JP5619448B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF: radio frequency)信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生する核磁気共鳴(NMR: nuclear magnetic resonance)信号から画像を再構成する磁気共鳴イメージング(MRI: Magnetic Resonance Imaging)装置に係り、特に、診断画像や病変部位の悪性度を示す指標となる物理量等の診断情報を、より簡便かつ高精度で定量的に得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数のRF信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する撮像法である。
この磁気共鳴イメージングでは、拡散強調イメージング(DWI: diffusion weighted imaging)における拡散係数(ADC: Apparent Diffusion Coefficient)や異方性比率(FA: Fractional Anisotropy)、縦緩和(T1)値、横緩和(T2)値、プロトン密度、温度、ケミカルシフト量、血流量、酸素濃度などの物理量の定量測定が行われ、測定対象の精度向上が強く求められている。
特に、DWI法は梗塞や癌部位を画像化できる機能的撮像方法として多用されている。DWIは分子の拡散運動によってプロトンの位相が変化することを利用して、MPG (motion probing gradient)パルスを印加することにより分子の拡散状態を画像化する手法である。DWI用のシーケンスとしてはEPI (echo planar imaging)シーケンスが広く使用されている。
DWIでは、拡散の程度に応じて梗塞部位や腫瘍部位等の病変部位および正常部位が鑑別される。しかし、DWI画像にはT1成分およびT2成分が混入するために、正確な性状判断が困難であるという指摘がある。そこで拡散効果のみを表す定量パラメータであるADCやFAと称するパラメータが使用されることが多い。例えば、急性期脳梗塞や腫瘍部位におけるADC値は正常部位におけるADC値よりも低くなることが多い。そして、DWIによって癌のスクリーニングを行う場合には、全身などの広範囲のボリュームデータ全体からADC画像やFA画像等の定量的な画像が作成される(例えば非特許文献1参照)。
ADC画像は異なるb値に対応する2つ以上のDWI画像から作成される。また、FA画像は互に異なる最低6軸方向にb値を呈するようにMPGパルスを印加して得られる複数のDWI画像から生成される。尚、b値は、拡散による信号減衰の強度を表す。このようなADCやFAは脳梗塞や癌の悪性度を表す指標として定量化および標準化が求められてきている。
これに対して、DWI画像のみで脳梗塞や癌等の病変部位の悪性度を表す指標の表示を標準化する技術として、頭部において正常部位と考えられる視床等の特定領域から収集された信号の強度をリファレンス値として指標を表す画像の補正処理を行うという簡単な補正方法がある。
Takahara T, Imai Y, Yamashita T, Yasuda S, Nasu S, Van Cauteren M. Diffusion weighted whole body imaging with background body signal suppression (DWIBS): technical improvement using free breathing, STIR and high resolution 3D display. Radiat Med. 2004 Jul-Aug; 22(4):275-82.
しかしながら、DWI画像には上述したようにT1成分およびT2成分が混入しており、拡散効果のみを表す定量パラメータではない。加えて、DWI画像には撮像領域の大きさや信号値に被検体ごとの差がある。このため、DWI画像のみで病変部位の悪性度を示す指標を得る場合、指標は誤差を含む可能性がある。
また、DWI画像がEPIシーケンスによって得られる場合には、傾斜磁場の非線形性や傾斜磁場強度が強いMPGパルスに起因する渦電流磁場により、DWI画像には歪や信号値の誤差が生じる。このため、このような歪や信号値の誤差が生じたDWI画像に基づいて計算されるADC値やFA値も組織に応じた本来の値からずれることとなる。しかも、ADC値やFA値の誤差は、空間的分布を有するという問題が生じている。
さらに、ADCが大きくなる一方、信号値が小さくなるような組織をイメージングする場合、ノイズにより信号値が大きくなり計算誤差が生じるという問題もある。
加えて、上述したようなADC画像やFA画像に生じる誤差と同様な誤差は、MRIにより他の物理量を定量的に計測する場合にも生じ得る。物理量を定量計測する場合の誤差は、装置、機種、撮像時期等の条件によっても異なり、診断の障害となっている。従って、装置、機種、撮像時期等の条件が異なっても歪みのない診断画像を安定的に取得するとともに物理量を高精度で簡便に定量測定することが望まれる。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、診断画像や病変部位の悪性度を示す指標となる物理量等の診断情報を、より簡便かつ高精度で定量的に得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、上述の目的を達成するために、既知の拡散係数(apparent diffusion coefficient)をもつファントムに対して拡散強調イメージング(diffusion weighted imaging)を行って前記ファントムの拡散係数の測定し、前記ファントムの拡散係数の測定値と、前記ファントムの拡散係数の既知の値とを用いて補正データを取得する補正データ取得手段と、前記ファントムに対する拡散強調イメージングと同じパラメータを設定して被検体に対して拡散強調イメージングを行い、得られた被検体の拡散強調イメージングデータと前記補正データとから、前記被検体の拡散係数画像(apparent diffusion coefficient image)を生成する画像生成手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置においては、診断画像や病変部位の悪性度を示す指標となる物理量等の診断情報を、より簡便かつ高精度で定量的に得ることができる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図。 図1に示すRFコイルとして利用可能な独立撮像用ファントムを固定した受信用のRFコイルの構成例を示す図。 図2に示す独立撮像用ファントムを固定したRFコイルユニットの横断面図。 図1に示すRFコイルとして利用可能な人体同時撮像用ファントムを固定した受信用のRFコイルの構成例を示す図。 図4に示す人体同時撮像用ファントムを固定したRFコイルユニットの横断面図。 図1に示すRFコイルとして利用可能な複数の人体同時撮像用ファントムを固定した受信用のRFコイルの別の構成例を示す図。 異なるADC値を有する4つのリファレンスファントムを受信用のRFコイルの撮像領域側に設けた例を示す図。 異なるADC値を有するリファレンスファントム24Bを受信用のRFコイルの撮像領域側に4箇所設けた例を示す図。 図1に示すコンピュータの機能ブロック図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置によりDWIを行い、DWI像における歪みの補正およびb値の補正を伴って人体のADC値を高精度で定量計測する場合における流れを示すフローチャート。 ある位置における制御上の理想的なb値bidealおよび実際に測定されるb値bmeasuredを示すグラフ。 b=0として人体同時撮像用ファントムとともに人体の非DWIを行うことによって得られた人体同時撮像用ファントム画像データおよび人体画像データの一例を示す図。 b>0として人体同時撮像用ファントムとともに人体のDWIを行うことによって得られた人体同時撮像用ファントム画像データおよび人体画像データの一例を示す図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置によりDWIを行い、DWI像における歪みの補正およびADC値の補正を伴って人体のADC値を高精度で定量計測する場合における流れを示すフローチャート。 人体同時撮像用ファントムのADC値の理論値と測定値が線形である場合の例を示す図。 同一のADC値を有する複数の人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measuredが空間分布を有する場合の例を示す図。 人体同時撮像用ファントムのADC値の理論値と測定値が非線形である場合の例を示す図。 人体の頭部に人体同時撮像用ファントムおよび受信用RFコイルを固定した例を示す図。 図18に示す受信用RFコイルユニットの上面図。 図18に示す受信用RFコイルユニットの側面図。 図10または図14に示すフローチャートにおいて、画像データの動き補正を行う場合における流れを示すフローチャート。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
(構成および機能)
図1は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図である。
磁気共鳴イメージング装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石21、この静磁場用磁石21の内部に設けられたシムコイル22、傾斜磁場コイル23およびRFコイル24を備えている。
また、磁気共鳴イメージング装置20には、制御系25が備えられる。制御系25は、静磁場電源26、傾斜磁場電源27、シムコイル電源28、送信器29、受信器30、シーケンスコントローラ31およびコンピュータ32を具備している。制御系25の傾斜磁場電源27は、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zで構成される。また、コンピュータ32には、入力装置33、表示装置34、演算装置35および記憶装置36が備えられる。
静磁場用磁石21は静磁場電源26と接続され、静磁場電源26から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。尚、静磁場用磁石21は超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源26と接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。また、静磁場用磁石21を永久磁石で構成し、静磁場電源26が設けられない場合もある。
また、静磁場用磁石21の内側には、同軸上に筒状のシムコイル22が設けられる。シムコイル22はシムコイル電源28と接続され、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイル23は、X軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zで構成され、静磁場用磁石21の内部において筒状に形成される。傾斜磁場コイル23の内側には寝台37が設けられて撮像領域とされ、寝台37には被検体Pがセットされる。RFコイル24にはガントリに内蔵されたRF信号の送受信用の全身用コイル(WBC: whole body coil)や寝台37や被検体P近傍に設けられるRF信号の受信用の局所コイルなどがある。
また、傾斜磁場コイル23は、傾斜磁場電源27と接続される。傾斜磁場コイル23のX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zはそれぞれ、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル24は、送信器29および/または受信器30と接続される。送信用のRFコイル24は、送信器29からRF信号を受けて被検体Pに送信する機能を有し、受信用のRFコイル24は、被検体P内部の原子核スピンのRF信号による励起に伴って発生したNMR信号を受信して受信器30に与える機能を有する。
受信用のRFコイル24は、頭部用コイルのように撮像目的に応じた局所コイルや専用コイルを人体の周囲に着脱することにより設けることができる。特に、磁気共鳴イメージング装置20は、リファレンスファントムを内部に固定または挿入した着脱可能な受信用のRFコイル24を備えている。
図2は図1に示すRFコイル24として利用可能な独立撮像用ファントムを固定した受信用のRFコイルの構成例を示す図、図3は図2に示す独立撮像用ファントムを固定したRFコイルユニットの横断面図である。
図2および図3に示すように筒状の受信用RFコイル24A内にZ軸方向を長手方向とする柱状のリファレンスファントム24Bを挿入することによりRFコイルユニット24Cを構成することができる。リファレンスファントム24Bは、被検体Pとして任意の固定方法で受信用RFコイル24Aと一体化することができる。図2および図3は、治具24Dを用いてリファレンスファントム24Bを受信用RFコイル24Aに固定した例を示している。ただし、面ファスナや接着剤等の固定手段でリファレンスファントム24Bを受信用RFコイル24Aに固定してもよい。
図2および図3に示すようにリファレンスファントム24Bのサイズを撮影視野(FOV: field of view)と同等なサイズまたは撮影領域を十分にカバーするサイズとすれば、撮影領域全体に亘ってリファレンスファントム24BからのNMR信号を収集することが可能となり、人体をセットせずにファントムのみを撮像するための独立撮像用ファントムとしてリファレンスファントム24Bを利用することができる。
一方、複数のリファレンスファントム24Bを受信用のRFコイル24内に固定または挿入することもできる。
図4は図1に示すRFコイル24として利用可能な人体同時撮像用ファントムを固定した受信用のRFコイルの構成例を示す図、図5は図4に示す人体同時撮像用ファントムを固定したRFコイルユニットの横断面図である。
図4および図5に示すように、例えばZ軸方向を長手方向とする柱状の4つのリファレンスファントム24B(個々のリファレンスファントム24Bをファントムユニットと呼ぶ場合がある)を受信用RFコイル24A内のxy面内の4隅の所定の位置にそれぞれセットすることによりRFコイルユニット24Cを構成することができる。リファレンスファントム24Bの数は、任意であるが受信用RFコイル24A内の外周に均等配置することが後述するデータ処理の精度上望ましい。さらに、リファレンスファントム24Bを位相エンコード(PE: phase encode)方向のゴーストが入らない位置に設定すれば、アーチファクトがなく良好なリファレンスファントムの画像データを収集することが可能となる。加えて、各リファレンスファントム24Bの形状をz軸方向を長手方向とする柱状とすれば、各Z座標位置におけるイメージングにおいて各リファレンスファントム24Bからのデータをデータ処理に利用することが可能となる。
また、図4および図5に示すように、リファレンスファントム24Bの位置を受信用RFコイル24A内の端部とし、かつリファレンスファントム24Bのサイズを受信用RFコイル24A内に人体をセットできるようなサイズとすれば、人体をセットしてリファレンスファントム24Bおよび人体を被検体Pとして同時にイメージングすることが可能となる。このため、リファレンスファントム24Bを人体同時撮像ファントムとして利用することができる。
上述したような単一または複数のリファレンスファントム24Bは、様々な形状および用途の受信用のRFコイル24の撮像領域側に設けることができる。
図6は、図1に示すRFコイル24として利用可能な複数の人体同時撮像用ファントムを固定した受信用のRFコイルの別の構成例を示す図である。
図6に示すように複数のコイル要素24Eを有する背側のスパインコイル24Fと、複数のコイル要素24Gを有する体表側のボディコイル24Hとの間に、人体PAをセットできるように単一または複数のリファレンスファントム24Bを設けてもよい。図6は、4つのリファレンスファントム24Bを設けた例を示している。また、図6に示すような受信用のRFコイル24の撮像領域側に独立撮像用ファントムを設けることもできる。
リファレンスファントム24Bの材質はスキャンによって測定すべき対象の物理量に近い値を有する均一なものであることが望ましい。また、リファレンスファントム24Bの材質は水の共鳴周波数からのケミカルシフト量が十分に小さく、共鳴周波数が水の共鳴周波数と同等とみなせるもの或いは少なくとも水の共鳴周波数に近いものとすれば、脂肪抑制を伴うスキャンにおいてファントムからの信号が抑制されずに良好に得られる。リファレンスファントム24Bの材質の具体例としては、ジメチルスルホオキシド(DMSO: dimethyl sulfoxide)をポリテトラフルオロエチレン(PTFE: Polytetrafluoroethylene)に封入したものが挙げられる。
さらに、複数のリファレンスファントム24Bを受信用のRFコイル24内に設ける場合には、測定対象となる物理量の値に近く、かつ互に異なる物理量を有する複数のリファレンスファントム24Bを設けることがデータ処理の高精度化に繋がる場合がある。
例えば、物理量として人体の組織のADC値を測定する場合には、ADC値が既知であり、かつ組織のADC近辺の異なるADC値を呈する複数のリファレンスファントム24Bを受信用のRFコイル24内に設けることができる。ただし、磁気共鳴イメージング装置20の特性に起因してDWIにおいて実際に実現されるb値やb値の実現値に基づいて測定されるADC値に空間分布が生じないことが予測される場合(或は、空間分布が生じたとしても、0次や1次の関数で表される低次の空間分布の場合)や、設定したb値と実際に実現されるb値との関係が線形とみなせるような場合(或は、ADCの真値と測定値との間の関係が線形とみなせるような場合)には、リファレンスファントム24Bの材質は単一の種類でもよい。
一方、測定対象となるADCの値にある程度幅があってb値を数段階の値に設定する場合や、設定したb値と実際に実現されるb値との関係が非線形性となることが予測される場合(或は、ADCの真値と測定値との間の関係が非線形となることが予測される場合)にはリファレンスファントム24Bの材質を複数の異なるADC値を呈する材質とすれば、後述するデータ処理を高精度に行うことができる。
図7は、異なるADC値を有する4つのリファレンスファントム24Bを受信用のRFコイル24の撮像領域側に設けた例を示す図である。
図7に示すように、人体PAのADC値(ADC(PA))と近い異なるADC値ADC1, ADC2, ADC3, ADC4の4種類のリファレンスファントム24Bを受信用のRFコイル24の撮像領域側に設ければデータの補正処理を高精度に行うことができる。各リファレンスファントム24Bの形状をZ軸方向を長手方向とする柱状とすれば、各Z座標位置におけるイメージングにおいて各リファレンスファントム24Bからのデータをデータ処理に利用することが可能となる。ADC値の具体例としては、ADC=0.5, 1.0, 1.5, 2.0 [x10-3 mm2/s]に設定することができる。
図8は、異なるADC値を有する複数の(図8の例では4つの)サブファントムユニットが近接して配置されるよう構成されるリファレンスファントム24Bを受信用のRFコイル24の撮像領域側に4箇所設けた例を示す図である。
b値が低次の空間分布を有する場合や、b値やADC値に非線形性がある場合には、図8に示すように、異なる複数のADC値を有するリファレンスファントム24Bを受信用のRFコイル24の撮像領域側の異なる位置に設けることがb値やADC値の非線形性を反映した高精度なデータ処理のために有効である。図8は、4種類のADC値を有する角柱形状のリファレンスファントム24Bを4箇所に設けた例を示している。また、リファレンスファントム24Bが示す4つのADC値の1つは、人体のADC値に近い値に設定されている。
換言すれば、同一の位置とみなせる範囲にリファレンスファントム24Bを分割配置し、複数の分割リファレンスファントム24IのADC値が互に異なるように決定される。さらに、物理量の空間分布の次数に応じた数だけ異なる位置に分割リファレンスファントム24Iのセットが配置される。例えば、物理量が空間的に一次分布していると仮定できるならば、最低3箇所に分割リファレンスファントム24Iのセットを配置すれば良いことになる。ただし、この場合、分割リファレンスファントム24Iのセットを4箇所に配置すれば、より正確に物理量が一次分布していることを前提としたデータ処理を行うことができる。
尚、ADC等の物理量は温度の関数であるため、スキャナ室内における磁気共鳴イメージング装置20のガントリ内での25度前後の温度での値を基準とすればよい。さらに、必要に応じて実際に撮像の度に温度とともにADC値等の物理量を測定し、温度と物理量との関係から測定した物理量を所定の温度における物理量に換算してもよい。
また、上述したように独立撮像ファントムもADC値等の測定対象となる物理量に近い値を有する材質とすることがデータ処理の精度上望ましいが、人体同時撮像ファントムとして使用する材質と同じ材質とすればデータ処理がより簡易となる。人体同時撮像ファントムとして使用する材質が複数種類ある場合には、複数種類の材質のうち実際に測定対象となる人体の組織の平均的な物理量を呈する材質とすればよい。
一方、制御系25のシーケンスコントローラ31は、傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30と接続される。シーケンスコントローラ31は傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源27に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場GzおよびRF信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ31は、受信器30におけるNMR信号の検波およびA/D (analog to digital)変換により得られた複素データである生データ(raw data)を受けてコンピュータ32に与えるように構成される。
このため、送信器29には、シーケンスコントローラ31から受けた制御情報に基づいてRF信号をRFコイル24に与える機能が備えられる一方、受信器30には、RFコイル24から受けたNMR信号を検波して所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化された複素データである生データを生成する機能と生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える機能とが備えられる。
また、コンピュータ32の記憶装置36に保存されたプログラムを演算装置35で実行することにより、コンピュータ32には各種機能が備えられる。ただし、プログラムによらず、各種機能を有する特定の回路を磁気共鳴イメージング装置20に設けてもよい。
図9は、図1に示すコンピュータ32の機能ブロック図である。
コンピュータ32は、プログラムにより撮像条件設定部40、シーケンスコントローラ制御部41、データ処理部42およびデータ補正部43として機能する。
撮影条件設定部40は、入力装置33からの指示情報に基づいてパルスシーケンスを含む撮影条件を設定し、設定した撮影条件をシーケンスコントローラ制御部41に与える機能を有する。
シーケンスコントローラ制御部41は、入力装置33からのスキャン開始指示情報を受けた場合に、撮影条件設定部40から取得した撮影条件をシーケンスコントローラ31に与えることにより駆動制御させる機能を有する。また、シーケンスコントローラ制御部41は、シーケンスコントローラ31から生データを受けてデータ処理部42に形成されたk空間に配置する機能を有する。
データ処理部42は、k空間データにフーリエ変換(FT: Fourier transform)を含む画像再構成処理を施すことにより画像データを再構成する機能、再構成して得られた画像データに基づいてADC値、FA値、T1値、T2値、プロトン密度、温度、ケミカルシフト量、血流量、酸素濃度等の物理量を求める機能、画像データに対して傾斜磁場の印加に由来する公知の歪み補正処理や信号強度補正処理、最大値投影(MIP: Maximum Intensity Projection)処理や断面変換(MPR: multi-planar reconstruction)処理等の必要な画像処理を施す機能、傾斜磁場の非線形性に由来するb値等のパラメータ値の誤差を補正する機能、画像データおよび物理量を表示装置34に表示させる機能を有する。
データ補正部43は、独立撮像用ファントムまたは人体同時撮像用ファントムを備えたRFコイルを受信用RFコイル24Aとして収集したファントム画像データをデータ処理部42から取得する機能および取得したファントム画像データに基づいてDWIにおけるb値やADC値等の補正データを作成してデータ処理部42に与える機能を有する。
(動作および作用)
次に磁気共鳴イメージング装置20の動作および作用について説明する。
ここでは、MRIの中で特に重要なDWIによって収集されたDWI像における歪みの補正とともにb値またはADC値の補正を行うことによってADC値やFA値等の定量値の測定精度を向上させる場合の例について説明する。尚、拡散テンソルイメージング(DTI: Diffusion tensor imaging)を行う場合にも、DWIを行う場合と同様の手順で補正されたADC値およびDTI画像を求めることが可能である。
まず、b値の補正を行うことによってADC値等の定量値およびDWI画像の測定精度を向上させる場合について説明する。
一般に、DWI画像の画素振幅S、b値、及びADC値との間には、次の関係がある。
ADC=ln(S0/S)/b
ここで、S0は、b値がゼロ、即ち、MPG(Motion Probing Gradient)パルスを印加しないときのDWI画像の画素振幅であり、Sは、b値の大きさに対応するMPGパルスを印加したときに得られるにDWI画像の画素振幅である。
b値は、MPGパルスの傾斜磁場強度G,印加時間δ、および最初のMPGパルスの印加開始から次のMPGパルスの印加開始までの時間Δによって定まる。したがって、これらの諸元G、δ、Δを設定することによってb値が設定される。しかしながら、傾斜磁場強度Gは通常空間分布をもつため、b値も撮像領域の範囲で空間分布をもち、b値の設定値と実現値は必ずしも一致せず、空間分布を有する誤差をもつ。また、b値の設定値と実現値との関係は必ずしも線形ならず、非線形な関係となることもある。
そこで、b値の設定値と実現値のとの関係をファントム撮像によって予め補正データとして取得しておけば、b値の設定値からb値の実現値を推定することが可能であり、推定したb値の実現値と、人体のDWI画像の画素振幅とから人体の正しい(補正された)ADC値を求めることが可能となる。
図10は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20によりDWIを行い、DWI像における歪みの補正およびb値の補正を伴って人体のADC値を高精度で定量計測する場合における流れを示すフローチャートである。
b値の補正を行うことによってADC値の測定精度を向上させる場合には、まずプリスキャンによって独立撮像用ファントムの撮像が行われ、得られた独立撮像用ファントム画像に基づいてb値の空間分布が測定される。
b値は、磁気共鳴イメージング装置20に対して設定され、所定の範囲で変更可能であるが、b値として、1000[s/mm2]程度の値がしばしば用いられている。したがって、独立撮像用ファントムを撮像してb値の空間分布を測定するときは、人体のADC値を測定するときと同じb値(例えば、1000[s/mm2])に設定して補正データを取得する。
次に、イメージングスキャンによって人体同時撮像用ファントムとともに人体の撮像が行われ、独立撮像用ファントム画像および/または人体同時撮像用ファントム画像に基づいて測定されたb値を用いて人体画像から補正されたADC値およびDWI画像が求められる。
尚、人体同時撮像用ファントムの撮像を行わずに、独立撮像用ファントム画像に基づいて作成されたb値の空間分布のみを用いて人体画像から補正されたADC値およびDWI画像を求めることも可能である。逆に、独立撮像用ファントムの撮像を行わずに、人体同時撮像用ファントムに基づいて測定されたb値のみを用いて人体画像から補正されたADC値およびDWI画像を求めることも可能である。
プリスキャンでは、ステップS1において、独立撮像用ファントムを固定したRFコイルを受信用RFコイル24Aとして、プリスキャンによって独立撮像用ファントムのイメージングが行われる。この独立撮像用ファントムのイメージングは、人体同時撮像用ファントムのイメージングを行わない場合には、必須となる。また、b値に空間的に2次以上の誤差分布がある場合には、人体同時撮像用ファントムのイメージングを行う場合であっても独立撮像用ファントムのイメージングを行うことが補正精度向上の観点から望ましい。
そのために予め被検体Pとして独立撮像用ファントムを固定した受信用RFコイル24Aが寝台37にセットされ、静磁場電源26により励磁された静磁場用磁石21(超伝導磁石)の撮像領域に静磁場が形成される。また、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて撮像領域に形成された静磁場が均一化される。
一方、撮影条件設定部40において、プリスキャン用のb>0としたDWIシーケンスおよびb=0とした非DWIシーケンスを含む撮影条件が設定される。そして、入力装置33からシーケンスコントローラ制御部41にスキャン開始指示が与えられると、シーケンスコントローラ制御部41は撮影条件設定部40から取得した撮影条件をシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、シーケンスコントローラ制御部41から受けた撮影条件に従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることにより独立撮像用ファントムがセットされた撮像領域に傾斜磁場を形成させるとともに、RFコイル24からRF信号を発生させる。
このため、独立撮像用ファントムの内部における核磁気共鳴により生じたNMR信号が、受信用RFコイル24Aにより受信されて受信器30に与えられる。受信器30は、受信用RFコイル24AからNMR信号を受けて、所要の信号処理を実行した後、A/D変換することにより、デジタルデータのNMR信号である生データを生成する。受信器30は、生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、生データをシーケンスコントローラ制御部41に与え、シーケンスコントローラ制御部41はデータ処理部42に形成されたk空間に生データをk空間データとして配置する。
データ処理部42では、k空間データに対する画像再構成処理によって実空間のDWIデータとして独立撮像用ファントム画像データが作成される。この独立撮像用ファントム画像データは、傾斜磁場の誤差や渦電流の影響によって歪みを有する。
そこで、ステップS2において、データ処理部42は、独立撮像用ファントム画像データの歪み補正処理および独立撮像用ファントム画像データの形状歪みに伴う信号強度の補正処理を実行する。
具体的には、独立撮像用ファントム画像データの形状歪みの補正に必要となる渦電流以外の傾斜磁場の非線型特性による歪みの補正量は既知であるため、まず既知の補正量を用いて独立撮像用ファントム画像データの形状が補正される。これにより傾斜磁場の非線型特性に由来する成分が補正される。
次に、b=0として収集された独立撮像用ファントム画像データを基準とし、b>0として収集された独立撮像用ファントム画像データを独立撮像用ファントム画像部分の重心位置の差がゼロとなるように補正する。換言すれば、b=0として収集された独立撮像用ファントム画像データとb>0として収集された独立撮像用ファントム画像データにおける独立撮像用ファントム画像部分の重心位置が重なるようにb>0として収集された独立撮像用ファントム画像データの形状を補正する。これにより渦電流由来の歪み成分を補正することができる。
この渦電流由来の歪み成分の補正計算は、b>0に対応する独立撮像用ファントム画像上における歪み補正前におけるn箇所の信号計測位置を(x1’, y1’, z1’), (x2’, y2’, z2’), (x3’, y3’, z3’), …, (xn’, yn’, zn’)としてb=0に対応する独立撮像用ファントム画像データ上の対応する信号計測位置をb>0に対応する独立撮像用ファントム画像データ上の信号計測位置に変換するアファイン(affine)変換行列を求め、アファイン逆変換によりb>0に対応する独立撮像用ファントム画像データを変換する計算となる。尚、アファイン逆変換による補正量は、共通の条件により取得された複数のDWI画像上の対応するボクセルにおいて同一となる。
そして、歪み補正前の位置(x’, y’, z’)における独立撮像用ファントム画像データSp(x’, y’, z’)の歪み補正によって歪み補正後の位置(x’, y’, z’)における独立撮像用ファントム画像データSDcor(x, y, z)が計算される。尚、画像の変形による位置の移動がスライス面内で2次元的に生じると仮定すれば、Z軸方向における移動量はゼロとなる。このため、転置をtで表すと(x’, y’)tから(x, y)へのアファイン変換を示す式は、式(1)のようになる。
Figure 0005619448
式(1)によれば、独立撮像用ファントム画像データ上の信号計測位置を最低n=6箇所とすれば、方程式を解くことにより行列T内の係数を算出できることが分かる。そして、変形した独立撮像用ファントム画像データ上の座標を算出された行列Tを用いて線形変換することによって補正後の座標に補正することができる。尚、歪みによる位置の並行移動が無視できる場合には、c1=0, c2=0となるため、独立撮像用ファントム画像データ上の信号計測位置を最低n=4箇所とすれば行列Tを算出できる。
通常、DWIに用いられるEPIシーケンスによるデータ収集は2次元(2D: two-dimensional)のデータ収集である場合が多いため、2Dの歪み補正で十分であると考えられる。一方、3次元(3D: three dimensional)のアファイン変換を実施する場合には、行列T内の係数の数は4x3=12個となるため、独立撮像用ファントム画像データ上の信号計測位置は最低n=12箇所必要である。また、3Dのアファイン変換を実施する場合には、独立撮像用ファントムはZ軸方向を長手方向とする柱状であるため、Z軸方向の位置が異なる最低3つのスライスにおける独立撮像用ファントム画像データを収集すればよい。尚、未知数である行列T内の係数の数より信号計測位置の数が多い場合には特異値分解(SVD: singular value decomposition)により逆行列を解くこともできる。
歪み補正処理の後には、信号強度の補正処理が行われる。すなわち、形状歪み補正後の独立撮像用ファントム画像データの信号強度SDcor(x, y, z)を式(2)により補正することによって信号強度補正後における独立撮像用ファントム画像データの信号強度SDcor(x, y, z)が計算される。
[数2]
SDIcor(x, y, z)=J*SDcor(x ,y ,z)
≒[V(x’ ,y’ ,z’)/VDcor(x, y ,z)]*SDcor(x, y, z) (2)
ただし、式(2)においてV(x, y, z)は位置(x, y, z)におけるボクセルの体積を、JはJacobianを、添え字Dcorは形状歪み補正後であることを、それぞれ示す。
そして、このような歪み補正処理および信号強度の補正処理は、b=0に対応する独立撮像用ファントム画像データおよびb>0に対応する独立撮像用ファントム画像データの双方に対して行われる。
歪み補正および信号強度補正後における独立撮像用ファントム画像データが得られると、ステップS3において、データ補正部43は、データ処理部42から歪み補正および信号強度補正後における独立撮像用ファントム画像データを取得してb値の空間分布を計算する。
すなわち、傾斜磁場の誤差分布は空間的に2次以上の分布となるため、b値は傾斜磁場の誤差の影響を受けている。このため、撮像領域の中心部を含むb値の空間分布を求め、b値の空間分布を用いてイメージングスキャンによって測定されるADC値等の物理量を補正する必要がある。これに対して、独立撮像用ファントムは、FOV全体に亘る大きさで、かつADC値が既知であるため、歪み補正および信号強度補正後における独立撮像用ファントム画像データからb値の空間分布を測定することができる。
具体的には、歪み補正および信号強度補正後におけるb=0およびb>0に対応する独立撮像用ファントムPAの画像データの信号強度SPA.DIcor(x, y, z, b=0)、SPA.DIcor(x, y, z, b>0)、制御上の理想的なb値bideal(即ち、b値の設定値)、実際に生成されたb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)(即ち、b値の実現値)、独立撮像用ファントムPAの既知のADC値ADCPA.idealおよび実際に計算される独立撮像用ファントムPAのADC値ADCPA.measured(x ,y ,z)の間には、式(3)の関係が成立する。
[数3]
ln[SPA.DIcor(x, y, z, b=0)/SPA.DIcor(x, y, z, b>0)]
=bmeasuredA(x, y, z)*ADCPA.ideal=bideal*ADCPA.measured(x ,y ,z) (3)
式(3)より、b値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)は、式(4)により計算することができる。
[数4]
bmeasuredA(x, y, z)=ln[SPA.DIcor(x, y, z, b=0)/SPA.DIcor(x, y, z, b>0)]/ADCPA.ideal
(4)
図11は、ある位置における制御上の理想的なb値bidealおよび実際に測定されるb値bmeasuredを示すグラフである。
図11において、横軸はb値[s/mm2]を示し、縦軸はb=0およびb>0に対応するファントムPの画像データの信号値Sp(b=0), Sp(b>0)から得られるln{Sp(b=0)/Sp(b>0)}の値を示す。また、図11中の点線はb値の理想値bidealとファントムPのADC値の理想値ADCP.idealから計算されるln{S(b=0)/S(b>0)}の理想値を、実線はb値の測定値bmeasuredとファントムPのADC値の理想値ADCP.idealから計算されるln{S(b=0)/S(b>0)}の値を、それぞれ示す。
図11に示すように、実際には、b値は理想値bidealとならないため、ln{S(b=0)/S(b>0)}の値はシフトする。このときのb値の測定値bmeasuredは、式(3)の関係から式(4)により計算することができる。換言すれば、式(4)によりb値を理想値bidealから測定値bmeasuredに補正することができる。
DTIを行う場合のようにMPGパルスの印加方向が多数である場合には、正確にはMPGパルスの印加軸方向の組合せの数だけb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)を測定することが必要となる。しかし、測定データの量が膨大になる恐れがある。このため、データサイズ削減のためにX軸, Y軸およびZ軸のいずれかの軸のみにMPGパルスを印加する場合についてb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)を測定し、測定したb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)に基づいて、b値の違いやX軸, Y軸およびZ軸の軸間における相互作用がないと仮定して線形性があるとの前提で各印加軸方向におけるb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)を計算によって求めてもよい。
尚、MPGパルスの印加方向は、X, Y, Z軸方向以外の方向としてもよい。例えば、PC (phase contrast)法においてVENC (velocity encoding)に対応する血管の走行方向をMPGパルスの印加方向とすることもできる。この場合、MPGパルスの印加方向は、X, Y, Z軸方向の各正方向成分および各負方向成分で決定されるため6軸方向の成分を有することとなる。
独立撮像用ファントムPAにおけるb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)の人体におけるb値の空間分布からの乖離が無視できる程小さい場合には、独立撮像用ファントムPAにおけるb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)をADC値等の物理量の計算に使用することができる。この場合、上述したように人体同時撮像用ファントムの撮像は行わなくてもよい。
逆に、独立撮像用ファントムPAにおけるb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)の人体におけるb値の空間分布からの乖離が無視できない場合、例えば、独立撮像用ファントムPAの撮像時期と人体の撮像時期との間の経過時間が大きい場合や、両者の撮像環境(温度等)が異なる場合には、イメージングスキャンにおいて人体同時撮像用ファントムの撮像を行うことが補正精度の観点から望ましい。この場合には、独立撮像用ファントムPAにおけるb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)の人体におけるb値の空間分布からの乖離が、時間をおいて人体とともに撮像される人体同時撮像用ファントムから取得されるb値の空間分布に基づいて0次または1次の低次の補正によって補正される。
尚、人体同時撮像用ファントムは必ずしも人体と同時に撮像される必要はなく、人体のイメージング時におけるb値の空間分布と同一とみなせるb値の空間分布が得られる期間内に人体同時撮像用ファントムが少なくとも1回撮像されればよい。
より具体的には、イメージングスキャンのステップS11において、人体同時撮像用ファントムとともに人体の撮像が行われる。すなわち、図4〜図8に示すような人体同時撮像用ファントムを設けたRFコイルを受信用RFコイル24Aとして、独立撮像用ファントムのイメージングと同様な流れで人体同時撮像用ファントム画像データおよび人体画像データの収集が行われる。
ただし、データ収集用のスキャンに先立って位置決めスキャンが実行される。そして、位置決めスキャンによって収集された位置決め画像を参照画像として、人体同時撮像用ファントムが撮像領域に含まれるようにFOVのサイズが設定される。そして、データ収集用のスキャンでは、予め設定したb値とMPGパルスの印加軸方向ごとにデータが収集される。b値は、例えば通常の人体のDWIにおいて頻繁に設定されるb=0, 1000の2値に設定される。ただし、b値に非線形性が予測される場合や撮像の目的によってはb値の単一または複数の印加軸方向成分の値を3つ以上の値に設定してもよい。
このとき、人体同時撮像用ファントムを受信用RFコイル24Aの内側の所定の位置に固定しておけば、一旦設定したFOVをデータ収集ごとに変えなくてもよいことになる。また、人体同時撮像用ファントムを所定の位置に固定すれば、人体同時撮像用ファントムの位置再現性が高くなる。このため画像データ上における人体同時撮像用ファントムの位置の認識のための高度な画像処理が不要となる。
図12は、b=0として人体同時撮像用ファントムとともに人体の非DWIを行うことによって得られた人体同時撮像用ファントム画像データおよび人体画像データの一例を示す図であり、図13は、b>0として人体同時撮像用ファントムとともに人体のDWIを行うことによって得られた人体同時撮像用ファントム画像データおよび人体画像データの一例を示す図である。
図12に示すように、b=0の場合には、MPGパルスが印加されないため、傾斜磁場の誤差や渦電流の影響が小さい。このため、b=0に対応する人体同時撮像用ファントム画像および人体画像に生じる形状歪みは無視できる程度である。一方、図13に示すように、b>0の場合には、強度が大きいMPGパルスが印加される。このため、傾斜磁場の誤差や渦電流の影響によって、b>0に対応する人体同時撮像用ファントム画像および人体画像には無視できない形状歪みが生じる。
そこで、ステップS2と同様にステップS12において、データ処理部42において、人体同時撮像用ファントム画像データおよび人体画像データの歪み補正処理および形状歪みに伴う信号強度の補正処理が実行される。
そして、歪み補正後および信号強度補正後における人体画像データの信号値とb値とからADC値やFA値等の物理量を求めることが可能となる。ただし、傾斜磁場の非線形性の影響によりb値には、誤差が存在する。
そこで、ステップS13において、データ処理部42において、傾斜磁場の非線形性に起因するb値の高次補正処理が実行される。b値は傾斜磁場の強度の2乗に比例する。従って、実際のb値、つまり補正後のb値bcorは、制御上の理想的なX軸, Y軸, Z軸方向の各b値bx・ideal, bY・ideal, bz・idealとX軸, Y軸, Z軸方向における傾斜磁場の誤差分布Gxerror.ratio(x ,y ,z), Gyerror.ratio(x ,y ,z), Gzerror.ratio(x ,y ,z)とから式(5)により求められる。
[数5]
bcor(x ,y ,z) =
Gxerror.ratio(x ,y ,z)2*bx・ideal
+Gyerror.ratio(x ,y ,z)2*by・ideal
+Gzerror.ratio(x ,y ,z)2*bz・ideal
(5)
ただし、式(5)において、傾斜磁場の誤差分布Gxerror.ratio(x ,y ,z), Gyerror.ratio(x ,y ,z), Gzerror.ratio(x ,y ,z)は、それぞれX軸, Y軸, Z軸方向における実際の傾斜磁場の強度と理想的な制御上の傾斜磁場の強度との比である。
式(5)に示すように、補正後のb値bcorは、x ,y ,zの関数となる。傾斜磁場の非線形性の影響によるb値の2次以上の空間分布は式(5)による補正処理によってほぼ補正されるとみなすことができる。ただし、補正後のb値bcorには、装置、機種、撮像時期等の条件に応じた一次の誤差が存在する。
そこで、ステップS14において、空間分布が補正されたb値bcorの一次の誤差が人体同時撮像用ファントム画像データに基づいて補正される。すなわち、データ補正部43は、データ処理部42からb=0およびb>0に対応する信号強度補正後の人体同時撮像用ファントム画像データの信号値SPB.DIcor(b=0), SPB.DIcor(b>0)を取得する。そして、データ補正部43は、式(6)に示すようにb=0およびb>0に対応する信号強度補正後の人体同時撮像用ファントム画像データの信号値SPB.DIcor(b=0), SPB.DIcor(b>0)の平均値および人体同時撮像用ファントムのADC値ADCPB.idealから補正後の空間分布のないb値bmeasuredBを補正データとして計算する。
[数6]
bmeasuredB=ln[mean{SPB.DIcor(b=0)}/mean{SPB.DIcor(b>0)}]/ADCPB.ideal (6)
ただし、式(6)においてmean(S)は信号値Sの平均値を求める関数である。
尚、ステップS13における傾斜磁場の誤差分布に基づくb値の高次補正処理を行う代わりに、ステップS14において独立撮像用ファントムを用いて得られたb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)および/または人体同時撮像用ファントム画像データに基づいてb値の少なくとも2次以上の高次空間分布を求めることもできる。この場合、ステップS13における処理は省略できる。逆に、ステップS13における処理を行うことによって空間分布のないb値が得られる場合やb値がそもそも一定である場合には、ステップS1からステップS3までの独立撮像用ファントムを用いたイメージングおよびb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)の算出を省略することができる。
b値に空間分布がある場合には、b値の空間分布を網羅的に求める必要がある。上述したように、独立撮像用ファントムを用いて測定したb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)を人体におけるb値の空間分布とみなせる場合には、独立撮像用ファントムを用いて測定したb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)を用いることができる。一方、独立撮像用ファントムを用いて測定したb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)を人体におけるb値の空間分布とみなせない場合には、以下のようにしてb値の空間分布を計算することができる。
ます、人体同時撮像用ファントムの存在する範囲では、式(7)が成立するため、式(7)からb値の空間分布を計算することができる。
[数7]
bmeasuredB(x,y,z)=ln[SPB.DIcor(x ,y ,z ,b=0)/SPB.DIcor(x ,y ,z ,b>0)]/ADCPB.ideal
(7)
一方、人体同時撮像用ファントムが存在しない範囲におけるb値の空間分布は、モデル関数を用いた近似や補間によって求めることができる。
次に、独立撮像用ファントムを用いて測定したb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)を人体同時撮像用ファントムに基づいて作成されたb値の空間分布bmeasuredB(x, y, z)に基づいて補正する。すなわち、独立撮像用ファントムと人体同時撮像用ファントムの材質が同一であり、独立撮像用ファントム画像データおよび人体同時撮像用ファントム画像データの誤差が無視できる場合には、同じ位置におけるADC値ADCPA.measured(x ,y ,z), ADC値ADCPB.measured(x ,y ,z)は互に同一になるはずである。
そこで、同じ位置における独立撮像用ファントムおよび人体同時撮像用ファントムのADC値ADCPA.measured(x ,y ,z), ADC値ADCPB.measured(x ,y ,z)が同一となるように独立撮像用ファントムを用いて測定したb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)を補正する処理がデータ補正部43において実行される。すなわち、独立撮像用ファントムを用いて測定したb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)の補正処理をbCor[]と表現すると、式(8)により独立撮像用ファントムであるか人体同時撮像用ファントムであるかに依存しない補正後のb値の空間分布bmeasured(x, y, z)が得られる。
[数8]
bmeasured(x ,y ,z)=bCor{bmeasuredA(x ,y ,z), bmeasuredB(x ,y ,z)} (8)
尚、上述したように、補正後のb値の空間分布bmeasured(x, y, z)を求めるためのb値の空間分布モデルを独立撮像用ファントムに対応するb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)と人体同時撮像用ファントムに対応するb値の空間分布bmeasuredB(x, y, z)の組合せとせずに、独立撮像用ファントムに対応するb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)のみまたは人体同時撮像用ファントムに対応するb値の空間分布bmeasuredB(x, y, z)のみとしてもよい。補正後のb値の空間分布bmeasured(x, y, z)を求めるためにどの分布を用いるかは、ステップS13における処理の有無や装置の特性等の条件に応じて経験的に決定することができる。例えば、上述したようにb値の2次以上の空間分布が無視できる場合には、独立撮像用ファントムに対応するb値の空間分布bmeasuredA(x, y, z)を用いずに補正後のb値の空間分布bmeasured(x, y, z)を求めることができる。
そして、データ補正部43は、求めた補正後のb値の空間分布bmeasured(x, y, z)をデータ処理部42に与える。
次に、ステップS15において、データ処理部42は、DWI解析および/またはDTI解析を行うことによって、式(9)に示すように補正後のb値の空間分布bmeasured(x, y, z)とb=0およびb>0に対応する歪み補正処理および信号強度の補正処理後の複数の人体画像データSDIcor(x ,y ,z ,b=0), SDIcor(x ,y ,z ,b>0)から補正されたADC画像データADCcor(x ,y ,z)を作成する。
[数9]
ADCcor(x ,y ,z)=ln{SDIcor(x ,y ,z ,b=0)/SDIcor(x ,y ,z ,b>0)}/bmeasured(x, y, z)
(9)
ただし、ADC値の測定値は、理論値に対して非線形性を有する場合がある。その場合には、ADC値の非線形性の影響を補正するための補正関数CorADCを用いて式(10)に示すようにADC画像データADCcor(x ,y ,z)を変換することが望ましい。
[数10]
ADCcor(x ,y ,z)=CorADC[ADCcor(x ,y ,z)] (10)
式(10)によりADC画像データADCcor(x ,y ,z)の全てのボクセルについてそれぞれADC値の非線形性の影響を補正することができる。補正関数CorADCは、2次式で十分である。従って、補正関数CorADCは、ファントムの既知の複数のADC値ADCP.idealとファントム画像データから実際に測定される複数のADC値ADCP.measuredとから式(11)の係数A, Bを決定することにより求めることができる。
[数11]
ADCP.measured=CorADC[ADCP.ideal]=CorADC[ADCP.ideal]=A*ADCP.ideal 2+B*ADCP.ideal (11)
ただし、A, Bは係数である。
一方、補正されたFA画像データFAcor(x ,y ,z)は、補正されたADC画像データADCcor(x ,y ,z)から式(12)により求めることができる。
[数12]
FAcor(x ,y ,z)=sqrt(1.5)*sqrt[{λ1(x ,y ,z)-Dm(x ,y ,z)}2
+{λ2(x ,y ,z)-Dm(x ,y ,z)}2
+{λ3(x ,y ,z)-Dm(x ,y ,z)}2]
/sqrt{λ1(x ,y ,z)22(x ,y ,z)23(x ,y ,z)2}
(12)
但し、
Dm=traceADCcor(x ,y ,z)/3={λ1(x ,y ,z)+λ2(x ,y ,z)+λ3(x ,y ,z)}/3
λ1, λ2, λ3123)は補正後の3×3の拡散テンソル行列の直交化後の対角成分である。
また、必要に応じて、ステップS16において、b=0に対応する歪み補正処理および信号強度の補正処理後の人体画像データSDIcor(x ,y ,z ,b=0)および補正後のADC画像データADCcor(x ,y ,z)を用いてDWIデータを補正することができる。この場合、データ処理部42において、式(13)によりb>0に対応する補正後の人体画像データSDIBcor(x ,y ,z ,b>0)が計算される。
[数13]
SDIBcor(x ,y ,z ,b>0)=SDIcor(x ,y ,z ,b=0)*exp{-bmeasured(x ,y ,z)*ADCcor(x ,y ,z)}
(13)
b>0のDWI画像データとしてIsotropic DWI画像データがしばしば作成されるが、その場合は式(13)におけるADCcor(x ,y ,z)をtraceADCcor(x ,y ,z)とすればよい。
そして、このように作成された補正後のADC画像データADCcor(x ,y ,z)、補正後のFA画像データFAcor(x ,y ,z)および補正後のDWI画像データSDIBcor(x ,y ,z ,b>0)は、データ処理部42から表示装置34に出力される。このとき表示装置34に表示される補正後のADC画像データADCcor(x ,y ,z)、補正後のFA画像データFAcor(x ,y ,z)および補正後のDWI画像データSDIBcor(x ,y ,z ,b>0)は、ADC値が既知の独立撮像用ファントムおよび/または人体同時撮像用ファントムからの画像データに基づいて計算されたb値の測定値を用いて計算されているため高精度となる。
つまり以上のようなb値の補正を行うことによってADC値、FA値およびDWI画像の測定精度を向上させる方法は、ADC値が既知のファントムを人体と別途および/または同時にイメージングして得られるファントム画像データからファントムのADC値の理論値と測定値のシフト量を求め、このシフト量から作成したb値の補正関数を用いて形状歪み補正後のFOV全体における補正後のb値の空間分布を補正データとして求めるものである。そして、補正後のb値の空間分布を用いてDWI解析やDTI解析によって得られる定量パラメータであるADC値やFA値とともにDWI画像データを高精度で計算することができる。この方法は、後述するADC値の補正を行うことによって測定精度を向上させる方法に比べて処理量の低減が期待できる。
例えば、b値に2次以上の空間分布が存在し得る場合には、独立撮像用ファントムのイメージングによって得られるファントム画像データに基づいてFOV全体におけるb値の空間分布を網羅的に測定することができる。そして、独立撮像用ファントムのイメージングによって測定されたb値の空間分布に対して、人体とともに空間的に部分的にイメージングされた人体同時撮像用ファントム画像データに基づく0次または1次の補正処理が、実行される。
一方、人体のイメージングの際にファントムを設置できないFOVの中心部においてb値の2次以上の空間分布が無視できる場合には、人体同時撮像用ファントムのイメージングによってFOV全体におけるb値を求めることができる。従って、独立撮像用ファントムのイメージングを行わずに人体とともに人体同時撮像用ファントムのイメージングを行えばよい。
次に、ADC値の補正を行うことによってADC値等の定量値およびDWI画像の測定精度を向上させる場合について説明する。
図14は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20によりDWIを行い、DWI像における歪みの補正およびADC値の補正を伴って人体のADC値を高精度で定量計測する場合における流れを示すフローチャートである。尚、図10と同様のステップには同符号を付して説明を省略する。
この場合には、ステップS21において、データ補正部43は、データ処理部42から歪み補正および信号強度補正後における人体同時撮像用ファントム画像データを取得してADC値の補正のための補正係数を計算する。尚、補正処理が1次である場合には、スケーリング処理となり、2次以上であればスケーリング処理または補正関数を用いた補正処理となる。
人体同時撮像用ファントム画像データの信号強度には、上述の式(3)と同様な式(14)の関係が成立する。
[数14]
ln[SPB.DIcor(x, y, z, b=0)/SPB.DIcor(x, y, z, b>0)]
=bmeasuredB(x, y, z)*ADCPB.ideal=bideal*ADCPB.measured(x ,y ,z) (14)
そこで式(14)の関係から式(15)により人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measured(x ,y ,z)が求められる。
[数15]
ADCPB.measured(x ,y ,z)=ln{SPB.DIcor(x, y, z, b=0)/SPB.DIcor(x, y, z, b>0)}/bideal
(15)
次に、人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measured(x ,y ,z)と理論値ADCPB.idealの比からADC値のスケーリング係数Kcorまたは複数の補正係数が推定される。
図15は、人体同時撮像用ファントムのADC値の理論値と測定値が線形である場合の例を示す図である。
図15において横軸は、人体同時撮像用ファントムのADC値の理論値ADCPB.idealを、縦軸はある位置における人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measuredを、それぞれ示す。
人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measured(x ,y ,z)と理論値ADCPB.idealが線形である場合には、図15に示すような各ADC値の理論値ADCPB.idealと測定値ADCPB.measuredの関係を表すプロットデータが得られる。従って、人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measured(x ,y ,z)と理論値ADCPB.idealの関係は式(16-1)および式(16-2)のように係数K1, K2, k1, k2を用いた線形モデルにより直線近似することができる。
[数16]
ADCPB.measured=K1・ADCPB.ideal+K2 (16-1)
ADCPB.ideal=k1・ADCPB.measured+k2 (16-2)
この場合、同一のADC値の測定値ADCPB.measuredの空間分布が無視できれば、スケーリング係数Kcorは、式(16-2)で示す直線の傾きk1となる。このため、少なくとも1つのADC値の測定値ADCPB.measured(x ,y ,z)と理論値ADCPB.idealから原点を通る直線を求めることによってスケーリング係数Kcorを計算することができる。換言すれば、スケーリング係数Kcorは、ある位置における少なくとも1つのADC値の測定値ADCPB.measuredと理論値ADCPB.idealから式(17)により求めることができる。
[数17]
Kcor=ADCPB.ideal/ADCPB.measured (17)
一方、ADC値の測定値ADCPB.measuredの空間分布が無視できない場合には、異なる位置に同一のADC値の人体同時撮像用ファントムを設ける必要がある。例えば、ADC値の測定値ADCPB.measuredの空間分布が2次分布である場合には、一方向につき3つ以上の位置に人体同時撮像用ファントムを設けることが望ましい。
図16は、同一のADC値を有する複数の人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measuredが空間分布を有する場合の例を示す図である。
図16において、横軸はX軸方向の位置を、縦軸はY軸方向の位置を、柱グラフの高さはADC値の測定値ADCPB.measuredを、それぞれ示す。
図4および図5に示すように、FOVの四隅の位置にそれぞれADC値が同一の人体同時撮像用ファントムを設けた場合において、ADC値の測定値ADCPB.measuredが空間分布を有する場合には、図16に示すように各人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measuredは異なる値となる。従って、式(18)に示すようにn番目の位置(x, y, z)における人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measured(x, y, z)と理論値ADCPB.idealから位置(x, y, z)ごとのスケーリング係数Kncor(x, y, z)が補正係数として得られる。
[数18]
Kncor(x ,y ,z)=ADCPB.ideal/ADCPB.measured(x, y, z) (18)
ただし、nは人体同時撮像用ファントムの識別番号である。
このような場合には、N個の人体同時撮像用ファントムについてそれぞれ式(18)によりスケーリング係数Kncor(x ,y ,z)を計算し、得られたN個の位置(x, y, z)ごとの複数のスケーリング係数Kncor(x ,y ,z)から近似式を用いて空間的に連続的なスケーリング係数Kcor(x, y, z)を求めることができる。
図17は、人体同時撮像用ファントムのADC値の理論値と測定値が非線形である場合の例を示す図である。
図17において横軸は、人体同時撮像用ファントムのADC値の理論値ADCPB.idealを、縦軸はある位置における人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measuredを、それぞれ示す。
人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measured(x ,y ,z)と理論値ADCPB.idealが非線形である場合には、図17に示すような各ADC値の理論値ADCPB.idealと測定値ADCPB.measuredの関係を表すプロットデータが得られる。この場合、位置依存性が無視でき、かつ異なるADC値を有する人体同時撮像用ファントムの複数のADC値の測定値ADCPB.measuredと複数の理論値ADCPB.idealとから式(19)に示すようにADC値の補正関数fを求めることができる。
[数19]
ADCPB.ideal=f(ADCPB.measured) (19)
補正関数fは、例えば式(20-1)に示す2次近似式から式(20-2)のように決定することができる。ただし、3次以上の高次の近似式を用いて決定してもよい。
[数20]
ADCPB.measured=M1・ADCPB.ideal 2+M2・ADCPB.ideal (20-1)
ADCPB.ideal=m1・ADCPB.measured 2+M2・ADCPB.measured (20-2)
ただし、式(20-1)および式(20-2)においてM1, M2, m1, m2は、係数である。係数M1, M2, m1, m2は、複数のADC値の測定値ADCPB.measuredを用いた2次フィッティングによって求めることができる。
ADC値の測定値ADCPB.measuredに空間分布がない場合には、図7に示すように異なるADC値を有する複数のリファレンスファントム24Bを異なる位置に設置してもよいし、図8に示すように異なるADC値を有する分割リファレンスファントム24Iのセットを同一とみなせる位置に設置してもよい。ただし、上述のように人体同時撮像用ファントムのPE方向に人体が配置されないことがアーチファクトを除去する観点から望ましい。
一方、ADC値の測定値ADCPB.measuredに空間分布がある場合には、図8に示すように異なるADC値を有する分割リファレンスファントム24Iのセットを同一とみなせる位置に設置することが処理簡易化に繋がる。この場合には例えば以下の方法でスケーリング係数Kncor(x, y, z)を計算することができる。
まず式(18)と同様な式(21)により、n番目の位置(x, y, z)における人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measured(x, y, z)と理論値ADCPB.ideal(x, y, z)から位置(x, y, z)ごとのスケーリング係数Kncor(x, y, z)が計算される。
[数21]
Kncor(x ,y ,z, ADC)=ADCPB.ideal(x, y, z)/ADCPB.measured(x, y, z) (21)
ただし、nは人体同時撮像用ファントムの識別番号である。
そして、N個の人体同時撮像用ファントムについてそれぞれ式(21)によりスケーリング係数Kncor(x ,y ,z, ADC)を計算し、得られたN個の位置およびADC値(x, y, z, ADC)ごとの複数のスケーリング係数Kncor(x ,y ,z, ADC)から近似式を用いて空間的に連続的なスケーリング係数Kcor(x, y, z, ADC)を求めることができる。
一方、ステップS15において、データ処理部42は、DWI解析および/またはDTI解析を行うことによって、式(22)に示すようにb値の理想値である制御値bidealとb=0およびb>0に対応する歪み補正処理および信号強度の補正処理後の少なくとも2組の人体画像データSDIcor(x ,y ,z ,b=0), SDIcor(x ,y ,z ,b>0)とから補正前のADC画像データADCmeasured(x ,y ,z)、つまり人体のADC値の測定データを作成する。
[数22]
ADCmeasured(x ,y ,z)=ln{SDIcor(x ,y ,z ,b=0)/SDIcor(x ,y ,z ,b>0)}/bideal
(22)
次に、ステップS31において、データ補正部43は、データ処理部42から補正前の人体のADC画像データADCmeasured(x ,y ,z)を取得し、スケーリング係数Kcor等の補正係数用いて人体のADC画像データADCmeasured(x ,y ,z)を補正する。例えば、データ補正部43は、式(23-1)、式(23-2)または式(23-3)に示すようにスケーリング係数Kcorを人体のADC画像データADCmeasured(x ,y ,z)に乗じることによって補正後の人体のADC画像データADCcor(x ,y ,z)を計算する。
[数23]
ADCcor(x ,y ,z)=Kcor*ADCmeasured(x ,y ,z) (23-1)
ADCcor(x ,y ,z)=Kcor(x ,y ,z)*ADCmeasured(x ,y ,z) (23-2)
ADCcor(x ,y ,z)=Kcor(x ,y ,z, ADC)*ADCmeasured(x ,y ,z) (23-3)
尚、式(23-1)は、人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measuredと理論値ADCPB.idealが線形であり、かつADC値の測定値ADCPB.measuredに空間分布がない場合における補正処理を表している。また、式(23-2)は、人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measuredと理論値ADCPB.idealが線形であるがADC値の測定値ADCPB.measuredに空間分布がある場合における補正処理を表している。さらに、式(23-3)は、人体同時撮像用ファントムのADC値の測定値ADCPB.measuredと理論値ADCPB.idealが非線形であり、かつADC値の測定値ADCPB.measuredに空間分布がある場合における補正処理を表している。
また、式(20-2)に示すように複数の係数で定義される補正関数を用いてADC画像データADCmeasured(x ,y ,z)から補正後の人体のADC画像データADCcor(x ,y ,z)を計算することもできる。この場合には、補正処理は、単純なスケーリングとはならない。
そして、補正後の人体のADC画像データADCcor(x ,y ,z)は補正データとして、データ補正部43からデータ処理部42に与えられる。このため、データ処理部42では、必要に応じて補正後のADC画像データADCcor(x ,y ,z)に基づくFA画像データADCcor(x ,y ,z)やDWI画像データSDIBcor(x ,y ,z ,b>0)を求めることができる。
尚、FA画像データADCcor(x ,y ,z)は、式(12)に示すように、元となるADC画像データADCcor(x ,y ,z)に相当する3×3の対称行列を対角化し、要素λ1, λ2, λ3, ADCcor(x ,y ,z)を用いて計算することができる。
つまり、以上のADC値の補正を行うことによってADC値、FA値およびDWI画像の測定精度を向上させる方法は、ADC値が既知のファントム画像データに基づいて最終的な測定パラメータである人体のADC値の補正係数を求め、補正係数を用いて人体のADC値の実測値をス補正するというものである。
このように、以上のような磁気共鳴イメージング装置20は、ADC値、FA値、T1値、T2値、プロトン密度、温度、ケミカルシフト量、血流量、酸素濃度等の物理量が既知のリファレンスファントムの信号値の測定値と理論値のずれ量を利用して、人体等の測定対象の物理量を補正するようにしたものである。特に、磁気共鳴イメージング装置20は、歪補正したDWI画像を用いて高精度でADC値やFA値等の物理量を定量測定するようにしたものである。
(効果)
このため、磁気共鳴イメージング装置20によれば、ADC値等の物理量の定量計測を従来に比べ簡便かつ高精度に行うことができる。例えば、DWI解析やDTI解析を行う場合に、ハードウェアが同一であっても更新されてもb値の誤差の原因を特定することなくADC画像やFA画像を高精度で得ることが可能である。特に、DWIにおいて必要とされている渦電流の影響によるデータの補正が必ずしも必要とはならない。
また、ADC値等の物理量および形状が既知のリファレンスファントムのイメージングによって得られる画像データを用いることで形状歪みの補正やデータ解析が人体のみを撮像する場合に比べて容易となる。さらに、データの測定結果に誤差がある場合でもADC値やFA値等の物理量が既知のファントムが画像内にあるため、誤差の検証が可能である。
加えて、リファレンスファントムを固定した専用の受信用RFコイルを使用するため、人体の設置が容易である。
(変形例)
上述した実施形態では、受信用RFコイル24Aおよび人体同時撮像用ファントムを人体ではなく寝台37系、つまりガントリ座標系に固定した例を示したが、人体同時撮像用ファントムを人体に固定させることもできる。寝台37に対して人体が移動すると、エコー時間(TE: echo time)間における人体の動きの影響を除外するために動き補正が必要となる。この動き補正は、ボケやゴーストを低減させるために1フレーム分または1組の画像データに対して従来から行われている公知の補正であり、コンピュータ32のデータ補正部43において行うことができる。
しかし、人体同時撮像用ファントムをガントリ座標系に固定した場合には動き補正前に人体の動きに追従していないガントリ座標系の人体同時撮像用ファントムをFOVから除外しなければアーチファクトの発生に繋がる。
これに対して、人体同時撮像用ファントムを人体座標系に固定すれば、人体の動きに人体同時撮像用ファントムの位置を追従させることが可能となる。このため、寝台37に対して人体が動いても人体の動きに追従する人体同時撮像用ファントムからのデータを人体からのデータとともに補正することができる。従って、人体同時撮像用ファントムを人体座標系に固定すれば動き補正前において人体同時撮像用ファントムをFOVから除外する必要がなくなり、しかも人体同時撮像用ファントムをガントリ座標系に固定した場合に比べて、人体の動き補正によるアーチファクトを軽減させることができる。
尚、特に強い傾斜磁場と撮像部位の動きを伴う頭部のDWIでは人体の動きの影響が大きい。しかし、寝台37に対する頭の移動量に応じた傾斜磁場や渦電流の空間分布の変動分は傾斜磁場の非線形性や渦電流の空間分布の変動量に比べて無視できるほど十分に小さい。従って、動き補正を行うことが重要であるDWIにおいても人体同時撮像用ファントムを人体座標系に固定すれば、上述したようなADCの非線形性を考慮したデータ補正を支障なく容易に適用することができる。
この場合、送信用のRFコイル24および/または受信用RFコイル24Aも人体座標系に固定することができる。人体同時撮像用ファントムとともに送信用のRFコイル24および/または受信用RFコイル24Aを人体座標系に固定すれば、人体同時撮像用ファントムの送信用のRFコイル24および/または受信用RFコイル24Aに対する動き量も十分に小さくできるため、動き補正の精度を向上させることができる。逆に、人体同時撮像用ファントムを人体座標系に固定する一方、送信用のRFコイル24および/または受信用RFコイル24Aをガントリ座標系に固定すれば、快適性を向上させる効果が得られる。
図18は、人体の頭部に人体同時撮像用ファントムおよび受信用RFコイル24Aを固定した例を示す正面図、図19は図18に示す受信用RFコイルユニットの上面図、図20は図18に示す受信用RFコイルユニットの側面図である。
図18に示すように、フレーム50に任意数の人体同時撮像用ファントム51および受信用RFコイル52を設けることによって受信用RFコイルユニット53を構成することができる。
受信用RFコイル52の出力側には、受信したRF信号を制御系25の受信器30に無線送信するための無線アンテナ54が接続される。従って、この場合、受信器30にも受信用RFコイル52から無線アンテナ54を介して送信されたRF信号を受信するための無線アンテナが接続される。このため、受信用RFコイル52と受信器30との間における信号ケーブルの一部が不要となり、ガントリ内において受信用RFコイルユニット53を人体とともにある程度自由に移動させることが可能となる。
フレーム50は、人体の頭部PHに装着できるように帽子状またはヘルメット状の構造を有している。フレーム50は、ヘルメットの材料と同様な硬い素材で構成することが強度および位置固定の観点から好都合である。
一方、フレーム50の内側には、頭部PHにフィットするような柔らかいフォーミング材55が設けられる。フォーミング材55は、クッション状の素材のみならず、頭部PHに巻きつけることが可能なひも状の素材でもよい。そして、フォーミング材55によりフレーム50を人体ごとに異なる多様な形状およびサイズの頭部PHに圧迫させてフレキシブルに固定することができる。
このため、人体間の頭部PHの固体差を吸収することができる。そして、帽子をかぶるように受信用RFコイルユニット53を人体の頭部PHに固定することができる。この場合、頭部PHが動いても受信用RFコイルユニット53および頭部PHを剛体として扱うことができる。すなわち、受信用RFコイルユニット53全体を人体の頭部座標系に固定し、頭部PHの動きに追従して動くようにすることができる。
また、フレーム50の内部には、例えば人体同時撮像用ファントム51が埋め込まれる。すなわち、フレーム50および受信用RFコイル52と人体同時撮像用ファントム51とが一体化される。このため、人体同時撮像用ファントム51の頭部PHに対する位置の固体差がなくなり、画像処理による人体同時撮像用ファントム51の認識を行わなくても人体同時撮像用ファントム51の位置を特定することができる。図18には、体軸(HEAD-FEET)方向であるZ軸方向に、柱状の人体同時撮像用ファントム51を4つ設けた例が示されている。
尚、フレーム50を硬い素材とせずに、導電性の受信用RFコイル52のパターンとともに薄く延びる素材で構成することにできる。この場合も、多様な形状およびサイズの頭部PHにフレーム50を自由にフィットさせて帽子のようにかぶることにより、受信用RFコイルユニット53全体を人体の頭部座標系に固定することができる。ただし、人体同時撮像用ファントム51の頭部PHに対する位置は、フレーム50の装着状態に応じて多少変化する恐れがある。そこで、コンピュータ32のデータ補正部43において、人体同時撮像用ファントム51の認識および位置の検出を3次元的な画像処理により行うようにしてもよい。
図21は、図10または図14に示すフローチャートにおいて、画像データの動き補正を行う場合における流れを示すフローチャートである。
図21に示すようにステップS11において人体同時撮像用ファントムおよび人体のイメージングが行われた後、ステップS41において画像データの動き補正を行うことができる。
具体的には、ステップS51における判定において、人体同時撮像用ファントムが人体座標系に固定されているか否かが判定される。尚、この判定は、コンピュータ32のデータ補正部43において行うこともできるが、コンピュータ32において実際に判定を行わなくてもよい。
そして、人体同時撮像用ファントムが人体座標系に固定されていない場合には、ステップS51においてデータ補正部43によりイメージングによって収集された画像データから人体部分が抽出され、抽出された人体画像データの動き補正が実施される。すなわち、画像再構成後の画像データであれば人体部分と人体同時撮像用ファントム部分とを空間的に分離することが容易となる。このため、画像データから人体部分のみが抽出されて動き補正の対象とされる。
例えば、画像データに対する閾値処理によって人体部分に相当する関心領域(ROI: region of interest)を自動設定し、設定したROI内の画像データを人体画像データとして抽出することができる。また、人体同時撮像用ファントムがガントリ座標系に固定されている場合には、人体同時撮像用ファントムの位置および領域が既知である。このため、人体同時撮像用ファントムの位置情報および領域情報を利用して人体同時撮像用ファントム以外の領域を人体画像データとして自動抽出することもできる。或いは、イメージングによって収集された画像データを表示装置34に表示させ、入力装置33の操作によって手動で人体画像データを抽出してもよい。
具体的な動き補正法としては、イメージングデータとともに位相エンコードかけないで、またはイメージングデータを収集するための位相エンコード量よりも小さい位相エンコード量で動き量を測定するためのエコー信号を収集し、収集したエコー信号に基づいて求めた動き量に相当する量だけ画像データの位置をシフトさせる方法がある。また、動き量は、動きセンサを用いてモニタすることにより取得することもできる。
動き量が2次元分布または3次元分布で与えられる場合には、画像空間でpixel毎に画像データの位置を補正すればよい。また動き量が1次元分布(例えば投影方向)のである場合には、人体同時撮像用ファントム部分のデータのみをある次元(例えば投影方向および垂直方向)に逆FTした後に動き補正を実行し、動き補正後に再度FTすればよい。
一方、人体同時撮像用ファントムが人体座標系に固定されている場合には、ステップS51においてデータ補正部43により人体部分および人体同時撮像用ファントム部分を含む画像データの動き補正が実施される。すなわち、人体部分を抽出することなく、人体同時撮像用ファントム部分とともに人体部分の動き補正を行うことができる。
20 磁気共鳴イメージング装置
21 静磁場用磁石
22 シムコイル
23 傾斜磁場コイル
24 RFコイル
24A 受信用RFコイル
24B リファレンスファントム
24C RFコイルユニット
24D 治具
24E コイル要素
24F スパインコイル
24G コイル要素
24H ボディコイル
24I 分割リファレンスファントム
25 制御系
26 静磁場電源
27 傾斜磁場電源
28 シムコイル電源
29 送信器
30 受信器
31 シーケンスコントローラ
32 コンピュータ
33 入力装置
34 表示装置
35 演算装置
36 記憶装置
37 寝台
40 撮像条件設定部
41 シーケンスコントローラ制御部
42 データ処理部
43 データ補正部
50 フレーム
51 人体同時撮像用ファントム
52 受信用RFコイル
53 受信用RFコイルユニット
54 無線アンテナ
55 フォーミング材
P 被検体
PA 人体
PH 頭部

Claims (28)

  1. 既知の拡散係数(apparent diffusion coefficient)をもつファントムに対して拡散強調イメージング(diffusion weighted imaging)を行って前記ファントムの拡散係数の測定し、前記ファントムの拡散係数の測定値と、前記ファントムの拡散係数の既知の値とを用いて補正データを取得する補正データ取得手段と、
    前記ファントムに対する拡散強調イメージングと同じパラメータを設定して被検体に対して拡散強調イメージングを行い、得られた被検体の拡散強調イメージングデータと前記補正データとから、前記被検体の拡散係数画像(apparent diffusion coefficient image)を生成する画像生成手段と、
    を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記画像生成手段は、前記拡散強調イメージングデータと前記補正データとから、異方性比率画像(fractional anisotropy image)をさらに生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記ファントムは、前記被検体の撮像領域と実質的に同じ大きさを有し、
    前記補正データ取得手段は、前記被検体に対する拡散強調イメージングとは独立に前記ファントムに対する拡散強調イメージングを行って前記補正データを取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記ファントムは、空間的に一様な分布の前記既知の拡散係数を有し、
    前記補正データ取得手段は、測定した前記ファントムの拡散係数の空間分布と前記既知の拡散係数の一様分布との誤差から、前記撮像領域の空間位置に依存する誤差を補正する前記補正データを取得し、
    前記画像生成手段は、前記補正データを用いて、前記空間位置に応じて補正された前記被検体の拡散係数画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記ファントムは、前記被検体の周囲に配設され、
    前記補正データ取得手段は、前記被検体と同時に前記ファントムに対する拡散強調イメージングを行って前記補正データを取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記ファントムは、前記被検体の周囲の異なる位置に配設される複数のファントムユニットから構成され、
    前記補正データ取得手段は、前記被検体と同時に前記ファントムに対する拡散強調イメージングを行って前記補正データを取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記各ファントムユニットは、同じ値の前記既知の拡散係数を有し、
    前記補正データ取得手段は、測定した前記各ファントムユニットの拡散係数と前記既知の拡散係数との誤差から、前記撮像領域の空間位置に依存する0次又は1次の誤差を補正する前記補正データを取得し、
    前記画像生成手段は、前記補正データを用いて、前記空間位置に応じて補正された前記被検体の拡散係数画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記各ファントムユニットは、夫々異なる値の既知の拡散係数を有し、
    前記補正データ取得手段は、測定した前記各ファントムユニットの拡散係数と前記異なる値の既知の拡散係数との誤差から、拡散係数の大きさに依存する誤差を補正する補正データを求め、
    前記画像生成手段は、前記補正データを用いて、前記拡散係数の大きさに応じて補正された前記被検体の拡散係数画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記拡散係数の大きさに依存する誤差は、傾斜磁場コイルに印加する電流値と、傾斜磁場の大きさとの間の非線形性に起因する誤差である、
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. それぞれの前記ファントムユニットは、異なる値の既知の拡散係数を有する複数のサブファントムユニットが近接して配置されるよう構成され、
    前記補正データ取得手段は、測定した前記各ファントムユニットの拡散係数と前記既知の拡散係数との誤差から、前記撮像領域の空間位置に依存する0次又は1次の誤差を補正すると共に、測定した前記各サブファントムユニットの拡散係数と前記異なる値の既知の拡散係数との誤差から、拡散係数の大きさに依存する誤差を補正する、前記補正データを取得し、
    前記画像生成手段は、前記補正データを用いて、前記空間位置および前記拡散係数の大きさに応じて補正された前記被検体の拡散係数画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  11. 前記ファントムは、前記被検体の周囲に配設される複数の第1のファントムと、前記被検体の撮像領域と実質的に同じ大きさを有すると共に空間的に一様な分布の拡散係数をもつ第2のファントムと、から構成され、
    前記補正データ取得手段は、前記被検体と同時に前記第1のファントムに対する第1の拡散強調イメージングを行って第1の補正データを取得する一方、前記第1の拡散強調イメージングとは独立に前記第2のファントムに対する第2の拡散強調イメージングを行って第2の補正データを取得し、
    前記画像生成手段は、前記第1の拡散強調イメージングによって得られた前記被検体の拡散強調イメージングデータと、前記第1および第2の補正データとから、前記被検体の拡散係数画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  12. 前記第1の補正データは、前記第1のファントムの夫々の位置において測定した拡散係数と前記既知の拡散係数との誤差から求めた補正データであり、
    前記第2の補正データは、測定した前記第2のファントムの拡散係数の空間分布と前記既知の拡散係数の一様分布との誤差から求めた、前記撮像領域の空間位置に依存する2次以上の高次誤差を補正する補正データであり、
    前記画像生成手段は、前記第1及び第2の補正データが前記第1のファントムの位置で合致するように前記第2のデータを補正し、補正された前記第2の補正データを用いて、前記空間位置に応じて補正された前記被検体の拡散係数画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  13. 前記補正データは、測定した拡散係数と前記既知の拡散係数の比として表現される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  14. 前記補正データは、拡散強調イメージングデータの大きさPと拡散係数ADCとを関係付けるパラメータb値として表現される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  15. 高周波コイルユニット、をさらに備え、
    前記高周波コイルユニットは、
    既知の拡散係数をもつ前記ファントムと、
    前記ファントムを含む撮像対象からの磁気共鳴信号を受信するための受信用コイルと、
    前記ファントムを前記受信用コイルに固定するための固定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  16. 前記ファントムは、撮影視野をカバーするサイズである、
    ことを特徴とする請求項15に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  17. 前記ファントムは、複数のファントムユニットから構成される、
    ことを特徴とする請求項15に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  18. 前記ファントムユニットは、撮像対象をセットするための前記受信用コイル内の領域の周囲に均等配置される、
    ことを特徴とする請求項17に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  19. 前記ファントムユニットは、位相エンコード方向のゴーストが入らない位置に配置される、
    ことを特徴とする請求項17に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  20. それぞれの前記ファントムユニットは、互に異なる値の前記拡散係数を有する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  21. それぞれの前記ファントムユニットは、互に異なる値の物理量を有し、かつ同一の位置とみなせる位置に配置された複数のサブファントムユニットから構成される、
    ことを特徴とした請求項17に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  22. 前記ファントムユニットは前記拡散係数の値が互に同一であり、前記ファントムユニットの数は、前記拡散係数の測定値の空間分布の次数に応じた数である、
    ことを特徴とする請求項17に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  23. 前記ファントムは、被検体の拡散係数に近い拡散係数を有する、
    ことを特徴とする請求項15に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  24. 前記ファントムは、水の共鳴周波数と同等とみなせる共鳴周波数を有する、
    ことを特徴とする請求項15に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  25. 前記ファントムは、被検体の体軸方向を長手方向とする柱状である、
    ことを特徴とする請求項17に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  26. 前記固定手段は、前記ファントムユニットを人体座標系に固定するように構成される、
    ことを特徴とする請求項17に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  27. 前記受信用コイルにおいて受信された前記磁気共鳴信号を無線送信するための無線アンテナ、
    をさらに備えることを特徴とする請求項26に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  28. 高周波コイルユニット、をさらに備え、
    前記高周波コイルユニットは、
    既知の拡散係数をもつファントムと、
    前記ファントムを含む撮像対象からの磁気共鳴信号を受信するための受信用コイルと、
    前記ファントムを人体座標系に固定する固定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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