JP5611435B1 - 樹脂成形品の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、熱硬化性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と強化繊維との複合材料の成形品を製造する場合、まず、樹脂又は強化繊維に樹脂を含浸させた中間材料(プリプレグ)を金型内に配置する。金型はヒータにより加熱されており、この金型から伝達された熱により、樹脂は硬化反応を進めるための一定の温度範囲(硬化温度)まで加熱される。また、樹脂内部の空気(気泡)を外部に排出するため、及び、成形品の形状の精度や表面の質感の向上のために、プレス機により金型を介して樹脂を加圧する。このように、所定の硬化温度まで加熱された金型をプレス機によって加圧し、樹脂の硬化度が成形品として十分な程度(例えば85%)に達するまでに必要な時間(硬化時間)保持することにより、所望の形状で樹脂が硬化する。樹脂の硬化後に金型を開いて成形品を取り出す。
そこで、樹脂の硬化後、金型を冷却してから成形品を取り出すことが考えられる。しかし、この場合、金型を冷却する間や、次の成形のために金型を加熱する間も金型及びプレス機を占有しなければならず、生産効率がさらに低下する。
このように構成された本発明においては、入子型を母型の内部に配置した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持し、硬化時間が経過する前に入子型を母型から取り出し、その後硬化時間が経過するまでは、入子型を母型から取り出した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持するので、母型を閉じるための装置(例えばプレス機)及び母型の占有時間を、硬化時間の経過前まで短縮することができ、樹脂成形品の生産効率を向上することができる。
このように構成された本発明においては、少なくとも硬化時間の10%の時間は、入子型を母型の内部に配置した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持し、遅くとも硬化時間の70%の時間が経過するまでに、入子型を母型から取り出すので、樹脂がある程度硬化するまでは母型による加圧力を保持しつつ、母型を閉じるための装置の占有時間を、硬化時間の70%以下の時間まで短縮することができ、樹脂成形品の品質を維持しつつ生産効率を向上することができる。
このように構成された本発明においては、母型を閉じるための装置を占有することなく入子型単体で冷却を行い、冷却後に入子型から樹脂成形品を取り出すので、成形品が十分に冷却されて硬くなった後に入子型から取り外すことができる。したがって、金型から成形品を取り外す際の外力による変形や、金型に接触している部分とそうではない部分との温度差による成形品の変形を防止することができ、成形品の形状を安定させることができる。
このように構成された本発明においては、入子型の閉位置から所定の間隔を空けた位置で入子型を保持しながら、母型内で入子型の内部を真空引きし、入子型の内部が所定の真空度に達した後に、母型により入子型を閉位置まで閉じ、その後、母型内部で入子型を硬化温度に保持しながら、入子型の内部を大気圧に戻す。すなわち、入子型の内部を真空にした後、樹脂が加熱され粘度が低下し流動性が高まった時点で入子型の内部を大気圧に戻すので、大気圧を利用して樹脂の内部の気泡を微細にすることができ、小型の加圧装置を用いて型を加圧する場合でも、大型のプレス機を用いて大圧力で型を加圧したのと同等以上に緻密且つ表面が平滑な成形品を得ることができる。
このように構成された本発明においては、熱硬化性樹脂、又は、熱硬化性樹脂と繊維との複合材料の成形品の製造に本製造方法を適用することができる。
このように構成された本発明においては、入子型を母型の内部に配置した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持し、樹脂の硬化度が85%に到達する前に入子型を母型から取り出し、その後樹脂の硬化度が85%に到達するまでは、入子型を母型から取り出した状態で、入子型の温度を硬化温度で保持するので、母型を閉じるための装置(例えばプレス機)及び母型の占有時間を、樹脂の硬化度が85%に到達する前まで短縮することができ、樹脂成形品の生産効率を向上することができる。
このように構成された本発明においては、入子型を母型の内部に配置した状態で、ヒーターにより入子型の温度を硬化温度で保持し、硬化時間が経過する前に入子型を母型から取り出し、その後硬化時間が経過するまでは、入子型を母型から取り出した状態で、温度保持手段により入子型の温度を硬化温度で保持することができるので、母型を閉じるための装置(例えばプレス機)の占有時間を、硬化時間の経過前まで短縮することができ、樹脂成形品の生産効率を向上することができる。
まず、図1により本発明の実施形態による樹脂成形品の製造装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態による樹脂成形品の製造装置の概略断面図である。
硬化温度は、使用する樹脂に応じて適宜設定される。例えば、高速硬化型のエポキシ樹脂の硬化温度は、およそ130℃から160℃の範囲である。また、本実施形態の説明では、硬化時間とは、樹脂の硬化反応が開始された後、硬化度が85%に達するまでの時間をいうものとする。例えば、高速硬化型のエポキシ樹脂の硬化時間は、約10分である。
この入子型2には、鋼、銅、アルミニウム等の各種金属材料や、セラミックス等の非金属材料を使用することができる。
また、母型上型4aには、母型下型4bとの合わせ面(すなわち母型上型4aの下面)と母型上型4aの外面(図1では右側面)とを連通させる真空引吸気孔6が形成されている。この真空引吸気孔6は、外部の真空ポンプ(図示省略)に接続される。
さらに、母型上型4aと母型下型4bとの間に、入子型2及び真空引吸気孔6を囲むように、真空ガスケット8が設けられている。
この母型4には、入子型2と同様に、鋼、銅、アルミニウム等の各種金属材料や、セラミックス等の非金属材料を使用することができる。
図2は、本発明の実施形態による樹脂成形品の製造の流れを示すフローチャートであり、図3は、本発明の実施形態による樹脂成形品の製造方法における樹脂の加熱時間と粘度との関係を示す線図である。この図3において、横軸は、硬化温度での樹脂の加熱時間を示し、縦軸は、硬化が完了した場合(硬化度が100%に到達した場合)の粘度に対する樹脂の粘度を百分率で示している。
なお、樹脂成形品の製造の開始前において、入子型2は母型4から取り外されているものとする。
また、母型4は、ヒーター10により硬化温度の近傍まで予め加熱されているものとする。
図3に示すように、ステップS6までの各工程は、母型4から入子型2に熱が伝わり、入子型2の温度が硬化温度近傍まで上昇し、樹脂の粘度が下がる前に実行される。
このステップS9で入子型2を母型4から取り出した後、母型4及びプレス機14は次の製品の入子型2を加熱及び加圧するために使用することができる。
あるいは、硬化温度における入子型2の温度の保持開始後、樹脂の硬化度が10%以上60%以下の範囲となったときに、母型4を開いて入子型2を取り出すようにしてもよい。
2 入子型
2a 入子型上型
2b 入子型下型
4 母型
4a 母型上型
4b 母型下型
6 真空引吸気孔
8 真空ガスケット
10 ヒーター
10a 上側ヒーター
10b 下側ヒーター
12 断熱材
14 プレス機
14a プラットホーム
14b スライドフレーム
Claims (5)
- 所定の硬化温度で所定の硬化時間保持すると硬化する樹脂を型に入れて成形する樹脂成形品の製造方法であって、
硬化前の上記樹脂を入子型の内部に配置して入子型を閉じるステップと、
上記入子型を母型の内部に配置して母型を閉じるステップと、
上記母型の内部に配置された上記入子型の温度を上記硬化温度で保持するステップと、 上記硬化温度における上記入子型の温度の保持開始後、上記硬化時間が経過する前に、上記入子型を上記母型から取り出すステップと、
上記硬化温度における上記入子型の温度の保持開始から上記硬化時間が経過するまで、上記入子型の温度を上記硬化温度で保持するステップと、
上記樹脂を上記入子型から取り出すステップと、を有することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。 - 上記入子型を上記母型から取り出すステップにおいて、上記硬化温度における上記入子型の温度の保持開始後、上記硬化時間の10%以上70%以下の時間が経過したときに、上記入子型を上記母型から取り出す、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
- 上記硬化時間が経過するまで上記入子型の温度を上記硬化温度で保持するステップの後、上記入子型を冷却するステップを有する請求項1又は2に記載の樹脂成形品の製造方法。
- 上記入子型を閉じるステップ及び上記母型を閉じるステップにおいて、上記入子型の閉位置から所定の間隔を空けた位置で入子型を保持し、
上記母型を閉じるステップの後、上記入子型の内部を真空引きするステップと、
上記入子型の内部が所定の真空度に達した後に、上記母型により上記入子型を上記閉位置まで閉じるステップと、
上記母型により上記入子型を上記閉位置まで閉じるステップの後、上記母型の内部に配置された上記入子型の温度を上記硬化温度で保持するステップの間に、上記入子型の内部を大気圧に戻すステップと、を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。 - 上記樹脂は、熱硬化性樹脂、又は、熱硬化性樹脂と繊維との複合材料である請求項1乃至4の何れか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
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JP2006027098A (ja) * | 2004-07-16 | 2006-02-02 | Apic Yamada Corp | 樹脂モールド方法および樹脂モールド装置 |
JP2010260257A (ja) * | 2009-05-07 | 2010-11-18 | Takatsuki Kiko:Kk | 樹脂成型品の製造方法及び製造装置 |
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