以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る外部フラッシュ装置が装着される撮像装置の一例としてのカメラの外観図である。ここで、図1(a)はカメラの前面斜視図を示し、図1(b)はカメラの背面斜視図を示している。
図1(a)及び図1(b)に示すカメラは、例として一眼レフレックスタイプのカメラを示している。即ち、カメラ100は、カメラボディ1と該カメラボディ1に対して着脱自在に構成されたレンズユニット2とを有し、レンズユニット2がカメラボディ1に装着された場合に両者が連携して動作するようになっている。
図1(a)及び図1(b)に示すように、カメラボディ1には、ホットシュー3と、操作部材4a〜4fと、ファインダーユニット5と、背面LCDパネル6が設けられている。
ホットシュー3は、詳細は後述する外部フラッシュ装置をカメラボディ1に装着するための機構である。このホットシュー3には、複数の接続端子3aが設けられており、カメラボディ1に外部フラッシュ装置を装着した際には、カメラボディ1と外部フラッシュ装置とが接続端子3aを介して通信自在に接続される。また、ホットシュー3には金属レール3bも設けられている。この金属レール3bは、外部フラッシュ装置をカメラボディ1に固定するために設けられるとともに、ホットシュー3と外部フラッシュ装置とで形成される通信回路におけるグランド端子としても機能する。
操作部材4a〜4fは、ユーザがカメラ100を操作するための各種の操作部材である。ここで、操作部材4aはレリーズボタンであり、半押し操作によってオンする1stレリーズスイッチと全押し操作によってオンする2ndレリーズスイッチの2段スイッチを操作するための操作部材である。1stレリーズスイッチがオンすることによって自動焦点制御(AF)や自動露出制御(AE)等の撮影準備動作が実行される。また、2ndレリーズスイッチがオンすることによって撮影動作が実行される。操作部材4bはパワーボタンである。パワーボタン4bの操作により、カメラ100の電源をオン又はオフさせることができる。操作部材4cは電子ダイヤルであり、シャッタ速度や絞り値等の各種の数値を設定する場合等に使用される操作部材である。操作部材4dは十字ボタンであり、上下左右の4つのボタンと中央のOKボタンとで構成されている。十字ボタン4dは、カメラのメニューを開いた際の項目の選択や決定に使用される操作部材である。操作部材4eはINFOボタンである。INFOボタン4eの操作により、背面LCDパネル6の表示形態を選択できる。操作部材4fはメニューボタンである。メニューボタン4fを押すと背面LCDパネル6上に各種設定のためのメニュー画面を表示させることができる。
ファインダーユニット5は、被写体を観察するための光学式のファインダーユニットである。このファインダーユニット5は、レンズユニット2内部の光学系を通過した光を、カメラボディ1内に設けられたミラーやペンタプリズム等の光学系を利用してアイピース5aを介して観察可能なように構成されている。
背面LCDパネル6は、カメラボディ1の背面に設けられ、撮影画像やライブビュー画像の他、メニュー画面や各種情報及び設定値等を確認するための画面等の各種の画像表示を行う表示部である。
図2は、本実施形態に係る外部フラッシュ装置の外観図である。この外部フラッシュ装置は、後述するワイヤレスフラッシュシステムにおけるコマンダーフラッシュ装置及びスレーブフラッシュ装置として機能する。なお、図2(a)は外部フラッシュ装置の前面斜視図を示し、図2(b)は外部フラッシュ装置の背面斜視図を示している。
図2(a)に示すように、外部フラッシュ装置200は、フラッシュ本体11を有している。フラッシュ本体11の下部にはシューユニット12が設けられており、このシューユニット12の係合部12aをカメラボディ1に設けられたホットシュー3の金属レール3bに係合させることにより、フラッシュ本体11をカメラボディ1に固定させることが可能である。図2(c)は、係合部12aの下面図である。係合部12aの下面には、カメラ100のホットシュー3と接続される接続端子121aが配されている。グランド端子121bは係合部12aの側面に設けられ、ホットシュー3に形成された金属レール3bと接触する。
また、フラッシュ本体11には、フラッシュヘッド13が回動可能に取り付けられている。フラッシュヘッド13は、外部フラッシュ装置200におけるフラッシュの発光部である。このフラッシュヘッド13にはロック解除ボタン13aが設けられている。ロック解除ボタン13aが押されている間、フラッシュヘッド13をフラッシュ本体11に対して回動させることが可能である。ユーザは、ロック解除ボタン13aを押しながら、フラッシュヘッド13を上下左右方向に回動させることで、フラッシュヘッド13の向き、即ちフラッシュの発光方向を変えることが可能である。また、フラッシュヘッド13には発光窓14が形成され、外部フラッシュ装置200からのフラッシュはこの発光窓14を介して照射される。
また、図2(a)に示すように、フラッシュ本体11の前面には、AF用窓15と、調光センサ窓16と、スレーブセンサ窓17と、が設けられている。
AF用窓15は、カメラ100によるAF(Auto focus)時の補助照明光の発光用の窓である。調光センサ窓16は、フラッシュ本体11内に設けられる調光センサ用の窓である。後述するワイヤレスフラッシュシステムにおいては、カメラ側のTTLセンサを用いてそれぞれの外部フラッシュ装置の調光制御を行うTTL調光と、外部フラッシュ装置側のセンサを用いてそれぞれの外部フラッシュ装置の調光制御を行うフラッシュ側制御調光の2つの調光制御を行うことができる。スレーブセンサ窓17は、フラッシュ本体11内に設けられるスレーブセンサ用の窓である。
また、図2(b)に示すように、フラッシュ本体11の背面には、LCDパネル18と、チャージランプ19と、操作部材20a〜20eとが設けられている。
LCDパネル18は、外部フラッシュ装置200の設定状態等を表示するための表示部である。チャージランプ19は、外部フラッシュ装置200内の充電用コンデンサーのチャージが完了し、フラッシュ発光が可能となったことを撮影者に告知するためのランプである。即ち、チャージランプ19は、チャージが完了して発光可能になると点灯する。
操作部材20a〜20eは、ユーザが外部フラッシュ装置200を操作するための各種の操作部材である。ここで、操作部材20aは、テストボタンである。テストボタン20aを押すと外部フラッシュ装置200がテスト発光を実施する。操作部材20bはモードボタンである。このモードボタン20bによって外部フラッシュ装置200におけるフラッシュの制御モード等を変更できる。この制御モードには、「TTL」、「AUTO」、「M」、「RC」の4つのモードがある。これらの制御モードについては後述する。操作部材20c電子ダイヤルであり、外部フラッシュ装置200における各種の設定値を変更する場合等に使用される操作部材である。操作部材20dはパワーボタンである。このパワーボタン20dによって外部フラッシュ装置200の電源のオンオフを切り替えることができる。操作部材20eはズームボタンである。このズームボタン20eにより、フラッシュヘッド13内のズーム機構を駆動して、フラッシュの照射角を変更可能である。
図3は、図1に示すカメラ及び図2に示す外部フラッシュ装置を用いた、本実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムの構成を示す図である。
図3の例では、2つの外部フラッシュ装置200a、200bを使用して撮影を行う。図3において、外部フラッシュ装置200a、200bは、何れも制御モードが「RC」に設定されている。このとき、外部フラッシュ装置200aはコマンダーフラッシュ装置として機能し、カメラ100からの指示に従って発光する。また、外部フラッシュ装置200bはスレーブフラッシュ装置として機能し、コマンダーフラッシュ装置である外部フラッシュ装置200aにおけるフラッシュ発光に従って被写体を照明するためのフラッシュを発光する。
ここで、図3の例では1つの外部フラッシュ装置のみをスレーブフラッシュ装置として使用しているが、複数のスレーブフラッシュ装置を使用するようにしても良い。また、複数のスレーブフラッシュ装置を1つのグループとして制御できるようにしても良い。
以下、本実施形態のワイヤレスフラッシュシステムについてさらに説明する。図4は、カメラ100の内部の回路ブロック構成を示す図である。ここで、図1と同一の構成については図1と同一の参照符号を付すことで説明を省略する。
図4に示すように、レンズユニット2は、レンズ駆動制御回路101を有している。このレンズ駆動制御回路101は、カメラボディ1のボディ駆動制御回路104からの指示に基づいてレンズユニット2内部に設けられる、不図示のレンズのフォーカスや絞り等の駆動制御を行う。
また、図4に示すように、カメラボディ1は、クロック回路103と、ボディ駆動制御回路104と、TTL調光回路105と、撮像回路106と、画像処理回路107と、画像記録媒体108とを有している。さらに、ボディ駆動制御回路104には、カメラボディ1の外部に露出配置された操作部材4(図1に示す操作部材4a〜4f)及び背面LCDパネル6が接続されている。
クロック回路103は、ボディ駆動制御回路104を動作させるためのクロック信号を生成する。ボディ駆動制御回路104は、クロック回路103で生成されたクロック信号に従って動作するデジタル回路である。このボディ駆動制御回路104は、操作部材4の操作に対応してカメラボディ1内の各ブロック及びレンズユニット2内のレンズ駆動制御回路101の動作を制御する。さらに、本実施形態におけるワイヤレスフラッシュ撮影を実行する際に、ボディ駆動制御回路104は、ホットシュー3を介して外部フラッシュ装置200と通信を行い、外部フラッシュ装置200と連携して作動する。
TTL調光回路105は、撮影時の本発光量を決定するための調光回路である。このTTL調光回路105は、プリ発光(撮影用のフラッシュ発光量を決めるために撮影前に行う少光量の発光)時に、レンズユニット2内の不図示のレンズを通過してくる被写体からのフラッシュの反射光を測光する。TTL調光回路105における測光結果に基づいてボディ駆動制御回路104は、本発光量を決定する。
撮像回路106は、撮像素子とその駆動回路等から構成されている。この撮像回路106は、レンズユニット2内の不図示のレンズを通過してくる被写体からの光を受光し、受光した反射光を光電変換することにより電気信号(画像信号)を発生させ、さらに該画像信号をデジタル信号(画像データ)に変換して画像処理回路107に出力する。
画像処理回路107は、画像の撮影時には、撮像回路106で得られる画像データをデジタル画像処理し、画像記録媒体108に記録させる。また、画像の再生時に、画像処理回路107は、画像記録媒体108に記録された画像データを読み出し、読み出した画像データから背面LCDパネル6に表示させるための画像データを生成する。
図5は、外部フラッシュ装置200(外部フラッシュ装置200a、200b)の回路構成を示す図である。ここで、図2と同一の構成については図1と同一の参照符号を付すことで説明を省略する。
図5において、第1の発光制御部、設定部、発光制御許可部としての機能を有する制御回路IC1は、例えばワンチップマイクロコンピュータから構成されており、外部フラッシュ装置200内の各部の制御、各種演算、ホットシュー3を介してのカメラ100との通信等を実施する。カメラ100との通信のために、制御回路IC1は、接続端子部J1に接続されている。接続端子Gはグランド端子であり、接続端子Xがカメラ100からの発光指示信号(X信号)を受けるためのX端子であり、接続端子S1、S2、S3がカメラ100からの各種の情報を受けるための通信端子である。カメラ100に外部フラッシュ装置200が装着された場合に、カメラ100と外部フラッシュ装置200との通信ラインが接続され、カメラ100と外部フラッシュ装置200とが通信可能となる。
また、制御回路IC1には、外部フラッシュ装置の外部に露出配置された操作部材20(図2に示す操作部材20a〜20e)が接続されている。何れかの操作部材の操作がなされた場合にはその操作部材からの信号が制御回路IC1に入力される。これを受けて制御回路IC1は操作部材20の操作状態を識別する。さらに、制御回路IC1には、LCDドライバが内蔵されており、このLCDドライバはLCDパネル18に接続されている。制御回路IC1は、LCDドライバを制御してLCDパネル18による表示を実施する。
また、制御回路IC1には、調光センサ制御回路AUTO_CKTを介してフォトダイオードPD1が接続されるとともに、スレーブ信号処理回路SLV_CKTを介してフォトダイオードPD2が接続されている。フォトダイオードPD1は、調光センサとしての機能を有している。即ち、フォトダイオードPD1は、フラッシュ発光による被写体からの反射光を受光し、この時の受光量に対応した光電流を出力する。調光センサ制御回路AUTO_CKTは、フォトダイオードPD1からの出力を積分し、この積分値が所定量に達したら制御回路IC1に対して適正信号を出力する。制御回路IC1は適正信号の入力を受けてフラッシュ調光が適正に行われていることを認識する。フォトダイオードPD2は、スレーブセンサとしての機能を有している。即ち、フォトダイオードPD2は、詳細は後述するRCモードにおいて、カメラ100からのフラッシュパルスを受光し、この時の受光量に対応した光電流を出力する。スレーブ信号処理回路SLV_CKTは、フォトダイオードPD2からの出力を処理して、フォトダイオードPD2からの出力に対応したデジタルパルスを制御回路IC1とカウンタIC2とに出力する。
また、制御回路IC1には、AFイルミネータLED及びチャージランプ19が接続されている。AFイルミネータLEDはAF用補助光発光用のLEDである。このAFイルミネータLEDはカメラ100からの指示をうけた制御回路 IC1より点灯される。チャージランプ19は上述したようにチャージが完了した時点で点灯するLEDである。このチャージランプ19の点灯も制御回路IC1が行う。
電源BATは例えば電池等の外部フラッシュ装置200の電源である。DCDCコンバータDCDCは、電源BATの電圧を昇圧して外部フラッシュ装置200内部の回路が作動するために必要な安定電圧を生成する。
昇圧トランスT1は、1次側の巻き線が電池BATに、2次側の巻き線がダイオードD1に接続されている。また、1次側の巻き線はトランジスタスイッチQ1を介して制御回路IC1に接続されている。トランジスタスイッチQ1は、例えばMOSFETによって構成され、制御回路IC1からの駆動パルスによりスイッチングされるものである。トランジスタスイッチQ1によってスイッチングを行うことにより、昇圧トランスT1は、電池BATの電圧を昇圧して2次側に高電圧を発生させ、この2次側に発生させた高電圧を、ダイオードD1を介してメインコンデンサーC1に印加することによってメインコンデンサーC1をチャージする。なお、ダイオードD1は昇圧トランスT1への逆流防止のために設けられたものである。
メインコンデンサーC1は、フラッシュ発光のための電圧をチャージするためのコンデンサーである。メインコンデンサーC1にチャージされた電圧はダイオードD2を介して、キセノン管Xe1のアノードに印加されるとともに、電気抵抗素子R1を介して倍電圧コンデンサーC2と、トリガーコンデンサーC3にも印加される。整流ダイオードD3は、フラッシュの発光時にキセノン管Xe1に電流を通過させるために設けられている。トランジスタスイッチQ2は、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)によって構成され、整流ダイオードD3のカソードとグランドとの間に設けられ、ロジック回路OR1又はAND1を介して制御回路IC1又はカウンタIC2によりスイッチングされる。
トリガートランスT2は、1次側の巻き線がトリガーコンデンサーC3に接続されている。このトリガートランスT2は、トランジスタスイッチQ2がオンしたときにトリガーコンデンサーC3に発生するマイナス電圧に従った高電圧を2次側に発生させる。この2次側に発生した高電圧によってキセノン管Xe1を放電させ、フラッシュ発光を行う。
第2の発光制御部としての機能を有するカウンタIC2は、トランジスタスイッチQ2のスイッチングを行うための回路である。カウンタIC2は2つの入力端子IN1及びIN2を有しており、入力端子IN1又はIN2に印加されるパルスの立ち上がりエッジに応答して出力端子OUT1をハイ状態にする。また、カウンタIC2は、制御回路IC1より指示される所定の時間をカウントした時点で出力端子OUT1をロー状態に復帰させる。なお、カウンタIC2は、例えばMOSゲートによるロジック回路で構成する。このようなMOSゲートによるロジック回路で構成されたカウンタは、応答速度が1μs以下の高速動作をする。
図6は、カメラ100が通常モードである時の背面LCDパネル6の画面遷移の様子を示す図である。図6に示す表示は、INFOボタン4eを押す毎に切り替えられる。なお、通常モードはメニュー画面上でワイヤレスフラッシュ制御モード(以下、このモードをRCモードとする)が選択されていない場合の表示である。
DSP11は通常時の表示である。このDSP11の表示では、通常の撮影で確認することが多い項目(図6の例では、撮影モード、シャッタ速度、絞り値、日付、ISO感度、ホワイトバランス設定、フラッシュ設定、画像処理設定、測光モードの設定、測距モードの設定、AF/MF(マニュアルフォーカス)の設定、単写/連写の設定、現在の画像記録媒体108の種類、画質モードの設定、残り撮影枚数)についての表示を行う。またこの表示がなされている状態で十字ボタン4dにより設定項目を選択及び決定すると、各種項目を表示上で設定変更することが可能である。
DSP12は、背面LCDパネル6の表示をオフした状態である。消費電力をセーブする場合やファインダを覗く際に背面LCDパネル6からの光が邪魔になる場合等には表示をオフさせる。
図7は、カメラ100がRCモードに移行した時の背面LCDパネル6の画面遷移の様子を示す図である。図7に示す表示も、INFOボタン4eを押す毎に切り替えられる。
DSP21は、RCモード時の通常時の表示である。このDSP21の表示では、図6と同様の通常の撮影で確認することが多い項目についての表示を行う。ただし、RCモード時においては、RCモードとなっていることを示すための表示31もなされる。
DSP22は、背面LCDパネル6の表示をオフした状態である。消費電力をセーブする場合やファインダを覗く際に背面LCDパネル6からの光が邪魔になる場合等には表示をオフさせる。
DSP23は、ワイヤレスフラッシュ撮影を行う場合の専用の表示である。このDSP23の表示では、複数のスレーブフラッシュ装置を用いた場合のグループ毎のスレーブフラッシュの設定(図7の例では、3つのグループA、B、Cが存在している例を示しており、グループ毎に調光モード及びフラッシュ発光量の設定を行える)や高速秒時同調発光(FP)のオン/オフ、ワイヤレスフラッシュ撮影時に用いる通信チャンネル等の各種の動作条件をマトリックス状に表示でき、またDSP21と同様に十字ボタン4dを用いて外部フラッシュ装置の動作条件の設定変更を行うことが可能である。
図7の何れかの表示がなされている状態でレリーズボタン4aが押されるとワイヤレスフラッシュ撮影が実行される。撮影の実行後は、撮影画像が所定時間表示され、その後は撮影前の表示状態に復帰する。
なお、RCモードに移行した場合にはワイヤレスフラッシュ撮影が行われることが想定されるので、通常モードからRCモードに移行した場合には自動的にDSP23の表示がなされるようにしても良い。
図8は、コマンダーフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200aがカメラ100に装着された時のLCDパネル18の画面遷移の様子を示す図である。
外部フラッシュ装置200aがカメラ100に装着されていても、カメラ100の動作モードがワイヤレスフラッシュ制御モード(RCモード)以外の通常モードに設定されている場合には、モードボタン20bを押す毎にDSP31、DSP32、DSP33の間で表示の切り替えを行う。即ち、通常モードにおいては、モードボタン20bを押す毎に外部フラッシュ装置200aにおけるフラッシュの制御モードが順次切り替わる。また、この制御モードの変更に伴って外部フラッシュ装置200aの制御モードを示す表示32も切り替わる。なお、TTL(Through The Lens)は、TTL−AUTOモードを示している。このTTL−AUTOモードは外部フラッシュ装置200におけるフラッシュの調光制御をカメラ側のTTLセンサを用いて行うモードである。また、AUTOは、外光AUTOを示している。この外光AUTOモードは外部フラッシュ装置200におけるフラッシュの調光制御を外部フラッシュ装置200の調光センサを用いて行うモードである。M(Manual)は、マニュアルモードを示している。このマニュアルモードはフラッシュの発光量をユーザが決定できるモードである。
一方、外部フラッシュ装置200aがカメラ100に装着されている状態でカメラ100の動作モードがRCモードに設定された場合には、DSP34で示すコマンダー表示を行う。この場合には、外部フラッシュ装置200aがコマンダーフラッシュ装置として機能する。また、この際には、外部フラッシュ装置200aがコマンダーフラッシュ装置として機能していることを示すための表示33がなされる。
図9は、スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200bのLCDパネル18の画面遷移の様子を示す図である。
カメラ100に装着されていないスレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200bについては、モードボタン20bを押す毎にDSP41、DSP42、DSP43の間で表示の切り替えを行う。ここで、DSP41、DSP42はフラッシュの制御モードを示している。なお、DSP41の表示はDSP32の表示に対応しており、DSP42の表示はDSP33の表示に対応している。また、DSP43の表示がなされている間は、外部フラッシュ装置200bがスレーブフラッシュ装置として機能する。また、この際には、外部フラッシュ装置200bがスレーブフラッシュ装置として機能していることを示すための表示34がなされる。
以下、ワイヤレスフラッシュ撮影について説明する。図10は、図3に示すワイヤレスフラッシュシステムのフラッシュによる無線通信の形態を示す図である。
本実施形態では、コマンダーフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200aが1回の撮像について例えば10回発光する。この10回の発光のうち、1回目の発光をSFL1、2回目以後の発光をSFL2、…、SFL10とする。またSFL1とSFL2との発光間隔をT(DT1)とし、以後、順次T(DT2)、T(DT3)、TM1、TM2、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)、TM3、TM4とする。本例では、スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200bはSFL5に同期してプリ発光を行い、SFL10に同期して本発光を行う。
T(DT1)の期間では通信のチャンネルや高速秒時同調発光のオン/オフ設定等の各グループに共通のデータを送る。続く、T(DT2)、T(DT3)の期間では各グループの発光モード(TTL/AUTO/M)のデータを送る。それぞれの期間で送信されるデータDT1、DT2、DT3は、それぞれ3ビットデータで構成され、それぞれのデータは5msのオフセットに、1ビット当たり0.5msを加えた発光間隔で表現されている。
また、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)の期間では各グループの発光量に対応するデータを送る。それぞれの期間で送信されるデータDT4、DT5、DT6はそれぞれ5ビットデータで構成され、それぞれのデータは5msのオフセットに、1ビット当たり0.25msを加えた発光間隔で表現されている。
何れのデータも、5msという所定のオフセット時間にそれぞれのデータに対応する時間を加算して構成している。この場合、T(DT1)、T(DT2)、T(DT3)は最短で5ms(データ0の場合)、最長で8.5ms(データ7の場合)となる。また、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)は最短で5ms(データ0の場合)、最長で12.75ms(データ31の場合)となる。
さらに、プリ発光トリガSFL5の、隣接発光との時間は5〜9msの範囲と規定されている。したがって、SFL1からSFL6までのパルス間隔は5〜9msの範囲になるはずであり、1つでもパルスを認識できないとパルス間隔が10msを超える。このため、パルス間隔が10msを超えた時点で何れかのフラッシュ信号光が認識できなかったと判定することができる。この場合は、通信エラーとして外部フラッシュ装置200bは以後の動作をキャンセルして通信待ちの状態に戻る。
ここで、本実施形態における無線通信では、コマンダーフラッシュ装置からのフラッシュパルスのパルス間隔の分解能は0.25msと小さく、コマンダーフラッシュ装置からのフラッシュパルスの送信時とスレーブフラッシュ装置におけるフラッシュパルスの受信時の両方の誤差が影響する。このため、コマンダーフラッシュ装置におけるフラッシュパルスの発光間隔の精度は、±50μs以下程度の高い時間間隔精度とすることが好ましい。
図11は、カメラ100によってコマンダーフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200aをRCモードに設定する際の処理を示すフローチャートである。
パワーボタン4bによってカメラ100の電源がオンされる等して図11の動作が開始される。まず、パワーボタン4bによってカメラ100の電源がオンされると撮影待機状態となる(ステップS801)。この撮影待機状態において、ボディ駆動制御回路104はユーザによりメニューボタン4fが操作されたか否かを判定している(ステップS802)。ステップS802の判定において、メニューボタン4fが操作されるまで撮影待機状態を継続する。
一方、ステップS802の判定において、メニューボタン4fが操作されると、ボディ駆動制御回路104は背面LCDパネル6にメニュー画面を表示させる。以後は、ユーザの十字ボタン4dの操作に従ってメニュー画面上での各種設定変更動作を実行する(ステップS803)。ユーザによるメニュー項目の選択及び設定の変更がなされた際に、ボディ駆動制御回路104は、ユーザによってRCモードが設定されたか否かを判定する(ステップS804)。ステップS804の判定において、メニュー画面上でRCモードが設定された場合に、ボディ駆動制御回路104は、カメラの動作モードをRCモードに移行させる(ステップS805)。また、ボディ駆動制御回路104は背面液晶パネル6の表示をDSP23の表示に切り替える。続いて、ボディ駆動制御回路104は、カメラ100に接続されている外部フラッシュ装置200aにおけるフラッシュの制御モードをRCモードに移行させるためのコマンドを、通信端子を介して送る(ステップS806)。このコマンドを認識して外部フラッシュ装置200aの制御回路IC1は、フラッシュの制御モードをRCモードに設定するとともに、LCDパネル18の表示をDSP34の表示に切り替える。なお、RCモードに移行させるコマンドの送信後は、処理がステップS801に戻る。
また、ステップS804の判定において、メニュー画面上でRCモードが設定されていない場合に、ボディ駆動制御回路104は、メニュー画面上でRCモードが解除されたか否かを判定する(ステップS807)。ステップS807の判定において、メニュー画面上でRCモードが解除された場合に、ボディ駆動制御回路104は、カメラの動作モードを通常モードに移行させる(ステップS808)。続いて、ボディ駆動制御回路104は、カメラ100に接続されている外部フラッシュ装置200aのRCモードを解除するためのコマンドを、通信端子を介して送る(ステップS809)。このコマンドを認識して外部フラッシュ装置200aの制御回路IC1は、RCモードを解除するとともに、LCDパネル18の表示を切り替える。なお、RCモードの解除コマンドの送信後は、処理がステップS801に戻る。
また、ステップS807の判定において、RCモードに関する設定がなされていなければ、ボディ駆動制御回路104は、メニュー画面を開く前の画面を背面LCDパネル6に表示させた後(ステップS810)、撮影待機状態に戻る。
図12〜図15は、RCモードに設定されたカメラ100の撮影時の動作について示すフローチャートである。この動作は、RCモードが設定されている際に、レリーズボタン4aが押されて1stレリーズスイッチがオンすることにより実行される。
ユーザがレリーズボタン4aを半押しすると1stレリーズスイッチがオンする。これをボディ駆動制御回路104が検知すると、ボディ駆動制御回路104は、コマンダーフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200aがフラッシュパルスを送信する際の発光量を、通信端子を介して外部フラッシュ装置200aに送信する(ステップS901)。続いてボディ駆動制御回路104は、AF及びAE動作を実行する(ステップS902)。AF及びAE動作の終了後、ボディ駆動制御回路104はユーザのレリーズボタン4aの全押しによって2ndレリーズスイッチがオンされたか否かを判定する(ステップS903)。ステップS903の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされるまでは待機する。一方、ステップS903の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされた場合に、ボディ駆動制御回路104は、撮影前に予め設定されている、外部フラッシュ装置200bとの通信に用いるチャンネル及び発光モードから、DT1、DT2、DT3の値とこれらの値に対応する時間とを確定する(ステップS904)。
次に、ボディ駆動制御回路104は、外部フラッシュ装置200aによるフラッシュパルスの発光を開始する。このために、ボディ駆動制御回路104は、SFL1の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS905)。SFL1の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT1に対応した時間であるT(DT1)が経過したか否かを判定し(ステップS906)、T(DT1)が経過するまで待機する。ステップS906の判定において、T(DT1)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL2の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS907)。SFL2の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT2に対応した時間であるT(DT2)が経過したか否かを判定し(ステップS908)、T(DT2)が経過するまで待機する。ステップS908の判定において、T(DT2)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL3の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS909)。SFL3の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT3に対応した時間であるT(DT3)が経過したか否かを判定し(ステップS910)、T(DT3)が経過するまで待機する。ステップS910の判定において、T(DT3)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL4の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS911)。以上で、DT1、DT2、DT3の送信が完了する。
次に、ボディ駆動制御回路104はプリ発光指示のためのトリガ発光を行う。即ち、SFL4の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、外部フラッシュ装置200bが受信データを判断してプリ発光準備をするのに必要な所定時間T(TM1)が経過したか否かを判定し(ステップS912)、T(TM1)が経過するまで待機する。ステップS912の判定において、T(TM1)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、プリ発光のためのトリガ発光であるSFL5の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS913)。SFL5の発光後、スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200bによってプリ発光が行われる。これを受けて、ボディ駆動制御回路104は、TTL調光回路105により、プリ発光により照明された被写体を測光し(ステップS914)、該測光結果をもとに、本発光時に外部フラッシュ装置200bが発光すべき発光量、又はそれに対応する数値(発光量を演算するための絞り値及び被写体距離)を確定する。さらに、その確定値に従って、各外部フラッシュ装置に送信すべきデータDT4、DT5、DT6の値とこの値に対応する時間とを算出する(ステップS915)。
DT4、DT5、DT6の算出後、ボディ駆動制御回路104は、外部フラッシュ装置200bが次のデータを受信できるように準備するために必要な所定時間T(TM2)が経過したか否かを判定し(ステップS916)、T(TM2)が経過するまで待機する。ステップS916の判定において、T(TM2)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次のSFL6の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS917)。このSFL6の発光により、外部フラッシュ装置200bの発光制御のためのデータの送信が開始される。
SFL6の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT4に対応した時間であるT(DT4)が経過したか否かを判定し(ステップS918)、T(DT4)が経過するまで待機する。ステップS918の判定において、T(DT4)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL7の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS919)。SFL7の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT5に対応した時間であるT(DT5)が経過したか否かを判定し(ステップS920)、T(DT5)が経過するまで待機する。ステップS920の判定において、T(DT5)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL8の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS921)。SFL8の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT6に対応した時間であるT(DT6)が経過したか否かを判定し(ステップS922)、T(DT6)が経過するまで待機する。ステップS922の判定において、T(DT6)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、データ送信の終了を示す発光であるSFL9の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS923)。
以上で外部フラッシュ装置200bへのデータ送信を終了したので、以後は撮影動作を実行する。SFL9の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、不図示のクイックリターンミラーのミラーアップを開始し(ステップS924)、ミラーアップが完了すると不図示のフォーカルプレーンシャッタの先幕の走行を開始させる(ステップS925)。先幕の走行を開始させた後、ボディ駆動制御回路104は、先幕の走行が完了したか否かを判定し(ステップS926)、先幕の走行が完了するまで待機する。ステップS926の判定において、先幕の走行が完了すると、ボディ駆動制御回路104は、本発光のためのトリガ発光となる発光であるSFL10の発光を行うように外部フラッシュ装置200aに対してX信号を出力する(ステップS927)。このSFL10の発光に同期して、各外部フラッシュ装置は本発光を実施することになる。
SFL10の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、フォーカルプレーンシャッタの後幕の走行を開始させる(ステップS928)。後幕の走行を開始させた後、ボディ駆動制御回路104は、後幕の走行が完了したか否かを判定し(ステップS929)、後幕の走行が完了するまで待機する。ステップS929の判定において、後幕の走行が完了すると、ボディ駆動制御回路104は、撮影が終了したと判断する。そして、ボディ駆動制御回路104は、画像処理回路107により撮像回路106から画像データを読み出し(ステップS930)、画像処理回路107においてデジタル画像処理を実行させる(ステップS931)。画像処理の終了後、ボディ駆動制御回路104は、画像処理後の画像データを画像記録媒体108に書き込む(ステップS932)。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影動作が終了する。
図16は、コマンダーフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200aのRCモードにおける撮影時の動作について示すフローチャートである。
外部フラッシュ装置200aが動作状態になると、制御回路IC1は、カメラ100からの通信要求がなされたか否かを判定する(ステップS1001)。この通信要求がなされたか否かの判定は、例えば通信端子S1のレベルがハイ状態からロー状態に変化したか否かを判定することで行う。ステップS1001の判定において、通信要求がなされるまで待機する。
ステップS1001の判定において、カメラ100から通信要求があった場合に、制御回路IC1は、通信端子S2やS3を介してカメラ100との通信を実行する(ステップS1002)。通信の後、制御回路IC1はカメラ100から伝達された情報を識別し、識別した情報がRCモードの設定指示であるか否かを判定する(ステップS1003)。ステップS1003の判定において、識別した情報がRCモードの設定指示であった場合に、制御回路IC1は、フラッシュの制御モードをRCモードに設定するとともに、LCDパネル18の表示をDSP34の表示に切り替える(ステップS1004)。その後に処理がステップS1007に移行する。
また、ステップS1003の判定において、識別した情報がRCモードへの設定指示でない場合に、制御回路IC1は、識別した情報がRCモードの解除指示であるか否かを判定する(ステップS1005)。ステップS1005の判定において、識別した情報がRCモードの解除指示であった場合に、制御回路IC1は、RCモードを解除するとともに、LCDパネル18の表示をDSP31の表示に切り替える(ステップS1006)。その後に処理がステップS1007に移行する。
ステップS1004、ステップS1005、又はステップS1006の後、制御回路IC1は、現在のフラッシュの制御モードがRCモードであるか否かを判定する(ステップS1007)。ステップS1007の判定において、現在のフラッシュの制御モードがRCモードでない通常モードである場合に、制御回路IC1は、通信内容に沿った動作を実施する(ステップS1008)。この動作は、例えばカメラ100側から発光量等のデータが受信された場合にはそのデータを記憶する動作や、カメラ100側からプリ発光や本発光のコマンドを受信した場合にはフラッシュの発光制御を実施する動作等が含まれる。
通信に対応した動作の実施後、制御回路IC1は、カメラ100からX端子を介してX信号が入力されたか否かを判定する(ステップS1009)。ステップS1009の判定においてX信号が入力されていない場合には処理がステップS1001に戻る。一方、ステップS1009の判定において、X信号が入力された場合に、制御回路IC1は、出力端子CNT1の出力を制御して、トランジスタスイッチQ2を駆動し、フラッシュの発光制御を実施する(ステップS1010)。つまり、RCモードでない場合は、制御回路IC1がソフトウエアによってカメラ100からの発光コマンドを識別した場合又はカメラ100からX信号の入力を確認した場合にフラッシュの発光制御が実施される。
また、ステップS1007の判定において、現在のフラッシュの制御モードがRCモードである場合に、制御回路IC1は、ステップS1002の通信によってカメラ100側より送信された発光量(具体的にはトランジスタスイッチQ2のオン時間に相当するデータ)を、カウンタIC2に設定する(ステップS1011)。さらに、制御回路IC1は出力端子CNT2をハイ状態とし、カウンタIC2によるトランジスタスイッチQ2の駆動を許可する(ステップS1012)。この場合には、カメラ100からX信号が入力されたときにカウンタIC2の出力OUT1がハイ状態となる。これによってトランジスタスイッチQ2がオン状態となってフラッシュパルスの発光が実施される。制御回路IC1によって設定された時間が経過するとカウンタIC2の出力OUT1がロー状態となる。これによってトランジスタスイッチQ2がオフ状態となってフラッシュパルスの発光が終了される。
図17は、カメラ100と外部フラッシュ装置200aとの間の通信の際のタイミングチャートである。なお、図17の例において、通信端子S1はカメラ100から外部フラッシュ装置200aへの通信要求信号送信用の通信端子であるとし、通信端子S2はカメラ100から外部フラッシュ装置200aへのデータ送信用の通信端子であるとし、通信端子S3は外部フラッシュ装置200aからカメラ100へのデータ送信用の通信端子であるとする。
通信要求は、カメラ100のボディ駆動制御回路104が通信端子S1の出力をロー状態とすることで行われる。外部フラッシュ装置200aの制御回路IC1は通信端子S1の出力を監視しており、通信端子S1の出力がロー状態となったことを識別した場合にカメラ100からのデータ待ちの状態となる。この後、カメラ100からは、通信端子S2を介して各種のデータやコマンドが所定のフォーマットに従って出力される。また、外部フラッシュ装置200aからは、通信端子S3を介して各種のデータが出力される。
図18は、カメラ100からの発光コマンドに従って外部フラッシュ装置200aが発光する際のタイミングチャートである。この場合、外部フラッシュ装置200aのフラッシュの制御モードは通常モードとなっている。なお、通信端子S2、S3の波形における斜線部は何らかのデジタル信号が出力されていることを示す。
この場合には、カメラ100と外部フラッシュ装置200aとの通信によってカメラ100から発光量とフラッシュ発光のコマンドとが送信される。フラッシュ発光のコマンドを認識した場合に、外部フラッシュ装置200aの制御回路IC1が出力端子CNT1を一定時間ハイ状態とする。これによりロジック回路OR1の出力がハイ状態となってトランジスタスイッチQ2がオン状態となる。即ち、出力端子CNT1がハイ状態となった場合には、出力端子CNT2及び出力端子OUT1の状態にかかわらずにトランジスタスイッチQ2がオン状態となってフラッシュの発光が実施される。
ここで、カメラ100からの発光コマンドは制御回路IC1のソフトウエアを介して認識される。したがって、若干の遅れをもって出力端子CNT1が駆動される。この遅れは、発光コマンドを受信したときの制御回路IC1の処理状態によって変化するものである。
図19は、カメラ100からのX信号に従って外部フラッシュ装置200aが発光する際のタイミングチャートであって、外部フラッシュ装置200aのフラッシュの制御モードが通常モードの場合のタイミングチャートである。
図19の場合も、図18の場合と同様に、X信号の変化が制御回路IC1のソフトウエアを介して認識される。したがって、図18の場合と同様に若干の遅れをもって出力端子CNT1が駆動される。この遅れも、X信号を受信したときの制御回路IC1の処理状態によって変化するものである。
図20は、カメラ100からのX信号に従って外部フラッシュ装置200aが発光する際のタイミングチャートであって、外部フラッシュ装置200aのフラッシュの制御モードがRCモードの場合のタイミングチャートである。
この場合は、カメラ100と外部フラッシュ装置200aとの事前の通信によって外部フラッシュ装置200aのフラッシュ制御モードがRCモードになっている。したがって、制御回路IC1によって出力端子CNT2がハイ状態に設定されている。この状態でカメラ100からX信号が入力されると、カウンタIC2はハードウエアによって直ちに出力端子OUT1をロー状態からハイ状態とし、且つ制御回路IC1によって設定されたカウント時間のカウントを開始する。そして所定時間のカウントが終了するとカウンタIC2は出力端子OUT1をロー状態にリセットする。
図20の動作では、制御回路IC1によって発光コマンドやX信号の認識を行う必要がないので、X信号の入力からの遅れ時間がほとんどないタイミングでフラッシュの発光を行うことが可能である。
図21〜図25は、スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200bのRCモードにおける撮影時の動作について示すフローチャートである。
フラッシュの制御モードがRCモードに設定されると、制御回路IC1は、スレーブセンサPD2をオンさせて(ステップS1101)、スレーブセンサPD2からの信号待ち状態になる(ステップS1102)。ステップS1102の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合、言い換えればカメラ100からのフラッシュパルスを検出した場合に、制御回路IC1はSFL1の受光を認識し、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1103)。
タイマのカウントスタート後、制御回路IC1は、スレーブセンサPD2からの次の信号(即ちSFL2)待ちの状態になる(ステップS1104)。ステップS1104の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出していない場合に、制御回路IC1はタイマがタイムアウトしたか否か、即ちタイマの値が規定の時間範囲の最大値を超えたか否かを判定する(ステップS1105)。ステップS1105の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、制御回路IC1はフラッシュパルスの待ち状態を継続する。一方、ステップS1105の判定において、タイマがタイムアウトした場合には通信エラーが発生したとして、そこまで受信した内容をリセットした後、処理がステップS1102に戻る。その後に、制御回路IC1は再びフラッシュパルスSFL1の待ち状態となる。
また、ステップS1104の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合に、制御回路IC1はSFL2の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1106)。引き続いて、制御回路IC1は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1107)。その後、制御回路IC1は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT1の値を算出する(ステップS1108)。
DT1の算出が終了すると、制御回路IC1は、スレーブセンサPD2からの次の信号(即ちSFL3)待ちの状態になる(ステップS1109)。ステップS1109の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出していない場合に、制御回路IC1はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1110)。ステップS1110の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、制御回路IC1はフラッシュパルスの待ち状態を継続する。一方、ステップS1110の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1102に戻って制御回路IC1はフラッシュパルスSFL1の待ち状態となる。
また、ステップS1109の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合に、制御回路IC1はSFL3の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1111)。引き続いて、制御回路IC1は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1112)。その後、制御回路IC1は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT2の値を算出する(ステップS1113)。DT2の算出が終了すると、制御回路IC1は、スレーブセンサPD2からの次の信号(即ちSFL4)待ちの状態になる(ステップS1114)。ステップS1114の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出していない場合に、制御回路IC1はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1115)。ステップS1115の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、制御回路IC1はフラッシュパルスの待ち状態を継続する。一方、ステップS1115の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1102に戻って制御回路IC1はフラッシュパルスSFL1の待ち状態となる。
また、ステップS1114の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合に、制御回路IC1はSFL4の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1116)。引き続いて、制御回路IC1は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1117)。その後、制御回路IC1は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT3の値を算出する(ステップS1118)。以上で、外部フラッシュ装置200bは、カメラ100が送信したチャンネルとグループ毎の発光モードのデータの受信を完了する。
DT3の算出が終了すると、制御回路IC1は、スレーブセンサPD2からの次の信号(即ちSFL5)待ちの状態になる(ステップS1119)。ステップS1119の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出していない場合に、制御回路IC1はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1120)。ステップS1120の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、制御回路IC1はフラッシュパルスの待ち状態を継続する。一方、ステップS1120の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1102に戻って制御回路IC1はフラッシュパルスSFL1の待ち状態となる。
また、ステップS1119の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合に、制御回路IC1はSFL5の受光を認識する。この場合、制御回路IC1は、カメラ100からのプリ発光のトリガ信号と認識するので、直ちにタイマをリセット及びスタートさせ(ステップS1121)、その後にプリ発光を実行する(ステップS1122)。なお、プリ発光時の発光光量は、ある値に予め固定されているものとする。
プリ発光の後、制御回路IC1は、次の信号(即ちSFL6)待ちの状態になる(ステップS1123)。このSFL6はDT4以降のデータの送信開始を示す発光となる。ステップS1123の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出していない場合に、制御回路IC1はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1124)。ステップS1124の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、制御回路IC1はフラッシュパルスの待ち状態を継続する。一方、ステップS1124の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1102に戻って制御回路IC1はフラッシュパルスSFL1の待ち状態となる。
また、ステップS1123の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合に、制御回路IC1はSFL6の受光を認識し、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1125)。その後、制御回路IC1は、次の信号(即ちSFL7)待ちの状態になる(ステップS1126)。ステップS1126の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出していない場合に、制御回路IC1はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1127)。ステップS1127の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、制御回路IC1はフラッシュパルスの待ち状態を継続する。一方、ステップS1127の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1102に戻って制御回路IC1はフラッシュパルスSFL1の待ち状態となる。
また、ステップS1126の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合に、制御回路IC1はSFL7の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1128)。引き続いて、制御回路IC1は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1129)。その後、制御回路IC1は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT4の値を算出する(ステップS1130)。DT4の算出が終了すると、制御回路IC1は、スレーブセンサPD2からの次の信号(即ちSFL8)待ちの状態になる(ステップS1131)。ステップS1131の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出していない場合に、制御回路IC1はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1132)。ステップS1132の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、制御回路IC1はフラッシュパルスの待ち状態を継続する。一方、ステップS1132の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1102に戻って制御回路IC1はフラッシュパルスSFL1の待ち状態となる。
また、ステップS1131の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合に、制御回路IC1はSFL8の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1133)。引き続いて、制御回路IC1は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1134)。その後、制御回路IC1は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT5の値を算出する(ステップS1135)。DT5の算出が終了すると、制御回路IC1は、スレーブセンサPD2からの次の信号(即ちSFL9)待ちの状態になる(ステップS1136)。ステップS1136の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出していない場合に、制御回路IC1はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1137)。ステップS1137の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、制御回路IC1はフラッシュパルスの待ち状態を継続する。一方、ステップS1137の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1102に戻って制御回路IC1はフラッシュパルスSFL1の待ち状態となる。
また、ステップS1136の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合に、制御回路IC1はSFL9の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1138)。引き続いて、制御回路IC1は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1139)。その後、制御回路IC1は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT6の値を算出する(ステップS1140)。以上で外部フラッシュ装置200bは全てのデータを受信したので、制御回路IC1は、受信した各データのうち、自身に設定されているチャンネル及びグループに対応したデータを採用して本発光時の発光量又はそれに対応するデータを確定する(ステップS1141)。これら確定したデータは、制御回路IC1の内部の発光制御用のレジスタに格納する。
本発光時の発光量を確定した後、制御回路IC1は、スレーブセンサPD2からの次の信号(即ちSFL10)待ちの状態になる(ステップS1142)。ステップS1142の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出していない場合に、制御回路IC1はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1143)。ステップS1143の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、制御回路IC1はフラッシュパルスの待ち状態を継続する。一方、ステップS1143の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1102に戻って制御回路IC1はフラッシュパルスSFL1の待ち状態となる。また、ステップS1142の判定において、スレーブセンサPD2からの信号を検出した場合に、制御回路IC1は本発光を実行する(ステップS1144)。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影動作が終了する。
以上説明したように第1の実施形態によれば、外部フラッシュ装置200aがカメラ100に接続された状態で外部フラッシュ装置200aのフラッシュの制御モードがワイヤレス制御モード(RCモード)に設定された際には、カメラ100からのX信号の入力に対応してハードウエア回路によりほぼリアルタイムでの発光を行うことができる。このため、外部フラッシュ装置200aから正確な時間間隔のフラッシュパルスを外部フラッシュ装置200bに送信でき、結果として通信のエラーが発生する可能性を低減できる。
また、カメラ100側の信号に正確に同期して外部フラッシュ装置200aを発光させることができるため、測光等のカメラ100側の制御と外部フラッシュ装置200aの発光とを同期させることができる。これにより、外部フラッシュ装置200bで検出されるフラッシュパルスにおける定常光成分を減らして外部フラッシュ装置200bにおけるフラッシュパルスの検出精度を高めることができる。
また、RCモードの場合には、カメラ100がX端子を駆動するのみで発光が行われるので、外部フラッシュ装置200aを発光させる際のカメラ100側の制御が容易である。また、X端子をそのまま利用できるため、従来の通信ハードウエアを改変する必要がない。また、通信端子と発光の指示端子とを分離して使用しているので、X信号の送信中であってもカメラ100と外部フラッシュ装置200aとの通信が可能である。
また、外部フラッシュ装置200aがカメラ100に接続された状態でカメラ100の動作モードをRCモードに設定した場合には、自動的に外部フラッシュ装置200aもRCモードに切り替わる。このため、ユーザの設定ミスによりフラッシュの設定変更を忘れて意図しない写真が撮れてしまうことがない。また、ユーザはカメラ100の操作に集中すればよく、設定時間の浪費やミスを少なくできる。
さらに、外部フラッシュ装置200aをコマンダーフラッシュ装置として動作させない場合には、カメラ100からの信号をソフトウエアによって認識してから発光を行うことができる。この場合には、フラッシュの状況やその反射光を反映させて発光時間を変える制御や、フラッシュの発光タイミングを変える制御等の各種の発光制御を実施できる。この結果、高精度の発光量で発光を行うことができる。
ここで、上述した実施形態では、スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200bの制御の全てを制御回路IC1が行う例について説明している。しかしながら、一連の通信の中でプリ発光や本発光を実施する場合には、スレーブセンサPD2の信号(即ち、SFL5及びSFL10)からハードウエア回路によって発光制御をするようにしてもよい。この場合には、図5のように、カウンタIC2の入力端子にスレーブセンサPD2を接続しておく。さらに、カメラ100から発光指示のフラッシュパルスがくると予測される少し前(SFL4の受信後やSFL9の受信後)に、発光量に対応した時間データをカウンタIC2に送信しておき、且つ出力端子CNT2をハイ状態にしておく。これにより、スレーブセンサPD2で信号が受信された場合にカウンタIC2の出力OUT1がハイ状態となって発光が行われる。発光が実施された後には出力端子CNT2をロー状態とすることで続くフラッシュパルスも正しく受信可能である。このようにすれば、プリ発光や本発光のタイミングがカメラ100の動作とより正確に同期するので、正確な測光や短い秒時までのフラッシュ同調を実現することができる。
また、信号ノイズによる誤発光を防止するために、RCモードの際の外部フラッシュ装置200bとの通信のためにカウンタIC2の動作を許可してから所定時間で動作を禁止し、次の通信時で再度許可するようにしても良い。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態は、制御回路IC1よりも早い応答時間でRCモードにおけるフラッシュ発光の指示を行うためのハードウエアとしてカウンタIC2を用いている。これに対し、第2の実施形態は、カウンタIC2の代わりに制御回路IC1の内部に割り込み回路を設け、且つソフトウエアを工夫してRCモードにおけるフラッシュ発光を通常モード時よりも早く行えるようにする例である。
図26は、第2の実施形態における外部フラッシュ装置200(外部フラッシュ装置200a、200b)の回路構成を示す図である。なお、外部フラッシュ装置200の内部の回路構成以外の構成は第1の実施形態と同様であり、またカメラ100の構成も第1の実施形態と同様である。
図26は第1の実施形態で説明した図5と類似しているが、カウンタIC2、ロジック回路AND1、OR1を備えていない。また、制御回路IC1の内部に第2の発光制御部としての機能を有する割り込み回路INT_CKTが設けられており、この割り込み回路INT_CKTにはX信号が入力されるようになっている。割り込み回路INT_CKTは、入力される所定の信号によりハード的に処理を一時停止し、予めプログラムされた割り込みソフトウエアに強制的に移行させるように構成された回路である。この割り込みソフトウエアは、処理時間が最短となる処理コードにより、また処理時間が極力変動しないように工夫してプログラムされたものである。この割り込みソフトウエアを用いた処理は第1の実施形態のカウンタを用いた完全ハードウエア回路の処理に比べれば時間がかかるが、通常のソフトウエア処理よりも短時間で且つ処理時間が比較的安定した処理となる。
図27は、第2の実施形態におけるコマンダーフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置200aのRCモードにおける撮影時の動作について示すフローチャートである。ここで、図27は第1の実施形態で説明した図16とほぼ同様であるため、異なる部分のみを説明する。
まず、図27におけるステップS1501〜S1505は図16のステップS1001〜S1005と同様の処理が行われる。そして、図27のステップS1505の判定において、カメラ100からの通信された情報がRCモードの解除指示であった場合に、制御回路IC1は、RCモードを解除するとともに、LCDパネル18の表示をDSP31の表示に切り替える。さらに、割り込み回路INT_CKTの動作を禁止する(ステップS1506)。
その後、図27におけるステップS1507〜S1510は図16のステップS1007〜S1010と同様の処理が行われる。そして、図27のステップS1507の判定において、現在のフラッシュの制御モードがRCモードである場合に、制御回路IC1は、ステップS1502の通信によってカメラ100側より送信された発光量(具体的にはトランジスタスイッチQ2のオン時間に相当するデータ)を、内部のレジスタに設定する(ステップS1511)。その後、制御回路IC1は、割り込み回路INT_CKTの動作を許可する(ステップS1512)。この場合には、カメラ100から通信ラインを介してX信号が入力されたときには割り込み回路INT_CKTによる割り込み処理によってトランジスタスイッチQ2が駆動されてフラッシュパルスの発光が実施される。その後、制御回路IC1の内部のレジスタに設定された時間が経過するとトランジスタスイッチQ2がオフ状態となってフラッシュパルスの発光が終了される。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、ハードウエア回路による発光回路が不要であるため、第1の実施形態よりも外部フラッシュ装置200aを安価且つ小型に製造できる。なお、第2の実施形態の構成は、ワイヤレス制御の際の時間誤差が比較的大きくてもよいような通信形態をとった場合に特に有効である。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上述の各実施形態においては、外部フラッシュ装置200aをカメラ100に直接装着して使用する例を説明している。これに対し、カメラ100と外部フラッシュ装置200aとを別の外部装置を介して接続するようにしても良い。図28は、カメラ100と外部フラッシュ装置200aとの間に、通信ラインを延長するリモートケーブル300を接続した例を示す図である。このリモートケーブル300の両端には、カメラ100と外部フラッシュ装置200aのそれぞれの接続端子に対応した接続端子が設けられている。
図29(a)、図29(b)はリモートケーブル300を介した各接続端子の接続状態を示している。図29(a)に示すように、リモートケーブル300は単純にカメラ100側の接続端子と外部フラッシュ装置200a側の接続端子を接続するだけとしても良いが、図29(b)に示すように、通信ラインの中間にバッファ回路300aを設けるようにしても良い。バッファ回路300aを介在させることにより、通信ラインの延長による信号の減衰を補うことが可能である。ただし、この場合にはバッファ回路300aを駆動するための電力が必要であるので、リモートケーブル300内に不図示の小型電池を内蔵させることになる。
また、上述した各実施形態においては、カメラ100がレンズ交換式の一眼レフレックスカメラである例を示したが、カメラ100は一眼レフレックスカメラでなくとも良く、またレンズ交換式のカメラでなくとも良い。例えば、カメラ100は、レンズシャッタカメラでもよく、またレンズ一体型のカメラであってもよい。
さらに、上述した各実施形態においては、カメラ100と外部フラッシュ装置200aとの通信の方法は有線の電気信号によるデジタル通信を例としたが、赤外線による光通信や電波による通信等の、他の通信方法を用いても良い。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
IC1…制御回路、IC2…カウンタ、1…カメラボディ、2…レンズユニット、3…ホットシュー、4,4a〜4f,20,20a〜20e…操作部材、6…背面LCDパネル、11…フラッシュ本体、12…シューユニット、13…フラッシュヘッド、14…発光窓、15…AF用窓、16…調光センサ窓、17…スレーブセンサ窓、18…LCDパネル、19…チャージランプ、100…カメラ、101…レンズ駆動制御回路、103…クロック回路、104…ボディ駆動制御回路、105…TTL調光回路、106…撮像回路、107…画像処理回路、108…画像記録媒体、200…外部フラッシュ装置
20,200a,200b…外部フラッシュ装置、300…リモートケーブル