<第1実施形態>
以下、本発明に係る遊技機の第1実施形態を、パチンコ遊技機を例にして、図1〜図17を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、木製の外枠2の前面に矩形状の前面枠3を開閉可能に取り付け、その前面枠3の裏面に取り付けられている遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤4が装着された構成からなる。遊技盤4は、図2に示す遊技領域40を前面に臨ませた状態で装着され、図1に示すようにこの遊技領域40の前側に透明ガラスを支持したガラス扉枠5が設けられている。なお、上記遊技領域40は、遊技盤4の面上に配設された球誘導レール6(図2参照)で囲まれた領域からなるものである。
一方、パチンコ遊技機1は、図1に示すように、ガラス扉枠5の下側に前面操作パネル7が配設され、その前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が一体形成されている。また、この前面操作パネル7には、球貸しボタン11及びプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。そして、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプ(図示せず)点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が設けられている。また、この上受け皿9には、当該上受け皿9に貯留された遊技球を下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また一方、図1に示すように、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射ハンドル15が設けられ、前面枠3の上部両側面側には、BGM(Background music)あるいは効果音を発するスピーカ16が設けられている。そして、上記前面枠3の周枠には、LEDランプ等の装飾ランプが配設されている。
他方、上記遊技盤4の遊技領域40には、図2に示すように、略中央部にLCD(Liquid Crystal Display)等からなる液晶表示装置41が配設されている。この液晶表示装置41は、表示エリアを左、中、右の3つのエリアに分割し、独立して数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)等の特別図柄の変動表示が可能なものである。そしてさらに、液晶表示装置41は、当該液晶表示装置41の真下に配設されている特別図柄始動口42の内部に設けられている特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)が検知した有効入賞球数、すなわち、始動保留球数を所定数(例えば、4個)表示可能なものである。この始動保留球数は、特別図柄始動口42へ遊技球が入賞し、特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)にて検知されると、1加算(+1)され、数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)等の特別図柄の変動表示が開始されると、1減算(−1)されるというものである。
一方、特別図柄始動口42の右側には、大入賞口43が配設され、その内部には入賞球を検知する大入賞口スイッチ43a(図3参照)が設けられている。そして、上記液晶表示装置41の右上部にはゲートからなる普通図柄始動口44が配設され、その内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ44a(図3参照)が設けられている。また、上記大入賞口43の右側及び上記特別図柄始動口42の左側には、一般入賞口45が夫々配設され(図示では、右側に1つ、左側に3つ)、その内部には、夫々、遊技球の通過を検知する一般入賞口スイッチ45a(図3参照)が設けられている。
一方、上記遊技盤4の遊技領域40の右下周縁部には、7セグメントが3個並べて構成されており、そのうち2個の7セグメントが特別図柄表示装置46であり、他の7セグメントは始動保留球数等を表示するものである。この特別図柄表示装置46の左側には、2個のLEDからなる普通図柄表示装置47が設けられている。なお、上記遊技盤4の遊技領域40には、複数の遊技釘(図示せず)が配設され、遊技球の落下方向変換部材としての風車48が配設されている。
次に、上記のような外観構成からなるパチンコ遊技機1内に設けられる遊技の進行状況に応じて電子制御を行う制御装置を、図3を用いて説明する。この制御装置は、図3に示すように、遊技動作全般の制御を司る主制御基板60と、その主制御基板60からの制御コマンドに基づいて遊技球を払出す払出制御基板70と、画像と光と音についての制御を行うサブ制御基板80とで主に構成されている。なお、サブ制御基板80は、図3に示すように、演出制御基板90と、装飾ランプ基板100と、液晶制御基板120とで構成されている。
主制御基板60は、主制御CPU600と、一連の遊技制御手順を記述した遊技プログラム等を格納した主制御ROM601と、作業領域やバッファメモリ等として機能する主制御RAM602とで構成されたワンチップマイクロコンピュータを搭載している。そして、このように構成される主制御基板60には、払出モータMを制御して遊技球を払出す払出制御基板70が接続されている。そしてさらには、特別図柄始動口42への入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ42aと、普通図柄始動口44の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ44aと、一般入賞口45への入賞を検知する一般入賞口スイッチ45aと、大入賞口43への入賞を検知する大入賞口スイッチ43aとが接続されている。また、主制御基板60には、特別図柄表示装置46と、普通図柄表示装置47とが接続されている。
このように構成される主制御基板60は、特別図柄始動口スイッチ42a又は普通図柄始動口スイッチ44aからの信号を主制御CPU600にて受信すると、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当たり」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選を行い、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄あるいは普通図柄の表示内容を決定し、その決定した情報を特別図柄表示装置46又は普通図柄表示装置47に送信する。これにより、特別図柄表示装置46又は普通図柄表示装置47に抽選結果が表示されることとなる。そしてさらに、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600は、その決定した情報を含む演出制御コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する。なお、主制御基板60、すなわち、主制御CPU600が、一般入賞口スイッチ45a、大入賞口スイッチ43aからの信号を受信した場合は、遊技者に幾らの遊技球を払い出すかを決定し、その決定した情報を含む払出制御コマンドを払出制御基板70に送信することで、払出制御基板70が遊技者に遊技球を払出すこととなる。
一方、払出制御基板70は、上記主制御基板60(主制御CPU600)からの払出制御コマンドを受信し、その受信した払出制御コマンドに基づいて払出モータ信号を生成する。そして、その生成した払出モータ信号にて、払出モータMを制御し、遊技者に遊技球を払出す。そしてさらに、払出制御基板70は、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や払出動作の異常に係るステイタス信号を送信し、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板71の動作を開始又は停止させる発射制御信号を送信する処理を行う。
演出制御基板90は、上記主制御基板60(主制御CPU600)からの演出制御コマンドを受けて各種演出を実行制御する演出制御CPU900と、演出制御手順を記述した制御プログラム等が格納されているフラッシュメモリからなる演出制御ROM901と、作業領域やバッファメモリ等として機能する演出制御RAM902とで構成されている。そしてさらに、演出制御基板90は、所望のBGMや効果音を生成する音LSI903と、BGMや効果音等の音データ等が予め格納されている音ROM904とが搭載されている。
このように構成される演出制御基板90には、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが搭載されている装飾ランプ基板100が接続され、さらに、内蔵されているランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が接続され、BGMや効果音等を発するスピーカ16が接続されている。またさらに、演出制御基板90には、液晶表示装置41を制御する液晶制御基板120が接続されている。
かくして、このように構成される演出制御基板90は、主制御基板60(主制御CPU600)より送信される大当たり抽選結果(大当たりかハズレの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、始動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報を含んだ演出制御コマンドを演出制御CPU900にて受信する。そして、演出制御CPU900は、受信した演出制御コマンドに対応した演出パターンを、演出制御ROM901内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンを実行指示する制御信号を演出制御RAM902内に一時的に格納する。
演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、音に関する制御信号を音LSI903に送信する。これを受けて音LSI903は、当該制御信号に対応する音データを音ROM904より読み出し、スピーカ16に出力する。これにより、スピーカ16より上記決定された演出パターンに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
また演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、光に関する制御信号を装飾ランプ基板100に送信する。これにより、装飾ランプ基板100が、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプを点灯又は消灯する制御を行うため、上記決定された演出パターンに対応したランプ演出が実行されることとなる。
そして演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、画像に関する液晶制御コマンドを液晶制御基板120に送信する。これにより、液晶制御基板120が、当該液晶制御コマンドに基づく画像を表示させるように液晶表示装置41を制御することにより、上記決定された演出パターンに対応した画像が液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、液晶制御基板120には演出内容に沿った画像を表示するための種々の画像データが記憶されており、さらに、演出出力全般の制御を担うVDP(Video Display Processor)が搭載されている。
ところで、上記説明した各基板への電源供給は、図3に示す電源基板130より供給されている。なお、図示では、電源供給ルートは、省略している。
ここで、上記説明した制御装置のうち、本発明の特徴部分は、主制御基板60及び演出制御基板90にて処理される予告演出に関する部分であるため、この点につき、図4〜図6を参照して具体的に説明する。
演出制御ROM901(図3参照)内には、図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1が格納されている。この予告演出振り分けテーブルTBL1は、どの予告演出パターンを実行するかを抽選(決定)する際使用されるものである。
具体的には、この予告演出振り分けテーブルTBL1には、複数の予告演出パターンのうち、いずれの予告演出パターンを選択するかの確率が格納されている。すなわち、特別図柄始動口42(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)にて検知)すると、その入賞した遊技球(入賞球)に対して、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当たり」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選が主制御基板60(主制御CPU600)にて行われる。そして、その抽選結果が演出制御コマンドとして主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御基板90に送信される。
この抽選結果が、図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1の「ハズレ」「大当たり」として示されている(TB1参照)。そして、抽選結果が「ハズレ」の場合には、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「白文字」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「50/100」が格納されている(TB2参照)。そしてさらに、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「黒文字」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「30/100」が格納され(TB3参照)、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「白文字」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「15/100」が格納され(TB4参照)、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「黒文字」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「5/100」が格納されている(TB5参照)。
一方、抽選結果が「大当たり」の場合には、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「白文字」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「5/100」が格納されている(TB2参照)。そしてさらに、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「黒文字」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「15/100」が格納され(TB3参照)、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「白文字」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「30/100」が格納され(TB4参照)、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「黒文字」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「50/100」が格納されている(TB5参照)。
他方、上記のような確率が格納されている予告演出振り分けテーブルTBL1を参照して、予告演出パターンを選択するには、演出制御CPU900にて、所定時間毎に更新される予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値の値を参照して判断される。すなわち、この予告演出乱数カウンタND_CNTは0〜99までカウントできるカウンタで、例えば、抽選結果が「大当たり」の場合で、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が0〜4の場合は、前半の予告演出として「白文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。そして、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が5〜19の場合は、前半の予告演出として「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択される。そしてさらに、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が20〜49の場合は、前半の予告演出として「白文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択される。また、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が50〜99の場合は、前半の予告演出として「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。このようにして、抽選結果が「ハズレ」の場合も同様に、前半後半の予告演出パターンが選択されることとなる。
ところで、本実施形態における予告演出の信頼度(遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる(いわゆる「大当たり」)可能性を示す値)として、「白文字」を使用する予告演出パターンは「低信頼度」に設定され、「黒文字」を使用する予告演出パターンは「高信頼度」に設定されている(図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1の図示右側の記載参照)。またさらに、「木の棒」を使用する予告演出は「低信頼度」に設定され、「剣」を使用する予告演出は「高信頼度」に設定されている(図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1の図示右側の記載参照)
そのため、従来であれば、「白文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「白文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)≦「黒文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「黒文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の順で信頼度が高くなっていき、低信頼である「白文字」「木の棒」を使用する予告演出パターンが2回続く場合、最も信頼度が低くなる。そのため、前半の予告演出で「白文字」を使用する予告演出パターンが選択されてしまった時点で、遊技者は、大当たりへの期待感を大きく損ねてしまうこととなる。
しかしながら、本実施形態においては、図4(a)に示す符号TB2〜TB5の欄に示す背景が右斜線となっている部分に示すように、「白文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「5%」(=「5/100」)、「黒文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「15%」(=「15/100」)、「白文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「30%」(=「30/100」)、「黒文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「50%」(=「50/100」)となっている。そのため、本実施形態においては、「白文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)<「黒文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「白文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「黒文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の順で信頼度が高くなっており、低信頼度である「白文字」「木の棒」を使用する予告演出パターンが2回続くと信頼度が高くなるように設定されている。そのため、前半の予告演出で「白文字」を使用する予告演出パターンが選択されてしまっても、遊技者は、大当たりへの期待感を損ねず、大当たりへの期待感を維持することができる。
ここで、上記のような構成からなる予告演出振り分けテーブルTBL1を使用した際の予告演出内容を、図5に示す液晶表示装置41に表示される画面例を用いてより詳しく説明する。
この図5に示す画面例は、図5(a)が前半の予告演出を示す画面例を示すもので、図5(b−1)〜(b−4)が後半の予告演出を示す画面例を示すものである。すなわち、図5に示す画面例は、抽選結果が「大当たり」で、前半の予告演出が「白文字」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出が「木の棒」を使用する予告演出パターンとして選択された場合を示すものである。具体的には、特別図柄始動口42(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)にて検知)した際、その入賞した遊技球(入賞球)に対して、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当たり」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選が主制御基板60(主制御CPU600)にて行われる。そしてその抽選結果が演出制御コマンドとして主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御基板90に送信される。その送信された演出制御コマンドが「大当たり」を示すものであった場合、演出制御CPU900は、予告演出振り分けテーブルTBL1の「大当たり」の欄を参照(TB1参照)すると共に、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値を抽出し、その抽出したカウント値と、当該予告演出振り分けテーブルTBL1に格納されている確率とを比較する。この際、予告演出乱数カウンタND_CNTより抽出したカウント値が20〜49の場合、前半の予告演出が「白文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出が「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択されることとなる(図4(a)の符号TB4参照)。
すなわち、図5(a)の画面P1に示すように、「左」「中」「右」の組合せ図柄のうち、「左」の図柄(P1a参照)と「右」の図柄(P1b参照)の変動表示が同一状態で停止し(図示では、「7」)、リーチ状態となっており、そしてさらに、液晶表示装置41の表示領域に組合せ図柄とは異なる、主人公であるキャラクタ(P1c参照)と敵であるキャラクタ(P1d参照)とが表示され、その両キャラクタを覆うように「対決リーチ!」という白文字(P1e参照)が表示され、前半の予告演出が実行される。これにより、変動表示結果が「大当たり」となる可能性があることを遊技者に報知する予告演出が開始される。なお、この「対決リーチ!」が白文字であるのは、演出制御CPU900にて、前半の予告演出として「白文字」を使用する予告演出パターンが選択されているためである。そのため、前半の予告演出として「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択されている場合は、この「対決リーチ!」の文字は「黒文字」となる。
ところで、この前半の予告演出が終了すると、次いで、図5(b−1)〜(b−4)に示す後半の予告演出が実行される。すなわち、図5(b−1)の画面P2に示すように、主人公(P2a参照)が「今回の武器は・・・・」というセリフを報知すると、当該主人公が、図5(b−2)の画面P3に示すように、「木の棒だ!」というセリフを報知すると共に、当該主人公の図示右手に木の棒を持った画像が液晶表示装置41に表示される。この主人公の図示右手に持つ武器は、予告演出振り分けテーブルTBL1にて選択されたものである。すなわち、図5に示す画面例においては、上述したように、演出制御CPU900にて、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択されているため、図5(b−2)に示すように、主人公(P3a参照)は、図示右手に木の棒を持つこととなる。
次いで、図5(b−3)の画面P4に示すように、図示右手に木の棒を持った主人公(P4a参照)が、「やー!」というセリフを報知すると共に、敵(P4b参照)に戦いを挑むと、図5(b−4)の画面P5に示すように、主人公(P5a参照)が敵(P5b参照)との戦いに勝利し、「中」の図柄(P5c参照)が、「左」の図柄(P5d参照)と「右」の図柄(P5e参照)と同一の状態(図示では「7」)で停止し、遊技者に「大当たり」であることを報知する。これにより、後半の予告演出が終了することとなる。
かくして、従来であれば、低信頼度である「白文字」の「対決リーチ!」という文字が出現する(図5(a)の画面P1参照)と、図5(c−1)の画面P10に示すように、主人公(P10a参照)が図示右手に高信頼度である「剣」を持って、図5(c−2)の画面P11に示すように、図示右手に剣を持った主人公(P11a参照)が、「やー!」というセリフを報知すると共に、敵であるキャラクタ(P11b参照)に戦いを挑んだとしても、図5(c−3)の画面P12に示すように、主人公(P12a参照)が敵(P12b参照)に敗北し、「中」の図柄(P12c参照)が、「左」の図柄(P12d参照)と「右」の図柄(P12e参照)と同一でない状態で停止し、「ハズレ」となることが、遊技者の知るところとなる。そのため、従来においては、図5(a)の画面P1に示すように、低信頼度である「白文字」の「対決リーチ!」が出現した時点で、遊技者は、大当たりへの期待感を大きく損ねてしまうこととなる。
しかしながら、本実施形態においては、低信頼度である「白文字」の「対決リーチ!」が前半の予告演出で出現したとしても(図5(a)の画面P1参照)、低信頼度である「木の棒」が、後半の予告演出で再び出現すると(図5(b−2)の画面P3参照)、高信頼度となるように設定されているため、遊技者は、低信頼度である「白文字」の「対決リーチ!」が前半の予告演出で出現したとしても(図5(a)の画面P1参照)、この時点で、大当たりへの期待感を損ねることなく、後半の予告演出で再び低信頼度である「木の棒」が出現することを期待して遊技を継続することとなる。それゆえ、遊技者は、大当たりへの期待感を損ねることなく、大当たりへの期待感を維持したまま遊技を継続することができる。
ところで、本実施形態においては、図4(a)に示すような予告演出振り分けテーブルTBL1を用いて前半の予告演出パターン及び後半の予告演出パターンを選択するようにしたが、図4(b)に示すような前半予告演出振り分けテーブルTBL10及び後半予告演出振り分けテーブルTBL11を用いても良い。すなわち、前半予告演出振り分けテーブルTBL10には、前半の予告演出(図5(a)参照)で行う複数の予告演出パターンのうち、いずれの予告演出パターンを選択するかの確率が格納されている。具体的には、特別図柄始動口42(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)にて検知)すると、その入賞した遊技球(入賞球)に対して、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当たり」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選が主制御基板60(主制御CPU600)にて行われる。そして、その抽選結果が演出制御コマンドとして主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御基板90に送信され、この抽選結果が、図4(b)に示す前半予告演出振り分けテーブルTBL10の「ハズレ」「大当たり」として示されている(TB10参照)。
この抽選結果が「ハズレ」の場合には、前半の予告演出で「白文字」を使用する場合の確率として「70/100」が格納され(TB11参照)、「黒文字」を使用する場合の確率として「30/100」が格納されている(TB12参照)。
一方、抽選結果が「大当たり」の場合には、前半の予告演出で「白文字」を使用する場合の確率として「30/100」が格納され(TB11参照)、「黒文字」を使用する場合の確率として「70/100」が格納されている(TB12参照)。
他方、上記のような確率が格納されている前半予告演出振り分けテーブルTBL10を参照して、前半の予告演出パターンを選択するには、演出制御CPU900にて、所定時間毎に更新される前半予告演出乱数カウンタFND_CNTのカウント値の値を参照して判断される。すなわち、この前半予告演出乱数カウンタFND_CNTは0〜99までカウントできるカウンタで、例えば、抽選結果が「大当たり」の場合で、前半予告演出乱数カウンタFND_CNTのカウント値が0〜29の場合は、「白文字」を使用する予告演出パターンが選択され、カウント値が30〜99の場合は、「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択される。このようにして、抽選結果が「ハズレ」の場合も同様に、予告演出パターンが選択されることとなる。
一方、後半予告演出振り分けテーブルTBL12には、後半の予告演出(図5(b−1)〜(b−4)参照)で行う複数の予告演出パターンのうち、いずれの予告演出パターンを選択するかの確率が格納されている。具体的には、後半予告演出振り分けテーブルTBL11は、「ハズレ」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL11aと、「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL11bとで構成されており、主制御基板60(主制御CPU600)から演出制御基板90に送信された抽選結果(演出制御コマンド)に応じて、「ハズレ」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL11a、「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL11bの何れかが選択される。
抽選結果が、「ハズレ」の場合は、「ハズレ」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL11aが選択され、前半予告演出振り分けテーブルTBL10にて選択される予告演出の内容が、当該「ハズレ」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL11aの「白文字」「黒文字」として示されている(TB20参照)。
前半の予告演出にて「白文字」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「20/100」が格納され(TB21参照)、「剣」を使用する場合の確率として「80/100」が格納されている(TB22参照)。
一方、前半の予告演出にて「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「80/100」が格納され(TB21参照)、「剣」を使用する場合の確率として「20/100」が格納されている(TB22参照)。
他方、抽選結果が、「大当たり」の場合は、「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL11bが選択され、前半予告演出振り分けテーブルTBL10にて選択される予告演出の内容が、当該「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL11bの「白文字」「黒文字」として示されている(TB30参照)。
前半の予告演出にて「白文字」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「80/100」が格納され(TB31参照)、「剣」を使用する場合の確率として「20/100」が格納されている(TB32参照)。
一方、前半の予告演出にて「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「20/100」が格納され(TB31参照)、「剣」を使用する場合の確率として「80/100」が格納されている(TB32参照)。
このような確率が格納されている後半予告演出振り分けテーブルTBL11を参照して、後半の予告演出パターンを選択するには、演出制御CPU900にて、所定時間毎に更新される後半予告演出乱数カウンタSND_CNTのカウント値の値を参照して判断される。すなわち、この後半予告演出乱数カウンタSND_CNTは0〜99までカウントできるカウンタで、例えば、抽選結果が「大当たり」の場合であれば、「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL11bが選択され、そして、前半の予告演出にて「白文字」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半予告演出乱数カウンタSND_CNTのカウント値が0〜79の場合、「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択され、カウント値が80〜99の場合は、「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。このようにして、前半の予告演出にて「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択された場合、又は、抽選結果が「ハズレ」の場合も同様にして、後半の予告演出パターンが選択されることとなる。
しかして、このように、図4(b)に示すように、前半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルと、後半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルとを用いて前半及び後半の予告演出パターンを選択するようにしても、図4(b)の図示右側に示すように、「白文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「6%」(=「6/100」)、「黒文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「14%」(=「14/100」)、「白文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「24%」(=「24/100」)、「黒文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「56%」(=「56/100」)となっている。そのため、図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1と同様、「白文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)<「黒文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「白文字」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「黒文字」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の順で信頼度が高くなっており、低信頼度である「白文字」「木の棒」を使用する予告演出パターンが2回続くと信頼度が高くなるように設定されている。それゆえ、図4(b)に示すように、前半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルと、後半の演出パターンを選択する振り分けテーブルとを用いて前半及び後半の予告演出パターンを選択するようにしても、図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1と同様、図5に示すような予告演出を実行することができる。
このように、前半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルと、後半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルとを用いて前半及び後半の予告演出パターンを選択するようにすれば、予告演出パターンのバリエーションが増加したとしても、予告演出パターンの振り分け作業が簡素化することとなる。すなわち、図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1は、例えば、予告演出パターンが2種類(白文字,黒文字、木の棒,剣)であれば、全組合せ(前半及び後半の組合せ)として2×2の4パターンの予告演出パターンの確率を振り分けるだけで済むが、予告演出パターンのバリエーションが増加し、予告演出パターン5種類(白文字,青文字,黄文字,緑文字,黒文字、木の棒,こんぼう,やり,剣,大剣)となった場合、全組合せ(前半及び後半の組合せ)として5×5の25パターンの予告演出パターンの確率を振り分ける必要があり作業が煩雑となる。しかしながら、図4(b)に示すように、前半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルと、後半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルとを用いて前半及び後半の予告演出パターンを選択するようにすれば、図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1のように、全組合せ(前半及び後半の組合せ)のパターンを一度に選択するような制御とはならないため、予告演出パターンの確率を振り分ける作業が簡素化することとなる。
一方、この種の演出内容における信頼度の設定として、カットイン予告演出を用いた演出内容にて信頼度の設定をしても良い。すなわち、図6(a)の画面P20に示すように、「左」「中」「右」の組合せ図柄のうち、「左」の図柄(P20a参照)と「右」の図柄(P20b参照)の変動表示が同一状態で停止し(図示では、「7」)、リーチ状態となり、そしてさらに、液晶表示装置41の表示領域に組合せ図柄とは異なる、主人公であるキャラクタ(P20c参照)と敵であるキャラクタ(P20d参照)とが表示され、その両キャラクタを覆うように「対決リーチ!」という白文字(P20e参照)が表示され、次いで、図6(b−1)の画面P21に示すように、主人公(P21a参照)が「今回の武器は・・・・」というセリフを報知すると、当該主人公が、図6(b−2)の画面P22に示すように、「剣だ!」というセリフを報知すると共に、当該主人公の図示右手に剣を持った画像(P22a参照)が液晶表示装置41に表示される。そのため、図6(b−3)の画面P23に示すように、図示右手に剣を持った主人公(P23a参照)が、「やー!」というセリフを報知すると共に、敵(P23b参照)に戦いを挑んだとしても、低信頼度の武器ではない、すなわち、低信頼度の予告演出パターンが2回続いて出現しなかったため、遊技者は大当たりへの期待感を大きく損ねることとなる。
しかしながら、次いで、図6(c−1)の画面P24に示すように、「強すぎる・・・」という「白文字」のカットイン予告演出が出現すると(P24a参照)、低信頼度に設定されている「白文字」が2回続けて出現(図6(a)の画面P20参照)したこととなるため高信頼度となり、最終的に、図6(c−2)の画面P25に示すように、主人公(P25a参照)が敵(P25b参照)との戦いに勝利し、「中」の図柄(P25c参照)が、「左」の図柄(P25d参照)と「右」の図柄(P25e参照)と同一の状態(図示では「7」)で停止し、遊技者に「大当たり」であることを報知する。そのため、このように、低信頼度である「白文字」の予告演出が2回続けて出現すれば、高信頼度となるように設定しておいても良い。このようにすれば、低信頼度である「白文字」の予告演出パターンが出現し、次いで、低信頼度でない「剣」の予告演出パターンが出現したとしても、次に、「白文字」のカットイン予告演出が出現すれば高信頼度となるため、遊技者は大当たりへの期待感を損ねることなく、大当たりへの期待感を維持したまま遊技を継続することができる。
次に、上記内容を踏まえ、主制御基板60及び演出制御基板90にて処理される予告演出に関する部分の処理内容を、図7〜図18を参照してさらに具体的に説明する。
<主制御基板処理>
まず、本発明の特徴部分に係る主制御基板60の主制御ROM601内に格納されているプログラムの概要を図7〜図15を用いて説明する。
<主制御基板:メイン処理>
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板130(図3参照)から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られ、その信号を受けて、主制御CPU600(図3参照)は、図7に示す主制御メイン処理を行う。主制御CPU600は、まず、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に(ステップS1)、当該主制御CPU600内のレジスタ値等の初期設定を行う(ステップS2)。
続いて、主制御CPU600は、電源基板130より出力されている電圧異常信号ALARM(図示せず)を2回取得し、その2回取得した電圧異常信号ALARMのレベルが一致するか否かを確認した上で図示しない当該主制御CPU600の内部レジスタ内に格納し、その電圧異常信号ALARMのレベルを確認する(ステップS3)。そして電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS4:YES)、ステップS3の処理に戻り、電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS4:NO)、ステップS5の処理に進む。すなわち、主制御CPU600は、電圧異常信号ALARMが正常レベル(すなわち「H」レベル)に変化するまで同一の処理を繰り返す(ステップS3〜S4)。このように、電圧異常信号ALARMを2回取得することで、正確な信号を読み込むことができる。
次いで、主制御CPU600は、主制御RAM602(図3参照)へのデータ書込みを許可する(ステップS5)。このように、電圧異常信号ALARMの正常レベル(正常値)を検知するまで主制御RAM602へのデータ書き込みを禁止することにより、電源基板130に供給される外部電源(交流電圧AC24V)が安定して供給される前に、不安定な信号が主制御RAM602にアクセスし、主制御RAM602に記憶されているデータを書き換えてしまうという事態を防止することができる。
次いで、主制御CPU600は、演出制御基板90に液晶表示装置41に待機画面を表示させるような演出制御コマンド(待機画面表示コマンド)を送信し(ステップS6)、バックアップフラグBFLの内容を判定する(ステップS7)。なお、このバックアップフラグBFLとは、図8に示す電圧監視処理の動作が実行されたか否かを示すデータである。
このバックアップフラグBFLがOFF状態(ステップS7:OFF)であれば、後述する図8に示す電圧監視処理の動作が実行されていないこととなり、主制御CPU600は、主制御RAM602内の全領域を全てクリアする処理を行う(ステップS11)。一方、バックアップフラグBFLがON状態(ステップS7:ON)であれば、後述する図8に示す電圧監視処理の動作が実行されていることとなるため、主制御CPU600は、チェックサム値を算出するためのチェックサム演算を行う(ステップS8)。なお、チェックサム演算とは、主制御RAM602の作業領域を対象とする8ビット加算演算である。
そして、主制御CPU600は、上記チェックサム値が算出されたら、この演算結果を主制御RAM602内のSUM番地の記憶値と比較する処理を行う(ステップS9)。そして、記憶された演算結果は、主制御RAM602内に記憶されている他のデータと共に、電源基板130にて生成されるバックアップ電源によって維持されている。
このSUM番地の記憶値と上記ステップS8の処理にて算出されたチェックサム値が不一致(ステップS9:NO)であれば、主制御CPU600は、主制御RAM602内の全領域を全てクリアする処理を行う(ステップS11)。そして一致(ステップS9:YES)していれば、主制御CPU600は、主制御RAM602内に記憶されているデータに基づいて電源遮断時の遊技動作に復帰させる処理を行う(ステップS10)。
次いで、主制御CPU600は、ステップS10及びステップS11の処理後、その内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行う。すなわち、主制御CPU600は、4ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように上記CTCの時間定数レジスタを設定する(ステップS12)。そして次いで、主制御CPU600は、自身への割込みを禁止状態にセットした状態(ステップS13)で、各種の乱数カウンタの更新処理を行う(ステップS14)。この各種乱数更新処理には、普通図柄の当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数NPP_CNTの初期値変更に使用する普通図柄当り判定用初期値乱数の更新や、特別図柄変動パターンコマンドを決定するための抽選に使用する変動パターン用乱数値の更新等が含まれる。
そしてその後、主制御CPU600は、割込み許可状態に戻して(ステップS15)、ステップS13に戻る処理を行う。
<主制御基板:タイマ割込み処理>
続いて、図8を参照して、上述したメイン処理を中断させて、4ms毎に開始されるタイマ割込みプログラムについて説明する。このタイマ割込みが生じると、主制御CPU600内のレジスタ群の内容を主制御RAM602のスタック領域に退避させる退避処理を実行し(ステップS20)、その後電圧監視処理を実行する(ステップS21)。この電圧監視処理は、電源基板130(図3参照)から出力される電圧異常信号ALARMのレベルを判定し、電圧異常信号ALARMが「L」レベル(異常レベル)であれば、主制御RAM602内に記憶されているデータのバックアップ処理、すなわち、当該データのチェックサム値を算出し、その算出したチェックサム値をバックアップデータとして主制御RAM602内に保存する処理を行うというものである。
次いで、主制御CPU600は、上記電圧監視処理(ステップS21)が終了すると、各遊技動作の時間を管理しているタイマのタイマ減算処理を行う(ステップS22)。ここで減算されたタイマは、大入賞口43(図2参照)の開放時間、普通図柄の変動時間、特別図柄の変動時間等の遊技演出時間、不正情報タイマ等を管理するために使用されるものである。
そして続いて、主制御CPU600には、特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)と、普通図柄始動口スイッチ44a(図3参照)と、一般入賞口スイッチ45a(図3参照)と、大入賞口スイッチ43a(図3参照)を含む各種スイッチ類のON/OFF信号が入力され、主制御RAM602内の作業領域にON/OFF信号レベルや、その立ち上がり状態が記憶される(ステップS23)。なお、このスイッチ入力処理は、不正入賞があった場合に、立ち上がり状態を無効(入賞無効)にする処理も行い、賞球を払出すために上記大入賞口スイッチ43a,一般入賞口スイッチ45aに何個の遊技球が入賞したのかのカウントも行っている。
その後、主制御CPU600は、エラー管理処理を行う(ステップS24)。なお、エラー管理処理は、遊技球の補給が停止したり、あるいは、遊技球が詰まったりなど、機器内部に異常が生じていないかの判定を含むものである。
次いで、主制御CPU600は、賞球管理処理を実行する(ステップS25)。この賞球管理処理は、払出制御基板70(図3参照)に払出し動作を行わせるための払出制御コマンドを出力しているものである。
次いで、主制御CPU600は、各変動表示ゲームに係る乱数を更新する乱数管理処理を実行する(ステップS26)。この乱数管理処理は、当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数NPP_CNTを更新する処理や、特別図柄の種類を決める特別図柄用乱数を更新する処理等を実行するものである。
次いで、主制御CPU600は、普通図柄処理を実行する(ステップS27)。この普通図柄処理は、普通図柄の当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示状態を決定したりするものである。なお、この普通図柄処理の詳細については、後述することとする。
次いで、主制御CPU600は、特別図柄処理を実行する(ステップS28)。この特別図柄処理では、特別図柄の当否抽選を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。なお、この特別図柄処理の詳細については、後述することとする。
次いで、主制御CPU600は、LED管理処理を実行する(ステップS29)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、特別図柄表示装置46や普通図柄表示装置47への出力データを生成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
次いで、主制御CPU600は、大入賞口43(図2参照)等の開閉動作を実現するソレノイドの駆動処理を実行し(ステップS30)、割込み許可状態に戻し(ステップS31)、主制御RAM602のスタック領域に退避させておいたレジスタの内容を復帰させタイマ割込みを終える(ステップS32)。これにより、割込み処理ルーチンからメイン処理(図7参照)に戻ることとなる。
<主制御基板:普通図柄処理>
次に、図9を参照して、上記普通図柄処理(図8のステップS27)について詳細に説明する。図9に示すように、普通図柄処理は、まず、ゲートからなる普通図柄始動口44(図2参照)において、遊技球の通過を検知したか否かを確認、すなわち、普通図柄始動口スイッチ44aの信号レベルを確認する(ステップS40)。そして遊技球の通過を検知した場合(ステップS40:YES)、主制御CPU600は、普通図柄始動保留球数が例えば4以上か否かを判断するため、普通図柄始動保留球数が格納されている主制御RAM602内の普通図柄始動保留領域を確認する(ステップS41)。そして、普通図柄始動保留球数が4未満であれば(ステップS41:≠MAX)、普通図柄始動保留球数を1加算(+1)する(ステップS42)。
次いで、主制御CPU600は、図8に示すステップS26にて更新される普通図柄当り判定用乱数NPP_CNTの乱数値を抽出し、その抽出した乱数値を主制御RAM602内の普通図柄始動保留記憶領域に格納した上で(ステップS43)、ステップS44の処理に進む。
一方、ステップS40にて、遊技球の通過を検知しなかった場合(ステップS40:NO)、又は、ステップS41にて、普通図柄始動保留球数が4以上であると判断した場合(ステップS41:=MAX)には、ステップS42〜S43の処理は行わず、ステップS44の処理に進む。
このようにしてステップS44の処理に進むと、主制御CPU600は、普通図柄当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS44)。普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS44:ON)、普通図柄が当たり中であると判断し、普通図柄の表示データの更新を行った後(ステップS53)、図8に示すステップS27の普通図柄処理を終える。
一方、普通図柄当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS44:OFF)、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値を確認する(ステップS45)。そして、普通図柄動作ステータスフラグが00Hであれば、主制御CPU600は、普通図柄の変動開始前の状態であると判断し、ステップS46に進み、普通図柄始動保留球数が0か否かを確認する(ステップS46)。この際、普通図柄始動保留球数が格納されている主制御RAM602内の普通図柄始動保留記憶領域を確認し、0であると主制御CPU600が判断した場合(ステップS46:=0)は、普通図柄の表示データの更新を行った後(ステップS53)、図8に示すステップS27の普通図柄処理を終える。
一方、0でないと判断した場合(ステップS46:≠0)、主制御CPU600は、普通図柄始動保留球数を1減算(−1)する(ステップS47)。その後、主制御CPU600は、上記ステップS43にて主制御RAM602内の普通図柄始動保留記憶領域に格納した普通図柄当り判定用乱数NPP_CNTの乱数値を用いて当たり判定を行う。具体的には、普通図柄当り判定用乱数NPP_CNTの乱数値と、図15(a)に示す普通図柄当たり判定テーブルNPP_TBLに格納されている判定値とを比較して、普通図柄の当たり判定を行う。すなわち、普通図柄当たり判定テーブルNPP_TBLには、図15(a)に示すように、遊技状態が通常状態の場合、下限値として249,上限値として250が格納され、遊技状態が確変状態(当たり抽選確率が通常より高確率状態である確率変動状態)の場合、下限値として4,上限値として250が格納されている。そのため、遊技状態が通常状態で、普通図柄当り判定用乱数NPP_CNTの乱数値が249〜250の場合、普通図柄は当たりとなり、それ以外の乱数値はハズレとなる。そして、遊技状態が確変状態で、普通図柄当り判定用乱数NPP_CNTの乱数値が4〜250の場合、普通図柄は当たりとなり、それ以外の乱数値はハズレとなる。このようにして、上記ステップS43にて主制御RAM602内の普通図柄始動保留記憶領域に格納した普通図柄当り判定用乱数NPP_CNTの乱数値の当たり判定が行われる(ステップS48)。
次いで、主制御CPU600は、上記ステップ48の抽選結果に基づいて、停止図柄(普通図柄停止図柄)を決定する(ステップS49)。
次いで、主制御CPU600は、普通図柄の変動時間を短くする普通図柄時短フラグがONに設定されているかを確認し、ONに設定されていれば、普通図柄変動タイマにそれに応じた変動時間を設定し、OFFに設定されていれば、普通図柄変動タイマに通常の変動時間を設定する処理を行う(ステップS50)。
次いで、主制御CPU600は、普通図柄始動保留球数に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されている主制御RAM602内の記憶領域をシフトする(ステップS51)。すなわち、普通図柄始動保留球数を最大で4個保留できるとすると、普通図柄始動保留4に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄始動保留3に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM602領域にシフトし、普通図柄始動保留3に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄始動保留2に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM602領域にシフトし、普通図柄始動保留2に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値を普通図柄始動保留1に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM602領域にシフトするという処理を行う。
この処理の後、主制御CPU600は、上記ステップS45にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに01Hを設定し、普通図柄始動保留4に対応した普通図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM602の領域に00Hを設定する処理を行う(ステップS52)。
そして、主制御CPU600は、上記ステップS52の処理を終えた後、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS53)、図8に示すステップS27の普通図柄処理を終える。
一方、主制御CPU600は、上記ステップS45にて、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値が01Hであれば、普通図柄が変動中であると判断し、普通図柄変動タイマが0か否かを確認する(ステップS54)。普通図柄変動タイマが0でなければ(ステップS54:≠0)、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS53)、図8に示すステップS27の普通図柄処理を終える。
一方、普通図柄変動タイマが0であれば(ステップS54:=0)、主制御CPU600は、上記ステップS45にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに02Hを設定し、普通図柄の当否抽選結果を一定時間維持させるために、普通図柄変動タイマに例えば約600msの時間を設定する(ステップS55)。
そして、主制御CPU600は、上記ステップS55の処理を終えた後、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS53)、図8に示すステップS27の普通図柄処理を終える。
他方、主制御CPU600は、上記ステップS45にて、普通図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、普通図柄動作ステータスフラグの値が02Hであれば、普通図柄が確認時間中(普通図柄の変動が終了して停止中)であると判断し、普通図柄変動タイマが0か否かを確認する(ステップS56)。普通図柄変動タイマが0でなければ(ステップS56:≠0)、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS53)、図8に示すステップS27の普通図柄処理を終える。
一方、普通図柄変動タイマが0であれば(ステップS56:=0)、主制御CPU600は、上記ステップS45にて用いた普通図柄動作ステータスフラグに00Hを設定し(ステップS57)、普通図柄当たり判定フラグがONに設定(5AHが設定)されているかを確認する(ステップS58)。
これにより、普通図柄当たり判定フラグがOFFに設定(5AHが設定されていない)されていれば(ステップS58:OFF)、主制御CPU600は、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS53)、図8に示すステップS27の普通図柄処理を終える。一方、普通図柄当たり判定フラグがONに設定(5AHが設定)されていれば(ステップS58:ON)、主制御CPU600は、ステップS44にて用いられる普通図柄当たり作動フラグをON(5AHを設定)に設定した(ステップS59)後、普通図柄の表示データの更新を行い(ステップS53)、図8に示すステップS27の普通図柄処理を終える。
<主制御基板:特別図柄処理>
次に、図10〜図14を参照して、上記特別図柄処理(図8のステップS28)について詳細に説明する。図10に示すように、特別図柄処理は、先ず、特別図柄始動口42(図2参照)の特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)において、遊技球の入球(入賞球)を検知した否かを確認する(ステップS70)。
<特別図柄処理:始動口チェック処理>
この処理について、図11を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600は、特別図柄始動口42に遊技球が入球(入賞)したか否かを確認、すなわち、特別図柄始動口42の特別図柄始動口スイッチ42aのレベルを確認する(ステップS80)。これにより、遊技球の入球(入賞)を検知しなければ(ステップS80:NO)、図10に示すステップS70の処理を終える。
一方、遊技球の入球(入賞)を検知すれば(ステップS80:YES)、主制御CPU600は、特別図柄の変動契機となる特別図柄始動保留球数が所定数、主制御RAM602内の特別図柄始動保留記憶領域に格納されているか否かを確認する(ステップS81)。その特別図柄始動保留球数が、4未満であれば(ステップS81:≠MAX)、当該特別図柄始動保留球数を1加算(+1)する(ステップS82)。
次いで、主制御CPU600は、図7のステップS14及び図8のステップS26にて更新された特別図柄停止の際用いられる特別図柄用乱数値及び変動パターン用乱数値を取得し、さらに、当該主制御CPU600内に内蔵されているハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)の値(大当たり判定用乱数値)を取得し、これら乱数値をそれぞれ、特別図柄の変動契機となる特別図柄始動保留球数が格納されている主制御RAM602内の特別図柄始動保留記憶領域に格納する(ステップS83)。
次いで、主制御CPU600は、現在の遊技状態(特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されているか否か等)を確認し、先読み禁止状態か否かを判定する(ステップS84)。そして、先読み禁止状態でなければ(ステップS84:NO)、主制御CPU600は、上記ステップS83にて主制御RAM602内の特別図柄始動保留記憶領域に格納した特別図柄の当否抽選に用いられる大当たり判定用乱数値を取得し(ステップS85)、さらに、図示しない始動口入賞時乱数判定テーブルを取得する(ステップS86)。
次いで、主制御CPU600は、上記ステップS85にて取得した大当たり判定用乱数値及びステップS86にて取得した始動口入賞時乱数判定テーブルを用いて、大当たり抽選を行い、さらに、上記ステップS83にて主制御RAM602内の特別始動保留記憶領域に格納した特別図柄用乱数値を用いて、大当たりの種類(15R確変大当り、15R非確変大当たり等)を決定し、変動パターン用乱数値を用いて、変動パターンを決定し、それに応じた特別図柄始動口入賞コマンドを生成する(ステップS87)。
次いで、主制御CPU600は、上記生成された特別図柄始動口入賞コマンドに応じた下位バイトの始動保留加算コマンドを生成する(ステップS88)。
一方、主制御CPU600は、上記ステップS88の処理を終えるか、又は、上記ステップS81にて特別図柄始動保留球数が4以上であるか(ステップS81:=MAX)、あるいは、先読み禁止状態であれば(ステップS84:YES)、増加した始動保留球数に応じた上位バイトの始動保留加算コマンドを生成する(ステップS89)。
次いで、主制御CPU600は、上記ステップS88にて生成した下位バイトの始動保留加算コマンドと、上記ステップS89にて生成した上位バイトの始動保留加算コマンドとを結合した上で、演出制御コマンド(始動保留加算コマンド)として、演出制御基板90(図3参照)に送信する処理を行い(ステップS90)、図10に示すステップS70の処理を終える。
<主制御基板:特別図柄処理>
かくして、図10に示すステップS70の処理を終えると、主制御CPU600は、特別図柄小当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS71)。特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS71:ON)、特別図柄が小当たり中であると判断し、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS77)、図8に示すステップS28の特別図柄処理を終了する。
一方、特別図柄小当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS71:OFF)、特別図柄大当たり作動フラグがONに設定されているか、すなわち、特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されているかを確認する(ステップS72)。特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されていれば(ステップS72:ON)、特別図柄が大当たり中であると判断し、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS77)、図8に示すステップS28の特別図柄処理を終了する。
一方、特別図柄大当たり作動フラグに5AHが設定されていなければ(ステップS72:OFF)、特別図柄の挙動を示す処理状態、すなわち、特別図柄動作ステータスフラグの値を確認する(ステップS73)。より詳しく説明すると、主制御CPU600は、特別図柄動作ステータスフラグの値が00H又は01Hであれば、特別図柄変動待機中(特別図柄の変動が行われておらず次回の変動のための待機状態であることを示す)であると判定し、特別図柄変動開始処理を行う(ステップS74)。
<特別図柄処理:特別図柄変動開始処理>
この処理について、図12を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600は、特別図柄始動保留球数が0か否かを確認する(ステップS100)。すなわち、主制御RAM602内の特別図柄始動保留記憶領域を確認し、特別図柄始動保留球数が0であると主制御CPU600が判断した場合は(ステップS100:=0)、特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hか否かを確認する(ステップS101)。特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hであれば(ステップS101:YES)、図10に示すステップS74の特別図柄変動開始処理を終了する。
一方、特別図柄動作ステータスフラグの値が00Hでなければ(ステップS101:NO)、主制御CPU600は、演出制御コマンド(客待ちデモコマンド)を演出制御基板90(図3参照)に送信し(ステップS102)、特別図柄動作ステータスフラグに00Hをセットした上で(ステップS103)、図10に示すステップS74の特別図柄変動開始処理を終了する。
他方、特別図柄始動保留球数が0でないと判断した場合(ステップS100:≠0)、主制御CPU600は、特別図柄始動保留球数を1減算(−1)し(ステップS104)、演出制御コマンド(始動保留減算コマンド)を演出制御基板90(図3参照)に送信する(ステップS105)。
次いで、主制御CPU600は、図9に示すステップS51の処理と同様、特別図柄始動保留球数に対応した特別図柄の当否抽選に用いられる乱数値(図11のステップS83にて格納した大当たり判定用乱数値)が格納されている主制御RAM602内の記憶領域をシフトし(ステップS106)、特別図柄始動保留4に対応した特別図柄の当否抽選に用いられる乱数値が格納されていた主制御RAM602の領域に0を設定する(ステップS107)。
次いで、主制御CPU600は、図11のステップS83にて主制御RAM602内の特別図柄始動保留記憶領域に格納した大当たり判定用乱数値を用いて当たり判定を行う。具体的には、大当たり判定用乱数値と、図15(b)に示す特別図柄大当たり判定テーブルSDH_TBLに格納されている判定値とを比較、又は、図15(c)に示す特別図柄小当たり判定テーブルSDP_TBLに格納されている判定値とを比較して、特別図柄の当たり判定を行う。すなわち、特別図柄大当たり判定テーブルSDH_TBLには、図15(b)に示すように、遊技状態が通常状態の場合、下限値として10001,上限値として10164が格納され、遊技状態が確変状態(当たり抽選確率が通常より高確率状態である確率変動状態)の場合、下限値として10001,上限値として11640が格納されている。そのため、遊技状態が通常状態で、大当たり判定用乱数値が10001〜10164の場合、特別図柄は大当たりとなり、それ以外の乱数値はハズレとなる。そして、遊技状態が確変状態で、大当たり判定用乱数値が10001〜11640の場合、特別図柄は大当たりとなり、それ以外の乱数値はハズレとなる。また、特別図柄小当たり判定テーブルSDP_TBLには、図15(c)に示すように、下限値として20001,上限値として20164が格納されている。そのため、大当たり判定用乱数値が20001〜20164の場合、特別図柄は小当たりとなり、それ以外の乱数値はハズレとなる。このようにして、図11のステップS83にて主制御RAM602内の特別図柄始動保留記憶領域に格納した大当たり判定用乱数値の当たり判定が行われる(ステップS108)。
次いで、主制御CPU600は、図11のステップS83にて主制御RAM602内の特別図柄始動保留記憶領域に格納した特別図柄用乱数値を用いて、特別図柄の停止図柄を生成する(ステップS109)。
次いで、主制御CPU600は、通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態のいずれかの遊技状態に移行する準備を行う(ステップS110)。
次いで、主制御CPU600は、図11のステップS83にて主制御RAM602内の特別図柄始動保留記憶領域に格納した変動パターン用乱数値を用いて特別図柄の変動パターンの生成を行う(ステップS111)。この際、特別図柄変動タイマに変動時間が設定される。
次いで、主制御CPU600は、特別図柄変動中フラグに5AHを設定し、ON状態にする(ステップS112)。
次いで、主制御CPU600は、液晶表示装置41(図2参照)に表示される特別図柄の特別図柄指定コマンドを生成し(ステップS113)、その生成した特別図柄指定コマンドを演出制御コマンドとして演出制御基板90(図3参照)に送信する処理を行う(ステップS114)。
次いで、主制御CPU600は、特別図柄動作ステータスフラグに02Hを設定し(ステップS115)、図10に示すステップS74の特別図柄変動開始処理を終了する。
他方、主制御CPU600は、図10に示すステップS73にて、特別図柄動作ステータスフラグの値が02Hであれば、特別図柄変動中(特別図柄が現在変動中であることを示す)であると判定し、特別図柄変動中処理を行う(ステップS75)。
<特別図柄処理:特別図柄変動中処理>
この処理について、図13を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600は、まず、図12のステップS111にて特別図柄変動タイマに設定された変動時間が経過したか、すなわち、0になったか否かを確認する(ステップS120)。特別図柄変動タイマが0でなければ(ステップS120:NO)、主制御CPU600は、図10に示すステップS75の特別図柄変動中処理を終了する。
一方、特別図柄変動タイマが0であれば(ステップS120:YES)、主制御CPU600は、演出制御コマンド(変動停止コマンド)を演出制御基板90(図3参照)に送信する(ステップS121)。そして、主制御CPU600は、特別図柄動作ステータスフラグに03Hを設定し、特別図柄変動中フラグに00Hを設定する。そしてさらに、主制御CPU600は、特別図柄の当否抽選結果を一定時間維持するために、特別図柄変動タイマに例えば約500msの時間を設定する(ステップS122)。その後、主制御CPU600は、図10に示すステップS75の特別図柄変動中処理を終了する。
他方、主制御CPU600は、図10に示すステップS73にて、特別図柄動作ステータスフラグの値が03Hであれば、特別図柄確認中(特別図柄の変動が終了して停止中であることを示す)であると判定し、特別図柄確認時間中処理を行う(ステップS76)。
<特別図柄処理:特別図柄確認中処理>
この処理について、図14を用いて詳しく説明すると、主制御CPU600は、まず、図11のステップS111にて特別図柄変動タイマに設定された変動時間が経過したか、すなわち、0になったか否かを確認する(ステップS130)。特別図柄変動タイマが0でなければ(ステップS130≠0)、主制御CPU600は、図10に示すステップS76の特別図柄確認時間中処理を終了する。
一方、特別図柄変動タイマが0であれば(ステップS130=0)、主制御CPU600は、特別図柄動作ステータスフラグに01Hを設定し(ステップS131)、特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されているか(5AHが設定されているか)を確認する(ステップS132)。特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されていれば(5AHが設定されていれば)(ステップS132:YES)、特別図柄大当たり判定フラグに00Hを設定し、図10のステップS72にて使用する特別図柄大当たり作動フラグに5AHを設定し、そして普通図柄時短フラグに00Hを設定し、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、さらに、特別図柄時短フラグに00Hを設定し、特別図柄確変フラグに00Hを設定し、後述する特別図柄時短回数カウンタ及び特別図柄確変回数カウンタに00Hを設定する処理を行う(ステップS133)。その後、主制御CPU600は、図10に示すステップS76の特別図柄確認時間中処理を終了する。
他方、特別図柄大当たり判定フラグがONに設定されていなければ(5AHが設定されていなければ)(ステップS132:NO)、主制御CPU600は、特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されているか(5AHが設定されているか)を確認する(ステップS134)。特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されていれば(5AHが設定されていれば)(ステップS134:YES)、特別図柄小当たり判定フラグに00Hを設定し、図10のステップ71にて使用する特別図柄小当たり作動フラグに5AHを設定する(ステップS135)。
主制御CPU600は、上記ステップS135の処理を終えた後、又は、特別図柄小当たり判定フラグがONに設定されていなければ(5AHが設定されていなければ)(ステップS134:NO)、特別図柄時短回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS136)。
特別図柄時短回数カウンタの値が0でなければ(ステップS136:NO)、特別図柄時短回数カウンタの値を1減算(−1)し(ステップS137)、主制御CPU600は、再度、特別図柄時短回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS138)。そして、特別図柄時短回数カウンタの値が0であれば(ステップS138:YES)、普通図柄時短フラグに00Hを設定すると共に、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、さらに、普通図柄時短フラグに00Hを設定する(ステップS139)。
上記ステップS139の処理を終えた後、又は、特別図柄時短回数カウンタの値が0(ステップS136:YES)、あるいは、特別図柄時短回数カウンタの値が0でなければ(ステップS138:NO)、主制御CPU600は、特別図柄確変回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS140)。特別図柄確変回数カウンタの値が0であれば(ステップS140:YES)、主制御CPU600は、図10に示すステップS76の特別図柄確認時間中処理を終了する。
一方、特別図柄確変回数カウンタの値が0でなければ(ステップS140:NO)、主制御CPU600は、特別図柄確変回数カウンタの値を1減算(−1)し(ステップS141)、再度、特別図柄確変回数カウンタの値が0か否かを確認する(ステップS142)。特別図柄確変回数カウンタの値が0でなければ(ステップS142:NO)、主制御CPU600は、図10に示すステップS76の特別図柄確認時間中処理を終了する。
一方、特別図柄確変回数カウンタの値が0であれば(ステップS142:YES)、主制御CPU600は、普通図柄時短フラグに00Hを設定し、普通図柄確変フラグに00Hを設定し、特別図柄時短フラグに00Hを設定し、特別図柄確変フラグに00Hを設定する処理を行い(ステップS143)、図10に示すステップS76の特別図柄確認時間中処理を終了する。
<主制御基板:特別図柄処理>
このようにして、主制御CPU600は、図10に示す特別図柄変動開始処理(ステップS74)、又は、特別図柄変動中処理(ステップS75)、あるいは、特別図柄確認時間中処理(ステップS76)を終えると、特別図柄の表示データの更新を行った後(ステップS77)、図8に示すステップS28の特別図柄処理を終了する。
<演出制御基板処理>
次に、本発明の特徴部分に係る演出制御基板90の演出制御ROM901内に格納されているプログラムの概要を図16〜図18を用いて説明する。
<演出制御基板:メイン処理>
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板130(図3参照)から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られ、その信号を受けて、演出制御CPU900は、図16に示す演出制御メイン処理を行う。演出制御CPU900は、まず、内部に設けられているレジスタを初期化すると共に、入出力ポートの入出力方向を設定する。そしてさらに、出力方向に設定された出力ポートから送信されるデータがシリアル転送となるように設定する(ステップS200)。
その設定後、演出制御CPU900は、上記主制御基板60(主制御CPU600)から受信する演出制御コマンドを格納する演出制御RAM902内のメモリ領域を初期化する(ステップS201)。そして、演出制御CPU900は、上記主制御基板60(主制御CPU600)からの割込み信号を受信する入力ポートの割込み許可設定処理を行う(ステップS202)。
次いで、演出制御CPU900は、作業領域、スタック領域として使用する演出制御RAM902内のメモリ領域を初期化し(ステップS203)、音LSI903(図3参照)に初期化指令を行う。これにより、音LSI903は、その内部に設けられているレジスタを初期化する(ステップS204)。
次いで、演出制御CPU900は、図示しない可動役物を動作させるモータに異常が発生しているか否か、そのモータを動作させるモータデータが格納される演出制御RAM902内のメモリ領域を確認する。異常データが格納されている場合は、演出制御CPU900は、当該モータを原点位置に戻す指令を行う。これにより、可動役物は初期位置に戻ることとなる(ステップS205)。
次いで、演出制御CPU900は、その内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行う。すなわち、演出制御CPU900は、1ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように上記CTCの時間定数レジスタを設定する(ステップS206)。
上記処理を終えた後、演出制御CPU900は、メインループ更新周期か否かを確認する。具体的には、0〜31までループ状にカウントするメインループカウンタML_CNTを16分周(すなわち、16で除算)した際の余りを確認し、その余りが0であれば(ステップS207:YES)、ステップS209に進み、0以外であれば(ステップS207:NO)、図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1を用いて予告演出を選択する場合は、予告演出乱数カウンタND_CNT、図4(b)に示す前半予告演出振り分けテーブルTBL10及び後半予告演出振り分けテーブルTBL11を用いて予告演出を選択する場合は、前半予告演出乱数カウンタFND_CNT及び後半予告演出乱数カウンタSND_CNTの乱数値等を更新する処理を行う(ステップS208)。なお、メインループカウンタML_CNTのインクリメント(+1)方法については、後述することとする。
次いで、演出制御CPU900は、後述するステップS211にて生成された装飾ランプ基板100(図3参照)に搭載されているLEDランプ等の装飾ランプをそれぞれ点灯又は消灯させるのに必要な制御信号を演出制御RAM902内のメモリ領域に書込みする処理を行う(ステップS209)。
続いて、演出制御CPU900は、上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されている上記主制御基板60(主制御CPU600)から受信する演出制御コマンドを読み出し、その内容に応じた演出パターンを、演出制御ROM901内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定する。すなわち、上記読み出した演出制御コマンドが「大当たり」の場合、演出制御CPU900は、図4(a)に示す振り分けテーブルTBL1の「大当たり」の欄を参照すると共に、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値を抽出する。そして、その抽出したカウント値が0〜4の場合、前半の予告演出として「白文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。また、カウント値が5〜19の場合、前半の予告演出として「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択され、カウント値が20〜49の場合、前半の予告演出として「白文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択される。さらに、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が50〜99の場合、前半の予告演出として「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。
一方、上記読み出した演出制御コマンドが「ハズレ」の場合、演出制御CPU900は、図4(a)に示す振り分けテーブルTBL1の「ハズレ」の欄を参照すると共に、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値を抽出する。そして、その抽出したカウント値が0〜49の場合、前半の予告演出として「白文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。そして、カウント値が50〜79の場合、前半の予告演出として「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択され、カウント値が80〜94の場合、前半の予告演出として「白文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択される。そしてさらに、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が95〜99の場合、前半の予告演出として「黒文字」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。
かくして、このように選択された予告演出パターンが液晶制御コマンドとして上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納される(ステップS210)。これにより、図5に示すような画面が液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、演出制御RAM902内に格納された液晶制御コマンドが、後述する図18に示すタイマ割込み処理の際、液晶制御基板120(図3参照)に送信され、その液晶制御コマンドに応じた内容が液晶表示装置41に表示されることとなる。また、この液晶制御コマンドには、始動保留球数の情報や特別図柄の変動/停止の内容等が含まれている。さらに、本実施形態においては、図4(a)に示す振り分けテーブルTBL1を用いて予告演出パターンを選択するようにしたが、勿論、図4(b)に示す前半予告演出振り分けテーブルTBL10及び後半予告演出振り分けテーブルTBL11を用いて予告演出パターンを選択しても良い。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS210の処理を終えた後、上記決定された演出パターン(予告演出パターンも含む)に対応するBGM又は効果音等の音を決定すると共に、可動役物を動作させるモータの動作内容及び大入賞口43などに設けられているソレノイドの動作内容を決定する。そして、上記決定された演出パターン(予告演出パターンも含む)内に、演出ボタン装置13(図1参照)を遊技者に押下げさせるような演出があるか否かも決定される(ステップS211)。
次いで、演出制御CPU900は、上記決定された音に関する制御信号を音LSI903に送信する。そして、音LSI903は、その制御信号に応じたBGMあるいは効果音を音ROM904から読み出す。これにより、音LSI903は、その読み出した音データに基づく処理を行い、音源データとしてスピーカ16へ出力する処理を行う(ステップS212)。
次いで、演出制御CPU900は、ステップS211にて決定されたソレノイドの作動内容に応じたソレノイドデータを生成し、その生成したソレノイドデータを演出制御RAM902内に格納する(ステップS213)。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS212の処理に関し、音LSI903が音データ等をデコード処理する際、ノイズ等により何らかのエラーが発生していないかを、当該音LSI903にアクセスし確認する(ステップS214)。
かくして、演出制御CPU900は、上記ステップS214の処理を終えた後、再度ステップS207の処理に戻り、ステップS207〜S214の処理を繰り返すこととなる。
<演出制御基板:コマンド受信割込み処理>
続いて、図17を参照して、このような演出制御メイン処理の実行中に、主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御コマンド及び割込み信号が送信されてきた際の処理について説明する。
図17に示すように、演出制御CPU900は、上記割込み信号を受信した際、各レジスタの内容を演出制御RAM902内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS220)。その後、演出制御CPU900は、演出制御コマンドを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS221)、演出制御RAM902内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを算出する(ステップS222)。
そしてその後、演出制御CPU900は、再度、演出制御コマンドを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS223)、ステップS221にて読み出した値とステップS223にて読み出した値が一致しているか否かを確認する(ステップS224)。一致していなければ(ステップS224:NO)、ステップS227に進み、一致していれば(ステップS224:YES)、上記算出したポインタに対応するアドレス番地に、主制御基板60(主制御CPU600)より受信した演出制御コマンドを格納する(ステップS225)。なお、この格納された演出制御コマンドが、図16に示すステップS210の処理の際、演出制御CPU900に読み出されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、演出制御RAM902内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを更新し(ステップS226)、ステップS220の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS227)。これにより、図16に示す演出制御メイン処理に戻ることとなる。
<演出制御基板:タイマ割込み処理>
続いて、図18を参照して、演出制御メイン処理のステップS206(図16参照)の処理にて設定した、1ms毎のタイマ割込みが発生した際の処理について説明する。
図18に示すように、演出制御CPU900は、1ms毎のタイマ割込みが発生した際、各レジスタの内容を演出制御RAM902内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS230)。その後、演出制御CPU900は、当該演出制御CPU900内に設けられている入出力ポートのレジスタをリフレッシュする(ステップS231)。
続いて、演出制御CPU900は、図16に示すステップS213にて処理した演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されているソレノイドデータを出力ポートよりシリアル転送で送信する。これにより、大入賞口43等が開閉動作することとなる。またさらに、演出制御CPU900は、演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されているモータデータを出力ポートよりシリアル転送で送信する。これにより、図示しない可動役物が、そのモータデータに基づいた動作をすることとなる(ステップS232)。
次いで、演出制御CPU900は、演出ボタン装置13からの信号を受信する(ステップS233)。なお、演出ボタン装置13が遊技者によって押下されていた場合、演出制御CPU900は、図16に示すステップS211の処理を行う際、演出ボタン装置13が押下されたことを考慮した演出パターン(予告演出パターンも含む)を決定することとなる。
次いで、演出制御CPU900は、図示しない可動役物のモータ(図示せず)の位置を検知するモータセンサから送信される検知データに基づきモータの位置を確認する(ステップS234)。
次いで、演出制御CPU900は、図16に示すステップS210の処理にて演出制御RAM902内のメモリ領域に格納された液晶制御コマンドを液晶制御基板120(図3参照)に送信する(ステップS235)。これにより、液晶表示装置41に、その液晶制御コマンドに応じた内容が表示されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS234にて確認したモータの位置に基づき、図16に示すステップS211にて決定された可動役物を動作させるモータの動作内容に応じたモータデータを生成した上で、演出制御RAM902内のメモリ領域に格納する(ステップS236)。なお、この演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されたモータデータが、次の1msのタイマ割込みの際、ステップS232の処理にて出力ポートよりシリアル転送にて送信されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、図16に示すステップS209の処理にて演出制御RAM902内に格納した装飾ランプ基板100(図3参照)に搭載されているLEDランプ等の装飾ランプをそれぞれ点灯又は消灯させるのに必要な制御信号を装飾ランプ基板100に送信する。これにより、LEDランプ等の装飾ランプがそれぞれ点灯又は消灯することとなり、所望のランプ演出が行われることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、図16に示すステップS207の処理にて用いる0〜31までループ状にカウントするメインループカウンタML_CNTをインクリメント(+1)し、そのインクリメントした値を16分周(すなわち、16で除算)する処理を行う(ステップS238)。そしてその後、演出制御CPU900は、ステップS230の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS239)。これにより、図16に示す演出制御メイン処理に戻ることとなる。
しかして、以上説明した本実施形態によれば、信頼度の低い予告演出パターンが出現しても、遊技者の大当たりへの期待感を損ねることなく維持することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の第2実施形態を、図19〜図20を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態の異なる点は、図4に示す予告演出振り分けテーブルの内容が異なるだけで、それ以外は同一である。そのため、以下では、図19〜図20を用いて本実施形態に係る予告演出振り分けテーブルについて説明することとする。
演出制御ROM901(図3参照)内には、予め、図19(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL100が格納されている。この予告演出振り分けテーブルTBL100は、図4(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL1と同様、どの予告演出パターンを実行するかを抽選(決定)する際使用されるものである。
具体的には、この予告演出振り分けテーブルTBL100には、複数の予告演出パターンのうち、いずれの予告演出パターンを選択するかの確率が格納されている。すなわち、特別図柄始動口42(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)にて検知)すると、その入賞した遊技球(入賞球)に対して、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当たり」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選が主制御基板60(主制御CPU600)にて行われる。そして、その抽選結果が演出制御コマンドとして主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御基板90に送信される。
この抽選結果が、図19(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL100の「ハズレ」「大当たり」として示されている(TB100参照)。そして、抽選結果が「ハズレ」の場合には、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「50/100」が格納されている(TB101参照)。そしてさらに、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「30/100」が格納され(TB102参照)、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「15/100」が格納されている(TB103参照)。またさらに、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「5/100」が格納されている(TB104参照)。
一方、抽選結果が「大当たり」の場合には、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「5/100」が格納されている(TB101参照)。そしてさらに、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「15/100」が格納され(TB102参照)、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「木の棒」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「30/100」が格納されている(TB103参照)。またさらに、前半の予告演出(図示では、「前半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出(図示では、「後半」として示している)が「剣」を使用する予告演出パターンである場合の確率として「50/100」が格納されている(TB104参照)。
他方、上記のような確率が格納されている予告演出振り分けテーブルTBL100を参照して、予告演出パターンを選択するには、第1実施形態と同様に、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値の値を参照して判断される。すなわち、例えば、抽選結果が「大当たり」の場合で、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が0〜4の場合は、前半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。そして、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が5〜19の場合は、前半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択される。そしてさらに、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が20〜49の場合は、前半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択される。また、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値が50〜99の場合は、前半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出として「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。このようにして、抽選結果が「ハズレ」の場合も同様に、前半後半の予告演出の予告演出パターンが選択されることとなる。
ところで、本実施形態における予告演出の信頼度(遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる(いわゆる「大当たり」)可能性を示す値)として、「木の棒」を使用する予告演出パターンは「低信頼度」に設定され、「剣」を使用する予告演出パターンは「高信頼度」に設定されている(図19(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL100の図示右側の記載参照)。
そのため、従来であれば、「木の棒」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「木の棒」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)≦「剣」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「剣」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の順で信頼度が高くなっていき、低信頼である「木の棒」を使用する予告演出パターンが2回続く場合が、最も信頼度が低くなる。そのため、前半の予告演出で「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択されてしまった時点で、遊技者は、大当たりへの期待感を損ねてしまうこととなる。
しかしながら、本実施形態においては、図19(a)に示す符号TB101〜TB104の欄に示す背景が右斜線となっている部分に示すように、「木の棒」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「5%」(=「5/100」)、「剣」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「15%」(=「15/100」)、「木の棒」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「30%」(=「30/100」)、「剣」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「50%」(=「50/100」)となっている。そのため、本実施形態においては、「木の棒」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)<「剣」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「木の棒」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「剣」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の順で信頼度が高くなっており、低信頼度である「木の棒」を使用する予告演出パターンが2回続くと信頼度が高くなるように設定されている。そのため、前半の予告演出で「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択されてしまっても、遊技者は、大当たりへの期待感を損ねず、大当たりへの期待感を維持することができる。
ここで、上記のような構成からなる予告演出振り分けテーブルTBL100を使用した際の予告演出内容を、図20に示す液晶表示装置41に表示される画面例を用いてより詳しく説明する。
この図20に示す画面例は、図20(a−1)〜(a−4)が前半の予告演出を示す画面例を示すもので、図20(b−1)〜(b−4)が後半の予告演出を示す画面例を示すものである。すなわち、図20に示す画面例は、抽選結果が「大当たり」で、前半の予告演出が「木の棒」を使用する予告演出パターンで、後半の予告演出が「木の棒」を使用する予告演出パターンとして選択された場合を示すものである。具体的には、特別図柄始動口42(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)にて検知)した際、その入賞した遊技球(入賞球)に対して、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当たり」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選が主制御基板60(主制御CPU600)にて行われる。そしてその抽選結果が演出制御コマンドとして主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御基板90に送信される。その送信された演出制御コマンドが「大当たり」を示すものであった場合、演出制御CPU900は、予告演出振り分けテーブルTBL100の「大当たり」の欄を参照(TB100参照)すると共に、予告演出乱数カウンタND_CNTのカウント値を抽出し、その抽出したカウント値と、当該予告演出振り分けテーブルTBL100に格納されている確率とを比較する。この際、予告演出乱数カウンタND_CNTより抽出したカウント値が20〜49の場合、前半の予告演出が「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択され、後半の予告演出が「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択されることとなる(図19(a)の符号TB103参照)。
すなわち、図20(a−1)の画面P100に示すように、「左」「中」「右」の組合せ図柄のうち、「左」の図柄(P100a参照)と「右」の図柄(P100b参照)の変動表示が同一状態で停止し(図示では、「7」)、リーチ状態となり、さらに、液晶表示装置41の表示領域に組合せ図柄とは異なるキャラクタ(P100c参照)が表示されると、変動表示結果が「大当たり」となる可能性があることを遊技者に報知する予告演出が開始される。
まず、図20(a−1)〜(a−4)に示すように、前半の予告演出が実行される。すなわち、図20(a−1)の画面P100に示すように、主人公であるキャラクタ(P100c参照)が「今回の武器は・・・・」というセリフを報知すると、当該主人公が、図20(a−2)の画面P101に示すように、「木の棒だ!」というセリフを報知すると共に、当該主人公の図示右手に木の棒を持った画像が液晶表示装置41に表示される。この主人公の図示右手に持つ武器が、図19(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL100にて選択されたものである。すなわち、図20に示す画面例においては、上述したように、演出制御CPU900にて、前半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択されているため、図20(a−2)に示すように、主人公(P101a参照)は、図示右手に木の棒を持つこととなる。
次いで、図20(a−3)の画面P102に示すように、図示右手に木の棒を持った主人公(P102a参照)が、「やー!」というセリフを報知すると共に、敵であるキャラクタ(P102b参照)に戦いを挑むと、図20(a−4)の画面P103に示すように、主人公(P103a参照)が、「まだ倒せない・・・」とセリフを報知し、敵(P103b参照)との戦いを一旦休戦し、前半の予告演出を終える。
次に、図20(a−1)〜(a−4)に示す前半の予告演出が実行されると、図20(b−1)〜(b−4)に示す後半の予告演出が実行される。すなわち、図20(b−1)の画面P104に示すように、主人公(P104a参照)が「次の武器は・・・・」というセリフを報知すると、当該主人公が、図20(b−2)の画面P105に示すように、「木の棒だ!」というセリフを報知すると共に、当該主人公の図示右手に木の棒を持った画像が液晶表示装置41に表示される。この主人公の図示右手に持つ武器が、図19(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL100にて選択されたものである。すなわち、図20に示す画面例においては、上述したように、演出制御CPU900にて、後半の予告演出として「木の棒」を使用する予告演出が選択されているため、図20(b−2)に示すように、主人公(P105a参照)は、図示右手に木の棒を持つこととなる。
次いで、図20(b−3)の画面P106に示すように、図示右手に木の棒を持った主人公(P106a参照)が、「やー!」というセリフを報知すると共に、敵(P106b参照)に戦いを挑むと、図20(b−4)の画面P107に示すように、主人公(P107a参照)が敵(P107b参照)との戦いに勝利し、「中」の図柄(P107c参照)が、「左」の図柄(P107d参照)と「右」の図柄(P107e参照)と同一の状態(図示では「7」)で停止し、遊技者に「大当たり」であることを報知する。これにより、後半の予告演出が終了することとなる。
かくして、従来であれば、低信頼度である「木の棒」が前半の予告演出で出現する(図20(a−2)の画面P101参照)と、図20(a−3)〜(a−4),図20(b−1)〜(b−3)の予告演出が実行され、最終的に、図20(c)の画面P110に示すように、主人公(P110a参照)が敵(P110b参照)に敗北し、「中」の図柄(P110c参照)が、「左」の図柄(P110d参照)と「右」の図柄(P110e参照)と同一でない状態で停止し、「ハズレ」となることが、遊技者の知るところとなる。そのため、従来においては、図20(a−2)の画面P101に示すように、低信頼度である「木の棒」が出現した時点で、後半の予告演出が行われる前に、遊技者は、大当たりへの期待感を大きく損ねてしまうこととなる。
しかしながら、本実施形態においては、低信頼度である「木の棒」が前半の予告演出で出現したとしても(図20(a−2)の画面P101参照)、低信頼度である「木の棒」が、後半の予告演出で再び出現すると(図20(b−2)の画面P105参照)、高信頼度となるように設定されているため、遊技者は、低信頼度である「木の棒」が前半の予告演出で出現したとしても(図20(a−2)の画面P101参照)、この時点で、大当たりへの期待感を損ねることなく、後半の予告演出で再び低信頼度である「木の棒」が出現することを期待して遊技を継続することとなる。それゆえ、遊技者は、大当たりへの期待感を損ねることなく、大当たりへの期待感を維持したまま遊技を継続することができる。
ところで、本実施形態においては、図19(a)に示すような予告演出振り分けテーブルTBL100を用いて前半の予告演出及び後半の予告演出を選択するようにしたが、図19(b)に示すような前半予告演出振り分けテーブルTBL110及び後半予告演出振り分けテーブルTBL120を用いても良い。すなわち、前半予告演出振り分けテーブルTBL110には、前半の予告演出(図20(a−1)〜(a−4)参照)で行う複数の予告演出パターンのうち、いずれの予告演出パターンを選択するかの確率が格納されている。具体的には、特別図柄始動口42(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)にて検知)すると、その入賞した遊技球(入賞球)に対して、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当たり」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選が主制御基板60(主制御CPU600)にて行われる。そして、その抽選結果が演出制御コマンドとして主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御基板90に送信され、この抽選結果が、図19(b)に示す前半予告演出振り分けテーブルTBL110の「ハズレ」「大当たり」として示されている(TB110参照)。
この抽選結果が「ハズレ」の場合には、前半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「70/100」が格納され(TB111参照)、「剣」を使用する場合の確率として「30/100」が格納されている(TB112参照)。
一方、抽選結果が「大当たり」の場合には、前半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「30/100」が格納され(TB111参照)、「剣」を使用する場合の確率として「70/100」が格納されている(TB112参照)。
他方、上記のような確率が格納されている前半予告演出振り分けテーブルTBL110を参照して、前半の予告演出パターンを選択するには、演出制御CPU900にて、所定時間毎に更新される前半予告演出乱数カウンタFND_CNTのカウント値の値を参照して判断される。すなわち、例えば、抽選結果が「大当たり」の場合で、前半予告演出乱数カウンタFND_CNTのカウント値が0〜29の場合は、「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択され、カウント値が30〜99の場合は、「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。このようにして、抽選結果が「ハズレ」の場合も同様に、予告演出パターンが選択されることとなる。
一方、後半予告演出振り分けテーブルTBL120には、後半の予告演出(図20(b−1)〜(b−4)参照)で行う複数の予告演出パターンのうち、いずれの予告演出パターンを選択するかの確率が格納されている。具体的には、後半予告演出振り分けテーブルTBL120は、「ハズレ」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL120aと、「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL120bとで構成されており、主制御基板60(主制御CPU600)から演出制御基板90に送信された抽選結果(演出制御コマンド)に応じて、「ハズレ」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL120a、「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL120bの何れかが選択される。
すなわち、抽選結果が、「ハズレ」の場合は、「ハズレ」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL120aが選択され、前半予告演出振り分けテーブルTBL110にて選択される予告演出の内容が、当該「ハズレ」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL120aの「木の棒」「剣」として示されている(TB130参照)。
前半の予告演出にて「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「20/100」が格納され(TB131参照)、「剣」を使用する場合の確率として「80/100」が格納されている(TB132参照)。
一方、前半の予告演出にて「剣」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「80/100」が格納され(TB131参照)、「剣」を使用する場合の確率として「20/100」が格納されている(TB132参照)。
他方、抽選結果が、「大当たり」の場合は、「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL120bが選択され、前半予告演出振り分けテーブルTBL110にて選択される予告演出の内容が、当該「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL120bの「木の棒」「剣」として示されている(TB140参照)。
前半の予告演出にて「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「80/100」が格納され(TB141参照)、「剣」を使用する場合の確率として「20/100」が格納されている(TB142参照)。
一方、前半の予告演出にて「剣」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半の予告演出で「木の棒」を使用する場合の確率として「20/100」が格納され(TB141参照)、「剣」を使用する場合の確率として「80/100」が格納されている(TB142参照)。
このような確率が格納されている後半予告演出振り分けテーブルTBL120を参照して、後半の予告演出パターンを選択するには、演出制御CPU900にて、所定時間毎に更新される後半予告演出乱数カウンタSND_CNTのカウント値の値を参照して判断される。すなわち、例えば、抽選結果が「大当たり」の場合であれば、「大当たり」用の後半予告演出振り分けテーブルTBL120bが選択され、そして、前半の予告演出にて「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択された場合には、後半予告演出乱数カウンタSND_CNTのカウント値が0〜79の場合、「木の棒」を使用する予告演出パターンが選択され、カウント値が80〜99の場合、「剣」を使用する予告演出パターンが選択される。このようにして、前半の予告演出にて「剣」を使用する予告演出パターンが選択された場合、又は、抽選結果が「ハズレ」の場合も同様にして、後半の予告演出パターンが選択されることとなる。
しかして、このように、図19(b)に示すように、前半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルと、後半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルとを用いて前半及び後半の予告演出パターンを選択するようにしても、図19(b)の図示右側に示すように、「木の棒」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「6%」(=「6/100」)、「剣」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「14%」(=「14/100」)、「木の棒」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「24%」(=「24/100」)、「剣」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の確率、すなわち、出現率が「56%」(=「56/100」)となっている。そのため、図19(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL100と同様、「木の棒」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)<「剣」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「木の棒」(前半の予告演出)⇒「木の棒」(後半の予告演出)<「剣」(前半の予告演出)⇒「剣」(後半の予告演出)の順で信頼度が高くなっており、低信頼度である「木の棒」を使用する予告演出パターンが2回続くと信頼度が高くなるように設定されている。それゆえ、図19(b)に示すように、前半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルと、後半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルとを用いて前半及び後半の予告演出パターンを選択するようにしても、図19(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL100と同様、図20に示すような予告演出を実行することができる。
このように、前半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルと、後半の演出パターンを選択する振り分けテーブルとを用いて前半及び後半の予告演出パターンを選択するようにすれば、予告演出パターンのバリエーションが増加したとしても、予告演出パターンの振り分け作業が簡素化することとなる。すなわち、図19(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL100は、例えば、予告演出パターンが2種類(木の棒、剣)であれば、全組合せ(前半及び後半の組合せ)として2×2の4パターンの予告演出パターンの確率を振り分けるだけで済むが、予告演出パターンのバリエーションが増加し、予告演出パターンが5種類(木の棒、こんぼう、やり、剣、大剣)となった場合、全組合せ(前半及び後半の組合せ)として5×5の25パターンの予告演出パターンの確率を振り分ける必要があり作業が煩雑となる。しかしながら、図19(b)に示すように、前半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルと、後半の予告演出パターンを選択する振り分けテーブルとを用いて前半及び後半の予告演出パターンを選択するようにすれば、図19(a)に示す予告演出振り分けテーブルTBL100のように、全組合せ(前半及び後半の組合せ)のパターンを一度に選択するような制御とはならないため、予告演出パターンの確率を振り分ける作業が簡素化することとなる。
しかして、以上説明した本実施形態においても、信頼度の低い予告演出パターンが出現しても、遊技者の大当たりへの期待感を損ねることなく維持することができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態においては、リーチ状態における予告演出態様を例示したが、これに限らず、例えば、特別図柄の変動中に発生する予告演出、あるいは、1回の抽選で複数回の変動を行っているかのように見せる疑似連変動における各疑似変動中に発生する予告演出であっても適用可能である。