以下、本発明によるセリフチェック装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるセリフチェック装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるセリフチェック装置は、セリフが禁止領域に存在することを検出するものである。
図1は、本実施の形態によるセリフチェック装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態によるセリフチェック装置1は、画稿データ記憶部11と、セリフデータ記憶部12と、ページデータ記憶部13と、レイアウト情報記憶部14と、配置位置算出部15と、受付部16と、生成部17と、配置データ記憶部18と、表示部19と、検出部20と、出力部21とを備える。
画稿データ記憶部11では、1以上の画稿データが記憶される。画稿データとは、コミック画像を含む画像データである。コミック画像は、1以上のコマから構成される。画稿データに2以上のコマの画像が含まれる場合には、その2以上のコマの画像のすべてを含む領域がコミック画像となる。したがって、一の画稿データには、一のコミック画像が含まれることになる。通常、一の画稿データに含まれるコミック画像が一のページに配置されることになるが、そうでなくてもよい(例えば、一の画稿データに含まれるコミック画像が見開きの2ページに配置されてもよい)。本実施の形態では、一の画稿データに含まれるコミック画像が、一のページに配置される場合について説明する。この画稿データは、例えば、ラスタデータであってもよく、ベクタデータであってもよい。その画稿データの形式は問わないが、例えば、TIFFや、EPS等であってもよい。この画稿データは、例えば、図4で示されるように、上下左右に余白を有している。なお、いずれか1以上の余白が0であってもよい。
画稿データ記憶部11に画稿データが記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して画稿データが画稿データ記憶部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された画稿データが画稿データ記憶部11で記憶されるようになってもよく、あるいは、スキャナ等の入力デバイスを介して入力された画稿データが画稿データ記憶部11で記憶されるようになってもよい。画稿データ記憶部11での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。画稿データ記憶部11は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
セリフデータ記憶部12では、1以上のセリフデータが記憶される。セリフデータとは、画稿データに含まれるコミック画像の吹き出しに表示されるセリフのデータである。そのセリフデータは、吹き出しに対応する位置に配置されたテキストフレームと、テキストフレーム内に位置するテキストとを含むデータである。なお、テキストの属性、例えば、テキストのフォントサイズや間隔、フォントの種類、テキストの強調(例えば、太字、斜体、下線、色等)がセリフデータに含まれていてもよい。間隔とは、文字の間隔であってもよく、行の間隔であってもよく、その両方であってもよい。本実施の形態では、文字の間隔と行の間隔との両方である場合について説明する。また、文字の間隔は、例えば、字間であってもよく、あるいは、字送りであってもよい。また、行の間隔は、例えば、行間であってもよく、あるいは、行送りであってもよい。また、テキストのルビもセリフデータに含まれていてもよい。このセリフデータは、通常、画稿データと同じ大きさの台紙上に、吹き出しごとのテキストフレームが配置されたデータであり、画稿データと、セリフデータとを重ねて表示することによって、コミック画像の吹き出しの位置にセリフが表示されるようになるデータであるが、そうでなくてもよい。例えば、セリフデータは、ページと同じ大きさの台紙上に、吹き出しごとのテキストフレームが配置されたデータであってもよい。本実施の形態では、セリフデータが画稿データと同じ大きさであり、両者を重ねることによって、吹き出しの位置にセリフが表示される場合について説明する。
なお、画稿データと、セリフデータとの対応が分かるようになっていることが好適である。例えば、互いに対応する画稿データとセリフデータとに対して、同じ識別子が付与されていてもよく、あるいは、互いに対応する画稿データとセリフデータとが対応付けられて蓄積されていてもよい。後者の場合には、互いに対応する画稿データとセリフデータとが、一の画像データの2個のレイヤ−であってもよい。通常、一の画稿データに一のセリフデータが対応しているが、セリフのない画稿データのように、セリフデータに対応していない画稿データが存在してもよい。
セリフデータ記憶部12にセリフデータが記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介してセリフデータがセリフデータ記憶部12で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信されたセリフデータがセリフデータ記憶部12で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力されたセリフデータがセリフデータ記憶部12で記憶されるようになってもよい。セリフデータ記憶部12での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。セリフデータ記憶部12は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
ページデータ記憶部13では、ページデータが記憶される。ページデータは、画稿データが配置されるページのデータである。また、このページデータには、セリフが存在してはならない領域である禁止領域が設定されているものとする。その禁止領域は、天の辺、地の辺、ノドの辺、小口の辺の1以上の辺に設定されているものとする。なお、その禁止領域は、その禁止領域の境界線である禁止領域境界線によって示されてもよい。禁止領域は、通常、ページの外縁側に設定されるため、ページデータにおいて、禁止領域境界線の外縁側が禁止領域となる。例えば、禁止領域が4辺のすべてについて設定されている場合には、その禁止領域境界線は矩形となってもよい。また、その禁止領域境界線の位置は、例えば、仕上がり線(裁ち切り線)との幅によって設定されてもよい。なお、通常、禁止領域境界線は、仕上がり線よりもページの内側に存在することになる。また、禁止領域境界線は、仕上がり線と一致していてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。その禁止領域境界線の位置は、例えば、その線そのものによって示されてもよく、あるいは、トンボ等のマークによって示されてもよい。このように、禁止領域は種々の方法によって示すことができるため、禁止領域を示す情報は問わない。例えば、禁止領域の輪郭を示す情報によって禁止領域が示されてもよく、禁止領域に含まれる画素を特定する情報によって禁止領域が示されてもよく、その他の方法によって禁止領域が示されてもよい。また、ページデータは、ページにおいてコミック画像が配置される枠(版面線)の基準辺側のマージンを含むデータであってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。そのマージンは、枠と、仕上がり線との間のマージンである。したがって、基準辺は、仕上がり線で囲われる矩形の1以上の辺である。基準辺は、1個でもよく、2個以上でもよい。基準辺は、コミック画像の位置決めを行うための基準となる辺であるため、基準辺が2個である場合には、直交する2個の辺が基準辺となることが好適である。例えば、ノドの辺が基準辺であってもよく、小口の辺が基準辺であってもよく、天の辺が基準辺であってもよく、地の辺が基準辺であってもよく、ノドの辺と天の辺とが基準辺であってもよく、ノドの辺と地の辺とが基準辺であってもよく、小口の辺と天の辺とが基準辺であってもよく、小口の辺と地の辺とが基準辺であってもよい。なお、ノドの辺とは、書籍になった際に背表紙側となる辺である。小口の辺とは、書籍になった際に、背表紙と反対側の綴じていない辺である。また、天の辺、地の辺とは、書籍になった際に、それぞれ上側、下側となる辺である。ページデータには、基準辺以外の辺側のマージンが含まれていてもよい。
なお、コミック画像が配置される枠の内側は、通常、版面と呼ばれるところであり、その枠の線は、版面線と呼ばれることもある。また、ページデータには、ページの外縁を示す仕上がり線が含まれていてもよく、その仕上がり線の位置を示すトンボ(内トンボ)が含まれていてもよい。その仕上がり線で囲われる矩形のことをページと呼ぶこともある。また、ページデータにおいて、ノンブル(ページ番号)の位置や、ヘッダやフッタ等の柱の位置が設定されていてもよい。このページデータは、DTPにおいてマスタページと呼ばれることもある。なお、ページデータは、マスタページのように、マージンや、仕上がり線の設定された台紙のデータであってもよい。この場合には、その台紙のデータにおいて、仕上がり線や版面の枠等が設定されている場合にも、ページデータに、マージンや、天地の長さ、ノド小口の長さが含まれていると考えられる。そのページデータから、マージンや天地の長さ等を取得することができるからである。また、ページデータは、マージンや仕上がり線の位置、仕上がり線で囲われる矩形の辺の長さ等を示す数値のデータであってもよい。本実施の形態では、ページデータがマスタページのような台紙のデータである場合について説明する。
また、ページデータは、一のページに対するデータであってもよく、あるいは、見開きの2ページに対するデータであってもよい。ページ物のレイアウトが行われる場合には、通常、見開きのページデータに対する画稿データの配置が行われる。
ページデータ記憶部13にページデータが記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介してページデータがページデータ記憶部13で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信されたページデータがページデータ記憶部13で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力されたページデータがページデータ記憶部13で記憶されるようになってもよい。ページデータ記憶部13での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。ページデータ記憶部13は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
レイアウト情報記憶部14では、レイアウト情報が記憶される。レイアウト情報は、画稿データに含まれるコミック画像の基準辺側の余白と、画稿データの拡縮率とを有する情報である。なお、コミック画像の外縁が矩形である場合には、コミック画像の余白は、その矩形に対する余白である。一方、コミック画像の外縁が、図4で示されるように矩形からはみ出した部分を有する場合には、そのはみ出した部分を除外した矩形に対する余白である。コミック画像において、はみ出した部分を除外した矩形とは、画稿データに含まれるコミック画像の各端辺によって構成される矩形である。コミック画像の端辺とは、その端辺がそれ以上、コミック画像の中心側に移動したとすると、その端辺がコミック画像の内部に含まれてしまう位置の辺である。換言すれば、内側がすべてコミック画像に含まれる矩形のうち、最も大きい矩形を構成する各辺がコミック画像の端辺となる。すなわち、コミック画像において、はみ出した部分を除外した矩形は、内側がすべてコミック画像に含まれる最大の矩形であるということもできる。なお、その矩形の内側に、コミック画像のコマとコマとの間の空間は含まれてもよいことは言うまでもない。ここで、画稿データが見開きのページデータに配置される場合であって、基準辺がノド側の辺、または、小口側の辺である場合には、右側のページに配置される場合と、左側のページに配置される場合とで基準辺が異なることになる。例えば、基準辺がノド側の辺である場合には、見開きのページデータの右側に配置される際には、画稿データの左側の辺が基準辺となり、見開きのページデータの左側に配置される際には、画稿データの右側の辺が基準辺となる。したがって、そのような場合には、コミック画像の基準辺側の余白とは、右側の余白と左側の余白となる。また、レイアウト情報に、画稿データに含まれるコミック画像の基準辺以外の辺側の余白が含まれていてもよい。例えば、上下左右のすべての辺の余白がレイアウト情報に含まれていてもよい。また、拡縮率は、画稿データやセリフデータを配置する際に、その画稿データ等を拡大したり、縮小したりする率を示すものである。
レイアウト情報記憶部14にレイアウト情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介してレイアウト情報がレイアウト情報記憶部14で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信されたレイアウト情報がレイアウト情報記憶部14で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力されたレイアウト情報がレイアウト情報記憶部14で記憶されるようになってもよい。レイアウト情報記憶部14での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。レイアウト情報記憶部14は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
配置位置算出部15は、レイアウト情報に含まれる拡縮率と、画稿データの余白と、ページデータのマージンとを用いて、画稿データを配置する位置を算出する。配置位置算出部15は、例えば、レイアウト情報の余白と、ページデータのマージンとを用いて、レイアウト情報の拡縮率で拡大または縮小された画稿データを、画稿データに含まれるコミック画像の基準辺側の端辺(この端辺は、コミック画像の辺である)が、ページデータにおける枠の基準辺側の端辺(この端辺は、枠の辺である)にそろうようにページデータに配置するための配置位置を算出する。ここで、基準辺がノドの辺であり、拡縮率をM、ノド側の余白をA(mm)、ノド側のマージンをB(mm)とした場合について説明する。なお、拡縮率Mは、その値が1の場合に等倍であるものとする。画稿データをページデータに配置する際には、画稿データをM倍し、そのM倍後の画稿データの基準辺を、配置対象のページデータの基準辺から「A×M−B」だけ外側の位置に設定すれば、画稿データに含まれるコミック画像の基準辺側の端辺が、ページデータにおける枠の基準辺側の端辺にそろうようにページデータに配置されることになる。なお、その場合に、画稿データの基準辺と、ページデータの基準辺とは平行であるとする。ここで、「A×M−B」が正の値である場合には、画稿データの基準辺は、ページの外側に存在することになり、「A×M−B」が負の値である場合には、画稿データの基準辺は、ページの内側に存在することになる。したがって、配置位置算出部15は、配置位置を示す「A×M−B」の値を算出してもよい。なお、実質的に同じ配置が行われるのであれば、配置位置算出部15は、配置位置を示す他の値を算出してもよい。配置位置算出部15は、例えば、M倍した画稿データの基準辺を、配置対象のページデータの基準辺から「A×M−B」だけ外側の位置に設定した際のページデータの座標系における画稿データの所定の頂点の座標値を配置位置として算出してもよい。また、基準辺が2辺である場合には、配置位置算出部15は、その2個の基準辺に対応する配置位置を算出してもよい。例えば、天側の余白がC(mm)、天側のマージンがD(mm)である場合には、画稿データの天側の辺が、ページデータの天側の仕上がり線から「C×M−D」だけ外側となるように配置を行えばよい。したがって、配置位置算出部15は、その「C×M−D」の値をも算出してもよい。その場合には、配置位置は、「A×M−B」の値、及び、「C×M−D」の値によって示されることになる。なお、地側の余白やマージンを用いて配置位置を算出する場合も同様である。
なお、複数の画稿データが画稿データ記憶部11で記憶されている場合に、配置位置算出部15は、各画稿データに対して配置位置の算出を行ってもよく、あるいは、いずれか1個の画稿データに対して配置位置の算出を行ってもよい。前者の場合には、画稿データごとの配置の位置が取得されるため、生成部17は、ある画稿データの配置を行う際には、その画稿データに対応する配置の位置を用いてもよい。また、後者の場合、すなわち、1個の画稿データに対して配置位置を算出する場合には、その画稿データは、1番目の画稿データであってもよく、あらかじめ決められた方法によって選択された1個の画稿データであってもよい。なお、後者の場合であっても、見開き2ページのページデータに画稿データを配置する場合には、右側のページに配置する場合と、左側のページに配置する場合とで配置位置の算出結果が異なることがある。したがって、そのような場合には、右側のページに配置する場合の配置位置と、左側のページに配置する場合の配置位置とがそれぞれ算出されてもよい。
受付部16は、画稿データの拡縮率と、ページデータに配置される画稿データの位置とを受け付ける。なお、画稿データとセリフデータとは同様のものであるため、画稿データの拡縮率は、セリフデータの拡縮率であると考えることもできる。同様に、ページデータに配置される画稿データの位置は、ページデータに配置されるセリフデータの位置と考えることもできる。この受付部16は、ユーザから入力された拡縮率や画稿データの位置を受け付けてもよく、あるいは、レイアウト情報記憶部14で記憶されている拡縮率や配置位置算出部15が算出した画稿データの配置位置を受け付けてもよい。なお、拡縮率を受け付けるとは、拡縮率そのもの(例えば、0.837や83.7%等)を受け付けることであってもよく、拡縮率の変化に関する情報(例えば、拡縮率を大きくする旨の指示や拡縮率を小さくする旨の指示、拡縮率の差分等)を受け付けることであってもよい。すなわち、結果として拡縮率が分かるのであれば、拡縮率の受け付けはどのようなものであってもよい。また、画稿データの位置を受け付けるとは、画稿データの位置そのもの(例えば、画稿データの基準辺とページデータの基準辺との間の長さ(幅)や、画稿データの特定の位置のページデータにおける座標等)を受け付けることであってもよく、画稿データの位置の変化に関する情報(例えば、画稿データを右や左、上、下に移動させる旨の指示や、配置位置を示す座標の差分等)を受け付けることであってもよい。すなわち、結果としてページデータにおける画稿データの配置位置が分かるのであれば、画稿データの位置の受け付けはどのようなものであってもよい。また、受付部16は、セリフチェック装置1に対するその他の入力を受け付けてもよい。受付部16は、例えば、画稿データの配置を行う旨の指示を受け付け、その指示を生成部17に渡してもよい。また、受付部16は、例えば、ユーザが入力したレイアウト情報を受け付け、その受け付けたレイアウト情報をレイアウト情報記憶部14に蓄積してもよい。
受付部16は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報を受信してもよく、レイアウト情報記憶部14等の所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された情報を受け付けてもよく、配置位置算出部15等の他の構成要素から情報を受け付けてもよい。なお、受付部16は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付部16は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
生成部17は、画稿データ及びセリフデータをページデータに配置した配置データを生成する。その配置のことを、割り付け、流し込みと呼ぶこともある。また、その画稿データが配置された後のページデータである配置データのことを、ドキュメントやパブリケーションと呼ぶこともある。生成部17は、受付部16が受け付けた拡縮率と画稿データの位置とに応じて、その画稿データ及びセリフデータの配置を行う。そして、生成部17は、ページデータに画稿データ及びセリフデータを配置したデータである配置データを配置データ記憶部18に蓄積する。
受付部16が、レイアウト情報に含まれる拡縮率「M」と、配置位置算出部15が算出した配置位置「A×M−B」とを受け付けた場合には、生成部17は、M倍した画稿データの基準辺が、配置対象のページデータの基準辺から「A×M−B」だけ外側の位置となるように画稿データの配置を行ってもよい。なお、天地センターにあわせて描かれている画稿データをページデータに配置する際には、その画稿データの天地センターがページのセンターとなるように配置し、上述のようにしてノド側の位置合わせを行えばよいことになる。一方、天側または地側に寄せられて描かれている画稿データをページデータに配置する際には、前述のようにしてノド側の位置合わせを行った後に、天側または地側の位置合わせを行うことが好適である。この場合には、例えば、配置位置算出部15が算出した前述の配置位置「C×M−D」をも用いて、画稿データの配置が行われてもよい。なお、結果としてこのような配置が行われるのであれば、生成部17が画稿データを配置する具体的な方法は問わない。例えば、生成部17は、まず画稿データの位置合わせを行った後に、基準辺を基点として拡縮率に応じた拡大または縮小を行ってもよい。また、配置位置算出部15が画稿データのいずれかの頂点の、ページデータの座標系における座標である配置位置を算出した場合には、生成部17は、拡縮率に応じて拡大または縮小された画稿データを、その配置位置に応じてページデータ上に配置してもよい。セリフデータの配置も、画稿データの配置と同様にして行うことができる。
なお、複数の画稿データが画稿データ記憶部11で記憶されている場合であって、配置位置算出部15が各画稿データに対する配置位置を算出した場合には、生成部17は、その各画稿データに対応する配置位置を用いて各画稿データ等の配置を行ってもよい。また、複数の画稿データが画稿データ記憶部11で記憶されている場合であって、配置位置算出部15がいずれか1個の画稿データに対して配置位置を算出した場合には、生成部17は、その1個の配置位置を用いて、複数の画稿データ等の配置を行ってもよい。
また、同じページに配置される画稿データとセリフデータとは、互いに対応するものである。画稿データに対応するセリフデータが存在しない場合(例えば、セリフのないページの場合など)には、画稿データのみが配置されてもよい。セリフデータが画稿データと同じ大きさであり、両者を重ねることによって、吹き出しの位置にセリフが表示される場合には、生成部17は、画稿データとセリフデータとを配置する際に、両者に対して全く同じ処理を行えばよいことになる。一方、セリフデータが画稿データと同じ大きさであり、両者を重ねることによって、吹き出しの位置にセリフが表示される場合ではないのであれば、生成部17は、セリフデータを画稿データにあわせるのと同じ処理(例えば、拡大・縮小や、位置合わせ等)を行った後に、両者に対して全く同じ処理を行ってもよい。なお、生成部17は、セリフデータを配置する際に、セリフデータのフォントサイズや間隔を拡縮率に応じて変更してもよい。すなわち、セリフデータのフォントサイズがNであり、拡縮率がMであるとすると、生成部17は、そのセリフデータのフォントサイズをN×Mに変更してもよい。また、セリフデータの行の間隔がKであるとすると、生成部19は、そのセリフデータの行の間隔をK×Mに変更してもよい。また、セリフデータの文字の間隔がLであるとすると、生成部19は、そのセリフデータの文字の間隔をL×Mに変更してもよい。なお、変更後のフォントサイズ等は、N×M等について端数を丸めた値であってもよい。その丸める処理は、例えば、切り捨てであってもよく、四捨五入であってもよい。
受付部16が、例えば、拡縮率を変更する旨の指示を受け付けた場合には、生成部17は、その指示に応じて、画稿データ及びセリフデータの拡縮率を変更するものとする。また、受付部16が、例えば、画稿データを移動する旨の指示を受け付けた場合には、生成部17は、その指示に応じて、画稿データ及びセリフデータを移動するものとする。
また、生成部17は、画稿データ記憶部11で記憶されている画稿データの数に応じた数の配置データを生成することが好適である。例えば、ページデータが見開きの2ページのデータである場合であって、2P個または2P−1個(Pは1以上の整数である)の画稿データが画稿データ記憶部11で記憶されている場合には、生成部17は、P個の配置データを生成してもよい。また、例えば、ページデータが1ページのデータである場合であって、P個の画稿データが画稿データ記憶部11で記憶されている場合には、生成部17は、P個の配置データを生成してもよい。
生成部17が生成する配置データは、ページデータに、拡縮率と配置位置との設定された画稿データやセリフデータをリンクしたデータであってもよい。その場合には、配置データに、画稿データやセリフデータそのものが含まれていてもよく、あるいは、含まれていなくてもよい。また、その場合には、例えば、配置データは、HTMLやXML等のマークアップ言語で記述されるものであってもよい。また、生成部17が生成する配置データは、画稿データやセリフデータがページデータに配置された後の画像データであってもよい。その画稿データである配置データは、例えば、ラスタデータであってもよく、ベクタデータであってもよい。その場合には、例えば、配置データは、ビットマップの画像データやPDFであってもよい。本実施の形態では、セリフデータに含まれるテキストフレームの位置を少なくとも知ることができる配置データが生成され、配置データ記憶部18に蓄積される場合について説明する。なお、後述する実施の形態2においては、配置データの種類は問わない。また、後述する実施の形態3においては、セリフのテキストが画像である配置データ(テキストの文字コードが含まれないデータ。例えば、ビットマップの画像データ等)が生成され、配置データ記憶部18に蓄積される場合について説明する。
配置データ記憶部18では、生成部17が生成した配置データが記憶される。その配置データは、前述のように、コミック画像とセリフとを、セリフが存在してはならない領域である禁止領域が設定されているページに配置した配置データである。禁止領域がどの範囲であるのかを示す情報は、配置データが有していてもよく、あるいは、配置データと別途、存在してもよい。なお、配置データ記憶部18は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
表示部19は、配置データ記憶部18で記憶されている配置データを表示する。ユーザがこの表示を見ることによって、ページのどのあたりにコミック画像やセリフが配置されているのかを知ることができるようになる。その結果、ユーザは、例えば、拡縮率や配置位置の変更の指示を受付部16に入力することができる。
なお、表示部19は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示部19は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。また、配置データの表示は、セリフチェック装置1と別の装置においてなされてもよい。その場合には、表示部19は、セリフチェック装置1の外部に対して、配置データを表示するために送信するものであってもよい。
検出部20は、配置データ記憶部18で記憶されている配置データにおいて、セリフが禁止領域に存在することを検出する。なお、セリフが禁止領域に存在することの検出には、セリフが禁止領域に存在する確率の高いことの検出が含まれるものとする。したがって、厳密に言えば、検出部20によってセリフが禁止領域に存在することが検出された場合であっても、セリフが禁止領域に存在しないこともあり得る。本実施の形態による検出部20は、具体的には、まず、配置データにおいてテキストフレーム位置を特定する。そして、検出部20は、その特定したテキストフレームの少なくとも一部が禁止領域に存在する場合に、セリフが禁止領域に存在することを検出する。なお、テキストフレームの少なくとも一部が禁止領域に存在するかどうかは、テキストフレームが矩形などの多角形である場合に、そのテキストフレームの頂点のいずれかが禁止領域に存在するかどうかによって判断することができる。テキストフレームの頂点のいずれかが禁止領域に存在する場合には、テキストフレームの少なくとも一部が禁止領域に存在することになる。なお、以下、セリフが禁止領域に存在することを、「セリフエラー」と呼ぶこともある。
出力部21は、セリフが禁止領域に存在することを検出部20が検出した旨を出力する。また、出力部21は、禁止領域に存在することが検出されたセリフの位置をも出力してもよい。その位置は、例えば、矢印や、その他の線、丸囲み等の図形などによって示されてもよい。また、出力部21による出力は、例えば、セリフエラーが検出されたことを画像表示したり、音声出力したりすることであってもよく、セリフエラーが検出されたことを配置データ等のデータに設定する(例えば、セリフエラーのフラグを設定する等)ことであってもよい。したがって、この出力部21による出力は、ユーザに対してのものであってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。出力部21が画像を表示したり、音声を出力したりする場合に、出力部21は、あらかじめ図示しない記録媒体で記憶されている画像や音声を読み出して出力してもよい。
出力部21による出力は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、プリンタによる印刷でもよく、スピーカによる音声出力でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。本実施の形態では、出力部21は、セリフエラーが検出された旨を表示部19に渡すものとする。なお、出力部21は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやプリンタなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、出力部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
なお、画稿データ記憶部11で記憶される画稿データと、セリフデータ記憶部12で記憶されるセリフデータとは、コミック雑誌を作成する際に用いられたデータであってもよい。その場合には、例えば、セリフチェック装置1は、コミック雑誌で用いられた画稿データ等を用いて、コミックの単行本で用いられる配置データを自動的に生成するものであってもよい。
また、画稿データ記憶部11と、セリフデータ記憶部12と、ページデータ記憶部13と、レイアウト情報記憶部14と、配置データ記憶部18とのうち、任意の2以上の記憶部は、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、例えば、画稿データを記憶している領域が画稿データ記憶部11となり、セリフデータを記憶している領域がセリフデータ記憶部12となる。
次に、本実施の形態によるセリフチェック装置1の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)受付部16は、配置データを生成する旨の指示や、画稿データ等の移動の指示、拡縮率の変更の指示などの何らかの指示を受け付けたかどうか判断する。そして、何らかの指示を受け付けた場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、何らかの指示を受け付けるまでステップS101の処理を繰り返す。
(ステップS102)生成部17等は、配置データを生成する処理を行う。なお、この処理の詳細については、図3のフローチャートを用いて後述する。
(ステップS103)表示部19は、配置データ記憶部18で記憶されている配置データを表示する。なお、配置データ記憶部18において複数の配置データが記憶されている場合には、表示部19は、画稿データ等の配置が行われた最新の配置データを表示してもよい。
(ステップS104)検出部20は、表示部19が表示した配置データについて、セリフエラーの検出を行う。
(ステップS105)出力部21は、ステップS104でセリフエラーが検出されたかどうか判断する。そして、セリフエラーが検出された場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。
(ステップS106)出力部21は、セリフエラーが検出された旨を出力する。そして、ステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。また、図2のフローチャートには、受付部16がレイアウト情報を受け付け、レイアウト情報記憶部14に蓄積する処理は含まれていない。
図3は、図2のフローチャートにおける配置データの生成の処理(ステップS102)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS201)生成部17は、ステップS101で受け付けられた指示が、新たな配置データを生成する旨の指示であるかどうか判断する。そして、新たな配置データを生成する旨の指示が受け付けられていた場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、ステップS208に進む。
(ステップS202)受付部16は、レイアウト情報記憶部14から拡縮率を読み出し、生成部17に渡す。その拡縮率は、生成部17で一時的に記憶されてもよい。なお、レイアウト情報記憶部14において拡縮率が記憶されていない場合には、受付部16は、例えば、拡縮率「1」を生成部17に渡してもよい。
(ステップS203)配置位置算出部15は、ページデータのマージンと、レイアウト情報記憶部14で記憶されている拡縮率及び余白とを用いて、配置位置を算出する。なお、レイアウト情報記憶部14において、拡縮率や余白が記憶されていない場合には、配置位置算出部15は、例えば、拡縮率「1」、余白「0」を用いて配置位置を算出してもよい。
(ステップS204)受付部16は、配置位置算出部15が算出した配置位置を受け取り、生成部17に渡す。その配置位置は、生成部17で一時的に記憶されてもよい。
(ステップS205)生成部17は、ページデータ記憶部13で記憶されているページデータを読み出し、配置データを生成するために記録媒体に一時的に記憶する。
(ステップS206)生成部17は、受付部16が受け付けた拡縮率、配置位置を用いて、画稿データ記憶部11で記憶されている画稿データと、セリフデータ記憶部12で記憶されているセリフデータとをページデータに配置する。なお、画稿データに対応するセリフデータが存在しない場合には、生成部17は、セリフデータを配置する処理を行わなくてもよい。なお、ページデータが見開きの2ページに対応するものである場合には、生成部17は、各ページに画稿データ等を配置してもよい。
(ステップS207)生成部17は、画稿データ等の配置されたページデータである配置データを配置データ記憶部18に蓄積する。そして、図2のフローチャートに戻る。
(ステップS208)生成部17は、ステップS101で受け付けられた指示が、すでに配置された画稿データ等の拡大または縮小の指示であるかどうか判断する。例えば、受付部16が拡縮率を受け付けた場合に、生成部17は、すでに配置された画稿データ等の拡大または縮小の指示が受け付けられたと判断してもよい。そして、すでに配置された画稿データ等の拡大または縮小の指示が受け付けられていた場合には、ステップS209に進み、そうでない場合には、ステップS210に進む。
(ステップS209)生成部17は、表示部19が表示した配置データにおいて、受け付けられた指示に応じて、画稿データ等を拡大または縮小する。なお、拡縮率そのものが受け付けられた場合には、生成部17は、その拡縮率となるように画稿データ等を拡大または縮小する。一方、拡大の指示または縮小の指示が受け付けられた場合には、あらかじめ決められた倍率または拡縮率で画稿データ等を拡大または縮小する。なお、拡大または縮小の対象となる配置データにセリフデータが含まれていない場合には、生成部17は、画稿データのみについて拡大または縮小を行ってもよい。また、拡大または縮小の対象となる配置データに2以上の画稿データ等が含まれており、拡大または縮小の指示がいずれかの画稿データ等を指定している場合には、生成部17は、その指定された画稿データ等についてのみ拡大または縮小を行ってもよい。そして、図2のフローチャートに戻る。
(ステップS210)生成部17は、ステップS101で受け付けられた指示が、すでに配置された画稿データ等の移動の指示であるかどうか判断する。例えば、受付部16が画稿データ等の位置を受け付けた場合に、生成部17は、すでに配置された画稿データ等の移動の指示が受け付けられたと判断してもよい。そして、すでに配置された画稿データ等の移動の指示が受け付けられていた場合には、ステップS211に進み、そうでない場合には、ステップS212に進む。
(ステップS211)生成部17は、表示部19が表示した配置データにおいて、受け付けられた指示に応じて、画稿データ等を移動する。なお、移動後の位置そのものが受け付けられた場合には、生成部17は、その位置となるように画稿データ等を移動する。一方、いずれかの方向への移動の指示が受け付けられた場合には、あらかじめ決められた長さだけ画稿データ等をその指示された方向へ移動する。なお、移動の対象となる配置データにセリフデータが含まれていない場合には、生成部17は、画稿データのみについて移動を行ってもよい。また、移動の対象となる配置データに2以上の画稿データ等が含まれており、移動の指示がいずれかの画稿データ等を指定している場合には、生成部17は、その指定された画稿データ等についてのみ移動を行ってもよい。そして、図2のフローチャートに戻る。
(ステップS212)生成部17等は、受付部16が受け付けた指示に応じた処理を行う。その処理は、例えば、編集対象の配置データを変更する旨の指示や、画稿データ等の回転の指示等であってもよい。そして、その処理が終了すると、図2のフローチャートに戻る。
なお、配置データに画稿データやセリフデータそのものが含まれている場合には、生成部17は、それらを用いることによって、画稿データ等を拡大・縮小した配置データや、画稿データ等を移動した配置データを生成することができる。一方、配置データに画稿データやセリフデータそのものが含まれていない場合(例えば、画稿データがビットマップのデータである場合など)には、生成部17は、また新たに、画稿データや、セリフデータ、ページデータを読み出し、それらを用いることによって、画稿データ等を拡大・縮小した後の配置データや、画稿データ等を移動した後の配置データを生成してもよい。その場合には、例えば、受付部16が受け付けた拡縮率を、新たに受け付けられた拡大や縮小の指示に応じて変更した後の拡縮率を用いた画稿データ等の配置を行ってもよく、受付部16が受け付けた配置位置を、新たに受け付けられた移動の指示に応じて変更した後の配置位置を用いて画稿データ等の配置を行ってもよい。例えば、受付部16がステップS202で受け付けた拡縮率が0.8であり、その後、受付部16がステップS101で1.2倍に拡大する旨の指示を受け付けた場合には、生成部17は、拡縮率0.96(=0.8×1.2)で画稿データ等の配置を行ってもよい。また、例えば、受付部16がステップS204で受け付けた配置位置が「A×M−B」=20(mm)であり、その後、受付部16がステップS101で画稿データ等をノドの方向に5(mm)移動する旨の指示を受け付けた場合には、生成部17は、M倍した画稿データの基準辺を、配置対象のページデータの基準辺から25(=20+5)(mm)だけ外側の位置に配置してもよい。
次に、本実施の形態によるセリフチェック装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、画稿データ記憶部11では、図4で示される画稿データを含む複数の画稿データが記憶されているものとする。図4において、コミック画像は、4個のコマを有している。また、図4で示されるように、破線と、画稿データの各辺との幅が余白である。また、各破線の位置がコミック画像の端辺の位置である。なお、画稿データ記憶部11において、図4以外の画稿データが記憶されていることは言うまでもない。
また、この具体例において、セリフデータ記憶部12では、図5で示されるセリフデータを含む複数のセリフデータが記憶されているものとする。図5のセリフデータは、図4の画稿データに対応するものである。図5において、図4の2個の吹き出しに対応する位置にそれぞれテキストフレームが設定されており、そのテキストフレームにセリフに対応するテキストが含まれている。なお、そのテキストのフォントサイズは、「12ポイント」であり、行送りが「18ポイント」であり、字送りが「14ポイント」であるとする。なお、ページデータ記憶部13において、図5以外のセリフデータが記憶されていることは言うまでもない。
また、この具体例において、ページデータ記憶部13では、図6で示されるページデータが記憶されているものとする。図6において、ページデータには、ページの外縁を示す仕上がり線(裁ち切り線)と、版面の外縁を示す枠とが含まれている。枠と仕上がり線との間の幅がマージンである。また、図6において、ページデータには、禁止領域が設定されている。その禁止領域の禁止領域境界線は、前述のように、仕上がり線との幅によって示されるものであってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。後者の場合には、例えば、ページデータに、線分の集合である禁止領域境界線が含まれてもよい。
また、この具体例において、レイアウト情報記憶部14では、図7で示されるレイアウト情報が記憶されているものとする。図7において、レイアウト情報は、上下左右の余白と、拡縮率とを有している。
まず、ユーザが、画稿データの配置を開始する旨の指示を入力したとする。すると、その指示が受付部16で受け付けられ、生成部17に渡される(ステップS101)。生成部17は、その指示を受け取ると、配置データを新たに生成する旨の指示が受け付けられたと判断し、受付部16に拡縮率と配置位置とを受け付ける旨の指示を渡す(ステップS201)。すると、受付部16は、レイアウト情報記憶部14から拡縮率を読み出して生成部17に渡すと共に、配置位置算出部15に配置位置の算出を行う旨の指示を渡す(ステップS202)。配置位置算出部15は、その指示を受け取ると、レイアウト情報記憶部14で記憶されているレイアウト情報から、拡縮率「0.837」と、左側の余白「39(mm)」と、右側の余白「38(mm)」とを読み出し、ページデータの各ページのノド側のマージン「11(mm)」を取得し、それらを用いて画稿データの配置位置を算出する(ステップS203)。具体的には、見開きの2ページのうち、右側のページにおける「A×M−B」に対応する値は21.643(mm)となる。また、左側のページにおける「A×M−B」に対応する値は20.806(mm)となる。配置位置算出部15は、それらの値を受付部16に渡す。すると、受付部16は、それらの値を受け付けて生成部17に渡す(ステップS204)。
次に、生成部17は、ページデータ記憶部13からページデータを読み出し、図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS205)。そして、生成部17は、画稿データ記憶部11から、1番目の画稿データ、すなわち図4で示される画稿データを読み出して図示しない記録媒体で記憶しているページデータの右側のページ上に配置する。なお、奇数番目の画稿データは、ページデータの右側のページ上に配置され、偶数番目の画稿データは、ページデータの左側のページ上に配置されると決まっているものとする。したがって、奇数番目の画稿データのノド側は左側となり、偶数番目の画稿データのノド側は右側となる。そのため、生成部17は、0.837倍した画稿データのセンターを右側のページの枠のセンターにあわせた後に、図8で示されるように、画稿データのノド側(左側)の辺が、仕上がり線のノド側の辺よりも21.643(mm)だけ左側になるように、画稿データをノド側に平行移動させる。このようにして画稿データの配置を行うことができる。その後、生成部17は、図4の画稿データに対応する図5のセリフデータをセリフデータ記憶部12から読み出し、フォントサイズを10(≒12×0.837)に変更し、行送りを15.1(≒18×0.837)に変更し、字送りを11.7(≒14×0.837)に変更する。また、画稿データと同様に0.837倍して、ノド側(左側)の辺が、仕上がり線のノド側の辺よりも21.643(mm)だけ左側になるようにセリフデータを配置する。また、同様にして、生成部17は、2番目の画稿データも読み出してページデータの左側のページ上に配置する。この場合には、生成部17は、0.837倍した画稿データのセンターを左側のページの枠のセンターにあわせた後に、画稿データのノド側(右側)の辺が、仕上がり線のノド側の辺よりも20.806(mm)だけ右側になるように、画稿データをノド側に平行移動させる。このようにして画稿データの配置を行うことができる(ステップS206)。なお、この2番目の画稿データに対応するセリフデータは、存在しなかったとする。その結果、ページデータに画稿データとセリフデータとの配置された配置データは、図9で示されるようになる。その後、生成部17は、その生成した配置データを配置データ記憶部18に蓄積する(ステップS207)。
表示部19は、その図9で示される配置データを図示しないディスプレイに表示する(ステップS103)。その結果、ユーザは、画稿データ等がどのように配置されたのかを知ることができるようになる。その後、検出部20は、セリフエラーの検出を行う(ステップS104)。具体的には、検出部20は、配置されたセリフデータの各テキストフレームの各頂点の位置を特定する。この位置の特定は、特定対象となる頂点の位置の座標を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよい。また、検出部20は、その特定した各頂点の位置のうち、いずれかが禁止領域に含まれるかどうか判断する。この場合には、すべてのテキストフレームの各頂点の位置が禁止領域に含まれなかったとする。したがって、検出部20は、セリフエラーを検出しないことになる。すると、出力部21は、セリフエラーが検出されなかったと判断し、セリフエラーに関する出力は行われないことになる。
その後、ユーザは、表示されている右側のページの画稿データを選択し、その画稿データを拡大する旨を指示する拡大ボタンをクリックしたとする。すると、その指示は、受付部16で受け付けられ、生成部17に渡される(ステップS101)。生成部17は、その指示を受け取ると、配置データを拡大する旨の指示が受け付けられたと判断し(ステップS208)、その指定された右側の画稿データとセリフデータとをあらかじめ決められた倍率である1.05倍に拡大する(ステップS209)。その拡大の際に、セリフデータに含まれるフォントサイズ等の変更が行われるのは前述の通りである。その後、表示部19は、右側の画稿データの拡大された配置データを表示する。また、検出部20は、配置されたセリフデータの各テキストフレームの各頂点の位置を特定し、それらが禁止領域に含まれるかどうか判断する。この場合には、図10で示されるように、右上のセリフに対応するテキストフレームの2個の頂点が禁止領域に含まれていたとする。すると、検出部20は、セリフエラーを検出する(ステップS104)。その検出の際に、検出部20は、一部が禁止領域に含まれているテキストフレームの中心位置も特定するものとする。
その後、出力部21は、セリフエラーが検出されたと判断し(ステップS105)、検出部20によって特定された中心位置と、あらかじめ図示しない記録媒体で記憶されている「セリフエラー」の図形とを表示部19に渡す(ステップS106)。すると、表示部19は、図11で示されるように、その「セリフエラー」の図形と、テキストフレームの中心位置までの引き出し線とを表示する。その結果、ユーザは、セリフエラーが発生したことと、そのセリフエラーとなったセリフとを知ることができ、画稿データ等を適宜、移動させることなどによって、そのセリフエラーを解消することができる。
なお、この具体例では、天地の余白は用いないため、レイアウト情報記憶部14で記憶される図7のレイアウト情報において、上下の余白が含まれていなくてもよい。
以上のように、本実施の形態によるセリフチェック装置1によれば、セリフが禁止領域に存在する場合に、そのことを検出することができる。したがって、禁止領域にセリフが存在する場合には、例えば、セリフの配置位置を変更することによって、セリフが禁止領域に存在しないようにすることができる。
なお、本実施の形態によるセリフチェック装置1において、テキストフレームの位置によってセリフエラーを検出するのではなく、テキストフレーム内に位置するテキストによってセリフエラーを検出してもよい。テキストフレームが必要以上に大きく設定され、テキストフレームの一部が禁止領域に含まれたとしても、そのテキストフレーム内に位置するテキスト自体は、禁止領域に位置しないこともあるからである。テキストフレーム内に位置するテキストによってセリフエラーを検出する場合には、検出部20は、配置データにおいて、テキストフレーム内に位置するテキストの少なくとも一部が禁止領域に存在する場合に、セリフが禁止領域に存在することを検出してもよい。ここで、テキストが禁止領域に存在するかどうかは、各テキストの仮想ボディや字面枠(実ボディ)を用いて判断してもよく、あるいは、テキストのフォントの字面を用いて判断してもよい。ここで、字面とは、フォントの文字の形をした部分のことである。字面枠(実ボディ)とは、その字面に接する枠のことである。例えば、仮想ボディを用いてセリフエラーの検出を行う場合には、図12で示されるように、テキストフレームの一部が禁止領域に存在したとしても、仮想ボディがすべて禁止領域に含まれていないのであれば、検出部20は、セリフエラーを検出しないことになる。字面枠や字面を用いて判断を行う場合も同様である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2によるセリフチェック装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるセリフチェック装置は、コミック画像の吹き出しの位置を用いて、セリフエラーを検出するものである。
図13は、本実施の形態によるセリフチェック装置2の構成を示すブロック図である。本実施の形態によるセリフチェック装置2は、画稿データ記憶部11と、セリフデータ記憶部12と、ページデータ記憶部13と、レイアウト情報記憶部14と、配置位置算出部15と、受付部16と、生成部17と、配置データ記憶部18と、表示部19と、検出部20と、出力部21と、吹き出し領域特定部31とを備える。なお、検出部20及び吹き出し領域特定部31以外の構成及び動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
吹き出し領域特定部31は、配置データにおけるコミック画像に含まれる吹き出しの領域である吹き出し領域を特定する。ここで、コミック画像において吹き出し領域を特定する方法について簡単に説明する。吹き出し領域特定部31は、例えば、吹き出し形状のパターンを保持しておき、そのパターンマッチングを行うことによって、吹き出し領域を特定してもよい。また、吹き出し領域特定部31は、あらかじめ決められた面積以上の白色の領域を検出し、その検出した白色の領域と連続している白色の領域である吹き出し領域を特定してもよい。また、吹き出し領域特定部31は、あらかじめ決められた面積以上の白色の領域を検出し、その検出した白色の領域と連続している白色の領域を特定し、その特定した領域の輪郭と、あらかじめ保持している1以上の吹き出しの形状との類似度を算出し、その特定した領域の輪郭と、いずれかの吹き出しの形状との類似度があらかじめ決められたしきい値以上である場合に、その特定した領域を吹き出し領域としてもよい。
なお、吹き出し領域の特定とは、その領域の外縁を示す複数の点の座標値を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、その領域を示すその他の情報を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよい。また、吹き出し領域特定部31が上記説明以外の方法によって吹き出し領域を特定してもよいことは言うまでもない。
本実施の形態では、検出部20は、配置データにおいて、吹き出し領域特定部31が特定した吹き出し領域の少なくとも一部が禁止領域に存在する場合に、セリフが禁止領域に存在することを検出する。
なお、本実施の形態によるセリフチェック装置2の動作は、図2,図3のフローチャートで示されるとおりであり、その説明を省略する。
次に、本実施の形態によるセリフチェック装置2の動作について、具体例を用いて説明する。なお、セリフエラーの検出以外の処理については、実施の形態1の具体例と同様であり、その詳細な説明を省略する。ここでは、実施の形態1の具体例において、右側のページの画稿データの拡大が行われた後の処理から説明する。
配置データにおける右側のページの画稿データ等が1.05倍に拡大され(ステップS102)、その配置データが表示されると(ステップS103)、検出部20は、セリフエラーの検出を行う(ステップS104)。具体的には、検出部20は、まず、吹き出し領域特定部31に、吹き出し領域の特定を行う旨の指示を渡す。すると、吹き出し領域特定部31は、画稿データ等が1.05倍に拡大された配置データに含まれる吹き出し領域を特定し、その領域を示す情報を検出部20に渡す。検出部20は、吹き出し領域を示す情報を受け取ると、その吹き出し領域と、禁止領域とに共通部分が存在するかどうか判断する。この場合には、図14で示されるように、右上のセリフに対応する吹き出し領域の一部が禁止領域に含まれていたとする。すると、検出部20は、セリフエラーを検出する(ステップS104)。その検出の際に、検出部20は、その吹き出し領域の中心位置も特定するものとする。その後、図11で示されるように、「セリフエラー」の図形と、その図形から特定された吹き出し領域の中心まで延びる引き出し線とが表示されることは、実施の形態1と同様である。
以上のように、本実施の形態によるセリフチェック装置2によれば、吹き出し領域を特定することによって、セリフエラーを検出することができる。したがって、配置データにテキストフレームが含まれていない場合であっても、セリフエラーを検出することができるようになる。例えば、配置データがビットマップ等の画像データであったとしても、セリフエラーの検出が可能となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3によるセリフチェック装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるセリフチェック装置は、文字認識を行うことによって、セリフエラーを検出するものである。
図15は、本実施の形態によるセリフチェック装置3の構成を示すブロック図である。本実施の形態によるセリフチェック装置3は、画稿データ記憶部11と、セリフデータ記憶部12と、ページデータ記憶部13と、レイアウト情報記憶部14と、配置位置算出部15と、受付部16と、生成部17と、配置データ記憶部18と、表示部19と、検出部20と、出力部21と、文字認識部41とを備える。なお、検出部20及び文字認識部41以外の構成及び動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。ここで、本実施の形態によるセリフチェック装置3では、前述のように、生成部17は、配置データに配置されているセリフが画像である配置データを生成するものとする。
文字認識部41は、そのような配置データにおいて文字認識を行う。この文字認識は、いわゆるOCR等における文字認識と同様にして行うことができるが、認識結果である文字コードを取得してもよく、あるいは、取得しないで文字である領域の特定のみを行ってもよい。文字認識部41は、例えば、あらかじめ保持している文字のパターンを用いたパターンマッチングを行うことによって、そのパターンと類似度の高い文字の領域を特定してもよい。
本実施の形態では、検出部20は、配置データにおいて、文字認識部41が認識した文字の少なくとも一部が禁止領域に存在する場合に、セリフが禁止領域に存在することを検出する。すなわち、文字認識部41によって特定された文字の領域と、禁止領域とに共通部分が存在する場合に、セリフエラーが検出されることになる。
なお、本実施の形態によるセリフチェック装置3の動作は、図2,図3のフローチャートで示されるとおりであり、その説明を省略する。
次に、本実施の形態によるセリフチェック装置3の動作について、具体例を用いて説明する。なお、セリフエラーの検出以外の処理については、実施の形態1の具体例と同様であり、その詳細な説明を省略する。ここでは、実施の形態1の具体例において、右側のページの画稿データの拡大が行われた後の処理から説明する。
配置データにおける右側のページの画稿データ等が1.05倍に拡大され(ステップS102)、その配置データが表示されると(ステップS103)、検出部20は、セリフエラーの検出を行う(ステップS104)。具体的には、検出部20は、まず、文字認識部41に、文字認識を行う旨の指示を渡す。すると、文字認識部41は、画稿データ等が1.05倍に拡大された配置データに含まれる文字を認識し、その文字の領域を示す情報を検出部20に渡す。その文字の領域を示す情報は、テキストフレームのように、認識された文字を囲む矩形等の領域の情報であってもよく、認識された各文字の位置や各文字の領域を示す情報であってもよい。検出部20は、文字の領域を示す情報を受け取ると、その文字の領域と、禁止領域とに共通部分が存在するかどうか判断する。この場合には、図16で示されるように、右上のセリフに対応する文字の一部が禁止領域に含まれていたとする。すると、検出部20は、セリフエラーを検出する(ステップS104)。その検出の際に、検出部20は、その認識された複数の文字の中心位置も特定するものとする。その後、図11で示されるように、「セリフエラー」の図形と、その図形から認識された複数の文字の中心まで延びる引き出し線とが表示されることは、実施の形態1と同様である。
以上のように、本実施の形態によるセリフチェック装置3によれば、セリフの文字認識を行うことによって、セリフエラーを検出することができる。したがって、配置データにテキストフレームが含まれていない場合であっても、セリフエラーを検出することができるようになる。例えば、配置データがビットマップ等の画像データであったとしても、セリフエラーの検出が可能となる。
なお、上記各実施の形態では、画稿データ等が見開きのページデータに配置される場合について説明したが、そうでなくてもよい。画稿データ等が1ページに対応するページデータに配置されてもよいことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、セリフチェック装置1,2,3において、ユーザが配置データを見る必要がない場合には、セリフチェック装置1,2,3は、表示部19を備えていなくてもよい。
また、上記各実施の形態において、前述の説明以外の方法によって生成された配置データが配置データ記憶部18に蓄積され、その配置データに対して、セリフエラーの検出処理が行われてもよい。
また、上記各実施の形態において、セリフチェック装置1,2,3は、手動でのみ配置データを生成するものであってもよい。その場合には、セリフチェック装置1,2,3は、レイアウト情報記憶部14や配置位置算出部15を備えていなくてもよい。
また、上記各実施の形態において、セリフチェック装置1,2,3において、配置データの生成をも行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。セリフチェック装置1,2,3は、他の装置等で生成された配置データについて、セリフエラーの検出の処理を行うものであってもよい。その場合には、セリフチェック装置1,2,3は、画稿データ記憶部11や、セリフデータ記憶部12、ページデータ記憶部13、レイアウト情報記憶部14、配置位置算出部15、受付部16、生成部17を備えていなくてもよい。この場合には、配置データ記憶部18に配置データが記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して配置データが配置データ記憶部18で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された配置データが配置データ記憶部18で記憶されるようになってもよい。また、その場合の配置データは、コミック画像とセリフとが少なくとも含まれるものであれば、その生成の方法を問わない。また、その配置データに含まれるセリフは、文字コードによって示されるテキストであってもよく、あるいは、画像であってもよい。なお、検出部20がテキストフレームを用いた検出を行う場合には、その配置データにテキストフレームが含まれているものとする。また、検出部20が文字認識を用いた検出を行う場合には、その配置データにセリフの画像が含まれているものとする。
また、上記各実施の形態では、セリフデータをも配置する場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、セリフの画像がコミック画像に含まれる場合には、生成部17は、セリフデータの配置を行わなくてもよい。そのセリフデータの配置を行わない場合であっても、上記実施の形態2,3によるセリフチェック装置2,3であれば、セリフエラーを検出することができる。そのように、セリフデータの配置を行わない場合には、セリフチェック装置2,3は、セリフデータ記憶部12を備えていなくてもよい。
また、上記各実施の形態では、セリフチェック装置1,2,3がスタンドアロンである場合について説明したが、セリフチェック装置1,2,3は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、情報を出力したりしてもよい。
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記各実施の形態において、セリフチェック装置1,2,3に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記各実施の形態におけるセリフチェック装置1,2,3を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コミック画像とセリフとを、セリフが存在してはならない領域である禁止領域が設定されているページに配置した配置データが記憶される配置データ記憶部にアクセス可能なコンピュータを、配置データ記憶部で記憶されている配置データにおいて、セリフが禁止領域に存在することを検出する検出部、セリフが禁止領域に存在することを検出部が検出した旨を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図17は、上記プログラムを実行して、上記各実施の形態によるセリフチェック装置1,2,3を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記各実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図17において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図18は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図18において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記各実施の形態によるセリフチェック装置1,2,3の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記各実施の形態によるセリフチェック装置1,2,3の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。