以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。また、前面枠13の上部には、左右方向の略全長に亘って前側に膨出するように照明装置35が形成されている。さらに、前面枠13の上部における左右の角にはスピーカ48,48がそれぞれ設けられている。また、パチンコ機1の前面には、演出用の電飾ランプが多数設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDにより構成された表示画面28、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8と、遊技球を用いた演出を行う役物装置30とが配設されている。そして、図柄表示装置8の下方には第一始動口15が、表示画面28の上方には第一大入賞口18が設けられており、第一始動口15への遊技球の入賞を起因として大当たり遊技が実行される場合には、この第一大入賞口18が動作する。
また、第一始動口15の下方には開閉部材を備えた第二始動電動役物17が設けられており、第一始動口15の右方には普通図柄始動ゲート12が、さらにその右側上方には第二大入賞口19が設けられている。そして、第二始動電動役物17に遊技球が入賞して大当たり遊技が実行される場合には、第二大入賞口19が動作する。
尚、第二始動電動役物17、第一大入賞口18、及び第二大入賞口19には開閉部材が設けられており、開閉部材が開放された場合(第二始動電動役物17、第一大入賞口18、及び第二大入賞口19が開放された場合)のみ遊技球が入賞可能となっている。一方で、開閉部材の閉鎖時(第二始動電動役物17、第一大入賞口18、及び第二大入賞口19の閉鎖時)には遊技球は入賞できない。そして、各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。
また、第一始動口15の左方には、普通図柄表示部24、普通図柄記憶数表示LED59、第一特別図柄記憶数表示LED60、第二特別図柄記憶数表示LED61、第一特別図柄表示部25、及び第二特別図柄表示部26が設けられている。普通図柄表示部24は1つのLEDからなり、点灯状態が普通当たりの当選、消灯状態が落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たり判定の結果を報知することを示す変動状態とされている。また、普通図柄記憶数表示LED59は、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂普通図柄作動保留球数を表示する。第一特別図柄記憶数表示LED60は、第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である第一特別図柄作動保留球数(第一保留球数)を表示し、第二特別図柄記憶数表示LED61は、第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である第二特別図柄作動保留球数(第二保留球数)を表示する。尚、普通図柄記憶数表示LED59、第一特別図柄記憶数表示LED60、及び第二特別図柄記憶数表示LED61はいずれも2つのLEDからなり、2つのLEDのうちの左側のみの点灯が保留球数「1」、両方の点灯が「2」、左側の点滅が「3」、両方の点滅が「4」、両方の消灯が「0」を示す。そして、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26は共に2つの7セグメントから構成されており、2桁の数字又は記号からなる特別図柄が、第一大当たり判定又は第二大当たり判定の結果に応じて表示される。
また、図柄表示装置8は中央に表示画面28を備えている。この表示画面28には、動画やメッセージ等様々な映像が表示される。特に、表示画面28には、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果を示すために用いられるデモ図柄と、第一特別図柄作動保留球数を表示する第一保留球数表示部90と、第二特別図柄作動保留球数を表示する第二保留球数表示部95とが表示される。そして、デモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す図柄の組み合わせを確定表示させる演出である変動演出を行うことで、判定結果を遊技者に報知する。
ここで、本実施の形態のパチンコ機1における遊技及び演出について説明する。パチンコ機1では、第一始動口15へ遊技球が入賞すると第一大当たり乱数が取得され、この第一大当たり乱数について、「大当たり」及び「はずれ」のいずれであるかを判定する第一大当たり判定が行われる。この第一大当たり判定により「大当たり」と判定されると、第一大入賞口18が動作する第一大当たり遊技が実行される。
また、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われ、「普通当たり」と判定されると、第二始動電動役物17が所定時間開放される普通当たり遊技が実行される。さらに、開放された第二始動電動役物17へ遊技球が入賞すると第二大当たり乱数が取得され、この第二大当たり乱数について、「大当たり」及び「はずれ」のいずれであるかを判定する第二大当たり判定が行われる。この第二大当たり判定により「大当たり」と判定されると、第二大入賞口19が動作する第二大当たり遊技が実行される。
また、第一始動口15へ遊技球が入賞した際に取得された第一大当たり乱数は、この乱数に対する第一大当たり判定の結果を示す変動演出が行われるまで、第一保留球として記憶される。また、第二始動電動役物17へ遊技球が入賞した際に取得された第二大当たり乱数は、この乱数に対する第二大当たり判定の結果を示す変動演出が行われるまで、第二保留球として記憶される。第一保留球及び第二保留球は共に最大で4つまで記憶(保留)することが可能であり、第一保留球数が第一保留球数表示部90に、第二保留球数が第二保留球数表示部95に、記号の数によって表示されることとなる。
そして、パチンコ機1では時短状態を生起させることができる。この時短状態中には、通常(非時短状態中)に比べて普通図柄表示部24の変動時間が短縮され、「普通当たり」と判定される確率が高くなり、さらに第二始動電動役物17の開放時間が長くなる。よって、第二始動電動役物17へ遊技球が入賞する割合が、非時短状態中よりも大幅に高くなる。また、第一大当たり判定及び第二大当たり判定によって「大当たり」と判定される確率が通常(非確率変動状態中)よりも高くなる確率変動状態を生起させることもできる。従って、パチンコ機1ではこれらの組み合わせにより「確率変動時短状態」、「非確率変動非時短状態(通常状態)」、「確率変動非時短状態」、「非確率変動時短状態」の4つの遊技状態を生起させることができる。
このような構成のもと、パチンコ機1では、第二大当たり判定により「大当たり」と判定されると、第二大当たり遊技の終了後には必ず時短状態(「確率変動時短状態」又は「非確率変動時短状態」)が生起される。そして、時短状態中は非時短状態中に比べて遊技球が減少する割合が小さいため、時短状態を介して大当たり遊技が連続すると、遊技者は大当たり遊技の合間に遊技球を大幅に減少させることなく、多数の遊技球を獲得することができる。さらに、第一特別図柄作動保留球数及び第二特別図柄作動保留球数が共にゼロでない場合には、遊技者にとって有利な時短状態へ移行する契機となる第二大当たり判定から優先して行われる。よって、遊技者がより強い期待感を抱く第二大当たり遊技の結果を、後回しにすることなく遊技者に報知し、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
そして、遊技を行っている遊技者は、第一・第二大当たり判定により「大当たり」と判定されることを期待しながら遊技を楽しむこととなり、第一・第二大当たり判定の結果は、表示画面28内に表示される3つのデモ図柄が全て同一の図柄となるか否かによって遊技者に報知される。さらに、3つのデモ図柄のうちの2つが同一となるリーチ状態中には、表示画面28、照明装置35、及びスピーカ48を用いて様々なリーチ演出を行うことが可能であり、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
しかしながら、従来の遊技機では、第一保留球数表示部90及び第二保留球数表示部95を用いて、第一・第二大当たり判定の結果を示す演出を多様化させることはできなかった。より具体的には、変動演出の実行中に第一始動口15又は第二始動電動役物17へ遊技球が入賞すると、遊技者は保留球が追加される保留球数表示部90,95を意識する。しかし、従来の遊技機では保留球が追加されるのみで、判定結果に対する遊技者の期待感を、遊技者の意識が惹き付けられる保留球数表示部90,95を利用して高めることはできなかった。また、保留球数が記憶可能な最大数(4つ)に達している場合には、第一始動口15又は第二始動電動役物17へ遊技球が入賞しても、所定数の遊技球が僅かに払い出されるのみで、遊技者を楽しませることはできなかった。さらに、変動演出の実行中に新たに保留球が記憶された場合に、新たに記憶された保留球についての大当たり判定結果を先読みし、この先読みの結果と、実行中の変動演出によって示される判定結果とに応じて保留球数表示部90,95を利用した多様な演出を実行することはできなかった。すなわち、変動演出実行中の新たな保留球の追加を契機として演出を多様化させることはできなかった。そこで、本実施の形態では、判定結果を示す図柄の変動中に遊技球が第一始動口15又は第二始動電動役物17へ入賞した場合に、先読みによる大当たり判定の結果と、実行中の変動演出によって示される大当たり判定の結果とに応じて、保留球数表示部90,95に表示される記号の表示態様を変化させる。これにより、遊技者の興趣をより強く惹き付けることを実現しているが、この詳細は後述する。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と、第一始動口15に入賞した遊技球を検出する第一始動口スイッチ65と、第二始動電動役物17に入賞した遊技球を検出する第二始動電動役物スイッチ67とが接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中継基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中継基板47には、第二始動電動役物17の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド69、第一大入賞口18の開閉部材を開放・閉鎖する第一大入賞口開放ソレノイド70、第二大入賞口19の開閉部材を開放・閉鎖する第二大入賞口開放ソレノイド71、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、第一大入賞口18に入賞した遊技球を検出する第一大入賞口スイッチ75、第二大入賞口19に入賞した遊技球を検出する第二大入賞口スイッチ76が接続されている。そして、中継基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。尚、第一始動口15、第二始動電動役物17、及び2つの大入賞口18,19に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
次いで、サブ統合基板58、演出制御基板43、及び電飾基板46について説明する。サブ統合基板58にはCPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、電飾基板46、役物装置30、及びスピーカ48に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行っている。また、演出制御基板43はCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵しており、表示画面28の制御を行っている。また、電飾基板46はCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵している。そして、普通図柄表示部24、第一特別図柄表示部25、第二特別図柄表示部26、照明装置35、普通図柄記憶数表示LED59、第一特別図柄記憶数表示LED60、及び第二特別図柄記憶数表示LED61等の制御を行っている。
次いで、電源基板42について説明する。電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給している。遊技球発射装置37は、図示外の発射モータや、発射ハンドル7に設けられたタッチセンサ、発射装置停止スイッチ、及び発射強弱ボリューム等からなり、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域へ発射する。
次に、主基板41のRAM52の記憶エリアについて、図4を参照して説明する。図4は、主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。図4に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、普通図柄始動ゲート12や第一始動口15等の各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過した際に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、第一始動口15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する第一大当たり関係情報記憶エリア5205、第一特別図柄作動保留球数を記憶する第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、第二始動電動役物17への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する第二大当たり関係情報記憶エリア5207、第二特別図柄作動保留球数を記憶する第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208、主基板41からサブ統合基板58、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等へ出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5209、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5210が設けられている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶される各カウンタについて説明する。RAM52に記憶されるカウンタには、乱数を取得するための乱数取得カウンタ、時間を計測するためのタイマカウンタ、入賞球数を計数するための入賞球数カウンタ、大当たり遊技が終了してから実行された第一大当たり判定及び第二大当たり判定の回数の和を計数する大当たり判定回数計数カウンタ等がある。
まず、乱数取得カウンタについて説明する。乱数取得カウンタとしては、普通当たり判定カウンタ、第一大当たり判定カウンタ、第一特別図柄作成カウンタ、第一変動パターン決定カウンタ、第二大当たり判定カウンタ、第二特別図柄作成カウンタ、第二変動パターン決定カウンタ等がある。これらのカウンタの値は、割込信号発生回路57(図3参照)からの割込信号に基づいて実行されるメイン処理のカウンタ更新処理(S12、図8参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。また、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値までの範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。そして、各乱数取得カウンタには、パチンコ機1の起動時に初期値として「0」が記憶されており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると、新たな初期値が取得され、その初期値に対して「1」ずつの加算が行われる。この新たな初期値は、CPU51がメイン処理(図8参照)を行わない間(メイン処理が終了し、割込信号により新たなメイン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている、図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。尚、これらの乱数取得カウンタは、後述するメイン処理の普通図柄処理(S16、図8参照)及び特別図柄処理(図9乃至図11参照)において使用され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図5参照)等のRAM52の記憶エリアに格納される。
次いで、タイマカウンタについて説明する。タイマカウンタは時間を計測するために使用されるカウンタであり、時間の計測開始時に初期値として所定の値が記憶される。例えば、1秒を計測する場合には初期値として「500」が記憶される。そして、割込信号発生の間隔である2ms毎に行われるカウンタ更新処理(S12、図8参照)において「1」ずつ減算されて、値が「0」でなければ時間の計測中であると判断され、値が「0」となることで所定時間が経過したと判断される。また、タイマカウンタの値は、「0」となった後は更新されないようにプログラムされている。
次いで、入賞球数カウンタについて説明する。入賞球数カウンタは、第一大入賞口18及び第二大入賞口19が1回の開閉動作を行う間に、この大入賞口18,19へ入賞した遊技球の個数を計数するために使用される。このカウンタの初期値は「0」であり、後述するメイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、入賞が検出される毎に「1」加算される。そして、大入賞口18,19が閉鎖すると初期化される。
次いで、大当たり判定回数計数カウンタについて説明する。パチンコ機1における非確率変動時短状態は、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定回数の和が50回に達すると終了し、遊技状態は通常状態へ移行する。また、確率変動時短状態では、大当たり判定回数の和が10000回に達すると、遊技状態は通常状態へ移行する。そこで、本実施の形態では、大当たり遊技終了後に実行された第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定回数を大当たり判定回数計数カウンタによって計数し、計数された値に応じて遊技状態を制御している。尚、判定回数が規定回数に到達する前に大当たりと判定された場合には、時短状態及び確率変動状態はその時点で終了し、大当たり遊技が実行される。そして、大当たり遊技終了後に再び新たな遊技状態が生起される。
次に、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリア5205について、図5を参照して説明する。図5は、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。この第一大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメイン処理の特別図柄処理(図9乃至図11参照)において使用される。図5に示すように、第一大当たり関係情報記憶エリア5205には判定エリア及び第一〜第四記憶エリアが設けられており、第一〜第四記憶エリアには、第一始動口15に入賞し、まだ第一大当たり判定の結果が報知されていない遊技球(第一特別図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。また、判定エリアには、現在行われている第一大当たり判定の結果報知や、第一大当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
この判定エリア及び第一〜第四記憶エリアのそれぞれには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄と、第一特別図柄作成カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄と、第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄とが設けられている。そして、第一始動口15への遊技球の入賞が確認されると、RAM52の第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(第一特別図柄作動保留球数)に対応する記憶エリアに各値が記憶され、この値に基づいて第一大当たり判定、第一大当たりと判定された場合の第一特別図柄の決定、及び第一変動パターンの決定が行われる。尚、RAM52の第二大当たり関係情報記憶エリア5207においても、第一大当たり関係情報記憶エリア5205と同様の記憶エリアが設けられている。そして、遊技球が第二始動電動役物17へ入賞した際に取得される乱数が記憶される。また、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203においても5つの記憶エリアが設けられており、普通当たり乱数を保留できるようになっている。
次に、主基板41のROM53の記憶エリアについて、図6を参照して説明する。図6は、主基板41のROM53の記憶エリアを示す概念図である。ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301と、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302と、主基板41からサブ統合基板58等に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303と、2つの特別図柄表示部25,26に表示する2桁の数字(大当たりの場合)又は記号「−−」(はずれの場合)である特別図柄のパターンを記憶する特別図柄パターン記憶エリア5304と、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定結果を報知する際の図柄の変動パターンに関するテーブル等の情報が記憶されている変動パターン記憶エリア5305と、普通当たり判定、第一大当たり判定、第二大当たり判定、特別図柄の決定等が行われる際に参照される各種テーブルを記憶する判定テーブル記憶エリア5306とが設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
変動パターン記憶エリア5305には、大当たり判定の結果及び大当たり判定の種類(第一大当たり判定及び第二大当たり判定のいずれか)に応じた4つのテーブルが記憶されており、変動パターン決定乱数の値により、対応するテーブルが参照されて変動パターンが決定される。そして、後述するサブ統合基板処理(図17参照)では、主基板41より指定された変動パターンに基づいて、第一・第二大当たり判定の結果を示すためのデモ図柄の変動演出が制御される。さらに、保留球数の表示態様を、通常よりも大当たりの期待度が高いことを示す表示態様に変更するか否かの抽選が、指定された変動パターン及び先読みによる大当たり判定の結果に応じて行われることとなる。
また、判定テーブル記憶エリア5306には、第一大当たり判定を行う際に参照される第一大当たり判定テーブル、及び第二大当たり判定を行う際に参照される第二大当たり判定テーブル(図示外)が記憶されている。これらの大当たり判定テーブルには、確率変動状態中に参照される高確率判定テーブル、及び非確率変動状態中に参照される低確率判定テーブルがそれぞれ設けられている。そして、「大当たり」「はずれ」のいずれかの判定結果が大当たり乱数の各値に対応付けられており、第一・第二大当たり乱数の値を遊技状態に応じた判定テーブルに当てはめることで、大当たり判定が行われる。尚、大当たりと判定される確率は確率変動状態中に60/990、非確率変動状態中に10/990となっており、この確率は第一大当たり判定及び第二大当たり判定で共通の値となっている。
ここで、第一大当たり判定テーブル及び第二大当たり判定テーブルでは、非確率変動状態中に参照される低確率判定テーブルにおいて「大当たり」が対応付けられている大当たり乱数については、高確率判定テーブルにおいても必ず「大当たり」が対応付けられている。従って、非確率変動状態における変動演出の実行中に新たな乱数が取得され、この乱数についての大当たり判定結果が先読みされて、先読みの結果が「大当たり」であった場合には、その新たな乱数についての判定結果が報知されるまでの間に確率変動状態が生起されても、判定結果は「大当たり」のまま変化しない。これにより、複数回の大当たり遊技が実行されることが確定している旨を、より多くの機会で遊技者に報知することができる。この詳細は後述する。
また、判定テーブル記憶エリア5306には、大当たりと判定された場合の特別図柄を決定する際に参照される特別図柄決定テーブルが、大当たり判定の種類に応じて記憶されている。そして、特別図柄決定乱数の値によって特別図柄が決定され、決定された特別図柄と大当たり判定時の遊技状態とに応じて、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態が決定されることとなる。
次に、ROM53の判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている特別図柄決定テーブルについて、図7を参照して説明する。図7は、判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。図7に示すように、特別図柄決定テーブルによって決定される特別図柄は、大当たり種別によって、第一大当たり判定では5種類、第二大当たり判定では3種類に分類される。そして、各特別図柄と特別図柄決定乱数の値とが対応付けされている。従って、特別図柄決定乱数の値に応じて特別図柄が決定され、決定された特別図柄に応じてさらに大当たり種別が決定されることとなる。
ここで、本実施の形態における大当たり種別について説明する。本実施の形態では、ラウンド数と、確率変動状態の当否と、時短回数とに応じて大当たりの種別が分類される。ラウンド数とは、1回の大当たり遊技中に大入賞口18,19のいずれかが連続して作動する回数の合計であり、4ラウンド(4R)及び16ラウンド(16R)のいずれかが選択される。そして、一旦開放された大入賞口18,19は、30秒の最大開放時間の経過、及び9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖する。
また、決定された大当たり種別及び大当たり判定時の遊技状態に応じて、大当たり遊技終了後の時短回数が決定される。時短回数とは、時短状態が終了する条件となる大当たり判定の回数(第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和)である。具体的には、第一大当たり判定の場合、大当たり種別が「4R非確変」となった際に時短中であれば時短回数は50回、非時短中であれば0回(時短状態が生起されない)となる。また、「4R確変A」となった際に時短中であれば時短回数は10000回、非時短中であれば0回となる。また、「4R確変B」となった際に非確率変動非時短状態(通常状態)であれば時短回数は0回、その他の遊技状態であれば10000回となり、「4R確変C」及び「16R確変」となった場合には、大当たり判定時の遊技状態に関わらず、時短回数は10000回となる。そして、第二大当たり判定の場合には、大当たり判定時の遊技状態に関わらず、大当たり種別が「4R非確変」であれば時短回数は50回、「4R確変」及び「16R確変」となった場合には時短回数は10000回となる。尚、確率変動状態が終了する条件となる大当たり判定の回数、すなわち確率変動回数は、非確変の大当たり種別となった場合には0回(確率変動状態が生起されない)、確変の大当たり種別となった場合には10000回となる。
次に、パチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図8乃至図11を参照して説明する。図8は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートであり、図9乃至図11は、メイン処理の中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリアに記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は、一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、主基板41で行われるメイン処理について、図8を参照して説明する。図8に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等に出力される。制御コマンドには、大入賞口18,19の開閉タイミングを指示する大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド、決定された特別図柄を示す特別図柄指定コマンド、決定された変動パターンを指示すると共に特別図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンド、変動している特別図柄の停止を指示する特別図柄停止コマンド、第一保留球数及び第二保留球数をサブ統合基板58へ通知する保留球数通知コマンド、図柄の変動中に取得された新たな大当たり乱数についての大当たり判定の先読み結果を通知する先読み結果通知コマンド等、多数のコマンドがある。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてコマンド関係記憶エリア5209に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12、第一始動口15、第二始動電動役物17、及び2つの大入賞口18,19への遊技球の入賞を検知する処理が行われる。具体的には、これらの入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)により遊技球が検出されたか否かが判断される。そして、遊技球が検出された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグがONとされる。尚、スイッチ読込処理の開始時には、RAM52における入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。先述したように、このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶されている乱数取得カウンタの各値が所定量だけ加算され、タイマカウンタの各値が所定量だけ減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口18,19の開閉動作を指示するための大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド等の制御コマンドをサブ統合基板58へ送信するための処理が行われる。先述したように、一旦開放された大入賞口18,19は、1回の開放動作における最大開放時間である30秒が経過するか、又は9個の遊技球の入賞が検出されると閉鎖する。
また、特別電動役物処理では、大当たり遊技の終了後に、その後の遊技状態を制御する処理が行われる。後述する特別図柄処理において、時短回数が50回の時短状態に当選したことを示す「1」が時短A当選フラグに記憶されて「ON」となっている場合には、特別電動役物処理では、時短回数が50回の時短状態中であるか否かを示す時短Aフラグが大当たり遊技終了時に「ON」とされる。同様に、時短回数10000回の時短状態に当選して時短B当選フラグが「ON」とされていれば、特別電動役物処理では、大当たり遊技終了後に時短Bフラグが「ON」とされる。そして、確率変動状態に当選したことを示す「1」が確率変動当選フラグに記憶されて「ON」となっていれば、大当たり遊技終了後には、確率変動フラグが確率変動状態中であることを示す「ON」とされる。そして、大当たり遊技が終了すると、後述する第一大当たり遊技状態フラグ、及び第二大当たり遊技状態フラグのうち「ON」とされているフラグが「OFF」に変更される。さらに、大当たり遊技が終了したことを示す大当たり遊技終了コマンドが、コマンド関係記憶エリア5209に記憶される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。この特別図柄処理では、大当たり判定、表示画面28に表示されるデモ図柄の変動パターンの決定、指示、特別図柄表示部25,26に表示される特別図柄の決定、指示、デモ図柄及び特別図柄の変動の開始及び終了の指示等が行われる。特に、特別図柄及びデモ図柄の変動中に新たに大当たり乱数が取得された場合に、その乱数についての大当たり判定の結果を先読みし、サブ統合基板58に通知する処理が行われる。また、大当たり種別と遊技状態とから大当たり遊技終了後の遊技状態を決定する処理、及び遊技状態を移行させる処理が行われる。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に、第二始動電動役物17に設けられた一対の開閉部材(所謂チューリップ)の開閉(普通当たり遊技中の動作)の制御が行われる。開閉部材が開放されることにより、第二始動電動役物17への遊技球の入賞が可能となる。尚、時短遊技状態が生起されている場合には、生起されていない場合よりも第二始動電動役物17が長い時間開放される。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。この普通図柄処理では、普通当たり乱数の取得、普通当たり判定等が行われる。まず、スイッチ読込処理(S11)にて普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過が検出された場合には、普通当たり判定カウンタの値が普通当たり乱数として取得される。取得された乱数は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203の第一〜第四記憶エリアのうち、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204に記憶されている値に対応する番号の記憶エリアに、普通当たり乱数として記憶される。そして、番号の若い記憶エリアの乱数から順次普通当たり判定が行われ、普通図柄表示部24を変動及び停止させることで判定結果が報知される。ここで、時短状態が生起されている場合には、生起されていない場合に比べて普通図柄表示部24の変動時間が短縮されると共に、より高い確率で普通当たりと判定される。よって、時短状態中は第二始動電動役物17が開放される割合が大幅に高くなる。
次いで、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)、及びエラーチェック(S18)が行われる。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、照明装置35を点灯・点滅させたり、スピーカ48,48にエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。次いで、情報出力処理(S19)において、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
次に、メイン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図9乃至図11に示すフローチャートを参照して説明する。先述したように、特別図柄処理では、第一大当たり判定、第二大当たり判定、表示画面28に表示されるデモ図柄の変動パターンの決定、特別図柄の決定、保留球数のサブ統合基板58への通知、大当たり判定の先読み結果のサブ統合基板58への通知、大当たり種別判定処理、遊技状態移行処理等が行われる。
はじめに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ関係記憶エリア5210には、表示状態フラグ、第一大当たり遊技状態フラグ、第二大当たり遊技状態フラグ、確率変動フラグ、確率変動当選フラグ、時短A・Bフラグ、時短A・B当選フラグ等が記憶されている。
表示状態フラグは第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26の状態を示すフラグであり、2つの特別図柄表示部25,26のいずれか一方が変動している場合(変動中)には「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、両方とも変動中でも停止表示中でもない場合には「0」が記憶されている。また、第一大当たり遊技状態フラグは、第一大入賞口18が開放される第一大当たり遊技中に、第二大当たり遊技状態フラグは、第二大入賞口19が開放される第二大当たり遊技中にそれぞれ「1」が記憶されて「ON」となり、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、確率変動フラグは確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」となっており、非確率変動状態中には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、確率変動当選フラグは、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する場合に「ON」、そうでない場合に「OFF」となっている。
また、時短Aフラグは時短回数が50回の時短状態中に、時短Bフラグは時短回数10000回の時短状態中にそれぞれ「1」が記憶されて「ON」とされ、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。そして、時短A当選フラグは時短回数が50回、時短B当選フラグは10000回の時短状態を大当たり遊技終了後に生起する場合にそれぞれ「1」が記憶されて「ON」とされ、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」とされる。
図9に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、第一始動口15へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一始動口15に設けられた第一始動口スイッチ65が遊技球の入賞を検出した場合には、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、入賞球フラグ記憶エリア5202の第一始動口スイッチ65に対応するフラグが「ON」とされている。そこで、S21では、このフラグが「ON」であるか否かの判断が行われる。「ON」でない場合には(S21:NO)、第一始動口15に遊技球は入賞していないので、そのままS29の判断へ移行する。
第一始動口スイッチ65に対応するフラグが「ON」である場合には(S21:YES)、第一始動口15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア5205(図5参照)に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる第一特別図柄作動保留球の数は4個である。そこで、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S22)。第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数が取得されることはないが、サブ統合基板58では、図柄の変動中の第一始動口15又は第二始動電動役物17への遊技球の入賞を契機とした演出(保留球数の表示態様を変更する演出)を実行するため、演出の契機をサブ統合基板58へ通知する必要がある。そこで、大当たり判定の先読み結果が「大当たり」でないことを示す先読み結果通知コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶されて(S28)、S29の判断へ移行する。
第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」でない場合、ずなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。そして、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の第一〜第四記憶エリアのうち、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が記憶され、第一大当たり特別図柄決定乱数欄には第一大当たり特別図柄作成カウンタの値が記憶され、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される。そして、その時点での保留球数をサブ統合基板58に通知するための保留球数通知コマンドが、コマンド関係記憶エリア5209に記憶される(S25)。
次いで、表示状態フラグにより、特別図柄及びデモ図柄が変動中であるか否かが判断される(S26)。表示状態フラグが「1」でなく、第一特別図柄表示部25、第二特別図柄表示部26のいずれも変動していない場合には(S26:NO)、大当たり判定の結果の先読みは行われないため、そのままS29の判断へ移行する。変動中であると判断された場合には(S26)、新たに取得された第一大当たり乱数についての先読み大当たり判定が行われる(S27)。具体的には、確率変動状態であるか否かに応じて、先述した判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている第一大当たり判定についての高確率判定テーブル及び低確率判定テーブルのいずれかが参照され、新たに取得された第一大当たり乱数について先読み大当たり判定が行われる。そして、大当たり判定の先読み結果が「大当たり」であるか否かを示す先読み結果通知コマンドが、先読み大当たり判定の結果に応じて記憶されて(S28)、S29の判断へ移行する。
次いで、第二始動電動役物17への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、第二始動電動役物17に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S29)。第二始動電動役物17に設けられた第二始動電動役物スイッチ67に対応するフラグが「OFF」となっており、遊技球が入賞していないと判断された場合には(S29:NO)、そのままS37(図10参照)の判断へ移行する。第二始動電動役物17に遊技球が入賞していると判断された場合には(S29:YES)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S30)。「4」である場合には(S30:YES)、この遊技球についての乱数を取得することなく、大当たり判定の先読み結果が「大当たり」でないことを示す先読み結果通知コマンドが記憶されて(S36)、S37の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「4」でない場合には(S30:NO)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値に「1」が加算される(S31)。そして、第二大当たり関係情報記憶エリア5207の記憶エリアに各種乱数が記憶され(S32)、保留球数通知コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される(S33)。次いで、表示状態フラグにより、特別図柄及びデモ図柄が変動中であるか否かが表示状態フラグによって判断され(S34)、変動中でなければ(S34:NO)、そのままS37の判断へ移行する。変動中であれば(S34:YES)、新たに取得された第二大当たり判定についての先読み大当たり判定が行われる(S35)。この先読み大当たり判定は、先述した第一大当たり乱数についての先読み大当たり判定と同様に、第二大当たり判定についての高確率判定テーブル及び低確率判定テーブルのいずれかが参照されて、新たに取得された第二大当たり乱数について行われる。そして、大当たり判定の先読み結果が「大当たり」であるか否かを示す先読み結果通知コマンドが、先読み大当たり判定の結果に応じて記憶されて(S36)、S37の判断へ移行する。
次いで、図10のフローチャートに示すように、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S37)。大当たり遊技状態である場合には、第一大当たり判定、第二大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、第一大当たり遊技状態フラグ、及び第二大当たり遊技状態フラグのいずれかが「ON」であり、大当たり遊技状態である場合には(S37:YES)、何も行われずにメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態でないと判断された場合には(S37:NO)、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグにより、2つの特別図柄表示部25,26のいずれかが変動中であるか否かの判断が行われる(S38)。表示状態フラグが「1」でなく、特別図柄表示部25,26が共に変動中でない場合には(S38:NO)、表示状態フラグにより、いずれかが停止表示中であるか否かの判断が行われる(S39)。表示状態フラグが「2」でなく、2つの特別図柄表示部25,26が共に停止表示中でない場合には(S39:NO)、第一大当たり判定又は第二大当たり判定が行われる。
そこで、図11のフローチャートに示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる。まず、RAM52の第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値により、第二特別図柄作動保留球数数の値が「1」以上であるか否かが判断される(S41)。本実施の形態では、第一特別図柄作動保留球数及び第二特別図柄作動保留球数が共に「1」以上である場合には、第二大当たり判定が優先して実行される。従って、第二特別図柄作動保留球数が「1」以上である場合には(S41:YES)、S60の処理へ移行して第二大当たり判定が行われる。一方で、第二特別図柄作動保留球数が「0」である場合には(S41:NO)、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値により、第一特別図柄作動保留球数の値が「1」以上であるか否かが判断される(S42)。「0」であれば(S42:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S42:YES)、第一大当たり判定を行うため、S44の処理へ移行する。
第一大当たり判定では、まず、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算され(S44)、保留球数をサブ統合基板58へ通知するための保留球数通知コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される(S45)。そして、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の値がシフトされる。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアにシフトされ、第二〜第四記憶エリアに記憶されている乱数が番号の1つ若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる(S46)。
次いで、第一大当たり判定が行われる(S47〜S49)。この第一大当たり判定は、先述した先読み大当たり判定と同様に、ROM53の判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている第一大当たり判定テーブルが参照されて、判定エリアの第一大当たり乱数欄(図5参照)に記憶されている値により行われる。確率変動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている確率変動状態中であれば(S47:YES)、大当たりとして決められている特定の値の数が非確率変動状態中よりも多い第一高確率判定テーブルが参照されて第一大当たり判定が行われる(S48)。一方で、確率変動フラグが「OFF」となっている非確率変動状態中であれば(S47:NO)、第一低確率判定テーブルが参照されて判定が行われる(S49)。
次いで、変動パターンを決定する処理、及び第一特別図柄を決定する処理が行われる。まず、第一大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かが判断される(S50)。「大当たり」であれば(S50:YES)、当たり変動パターン決定処理(S51)において、第一大当たりを示す第一特別図柄の変動パターンが決定されると共に、決定された変動パターンをサブ統合基板58に指示する変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。ここで、変動パターンを決定する処理は、第一大当たり関係情報記憶エリア5205(図5参照)の第一変動パターン決定乱数欄に記憶されている値により、テーブルが参照されて行われる。尚、サブ統合基板58では、変動パターン指定コマンドの受信を契機として、表示画面28内のデモ図柄及び第一特別図柄表示部25の変動が開始される。また、保留球数の表示態様を変更するか否かを決定するための抽選の割合は、主基板41によって指定される変動パターンに応じて決められているが、この詳細は図14乃至図16を参照して後述する。
そして、特別図柄決定処理(S52)では、大当たりを示す第一特別図柄が決定され、決定された第一特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。この特別図柄指定コマンドは、次に行われるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図8参照)において、サブ統合基板58へ送信される。また、大当たり特別図柄の決定は、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の第一特別図柄決定乱数欄の値により、特別図柄決定テーブル(図7参照)が参照されて行われ、これにより、大当たり種別が決定される。一方で、第一大当たり判定の結果が「大当たり」でなければ(S50:NO)、はずれを示す変動パターンの決定、及び決定された変動パターンを指定するコマンドの記憶が行われる(S53)。そして、はずれの判定結果を示す第一特別図柄が決定され、特別図柄指定コマンドが記憶される(S54)。
また、第二大当たり判定でも、第一大当たり判定と同様の流れで各種処理が行われる。まず、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「1」減算され(S60)、保留球数通知コマンドが記憶されて(S61)、第二大当たり関係情報記憶エリア5207に記憶されている値がシフトされる(S62)。次いで、確率変動フラグにより確率変動中であるか否かの判断が行われ(S63)、確率変動状態中であれば(S63:YES)、大当たりとして決められている特定の値が非確率変動状態中よりも多い第二高確率判定テーブルが参照されて第二大当たり判定が行われる(S64)。一方で、確率変動状態中でなければ(S63:NO)、第二低確率判定テーブルが参照されて判定が行われる(S65)。
次いで、変動パターンを決定する処理、及び第二特別図柄を決定する処理が行われる。まず、第二大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かが判断され(S66)、「大当たり」であれば(S66:YES)、第二大当たりを示す変動パターンの決定、及び決定された変動パターンを指定するコマンドの記憶が行われる(S67)。そして、大当たりを示す第二特別図柄が決定され、特別図柄指定コマンドが記憶される(S68)。また、第二大当たり判定の結果が「大当たり」でなければ(S66:NO)、はずれを示す変動パターンが決定され、この変動パターンを指定するコマンドが記憶される(S69)。そして、はずれを示す第二特別図柄が決定され、特別図柄指定コマンドが記憶される(S70)。
次いで、大当たり種別判定処理(S75)が行われる。この大当たり種別判定処理では、特別図柄に応じて決められている大当たり種別が判定され、この大当たり種別と、大当たり判定時の遊技状態とに応じて大当たり遊技終了後の遊技状態(図7参照)を制御するためのフラグの処理が行われる。例えば、第一大当たり判定による大当たりであり、大当たり種別が「4R非確変」であれば、時短中であるか否かが判断される。そして、時短中であれば、時短回数50回の時短状態を大当たり遊技終了後に生起させることを示す「1」が時短A当選フラグに記憶されて「ON」とされ、S76の処理へ移行する。また、第二大当たり判定による大当たりであり、大当たり種別が「4R非確変」以外の種別であれば、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起させることを示す「1」が確率変動当選フラグに記憶されて「ON」とされ、時短回数が10000回の時短状態を生起させることを示す「1」が時短B当選フラグに記憶されて「ON」とされ、S76の処理へ移行する。また、はずれである場合には、そのままS76の処理へ移行する。
次いで、既に決定されている変動パターンにより決められている特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタに記憶される(S76)。そして、2つの特別図柄表示部25,26のいずれか一方が変動していることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S77)、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、図10のフローチャートに示すS38の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部25,26のいずれかが変動中であると判断された場合には(S38:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S81)。S76(図11参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S81:YES)、コマンド関係記憶エリア5209に特別図柄停止コマンドが記憶される(S82)。この特別図柄停止コマンドは、変動しているいずれかの特別図柄表示部25,26の変動停止を指示するコマンドである。そして、所定の停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶され(S83)、特別図柄表示部25,26のいずれか一方が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S84)、メイン処理へ戻る。一方、S81の判断において、特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S81:NO)、そのままメイン処理へ戻る。
また、S39の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部25,26のいずれかが停止表示中であると判断された場合には(S39:YES)、S83でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値により、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S85)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S85:NO)、停止表示を継続するため、そのままメイン処理へ戻る。また、特別図柄停止時間カウンタの値が「0」である場合には、停止表示時間が経過したので(S85:YES)、特別図柄表示部25,26が共に変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S86)。
次いで、遊技状態移行処理(S87)が行われる。遊技状態移行処理では、第一大入賞口18を開放させる第一大当たり遊技を実行させるためのフラグの制御と、第二大入賞口19を開放させる第二大当たり遊技を実行するためのフラグの制御と、時短状態及び確率変動状態を終了させる制御とが行われる。具体的には、第一大当たり判定により大当たりと判定された場合には第一大当たり遊技状態フラグが、第二大当たり判定により大当たりと判定された場合には第二大当たり遊技状態フラグがそれぞれ「ON」とされ、大当たり判定の回数を計数するための大当たり判定回数計数カウンタの値が初期化される。そして、時短A・Bフラグ及び確率変動フラグがそれぞれ「OFF」とされて、メイン処理へ戻る。また、「はずれ」と判定された場合には、大当たり判定回数計数カウンタの値に「1」が加算される。そして、判定回数が50回に達すると、時短Aフラグが「OFF」とされてメイン処理へ戻る。また、判定回数が10000回に達すると、時短Bフラグ及び確率変動フラグがそれぞれ「OFF」とされて、メイン処理へ戻る。
以上説明したように、遊技球が始動口へ入賞し(S21:YES、又はS29:YES)、保留球数が最大数である「4」に達していなければ(S22:NO、又はS30:NO)、各種乱数が取得される(S24、S32)。そして、乱数が取得された時点で図柄(特別図柄及びデモ図柄)が変動していれば(S26:YES、又はS34:YES)、新たに取得された乱数についての大当たり判定の先読み(先読み大当たり判定)が行われて(S27、S35)、先読みの結果がサブ統合基板58に通知される(S28、S36)。また、遊技球の始動口への入賞時に保留球数が最大数に達していれば(S22:YES、又はS30:YES)、先読み大当たり判定は行われないが、保留球数の表示態様の変化の契機を通知するために、先読み大当たり判定の結果が「大当たり」でなかったことを示すコマンドがサブ統合基板58へ送信される。サブ統合基板58では、先読み結果通知コマンドによって示された先読み大当たり判定の結果と、変動中の図柄によって示される大当たり判定の結果とに応じて保留球数の表示態様を変更し、遊技者の興趣を惹き付ける演出を行うことができる。以下、本実施の形態における保留球数の表示態様について詳細に説明する。
次に、サブ統合基板58における処理について説明する。サブ統合基板58では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28やスピーカ48、特別図柄表示部25,26等を制御する処理が行われる。すなわち、大当たり判定の結果を示す図柄の変動演出を制御したり、大当たり遊技中の演出を制御したりする処理が行われる。特に、図柄の変動中に始動口(第一始動口15及び第二始動電動役物17)へ遊技球が入賞した場合に、保留球数を示すための記号の表示態様を変化させるか否かを、先読み大当たり判定の結果、及び実行中の変動演出によって示される結果に応じて抽選する。そして、抽選に当選した場合には、当選結果に応じて記号の表示態様を変更する処理が行われる。
まず、図12を参照して、表示画面28内の第一保留球数表示部90及び第二保留球数表示部95に表示される記号の表示態様について説明する。図12は、表示画面28内の第一保留球数表示部90及び第二保留球数表示部95に表示される記号の表示態様を示す説明図である。図12に示すように、パチンコ機1では、保留球数を表示するための記号の表示態様として5つの表示態様が設けられている。通常態様は丸型の記号であり、大当たり遊技が生起される期待度が他の表示態様に比べて小さいことを示す。第一変更態様は二重丸の記号であり、大当たりの期待度が中程度であることを示すと共に、その後に大当たり遊技が実行される期待度が高いことを複数回の変動演出に亘って遊技者に報知する場合にも、予告態様として用いられる。第二変更態様は三角形の記号であり、大当たりの期待度が第一変更態様よりもさらに大きいことを示す。大当たり確定態様は「当」の文字であり、実行中の変動演出によって大当たりが示されることを、図柄が確定表示される前に遊技者に報知することができる。そして、複数大当たり確定態様は「連」の文字であり、実行中の変動演出後を含む複数回の大当たり遊技の実行が確定していることを示す。すなわち、記号の表示態様は、大当たりの期待度が小さい順に、通常態様、第一変更態様、第二変更態様、大当たり確定態様、複数大当たり確定態様となっている。
そして、記号の表示態様が通常態様から変更態様(第一変更態様、第二変更態様、大当たり確定態様、及び複数大当たり確定態様)へ変更される契機は、図柄の変動開始時、及び変動演出中における始動口への遊技球の入賞時である。また、1回の変動演出中に記号の表示態様が複数回変更される可能性もあるが、当選した変更態様よりも期待度の高い変更態様で既に記号が表示されている場合には、表示態様の変更は行われない。一方で、1回の変動演出中に、変更態様からさらに期待度が高い変更態様に変更される場合があるため、遊技者は、始動口へ遊技球が入賞する毎に保留球数の表示態様に注目することとなり、遊技を楽しむことができる。
次いで、図13を参照して、サブ統合基板58のRAM582について説明する。図13は、サブ統合基板58のRAM582の記憶エリアを示す概念図である。図13に示すように、RAM582には、主基板41により指定された変動パターンが記憶される変動パターン記憶エリア5821、主基板41から指定された特別図柄が記憶される特別図柄記憶エリア5822、演出制御基板43等に出力される制御コマンドが記憶されるコマンド関係記憶エリア5823、各種フラグが記憶されるフラグ関係記憶エリア5824、保留球数を示す記号の表示態様を変更するか否かを抽選する際に使用されるカウンタが記憶される表示態様変更抽選カウンタ記憶エリア5825等の各種記憶エリアが設けられている。また、フラグ関係記憶エリア5824に記憶される主なフラグとして、予告高確率フラグがある。このフラグは、その後に大当たり遊技が実行される期待度が高いことを示す予告態様(第一変更態様)に記号の表示態様を変更させる割合を決定するフラグであり、割合が高い場合に「1」が記憶されて「ON」とされ、通常の割合である場合に「0」が記憶されて「OFF」とされる。
次いで、サブ統合基板58のROM583について説明する。ROM583には、CPU581がパチンコ機1の制御を補助するための各種プログラムが記憶されている。また、サブ統合基板58から演出制御基板43、電飾基板46等に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア、大当たり判定の結果を示す図柄の変動演出に関する情報が記憶されている変動演出記憶エリア、保留球数を示す記号の表示態様を変更するか否かを抽選する場合に参照されるテーブル等の各種テーブルが記憶されるテーブル記憶エリア等の各種記憶エリアが設けられている。
ここで、保留球数の記号の表示態様を変更するか否かを抽選する場合に参照される3つのテーブルについて、図14乃至図16を参照して説明する。図14は、ROM583に記憶されている表示態様変更第一抽選テーブルを示す概念図であり、図15は、表示態様変更第二抽選テーブルを示す概念図であり、図16は、複数大当たり時抽選テーブルを示す概念図である。これらの3つのテーブルは、いずれも先述したROM583のテーブル記憶エリアに記憶されている
まず、図14を参照して、表示態様変更第一抽選テーブルについて説明する。表示態様変更第一抽選テーブルは、先読み大当たり判定の結果がはずれ(保留球が最大数となっている場合の始動口への入賞時を含む)である場合に参照される。図14に示すように、表示態様変更第一抽選テーブルでは、表示態様変更抽選カウンタの値がとり得る「0〜1023」の乱数のそれぞれに、「変更せず」、「1段階変更」、「2段階変更」、「当たり確定」のいずれかの抽選結果が、変動パターンに応じて割り当てられている。「はずれ」とは、保留球数を示す記号の表示態様を変更しないことを示し、「1段階変更」とは、記号の表示態様を第一変更態様に変更することを示す。また、「2段階変更」とは、表示態様を第二変更態様に変更することを示し、「当たり確定」とは、表示態様を大当たり確定態様に変更することを示す。具体的に、第一大当たり判定によって大当たりと判定されており、先読み大当たり判定の結果がはずれであり、指定された変動パターンが「リーチA」の変動パターンである場合を例に挙げる。この場合、表示態様変更抽選カウンタの値が「0〜813」のいずれかであれば「はずれ」となり、「814〜963」のいずれかであれば「1段階変更」となり、「964〜1013」のいずれかであれば「2段階変更」となり、「1014〜1023」のいずれかであれば「当たり確定」となる。
この表示態様変更第一抽選テーブルでは、判定結果が大当たりである場合の方が、記号の表示態様が高い割合で変更されるように設定されている。具体的に、はずれ及び当たりの場合に共通して設けられている「リーチB」の変動パターンが指定された場合に着目する。「リーチB」では、はずれの場合には160/1024の割合で表示態様が変更されるのに対し、当たりの場合には310/1024の割合で変更される。さらに、第二変更態様に変更される割合も、はずれの場合には10/1024であるのに対し、当たりの場合には150/1024となっている。このように設定することで、第一変更態様及び第二変更態様を用いて大当たりの期待度を遊技者に報知することができ、表示態様が変更されることを期待させながら遊技者に遊技を楽しませることができる。
次いで、図15を参照して、表示態様変更第二抽選テーブルについて説明する。表示態様変更第二抽選テーブルは、先読み大当たり判定の結果が「当たり」であり、且つ実行中の変動演出によって示される大当たり判定の結果が「はずれ」である場合に参照される。図15に示すように、表示態様変更第二抽選テーブルでは、表示態様変更抽選カウンタの値がとり得る「0〜1023」の乱数のそれぞれに、「変更せず」、「1段階変更」、及び「2段階変更」のいずれかの抽選結果が、はずれの変動パターンのそれぞれに応じて割り当てられている。そして、実行中の変動演出の基となった変動パターンに応じて抽選が行われることとなる。
尚、パチンコ機1では、時短状態中(確率変動時短状態中、及び非確率変動時短状態中)に大当たり遊技が行われると、その後必ず時短状態が生起される。同様に、第二大当たり判定によって大当たりと判定されることを契機として大当たり遊技が行われた場合にも、その後必ず時短状態が生起される。従って、時短状態中の大当たり判定、及び第二大当たり判定の結果を示す図柄の変動演出中には、遊技者は、非時短状態中(確率変動非時短状態中、及び通常状態中)の第一大当たり判定時よりも高い期待感を持って演出に注目することとなる。そこで、パチンコ機1の表示態様変更第一抽選テーブル(図14参照)及び表示態様変更第二抽選テーブル(図15参照)では、非時短状態中の第一大当たり判定時にのみ、保留球数の表示態様が変更され得る構成として演出を多様化させている。これにより、非時短状態中の第一大当たり判定に対する遊技者の期待感も高めることができ、遊技者が遊技内容に飽きることなく継続して遊技を楽しむことを可能にしている。
また、表示態様変更第一抽選テーブル及び表示態様変更第二抽選テーブルでは、リーチ演出を行う変動パターンが指定された場合のみ、保留球数を示す記号の表示態様を変更し得る構成となっている。これにより、図柄の変動開始後、リーチ演出が開始されるまでの間に記号の表示態様が変化した場合には、その後にリーチ演出が行われることを遊技者に予告することができる。従って、本実施の形態では、保留球数表示部90,95を用いて、大当たり判定の結果を遊技者に認識又は推測させることに加えてリーチ予告を行うこともでき、遊技者を楽しませることができる。
次いで、図16を参照して、複数大当たり時抽選テーブルについて説明する。複数大当たり時抽選テーブルは、先読み大当たり判定の結果、及び実行中の変動演出によって示される大当たり判定の結果が共に「当たり」であり、且つ遊技状態が非確率変動状態である場合に参照されるテーブルである。図16に示すように、複数大当たり時抽選テーブルによると、変動パターンに関わらず、1000/1024の割合で「複数確定」に当選する。この「複数確定」とは、記号の表示態様を複数大当たり確定態様に変更することを示す。尚、先読み大当たり判定の結果、及び実行中の変動演出によって示される結果が共に「当たり」であり、且つ遊技状態が確率変動状態である場合には、新たに取得された乱数についての判定結果が確定表示される時点の遊技状態も確率変動状態であるとは限らないため、本実施の形態では複数大当たり確定態様に変更することは行っていない。この場合、表示態様を第一変更態様又は第二変更態様に変更するための別の抽選テーブル(図示外)が参照されることとなる(S138、図18参照)。このテーブルによると、表示態様が変更される割合は、表示態様変更第一抽選テーブル及び表示態様変更第二抽選テーブルによる場合よりも高い。従って、記号の表示態様が変更されて大当たりとなった場合、遊技者は、複数の大当たりが確定していることをさらに期待することができる。
次に、サブ統合基板58で行われるサブ統合基板処理について、図17乃至図21を参照して説明する。図17は、サブ統合基板58におけるサブ統合基板処理のフローチャートであり、図18は、サブ統合基板処理の中で行われる表示態様変更処理のサブルーチンのフローチャートである。また、図19は、表示態様変更処理の中で行われる第一変更決定処理のサブルーチンのフローチャートであり、図20は、表示態様変更処理の中で行われる第二変更決定処理のサブルーチンのフローチャートであり、図21は、表示態様変更処理の中で行われる複数大当たり変更決定処理のサブルーチンのフローチャートである。
図17に示すように、サブ統合基板処理が開始されると、まず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S101)。主基板41から変動パターン指定コマンドを受信した場合には(S101:YES)、コマンドによって指定されている変動パターンがRAM582の変動パターン記憶エリア5821に記憶される(S102)。そして、予告高確率フラグにより、予告態様(第一変更態様、図12参照)への変更の高確率中であるか否かが判断される(S103)。この予告高確率フラグは、後述する表示態様変更処理において、その後に大当たり遊技が実行されることが確定している場合に、高確率であることを示す「ON」とされる場合がある。予告高確率フラグが「ON」であり、予告高確率中であれば(S103:YES)、所定の割合で予告態様へ変更するか否かの抽選が行われるが(S104)、この場合に予告態様への変更に当選する所定の割合は、通常よりも高い。一方で、予告高確率フラグが「OFF」である低確率中であれば(S103:NO)、高確率中よりも当選割合が低い所定の割合で、予告態様へ変更するか否かの抽選が行われる(S105)。
そして、変更するか否かの抽選に当選していれば(S106:YES)、この時点で、表示されている保留球数を示す記号の全てが、予告態様を兼ねる第一変更態様に変更される(S107)。そして、変動演出を開始させる処理が、演出制御基板43、スピーカ48、及び照明装置35に対して行われて(S108)、S101の判断へ戻る。すなわち、記号の表示態様は、変動演出の開始と同時に第一変更態様に変更される場合があり、これにより、大当たり遊技が実行されることを遊技者に期待させることができる。また、変更するか否かの抽選に落選していれば(S106:NO)、記号の表示態様は変更されることなく、そのまま変動演出を開始させる処理が行われて(S108)、S101の判断へ戻る。
また、変動パターン指定コマンドを受信していない場合には(S101:NO)、特別図柄指定コマンドを受信したか否かが判断される(S111)。主基板41から特別図柄指定コマンドを受信した場合には(S111:YES)、コマンドによって指定されている特別図柄が、特別図柄表示部25,26のいずれかに表示させる特別図柄として、RAM582の特別図柄記憶エリア5822に記憶される(S112)。そして、表示画面28に確定表示されるデモ図柄の組み合わせが、指定された特別図柄に基づいて決定される(S113)。ここで、指定された特別図柄がはずれを示す「――」の図柄であれば、変動パターン記憶エリア5821に記憶されている変動パターンがリーチ演出を行う変動パターンであるか否かが判断される。そして、リーチ演出を行う場合には左右のデモ図柄が同一となるように、リーチ演出を行わない場合には左右が同一とならないようにデモ図柄が決定される。そして、S101の判断へ戻る。
また、特別図柄指定コマンドを受信していない場合には(S111:NO)、先読み結果通知コマンドを受信したか否かが判断される(S115)。この先読み結果通知コマンドは、先述したように、図柄(特別図柄及びデモ図柄)の変動中に始動口(第一始動口15又は第二始動電動役物17)へ遊技球が入賞した場合に送信されるコマンドである。サブ統合基板58では、このコマンドの受信を契機として、保留球数を示す記号の表示態様を変更するか否かの抽選、及び変更する処理を行う。そこで、先読み結果通知コマンドを受信した場合には(S115:YES)、表示態様変更処理が行われる(S116)。
図18に示すように、表示態様変更処理が行われると、先読み結果通知コマンドによって示されている先読み大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S131)。コマンドによって示されている結果が大当たりでない場合、すなわち、はずれである場合、若しくは保留球数がすでに最大数である「4」となっていた場合には(S131:NO)、第一変更決定処理が行われる(S132)。
図19に示すように、第一変更決定処理では、まず、表示態様変更第一抽選テーブル(図14参照)が参照されて、表示態様変更抽選カウンタの値により、記号の表示態様を変更するか否かの抽選が行われる(S141)。そして、「1段階変更」に当選していれば(S142:YES)、記号の表示態様が第一変更態様に変更されて(S143)、図18に示す表示態様変更処理へ戻る。尚、先述したように、記号の表示態様が、既に第一変更態様よりも大当たりの期待度が大きい変更態様となっている場合には、表示態様は変更されることはない。また、以下の表示態様を変更する処理でも、変更抽選に当選した変更態様の期待度が、既に表示されている変更態様の期待度よりも小さい場合には、表示態様は変更されることはない。よって、以下ではこの記載は省略する。
また、「1段階変更」に当選しておらず(S142:NO)、「2段階変更」に当選している場合には(S144:YES)、記号の表示態様が第二変更態様に変更されて(S145)、表示態様変更処理へ戻る。「2段階変更」に当選しておらず(S144:NO)、「当たり確定」に当選していれば(S146:YES)、表示態様が大当たり確定態様に変更されて(S147)、表示態様変更処理へ戻る。また、いずれの変更態様への変更にも当選していない場合には(S146:NO)、そのまま表示態様変更処理へ戻る。尚、表示態様変更処理(図18参照)では、第一変更決定処理(S132)が終了すると、そのままサブ統合基板処理へ戻る。
また、図18の説明に戻り、先読み大当たり判定の結果が大当たりであり(S131:YES)、且つ実行中の変動演出が大当たり変動パターンに応じて実行されていない場合には(S134:NO)、第二変更決定処理が行われる(S135)。
図20に示すように、第二変更決定処理では、まず、表示態様変更第二抽選テーブル(図15参照)が参照されて、表示態様変更抽選カウンタの値により、記号の表示態様を変更するか否かの抽選が行われる(S151)。そして、「1段階変更」に当選していれば(S152:YES)、保留球数を示す記号の表示態様が第一変更態様に変更される(S153)。次いで、記号の表示態様を予告態様(第一変更態様)に変更させる割合が高いことを示す「1」が予告高確率フラグに記憶されて「ON」とされ(S154)、表示態様変更処理へ戻る。また、「1段階変更」に当選しておらず(S152:NO)、「2段階変更」に当選している場合には(S156:YES)、記号の表示態様が第二変更態様に変更され(S157)、予告高確率フラグが「ON」とされて(S154)、表示態様変更処理へ戻る。また、いずれの変更態様への変更にも当選していない場合には(S156:NO)、そのまま表示態様変更処理へ戻る。表示態様変更処理(図18参照)では、第二変更決定処理(S135)が終了すると、そのままサブ統合基板処理へ戻る。
また、図18の説明に戻り、先読み大当たり判定の結果が大当たりであり(S131:YES)、且つ実行中の変動演出が大当たり変動パターンに応じて実行されている場合には(S134:YES)、非確率変動中であるか否かが判断される(S136)。サブ統合基板58では、その時点での遊技状態が、主基板41からのコマンドに応じてフラグによって把握されている。そして、先述したように、非確率変動状態中に先読み大当たり判定の結果が「大当たり」となれば、その後に確率変動状態が生起された場合でも、その先読みの結果の基となった乱数についての変動演出の実行後には大当たり遊技が生起される。よって、非確率変動状態中である場合には(S136:YES)、複数の大当たり遊技の実行が確定していることを遊技者に通知することが可能となるため、複数大当たり変更決定処理が行われる(S137)。
図21に示すように、複数大当たり変更決定処理では、まず、複数大当たり時抽選テーブル(図16参照)が参照されて、記号の表示態様を変更するか否かの抽選が行われる(S161)。そして、「複数確定」に当選していれば(S162:YES)、保留球数を示す記号の表示態様が複数大当たり確定態様に変更されて(S163)、表示態様変更処理へ戻り、さらにサブ統合基板処理へ戻る。「複数確定」に当選していなければ(S162:NO)、そのまま表示態様変更処理へ戻り、サブ統合基板処理へ戻る。
また、図18の説明に戻り、先読み大当たり判定の結果が大当たりであり(S131:YES)、且つ実行中の変動演出が大当たり変動パターンに応じて実行されている場合に(S134:YES)、確率変動状態中である場合には(S136:NO)、確率変動状態中特定変更決定処理が行われる(S138)。この処理では、実行中の変動パターンに関わらず、第一変更決定処理(S132)及び第二変更決定処理(S135)よりも高い割合で、表示態様を変更態様(第一変更態様又は第二変更態様)に変更することが決定される。そして、サブ統合基板処理へ戻る。
また、図17に示すように、先読み結果通知コマンドを受信していない場合には(S115:NO)、特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S118)。受信した場合には(S118:YES)、変動している特別図柄及びデモ図柄を停止させるための図柄停止コマンドが演出制御基板43及び電飾基板46に送信される(S119)。次いで、予告高確率フラグが「ON」となっている場合に初期化されて「OFF」とされる(S120)。そして、保留球数表示部に表示されている記号の表示態様が通常態様に変更されて(S121)、S101の判断へ戻る。
また、特別図柄停止コマンドを受信していない場合には(S118:NO)、保留球数通知コマンドを受信したか否かが判断される(S123)。主基板41から保留球数通知コマンドを受信した場合には(S123:YES)、通知された第一保留球数及び第二保留球数を示す記号を、その時点での表示態様で第一保留球数表示部90及び第二保留球数表示部95に表示させる処理が行われる(S124)。そして、S101の判断へ戻る。
また、保留球数通知コマンドを受信していない場合には(S123:NO)、その他のコマンドを受信したか否かが判断され(S126)、受信していない場合には(S126:NO)、そのままS101の判断へ戻る。一方で、主基板41からその他のコマンドを受信した場合には(S126:YES)、コマンドに応じた処理が行われて(S127)、S101の判断へ戻る。例えば、大当たり遊技が開始されることを示す大当たり遊技開始コマンドを受信すると、大当たり遊技中の演出を開始させる処理が行われる。
次に、本実施の形態のパチンコ機1における保留球数表示部90,95の記号の表示態様の変化、及びその効果について、図22乃至図25を参照して説明する。図22乃至図25は、第一保留球数表示部90及び第二保留球数表示部95に表示される記号の表示態様の変化の一例を示す図である。
まず、図22を参照して、記号の表示態様が通常態様96から第一変更態様97に変更される場合について説明する。図22では、第一大当たり判定の結果を示す図柄の変動演出中に、第二始動電動役物17へ遊技球が入賞した場合を例示している。この例では、第二始動電動役物17への遊技球の入賞時に「1段階変更」に当選している。すると、第一保留球数表示部90に表示されている2つの記号の表示態様が通常態様96から第一変更態様97に変更されると共に、第二保留球数表示部95に、第一変更態様97で記号が1つ追加される。
次いで、図23を参照して、記号の表示態様が第一変更態様97から第二変更態様98に変更される場合について説明する。図23では、図22に示す第一変更態様97への変更が行われた後、さらに第一始動口15へ遊技球が入賞し、「2段階変更」に当選した場合を例示している。この例では、「2段階変更」に当選した際に既に記号の表示態様が変更態様となっているものの、表示されている第一変更態様97が示す大当たり遊技の期待度は第二変更態様98の期待度よりも小さい。よって、全ての記号の表示態様は第一変更態様97から第二変更態様98へ変更され、さらに、第一保留球数表示部90に第二変更態様98で記号が追加される。尚、記号の表示態様が、変動演出の開始時から予告態様に変更されている場合でも、図23に示す場合と同様に、大当たり遊技の期待度がより高い変更態様に当選すると、表示態様はさらに変更される。
次いで、図24を参照して、記号の表示態様が通常態様96から大当たり確定態様99に変更される場合について説明する。図24では、第一大当たり判定の結果を示す図柄の変動演出中に、第一始動口15に2回の遊技球の入賞があり、1回目の変更抽選では「変更せず」、2回目の変更抽選では「当たり確定」となった場合を例示している。この例では、2回目の第一始動口15への入賞時には、第一特別図柄作動保留球数は既に最大数である「4」に達していたため、新たな乱数は取得されない。しかし、記号の表示態様を変更するか否かを決定する処理は、乱数が新たに取得されない場合でも行われる。従って、新たな大当たり乱数が取得されなくても、遊技球が始動口へ入賞することによって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技意欲の減衰を防止することができる。そして、図24に示す例では、大当たり遊技の実行が確定していることを図柄の変動中に遊技者に報知することができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
次いで、図25を参照して、記号の表示態様が通常態様96から複数大当たり確定態様100に変更される場合について説明する。図25では、大当たりの変動パターンに従って変動演出が実行されている間に第二始動電動役物17へ遊技球が入賞し、新たに取得された乱数についての先読み大当たり判定の結果も大当たりとなって、複数大当たり確定態様への変更抽選に当選した場合を例示している。尚、図25に示す変動演出中の遊技状態は、非確率変動状態である。この例では、非確率変動状態中に行われた先読み大当たり判定の結果が大当たりである時点で、複数回の大当たり遊技が実行されることが確定している。そして、その旨を保留球数表示部90,95によって遊技者に報知することで、遊技者の興趣をより強く惹き付けることができる。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機1によると、図柄の変動演出中に始動口へ遊技球が入賞すると、新たに取得された乱数についての先読み大当たり判定の結果と、実行中の変動演出によって示される大当たり判定の結果とに応じて、保留球数表示部90,95に表示される記号の表示態様を変更することができる。従って、保留球数の表示態様を利用して、実行中の変動演出、及びその後に行われる変動演出の両方に遊技者の注目を集めることができる。すなわち、実行中の変動演出によって大当たりが示されることへの遊技者の期待感を高めることができ、さらに、この変動演出によってはずれが示された場合でも、その後に行われる変動演出によって大当たりが示されることを期待させながら遊技を楽しませることができる。これにより、大当たりに対する遊技者の期待感をより長く継続させることができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。また、遊技球の始動口への通過時に、記憶できる最大数まで保留球数が達している場合には、新たに保留球を記憶することはできない。しかし、本発明によると、このような場合でも保留球数の表示態様を変化させることができるため、遊技者を楽しませることができる。
また、先読み大当たり判定の結果が大当たりである場合には、大当たり遊技が開始されるまでの変動演出の実行中に、保留球数の表示態様を予告態様に変更することができる。これにより、大当たり遊技がその後に実行されることへの遊技者の期待感を高めることができる。また、実行中の変動演出が終了する前に、その変動演出によって示される大当たり判定の結果が大当たりであることを遊技者に報知することもできるため、保留球数の表示を利用した演出が多様化し、遊技者を楽しませることができる。さらに、複数の大当たり遊技の実行が確定したことも遊技者に報知することができ、遊技者の注目をより強く惹き付けることができる。
尚、本実施の形態における主基板41が本発明の「主制御手段」に相当し、サブ統合基板58、及び演出制御基板43が本発明の「サブ制御手段」に相当する。また、第一始動口15及び第二始動電動役物17が本発明の「始動口」に相当し、第一始動口スイッチ65及び第二始動電動役物スイッチ67が「遊技球検出手段」に相当する。また、図9のS24及びS32で乱数を取得する主基板41のCPU51が「当たり乱数取得手段」として機能し、主基板41のRAM52における第一大当たり関係情報記憶エリア5205及び第二大当たり関係情報記憶エリア5207が「当たり乱数記憶手段」に相当する。
また、図9のS27,35、及び図11のS48,49,64,65で大当たり判定を行う主基板41のCPU51が「当たり判定手段」として機能し、特別図柄表示部25,26が「図柄表示手段」に相当し、表示画面28の第一保留球数表示部90及び第二保留球数表示部95が「保留球数表示手段」に相当する。また、特別図柄表示部25,26の表示を制御する主基板41が「図柄表示制御手段」に相当し、図9のS28及びS36で先読み結果通知コマンドをコマンド関係記憶エリア5209に記憶する主基板41のCPU51が「第一情報送信手段」に相当し、図11のS51〜S54及びS67〜S70で変動パターン指定コマンドをコマンド関係記憶エリア5209に記憶する主基板41のCPU51が「第二情報送信手段」に相当する。表示画面28の表示を制御するサブ統合基板58、及び演出制御基板43が「保留球数表示制御手段」に相当し、図17のS107,121、及び図18乃至図21で保留球数の表示態様を変更させるサブ統合基板58のCPU、及び演出制御基板43が「表示態様変更手段」として機能する。
また、図19のS141で表示態様変更第一抽選テーブルを用いた変更抽選を行うサブ統合基板58のCPUが「第一決定手段」として機能し、図20のS151で表示態様変更第二抽選テーブルを用いた変更抽選を行うサブ統合基板58のCPUが「第二決定手段」及び「確定態様変更決定手段」として機能する。また、図18のS138、及び図21のS161で変更抽選を行うサブ統合基板58のCPUが「連続当たり態様変更決定手段」として機能する。
尚、本発明は以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、本実施の形態における保留球数の表示態様の変更は、一例を示したものに過ぎず、適宜変更が可能である。例えば、本実施の形態では、保留球数表示部90,95に表示されている全ての記号の表示態様を変更しているが、複数の記号のうちの所定の記号の表示態様のみを変更しても本発明の実現が可能である。
また、本実施の形態では、記号の形状(丸型、二重丸、三角形、「当」、「連」)を変化させることで保留球数の表示態様を変化させているが、これも変更が可能である。例えば、通常態様を青色、第一変更態様を黄色、第二変更態様を赤色として、記号の色を変化させることで表示態様を変化させてもよい。また、色と形状とを共に変化させてもよい。また、保留球数を記号の数でなく、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」等の数字を用いて遊技者に報知するとともに、漢数字、アラビア数字、ローマ数字等の数字の表記方法を変化させることで本発明を実現することもできる。さらには、保留球数を示す記号を変化させるのではなく、第一保留球数表示部90及び第二保留球数表示部95の枠や記号の背景部分等を変化させることで、保留球数の表示態様を変化させてもよい。
また、保留球数の表示態様の種類も変更が可能である。例えば、本実施の形態では5種類の保留球数の表示態様が設けられている。しかし、6種類以上の表示態様を設けても本発明は実現できるし、本実施の形態における第二変更態様を設けなくても本発明を実現できる。また、大当たり確定態様である「当」への変更を、確率変動図柄による大当たりとなった場合にのみ行うことも可能である。この場合には、実行中の変動演出によって大当たりが示されることを遊技者に報知するだけでなく、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起されることも示すことができるため、遊技者をより強く喜ばせることができる。
また、本実施の形態では、第一特別図柄に関連する始動口(第一始動口15)へ遊技球が入賞した場合と、第二特別図柄に関連する始動口(第二始動電動役物17)へ遊技球が入賞した場合とで、記号の表示態様が変化する割合や変化の態様は同じである。しかし、第一特別図柄に関連する始動口への入賞があった場合と、第二特別図柄に関連する始動口へ入賞があった場合とで異なる色へ記号を変化させるようにしてもよい。例えば、第一特別図柄に関連する始動口への遊技球の入賞を契機とする場合の記号の第一変更態様を黄色、第二変更態様を赤色とし、第二特別図柄に関連する始動口への遊技球の入賞を契機とする場合の第一変更態様を緑色、第二変更態様を黒色とする。これにより、いずれの始動口へ遊技球が入賞してサブ統合基板58による表示態様の変更抽選が行われたのかを、保留球数を示す記号の色によって容易に遊技者に把握させることができる。
また、同様に、デモ図柄変動中に遊技球が入賞した始動口に応じて、異なる表示形状へ記号を変化させてもよい。例えば、第一始動口15への遊技球の入賞を契機とする場合の記号の第一変更態様を丸型、第二変更態様を四角形とし、第二始動電動役物17への遊技球の入賞を契機とする場合の記号の第一変更態様を三角形、第二変更態様を星型とする。これにより、いずれの始動口へ遊技球が入賞してサブ統合基板58による表示態様の変更抽選が行われたのかを、保留球数を示す記号の形状によって容易に遊技者に把握させることができる。
また、保留球数を示す図柄(キャラクタを含む)表示の変化を、変化させる契機となった遊技球が入賞した始動口に応じて変えることも可能である。例えば、第一始動口15への入賞を契機とする場合の保留球数表示の第一変更態様を図柄A、第二変更態様を図柄Bとし、第二始動電動役物17への入賞を契機とする場合の第一変更態様を図柄C、第二変更態様を図柄Dとする。これにより、遊技者は、いずれの始動口へ遊技球が入賞して保留球数の表示態様の変更抽選が行われたのかを、保留球数を示す図柄を見ることで容易に把握することができる。
また、表示態様の変更抽選に当選する割合を、抽選の契機となる遊技球が入賞した始動口に応じて変化させてもよい。具体的には、デモ図柄の変動中、第一始動口15へ遊技球が入賞した場合よりも、第二始動電動役物17へ遊技球が入賞した場合の方が、保留球数の表示態様が高い割合で変更されるように設定する。この場合、非時短状態中における入賞が困難な第二始動電動役物17へ遊技球が入賞することを、遊技者により強く期待させながら遊技を楽しませることができる。
また、保留球数の表示態様の変更抽選の方法も適宜変更が可能である。例えば、先読み大当たり判定の結果に応じて所定の割合で変更抽選を行う第一抽選手段と、実行中の変動演出によって示される大当たり判定の結果に応じて所定の割合で変更抽選を行う第二抽選手段に加え、第一抽選手段の抽選結果及び第二抽選手段の抽選結果に応じて変更抽選を行う第三抽選手段を備えることも可能である。これによると、例えば、第一抽選手段及び第二抽選手段の両方で変更抽選に当選した場合にのみ第三抽選手段によって当選し得る、特定の変更態様を設けることができ、特定の変更態様を出現させることで遊技者の興趣をより強く惹き付けることができる。このように、変更抽選を行う抽選手段の態様を変化させたり、抽選手段の種類を増やしたりすることで、保留球数の表示態様をより多様に変化させることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、本実施の形態では、第一大当たり判定の結果よりも第二大当たり判定の結果が優先して報知される。よって、第一大当たり乱数に対する先読み大当たり判定の結果が大当たりであっても、第二始動電動役物17へ遊技球が入賞すると、先読みされた第一大当たり乱数に起因した大当たり遊技の実行時期が遅くなる構成となっている。しかし、始動口への入賞順に大当たり判定の結果が示される遊技機に本発明を適用した場合には、保留球数の表示態様を「連」等の表示態様にすることで、複数の大当たり遊技の実行が確定していることに加え、最大4回のデモ図柄の変動が行われるまでの間に大当たり遊技が連続して行われることも遊技者に報知することができる。よって、遊技者を喜ばせることができる。
また、優先して大当たり判定の結果が報知される(優先消化される)第二保留球について先読み大当たり判定が行われた場合のみ、実行中の変動演出によって示される大当たり判定の結果(第一判定結果)と、先読み大当たり判定の結果(第二判定結果)とを共に用いて表示態様の変更抽選を行うことも可能である。この場合、優先消化されない第一保留球については、第一判定結果のみを参照して表示態様の変更抽選を行う。これにより、優先消化されない第一保留球について大当たり遊技が確定していることを予告した後、優先消化される第二保留球が記憶され、予告した大当たり遊技が実行されないまま遊技が継続することを防止できる。また、予告高確率状態がいつまでも継続することも防止することができる。よって、遊技者を惑わせることなく演出を楽しませることができる。尚、この場合には、図18に示すS131の判断で、「第二保留球についての先読み結果が大当たりであるか否か」を判断すればよい。
また、複数大当たり確定態様への変更も各種変更が可能である。まず、本実施の形態では、実行中の変動演出によって示される大当たり判定の結果、及び変動演出中に行われた先読み大当たり判定の結果が共に大当たりである場合に、保留球数の表示態様を「連」に変更させている。しかし、確定している大当たり遊技の回数を「連」の代わりに数字や記号によって表示させてもよい。具体的には、図18に示すS131で先読み結果が大当たりである場合に(S131:YES)、先読みによって判明している大当たり遊技の回数を計数するカウンタ(以下、「確定大当たり回数カウンタ」という。)に「1」を加算する。また、図17に示すS101で変動演出を開始させる場合に(S101:YES)、先読みによって大当たりが判明した乱数についての変動演出が開始されることを契機として、確定大当たり回数カウンタの値を「1」減算する。これにより、保留球のうち、大当たりが確定している保留球の数を把握する。そして、図20のS163で、大当たりが確定している保留球の数に「1」を加算した数を、確定している大当たり遊技の回数として数字や記号で保留球数表示部90,95に表示させる。これにより、複数の大当たり遊技が確定していることに加え、確定している大当たり遊技の回数も遊技者に報知することができるため、遊技者をより強く喜ばせることができる。また、保留球のうち、大当たりが確定している保留球の数が複数である場合にのみ、「連」等の複数大当たり確定態様に変更させる構成としてもよい。これにより、複数大当たり確定態様による保留表示が行われる頻度を減少させて希少価値を持たせることができる。
また、その後に大当たり遊技が実行される期待度が通常よりも高いことを示す予告演出も適宜変更が可能である。例えば、本実施の形態では、予告態様と第一変更態様を同じ表示態様(二重丸)としているが、予告態様と第一変更態様を別の表示態様としてもよい。また、表示態様の予告態様への変更のタイミングは変動演出の開始時に限られず、変動演出開始から所定時間経過後でもよいし、始動口への遊技球の入賞を契機として予告態様に変更する構成としてもよい。また、図20に示す第二変更決定処理では、先読み大当たり判定によって大当たりと判定された際に「1段階変更」又は「2段階変更」に当選していなければ、予告高確率は「OFF」とされたままであり、予告態様への変更が連続する割合は通常と同じである。しかし、先読み大当たり判定によって大当たりと判定された場合には、常に予告高確率フラグを「ON」としてもよいし、変更態様への変更抽選の結果に関わらず、予告高確率フラグを「ON」とするか否かを決定してもよい。また、本実施の形態では、先読み大当たり判定によって大当たりと判定されなければ予告高確率フラグは「ON」とされないが、これ以外の場合にも予告高確率フラグを「ON」としてもよい。これにより、予告態様への変更が連続して行われても、大当たり遊技が実行されない場合がより多くなるため、保留球数の表示態様を予告態様へ変更した場合の遊技者の注目をより強く惹き付けることができる。
また、本実施の形態では、その後に大当たり遊技が実行されることが先読み大当たり判定によって判明している場合でも、保留球数の表示態様の予告態様への変更は、他の場合よりも高い確率で変更されるのみで、必ず予告態様へ変更されるわけではない。しかし、例えば、先読み結果が大当たりであった保留球(例えば、4つ目の保留球)についての変動演出が行われるまでの間、全ての変動演出(実行中の変動演出、及び1〜3個目の保留球についての変動演出)における変動開始から確定表示まで、繰り返し予告態様への変更を行ってもよい。これにより、予告態様を行う場合の大当たり遊技の期待度を高くすることができる。また、予告高確率中にさらに新たな保留球が記憶され、その保留球についての先読み大当たり判定の結果が大当たりであった場合には、大当たりが確定している先の保留球までの変更態様と、次の大当たり確定保留球までの変更態様とが異なるように設定してもよい。これにより、保留球数の表示を利用した演出をより多様化させることができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
また、逆に、先読み大当たり判定によって大当たりが確定している場合のみ、予告態様への変更を行うように構成することも可能である。具体的には、先読み結果が大当たりであった保留球(例えば、4つ目の保留球)についての変動演出が行われるまでの間、全ての変動演出(実行中の変動演出、及び1〜3個目の保留球についての変動演出)における変動開始から確定表示まで、繰り返し予告態様への変更を行う。一方で、先読み大当たり判定の結果がはずれである場合には、このような予告態様への変更を行わない。この場合、予告態様に希少価値を付加することができ、遊技者を喜ばせることができる。
また、本実施の形態では、図柄の変動演出中に始動口へ遊技球が入賞する毎に、表示態様を変更するか否かの抽選を行っている。しかし、これも変更が可能であり、変動演出開始後の1回目の入賞時にのみ変更抽選を行ってもよい。また、変動演出開始後の1回目の変更抽選時に、どの段階まで表示態様を変更するかを決定しておき、その後遊技球が始動口へ入賞する毎に、先に決定されている段階まで表示態様を変更する構成としてもよい。
また、本実施の形態のパチンコ機1は第一特別図柄及び第二特別図柄の2つの特別図柄を備え、2種類の大当たり判定を行うことができる。しかし、本発明が適用できる遊技機はこれに限られず、特別図柄を1つ、又は3つ以上備えた遊技機にも適用できるし、普通当たり判定の結果を表示するために本発明を適用することも可能である。また、本実施の形態では、第一始動口15及び第二始動電動役物17のいずれに遊技球が入賞しても、保留球数の表示態様を変更する契機となり得る構成となっている。しかし、特定の始動口(例えば、第一始動口15)へ遊技球が入賞した場合にのみ表示態様が変化され得る構成としてもよい。また、時短状態中や第二大当たり判定時にも本発明を適用してもよい。
また、本実施の形態では、第一保留球数表示部90及び第二保留球数表示部95を表示画面28の表示領域に形成しているが、デモ図柄の表示や他の様々な演出を行う表示画面28と、保留球数を表示する保留球数表示部90,95とを別に設けてもよい。例えば、複数色で発光することが可能なLEDで保留球数表示部90,95を構成し、このLEDの発光色を変化させることで、保留球数の表示態様を変更するように設定することもできる。また、保留球数の表示態様を変更させると同時に、照明装置35を発光させたり、発光態様を変化させたり、音声を発生させたり、音声態様を変更させたりすることも可能である。さらに、保留球数の表示態様の変更に伴い、表示画面28のデモ図柄の背景画面を変化させたりしてもよい。これにより、保留球数の表示態様が変化したことをより容易に遊技者に認識させることができ、遊技者を楽しませることができる。さらに、変更される表示態様の種類に応じて、発生させる音声等を変化させてもよい。より具体的には、表示態様を第一変更態様や第二変更態様に変更させる場合には、変更と同時に「チャンス」という音声を発生させ、大当たり確定態様や複数大当たり確定態様に変更させる場合には「おめでとう」という音声を発生させる。この場合、大当たり遊技が実行される期待度をより容易に遊技者に把握させることができ、遊技内容を熟知していない遊技者も、保留球数を利用した演出を簡単に楽しむことができる。