以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
該遊技領域7には、中央に設けられる演出表示装置9の天辺からみて、左側の左遊技領域7A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域7B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域7Aと、第2遊技領域である右遊技領域7Bは、例えば遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列などにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域7に打ち込まれた遊技球は、左遊技領域7Aへと誘導された場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域7Bへと誘導不可能または誘導困難となり、また右遊技領域7Bへと誘導された場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域7Aへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域7Aには、演出表示装置9の下方に、第1始動入賞口13aが設けられている。右遊技領域7Bには、演出表示装置9の右側にゲート32,第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられ、演出表示装置9の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。
ここで、第1始動入賞口13aは、演出表示装置9の直下に設けられているが、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行った場合に遊技球が入賞し易く、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行った場合には、遊技球の流下経路上に設けられる遊技釘の配置によって遊技球が入賞し難くなっているため、左遊技領域7Aに属する。また、第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15は、第1始動入賞口13aの下方に設けられているが、遊技者が右打ちを行うことで、遊技球がゲート32を通過し、可変入賞球装置15が開放状態となり、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することを期待できる。そのため、第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15は右遊技領域7Bに属する。なお、可変入賞球装置15は、可動翼片の傾動制御によって開放状態となる。また、大当り遊技状態中は、特別可変入賞球装置20が開放される。
遊技者は、通常状態では、特別可変入賞球装置20が開放されず、ゲート32に遊技球を通過させても可変入賞球装置15が高頻度では開放されないため、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行い、該遊技球を第1始動入賞口13aに入賞させる。高ベース状態(本例では高確率状態でもある)では、ゲート32に遊技球を通過させると可変入賞球装置15が高頻度で開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を第2始動入賞口13bに入賞させる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を特別可変入賞球装置20に入賞させる。
この可変入賞球装置15への入賞に伴う賞球(景品玉)の払出個数は、1個等の極めて少数個に設定されている。こうすることにより、開放状態中の可変入賞球装置15に極めて頻繁に玉が入賞可能となるように盤面設計(釘調整を含む)したとしても賞球(景品玉)の払出個数が多くなりすぎることを防止でき、遊技場の収支の悪化を招くことなく開放状態中の可変入賞球装置15への入賞頻度を大幅に向上させることができる。
一方、開放状態中の可変入賞球装置15への入賞頻度を大幅に向上させた場合には、入賞に伴い第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が実行されるが、この可変表示の変動期間が長いとすぐに保留記憶が上限(4個)に達し、以降せっかく可変入賞球装置15へ入賞しても可変表示されない無駄な事態が生じる。そこで、後述するように、高ベース時(時短時)には可変入賞球装置15への入賞に伴う可変表示時間を超短縮の変動パターン(特別図柄の変動時間が0.20秒)にし、前述の無駄な事態が生じる不都合を防止している。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
遊技盤6における右側下部位置には、識別情報としての第1特別図柄の可変表示および停止図柄の導出表示を行う第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aと、第2特別図柄の可変表示および停止図柄の導出表示を行う第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、第1特別図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED403と、0〜9の数字を表示可能であり、停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED404により構成される。第1特別図柄表示器8aでは、可変表示中にLED403が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED403が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED404を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右上位置には、第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第2特別図柄表示器8bは、第2特別図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED405と、0〜9の数字を表示可能であり、停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED406により構成される。第2特別図柄表示器8bでは、可変表示中にLED405が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED405が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED406を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b各々の第2表示部に停止表示される第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第2表示部は、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bを通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置20の開閉板を開閉するソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。この情報出力信号に関しては図27を用いて後述する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤の枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、および右枠LED28cの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて天枠LED28a、左枠LED28b、および右枠LED28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LEDなどに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図4は、音声合成用IC703の内部構成を示すブロック図である。音声合成用IC703は、SSG音源と高性能圧縮音声再生機能を併せ持つ自動演奏LSIである。
図4に示す構成において、CPUインタフェース711は、出力ポート104および入力ドライバ702を介して演出制御用CPU101と接続するためのインタフェースであって、演出制御用CPU101からの情報や信号を入力する。CPUインタフェース711は、/SEL(インタフェースモード選択端子)、S6M(CPUインタフェースモード選択端子)、/CS(チップセレクト信号入力端子)、/WR(ライトイネーブル信号入力端子)、ENA(イネーブル信号またはライトイネーブル信号入力端子)、AD(アドレスデータ選択信号入力端子)およびCD0〜CD7(CPUからのコマンドデータ入力端子:データバス)の端子が接続されている。/SELおよびS6Mの端子の信号レベルによってモードが選択され、/CS、/WR、ENAおよびADの端子の信号レベルによってモードに応じたコマンドデータの書き込みが行われる。
タイミング発生回路712は、処理タイミングを決定するためのクロックを発生する回路であり、XI(水晶発振子接続端子または外部クロック入力端子)、XO(水晶発振子接続端子)、CLKO(クロック出力端子)および/RESET(リセット入力端子)の端子が接続されている。XIおよびXOの端子が水晶発振子と接続されることにより水晶発振回路が構成される。外部からのクロックをXIの端子より入力することも可能である。CLKOの端子からは所定周波数のクロックが出力される。/RESETの端子がロウレベルのとき、内部レジスタが初期化される。音声合成用IC703では、電源投入時にシステムリセットを行う必要がある。
外部ROMインタフェース713は、音声データROM(外部ROM)704と接続するためのインタフェースであって、音声データROM704との間で情報や信号の入出力を行う。外部ROMインタフェース713は、MA00〜MA23(アドレスバス)、MD00〜MD15(データバス)およびMBMD(データバス幅選択信号入力端子)の端子が接続されている。外部ROMインタフェース713は、MA00〜MA23の端子よりアドレスを音声データROM704に出力し、MD00〜MD15の端子より音声データROM704からのデータを読み込む。MBMDの端子がハイレベルのとき、16ビットのデータバスに対応し、ロウレベルのとき、8ビットのデータバスに対応する。
AMMデコーダ714は、演出制御用CPU101からの命令(コマンド)により、AMMデータ形式に圧縮されたフレーズデータを音声データROM704から外部ROMインタフェース713を介して読み出し、読み出したフレーズデータをPCMデータ(Pulse Code Modulation)にデコード(復号化、伸張)する。また、AMMデコーダ714は、演出制御用CPU101からの命令に従って、ボリューム、パン(ステレオ再生したときの、音が聞こえる定位(方向)を設定する機能)およびバスブースト(低音強調)を制御する機能を備えている。この実施の形態では、AMMデコーダ714には、音声の再生チャンネルとして8チャンネルが設けられ、独立した8フレーズの同時再生が可能である。なお、AMMデコーダ714の詳しい内容については後述する(図43等参照)。
SSG音源715は、3系列のパルスジェネレータと1系列のノイズジェネレータとエンベローブジェネレータで構成されており、効果音、警報など、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生することが可能である。なお、SSG音源715の詳しい内容については後述する(図43等参照)。
デジタル出力インタフェース716は、AMMデコーダ714によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをデジタル出力するためのインタフェースである。デジタル出力インタフェース716は、LRO(ワードクロックのデジタル出力端子)、BCO(ビットクロックのデジタル出力端子)およびSDO(フレーズデータのデジタル出力端子)の端子が接続されている。LROの端子からワードクロックが出力され、BCOの端子からビットクロックが出力され、SDOの端子からフレーズデータが出力される。なお、デジタル出力を行わないときは、LRO、BCO、SDOの端子はオープンにされる。
DAコンバータオペアンプ717は、AMMデコーダ714によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してアナログ出力する回路である。DAコンバータオペアンプ717は、AOL(Lチャンネルのアナログ出力端子)およびAOR(Rチャンネルのアナログ出力端子)の端子が接続されている。AOLの端子から左側のスピーカ27Lに対してアナログデータが出力され、AORの端子から右側のスピーカ27Rに対してアナログデータが出力される。
OR回路718には、AMMデコーダ714とSSG音源715とが入力側に接続され、/PLAYの端子が出力されている。/PLAYの端子は、AMMデコーダ714およびSSG音源715の各再生チャンネルのいずれかが再生中の場合はロウレベルとなる。全ての再生チャンネルが停止中の場合はハイレベルになる。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下単にSと記載する)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R大当りA、15R大当りB、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(S44)。そして、S14に移行する。なお、S44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図10参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、S44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は、超短縮変動で大当りとなる場合(変動パターンとして超短縮PX1−2が選択される場合)を除いて常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および入賞口スイッチ30a,30bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および入賞口スイッチ30a,30bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および入賞口スイッチ30a,30bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.1秒ごとに表示状態(LED401の点灯および消灯)を切替えような速度であれば、0.1秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「点灯」を示す1と「消灯」を示す0)を切替え。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチおよび超短縮の複数の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮の変動パターンは、「非リーチはずれ」の可変表示態様の中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動はずれ」の可変表示態様という場合がある。この超短縮ハズレの変動パターンは高ベース状態においてのみ選択される。
また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンも複数用意されている。
また、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル、スーパー、および超短縮の複数の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮の変動パターンは、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる変動パターンの中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動大当り」の可変表示態様という場合がある。この超短縮変動大当りの変動パターンは高ベース状態(普通図柄確変状態、普通図柄時短状態、開放延長状態)においてのみ選択される。
図7は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4、及び超短縮PX1−1の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮PX1−1の変動パターンは、「非リーチはずれ」の可変表示態様の中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動はずれ」の可変表示態様という場合がある。この超短縮ハズレの変動パターンは高ベース状態においてのみ選択される。
また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2、スーパーPG1−1の変動パターンが用意されている。なお、図7に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、スーパーPG1−2〜スーパーPG1−3、及び超短縮PX1−2の変動パターンが用意されている。
ここで超短縮PX1−2の変動パターンは、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる変動パターンの中でも、特別図柄の変動時間が0.20秒と最短である。このような演出図柄の可変表示態様を、「超短縮変動大当り」の可変表示態様という場合がある。この超短縮変動大当りの変動パターンは高ベース状態においてのみ選択される。
なお、図7に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
なお、この実施の形態では、図7に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2整保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、15R通常大当りA〜C、15R確変大当りA〜H、および、2R確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、15R通常大当りA〜C、15R確変大当りA〜H、および、2R確変大当りという複数の種別が含まれている。従って、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。従って、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図6に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム1)の大当り種別判定用乱数、および(ランダム4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルは、判定用データ記憶手段の一例であって、保留記憶手段(図15(B)に示す第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファ)に記憶している保留記憶に対する数値データが大当りに制御することを示す数値データであるか否かの判定用データとして、通常状態において判定するための通常時判定用データ(通常時大当り判定値)と、高確率状態(確変状態)において判定するための高確率時判定用データ(確変時大当り判定値)とを記憶するものであり、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。
大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
ここで確変時大当り判定値は、通常時大当り判定値を含まないので、通常時大当り判定値に合致するランダムR(例えば1020)は確変時大当り判定値には合致せず、また確変時大当り判定値に合致するランダムR(例えば2020)は通常時大当り判定値には合致しない。従って、遊技状態が変化すると、通常状態では大当りであったものが確変状態でははずれとなり、また確変状態では大当りであったものが通常状態でははずれとなって、仮に先読み予告を行うと矛盾が生ずる。そのため、本発明では、大当りの保留記憶が記憶されてから当該大当りの終了後の遊技状態が通常状態または確変状態に制御されることが確定するまでは、先読み予告の実行を制限(本例では禁止)して、遊技者に不確定な情報を予告するおそれを無くしているのである。なお図9(A’)に示す変形例については後述する。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(15R大当りA,15R大当りB)にすることに決定する。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図10および図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10および図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図12に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図16参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できる。
図12は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、大当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R大当りA」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R大当りB」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10および図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10および図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13aへの始動入賞が発生していたら、または、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ15aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図25参照)、S22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、本実施形態においては、特別図柄の変動停止時間(図柄確定停止時間)として0.5秒が設定されていることから、特別図柄プロセスフラグの値が「4」に更新された後、0.5秒を経過したことが確認してから特別図柄プロセスフラグの値を「5」又は「0」に更新するようにすると良い。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21aを駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bへの入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13aに遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ15aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口13bに遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ15aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図15(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図15(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bへの入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。なお、大当り種別判定用乱数はハードウェア乱数であっても良い。
図15(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図15(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218)。次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1221)。
なお、S1218の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13aに始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13aへの始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ15aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ15aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ15aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図15(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1229)。次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1232)。
なお、S1229の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口13bに始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図16は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、遊技状態が高確率状態(確変状態=高確率/高ベース状態)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。
このS221で高確率フラグがセットされていなければ(NO)、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。このS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(NO)、CPU56は、S224の処理を行う。一方、S222で大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致すれば(YES)、CPU56は、S229の処理を行う。
またS221で高確率フラグがセットされていれば(YES)、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。このS223で大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値と一致しなければ(NO)、CPU56は、S224の処理を行う。一方、S222で大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値と一致すれば(YES)、CPU56は、S229の処理を行う。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bに始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み予告演出を実行する。
S222またはS223でNOの場合、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行い(S224)、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。
そして、CPU56は、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定される。
S222またはS223でYESの場合、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13aへの始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口13bへの始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。この場合、「15R大当りA」となると判定した場合には、CPU56は、「15R大当りA」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「15R大当りB」となると判定した場合には、CPU56は、「15R大当りB」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別で判定した遊技状態に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。
次いで、CPU56は、S226,S231で設定した閾値と、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S232)。
なお、S226,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブルを設定するようにし、S232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを、変動パターンとして設定する処理を行う(S233)。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動パターンのカテゴリを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動パターンのカテゴリを受信したことにもとづいて、先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(S51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
なお、S51において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図15(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口13bに始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S60)。この場合、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高確率高ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13aを対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口13bを対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。そして、次の大当りが発生して大当りフラグがセットされたときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、S75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R大当りA」または「15R大当りB」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「15R大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「15R大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「15R大当りB」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R大当りA」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図19(a)は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートであり、図19(b)は通常時のはずれ変動パターン種別判定テーブルを示す図である。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には(Y)、CPU56は、高確率フラグ、高ベースフラグおよび大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、複数の大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(S92)。この複数の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、高確率/高ベース状態時に参照されるテーブルと高確率/高ベース以外の通常状態時に参照されるテーブルとに分類される。そして、高確率/高ベース状態時に参照されるテーブルには、超時短(超短縮変動)の変動パターン種別のみ記憶されている。その結果、テーブル参照により、抽出乱数値にかかわらず100%の確率で超時短(超短縮変動)の変動パターン種別が選択される。この超時短(超短縮変動)の変動パターン種別が選択されれば、変動時間が0.20秒と最短となる。次に、S102に移行する。この複数の大当り用変動パターン種別判定テーブルの中には、高ベースフラグのセット時にのみ選択される短縮用の変動パターン(変動時間が0.20秒)を選択するテーブルが含まれている。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグおよび高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(S95)。
高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされていなければ(S95のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図19(b)参照)を選択する(S98)。そして、S102に移行する。
高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされている場合(S95のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば、CPU56は、超時短(超短縮変動)の変動パターン種別を選択する(S101)。具体的には、超時短(超短縮変動)の変動パターン種別のみ記憶されているテーブルを参照して決定する。その結果、テーブル参照により、抽出乱数値にかかわらず100%の確率で超時短(超短縮変動)の変動パターン種別が選択される。このように、高ベース時においては、大当り決定時もはずれ決定時にも100%の確率で超時短(超短縮変動)の変動パターン種別が選択される(S92、S101参照)。しかも、その決定方法は、いずれも抽出乱数の基づいてテーブル参照して決定する制御を採用しているために(S92、S101参照)、制御の共通化による制御の簡素化が期待できる。この超時短(超短縮変動)の変動パターン種別が選択されれば、変動時間が0.20秒と最短となる。次に、S102に移行する。
図19(b)に基づいて通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを説明する。遊技状態が通常状態(高確率状態でなくかつ高ベース状態でない状態)であるときにこの通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが用いられる(S98参照)。非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5、スーパーCA2−7の4種類の変動パターン種別が記憶されており、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類(4種類)の変動パターン種別うちのいずれかに決定する。
なお、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、S95AでNと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルAを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、S92、S98、S101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、所定の当り変動パターン判定テーブル、所定のはずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S107)。
次いで、CPU56は、高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S107A)。高確率フラグがセットされていなければ(S107AでN)、S108の処理を実行する。高確率フラグがセットされていれば(S107AでY)、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S107F)。大当りフラグがセットされていなければ(S107FでN)、S108の処理を実行する。
CPU56は、S107Fで大当りフラグがセットされていれば(S107FでY)、高確率フラグおよび高ベースフラグをリセットして(S107D)、高確率/高ベース状態の終了設定を行い(S107E)、S108の処理を実行する。
S107Eの高確率/高ベース状態終了設定によって、当該処理以降は大当り判定の際に、ランダムRと通常時(非確変時)の大当り判定値(図9(A))とが比較されるようになる。具体的には、S221でNと判定されてS222の判定(ランダムRと通常時の大当り判定値との比較)が実行されるようになり、S61ではランダムRと通常時の大当り判定値とが比較されるようになる。また、高ベース状態(普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態よりも高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が通常状態よりも高められた状態)が終了し、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)となる。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、S95〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行うように構成することが好ましい。
図20は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。
具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。このS110で、大当りフラグがセットされていない場合(NO)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行い(S120)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新して(S121)、表示結果指定コマンド送信処理を終了する。
一方、S110で、大当りフラグがセットされている場合(YES)には、CPU56は、大当りの種別が「15R大当りA」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行って(S111,S112)、S121に進む。なお、「15R大当りA」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。
また、CPU56は、大当りの種別が「15R大当りB」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行って(S111,S114)、S121に進む。なお、「15R大当りB」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(S1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、S1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S131)。このS131で大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新して(S150)、特別図柄停止処理を終了する。
一方、S131で大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグ、および高ベース状態であることを示す高ベースフラグをリセットし(S132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する制御を行う(S133)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(本例では15回)をセットする(S135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。ここで大当りAでは、1〜15ラウンド目の特別可変入賞球装置20のラウンド時間として29秒が設定され、大当りBでは、1〜14ラウンド目の特別可変入賞球装置20のラウンド時間として29秒が設定され、15ラウンド目の特別可変入賞球装置20のラウンド時間として1秒が設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新して(S136)、特別図柄停止処理を終了する。
図23は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信する制御を行う(S162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S165のY)、CPU56は、高確率フラグをセットし(S166)、また高ベースフラグをセットして(S168)、遊技状態を高確率/高ベース状態に移行させる(S169)。S169の高確率/高ベース状態制御開始設定によって、当該処理以降は大当り判定の際に、ランダムRと確変時の大当り判定値(図9(A))とが比較されるようになる。具体的には、S221でYと判定されてS223の判定(ランダムRと確変時の大当り判定値との比較)が実行されるようになり、S61ではランダムRと確変時の大当り判定値とが比較されるようになる。また、高ベース状態(普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態よりも高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が通常状態よりも高められた状態)となる。
なお、この実施の形態では、S168でセットした高ベースフラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(S27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、高ベースフラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、S168でセットした高ベースフラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。なお、普通図柄の変動表示結果を当りとする確率を高めた普図確変状態にも制御可能に構成する場合には、高ベースフラグは、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを判定するためにも用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新して(S170)、処理を終了する。
図24は、図6のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番に従って変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、例えば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、高ベースフラグがセットされているか否かに基づいて、高ベース状態(普通図柄確変状態、普通図柄時短状態、開放延長状態)であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
普通図柄表示結果決定テーブルでは、高ベース状態(普通図柄確変状態)である場合に、通常状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。例えば通常状態において、普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が2/11であるのに対して、高ベース状態において、普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が9/11と高くなっている。これにより、高ベース状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bが開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口13bに進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。普通図柄表示結果決定テーブルでは、高ベース状態(普通図柄時短状態)である場合に、通常状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、高ベース状態では、S511の普通図柄判定処理において、高ベースフラグがセットされているときに高ベース状態であると認識し、通常状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。例えば通常状態において、普通図柄の変動時間(可変表示期間)が10秒であるのに対して、高ベース状態における普通図柄の変動時間(可変表示期間)は0.2秒となる。高ベース状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bが開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口13bに進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間および開放回数も決定される。ただし、本実施形態では通常状態であっても高ベース状態であっても、開放回数は1回であるものとする。普通図柄表示結果決定テーブルでは、高ベースフラグがセットされているときに高ベース状態(開放延長状態)であると認識し、通常状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間が長くなるように設定されている。従って、高ベース状態である場合に、通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)の開放時間が長くなるような制御が行なわれる。これにより、高ベース状態では、開放時間が長くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口13b)が開放状態となる時間が増加し、遊技球が第2始動入賞口13bに進入(始動入賞)しやすくなる。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の停止図柄が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。なお、本実施形態においては、普通図柄の変動停止時間(図柄確定停止時間)として0.5秒が設定されていることから、普通図柄プロセスフラグの値が「3」に更新された後、0.5秒を経過したことが確認してから普通図柄プロセスフラグの値を「4」又は「0」に更新するようにすると良い。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口13bを閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。例えば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
図25は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(S32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(S3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(S3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.1秒であれば、0.1秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を更新する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
ここで、S3202において設定また更新される特別図柄表示制御データには、第1図柄に対応するLED403又は第2図柄に対応するLED405のいずれの点灯制御を行うかを指定するデータと、当該指定されたLEDを点灯状態又は消灯状態のいずれの状態とするかを指定するデータとが含まれる。本実施形態において、第1図柄の可変表示中はLED403が点滅状態となり、第2図柄の可変表示中はLED405が点滅状態となるが、設定および更新された特別図柄表示制御データに基づく点灯状態および消灯状態が繰り返されることにより、この点滅状態が実現されることになる。なお、本実施形態において、第1図柄に対応するLED403の点灯制御を行うことを指定する特別図柄表示制御データは、第1図柄に対応する7セグメントLED404を消灯状態とすることも指定しており、第2図柄に対応するLED405の点灯制御を行うことを指定する特別図柄表示制御データは、第2図柄に対応する7セグメントLED406を消灯状態とすることも指定しているものとする。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(S3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(S3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、S3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、S22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、S3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
ここで、S3204において設定される特別図柄表示制御データには、第1図柄に対応する7セグメントLED404又は第2図柄に対応する7セグメントLED406のいずれの点灯制御を行うかを指定するデータと、当該指定された7セグメントLEDを構成するセグメント(LED)うちのいずれのセグメントを点灯させるかを指定するデータとが含まれる。本実施形態において、第1図柄の図柄確定停止時間中は7セグメントLED404を構成するセグメントのうちの所定のセグメントが点灯状態となり、第2図柄の図柄確定停止時間中は7セグメントLED406を構成するセグメントのうちの所定のセグメントが点灯状態となるが、設定された特別図柄表示制御データに基づいて、この点灯状態が実現されることになる。なお、本実施形態において、第1図柄に対応する7セグメントLED404の点灯制御を行うことを指定する特別図柄表示制御データは、第1図柄に対応するLED403を消灯状態とすることも指定しており、第2図柄に対応する7セグメントLED406の点灯制御を行うことを指定する特別図柄表示制御データは、第2図柄に対応するLED405を消灯状態とすることも指定しているものとする。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(S32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示させるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
図26は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する普通図柄表示制御処理(S33)のプログラムの一例を示すフローチャートである。普通図柄表示制御処理では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が2であるか否かを確認する(S3206)。普通図柄プロセスフラグの値が2であれば(すなわち、普通図柄変動処理の実行中であれば)、CPU56は、普通図柄変動表示用の普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(S3207)。この場合、CPU56は、普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.1秒であれば、0.1秒が経過する毎に、出力バッファに設定される普通図柄表示制御データの値を更新する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて普通図柄表示器10に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示が実行される。
ここで、S3207において設定また更新される普通図柄表示制御データには、第1表示部としてのLED401を点灯状態又は消灯状態のいずれの状態とするかを指定するデータが含まれる。本実施形態において、普通図柄の可変表示中はLED401が点滅状態となるが、設定および更新された普通図柄表示制御データに基づく点灯状態および消灯状態が繰り返されることにより、この点滅状態が実現されることになる。なお、本実施形態において、第1表示部としてのLED401を点灯状態又は消灯状態のいずれの状態とするかを指定する普通図柄表示制御データは、第2表示部としてのLED402を消灯状態とすることも指定しているものとする。
普通図柄プロセスフラグの値が2でなければ、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(S3208)。普通図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、普通図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、普通図柄判定処理で設定された普通図柄の停止図柄を停止表示するための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(S3209)。この場合、CPU56は、普通図柄の停止図柄を停止表示するための普通図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて普通図柄表示器10に対して駆動信号が出力されることによって、普通図柄表示器10において普通図柄の停止図柄が停止表示される。なお、S3209の処理が実行され停止図柄表示用の普通図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、S22の表示制御処理では最新の普通図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。
ここで、S3209において設定される普通図柄表示制御データには、第1表示部としてのLED401を点灯状態とするか又は消灯状態とするかを指定するデータが含まれる。本実施形態において、普通図柄の図柄確定停止時間中はLED402が点灯状態(当りの場合)又は消灯状態(はずれの場合)となるが、設定された普通図柄表示制御データに基づいて、この点灯状態又は消灯状態が実現されることになる。なお、本実施形態において、第2表示部としてのLED402の点灯制御を行うことを指定する普通図柄表示制御データは、第1表示部としてのLED401を消灯状態とすることも指定しているものとする。
なお、この実施の形態では、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、普通図柄プロセス処理において、普通図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、普通図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、普通図柄表示制御処理(S33)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて普通図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示させるための普通図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
[情報出力信号]
次に情報出力回路64が出力する情報出力信号に関して図27を用いて説明する。CPU56は、大当りAおよび大当りBに係る大当り遊技状態中は、大当り1信号を情報出力回路64から出力する(ON状態とする)。例えば大当り開始指定コマンドの送信(S133)から大当り終了指定コマンドの送信(S162)までの期間、大当り1信号をON状態にすると良い。図27の例では、(1)〜(2)、及び(4)〜(5)の期間に大当り1信号がON状態となっている。大当り1信号が入力されたホールコンピュータや呼出ランプ装置等の外部装置では、大当り1信号がON状態となった回数(OFFからONに切り替わった回数)に基づいて当該遊技機における大当りの発生回数をカウントすることができる。
図27の例では、大当りAに係る大当り遊技状態終了後の(2)〜(3)の期間、および大当りBに係る大当り遊技状態終了後の(5)〜(6)の期間は、高確率/高ベース状態に制御されている。
また、本実施形態では可変表示結果が大当りとなる変動が開始される前の変動パターン設定処理において、高確率/高ベース状態の終了設定がなされるため(S107E)、これらの変動に関しては変動期間中に高確率/高ベース状態に制御されていない。図27の例では、大当りを伴う図柄変動期間である(3)〜(4)の期間は、高確率/高ベース状態に制御されない。
従って、高確率状態の期間中、仮にCPU56が高確率状態であることを示す高確率信号を情報出力回路64から出力しても、大当り遊技状態発生前に当該信号が出力されないようになってしまう(OFF状態となる)ため、外部装置において[高確率信号入力中に大当り1信号がONとなったときには連チャンと判定して連チャン回数をカウントする]方法はとることができない。なお、ここでいう連チャンとは「高確率状態で実行された大当り判定(S61)によって大当りが発生すること」であり、連チャン回数とは、「高確率状態で実行された大当り判定(S61)によって発生した大当りが連続した回数+1」であり、後述する演出制御用マイクロコンピュータ100によってカウントされる連チャンカウンタに基づく値(演出上の連チャン回数)とは異なる。
一方で、大当りを伴う図柄変動期間である(3)〜(4)の期間は高確率信号を継続して出力させるようにした場合、呼出ランプ等の外部装置の表示によって、遊技者が変動期間中に大当りが発生するかを把握してしまい、興趣が低下するという問題が生じる。
本実施形態ではこのような問題を解決すべく、図27に示す大当り2信号を出力するようにしている。CPU56は、(1)大当りAおよび大当りBに係る大当り遊技状態中、(2)高確率状態中、及び(3)高確率状態で発生した大当りの変動中は、大当り2信号を情報出力回路64から出力する(ON状態とする)。即ち、大当り2信号は、(1)大当り1信号出力中、(2)高確率フラグがセットされている期間、及び(3)高確率フラグがセットされている状態で大当りフラグがセット(S71)されたときの特別図柄の変動開始から変動停止までの期間出力される(ON状態となる)。
このように大当り2信号を出力することによって、ホールコンピュータや呼出ランプ装置等の外部装置では、大当り2信号が入力されている期間中に大当り1信号が入力されたときには、連チャンが発生したと認識して連チャン回数をカウントすることができる。なお、連チャンを「高ベース状態で実行された大当り判定(S61)によって大当りが発生すること」であり、連チャン回数を「高ベース状態で実行された大当り判定(S61)によって発生した大当りが連続した回数+1」であると定義した場合にも、同様の方法によって連チャンの発生を認識して連チャン回数をカウントすることができる。
さらに本実施形態では、CPU56は大当りBに係る大当り遊技状態が発生したときには、当該大当り遊技状態の期間中は、大当り3信号を情報出力回路64から出力する(ON状態とする)。これにより外部装置では、大当り1信号が入力されて大当り3信号が入力されていなければ大当りAが発生し、大当り1信号が入力されて大当り3信号が入力されていれば大当りBが発生したことを特定して、大当りAの発生回数と大当りBの発生回数を個別にカウントすることができるようになる。
さらに本実施形態では、CPU56は大当りBに係る大当り遊技状態が発生した場合であって、当該大当り遊技状態中に特別可変入賞球装置20に遊技球が入賞したときには、大当り4信号を情報出力回路64から出力する(ON状態とする)。外部装置では、大当り4信号の出力回数をカウントすることで、ショート開放となる大当りBにおいて、特別可変入賞球装置20に遊技球が入賞した回数をカウントすることができる。例えば、ショート開放となる大当りBの発生回数(10回)に対して特別可変入賞球装置20への入賞回数が多ければ(例えば7回)、遊技場の管理者は不正が行われている可能性を把握することができる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9a、9b、9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
図29は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10および図11参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図30〜図33は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(S621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。さらに高確率状態背景継続カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(S622A)。そして高確率状態背景継続カウンタの値が1以上であれば(S622AでY)、連チャンカウンタの値を1加算する(S622B)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(S632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(S634)、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))であれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットして(S642)、処理を終了する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(S652)。
図34は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図34に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、図14の始動口スイッチ通過処理のS1218〜S1221,S1229〜S1232で示したように、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドがセットで送信される。そのため、図34に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、図34に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、図34では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図34に示す例では、前回の変動表示において7個までの保留記憶が発生して最新のコマンドが格納されている格納領域に合算保留記憶数7を指定する合算保留記憶数指定コマンド(C207(H))が格納され、その後、保留記憶が1つ消化されて2番目の保留記憶にもとづく変動表示が開始されている状況での始動入賞時コマンド格納領域の格納状態が示されている。
また、図34に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理のS8022で1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図34に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされ、格納領域5に格納されている各コマンドが格納領域4にシフトされる。
また、図34に示す始動入賞時コマンド格納領域のうち、格納領域2については、コマンド受信を正常に行えず、合算保留記憶数指定コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図34に示す例では、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域2において、本来、合算保留記憶数指定コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域の内容が「0000(H)」のままとなっている状態が示されている。
また、この実施の形態では、後述するように、先読み予告演出決定処理(S800A参照)において高ベース時に先読み予告演出の設定が行われるのであるが、始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)の取りこぼしや不整合が発生した場合には、その始動入賞時のコマンドに対応する保留記憶の変動表示を消化するまで、先読み予告演出の設定が制限される。そして、この実施の形態では、始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンドのうち、先読み予告演出の設定が制限される期間(以下、先読み予告設定制限期間ともいう)に受信して、その始動入賞時のコマンド受信のタイミングで先読み予告演出の設定処理がされなかったものに対しては、図34に示すように、先読み予告演出の設定処理がされていないことを示す未判定情報が設定される。図34に示す例では、合算保留記憶数指定コマンドの取りこぼしが発生した格納領域2以降の格納領域2〜5について、未判定情報の値が先読み予告演出の設定処理がされていないことを示す「1」に設定されている。
なお、この実施の形態において、「先読み予告演出の実行を制限する」とは、先読み予告設定制限期間内に発生した始動入賞に対応する保留記憶に対して、全く先読み予告演出の設定を行わず先読み予告演出を実行しない概念と、一部の態様の先読み予告演出の設定および実行を行わないようにする概念との両方を含む。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S655)、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S656)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドや合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S658)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドや合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S659)、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(S660)。ただし、最新の図柄指定コマンドや始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に既に合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で合算保留記憶数指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンド、および始動入賞指定コマンドを全て取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(S662A)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が点灯表示されていた場合に、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1つ目の保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた保留表示を3つ目の表示領域にシフトし、5つ目に表示されていた保留表示を4つ目の表示領域にシフトする。
また、演出制御用CPU101は、消去した保留表示が後述する第1特殊表示または第2特殊表示であった場合(すなわち、後述する「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出の予告対象の保留表示を消去した場合)には、セットされている「保留球変化」に応じた先読み予告実行中フラグをリセットする(S662B)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(S664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(S666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、図58(a)の背景画面)とする(S667)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が高確率状態であることを示す高確率状態フラグや、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをリセットする(S668)。
また、受信した演出制御コマンドが高確率/高ベース状態背景指定コマンドであれば(S669)、演出制御用CPU101は、高確率状態背景継続カウンタの値を1加算し(S670A)、通常状態背景継続カウンタをリセットして(S670B)、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/高ベース状態に応じた背景画面(例えば、図58(b)の背景画面)とする(S667)。また、演出制御用CPU101は、高確率状態フラグをセットするとともに高ベース状態フラグをセットする(S671)。
ここで本実施形態においては図58(a)に示すように、演出制御用CPU101は、通常状態背景指定コマンドを受信している期間は、通常状態に応じた背景画面として、山1001と太陽1002を含む背景画像を表示する。そして、図58(b)に示すように、演出制御用CPU101は、高確率/高ベース状態背景指定コマンドを受信している期間は、高確率状態に応じた背景画面として、UFO(この例では小型UFO1003)を含む画像を表示する。
高確率状態背景継続カウンタの値は、高確率状態における可変表示が開始される前に送信される高確率/高ベース状態背景指定コマンドを受信する毎に1ずつ加算更新され、遊技状態が通常状態となった後、所定回数の可変表示が行われた後にリセットされる。大当り遊技状態が発生したことによっては、高確率状態背景継続カウンタの値はリセットされず、累積的に更新される。本実施形態において遊技状態が通常状態となる契機は、大当り遊技状態中に特別可変入賞球装置20に遊技球が入賞しないことのいずれかの条件が成立することであるから、これらの事象が発生しない限りは、高確率状態背景継続カウンタの値はリセットされずに加算更新される。本実施形態では、この高確率状態背景継続カウンタ値に応じて、演出表示装置9に表示する背景画面を異ならせるようにしている。
図35は、高確率状態背景継続カウンタ値に応じた背景画面の演出内容を示す説明図である。高確率状態背景継続カウンタ値が1から100の期間では、図58(b)に示すように、小型UFO1003が1機表示され、このとき背景画面の色は青である。高確率状態背景継続カウンタ値が101〜200、201〜300、…、501〜600と増加するに従って、小型UFO1003が2機、3機、…、6機と増えていく演出態様となっている。また、背景画面の色は、高確率状態背景継続カウンタ値が1〜300の期間は青であり、301〜600の期間は緑になる。
このように、高確率状態が継続した期間に応じて、背景画面の演出態様を変化させるようにしているので、高確率状態における遊技の興趣を向上させることができる。例えば、高確率状態において大当りがなかなか発生しないとき(所謂確変間ハマリが生じた場合)でも、高確率状態が継続することによる背景画面の変化に対する興味を喚起し、遊技者の飽きがこないようにしている。また、本実施形態では、小型UFO1003の数に関しては、当初100変動毎に増加させ、背景の色に関しては当初300変動毎に変化させるようにしている。このように、異なる2つの要素(キャラの数及び背景色)に関して、変化の周期を異ならせることで、遊技者を飽きさせないようにしている。
高確率状態背景継続カウンタ値が601から800の期間では、図35に示すように、中型UFOが1機表示され、このとき背景画面の色は黄である。高確率状態背景継続カウンタ値が801〜1000、1001〜1200と増加するに従って、中型UFO1004が2機、3機と増えていく演出態様となっている。また、背景画面の色は、高確率状態背景継続カウンタ値が601〜1200の期間は黄のまま変化しない。高確率状態背景継続カウンタ値が1201以上となったときには、大型UFOが1機表示され、背景画面の色は赤となる。このようにUFOのサイズおよび数の変化は、高確率状態背景継続カウンタ値が601から1200の期間では200毎に変化し、背景画面の色はこの期間は変化しない。このように本実施形態では、高確率状態背景継続カウンタ値が601を超えると背景画面が変化する頻度を低下させるようにしており、このように背景画像が変化する周期を高確率状態背景継続カウンタ値に応じて変動させることで遊技者に意外性を与えることができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S678)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S679)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(S680)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納された大入賞口開放中指定コマンドを確認することによって、大当り遊技中の何ラウンド目であるかを認識することができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S681)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S682)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(S683)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S684)。そして、S611に移行する。
図36は、図28に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図37は、図36に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド(始動入賞指定コマンドなど)受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(S44参照)のであるが、図37に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図38および図39は、図36に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、まず、演出制御用CPU101は、先読み予告演出決定処理を(S8014)を実行する。
図40は、先読み予告演出決定処理(S800A)を説明するための図であり、図40(a)は先読み予告演出決定処理(S800A)のフローチャートである。本実施形態に係る先読み予告演出決定処理(S800A)では、主に遊技状態が高ベース状態で超短縮変動のときにのみ実行され、低ベース状態のときには実行されないものとして説明する。以下に説明する先読み予告演出は、高ベース状態で超短縮変動のときに実行される「射撃」の演出態様である。
S6000では、演出制御用CPU101は、遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認する。この確認は、高ベース状態フラグ(S668、S671参照)がセットされているか否かにより判断する。遊技状態が高ベース状態であれば(S6000でY)、演出制御用CPU101は、先読み予告フラグがセットされているか否かを確認する(S6000A)。先読み予告フラグがセットされていれば(S6000AでY)、演出制御用CPU101は、既に先読み射撃演出パターンが決定されているものとして(例えば、先読み時の2発目以降の射撃)、S6020に移行する。先読み予告フラグがセットされていなければ(S6000AでN)、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に図柄指定コマンドがあり、且つ未判定情報がないか否かを確認する(S6001)。遊技状態が高ベース状態でなければ(S6000でN)、S6020に移行する。S6001では、図34に示した始動入賞時コマンド格納領域を演出制御用CPU101が参照して未判定情報が「1」になっているか否か確認する。未判定情報が「1」になっている場合には(S6001でN)、先読み予告を行なわないため、制御がS6008へ進み、通常射撃演出選択テーブルを用いて通常射撃演出パターンがセットされる。始動入賞時コマンド格納領域に図柄指定コマンドがあり、且つ未判定情報があれば(S6000でY)、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域での大当り図柄の図柄指定コマンドを有無を確認する(S6002)。S6002で、始動入賞時コマンド格納領域に大当り図柄の図柄指定コマンドがあれば(S6020でY)、演出制御用CPU101は、図40(b)に示す大当り時射撃演出決定テーブルを参照して射撃演出の決定処理を行なう(S6003)。S6003では、演出制御用CPU101が、ランダム6の抽出値が「0」〜「89」の値であれば先読み射撃演出すると決定し、「90」〜「99」の値であれば通常射撃演出すると決定する。
S6002で、始動入賞時コマンド格納領域に大当り図柄の図柄指定コマンドがなければ(S6020でN)、演出制御用CPU101は、図40(c)に示すはずれ時射撃演出決定テーブルを参照して射撃演出の決定処理を行なう(S6004)。S6004では、演出制御用CPU101が、ランダム6の抽出値が「0」〜「9」の値であれば先読み射撃演出すると決定し、「10」〜「99」の値であれば通常射撃演出すると決定する。演出制御用CPU101は、S6003およびS6004で先読み予告演出すると決定したか否かを確認する(S6005)。S6005で、先読み予告演出すると決定したことを確認したとき(S6005でY)、演出制御用CPU101は、先読み射撃演出選択テーブルを用いて、先読み射撃演出パターンを設定する(S6006)。その後、演出制御用CPU101は、先読み予告フラグをセットする(S6007)。先読み射撃演出選択テーブルには、図柄指定コマンドに基づき複数の先読み射撃演出パターンを選択して設定することができる。先読み射撃演出パターンには、例えば、弾痕を当たり位置に保留記憶に応じて近づける演出パターン(図44、図56参照)や、複数の保留記憶に対応した弾痕の位置まとめ表示する演出パターンなどが含まれている。このS6006による先読み射撃演出パターンの設定は、今回の変動表示から先読み予告の対象となった保留記憶の変動表示(たとえば4回の変動表示)までの複数回の演出表示パターン(例えば「1発目」、「2発目」、「3発目」、「4発目」の弾痕が順にターゲット1500の中心に近づける演出パターン)を事前に決めて設定しておくものである。但し、大当り図柄の図柄指定コマンドを受信しているか否か(S6002参照)に応じて、最終回目(上記例では4回目)の変動表示の演出を異ならせる制御を行なう。具体的には、大当り図柄の図柄指定コマンドを受信している場合には弾痕がターゲット1500の中心に命中し、大当り図柄の図柄指定コマンドを受信していない場合には弾痕がターゲット1500の中心以外の外れの領域にあたるように制御する。そして、複数回の演出表示パターンが一旦設定されれば、その複数回分の変動表示での演出が順次実行実行される。S6005で、先読み予告演出しないと決定したことを確認したとき(S6005でN)、演出制御用CPU101は、通常射撃演出選択テーブルを用いて、通常射撃演出パターンを設定する(S6008)。具体的には、ターゲット1500の中心以外の外れの領域に弾痕があたる演出パターンであって弾痕があたる箇所がそれぞれ異なる複数の演出パターンが上記通常射撃演出選択テーブルに記憶されており、乱数を抽出してその乱数値に相当する演出パターンを通常射撃演出選択テーブルを参照して選択決定する。
S6020では、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の始動入賞指定コマンドが第1始動入賞指定コマンドであるか否かを確認する。第1始動入賞指定コマンドが格納されていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第1通常表示を1つ増加させる(S6021)。
最新の始動入賞指定コマンドが第1始動入賞指定コマンドでなければ(すなわち、第2始動入賞指定コマンドが格納されている場合であれば)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて保留表示として第2通常表示を1つ増加させる(S6022)。
図38に戻って、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S8015)。次いで、演出制御用CPU101は、S8002で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S8016)。すなわち、演出制御用CPU101によってS8016の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。
図41は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図41に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R大当りA」または「15R大当りB」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、「15R大当りA」または「15R大当りB」のいずれであるかに応じて、停止図柄の決定割合を異ならせてもよい。例えば、「15R大当りA」である場合には、3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くし、「15R大当りB」である場合には、3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くするようにしてもよい。
そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組合せ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが大当りを指定するものであるか否か、具体的には表示結果2指定又は表示結果3指定コマンドであるか否かを判定する(S8016A)。S8016Aで大当りを指定するものである(Y)と判定されたときには、先読み予告禁止フラグをセットして(S8016B)、S8017Aを実行する。S8016Aで大当りを指定するものでない(N)と判定されたとき(表示結果1指定コマンドのとき)には、S8017Aに進む。ここでセットされた先読み予告禁止フラグは当該変動の停止後に制御される大当り遊技状態の終了時、具体的には大当り終了指定コマンドの受信に伴いリセットされる(S643)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(先読み予告演出以外の予告演出。例えば、ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定したりする予告演出設定処理を実行する(S8017A)。
ここで本実施形態では、前述したようにスーパーリーチDが実行されるとき(大当りAが発生するとき)には、演出図柄の変動開始直後に可動部材78が動作する役物作動演出が実行され、遊技者に大当りAの発生を報知する。この役物可動演出のように大当りが確定する演出あるいは大当りとなる可能性が極めて高いことを示唆する演出を演出図柄の変動開始直後に行ってしまうと、その後大当り遊技状態に移行されるまでの期間は遊技者の遊技に対する興味が低下してしまうという問題がある。ここで、S8017Aの予告演出設定処理において、スーパーリーチDを実行する場合には、通常は実行される頻度が低い予告演出を優先して実行するようにすると良い。例えばスーパーリーチA〜Cの場合に出現率の低いプレミア予告を、スーパーリーチDでは、役物作動演出後に高い確率で出現させるようにすると良い。これにより役物作動演出後の演出に対して興味を抱かせることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、遊技機が高ベース状態か否かを確認するために、高ベースフラグ(S668、S671参照)がセットされているか否かを確認する(S8017B)。高ベースフラグがセットされていれば(S8017BでY)、超短縮変動となり変動時の演出として「射撃」の演出態様が実行することが決定される。遊技状態が高ベース状態でなければ(S8017BでN)、変動時の演出として「射撃」の演出態様が実行されることはなく、S8018に移行する。なお、高ベース状態で先読み予告演出を行なう場合(先読み予告フラグがセット)、先読み用演出選択テーブルを用いて、弾痕を当たり位置に保留記憶に応じて近づける演出を選択したり、複数の保留記憶に対応した弾痕の位置まとめ表示する演出を選択したりすることができる。
通常の変動時の演出では、変動期間内で演出音を出力、または動画像を表示している。例えば、通常の変動時の演出では、変動が開始すると同時に演出音が出力され、動画像が表示され、変動が終了すると同時に演出音の出力、および動画像の表示が停止される。この通常の変動時の演出の具体例としては、例えばリーチ演出などである。しかし、超短縮変動は変動期間が極めて短いため、変動期間で演出を終了すると遊技者が超短縮変動を十分に把握することができない恐れがあり、変動期間が終了後も演出が継続するような演出態様の先読み予告演出を採用する必要がある。変動期間が終了後も演出が継続するような演出態様(変動の開始時点から当該可変表示の終了時点までの期間よりも長い期間の演出音を出力、または動画像を表示する演出態様)の場合、複数の超短縮変動が連続して実行されると、超短縮変動に対応した演出音がスピーカ27から出力中に、別の超短縮変動に対応した演出音の出力がスピーカ27から開始されることになる。また、超短縮変動に対応した動画像が演出表示装置9に表示中に、別の超短縮変動に対応した動画像の表示が演出表示装置9で開始されることになる。
別の超短縮変動に対応した演出音を同じチャンネルを用いてスピーカ27から出力が開始されると、既に開始されている超短縮変動に対応した演出音の出力が途切れることになり、また別の超短縮変動に対応した動画像を同じ表示領域に表示を開始すると、既に開始されている超短縮変動に対応した動画像の表示に重なることになり、遊技者にとって超短縮変動に対応した演出を正しく把握することが困難になる。
具体的に、図47に示すように「射撃」の演出態様において、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)と、2回目の超短縮変動に対応して開始された2発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)とが重なり、それぞれの超短縮変動に対応した演出を遊技者が正しく把握することができない。なお、発射音(演出音)は、理解を容易にするために、吹き出しとして図示してある。
そこで、本実施の形態に係る遊技機では、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネルを切替え、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を切替える。
まず、演出音を出力するチャンネルを切替える構成について説明する。図43は、音声合成用IC内における信号の流れを示すシグナルフロー図である。音声合成用IC703は、音声データROM(外部ROM)704に格納されているAMMデータ形式のフレーズデータをPCMデータにデコードして出力するAMMデコーダ714と、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を独自に発生して出力するSSG音源715とを備えている。
図43に示すように、AMMデコーダ714には、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)が設けられている。偶数再生チャンネルはモノラル、ステレオフレーズのデコードが可能であり、奇数再生チャンネルはモノラルフレーズのみデコードが可能である。再生チャンネル0がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル1はデコード不可能になる。同様に、再生チャンネル2,4,6がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル3,5,7はデコード不可能になる。なお、モノラルおよびステレオフレーズの識別は、音声合成用IC703内でフレーズデータから自動的に検出される。なお、超短縮変動に対応した演出音は、ステレオフレーズであり、再生チャンネル0と再生チャンネル1との組をチャンネルA、再生チャンネル2と再生チャンネル3との組をチャンネルB、再生チャンネル4と再生チャンネル5との組をチャンネルCとして、以下説明する。また、図43に示すように、SSG音源715には、各種の音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生する音源が2系統設けられている。
音声合成用IC703は、8系統のシーケンサーを内蔵しており、フレーズ再生停止検出機能やタイマ機能を利用して、フレーズの出力順序の指定や、フェードイン/フェードアウト、オートパン(音像を左右、前後に周期的に移動させるエフェクト)などを実現する。
音声合成用IC703では、演出制御用CPU101からのコマンドにもとづいて、音声データROM704に登録された制御データ(コードデータ)を実行し、フレーズ再生制御レジスタ、SSG 音源制御レジスタ、およびシーケンサーレジスタにデータを設定して、フレーズデータの再生やシーケンサーの起動などを実行する。
フレーズ再生を制御するためのフレーズ再生制御レジスタには、全チャンネルの制御レジスタと各チャンネルの制御レジスタが設けられている。そして、全チャンネルの制御レジスタには、ミュートの設定を行うためのレジスタや全再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、バスブーストの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。また、各チャンネルの制御レジスタには、再生するフレーズナンバーの設定を行うためのレジスタ、各再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、各再生チャンネルのパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、再生の繰り返しを設定するためのレジスタ、再生スタート/ストップを設定するためのレジスタなどが設けられている。
SSG音源715を制御するためのSSG音源制御レジスタには、AMMデコーダ714の8チャンネル(ch0〜ch7)とは別の6チャンネル(1a,1b,1c,2a,2b,2c)のパルスジェネレータで生成される矩形波の周波数を設定するためのレジスタ(楽音周波数の設定用のレジスタ)、ノイズジェネレータで生成されるノイズ音の周波数を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1a,1b,1c,2a,2b,2c)ごとに楽音(トーン)およびノイズ音を出力するかどうかを設定するためのレジスタ(ミキサー設定用のレジスタ)、各チャンネル(1a,1b,1c,2a,2b,2c)の音量を設定するためのレジスタ、エンベローブジェネレータ(電子楽器の音源部で、鍵盤を弾いた瞬間から音が消えるまでの、音の出力レベルを変化させる部分(装置)。音の立ち上がりの鋭さや減衰などを調節することが可能。)を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1a,1b,1c,2a,2b,2c)のパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、SSG音全チャンネルのトータルボリュームを設定するためのレジスタなどが設けられている。
シーケンサーを制御するためのシーケンサーレジスタには、8系統のシーケンサーごとに、各シーケンサーが実行する制御データ(コードデータ)を設定するためのレジスタ、各シーケンサーの起動/停止を設定するためのレジスタ、タイマの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。
AMMデコーダ714では、再生するフレーズナンバーを示すデータが制御レジスタに設定された一または複数の再生チャンネルにおいて、音声データROM704から読み出されたAMMデータ形式のフレーズデータがPCMデータにデコードされる。なお、制御レジスタには、演出制御用CPU101から送信されてきたチャンネルを指定する情報(チャンネルA指定情報やチャンネルB指定情報)も含まれている(図38のS8017D、S8017E参照)。そのため、AMMデコーダ714では、当該制御レジスタに基づき演出制御用CPU101が設定したチャンネルから演出音を出力する。
上記実施の形態においては、演出制御用CPU101がチャンネルを設定しそのチャンネルを指定する情報(チャンネルA指定情報やチャンネルB指定情報)が演出制御用CPU101から送信されてくるのであり、それを受信した音声合成用IC703が指定されたチャンネルに切替えている。このような演出制御用CPU101主体の制御ではなく音声合成用IC703主体の制御にしてもよい。具体的には、音声合成用IC703に例えばCPUとROMとRAMとを設け、図38等で示したチャンネルの選択設定機能を音声合成用IC703に持たせ、音声合成用IC703自体がチャンネルを設定しそのチャンネルに切替えて音発生制御を行なうようにしてもよい。
そして、ボリューム(VOL)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってデコードされた音声データの音量が調整される。また、パン(pan)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってパンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各再生チャンネルからの音声データが合成され、バスブーストにおいて、制御レジスタに設定されたデータに従って低音を強調する音声データ処理が行われる。そして、音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース716および(または)DAコンバータオペアンプ717)に出力される。
SSG音源715では、制御レジスタに設定されたデータに従って、パルスジェネレータおよびノイズジェネレータが所定周波数の楽音およびノイズ音の音源データを出力する。パルスジェネレータおよびノイズジェネレータから出力された楽音およびノイズ音は、ミキサーでミックス(混合)される。そして、制御レジスタに設定されたデータに従って、エンベローブジェネレータによって音の立ち上がりの鋭さや減衰などが調節され、また、パンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各チャンネルからの音声データが合成され、合成された音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース716および(または)DAコンバータオペアンプ717)に出力される。
出力I/F716,717は、AMMデコーダ714およびSSG音源715からの音声データをデジタル出力またはアナログ出力する。
一方、動画像を表示する表示領域を切替える構成は、図3に示したVDP109により、動画像を記憶してあるROM(図示せず)から動画像のデータを読出し、超短縮変動ごとに異なる表示領域に動画像が表示されるように、読出してデータを演出表示装置9の表示領域にマッピングする。その際、演出制御用CPU101から送信されてきた表示領域を指定する情報(表示領域A指定情報や表示領域B指定情報)に基づいてVDP109が指定された表示領域(AまたはB等)に弾丸を表示させる(図44(a)(b))。
上記実施の形態においては、演出制御用CPU101が動画像を表示する表示領域の設定を行ないその表示領域を指定する情報が演出制御用CPU101から送信されてくるのであり、それを受信したVDP109が指定された表示領域に切替えている。このような演出制御用CPU101主体の制御ではなくVDP109主体の制御にしてもよい。具体的には、図38等で示した表示領域の選択設定機能をVDP109に持たせ、VDP109自体が表示領域を設定しその表示領域に切替えて表示制御を行なうようにしてもよい。
また、表示領域と表示する動画像とをペアにして表示する制御を行なってもよい。例えば、表示領域A指定時には動画像Aを表示し、表示領域B指定時には動画像Bを表示する。
さらに、表示領域の選択指定は演出制御用CPU101主体で行ない、動画像の選択指定はVDP109主体で行なうように制御してもよく、また、その逆に、表示領域の選択指定はVDP109主体で行ない、動画像の選択指定は演出制御用CPU101主体で行なうように制御してもよい。
図38に戻って、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネルを切替え、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を切替えるための制御について説明する。まず、超短縮変動に対応した変動期間より長い演出音(変動に対応した演出より出力される音であり、例えば、変動音、予告音(リーチ中の音)やBGMなど)をチャンネルAから出力することが可能か否かを確認するために、チャンネルAの状態フラグがセットされているか否かを確認する(S8017C)。チャンネルAの状態フラグは、別の変動に対応した演出音等を出力するために使用されているとセットされた状態になる。なお、演出制御用CPU101は、チャンネルの状態フラグを判定することなく、超短縮変動に対応した演出音が出力されるチャンネルを切替える構成でもよい。
チャンネルAの状態フラグがセットされておらず、チャンネルAからの出力に設定されていなければ(S8017CでN)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルAから出力するように設定する(S8017D)。具体的には、演出制御用CPU101は、音声合成用IC703のAMMデコーダ714に対してチャンネルAを指定するチャンネルA指定情報を音声出力基板70へ出力することにより、超短縮変動に対応した演出音を出力するように設定する。なお、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルAから出力するように設定した場合、別の変動に対応した演出音等を出力することができないようにチャンネルAの状態フラグをセットする。
チャンネルAの状態フラグがセットされており、チャンネルAからの出力に設定されていれば(S8017CでY)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルBから出力するように設定する(S8017E)。具体的には、演出制御用CPU101は、そのチャンネルBを指定するチャンネルB指定情報を音声出力基板70へ出力することにより、音声合成用IC703のAMMデコーダ714に対してチャンネルBからの出力に設定して超短縮変動に対応した演出音を出力するように設定し、出力するチャンネルを切替える。なお、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルBから出力するように設定した場合、チャンネルAから出力している演出音等が終了した後に、別の変動に対応した演出音等を出力することができるようにチャンネルAの状態フラグをリセットする。ここで、チャンネルAおよびBは、変動期間よりも長い期間の演出音を出力する専用チャンネルではなく、変動期間と同じ期間の演出音や変動期間よりも短い期間の演出音を出力するチャンネルとして使用してもよい。また、演出制御用CPU101は、チャンネルAまたはBから出力する演出音が変動期間と同じ期間または変動期間よりも短い期間の場合、チャンネルBまたはAに切替えなくてもよい。
次に、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Aに表示することが可能か否かを確認するために、表示領域Aの状態フラグがセットされているか否かを確認する(S8017F)。表示領域Aの状態フラグは、別の変動に対応した動画像等を表示するために設定されているとセットされた状態になる。
表示領域Aの状態フラグがセットされておらず、表示領域Aに表示するように設定されていなければ(S8017FでN)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Aに表示するように設定する(S8017G)。具体的には、演出制御用CPU101は、VDP109に対してその表示領域Aを指定する表示領域A指定情報を出力することにより表示領域Aに表示するように設定して超短縮変動に対応した動画像を表示するように設定する。なお、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Aに表示するように設定した場合、別の変動に対応した動画像等を表示することができないように表示領域Aの状態フラグをセットする。
表示領域Aの状態フラグがセットされており、表示領域Aに表示するように設定されていれば(S8017FでY)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Bに表示するように設定する(S8017H)。具体的には、演出制御用CPU101は、VDP109に対してその表示領域Bを指定する表示領域B指定情報を出力することにより表示領域Bに表示するように設定して超短縮変動に対応した動画像を表示するように設定し、表示する表示領域を切替える。なお、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Bに表示するように設定した場合、表示領域Aで表示している動画像等が終了した後に、別の変動に対応した動画像等を表示することができるように表示領域Aの状態フラグをリセットする。ここで、表示領域AおよびBは、変動期間よりも長い期間の動画像を表示する専用表示領域ではなく、変動期間と同じ期間の動画像や変動期間よりも短い期間の動画像を表示する表示領域として使用してもよい。また、演出制御用CPU101は、表示領域AまたはBに表示する動画像が変動期間と同じ期間または変動期間よりも短い期間の場合、表示領域BまたはAに切替えなくてもよい。
S8017C〜S8017Hにおいて、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネル、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を設定した後、S8018に移行する。
演出制御用CPU101は、変動パターンおよび先読み予告演出やその他の予告演出を実行する場合にはその先読み予告演出やその他の予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(図39に示すS8018)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S8019)。
図42は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図42に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、先読み予告演出や、その他の予告演出を実行することに決定され、先読み予告実行中フラグや、その他の予告実行フラグがセットされている場合には、S8018において先読み予告演出や、その他の予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S8020)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S8021)。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域(格納領域1)に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S8022)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告フラグがセットされているか否かをを確認する(S8022A)。S8022Aで、先読み予告フラグがセットされていれば(S8022AでY)、演出制御用CPU101は、先読み予告の対象となった保留記憶の変動の有無を確認する(S8022B)。演出制御用CPU101は、先読み予告を行なった場合、対象の保留記憶を減らす処理を行なう。そのため、先読み予告の対象となった保留記憶の変動を確認することで、先読み予告演出が行なわれたか否かを判断することができる。S8022Bで、先読み予告の対象となった保留記憶の変動があれば(S8022BでY)、演出制御用CPU101は、先読み予告演出が行なわれたと判断して、先読み予告フラグをリセットする(S8022C)。S8022Aで、先読み予告フラグがセットされていない場合、およびS8022Bで、先読み予告の対象となった保留記憶の変動がない場合、S8023に移行する。
演出図柄変動開始処理における先読み予告演出の具体例をとして、図44に示す「射撃」の演出態様について説明する。図44(a)では、「射撃」の演出態様において、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)が図示してある。後述する図56に示す「射撃」の演出態様おいて、1発目の弾痕がターゲットに着弾する前の、1発目の弾丸と2発目の弾丸とが発射されたタイミングにおける演出である。図44(a)に示すように、1発目の弾丸は領域Aを飛んでターゲットに着弾する。
図44(b)では、1回目の超短縮変動の変動期間は終了しているが、1回目の超短縮変動に対応した演出が継続している状態で、2回目の超短縮変動の変動期間が開始した場合を示している。しかし、図47の場合と異なり、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した演出音を出力するチャンネルを切替えので、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の発射音(演出音)と、2回目の超短縮変動に対応して開始された2発目の弾丸の発射音(演出音)とは同じチャンネルから出力されることはない。また、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した動画像を表示する表示領域を切替えるので、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の軌跡(動画像)と、2回目の超短縮変動に対応して開始された2発目の弾丸の軌跡(動画像)とは同じ表示領域に表示されることはない。具体的には、1発目の弾丸が領域Aを飛んでターゲットに着弾する一方、2発目の弾丸が領域bを飛んでターゲットに着弾する。なお、図44に仮想線(破線)示した領域A、Bは、説明の便宜上描いた仮想の領域であり、実際には表示されない。
以上より、1発目の弾丸の発射音(演出音)が、2発目の弾丸の発射音(演出音)に跨っても途切れることが無く、好適に出力することができ、遊技者が正しく演出音を把握することができる。また、1回目の超短縮変動に対応して開始された1発目の弾丸の軌跡(動画像)が、2発目の弾丸の軌跡(動画像)と被ることが無く、好適に表示することができ、遊技者が正しく演出の動画像を把握することができる。
よって、1回目の超短縮変動に対応した1発目の弾丸の発射音(演出音)および弾丸の軌跡(動画像)が変動期間の終了後も継続することで、遊技者にとって演出が把握しやすい遊技機を提供することができる。
これら表示領域A,Bは、上記実施形態では、弾丸が移動する始端(発射位置)から終端(着弾位置)まで全く交わることのないものを示したが、それに限定されるものではなく、例えば、始端(発射位置)が異なり終端(着弾位置)が同じ位置でもよい。さらには、始端(発射位置)から終端(着弾位置)までの途中箇所で交差するようなものであってもよい。
また、これら表示領域A,Bは、移動する表示対象物の移動表示用の領域に限定されるものではなく、或る特定位置で画像が変化する変化表示用の領域であってもよい。例えば、或る特定位置で地雷が爆発するその爆発画像を表示する領域であってもよい。具体的には、先行する超時短時の演出においてAの特定位置(表示領域)で地雷が爆発し、後続の超時短時の演出においてBの特定位置(表示領域)で地雷が爆発し、Aの特定位置(表示領域)とBの特定位置(表示領域)が異なる表示領域となっているものであってもよい。
さらに、表示領域A,Bは、演出データ毎(射撃演出パターン毎)に予め表示領域が設定されているものであってもよく、また、同じ画像を表示させる領域を変えるようにしてもよい。
図45および図46に、超短縮変動の変動期間に対する演出音出力および動画像表示のタイミングチャートを示す。図45に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間67aに対応してチャンネルAから演出音67bが出力され、変動期間67aが終了後もチャンネルAから演出音67bが継続して出力されている。チャンネルAとは、具体的には、図43を参照して、チャンネル0+チャンネル1である。また、2回目の超短縮変動の変動期間67cに対応してチャンネルBから演出音67dが出力され、変動期間67cが終了後もチャンネルBから演出音67bが継続して出力されている。チャンネルBとは、具体的には、図43を参照して、チャンネル2+チャンネル3である。前述したように、偶数再生チャンネルはモノラル、ステレオフレーズのデコードが可能であり、奇数再生チャンネルはモノラルフレーズのみデコードが可能であり、チャンネルA、Bともに、奇数再生チャンネルと偶数再生チャンネルとの組合せからなるために、モノラルフレーズおよびステレオフレーズの両方に対処できる。
演出音67bの出力と演出音67dの出力とは、2回目の超短縮変動の変動期間67cで一部重複している。なお、図中の演出音の縦軸は音量を表わし、演出音67bおよび演出音67dは、開始時に音量が徐々に大きくなり、終了時に音量が徐々に小さくなるように制御されている様子が図示されている。これにより、演出音67bの出力と演出音67dの出力とが重複する部分において、音量が徐々に小さくなる演出音67bと徐々に大きくなる演出音67dとが重なることになり、急に音量が大きくなることを防止することができ、遊技者が演出に対して不快な感じを受けること回避することができる。
また、図46に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間68aに対応して表示領域Aに動画像68bが表示され、変動期間68aが終了後も表示領域Aに動画像68bが継続して表示されている。また、2回目の超短縮変動の変動期間67cに対応して表示領域Bに動画像68dが表示され、変動期間67cが終了後も表示領域Bに動画像68dが継続して表示されている。動画像68bの表示と動画像68dの表示とは、2回目の超短縮変動の変動期間68cで一部重複している。なお、図中の動画像の縦軸はコントラスト量を表わし、動画像68bおよび動画像68dは、開始時にコントラスト量が徐々に大きくなり、終了時にコントラスト量が徐々に小さくなるように制御されている様子が図示されている。これにより、動画像68bの表示と動画像68dの表示とが重複する部分において、コントラスト量が徐々に小さくなる動画像68bと徐々に大きくなる動画像68dとが重なることで、限られた表示領域において動画像の一部分が重複したとしても遊技者が演出を正しく把握することができる。
図45および図46のタイミングチャートでは、変動期間が開始されるタイミングに演出音の出力や動画像の表示が開始される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動期間が開始されるタイミングと、演出音の出力や動画像の表示が開始されるタイミングとが異なり、変動期間が終了するタイミングよりも演出音の出力や動画像の表示が終了するタイミングが遅くなるタイミングであってもよい。
例えば、図48および図49に、超短縮変動の変動期間の途中から演出音出力および動画像表示が開始される場合のタイミングチャートを示す。図48に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間69aの途中おいてチャンネルAから演出音69bが出力され、変動期間69aが終了後もチャンネルAから演出音69bが継続して出力されている。また、2回目の超短縮変動の変動期間69cの途中おいてチャンネルBから演出音69dが出力され、変動期間69cが終了後もチャンネルBから演出音69bが継続して出力されている。演出音69bの出力と演出音69dの出力とは、2回目の超短縮変動の変動期間69cにおいて一部重複しているが、演出音69bを出力するチャンネルと演出音69dを出力するチャンネルとが異なるため、演出音69bが演出音69dにより途切れることはない。
また、図49に示すように、1回目の超短縮変動の変動期間70aの途中おいて表示領域Aに動画像70bが表示されるが、変動期間70aが終了後も表示領域Aに動画像70bが継続して表示されている。また、2回目の超短縮変動の変動期間70cの途中おいて表示領域Bに動画像70dが表示されるが、変動期間70cが終了後も表示領域Bに動画像70dが継続して表示されている。動画像70bの表示と動画像70dの表示とは、2回目の超短縮変動の変動期間70cにおいて一部重複しているが、動画像70bを表示する表示領域と動画像70dを表示する表示領域とが異なるため、動画像70bに動画像70dが被ることはない。
なお、図39で示した演出図柄変動開始処理では、演出制御用CPU101が、超短縮変動ごとに演出音を出力するチャンネルを切替え、動画像を表示する表示領域を切替える制御について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変動期間後も継続して演出音を出力する、または動画像を表示する場合にのみチャンネルまたは表示領域を切替える制御であってもよい。
図50は、変動期間後も継続して演出を実行する場合の演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。なお、図39に示すフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付与して詳細な説明は繰返さない。図50において、S8017CでチャンネルAの状態フラグがセットされており、チャンネルAから出力する設定にされていれば(S8017CでY)、演出制御用CPU101は、前回の変動において実行した演出の演出実行タイマが0(ゼロ)になっているか否かを確認する(S8017I)。ここで、演出実行タイマは、変動期間に対応し実行される演出の期間がカウントダウンするタイマであり、実行される演出が終了するとタイマが0(ゼロ)となる。なお、演出実行タイマは、変動期間に対応し実行される演出の期間がカウントアップするものでもよく、演出実行タイマのカウント値が演出の期間に相当する値になったときに実行される演出が終了するように構成してもよい。
また、演出制御用CPU101は、演出実行タイマを設けて変動期間を判定しているが、変動期間中継続して演出音を出力する演出や変動期間中継続して動画像を表示する演出であれば、演出音や動画像に基づいて変動期間を判定してもよい。また、演出実行タイマは、演出音に対応するものと、動画像に対応するものとに分けて設けてもよい。
演出実行タイマが0(ゼロ)で、前回の変動において実行した演出が終了していれば(S8017IでY)、演出制御用CPU101は、チャンネルAから出力する設定にすることが可能であると判断して、チャンネルAの状態フラグをリセットして(S8017J)、チャンネルAから出力する設定にして超短縮変動に対応した演出音を出力するように設定することが可能な状態にする。演出制御用CPU101は、チャンネルAの状態フラグをリセットした後、S8017Dに移行する。
演出実行タイマが0(ゼロ)でなく、前回の変動において実行した演出が終了していなければ(S8017IでN)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した演出音をチャンネルBから出力するように設定する(S6017E)。
また、図50において、S8017Fで表示領域Aの状態フラグがセットされており、表示領域Aに表示するように設定されていれば(S8017FでY)、演出制御用CPU101は、前回の変動において実行した演出の演出実行タイマが0(ゼロ)になっているか否かを確認する(S8017K)。
演出実行タイマが0(ゼロ)で、前回の変動において実行した演出が終了していれば(S8017KでY)、演出制御用CPU101は、表示領域Aに表示するように設定することが可能であると判断して、表示領域Aの状態フラグをリセットして(S8017L)、表示領域Aに表示するように設定して超短縮変動に対応した動画像を表示するように設定することが可能な状態にする。演出制御用CPU101は、表示領域Aの状態フラグをリセットした後、S8017Gに移行する。
演出実行タイマが0(ゼロ)でなく、前回の変動において実行した演出が終了していなければ(S8017KでN)、演出制御用CPU101は、超短縮変動に対応した動画像を表示領域Bに表示するように設定する(S6017H)。
上述のように、変動期間後も継続して演出音を出力する、または動画像を表示する場合にのみチャンネルまたは表示領域を切替える制御を行なうことで、演出制御用CPU101は、チャンネルまたは表示領域を切替える処理を減らすことができ、負荷を軽減することができる。
なお、この実施の形態では、コマンドの取りこぼしや不整合が生じて先読み予告設定制限期間の原因となった変動表示を消化した後の次の変動表示から先読み予告演出を再開可能に構成する場合を示しているが、例えば、S8022のシフト処理を変動パターンコマンド受信待ち処理のS811でYと判定した後に実行するようにし、コマンドの取りこぼしや不整合が生じて先読み予告設定制限期間の原因となった変動表示から先読み予告演出を再開可能に構成するようにしてもよい。この場合、例えば、コマンドの取りこぼしや不整合が生じて先読み予告設定制限期間の原因となった変動表示が「非リーチはずれ」であることを条件に、その先読み予告設定制限期間の原因となった変動表示において先読み予告演出を実行可能にしてもよい。
図39に戻って、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S8023)。
図51は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S8101)、変動時間タイマの値を1減算する(S8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの先読み予告実行中フラグ(ただし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に応じた先読み予告実行中フラグを除く)がセットされているか否かを確認する(S8106)。いずれかの先読み予告実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、S6011,S6027,S8010の先読み予告演出態様決定処理で決定した演出態様に従って、「射撃」の演出態様で先読み予告演出を実行する制御を行う(S8108)。なお、先読み予告演出(ただし、「保留球変化」以外の演出態様の先読み予告演出)を実行することに決定されている場合、具体的には、演出図柄の変動開始後、あらかじめ定められた時間が経過したタイミングで、対応する演出態様で先読み予告演出が実行される。また、先読み予告演出を実行する場合、その先読み予告演出を実行するタイミングでS8106においてYと判定され、S8108の処理が実行される。そして、先読み予告演出を終了するまでS8106で繰り返しYと判定され、S8108の処理が実行される。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S8112)。
図52は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(S8302)。S8302の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(S8303のN)、演出制御用CPU101は、S8311に移行する。
S8302の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(S8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78)の制御を実行する(S8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S8310)。
大当りとしないことに決定されている場合には(S8303のN)、演出制御用CPU101は、いずれかの先読み予告実行中フラグ(ただし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に応じた先読み予告実行中フラグを除く)がセットされているか否かを判定する(S8311)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタの値を1減算する(S8312)。また、演出制御用CPU101は、減算後の変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S8313)。そして、変動回数カウンタの値が0になっていれば、演出制御用CPU101は、セットされている先読み予告実行中フラグ(ただし、「保留球変化」の演出態様の先読み予告演出に応じた先読み予告実行中フラグを除く)をリセットする(S8316)。そのような処理が実行されることによって、この実施の形態では、入賞時判定の対象となった変動が開始される1つ前の変動表示まで先読み予告演出(「保留球変化」以外の演出態様の先読み予告演出)が実行されて、その入賞時判定の対象となった変動表示の開始時に先読み予告実行中フラグがリセットされる(その入賞時判定の対象となった変動表示中には先読み予告演出は行われない)。なお、その入賞時判定の対象となった変動表示中においても、先読み予告演出を実行するようにしてもよく、この実施の形態では、「射撃」の演出に関しては、その入賞時判定の対象となった変動表示中及び停止図柄の導出表示中においても、実行するようにしている。
次いで、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(S8317)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図38のS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S8318)。
図53は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(S1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(S1903)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(S1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(S1907)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(S1908)。ここで本実施形態では、ラウンド中の背景画面として、高確率状態背景継続カウンタの値に基づいて高確率/高ベース状態に応じた背景画面を設定する。即ち大当り遊技状態開始前の背景画面が高確率/高ベース状態に応じた背景画面であれば、ラウンド中もその背景画面を継続して表示するようにする。
さらに当該背景画面に対して連チャンカウンタ及び高確率状態背景継続カウンタの値に応じた表示を設定する(S1908A)。なお、本例では、連チャンカウンタの値は、高確率状態において大当りが発生した場合に更新されるようにしているので、連チャン回数をカウントする基点となる通常状態における大当り(所謂初当り)は連チャンカウンタの値には含まれていない。従って、本例では連チャンカウンタの値+1(初当り分)を連チャン回数1400として表示するようにしている。このように、ラウンド中の画面に連チャン回数を表示するようにすることで遊技に対する興趣を向上させるようにしている。
図54は、ラウンド演出中の画面上部に表示されるランク1500を決定するためのテーブルであり、連チャンカウンタ及び高確率状態背景継続カウンタの値に基づいてランクが決定される。この例では、連チャンカウンタが4のときの高確率状態背景継続カウンタ値が80以下のときには最上級者、81〜120のときには上級者、121以上のときには中級者とランク付けされる。即ち連チャン回数5回に至るまでの変動数が少ないほど上位にランクされる。図54の例では、上級者とランクされている。このように、連チャンカウンタ及び高確率状態カウンタの値に応じてランク付けを行うようにしているため、背景画面以外の要素によっても興趣を向上させ、遊技者を飽きさせないようにしている。また、連チャン回数が同一の場合であっても高確率状態背景継続カウンタ値に応じてランクを異ならせるようにすることで興趣を向上させるようにしている。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(S1909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に設定する(S1910)。
図55は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(S880)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S881)。なお、演出期間計測タイマは、例えば、ラウンド中処理(S805参照)において、エンディングコマンドの受信を確認したことにもとづいてセットされる。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(S881のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S882)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27の制御を実行する(S883)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(S884のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S884のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S885)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(S886)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(S881のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(S888)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S889)。
次に、高ベース時の超短縮変動の演出態様の具体例について説明する。図56及び図57は、高ベース時の超短縮変動の演出態様の具体例を示す説明図である。図56及び図57に示す高ベース時の超短縮変動の演出態様の具体例は、「射撃」の演出態様である。なお、図56及び図57において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。図56及び図57に示す例では、第2始動入賞口13bへの始動入賞に対して入賞時判定を行い、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに予告演出を行う場合を示している。
図56に示す例では、まず、図56(1)に示すように第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、第2始動入賞口13bに始動入賞(超短縮変動で大当りとなることを示すコマンドの記憶)があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(S1228参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S1229,S1230参照)。また、同じ割り込み内で、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶情報としての第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信し(S1231,S1232参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示(本例では、第2通常表示)を1増やす(S6022参照)。なお、「射撃」の予告演出における射撃数(表示されるターゲットに残る弾痕数)は、例えば、予告演出の実行を決定したときの合算保留記憶数とすればよい。ここで、射撃演出を実行可能な所定数(本例では4)の保留記憶があることを条件に、「射撃」の予告演出を決定可能としている。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図56(1)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を4つから1つ減らし(S662A参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1回目の変動に対応して図44(a)に示すように1発目の弾丸が発射され、演出表示装置9の表示画面において表示されている射撃のターゲット1500に対して弾丸が軌跡を描く動画が表示される(S8108参照)。このとき演出図柄は演出表示装置9の右下に小さく表示されるものとする。
このターゲット1500の中心部には「当」と表示され、この中心部に当たれば(弾痕が残れば)大当りが発生することを示している。このターゲット1500が表示されている期間(射撃演出が実行されている期間)は、演出図柄の変動表示は全て超短縮変動となっているため、通常状態と同様に演出図柄の変動表示を行っても遊技者は演出図柄が変動していることを把握することが困難である。そのため、変動表示毎(保留記憶の消化毎)にターゲット1500に弾痕を残して遊技者に対して変動表示の実行(保留記憶の消化)を把握しやすいようにしている。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1発目の弾丸がターゲット1500に着弾して弾痕が表示され演出が終了する前に、2回目の変動に対応して図44(b)に示すように2発目の弾丸が発射され、ターゲット1500に対して弾丸が軌跡を描く動画が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から最も遠い位置(最外周)に「1発目」の弾痕を表示した後(S8108参照)、図56(2)に示すように、最終停止図柄(図56(2)でははずれ図柄)を停止表示する(S8302参照)。なお、図56(1)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図56(2)に示すように、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。また、図56(2)には、ターゲット1500に着弾前の2発目および3発目の弾丸を図示していないが、図44(b)と同様に2発目および3発目の弾丸が表示されるものとする。図56(3)(4)についても3発目および4発目の弾丸は図示を省略している。
ここで表示される「1発目」の弾痕は、ターゲット1500の中心から離れていることから、遊技者は大当りが発生しないことを把握できる。ターゲット1500に表示する弾痕の位置に関しては、ターゲット1500の中心と弾痕との距離が「1発目」、「2発目」、「3発目」の順序で近くなるように、演出制御用マイクロコンピュータ100が、弾痕の座標を決定する。具体的な座標は所定の乱数に基づいて決定するようにしても良いし、予め定めたパターンに基づいて決定するようにしても良い。そして、「4発目」に対応する表示結果が大当りである場合には、ターゲット1500の中心に弾痕を表示することを決定し、はずれである場合には、ターゲット1500の中心から外れた位置(例えば所定の乱数や予め定めたパターンに基づいて決定される)に弾痕を表示することを決定する。また、一旦、「射撃」演出が実行されると「1発目」、「2発目」、および「3発目」の弾痕は「4発目」の弾痕が表示されるまで継続して表示される。
先読み予告演出を行なう以外の場合、ターゲット1500の中心から離れた段階が選択される割合が高くなるようにデータが設定されているテーブル(図40のS6008で参照される通常射撃演出選択テーブル)に基づいてランダムに「射撃」演出が実行されている。しかし、先読み予告演出を行なう場合、S6006で先読み用演出選択テーブルを用いて、先読み射撃演出パターンを設定し、例えば、以下に説明するように「1発目」、「2発目」、「3発目」、「4発目」の弾痕が順にターゲット1500の中心に近づける演出パターンを実行する(図44、図56参照)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(S662A参照)、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から2番目に近い位置に「2発目」の弾痕を表示した後(S8108参照)、図56(3)に示すように、最終停止図柄(図56(3)でははずれ図柄)を停止表示する(S8302参照)。なお、図56(3)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行され、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(S662A参照)、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から最も近い位置に「3発目」の弾痕を表示した後(S8108参照)、図56(7)に示すように、最終停止図柄(図56(4)でははずれ図柄)を停止表示する(S8302参照)。なお、図56(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行され、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(S662A参照)、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心に「4発目」の弾痕を表示すると共に(S8108参照)、ターゲット1500の中心を打ち抜いたことを遊技者に報知する(即ち大当りを報知する)「命中!」のメッセージを表示する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図56(5)に示すように、最終停止図柄(図56(5)では大当り図柄)を停止表示する(S8302参照)。なお、図56(5)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行され、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
即ち、図56(4)に示したように、最終停止図柄(図56(4)でははずれ図柄)を停止表示した後(S8302参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信して、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1減らし(S662A参照)、次の演出図柄の変動表示を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄の変動表示中にターゲット1500の中心から外れた位置に「4発目」の弾痕を表示すると共に(S8108参照)、ターゲット1500の中心を打ち抜けなかったことを遊技者に報知する(即ちはずれを報知する)「残念」のメッセージを表示する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図57(5a)に示すように、最終停止図柄(図57(5a)でははずれ図柄)を停止表示する(S8302参照)。なお、図57(5a)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行され、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
このように高ベース状態に伴って超短縮変動が所定数(この例では4)以上連続して発生する場合には、通常状態と同様に演出図柄の可変表示を提示したのでは、遊技者が可変表示を認識しがたく、保留記憶の消化状況を把握することが困難である。本実施形態では、可変表示の実行毎(保留記憶の消化毎)に、画面に表示したターゲット1500の異なる位置に弾痕を表示するようにしているため、遊技者はこのターゲット1500に注目していれば、弾痕の増加によって可変表示の実行を把握することができる。また、遊技者は、1発目、2発目、3発目と、弾痕が徐々に中心に近づくにつれて大当りの期待を抱くようになり、先読み予告の対象となった変動(4発明)において、ターゲット1500の中心が打ち抜かれるか否かに注目すれば良くなる。このように大当りとなる条件を視覚的に提示することで、遊技者の混乱を防止している。
このように、超短縮変動が連続する期間においては、複数列の演出図柄に注目させるのではなく、ターゲット1500上の異なる位置に表示される弾痕に注目させる演出を実行することで、可変表示の実行を視覚的に把握し易くしている。また、大当りが発生するか否かの示唆に関しても、先読み予告の対象となる前の保留記憶を消化しつつ弾痕がターゲット1500の中心位置に近づく(即ち徐々に大当りの条件に近づく)演出態様とすることで、遊技者の期待感を煽り、興趣を向上させている。
[変形例]
上記の実施形態では第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの双方が、第1表示部(LED403,405)と第2表示部(7セグメントLED404,406)により構成される例について説明したが、高ベース状態では右打ちが実行されて、第2始動入賞口13bに始動入賞するようになるため、第2特別図柄表示器8bについてのみ、第1表示部(LED405)と第2表示部(7セグメントLED406)により構成されるようにしても良い。同様に、第4図柄表示領域についても、第2特別図柄の変動に対応する第4図柄表示領域のみ、第1表示部(9c)と第2表示部(9d)から構成されるようにしても良い。
上記の実施形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄の可変表示中は、LED403,405が点滅する例について説明したが、これに限らず、7セグメントLED404、406とは別の7セグメントLEDを設けておき、可変表示中はその7セグメントLEDの各セグメントをリレー式に点灯するようにしても良い。また、小数点付きの7セグメントLEDによって第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを構成するようにして、可変表示中は小数点部分(DP)を点滅状態とし、表示結果の導出表示期間は、表示結果に応じて7セグメント部分の所定セグメント(例えば大当りであれば9、はずれであれば−を構成するセグメント)を点灯させるようにしても良い。このようにすることで、可変表示部と停止図柄表示部で複数の部品を組み合わせる必要がなく、構成及び制御が簡素化される。
上記の実施形態では、普通図柄表示器10において、普通図柄の可変表示中は、LED401が点滅する例について説明したが、これに限らず、7セグメントLEDを設けておき、可変表示中はその7セグメントLEDの各セグメントをリレー式に点灯するようにしても良い。また、表示結果をLEDの点灯(当りの場合)又は消灯(はずれの場合)によって示さずに、当りのときには赤色LEDを点灯させ、はずれのときには青色LEDを点灯させるようにしても良い。
上記の実施形態では、「射撃」態様の先読み予告演出において、変動毎に弾痕がターゲット1500の中心位置に近づき、最終的にターゲット1500の中心に弾痕が表示されると大当りとなる例について説明したが、これに限らず、例えば、水平方向に平行な大当りラインを表示するようにして、変動毎に大当りラインに近づくように弾痕が表示され、最終的に大当りラインを超えた位置に弾痕が表示されれば大当り、大当りラインを超えなければはずれとなるような演出を実行するようにしても良い。また、例えば、弾痕によって絵を描くようにして、最終的に絵が完成する(例えば星印になる)と大当りとなり、完成しなければはずれとなるような演出を実行しても良い。
上記実施形態では、AMMデコーダ714が、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)を有しているが、これら以外の再生チャンネルを設けてもよい。
また、上記実施形態では、チャンネルAとチャンネルBとで交互に切替えているが、それに限定されるものではなく、例えば、チャンネルA→チャンネルB→チャンネルC→チャンネルAのように、3以上のチェンネルを循環して切換えてもよい。要するに、先行する変動音と後続の変動音とで一部重複する場合にその重複する各変動音を別々のチャンネルで発音するようにチャンネルを切替え制御すれば、どのような切替え制御でもよい。
上記実施形態では、可変表示手段の一例として第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを設け、表示手段の一例として演出表示装置9を設けているが、可変表示手段(第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8b)と表示手段(演出表示装置9)とを1つの表示装置で兼用構成してもよい。
上記の内容は表示領域A,Bの切替え制御にも同様に適用できる。つまり、切替わる表示領域はA,B2種類に限らず、それら以外の表示領域C,D,E・・・を設けてもよい。そして、表示領域A→表示領域B→表示領域C→表示領域Aのように、3以上の表示領域を循環して切換えてもよい。要するに、先行する演出画像と後続の演出画像とで一部重複する場合にその重複する各演出画像を別々の表示領域で表示するように表示領域を切替え制御すれば、どのような切替え制御でもよい。
高ベース状態において先読み演出時と先読みしないときの演出時とで、変動音および演出画像(射撃演出)の少なくとも一方を異なるものにしてもよい。その異なる態様としては、1回の変動のみ異ならせてもよく、また複数回の変動に亘って異ならせてもよい。
また、先読み演出時に実行する変動音および演出画像(射撃演出)の決定方法として、複数種類の変動音および演出画像をテーブルに記憶させ、ランダムカウンタの抽出値(乱数)を用いて所定の振分け確率で選択決定するように制御してもよい。例えば、図40(b)の「先読み射撃する」を複数種類の画像演出パターン(先読み射撃1、2、3、・・・)に細分化し、それぞれの先読み射撃に乱数照合用の数値範囲を設定記憶させ、抽出乱数がどの数値範囲に属するかに応じて実行する先読み射撃の画像演出パターンを選択決定する。変動音も同様に、複数種類の変動音1、2、3、・・・に細分化したものをテーブル記憶し、それぞれの変動音に乱数照合用の数値範囲を設定記憶させ、抽出乱数がどの数値範囲に属するかに応じて実行する変動音の音パターンを選択決定する。
その際、どの画像演出パターンや変動音が実行されるかに応じて大当りの期待度を異ならせるように制御してもよい。具体的には、前述のテーブル記憶させる複数種類の画像演出パターンや変動音の中に特別な画像演出や特別な演出音を含め、それらテーブルを大当り先読み決定時(保留記憶内に大当りに相当する乱数値が存在する場合)に参照される第1テーブルとはずれ決定時に参照される第2テーブルとの2種類用意し、特別な画像演出や特別な演出音の乱数照合用の数値範囲を、第2テーブルに比べて第1テーブルの方を大きな数値範囲に設定記憶させる。
さらに、実行される画像演出パターンと変動音との組合せ種類に応じて大当りの期待度が異なるようにしてもよい。