JP5628118B2 - ベーン・ロータリー型温冷熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外熱機関又はヒートポンプとして作動するベーン・ロータリー型の温冷熱装置に関するものである。
将来的な省エネルギー問題の解決策として、熱エネルギーの変換効率を高める技術をあげることができる。熱エネルギーを変換する温冷熱装置は、熱源を動力として取り出す熱機関に関するものと、動力を用いて熱を移動させ冷暖房等に用いるヒートポンプに関するものとに大別することができるが、いずれも効率の高い熱サイクルを実現することが基礎となる。
こうした温冷熱装置に用いられる熱サイクルとして、スターリングサイクルがある。そこで図1に示すスターリングサイクルのP−V線図に基づきその特徴について説明すると、スターリングサイクルは、等温変化と定積変化で構成される熱サイクルであり、図1ではA−B間及びC−D間が等温変化、B−C間及びD−A間が定積変化となる点に特徴がある。またそのサイクルのすべてにおいて熱の出入りが発生し、断熱変化が一切含まれないという性質も有している。
特にスターリングサイクルを熱機関として作動させ、熱源から動力を取り出すことができるようにした装置は、スターリングエンジンとして公知であり(例えば、特許文献1参照)、またスターリングエンジンとは逆の熱サイクルで作動させ、吸熱及び放熱をする装置も、スターリングヒートポンプとして公知であるが(例えば、特許文献2参照)、いずれの装置も複雑なシリンダ・ピストンの構造を採用している。
スターリングサイクルを熱機関として作動させようとした場合、定積変化では外部に対して仕事がなされないため、仕事をするのは体積の変化を伴う等温変化の行程のみということとなる。したがってスターリングエンジンは、そのサイクルの中で出力を取り出せる行程が全行程の半分しかないことから出力が小さく効率が低いという特性がある。
またスターリングサイクルをヒートポンプとして作動させようとした場合にも、スターリングサイクルは、そのサイクルのすべてにおいて熱の出入りが発生し断熱変化が一切含まれないことから、不要な熱の移動が生じてしまい効率が低下するという特性があった。
いっぽう、こうした効率の低いスターリングサイクルよりも効率の高い熱サイクルとして、カルノーサイクルが知られている。
カルノーサイクルは、二つの温度差間で動作する可逆熱サイクルの一種で、その熱サイクル中に断熱変化がある点に特徴があり、このカルノーサイクルに近似した熱サイクルを、スターリングサイクルのような複雑なシリンダ・ピストン構造によらず、ベーン・ロータリー型の簡易な構造で実現した温冷熱装置が従来技術として公知となっている(例えば、特許文献3参照)。
そこで以下、図3により上記従来技術の構造ついて説明すると、作動気体が封入された円筒形のケース1の内部に、ケース1の円筒中心軸線から平行に偏芯したロータ軸4廻りに回転するロータ2が取り付けられ、ロータ2には複数のベーン3が進退自在に立設されている。さらにケース1外表面の適宜の位置には吸熱部と放熱部が設けられているとともに、配管を通じて熱交換用の流体が各々吸熱部と放熱部に外部から供給されるように構成されている。
そして吸熱部には高温の流体を、放熱部には低温の流体を供給すれば、気密室内の作動気体の圧力とベーンの面積の差異による力学的作用でロータ軸に回転トルクが生じ、各気密室は等温膨張−断熱膨張−等温圧縮−断熱圧縮というカルノーサイクルで変化しつつ、ロータ2は回転を維持することとなるので、ロータ軸4から動力を取り出すことができる熱機関として動作する。
またカルノーサイクルは可逆熱サイクルであるから、図3に記載された装置において、吸熱部と放熱部を適宜の位置に配置変更し、カルノーサイクルに近似した熱サイクルで作動する高効率のヒートポンプ装置も、特許文献3に開示されている。
特開2008−75463号公報 特開平07−19639号公報 特開2010−255547号公報
しかしながら以上述べた特許文献3に記載の従来技術では、ベーン・ロータリー型という簡易な構造で、カルノーサイクルに近似した熱サイクルを実現することができるものの、ケースが各気密室の外周を全て包囲しているため、ケース外部から気密室内の作動気体を加熱または冷却する際には、ケース自体を一旦加熱又は冷却したうえで、ケースを介して作動気体への熱伝達を間接的に行わざるを得ない。そのため、作動気体とケース外部との熱交換に一定の時間を要し、装置を起動する際や出力を変更する際のレスポンスの悪化を招いてしまうとともに、ロータ軸の回転数も高回転を維持できないという問題点があった。
また吸熱部と放熱部が一体的にケース上に配置されているため、ケース上で高温部から低温部へと熱伝導が発生し、熱交換をする際に無駄な熱消費が避けられないという構造上の問題点も有している。
本発明は、以上の問題点を解決しようとするものであり、ベーン・ロータリー型の簡易な基本構造を採用しつつ、作動気体の熱交換をより迅速かつ直接的になしうるようにすることで、レスポンス性を高めて高回転を維持することができるようにするとともに、熱交換の際の無駄な熱消費を最小限に留め、カルノーサイクルの理論上の効率により近い熱サイクルを有する温冷熱装置を実現することを目的とするものである。
そして、本発明は上記目的を達成するために、第1の課題解決手段として、作動気体が封入された断熱性を有する円筒型のケース内部に、ケースの円筒中心軸線から平行に偏芯したロータ軸まわりに回転するロータを設け、該ロータにはロータ軸から放射状に進退自在に取り付けた3枚以上のベーンを等間隔に立設し、各ベーンの先端部をケースの内壁面に常時摺動させてケース内部を複数の気密室に区画することにより、ロータの回転に伴い各気密室の容積が変化するようにしたベーン・ロータリーにおいて、容積が最小となる位置の気密室より吸引した作動気体を加熱して同位置の気密室へと還流させる圧送手段を備えた加熱回路と、容積が最大となる位置の気密室より吸引した作動気体を冷却して同位置の気密室へと還流させる圧送手段を備えた冷却回路とを、ケースに接続したことを特徴とする熱機関としたものである。
また第2の課題解決手段は、作動気体が封入された断熱性を有する円筒型のケース内部に、ケースの円筒中心軸線から平行に偏芯したロータ軸まわりに回転するロータを設け、該ロータにはロータ軸から放射状に進退自在に取り付けた3枚以上のベーンを等間隔に立設し、各ベーンの先端部をケースの内壁面に常時摺動させてケース内部を複数の気密室に区画することにより、ロータの回転に伴い各気密室の容積が変化するようにしたベーン・ロータリーにおいて、容積が最小となる位置の気密室内より吸引した作動気体を放熱させて同位置の気密室へと還流させる圧送手段を備えた放熱回路と、容積が最大となる位置の気密室内より吸引した作動気体を吸熱させて同位置の気密室へと還流させる圧送手段を備えた吸熱回路とを、ケースに接続したことを特徴とするヒートポンプとしたものである。
次に上記課題解決手段による作用を図4を用いて説明すると、図4において、1は作動気体が封入された円筒形のケース、2はロータ、3はベーン、4はロータ軸、A〜Hは各位相位置における気密室、△印と▲印は各々加熱回路と冷却回路もしくは放熱回路と吸熱回路の接続位置を表し、ロータ軸4上で交差する点線は熱行程が変節するタイミングを気密室中央の位相位置で示した線である。
はじめに熱機関として作動する場合の作用について説明すると、ロータの時計方向への回転に伴い、気密室が容積最小となるAの位置に到達した時点で、△の位置に接続した加熱回路によって気密室Aの作動気体は高温の作動気体に入れ替えられるため、外部に対して仕事をしながら等温膨張をはじめる。
次に回転が進み気密室がBの位置に到達すると熱の移動は止まり、作動気体は外部に対して仕事をしながら気密室の容積が最大となるEの位置に到達するまで断熱膨張を続ける。
そしてEの位置に到達すると同時に、▲の位置に接続した冷却回路によって気密室Eの作動気体は低温の作動気体に入れ替えられるため、外部に対して仕事をしながら等温圧縮をはじめる。
さらに気密室がFの位置に到達すると熱の移動は止まり、作動気体は外部に対して仕事をしながら、ふたたび気密室の容積が最小となるAの位置に到達するまで断熱圧縮を続ける。
このように本発明の温冷熱装置を熱機関として作動させた場合には、その熱サイクルの中に等温変化と断熱変化とが交互に出現し、カルノーサイクルに近似した効率の高い熱機関として、ロータ軸4から効率よく動力を取り出すことができるのである。
次にヒートポンプとして作動する場合の作用について説明すると、ロータ軸に連結された外部動力により強制的に駆動されているロータ2の時計方向への回転に伴い、気密室が容積最小となるAの状態に到達した時点で、△の位置に接続した放熱回路によって気密室Aの高温の作動気体はケース1の外に取り出されるとともに低温の作動気体に入れ替えられ、外部より仕事を受けながら等温膨張をはじめる。
次に回転が進み気密室がBの位置に到達すると熱の移動は止まり、作動気体は外部より仕事を受けながら気密室の容積が最大となるEの位置に到達するまで断熱膨張を続ける。
そしてEの位置に到達すると同時に、▲の位置に接続した吸熱回路によって気密室Eの低温の作動気体はケース1の外に取り出されるとともに高温の作動気体に入れ替えられ、外部より仕事を受けながら等温圧縮をはじめる。
さらに気密室がFの位置に到達すると熱の移動は止まり、作動気体は外部より仕事を受けながら、ふたたび気密室の容積が最小となるAの位置に到達するまで断熱圧縮を続ける。
このように本発明の温冷熱装置をヒートポンプとして作動させた場合であっても、その熱サイクルの中に等温変化と断熱変化が交互に出現し、吸熱と放熱の温度差を一層大きくすることができるので、カルノーサイクルに近似した効率の高いヒートポンプとして作動する。
以上のように本発明の温冷熱装置は、熱機関として作動する場合であっても、またヒートポンプとして作動する場合であっても、その熱サイクル中に断熱変化が存在するので、カルノーサイクルに近似した高い効率で作動するのであるが、その熱力学上の優れた効果について、図2の本発明の熱サイクルにおけるP−V線図を用いて説明する。
熱機関として作動させる場合において、図2のA′−B′間及びC′−D′間は、吸熱又は放熱をしつつ外部に対して仕事をする等温変化であるから、この行程の変化は図1のスターリングサイクルと同じである。
しかしながら本発明では図2のB′−C′間及びD′−A′間が断熱変化である点がスターリングサイクルとは異なる。すわなち、図1のスターリングサイクルでは、B−C間及びD−A間は定積変化で、外部に対して仕事をしないのに対して、図2の本発明の装置では、B′−C′間及びD′−A′間の断熱変化においても外部に対して仕事をする。したがって本発明の装置は、サイクルの全行程において外部に対して仕事を行うことができる点で、スターリングエンジンより効率が優れ、また大きな出力を取り出すことができる。
またヒートポンプとして作動させる場合においても、その熱サイクルは等温変化と断熱変化から構成され、熱機関として作動させた場合とは逆向きの可逆熱サイクルで作動する。そして特にその熱サイクルの中に断熱変化が存在することで、吸熱及び放熱の温度差を大きくすることができるようになり、ヒートポンプとして優れた効果を発揮することができる。
こうした等温変化と断熱変化から構成される可逆熱サイクルは、カルノーサイクルとして理論上最も効率のよい熱サイクルであるとされており、本発明の装置は、このカルノーサイクルの理論効率に近似した高効率の熱サイクルを実現したものといえるのである。
また本発明の装置では、ケース1に収納された気密室内の作動気体を加熱または冷却するにあたり、ケース外部の熱交換回路とケースとを接続し、圧送手段によって気密室より作動気体を強制的に吸引して熱交換をするようにしているため、ケースを隔てて熱交換をする場合に比べて短時間のうちに熱交換が完了し、装置を起動する際や出力を変化させる際のレスポンスが著しく向上し、ロータ軸の回転数も高回転を維持できるという特性も有している。
さらにケースを隔てて熱交換をしない構造のため、ケース上の高温部から低温部へと熱伝導が発生しにくく、熱交換をする際の無駄な熱消費が発生しないという優れた特性も有しているのである。
簡易な構造で効率の高い温冷熱装置を実現するという目的を、ベーン・ロータリー型の構造を採用して実現した。
図5は本発明の第一の実施例である熱機関として作動する温冷熱装置の構成図である。
図5において、1は円筒形のケースでその内部には、常温で大気圧より大きい気圧の作動気体が封入されている。作動気体は空気でも作動するが、ヘリウムや水素といった軽い分子のものを採用すると熱の伝達速度が速くなり効率と出力が向上する。またケース1内部の気圧は、常温で10気圧から100気圧程度の高圧にすると効率と出力を一層向上させることができる。
但し、高圧の気体を封入するためには堅牢なシール装置が必要となる。しかし本発明の装置では、主な稼動部品は全て気密状の円筒型のケース内部に収納されているので、ケース1から気体が漏洩する可能性があるのは、ケース外部へ動力を取り出す軸受部分のみとなり、比較的簡易な軸受シール機構で高い気圧を維持することができる。またケース1の素材は、セラミックなど断熱性に優れた素材を採用するのが望ましいが、素材の加工性を考慮して、ケース自体は鉄などの金属製とし、その周囲を全て断熱材で包囲するという構造を採用しても差し支えない。
2はロータで、ケース1の円筒中心軸線から平行に偏芯したロータ軸4まわりに回転するように取り付けられている。該ロータ2は動力を伝達する機能も担うため、一定の強度を有した金属などの素材を採用するのが望ましい。
そしてロータ2には、ロータ軸4から放射状に進退自在に取り付けたベーン3が等間隔に立設されている。そしてベーン3は、ロータ2内部に設置されるバネや流体圧等の適宜の手段によりロータ2内部から外方向に押圧されるように構成され、ベーン3の先端が常時ケース1の内壁面に摺動して気密を保つことで、ケース内部は複数の気密室5に区画されるように構成されている。またベーン3は、圧力を受け止める部材でもあるため、強度や耐熱性に優れた軽量な素材が適しており、チタン製とすることが望ましいが鉄を採用しても差し支えない。
ベーンの数については2枚であっても作動はするものの、その場合は気密室が常時いずれかの熱交換回路と連通してしまうため、気密室内の作動気体に対して常時熱の出入りが生じて断熱行程は消滅してしまう。その場合、熱サイクルの中に断熱行程を含むカルノーサイクルとは異なる熱サイクルで作動することとなるため、効率が著しく低下する。したがって断熱行程を実現するためには、ベーンの数は最低3枚以上必要であり、その数が増えるほど熱サイクル中に断熱行程の占める割合が増加するため理論上の効率は高まる。しかし実際には、ベーンの数が増加すればベーン3とケース1の接触による摩擦抵抗が大きくなるという問題が生じるので、装置が複雑化するのを避けるためにも8枚程度とするのが望ましい。
そしてケースの外部には、気密室より吸引した作動気体を加熱して同位置の気密室へと還流させる圧送手段6を備えた加熱回路11と、気密室より吸引した作動気体を冷却して同位置の気密室へと還流させる圧送手段6を備えた冷却回路12を設置する。
この加熱回路11と冷却回路12は、ヒートシンクやラジエターなど適宜の熱交換手段17によって回路中の作動気体と外部熱源又は冷却媒体等との間で熱交換を行うことができるようにしているとともに、ポンプやファンなどの圧送手段6により、回路中の作動気体が回路内を常時一方向に還流するようにしている。
そして加熱回路11は、ケース1に設けられた吸気口7と排気口8を介してケース1に接続され、その接続位置は、気密室の容積が最小となるタイミングで吸気と排気が同時に開始される位置とし、具体的には図5のように、容積が最小となった状態にある気密室Aにおける、ロータの回転方向に向かって先行するベーンとケースの内壁とが接触する位置近傍に吸気口7と排気口8を配置すればよい。
その際、吸気口7と排気口8は、ロータの回転方向同位相の位置に配置するのであるが、図7のように吸気口7と排気口8をケースの長さ方向の両端部に離間して配置すると、気密室内の作動気体の交換を効率的に行うことができる。
冷却回路12についても加熱回路11と同様に、ケース1に設けられた吸気口9と排気口10を介してケース1に接続され、その接続位置は、気密室の容積が最大となるタイミングで、作動気体のケースへの吸気と排気が同時に開始される位置とし、具体的には図5のように、容積が最大となった状態にある気密室Eにおける、ロータの回転方向に向かって先行するベーンとケースの内壁とが接触する位置近傍に吸気口9と排気口10を配置すればよい。
その際には同様に、吸気口9と排気口10は、ロータの回転方向同位相の位置に配置するのであるが、図7のように吸気口9と排気口10をケースの長さ方向の両端部に離間して配置すると、気密室内の作動気体の交換を効率的に行うことができる。
次に装置の動作を説明する。最初に気密室内の容積が最小となった状態、すわなち図5において気密室が最下部の位置Aに到達すると、ケース1に設けられた吸気口7と排気口8が同時に気密室に開口して加熱回路11に連通する。
そして気密室内の作動気体はポンプやファンなどの圧送手段6により排気口8より吸引されて加熱回路11に運ばれるが、これと同時に吸気口7より加熱回路11で加熱された高温の作動気体が気密室へと還流するので、気密室内の作動気体の圧力が高まる。
すると気密質を挟む2つのベーン3の面積の差異からロータ軸4まわりに時計方向の回転トルクが生じてロータ2を回転させるのであるが、既に図4で説明したように、気密室が吸気口7及び排気口8と連通している間は等温膨張を続けるが、回転が進み加熱回路11との連通が遮断された後には熱の移動は無くなるため、容積が最大となる気密室Eの位置に到達するまでは断熱膨張を維持することとなる。
次に、気密室がEの位置に到達して容積が最大になると、再びケース1に設けられた吸気口9と排気口10が同時に気密室に開口して冷却回路12に連通する。
そして気密室内の作動気体はポンプやファンなどの圧送手段6により排気口10より吸引されて冷却回路12に運ばれるが、これと同時に吸気口9より冷却回路で冷却された低温の作動気体が気密室へと還流するので、気密室内の作動気体の圧力は低下する。
すると気密室を挟む2つのベーン3の面積の差異からロータ軸4まわりに時計方向の回転トルクが生じ、ロータ2を回転させるのであるが、既に図4で説明したように、気密室が吸気口9及び排気口10と連通している間は等温圧縮を続けるが、回転が進み冷却回路との連通が遮断された後には熱の移動は無くなるため、再び容積が最小となる気密室Aの位置に到達するまでは断熱圧縮を維持することとなる。
こうして加熱回路11と冷却回路12が作動する間は、各気密室の作動気体は、図5の気密室Aの位置を始点として、時計方向に回転しながら等温膨張−断熱膨張−等温圧縮−断熱圧縮というカルノーサイクルで変化する。そして全ての行程において、作動気体は外部に対して仕事をしてロータ2に回転トルクを入力し続けるため、ロータ軸4から持続的に強力な動力を取り出すことができる熱機関として作動する。
図6は、本発明の第二の実施例である冷暖房器等のヒートポンプとして作動する装置である。
図5の第一実施例との構造上の相違点は、ロータ軸4に電動機等の動力源を接続して強制的にロータを回転させている点と、加熱回路11と冷却回路12のかわりに、放熱回路13と吸熱回路14をケース1に接続した点にあり、その他の点では第一の実施例とほぼ同じ構造を採用している。
すなわち図6の装置では、ヒートポンプとして作動させるために、ケース1の外部に、気密室より吸引した作動気体の熱を放熱させて気密室へと還流させる圧送手段6を備えた放熱回路13と、気密室より吸引した作動気体に熱を吸熱させて気密室へと還流させる圧送手段6を備えた吸熱回路14を設置している。
この放熱回路13と吸熱回路14は、ヒートシンクやラジエターなど適宜の熱交換手段17によって、大気や冷媒などとの間で熱交換を行うことができるようにしているとともに、ポンプやファンなどの圧送手段6により、回路中の作動気体が回路内を常時一方向に還流するようにしている。
そして放熱回路13は、ケース1に設けられた吸気口7と排気口8を介してケースに接続され、その接続位置は、気密室の容積が最小となるタイミングで吸気と排気が同時に開始される位置とし、具体的には図6のように、容積が最小となった状態にある気密室Aにおける、ロータの回転方向に向かって先行するベーンとケースの内壁とが接触する位置近傍に吸気口7と排気口8を配置すればよい。
その際、吸気口7と排気口8は、ロータの回転方向同位相の位置に配置するのであるが、図8のように吸気口7と排気口8をケースの長さ方向の両端部に離間して配置すると、気密室内の作動気体の交換を効率的に行うことができる。
吸熱回路14についても放熱回路13と同様に、ケース1に設けられた吸気口9と排気口10を介してケースに接続され、その接続位置は、気密室の容積が最大となるタイミングで吸気と排気が同時に開始される位置とし、具体的には図6のように、容積が最大となった状態にある気密室Eにおける、ロータの回転方向に向かって先行するベーンとケースの内壁とが接触する位置近傍に吸気口9と排気口10を配置すればよい。
その際には同様に、吸気口9と排気口10は、ロータの回転方向同位相の位置に配置するのであるが、図7のように吸気口9と排気口10をケースの長さ方向の両端部に離間して配置すると、気密室内の作動気体の交換を効率的に行うことができる。
次に装置の動作を説明する。最初に気密室内の容積が最小となった状態、すわなち図6において気密室が最下部の位置Aに到達すると、ケースに設けられた吸気口7と排気口8が同時に気密室に開口して放熱回路に連通する。
そして気密室内の高温の作動気体は、ポンプやファンなどの圧送手段6により排気口8より吸引され、放熱回路13へと運ばれた作動気体の熱は外部に放出される。またこれと同時に吸気口7より放熱回路13で放熱した低温の作動気体が気密室へと還流するので、気密室内の作動気体の温度は低下する。
その間ロータ軸は電動機等の動力源により強制的に回転するが、既に図4で説明したように、気密室が放熱回路13と連通している間は、作動気体は等温膨張を続け、さらに回転が進んで放熱回路13との連通が遮断された後には熱の移動は無くなるため、容積が最大となる気密室Eの位置に到達するまでは断熱膨張を維持することとなる。
次に、気密室がEの位置に到達して容積が最大になると、再びケースに設けられた吸気口9と排気口10が同時に気密室に開口して吸熱回路14に連通する。
そして気密室内の低温の作動気体は、ポンプやファンなどの圧送手段6により排気口より吸引され、吸熱回路14へと運ばれた作動気体は外部より熱を吸収する。またこれと同時に吸気口9より吸熱回路14で吸熱した高温の作動気体が気密室へと還流するので、気密室内の作動気体の温度は上昇する。
そして既に図4で説明したように、気密室が吸熱回路14と連通している間は作動気体は等温圧縮を続けるが、回転が進み吸熱回路14との連通が遮断された後には熱の移動は無くなるため、再び容積が最小となる気密室Aの位置に到達するまで断熱圧縮を維持することとなる。
こうして電動機等の動力源によりロータ軸の回転が維持され、放熱回路13と吸熱回路14が作動する間は、各気密室の作動気体は、図6の気密室Aの位置を始点として、時計方向に回転しながら等温膨張−断熱膨張−等温圧縮−断熱圧縮というカルノーサイクルで変化し、温度差の大きなヒートポンプとして作動する。
低温度の熱源で作動する高効率・高出力・高回転の熱機関に適用できるとともに、放熱回路13と吸熱回路14を、各々室外機又は室外機等として使用すれば、エアコン等の冷暖房機器に用いられる高効率なヒートポンプとして摘用することができる。
スターリングサイクルのP−V線図である。 本発明の温冷熱装置におけるP−V線図である。 従来技術のベーン・ロータリーの構成図である。 本発明の作用図である。 熱機関としての構成図である。(第一実施例) ヒートポンプとしての構成図である。(第二実施例) 熱機関としての横断面図である。(第一実施例) ヒートポンプとしての横断面図である。(第二実施例)
1 ケース、2 ロータ、3 ベーン、4 ロータ軸、5 気密室、6 圧送手段、7・9 吸気口、8・10 排気口、11 加熱回路、12 冷却回路、13 放熱回路、14 吸熱回路、15 電動機、16 軸受シール、熱交換手段17

Claims (2)

  1. 作動気体が封入された断熱性を有する円筒型のケース内部に、ケースの円筒中心軸線から平行に偏芯したロータ軸まわりに回転するロータを設け、該ロータにはロータ軸から放射状に進退自在に取り付けた3枚以上のベーンを等間隔に立設し、各ベーンの先端部をケースの内壁面に常時摺動させてケース内部を複数の気密室に区画することにより、ロータの回転に伴い各気密室の容積が変化するようにしたベーン・ロータリーにおいて、容積が最小となる位置の気密室より吸引した作動気体を加熱して同位置の気密室へと還流させる圧送手段を備えた加熱回路と、容積が最大となる位置の気密室より吸引した作動気体を冷却して同位置の気密室へと還流させる圧送手段を備えた冷却回路とを、ケースに接続したことを特徴とする熱機関。
  2. 作動気体が封入された断熱性を有する円筒型のケース内部に、ケースの円筒中心軸線から平行に偏芯したロータ軸まわりに回転するロータを設け、該ロータにはロータ軸から放射状に進退自在に取り付けた3枚以上のベーンを等間隔に立設し、各ベーンの先端部をケースの内壁面に常時摺動させてケース内部を複数の気密室に区画することにより、ロータの回転に伴い各気密室の容積が変化するようにしたベーン・ロータリーにおいて、容積が最小となる位置の気密室内より吸引した作動気体を放熱させて同位置の気密室へと還流させる圧送手段を備えた放熱回路と、容積が最大となる位置の気密室内より吸引した作動気体を吸熱させて同位置の気密室へと還流させる圧送手段を備えた吸熱回路とを、ケースに接続したことを特徴とするヒートポンプ。
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