JP5613129B2 - 導電性素子のスロット内に共振素子及び寄生素子を有するアンテナ構造 - Google Patents

導電性素子のスロット内に共振素子及び寄生素子を有するアンテナ構造 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤレス電子装置に係り、より特定すれば、ワイヤレス電子装置のためのアンテナ構造に係る。
コンピュータやハンドヘルド電子装置のような電子装置には、多くの場合、ワイヤレス通信能力が設けられる。例えば、電子装置は、セルラー電話帯域を使用して通信するためにセルラー電話回路を使用することができる。又、電子装置は、近傍の装置との通信を取り扱うためにショートレンジワイヤレス通信を使用することができる。例えば、電子装置は、2.4GHz及び5GHzのWiFi(登録商標)(IEEE802.11)帯域、及び2.4GHzのBluetooth(登録商標)帯域を使用して通信することができる。
小さなフォームファクタのワイヤレス装置に対する消費者の需要を満足するため、製造者は、コンパクトな構造を使用するアンテナコンポーネントのようなワイヤレス通信回路の具現化に努力を続けている。例えば、アンテナは、ポータブルコンピュータハウジングのクラッチバレル部分内に設置されるようになった。ポータブルコンピュータのクラッチバレルは、ポータブルコンピュータの蓋を開閉できるようにするヒンジを収容している。アンテナがクラッチバレルにマウントされたコンピュータでは、クラッチバレルの外面がプラスチックで形成される。プラスチックは、高周波を透過し、従って、クラッチバレル内のアンテナは、高周波アンテナ信号を送受信することができる。
しかしながら、注意しないと、このようにマウントされたアンテナは、コンピュータの蓋が開閉されるときに性能上の変動を示すことがあり、望ましからぬロスを受けることがあり、或いは小さなクラッチバレル又は複数のアンテナを伴う構成では満足な性能を示さないことがある。
それ故、アンテナを伴うポータブルコンピュータのような電子装置を供給する改良された仕方を提供できることが望まれる。
ポータブルコンピュータのような電子装置は、ハウジング内にマウントされるディスプレイ及びプロセッサのようなコンポーネントを有している。ポータブルコンピュータのような電子装置のハウジングは、例えば、ディスプレイを有する上部ハウジングと、キーボード、トラックパッド、及びプリント回路板にマウントされたコンポーネントのような内部コンポーネントを有する下部ハウジングとを含む。
このタイプの装置の上部及び下部ハウジングは、ヒンジ構造により接続される。ヒンジ構造は、上部ハウジングのクラッチバレル部分内にマウントされる。クラッチバレルは、誘電体クラッチバレルカバーのような誘電体構造を有する。上部及び下部ハウジングは、金属ハウジング壁と、クラッチバレルを取り巻く導電性素子を形成する他の導電性構造体とを収容する。それ故、クラッチバレルの誘電体構造は、導電性ハウジング構造体内にスロットの形態の誘電体開口を形成する。
そのスロット内にアンテナ構造体がマウントされる。スロットは、アンテナ構造体をマウントするときに考慮することのできる電磁共振特性を有する。例えば、スロットは、主として、ポータブルコンピュータ又は他の電子装置の上部ハウジングが開いているときはアンテナ性能に影響するが、ポータブルコンピュータ又は他の電子装置の上部ハウジングが閉じているときは影響しない。アンテナ構造体の動作を、下部ハウジングに対する上部ハウジングの位置に依存したものにするのを回避するため、アンテナ構造体は、スロットの影響に対して鈍感化することができる。
アンテナ構造体は、複数の分離されたアンテナ共振素子を含む。このアンテナ共振素子は、各々、各アンテナフィード端子において送信ラインによりフィードされる二重帯域のアンテナ共振素子である。この共振素子は、共通誘電体キャリアにおける導電性トレースで形成される。キャリアには、接地トレースが形成される。
スロットの存在に対してアンテナ構造体を鈍感化しながら他のアンテナ性能基準を満足する上で助けとなるために、寄生アンテナ素子がアンテナ構造体に合体される。この寄生アンテナ素子は、アンテナ共振素子と同じ誘電体キャリア上に導電性トレースで形成された構造を有する。キャリア上の接地トレースは、アンテナ共振素子及び寄生アンテナ素子のための共通接地点として働くことができる。
誘電体キャリアは、導電性ハウジング構造体又は他の導電性素子のスロット内にマウントされる。クラッチバレルカバーは、スロットに重畳して、誘電体キャリアを覆う。
本発明の更に別の特徴、その性質、及び種々の効果は、添付図面及び好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなろう。
本発明の一実施形態による電子装置を例示する斜視図である。 本発明の一実施形態によるアンテナ構造体を含むワイヤレス回路及びトランシーバ回路を伴う電子装置を例示する回路図である。 本発明の一実施形態により互いに回転するハウジング部分を伴う電子装置に使用されるヒンジを例示する斜視図である。 ポータブルコンピュータのような電子装置を例示する斜視図であって、本発明の一実施形態によりアンテナ及びヒンジ構造体をマウントできるクラッチバレルを電子装置がどのように有するか示す図である。 本発明の一実施形態によりヒンジを伴うポータブルコンピュータのような電子装置のハウジング構造体がどのようにスロットを形成するか示す図である。 本発明の一実施形態によりアンテナ共振素子及び寄生素子のようなアンテナ構造体をスロット内にどのようにマウントするか示す図である。 本発明の一実施形態により電子装置のアンテナが逆F型のアンテナ共振素子をどのように有するか示す図である。 本発明の一実施形態による二重帯域アンテナ共振素子を有するアンテナ構造体を例示する図である。 本発明の一実施形態による二重帯域アンテナ共振素子を有するアンテナ構造体を例示する図である。 本発明の一実施形態によりインピーダンスマッチング構造体として働く三角形導体のような導電性構造体を伴う多帯域逆F型アンテナ共振素子を電子装置のアンテナがどのように有するか示す図である。 本発明の一実施形態によりインピーダンスマッチング回路を伴う多帯域逆F型アンテナ共振素子を電子装置のアンテナがどのように有するか示す図である。 本発明の一実施形態によるアンテナ構造体に使用される寄生アンテナ素子を例示する図である。 本発明の一実施形態により図12の寄生アンテナ素子より低い周波数で動作するように構成された寄生アンテナ素子を例示する図である。 本発明の一実施形態により図12に示すタイプの寄生素子によりカバーされる周波数及び図13に示すタイプの寄生素子によりカバーされる周波数の両方で動作するように構成された寄生アンテナ素子を例示する図である。 本発明の一実施形態により曲がりくねったループ構成を使用して具現化される二重帯域寄生アンテナ素子を例示する図である。 本発明の一実施形態により2つのアンテナ共振素子及び寄生アンテナ素子を形成するトレースを有するアンテナキャリアを例示する斜視図である。 図16に示すタイプのアンテナキャリアの一部分の斜視図であって、本発明の一実施形態により同軸ケーブルのような送信ラインがどのようにキャリアに取り付けられて、キャリア上のアンテナ共振素子に信号供給するよう使用されるかを示す図である。 本発明の一実施形態によるアンテナスロットのための共振モードを例示する図である。 本発明の一実施形態によりアンテナ共振素子及び寄生素子がスロット内にどのように形成されるか示す図である。 本発明の一実施形態によりスロット内にマウントされる二重帯域アンテナ共振素子の性能にスロットモードがどのように相互作用するか示すと共に、アンテナ性能を調整するために寄生素子をどのように使用するか示すグラフである。 本発明の一実施形態により導電性構造体内のスロットにアンテナ共振素子がマウントされる位置を例示する図である。 本発明の一実施形態により図21のアンテナ共振素子及びスロットがどのように働くが示すグラフである。 本発明の一実施形態により図21のスロット内に第2の共振素子をどのようにマウントするか示す図である。 本発明の一実施形態により図23の第2のアンテナ共振素子の導入により図21のアンテナ構造体の性能がどのように変化するか示すグラフである。 本発明の一実施形態によりスロットの特性を変更し、それにより、アンテナ性能を調整するために図23のスロットの一端に寄生アンテナ素子をどのように導入するか示す図である。 本発明の一実施形態によりスロットの特性を変更し、それにより、アンテナ性能を調整するために隣接共振素子間で図23のスロットに寄生アンテナ素子をどのように導入するか示す図である。 ポータブルコンピュータのような電子装置の断面側面図であって、本発明の一実施形態により装置の蓋が開位置にあるときにスロット構造体がどのように存在するか示す図である。 図27の電子装置の断面側面図であって、本発明の一実施形態により装置の蓋が閉位置にあるときにスロット構造体がどのように実際上不存在となるか示す図である。 本発明の一実施形態により導電性構造体のスロット内に3つのアンテナ共振素子をどのようにマウントするか示す図である。 本発明の一実施形態により、3つのアンテナ共振素子と、その隣接するアンテナ共振素子間に位置する寄生アンテナ素子とを、どのようにスロット内にマウントするか示す図である。 本発明の一実施形態により3つのアンテナ共振素子及び2つの寄生アンテナ素子をどのようにスロット内にマウントするか示す図である。 本発明の一実施形態により、2つのアンテナ共振素子と、その2つのアンテナ共振素子間に介在される二重帯域寄生アンテナ素子とを、どのようにスロット内にマウントするか示す図である。 本発明の一実施形態により、2つのアンテナ共振素子と、その2つのアンテナ共振素子間に介在される単一帯域寄生アンテナ素子とを、どのようにスロット内にマウントするか示す図である。
図1の電子装置10のような電子装置は、ワイヤレス回路を収容する。例えば、電子装置10は、セルラー電話帯域のような長距離通信帯域で動作するワイヤレス通信回路と、2.4GHzのBluetooth(登録商標)帯域並びに2.4GHz及び5GHzのWiFi(登録商標)ワイヤレスローカルエリアネットワーク帯域(IEEE802.11帯域とも称される)のような短距離通信帯域で動作するワイヤレス回路を収容する。
装置10は、ハンドヘルド電子装置、例えば、セルラー電話、メディアプレーヤ、ゲーム装置、又は他の装置であるか、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は他のポータブルコンピュータであるか、デスクトップコンピュータであるか、テレビ又はセットトップボックスであるか、或いは他の電子装置である。ポータブルコンピュータのように装置10が回転可能な蓋を有する構成を、ここに、一例として説明する。しかしながら、これは、例示に過ぎない。装置10は、いかなる適当な電子装置でもよい。
図1の例に示すように、装置10は、ハウジング12のようなハウジングを有する。ハウジング12は、プラスチック、金属(例えば、アルミニウム)、炭素繊維のような複合繊維、ガラス、セラミック、他の材料、及びそれら材料の組み合わせで形成される。ハウジング12又はハウジング12の一部分は、ハウジング構造体が一体的な材料断片で形成される単一本体構造を使用して形成されてもよい。又、固定具、接着剤、及び他の取り付けメカニズムを使用して互いに取り付けられるフレーム構造体、ハウジング壁、及び他のコンポーネントからハウジング12又はハウジング12の一部分が形成される多部品ハウジング構造体が使用されてもよい。
ハウジング12における幾つかの構造体は、導電性である。例えば、金属のハウジング壁のようなハウジング12の金属部分は、導電性である。ハウジング12の他の部分は、プラスチック、ガラス、セラミック、非導電性複合体、等で形成される。アンテナ構造体をハウジング12の導電性部分に対して配置するときには、装置10のアンテナ構造体が適切に機能するよう保証するように注意しなければならない。必要に応じて、ハウジング12の部分は、装置10のアンテナ構造体の部分を形成してもよい。例えば、導電性ハウジングの側壁は、アンテナ接地素子を形成してもよい。アンテナは、ハウジング12の開口、例えば、スロット状の開口にマウントされる。その際に、満足なアンテナ動作を保証するためには、開口の共振振舞い(即ち、高周波における開口の電磁的振舞い)を考慮に入れるのが好ましい。
図1に示すように、装置10は、トラックパッド18及びキーボード16のような入力/出力装置を有する。画像データを収集するためにカメラ26が使用される。又、装置10は、マイクロホン、スピーカ、ボタン、取り外し可能な記憶ドライブ、状態インジケータライト、ブザー、センサ、及び他の入力/出力装置のようなコンポーネントも有する。これらの装置は、装置10の入力を収集するのに使用されると共に、装置10のユーザに出力を供給するのにも使用される。ポート28のような装置10のポートは、相手コネクタ(例えば、オーディオプラグ、ユニバーサルシリアルバスケーブルのようなデータケーブル、ビデオ及びオーディオデータを取り扱うデータケーブル、例えば、装置10をコンピュータディスプレイ、テレビ、又は他のモニタ、等に接続するケーブルに関連したコネクタ)を受け入れる。
装置10は、ディスプレイ14のようなディスプレイを含む。このディスプレイ14は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電子インクディスプレイ、又は他の表示技術を使用して実施されたディスプレイである。タッチセンサがディスプレイ14に合体されてもよい(即ち、ディスプレイ14は、タッチスクリーンディスプレイでよい)。ディスプレイ14のタッチセンサは、抵抗性タッチセンサ、容量性タッチセンサ、音響タッチセンサ、光ベースのタッチセンサ、力センサ、又は他のタッチ技術を使用して実施されるタッチセンサである。
装置10は、一部片ハウジングでもよいし又は多部片ハウジングでもよい。図1に示すように、例えば、電子装置10は、上部ハウジング12A及び下部ハウジング12Bから形成された2部分ハウジングを有するポータブルコンピュータ又は他の装置のような装置である。上部ハウジング12Aは、ディスプレイ14を備え、時々、ディスプレイハウジング又は蓋と称される。下部ハウジング12Bは、時々、ベース又はメインハウジングと称される。これらハウジング12A及び12Bは、ヒンジ(例えば、下部ハウジング12Bの上縁及び上部ハウジング12Aの下縁に沿った領域20に配置されたヒンジ)を使用して互いに接続される。このヒンジは、上部ハウジング12Aが下部ハウジング12Bに対して軸22の周りを方向24に回転できるようにする。蓋(上部ハウジング)12Aの平面と、下部ハウジング12Bの平面は、蓋が閉じたときの0°と、蓋が完全に開いたときの90°以上との間で変化する角度だけ分離される。
図2に示すように、装置10は、制御回路30を備えている。この制御回路30は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブメモリ、ソリッドステート記憶装置、他の不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ、及び他の揮発性メモリ、等の記憶装置を含む。又、制御回路30は、処理回路も含む。制御回路30の処理回路は、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、マイクロプロセッサ、電力管理ユニット(PMU)回路、及び他のタイプの集積回路の一部分である処理回路を含む。
高周波信号を送受信するためにワイヤレス回路36が使用される。このワイヤレス回路36は、ワイヤレス高周波トランシーバ32と、1つ以上のアンテナ34(時々、アンテナ構造体と称される)とを備えている。ワイヤレストランシーバ32は、アンテナ構造体34を使用して装置10から高周波信号を送信し、又、受信する。この回路36は、1つ以上の通信帯域を取り扱うように使用される。回路36により取り扱われる通信帯域は、例えば、セルラー電話帯域、衛星ナビゲーション帯域(例えば、1575MHzのグローバルポジショニングシステム帯域)、2.4GHzのBluetooth(登録商標)帯域のような短距離リンク用の帯域、並びに2.4GHzのIEEE802.11帯域及び5GHzのIEEE802.11帯域のようなワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)帯域、等を含む。
装置10に2つ以上のアンテナを使用するときには、高周波トランシーバ回路32は、多入力及び多出力(MIMO)プロトコル(例えば、IEEE802.11(n)ネットワークに関連したプロトコル)並びにアンテナダイバーシティスキームを具現化するようにアンテナを使用することができる。又、共通アンテナ構造体を経て異なるタイプのトラフィックを送受信できるようにマルチプレクス構成を使用することができる。例えば、トランシーバ32は、共有アンテナを経て2.4GHzのBluetooth(登録商標)信号及び802.11信号の両方を送受信できる。
経路38のような送信線経路は、アンテナ構造体34をトランシーバ32に結合するのに使用される。経路38の送信線は、同軸ケーブル経路、マイクロストリップ送信線、ストリップライン送信線、エッジ結合マイクロストリップ送信線、エッジ結合ストリップライン送信線、これらタイプの送信線の組み合わせから形成された送信線、等を含む。
動作中に、アンテナ34は、高周波トランシーバ回路32へルーティングされる到来する高周波信号を経路38により受信する。信号送信動作中に、高周波トランシーバ回路32は、経路38によりアンテナ構造体34へ運ばれてリモート受信器へ送信される高周波信号を送信することができる。
電子装置の部分を互いに回転できるようにするためにヒンジが使用される。ヒンジは、例えば、図1の上部ハウジング12Aを回転軸22の周りで下部ハウジング12Bに対して回転できるように使用される。ハウジング12A及び12Bを取り付けるのに使用されるヒンジ構造体は、時々、クラッチ構造体又はクラッチと称される。ここに例示するクラッチ(ヒンジ)が図3に示されている。図3に示すように、クラッチ(ヒンジ)40は、軸22の周りで互いに回転する構造体42のような構造体及び構造体46のような構造体を有する。構造体42は、スクリューを受け入れる穴44のような穴を有する。スクリューは、構造体42を、上部ハウジング12Aのフレーム構造体12A−1又は他の構造体に取り付けるのに使用される。構造体46は、穴48を通過するスクリューを使用してハウジング12Bに取り付けられる。必要に応じて、他の取り付け技術を使用して、構造体42をハウジング12Aにマウントし且つ構造体46をハウジング12Bにマウントしてもよい。スクリューの使用は、例示に過ぎない。
時々、クラッチピラーとも称される構造体42は、シャフト50を備えている。時々、クラッチバンドとも称される構造体46は、シャフト50を所定量の摩擦で把持する部分52を有する。動作中に、クラッチバンドは、上部ハウジング12Aを下部ハウジング12Bに対して回転できるようにする量の力でクラッチピラーを保持する。ユーザが上部ハウジング12Aをスリップせずに下部ハウジング12Bに対して希望の角度に配置できるようにするに充分な摩擦が存在する。構造体12A−1は、ハウジング12A内の他の構造体、例えば、ディスプレイ14、ハウジング壁構造体(例えば、金属ハウジング構造体)、等に取り付けられる。構造体46に取り付けられるハウジング12Bの部分は、金属フレーム、金属側壁、及び他のハウジング構造体のようなハウジング構造体を含む。
図3のヒンジ40のような一対のヒンジ構造体がハウジング12の部分内にマウントされる。図4に示すように、例えば、ヒンジ40のようなヒンジ構造体は、クラッチバレル54のようなハウジング12Aの一部分にマウントされる。クラッチバレル54は、図4に示すように円筒形でもよいし、又は他の形状でもよい。必要に応じて、クラッチバレル54は、ハウジング12Bの一部分として形成される。
クラッチバレル54は、プラスチックのような誘電体で形成されたカバーを有する。これは、クラッチバレルがアンテナ構造体のためのマウント位置として働くことができるようにする。動作中に、クラッチバレルのカバーは、クラッチバレル内のアンテナ構造体によって高周波信号を送受信できるようにする。又、アンテナ構造体は、装置10内の他の位置に、例えば、ディスプレイ12の上縁に沿って(例えば、ハウジング12Aの上部ベゼルの下に)、下部ハウジング12B内に、ハウジング12A又はハウジング12B内の誘電体窓構造体の下に、ガラス層又は他の誘電体層の後方に、或いはハウジング12のどこかにマウントすることができる。クラッチバレル内にアンテナ構造体をマウントする効果は、この位置が、ハウジング12の目立つ部分に潜在的に目障りなアンテナ窓を使用する必要性をなくすと共に、蓋12Aが開いたときも蓋12Aが閉じたときもアンテナ動作を遂行できることである。
クラッチバレル54は、主として、誘電体材料で形成される(例えば、パターン化された導電性アンテナ構造体、プラスチックカバー、又は他の誘電体で形成されたカバー、等を支持するためのプラスチックキャリアのような誘電体キャリア)。クラッチバレル54内には空気(誘電体)も存在する。装置10の周囲部分は、実質的に導電性である。例えば、上部ハウジング12Aの構造体、例えば、図3のフレーム12A−1、図1のディスプレイ14、及びそれらディスプレイ14及びフレーム12A−1がマウントされる金属ハウジング側壁は、全て、導電性である。同様に、ハウジング12Bの構造体、例えば、金属のハウジング側壁、金属フレーム構造体、プリント回路基板上の接地プレーン、高周波シールド構造体、及びハウジング12Bの他の装置コンポーネントも、導電性である。
このような構成の結果として、クラッチバレル54は、実質的に誘電体で形成され、そしてクラッチバレル54を取り巻くハウジング12の部分は、導電体で形成される。図5に示すように、これは、ハウジング12の周囲導電性構造体内にスロット状の誘電体開口(破線56で示す)を生じさせる。この開口56は、時々、スロットと称される。ハウジング12の周囲の導電性部分は、時々、全体的に、導電性素子(接地部)を形成すると称される。導電性素子は、スロットを完全に取り巻くので、スロット56のようなスロットは、時々、閉じたスロットと称される。
コンポーネント60のような1つ以上のアンテナコンポーネントをスロット56内にマウントすることができる。コンポーネント60は、能動的なアンテナコンポーネント、例えば、直接フィードのアンテナ共振素子(ここでは、時々、「アンテナ共振素子」又は「共振素子」と称される)を含む。又、コンポーネント60は、受動的な(非フィードの)アンテナコンポーネント、例えば、寄生アンテナ共振素子(ここでは、時々、寄生素子と称される)も含む。コンポーネント60は、アンテナ構造体34を形成するのに使用される(例えば、図2を参照)。アンテナ構造体34においてトランシーバ32と各共振素子との間に各送信線経路38(図2)が結合される。
スロット56(即ち、誘電体充填スロット56を取り巻く導電性素子の形状)は、アンテナ構造体34の振舞いに影響する電磁特性を有している。アンテナスロット56は、コンポーネント60に関連して動作するタイプの寄生アンテナ共振器として働く。ある状態において、スロット56の電磁特性は、特定の共振素子が信号を送受信するのを容易にする(即ち、共振素子が自由空間において動作するシナリオに比して、その共振素子に対するアンテナ効率が高くなる)。他の状態において(即ち、共振素子がスロット内に異なる仕方で配置されるか又は異なる周波数で動作されるとき)、スロット56の電磁特性は、その共振素子が信号を送受信するのを困難にする(即ち、自由空間構成に対してアンテナ効率が下がる)。
それ故、スロット56の存在は、アンテナ性能に著しい影響を及ぼし、コンポーネント60の最適な位置を決定するときには考慮しなければならない。例えば、共振素子間に過剰な結合を示すことなくアンテナ構造体34が効率的に機能を遂行できるコンポーネント60の位置を選択しなければならない。共振素子が満足な電磁的分離(例えば、10dB以上)を示すときには、MIMOプロトコルのようなプロトコルをトランシーバ32により有効に使用することができる。
又、アンテナ構造体34が蓋12Aの位置に過度に反応しないようにするコンポーネント60の位置を選択することも望まれる。ハウジング12の形状は、主として蓋12Aが開いているときにスロット56を生じ、蓋12Aが閉じているときはそれを生じないものである(一例として)。この形式の環境では(即ち、スロット56の影響が、装置の幾何学形状の変化のために蓋位置の関数として変化するときには)、蓋位置に関わらずアンテナ性能が実質的に同じである位置にコンポーネント60を配置することが望まれる。これらの位置は、典型的に、スロットの共振と著しく重畳しないスロット56内の位置と相関している。
スロット56に関連したスロットの共振(時々、モードと称される)は、スロット56の形状により影響される。スロット56の形状は、スロットを取り巻く導電性構造体(導電性素子)の形状により決定される。スロット56の上縁は、一般的に、ディスプレイハウジング12Aの下縁(即ち、フレーム構造体、ディスプレイ構造体及び金属のハウジング壁のようなハウジング12Aの導電性最下部)により境界定めされる。スロット56の下縁は、一般的に、ハウジング12Bの上縁(例えば、金属のハウジング壁、他の導電性構造体、等)により形成される。ヒンジ40L及び40Rと、ヒンジ40L及び40Rをハウジング12A及び12Bに取り付ける固定構造体は、金属のような導電性材料から形成される。ほぼスロット56の周囲をたどる図5のループ付き矢印58で示すように、ヒンジの導電性特性は、ヒンジ40L及び40R(並びにスロット56を取り巻く導電性素子の他の部分)に電流を通流できるようにする。それ故、スロット56の形状は、スロットの左縁における左ヒンジ40Lの形状、及びスロットの右縁における右ヒンジ40Rの形状によって影響される。
スロットの形状の正確さ(即ち、スロットの縁がまっすぐで且つ平行である程度)は、典型的に、スロットの周囲長さより、スロットの電磁的な振舞いに及ぼす影響が少ない。スロット56を長さL及び巾Wの長方形であるとしてどのようにモデリングするか示す図が、図6に示されている。図6に示すように、スロット56は、導電性素子62(即ち、装置10の導電性構造体、例えば、ハウジング12の金属ハウジング壁、並びにスロット56内の空気、プラスチック及び他の誘電体を取り巻く他の構造体)内の開口から形成される。巾Wは、典型的に、長さLより著しく小さい。例えば、巾Wは、3cm未満、2cm未満、又は1cm未満である(一例として)。長さLは、例えば、5−35cm、10−20cm、20−30cm、約20cm、20cm未満、20cm以上、7−28cm、15−20cm、等である。スロット56の周囲長さP(即ち、2L+2W)は、典型的に、共振ピークに関連している(即ち、スロット56は、典型的に、波長がPに等しい電磁信号に対する共振を示す)。高調波周波数(例えば、基本的な共振周波数の整数倍)も、共振を示す。
クラッチバレル54(図4)のようなハウジング構造体から形成される典型的なスロットは、若干狭いものである(即ち、典型的なクラッチバレルに対してW<<L)。それらのスロットにおいて、スロット周囲Pは、スロットの長さLの2倍として近似できる(即ち、スロット長さは、スロットの電磁特性を決定する上で第1の重要なものとみなすことができる)。従って、スロット56の振舞いは、ここでは、スロット56の長さに関して説明する。実際に、付加的なファクタ、例えば、スロット周囲の形状、スロット内及びスロットに隣接する誘電体の誘電率、並びにスロット内及びスロットに隣接する装置10の導電性コンポーネントの導電率及び形状も、アンテナ応答に影響する。
図6のアンテナコンポーネント60は、共振素子、例えば、逆F型素子、種々の逆F型アンテナ、又は他の適当なアンテナ共振素子を含む。図7は、逆F型アンテナ共振素子RE及び関連接地部Gの一例を示す。図7の共振素子REは、主たる共振素子岐路B、短絡岐路SC、及びフィード岐路Fを有する。ソース64(即ち、トランシーバ32に結合された図2の送信線38の1つのような送信線)は、正のアンテナフィード端子66及び接地アンテナフィード端子68を含むアンテナフィードに接続される。
アンテナ構造体34のスロット56内のコンポーネント60の1つとして使用される共振素子の別の例が、図8に示されている。図8の例では、共振素子REは、2つの異なる周波数帯域(例えば、Bluetooth(登録商標)及びWiFi(登録商標)通信に使用するための2.4GHz帯域のような低い帯域、並びにWiFi(登録商標)通信に使用するための5GHz帯域のような高い帯域)で動作するように構成される。高い周波数帯域(例えば、5GHz)では、ノード78にインピーダンス不連続部がある。これは、セグメント74が接地平面素子Gに対して垂直であって、セグメント74及びセグメント76を接地部Gからセグメント72より大きな距離Dに配置するからである。(セグメント72と接地部Gとの距離に比して)セグメント74及び76と接地部Gとの間のこの大きな距離Dは、セグメント72に比してセグメント74及び76に対するキャパシタンスの減少を招き、それ故、5GHzにおけるインピーダンスをセグメント72よりセグメント75及び76に対してより高くする。ノード78におけるインピーダンスの不連続性は、5GHzにおける素子REの能動的部分を実際上セグメント72に限定する。セグメント72の長さは、5GHzにおいて共振するように選択され、共振素子REが5GHzの共振ピークを示すようにする。セグメント70は、インピーダンスマッチングスタブとして働く。2.4GHzにおいて、セグメント72及び76のインピーダンスは、同等である。というのは、セグメントキャパシタンスの差の影響が低い周波数において減少されるからである。セグメント72、74及び76の全長は、2.4GHzで共振するように選択され、一方、セグメント70は、マッチングスタブとして働く。それ故、図8の共振素子REは、5GHz及び2.4GHzの両方に共振ピークを示す(即ち、図8の共振素子REは、2.4GHzにおける低い帯域及び5GHzにおける高い帯域の両方をカバーする二重帯域共振素子として働く)。必要に応じて、このタイプの構造を使用して、他の通信帯域をカバーすることができる。図8の例において2.4GHz及び5GHzを通信帯域として使用することは、単なる例示に過ぎない。
又、図9のアンテナ共振素子REも二重帯域動作を示す(例えば、2.4GHzの低い帯域及び5GHzの高い帯域、又は他の当該通信帯域において)。高い帯域において、シャントインダクタとして働くセグメント82は、開路する傾向がある(即ち、セグメント82は、比較的高いインピーダンスを示す)。セグメント80の長さは、セグメント80が高い帯域において共振するように選択される。これは、アンテナ共振素子REに高い帯域の共振を与える。低い帯域では、セグメント80及び82は、インピーダンスマッチングスラブとして働く。セグメント84の長さは、セグメント84が低い帯域において共振するように選択される。これは、図9のアンテナ共振素子REに低い帯域の共振を与える。それ故、図9の共振素子REは、低い帯域及び高い帯域の両方の共振ピークを有し、二重帯域アンテナとして働くことができる。
図10は、(一例として)2.4GHzの低い帯域及び5GHzの高い帯域に使用される多帯域アンテナ構成を例示する。破線LBに関連した導体の長さは、2.4GHzの共振周波数に貢献する。破線HB1に関連した導体の長さは、第1の高帯域共振(例えば、5GHzの付近の)に関連され、そして一点鎖線HB2に関連した導体の長さは、第2の高帯域共振(例えば、5GHzの付近におけるHB1の共振の近く)に関連される。HB1及びHB2の共振は、図10のアンテナ構造体に5GHzのカバレージを与えるように一緒に動作する。テーパー型導電性構造体TPは、接地部Gに対して平行に延びない低い縁を有する。これは、構造体TPの下縁と接地部Gとの間の分離VDを、セグメントHB1に関連した共振素子岐路及び接地平面Gに沿った横方向距離DSの関数として変化させる。図10の例では、構造体TPは、三角形であり、そして距離VDは、距離DSの関数として直線的に変化する。必要に応じて、構造体TPは、カーブした下縁又は他の形状を有してもよい。構造体TPのテーパー特性は、アンテナフィードと共振素子の岐路との間の遷移を平滑化し、それ故、インピーダンスマッチングを改善する上で助けとなる。
図11は、(一例として)2.4GHz及び5GHzで動作するのに使用される多帯域アンテナを例示する。図11のアンテナ構造体は、テーパー型構造部TP及び曲がりくねったセグメントMSを伴う共振素子導体を含む。ポイントPTAとPTBとの間の共振素子導体の長さは、2.4GHzにおける半波長共振及び5GHzにおける全波長共振に関連している。セグメントMSの曲がりくねった形状は、スペースを節約する。区分TPのテーパー特性は、アンテナフィードのための滑らかな遷移を与え、インピーダンスマッチングを改善する(例えば、5GHzにおいて)。
共振素子(RE)に加えて、スロット56内のコンポーネント60は、寄生素子(PAR)を含む。この寄生素子は、特定の周波数において有効であるように構成される。例えば、寄生素子PARは、L字型、T字型、螺旋状、ループ状又は他の形状であって、その導電性セグメントは、望ましい周波数において共振を生じる長さである。
高い通信帯域(5GHz)に関連した周波数で動作するよう同調される共振素子の一例が図12に示されている。図12に示すように、寄生素子PARは、セグメント86及び88を有する。短絡経路として働くセグメント88は、接地部Gに垂直に延びる(即ち、セグメント88の長手方向軸は、接地部Gの最上面に垂直である)。セグメント86は、接地部Gに平行に延びる共振岐路を形成する。セグメント86の長さは、セグメント86が(一例として)5GHzの高帯域周波数の電磁信号と相互作用するように選択される。このタイプの寄生素子がスロット56に含まれたときには、5GHzの電磁信号が素子PARの共振岐路と相互作用し、そしてセグメント88を経て接地部へ短絡される。それ故、寄生素子PARは、約5GHzの高周波信号に対して接地部への低インピーダンス経路を形成する。他の周波数(即ち、2.4GHz)の信号は、著しく低い相互作用を示す(即ち、図12の寄生素子PARは、2.4GHzにおいて開路として働く)。
図13に示すように、寄生素子PARは、セグメント90により形成された岐路のような長い共振岐路を有する。セグメント90は、図12のセグメント86よりも長く、従って、寄生素子PARは、低い周波数(例えば、約2.4GHzの低帯域周波数)において有効となる。このタイプの構成では、図13の寄生素子PARは、高帯域周波数(例えば、5GHz)において開路を形成し、そして低帯域周波数(例えば、2.4GHz)において接地部Gへの短絡を形成する。必要に応じて、先端区分TPのようなセグメント90の部分は、区分FTを形成するように曲げられる。セグメント90が、区分FTで示されたタイプの曲がった(曲がりくねった)先端を有するときには、寄生素子PARは、スペースを節約する螺旋形状を有する。このタイプの螺旋形状は、図12の寄生素子PAR、又は他の寄生素子構造体に使用される。
必要に応じて、スロット56の寄生素子は、複数の帯域で動作するように構成される。図14に示すように、寄生素子PARは、セグメント86のような短い岐路と、セグメント90のような長い岐路の両方を有する。それ故、図14の寄生共振素子PARは、2つの異なる長さの岐路を伴うT字型である。短い岐路は、高帯域周波数(例えば、5GHz)において応答するように構成され、そして長い岐路は、低帯域周波数(例えば、2.4GHz)において応答するように構成される。このタイプの構成では、寄生素子PARは、低及び高の両帯域(即ち、2.4GHz及び5GHz)において接地部Gへの低インピーダンス経路を形成し、そして他の周波数において高いインピーダンス(開路)を示す。必要に応じて、図14のT字型素子の岐路は、図13のセグメント90の曲がった先端部FTに関連して説明した螺旋部を形成するように曲げることができる。又、寄生素子は、ループ状の寄生構造を使用して具現化されてもよい。曲がりくねったループ形状から形成される二重帯域の寄生素子PARが図15に例示されている。図15の寄生素子PARは、(一例として)2.4GHz及び5GHzで動作する。
共振素子RE及び寄生素子PARは、ある長さのワイヤ、パターン化された金属断片、ホイルのストリップ、又は他の導電性構造体で形成される。1つの適当な構成では、共振素子RE及び寄生素子PAR(並びに少なくともある接地部G)は、基板上の導電性トレースで形成することができる。使用される基板は、ポリマー基板(例えば、プラスチック)、プリント回路基板(例えば、ガラスファイバー充填エポキシで形成されたプリント回路板のようなリジッドなプリント回路板、ポリイミド又は他のポリマーの1つ以上の薄いシートで形成されたフレキシブルなプリント回路板、リジッド・フレックス基板、等)、ガラス基板、セラミック基板、等を含む。
プラスチック基板上に形成された2つの共振素子RE及び単一の介在型寄生素子PARのセットが図16に例示されている。時々、キャリアとも称される図16のプラスチック基板92は、リジッドなポリマー又はフレキシブルなポリマーで形成される。一例として、キャリア92は、巾X1が約3−20mmで、厚みX2が約0.5−3mmで、長さX3が約7−30cmであるか、又はクラッチバレル54及びスロット56内に嵌合する他の適当な長さをもつ成形プラスチックの断片から形成される。図16に示すように、共振素子RE及び寄生素子PARは、キャリア92の表面94上にパターン化された金属トレース98から形成される。アンテナ共振素子及び寄生アンテナ素子の両方に対して共通の接地部として働く接地部Gは、キャリア92の表面96上にパターン化された金属トレース100から形成される。
トレース98及び100は、電気メッキ又は他の金属化技術により形成される。トレース98及び100が望ましいパターンで堆積されるようキャリア92を鋭敏化するため、キャリア92は、2ショットモールディングプロセスを使用して形成される。このタイプのプロセスでは、プラスチックの第1ショットが金属化中に金属を引き付けない材料から形成され、そしてプラスチックの第2ショットが金属化中に金属を引き付ける材料から形成される。プラスチックの第1ショットを使用して、金属の堆積が望まれないキャリア92の部分を形成することができる。プラスチックの第2ショットを使用して、金属の堆積(即ち、トレース98及び100のパターン)が望まれるキャリア92の部分を形成することができる。使用する別の鋭敏化技術は、レーザー光を使用してキャリア92の表面特性を変更し(例えば、粗面化し)、レーザー光がキャリア表面をパターン化したところにトレース98及び100が形成されるようにすると共に、レーザー光が当たらなかったところに金属が堆積しないようにすることを含む。必要に応じて、他のパターン化技術が使用されてもよい(例えば、ホトリソグラフィー、型抜メタルホイル、パターン化されたワイヤ又は金属部品、等)。
図17は、同軸ケーブル38のような送信線をどのように使用して共振素子に信号供給するかを示す。図17に示すように、同軸ケーブル38は、プラスチックジャケットを使用して絶縁された部分102のような第1の部分を有する。導電性の外側編組導体104は、接地導体Gの一部分に沿って露出され、そして半田接続108を使用して接地部Gに電気的に接続される。半田接続108は、第1のアンテナフィード端子(例えば、図7−11のアンテナ接地フィード68)を形成する。キャリア92上のトレース112は、アンテナ共振素子REを形成する。ケーブル38の正の中心導体106は、トレース112上の点110に半田付けされて、正のアンテナフィード端子(例えば、図7−11の正のアンテナフィード66)を形成する。必要に応じて、付加的なケーブル38をこのように接地部Gに沿ってルーティングさせて、付加的な共振素子REに信号供給することができる。図面が複雑になり過ぎないようにするため、図17には、1つの共振素子RE及び1つの送信フィード線38しか示されていない。
構造体34の満足なアンテナ性能は、スロット56内での共振素子RE及び寄生素子PARの配置を最適化することにより得ることができる。スロット56によりサポートされる電界(即ち、スロット56によりサポートされるモード)の分布は、スロット56内の特定の位置で動作する共振素子のアンテナ効率を上げ下げすることができる。又、アンテナ性能は、一般的に、動作周波数の関数であり、スロット内に付加的な共振素子及び寄生素子を含ませることにより影響される。満足な構成は、各共振素子RE間の充分な分離を示しながら、望ましいプロトコル(例えば、複数のアンテナを伴うMIMOプロトコル又は他のプロトコル)を具現化するに充分な数の共振素子REを含む。ある用途では、1つ又は2つの共振素子REしか必要でないが、他の設計では、MIMOプロトコル又は他の設計基準の需要を満足するために3つ以上の共振素子REが要求される。各共振素子間の分離レベルは、(一例として)約10dB以上であることが必要とされる。スロット56のサイズ及び形状、ひいては、アンテナ性能に影響するその潜在性が、ベース12Bに対する蓋12Aの角度に基づいて増減するので、蓋の位置の作用に対してアンテナ構造体34を鈍感化することも望まれる。充分なアンテナ効率及び望ましい動作帯域も達成されねばならない。
このような設計上の制約を同時に満足することは、挑戦である。例えば、アンテナ共振素子の配置を変更して、共振素子間に望ましい量の分離を得ることは、蓋の配置に対するアンテナ構造体の敏感さを高めるか、或いはアンテナの効率を低くし過ぎ又はアンバランスにすることがある。適当な周波数で動作する1つ以上の寄生素子PARを合体することは、構造体34を設計する上で付加的な自由度を与える。
スロット56によりサポートされる典型的な電界分布が図18に示されている。図18に破線114で示すように、スロット56は、スロット56の端部付近に弱い電界強度(例えば、スロット56の端124付近の位置116における電界E1を参照)を、そしてスロット56の中間部付近に強い電界強度(例えば、スロット56の長さに沿った中間点付近の位置120における電界E3を参照)をもつモードを示す。アンテナ共振素子REがスロット56の位置120に配置された場合には、それによりアンテナは、蓋12Aの開閉に対して過剰に敏感となる。というのは、スロット56の影響が、あるタイプの装置10において、蓋12Aが開いたときだけ生じ、蓋12Aが閉じたときには生じないからである。位置116のような位置は、スロット56の有無に対して不感であり、それ故、蓋の位置に対して満足な鈍感化を与える。しかしながら、スロットの長さ次元122に沿った位置、例えば、位置116は、一般的に、導電性素子62の導電性材料(例えば、ハウジング12の導電性部分)と、共振素子との間に充分な分離を与えず、不満足なアンテナ効率及び/又は帯域巾を招く。それ故、一般的に、スロット内において中間の電界強度E2により特徴付けられる位置(即ち、図18の例では位置118)にアンテナ共振素子REを配置するのが望ましい。
あるアンテナ構成では、複数の当該通信帯域で充分に作用するスロット56内の位置に共振素子を配置することができる。他の状態では、低い帯域及び高い帯域(例えば、2.4GHz及び5GHz)の両方において設計基準を同時に満足する共振素子のための単一の位置を最初に識別することはできない。スロット56によりサポートされるモードパターンは、周波数依存性であり、従って、1つの通信帯域において充分に作用するアンテナ共振素子の位置を識別できるとしても、この位置は、別の当該通信帯域に対して充分に作用しないことがある。そのような状態、及び全ての設計基準を同時に満足することが困難な他の状態では、図12−15の寄生素子PARのような1つ以上の寄生素子PARをスロット56に合体することができる。
1つ以上の寄生共振素子PARをスロット56内に合体することで、アンテナ構造の設計上、付加的な自由度が与えられる。例えば、寄生素子PARを合体すると、1つ以上の周波数帯域においてスロット56の有効長さを変更することができ、及び/又はスロット56を1つ以上の短いスロットに実際上分割することができる。これは、このようにしなければできない仕方で、設計上の制約を満足できるようにする。
一例として、図19のアンテナ構造体34について考える。図19の例では、アンテナ共振素子126は、スロット56内で、スロットの長手方向次元122に沿った位置126に配置されている。スロット56の長さは、主として、外部ファクタ(例えば、装置10の望ましいフォームファクタ)により決定することができる。それ故、スロット56の物理的な長さは、調整可能ではない。位置126に共振素子REを配置することは、アンテナ構造体34が高い通信帯域(例えば、5GHz)で動作するとき過剰なスロット共振を回避する上で満足であるが、アンテナ構造体34が低い通信帯域(例えば、2.4GHz)で動作するときにはスロットの共振との望ましからぬ一致を生じ得る。寄生素子PARを合体することにより、スロット56の長さ(及び周囲)は、実際上、短縮される(例えば、図19の例では、長さLG2から長さLG1へ)。
このタイプのシナリオにおいて寄生素子PARを図19のスロット56に含ませる影響が図20のグラフに示されている。図20において、共振素子REの共振特性が実線132で示されている。この例では、アンテナ構造体34が2つの当該通信帯域(即ち、低い帯域周波数f1を中心とする通信帯域及び高い帯域周波数f2を中心とする通信帯域)において充分に機能するよう保証することが望まれる。二重帯域の共振素子設計(例えば、図8又は図9に関連して説明したタイプの設計)を使用して、図19の共振素子REは、図20に実線132で示すように、f1及びf2に満足な定在波比(SWR)ピークを示す。
寄生素子PARをもたないスロット56の共振特性が破線128で示されている。スロット56は、fa、fb、fc及びfdに共振ピークを示す。周波数fdは、高い帯域f2から充分に離れていて、アンテナ構造体34の性能が高い帯域においてスロット56により著しく影響されないようにしている。しかしながら、周波数fcにおけるスロット共振は、低い帯域周波数f1と一致する。修正動作をとらないと、これは、アンテナ構造体34がスロット56の影響に過剰に敏感になるようにさせ得る。
低帯域及び高帯域の両方がスロット56の存在に対して充分に鈍感化されるよう保証するために、図19の寄生素子PARをスロット56に含ませることができる。寄生素子PARは、図13に示すタイプの設計を使用し、寄生素子が低い帯域周波数(即ち、周波数f2付近の周波数ではなく、f1付近の周波数)でしか有効でないようにする。それ故、寄生素子PARは、スロット56の有効長さを、高い帯域周波数ではLG2で不変のままとするが、低い周波数帯域では、スロット56の有効長さをLG1へ短縮する。
この作用は、図20の一点鎖線130で示されており、これは、寄生素子PARが含まれたときのスロット56の性能を表す。図20に示すように、周波数fdにおけるスロット56の高周波数共振は、寄生素子PARの存在のために周波数fdnへと非常に僅かにシフトする。周波数fdとfdnとの間のシフトは、(この例では)比較的僅かである。というのは、寄生素子PARが高い帯域ではなく低い帯域で動作するように同調されるからである。周波数fdnにおける共振ピークは、依然、高い帯域周波数f2から充分遠く離れているので、寄生素子PARを含むアンテナ構造体32は、寄生素子PARが存在するときには満足に動作し、そしてスロット56の存在に対して過敏にならない。低い帯域周波数f1の付近の周波数では、寄生素子PARは、能動的であって、接地部Gへの「短絡」として働く(例えば、図13を参照)。これは、スロット56の有効長さを低い帯域において長さLG1(図19)へ短縮する。その結果、周波数fcにおけるスロット共振が周波数fcnへシフトされる。周波数fcにおけるスロット共振は、低い帯域周波数f1と重畳し、それ故、アンテナ構造体34を、寄生素子PARが存在しないときに、スロット56の存在に対して過敏にさせる。しかしながら、スロット56に寄生素子PARが存在するときには、fcnにおけるシフトされるスロット共振が、低い帯域周波数f1ともはや重畳しない。それ故、スロット56に寄生素子PARを含ませることで、図19のアンテナ構造体34をスロット56の作用に対して鈍感化させ、アンテナ構造体34が、低い帯域及び高い帯域の両周波数における設計基準を満足させるようにする。
又、寄生素子PARは、2つ以上の共振素子REをスロット56に含ませるべきであるというシナリオにおいて性能を最適化するのに使用することもできる。物理的な長さLのスロットに単一の共振素子が含まれるときに、アンテナ構造体34は、例えば、図22に示すように、満足な低帯域(例えば、2.4GHz)及び高帯域(例えば、5GHz)共振を示す。
しかしながら、図23に示すように、スロット56に第2の共振素子REが含まれるときには、その第2の共振素子の存在がスロットのモードを乱すことがある。これは、第1のアンテナ共振素子の性能を乱し、その高帯域の共振ピークが(一例として)図24に示すようにシフトすることがある。図24のアンテナ応答曲線は、高帯域の共振が5GHzから6GHzへシフトするので満足なものとならない。
第2の素子の影響は、図25の寄生素子PARの導入により排除又は減少することができる。寄生素子PARが存在するときには、スロットの有効長さが減少され(例えば、長さLSに)、スロット56のモードが対応的に再分布され、そして図25のアンテナ構造体34の性能が(一例として)図22の望ましい応答に復帰される。
図26は、各共振素子RE間に寄生素子PARを介在させることにより同様の結果が得られることを示している。図26の例では、アンテナ構造体34は、寄生素子PARが存在しないときの図24の望ましからぬ共振ピークを示している。しかしながら、寄生素子PARが存在するときには、スロット56が実際上2つのサブスロット(即ち、長さLLの左側スロット及び長さLRの右側スロット)に分割される。スロット56がこのように分割されると、スロットの共振ピークが共振素子の共振ピークともはや干渉しないように各スロットのモードが再分布される。それ故、図26のアンテナ構造体34は、2.4GHzの低帯域及び5GHzの高帯域の両方が満足にカバーされる図22に示すタイプのアンテナ応答を示す。
図27に示すように、蓋12Aが開位置にあるときに、スロット56は、蓋12A及びベースハウジング12Bの導電性部分(例えば、図4のクラッチバレル54を取り巻く装置10のハウジングの部分)により形成される。この状態では、スロット56が存在し、アンテナ構造体34の性能に影響を及ぼす。この構造体34は、(一例として)方向134及び方向136のような方向に高周波信号を送受信する。ユーザが図28に示すように蓋12Aを閉じると、アンテナ構造体34の位置並びにハウジング構造体12A及び12Bの構成は、スロット56がもはや存在しないように(即ち、スロット56の電磁作用がもはや存在しないか又はその影響を低減するように)、且つ高周波信号が方向138のような方向に送受信されるように、シフトし得る。ユーザは、蓋12Aが開いているか(図27のように)閉じているか(図28のように)に関わらず、装置10のワイヤレス能力を使用することを望むので、図18−26を参照して述べたように、スロット56の存在に対してアンテナ構造体34を鈍感化することが望ましい。
満足なアンテナ効率及び共振素子間分離を保証するための、スロット56の存在に対するアンテナ構造体34の鈍感化、並びにアンテナ共振素子RE及び寄生素子PARの位置の最適化は、コンポーネント60(即ち、アンテナ共振素子RE及び/又は寄生素子PAR)をスロット56内の適切な位置に配置することによって達成される。クラッチバレルアンテナ構造体をもつポータブルコンピュータのような電子装置のための満足なアンテナ性能を与えると立証されている構成の幾つかの例が図29−33に示されている。これらの例示的構成では、アンテナ共振素子REは、図8−11に示すタイプの二重帯域(例えば、2.4GHz及び5GHz)構造体を使用して形成される。他のタイプの共振素子RE(例えば、単一帯域共振素子、異なる構造の二重帯域共振素子、等)を使用することもできる。必要に応じて、図29−33に示すものに加えて、アンテナ構成(即ち、スロット56に1つ以上のアンテナ共振素子及び1つ以上の任意の寄生素子を伴う異なるアンテナ構造)が使用されてもよい。図29−33の構成は、単なる例示に過ぎない。
図29は、スロット56に3つの共振素子REが存在しそして寄生素子PARは使用されないアンテナ構造体34に使用される構成を例示する。
図30は、スロット56に3つの共振素子REを含み、そして3つの共振素子のうちの2つの間に寄生素子PARが介在するアンテナ構造体34に使用される構成を例示する。図30の寄生素子PARは、高い通信帯域ではなく、低い周波数の通信帯域で動作するように構成される。例えば、図30の寄生素子PARは、(一例として)5GHzではなく2.4GHzで有効な図13に示すタイプの構成を有する。
図31に示す例示的構成では、アンテナ構造体34は、3つの共振素子RE及び2つの寄生素子PARを有する。スロット56の左端に隣接して配置された最も左の寄生素子PARは、高い周波数帯域(例えば、5GHz)ではなく、低周波数の通信帯域(例えば、2.4GHz)で動作するように構成される。最も左の寄生素子は、例えば、図13に示すタイプの構造体を使用して具現化される。最も左の共振素子REと、最も左から2番目の共振素子REとの間に配置された最も右側の寄生素子PARは、低い周波数帯域(例えば、2.4GHz)及び高い周波数帯域(例えば、5GHz)の両方で動作するように構成される。最も右側の寄生素子は、例えば、図14に示すタイプの寄生素子構成を使用して具現化される。
図32は、スロット56の各端に共振素子REが存在するアンテナ構造体34の構成を例示する。各共振素子REの間に単一の寄生素子PARが介在される。図32のアンテナ構造体34における寄生素子PARは、図14に示すタイプの構成を有する(例えば、寄生素子は、2.4GHz帯域のような低い帯域及び5GHz帯域のような高い帯域の両方で動作するように構成される)。
図33に示すタイプの構成では、スロット56は、2つの共振素子REを、介在する寄生素子PARと共に含む。図33の寄生素子PARは、例えば、低周波数の通信帯域(例えば、2.4GHz)ではなく、高周波数の通信帯域(例えば、5GHz)において有効な図12に示すタイプの構成を使用して具現化される。
一実施形態によれば、開口を有する導電性素子と、開口に配置された少なくとも2つのアンテナ共振素子と、開口に配置された寄生アンテナ素子とを備えた装置が提供される。
別の実施形態によれば、アンテナ共振素子の各々は、第1の通信帯域及び第2の通信帯域で動作する二重帯域アンテナ共振素子を含む。
別の実施形態によれば、導電性素子は、電子装置の導電性ハウジング部分を含み、又、開口は、電子装置に関連した誘電体クラッチバレル構造を含む閉じたスロットを含む。
別の実施形態によれば、寄生アンテナ素子は、その寄生アンテナ素子が第2の通信帯域ではなく第1の通信帯域において有効となるように構成された基板上の導電性トレースを含む。
別の実施形態によれば、寄生アンテナ素子は、その寄生アンテナ素子が第1の通信帯域及び第2の通信帯域の両方において有効となるように構成された基板上の導電性トレースを含む。
別の実施形態によれば、導電性素子は、ポータブルコンピュータにおける金属ハウジング壁を含み、開口は、ポータブルコンピュータの誘電体クラッチバレル構造体を含むスロットを含み、そして寄生アンテナ素子は、アンテナ共振素子の少なくとも2つの間に介在される。
別の実施形態によれば、寄生アンテナ素子は、5GHzではなく、2.4GHzで動作するように同調された導体を含む。
別の実施形態によれば、アンテナ共振素子は、第1、第2及び第3のアンテナ共振素子をスロット内に含む。
別の実施形態によれば、導電性素子は、ポータブルコンピュータにおける金属ハウジング壁を含み、開口は、ポータブルコンピュータの誘電体クラッチバレル構造体を含むスロットを含み、寄生アンテナ素子は、スロット内の少なくとも2つの寄生素子のうちの第1の寄生素子を含み、少なくとも2つのアンテナ共振素子は、第1、第2及び第3のアンテナ共振素子を含み、スロット内の少なくとも2つの寄生素子のうちの第2の寄生素子は、第1と第2のアンテナ共振素子間に介在され、そして第1のアンテナ共振素子は、第1と第2の寄生アンテナ素子間に介在される。
別の実施形態によれば、第1の寄生アンテナ素子は、5GHzではなく、2.4GHzで動作するように同調された導体を含み、そして第2の寄生アンテナ素子は、2.4GHz及び5GHzの両方で動作するように同調された導体を含む。
別の実施形態によれば、導電性素子は、ポータブルコンピュータにおける金属ハウジング壁を含み、開口は、ポータブルコンピュータの誘電体クラッチバレル構造体を含むスロットを含み、アンテナ共振素子は、第1及び第2のアンテナ共振素子を含み、そして寄生アンテナ素子は、第1と第2のアンテナ共振素子間に介在される。
別の実施形態によれば、第1及び第2のアンテナ共振素子は、スロット内の唯一のアンテナ共振素子であり、そして寄生アンテナ素子は、5GHzではなく、2.4GHzで動作するように同調された導体を含む。
別の実施形態によれば、第1及び第2のアンテナ共振素子は、スロット内の唯一のアンテナ共振素子であり、そして寄生アンテナ素子は、2.4GHz及び5GHzで動作するように同調された導体を含む。
一実施形態によれば、ディスプレイを含む上部ハウジング部分及び下部ハウジング部分を有するハウジングと;上部ハウジング部分を下部ハウジング部分に接続するヒンジであって、上部ハウジング部分は、ヒンジがマウントされるクラッチバレルを含み、上部及び下部ハウジングは、導電性構造体を含み、そのクラッチバレルは、スロットを形成するように上部及び下部ハウジング部分において導電性構造体により取り巻かれた誘電体構造体を含むものであるヒンジと;スロット内の複数のアンテナ共振素子であって、その各々は、そのアンテナ共振素子に対するアンテナフィードを形成する関連する正及び接地アンテナフィード端子を有し、各アンテナフィードは、各送信線に結合されるようなアンテナ共振素子と;スロット内の少なくとも1つの寄生アンテナ素子と;を備えたポータブルコンピュータが提供される。
別の実施形態によれば、アンテナ共振素子は、誘電体キャリア上のトレースを含み、そして少なくとも1つの寄生アンテナ素子は、誘電体キャリア上のトレースを含む。
別の実施形態によれば、ポータブルコンピュータは、接地部を形成する誘電体キャリア上のトレースも備え、寄生アンテナ素子のトレースは、接地部に接続された第1のトレースセグメント及び接地部に平行に延びる第2のトレースセグメントを有する形状である。
別の実施形態によれば、ポータブルコンピュータは、接地部を形成する誘電体キャリア上のトレースも備え、寄生アンテナ素子のトレースは、接地部に接続された第1のトレースセグメント及び接地部に平行に延びる第2及び第3のトレースセグメントを有する形状である。
一実施形態によれば、閉じたスロットを取り巻く導電性電子装置ハウジング構造体と、閉じたスロット内の複数のアンテナ共振素子及び少なくとも1つの寄生アンテナ素子とを備えた電子装置のアンテナ構造体が提供される。
別の実施形態によれば、導電性電子装置ハウジング構造体は、上部ハウジング部分と、下部ハウジング部分と、その上部ハウジング部分を下部ハウジング部分に接続するヒンジ構造体とを有し、閉じたスロットは、ヒンジ構造体を覆う誘電体カバーを含み、その誘電体カバーは、スロットに実質的に重畳する。
別の実施形態によれば、アンテナ共振素子は、誘電体カバーにより覆われる誘電体基板上の導電性トレースから形成される少なくとも第1及び第2の二重帯域アンテナ共振素子を備え、前記寄生アンテナ素子は、誘電体基板上の導電性トレースを含み、第1及び第2の二重帯域アンテナは、各々、正及び負のアンテナフィード端子を有し、寄生アンテナ素子は、アンテナフィード端子をもたず、そして寄生アンテナ素子並びに第1及び第2の二重帯域アンテナは、誘電体基板上の共通接地トレースを共有する。
以上、本発明の原理を例示したが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、種々の変更がなされ得ることが明らかであろう。
10:電子装置
12:ハウジング
12A:上部ハウジング
12B:下部ハウジング
14:ディスプレイ
16:キーボード
18:トラックパッド
22:軸
26:カメラ
28:ポート
30:制御回路
32:ワイヤレストランシーバ
34:アンテナ構造体
36:回路
38:経路
40:クラッチ(ヒンジ)
42、46:構造体
48:穴
50:シャフト
54:クラッチバレル
56:スロット
60:コンポーネント
66:アンテナフィード
70、72、74、76:セグメント
78:ノード
80、82、84、86、88、90:セグメント
92:キャリア
94、96:表面
98、100:金属トレース
106:正の導体
108:半田接続

Claims (20)

  1. 共振開口を有する導電性素子と、
    前記共振開口に配置された少なくとも2つのアンテナ共振素子と、
    前記共振開口に配置された寄生アンテナ素子と、
    を備え、
    記少なくとも2つのアンテナ共振素子の少なくとも一方の共振周波数において前記共振開口の有効長さを調整するように、前記寄生アンテナ素子が構成されている
    装置。
  2. 前記アンテナ共振素子の各々は、第1の通信帯域及び第2の通信帯域で動作する二重帯域アンテナ共振素子を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記導電性素子は、電子装置の導電性ハウジング部分を含み、前記共振開口は、電子装置に関連した誘電体クラッチバレル構造を含む閉じたスロットを含み、前記誘電体クラッチバレル構造は、スロットを形成するように、前記導電性ハウジング部分によって、取り巻かれている請求項2に記載の装置。
  4. 前記寄生アンテナ素子は、その寄生アンテナ素子が第2の通信帯域ではなく第1の通信帯域において有効となるように構成された基板上の導電性トレースを含む、請求項3に記載の装置。
  5. 前記寄生アンテナ素子は、その寄生アンテナ素子が第1の通信帯域及び第2の通信帯域の両方において有効となるように構成された基板上の導電性トレースを含む、請求項3に記載の装置。
  6. 前記導電性素子は、ポータブルコンピュータにおける金属ハウジング壁を含み、前記共振開口は、そのポータブルコンピュータの誘電体クラッチバレル構造体を含むスロットより成り、前記誘電体クラッチバレル構造体は、金属ハウジング壁によって取り巻かれている、そして前記寄生アンテナ素子は、前記アンテナ共振素子の少なくとも2つの間に介在される、請求項2に記載の装置。
  7. 前記寄生アンテナ素子は、5GHzではなく、2.4GHzで動作するように同調された導体を含む、請求項6に記載の装置。
  8. 前記アンテナ共振素子は、第1、第2及び第3のアンテナ共振素子を前記スロット内に含む、請求項7に記載の装置。
  9. 前記導電性素子は、ポータブルコンピュータにおける金属ハウジング壁を含み、前記共振開口は、ポータブルコンピュータの誘電体クラッチバレル構造体を含むスロットを含み、前記寄生アンテナ素子は、スロット内の少なくとも2つの寄生素子のうちの第1の寄生素子を含み、少なくとも2つのアンテナ共振素子は、第1、第2及び第3のアンテナ共振素子を含み、スロット内の少なくとも2つの寄生素子のうちの第2の寄生素子は、第1と第2のアンテナ共振素子間に介在され、そして第1のアンテナ共振素子は、第1と第2の寄生アンテナ素子間に介在される、請求項2に記載の装置。
  10. 前記第1の寄生アンテナ素子は、5GHzではなく、2.4GHzで動作するように同調された導体を含み、そして前記第2の寄生アンテナ素子は、2.4GHz及び5GHzの両方で動作するように同調された導体を含む、請求項9に記載の装置。
  11. 前記導電性素子は、ポータブルコンピュータにおける金属ハウジング壁を含み、前記共振開口は、ポータブルコンピュータの誘電体クラッチバレル構造体を含むスロットを含み、前記誘電体クラッチバレル構造体は、金属ハウジング壁によって取り巻かれており、前記アンテナ共振素子は、第1及び第2のアンテナ共振素子を含み、そして前記寄生アンテナ素子は、前記第1と第2のアンテナ共振素子間に介在される、請求項2に記載の装置。
  12. 前記第1及び第2のアンテナ共振素子は、スロット内の唯一のアンテナ共振素子であり、そして前記寄生アンテナ素子は、5GHzではなく、2.4GHzで動作するように同調された導体を含む、請求項11に記載の装置。
  13. 前記第1及び第2のアンテナ共振素子は、スロット内の唯一のアンテナ共振素子であり、そして前記寄生アンテナ素子は、2.4GHz及び5GHzで動作するように同調された導体を含む、請求項11に記載の装置。
  14. ディスプレイを含む上部ハウジング部分、及び下部ハウジング部分を有するハウジングと;
    上部ハウジング部分を下部ハウジング部分に接続するヒンジであって、上部ハウジング部分は、ヒンジがマウントされるクラッチバレルを含み、上部及び下部ハウジングは、導電性構造体を含み、そのクラッチバレルは、スロットを形成するように上部及び下部ハウジング部分において導電性構造体により取り巻かれた誘電体構造体を含むものであり、前記スロットは共振周波数を有する、ヒンジと;
    スロット内の複数のアンテナ共振素子であって、その各々は、そのアンテナ共振素子に対するアンテナフィードを形成する関連する正及び接地アンテナフィード端子を有し、各アンテナフィードは、各送信線に結合されるようなアンテナ共振素子と;
    前記スロットの前記共振周波数を調整するように構成された、スロット内の少なくとも1つの寄生アンテナ素子と;
    を備えたポータブルコンピュータ。
  15. 前記アンテナ共振素子は、誘電体キャリア上のトレースを含み、そして前記少なくとも1つの寄生アンテナ素子は、誘電体キャリア上のトレースを含む、請求項14に記載のポータブルコンピュータ。
  16. 接地部を形成する誘電体キャリア上のトレースを更に備え、前記寄生アンテナ素子のトレースは、接地部に接続された第1のトレースセグメント及び接地部に平行に延びる第2のトレースセグメントを有する形状である、請求項15に記載のポータブルコンピュータ。
  17. 接地部を形成する誘電体キャリア上のトレースを更に備え、前記寄生アンテナ素子のト
    レースは、接地部に接続された第1のトレースセグメント及び接地部に平行に延びる第2
    及び第3のトレースセグメントを有する形状である、請求項15に記載のポータブルコン
    ピュータ。
  18. 閉じたスロットを完全に取り巻く導電性電子装置ハウジング構造体と、
    その閉じたスロット内の複数のアンテナ共振素子及び少なくとも1つの寄生アンテナ素子と、
    を備え、複数のアンテナ共振素子は第1の共振ピークを有しており、前記閉じたスロットは第2の共振ピークを有しており、前記少なくとも1つの寄生アンテナ素子が、前記第2の共振ピークを調整することによって、前記第1の共振ピークと前記第2の共振ピークとの間の干渉を防ぐように構成されている
    電子装置のアンテナ構造体。
  19. 前記導電性電子装置ハウジング構造体は、上部ハウジング部分と、下部ハウジング部分と、その上部ハウジング部分を下部ハウジング部分に接続するヒンジ構造体とを有し、前記閉じたスロットは、前記ヒンジ構造体を覆う誘電体カバーを含み、その誘電体カバーは、スロットに実質的に重畳する、請求項18に記載のアンテナ構造体。
  20. 前記アンテナ共振素子は、前記誘電体カバーにより覆われる誘電体基板上の導電性トレースから形成される少なくとも第1及び第2の二重帯域アンテナ共振素子を備え、前記寄生アンテナ素子は、誘電体基板上の導電性トレースを含み、前記第1及び第2の二重帯域アンテナは、各々、正及び負のアンテナフィード端子を有し、前記寄生アンテナ素子は、アンテナフィード端子をもたず、そして前記寄生アンテナ素子並びに前記第1及び第2の二重帯域アンテナは、誘電体基板上の共通接地トレースを共有する、請求項19に記載のアンテナ構造体。
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