636330B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関し、例えば電池容器から排出される排ガスを捕集して車外に排出する車載用のリチウムイオン二次電池に関する。
近年、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が着目され、その研究、開発及び商品化が急速に進められた結果、現在では、携帯電話やノートパソコン向けに小型民生用リチウムイオン二次電池が幅広く普及している。
一方、地球温暖化や枯渇燃料の問題から電気自動車(EV)や駆動の一部を電気モーターで補助するハイブリッド電気自動車(HEV)が各自動車メーカーで開発され、その電源として高容量で高出力かつ、高い安全性と信頼性を有した二次電池が求められている。
リチウムイオン二次電池は、異常時に電解液が分解してガスが発生し、このガスが電池容器内に充満することで内部圧力が上昇して電池容器が変形する恐れがある。このような事態を回避するため、電池容器内で発生したガスを外部に排出する機構としてガス排出弁が設けられている。そして、ガス排出弁より排出されたガスを車体の外部へと誘導するため、ガス排出機構を備える電池が提案されている。
例えば、ガスを排出する弁を備えた蓄電装置の一例として、電池上面にガス排出弁を備えた複数の単電池が所定方向に配置され、組電池を含む電池スタックが構成され、電池スタックの外面には、組電池を所定方向から拘束する拘束部材を有し、この拘束部材は管状に形成されており、ガス排出弁から排出されるガスを外部に排出するガス排出部を兼ねている(特許文献1)。
特開2010−113888号公報
ところで、リチウムイオン二次電池のガス排出部は、各単電池のガス排出弁より排出されたガスが漏れないように高いシール性を持っている必要がある。しかしながら、前記特許文献1に記載の構成では、単電池全てのガス排出弁を高いシール性を持って覆うことは困難であり、異常時に勢いよくガスが排出された場合、拘束が緩み、ガスが漏れてしまう恐れがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、電池に設けられたガス排出弁より排出されたガスを漏れることなく外部へ排出することが可能な信頼性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極外部端子と負極外部端子の少なくとも一方と蓋体との間を絶縁すると共に、ガス排出弁から排出されるガスを捕集して所定の排出ダクトに案内するガス捕集絶縁部材を有する。
本発明によれば、ガス排出弁から排出されたガスを捕集して所定の排出ダクトに案内できるので、ガスを漏れることなく外部へ排出することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明が適用可能なリチウムイオン二次電池の実施形態の分解斜視図。 (a)は図1のリチウムイオン二次電池のガス捕集絶縁部材の斜視図、(b)は(a)の断面図、(c)は正極接続端子と正極外部端子および正極集電板の組み立て工程を示す断面図。 図1に示すリチウムイオン二次電池を組み立てた状態の外観斜視図。 図3に示すリチウムイオン二次電池とガス排出ダクトとの接続状態を示す斜視図。 図3に示すリチウムイオン二次電池を並べた組電池を示す斜視図。 図5の組電池のガス排出ダクトとの接続状態を示す要部断面図。 本発明に係るリチウムイオン二次電池に用いられるガス捕集絶縁部材の他の実施形態の断面図。
次に、本実施の形態におけるリチウムイオン二次電池について、以下に図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。
本実施の形態におけるリチウムイオン二次電池D1は、図1に示すように、扁平に捲回された捲回電極群1と、捲回電極群1を収容する角形の電池容器2とを有している。
捲回電極群1は、アルミニウム等の金属箔から構成される正極金属箔と、この正極金属箔の表裏面に塗布された正極合剤層とから構成される正極を有すると共に、銅等の金属薄膜から構成される負極金属箔と、この負極金属箔の表裏面に塗布された負極合剤層とから構成される負極とを有し、正極と負極との間にポリエチレン樹脂により形成された多孔質で絶縁性を有するセパレータを挟んで偏平に捲回することによって構成されている。
捲回電極群1は、電池の電力源であり、正極、負極間をリチウムイオンが移動することにより充放電される構造となっている。捲回電極群1は、捲回軸方向一方側に正極集電体露出面3aが形成され、捲回軸方向他方側に負極集電体露出面3bが形成されており、正極集電体露出面及び負極集電体露出面をそれぞれ厚さ方向に圧縮して溶接することにより正極溶接接合部4及び負極溶接接合部5が形成されている。
電池容器2は、上方が開放された薄型の深絞り形状を有する電池缶14と、電池缶14の上方開口を閉塞する蓋体11とを有している。電池缶14には、捲回軸が左右方向に亘って延在し、正極溶接接合部4及び負極溶接接合部5が電池容器2内で左右に配置される姿勢状態で捲回電極群1が収容される。
蓋体11は、アルミニウム合金により形成され、捲回電極群1の上部に沿って延在する帯板形状を有している。蓋体11は、電池缶14の上部開口の形状と一致する形状に形成されており、電池缶14に溶接されて封口する構成となっている。蓋体11の長手方向両端部には、正極接続端子8および負極接続端子9が通される貫通孔が形成されており、蓋体11の長手方向中間位置には、ガス排出弁12および注液孔13が配置されている。
蓋体11の上部には、ガス捕集絶縁部材15が設置されている。ガス捕集絶縁部材15は、正極外部端子16及び負極外部端子17と蓋体11との間を絶縁すると共に、ガス排出弁12から排出されたガスを排気ダクト23、24(図4、5を参照)に案内する構成を有する。ガス捕集絶縁部材15の詳細な構成については後述する。
蓋体11には、正極接続端子8、ガス排出弁12、注液孔13、負極接続端子9の順に配列されており、ガス排出弁12は、正極外部端子8側に偏位した位置に配置され、注液孔13は、負極外部端子9側に偏位した位置に配置されている。
正極接続端子8および負極接続端子9は金属で形成され、図2(c)に示されるように、中央の鍔部と、その下方の大径部、鍔部の上方の中径部、その上方の小径部を有している。下方の大径部は、正極集電板6および負極集電板7の端子部の貫通孔に通され、上方の中径部は、密閉性を保つガスケット10,10を挟んで蓋体11の貫通孔に通され、小径部は、ガス捕集絶縁部材15の貫通孔に通され、さらに、正極外部端子16および負極外部端子17の貫通孔に通される。そして、下方に正極集電板6および負極集電板7の端子部が、そして、上方に正極外部端子16および負極外部端子17が、かしめにより電気的に導通するように固着される構成となっている。
正極接続端子8および負極接続端子9に固着された正極外部端子16および負極外部端子17には、外部負荷等に接続するためのボルト16a,17aが固着されている。正極外部端子16は、アルミニウム合金により形成され、負極外部端子17は銅合金により形成されている。
正極集電板6及び負極集電板7は、捲回電極群1の正極溶接接合部4及び負極溶接接合部5に、例えば超音波溶接等により溶接接合される。図1に示すように、正極集電板6及び負極集電板7は、正極溶接接合部4及び負極溶接接合部5に沿って延在して接合される接続部と、接続部の上部で屈曲されて貫通孔を有する端子部を有する。この端子部の貫通孔に正極接続端子8および負極接続端子9の上部が通され、正極接続端子8および負極接続端子9は絶縁性のガスケット10,10を介して蓋体11の貫通孔に通されている。
次に、ガス捕集絶縁部材15の構成について詳細に説明する。
ガス捕集絶縁部材15は、図2に示すように、正極外部端子16と負極外部端子17の少なくとも一方と蓋体11との間に介在される絶縁部15aと、ガス排出弁12に一端が接続されて所定の排出ダクト23、24に他端が着脱可能に接続されるガス通路部15bとを有する。
ガス捕集絶縁部材15は、正極接続端子8および負極接続端子9の上端部に正極外部端子16および負極外部端子17を組み合わせ、下端部に正極集電板6および負極集電板7を組み合わせてかしめることによって蓋体11と一体化されるものであり、正極外部端子16および負極外部端子17と蓋体11との間を絶縁する役割を持ち、絶縁性樹脂により構成されている。
ガス捕集絶縁部材15は、蓋体11と平面形状が略同一形状を有しており、プラスチック等の絶縁材より射出形成され、正極接続端子8および負極接続端子9が通される貫通孔が形成されている。そして、この貫通孔の周囲は正極接続端子8および負極接続端子9に接続される正極外部端子16および負極外部端子17が配置される外部端子用段差部となっており、かかる部分によって絶縁部15aが構成されている。
ガス捕集絶縁部材15は、ガス通路部15bの一端に、ガス排出弁12に対向してガス排出弁12から排出されたガスを捕集するガスチャンバ部を有しており、ガス通路部15bの他端に、排出ダクト23、24と嵌合して連通接続されるダクト接続部15dを有している。
ガスチャンバ部は、蓋体11との対向面に凹設されている。ガス捕集絶縁部材15と蓋体11との間には、ガス排出弁12のまわりを囲むようにシール材21が挟まれており、ガス排出弁12から排出されるガスの漏れを防止している。ガスチャンバ部は、ガス排出弁12から排出されたガスを円滑にダクト接続部15dのガス排出口15eに導くことができるように、ガス排出弁12から離反するにしたがって漸次狭くなる室内形状を有しており、本実施の形態では、ガス排出弁12に対向して、上方に移行するにしたがってガス捕集絶縁部材15の長手方向中央位置に移行するように傾斜した傾斜面を有している。
ダクト接続部15dは、図2(b)に示されるように正極外部端子16と負極外部端子17との離間距離Lの半分の位置(以下、ガス捕集絶縁部材15の長手方向中央位置という)、すなわち、2分の1の位置(L/2)に配置されている。ダクト接続部15dは、蓋体11に対して直交する方向に延出し、排出ダクト23、24が外嵌される筒形状を有している。ダクト接続部15dの上端部には、ガス通路部15bの下流端として、上方に開口するガス排出口15eが形成されている。
ガス捕集絶縁部材15は、長手方向両側の部位が低く、長手方向中央位置の部位が高く、凸状(富士山状)に突出しており、この突出部位の頂上に、ダクト接続部15dが配置されている。
ダクト接続部15dの右側(負極接続端子9側)は、凹んだ段差形状を有しており、開口穴18が形成されている。開口穴18は、蓋体11の注液孔13に対向する位置に配置される。開口穴18は、注液孔13を外部に露出させる大きさを有しており、注液孔13に連通して蓋体11の注液孔13から電池容器2内に電解液を注液することができ、注液後に注液栓20で注液孔13を密閉する作業ができるようになっている。
ガス捕集絶縁部材15は、突出高さの高い長手方向中央位置のガス排出部から長手方向両側の高さの低い正極外部端子16側および負極外部端子17側に延びる傾斜した補強リブ15cを有している。
正極接続端子8および負極接続端子9でかしめられて、一体化された蓋体11とガス捕集絶縁部材15には、正極接続端子8および負極接続端子9に捲回電極群1が接続されており、捲回電極群1は絶縁袋22で覆われて電池缶14に収容されている。そして、蓋体11の外周の段差部と電池缶14の上端縁部とが嵌合して溶接され、密閉されている。このように電池缶14と蓋体11で封口された電池容器内には非水電解液が注入され、捲回電極群1は電解液中に没入されている。
そして、電池缶14内に捲回電池群1が収容され、蓋体11とガス捕集絶縁部材15を一体化した蓋組立て体により電池缶14が封口されたリチウムイオン二次電池D1は、上部に煙突状に突出するダクト接続部15dが、正極外部端子16と負極外部端子17との間の長手方向中央位置に突出している構成となっている。
上記構成を有するリチウムイオン二次電池D1は、正極と負極をセパレータで挟んで偏平状に捲回して捲回電極群1を形成し、この捲回電極群1に正極溶接接合部4および負極溶接接合部5を形成し、正極集電板6および負極集電板7を接続する。そして、正極接続端子8および負極接続端子9の下部に正極集電板6および負極集電板7を接続し、上部にガスケット10、蓋体11、シール材21、ガス捕集絶縁部材15を重ね、さらに正極外部端子16および負極外部端子17を通して、正極接続端子8および負極接続端子9の上下端部をかしめることで一体化する。
このように一体化された蓋体11とガス捕集絶縁部材15は、正極接続端子8および負極接続端子9に捲回電極群1が接続された状態で絶縁袋22に入れられた後、上方開口の電池缶14に挿入され、蓋体11の周囲と電池缶14の上端縁部とを嵌合させて溶接し密閉して封口される。そして、蓋体11で封口された電池缶14の内部には非水電解液が注入され、リチウムイオン二次電池D1が完成される。
リチウムイオン二次電池D1は、高温の環境下に晒されたり、電極やセパレータの劣化、外部短絡、電池形状の変化等による内部短絡、外部電源による強制的な過大電流充電による急激な温度上昇、過大電圧による過充電がなされた場合、電解液が分解あるいは気化してガスが発生する。このガスが電池容器2内に充満することで電池容器2内の圧力が上昇すると、ガス排出弁12がガスを排出して、電池容器2が膨張変形するのを未然に防ぐ。
リチウムイオン二次電池D1は、図4〜6に示されるように、蓋体11にガス捕集絶縁部材15が一体に設けられており、ダクト接続部15dが煙突状に突出している。ダクト接続部15dの外周面には、円周状の刻みやねじ部が形成されており、電池容器2のガス排出弁12から排出されてガス捕集絶縁部材15で捕集されたガスを外部へと送るための排出ダクト23,24が接続されている。
この排出ダクト23,24は、ダクト接続部15dに嵌合して接続されるものであり、本実施の形態では、排出ダクト23,24は、ダクト接続部15dの外周面を覆うように外嵌して接続され、ダクト接続部15dの外周面と排出ダクト23,24の内周面とが広い面積で接触する構成となっている。このため、ダクト接続部15dと排出ダクト23,24との接続部分でのガス漏れを防止することができる。また、必要に応じてOリング等のシール材を介在させることが好ましい。さらに、ダクト接続部15dの外周面に形成された刻みやねじ部にシール剤を塗布し、あるいはシール材を設けることでシール性を高めるように構成してもよい。
本実施の形態のリチウムイオン二次電池D1は、図5に示すように、複数個を並設することで大容量の組電池D2として構成される。例えば、複数個を直列接続して組電池D2を構成する場合は、互いに隣り合うリチウムイオン二次電池D1の間で、正極外部端子と負極外部端子とが隣接すると短いバスバ(接続バー)で接続できることから、正極と負極の位置を交互に変えるように並設される。
本実施の形態におけるリチウムイオン二次電池D1は、ダクト接続部15dがガス捕集絶縁部材15の長手方向中央位置に突出しているので、各リチウムイオン二次電池D1の向きを、正極と負極の位置が交互になるように順番に配置しても、各リチウムイオン二次電池D1のダクト接続部15dは、必ず長手方向中央位置になる。したがって、図5に示すように、排出ダクト23,24を一直線上に連結して纏めることができ、効率良く排気することができる。
例えば、従来のようにガス捕集絶縁部材15が存在しない場合、図5に示すように排出ダクトを一直線状に連結して纏めるには、ガス排出弁12を必ず蓋体11の長手方向中央位置に設ける必要があり、ガス排出弁12の配置位置が制限されて、電池の設計の自由度が低いという問題があった。これに対して、本実施の形態のリチウムイオン二次電池では、ガス捕集絶縁部材15によって、長手方向中央位置にダクト接続部15dを配置することができるので、ガス排出弁12の配置位置が制限されず、電池の設計の自由度が高いという利点を有する。
組電池D2とした場合の排出ダクトは、具体的には図6に示されるように、端部に位置する電池には湾曲したエルボ状の排出ダクト23を使用し、中間に位置する電池には直角に合流するチーズ状の排出ダクト24を使用し、チーズ状のダクト24を組み合わせることで多数の二次電池D1を組み合わせることができ、これらの電池のガス排出弁に連通する排ガス通路を合流して1箇所に纏めることができる。
排出ダクト23,24は、ダクト接続部15dの外周面に外側から被せるように接続される。例えば、ダクト接続部15dの外周面に凹凸部を設けることによって、排出ダクト23、24の抜け止めとすることができる。また、ダクト接続部15dの外周面に雄ねじが形成されているときには、ダクトの内周面には雌ねじが形成され、両者を螺合させることで漏れなく接続することができる。また、ねじ接続に限られるものでなく、スナップフィット等を用いてワンタッチで着脱可能に接続する構成でもよい。排出ダクト23,24には、ねじによる接続を容易にするための回転可能なフリージョイント部23a,24aが形成され、この部分の漏れを防止するOリング等が介在されている。
前記の如く構成された本実施形態のリチウムイオン二次電池D1では、電池内圧力が上昇してガス排出弁12より排ガスが排出されると、ガス捕集絶縁部材15は、ダクト接続部15dに向けて上側に凸の形状であるため、排ガスは、ガスチャンバ部の傾斜面に沿ってスムーズに上昇し、ダクト接続部15dに案内される。
そして、リチウムイオン二次電池D1を複数並設した組電池D2では、それぞれの単電池D1のガス排出口15eから排出された排ガスは、連結された排出ダクト23,24を通して纏められ、外部へ排出される。ダクト接続部15dと排出ダクト23,24とは、嵌合した状態で接続されているため、接触面積が大きく、シール性が高い。したがって、接続部分からガスが漏れることなく、車外などの外部へ排出できる。
また、ダクト接続部15dは、補強リブ15cで支持されており、強度アップされているため、ダクト接続部15dの変形を防ぎ、排出ダクト23、24との接続状態を維持して、排ガスの排出を安定した状態で行うことができる。また、ダクト接続部15dの外周面には、刻みやねじが形成されており、排出ダクト23、24の嵌合が安定すると共に、シール剤を塗布することでシール性を向上できる。
本発明の他の実施の形態について、図7に基づき詳細に説明する。図7は、本発明に係るリチウムイオン二次電池で用いられるガス捕集絶縁部材の他の実施形態の断面図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、ガス排出弁が蓋体の長手方向中央位置に位置しており、ダクト接続部も蓋体の長手方向中央位置に位置していることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図7において、蓋体11Aは、長手方向中央位置にガス排出弁12Aが位置しており、このガス排出弁から排出される排ガスは、その上部のガス捕集絶縁部材15Aの長手方向中央位置に位置するダクト接続部15dに導出される。そして、電池容器2を構成する電池缶14内に注液するための注液孔13Aは、前記の実施形態の蓋体11と比較して右寄り(負極外部端子17側)に形成されており、その上部のガス捕集絶縁部材15Aに開口穴18が形成されている。そして、ガス捕集絶縁部材15Aの開口穴18は、注液栓20で密閉される構成となっている。
以上、本実施の形態について詳述したが、本発明は、前記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
前記した各実施の形態では、複数の電池としてリチウムイオン二次電池の例を示したが、これに限られるものでなく、ニッケル水素電池等の他の電池や二次電池の電池セルを複数個配列して構成したものでもよいことは勿論である。
そして、前記した各実施の形態では、ダクト接続部15dの形状として円筒状のものを示したが、これに限られるものでなく、筒体であればよく、角柱状や他の形状でもよいことは勿論である。また、ダクト接続部15dと、排出ダクト23、24との接続は、ダクト接続部15dの外周側を排出ダクト23、24で覆う外嵌の状態の例を示したが、ダクト接続部15dの直径が大きく、その内側に排出ダクト23、24が挿入される内嵌の状態で接続するように構成してもよい。
また、前記した各実施の形態では、絶縁部が正極外部端子16及び負極外部端子17と蓋体11との間に介在される場合を例に説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、正極接続端子8と負極接続端子9の少なくとも一方と蓋体11との間に介在される構成でもよい。
本発明の活用例として、電気自動車やハイブリッド自動車等の電源として使用することができ、ハイブリッド仕様の鉄道車両の用途にも適用することができる。
1:捲回電極群
2:電池容器
3a:正極集電体露出面
3b:負極集電体露出面
4:正極溶接接合部
5:負極溶接接合部
6:正極集電板
7:負極集電板
8:正極接続端子
9:負極接続端子
10:ガスケット
11,11A:蓋体
12,12A:ガス排出弁
13,13A:注液孔
14:電池缶
15,15A:ガス捕集絶縁部材
15a:絶縁部
15b:ガス通路部
15c:補強リブ
15d:ダクト接続部
15e:ガス排出口
16:正極外部端子
17:負極外部端子
16a,17a:ボルト
18:開口穴
20: 注液栓
21:シール材
22:絶縁袋
23,24:排出ダクト
D1:リチウムイオン二次電池
D2:組電池

Claims (11)

  1. 電池容器の蓋体に、前記電池容器内のガスを排出するガス排出弁と正極外部端子と負極外部端子が配置されているリチウムイオン二次電池において、
    前記正極外部端子と前記負極外部端子の少なくとも一方と前記蓋体との間を絶縁すると共に、前記ガス排出弁に対向する傾斜面を有し前記ガス排出弁から離反するにしたがって漸次狭くなる室内形状により、前記ガス排出弁から排出されるガスを捕集して所定の排出ダクトに案内するガス捕集絶縁部材を設けたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記ガス捕集絶縁部材は、前記正極外部端子と前記負極外部端子の少なくとも一方と前記蓋体との間に介在される絶縁部と、前記ガス排出弁に一端が接続されて前記排出ダクトに他端が着脱可能に接続され、かつ前記ガス排出弁及び前記排出ダクトに連通し得る開口部を有しているガス通路部とを有することを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記ガス捕集絶縁部材は、前記ガス通路部の他端に、前記排出ダクトと嵌合して連通接続されるダクト接続部を有することを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記ダクト接続部は、前記蓋体に対して直交する方向に延出し、前記排出ダクトが外嵌される筒形状を有することを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記蓋体は、前記正極外部端子と前記負極外部端子との中間位置に前記ガス排出弁が配置されており、
    前記ガス捕集絶縁部材は、前記正極外部端子と前記負極外部端子との間に亘って延在し、前記ダクト接続部が前記正極外部端子と前記負極外部端子との中間位置でかつ前記正極外部端子と前記負極外部端子との離間距離の半分の中央位置に配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記蓋体は、前記中央位置から前記正極外部端子側または前記負極外部端子側のいずれか一方に偏位した位置に前記ガス排出弁が配置されていることを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記蓋体は、前記正極外部端子と前記負極外部端子との中間位置に、前記電池容器内に電解液を注入するための注液孔が配置され、
    前記ガス捕集絶縁部材は、前記注液孔に対向する位置に該注液孔に連通する開口穴が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記ガス捕集絶縁部材は、前記正極外部端子側及び前記負極外部端子側よりも前記ダクト接続部の方が前記蓋体から突出した位置に配置されていることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 前記ガス捕集絶縁部材は、前記ダクト接続部から前記正極外部端子側と前記負極外部端子側の少なくとも一方に向かって延在するリブを有することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 前記ダクト接続部は、該ダクト接続部の外周面に凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 前記ガス捕集絶縁部材は、前記正極外部端子及び前記負極外部端子と共に前記蓋体にかしめ固定されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
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