JP5630370B2 - P含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
(a)上記めっき原板(鋼板)を、H2を1〜15質量%含有し、残部がN2、H2O、及び、不可避的不純物からなり、さらに、水蒸気分圧と水素分圧のlog(PH2O/PH2)が下記式(1)を満たす雰囲気中で、750〜850℃の温度域に40秒以上保持し、その後、
(b)Alを添加した溶融亜鉛めっき浴の中に浸漬し、次いで、
(c)めっき層の加熱合金化処理を450〜550℃の温度域で行う
ことを特徴とするP含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
0.4−0.0017[T]−0.004[t]+10.4[P]≦
log(PH2O/PH2)≦−0.4 ・・・(1)
ただし、[T]は焼鈍温度(℃)、[t]は焼鈍時間(秒)、[P]はめっき原板のP含有量(質量%)
C:0.0001〜0.015%、
Si:0.001〜0.2%、
S:0.0001〜0.02%、
Al:0.001〜0.1%、
N:0.0001〜0.004%、
Ti:0.002〜0.1%、及び、
Nb:0.1%以下
を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする前記(2)に記載のP含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
0.4−0.0017[T]−0.004[t]+10.4[P]≦
log(PH2O/PH2)≦−0.4 ・・・(1)
ただし、[T]は焼鈍温度(℃)、[t]は焼鈍時間(秒)、[P]はめっき原板のP含有量(質量%)
Cは、鋼の強度を高める元素である。過剰に含有すると、強度が上昇しすぎて加工性が低下するので、上限を0.015%とする。一方、Cを0.0001%未満とするためには、多大な精練コストが必要となるので、下限を0.0001%とする。好ましくは0.001〜0.010%である。
Siは、鋼の強度を高める元素である。過剰に含有すると、強度が上昇しすぎて加工性が低下し、また、不めっきや著しい合金化遅延の要因となるので、上限を0.2%とする。一方、Siを0.001%未満とするためには、多大な精練コストが必要となるので、下限を0.001%とする。好ましくは0.005〜0.1%である。
Mnは、鋼の強度を高める元素である。過剰に含有すると、強度が上昇しすぎて加工性が低下し、また、不めっきの要因となり、さらに、スラブに割れが生じ易くなり、また、スポット溶接性も劣化するので、上限を1%とする。一方、Mnを0.001%未満とするためには、多大な精練コストが必要となるので、下限を0.001%とする。好ましくは0.005〜0.6%である。
Pは、鋼板の加工性、特に、伸びを大きく損なうことなく強度を増す元素である。0.01%未満では、引張強さの確保が困難であるので、0.01%以上添加する。一方、Pを過剰に添加すると、粒界偏析による粒界脆化が著しくなり、また、合金化速度が大幅に低下し、本発明の効果が得られないので、上限を0.1%とする。好ましくは0.03〜0.07%である。
Sは、鋼の熱間加工性や耐食性を低下させる元素である。少ないほど好ましく、0.02%を超えると、熱間加工性や耐食性の低下が著しいので、上限を0.02%とする。一方、Sを0.0001%未満とするためには、多大な精練コストが必要となるので、下限を0.0001%とする。より高い加工性を確保するうえで、また、コストの点で、Sは0.001〜0.015%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.01%である。
Alは、鋼の脱酸元素として、0.001%以上を添加する必要があるが、過剰に添加すると粗大な介在物が生成し、加工性が損なわれるので、上限を0.1%とする。より高い加工性を確保するうえで、Alは0.001〜0.05%が好ましい。
Nは、鋼の熱間加工性や加工性を低下させる元素である。少ないほど好ましく、0.004%を超えると、熱間加工性や加工性の低下が著しいので、上限を0.004%とする。一方、Nを0.0001%未満とするためには、多大な精錬コストが必要となるので、下限を0.0001%とする。より高い加工性を確保するうえで、また、コストの点で、Nは0.0005〜0.003%が好ましい。より好ましくは0.0007〜0.002%である。
Tiは、鋼中のC及びNを炭化物や窒化物として固定して、加工性を向上させる元素である。この加工性向上効果を得るため、Tiを0.002%以上添加する。一方、0.1%を超えて添加しても、合金添加コストが上昇するだけでなく、過剰な固溶Tiは、鋼板の加工性及び表面品質を損なう場合があるので、上限を0.1%とする。好ましくは0.007〜0.07%である。
Nbは、Ti同様、鋼中のC及びNを炭化物や窒化物として固定して、加工性を向上させる元素である。Tiの存在下で、さらにNbを添加して、より加工性を向上させることができる。ただし、0.1%を超えて添加しても、合金添加コストが上昇するだけでなく、過剰なNbは、鋼板の再結晶温度を上昇させ生産性を損ない、また、鋼板の加工性及び表面品質を損なう場合があるので、上限を0.1%とする。好ましくは0.07%以下である。下限は特に定めないが、少なくとも不可避的に0.005%程度混入している場合がある。
表1に示す成分組成の冷延鋼板(厚さ0.8mm)をめっき原板とし、縦型の溶融めっきシミュレータを用いて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。めっき前の還元焼鈍条件は表2に示す通りである。
合金化度は、鋼板から所定の大きさの試験片を採取し、めっき層を溶解して化学分析を行い、めっき層中のFe濃度を測定して評価した。評点は以下の通りである。なお、不めっきが発生したものについては、合金化度の評価は行わなかった
過:めっき層中Fe濃度11%以上
適:めっき層中Fe濃度9%以上11%未満
未:めっき層中Fe濃度9%未満
耐パウダリング性は、鋼板から試験片を採取し、60°V曲げ方式により評価した。即ち、予め、圧縮側に密着テープを貼った試験片を曲げ角度が60°となるようにV字状に曲げ、曲げ戻し後に密着テープを剥がして、めっきの剥離の程度を目視で観察し、以下の評価分類で密着性を評価した。なお、合金化度が「未」と判定されたものや、不めっきが発生したものについては、耐パウダリング性の評価は行わなかった。
○:めっき層がまったく剥離しないもの
△:めっき層の剥離が軽微であるもの
×:めっきが相当程度剥離したもの
表1に示す成分組成の冷延鋼板(厚さ0.8mm)をめっき原板とし、オールラジアントチューブ方式の焼鈍炉を使用した連続溶融亜鉛めっき設備を用いて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。めっき前の還元焼鈍条件は表3に示す通りである。
合金化度は、鋼板から所定の大きさの試験片を採取し、めっき層を溶解して化学分析を行い、めっき層のFe濃度を測定して評価した。評点は以下の通りである。なお、不めっきが発生したものについては、合金化度の評価は行わなかった
過:めっき層のFe濃度11%以上
適:めっき層のFe濃度9%以上11%未満
未:めっき層のFe濃度9%未満
耐パウダリング性は、鋼板から試験片を採取し、60°V曲げ方式により評価した。即ち、予め、圧縮側に密着テープを貼った試験片を曲げ角度が60°となるようにV字状に曲げ、曲げ戻し後に密着テープを剥がして、めっきの剥離の程度を目視で観察して、以下の評価分類で密着性を評価した。なお、合金化度が「未」と判定されたものや、不めっきが発生したものについては、耐パウダリング性の評価は行わなかった。
○:めっき層がまったく剥離しないもの
△:めっき層の剥離が軽微であるもの
×:めっきが相当程度剥離したもの
Claims (5)
- 連続溶融亜鉛めっき設備で、Pを0.01〜0.1質量%含むめっき原板(鋼板)に溶融亜鉛めっきを施し、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、
(a)上記めっき原板(鋼板)を、H2を1〜15質量%含有し、残部がN2、H2O、及び、不可避的不純物からなり、さらに、水蒸気分圧と水素分圧のlog(PH2O/PH2)が下記式(1)を満たす雰囲気中で、750〜850℃の温度域に40秒以上保持し、その後、
(b)Alを添加した溶融亜鉛めっき浴の中に浸漬し、次いで、
(c)めっき層の加熱合金化処理を450〜550℃の温度域で行う
ことを特徴とするP含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
0.4−0.0017[T]−0.004[t]+10.4[P]≦
log(PH2O/PH2)≦−0.4 ・・・(1)
ただし、[T]は焼鈍温度(℃)、[t]は焼鈍時間(秒)、[P]はめっき原板のP含有量(質量%) - 前記めっき原板(鋼板)が、さらに、Mnを0.001〜1.0質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のP含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 前記めっき原板(鋼板)が、質量%で、さらに、
C:0.0001〜0.015%、
Si:0.001〜0.2%、
S:0.0001〜0.02%、
Al:0.001〜0.1%、
N:0.0001〜0.004%、
Ti:0.002〜0.1%、及び、
Nb:0.1%以下
を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする請求項2に記載のP含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 前記溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度が0.10質量%超〜0.20質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のP含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 前記溶融亜鉛めっき浴の浴温が430〜500℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のP含有高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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