JP5611435B1 - 樹脂成形品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂成形品の生産効率を向上することができる樹脂成形品の製造方法及び製造装置を提供する。【解決手段】樹脂成形品の製造方法は、硬化前の樹脂を入子型(2)の内部に配置して入子型を閉じるステップと、入子型を母型(4)の内部に配置して母型を閉じるステップと、母型の内部に配置された入子型の温度を硬化温度で保持するステップと、硬化温度における入子型の温度の保持開始後、硬化時間が経過する前に、入子型を母型から取り出すステップと、硬化温度における入子型の温度の保持開始から硬化時間が経過するまで、入子型の温度を硬化温度で保持するステップと、樹脂を入子型から取り出すステップとを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂成形品の製造方法及び製造装置に関し、特に、所定の硬化温度で所定の硬化時間保持すると硬化する樹脂を型に入れて成形する樹脂成形品の製造方法及び製造装置に関する。
従来、樹脂を型に入れて成形する樹脂成形品の製造方法が知られている(例えば、特許文献1)。
例えば、熱硬化性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と強化繊維との複合材料の成形品を製造する場合、まず、樹脂又は強化繊維に樹脂を含浸させた中間材料(プリプレグ)を金型内に配置する。金型はヒータにより加熱されており、この金型から伝達された熱により、樹脂は硬化反応を進めるための一定の温度範囲(硬化温度)まで加熱される。また、樹脂内部の空気(気泡)を外部に排出するため、及び、成形品の形状の精度や表面の質感の向上のために、プレス機により金型を介して樹脂を加圧する。このように、所定の硬化温度まで加熱された金型をプレス機によって加圧し、樹脂の硬化度が成形品として十分な程度(例えば85%)に達するまでに必要な時間(硬化時間)保持することにより、所望の形状で樹脂が硬化する。樹脂の硬化後に金型を開いて成形品を取り出す。
特開2013−126746号公報
しかしながら、上述したような従来の方法では、加熱された金型内に樹脂を配置し、プレス機により加圧を開始した後、上記の硬化時間が経過して金型から成形品を取り出すまでの間は金型及びプレス機を占有しなければならないので、生産効率が低い。
また、金型を開いて成形品を取り出す際、成形品は金型の温度まで加熱された状態であるので、樹脂の硬化後であっても成形品は柔らかい。したがって、金型から成形品を取り外す際に外力により変形したり、金型に接触している部分とそうではない部分との温度差により成形品に変形が生じたりする等、成形品の形状が安定しないという問題がある。
そこで、樹脂の硬化後、金型を冷却してから成形品を取り出すことが考えられる。しかし、この場合、金型を冷却する間や、次の成形のために金型を加熱する間も金型及びプレス機を占有しなければならず、生産効率がさらに低下する。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、樹脂成形品の生産効率を向上することができる樹脂成形品の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1発明による樹脂成形品の製造方法は、所定の硬化温度で所定の硬化時間保持すると硬化する樹脂を型に入れて成形する樹脂成形品の製造方法であって、硬化前の樹脂を入子型の内部に配置して入子型を閉じるステップと、入子型を母型の内部に配置して母型を閉じるステップと、母型の内部に配置された入子型の温度を硬化温度で保持するステップと、硬化温度における入子型の温度の保持開始後、硬化時間が経過する前に、入子型を母型から取り出すステップと、硬化温度における入子型の温度の保持開始から硬化時間が経過するまで、入子型の温度を硬化温度で保持するステップと、樹脂を入子型から取り出すステップとを有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、入子型を母型の内部に配置した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持し、硬化時間が経過する前に入子型を母型から取り出し、その後硬化時間が経過するまでは、入子型を母型から取り出した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持するので、母型を閉じるための装置(例えばプレス機)及び母型の占有時間を、硬化時間の経過前まで短縮することができ、樹脂成形品の生産効率を向上することができる。
また、本発明において、好ましくは、入子型を母型から取り出すステップにおいて、硬化温度における入子型の温度の保持開始後、硬化時間の10%以上70%以下の時間が経過したときに、入子型を母型から取り出す。
このように構成された本発明においては、少なくとも硬化時間の10%の時間は、入子型を母型の内部に配置した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持し、遅くとも硬化時間の70%の時間が経過するまでに、入子型を母型から取り出すので、樹脂がある程度硬化するまでは母型による加圧力を保持しつつ、母型を閉じるための装置の占有時間を、硬化時間の70%以下の時間まで短縮することができ、樹脂成形品の品質を維持しつつ生産効率を向上することができる。
また、本発明において、好ましくは、硬化時間が経過するまで入子型の温度を硬化温度で保持するステップの後、入子型を冷却するステップを有する。
このように構成された本発明においては、母型を閉じるための装置を占有することなく入子型単体で冷却を行い、冷却後に入子型から樹脂成形品を取り出すので、成形品が十分に冷却されて硬くなった後に入子型から取り外すことができる。したがって、金型から成形品を取り外す際の外力による変形や、金型に接触している部分とそうではない部分との温度差による成形品の変形を防止することができ、成形品の形状を安定させることができる。
また、本発明において、好ましくは、入子型を閉じるステップ及び母型を閉じるステップにおいて、入子型の閉位置から所定の間隔を空けた位置で入子型を保持し、母型を閉じるステップの後、入子型の内部を真空引きするステップと、入子型の内部が所定の真空度に達した後に、母型により入子型を閉位置まで閉じるステップと、母型により入子型を閉位置まで閉じるステップの後、母型の内部に配置された入子型の温度を硬化温度で保持するステップの間に、入子型の内部を大気圧に戻すステップとを有する。
このように構成された本発明においては、入子型の閉位置から所定の間隔を空けた位置で入子型を保持しながら、母型内で入子型の内部を真空引きし、入子型の内部が所定の真空度に達した後に、母型により入子型を閉位置まで閉じ、その後、母型内部で入子型を硬化温度に保持しながら、入子型の内部を大気圧に戻す。すなわち、入子型の内部を真空にした後、樹脂が加熱され粘度が低下し流動性が高まった時点で入子型の内部を大気圧に戻すので、大気圧を利用して樹脂の内部の気泡を微細にすることができ、小型の加圧装置を用いて型を加圧する場合でも、大型のプレス機を用いて大圧力で型を加圧したのと同等以上に緻密且つ表面が平滑な成形品を得ることができる。
また、本発明において、好ましくは、樹脂は、熱硬化性樹脂、又は、熱硬化性樹脂と繊維との複合材料である。
このように構成された本発明においては、熱硬化性樹脂、又は、熱硬化性樹脂と繊維との複合材料の成形品の製造に本製造方法を適用することができる。
また、本発明の第2発明による樹脂成形品の製造方法は、所定の硬化温度で保持すると硬化する樹脂を型に入れて成形する樹脂成形品の製造方法であって、硬化前の樹脂を入子型の内部に配置して入子型を閉じるステップと、入子型を母型の内部に配置して母型を閉じるステップと、母型の内部に配置された入子型の温度を硬化温度で保持するステップと、硬化温度における入子型の温度の保持開始後、樹脂の硬化度が85%に到達する前に、入子型を母型から取り出すステップと、樹脂の硬化度が85%に到達するまで、入子型の温度を硬化温度で保持するステップと、樹脂を入子型から取り出すステップとを有する。
このように構成された本発明においては、入子型を母型の内部に配置した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持し、樹脂の硬化度が85%に到達する前に入子型を母型から取り出し、その後樹脂の硬化度が85%に到達するまでは、入子型を母型から取り出した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持するので、母型を閉じるための装置(例えばプレス機)及び母型の占有時間を、樹脂の硬化度が85%に到達する前まで短縮することができ、樹脂成形品の生産効率を向上することができる。
また、本発明の第3発明による樹脂成形品の製造装置は、所定の硬化温度で所定の硬化時間保持すると硬化する樹脂を型に入れて成形する樹脂成形品の製造装置であって、樹脂を成形する入子型と、入子型を着脱可能に内蔵する母型と、母型の内部に配置された入子型の温度を硬化温度で保持するヒーターと、母型から取り出された入子型の温度を硬化温度で保持する温度保持手段とを有し、入子型は、この入子型の内部に樹脂を保持したまま母型から取り出し可能となっていることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、入子型を母型の内部に配置した状態で、ヒーターにより入子型の温度を硬化温度で保持し、硬化時間が経過する前に入子型を母型から取り出し、その後硬化時間が経過するまでは、入子型を母型から取り出した状態で、温度保持手段により入子型の温度を硬化温度で保持することができるので、母型を閉じるための装置(例えばプレス機)の占有時間を、硬化時間の経過前まで短縮することができ、樹脂成形品の生産効率を向上することができる。
本発明による樹脂成形品の製造方法及び製造装置によれば、樹脂成形品の生産効率を向上することができる。
本発明の実施形態による樹脂成形品の製造装置の概略断面図である。 本発明の実施形態による樹脂成形品の製造の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態による樹脂成形品の製造方法における樹脂の加熱時間と粘度との関係を示す線図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
まず、図1により本発明の実施形態による樹脂成形品の製造装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態による樹脂成形品の製造装置の概略断面図である。
本発明の実施形態による樹脂成形品の製造装置は、所定の硬化温度で所定の硬化時間保持すると硬化する樹脂と強化繊維との複合材料(プリプレグ)を型に入れて成形する。このような樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。また、強化繊維としては、例えば、炭素(ピッチ系、PAN系)、ガラスなどの無機繊維、アラミド、レイヨン、テトロン、ナイロンなどの合成化学繊維、あるいは、麻、ケナフ、絹、綿などの天然繊維を用いることができる。
硬化温度は、使用する樹脂に応じて適宜設定される。例えば、高速硬化型のエポキシ樹脂の硬化温度は、およそ130℃から160℃の範囲である。また、本実施形態の説明では、硬化時間とは、樹脂の硬化反応が開始された後、硬化度が85%に達するまでの時間をいうものとする。例えば、高速硬化型のエポキシ樹脂の硬化時間は、約10分である。
図1に示すように、符号1は、本発明の実施形態による樹脂成形品の製造装置を示し、この製造装置1は、プリプレグを成形する入子型2と、この入子型2を着脱可能に内蔵する母型4とを有している。
入子型2は、プリプレグの上面を成形する入子型上型2aと、プリプレグの下面を成形する入子型下型2bとを備えている。これらの入子型上型2a及び入子型下型2bがプリプレグと接触する面は、それぞれ、プリプレグから所望の成形品が得られるように形成されている。また、入子型2が母型4と接触する面については、任意の形状とすることができ、例えば、図1に示すように平面状に形成される。
この入子型2には、鋼、銅、アルミニウム等の各種金属材料や、セラミックス等の非金属材料を使用することができる。
母型4は、入子型2を着脱可能に内蔵するものであり、入子型上型2aが嵌め込まれる母型上型4aと、入子型下型2bが嵌め込まれる母型下型4bとを備えている。これらの母型上型4a及び母型下型4bが入子型2と接触する面は、それぞれ、入子型2の外面と一致するように、すなわち入子型2と母型4との間で面接触が得られるように形成されている。
また、母型上型4aには、母型下型4bとの合わせ面(すなわち母型上型4aの下面)と母型上型4aの外面(図1では右側面)とを連通させる真空引吸気孔6が形成されている。この真空引吸気孔6は、外部の真空ポンプ(図示省略)に接続される。
さらに、母型上型4aと母型下型4bとの間に、入子型2及び真空引吸気孔6を囲むように、真空ガスケット8が設けられている。
この母型4には、入子型2と同様に、鋼、銅、アルミニウム等の各種金属材料や、セラミックス等の非金属材料を使用することができる。
また、樹脂成形品の製造装置1は、入子型2の温度を硬化温度で保持するためのヒーター10を有している。本実施形態では、母型上型4aの上面にはプレート型の上側ヒーター10aが取り付けられ、母型下型4bの下面にはプレート型の下側ヒーター10bが取り付けられている。これらのヒーター10は、例えば、平板状の金属ブロックの内部に、一定の間隔を空けてカートリッジヒーターを埋め込むことにより構成される。
次に、図1乃至図3を参照して、本実施形態の製造装置1を用いた樹脂成形品の製造の流れを説明する。
図2は、本発明の実施形態による樹脂成形品の製造の流れを示すフローチャートであり、図3は、本発明の実施形態による樹脂成形品の製造方法における樹脂の加熱時間と粘度との関係を示す線図である。この図3において、横軸は、硬化温度での樹脂の加熱時間を示し、縦軸は、硬化が完了した場合(硬化度が100%に到達した場合)の粘度に対する樹脂の粘度を百分率で示している。
本実施形態では、図1に示すように、樹脂成形品の製造装置1には、プレス機14により上下方向から荷重が加えられる。具体的には、母型下型4b及び下側ヒーター10bは、断熱材12を介してプレス機14のプラットホーム14aに固定される。また、母型上型4a及び上側ヒーター10aは、断熱材12を介してプレス機14のスライドフレーム14bに固定され、このスライドフレーム14bと共に上下方向に移動する。
なお、樹脂成形品の製造の開始前において、入子型2は母型4から取り外されているものとする。
また、母型4は、ヒーター10により硬化温度の近傍まで予め加熱されているものとする。
次に、図2に示すように、樹脂成形品の製造が開始されると、まず、ステップS1において、プリプレグを入子型2の内部に配置する。具体的には、入子型下型2bの所定位置に、成形品の形状に応じて予め切断されたプリプレグを配置する。
次に、ステップS2に進み、入子型上型2aと入子型下型2bとの間に所定の間隔(例えば、10mm以下の間隔)を空けた第1の位置まで入子型2を閉じる。例えば、入子型上型2aと入子型下型2bとの間にバネ機構が設けられており(図示省略)、バネの弾性力と入子型上型2aの重量とのバランスにより上記の間隔が保持されるようになっている。
次に、ステップS3に進み、入子型2を母型4の内部に配置する。具体的には、入子型2を母型下型4bに嵌め込む。
次に、ステップS4に進み、入子型2が内部に配置された母型4を閉じる。すなわち、母型上型4aの下面が入子型上型2aの上面と接触し、且つ、母型上型4aと母型下型4bとによって真空ガスケット8が挟み込まれて圧縮されるまで、母型上型4aをスライドフレーム14bと共に下降させる。このとき、ステップS2で入子型上型2aと入子型下型2bとの間に設けられた間隔が保持されるように、母型上型4aの位置を調整する。
ステップS4において母型4を閉じることにより、ヒーター10によって予め加熱された母型4から入子型2に熱が伝わり、入子型2の温度が硬化温度近傍で保持されるようになる。図3に示すように、ステップS4の時点を、硬化温度における入子型2の温度の保持が開始された時点とする。このステップS4の時点までは樹脂の硬化反応が始まっておらず、図3の例では樹脂の粘度は40%程度となっている。なお、この粘度はプリプレグの設計により異なる。
次に、ステップS5に進み、入子型2の内部の真空引きを開始する。上記のステップS4で母型4を閉じることにより、母型上型4aと母型下型4bとによって真空ガスケット8が挟み込まれている。この状態で、真空引吸気孔6に接続された真空ポンプを作動させると、母型上型4a、母型下型4b、及び真空ガスケット8によって囲まれた空間から真空引吸気孔6を介して空気が排出され、入子型2の内部が真空引きされる。
次に、ステップS6に進み、母型上型4a、母型下型4b、及び真空ガスケット8によって囲まれた空間が所定の真空度(例えば0.3Torr以下)に達した後に、入子型上型2aと入子型下型2bとの間隔が成形品の設計厚さとなる第2の位置(閉位置)まで入子型2を閉じる。具体的には、母型上型4aを、スライドフレーム14bと共にステップS4における位置からさらに下降させ、入子型2に対して設計圧力が付与されるようにする。
図3に示すように、ステップS6までの各工程は、母型4から入子型2に熱が伝わり、入子型2の温度が硬化温度近傍まで上昇し、樹脂の粘度が下がる前に実行される。
次に、図3に示すように、母型4から入子型2に熱が伝わり、入子型2と共に樹脂の温度が上昇することで樹脂の粘度が下がり(例えば10%以下)入子型2の内部で流動し始めるまで、硬化温度における入子型2の温度の保持開始から時間が経過した後、ステップS7に進み、真空ポンプによる真空引きを終了し、入子型2の内部を大気圧に戻す。
次に、図3に示すように、硬化温度における入子型2の温度の保持開始後、硬化時間の50%の時間(例えば、高速硬化型のエポキシ樹脂では約5分)が経過したときに、ステップS8に進み、母型4を開く。このとき、図3に示すように、樹脂の硬化反応が進んだことで粘度は20%程度まで上昇しており、入子型2の内部で流動しない状態となっている。
続いて、ステップS9に進み、入子型2を母型4から取り出す。このとき、例えばクランプ機構(図示省略)により入子型上型2aと入子型下型2bとを固定し、入子型2が閉じた状態を保つようにする。
このステップS9で入子型2を母型4から取り出した後、母型4及びプレス機14は次の製品の入子型2を加熱及び加圧するために使用することができる。
次に、ステップS10に進み、ステップS9で母型4から取り出した入子型2を、硬化温度で保持する。例えば、硬化温度に設定された乾燥炉等の加熱装置の内部に入子型2を設置する。
次に、図3示すように、硬化温度における入子型2の温度の保持開始後、硬化時間(例えば、高速硬化型のエポキシ樹脂では約10分)が経過したときに、ステップS11に進み、入子型2を加熱装置から取り出し、冷却する。このとき、図3に示すように、樹脂の硬化反応がさらに進んだことで粘度は90%程度となっており、樹脂の硬化度は成形品として十分な程度(本実施形態では85%)まで達している。
入子型2の冷却が完了した後、ステップS12に進み、成形品を入子型2から取り出すことにより、樹脂成形品の製造が終了する。
なお、上述した実施形態では、図2のステップS8において、硬化温度における入子型2の温度の保持開始後、硬化時間の50%の時間が経過したときに母型4を開くと説明したが、使用する樹脂や成形品の形状等に応じて、硬化温度における入子型2の温度の保持開始後、硬化時間の10%以上70%以下の時間が経過したときに、母型4を開いて入子型2を取り出すようにしてもよい。
あるいは、硬化温度における入子型2の温度の保持開始後、樹脂の硬化度が10%以上60%以下の範囲となったときに、母型4を開いて入子型2を取り出すようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、母型4とヒーター10が別体として設けられている場合を説明したが、母型4の内部にヒーターが設けられるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、樹脂成形品の製造装置1には、プレス機14により上下方向から荷重が加えられると説明したが、樹脂成形品の製造装置1に荷重を加えられる装置であれば、プレス機14に限らず各種の加圧装置を用いることができる。
また、上述した実施形態では、ステップS4で母型4を閉じることにより、母型上型4aと母型下型4bとによって真空ガスケット8が挟み込まれると説明したが、これとは異なる構成で真空ガスケットを配置してもよい。例えば、母型上型が凸形断面を有すると共に母型下型が凹形断面を有し、母型上型の凸部を母型下型の凹部に嵌め込むことで母型を閉じるように構成されている場合、母型上型の凸部の側面に真空ガスケットを配置してもよい。この構成では、母型を閉じる場合、真空ガスケットは母型下型の凹部の側面を摺動することになる。
次に、上述した本実施形態の樹脂成形品の製造方法及び製造装置1による作用効果を説明する。
まず、入子型2を母型4の内部に配置した状態で、入子型2の温度を硬化温度で保持し、硬化時間が経過する前に入子型2を母型4から取り出し、その後硬化時間が経過するまでは、入子型2を母型4から取り出した状態で、入子型2の温度を硬化温度で保持するので、母型4を閉じるためのプレス機14及び母型4の占有時間を、硬化時間の経過前まで短縮することができ、樹脂成形品の生産効率を向上することができる。
また、少なくとも硬化時間の10%の時間は、入子型2を母型4の内部に配置した状態で、入子型2の温度を硬化温度で保持し、遅くとも硬化時間の70%の時間が経過するまでに、入子型2を母型4から取り出すので、樹脂がある程度硬化するまでは母型4による加圧力を保持しつつ、プレス機14の占有時間を、硬化時間の70%以下の時間まで短縮することができ、樹脂成形品の品質を維持しつつ生産効率を向上することができる。
また、プレス機14を占有することなく入子型2単体で冷却を行い、冷却後に入子型2から樹脂成形品を取り出すので、成形品が十分に冷却されて硬くなった後に入子型2から取り外すことができる。したがって、金型から成形品を取り外す際の外力による変形や、金型に接触している部分とそうではない部分との温度差による成形品の変形を防止することができ、成形品の形状を安定させることができる。
また、入子型2の閉位置から所定の間隔を空けた第1の位置で入子型2を保持しながら、母型4内で入子型2の内部を真空引きし、入子型2の内部が所定の真空度に達した後に、母型4により入子型2を第2の位置(閉位置)まで閉じ、その後、母型4内部で入子型2を硬化温度に保持しながら、入子型2の内部を大気圧に戻す。すなわち、入子型2の内部を真空にした後、樹脂が加熱され粘度が低下し流動性が高まった時点で入子型2の内部を大気圧に戻すので、大気圧を利用して樹脂の内部の気泡を微細にすることができ、小型のプレス機14を用いて型を加圧する場合でも、大型のプレス機を用いて大圧力で型を加圧したのと同等以上に緻密且つ表面が平滑な成形品を得ることができる。
また、入子型2を母型4の内部に配置した状態で、入子型2の温度を硬化温度で保持し、樹脂の硬化度が85%に到達する前に入子型2を母型4から取り出し、その後樹脂の硬化度が85%に到達するまでは、入子型2を母型4から取り出した状態で、入子型2の温度を硬化温度で保持するので、母型4を閉じるためのプレス機14及び母型4の占有時間を、樹脂の硬化度が85%に到達する前まで短縮することができ、樹脂成形品の生産効率を向上することができる。
また、熱硬化性樹脂、又は、熱硬化性樹脂と繊維との複合材料の成形品の製造に本製造方法を適用することができる。
1 樹脂成形品の製造装置
2 入子型
2a 入子型上型
2b 入子型下型
4 母型
4a 母型上型
4b 母型下型
6 真空引吸気孔
8 真空ガスケット
10 ヒーター
10a 上側ヒーター
10b 下側ヒーター
12 断熱材
14 プレス機
14a プラットホーム
14b スライドフレーム

Claims (5)

  1. 所定の硬化温度で所定の硬化時間保持すると硬化する樹脂を型に入れて成形する樹脂成形品の製造方法であって、
    硬化前の上記樹脂を入子型の内部に配置して入子型を閉じるステップと、
    上記入子型を母型の内部に配置して母型を閉じるステップと、
    上記母型の内部に配置された上記入子型の温度を上記硬化温度で保持するステップと、 上記硬化温度における上記入子型の温度の保持開始後、上記硬化時間が経過する前に、上記入子型を上記母型から取り出すステップと、
    上記硬化温度における上記入子型の温度の保持開始から上記硬化時間が経過するまで、上記入子型の温度を上記硬化温度で保持するステップと、
    上記樹脂を上記入子型から取り出すステップと、を有することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  2. 上記入子型を上記母型から取り出すステップにおいて、上記硬化温度における上記入子型の温度の保持開始後、上記硬化時間の10%以上70%以下の時間が経過したときに、上記入子型を上記母型から取り出す、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
  3. 上記硬化時間が経過するまで上記入子型の温度を上記硬化温度で保持するステップの後、上記入子型を冷却するステップを有する請求項1又は2に記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 上記入子型を閉じるステップ及び上記母型を閉じるステップにおいて、上記入子型の閉位置から所定の間隔を空けた位置で入子型を保持し、
    上記母型を閉じるステップの後、上記入子型の内部を真空引きするステップと、
    上記入子型の内部が所定の真空度に達した後に、上記母型により上記入子型を上記閉位置まで閉じるステップと、
    上記母型により上記入子型を上記閉位置まで閉じるステップの後、上記母型の内部に配置された上記入子型の温度を上記硬化温度で保持するステップの間に、上記入子型の内部を大気圧に戻すステップと、を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  5. 上記樹脂は、熱硬化性樹脂、又は、熱硬化性樹脂と繊維との複合材料である請求項1乃至4の何れか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
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