JP5612625B2 - 蒸気バルブ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気バルブ装置、特に、頭部毛髪あるいは特定皮膚に蒸気を当てて、薬剤の反応促進、保湿、保温などを行う理美容用蒸気供給装置に用いて好適な蒸気バルブ装置に関する。
この種の理美容用蒸気供給装置として、密閉されたタンク内で供給される所要量の水を加熱して蒸気を生成し、この蒸気を高圧状態でもってこのタンクに貯留し、この貯留された蒸気を蒸気バルブ装置、蒸気導管を介して蒸気噴出部から大気、すなわち頭部毛髪あるいは特定皮膚へ噴出するものが存在する。
そして、この理美容用蒸気供給装置(特許文献1参照)に用いられる従来の蒸気バルブ装置V’は、図4に示す構成になっている。この蒸気バルブ装置V’は、バルブ基体11と、弁体22aと開閉操作軸22bの機能を有するステム22と、バルブナット23を主要部材としている。
バルブ基体11は、軸方向に貫通する内空部11aと、軸方向の中間付近において内空部11aが外部に連通する蒸気放出部11bと、を有する。内空部11aは、図4における軸方向の中間部に小径孔部11aa、その上方向(図4において右方向)に中径孔部11ab、最上方側に大径孔部11ac、小径孔部11aaの下方(図4において左方向)にそれより大径の接続孔部11adが形成されている。さらに、中径孔部11abには雌ねじ部11aeが形成されている。小径孔部11aaの上方側段部は、パッキン11afとともにバルブを構成する弁座として機能する。バルブ基体11の外郭は、軸方向の中間部が大径で、その両側はそれよりも小径になっている。また、中間部の蒸気放出部11bがある部分は、径方向に突出して導管接続用のナットが螺合できるように雄ねじ部11bbが形成されている。また、大径孔部11acを構成する周壁の外周根元側には、バルブナットを螺合させるための雄ねじ部11agが形成されている。さらに、11adの外周は、密閉されたタンクへ接続するための雄ねじ部11ahが形成されている。蒸気放出部11bは、小径孔部11aaの上方側段部に近い中径孔部11abに連通する小径孔部11baと外方側のテーパ状の拡径部11bcとよりなる。
ステム22は、軸方向の下方側に小径孔部11aaの上方側段部及びパッキン11afとバルブを構成するように中径孔部11abに嵌合する弁体22aと、軸方向の上方側にバルブの開閉操作のための開閉操作軸22bと、を有する。さらに軸方向の中間の弁体22a側には、バルブの開閉操作のためにステム22を軸方向へ移動させる雌ねじ11aeに螺合する雄ねじ部22ae、軸方向の中間の開閉操作軸22b側には、蒸気漏れを防ぐために大径孔部11acと密封的に嵌合する密封嵌合部22bc、がそれぞれ形成されている。22bfは密封嵌合部22bcを構成するパッキンである。
バルブナット23は、ステム22を支持するとともに、バルブの最大開弁位置を決めるためのもので、底部23aと周壁部23bにより大略有底円筒状をなしている。底部23aの中央には開閉操作軸22bが挿通する挿通孔23aaが設けられ、周壁部23bの開放側(図4において左方側)端部には雄ねじ部11agに螺合する雌ねじ部23bgが形成されている。バルブナット23の最大螺合状態のとき、バルブ基体11の大径孔部11acの端部と、バルブの最大開弁位置となるべく密封嵌合部22bcの端部とが、いずれも底部23aに当接することとなる。
かかる従来の蒸気バルブ装置V’は、図4(b)の状態から、ステム22の開閉操作軸22bを、例えば右回動させることにより雄ねじ部22aeと雌ねじ11aeの螺合量が増えてステム22が下方に移動し、弁体22aが小径孔部11aaの上方側段部にパッキン11afを押圧し変形させて図4(a)の閉弁状態となる。逆に、図4(a)の閉弁状態から、ステム22の開閉操作軸22bを、例えば左回動させることにより雄ねじ部22aeと雌ねじ11aeの螺合量が減ってステム22が上方に移動し、弁体22aがパッキン11afから離れて図4(b)の開弁状態となる。
したがって、図4(a)の閉弁状態にしておいて、密閉されたタンク内で供給される所要量の水を加熱して蒸気を生成し、この蒸気を高圧状態でもってこのタンクに貯留する。そして、一定量の蒸気が貯留できると、図4(b)の開弁状態にして、貯留された蒸気を蒸気バルブ装置、蒸気導管を介して蒸気噴出部から大気へ噴出させるのである。
特開2010−29503号公報
ところで、前述した蒸気バルブ装置V’にあっては、閉弁状態にする毎に、弁体22aが小径孔部11aaの上方側段部にパッキン11afを押圧し変形させている。しかも、閉弁状態をより確実にしようとする程、ステム22の開閉操作軸22bの回動量を増やす方向、すなわち、パッキン11afを押圧し変形させる量が増大する方向に操作される。そうすると、やがてパッキン11afは、弾性復元力が減少して塑性変形することとなる。また、パッキン11afと弁体22aの間に異物が挟まるような事態になるとパッキン11afが損傷してバルブの機能を果たせなくなることもある。これらはいずれも蒸気バルブ装置V’の寿命を短くする要因となるものである。
本発明は、係る事由に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、バルブの劣化を招来する要因を減らして長寿命化が図れる蒸気バルブ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明の蒸気バルブ装置は、軸方向に貫通する内空部と、軸方向の中間付近において前記内空部が外部に連通する蒸気放出部とを有するバルブ基体と、前記バルブ基体の一端側と蒸気放出部の間の内空部に設けられる弁座と、前記弁座に向けて蒸気を供給するために、前記バルブ基体の一端側の内空部に連結される蒸気供給管と、前記バルブ基体の他端側の内空部に連結されるバルブキャップと、前記弁座と接離することによりバルブを構成する弁体と、前記蒸気供給管及び前記バルブキャップに軸方向移動が可能な状態で支持されるシャフトとを有し、閉弁する方向にばね付勢される弁体シャフトと、前記バルブキャップに嵌合し、周方向の所定位置で位置決め固定されるバルブナットと、前記バルブナットに軸方向に移動可能で、かつ軸方向において前記弁体シャフトに対し押圧離反可能な状態に装着され、前記弁体が前記弁座に接触する側の閉弁位置ではばね付勢されている前記弁体シャフトと離反し、前記弁体が前記弁座から離反する側の開弁位置では前記弁体シャフトをばね付勢に抗して押圧する開閉操作軸とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、弁座は、剛性材料製であって大略円筒状の弁座本体と、弾性材料製であって大略リング状をなして前記弁座本体に取着される弁体当接部とを有してなり、前記弁体当接部は、前記弁体シャフトの弁体と離反する開弁位置では前記弁座本体の端部より突出し、前記弁体シャフトの弁体と接触する閉弁位置では前記弁体シャフトの弁体により弾性変形せしめられることである。
請求項3記載の発明は、前記弁体シャフトを閉弁する方向に付勢するばね手段を、バルブ基体の蒸気放出部を含まない他端側に配設することである。
本発明に係る蒸気バルブ装置によれば、開閉操作軸が、軸方向において弁体シャフトに対し押圧離反可能な状態に装着され、閉弁位置では弁体シャフトと離反し、弁座2に近接する側の開弁位置では弁体シャフトをばね付勢に抗して押圧するように設けたので、弁体5aと弁体当接部2bは、コイルばね8の一定した弾性力により閉弁状態が維持され、従来のバルブ装置のように、過大な締付力が作用しない。したがって、安定した一定の閉弁状態を実現することができるとともに、バルブの劣化を招来する要因を減らして長寿命化が図れるものである。
本発明の実施形態に係る蒸気バルブ装置を示すもので、(a)は閉弁状態の断面図、(b)は開弁状態の断面図、(c)は位置規制縦ピンと位置規制横ピンの位置関係を示す概略図 図1の要部拡大図で、(a)は閉弁状態の断面図、(b)は開弁状態の断面図 本発明の実施形態に係る蒸気バルブ装置を用いた理美容用蒸気供給装置の説明図 従来の蒸気バルブ装置を示すもので、(a)は閉弁状態の断面図、(b)は開弁状態の断面図、 (c)は平面図
以下、本発明の蒸気バルブ装置の実施形態を説明する。この蒸気バルブ装置は、図3に示すように、理美容用蒸気供給装置SSに用いられる。理美容用蒸気供給装置SSは、水が加熱されて生成される水蒸気を、高圧状態でもって貯留するタンクTを収容した装置本体Bと、タンクT内に貯留された高圧蒸気を大気へ噴出させる経路として、タンクT内の高圧蒸気を開放する蒸気バルブ装置V、蒸気を送出する蒸気導管P、蒸気噴出部D等で構成される。
タンクTには、水を加熱して水蒸気を生成するタンクヒータT1、水量を検知する液面センサT2、タンクT内へ水を給水する給水栓T3が内蔵され、タンクT内の蒸気圧力を検知する圧力センサS、電気回路基板Cが装置本体B内に装備されている。装置本体Bの上側外面には、操作者が装置を操作するための操作パネル基板Mが配設されている。
この理美容用蒸気供給装置は、タンクヒータT1への通電が開始され、タンクT内の水が加熱される。加熱された水は水蒸気を生成し、満水でもタンクT内の上方に確保された空間(例えば500ml容量)に圧力を有しながら蓄積される。圧力センサSの計測値の上限設定値(例えば4気圧)に達すると、タンクヒータT1への通電が停止し、水の加熱が停止される。蒸気の噴出動作や時間経過による蒸気圧力の低下があり、圧力センサSの計測値の下限設定値(例えば3.5気圧)に達すると、タンクヒータT1への通電が再び開始され、水を加熱して蒸気を生成する。タンクT内はこれらを繰り返して蒸気圧力を規定圧力に維持される。
例えば、頭部毛髪へのパーマやカラーリングの施術反応促進などを目的に、蒸気バルブ装置Vの後述する開閉操作軸7、すなわちそれに嵌入された開閉操作つまみ7Tを回して蒸気を開放すると、蒸気は蒸気導管Pを介して蒸気噴出部Dから頭部毛髪へ噴射される。蒸気噴出量は、蒸気バルブ装置V、蒸気導管P、蒸気噴出部Dの蒸気経路の断面積などにより決定されるが、例えば、40ml/分とする。つまり、頭部毛髪などへ2分間蒸気噴射使用すると、タンクT内の蒸気(水)が80ml消費されることになる。
次に、蒸気バルブ装置Vについて、図1及び図2に基づいて説明する。蒸気バルブ装置Vは、バルブ基体1と、弁座2と、蒸気供給管3と、バルブキャップ4と、弁体シャフト5と、バルブナット6と、開閉操作軸7と、ばね手段8を主要構成部材としている。
バルブ基体1は、軸方向に貫通する内空部1aと、軸方向の中間付近において前記内空部1aが外部に連通する蒸気放出部1bとを有する。内空部1aは、図1における中間付近において、後述する弁座2を取着する弁座取着孔1aa、その上方(図1において右方向)に蒸気放出部1bに連通する部分を有する蒸気連通孔1ab、その上方(図1において右方向)に連設される後述するバルブキャップ4を連結する大径の連結凹部1ac、弁座取着孔1aaの下方(図1において左方向)に連設される弁座取着孔1aaよりやや大径のバルブ作動凹部1ad、その下方(図1において左方向)である一端側の内周部に雌ねじ部1ae、外周部に雄ねじ部1agがそれぞれ形成されている。また、他端側(図1において右方向側)の連結凹部1acにも、雌ねじ部1afが形成されている。蒸気放出部1bは、蒸気連通孔1abに連通する位置であれば、特に限定しなくてもよいが、蒸気連通孔1abの軸方向の弁座2に近い方が望ましい。
弁座2は、バルブ基体1の一端側(図1において左方向側)と蒸気放出部1bの間にある内空部1aの弁座取着孔1aaに取着される。弁座2は、具体的には、剛性材料製であって大略円筒状の弁座本体2aと、弾性材料製であって大略リング状をなして弁座本体2aに装着される弁体当接部2bと、を有して構成される。そして、弁体当接部2bは、後述する弁体シャフト5の弁体5aと離反する開弁位置では弁座本体2aの端部より突出し、弁体シャフト5の弁体5aと接触する閉弁位置では弁体シャフト5の弁体5aにより弾性変形せしめられる。
蒸気供給管3は、弁座2に向けて蒸気を供給するために、バルブ基体1の一端側(図1において左方向側)の内空部1aに連結される。蒸気供給管3は、具体的には、雄ねじ部3aがバルブ基体1の一端側の雌ねじ部1aeに螺合することによって連結される。さらに、蒸気供給管3には、後述する弁体シャフト5を軸方向移動が可能な状態で支持する一端側の軸受部3bが形成されている。この軸受部3bは、蒸気供給管3に固定される円板状をなす軸受部3bの中心に設けられるが、軸受部3bには蒸気が挿通する、例えば4個の蒸気挿通孔(不図示)が略同心状に設けられる。
バルブキャップ4は、バルブ基体1の他端側の内空部1aに連結される。バルブキャップ4は、具体的には、軸方向の中間部に大径基部4a、一端側(図1において左方向側)に連結軸部4b、他端側(図1において右方向側)に後述するバルブナット6を取り付ける取付軸部4cを有し、連結軸部4bの外周にはバルブ基体1の雌ねじ部1afに螺合する雄ねじ部4bfが形成されている。また、中心には後述する弁体シャフト5を軸方向移動が可能な状態で支持する他端側(図1において右方向側)の軸受部4dを有し、軸受部4dの一端側(図1において左方向側)には蒸気を封止する目的で弾性部材を収容する収容部4e、他端側(図1において右方向側)には回動方向の位置規制のための位置規制部材を収容する位置規制部4fが、それぞれ形成されている。位置規制部4fには、位置規制を構成する2個の位置規制縦ピン4g、4gが、所定角度でもって同心状に立設されている。バルブキャップ4は、その雄ねじ部4bfを雌ねじ部1afに螺合することによってバルブ基体1の他端側の内空部1aに連結される。
弁体シャフト5は、弁座2と接離することによりバルブを構成する弁体5aと、蒸気供給管3の軸受部3b及びバルブキャップ4の軸受部4dに軸方向移動が可能な状態で支持されるシャフト5bと、を有する。弁体5aは、バルブ作動凹部1adの内径よりは小さく、弁体当接部2bの内径よりも大きい外径を有してシャフト5bの一端側(図1において左方向側)に固定してある。また、シャフト5bの他端側(図1において右方向側)には、ばね受台5cが遊合させてある。このばね受台5cは、シャフト5bの細溝に嵌め入れられたEリング5dにより他端側(図1において右方向側)への軸方向移動が規制され、ばね受台5cとバルブ基体1の連結凹部1acの間にばね手段であるコイルばね8が圧縮懸架されている。したがって、弁体シャフト5は、通常はコイルばね8のばね力を受けて他端側、つまり弁体5aが弁体当接部2bに接触することとなる。
バルブナット6は、バルブキャップ4の取付軸部4cに嵌合し、周方向の所定位置で位置決め固定されるものである。バルブナット6は、具体的には、基部6aと、基部6aから連設される周壁部6bを有し、基部6aの中心に後述する開閉操作軸7が挿通する挿通孔6cを有し、周壁部6bの内周部分がバルブキャップ4の取付軸部4cに嵌合する。また、挿通孔6cの一端側には開閉操作軸7が螺合する雌ねじ部6d、周壁部6bには径方向に貫通する雌ねじ部6eがそれぞれ形成されている。バルブナット6は、周壁部6bを取付軸部4cに確実に嵌合させた後に、雌ねじ部6eに止めねじ6fを螺合させてその先端がバルブキャップ4の取付軸部4cを押圧することにより、周方向の所定位置で位置決め固定される。
開閉操作軸7は、バルブナット6に軸方向に移動可能で、かつ軸方向において弁体シャフト5に対し押圧離反可能な状態に装着され、弁体5aが弁座2に接触する側の閉弁位置ではばね付勢されている弁体シャフト5と離反し、弁体5aが弁座2から離反する側の開弁位置では弁体シャフト5をばね付勢に抗して押圧するものである。開閉操作軸7は、具体的には、軸方向の中間部外周に雌ねじ部6dに一端側から螺合させていく大径雄ねじ部7a、大径雄ねじ部7aの一端側(図1において左方向側)に連設される押圧軸部7b、大径雄ねじ部7aの他端側(図1において右方向側)に連設されるDカット部が形成された摘み嵌合軸部7c、を有する。押圧軸部7bには、バルブキャップ4の2個の位置規制縦ピン4g、4gとともに位置規制部を構成する位置規制横ピン7gが、軸方向に直交するように植設されている。
開閉操作軸7は、一端側(図1において左方向側)からバルブナット6の挿通孔6cに挿通し、大径雄ねじ部7aを雌ねじ部6dに螺合させ、両者が略最大螺合状態で、図1(c)に示すように、位置規制横ピン7gが一方の位置規制縦ピン4gに当接状態となるように設定してある。この状態が図1(a)に示す閉弁位置であり、ばね付勢されている弁体シャフト5と押圧軸部7bとが離反した状態である。この状態から、図1(c)において反時計方向(螺合量を少なくする方向)に開閉操作軸7を回動させ、位置規制横ピン7gが他方の位置規制縦ピン4gに当接状態になるまで回動する。この状態が図1(b)に示す開弁位置であり、押圧軸部7bが弁体シャフト5をばね付勢に抗して押圧する状態である。
このような開弁位置、閉弁位置における弁体シャフト5の弁体5aと弁座2の弁体当接部2bの挙動を、図2(a)(b)に基づいて詳細に説明する。開閉操作軸7を回して開閉操作軸7を押し下げた状態(図2において左方向側へ移動した状態)では、弁体シャフト5が押圧されて、弁体シャフト5に連接された弁体5aが弁座2から離反する状態(図2において左方向側へ移動した状態)となる。弁体5aのこの位置は弁座2に装着された弁体当接部2bとも離反して空間ができ、この空間を蒸気が貫通することとなる。この状態が開弁状態である。ここで、弁体当接部2bは、弁体5aと密着し易い剛性体材質でもよいが、好ましくは弾性をもつ材質がよい。例えばシリコン製ゴムやフッ素性ゴムなどを使用するとよい。
また、弁体当接部2bの弁体5a側に位置する端面は、弁座本体2aの端面より突出していること(図2において左方向側に突出している状態)が肝要である。弁体当接部2bの突出する量は特に限定されないが、0.1mm以上が好ましい。これにより、弁体5aと弁体当接部2bが密接する。
次に、閉弁状態は、開閉操作軸7を上記開弁操作と逆の方向に回して上げていくと(図2において右方向側へ移動した状態)、開閉操作軸7が弁体シャフト5と離れる。この状態においては、弁体シャフト5はコイルばね8の圧縮懸架作用により上がる方向(図2においては右方向側へ移動した状態)へ引っ張られる。弁体シャフト5に連接された弁体5aも引き上げられ(図2において右方向側へ移動した状態)、弁体5aはコイルばね8の圧縮懸架の荷重で弁体当接部2bと圧接されて、閉弁状態となる。
ここで、弁体当接部2bが弾性部材である場合には、弾性部材を圧縮変形させる状態で閉弁状態となる。
かかる蒸気バルブ装置Vは、以下のようにして組み立てる。
まず、弁座本体2aに弁体当接部2bを装着した弁座2を、バルブ基体1の弁座取着孔1aaに圧入装着する。弁体5aを取着した弁体シャフト5をバルブ基体1の弁座取着孔1aa側から挿入する。バルブ基体1の連結凹部1ac内にコイルばね8を挿入し、ばね受台5cとEリング5dで弁体シャフト5と連結する。収容部4eに弾性部材を装着したバルブキャップ4をバルブ基体1の雌ねじ部1afに螺合させて装着する。その際、弁体シャフト5をバルブキャップ4の弾性部材および、連結軸部4bへ挿入させて装着する。軸受部3bを圧入取着した蒸気供給管3をバルブ基体1の雌ねじ部1aeへ螺合させて装着する。その際、弁体シャフト5を軸受部3bの中心に位置する穴へ挿入させて蒸気供給管3を螺合装着する。バルブナット6の雌ねじ部6dへ開閉操作軸7の大径雄ねじ部7aを螺合させ、開閉操作軸7を上げる方向上限(図1において、最大右方向側)位置で止める。そのバルブナット6をバルブキャップ4の取付軸部4cへ嵌合させ、図1の(c)に示す状態になる開閉操作軸7の位置規制横ピン7gが、バルブキャップ4の位置規制縦ピン4gに当たる位置で、バルブナット6の止めねじ6fを螺合させて締付固定する。最後に、蒸気放出部1bへ蒸気放出の組み立て部品を取着して完成となる。
かかる蒸気バルブ装置Vは、図1(a)の閉弁状態にしておいて、密閉されたタンクT内で供給される所要量の水を加熱して蒸気を生成し、この蒸気を高圧状態でもってこのタンクTに貯留する。そして、一定量の蒸気が貯留できると、図1(b)の開弁状態にして、貯留された蒸気を蒸気バルブ装置V、蒸気導管Pを介して蒸気噴出部Dから大気へ噴出させる。所定量の蒸気を噴出させると、再び閉弁状態にしてこれらの動作を繰り返す。
かかる実施形態に説明した蒸気バルブ装置Vは、以下の効果を奏する。
開閉操作軸7は、バルブナット6に軸方向に移動可能で、かつ軸方向において弁体シャフト5に対し押圧離反可能な状態に装着され、弁体5aが弁座2に接触する側の閉弁位置では、ばね付勢されている弁体シャフト5と離反し、弁体5aが弁座2から離反する側の開弁位置では、弁体シャフト5をばね付勢に抗して押圧するようになっている。したがって、人が操作する開閉操作軸7の閉弁位置にする操作では、開閉操作軸7が弁体シャフト5から離反した状態になっているので、弁体5aが弁座2に接触するに際して人の操作力が加わることがなく、バルブの劣化を招来する要因を減らして長寿命化が図れるものとなる。
弁座2は、剛性材料製であって大略円筒状の弁座本体2aと、弾性材料製であって大略リング状をなして前記弁座本体2aに装着される弁体当接部2bとを有してなり、前記弁体当接部2bは、前記弁体シャフト5の弁体5aと離反する開弁位置では前記弁座本体2aの端部より突出し、前記弁体シャフト5の弁体5aと接触する閉弁位置では前記弁体シャフト5の弁体5aにより弾性変形せしめられるようになっている。したがって、上記した効果に加え、閉弁動作がより滑らかに行われ、しかも弁体当接部2bに過大な力が加わることがなく、弁体当接部2bには弾性部材8のばね力と蒸気圧力の安定した力が加わるだけであるので、よりバルブの劣化を招来する要因を減らして長寿命化が図れるものとなる。
弁体シャフト5を閉弁する方向に付勢するばね手段であるコイルばね8は、バルブ基体1の蒸気放出部1bを含まない他端側に配設されるようにしている。したがって、蒸気が通過するバルブ基体1の内空部1aから蒸気放出部1bの経路に、蒸気の通過を妨害する、あるいは流れを乱す部材が少なくなり、より円滑な蒸気の噴出をさせることができる。
開閉操作軸7は、バルブナット6にねじ結合により装着されるものであって、略最大螺合状態で閉弁位置となり、その状態から戻す方向に回動することにより開弁状態となるものとしている。したがって、閉弁位置に操作する操作力は小さくてよく、開弁位置に操作する際にはばね力と蒸気圧力に抗して回動させるので、感触のよいものとなる。
以上、実施形態にかかる蒸気バルブ装置を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載の範囲で適宜の変更が可能である。例えば、弁座2の弾性材料製の弁体当接部2bは、弁座本体2aの材質、形状等によっては省略してもよい。また、ばね手段8はコイルばねに限ることなく板ばね等であってもよい。
1 バルブ基体
1a バルブ基体の内空部
1b バルブ基体の蒸気放出部
2 弁座
2a 弁座の弁座本体
2b 弁座の弁体当接部
3 蒸気供給管
3b 弁体シャフト5の軸受部
4 バルブキャップ
4g 位置規制縦ピン
5 弁体シャフト
5a 弁体シャフトの弁体
5b 弁体シャフトのシャフト
5c ばね受台
5d Eリング
6 バルブナット
7 開閉操作軸
7g 位置規制横ピン
8 コイルばね
V 蒸気バルブ装置
SS 理美容用蒸気供給装置
V‘ 従来の蒸気バルブ装置

Claims (3)

  1. 軸方向に貫通する内空部と、軸方向の中間付近において前記内空部が外部に連通する蒸気放出部とを有するバルブ基体と、前記バルブ基体の一端側と蒸気放出部の間の内空部に設けられる弁座と、前記弁座に向けて蒸気を供給するために、前記バルブ基体の一端側の内空部に連結される蒸気供給管と、前記バルブ基体の他端側の内空部に連結されるバルブキャップと、前記弁座と接離することによりバルブを構成する弁体と、前記蒸気供給管及び前記バルブキャップに軸方向移動が可能な状態で支持されるシャフトとを有し、閉弁する方向にばね付勢される弁体シャフトと、前記バルブキャップに嵌合し、周方向の所定位置で位置決め固定されるバルブナットと、前記バルブナットに軸方向に移動可能で、かつ軸方向において前記弁体シャフトに対し押圧離反可能な状態に装着され、前記弁体が前記弁座に接触する側の閉弁位置ではばね付勢されている前記弁体シャフトと離反し、前記弁体が前記弁座から離反する側の開弁位置では前記弁体シャフトをばね付勢に抗して押圧する開閉操作軸とを備えることを特徴とする蒸気バルブ装置。
  2. 前記弁座は、剛性材料製であって大略円筒状の弁座本体と、弾性材料製であって大略リング状をなして前記弁座本体に装着される弁体当接部とを有してなり、前記弁体当接部は、前記弁体シャフトの弁体と離反する開弁位置では前記弁座本体の端部より突出し、前記弁体シャフトの弁体と接触する閉弁位置では前記弁体シャフトの弁体により弾性変形せしめられることを特徴とする請求項1記載の蒸気バルブ装置。
  3. 前記弁体シャフトを閉弁する方向に付勢するばね手段を、前記バルブ基体の蒸気放出部を含まない他端側に配設することを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気バルブ装置。
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