<第1実施形態>
以下、本発明に係る遊技機の第1実施形態を、パチンコ遊技機を例にして、図1〜図12を参照して具体的に説明する。まず、図1及び図2を参照して本実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、木製の外枠2の前面に矩形状の前面枠3を開閉可能に取り付け、その前面枠3の裏面に取り付けられている遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤4が装着された構成からなる。遊技盤4は、図2に示す遊技領域40を前面に臨ませた状態で装着され、図1に示すようにこの遊技領域40の前側に透明ガラスを支持したガラス扉枠5が設けられている。なお、上記遊技領域40は、遊技盤4の面上に配設された球誘導レール6(図2参照)で囲まれた領域からなるものである。
一方、パチンコ遊技機1は、図1に示すように、ガラス扉枠5の下側に前面操作パネル7が配設され、その前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が一体形成されている。また、この前面操作パネル7には、球貸しボタン11及びプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。そして、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプ(図示せず)点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が設けられている。また、この上受け皿9には、当該上受け皿9に貯留された遊技球を下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また一方、図1に示すように、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射ハンドル15が設けられ、前面枠3の上部両側面側には、BGM(Background music)あるいは効果音を発するスピーカ16が設けられている。そして、上記前面枠3の周枠には、LEDランプ等の装飾ランプが配設されている。
他方、上記遊技盤4の遊技領域40には、図2に示すように、略中央部にLCD(Liquid Crystal Display)等からなる液晶表示装置41が配設されている。この液晶表示装置41は、表示エリアを左、中、右の3つのエリアに分割し、独立して数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)の変動表示が可能なものである。
一方、液晶表示装置41の真下には、特別図柄始動口42が配設され、その内部には入賞球を検知する特別図柄始動口スイッチ42a(図3参照)が設けられている。そして、この特別図柄始動口42の右側には、大入賞口43が配設され、その内部には入賞球を検知する大入賞口スイッチ43a(図3参照)が設けられている。
また一方、上記液晶表示装置41の右上部にはゲートからなる普通図柄始動口44が配設され、その内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ44a(図3参照)が設けられている。また、上記大入賞口43の右側には、第1の一般入賞口45が配設され、その内部には、遊技球の通過を検知する第1の一般入賞口スイッチ45a(図3参照)が設けられている。さらに、特別図柄始動口42の左側には、複数の第2の一般入賞口46(図示では、3つ)が夫々配設され、その内部には、夫々、遊技球の通過を検知する第2の一般入賞口スイッチ46a(図3参照)が設けられている。
また、上記遊技盤4の遊技領域40の右下周縁部には、7セグメントを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置47と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置48が設けられている。そしてさらに、上記遊技盤4の遊技領域40には、図示はしないが複数の遊技釘が配設され、遊技球の落下方向変換部材としての風車49が配設されている。
さらに、上記遊技盤4の遊技領域における各始動口42,44及び各入賞口43,45,46には、磁気センサ、又は、電波センサ、あるいは、振動センサが設けられており、遊技者が強力な磁石、又は、電波、あるいは、振動によって、遊技に対する不正行為を実行した場合、その不正行為を検知できるようになっている。なお、この磁気センサ、又は、電波センサ、あるいは、振動センサは、不正検知基板50(図3参照)に搭載されている。
次に、上記のような外観構成からなるパチンコ遊技機1内に設けられる遊技の進行状況に応じて電子制御を行う制御装置を、図3を用いて説明する。この制御装置は、図3に示すように、遊技動作全般の制御を司る主制御基板60と、その主制御基板60からの払出制御コマンドPAY_CMDに基づいて遊技球を払出す払出制御基板70と、画像と光と音についての制御を行うサブ制御基板80とで主に構成されている。なお、サブ制御基板80は、図3に示すように、演出制御基板90と、装飾ランプ基板100と、液晶制御基板120とで構成されている。
主制御基板60は、主制御CPU600と、一連の遊技制御手順を記述した遊技プログラム等を格納した主制御ROM601と、作業領域やバッファメモリ等として機能する主制御RAM602とで構成されたワンチップマイコンを搭載している。そして、このように構成される主制御基板60には、払出モータMを制御して遊技球を払出す払出制御基板70が接続されている。そしてさらには、特別図柄始動口42への入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ42aと、普通図柄始動口44の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ44aと、第1の一般入賞口45への入賞を検知する第1の一般入賞口スイッチ45aと、第2の一般入賞口46への入賞を検知する第2の一般入賞口スイッチ46aと、遊技者の不正行為を検知する不正検知基板50が接続されている。また、主制御基板60には、特別図柄表示装置47と、普通図柄表示装置48と、主制御基板60における各種情報を遊技機外部に出力するための各外部端子を備えた外部端子基板110が接続されている。
このように構成される主制御基板60は、特別図柄始動口スイッチ42aや普通図柄始動口スイッチ44aからの信号を受信すると、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「当たり」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選を行い、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄あるいは普通図柄の表示内容を決定し、その決定した情報を特別図柄表示装置47又は普通図柄表示装置48に送信する。これにより、特別図柄表示装置47又は普通図柄表示装置48に抽選結果が表示されることとなる。そしてさらに、主制御基板60は、その決定した情報を含む演出制御コマンドDI_CMDを生成し、演出制御基板90に送信する。なお、主制御基板60が、第1の一般入賞口スイッチ45a、第2の一般入賞口スイッチ46a、大入賞口スイッチ43aからの信号を受信した場合は、遊技者に幾らの遊技球を払い出すかを決定し、その決定した情報(払出制御コマンドPAY_CMD)を払出制御基板70に送信することで、払出制御基板70が遊技者に遊技球を払出すこととなる。
また、主制御基板60は、不正検知基板50に搭載されている磁気センサ、又は、電波センサ、あるいは、振動センサにて遊技者の不正行為を検知した不正行為検知信号FDFを受信すると、遊技動作の進行を停止し、その停止した情報を含む演出制御コマンドDI_CMDを生成し、演出制御基板90に送信する。さらに、主制御基板60は、上記説明した遊技情報を外部端子基板110に送信し、外部端子基板110は、その情報を、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータHCに送信する。これにより、遊技場の管理者は、遊技機がどのような状態かを把握できるようになる。
一方、上記払出制御基板70には、図示はしていないが、CPU,ROM,RAMとで構成されたワンチップマイコンを搭載している。そして、そのような払出制御基板70には、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板71が接続されており、この発射制御基板71に対して、当該発射制御基板71の動作を開始又は停止させる発射制御信号を送信する処理を行う。またさらに、払出制御基板70には、外部端子基板110が接続されており、ガラス扉枠5(図2参照)が開放されたか否かの信号が、外部端子基板110に送信されるようになっている。そして、外部端子基板110は、これを受けて、当該情報を、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータHCに送信する。これにより、遊技場の管理者は、ガラス扉枠5が開放されたか否かを即座に判断することができる。
他方、演出制御基板90は、上記主制御基板60からの演出制御コマンドDI_CMDを受けて各種演出を実行制御する演出制御CPU900と、演出制御手順を記述した制御プログラム等が格納されている演出制御ROM901と、作業領域やバッファメモリ等として機能する演出制御RAM902とで構成されている。そしてさらに、演出制御基板90は、所望のBGMや効果音を生成する音LSI903と、BGMや効果音等の音データ等が予め格納されている音ROM904とが搭載されている。
このように構成される演出制御基板90には、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが搭載されている装飾ランプ基板100が接続され、さらに、内蔵されているランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が接続され、BGMや効果音等を発するスピーカ16が接続されている。そしてさらに、演出制御基板90には、液晶表示装置41を制御する液晶制御基板120が接続されている。
かくして、このように構成される演出制御基板90は、主制御基板60より送信される大当たり抽選結果(大当たりかハズレの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報を含んだ演出制御コマンドDI_CMDを演出制御CPU900にて受信する。そして、演出制御CPU900は、受信した演出制御コマンドDI_CMDに対応した演出パターンを、演出制御ROM901内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンを実行指示する制御信号を演出制御RAM902内に一時的に格納する。
演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、音に関する制御信号を音LSI903に送信する。これを受けて音LSI903は、当該制御信号に対応する音データを音ROM904より読み出し、スピーカ16に出力する。これにより、スピーカ16より上記決定された演出パターンに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
また演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、光に関する制御信号を装飾ランプ基板100に送信する。これにより、装飾ランプ基板100が、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプを点灯又は消灯する制御を行うため、上記決定された演出パターンに対応したランプ演出が実行されることとなる。
そして演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、画像に関する制御信号(液晶制御コマンドLC_CMD)を液晶制御基板120に送信する。これにより、液晶制御基板120が、当該液晶制御コマンドLC_CMDに基づく画像を表示させるように液晶表示装置41を制御することにより、上記決定された演出パターンに対応した画像が液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、液晶制御基板120には演出内容に沿った画像を表示するための種々の画像データが記憶されており、さらに、演出出力全般の制御を担うVDP(Video Display Processor)が搭載されている。
ところで、上記説明した各基板への電源供給は、電源基板130(図3参照)より供給されており、この電源基板130は、図3に示すように、電圧生成部1300と、電圧監視部1301と、システムリセット生成部1302とを含んで構成されている。この電圧生成部1300は、遊技店に設置された図示しない変圧トランスから供給される外部電源である交流電圧AC24Vを受けて複数種類の直流電圧を生成するものである。そして、この生成された直流電圧が各基板へ供給されることとなる。なお、主制御基板60には、後述するバックアップ処理を行うにあたり、バックアップ電源が供給されている。
一方、電圧監視部1301は、上記交流電圧AC24Vの電圧を監視するもので、この電圧が遮断されたり、停電が発生したりして電圧異常を検知した場合に電圧異常信号ALARMを主制御基板60に出力するものである。なお、この電圧異常信号ALARMは、電圧異常時には「L」レベルの信号を出力し、正常時には「H」レベルの信号を出力する。
また、システムリセット生成部1302は、電源投入時のシステムリセット信号SYS_RSTを生成するもので、その生成したシステムリセット信号SYS_RSTを、主制御基板60,払出制御基板70及びサブ制御基板80に出力するものである。なお、図示では、電源供給ルート、システムリセット信号SYS_RSTの出力ルートは、省略している。
ここで、本発明の特徴部分に係る主制御基板60及びサブ制御基板80の処理内容について図4〜図12も参照してより詳しく説明する。まず、図4〜図9を参照して、主制御基板60の主制御ROM601内に格納されているプログラムの概要を説明する。
<主制御:メイン処理>
まず、図4を参照しつつ、メイン処理について説明する。主制御CPU600は、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に(ステップS1)、主制御CPU600内のレジスタ値等の初期設定を行う(ステップS2)。
続いて、主制御CPU600は、図示しないRAMクリアスイッチのRAMクリア信号を取得し、内部レジスタ(図示せず)内に格納する(ステップS3)。このRAMクリアスイッチは、主制御RAM602の全領域を初期設定するか否かを決定するRAMクリア信号を生成するものであり、主制御基板60又は電源基板130に搭載されており、図1に示す木製の外枠2の背面側に設けられ、係員がON/OFFを操作できるようになっている。
次いで、主制御CPU600は、電圧異常信号ALARMを2回取得し、その2回取得した電圧異常信号ALARMのレベルが一致するか否かを確認した上で図示しない内部レジスタ内に格納し(ステップS4)、その電圧異常信号ALARMのレベルを確認する。そして電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS5:YES)、ステップS4の処理に戻り、電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS5:NO)、ステップS6の処理に進む。すなわち、主制御CPU600は、電圧異常信号ALARMが正常レベル(すなわち「H」レベル)に変化するまで同一の処理を繰り返す(ステップS4〜S5)。このように、電圧異常信号ALARMを2回取得することで、正確な信号を読み込むことができる。
次いで、主制御CPU600は、主制御RAM602へのデータ書込みを許可する(ステップS6)。このように、電圧異常信号ALARMの正常レベル(正常値)を検知するまで主制御RAM602へのデータ書き込みを禁止することにより、交流電圧AC24Vが安定して供給される前に、不安定な信号が主制御RAM602にアクセスし、主制御RAM602に記憶されているデータを書き換えてしまうという事態を防止することができる。これにより、後述するバックアップ処理の内容が書き換えられてしまうという事態を防止することができる。
次いで、主制御CPU600は、演出制御基板90(図3参照)に液晶表示装置41に待機画面を表示させるような演出制御コマンドDI_CMDを送信する(ステップS7)。これにより、演出制御基板90は、上記演出制御コマンドDI_CMDに基づく液晶制御コマンドLC_CMDを液晶制御基板120に送信し、液晶制御基板120は、その液晶制御コマンドLC_CMDに基づき液晶表示装置41に待機画面を表示させるよう液晶表示装置41を制御する。
次いで、主制御CPU600は、上記ステップS3にて内部レジスタに格納しておいたRAMクリア信号の内容を判定する(ステップS8)。このRAMクリア信号がON状態であれば(ステップS8:ON)、ステップS13の処理に進み、主制御RAM602の全領域を全てクリアする(ステップS13)。一方、RAMクリア信号がOFF状態であれば(ステップS8:OFF)、バックアップフラグBFLの内容を判定する(ステップS9)。なお、このバックアップフラグBFLとは、後述する図6の電圧監視処理の動作が実行されたか否かを示すデータである。
このバックアップフラグBFLがOFF状態(ステップS9:OFF)であれば、後述する図6の電圧監視処理の動作が実行されていないこととなり、主制御CPU600は、主制御RAM602内の全領域を全てクリアする処理を行う(ステップS13)。一方、バックアップフラグBFLがON状態(ステップS9:ON)であれば、後述する図6の電圧監視処理の動作が実行されていることとなるため、主制御CPU600は、チェックサム値を算出するためのチェックサム演算を行う(ステップS10)。なお、チェックサム演算とは、主制御RAM602の作業領域を対象とする8ビット加算演算である。
そして、主制御CPU600は、上記チェックサム値が算出されたら、この演算結果を主制御RAM602内のSUM番地の記憶値と比較する処理を行う(ステップS11)。なお、このSUM番地には、電圧降下時に実行される電圧監視処理(図6参照)において、同じように処理されたチェックサム演算によるチェックサム値が記憶されている(ステップS59)。また、記憶された演算結果は、主制御RAM602内に記憶されている他のデータと共に、上記電源基板130の電圧生成部1300によって生成されたバックアップ電源によって維持されている。
このSUM番地の記憶値と上記ステップS10の処理にて算出されたチェックサム値が不一致(ステップS11:NO)であれば、主制御CPU600は、主制御RAM602内の全領域を全てクリアする処理を行う(ステップS13)。そして一致(ステップS11:YES)していれば、主制御CPU600は、主制御RAM602内に記憶されているデータに基づいて電源遮断時の遊技動作に復帰させる処理を行う(ステップS12)。
次いで、主制御CPU600は、ステップS12の処理後、遊技動作停止フラグGSFの内容を判定する(ステップS14)。なお、この遊技動作停止フラグGSFとは、後述する図9のエラー管理処理にて、遊技の不正を検知した際、遊技動作の進行を停止させるためのデータである。
この遊技動作停止フラグGSFがOFF状態(ステップS14:YES)であれば、主制御CPU600は、ステップS16の処理に進み、ON状態(ステップS14:NO)であれば、主制御CPU600は、遊技動作停止フラグGSFをOFFにセットし、演出制御基板90(図3参照)に遊技動作停止復帰を知らせる演出制御コマンドDI_CMDを送信し(ステップS15)、ステップS16の処理に進む。なお、演出制御基板90は、この演出制御コマンドDI_CMDを受けて、例えば、電源供給遮断時のバックアップ復帰とは異なる演出パターンとなるようにLEDランプ等の装飾ランプを夫々点灯又は消灯させるか、或いは、液晶表示装置41に遊技動作停止状態から復帰した旨を表示させるように制御する。このように、演出制御基板90は、電源供給遮断時のバックアップ復帰とは異なり、遊技動作停止状態から復帰したことが明確になるように、装飾ランプ等を用いて外部に報知するようにする。
上記処理を終えた後、主制御CPU600は、その内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行う。すなわち、主制御CPU600は、4ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように上記CTCの時間定数レジスタを設定する(ステップS16)。そして次いで、主制御CPU600は、自身への割込みを禁止状態にセットした状態(ステップS17)で、各種の乱数カウンタの更新処理を行った後(ステップS18)、割込み許可状態に戻して(ステップS19)、ステップS17に戻る処理を行う。
<主制御:タイマ割込み処理>
続いて、図5を参照して、上述したメイン処理を中断させて、4ms毎に開始されるタイマ割込みプログラムについて説明する。このタイマ割込みが生じると、主制御CPU600は、当該主制御CPU600内のレジスタ群の内容を主制御RAM602のスタック領域に退避させる退避処理を実行し(ステップS20)、その後電圧監視処理を実行する(ステップS21)。なお、この電圧監視処理についての詳細は、後述することとする。
次いで、主制御CPU600は、上記電圧監視処理(ステップS21)が終了すると、各入賞口スイッチ43a,45a,46a及び各始動口スイッチ42a,44aを含む各種スイッチ類のON/OFF信号のデータを取得し、主制御RAM602領域にその立ち上がりデータを記憶する(ステップS22)。なお、このスイッチ入力処理についての詳細は、後述することとする。
次いで、主制御CPU600は、各変動表示ゲームに係る乱数を更新する乱数管理処理を実行する(ステップS23)。この乱数管理処理は、当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数値を更新する処理や、特別図柄の種類を決める特別図柄用乱数値を更新する処理等を実行するものである。
そして続いて、主制御CPU600は、遊技動作停止フラグGSFの内容を判定する(ステップS24)。
この遊技動作停止フラグGSFがON状態(ステップS24:YES)であれば、主制御CPU600は、ステップS25〜ステップS32の処理をせずステップS33の処理に進み、OFF状態(ステップS24:NO)であれば、各遊技動作の時間を管理しているタイマのタイマ減算処理を行う(ステップS25)。ここで減算されたタイマは、大入賞口43(図2参照)の開放時間、普通図柄の変動時間、特別図柄の変動時間等の遊技演出時間、不正情報タイマ等を管理するために使用されるものである。
次いで、主制御CPU600は、賞球管理処理を実行する(ステップS26)。この賞球管理処理は、払出制御基板70に払出し動作を行わせるための払出制御コマンドPAY_CMDを出力している。なお、この賞球管理処理の詳細については、後述することとする。
次いで、主制御CPU600は、普通図柄処理を実行する(ステップS27)。この普通図柄処理は、普通図柄の当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示状態を決定したりするものである。
次いで、主制御CPU600は、特別図柄処理を実行する(ステップS28)。この特別図柄処理では、特別図柄の当否抽選を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。
次いで、主制御CPU600は、LED管理処理を実行する(ステップS29)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、特別図柄表示装置47や普通図柄表示装置48への出力データを作成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
次いで、主制御CPU600は、大入賞口43(図2参照)等の開閉動作を実現するソレノイドの駆動処理を実行する(ステップS30)。
次いで、主制御CPU600は、外部端子管理処理を実行する(ステップS31)。この外部端子管理処理では、外部端子基板110(図3参照)を介して、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータHCに、当り遊技中、当りの発生回数、特別図柄の変動回数、入賞口への入賞球検出情報など、所定の遊技情報が出力される。
そして続いて、主制御CPU600は、エラー管理処理を行う(ステップS32)。このエラー管理処理は、不正検知基板50(図3参照)に搭載されている磁気センサ、又は、電波センサ、あるいは、振動センサにて遊技者の不正行為を検知したか否かを確認し、不正行為を検知していれば、遊技動作停止フラグGSFをONにセットするものである。なお、このエラー管理処理についての詳細は、後述することとする
この処理を終えた後、又は、遊技動作停止フラグGSFがON状態(ステップS24:YES)であれば、主制御CPU600は、割込み許可状態に戻す処理を行い(ステップS33)、主制御RAM602のスタック領域に退避させておいたレジスタの内容を復帰させタイマ割込みを終える(ステップS34)。これにより、割込み処理ルーチンからメイン処理(図4参照)に戻ることとなる。
<主制御:電圧監視処理>
次に、図6を参照して、上記電圧監視処理(図5のステップS21)について詳細に説明する。電圧監視処理は、先ず、電源基板130から出力された電圧異常信号ALARMを2回取得し、その2回取得した電圧異常信号ALARMのレベルが一致するか否かを確認した上で主制御CPU600の内部レジスタ内に格納し(ステップS50)、その電圧異常信号ALARMのレベルを確認する。そして電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS51:NO)、ステップS52の処理に進み、電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS51:YES)、ステップS53の処理に進む。
電圧異常信号ALARMのレベルが「H」レベルであれば(ステップS51:NO)、主制御CPU600は、バックアップフラグBFLをOFFにセットし(ステップS52)、電圧異常確認カウンタをゼロにクリアし(ステップS54)、図5に示すステップS22の処理に進む。
一方、電圧異常信号ALARMのレベルが「L」レベルであれば(ステップS51:YES)、主制御CPU600は、電圧異常確認カウンタをインクリメント(+1)し(ステップS53)、電圧異常確認カウンタのカウント値が2以上か否かの確認を行う(ステップS55)。そして、電圧異常確認カウンタのカウント値が2より小さければ(ステップS55:NO)、図5に示すステップS22の処理に進み、電圧異常確認カウンタのカウント値が2以上であれば(ステップS55:YES)、電圧異常確認カウンタをゼロにクリアする処理を行うことでバックアップ処理を開始する(ステップS56)。
そして、主制御CPU600は、バックアップ処理を行うにあたり、バックアップフラグBFLをONにセットし(ステップS57)、演出制御基板90に電源が遮断したことを報知する演出制御コマンドDI_CMDを送信する(ステップS58)。続いて、主制御CPU600は、図4に示すメイン処理のステップS10と同一の演算を、同一の作業領域に対して行い、その演算結果を記憶する処理を行うことでバックアップ処理を終了する(ステップS59)。
そしてその後、主制御CPU600は、主制御RAM602へのデータ書込みを禁止状態に設定する(ステップS60)と共に、全ての出力ポートのデータをクリアする(ステップS61)。そして、主制御CPU600は、CTCに対する設定処理によってタイマ割込みを禁止し(ステップS62)、主制御CPU600が非動作状態になるのを待つ。なお、主制御RAM602には、電源基板130の電圧生成部1300にて生成されたバックアップ電源が供給されているため、主制御RAM602に格納されたバックアップデータは、そのまま維持されることとなる。
<主制御:スイッチ入力処理>
次に、図7を参照して、上記スイッチ入力処理(図5のステップS22)について詳細に説明する。図7に示すように、スイッチ入力処理では、先ず、遊技動作停止フラグGSFの内容を判定し(ステップS70)、この遊技動作停止フラグGSFがON状態(ステップS70:YES)であれば、主制御CPU600は、ステップS71〜ステップS74の処理をせず図5に示すステップS23の処理に進む。これは、遊技動作停止時に、各入賞口スイッチ43a,45a,46a及び各始動口スイッチ42a,44aにて入球(賞球)を検知しても、遊技球を払出さず、入球(賞球)自体を無効にするためである。
一方、遊技動作停止フラグGSFがOFF状態(ステップS24:NO)であれば、各入力ポートの入力データを取得する。すなわち、主制御CPU600は、各入賞口スイッチ43a,45a,46a及び各始動口スイッチ42a,44aを含む各種スイッチ類のON/OFF信号のデータを入力ポートより取得し、その取得した各種スイッチ類のON/OFF信号のデータに基づいて各種スイッチ類の立ち上がりデータを作成する。そして、主制御CPU600は、その作成した各種スイッチ類の立ち上がりデータを主制御RAM602領域に格納する(ステップS71)。
次いで、主制御CPU600は、不正入賞があったか否かを確認、すなわち、大入賞口43(図2参照)等が閉止していなければならない遊技状態にもかかわらず開放されているか否かを確認し、開放されていれば、不正入賞であると判断し、上記主制御RAM602領域に格納しておいた各種スイッチ類の立ち上がりデータのうち不正入賞であると判断したデータに関し無効にする処理を行う(ステップS72)。
次いで、主制御CPU600は、主制御RAM602領域に格納しておいた各種スイッチ類の立ち上がりデータを取得し、これら立ち上がりデータが全てOFF状態(ステップS73:NO)であれば、図5に示すステップS23の処理に進み、これら立ち上がりデータのうちいずれか一つのデータがON状態(ステップS73:YES)であれば、ステップS74の処理に進む。
このステップS74の処理にて、主制御CPU600は、賞球数毎に対応した入賞カウンタをインクリメント(+1)する処理を行う(ステップS74)。すなわち、主制御RAM602には、特別図柄入賞カウンタSD_CNT,第1の一般入賞カウンタGP_CNT1,第2の一般入賞カウンタGP_CNT2,大入賞カウンタLP_CNTが格納されており、特別図柄始動口スイッチ42aにて入球(賞球)を検知した場合は、主制御CPU600は、その検知した賞球数分、特別図柄入賞カウンタSD_CNTをインクリメント(+1)する処理を行う。また、第1の一般入賞口スイッチ45aにて入球(賞球)を検知した場合は、主制御CPU600は、その検知した賞球数分、第1の一般入賞カウンタGP_CNT1をインクリメント(+1)する処理を行う。さらに、第2の一般入賞口スイッチ46aにて入球(賞球)を検知した場合は、主制御CPU600は、その検知した賞球数分、第2の一般入賞カウンタGP_CNT2をインクリメント(+1)する処理を行う。そして、大入賞口スイッチ43aにて入球(賞球)を検知した場合は、主制御CPU600は、その検知した賞球数分、大入賞カウンタLP_CNTをインクリメント(+1)する処理を行う。
このような処理を終えた後、主制御CPU600は、図5に示すステップS23の処理に進む。
<主制御:賞球管理処理>
次に、図8を参照して、上記賞球管理処理(図5のステップS26)について詳細に説明する。図8に示すように、賞球管理処理では、先ず、入賞カウンタの総数をループカウンタLOOP_CNTにセットする(ステップS80)。すなわち、本実施形態においては、主制御RAM602に格納されている入賞カウンタは、特別図柄入賞カウンタSD_CNT,第1の一般入賞カウンタGP_CNT1,第2の一般入賞カウンタGP_CNT2,大入賞カウンタLP_CNTの4つが格納されているため、ループカウンタLOOP_CNTに4がセットされる。
次いで、主制御CPU600は、入賞カウンタの番号に1をセットする。より詳しく説明すると、本実施形態においては、特別図柄入賞カウンタSD_CNT,第1の一般入賞カウンタGP_CNT1,第2の一般入賞カウンタGP_CNT2,大入賞カウンタLP_CNTの4つの入賞カウンタが存在しているため、それぞれの入賞カウンタに番号が割り当てられることとなる。すなわち、特別図柄入賞カウンタSD_CNTの番号は1、第1の一般入賞カウンタGP_CNT1の番号は2、第2の一般入賞カウンタGP_CNT2の番号は3、大入賞カウンタLP_CNTの番号は4というように番号が割り当てられることとなり、その割り当てられた番号を示す数値がNで、その数値Nに1がセットされる(ステップS81)。
次いで、主制御CPU600は、その数値Nにセットされた番号を確認し、その番号に該当する入賞カウンタの値を確認する(ステップS82)。すなわち、数値Nに1がセットされていた場合は、特別図柄入賞カウンタSD_CNTの値が0か否かを確認し、数値Nに2がセットされていた場合は、第1の一般入賞カウンタGP_CNT1の値が0か否かを確認し、数値Nに3がセットされていた場合は、第2の一般入賞カウンタGP_CNT2の値が0か否かを確認し、数値Nに4がセットされていた場合は、大入賞カウンタLP_CNTの値が0か否かを確認する。
そして、入賞カウンタの値が0であれば(ステップS82:=0)、主制御CPU600は、数値Nをインクリメント(+1)する処理を行い(ステップS83)、ループカウンタLOOP_CNTの値を減算(−1)する処理を行う(ステップS84)。そしてその処理によって、ループカウンタLOOP_CNTの値が0(ステップS85:=0)になれば、図5に示すステップS27の処理に進み、0でなければ(ステップS85:≠0)、ステップS82に戻り、ステップS82〜ステップS85の処理を繰り返す。
一方、主制御CPU600は、入賞カウンタの値が0でなければ(ステップS82:≠0)、数値Nに1がセットされていた場合、特別図柄入賞カウンタSD_CNTの値を減算(−1)する処理を行い、数値Nに2がセットされていた場合、第1の一般入賞カウンタGP_CNT1の値を減算(−1)する処理を行い、数値Nに3がセットされていた場合、第2の一般入賞カウンタGP_CNT2の値を減算(−1)する処理を行い、数値Nに4がセットされていた場合、大入賞カウンタLP_CNTの値を減算(−1)する処理を行う(ステップS86)。
そして、この処理の後、主制御CPU600は、払出個数を指定した払出制御コマンドPAY_CMDを払出制御基板70(図3参照)に送信する。すなわち、上記ステップS86の処理にて、特別図柄入賞カウンタSD_CNTの値を減算した場合は、そのカウンタ値を減算した値、すなわち、1に対応した遊技球(例えば、3個)を払出すよう指定した払出制御コマンドPAY_CMDを払出制御基板70(図3参照)に送信し、第1の一般入賞カウンタGP_CNT1の値を減算した場合は、そのカウンタ値を減算した値、すなわち、1に対応した遊技球(例えば、5個)を払出すよう指定した払出制御コマンドPAY_CMDを払出制御基板70(図3参照)に送信し、第2の一般入賞カウンタGP_CNT2の値を減算した場合は、そのカウンタ値を減算した値、すなわち、1に対応した遊技球(例えば、10個)を払出すよう指定した払出制御コマンドPAY_CMDを払出制御基板70(図3参照)に送信し、大入賞カウンタLP_CNTの値を減算した場合は、そのカウンタ値を減算した値、すなわち、1に対応した遊技球(例えば、15個)を払出すよう指定した払出制御コマンドPAY_CMDを払出制御基板70(図3参照)に送信する(ステップS87)。これにより、払出制御基板70は、当該払出制御コマンドPAY_CMDに基づいて、払出モータMを制御して遊技球を払出すこととなる。
かくして、主制御CPU600は、上記処理を終えた後、図5に示すステップS27の処理に進む。
このように、上記詳述した賞球管理処理を参酌すれば明らかなように、1回のタイマ割込み処理(図5参照)において、1回の入賞分しか遊技球を払出さないようにしている。そのため、いずれかの入賞カウンタ(特別図柄入賞カウンタSD_CNT,第1の一般入賞カウンタGP_CNT1,第2の一般入賞カウンタGP_CNT2,大入賞カウンタLP_CNT)がまだ0でない場合は、次のタイマ割込み処理において、1回の入賞分が払出されることとなる。そして、すべての入賞カウンタが0になるまで、タイマ割込み処理毎に、1回の入賞分が払出されていくことになる。
しかして、主制御CPU600より払出制御コマンドPAY_CMDを払出制御基板70(図3参照)に送信(ステップS87参照)した後、遊技動作停止フラグGSFがON状態になった場合は、払出制御基板70にて、当該払出制御コマンドPAY_CMDに基づいて遊技球を払出す処理を行う。
そして、払出制御コマンドPAY_CMDが払出制御基板70に送信される前に、遊技動作停止フラグGSFがON状態になった場合は、図5に示すように、賞球管理処理(ステップS26)は実行されないため、遊技動作停止フラグGSFがON状態になる前に、特別図柄始動口スイッチ42a,第1の一般入賞口スイッチ45a,第2の一般入賞口スイッチ46a,大入賞口スイッチ43aのいずれかにおいて入球(賞球)を検知したもの、すなわち、特別図柄入賞カウンタSD_CNT,第1の一般入賞カウンタGP_CNT1,第2の一般入賞カウンタGP_CNT2,大入賞カウンタLP_CNTのいずれかが0でなく1以上のカウント値を保有しているものについては、その入球(賞球)に関する遊技球の払出しは行わず、図4に示すバックアップ復帰処理(ステップS12)後、遊技動作停止フラグGSFがOFF状態(ステップS14)となった後、ステップS26の賞球管理処理にて処理が実行され、遊技球が払出されることとなる。なお、上記特別図柄入賞カウンタSD_CNT,第1の一般入賞カウンタGP_CNT1,第2の一般入賞カウンタGP_CNT2,大入賞カウンタLP_CNTのいずれかが0でなく1以上のカウント値を保有しているものについては、図6に示す電圧監視処理にて、主制御RAM602にバックアップデータとして保存されることとなる。
<主制御:エラー管理処理>
次に、図9を参照して、上記エラー管理処理(図5のステップS32)について詳細に説明する。図9に示すように、エラー管理処理では、先ず、不正検知基板50に搭載されている磁気センサ、又は、電波センサ、あるいは、振動センサにて遊技者の不正行為を検知したか否かの信号、すなわち、不正行為検知信号FDFを取得する(ステップS90)。これにより、不正行為検知信号FDFがOFF状態(ステップS91:NO)であれば、主制御CPU600は、遊技者による不正行為はないと判断し、図5に示すステップS33の処理に進む。
一方、不正行為検知信号FDFがON状態(ステップS91:YES)であれば、主制御CPU600は、遊技者による不正行為があったと判断し、遊技動作停止フラグGSFをONにセットし(ステップS92)、大入賞口43(図2参照)等の開閉動作を実現するソレノイドの動作を停止させる処理を行う(ステップS93)。これは、ソレノイドを動作状態のままにして遊技動作を停止させてしまうと、ソレノイドが熱を持ってしまい、故障の原因となるためである。
次いで、主制御CPU600は、出力ポートのデータをクリアする(ステップS94)。ここで、主制御CPU600は、出力ポートのデータをクリアするにあたって、少なくとも、特別図柄表示装置47に送信するデータをクリアする。これにより、主制御基板60にて遊技動作の進行が停止されたことを、遊技者又は遊技場の関係者に明確に報知することができる。なお、その他のデータ(例えば、演出制御基板90への演出制御コマンドDI_CMD等)に関しては、クリアしても良いし、遊技動作の停止後に特段影響を及ぼさないのであればクリアしなくても良い。
次いで、主制御CPU600は、遊技動作が停止した旨の情報を外部端子基板110に送信する(ステップS95)。これにより、外部端子基板110は、その情報をホールコンピュータHCに送信するため、遊技場の管理者は、遊技動作が停止した旨を早期に知ることができる。
次いで、主制御CPU600は、遊技動作の停止を知らせる演出制御コマンドDI_CMDを演出制御基板90に送信する(ステップS96)。これを受けて、演出制御基板90は、スピーカ16及び装飾ランプ並びに液晶表示装置41を用いて、遊技動作が停止した旨を外部に報知する。例えば、液晶表示装置41において、変動表示又は待機表示している装飾図柄が認識困難となるように、液晶表示装置41全体に遊技動作が停止したことを示す内容を報知する。このように、遊技動作が停止した旨を外部に報知することにより、遊技者は、遊技動作が停止した旨を早期に知ることができる。なお、この演出制御基板90の処理の詳細については、後述することとする。
このようにして、主制御CPU600は、上記処理を終えた後、図5に示すステップS33の処理に進む。
かくして、上記構成によれば、遊技動作の進行が停止した後の復帰処理として、電源遮断時のバックアップ処理が実行されると、遊技動作の進行停止を解除し、電源供給停止前、すなわち、遊技動作の進行が停止したところから遊技動作が開始されるようにしている。そのため、遊技動作の進行が停止した後の復帰処理として専用の復帰処理を設けなくとも良くなり、複雑な処理が必要ないばかりか、処理の簡略化が図れることとなる。
ところで、遊技動作の進行が停止した際、払出制御基板70は、そのまま動作を継続させても良いし、停止させるようにしても良い。そのまま動作を継続させる際は、払出制御基板70に搭載されているROMに格納するプログラムにおいて、遊技動作の進行を停止させるようなプログラムを作成する必要がなくなり、さらには、ガラス扉枠5(図2参照)が開放されたか否かの信号を遊技動作の進行が停止した後でも、外部端子基板110に送信することができる。
また、動作を停止させる際は、払出モータMの制御が停止されることとなるため、遊技球の払出しを停止させることができる。なお、払出制御基板70が停止した場合においても、発射制御基板71の動作は継続的に動作可能であるため、遊技球の発射は継続されることとなる。
一方、本実施形態において、遊技動作停止フラグGSFの確認を行う前に乱数管理処理を実行している(図5参照)が、これは、遊技動作の復帰後、乱数値が偏った値になるのを防止するためである。
<演出制御:メイン処理>
次に、図10〜図12を参照して、演出制御基板90の演出制御ROM901内に格納されているプログラムの概要を説明する。まず、図10を参照して、演出制御メイン処理について説明する。
図10に示すように、この演出制御メイン処理は、まず、演出制御CPU900が、内部に設けられているレジスタを初期化すると共に、入出力ポートの入出力方向を設定する。そしてさらに、出力方向に設定された出力ポートから送信されるデータがシリアル転送となるように設定する(ステップS100)。
その設定後、演出制御CPU900は、上記主制御基板60(図3参照)から受信する演出制御コマンドDI_CMDを格納する演出制御RAM902内のメモリ領域を初期化する(ステップS101)。そして、演出制御CPU900は、上記主制御基板60からの割込み信号を受信する入力ポートの割込み許可設定処理を行う(ステップS102)。
次いで、演出制御CPU900は、作業領域、スタック領域として使用する演出制御RAM902内のメモリ領域を初期化し(ステップS103)、音LSI903(図3参照)に初期化指令を行う。これにより、音LSI903は、その内部に設けられているレジスタを初期化する(ステップS104)。
次いで、演出制御CPU900は、その内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行う。すなわち、演出制御CPU900は、2ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように上記CTCの時間定数レジスタを設定する(ステップS105)。
上記処理を終えた後、演出制御CPU900は、メインループ更新周期か否かを確認する。具体的には、0〜31までループ状にカウントするメインループカウンタML_CNTを16分周(すなわち、16で除算)した際の余りを確認し、その余りが0であれば(ステップS106:YES)ステップS108に進み、0以外であれば(ステップS106:NO)予告抽選等に用いる乱数値を更新する処理を行う(ステップS107)。なお、メインループカウンタML_CNTのインクリメント(+1)方法については、後述することとする。
次いで、演出制御CPU900は、後述するステップS110にて生成された装飾ランプ基板100に搭載されているLEDランプ等の装飾ランプを夫々点灯又は消灯させるのに必要な制御信号を演出制御RAM902内のメモリ領域に書込みする処理を行う(ステップS108)。
続いて、演出制御CPU900は、上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されている上記主制御基板60(図3参照)から受信する演出制御コマンドDI_CMDを読み出し、その内容に応じた演出パターンを、演出制御ROM901内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定する。そして、その決定された演出パターンに対応する液晶制御コマンドLC_CMDを上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納する(ステップS109)。なお、この処理において、演出制御コマンドDI_CMDの内容が図9のステップS96に示す遊技動作の停止を知らせるコマンドであった場合、上記抽選を行わず、遊技動作の停止を知らせる演出パターンが選択され、その演出パターンに対応する遊技動作の停止を知らせる液晶制御コマンドLC_CMDを生成する。そして、演出制御CPU900は、上記のような遊技動作の停止を知らせる演出制御コマンドDI_CMDを受信した場合、ステップS15(図4参照)にて処理される遊技動作停止復帰を知らせる演出制御コマンドDI_CMDを受信しない限り、上記抽選処理は何ら行われず、遊技動作の停止を知らせる演出パターンが常時選択されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、上記決定された演出パターンに応じた光に関する制御信号、音に関する制御信号を生成する。そして、上記決定された演出パターン内に、演出ボタン装置13を遊技者に押下げさせるような演出があるか否かも決定される(ステップS110)。なお、この決定された光に関する制御信号が、次回のステップS108の処理の際、演出制御RAM902内のメモリ領域に書き込まれることとなる。また、上記ステップS109にて、遊技動作の停止を知らせる演出制御コマンドDI_CMDを解析した場合、遊技動作の停止を知らせる演出パターンが選択されることとなるため、遊技動作の停止を知らせる光及び音の制御信号が生成されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、上記決定された音に関する制御信号を音LSI903に送信する。そして、音LSI903は、その制御信号に応じたBGMあるいは効果音を音ROM904から読み出す。これにより、音LSI903は、その読み出した音データに基づく処理を行い、音源データとしてスピーカ16へ出力する処理を行う(ステップS111)。これにより、遊技動作の停止を知らせる音がスピーカ16より出力されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS111の処理に関し、音LSI903が音データ等をデコード処理する際、ノイズ等により何らかのエラーが発生していないかを当該音LSI903にアクセスし確認する(ステップS112)。なお、もし、エラーがあった場合は、音LSI903にステップS110の処理にて決定した音に関する制御信号を再送信するか、又は、演出制御CPU900内に設けられている図示しないウォッチドッグタイマを用いて、演出制御CPU900を強制的にリセットし、ステップS100より処理をやり直すようにすれば良い。なお、ステップS112の処理としては、本実施形態で示した例に限らず、例えば、演出制御CPU900が、音LSI903の動作状態を音LSI903からの割込み信号を監視することにより判断するようにしても良い。割込み信号の入力条件は、例えば音源データをスピーカ16へ送信し終えたタイミングで音LSI903から演出制御CPU900に対して割込みをかけるようにしておけば良い。このようにしておけば、演出制御CPU900にて管理されている音源データをスピーカ16へ送信し終えたタイミングで音LSI903からの割込み信号があれば正常に動作しているものとみなされ次のステップの処理(本実施形態ではステップS106)へ移行することとなる。なお、この判断結果がエラーに対応するものである場合、所定の処理(例えば、割込み信号の監視処理)を繰り返すことでウォッチドックタイマをタイムアップさせ強制的にリセットさせることもできる。また、割込み条件としては、所定周期で割込みがされるように設定しても良い。さらに、判断結果がエラーに対応するものである場合、所定の処理(例えば、割込み信号の監視処理)を繰り返すことでウォッチドックタイマをタイムアップさせ強制的にリセットさせずとも、音LSI903の異常を報知するだけで、その他の処理は通常通り実行されるようにしても良い。
かくして、演出制御CPU900は、上記ステップS112の処理を終えた後、再度ステップS106の処理に戻り、ステップS106〜S112の処理を繰り返すこととなる。なお、本実施形態においては、ステップS108の処理をステップS106:YESの処理後にしているが、これは、ステップS109〜S112の処理時間が変動する可能性があるためである。
<演出制御:コマンド受信割込み処理>
続いて、図11を参照して、このような演出制御メイン処理の実行中に、主制御基板60より演出制御コマンドDI_CMD及び割込み信号が送信されてきた際の処理について説明する。
図11に示すように、演出制御CPU900は、上記割込み信号を受信した際、各レジスタの内容を演出制御RAM902内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS150)。その後、演出制御CPU900は、演出制御コマンドDI_CMDを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS151)、演出制御RAM902内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを算出する(ステップS152)。
そしてその後、演出制御CPU900は、再度、演出制御コマンドDI_CMDを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS153)、ステップS151にて読み出した値とステップS153にて読み出した値が一致しているか否かを確認する。一致していなければ(ステップS154:NO)ステップS157に進み、一致していれば(ステップS154:YES)、上記算出したポインタに対応するアドレス番地に、主制御基板60より受信した演出制御コマンドDI_CMDを格納する(ステップS155)。なお、この格納された演出制御コマンドDI_CMDが、図10に示すステップS109の処理の際、演出制御CPU900に読み出されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、演出制御RAM902内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを更新し(ステップS156)、ステップS150の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS157)。これにより、図10に示す演出制御メイン処理に戻ることとなる。
<演出制御:タイマ割込み処理>
続いて、図12を参照して、演出制御メイン処理のステップS105の処理(図10参照)にて設定した、2ms毎のタイマ割込みが発生した際の処理について説明する。
図12に示すように、演出制御CPU900は、2ms毎のタイマ割込みが発生した際、各レジスタの内容を演出制御RAM902内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS200)。その後、演出制御CPU900は、演出制御CPU900内に設けられている入出力ポートのレジスタをリフレッシュする(ステップS201)。
次いで、演出制御CPU900は、演出ボタン装置13からの信号を受信する(ステップS202)。なお、演出ボタン装置13が遊技者によって押下されていた場合、演出制御CPU900は、図10に示すステップS109の処理を行う際、演出ボタン装置13が押下されたことを考慮した演出パターンを決定することとなる。
次いで、演出制御CPU900は、図10に示すステップS109の処理にて演出制御RAM902内のメモリ領域に格納された液晶制御コマンドLC_CMDを液晶制御基板120(図3参照)に送信する(ステップS203)。この液晶制御コマンドLC_CMDが、遊技動作の停止を知らせるコマンドであれば、液晶制御基板120は、そのコマンドに基づき液晶表示装置41に遊技動作の停止を知らせるような表示をさせるように制御する。
次いで、演出制御CPU900は、図10に示すステップS108の処理にて演出制御RAM902内に格納した音に関する制御信号を装飾ランプ基板100(図3参照)に送信する。これにより、LEDランプ等の装飾ランプが点灯又は消灯することとなり、所望のランプ演出が行われることとなる(ステップS204)。なお、この制御信号が遊技動作の停止を知らせるものであれば、LEDランプ等の装飾ランプは遊技動作の停止を知らせるような点灯又は消灯をすることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、図10に示すステップS106の処理にて用いる0〜31までループ状にカウントするメインループカウンタML_CNTをインクリメント(+1)し、そのインクリメントした値を16分周(すなわち、16で除算)する処理を行う(ステップS205)。そしてその後、演出制御CPU900は、ステップS200の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS206)。これにより、図10に示す演出制御メイン処理に戻ることとなる。
しかして、演出制御基板90は、主制御基板60より遊技動作の停止を知らせる演出制御コマンドDI_CMDを受信すると、上述したように、スピーカ16及び装飾ランプ並びに液晶表示装置41を用いて、遊技動作が停止した旨を外部に報知する処理を行う。これにより、遊技者は、遊技動作が停止した旨を早期に知ることができる。
以上説明した本実施形態によれば、不正行為により遊技動作を停止させることで、ホール側に不利益を与えないと共に、ノイズ等の誤作動で遊技動作が停止した場合であっても、その停止前に入賞口等に入球(賞球)したものに関しては、遊技動作復帰後に、払出制御基板70にて、遊技球を払出す処理を行うから、遊技者に不利益を与えることなく遊技動作を再開することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図13〜図15を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
図13に示すように、第2実施形態と第1実施形態の異なる点は、主制御基板60に新たに遊技動作停止解除スイッチ650を設けた点である。この遊技動作停止解除スイッチ650は、遊技動作停止フラグGSFをOFFにセットできるもので、図1に示す木製の外枠2の背面側に設けられ、係員が操作できるようになっている。
このように遊技動作停止解除スイッチ650を設けることにより、主制御基板60の主制御ROM601内に格納されているプログラムに関しては、メイン処理及びタイマ割込み処理(特に、スイッチ入力処理)の処理内容が異なることとなる。
すなわち、図14に示すように、メイン処理に関しては、図4のステップS14及びステップS15の処理が省略され、この省略された処理が図15に示すスイッチ入力処理に設けられることとなる。
図15に示すように、主制御CPU600は、ステップS71の処理を実行した後、遊技動作停止フラグGSFの内容を判定する(ステップS700)。
この遊技動作停止フラグGSFがOFF状態(ステップS700:NO)であれば、主制御CPU600は、ステップS71の処理に進み、ON状態(ステップS700:YES)であれば、主制御CPU600は、遊技動作停止解除スイッチ650がON状態であるか否かを確認する(ステップS701)。OFF状態であれば(ステップS701:NO)、ステップS702及びステップS72〜ステップS74の処理をせず図5に示すステップS23の処理に進む。これは、遊技動作停止時に、各入賞口スイッチ43a,45a,46a及び各始動口スイッチ42a,44aにて入球(賞球)を検知しても、遊技球を払出さず、入球(賞球)自体を無効にするためである。
一方、ON状態であれば(ステップ701:YES)、遊技動作停止フラグGSFをOFFにセットし、演出制御基板90(図3参照)に遊技動作停止復帰を知らせる演出制御コマンドDI_CMDを送信し(ステップS702)、ステップS72の処理に進む。
上記処理を終えた後、主制御CPU600は、ステップS72〜ステップS74の処理を実行する。なお、図10のステップS109の処理にて、演出制御CPU900は、遊技動作の停止を知らせる演出制御コマンドDI_CMDを受信した場合、ステップS702(図15参照)にて処理される遊技動作停止復帰を知らせる演出制御コマンドDI_CMDを受信しない限り、上記抽選処理は何ら行われず、遊技動作の停止を知らせる演出パターンが常時選択されることとなる。
しかして、本実施形態によれば、不正行為により遊技動作を停止させることで、ホール側に不利益を与えないと共に、ノイズ等の誤作動で遊技動作が停止した場合であっても、電源を遮断することなく、遊技動作停止解除スイッチ650を操作することにより、遊技動作が停止した時点から遊技動作が復帰されることとなるから、遊技者に不利益を与えることなく遊技動作を再開することができる。さらに、本実施形態によれば、電源を遮断していないため、サブ制御基板80にて演出制御RAM902等で保持されているメモリ内容が保持されたまま遊技動作を再開することができる。
なお、遊技動作停止解除スイッチ650は、第1実施形態において説明したRAMクリアスイッチと兼用することができる。図14に示すように、RAMクリアスイッチのRAMクリア信号は、電源投入された際に、ステップS3にて取得され、それ以降取得されることがないため、ステップS3以降にRAMクリアスイッチが操作されたとしても、主制御RAM602の全領域がクリアされることはない。それゆえ、RAMクリアスイッチと兼用しても、何ら問題なく、部品点数を減らすことができるという利点がある。なお、本実施形態において、遊技動作停止解除スイッチ650を主制御基板60に設ける例を示したが、これに限らず、例えば、電源基板130に設けても良い。
また、本実施形態においても、主制御CPU600より払出制御コマンドPAY_CMDを払出制御基板70(図3参照)に送信(図8のステップS87参照)した後、遊技動作停止フラグGSFがON状態になった場合は、払出制御基板70にて、当該払出制御コマンドPAY_CMDに基づいて遊技球を払出す処理を行う。
そして、払出制御コマンドPAY_CMDが払出制御基板70に送信される前に、遊技動作停止フラグGSFがON状態になった場合は、図5に示すように、賞球管理処理(ステップS26)は実行されないため、遊技動作停止フラグGSFがON状態になる前に、特別図柄始動口スイッチ42a,第1の一般入賞口スイッチ45a,第2の一般入賞口スイッチ46a,大入賞口スイッチ43aのいずれかにおいて入球(賞球)を検知したもの、すなわち、特別図柄入賞カウンタSD_CNT,第1の一般入賞カウンタGP_CNT1,第2の一般入賞カウンタGP_CNT2,大入賞カウンタLP_CNTのいずれかが0でなく1以上のカウント値を保有しているものについては、その入球(賞球)に関する遊技球の払出しは行わず、遊技動作停止フラグGSFがOFF状態(ステップS702)となった後、ステップS26の賞球管理処理にて処理が実行され、遊技球が払出されることとなる。
しかして、本実施形態においても、不正行為により遊技動作を停止させることで、ホール側に不利益を与えないと共に、ノイズ等の誤作動で遊技動作が停止した場合であっても、その停止前に入賞口等に入球(賞球)したものに関しては、遊技動作復帰後に、払出制御基板70にて、遊技球を払出す処理を行うから、遊技者に不利益を与えることなく遊技動作を再開することができる。