JP5635275B2 - アルコールの酸化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルコールの酸化方法に関し、特に、アルデヒド及びケトンの効率的な製造に関する。
アルコールからアルデヒド又はケトンを生成する酸化反応は、有機合成において重要な化学反応の一つである。従来、この酸化反応を実施する方法として、例えば、分子状酸素及び重金属触媒を使用する方法や、N−オキシル化合物の一つであるTEMPOを使用する方法があった(例えば、非特許文献1参照)。
Acc. Chem. Res. 2002, 35, 774−781
しかしながら、重金属触媒の使用は、その毒性や反応後の処理において問題があった。また、従来のTEMPOを使用する方法においては、例えば、十分量の次亜塩素酸ナトリウムを使用する必要があったため、次亜塩素酸を含有する廃液の処理や、副産物としての塩化ナトリウムの生成が問題となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、金属触媒を使用することなく、分子状酸素を使用してアルデヒド又はケトンを効率よく製造できるアルコールの酸化方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るアルコールの酸化方法は、酸素含有ガス、N−オキシル化合物及び硝酸の存在下で、アルコールを酸化することを特徴とする。本発明によれば、金属触媒を使用することなく、分子状酸素を使用してアルデヒド又はケトンを効率よく製造できるアルコールの酸化方法を提供することができる。
また、前記アルコールの酸化方法において、酸素含有ガス、N−オキシル化合物、硝酸及び比表面積が20m/g以上の炭素材料の存在下で、前記アルコールを酸化することとしてもよい。また、前記炭素材料は、活性炭、カーボンアロイ触媒又はカーボンブラックであることとしてもよい。また、前記硝酸は、前記アルコールに対して1当量未満であることとしてもよい。
また、前記アルコールの酸化方法において、前記アルコールは、第一級アルコールであり、前記第一級アルコールを酸化することにより、アルデヒドを製造することとしてもよい。また、前記アルコールの酸化方法において、前記アルコールは、第二級アルコールであり、前記第二級アルコールを酸化することにより、ケトンを製造することとしてもよい。
本発明によれば、金属触媒を使用することなく、分子状酸素を使用してアルデヒド又はケトンを効率よく製造できるアルコールの酸化方法を提供することができる。
本発明の一実施形態において、第一級芳香族アルコールの酸化反応を行った結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態において、第一級芳香族アルコールの酸化反応を行った結果の他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態において、第一級芳香族アルコールの酸化反応を行った結果の他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態において、第一級芳香族アルコールの酸化反応を行った結果の他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態において、第一級芳香族アルコールの酸化反応を行った結果の他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態において、第一級脂肪族アルコール及び第一級脂環式アルコールの酸化反応を行った結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態において、第二級芳香族アルコールの酸化反応を行った結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態において、第二級脂環式アルコールの酸化反応を行った結果の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態に係るアルコールの酸化方法(以下、「本方法」という。)について説明する。なお、本発明は本実施形態で示す例に限られない。
本方法は、酸素含有ガス、N−オキシル化合物及び硝酸の存在下で、アルコールを酸化する方法である。すなわち、本方法においては、例えば、酸素含有ガス雰囲気下で、アルコール、N−オキシル化合物及び硝酸の混合物を所定温度で所定時間保持することにより、当該アルコールを酸化する。
本方法において基質として使用するアルコールは、特に限られず、酸化によりアルデヒドを生成する第一級アルコールや、酸化によりケトンを生成する第二級アルコールを使用することができる。また、芳香族アルコール、脂肪族アルコール又は脂環式アルコールを使用することができる。また、1価又は多価のアルコールを使用することができる。
第一級アルコールとしては、第一級芳香族アルコール、第一級脂肪族アルコール又は第一級脂環式アルコールを使用することができる。アルコールが第一級アルコールである場合、本方法は、当該第一級アルコールを酸化することにより、アルデヒドを製造する方法とすることができる。
第二級アルコールとしては、第二級芳香族アルコール、第二級脂肪族アルコール又は第二級脂環式アルコールを使用することができる。アルコールが第二級アルコールである場合、本方法は、当該第二級アルコールを酸化することにより、ケトンを製造する方法とすることができる。
アルコールは、例えば、下記の一般式(I)で表されるアルコールとすることができる。
Figure 0005635275
ここで、一般式(I)において、R及びRは、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を表す。R及び/又はRに係る芳香族炭化水素基は、例えば、フェニル基又はナフチル基である。R及び/又はRに係る脂肪族炭化水素基は、例えば、飽和脂肪族炭化水素基又は不飽和脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基は、例えば、アルキル基である。具体的に、アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基、n−ドデシル基等の直鎖アルキル基や、イソプロピル基、t−ブチル基等の分岐アルキル基である。また、脂肪族炭化水素基は、例えば、炭素数が1〜20の脂肪族炭化水素基とすることができる。すなわち、脂肪族炭化水素基は、例えば、炭素数が1〜20のアルキル基とすることができる。R及び/又はRに係る脂環式炭化水素基は、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンタン環である。
上述の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基は、それぞれ1つ又は複数の置換基を有することができる。置換基は、例えば、炭素数が1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、へキシル基、ドデシル基等の直鎖アルキル基や、イソプロピル基、t−ブチル基等の分岐アルキル基)、炭素数が1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基)、ニトロ基、カルボキシル基、スルホン酸基、ジ置換アミノ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子(Cl)、フッ素原子(F)、臭素原子(Br)、ヨウ素原子(I))、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基又はナフチル基)、脂環式炭化水素基(例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンタン環)とすることができる。なお、ジ置換アミノ基は、一般式NRで表わされ、R、Rはそれぞれ独立に炭素数が1〜20のアルキル基を示す。置換基の位置は特に限られないが、例えば、フェニル基は、その3〜5位のうち1又は複数の位置に置換基を有することができる。また、上述の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基は、それぞれ置換基を有しないものとすることもできる。
アルコールは、例えば、上記一般式(I)で表される第一級芳香族アルコールとすることができる。この場合、一般式(I)において、Rは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表し、Rは、水素原子を表す。Rに係る芳香族炭化水素基は、例えば、フェニル基又はナフチル基とすることができる。
アルコールは、例えば、上記一般式(I)で表される第一級脂肪族アルコールとすることができる。この場合、一般式(I)において、Rは、水素原子又は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基を表し、Rは、水素原子を表す。Rに係る脂肪族炭化水素基は、例えば、炭素数が1〜20の脂肪族炭化水素基とすることができる。この脂肪族炭化水素基は、例えば、炭素数が1〜20のアルキル基とすることができる。
アルコールは、例えば、上記一般式(I)で表される第一級脂環式アルコールとすることができる。この場合、一般式(I)において、Rは、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基を表し、Rは、水素原子を表す。Rに係る脂環式炭化水素基は、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンタン環とすることができる。
アルコールは、例えば、上記一般式(I)で表される第二級芳香族アルコールとすることができる。この場合、一般式(I)において、Rは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表し、Rは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を表す。Rに係る芳香族炭化水素基は、例えば、フェニル基又はナフチル基とすることができる。また、Rは、例えば、置換基を有してもよい炭素数が1〜20の脂肪族炭化水素基とすることができる。この脂肪族炭化水素基は、例えば、炭素数が1〜20のアルキル基とすることができる。
アルコールは、例えば、上記一般式(I)で表される第二級脂肪族アルコールとすることができる。この場合、一般式(I)において、R及びRは、互いに独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基を表す。この脂肪族炭化水素基は、例えば、炭素数が1〜20の脂肪族炭化水素基とすることができ、より具体的には、例えば、炭素数が1〜20のアルキル基とすることもできる。
アルコールは、例えば、上記一般式(I)で表される第二級脂環式アルコールとすることができる。この場合、一般式(I)において、Rは、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基を表し、Rは、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を表す。Rに係る脂環式炭化水素基は、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンタン環とすることができる。また、Rは、例えば、置換基を有してもよい炭素数が1〜20の脂肪族炭化水素基とすることができる。この脂肪族炭化水素基は、例えば、炭素数が1〜20のアルキル基とすることができる。
また、一般式(I)において、RとRは結合して、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基を構成することもできる、この場合、第二級脂環式アルコールは、例えば、少なくとも一つの第二級C−H結合の水素原子(H)が水酸基(OH)に置換された脂環式炭化水素基を有する第二級アルコールとすることができる。より具体的に、この第二級脂環式アルコールは、例えば、少なくとも一つの第二級C−H結合の水素原子(H)が水酸基(OH)に置換されたシクロヘキサン環又はアダマンタン環を有する第二級アルコールとすることができる。
本方法で使用するN−オキシル化合物は、分子中にN−オキシル基を有するものであれば特に限られない。すなわち、N−オキシル化合物としては、例えば、従来からアルコールの酸化に使用されているものを使用することができる。
具体的に、N−オキシル化合物としては、例えば、2,2,6,6−tetramethylpiperidin−1−oxyl(TEMPO)、1−Methyl−2−Azaadamantane−N−oxyl(MAZADO)、2−Azaadamantane−N−oxyl(AZADO)が挙げられる。
N−オキシル化合物の使用量は、アルコールの酸化を可能とする範囲であれば特に限られない。すなわち、アルコールに対するN−オキシル化合物のモル比率は、例えば、0.01〜1%の範囲とすることができ、好ましくは0.1〜0.5%の範囲とすることができる。
本方法で使用する硝酸は、特に限られないが、例えば、硝酸の水溶液を好ましく使用することができる。すなわち、例えば、硝酸を30〜70w/w%の範囲で含有する水溶液を使用することができる。
硝酸の水溶液を使用する場合、本方法においては、上述したようなアルコール及びN−オキシル化合物と、当該硝酸水溶液と、を含有する混合溶液を調製し、分子状酸素を使用して、当該混合溶液中で当該アルコールの酸化反応を行う。この場合、混合溶液に含有される硝酸の濃度は、例えば、0.01〜10mmol/mLの範囲とすることができ、0.1〜3mmol/mLの範囲とすることもできる。
硝酸の使用量は、アルコールの酸化を可能とする範囲であれば特に限られないが、例えば、アルコールに対して1当量未満とすることができる。すなわち、本方法においては、硝酸に対して大過剰のアルコールを使用することができる。具体的に、アルコールに対する硝酸のモル比率は、例えば、0.1〜10%の範囲とすることができ、好ましくは1〜3%の範囲とすることができる。なお、アルコールに対して1当量以上の硝酸を使用することもできる。
本方法においては、溶媒を使用することなく、すなわち無溶媒系にて、アルコールの酸化を行うことができる。すなわち、この場合、例えば、アルコール、N−オキシル化合物及び硝酸を含有し、溶媒を含有しない反応溶液を調製し、酸素含有ガスの存在下、当該反応溶液中で当該アルコールの酸化を行う。
また、本方法においては、溶媒を使用することもできる。すなわち、この場合、例えば、アルコール、N−オキシル化合物、硝酸及び溶媒を含有する反応溶液を調製し、酸素含有ガスの存在下、当該反応溶液中で当該アルコールの酸化を行う。
使用する溶媒は特に限られず、任意の1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。すなわち、例えば、硝酸の水溶液を使用する場合には、水に対する溶解度が比較的高い有機溶媒(例えば、1,4−ジオキサン、アセトン)を好ましく使用することができる。
また、本方法においては、さらに、炭素材料を使用することもできる。すなわち、この場合、本方法は、酸素含有ガス、N−オキシル化合物、硝酸及び比表面積が20m/g以上の炭素材料の存在下で、アルコールを酸化する方法とすることができる。
炭素材料としては、例えば、活性炭、カーボンアロイ触媒又はカーボンブラックを使用することができる。活性炭は、有機物を炭素化して得られた炭素化材料に活性化処理又は賦活処理が施されたものであれば特に限られない。
カーボンアロイ触媒は、有機物及び金属を含有する原料を炭素化することにより得られる炭素触媒である。有機物としては、炭素化できるもの(炭素源として使用できるもの)であれば特に限られず、例えば、樹脂を好ましく使用することができる。樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂を好ましく使用することができる。
具体的に、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリアニリン、ポリピロール、ポリフルフリルアルコ−ルからなる群より選択される1種又は2種以上を使用することができる。
金属は、カーボンアロイ触媒の活性を阻害しないものであれば特に限られず、例えば、遷移金属を好ましく使用することができ、周期表の3族から12族の第4周期に属する金属を好ましく用いることができる。
具体的に、例えば、コバルト、鉄、ニッケル、マンガン、亜鉛、銅、チタン、クロムからなる群より選択される1種又は2種以上を好ましく用いることができ、コバルト、鉄を特に好ましく用いることができる。
また、金属としては、当該金属の単体又は当該金属の化合物を用いることができる。金属化合物としては、例えば、金属塩、金属水酸化物、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭化物、金属錯体を好ましく用いることができ、金属塩、金属酸化物、金属錯体を特に好ましく用いることができる。金属錯体としては、例えば、フタロシアニンの金属錯体、ポルフィリンの金属錯体、アセチルアセトナトの金属錯体、メタロセンの金属錯体を好ましく使用することができる。
また、カーボンアロイ触媒は、窒素を含有することもできる。この場合、カーボンアロイ触媒は、窒素を含有する原料を加熱して炭素化することにより得られる。具体的に、例えば、原料の一部として、窒素を含有する金属錯体や窒素を含有する樹脂を使用することができる。
窒素含有金属錯体としては、例えば、フタロシアニンの金属錯体やポルフィリンの金属錯体を使用することができる。また、窒素含有樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリルアミド、ポリピロ−ル、ポリベンゾイミダゾ−ルを使用することができる。また、例えば、アンモニア等の窒素含有ガスで処理することにより窒素ドープしたカーボンアロイ触媒を使用することもできる。
このようなカーボンアロイ触媒としては、例えば、特開2007−26746号公報に記載されているように、熱硬化性樹脂、遷移金属及び窒素を含有する原料を炭素化することにより得られる炭素触媒を使用することができる。
また、カーボンアロイ触媒としては、上述したような原料を炭素化して得られた炭素触媒であって、当該炭素化後にさらに金属を除去する処理が施されたものを使用することができる。すなわち、この場合、カーボンアロイ触媒は、有機物及び金属を含有する原料を炭素化して得られた炭素化材料(炭素触媒)に、さらに金属除去処理を施すことにより得られた炭素触媒である。
金属除去処理は、炭素化材料に含まれる金属を除去し、又は当該金属の量を低減できる処理であれば特に限られず、例えば、酸(例えば、塩酸)による洗浄処理や電解処理を実施することができる。
また、カーボンアロイ触媒は、その炭素構造の一部として、炭素の六角網面を含む炭素網面を1層又は2層以上有している。この炭素構造は、炭素網面が屈曲し又は途切れることにより形成される当該炭素網面のエッジ部分を有することができる。カーボンアロイ触媒は、このような炭素構造に窒素原子がドープされた炭素触媒とすることができる。
カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックを使用することができる。具体的には、例えば、ケッチェンブラック、バルカン(登録商標)(キャボット株式会社製)、トーカブラック(東海カーボン株式会社製)、デンカブラック(登録商標)(電気化学工業株式会社製)を用いることができる。
炭素材料の比表面積は、20m/g以上であれば特に限られず、好ましくは25m/g以上であり、より好ましくは30m/g以上である。より具体的に、炭素材料の比表面積は、20〜3000m/gの範囲とすることができ、好ましくは100〜2000m/gの範囲とすることができ、より好ましくは200〜1000m/gの範囲とすることができる。
活性炭の比表面積は、20〜3000m/gの範囲とすることができ、好ましくは200〜1000m/gの範囲とすることができる。カーボンアロイ触媒の比表面積は、例えば、20〜3000m/gの範囲とすることができ、好ましくは200〜800m/gの範囲とすることができる。カーボンブラックの比表面積は、20〜3000m/gの範囲とすることができ、好ましくは200〜800m/gの範囲とすることができる。なお、比表面積は、例えばBET法により測定することができる。
炭素材料としては、上述のとおり、活性炭、カーボンアロイ触媒又はカーボンブラックを好ましく使用することができるが、中でもアルコールからアルデヒド又はケトンを効率よく製造でき、且つ安価な活性炭を特に好ましく使用することができる。さらに、カーボンアロイ触媒もまた、比較的安価であり、活性が高いため、好ましく使用することができる。
そして、本方法においては、上述のN−オキシル化合物及び硝酸(さらに必要に応じて炭素材料)の存在下、分子状酸素を使用して、アルコールを酸化する。
分子状酸素の供給は、酸素含有ガスを使用して行う。酸素含有ガスは、酸素ガス又は酸素と他のガスとの混合ガスである。混合ガスとしては、例えば、空気や、酸素と不活性ガス(窒素やヘリウム等)との混合ガスを使用することができる。反応系に対して分子状酸素を供給する方法は特に限られず、例えば、反応溶液が接する気相を酸素含有ガスに置換する方法、反応溶液が接する気相に酸素含有ガスを流通させる方法、反応溶液中に酸素含有ガスを吹き込む方法を使用することができる。
酸化反応を行う温度(反応温度)は、アルコールの酸化が進行する温度であれば特に限られないが、当該酸化反応は、例えば、加熱下で好ましく実施することができる。すなわち、本方法は、酸素含有ガス、N−オキシル化合物及び硝酸(さらに必要に応じて炭素材料)の存在下で、アルコールを加熱しながら酸化する方法とすることができる。
反応温度は、例えば、アルコール又は当該アルコールを含有する混合溶液の沸点より低く、且つ酸化反応が速やかに進行する範囲で適宜設定することができる。具体的に、反応温度は、例えば、30〜200℃の範囲とすることができ、好ましくは50〜150℃の範囲とすることができる。
本方法において、酸化反応を行う圧力は特に限られない。すなわち、本方法においては、例えば、加圧することなく(例えば、常圧で)アルコールの酸化を行うことができる。この場合、酸化反応は、開放系で行うことができる。
また、本方法においては、加圧下でアルコールの酸化を行うこともできる。この場合、酸化反応は、密閉系で行うことができる。具体的に、酸化反応時の圧力は、例えば、1〜10気圧の範囲とすることができる。
本方法によれば、アルコールを酸化させて、アルデヒド又はケトンを効率よく製造することができる。例えば、本方法において、基質として第一級アルコールを使用した場合には、対応するアルデヒドを選択的に且つ効率よく生成することができる。
すなわち、第一級アルコールを効率よく酸化して、アルデヒドを速やかに生成させるとともに、当該アルデヒドの酸化によるカルボン酸の生成は効果的に抑制することができる。したがって、本方法によれば、第一級アルコールからアルデヒドへの選択的な酸化反応を簡便且つ確実に実現することができる。
具体的に、本方法によれば、例えば、第一級アルコールの転化率が50%以上であり、且つアルデヒドの選択率が40%以上である選択的酸化反応を実現することができる。さらに、第一級アルコールの転化率は、例えば、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。また、アルデヒドの選択率は、例えば、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
なお、アルコールの転化率は、反応系に供給された当初の第一級アルコールの量に対する、酸化反応により他の化合物に転化された当該第一級アルコールの量の割合(%)を示す。また、アルデヒドの選択率は、他の化合物に転化された第一級アルコールの量に対する、酸化反応により生成されたアルデヒドの量の割合(%)を示す。
このように、本方法においては、酸素含有ガス、N−オキシル化合物及び硝酸(又は酸素含有ガス、N−オキシル化合物、硝酸及び炭素材料)を第一級アルコールと併存させることにより、当該第一級アルコールの酸化反応をアルデヒドの生成で止める選択的酸化反応を確実に実現できる。
また、本方法において、基質として第二級アルコールを使用した場合には、対応するケトンを効率よく生成することができる。具体的に、本方法によれば、例えば、第二級アルコールの転化率が50%以上であり、且つケトンの選択率が70%以上である酸化反応を実現することができる。さらに、第二級アルコールの転化率は、例えば、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。また、ケトンの選択率は、例えば、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、ケトンの選択率は、他の化合物に転化された第二級アルコ−ルの量に対する、酸化反応により生成されたケトンの量の割合(%)を示す。
このように、本方法においては、金属触媒や次亜塩素酸塩を使用することなく、分子状酸素を使用して、アルコールの酸化によるアルデヒド又はケトンの製造を効果的に行うことができる。
したがって、本方法によれば、従来法における金属触媒や次亜塩素酸塩の使用に由来する問題を確実に回避しつつ、アルデヒド及びケトンの効率的且つクリーンな製造を実現することができる。
また、上述のとおり、本方法において、硝酸の使用量は、アルコールに対する1当量未満とすることができる。すなわち、少量の硝酸を使用して、大量のアルコールを効率よく酸化することができる。
ここで、本方法におけるアルコールの酸化反応は、下記の式(II)で示されるような化学反応に基づくものと推測される。
Figure 0005635275
すなわち、本方法においては、TEMPO等のN−オキシル化合物がアルコ-ルを酸化し、還元されたN−オキシル化合物を硝酸が酸化し、還元された硝酸を分子状酸素がもとの硝酸へ酸化するといった化学反応が起こっていると考えられる。
上記式(II)に示すように、本方法において、硝酸は一種の触媒として機能する。このため、アルコールに対して1当量未満という微量の硝酸を使用するだけで、アルコールの酸化及びアルデヒド又はケトンの製造を効率よく実現することができる。
また、本方法においては、炭素材料を使用することにより、アルコールの酸化反応及びアルデヒド又はケトンの生成反応を効果的に促進することができる。すなわち、本方法において炭素材料を使用する場合には、当該炭素材料を使用しない場合に比べて、アルコールの酸化及びアルデヒド又はケトンの生成に係る反応速度を効果的に増加させることができる。
この炭素材料による反応促進効果は、N−オキシル化合物及び又は硝酸の使用量が比較的小さい場合に、特に顕著となる。すなわち、例えば、アルコールに対するN−オキシル化合物のモル比率が0.05〜0.5%であり、当該アルコールに対する硝酸のモル比率が0.5〜5%である場合には、本方法を、酸素含有ガス、N−オキシル化合物、硝酸及び比表面積が20m/g以上の炭素材料の存在下で、アルコールを酸化する方法とすることが特に効果的である。
なお、本方法においては、炭素材料が触媒として機能することにより、反応が促進されていると考えられる。すなわち、例えば、上記式(II)に「C Cat.」として示すように、炭素材料は、還元されたN−オキシル化合物を硝酸が酸化する反応や、還元された硝酸を分子状酸素がもとの硝酸へ酸化する反応を触媒することにより、本反応におけるアルコールの酸化及びアルデヒド又はケトンの生成を促進しているものと考えられる。
また、本方法において炭素材料を使用する場合、酸化反応は、当該炭素材料からなる固体触媒を使用した不均一系の酸化反応である。このため、本方法においては、例えば、反応系からの炭素材料の除去や、当該炭素材料の再利用等の操作を簡便に行うことができる。
また、上述のとおり、本方法においては、無溶媒系であってもアルコールの酸化及びアルデヒド又はケトンの製造を効率よく実現することができる。また、本方法においては、常圧(例えば、1気圧)であっても、アルコールの酸化及びアルデヒド又はケトンの製造を効率よく実現することができる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[カーボンアロイ触媒]
第一の炭素材料として、カーボンアロイ触媒を調製した。このカーボンアロイ触媒は、熱硬化性樹脂と、鉄のフタロシアニン錯体と、を含有する原料を炭素化することにより調製した。すなわち、まずフェノ−ル樹脂(PSK−2320、群栄化学工業株式会社製)3.275gをアセトン300mLに溶解させた。その後、この溶液にフタロシアニン鉄(東京化成工業株式会社製)1.0gを加え超音波に30分かけ、紺色溶液を得た。次にこの紺色溶液をエバポレ−タ−にセットし、溶媒を除去した。その後、80℃で真空乾燥して、フタロシアニン鉄錯体が添加されたフェノ−ル樹脂組成物からなる原料を得た。
次に炭素化を行った。すなわち、まず上述の方法で得られた原料を石英管に入れ、楕円面反射型赤外線ゴ−ルドイメ−ジ炉にて、20分間窒素ガスをパ−ジし、10℃/分の昇温速度で室温から800℃まで昇温した。その後、石英管を800℃で1時間保持することにより、原料を炭素化した。
このような原料の炭素化により得られた炭素化材料は、そのままカーボンアロイ触媒として使用可能であるが、本実施例においては、当該炭素化材料を粉砕し、さらに当該粉砕後の炭素化材料に金属除去処理を施した。
すなわち、上述の炭素化により得られた炭素化材料を、遊星ボ−ルミル(P−7、フリッチュジャパン株式会社製)内に10mm径のジルコニアボ−ルと共にセットし、回転速度800rpmで90分間粉砕した。次いで、粉砕された炭素化材料を遊星ボ−ルミルから取り出して、目開き106μmの篩にかけた。この篩を通過した炭素化材料を回収した。
そして、この粉砕された炭素化材料に対して、原料に含まれていた鉄を除去するための酸洗い処理(金属除去処理)を施した。すなわち炭素化材料に37%HClを加えて2時間撹拌した後、静置して上澄み液をデカンテ−ションした。この操作を3回行った。そして、この炭素化材料を吸引ろ過後、さらに蒸留水で洗浄し、次いで煮沸を行った。こうして、フタロシアニン鉄錯体由来であって金属除去処理が施されたカ−ボンアロイ触媒(以下、「wFePc」という。)を得た。
[活性炭]
第二の炭素材料として、比表面積が930m/gの活性炭(ノーリット“SXプラス”、和光純薬工業株式会社製)を準備した。
[第一級芳香族アルコールの酸化]
基質として第一級芳香族アルコールであるベンジルアルコールを使用し、互いに異なる複数の条件で、下記の反応式(III)に示すような酸化反応(アルデヒドの製造)を行った。
Figure 0005635275
酸化反応は、溶媒を使用せず(例1−1,2)又は溶媒を使用して(例1−3〜5)行った。例1−1においては、まず、三ッ口フラスコに、38.6mmolのベンジルアルコール、0.2mmolのTEMPOを入れ、超音波洗浄器を使用して30秒間超音波照射することにより、溶媒を含有しない反応溶液を調製した。
次に、減圧ポンプを使用してフラスコ内を20mmHgに減圧し、その後、酸素ガスを導入して常圧とした。この操作を3回繰返し、反応系内の空気を酸素ガスに置換した。そして、反応溶液を90℃に加熱し、次いで2mmolの硝酸(40%硝酸を使用)を加え、撹はんしながら90℃で3又は6時間の酸化反応を行った。このようにして、硝酸、TEMPO及び酸素ガスの存在下、無溶媒系でベンジルアルコールの酸化を行った。
例1−2においては、ベンジルアルコール及びTEMPOに加えて20mgのカーボンアロイ触媒(wFePc)を含む反応溶液を調製し、反応時間を7時間としたこと以外は、上述の例1−1と同様にして、硝酸、TEMPO、カーボンアロイ触媒及び酸素ガスの存在下、無溶媒系でベンジルアルコールの酸化を行った。
例1−3においては、まず、三ッ口フラスコに、10mmolのベンジルアルコール、0.1mmolのTEMPO、10mgのカーボンアロイ触媒(wFePc)、10mLの1,4−ジオキサンを入れ、超音波洗浄器を使用して30秒間超音波照射することにより、反応溶液を調製した。
次に、反応溶液を90℃に加熱し、酸素ガスを20〜30mL/分の流量でフラスコ内に導入した。さらに、この反応溶液に1mmolの硝酸(67%硝酸を67.6μL使用)を加え、撹はんしながら90℃で2時間の酸化反応を行った。このようにして、硝酸、TEMPO、カーボンアロイ触媒及び酸素ガスの存在下で、ベンジルアルコールの酸化を行った。
例1−4においては、カーボンアロイ触媒に代えて10mgの活性炭(AC)を含む反応溶液を調製し、67%硝酸に代えて40%硝酸を使用したこと以外は上述の例1−3と同様にして、硝酸、TEMPO、活性炭及び酸素ガスの存在下で、ベンジルアルコールの酸化を行った。
例1−5においては、硝酸を使用せず、反応時間を5時間としたこと以外は上述の実施例1−3と同様にして、TEMPO、カーボンアロイ触媒及び酸素ガスの存在下で、ベンジルアルコールの酸化を行った。
[ガスクロマトグラフ質量分析計による定量]
ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)により、酸化反応後の反応溶液中に含有される基質(第一級アルコール)及び反応生成物(アルデヒド)を定量した。内部標準としてはナフタレンを使用した。すなわち、ナフタレン1molを1,4−ジオキサンに溶解して調製した溶液0.1mLを反応溶液に加え、当該反応溶液の一部を採取してGCMSにより分析し、GC−マススペクトルを得た。一方、ナフタレンに対する、ベンジルアルコール及びベンズアルデヒドの標準曲線(検量線)を予め作成しておいた。
そして、GC−マススペクトルにおいて、ナフタレンのピークに対する、ベンジルアルコール及びベンズアルデヒドのピークの強度比と、上記検量線と、に基づいて、反応溶液中に含有されるベンジルアルコール及びベンズアルデヒドを定量した。この定量結果に基づき、アルコールの転化率、アルデヒドの選択率を算出した。
アルコールの転化率は、当初のベンジルアルコールの量に対する、酸化反応後に消失したベンジルアルコールの量(酸化により他の化合物に転化されたベンジルアルコールの量)の割合(%)として算出した。
アルデヒドの選択率は、酸化反応により消失したベンジルアルコールの量に対する、実際に生成されたベンズアルデヒドの量の割合(%)を示す。
図1には、例1−1〜5における反応条件及び定量結果を示す。すなわち、図1には、各例(Example)について、基質(Substrate)、溶媒(Solvent)、硝酸(HNO)、N−オキシル化合物(N−oxyl)、炭素材料(Carbon)及び反応時間(Time)という反応条件と、アルコールの転化率(Conv.)、アルデヒドの選択率(Sel.)という定量結果と、を示している。
例1−1の結果より、炭素材料を使用しない場合であっても、反応時間を十分とすることによって、無溶媒系における第一級芳香族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効率よく達成できることが確認された。
例1−2の結果より、炭素材料(カーボンアロイ触媒)を使用することによって、無溶媒系における第一級芳香族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効果的に促進(反応速度を増加)して、100%の転化率及び98%の選択率を達成できることが確認された。
例1−3,4の結果より、溶媒を使用した場合であっても、第一級芳香族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効率よく達成できることが確認された。また、カーボンアロイ触媒を使用した場合及び活性炭を使用した場合のいずれにおいても、100%の転化率及び98%の選択率を達成できた。
一方、例1−5の結果より、硝酸を使用しない場合には、転化率は0(ゼロ)%であり、アルコールの酸化は進行しないことが確認された。また、図1には結果を示していないが、N−オキシル化合物を使用しない場合には、アルコールの酸化は進行しなかった。
[第一級芳香族アルコールの酸化]
上述の実施例1と同様に、互いに異なる複数の条件で、ベンジルアルコールの酸化反応(アルデヒドの製造)を行った(例2−1〜3)。すなわち、例2−1においては、フラスコに40mmolのベンジルアルコール及び0.2mmolのTEMPOを入れて、溶媒を含有しない反応溶液を調製した。そして、酸素ガスを充填したフラスコ内で、反応溶液を90℃に加熱し、次いで2mmolの硝酸(40%硝酸を使用)を加え、撹はんしながら90℃で1、2又は3時間の酸化反応を行った。
例2−2においては、ベンジルアルコール及びTEMPOに加えて40mgの活性炭(AC)を含む反応溶液を調製したこと以外は上述の例2−1と同様にして、ベンジルアルコールの酸化を行った。
例2−3においては、40mgの活性炭(AC)を含む反応溶液を調製し、硝酸を1mmol使用し、反応時間を1、2、3又は6時間としたこと以外は上述の例2−1と同様にして、ベンジルアルコールの酸化を行った。
そして、上述の実施例1と同様に、反応溶液中のベンジルアルコール及びベンズアルデヒドを定量し、アルコールの転化率と、アルデヒドの選択率を評価した。
図2には、例2−1〜3における反応条件及び定量結果を示す。例2−1の結果より、炭素材料を使用しない場合であっても、無溶媒系における第一級芳香族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効率よく達成できることが確認された(転化率94.1%及び選択率100%)。
例2−2の結果より、炭素材料(活性炭)を使用することによって、無溶媒系における第一級芳香族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効果的に促進して、100%の転化率及び100%の選択率を達成できることが確認された。
例2−2,3の結果より、硝酸の使用量を2倍に増加する(1mmolから2mmolに増加する)ことによって、反応速度も約2倍に増加することが確認された。
[第一級芳香族アルコールの酸化]
N−オキシル化合物として、TEMPOに代えて、MAZADOを使用し、上述の実施例1と同様に、互いに異なる複数の条件で、ベンジルアルコールの酸化反応(アルデヒドの製造)を行った(例3−1〜3)。
すなわち、例3−1においては、フラスコに38.6mmolのベンジルアルコール、0.2mmolのMAZADO及び20mgの活性炭(AC)を入れて、溶媒を含有しない反応溶液を調製した。そして、酸素ガスを充填したフラスコ内で、反応溶液を90℃に加熱し、次いで2mmolの硝酸(40%硝酸を使用)を加え、撹はんしながら90℃で2、2.5、4又は5時間の酸化反応を行った。
例3−2においては、40%硝酸に代えて67%硝酸を使用し、反応時間を2、4又は5時間とした以外は上述の例3−1と同様にして、ベンジルアルコールの酸化を行った。
例3−3においては、活性炭を使用せず、40%硝酸に代えて67%硝酸を使用し、反応時間を4又は6時間とした以外は上述の例3−1と同様にして、ベンジルアルコールの酸化を行った。
そして、上述の実施例1と同様に、反応溶液中のベンジルアルコール及びベンズアルデヒドを定量し、アルコールの転化率と、アルデヒドの選択率を評価した。
図3には、例3−1〜3における反応条件及び定量結果を示す。例3−1〜3の結果より、N−オキシル化合物としてMAZADOを使用した場合であっても、第一級芳香族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効率よく達成できることが確認された。
また、例3−2,3の結果より、MAZADOを使用した場合にも、炭素材料(活性炭)を使用することによって、第一級芳香族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効果的に促進できることが確認された。
[第一級芳香族アルコールの酸化]
硝酸及びN−オキシル化合物の使用量を低減し、上述の実施例1と同様に、互いに異なる複数の条件で、ベンジルアルコールの酸化反応(アルデヒドの製造)を行った(例4−1〜6)。
すなわち、例4−1においては、フラスコに40mmolのベンジルアルコール及び0.04mmolのTEMPOを入れて、溶媒を含有しない反応溶液を調製した。そして、酸素ガスを充填したフラスコ内で、反応溶液を90℃に加熱し、次いで0.4mmolの硝酸(67%硝酸を使用)を加え、撹はんしながら90℃で2、4、6、10又は22時間の酸化反応を行った。
例4−2においては、ベンジルアルコール及びTEMPOに加えて40mgの活性炭(AC)を含む反応溶液を調製したこと以外は上述の例4−1と同様にして、ベンジルアルコールの酸化を行った。
例4−3においては、TEMPOに代えてMAZADOを使用したこと以外は上述の例4−1と同様にして、ベンジルアルコールの酸化を行った。
例4−4においては、40mgの活性炭(AC)を含む反応溶液を調製し、TEMPOに代えてMAZADOを使用したこと以外は上述の例4−1と同様にして、ベンジルアルコールの酸化を行った。
例4−5においては、硝酸を0.8mmol使用したこと以外は上述の例4−1と同様にして、ベンジルアルコールの酸化を行った。
例4−6においては、40mgの活性炭(AC)を含む反応溶液を調製し、硝酸を0.8mmol使用したこと以外は上述の例4−1と同様にして、ベンジルアルコールの酸化を行った。
そして、上述の実施例1と同様に、反応溶液中のベンジルアルコール及びベンズアルデヒドを定量し、アルコールの転化率と、アルデヒドの選択率を評価した。
図4には、例4−1〜6における反応条件及び定量結果を示す。例4−1,3,5の結果より、硝酸及びN−オキシル化合物の使用量が小さい場合(硝酸:0.4〜0.8mmol、TEMPO又はMAZADO:0.04mmol)には、アルコールの酸化反応の進行は遅くなることが確認された。ただし、この場合であっても、アルデヒドの選択率は100%であり、反応時間が長くなるにつれてアルコールの転化率は増加した。
そして、例4−2,4,6の結果より、硝酸及びN−オキシル化合物の使用量が小さい場合には、炭素材料を使用することにより、第一級芳香族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を極めて効果的に促進できることが確認された。
すなわち、炭素材料を使用することによる反応促進効果は、特に、硝酸及びN−オキシル化合物の使用量が小さい場合に顕著であった。したがって、炭素材料を使用することによって、硝酸及びN−オキシル化合物の使用量を効果的に低減できることが確認された。
また、例4−2,6の結果より、硝酸及びN−オキシル化合物の使用量が小さい場合であっても、炭素材料を使用する場合には、硝酸の使用量を2倍に増加する(0.4mmolから0.8mmolに増加する)ことによって、反応速度も約2倍に増加することが確認された。
[第一級芳香族アルコールの酸化]
上述の実施例1と同様に、複数種類の第一級芳香族アルコールの酸化反応(アルデヒドの製造)を行った(例5−1〜4)。例5−1においては、基質としてp−ニトロベンジルアルコールを使用し、下記の反応式(IV)に示すような酸化反応(アルデヒドの製造)を行った。
Figure 0005635275
すなわち、フラスコに10mmolのp−ニトロベンジルアルコール、0.1mmolのTEMPO及び10mgの活性炭(AC)を入れて、溶媒を含有しない反応溶液を調製した。そして、酸素ガスを充填したフラスコ内で、反応溶液を90℃に加熱し、次いで1mmolの硝酸(67%硝酸を使用)を加え、撹はんしながら90℃で3時間の酸化反応を行った。
例5−2においては、基質としてm−ニトロベンジルアルコールを使用し、下記の反応式(V)に示すような酸化反応(アルデヒドの製造)を行った。
Figure 0005635275
すなわち、基質としてp−ニトロベンジルアルコールに代えて40mmolのm−ニトロベンジルアルコールを使用し、TEMPOを0.2mmol使用し、活性炭を20mg使用し、反応時間を7時間とした以外は上述の例5−1と同様にして、m−ニトロベンジルアルコールの酸化を行った。
例5−3においては、基質としてp−メトキシベンジルアルコールを使用し、下記の反応式(VI)に示すような酸化反応(アルデヒドの製造)を行った。
Figure 0005635275
すなわち、基質としてp−ニトロベンジルアルコールに代えて40mmolのp−メトキシベンジルアルコールを使用し、TEMPOを0.2mmol使用し、活性炭を20mg使用し、硝酸を2mmol使用(40%硝酸を使用)した以外は上述の例5−1と同様にして、p−メトキシベンジルアルコールの酸化を行った。
例5−4においては、基質としてp−メチルベンジルアルコールを使用し、下記の反応式(VII)に示すような酸化反応(アルデヒドの製造)を行った。
Figure 0005635275
すなわち、基質としてp−ニトロベンジルアルコールに代えて40mmolのp−メチルベンジルアルコールを使用し、TEMPOを0.2mmol使用し、活性炭を20mg使用し、反応時間を5又は7時間とした以外は上述の例5−1と同様にして、p−メチルベンジルアルコールの酸化を行った。
そして、上述の実施例1と同様に、反応溶液中の第一級芳香族アルコール及びその酸化物であるアルデヒドを定量し、アルコールの転化率と、アルデヒドの選択率を評価した。
図5には、例5−1〜4における反応条件及び定量結果を示す。例5−1〜4の結果より、フェニル基が置換基を有する場合であっても、無溶媒系における第一級芳香族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効率よく達成できることが確認された。
[第一級脂肪族アルコール及び第一級脂環式アルコールの酸化]
上述の実施例1と同様に、複数種類の第一級脂肪族アルコール及び第一級脂環式アルコールの酸化反応(アルデヒドの製造)を行った(例6−1〜8)。
例6−1においては、基質として第一級脂肪族アルコールであるn−ヘキサノールを使用し、下記の反応式(VIII)に示すような酸化反応(アルデヒドの製造)を行った。
Figure 0005635275
すなわち、まず、三ッ口フラスコに、10mmolのn−ヘキサノール、0.1mmolのTEMPO、10mgのカーボンアロイ触媒(wFePc)、10mLの1,4−ジオキサンを入れ、超音波洗浄器を使用して30秒間超音波照射することにより反応溶液を調製した。
次に、反応溶液を90℃に加熱し、酸素ガスを20〜30mL/分の流量でフラスコ内に導入した。さらに、この反応溶液に1mmolの硝酸(67%硝酸を使用)を加え、撹はんしながら90℃で2時間の酸化反応を行った。
例6−2においては、TEMPOに代えてMAZADOを使用し、カーボンアロイ触媒に代えて20mgの活性炭(AC)を使用し、反応時間を4時間としたこと以外は上述の例6−1と同様にして、n−ヘキサノールの酸化を行った。
例6−3においては、TEMPOに代えてMAZADOを使用し、カーボンアロイ触媒(wFePc)に代えて、ポリイミド樹脂の炭素化により得たカーボンアロイ触媒(PIC)を使用し、反応時間を4時間としたこと以外は上述の例6−1と同様にして、n−ヘキサノールの酸化を行った。
なお、このカーボンアロイ触媒(PIC)は、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂に代えてポリイミドを使用したこと以外は、上述の実施例1におけるカーボンアロイ触媒(wFePc)と同様にして調製した。
例6−4においては、TEMPOに代えてMAZADOを使用し、カーボンアロイ触媒(wFePc)に代えて20mgの活性炭(AC)を使用し、硝酸を1.5mmol使用し、反応時間を4時間としたこと以外は上述の例6−1と同様にして、n−ヘキサノールの酸化を行った。
例6−5においては、TEMPOに代えてMAZADOを使用し、炭素材料を使用せず、反応時間を4時間としたこと以外は上述の例6−1と同様にして、n−ヘキサノールの酸化を行った。
例6−6においては、基質として第一級脂肪族アルコールであるn−オクタノールを使用し、下記の反応式(IX)に示すような酸化反応(アルデヒドの製造)を行った。
Figure 0005635275
すなわち、n−ヘキサノールに代えてn−オクタノールを使用し、TEMPOに代えてMAZADOを使用し、カーボンアロイ触媒(wFePc)に代えて20mgの活性炭(AC)を使用し、反応時間を2又は3時間としたこと以外は上述の例6−1と同様にして、n−オクタノールの酸化を行った。
例6−7においては、基質として第一級脂肪族アルコールであるn−デカノールを使用し、下記の反応式(X)に示すような酸化反応(アルデヒドの製造)を行った。
Figure 0005635275
すなわち、n−ヘキサノールに代えてn−デカノールを使用し、TEMPOに代えてMAZADOを使用し、カーボンアロイ触媒(wFePc)に代えて10mgの活性炭(AC)を使用し、反応時間を1又は3時間としたこと以外は上述の例6−1と同様にして、n−デカノールの酸化を行った。
例6−8においては、基質として第一級脂環式アルコールであるシクロヘキサンメタノールを使用し、下記の反応式(XI)に示すような酸化反応(アルデヒドの製造)を行った。
Figure 0005635275
すなわち、n−ヘキサノールに代えてシクロヘキサンメタノールを使用し、TEMPOに代えてMAZADOを使用し、カーボンアロイ触媒(wFePc)に代えて20mgの活性炭(AC)を使用し、反応時間を1又は3時間としたこと以外は上述の例6−1と同様にして、シクロヘキサンメタノールの酸化を行った。
そして、上述の実施例1と同様に、反応溶液中の第一級脂肪族アルコール又は第一級脂環式アルコール及びその酸化物であるアルデヒドを定量し、アルコールの転化率と、アルデヒドの選択率を評価した。
図6には、例6−1〜8における反応条件及び定量結果を示す。例6−1〜7の結果より、炭素材料を使用する場合及び炭素材料を使用しない場合のいずれにおいても、様々な第一級脂肪族アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効率よく達成できることが確認された。
また、例6−8の結果より、本方法によれば、第一級脂環式アルコールの酸化及びアルデヒドの選択的生成を効率よく達成できることも確認された。
なお、図6には結果を示していないが、例6−7においては、副産物として生成されたカルボン酸の収率も算出した。カルボン酸は、上述の実施例1におけるアルコール及びアルデヒドの定量と同様に、ナフタレンのピークに対する、カルボン酸のピークの強度比と、予め作成された検量線と、に基づいて定量した。カルボン酸の収率は、当初の第一級脂肪族アルコール(n−デカノール)の全量がカルボン酸に転化された場合に生成される当該カルボン酸の理論的な量に対する、実際に生成されたカルボン酸の量の割合(%)として算出した。
その結果、例6−7におけるカルボン酸の収率は、1時間の酸化反応後で0.7%、3時間の酸化反応後で19.0%であった。すなわち、本方法による第一級脂肪族アルコールの酸化において、カルボン酸の生成は僅かであり、アルデヒドを選択的に効率よく生成できていることが確認された。
[第二級芳香族アルコールの酸化]
基質として第二級芳香族アルコールである1−フェニルエタノールを使用し、互いに異なる複数の条件で、下記の反応式(XII)に示すような酸化反応(ケトンの製造)を行った(例7−1〜3)。
Figure 0005635275
例7−1においては、まず、三ッ口フラスコに、40mmolの1−フェニルエタノール、0.2mmolのTEMPO、20mgの活性炭(AC)を入れ、超音波洗浄器を使用して30秒間超音波照射することにより、溶媒を含有しない反応溶液を調製した。
次に、減圧ポンプを使用してフラスコ内を20mmHgに減圧し、その後、酸素ガスを導入して常圧とした。この操作を3回繰返し、反応系内の空気を酸素ガスに置換した。そして、反応溶液を90℃に加熱し、次いで1mmolの硝酸(67%硝酸を使用)を加え、撹はんしながら90℃で7時間の酸化反応を行った。このようにして、硝酸、TEMPO、活性炭及び酸素ガスの存在下、無溶媒系で1−フェニルエタノールの酸化を行った。
例7−2においては、TEMPOを0.4mmol使用し、活性炭を40mg使用し、硝酸を2mmol使用し、反応時間を1、2又は3時間としたこと以外は上述の例7−1と同様にして、1−フェニルエタノールの酸化を行った。
例7−3においては、TEMPOを0.4mmol使用し、炭素材料を使用せず、硝酸を2mmol使用し、反応時間を1、2又は3時間としたこと以外は上述の例7−1と同様にして、1−フェニルエタノールの酸化を行った。
[ガスクロマトグラフ質量分析計による定量]
上述の実施例1と同様に、ガスクロマトグラフ質量分析計により、酸化反応後の反応溶液中に含有される基質(第二級アルコール)及び反応生成物(ケトン)を定量した。そして、定量結果に基づき、アルコールの転化率、ケトンの選択率を算出した。
アルコールの転化率は、当初の1−フェニルエタノールの量に対する、酸化反応後に消失した1−フェニルエタノールの量(酸化により他の化合物に転化された1−フェニルエタノールの量)の割合(%)として算出した。
ケトンの選択率は、酸化反応により消失した1−フェニルエタノールの量に対する、実際に生成されたアセトフェノンの量の割合(%)を示す。
図7には、例7−1〜3における反応条件及び定量結果を示す。例7−1〜3の結果より、炭素材料を使用する場合及び炭素材料を使用しない場合のいずれにおいても、無溶媒系における第二級芳香族アルコールの酸化及びケトンの生成を効率よく達成できることが確認された。
また、例7−2,3の結果より、炭素材料(活性炭)を使用することによって、無溶媒系における第二級芳香族アルコールの酸化及びケトンの生成を効果的に促進できることが確認された。
[第二級脂環式アルコールの酸化]
基質として第二級脂環式アルコールである2−アダマンタノールを使用して、互いに異なる複数の条件で、下記の反応式(XIII)に示すような酸化反応(ケトンの製造)を行った(例8−1〜3)。
Figure 0005635275
例8−1においては、フラスコに5mmolの2−アダマンタノール、0.1mmolのTEMPO、10mgのカーボンアロイ触媒(wFePc)、10mLの1,4−ジオキサンを入れ、反応溶液を調製した。
そして、反応溶液を90℃に加熱し、酸素ガスを20〜30mL/分の流量でフラスコ内に導入した。さらに、この反応溶液に1mmolの硝酸(40%硝酸を使用)を加え、撹はんしながら90℃で3時間の酸化反応を行った。
例8−2においては、1,4−ジオキサンを5mL使用し、カーボンアロイ触媒に代えて活性炭(AC)を使用し、40%硝酸に代えて67%硝酸を使用し、反応時間を1、2又は3時間としたこと以外は上述の例8−1と同様にして、2−アダマンタノールの酸化を行った。
例8−3においては、1,4−ジオキサンを5mL使用し、炭素材料を使用せず、40%硝酸に代えて67%硝酸を使用し、反応時間を1、2又は3時間としたこと以外は上述の例8−1と同様にして、2−アダマンタノールの酸化を行った。
そして、上述の実施例7と同様に、反応溶液中の第二級脂環式アルコール及びその酸化物であるケトンを定量し、アルコールの転化率、ケトンの選択率を評価した。
図8には、例8−1〜3における反応条件及び定量結果を示す。例8−1〜3の結果より、炭素材料(カーボンアロイ触媒又は活性炭)を使用する場合及び炭素材料を使用しない場合のいずれにおいても、第二級脂環式アルコールの酸化及びケトンの生成を効率よく達成できることが確認された。また、例8−2,3の結果より、炭素材料(活性炭)を使用することによって、第二級脂環式アルコールの酸化及びケトンの生成を効果的に促進できることが確認された。

Claims (5)

  1. 酸素含有ガス、2,2,6,6−tetramethylpiperidin−1−oxyl(TEMPO又は1−Methyl−2−Azaadamantane−N−oxyl(MAZADO、硝酸及び比表面積が20m/g以上の炭素材料の存在下で、アルコールを酸化する
    ことを特徴とするアルコールの酸化方法。
  2. 前記炭素材料は、活性炭、カーボンアロイ触媒又はカーボンブラックである
    ことを特徴とする請求項1に記載されたアルコールの酸化方法。
  3. 前記硝酸は、前記アルコールに対して1当量未満である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載されたアルコールの酸化方法。
  4. 前記アルコールは、第一級アルコールであり、
    前記第一級アルコールを酸化することにより、アルデヒドを製造する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載されたアルコールの酸化方法。
  5. 前記アルコールは、第二級アルコールであり、
    前記第二級アルコールを酸化することにより、ケトンを製造する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載されたアルコールの酸化方法。
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