JP5632969B2 - モリブデン/二硫化モリブデン金属物品および同物品の生産方法 - Google Patents

モリブデン/二硫化モリブデン金属物品および同物品の生産方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に金属粉末から生産される金属物品、より具体的には、向上した摩擦および摩耗特性を有するモリブデン金属物品に関する。
モリブデンは、中程度の硬度、高い熱伝導性および導電性、高い耐腐食性、小さい熱膨張、ならびに小さい比熱を特性とする、強靱な延性金属である。モリブデンは高い融点(2610℃)も有し、これを上回るのはタングステンおよびタンタルのみである。モリブデンは、数例を挙げると、航空宇宙産業から核エネルギー、光電池および半導体製造に至る、多種多様な分野で用いられている。モリブデンは、さまざまなタイプのステンレス鋼、工具鋼、および高温超合金において合金化剤としても一般に用いられている。これに加えて、モリブデンは、数ある用途の中でも、触媒(例えば石油精製において)として用いられることが多い。
モリブデンは、主として、硫化モリブデン(MoS)を含有する輝水鉛鉱の形および黄鉛鉱(PbMoO)の形で見いだされる。モリブデン鉱を焙焼により処理すると、酸化モリブデン(MoO)を形成することができる。酸化モリブデンを鋼および鉄などの他の金属と直接組み合わせると、その合金を形成することができるが、この目的にはフェロモリブデン(FeMo)も用いることができる。あるいは、酸化モリブデンをさらに処理すると、モリブデン金属(Mo)を形成することができる。
モリブデン金属の生産方法は、概して二段還元法または一段還元法のいずれかとして分類することができる。どちらのタイプの方法でも、モリブデン金属は典型的には粉末の形で回収される。出発材料は酸化物かモリブデン酸塩のいずれかであることができ、その選択はさまざまな要因により決定される。二酸化物(MoO)および二モリブデン酸アンモニウム((NHMo)も用いられるが、もっとも広く用いられる出発材料は化学グレードの三酸化物(MoO)である。
続いて、そのような一段および二段法により生産されたモリブデン金属粉末を溶融(例えばアーク溶融により)してモリブデン金属インゴットを生産することができるが、モリブデンの高い溶融温度およびアーク溶融法に伴う他の問題点に起因して、ほとんどの場合そのような処理は望ましくない。その代わりに、通常はモリブデン金属粉末をいくつかのいわゆる“粉末冶金”法に付して、さまざまなタイプのモリブデン金属物品および材料を形成または生産する。例えば、モリブデン金属粉末をバーまたは“圧粉体”に圧粉することができ、続いてこれを焼結する。焼結圧粉体は、“そのままで”用いることができ、または、例えば熱成形、鍛造、圧延または圧伸によりさらに処理して、多種多様なモリブデン金属物品、例えばワイヤーおよびシート製品を形成することができる。
本発明の一態様に従った金属物品の生産方法は、以下の段階を包含することができる:モリブデンおよび二硫化モリブデン副粒子(sub-particle)の実質的に均質な分散物を包含する複合金属粉末であって、該副粒子が、一緒に融合して該複合金属粉末の個々の粒子を形成している、前記複合金属粉末を提供する段階。その後、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末を、該混合物をほぼ固体の塊として挙動させるのに十分な圧力下で圧縮する。本発明は、この方法により生産される金属物品も包含する。
以下の段階を包含する複合金属粉末の生産方法も開示する:モリブデン金属粉末の供給物を提供する段階;二硫化モリブデン粉末の供給物を提供する段階;モリブデン金属粉末および二硫化モリブデン粉末を液体と組み合わせてスラリーを形成する段階;該スラリーを高温ガス流中に送る段階;および、複合金属粉末を回収する段階、ここにおいて、該複合金属粉末は、一緒に融合して該複合金属粉末の個々の粒子を形成しているモリブデンおよび二硫化モリブデン副粒子の実質的に均質な分散物を含む。
図1は、本発明に従った金属物品の生産方法の一態様における基本的工程段階の工程フローチャートである。 図2は、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末の生産方法の一態様における基本的工程段階の工程フローチャートである。 図3は、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末の走査型電子顕微鏡像である。 図4は、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末の生産に用いることができるパルス燃焼噴霧乾燥装置の一態様の略図である。
本発明の例示的で現在好ましい態様を、添付図面に示す。
主としてモリブデンおよび二硫化モリブデン(Mo/MoS)を含む固体製品または金属物品10、ならびに該金属物品10を生産するための方法12を、図1に示す。金属物品10は、モリブデンおよび二硫化モリブデンを含む複合金属粉末14を圧密化または圧粉することにより生産または形成される。本明細書中でより詳細に記載するように、金属物品10は、単純な(plain)モリブデン製品と比較して、さまざまなトライボロジー的パラメーター(例えば摩擦係数および摩耗)において著しい改善を示す。したがって、本発明のMo/MoS金属物品10は、広範な用途において、広範な主要目的のために、用いることができる。
金属物品10の作製に用いられる複合金属粉末14は、図2に例示する工程または方法18により生産することができる。簡潔に記載すると、工程18は、モリブデン金属(Mo)粉末20の供給物および二硫化モリブデン(MoS)粉末22の供給物を提供することを含むことができる。モリブデン金属粉末20および二硫化モリブデン粉末22を液体24、例えば水と組み合わせて、スラリー26を形成する。その後、スラリー26を噴霧乾燥機28で噴霧乾燥して、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14を生産することができる。
ここで図3を参照すると、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14は、それ自体がより小さな粒子の凝集物である複数の概して球形の粒子を含む。二硫化モリブデンはモリブデン中に高度に分散している。すなわち、本発明のモリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14は、二硫化モリブデン粉末とモリブデン金属粉末の単なる組み合わせではない。むしろ、複合金属粉末14は、粒子単位ベースでモリブデンと硫化モリブデンの実質的に均質な混合物を含む。言い方を変えれば、個々の球状粉末粒子は、一緒に融合しているモリブデンおよび二硫化モリブデンの副粒子を含み、これにより、複合金属粉末14の個々の粒子はモリブデンおよび二硫化モリブデンの両方を含み、各粒子はほぼ同量の二硫化モリブデンを含有する。
複合金属粉末14はまた、密度が高く、好ましい流れ特性を持つ。例えば、本明細書中でさらに詳細に論じるように、本明細書中に提供する教示に従って生産される代表的なモリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14は、約2.3g/cc〜約2.6g/ccの範囲のScott密度を有することができる。複合金属粉末16は高い流動性も有し、典型的には、本明細書中に示し記載するさまざまな実施例の組成物に関し20s/50g程度の低いHall流動性を示す。しかしながら、他の態様は、選別または分級されるまでは、流動性を示さない可能性がある。
ここで再び主に図1を参照すると、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14を、回収したままの形または“未処理の” 形で供給原料30として用いて、金属物品10を生産することができる。あるいは、本明細書中でより詳細に記載するように、“未処理の”複合金属粉末14を、供給原料30として用いる前に、例えば選別もしくは分級32によるか、加熱70によるか、またはそれらの組み合わせにより、さらに処理してもよい。モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末供給原料30(例えば、“未処理の”形にあるか、処理された形にあるかのいずれか)を段階34で圧粉または圧密化して、金属物品10を生産することができる。例として、一態様において、金属物品10は滑り軸受16を含むことができる。本明細書中でさらに詳細に記載するように、圧密化工程34は、軸加圧(axial pressing)、熱間等方圧加圧(HIPing)、温間等方圧加圧(warm isostatic pressing)(WIPing)、冷間等方圧加圧(CIPing)、および焼結を含むことができる。
金属物品10は、圧密化工程34から直接“そのまま”で用いてもよい。あるいは、圧密化した金属物品10を、例えば、機械処理36によるか、焼結38によるか、それらの組み合わせによりさらに処理してもよく、その場合、金属物品10は、処理した金属物品を含むことになる。
本明細書中でより詳細に記載するように、本発明の金属物品10(例えば滑り軸受16)のある種の性質または材料特性は、金属物品10の加工に用いられる複合金属粉末14中のモリブデンと二硫化モリブデンの相対的割合を変化させることにより、いくぶん変動させることができる。例えば、金属物品10の構造強度は、複合金属粉末14中の二硫化モリブデンの濃度を低下させることにより上昇させることができる。反対に、そのような金属物品10の潤滑性は、二硫化モリブデンの濃度を上昇させることにより上昇させることができる。そのような上昇した潤滑性は、金属物品10を用いて“移動(transfer)”潤滑をもたらす状況において有利であることができる。同様に以下でより詳細に説明するように、金属物品10のさまざまな性質および材料特性は、さまざまな合金化化合物、例えばニッケルおよび/またはニッケル合金を複合金属粉末14に加えることにより、変動させることもできる。
本発明の教示に従って生産される金属物品10の顕著な利点は、それらが、従来法に従って加工された単純なモリブデン製品と比較して、低い摩耗率および低い摩擦係数を示す点である。本発明の金属物品10はまた、一般に用いられている金属および合金、例えば、鋳鉄、鋼、ステンレス鋼、および工具鋼と、有益なトライボ対(tribocouple)を形成する。有益なトライボ対は、さまざまなタイプの高温金属合金、例えば、チタン合金ならびにHAYNES(登録商標)およびHASTELLOY(登録商標)商標で販売されているさまざまな高温合金と形成することもできる。したがって、本発明の金属物品10は、従来入手可能な材料と比較して低い摩擦および摩耗率などの有益な特性を有するトライボ対が望ましいか有利である多種多様な用途での使用に適している。
これに加えて、本発明に従った金属物品10は、材料のさまざまな性質および特性、例えば、硬度、強度および潤滑性を持つように加工することができ、これにより、金属物品10を特定の要件または用途に合わせて特注生産または適応させることが可能になる。例えば、向上した硬度および強度を有する金属物品10は、より少量の二硫化モリブデンを有するモリブデン/二硫化モリブデン複合粉末混合物14(すなわち供給原料30)から生産することができる。そのような向上した硬度および強度を有する金属物品10は、好ましいトライボ対の特性をなお維持している限り、基礎的構造材料として用いるのに適している。さらに、本明細書中でさらに詳細に記載するように、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14を追加的な合金化剤、例えばニッケルおよびさまざまなニッケル合金と混合することにより、追加的な硬度および強度を金属物品に付与してもよい。
向上した潤滑性を有する金属物品10は、より高濃度の二硫化モリブデンを有する複合金属粉末14(すなわち供給原料30)から形成することができる。そのような向上した潤滑性を有する金属物品10は、“移動”潤滑が金属物品10によりもたらされるべきであるが、高い構造強度および/または硬度はあまり重要でないかもしれない用途での使用に、有利でありうる。
さらに他の利点は、金属物品10のための供給原料30として用いられる複合粉末生産物14に関連する。本明細書中で開示するモリブデン/二硫化モリブデン複合粉末生産物14は、実質的に均質な組み合わせ、すなわち、従来法により達成することが通常なら難しいか不可能であるモリブデンと二硫化モリブデンの均一な分散物を提供する。
さらに、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末は粉末状材料を含んではいるが、それは、モリブデンおよび二硫化モリブデン粒子の単なる混合物ではない。その代わり、モリブデンおよび二硫化モリブデンの副粒子が実際は一緒に融合しており、その結果、粉末状金属生産物の個々の粒子はモリブデンと二硫化モリブデンの両方を含んでいる。したがって、本発明に従ったモリブデン/二硫化モリブデン複合粉末14を含む粉末状供給原料30は、モリブデン粒子と二硫化モリブデン粒子に分離する(例えば比重の差により)ことはない。
二硫化モリブデンがモリブデンの全体にわたり高度および均一に分散している(すなわち均質である)複合金属粉末をもたらす能力に関連する利点の他に、本明細書中で開示する複合金属粉末14は、高い密度および流動性も特徴とし、これにより、複合金属粉末14を、多種多様な粉末圧粉または圧密化工程、例えば、冷間、温間および熱間等方圧加圧工程ならびに軸加圧および焼結工程において、有利に用いることが可能になる。高い流動性により、本明細書中で開示する複合金属粉末14を金型キャビティに容易に満たすことが可能になる一方、高い密度により、続く焼結工程中に生じる可能性がある収縮が最小限に抑えられる。
簡潔に記載してきたが、ここで、金属物品10、それらの生産方法12のほか、金属物品10を作製するのに用いることができる複合金属粉末14、金属物品のさまざまな態様、それらの作製工程、およびモリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14の生産工程を、詳細に記載する。
ここで再び図1を参照すると、本発明に従ったモリブデン/二硫化モリブデン金属物品10は、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14を含む供給原料材料30の圧粉または圧密化34により形成または生産することができる。上記のように、供給原料材料30は、“未処理の”モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14、すなわち、実質的に図2の方法18により生産したままのものを、含むことができる。あるいは、未処理のモリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14を例えば段階32で分級して、供給原料材料30の粒子サイズの分布を望ましいサイズまたはサイズ範囲に適応させてもよい。
本明細書中で用いるのに適した複合金属粉末14は、最終的な金属物品または圧粉体10に望ましい所望の材料特性(例えば強度および/または密度)が達成されるように複合金属粉末14を圧縮(例えば本明細書中に記載する工程により)することが可能になる粒子サイズである限り、広範な粒子サイズのいずれかおよび粒子サイズの混合 (mixtures of particle sizes)を含むことができる。一般的に言えば、許容しうる結果は、以下の範囲の粉末サイズで得ることができる:
Figure 0005632969
上記のように、未処理の複合粉末14を分級してから段階34で圧密化することが、望ましいまたは有利である可能性がある。検討すべき要因としては、限定されるものではないが、生産される特定の金属物品10、該金属物品に望ましいまたは必要な材料特性(例えば、密度、硬度、強度など)、ならびに、用いられる特定の圧密化工程34が挙げられる。
未処理の複合粉末14を最初に分級することの望ましさおよび/または必要性は、図2の工程18により生産される未処理の複合粉末14の特定の粒子サイズにも依存する。すなわち、未処理の複合粉末の生産に用いられる特定の工程のパラメーター(その代表的態様を本明細書中に記載する)によっては、複合粉末14を未処理の形で用いることが可能であるか有利でさえある可能性がある。あるいは、言うまでもなく、他の検討事項により、未処理の複合粉末14を最初に分級することが望ましいとされる可能性がある。
したがって、要約すると、複合粉末14の分級の望ましさおよび/または必要性は、多種多様な要因および検討事項に依存する。そのいくつかを本明細書中に記載するが、他のものは、本明細書中に提供する教示についてよく理解した後に当業者には明らかになるであろう。本発明は分級段階32を必要とするとみなすべきではない。
複合金属粉末14は、必要または所望の場合、例えば段階70で加熱することもできる。複合金属粉末14のそのような加熱70を用いると、複合金属粉末14に残存している可能性がある残留湿分および/または揮発材料を除去することができる。場合によっては、複合金属粉末14の加熱70は、複合金属粉末14の流動性を向上させる有益な効果も有する可能性がある。
ここで主に図2を参照すると、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14は、方法18に従って調製することができる。方法18は、モリブデン金属粉末20の供給物および二硫化モリブデン粉末22の供給物を提供することを含むことができる。モリブデン金属粉末20は、約0.5μm〜約25μmの範囲の粒子サイズを有するモリブデン金属粉末を含むことができるが、他のサイズを有するモリブデン金属粉末20を用いることもできる。本発明で用いるのに適したモリブデン金属粉末は、Climax Molybdenum,a Freeport−McMoRan CompanyおよびClimax Molybdenum Company,a Freeport−McMoRan Company,Ft.Madison Operations,Ft.Madison,アイオワ州(米国)から市販されている。例として、一態様において、モリブデン金属粉末20は、Climax Molybdenum Companyから“FM1”という名称で販売されているモリブデン金属粉末を含む。あるいは、他の供給源からのモリブデン金属粉末を用いることもできる。
二硫化モリブデン粉末22は、約0.1μm〜約30μmの範囲の粒子サイズを有する二硫化モリブデン金属粉末を含むことができる。あるいは、他のサイズを有する二硫化モリブデン粉末22を用いることもできる。本発明で用いるのに適した二硫化モリブデン粉末22は、Climax Molybdenum,a Freeport−McMoRan CompanyおよびClimax Molybdenum Company,a Freeport−McMoRan Company,Ft.Madison Operations,Ft.Madison,アイオワ州(米国)から市販されている。Climax Molybdenum Companyから入手可能な二硫化モリブデンの適したグレードとしては、“工業用”、“工業用上級”および“Superfine Molysulfide(登録商標)”グレードが挙げられる。例として、一態様において、二硫化モリブデン粉末22は、Climax Molybdenum Companyからの“Superfine Molysulfide(登録商標)”二硫化モリブデン粉末を含む。あるいは、他のグレードおよび他の供給源からの二硫化モリブデン粉末を用いることもできる。
モリブデン金属粉末20および二硫化モリブデン粉末22を液体24と混合して、スラリー26を形成することができる。一般的に言えば、液体24は脱イオン水を含むことができるが、本明細書中に提供する教示についてよく理解した後に当業者には明らかになるように、他の液体、例えば、アルコール、揮発性液体、有機液体、およびそのさまざまな混合物を用いることもできる。したがって、本発明は、本明細書中に記載する特定の液体24に限定されるとみなすべきではない。しかしながら、例として、一態様において、液体24は脱イオン水を含む。
液体24に加えて、バインダー40も用いることができるが、バインダー40の添加は必須ではない。本発明で用いるのに適したバインダー40としては、限定されるものではないが、ポリビニルアルコール(PVA)が挙げられる。バインダー40は、液体24と混合してから、モリブデン金属粉末20および二硫化モリブデン粉末22に加えることができる。あるいは、バインダー40は、スラリー26に、すなわち、モリブデン金属20および二硫化モリブデン粉末22を液体24と組み合わせた後に、加えてもよい。
スラリー26は、重量に基づき約15%〜約50%の全液体(典型的には約21重量%の全液体)(例えば、液体24単独か、バインダー40と組み合わせた液体24のいずれか)を含むことができ、残余は、以下に記載する割合でのモリブデン金属粉末20および二硫化モリブデン粉末22を含むことができる。
先に簡潔に記載したように、最終金属物品10のある種の性質または材料特性は、複合金属粉末14中のモリブデンと二硫化モリブデンの相対的割合を変化させることにより変動または調整することができる。一般的に言えば、金属物品の構造強度は、複合金属粉末14中の二硫化モリブデンの濃度を低下させることにより上昇させることができる。反対に、最終金属物品10の潤滑性は、複合金属粉末14中の二硫化モリブデンの濃度を上昇させることにより上昇させることができる。スラリー26に提供されることになる二硫化モリブデン粉末22の量に影響を及ぼしうる追加的な要因としては、限定されるものではないが、金属物品10の製造に採用することができる特定の“下流”工程が挙げられる。例えば、ある種の下流工程、例えば加熱および焼結工程は、最終金属物品10中の二硫化モリブデンの損失を多少もたらす可能性がある。これは、スラリー26に追加的量の二硫化モリブデンを提供することにより相殺することができる。
したがって、スラリー26を形成するために用いることができる二硫化モリブデン粉末22の量は、望ましい量の“保持”二硫化モリブデン(すなわち、望ましい強度および潤滑性を有する金属物品10をもたらすのに)を有する複合金属粉末14および/または最終金属物品10を提供するために、変動させるか調整することが必要である可能性がある。さらに、保持二硫化モリブデンの量は、幅広い要因に応じて変動させることができる。要因の多くは本明細書中に記載しており、他のものは、本明細書中に提供する教示についてよく理解した後に当業者には明らかになるであろう。したがって、本発明は、任意の特定量での二硫化モリブデン粉末22の提供に限定されるとみなすべきではない。
例として、モリブデン金属粉末20と二硫化モリブデン粉末22の混合物は、約1重量%〜約50重量%の二硫化モリブデン粉末22を含むことができ、約15重量%の量での二硫化モリブデンが典型的である。いくつかの態様では、二硫化モリブデン粉末22を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、50重量%を超える量で加えることができる。これらの重量百分率には、スラリー26を形成するために後で加えられる液体成分(1以上)が含まれていないことに、留意すべきである。すなわち、これらの重量百分率は、粉末成分20および22の相対的分量をさしているにすぎない。
さらにまた、全体として、スラリー26は、約15重量%〜約50重量%の液体24(典型的には約18重量%)を含むことができ、これは、約0重量%(すなわちバインダーを含まない)〜約10重量%のバインダー44(典型的には約3重量%)を含むことができる。スラリー26の残余は、本明細書中に明記する割合での金属粉末(例えば、モリブデン金属粉末20、二硫化モリブデン粉末22、および、所望により補足金属粉末46)を含むことができる。
金属物品10の特定の用途によっては、補足金属粉末72をスラリー26に加えることが望ましい可能性がある。図2参照。一般的に言えば、補足金属粉末72の添加は、得られる金属物品10の強度および/または硬度を上昇させるために用いることができ、これは特定の用途で望ましいまたは必要とされる可能性がある。代表的な補足金属粉末72としては、ニッケル金属粉末、ニッケル合金粉末、およびそれらの混合物が挙げられる。あるいは、他の金属粉末を用いることもできる。
一態様において、補足金属粉末72は、約1μm〜約100μmの範囲の粒子サイズを有するニッケル合金粉末を含むことができるが、他のサイズを有する補足金属粉末72を用いることもできる。例として、一態様において、補足金属粉末72は“Deloro 60(登録商標)”ニッケル合金粉末を含み、これは、インディアナ州(米国)GoshenのStellite Coatingsから市販されている。“Deloro 60(登録商標)”は、さまざまな元素を以下の量(重量百分率で)で含むニッケル合金粉末の商標である:Ni(残余)、Fe(4)、B(3.1〜3.5)、C(0.7)、Cr(14〜15)、Si(2〜4.5)。あるいは、他の組成を有し、他の供給源から入手可能なニッケル合金金属粉末を用いることもできる。
用いる場合、図2でもっともよくわかるように、補足金属粉末72はスラリー26に加えることができる。あるいは、補足金属粉末72は、複合粉末生産物14(すなわち、噴霧乾燥後)に加えてもよい。しかしながら、補足金属粉末72はスラリー26に加えることが一般に好ましい。
補足金属粉末は、モリブデン粉末20と二硫化モリブデン粉末22の混合物(すなわち乾燥粉末混合物)に最大約50重量%の量で加えることができる。補足金属粉末72がニッケルまたはニッケル合金金属粉末(例えばDeloro 60(登録商標))を含む一態様において、補足ニッケル合金金属粉末は約25重量%(液体成分を除く)を構成することができる。この例では、最終金属物品生産物10中のニッケル濃度が高いほど、一般に硬度が高くなることに、留意すべきである。場合によっては、ニッケル合金粉末の添加が、金属物品10の摩擦係数のわずかな低下をもたらす可能性もある。
調製後、スラリー26を噴霧乾燥(例えば噴霧乾燥機28で)して、複合金属粉末生産物14を生産することができる。例として、一態様では、スラリー26を、“Metal Powders and Methods for Producing the Same”という題名のLarink,Jr.の米国特許公法第7470307号に示され記載されているタイプのパルス燃焼噴霧乾燥機28で噴霧乾燥する。特に、該特許を、その開示内容のすべてについて本明細書中で参考として援用する。
一態様において、噴霧乾燥工程は、スラリー26をパルス燃焼噴霧乾燥機28に送ることを包含する。噴霧乾燥機28において、スラリー26は、音速またはほぼ音速でパルス化されている高温ガス(単数または複数)42の流れと衝突する。高温ガス42の音速パルスはスラリー26と接触し、実質的にすべての液体(例えば水および/またはバインダー)を排除して、複合金属粉末生産物14を形成する。高温ガス42の脈動流の温度は、約300℃〜約800℃、例えば約465℃〜約537℃の範囲、より好ましくは約565℃であることができる。
より具体的には、ここで主に図4を参照すると、燃焼用空気44を低圧で噴霧乾燥機28の入口46に通して外側シェル48内に送る(例えばポンプで)ことができ、そこで、該空気は一方向空気弁50を通って流れる。その後、空気44は、燃料バルブまたはポート54を介して燃料が加えられる同調(tuned)燃焼チャンバー52に入る。その後、燃料−空気混合物を点火バーナー(pilot)56により点火して、高温燃焼ガス58の脈動流を作り出し、これを、さまざまな圧力、例えば、燃焼ファン圧力を約0.003MPa(約0.5psi)〜約0.2MPa(約3psi)上回る範囲に加圧することができる。高温燃焼ガス58の脈動流はテール管60を噴霧器62まで急降下する。噴霧器62のすぐ上で、急冷空気64を入口66に通して送ることができ、高温燃焼ガス58とブレンドして、望ましい温度を有する高温ガス42の脈動流を達成することができる。スラリー26は、噴霧器62を介して高温ガス42の脈動流中に導入される。その後、噴霧スラリーは円錐形出口68で分散した後、従来の丈が長い乾燥チャンバー(図示していない)に入ることができる。さらに下流において、複合金属粉末生産物14を、標準的な収集機器、例えばサイクロンおよび/またはバグハウス(baghouse)(同様に図示していない)を用いて回収することができる。
パルス化された操作では、空気弁50を反復して開き、閉じて、空気をその燃焼のために燃焼チャンバー52に交互に入れる。そのような反復では、先立つ燃焼エピソード(episode)の直後に、次のパルスのために空気弁50を再び開くことができる。その結果、再び開くことにより、次の1回分の量の空気(例えば燃焼用空気44)が入ることが可能になる。その後、燃料バルブ54から燃料が再び入り、混合物は上記のように燃焼チャンバー52で自己発火する。空気弁50の開閉およびチャンバー52におけるパルス状での燃料の燃焼のこの反復は、さまざまな周期数(frequency)、例えば約80Hz〜約110Hzで制御可能であることができるが、他の周期数を用いることもできる。
本明細書中に記載するパルス燃焼噴霧乾燥機28により生産される“未処理の”モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末生産物14を、図3に例示する。これは、それ自体がより小さな粒子の凝集物である複数の概して球形の粒子を含む。すでに記載したように、二硫化モリブデンはモリブデン中に高度に分散しており、その結果、複合粉末14は、一緒に融合している二硫化モリブデンおよびモリブデン副粒子の実質的に均質な分散物または複合混合物を含む。
一般的に言えば、本明細書中に提供する教示に従って生産される複合金属粉末生産物14は幅広い範囲のサイズを含み、約1μm〜約500μmの範囲のサイズ、例えば、約1μm〜約100μmの範囲のサイズなどを有する粒子を、本明細書中に提供する教示に従って容易に生産することができる。望ましい場合、複合金属粉末生産物14を例えば段階32(図1)で分級して、より狭いサイズ範囲を有する生産物14を提供することができる。さまざまな代表的な“未処理の”複合金属粉末生産物14の篩い分け分析を、表Vに示す。
上記のように、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末14はまた、密度が高く、概して流動性が高い。代表的な複合金属粉末生産物14は、約2.3g/cc〜約2.6g/ccの範囲のScott密度(すなわち見掛け密度)を有する。いくつかの態様において、Hall流動性は20s/50g程度の低さである(すなわち、より流動性である)ことができる。しかしながら、他の態様では、選別または分級されるまでは、複合金属粉末16は流動性を示さないことがある。
すでに記載したように、パルス燃焼噴霧乾燥機28は高温ガス42の脈動流を提供し、その中にスラリー26が送られる。接触帯域および接触時間は非常に短く、接触時間は約1マイクロ秒ほどであることが多い。したがって、高温ガス42、音波、およびスラリー26の物理的相互作用により、複合金属粉末生産物14が生じる。より具体的には、スラリー26の液体成分24が、高温ガス42の音速(またはほぼ音速)のパルス波により実質的に除去または排除される。短い接触時間によりスラリー成分は確実に最小限に加熱され、例えば、接触時間の最後に、接液体成分24を蒸発させるのに十分な温度である約115℃のレベルに加熱される。
しかしながら、ある種の場合では、残留量の液体(例えば、液体24および/または用いる場合はバインダー40)が、得られる“未処理の”複合金属粉末生産物14中に残存している可能性がある。あらゆる残存液体24を、次の加熱工程または段階70により排除(例えば部分的または完全に)することができる。図1参照。一般的に言えば、加熱工程70は、液体成分は排除されるが実質的分量の二硫化モリブデンは排除されないように、中程度の温度で行うべきである。加熱70中に二硫化モリブデンを多少失う可能性があり、これにより、加熱された供給原料生産物30中の保持二硫化モリブデンの量は減少することになる。結果的に、上記のように、予想される損失を相殺するために、増大させた分量の二硫化モリブデン粉末22を提供することが必要である可能性がある。
加熱70は、約90℃〜約120℃(約110℃が好ましい)の範囲内の温度で行うことができる。あるいは、短時間の場合は300℃程度の高い温度を用いてもよい。しかしながら、そのようなより高い温度では、最終金属物品10中の保持二硫化モリブデンの量が減少する可能性がある。多くの場合、複合金属粉末14の酸化を最小限に抑えるために、加熱30を水素雰囲気中で行うことが好ましい可能性がある。
金属粉末生産物14の凝集物は、加熱段階70の後であっても、それらの形状(多くの場合、実質的に球形)を保持することが好ましいことにも、言及することができる。実際、加熱70は、ある種の態様において、複合金属粉末14の流動性の向上をもたらすことができる。
上記のように、場合によっては、複合金属粉末14を含む凝集粒子がさまざまなサイズで噴霧乾燥工程中に生じることがある。複合金属粉末生産物14を、望ましい生産物サイズ範囲内のサイズ範囲を有する金属粉末生産物にさらに分離または分級することが、望ましい可能性がある。例えば、生産される複合金属粉末14のほとんどは、広い範囲の粒子サイズ(例えば約1μm〜約500μm)を含み、実質的量の生産物(例えば40〜50重量%の範囲)は約45μmより小さい(すなわち−325U.S.メッシュ)。かなりの量の複合金属粉末14(例えば、30〜40重量%の範囲)は、約45μm〜75μm(すなわち、−200+325U.S.メッシュ)の範囲にあることができる。
本明細書中に記載する工程は、実質的な百分率の生産物をこの生産物サイズ範囲でもたらすことができる;しかしながら、望ましい生産物サイズ範囲外の残りの生産物、とりわけ、より小さい生産物が存在する可能性がある。これは、再び液体(例えば水)を加えて適したスラリー組成物を作り出さなければならないが、システムに通して再循環させることができる。そのような再循環は、所望による代替的(または追加的)段階(単数または複数)である。
モリブデン/二硫化モリブデン複合粉末14を調製した後、これを図1に例示する工程12で供給原料材料30として用いて、金属物品10を生産することができる。より具体的には、複合金属粉末14を、回収したままの形または“未処理の“形で、供給原料30としてさまざまな工程および用途で用いることができる。これらの工程および用途のいくつかは本明細書中に示し記載しており、他のものは、本明細書中に提供する教示についてよく理解した後に当業者には明らかになるであろう。あるいは、“未処理の”複合金属粉末生産物14を、供給原料30として用いる前に、上記のように、例えば、分級32、加熱70および/またはそれらの組み合わせなどにより、さらに処理してもよい。
その後、供給原料材料30(すなわち、未処理の複合粉末生産物14または加熱/分級した粉末生産物のいずれかを含む)を段階34で圧粉または圧密化して、望ましい金属物品10か、望ましい金属物品10を生産することができる“未完成の”圧粉体を、生産することができる。本発明で用いることができる圧密化工程34としては、限定されるものではないが、軸加圧、熱間等方圧加圧(HIPing)、温間等方圧加圧(WIPing)、冷間等方圧加圧(CIPing)、および焼結が挙げられる。一般的に言えば、本明細書中に提供する教示に従って調製される複合粉末14は、得られる“未処理の”金属物品または圧粉体10が約6.0g/cc〜約7.0g/cc(典型的には約6.4g/cc)の範囲の未処理密度を有するように、圧密化することができる。
軸加圧は、さまざまな要因、例えば、生産されることになっている特定の金属物品または圧粉体10のサイズおよび形状のほか、金属物品または圧粉体10に望ましい強度および/または密度に応じて、広い範囲の圧力で実施することができる。したがって、本発明は、任意の特定の圧粉圧力または特定範囲の圧粉圧力に限定されるとみなすべきでない。しかしながら、例として、一態様において、約310MPa〜約470MPa(約390MPaが好ましい)のおよその範囲の圧力下で圧縮する場合、本明細書中に提供する教示に従って調製される複合粉末14は、本明細書中に記載する範囲の未処理強度および密度をもたらすであろう。
冷間、温間および熱間等方圧加圧工程は、複合金属粉末供給原料材料24を望ましい形状に圧密化または形成するために、かなりの圧力および熱(温間および熱間等方圧加圧の場合)の施用を包含する。一般的に言えば、冷間、温間および熱間等方圧工程での圧力は、未処理密度が本明細書中に明記する範囲内にある圧粉体が結果として提供されるように選択すべきである。
熱間等方圧加圧工程は、同様にモリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末圧粉体の未処理密度に応じて、本明細書中に明記する圧力において、適した温度範囲のいずれかで、行うことができる。しかしながら、より高い温度では、若干量の二硫化モリブデンが失われる可能性があることに、留意すべきである。したがって、温度は、最終金属物品または圧粉体10が望ましい分量の保持二硫化モリブデンを確実に含有するように、加減することが必要である可能性がある。
温間等方圧加圧工程は、本明細書中に明記する圧力で行うことができる。温間等方圧加圧の温度は、一般に、熱間等方圧加圧の温度未満である。
焼結は、ある温度範囲のいずれかで行うことができる。焼結に用いることができる特定の温度は、最終金属物品10に望ましい密度のほか、金属物品または圧粉体10中に保持されるのに望ましい二硫化モリブデンの量など、さまざまな要因に依存する。
圧密化34の後、得られる金属生産物10(例えば滑り軸受け16)を“そのまま”用いることができ、または、必要または所望の場合はさらに処理することができる。例えば、金属生産物10を、必要または所望の場合、使用する前に段階38で機械処理してもよい。金属生産物10を段階38で加熱または焼結して、金属生産物10の密度および/または強度をさらに向上させることもできる。金属生産物10が酸化される可能性を最小限に抑えるために、そのような焼結工程38は水素雰囲気中で行うことが望ましい可能性がある。一般的に言えば、最終生産物中の保持二硫化モリブデンの量の実質的な減少を回避するために、そのような加熱は十分に低い温度で行うことが好ましい。
2つの異なるスラリー混合物26を調製した後、これらを噴霧乾燥して複合金属粉末14を生産した。より具体的には、2つのスラリー混合物を五(5)つの別個の噴霧乾燥試験または“実験”で噴霧乾燥して、5つの異なる粉末調製物を生産し、これを“実験1〜5”とした。第1のスラリー混合物26は実験1〜3の粉末調製物の生産に用い、第2のスラリー混合物は実験4および5の粉末調製物の生産に用いた。
その後、粉末調製物を分析した。その結果を表IVおよびVに示す。その後、実験1の粉末調製物を圧密化(すなわち軸加圧により)して粉末圧粉体または金属物品10を形成し、これを続いて分析した。金属物品10の分析結果を表VIに示す。金属物品10は、単純なモリブデン加圧製品と比較して、摩擦係数、表面粗さ、および摩耗において著しい低下を示した。
ここで表IIを参照すると、2つのスラリー組成物を調製した。第1のスラリー組成物を最初の三(3)つの噴霧乾燥試験に用いて3つの異なる粉末調製物を生産し、これを実験1〜3の調製物とした。第2のスラリー組成物を次の2つの噴霧乾燥試験で噴霧乾燥して、2つの追加的な粉末調製物を生産し、これをここでは実験4および5の調製物とした。
各スラリー組成物は、約18重量%の液体24(例えば脱イオン水として)、約3重量%のバインダー40(例えばポリビニルアルコールとして)を含んでおり、残りはモリブデン金属および二硫化モリブデン粉末20および22であった。モリブデン粉末20は“FM1”モリブデン金属粉末を含み、二硫化モリブデン粉末22は“Superfine Molysulfide(登録商標)”を含んでいた。これらは両方とも、本明細書中に明記したClimax Molybdenum Companyから得た。二硫化モリブデン粉末22に対するモリブデン金属粉末20の比率は、どちらのスラリー組成物に関しても、約14〜15重量%の二硫化モリブデン(液体成分を含まない)で比較的一定に保った。
Figure 0005632969
その後、スラリー26を本明細書中に記載するような方法でパルス燃焼噴霧乾燥機28中に送り、五(5)つの異なる複合金属粉末14バッチまたは調製物を生産し、これをここでは実験1〜5とした。高温ガス42の脈動流の温度は、約548℃〜約588℃の範囲内になるように制御した。パルス燃焼噴霧乾燥機28により生じた高温ガス42の脈動流により、スラリー26から水およびバインダーが実質的に排除されて、複合粉末生産物14が形成した。さまざまな試験(すなわち実験1〜5)に関するパルス燃焼噴霧乾燥機28のさまざまな操作パラメーターを、表IIIで説明する:
Figure 0005632969
Figure 0005632969
実験1〜5で得られた複合粉末調製物は、実質的に中実で(すなわち中空ではない)、概して球形の形状を含む、より小さな粒子の凝集物を含んでいた。実験1の粉末調製物により生産された“未処理の”モリブデン/二硫化モリブデン複合粉末14のSEM写真を、図3に示す。実験1〜5の調製物に関する粉末の検定および篩い分け分析を、表IVおよびVに示す。
Figure 0005632969
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表IVに挙げた粉末検定は、第2のスラリー(すなわち実験4〜5の粉末)から生産した粉末が、第1のスラリー(すなわち実験1〜3の粉末)から生産した粉末より若干低レベルの二硫化モリブデンを含有していたことを示している。さらに、表IVに挙げた粉末検定はまた、噴霧乾燥粉末が、重量に基づき、最初の粉末混合物中に存在していたものと比較して高レベルのMoSを含有していたことを示している。これらの矛盾は、いくつかの要因、例えば、初期のスラリー成分(例えば、モリブデンおよび二硫化モリブデン粉末20および22)の秤量および噴霧乾燥粉末14の検定に用いられる機器に関連する測定の不確実性および誤差に、全体的または部分的に起因する可能性がある。矛盾は、処理における材料の損失にも起因する可能性がある。例えば、バグハウス中のサイクロン分離器およびフィルターは、著しい分量の残留(すなわち未回収の)複合金属生産物材料14を含有していた。これについては、硫黄および二硫化モリブデン含量に関する分析を行っていない。残留粉末材料が、何らかの理由で、回収された材料と比較して少ない分量の二硫化モリブデンを含有していた可能性がある。
実験1からのMo/MoS複合金属粉末14を、油圧プレスにより、約25.4mm(約1−インチ)の直径を有するダイにおいて、約240MPa(約35000psi)の圧力のダイで、圧粉した。得られた圧粉体はそれらの形状を十分に保ち、処理後に離層しなかった。比較のために、噴霧乾燥したモリブデン金属粉末を含み、二硫化モリブデンを加えていない、単純なモリブデン加圧製品も加圧した。これに続くトライボロジー試験は、Mo/MoS加圧製品が約0.48の摩擦係数を示し、それに比べ単純なモリブデン製品では約0.7であったことを示した。
Mo/MoSおよび単純なモリブデン加圧製品の代表的試料を、摩耗試験にも付した。摩耗試験は、炭化タングステン製ボールを約10mm(約0.4インチ)の距離にわたり代表的試料の上で往復させることを包含していた。ボールの直径は10mm(約0.4インチ)であり、往復周期数は3Hzであった。1N(約0.2lbs)および5N(約1.1lbs)の力を15および30秒間加えた。結果として生じる摩耗の傷跡の深さおよび幅を、表VIに示す。表面粗さに関連する表面形状測定(profilometry)データも、2つの代表的試料について得た。これも表VIに示す。2タイプの加圧製品の間で摩擦係数が実質的に小さくなったことに加え、Mo/MoS加圧製品は、かなり低下した表面粗さおよび摩耗を示した。
Figure 0005632969
本明細書中で本発明の好ましい態様を説明してきたが、なお本発明の範囲内にあり続ける適した修正をこれに加えることができると予想される。したがって、本発明は以下の特許請求の範囲に従ってのみ理解されるべきである。
本発明は以下の態様を含む。
[1] 複合金属粉末を含む金属物品であって、前記複合金属粉末が、これをほぼ固体の塊として挙動させるのに十分な圧力下で圧縮されており、前記複合金属粉末が、一緒に融合して前記複合金属粉末の個々の粒子を形成しているモリブデンおよび二硫化モリブデン副粒子の実質的に均質な分散物を含む、前記金属物品。
[2] 約6.0g/cc〜約7.0g/ccの範囲の未処理密度を有する、[1]に記載の金属物品。
[3] 約6.4g/ccの未処理密度を有する、[1]に記載の金属物品。
[4] 約0.48の摩擦係数を有する、[1]に記載の金属物品。
[5] 約0.407μm(Ra)および約3.28μm(ピーク間)の表面仕上げを有する、[1]に記載の金属物品。
[6] 約6重量パーセントの硫黄含量を有する、[1]に記載の金属物品。
[7] 約1重量パーセント〜約50重量パーセントの範囲の二硫化モリブデン含量を有する、[1]に記載の金属物品。
[8] 約16重量パーセントの二硫化モリブデン含量を有する、[7]に記載の金属物品。
[9] 最大約50重量パーセントのニッケル含量を有する、[1]に記載の金属物品。
[10] 約25重量パーセントのニッケル含量を有する、[9]に記載の金属物品。
[11] 本質的に複合金属粉末からなる金属物品であって、前記複合金属粉末が、一緒に融合して前記複合金属粉末の個々の粒子を形成しているモリブデンおよび二硫化モリブデン副粒子の実質的に均質な分散物を含み、前記複合金属粉末が、モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末をほぼ固体の塊として挙動させるのに十分な圧力下で圧縮されている、前記金属物品。
[12] 以下を含む、金属物品の生産方法:
モリブデンおよび二硫化モリブデン副粒子の実質的に均質な分散物を含む複合金属粉末であって、該副粒子が、一緒に融合して前記複合金属粉末の個々の粒子を形成している、前記複合金属粉末を提供し;そして
前記モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末を、前記混合物をほぼ固体の塊として挙動させるのに十分な圧力下で圧縮する。
[13] 前記圧縮が軸加圧を含む、[12]に記載の方法。
[14] 前記軸加圧が、約240MPaの圧力を施用することを含む、[13]に記載の方法。
[15] 前記圧縮が熱間等方圧加圧を含む、[12]に記載の方法。
[16] 前記圧縮が冷間等方圧加圧を含む、[12]に記載の方法。
[17] 前記圧縮が温間等方圧加圧を含む、[12]に記載の方法。
[18] 前記圧縮が前記金属物品に約6.0g/cc〜約7.0g/ccの範囲の未処理密度を付与する、[12]に記載の方法。
[19] 前記圧縮が前記金属物品に約6.4g/ccの未処理密度を付与する、[12]に記載の方法。
[20] 複合金属粉末の供給物を提供することが以下を含む、[12]に記載の方法:
モリブデン金属粉末の供給物を提供し;
二硫化モリブデン粉末の供給物を提供し;
前記モリブデン金属粉末および前記二硫化モリブデン粉末を液体と組み合わせてスラリーを形成し;
前記スラリーを高温ガス流中に送り;そして
複合金属粉末を回収する。
[21] 前記スラリーを高温ガス流中に送ることが、前記スラリーを噴霧し、前記噴霧スラリーを高温ガス流と接触させることを含む、[20]に記載の方法。
[22] 前記モリブデン金属粉末および前記二硫化モリブデン粉末を液体と組み合わせることが、前記モリブデン金属粉末および前記二硫化モリブデン粉末を水と組み合わせてスラリーを形成することを含む、[20]に記載の方法。
[23] 前記スラリーが約15重量パーセント〜約50重量パーセントの液体を含む、[20]に記載の方法。
[24] さらに、
バインダー材料の供給物を提供し;そして
前記バインダー材料を前記モリブデン金属粉末、前記二硫化モリブデン粉末、および前記水と組み合わせて、スラリーを形成する、
ことを含む、[20]に記載の方法。
[25] 前記バインダーがポリビニルアルコールを含む、[24]に記載の方法。
[26] 二硫化モリブデン粉末の前記供給物をモリブデン金属粉末の前記供給物に約1重量%〜約50重量%の範囲の量で加えてから、モリブデン金属粉末の前記供給物および二硫化モリブデンの前記供給物を前記液体と組み合わせて前記スラリーを形成する、[24]に記載の方法。
[27] さらに、回収した複合金属粉末を、前記バインダーの実質的にすべてを排除するのに十分な温度で加熱することを含む、[24]に記載の方法。
[28] 前記加熱がさらに、水素雰囲気中での加熱を含む、[27]に記載の方法。
[29] 水素雰囲気中での前記加熱を約500℃〜約825℃の範囲の温度で行う、[28]に記載の方法。
[30] さらに、前記圧縮の後に焼結することを含む、[12]に記載の方法。
[31] 以下を含む、複合金属粉末の生産方法:
モリブデン金属粉末の供給物を提供し;
二硫化モリブデン粉末の供給物を提供し;
前記モリブデン金属粉末および前記二硫化モリブデン粉末を液体と組み合わせてスラリーを形成し;
前記スラリーを高温ガス流中に送り;そして
複合金属粉末を回収する、ここにおいて、前記複合金属粉末は、一緒に融合して前記複合金属粉末の個々の粒子を形成しているモリブデンおよび二硫化モリブデン副粒子の実質的に均質な分散物を含む。
[32] モリブデンおよび二硫化モリブデン副粒子の実質的に均質な分散物を含む複合金属粉末であって、該副粒子が、一緒に融合して前記複合金属粉末の個々の粒子を形成している、前記複合金属粉末。
[33] 50グラムあたり約20秒の範囲のHall流動性を含む、[32]に記載の複合金属粉末。
[34] 約2.3g/cc〜約2.6g/ccの範囲のScott密度を有する、[32]に記載の複合金属粉末生産物。
[35] 約1重量パーセント〜約50重量パーセントの二硫化モリブデンを含む、[32]に記載の複合金属粉末生産物。
[36] 前記複合金属粉末生産物を構成している前記個々の粒子が、約1μm〜約500μmの範囲のサイズを有する、[32]に記載の複合金属粉末生産物。
[37] 前記複合金属粉末生産物を構成する前記個々の粒子が、約1μm〜約100μmの範囲のサイズを有する、[36]に記載の複合金属粉末生産物。
[38] 前記複合金属粉末生産物を構成する前記個々の粒子が、約45μm〜約75μmの範囲のサイズを有する、[36]に記載の複合金属粉末生産物。
10 金属物品
12 金属物品の生産方法
14 複合金属粉末
16 滑り軸受
18 工程
20 モリブデン金属粉末
22 二硫化モリブデン粉末
24 液体
26 スラリー
28 噴霧乾燥機
30 供給原料
32 分級
34 圧密化工程
36 機械処理
38 焼結
40 バインダー
42 高温ガス
44 燃焼用空気
46 入口
48 外側シェル
50 一方向空気弁
52 燃焼チャンバー
54 燃料バルブ
56 点火バーナー
58 高温燃焼ガス
60 テール管
62 噴霧器
64 急冷空気
66 入口
68 円錐形出口
70 加熱
72 補足金属粉末

Claims (18)

  1. 固体の塊に圧縮されたモリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末からなる金属物品であって、前記複合金属粉末が、一緒に融合して前記複合金属粉末の個々の粒子を形成しているモリブデン副粒子および二硫化モリブデン副粒子の均質な分散物からなる、前記金属物品。
  2. 6.0g/cc〜7.0g/ccの範囲の密度を有する、請求項1に記載の金属物品。
  3. 6.4g/cc密度を有する、請求項1に記載の金属物品。
  4. 0.48の摩擦係数を有する、請求項1に記載の金属物品。
  5. 0.407μm(Ra)および3.28μm(ピーク間)の表面粗さを有する、請求項1に記載の金属物品。
  6. 重量パーセントの硫黄含量を有する、請求項1に記載の金属物品。
  7. 1重量パーセント〜50重量パーセントの範囲の二硫化モリブデン含量を有する、請求項1に記載の金属物品。
  8. 16重量パーセントの二硫化モリブデン含量を有する、請求項7に記載の金属物品。
  9. モリブデン副粒子および二硫化モリブデン副粒子の均質な分散物からなる複合金属粉末であって、該副粒子が、一緒に融合して前記複合金属粉末の個々の粒子を形成している、前記複合金属粉末を提供し;そして
    前記モリブデン/二硫化モリブデン複合金属粉末を固体の塊に圧縮する
    ことを含む、金属物品の生産方法。
  10. 前記圧縮が、軸加圧、熱間等方圧加圧、冷間等方圧加圧、及び温間等方圧加圧からなる群から選ばれる1以上を含む、請求項に記載の方法。
  11. 複合金属粉末の供給物を提供することが、
    モリブデン金属粉末の供給物を提供し;
    二硫化モリブデン粉末の供給物を提供し;
    前記モリブデン金属粉末および前記二硫化モリブデン粉末を液体と組み合わせてスラリーを形成し;
    前記スラリーを高温ガス流中に送り;そして
    複合金属粉末を回収する
    ことを含む、請求項に記載の方法。
  12. 前記スラリーが15重量パーセント〜50重量パーセントの液体を含む、請求項11に記載の方法。
  13. さらに、
    バインダー材料の供給物を提供し;そして
    前記バインダー材料を前記モリブデン金属粉末、前記二硫化モリブデン粉末、および前記液体と組み合わせて、スラリーを形成する、
    ことを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 二硫化モリブデン粉末の前記供給物をモリブデン金属粉末の前記供給物に1重量%〜50重量%の範囲の量で加えてから、モリブデン金属粉末の前記供給物および二硫化モリブデンの前記供給物を前記液体と組み合わせて前記スラリーを形成する、請求項13に記載の方法。
  15. 回収した複合金属粉末を、前記バインダーの実質的にすべてを排除するのに十分な温度である500℃〜825℃の範囲の温度で加熱することをさらに含む請求項14に記載の方法。
  16. モリブデン金属粉末の供給物を提供し;
    二硫化モリブデン粉末の供給物を提供し;
    前記モリブデン金属粉末および前記二硫化モリブデン粉末を液体と組み合わせてスラリーを形成し;
    前記スラリーを高温ガス流中に送り;そして
    複合金属粉末を回収する
    ことを含む、複合金属粉末の生産方法であって、
    前記複合金属粉末は、一緒に融合して前記複合金属粉末の個々の粒子を形成しているモリブデン副粒子および二硫化モリブデン副粒子の均質な分散物を含む、方法。
  17. モリブデン副粒子および二硫化モリブデン副粒子の均質な分散物を含む複合金属粉末であって、該副粒子が、一緒に融合して前記複合金属粉末の個々の粒子を形成している、前記複合金属粉末。
  18. 1重量パーセント〜50重量パーセントの二硫化モリブデンを含む、請求項17に記載の複合金属粉末
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