JP5614195B2 - 中空構造体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、独立した微小凹部を有する基板上に塗布された材料を圧力制御により延伸させて中空構造体を製造する方法に関し、特に中空構造体の形成時には材料が基板から剥離せず、かつ形成された中空構造体を基板から容易に剥離可能とする中空構造体の製造方法に関する。
規則的に配列した細孔を持つハニカム構造体(正六角柱に限らず、立体形状の中空体(セル)が集合した中空構造体。)は、フラットパネルディスプレイのコントラスト向上のための隔壁や、のぞき見防止用の視野角制御フィルム(ルーバー)、高性能フィルタや細胞培養場など、様々な用途に用いることが期待されている。ミクロンオーダーやナノオーダーのハニカム構造体の製造方法としては、ドライエッチング法や印刷法、キャスト法、圧力制御法などがある。
圧力制御法によるハニカム構造体の製造方法については、各種の特許出願がなされており、その具体例として特許文献1が挙げられる。特許文献1においては、独立した微小凹部を密に設けた基板の上面にハニカム材を塗布して薄いハニカム材料を形成し、上記凹部を密閉して密閉空間とする。上記密閉空間内のガスを膨張させて、上記ハニカム材を延伸させることで、隔壁(隣接する中空体の間に存在する壁で、各中空体を隔てている。)が薄く、細長い無数の中空体を一定方向に形成し、乾燥した後に剥離する。
このような圧力制御法において、ハニカム材料の延伸時と、製造したハニカム構造体の剥離時で相反する密着力が要求されるということが既に知られている。具体的には、ハニカム材料と基板との間の密着力に関し、ハニカム材料の延伸時にはハニカム材料と基板との間に高い密着力を必要とし、ハニカム構造体を製造した後、ハニカム構造体の形状を維持したまま基板から容易にハニカム構造体を剥離するためには、低い密着力を必要とするという関係がある。
ハニカム材料と基板との間の密着力を変化させる発明として特許文献2が挙げられる。特許文献2は、開口率が大きいハニカム構造、すなわちセル隔壁が薄く均一なセル構造を持つハニカム構造体を製造するための基板を提供することを目的としてなされた発明である。ハニカム材料に対する親和性が異なる少なくとも2つの領域を、基板が有していることを特徴としている。つまり、ハニカム材料と基板との間の密着力を場所によって変化させている。
しかし、上記従来のハニカム構造体の製造方法では、延伸時と剥離時で密着力を変化させる要因はハニカム材料の物性にあり、利用できるハニカム材料の選択肢が狭いという問題があった。そのため、ハニカム材料に対応する基板の材料(材質)も選択の制限を受けるという問題があった。延伸時の密着力は、基板として適切な材料を選択し、適宜表面処理を行うことで容易に増加させることができる。しかし、剥離時の密着力の変化は、ハニカム材料の粘度が低い(柔らかい)状態から高い(硬い)状態に変化してハニカム構造を維持することでもたらされ、ハニカム材料の特性に大きく依存し、所望の密着力となるように制御することは容易でない。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、ハニカム材料の延伸時と、製造したハニカム構造体の基板からの剥離時とで、ハニカム材料と基板との間の密着力が変化する材料をハニカム材料と基板との間に設け、ハニカム材料と基板の間の密着力を所望の状態となるように制御することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、独立した複数の凹部を形成した基板の上面にハニカム材料を塗布してハニカム材料層を形成し、前記凹部を密閉する第一工程と、前記凹部内の気体を膨張させて前記ハニカム材料を延伸させることで複数のセルを一定方向に形成する第二工程と、前記ハニカム材料を前記基板から剥離する第三工程と、を有する中空構造体の製造方法であって、前記第一工程において、前記ハニカム材料層を形成する前に、前記基板と前記ハニカム材料との密着力が前記第二工程よりも前記第三工程の方が小さくなるように変化させる密着力変化材料を、前記基板と前記ハニカム材料との間に形成して密着する中空構造体の製造方法を特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記第二工程と前記第三工程との間で前記密着力変化材料を物理的に変化させることにより、前記密着力を変化させる請求項1記載の中空構造体の製造方法を特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記第二工程において、前記密着力変化材料が固体であり、前記第三工程において、前記密着力変化材料を液体又は気体に変化させる請求項2記載の中空構造体の製造方法を特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記第三工程において、前記密着力変化材料を前記ハニカム材料に残留させる請求項3記載の中空構造体の製造方法を特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記第二工程において、前記密着力変化材料が固体であり、前記第三工程において、前記密着力変化材料を溶媒に溶解させる請求項3記載の中空構造体の製造方法を特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記第二工程と前記第三工程との間で前記密着力変化材料を化学的に変化させることにより、前記密着力を変化させる請求項記載の中空構造体の製造方法を特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記第二工程において、前記密着力変化材料が高粘着性であり、前記第三工程において、前記密着力変化材料を非粘着性に変化させる請求項6記載の中空構造体の製造方法を特徴とする。

本発明によれば、ハニカム材料と基板との間に、加工工程に応じて密着力を所望の状態となるように制御できる材料を少なくとも一層設けることにより、ハニカム材料延伸時とハニカム構造体剥離時の各工程との間で密着力を変化させることができ、ハニカム構造体を容易に基板から剥離することができる。
ハニカム構造体製造装置の模式的断面図である。 (a)及び(b)は、基板の凹部配列パターン例を示す図である。 減圧を用いた圧力制御法によるハニカム構造体の製造原理について説明する図であり、(a)は比較のための従来例を示し、(b)は本発明に係るハニカム構造体の製造方法を示す図である。 (a)乃至(d)は、基板からハニカム材料を剥離する過程について説明する図である。 第一の実施形態に係る方法にて製造したハニカム構造体の斜視図である。 密着力変化材料と、密着力変化材料を用いたハニカム構造体の製造実施例詳細について説明する表で示す図ある。
本発明の実施の形態を説明する。本発明は、ハニカム構造体の製造方法とその装置に際して、ハニカム構造体を製造する工程(発泡工程、延伸時)中と、ハニカム構造体を基板から剥離する工程(剥離工程、剥離時)との、2つの工程中に、基板とハニカム材料(またはハニカム構造体)の間の密着力を変化させる材料を用いることで、上記課題が解決されることが特徴になっている。
上記特徴について、以下の図面を用いて具体的に解説する。なお、本明細書において「ハニカム構造」とは、正六角柱に限らず、立体形状の中空体(セル)を隙間なく並べた中空構造の意味である。
本発明について説明する前に、本発明の論理前提となるハニカム材料と基板との間の密着力について、ハニカム構造体製造工程を2つに分けてそれぞれ詳細を説明する。
(A)ハニカム材料の延伸時
ハニカム材料と基板とで密閉された空間内部と、真空チャンバ内空間に圧力差が生じることにより、ハニカム材料に引っ張り応力σaが生じる。このとき、ハニカム材料を基板から剥離すると、隣接するセル同士が連結してセル毎の圧力差が消失してしまうなどして、均一なハニカム構造体を得ることができない。よって、ハニカム材料の延伸時には、この引っ張り応力σaよりもハニカム材料と基板との間の密着力βaが大きくなければならない。
引っ張り応力σa<密着力βa ・・・式(1)
なお、密着力βaは、延伸時における密着力である。
(B)ハニカム材料の剥離時
ハニカム材料と基板との間の密着力βbよりも、延伸時に引っ張り応力σaが働いた箇所におけるハニカム構造体の機械的強度αのほうが大きい場合に、基板からハニカム構造体を剥離することができる。
密着力βb<ハニカム構造体の材料強度α ・・・式(2)
なお、密着力βbは、剥離時における密着力である。
従来技術においては、密着力βbがハニカム材料の硬度によって変化するというハニカム材料の特性を利用していた。
ここで、βa=βb(=β)となるとき次式が成り立つ。
引っ張り応力σa<密着力β<ハニカム構造体の材料強度α ・・・式(3)
ただし、実際には基板として適当な材料を選定し、基板の表面処理を行う等により、式(3)の関係を満たすように密着力βを制御する必要がある。
本発明においては、ハニカム材料と基板との間に、密着力を変化させる材料(密着力変化材料)からなる層(密着力変化層)を少なくとも1層設け、式(1)中の密着力βaおよび式(2)中のβbをハニカム材料の特性に依存させずに所望の状態となるように制御する。
密着力の変化とは、ハニカム材料の延伸時には密着力が高く、剥離時には密着力が低くなることである。密着力変化層を用いて密着力を制御する例としては、
材料の物理的変化を利用する:固体から液体に相変化、固体から気体に相変化
材料の化学的変化を利用する:固体が液体に溶解、柔らかい(低粘弾性)から硬い(高粘弾性)といった粘弾性変化を利用するものなどが挙げられる。
特に、粘弾性変化を有する材料としては、シリコンウエハのダイシング時にチップが離散するのを防止するダイシング用テープの粘着材と同様のものが利用できる。
本発明の第四の実施形態においては、この変化を生じさせる原理を用いた例である。つまり、凹部を除く基板上面にUV硬化型粘着層を有する基板と、ハニカム材料とを貼り合せることで強固な密着力を得る。次に、チャンバ内圧力を低下させて、基板との空間内部との圧力差を生じさせてハニカム構造を形成する。次に、UV光を照射することで、UV硬化型粘着材を硬化させると粘着力を著しく減少させることができ、結果としてハニカム構造体と基板との密着力が低下して、良好に剥離することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
ハニカム構造体製造装置について説明する。図1は、ハニカム構造体製造装置の模式的断面図である。
ハニカム構造体製造装置(製造装置10)は、本体容器である真空チャンバ11と、真空チャンバ11内から気体を排出して真空環境を作り出す真空ポンプ12と、真空チャンバ11内に配置されたハニカム構造体製造用基板(基板20)の温度を制御する温度制御装置13と、を備える。図示する基板20には、ハニカム構造体の製造工程に応じて密着力の変化する密着力変化材料30と、ハニカム材料40とを密着させている。基板20の表面には、独立した微小凹部21が複数形成されており、この凹部21周辺に密着力変化材料30をスピンコート、ディップ、スプレーなどにより積層する。
温度制御装置13は、ハニカム構造体製造時や、密着力変化材料30を温度変化させる際に使用する。
基板について説明する。図2(a)及び(b)は、基板の凹部配列パターン例を示す図である。
図示するように、基板の表面には複数の独立した微小凹部が形成されている。凹部は規則的に配列されている。凹部配列パターンは、(a)に示すように基板22表面における形状が六角形の凹部23を六角格子状に並べたものや、(b)に示すように基板24表面における形状が円形の凹部25を千鳥配列に並べたもの等が挙げられる。ハニカム構造体は、正六角柱に限らず、多角柱や円柱等、柱状の中空体が集合した中空構造体であればよいので、図2に示すパターンの他にも、凹部の基板表面における形状を正方形や長方形等としてもよいし、格子配列等にしてもよいし、これらを適宜組み合わせてもよい。なお、凹部の基板表面における形状を多角形とした場合、頂点部分を丸く面取りした形状としてもよい。さらに、図示する凹部は柱状であるが、球状や錐状でもよく、ハニカム材料の延伸時に、減圧膨張する気体を密閉する空間ができることが重要である。
基板の材料としては、Si、Ni、SUSなどが挙げられる。凹部制作方法としては、基板材料がSiの場合にはドライエッチング、基板材料がNi、SUSの場合にはウエットエッチングが主に用いられる。それぞれ効果的にエッチングできる材料が決まってくるので、基板材料に対して適切な凹部制作方法を選択する。
ハニカム構造体の製造方法について説明する。図3は、減圧を用いた圧力制御法によるハニカム構造体の製造原理について説明する図であり、(a)は比較のための従来例を示し、(b)は本発明に係るハニカム構造体の製造方法を示す図である。
本発明に係る密着力変化層を含む、減圧による圧力制御法のハニカム構造体製造原理を図3(b)に基づいて説明する。
密着工程では、基板20の上に、密着力制御材(密着力変化材料30)及びハニカム材料40を塗布して、凹部21の空間を被覆するように密閉し、真空チャンバ11に挿入する。
減圧発泡(初期)工程では、真空チャンバ11内を真空引きし、密着力変化材料30及びハニカム材料40と基板20の間に存在する気体を減圧膨張させ、ハニカム材料40を延伸変形させて、微細な無数のセルを一定方向に有するハニカム構造41を形成する。
減圧発泡(後期)工程では、温度制御装置13を用いて減圧乾燥や熱硬化する、あるいはUV照射装置(不図示)を用いてUV硬化するなどして、ハニカム構造体42を硬化させる。
剥離工程では、真空チャンバ11内から基板20ごとハニカム構造体42を大気中に取り出し、密着力変化材料30を除去して、基板20からハニカム構造体42を剥離する。具体的には、密着力変化材料30を液化、気化、溶解、硬化等させて、密着力変化材料30を除去する。ただし、第一の実施形態に示すように、密着力変化材料30は完全に除去されなくともよい。
(a)に示す従来方法では、ハニカム構造体形成時の密着力に重点を置くと、剥離の際にハニカム構造体や基板20が変形したり破壊するといった問題があった。しかし、(b)に示すように、本発明においては基板20とハニカム構造体42との間に密着力変化材料30からなる密着力変化層を有し、剥離工程において基板20とハニカム構造体42との密着力を低下させているので、ハニカム構造体42と基板20の何れにも、ダメージを与えることなく、ハニカム構造体42を基板20から剥離することができる。
ハニカム構造体の剥離工程について、具体例を挙げて説明する。図4は、基板からハニカム材料を剥離する過程について説明する図である。(a)乃至(d)は、それぞれ第一乃至第四の実施形態に相当する。また、図5は、第一の実施形態に係る方法にて製造したハニカム構造体の斜視図である。
<第一の実施形態>
第一の実施形態について図4(a)、図5に基づいて説明する。本実施形態においては、密着力変化材料を加熱により固体から液体に変化させることにより、基板とハニカム構造体との密着力を変化させている点に特徴がある。
具体的には、密着力変化材料30としてホットメルト接着剤31を用いた。
ホットメルト接着剤31は、常温で密着力の高い固体であり、ハニカム材料40の延伸時(図3における減圧発泡工程)において高密着力を示す。ハニカム構造体42の製造後、真空チャンバ11内または真空チャンバ11から取り出した大気中において、基板20を温度制御装置13にて加熱することにより、ホットメルト接着剤31は低粘度化し(柔らかくなり)、基板20からハニカム構造体42を剥離できる状態になる。
このときホットメルト接着剤は、ハニカム構造体側42にのみ残留しても良いし、ハニカム構造体42と基板20の両側に残留してもよい。ハニカム構造体に残留したホットメルト接着剤(残留物31a)は、ハニカム構造体42を部材の一つとして利用する際に、他の部材への接着に利用することができる。よって、コスト削減、環境負荷低減にもつながる。
図5に示すように、本実施形態によって製造したハニカム構造体42は、六角柱状の中空セル44を六角格子状に配置した形状を有し、中空セル44のピッチが150μm、隔壁45の厚さは5μm、高さは100μmである。図中、基板20との密着面を上側に記載している。また、図示するように、基板20との密着面には、ホットメルト接着剤が残留している(残留物32a)。
<第二の実施形態>
第二の実施形態について図4(b)に基づいて説明する。本実施形態においては、密着力変化材料を加熱により固体から液体(又は気体)に変化させて除去することにより、基板とハニカム構造体との密着力を変化させている点に特徴がある。
具体的には、密着力変化材料30として水を用い、氷→水→水蒸気という物理的な相変化を利用した。
基板20に水を塗布し、ハニカム材料40の延伸前に温度制御装置13にて冷却して氷32にし、密着力を高める。ハニカム構造体42を製造後、温度制御装置13にて加熱して氷32を液化し、ハニカム構造体42を剥離後、さらに加熱して乾燥させる。または、ハニカム構造体42を製造後、温度制御装置13にて加熱して氷32を気化させてから剥離してもよい。よって、密着力変化層は最終的に存在しなくなる。使用している材料は水であるので、環境にやさしいという利点がある。
<第三の実施形態>
第三の実施形態について説明する。本実施形態においては、剥離工程において密着力変化材料を溶媒に溶解させて除去することにより、基板とハニカム構造体との密着力を変化させている点に特徴がある。具体的には、密着力変化材料30としてゼラチン33を用いた。
密着工程(図3参照)においてゼラチン水溶液を基板20に塗布し、温度制御装置13で乾燥させた後、ハニカム材料40を密着させる。そして、ハニカム構造体42を形成する(発泡工程)。剥離工程においては、図4(c)に示すように、温水51(溶媒)を入れた浴槽50内に、ハニカム構造体42が密着した基板20ごと浸し、水溶性のゼラチン33の層を温水51に溶解させて除去する。
<第四の実施形態>
第四の実施形態について図4(d)に基づいて説明する。本実施形態においては、剥離工程において密着力変化材料を硬化させることにより、基板とハニカム構造体との密着力を変化させている点に特徴がある。
具体的には、本実施形態においてはUV照射前後で粘弾性が変化するUV硬化材料34(UV硬化粘着材)を用いた。UV照射前のUV硬化材料34は粘性がある高密着力を示す。従って、剥離工程においてUVを照射して硬化させ、基板との密着力が低下したところで剥離する。有機溶媒を使用しないため、環境にやさしいという利点がある。
また、本実施形態においては、第一の実施形態の完成品(図5参照)のように、ハニカム構造体42の未着面にUV硬化型粘着剤が残留する場合がある。
以上、説明した第一乃至第四の実施形態に関し、具体的な実施例を示す。図6の表は、密着力変化材料と、密着力変化材料を用いたハニカム構造体の製造実施例詳細について説明する表である。
なお、ハニカム構造体の剥離条件に記載された「ホットプレート」は、温度制御装置13に相当する。また、第四の実施形態に相当する実施例の密着力変化材料の塗布方法に関し、「シートを圧着(一部除去)」とは、予めUV硬化材料を塗布した剥離用基材(=シート)を基板20上に圧力をかけながら密着させることの意味である。ここで、一部除去の一部とは、UV硬化材料が密着していない凹部21部分のことである。また、一部除去の除去とは、シート圧着後に剥離用基材を基板20から剥がす際に、凹部21部分におけるUV硬化材料が剥離用基材についたまま基板20から離れることの意味である。
表には記載されていないが、基板20として、材料がCu、凹部21のピッチが150μm、凹部21の深さが50μmのものを使用した。なお、基板20の材料としては、他にもステンレスやニッケル、ガラス、シリコン等を用いることができる。
また、表に記載されたハニカム材料40以外にも、以下の材料を用いることができる。
第二の実施形態以外に用いることの可能なハニカム材料40としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、プルラン、アルブミン、CMC、ポリアクリル酸、セルロース、デンプン、ゼラチン、アルギン酸塩、グアーガム、アラビアガム、カラーギナン、トラガント、ペクチン、デキストリン、カゼイン、コラーゲン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、酸化エチレン、寒天、ローカストビーンガム、キサンタンガム、サイクロデキストリン、タンニン酸、カラヤガム、ジュランガム、ファーセレラン、トラントガム、レシチン、キチンキトサン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、リグニンスルホン酸、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンイミン、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンオキサイド、ポリアリルアミン、等が挙げられる。
また、第一乃至第四の実施形態に共通に用いることの可能なハニカム材料40としては、ウレタンアクリル系UV硬化樹脂、エポキシアクリル系UV硬化樹脂、アルコキシアクリル系UV硬化樹脂。具体的には、ウレタンアクリレートAQ17(荒川化学工業)、エポキシアクリレートAQ9(荒川化学工業)、等が挙げられる。
また、第一乃至第四の実施形態においては、密着力変化層が1層の場合の例により説明したが、各実施形態の密着力変化層(密着力変化材料)を適宜組み合わせる等して、密着力変化層を複数の層から構成するようにしてもよい。
10…製造装置、11…真空チャンバ、12…真空ポンプ、13…温度制御装置、20、22、24…基板、21、23、25…凹部、30…密着力変化材料、31…ホットメルト接着剤、31a…残留物、32…氷、40…ハニカム材料、41…ハニカム構造、42、43…ハニカム構造体、44…中空セル、45…隔壁
特開2008−93861公報 特開2008−224767公報

Claims (7)

  1. 独立した複数の凹部を形成した基板の上面にハニカム材料を塗布してハニカム材料層を形成し、前記凹部を密閉する第一工程と、前記凹部内の気体を膨張させて前記ハニカム材料を延伸させることで複数のセルを一定方向に形成する第二工程と、前記ハニカム材料を前記基板から剥離する第三工程と、を有する中空構造体の製造方法であって、
    前記第一工程において、前記ハニカム材料層を形成する前に、前記基板と前記ハニカム材料との密着力が前記第二工程よりも前記第三工程の方が小さくなるように変化させる密着力変化材料を、前記基板と前記ハニカム材料との間に形成して密着することを特徴とする中空構造体の製造方法。
  2. 前記第二工程と前記第三工程との間で前記密着力変化材料を物理的に変化させることにより、前記密着力を変化させることを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。
  3. 前記第二工程において、前記密着力変化材料が固体であり、
    前記第三工程において、前記密着力変化材料を液体又は気体に変化させることを特徴とする請求項2記載の中空構造体の製造方法。
  4. 前記第三工程において、前記密着力変化材料を前記ハニカム材料に残留させることを特徴とする請求項3記載の中空構造体の製造方法。
  5. 前記第二工程において、前記密着力変化材料が固体であり、
    前記第三工程において、前記密着力変化材料を溶媒に溶解させることを特徴とする請求項3記載の中空構造体の製造方法。
  6. 前記第二工程と前記第三工程との間で前記密着力変化材料を化学的に変化させることにより、前記密着力を変化させることを特徴とする請求項記載の中空構造体の製造方法。
  7. 前記第二工程において、前記密着力変化材料が高粘着性であり、
    前記第三工程において、前記密着力変化材料を非粘着性に変化させることを特徴とする請求項6記載の中空構造体の製造方法。
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