JP5614824B1 - 繊維質ライニングロール - Google Patents

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Abstract

【課題】 一対の繊維質ライニングロール間に板状物を通板させたとき、板状物が左右にずれないようにした繊維質ライニングロールを提供する。【解決手段】 この繊維質ライニングロールは、ロール軸3とロール軸3に外嵌された繊維質ライニング4とよりなる。繊維質ライニング4表面は研削及び研磨によって平滑にされている。繊維質ライニング4表面の構成繊維1は、一方のロール軸3方向にのみ傾倒している。たとえば、ロール軸3左方向のみに傾倒している。しかも、この構成繊維1は、周方向には実質的に傾倒していない。この繊維質ライニングロールの使用方法は、上側にロール軸3左方向のみに傾倒しているものを配置し、下側にロール軸3右方向のみに傾倒しているものを配置して、一対で用いる。この一対の繊維質ライニングロール間に板状物を通板して、板状物の洗浄等を行う。【選択図】 図7

Description

本発明は、鋼板やアルミニウム圧延材の金属板又はその切り板、合成樹脂板や合成樹脂フィルム等(以下、まとめて「板状物」という。)の表面に付着した油分や水分等を除去するための繊維質ライニングロールに関するものである。
従来より、板状物の表面に付着した油分等を除去するために、繊維質ライニングロールが用いられている。繊維質ライニングロールは、ロール軸に繊維質ライニングを外嵌したものであり、一対の繊維質ライニングロール間に板状物を通板することにより、板状物表面に付着した水分や油分等を繊維質ライニングに吸収させ除去することが行われている。
繊維質ライニングロール表面は、研削研磨によって仕上げられており、この研削研磨によって繊維質ライニングロール表面には順目と逆目が生じる(特許文献1、図4)。ここで、順目と逆目とは、特許文献1の図4(本図面では図1)を用いて説明すれば、以下のとおりである。研削研磨前の繊維質ライニングロールの表面は、図1(a)の状態となっており、繊維質ライニングの各構成繊維1は高さが凸凹で無作為の方向を向いている。このロール表面を研削研磨具2に当接して研削研磨すると、各構成繊維1の高さが平滑となって凸凹が消失すると同時に、各構成繊維1の先端近傍は一定の方向に傾倒した状態となる(図1(c))。一般的には、回転する繊維質ライニングロールに研削研磨具2を当接して研削研磨するため、繊維質ライニングロールの回転方向(図1(b)中の矢印方向)と逆の方向に、各構成繊維1の先端近傍が周方向に傾倒する。また、回転する研削研磨具2(図1(b)中の矢印方向とは反対の方向に回転する研削研磨具)に繊維質ライニングロールを当接して研削研磨した場合も、各構成繊維1の先端近傍が同方向に傾倒する。すなわち、研削研磨後の繊維質ライニングロール表面には、各構成繊維1の先端近傍が周方向に傾倒した方向(A方向)とその逆方向(B方向)とが生じ、前者を順目といい後者を逆目といっている。
ロール表面を板状物に当接したとき、一般的に、板状物を順目の方向に移動すれば摩擦係数は小となり、板状物を逆目の方向に移動すれば摩擦係数は大となる。特許文献1記載には、この順目及び逆目を利用した技術が記載されており、摩擦係数が小となるように板状物を当接する技術が記載されている(特許文献1、請求項1及び図9)。すなわち、繊維質ライニングロールをB方向に回転させながら、板状物を当接させB方向に移送して処理する技術が記載されている。これによって、板状物表面に付着した水分や油分等の除去性能が向上すると記載されている。
しかしながら、上記技術のように、ロール表面の周方向に順目及び逆目が生じていると、初期の除去性能が低いという欠点があった。また、ロールの回転方向を間違えやすく、常に回転方向を指示しなければならないという煩雑さがあった。初期の除去性能を向上させるためには、ロール表面の周方向に順目及び逆目が生じていない方が好ましい。すなわち、ロール表面が周方向において平滑である方が、初期の除去性能が高いのである。また、ロール表面の周方向に順目及び逆目が生じておらず平滑であると、ロールの回転方向を指示する必要がなく、煩雑さを解消しうるという利点もある。しかるに、周方向において平滑である一対の回転する繊維質ライニングロールにて板状物の処理を続けていると、板状物が左右にずれるという問題点があった。
特開2013−68266号公報
本発明は、繊維質ライニングロール表面の周方向に順目及び逆目を設けずに平滑にしながら、繊維質ライニングロール表面のロール軸方向に積極的に順目及び逆目を生じさせることにより、一対の繊維質ライニングロールに板状物を通板させたとき、板状物が左右にずれないようにしたものである。
すなわち、本発明は、ロール軸と該ロール軸に外嵌された繊維質ライニングとよりなり、該繊維質ライニング表面は研削及び研磨によって平滑にされている繊維質ライニングロールであって、前記繊維質ライニング表面の構成繊維は、ロール軸の特定方向にのみ傾倒しているが、周方向には実質的に傾倒していない繊維質ライニングロールを2本組み合わせたもので、一対の繊維質ライニングロールに関するものである。
本発明に係る繊維質ライニングロールは、ロール軸3と、ロール軸3に外装された繊維質ライニング4とよりなる(図2)。繊維質ライニング4を外装する方法は、従来公知の方法が用いられる。具体的には、ロール軸3が挿通しうる孔を中央に持つ、円盤状に打ち抜いたドーナツ状不織布をロール軸3に通し積層して、ロール軸3の両端から対向して負荷し、ドーナツ状不織布を圧縮する方法が用いられる。
繊維質ライニング4の表面は研削及び研磨によって平滑にされるが、本発明はこの作業を特定の方法で行うことにより、繊維質ライニング4表面の構成繊維が周方向に実質的に傾向せず、ロール軸の特定方向にのみ傾倒するようにしたものである。
繊維質ライニング4表面の構成繊維が周方向に実質的に傾倒しないようにするには、たとえば、繊維質ライニング4表面に、2本のロール砥石2a,2bを当接し、ロール砥石2aは反時計回りに回転させ、ロール砥石2bは時計回りに回転させて研削研磨を行えばよい(図3)。この場合、繊維質ライニングロールも回転させてもよいが、ロール砥石2a,2bの回転数の数十分の一(たとえば1/10〜1/30)とするのがよい。また、繊維質ライニングロールの回転を反転させて、数回(たとえば2〜4回)研削研磨してもよい。これによって、繊維質ライニング4表面の構成繊維が周方向に実質的に傾倒せず、実質的に周方に順目及び逆目のない繊維質ライニングロールが得られる。また、繊維質ライニング4表面に、1本のロール砥石2aを当接して、前記同様の回転数で回転させながら研削研磨を行い、その後、ロール砥石2aの回転方向を反転させて研削研磨を行って、実質的に周方に順目及び逆目のない繊維質ライニングロールを得ることもできる。要するに、繊維質ラインニングに対してロール砥石2a及び/又は2bの回転方向を逆にして数回研削研磨を繰り返すことにより、実質的に周方に順目及び逆目のない繊維質ライニングロールを得ることができるのである。
次に、繊維質ライニング4表面の構成繊維をロール軸の特定方向のみに傾倒させる。ロール軸の特定方向のみに傾倒させる態様は、具体的には、以下のとおりである。
(1)繊維質ライニング表面の構成繊維の多くが、ロール軸左方向にのみ傾倒している態様。
(2)繊維質ライニング表面の構成繊維の多くが、ロール軸右方向にのみ傾倒している態様。
(3)ロール軸方向左半分の領域に存在する繊維質ライニング表面の構成繊維の多くが、ロール軸左方向にのみ傾倒しており、ロール軸方向右半分の領域に存在する繊維質ライニング表面の構成繊維の多くが、ロール軸右方向にのみ傾倒している態様。
(4)ロール軸方向左半分の領域に存在する繊維質ライニング表面の構成繊維の多くが、ロール軸右方向にのみ傾倒しており、ロール軸方向右半分の領域に存在する繊維質ライニング表面の構成繊維の多くが、ロール軸左方向にのみ傾倒している態様。
繊維質ライニング4表面の構成繊維をロール軸方向のみに傾倒させる傾倒処理としては、以下のような方法が挙げられる。たとえば、上記(1)の態様とする場合には、先端の丸い円柱体5を繊維質ライニング4表面に押し当てた状態で、円柱体5をロール軸左方向のみ(図4中の矢印方向のみ)に、繊維質ライニング4の全長に亙って移動させるという方法が挙げられる。繊維質ライニング4表面に押し当てた状態での円柱体5の移動は、矢印方向のみとし、これを数回(2〜5回)繰り返す。この方法により、繊維質ライニング4表面の構成繊維は、円柱体5の移動方向のみに傾倒することになる。また、先端の丸い円柱体5に代えて、先端が刃となっているバイト6を用いてもよい(図6)。バイト6を用いる場合は、バイト6の先端のみが繊維質ライニング4表面に接するようにする(これが通常の研削研磨の方法である。)のではなく、バイト6の先端からシャンク側に一定長の部位を押し当てた状態で、バイト6をロール軸左方向のみに移動するという方法である。この場合、繊維質ライニング4表面の構成繊維が研削研磨されると同時に、各構成繊維がロール軸左方向のみに傾倒する。
また、上記(2)の態様とする場合には、円柱体5の移動方向を逆にする、すなわち、円柱体5をロール軸右方向に移動させる他は、上記(1)と同一の方法を採用すればよい。また、円柱体5に代えて、バイト6を用いてもよい点も、上記(1)と同様である。
上記(3)の態様とする場合には、ロール軸方向左半分の繊維質ライニング4表面では、円柱体5を繊維質ライニング4表面に押し当てた状態でロール軸左方向のみに移動させ、ロール軸方向右半分の繊維質ライニング4表面では、円柱体5を繊維質ライニング4表面に押し当てた状態でロール軸右方向のみに移動させるという方法が挙げられる。また、円柱体5に代えてバイト6を用いて、ロール軸方向左半分の繊維質ライニング4表面では、バイト6をロール軸左方向のみに移動させ、ロール軸方向右半分の繊維質ライニング4表面では、バイト6をロール軸右方向のみに移動させてもよい。
上記(4)の態様とする場合には、ロール軸方向左半分の繊維質ライニング4表面では、円柱体5を繊維質ライニング4表面に押し当てた状態でロール軸右方向のみに移動させ、ロール軸方向右半分の繊維質ライニング4表面では、円柱体5を繊維質ライニング4表面に押し当てた状態でロール軸左方向のみに移動させるという方法が挙げられる。また、円柱体5に代えてバイト6を用いて、ロール軸方向左半分の繊維質ライニング4表面では、バイト6をロール軸右方向のみに移動させ、ロール軸方向右半分の繊維質ライニング4表面では、バイト6をロール軸左方向のみに移動させてもよい。
研削研磨は、粗研削、中間研削及び仕上研削研磨のように種々の段階があるが、繊維質ライニング4表面の構成繊維をロール軸の特定方向のみに傾倒する傾倒処理は、一般的に、繊維質ライニング4表面を周方向に仕上研磨する前に行われる。しかしながら、これに限定されず、粗研削又は中間研削の前に、繊維質ライニング4表面の構成繊維をロール軸の特定方向のみに傾向する方法を実行してもよい。また、バイト6を用いて、繊維質ライニング4表面の構成繊維をロール軸の特定方向のみに傾倒する方法を実行する場合は、粗研削を兼ねてもよい。
以上のようにして、繊維質ライニング4表面の構成繊維は、ロール軸の特定方向にのみ傾倒しているが、周方向には実質的に傾倒していない繊維質ライニングロールを得ることができる。かかる繊維質ライニングロールの一対を用いて板状物を処理する際には、以下のような組み合わせになる。すなわち、上記(1)と(2)の態様で傾倒している繊維質ライニングロールは、この両者を組み合わせることになる。具体的には、図7に示すように、上下一対の繊維質ライニングロールの上側の繊維質ライニングの構成繊維が、矢印方向(左方向)に傾倒していれば、下側の繊維質ライニングの構成繊維は、矢印方向(右方向)に傾倒しているように組み合わせて用いるのである。かかる一対の繊維質ライニングロールを用いれば、通板された板状物の上面では左方向に力が負荷され、下面では右方向に力が負荷されて、両者の力が相殺されて、板状物全体には左又は右方向の力が負荷されず、通板されている板状物がずれるのを防止しうるのである。たとえば、図8に示すように、上下一対の繊維質ライニングロールの上側の繊維質ライニングの構成繊維が、矢印方向(左方向)に傾倒しているとき、下側の繊維質ライニングの構成繊維を、矢印方向(左方向)に傾倒しているように組み合わせると、その間に通板する板状物は、上面でも板面でも左方向に力が負荷されて、左方向にずれてゆくのである。なお、各図において、繊維質ライニング中の矢印は、繊維質ライニング表面の構成繊維が傾倒している方向を示したものである。
上記(3)の態様で傾倒している繊維質ライニングロールは、この2本を組み合わせればよい。具体的には、図10に示すように、上下一対の繊維質ライニングロールのいずれも、ロール軸方向左半分(図10中の点線で示した中央線よりも左側)の領域に存在する繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸左方向(矢印方向)にのみ傾倒しており、ロール軸方向右半分(図10中の点線で示した中央線よりも右側)の領域に存在する繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸右方向にのみ傾倒しているものを用いる。かかる一対の繊維質ライニングロール間に板状物を通板すると、中央線を境界線として左半分ではロール軸左方向に力が負荷され、右半分ではロール軸右方向に力が負荷され、両者の力が相殺されて、通板されている板状物がずれるのを防止しうるのである。
上記(4)の態様で傾倒している繊維質ライニングロールは、この2本を組み合わせればよい。具体的には、図11に示すように、上下一対の繊維質ライニングロールのいずれも、ロール軸方向左半分(図11中の点線で示した中央線よりも左側)の領域に存在する繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸右方向(矢印方向)にのみ傾倒しており、ロール軸方向右半分(図11中の点線で示した中央線よりも右側)の領域に存在する繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸左方向にのみ傾倒しているものを用いる。かかる一対の繊維質ライニングロール間に板状物を通板すると、中央線を境界線として左半分ではロール軸右方向に力が負荷され、右半分ではロール軸左方向に力が負荷され、両者の力が相殺されて、通板されている板状物がずれるのを防止しうるのである。特に、両者の力が中央線に収斂して相殺されるので、狭幅板が中央線を外れて挿入されても、通板を続けていくと、狭幅板は中央線近傍に移動する。
本発明に係る繊維質ライニングロールは、繊維質ライニング表面の構成繊維はロール軸の特定方向にのみ傾倒しているが、周方向には実質的に傾倒していないものである。かかる繊維質ライニングロールの一対を用い、図7、図10又は図11の組み合わせ、その間に板状物を通板する。そうすると、板状物に負荷される力がいずれも相殺され、板状物がロール軸に沿って左右方向にずれないという効果を奏する。よって、板状物表面に付着した水分や油分等を全体に均一に除去しうるのである。
実施例1
コットン繊維と繊維径3.3デシテックスで繊維長64mmの66ナイロン短繊維が無作為に集積されてなり、繊維相互間がNBRゴムで結合されてなる不織布(日本バイリーン株式会社製、厚さ2mm、目付300g/m2、見掛け密度0.15g/cm3)を準備した。この不織布を直径210mmの円盤状に打ち抜くと共に、中央にロール軸を挿通しうる孔を打ち抜いてドーナツ状不織布を得た。このドーナツ状不織布の多数枚をロール軸に挿通して積層し、ロール軸方向に圧縮して繊維質ライニングを施した。この繊維質ロールは、外径が210mmで面長が500mmとなっており、積層されたドーナツ状不織布の見掛け密度は、圧縮により0.7g/cm3となっていた。
この繊維質ロールの表面を、図6に示したバイト6を用い、バイト6の刃先からシャンク側に2mmの部位を繊維質ロール表面に押し当てると共に、下記の条件で粗研削を行った。

繊維質ロールの回転数 :120rpm
バイト6のロール軸左方向への送り量:1.0mm/回転
バイト6による切り込み深さ :2.0mm
なお、バイト6のロール軸左方向への送り量の単位であるmm/回転は、繊維質ロールの1回転当たりに対するバイト6のロール軸左方向への送り距離を示したものである。また、バイト6による切り込み深さは、繊維質ロールの外径が切り込まれて短くなる長さを示したものである。したがって、バイト6の繊維質ロール表面への押し当て長さは、約1.0mmとなる。
この粗研削の結果、繊維質ロール表面の構成繊維は、表面から内部へ3mm程度に亙って、ロール軸左方向に傾倒していた。
粗研削後の繊維質ロールに、バイトの刃先のみを繊維質ロール表面に押し当てて、下記の条件で中間研削を行った。

繊維質ロールの回転数 :250rpm
バイトのロール軸左方向への送り量:0.6mm/回転
バイトによる切り込み深さ :0.5mm
次いで、下記の条件で仕上研削を2回行った。

繊維質ロールの回転数 :250rpm
バイトのロール軸左方向への送り量:0.25mm/回転
バイトによる切り込み深さ :0.25mm
ここで重要なことは、中間研削及び仕上研削のいずれも、バイトの送りをロール軸左方向とし、粗研削の送りと同方向にすることである。これによって、繊維質ロール表面の構成繊維がロール軸左方向に傾倒している状態を維持することができる。
仕上研削後、外径150mmで面長25mmの1個のロール砥石2aを図9に示したように配置して、下記1〜3の条件で3回の仕上研磨を行った。
記1
繊維質ロールの回転数 :120rpm
ロール砥石の回転数 :3200rpm
ロール砥石の送り量 :1.2mm/回転
ロール砥石による切り込み深さ:0.3mm
ロール砥石2aは、図9に示したように、繊維質ロールの回転方向とは逆に回転している。すなわち、ロール砥石2aは反時計回りに回転しており、繊維質ロールは時計回りに回転している。
ついで、ロール砥石2aの回転方向を逆(時計回り)にして、下記2の条件で研磨した。
記2
繊維質ロールの回転数 :120rpm
ロール砥石の回転数 :3200rpm
ロール砥石の送り量 :1.2mm/回転
ロール砥石による切り込み深さ:0.1mm
さらに、ロール砥石2aの回転方向を逆(反時計回り)にして、下記3の条件で研磨した。
記3
繊維質ロールの回転数 :120rpm
ロール砥石の回転数 :3200rpm
ロール砥石の送り量 :1.2mm/回転
ロール砥石による切り込み深さ:0.0mm
なお、上記1〜3において、ロール砥石2aの送り方向は、ロール軸左方向であっても右方向であってもよい。
仕上研磨の終わった繊維質ロールは、周の時計回りの方向にわずかに順目となっているので、繊維質ロール表面に♯320の布ペーパーを押し当てて、反時計回りの方向に擦って順目を消した。以上のようにして、外径が200mmで面長が500mmの繊維質ライニングロールを得た。この繊維質ライニングロール表面は、周のいずれの方向にも摩擦抵抗の差がなく、順目及び逆目の生じていないものであった。また、繊維質ライニング表面の構成繊維は、ロール軸左方向に傾倒しているものであった。
実施例2
粗研削、中間研削及び仕上研削において、バイトの送り方向をロール軸右方向に変更する他は、実施例1と同一の条件で研削研磨して、外径が200mmで面長が500mmの繊維質ライニングロールを得た。この繊維質ライニングロール表面は、周のいずれの方向にも摩擦抵抗の差がなく、順目及び逆目の生じていないものであった。また、繊維質ライニング表面の構成繊維は、ロール軸右方向に傾倒しているものであった。
実施例3
実施例1で得られた外径が210mmで面長が500mmの繊維質ロールを準備した。そして、バイトの刃先のみを繊維質ロール表面に押し当てて、下記の条件で粗研削を行った。

繊維質ロールの回転数 :250rpm
バイトの送り量 :0.6mm/回転
バイトによる切り込み深さ:1.0mm
なお、バイトの送り方向はロール軸左方向でも右方向でもよい。バイトの刃先のみが繊維質ロール表面に当接しているので、バイトの送り方向によって、繊維質ロール表面の構成繊維がロール軸方向に傾倒することはない。
ついで、バイトの刃先のみを繊維質ロール表面に押し当てて、下記の条件で仕上研削を2回行った。

繊維質ロールの回転数 :250rpm
バイトの送り量 :0.25mm/回転
バイトによる切り込み深さ:0.25mm
仕上研削の後、図4に示した円柱体5を用い、下記1〜3の条件で繊維質ロール表面の構成繊維の傾倒処理を3回行った。
記1
繊維質ロールの回転数 :250rpm
円柱体5のロール軸左方向への送り量:0.6mm/回転
円柱体5による切り込み深さ :0.2mm
記2
繊維質ロールの回転数 :250rpm
円柱体5のロール軸左方向への送り量:1.2mm/回転
円柱体5による切り込み深さ :0.4mm
記3
繊維質ロールの回転数 :250rpm
円柱体5のロール軸左方向への送り量:1.2mm/回転
円柱体5による切り込み深さ :0.5mm
この傾倒処理の結果、繊維質ロール表面の構成繊維は、表面から内部へ4mm程度に亙って、ロール軸左方向に傾倒していた。
傾倒処理の後、外径150mmで面長25mmの2個のロール砥石を図3に示したように配置して、下記の条件で仕上研磨を行った。

繊維質ロールの回転数 :120rpm
ロール砥石2a及び2bの回転数 :3200rpm
ロール砥石2a及び2bの送り量 :1.2mm/回転
ロール砥石2aによる切り込み深さ:0.3mm
ロール砥石2bによる切り込み深さ:0.25mm
ロール砥石2aと2bは、図3に示したように、逆方向に回転している。また、ロール砥石2aと2bは同期して送られている。なお、ロール砥石2a及び2bの送り方向は、ロール軸左方向であっても右方向であってもよい。
仕上研磨の後、外径150mmで面長25mmの2個のロール砥石を図3に示したように配置して、下記の条件で最終研磨を行った。

繊維質ロールの回転数 :120rpm
ロール砥石2a及び2bの回転数 :3200rpm
ロール砥石2a及び2bの送り量 :1.2mm/回転
ロール砥石2aによる切り込み深さ:0.15mm
ロール砥石2bによる切り込み深さ:0.1mm
以上のようにして、外径が200mmで面長が500mmの繊維質ライニングロールを得た。この繊維質ライニングロール表面は、周のいずれの方向にも摩擦抵抗の差がなく、順目及び逆目の生じていないものであった。また、繊維質ライニング表面の構成繊維は、ロール軸左方向に傾倒しているものであった。
実施例4
傾倒処理において、円柱体の送り方向をロール軸右方向に変更する他は、実施例3と同一の条件で研削研磨して、外径が200mmで面長が500mmの繊維質ライニングロールを得た。この繊維質ライニングロール表面は、周のいずれの方向にも摩擦抵抗の差がなく、順目及び逆目の生じていないものであった。また、繊維質ライニング表面の構成繊維は、ロール軸右方向に傾倒しているものであった。
実施例5
仕上処理までの工程は実施例3と同一の方法で行った。繊維質ロール表面の構成繊維の傾倒処理は、繊維質ロールの中央線よりも左側では、実施例3に記載されたのと同一の条件で3回行った。また、繊維質ロールの中央線よりも右側では、円柱体5の送り方向をロール軸右方向に変更する他は、実施例3に記載されたのと同一の条件で3回行った。その後、実施例3と同一条件で仕上研磨及び最終研磨を行って、外径が200mmで面長が500mmの繊維質ライニングロールを得た。この繊維質ライニングロール表面は、周のいずれの方向にも摩擦抵抗の差がなく、順目及び逆目の生じていないものであった。また、繊維質ライニング表面の構成繊維は、ロール軸方向左半分の領域でロール軸左方向に傾倒しており、ロール軸方向右半分の領域でロール軸右方向に傾倒しているものであった。
実施例6
仕上処理までの工程は実施例3と同一の方法で行った。繊維質ロール表面の構成繊維の傾倒処理は、繊維質ロールの中央線よりも右側では、実施例3に記載されたのと同一の条件で3回行った。また、繊維質ロールの中央線よりも左側では、円柱体5の送り方向をロール軸右方向に変更する他は、実施例3に記載されたのと同一の条件で3回行った。その後、実施例3と同一条件で仕上研磨及び最終研磨を行って、外径が200mmで面長が500mmの繊維質ライニングロールを得た。この繊維質ライニングロール表面は、周のいずれの方向にも摩擦抵抗の差がなく、順目及び逆目の生じていないものであった。また、繊維質ライニング表面の構成繊維は、ロール軸方向左半分の領域でロール軸右方向に傾倒しており、ロール軸方向右半分の領域でロール軸左方向に傾倒しているものであった。
使用例1
実施例1で得られた繊維質ライニングロールを上側に、実施例2で得られた繊維質ライニングロールを下側にして、図7に示した状態で組み合わせて一対の繊維質ライニングロールを得た。そして、一対の繊維質ライニングロール間に、自動車用鋼板を通板して洗浄を続けたが、自動車用鋼板が蛇行したり、左又は右のいずれかの方向にずれたりすることはなかった。
使用例2
実施例3で得られた繊維質ライニングロールを上側に、実施例4で得られた繊維質ライニングロールを下側にして、図7に示した状態で組み合わせて一対の繊維質ライニングロールを得た。そして、一対の繊維質ライニングロール間に、自動車用鋼板を通板して洗浄を続けたが、自動車用鋼板が蛇行したり、左又は右のいずれかの方向にずれたりすることはなかった。
使用例3
実施例5で得られた繊維質ライニングロールを2本用いて、一対の繊維質ライニングロールを得た。そして、一対の繊維質ライニングロール間に、自動車用鋼板を通板して洗浄を続けたが、自動車用鋼板が蛇行したり、左又は右のいずれかの方向にずれたりすることはなかった。
使用例4
実施例6で得られた繊維質ライニングロールを2本用いて、一対の繊維質ライニングロールを得た。そして、一対の繊維質ライニングロール間に、狭幅鋼板を通板して洗浄を続けたが、狭幅鋼板が左又は右のいずれかの方向にずれたりすることはなかった。特に、狭幅鋼板が繊維質ライニングロールの中央線から外れて初期通板された場合でも、通板を続けていると、狭幅鋼板が中央に収まる傾向を示した。
繊維質ライニングロール表面を研削研磨した場合に、表面の構成繊維がどのような状態となるかを示した模式図である。(a)は研削研磨前の構成繊維の状態であり、(b)は研削研磨時の構成繊維の状態であり、(c)は研削研磨後の構成繊維の状態を示した図である。 本発明の一例に係る繊維質ライニングロールの模式的正面図である。 繊維質ライニングロール表面の研削研磨方法の一例を示す模式的側面図である。 本発明で用いる傾倒処理の一例を示した模式的正面図である。 図4で示した傾倒処理の一例を示した模式的側面図である。 本発明で用いる傾倒処理の他の例を示した模式的側面図である。 本発明の一対の繊維質ライニングロールの一例を示した模式的正面図である。 不適当な一対の繊維質ライニングロールの例を示した模式的正面図である。 繊維質ライニングロールの研削研磨の一例を示した模式的側面図である。 本発明の一対の繊維質ライニングロールの他の例を示した模式的正面図である。 本発明の一対の繊維質ライニングロールの他の例を示した模式的正面図である。
1 繊維質ライニングロール表面の構成繊維
2 研削研磨具
2a,2b ロール砥石
3 ロール軸
4 繊維質ライニング
5 円柱体
6 バイト

Claims (4)

  1. ロール軸と該ロール軸に外嵌された繊維質ライニングとよりなり、該繊維質ライニング表面は研削及び研磨によって平滑にされている一対の繊維質ライニングロールであって、
    前記一対の繊維質ライニングロールは、いずれも、前記繊維質ライニング表面の構成繊維が周方向には実質的に傾倒しておらず、
    前記一対の繊維質ライニングロールのうち、一方は、前記繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸左方向にのみ傾倒しており、他方は、前記繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸右方向にのみ傾倒していることを特徴とする一対の繊維質ライニングロール。
  2. ロール軸と該ロール軸に外嵌された繊維質ライニングとよりなり、該繊維質ライニング表面は研削及び研磨によって平滑にされている一対の繊維質ライニングロールであって、
    前記一対の繊維質ライニングロールは、いずれも、ロール軸方向左半分の領域に存在する前記繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸左方向にのみ傾倒しており、ロール軸方向右半分の領域に存在する前記繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸右方向にのみ傾倒しているが、周方向には実質的に傾倒していないことを特徴とする一対の繊維質ライニングロール。
  3. ロール軸と該ロール軸に外嵌された繊維質ライニングとよりなり、該繊維質ライニング表面は研削及び研磨によって平滑にされている一対の繊維質ライニングロールであって、
    前記一対の繊維質ライニングロールは、いずれも、ロール軸方向左半分の領域に存在する前記繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸右方向にのみ傾倒しており、ロール軸方向右半分の領域に存在する前記繊維質ライニング表面の構成繊維が、ロール軸左方向にのみ傾倒しているが、周方向には実質的に傾倒していないことを特徴とする一対の繊維質ライニングロール。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の一対の繊維質ライニングロールに板状物を通板することを特徴とする板状物の処理方法。
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